JP5282192B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、発射された遊技球が始動口に入球すると当否乱数の値を抽出し、該抽出した当否乱数の値による抽選で当選した場合に大当り遊技を行うパチンコ遊技機において、遊技球の動きによって前記抽選の結果に期待を抱かせる演出を行うパチンコ遊技機に関するものである。
従来、パチンコ遊技機は、遊技盤面上に普通図柄抽選を行うための普通図柄始動手段(普通図柄作動ゲート)、普通図柄抽選の抽選結果を報知する普通図柄表示装置、普通図柄抽選が当たった際に開放される所定入賞口、該所定入賞口内に設けられ特別図柄抽選を行うための特別図柄始動手段(特別図柄始動口)、特別図柄抽選の抽選結果を報知する特別図柄表示装置、特別図柄抽選が当たったことで開放される大入賞口を備えた構成であり、一般に特別図柄抽選が当たったことで開始される遊技を大当り遊技と称しており、所定の大当りの終了後には特別図柄抽選の抽選確率が高く設定された高確率遊技状態(普通図柄抽選の抽選確率も高くなる機種もある)、普通図柄抽選が当たったことによる特別図柄始動口の開放時間が延長された開放延長状態、特別図柄、普通図柄の変動時間が短縮される時間短縮状態(時短状態)になる。なお、高確率遊技状態になっているときには開放延長状態、時間短縮状態にもなっている構成が多い。
また、大当り遊技の種類は、大当り遊技が終了したあとに高確率遊技状態、開放延長状態、時間短縮状態になる、通称、確変大当り。大当り遊技が終了したあと開放延長状態、時間短縮状態となる、通称、通常大当り。大当り遊技終了後に高確率遊技状態、開放延長状態、時間短縮状態になるが大入賞口の開放回数が少ない(例えば2回)うえ、その開放時間も短い通称、突確大当りなど複数種類の大当りが存在し、その大当りの種類は特別図柄で報知されている。一方、普通図柄の抽選での当りは2種類であり、通常遊技中に普通図柄抽選で当れば例えば0.5秒間、開放延長遊技中に普通図柄抽選で当れば例えば4秒間、特別図柄始動口が開放される構成になっている。
なお、特別図柄はLEDや7セグなどで小さく表示され、遊技者に抽選結果に期待を抱かせることが難しので、液晶表示装置などの大きな表示装置にて、特別図柄の擬似演出として擬似図柄を表示させることにより遊技者に抽選結果に対して期待を抱かせている。
また、最近のパチンコ遊技機は、取得した(記憶した)乱数値が特定の値(例えば当り値と同じ値であった場合など)であった場合、その取得した(記憶した)乱数値に対しての抽選結果を報知する特別図柄の変動開始よりも数個前に既に記憶されている乱数値に対しての抽選結果を報知する特別図柄の変動が行われている最中から、前記特定の値に対しての抽選結果を報知する特別図柄の変動中まで液晶表示装置にて連続する表示(関連する表示)を行うことで、早い段階から遊技者に取得した(記憶した)乱数値が期待が持てるものであることを報知するパチンコ遊技機が増えている。このような構成にすることで、遊技者は抽選結果が報知される特別図柄の変動よりも前の特別図柄の変動から期待感が湧き、連続する表示が続けば続くほど期待感が増していくので、1回の変動だけ(その変動だけ)で期待感を持たす演出よりも遊技者は大きな期待を抱くことになる。
具体的に説明すると、例えば、取得していた乱数値が2個存在していた場合(分かりやすいように1番記憶された時期が古い乱数値をA、2番目に古い時期に記憶された乱数値をBと称する)において、新たに取得した(記憶された)乱数値(この乱数値をCと称する)が特定の値であった場合、乱数値Aの抽選結果を示す特別図柄の変動中に液晶表示装置にて特定のキャラクタを表示し、乱数値Bの抽選結果を示す特別図柄の変動中に液晶表示装置にて前記特定のキャラクタを2個(2人)を表示し、乱数値Cの抽選結果を示す特別図柄の変動中に特定のキャラクタを3個(3人)表示させてから大当りを示す図柄を表示するなどである。遊技者はキャラクタが連続して表示され、さらに数が増して表示されていくので、この連続表示が続いて欲しいと願うことになり、多く連続表示が続けば、抽選結果に対して大きな期待感を抱く。
上記したように最近のパチンコ遊技機は液晶表示装置に機種毎で独自の表示を行って遊技者に抽選結果に対しての期待を抱かせている。しかし、いくら機種毎で異なる表示を行っても所詮表示内容が異なるだけであるので遊技者はどの機種で遊技をしても同じようなパチンコ遊技機と感じてしまい、物足りなさを感じているのが実情である。
なお、パチンコ遊技機は本来、発射された遊技球が予測できない動きをするところに面白さがあり、その遊技球の動きと液晶表示装置による表示で遊技者が抽選結果に期待を抱くような演出を行うパチンコ遊技機の構成が開示されている。
特許文献1である特開2006−239251号公報には、進入口から進入した遊技球を始動口(入賞口)又は非入賞口に振分けるとともに始動口及び非入賞口に入球した遊技球を貯留し、抽選結果をその導出表示以前に決定する事前決定手段の決定により貯留を解除するようにし、放出された遊技球が特定の領域に進入することで抽選結果に期待を抱かせる構成が開示されている。なお、制御方法としては抽選結果が当選であった場合に放出された遊技球が特定の領域に進入するように可動物を可動させる構成になっている。また、事前決定手段とは、抽選結果を報知する特別図柄の変動開始直前に、その変動を開始するための抽選を行う手段である。
特許文献2である特開2008−119275号公報には、始動口に入球した遊技球を役物内で貯留し、表示装置による表示が発展型のリーチ演出表示に進んだ際、その後の演出を役物の動きと貯留から開放された遊技球の動きにより抽選結果を報知するパチンコ遊技機の構成が開示されている。
特許文献3である特開2008ー206607号公報には、始動口に入球した遊技が進入する遊技領域とは隔離された擬似領域と、擬似領域に入球した遊技球が進入可能な擬似入賞口を備え、擬似領域に進入した遊技球を擬似遊技球として一旦貯留し、貯留が解除された擬似遊技球が擬似入賞口に入球した数と同一回数分、一節の表示演出を行うパチンコ遊技機が開示されている。
特開2006−239251号公報 特開2008−119275号公報 特開2008−206607号公報
上記したように従来のパチンコ遊技機は遊技者に抽選結果に対して表示装置に表示される演出表示だけで期待を抱かせているので他のパチンコ遊技機との差別化が難しく、遊技者はどのパチンコ遊技機で遊技を行っても同じと感じてしまい、面白みに欠けるといった課題がある。そのような課題を解決するために特許文献1、2,3といった構成のパチンコ遊技機が開示されている。
特許文献1、2、3に記載するように抽選結果に期待を抱かせる演出として表示装置による表示だけではなく、遊技球の動きによる演出も加えることで、趣向性が増し、遊技者が楽しめるパチンコ遊技機になるので上記課題は解決できる。
しかし、遊技者に期待感を抱かせたい変動中のみに遊技者に遊技球の動きを利用して期待感を抱かせる演出は可能だが、上記したような複数回の特別図柄の変動に跨って遊技者に、より大きな期待感を抱かせる演出は、どうしても表示装置による表示でなければ実現出来なかった。
上記したような複数回の特別図柄の変動に跨って遊技者に、より大きな期待感を抱かせる演出は、その演出の開始から継続して同じような演出をしなければならないほか、演出が継続するにつれて、その演出の内容が大きく(激しく)ならないと、効果が十分に発揮できない。よって、液晶表示装置による表示の演出や制御可能な可動体を可動させる演出で行うことは出来るが、遊技者が発射した遊技球の動きは予測(制御)が出来ないので複数回の特別図柄の変動に跨って遊技者に、より大きな期待感を抱かせる演出は出来ない(発射された遊技球ではなく、予めパチンコ遊技機に備え付けられた偽物の遊技球を使用すれば可能)。
本発明は、上記したような遊技者に抽選結果に対して期待感を抱かせる演出が表示装置のみによって行われることで遊技者が、どのパチンコ遊技機で遊技しても同じに感じてしまうという課題と上記したような複数回の特別図柄の変動に跨って遊技者に、より大きな期待感を抱かせる演出に遊技者によって発射された遊技球を利用することが出来なかったという課題(抽選結果を遊技球の動きにより期待感を抱かせる技術と複数回の特別図柄の変動に跨って遊技者に抽選結果に対して期待感を抱かせる技術を組み合わせることが出来なかったという課題)を解決するために考え出されたものである。
なお、特許文献1である特開2006−239251号公報に記載された事前決定手段とは、段落0009、段落0147に記載するように抽出した乱数値の抽選結果を報知する特別図柄の変動開始直前に判断する手段である。つまり、従来のパチンコ遊技機同様に今から変動が開始されるものについて大当り判断(事前決定手段により)が行われ、その大当り判断の結果に応じて予告演出を行うか否かを決定する構成である(つまり、特許文献1の事前決定手段は本発明の特別図柄抽選手段に該当する)。
また、特許文献3である特開2008−206607号公報に一節の演出を数回分行うことが記載されているが、これは、一つの変動の中で複数回の変動が行われているようにした演出であり、上記した複数回の特別図柄の変動に跨って行う演出とは異なる。
請求項1に記載の発明は、
乱数値を取得するための普通図柄作動スイッチと、
該普通図柄作動スイッチに遊技球が検出されたことにより取得した前記乱数値を記憶する普通図柄保留手段と、
該普通図柄保留手段により記憶された前記乱数値によって当否を判定する普通図柄判定手段と、
該普通図柄判定手段による判定結果を普通図柄の変動を経て確定表示することで報知する普通図柄表示装置と、
前記普通図柄判定手段による判定が当選した場合に所定入賞口が所定回数開放される普図当り遊技状態に移行させる普図当り遊技実行手段と、
複数種類の乱数値を取得するための始動口スイッチと、
該始動口スイッチに遊技球が検出されたことにより取得した前記複数種類の乱数値を記憶する特別図柄保留手段と、
該特別図柄保留手段により記憶された前記複数種類の乱数値の一つである当否乱数によって当否を判定する特別図柄判定手段と、
該特別図柄判定手段による前記特別図柄保留手段に記憶された前記当否乱数の判定結果を特別図柄の変動を経て確定表示することで報知する特別図柄表示装置と、
前記特別図柄判定手段による判定が当選した場合に大入賞口が所定回数開放される特別遊技状態に移行させる特別遊技実行手段と、
前記特別遊技状態の終了後に前記普通図柄又は/及び前記特別図柄の変動時間が短縮された変動時間短縮状態に移行させる変動時間短縮手段と、
前記特別遊技状態の終了後に前記所定入賞口の開放時間が長い開放延長状態に移行させる開放延長手段と、
前記特別遊技状態の終了後に前記特別図柄判定手段による当否判定で当選する確率が高く設定された高確率遊技状態に移行させる確率変動手段と、
前記普通図柄判定手段、前記普図当り遊技実行手段、前記特別図柄判定手段、前記特別遊技実行手段、前記変動時間短縮手段、前記開放延長手段、前記確率変動手段とを備えた主制御装置と、
該主制御装置から送られる前記特別図柄判定手段による判定結果を含む表示制御コマンドをもとに演出図柄表示装置にて前記特別図柄の擬似演出を表示させるための制御を行うサブ制御装置と、
を備えた弾球遊技機において、
前記始動口スイッチによって検出された遊技球(以後、用済み球と称する)が進入可能な先読み演出役物と、
該先読み演出役物内に進入した前記用済み球の貯留及び貯留の解除を行う貯留装置と、
該貯留装置の下流側に設けられた特定領域及び非特定領域と、
該特定領域に進入した前記用済み球を検出する特定領域検出手段と、
前記主制御装置に、前記特別図柄判定手段による当否の判定よりも先に前記特別図柄保留手段に記憶された前記当否乱数値が特定の値であるか否かを確認する当否乱数確認手段と、該当否乱数確認手段によって確認された当否乱数値又は前記当否乱数確認手段の確認結果、を示す先読み演出許可信号を前記サブ制御装置に送信する先読み演出許可信号送信手段と、を備え、
前記サブ制御装置に、前記当否乱数確認手段に確認された前記当否乱数値が前記特別図柄判定手段による当否の判定が行われる前に、前記確認された当該当否乱数値についての演出(以後、先読み演出と称する)を行うか否かを決定する先読み演出実行決定手段と、
前記先読み演出を前記先読み演出役物を利用した演出にするか否かを決定する先読み演出内容決定手段と、を備え、
前記先読み演出役物を利用した先読み演出は、前記先読み演出実行決定手段にて前記先読み演出を行うことが決定された前記当否乱数値が前記特別図柄保留手段に記憶される以前から前記特別図柄保留手段に記憶されている前記当否乱数値についての前記特別図柄判定手段による当否判定の結果を示す特別図柄の変動開始又は変動中に前記貯留装置による前記用済み球の貯留を開始し、当該変動中の特別図柄の変動が終了しても前記貯留装置による前記用済み球の貯留を継続させ、前記先読み演出実行決定手段にて前記先読み演出を行うことが決定された前記当否乱数値についての前記特別図柄判定手段による当否判定の結果を示す特別図柄の変動中に前記貯留装置による貯留を解除して貯留されている複数の前記用済み球を一斉に流出させ、流出された前記用済み球が前記特定領域検出手段に検出されると、検出されたことを前記演出図柄表示装置により報知するようにしたことを特徴とする弾球遊技機である。
請求項1記載の発明は、普通図柄作動スイッチ始動口スイッチが弾球遊技機の全体の制御を司る主制御装置に接続されており、それぞれの検出手段から遊技球を検出したことを示す信号が主制御装置に入力される。主制御装置は遊技球を検出した信号が検出手段から入力されると、入力されたことに起因して取得した乱数の値を一旦記憶し、該記憶した乱数の値により当否判定を行う。また、普通図柄表示装置、特別図柄表示装置も主制御装置に接続されており、それぞれの図柄(普通図柄、特別図柄)を表示させる。
特別図柄始動手段が遊技球を検出した際に取得される複数の乱数値は当否乱数(大当り判定用乱数)の値ほか、特別遊技状態の種類を決定するための大当り図柄決定用乱数の値、遊技者に大当り(特別遊技)を期待させるためのリーチ演出を行うか否かを決定するためのリーチ判定用乱数の値、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数と共に特別図柄の変動時間を決定するための変動パターン決定用乱数の値などが考えられる。
特別遊技状態の種類としては、大入賞口の開放回数(ラウンド回数)の違い、大入賞口の開放時間の違い、大当り遊技(特別遊技)終了後に変化する遊技状態(高確率遊技状態、時間短縮状態、開放延長状態、通常遊技状態)の違い、及びこれらの組み合わせなどによって区別される。なお、高確率遊技状態に移行するときには同時に時間短縮状態、開放延長状態にも移行するのが好適であるが、高確率遊技状態が終了するときには時間短縮状態、開放延長状態も同時に終了する構成でもよいし、高確率遊技状態が終了しても時間短縮状態、開放延長状態は継続する構成にしてもよい。なお、高確率遊技状態時では特別図柄抽選手段による当否抽選で当選する確率が高くなるだけでなく普通図柄抽選手段による当否抽選で当選する確率も高くなるようにしてもよい。
また、高確率遊技状態に移行しなくても時間短縮状態に移行すれば同時に開放延長状態に移行し、時間短縮状態が終了すれば開放延長状態も終了する構成が好ましい。このような大当り遊技(特別遊技)終了後に移行する各種状態の違いも大当り遊技(特別遊技)の種類の違いとし、これらを含む大当り遊技(特別遊技)の種類は確定表示される特別図柄(大当り図柄)にて決定する構成が好ましい。
主制御装置は特別図柄抽選手段による抽選結果、特別図柄の変動時間を示す情報が含まれた表示制御コマンドをサブ制御装置に送信し、表示制御コマンドを受信したサブ制御装置は特別図柄の擬似演出を特別図柄の変動時間と同じ複数の擬似演出の中より一つ選択して演出図柄表示装置にて選んだ擬似演出(擬似図柄)を表示させる。
また、請求項1記載の発明は始動口スイッチによって検出された遊技球が進入可能な先読み演出役物を備えている。始動口スイッチによって検出された遊技球は検出に起因して複数種類の乱数値が取得されるので、検出後の遊技球は役目が終了したことになり、通常はパチンコ遊技機の裏に取り込まれる。本発明は、その役目が終了した遊技球(用済み球)が進入可能な先読み演出役物を備えている。なお、始動口スイッチに検出された全ての遊技球が先読み演出役物に進入する構成でもよいし、始動口スイッチに検出された遊技球のうち所定条件に一致した(クリアした)遊技球のみ先読み演出役物に進入することができる構成にしてもよい。
先読み演出役物内には先読み演出役物に進入した用済み球を貯留及び貯留を解除する貯留装置が設けられているほか、貯留装置の下流側に貯留装置が解除されたことで流出された用済み球が進入する特定領域及び非特定領域が設けられている。なお先読み演出役物に進入した用済み球は必ず最終的には特定領域か非特定領域に進入する構成になっている。また、貯留装置と特定領域及び非特定領域の間に振分装置を設けて、貯留装置から流出した用済み球が振分装置により特定領域か非特定領域に振分けられる構成にしてもよい。また、特定領域には進入した遊技球を検出する特定領域検出手段が設けられているが、非特定領域にも進入した遊技球を検出する非特定領域検出手段を設けている。
また、主制御装置には、特別図柄保留手段に記憶された乱数値(当否乱数値である大当り判定用乱数値)における特別図柄抽選手段による当否の抽選よりも先に特別図柄保留手段に記憶された複数の乱数値のうち少なくとも当否乱数値(大当り判定用乱数値)が特定の値(例えば大当りになると定められた値)であるか否かを確認する当否乱数確認手段と、当否乱数確認手段によって確認された当否乱数値又は当否乱数確認手段の確認結果を示す先読み演出許可信号をサブ制御装置に送信する先読み演出許可信号送信手段とが備えられている。なお、当否乱数確認手段によって確認する乱数は大当り判定用乱数値のほか、前記した大当り図柄決定用乱数値、リーチ判定用乱数値、変動パターン決定用乱数値なども確認する構成にしてもよい。また、当否乱数確認手段は現在の遊技状態(通常確率遊技状態又は高確率遊技状態)や、確認した大当り判定用乱数が抽選されるときの遊技状態(通常確率遊技状態又は高確率遊技状態)も参考に確認する構成が好適である。
また、当否乱数確認手段にて、大当り判定用乱数値以外の記憶された乱数値(大当り図柄決定用乱数値、リーチ判定用乱数値、変動パターン決定用乱数値)も確認する構成にした場合には、当然にそれらの値又はそれらの確認結果を示す内容を先読み演出許可信号に含ませる。
なお、特別図柄抽選手段による当否の抽選時期は、抽選結果を示す特別図柄の変動開始直前であり、当否乱数確認手段の確認時期は取得した乱数値が特別図柄保留手段によって記憶された直後である。よって、主制御装置は表示制御コマンド(当否乱数確認手段が確認した当否乱数値についての特別図柄抽選手段による抽選結果が含まれた表示制御コマンド)よりも先に先読み演出許可信号をサブ制御装置に送信することになる。
なお、当否乱数確認手段の確認は特別図柄保留手段によって取得された乱数値が記憶される毎に必ず行われるのが好適であるが、先読み演出許可信号送信手段による先読み演出許可信号の送信は当否乱数確認手段が確認した毎に必ず行う構成にしなくてもよい。つまり、当否乱数確認手段の確認結果に応じて先読み演出許可信号を送る場合と送らない場合を設けてもよい。
また、サブ制御装置には、先読み許可信号をもとに当否乱数確認手段が確認した当否乱数値についての演出を当否乱数確認手段が確認した当否乱数値が特別図柄抽選手段によって当否の抽選を行う前に行うか否かを決定する先読み演出実行決定手段と、先読み演出実行決定手段が前記演出(先読み演出)を行うと決定した後に先読み演出を先読み演出役物を利用した演出にするか否かを決定する先読み演出内容決定手段を備えている。
先読み演出実行決定手段は当否乱数確認手段の確認結果だけでなく現在、特別図柄保留手段に何個の乱数値(大当り判定用乱数値)が記憶されているか否か、既に先読み演出が行われているか否かなども確認して先読み演出を行うか否かを決定する構成が好適である。また、先読み演出内容決定手段は現在の遊技状態を確認して先読み演出役物を利用した先読み演出を行うか否かを決定する構成が好適である。
なお、先読み演出役物を利用しない先読み演出としては、演出図柄表示装置による表示演出や特別図柄保留手段によって記憶されている乱数値の数を示す保留記憶表示装置による演出、遊技球の動きに影響を与えない可動役物を利用した演出などが考えられる。つまり、先読み演出内容決定手段が先読み演出役物を利用しないと決定した場合には、上記した先読み演出の種類の中より先読み演出が決定される。
先読み演出役物を利用した先読み演出は、先読み演出実行決定手段にて先読み演出を行うことが決定された当否乱数値が特別図柄保留手段に記憶される以前から特別図柄保留手段に記憶されている当否乱数値についての特別図柄抽選手段による当否抽選の結果を示す特別図柄の変動開始時又は変動中に貯留装置によって特別図柄始動手段によって検出された用済み球の貯留を開始する。よって、それ以前は用済み球は貯留装置に貯留されない構成が好適である。そして、先読み演出実行決定手段によって先読み演出を行うことが決定された当否乱数値についての特別図柄抽選手段による当否抽選の結果を示す特別図柄の変動中に貯留装置による貯留を解除して貯留されている用済み球を流出させる。流出された用済み球が特定領域検出手段に検出されると検出されたことが演出図柄表示装置にて報知される。なお、特定領域検出手段にて検出された用済み球の数を演出図柄表示装置にて表示させる構成にすれば、より趣向性が増す。
なお、非特定領域に用済み球が入球した場合には、何も報知しない構成が好適である。
また、特定領域と非特定領域の位置を遊技状態に応じて変更する構成にしてもよい。
なお、用済み球が特定領域に入球しても、特別図柄抽選に影響を及ぼさないほか、パチンコ遊技機の遊技状態(遊技者にとって有利又は不利な遊技状態)に何も影響を及ぼさない構成になっている。
請求項2に記載の発明は、
請求項1記載の弾球遊技機において、
前記始動口スイッチは、前記普通図柄判定手段による判定が当選した場合に開放される前記所定入賞口に入球した遊技球を検出するようにし、
前記先読み演出内容決定手段は、少なくとも現在の遊技状態が前記開放延長状態であることを条件に前記先読み演出役物を利用した先読み演出を行うと決定することを特徴とする弾球遊技機である。
請求項3に記載の発明は、
請求項1記載の弾球遊技機において、
前記始動口スイッチは、入球率が変化しない入賞口に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチと、前記普通図柄判定手段による判定が当選した場合に開放される前記所定入賞口に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチとがあり、
前記特別図柄保留手段には、前記第1始動口スイッチに遊技球が検出されたことにより取得した前記複数種類の乱数値を記憶する第1特別図柄保留手段と、前記第2始動口スイッチに遊技球が検出されたことにより取得した前記複数種類の乱数値を記憶する第2特別図柄保留手段とがあり、
前記特別図柄表示装置には、前記特別図柄判定手段による前記第1特別図柄保留手段に記憶された前記当否乱数値の判定結果を第1特別図柄の変動を経て確定表示することで報知する第1特別図柄表示装置と、前記特別図柄判定手段による前記第2特別図柄保留手段に記憶された前記当否乱数値の判定結果を第2特別図柄の変動を経て確定表示することで報知する第2特別図柄表示装置とがあり、
前記第1特別図柄表示装置又は前記第2特別図柄表示装置にて特別図柄が変動している場合には他方の特別図柄表示装置にて特別図柄は変動させないようにするとともに第1特別図柄保留手段及び第2特別図柄保留手段の双方に前記取得された当否乱数値が記憶されている場合には、前記第1特別図柄保留手段にて記憶されている当否乱数値よりも前記第2特別図柄保留手段にて記憶されている当否乱数値の判定結果を示す特別図柄の変動を優先するように設定し、
前記特別遊技状態には前記大入賞口の開放時間又は開放回数の異なる複数種類の特別遊技状態があり、前記第1特別図柄保留手段に記憶された前記当否乱数値が前記特別図柄判定手段による判定で当選した場合に行われる前記特別遊技よりも前記第2特別図柄保留手段に記憶された前記当否乱数値が前記特別図柄判定手段による判定で当選した場合に行われる前記特別遊技態のほうが、前記大入賞口の開放時間が長い又は前記大入賞口の開放回数が多い前記特別遊技が選択される確率を高く設定し、
前記先読み演出内容決定手段は、少なくとも前記先読み演出実行決定手段が演出を行うと決定した前記当否乱数値が前記第2始動口スイッチに遊技球が検出されたことにより取得されたものであることを条件に前記先読み演出役物を利用した先読み演出を行うと決定することを特徴とする弾球遊技機である。
請求項3に記載の発明は、第1特別図柄保留手段、第2特別図柄保留手段のそれぞれに記憶された乱数値は一番古い乱数の値から抽選を行うが、第1特別図柄保留手段、第2特別図柄保留手段の両方に乱数の値が記憶されている場合には第2特別図柄保留手段に乱数値が記憶される前に第1特別図柄保留手段に乱数値が記憶されていた場合でも第2特別図柄保留手段に記憶されている乱数値を優先に抽選する(優先に変動させる)構成になっている。
また、特別遊技状態の種類も複数種類あり、大入賞口の開放回数(ラウンド回数)の違い、大入賞口の開放時間の違い、大当り遊技(特別遊技)終了後に変化する遊技状態(高確率遊技状態、時間短縮状態、開放延長状態、通常遊技状態)の違い、及びこれらの組み合わせなどによって区別される。なお、高確率遊技状態に移行するときには同時に時間短縮状態、開放延長状態にも移行するのが好適であるが、高確率遊技状態が終了するときには時間短縮状態、開放延長状態も同時に終了する構成でもよいし、高確率遊技状態が終了しても時間短縮状態、開放延長状態は継続する構成にしてもよい。なお、高確率遊技状態時では特別図柄抽選手段による当否抽選で当選する確率が高くなるだけでなく普通図柄抽選手段による当否抽選で当選する確率も高くなるようにしてもよい。
また、高確率遊技状態に移行しなくても時間短縮状態に移行すれば同時に開放延長状態に移行し、時間短縮状態が終了すれば開放延長状態も終了する構成が好ましい。このような大当り遊技(特別遊技)終了後に移行する各種状態の違いも大当り遊技(特別遊技)の種類の違いとし、これらを含む大当り遊技(特別遊技)の種類は確定表示される特別図柄(大当り図柄)にて決定する構成が好ましい。
複数種類の特別遊技状態(大当り遊技状態)のうち、開放時間が長い又は開放回数(ラウンド数)が多い大当り遊技状態が選択される確率が第1特別図柄保留手段に記憶された乱数値が特別図柄抽選手段によって当選した場合に行われる大当り遊技よりも第2特別図柄保留手段に記憶された乱数値が特別図柄抽選手段によって当選した場合に行われる大当り遊技のほうが高く設定されている。なお、大当り遊技終了後に高確率遊技状態になる確率は第1特別図柄保留手段に記憶された乱数値が当選した場合に行われる大当り遊技と第2特別図柄保留手段に記憶された乱数値が当選した場合に行われる大当り遊技とで同じに設定するのが好ましい。
なお、上記の構成(第1特別図柄の抽選よりも第1特別図柄の抽選を優先し、第1特別図柄で大当りした場合に行われる大当り遊技状態よりも第2特別図柄で大当りした場合に行われる大当り遊技状態のほうが大当り遊技状態で得られる賞球数が多い大当り遊技が選択される確率を高くした構成)にしたことで、通常遊技状態中はあまり多くの賞球は得られないが、一旦、高確率遊技状態(開放延長状態)になると多くの賞球が得られる構成になる。つまり、遊技者と遊技店の利益バランスを保ったまま、メリハリのある面白い弾球遊技機になる。
請求項4に記載の発明は、
請求項1記載の弾球遊技機において、
前記始動口スイッチにより入球した遊技球が検出されない入賞口に入球した遊技球を前記先読み演出役物に誘導する誘導通路と、
該誘導通路に、当該入賞口に入球した遊技球を前記先読み演出役物に進入不能にするか進入可能にするかを切り換える切換え手段とを備え、
前記先読み演出内容決定手段にて前記先読み演出役物を利用して先読み演出を行うと決定されると、前記先読み演出実行決定手段にて先読み演出を行うことが決定された前記当否乱数値が前記特別図柄保留手段に記憶される以前から前記特別図柄保留手段に記憶されている当否乱数値についての前記特別図柄判定手段による当否判定の結果を示す特別図柄の変動開始又は変動中に前記切換え手段を、前記先読み演出役物への進入不能な状態から進入可能な状態に切り換えるようにしたことを特徴とする弾球遊技機である。
請求項4に記載の発明は、先読み演出演出役物に進入可能な遊技球が始動口スイッチに検出された遊技球(つまり、始動口に入球した遊技球)だけでなく、入球したことで賞球のみが払い出される入賞口(乱数値を抽出しない入賞口)(俗に言う普通入賞口)からも進入可能な構成である。なお、普通入賞口にも賞球を払い出させるために入球を検出する検出センサーが設けられており、その検出センサーに検出された後の遊技球が先読み演出役物に進入する。つまり、普通入賞口に入球して先読み演出役物に進入する遊技球も用済み遊技球と言える(逆に言えば先読み演出役物は用済み遊技球のみが進入可能な役物であると言える。)。しかし、常に普通入賞口に入球した遊技球が先読み演出役物に進入できるわけではなく、普通入賞口に入球した遊技球が先読み演出役物に進入するための誘導路には、普通入賞口に入球した遊技球を先読み演出役物に誘導するか否かを切り換える切換え手段が設けられており、切換え手段が先読み演出役物に誘導しないように切り換えられていた場合には、普通入賞口に入球した遊技球は弾球遊技機の裏に取り込まれる。そして、この切換え手段は通常は先読み演出役物に進入出来ないようになっており、先読み演出内容決定手段により先読み演出役物を利用して先読み演出を行うと決定された場合にのみ切換え手段は普通入賞口に入球した遊技球が先読み演出役物に進入可能になるように切り替わる。
なお、入球したことで先読み演出役物に進入可能な普通入賞口は一つだけでもよいが複数あったほうが趣向性が増す。
請求項1記載の構成は、当否乱数確認手段により特別図柄抽選手段による抽選よりも前に記憶された当否乱数(大当り判定用乱数)の値を確認し、その確認した当否乱数の値についての演出を先読み演出内容決定手段が先読み演出役物を利用して行うと決定すると、その確認した当否乱数(大当り判定用乱数)の値が記憶される以前より記憶されていた当否乱数(大当り判定用乱数)の値についての抽選結果を示す特別図柄の変動中に特別図柄始動手段に検出された用済み球を貯留装置で貯留を開始し、当否乱数確認手段にて確認した当否乱数(大当り判定用乱数)の値についての抽選結果を示す特別図柄の変動中に貯留装置の貯留を解除し、貯留されていた用済み球を流出させて特定領域又は非特定領域に進入させるようにするので、遊技者に期待感を与えたい特別図柄の変動よりも前の変動から徐々に貯留装置に用済み遊技球が貯留されていき、期待感を与えたい変動中に、その貯留されていた用済み遊技球が一気に流出されるので、今まで演出表示装置の表示装置しか出来なかった、複数回の特別図柄の変動に跨って期待感を持続させ、且つ継続すればするほど大きな期待感を与える演出と同じ効果が生じる演出が可能になる。しかも、パチンコ遊技機本来の面白さである遊技球の動きでその演出が行われるので、今までにない斬新で面白いパチンコ遊技機になる。
請求項2記載の構成では、普通図柄抽選手段による抽選で当選した場合に開放される所定入賞口に始動口スイッチを設け、現在の遊技状態が開放延長状態であることを条件に先読み演出役物を利用して先読み演出が行われる。開放延長状態中は所定入賞口の開放時間が長いので所定入賞口に多くの遊技球が入球する(多くの用済み球が貯留装置によって貯留されやすい)。請求項1記載の先読み演出役物を利用した先読み演出は貯留装置によって用済み球が多く貯留されるにつれ、効果も増していくので、先読み演出役物を利用して先読み演出を行うときが開放延長状態であれば、先読み演出役物を利用した先読み演出の効果が十分に発揮できる。
請求項3記載の構成では、上記したように遊技者と遊技店の利益バランスを保ちつつ、メリハリのあるパチンコ遊技機になる。しかし、この構成は第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選を優先して行う構成であるので、第1始動口スイッチが取得した乱数値について先読み演出役物を利用して先読み演出を行う場合、先読み演出中に第2特別図柄保留手段に取得した乱数値が記憶されてしまうと、第2特別図柄保留手段に記憶されている乱数値について優先して特別図柄抽選手段による抽選が行われるので、先読み演出が初めに予定していた回数よりも多くなってしまう(例えば、先読み演出を行うと決定された乱数値がハズレの値であったために、この先読み演出を行うと決定された乱数値にいての抽選結果を報知する1個前の特別図柄の変動中に先読み演出を行うと決めたにも係らず、この1個前の特別図柄の変動中に第2特別図柄保留手段に取得された乱数値が記憶されてしまうと、この第2特別図柄保留手段に記憶された乱数値の抽選結果を報知する特別図柄の変動中も先読み演出を行うことになり(第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選のほうが優先して行われるので)、結果的に先読み演出を行うと決定された乱数値についての抽選結果の報知である特別図柄の変動よりも2個前の特別図柄の変動中から先読み演出が行われたことになってしまう。つまり、先読み演出を決定した乱数値がハズレを示す値であったために、あまり、遊技者に期待を抱かせない先読み演出を実行しようと決めたのに、結果的には遊技者に大きな期待を抱かせる先読み演出になってしまう。)。また、第2特別図柄保留手段に記憶された乱数値が大当りとなる値であった場合には、先読み演出の途中にも係らず大当りが発生してしまい、先読み演出が意味のないものになってしまう。
しかし、第2始動口スイッチにより取得した乱数値について先読み演出役物を利用して先読み演出を行う場合、この先読み演出を行うと決定した乱数値が特別図柄抽選手段によって抽選される時期は変化しないので、設定通りの先読み演出が可能になる。また、予定外に特別図柄の変動が行われないので先読み演出の途中に大当りになることはなく先読み演出が意味のないものにはならない。
請求項4記載の構成では、第1始動口スイッチに検出された用済み球だけでなく、他の入賞口に入球した遊技球(検出済みの用済み球)も先読み演出役物に進入可能し、それらの全ての遊技球(用済み球)を利用して先読み演出を行うので、遊技球を使用した先読み演出の効果が著しく増すことになる。
パチンコ機50の正面図である。 遊技盤1の正面図である。 先読み演出役物90の説明図である。 パチンコ機50の裏面図である。 パチンコ機50の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置80が実行するメイン処理のフローチャートである。 主制御装置80が実行する始動入賞確認処理のフローチャートである。 主制御装置80が実行する特図当否判定処理のフローチャート(1)である。 主制御装置80が実行する特図当否判定処理のフローチャート(2)である。 主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート(1)である。 主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート(2)である。 主制御装置80が実行する特別遊技処理のフローチャート(3)である。 主制御装置80が実行するゲート通過確認処理のフローチャートである。 主制御装置80が実行する普図当否判定処理のフローチャート(1)である。 主制御装置80が実行する普図当否判定処理のフローチャート(2)である。 主制御装置80が実行する普図当り遊技処理のフローチャートである。 サブ制御装置(音声・ランプ統合制御装置83)が実行する先読み演出処理のフローチャートである。 サブ制御装置(音声・ランプ統合制御装置83)が実行する図柄変動開始処理及び図柄変動停止処理のフローチャートである。 実施例のパチンコ機50における各種乱数の説明図である。 実施例の普通図柄、特別図柄の一覧表である。 第1特別図柄の大当り図柄と対応する擬似図柄及び大当り遊技の種類を表した図である。 第2特別図柄の大当り図柄と対応する擬似図柄及び大当り遊技の種類を表した図である。 実施例のパチンコ機50における普通図柄、特別図柄の変動パターンの一覧表である。 実施例のパチンコ機50における第2特別図柄始動口14の開放パターンを表す図である。 先読み演出の流れを表したタイミングチャートである。 先読み演出時の先読み演出役物90の動きを表した説明図である。 先読み演出時に演出図柄表示装置6に表示される内容を表した説明図である。
次に、本発明の実施例等により発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は下記の実施例等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは言うまでもない。
図1に示すように、弾球遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。
外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図4に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。
また、内枠70にはヒンジ53とは異なる別のヒンジ54(図示省略)も設けられており、該ヒンジ54の他方側には前枠52が取り付けられており、前枠52は内枠70に対して開閉可能な構成になっている。
前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
前枠52の上側左右及び外枠51の下側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられているほか、パチンコ機50の異常状態を報知する球切れ表示LED36、下皿満杯表示LED37、異常状態報知LED38が設けられている。
前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
また、下皿63には、球抜きレバー68が設けられており、該球抜きレバー68を操作することで下皿63に溜まった遊技球を遊技店に備えられた別箱(通称ドル箱)に移すことが出来る。
下皿63の左側には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられており、遊技者が所定期間中に、該演出ボタン67を操作することで後述する演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカ66より出力される遊技音が変化する。
また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
また、発射ハンドル64の上方には、シリンダ錠69が設けられており、該シリンダ錠69に所定の鍵を挿入し、該鍵を、時計回りに回転させることで内枠70が開放され、反時計回りに回転させることで前枠52が開放される。
図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり疑似図柄を表示する。)の画面6aを臨ませる窓5a等を備えている。
センターケース5の向かって左横には普通図柄作動ゲート19が配置されている。
センターケース5の下方には、第1特別図柄始動口13と第2特別図柄始動口14が配置されている。
第1特別図柄始動口13は、いわゆるチャッカーであり、常時入球可能である。
第2特別図柄始動口14は電動チューリップであり、周知の電動チューリップと同様に開閉変化するが、上方に第1特別図柄始動口13があるために図示の閉鎖状態では遊技球を入球させることができない。しかし、遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過することに起因して普通図柄抽選(普図当否判定)が行われ、普通図柄抽選(普図当否判定)で当り、第2特別図柄始動口14の左側に設けられた普通図柄表示装置7に当りを示す普通図柄が確定表示されると第2特別図柄始動口14は開放されて入球容易になる(普図当り遊技が行われる)。
普通図柄表示装置7は7セグメントLEDで形成されており、普通図柄表示装置7の下方には4個のLEDからなる普通図柄保留記憶表示装置8が設けられている。この普通図柄保留記憶表示装置8は、遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過した際に抽出した乱数の値が記憶されている数を示すものであり、普通図柄が変動中に遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過すると、通過した際に抽出された乱数の値について抽選ができないので(普通図柄が既に変動しているため)抽出された乱数の値は一旦保留記憶される。そして本実施例ではその記憶が最大4個まで行われる構成になっている。
遊技球が第1特別図柄始動口13又は第2特別図柄始動口14に入球すると複数種類の乱数値を抽出し、抽出した乱数値の一つである大当り判定用乱数(当否乱数)の値によって抽選(特別図柄抽選、特図当否判定)が行われる。特別図柄抽選(特図当否判定)で当り、普通図柄表示装置7の上方に設けられた第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄始動口14の右側に設けられた第2特別図柄表示装置11に当りを示す特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)が確定表示されるとセンターケース5の上方に設けられたアタッカー式の大入賞口16が所定回数開放され遊技者に有利な状態である大当り遊技(特別遊技)が開始される。
なお、大入賞口16は大当り遊技中又は小当り遊技中にしか開放されず、通常遊技状態では大入賞口16に遊技球が入球不可能になっている。
また、遊技球が第1特別図柄始動口13に入球したことに起因して行なわれる特別図柄抽選(特図当否判定)の判定結果は第1特別図柄表示装置9に第1特別図柄を用いて報知され、遊技球が第2特別図柄始動口14に入球したことに起因して行なわれる特別図柄抽選(特図当否判定)の判定結果は第2特別図柄表示装置11に第2特別図柄を用いて報知される。第1特別図柄、第2特別図柄での報知方法は、変動表示が所定時間行われ、その後、決定されていた確定図柄を確定表示することで行われる。なお、第1特別図柄が変動中の間は新たに第1特別図柄は変動を開始しないことは当然ながら、第1特別図柄が変動中には第2特別図柄も変動しない。同じように第2特別図柄が変動中の間は新たに第2特別図柄は変動を開始しないことは当然ながら、第2特別図柄が変動中には第1特別図柄も変動しない構成になっている。また、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)が変動中には、特別図柄の擬似演出を行う擬似図柄が演出図柄表示装置6にて表示される構成になっているが、擬似図柄は1種類であり、第1特別図柄でも第2特別図柄でも同じ擬似図柄が表示される構成になっている。しかし、これに限るわけではなく第1特別図柄専用の擬似図柄、第2特別図柄専用の擬似図柄を設けた構成にしてもよい。
第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置11は2個の7セグメントLEDで形成されており、第1特別図柄表示装置9の下方には、4個のLEDからなる第1特別図柄保留記憶表示装置10が設置され、第2特別図柄表示装置11の下方には、4個のLEDからなる第2特別図柄保留記憶表示装置12が設置されている。この第1特別図柄保留記憶表示装置10は、遊技球が第1特別図柄始動口13に入球した際に抽出された乱数の値が記憶されている数を示すものであり、第2特別図柄保留記憶表示装置12は遊技球が第2特別図柄始動口14に入球した際に抽出された乱数の値が記憶されている数を示すものであり、どちらかの特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)が変動中に第1特別図柄始動口13又は第2特別図柄始動口14に入球すると、入球した際に抽出された乱数の値について抽選ができないので(第1特別図柄又は第2特別図柄が既に変動しているため)、抽出された乱数の値が一旦保留記憶される。当然に、第1特別図柄始動口13に遊技球が入球すれば第1特別図柄の保留記憶として記憶され、第2特別図柄始動口14に遊技球が入球すれば第2特別図柄の保留記憶として記憶される。本実施例では第1特別図柄、第2特別図柄で各々最大で4個ずつ保留記憶される構成になっている。
また、本実施例では、特別図柄の保留記憶されている値のうち最も古い値から先に抽選を行い、その結果を特別図柄の変動を行ってから報知する構成にしているが、第1特別図柄の保留記憶と第2特別図柄の保留記憶が存在していた場合には、その記憶された値のうち、第2特別図柄の保留記憶よりも第1特別図柄の保留記憶のほうが先に記憶されたものであった場合(古い記憶であった場合)でも第2特別図柄の保留記憶されている値を優先して抽選する構成になっている(第1特別図柄よりも第2特別図柄を優先して変動を行う構成、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選を優先して行う構成)。なお、上述したように、第2特別図柄の保留記憶が無い場合には第1特別図柄の保留記憶のうち最も古い記憶より抽選していき、第2特別図柄の保留記憶についても第2特別図柄の保留記憶のうち最も古い記憶より抽選していく構成になっている。
なお、上記のような構成(第2特別図柄の優先変動の構成、第2特別図柄の優先抽選の構成)にした理由は後述する。
第1特別図柄表示装置9の上方には左袖入賞口31が、第2特別図柄表示装置11の上方には右袖入賞口33が設けられ、左袖入賞口31の下方には左落し入賞口32が、右袖入賞口33の下方には右落し入賞口34がガイドレール2bに沿うように設けられている。なお、この左袖入賞口31、左落し入賞口32、右袖入賞口、右落し入賞口34は、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。
遊技領域3の最下部には、アウト口17が設けられており、発射された遊技球が遊技領域3に配置された各入賞口に入球しなかった場合には、このアウト口17に入り遊技球はパチンコ機50の裏側に回収される。
また、第2特別図柄表示装置11の下側には状態報知装置18が設けられている。
なお、詳細は後述するが状態報知装置18はLEDからなり、主制御装置80が制御する構成になっている。
また、遊技球が、第1特別図柄始動口13に入球すると3個、第2特別図柄始動口14に入球すると4個、左袖入賞口31、左落し入賞口32、右袖入賞口33、右落し入賞口34に入球すると10個、大入賞口16に入球すると15個の遊技球が賞球として払い出されるように設定されている。
また、センターケース5の下方であり、アウト口17の上方には、先読み演出役物90が設けられている。なお、この先読み演出役物90の詳しい説明は後述するが、第1特別図柄始動口13、第2特別図柄始動口14に進入した遊技球(第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aによって検出済みの遊技球)が先読み演出役物90の中に進入可能な構成になっているほか、先読み演出役物90の左右には左演出役物誘導通路91、右演出役物誘導通路92が設けられており、左袖入賞口31に入球した遊技球(左袖入賞口スイッチ31aによって検出済みの遊技球)が左演出役物誘導通路91を通って、右袖入賞口33に入球した遊技球(右袖入賞口スイッチ33aによって検出済みの遊技球)が右演出役物誘導通路92を通って先読み演出役物90に進入可能な構成になっている。この、左演出役物誘導通路91、右演出役物誘導路92は前面の位置が遊技盤1の前面の位置と同じであり、遊技盤の上方から流下してきた遊技球が左演出役物誘導通路91、右演出役物誘導通路92に接触して遊技球の流下方向を変化させることはない。また、左演出役物誘導通路91、右演出役物誘導通路92の前面は透明な樹脂部材で設けられており、左演出役物誘導通路91、右演出役物誘導通路92を通る遊技球が視認できるようになっている。
次に図3を使用して先読み演出役物90について説明する。
図3Aに記すように先読み演出役物90の上方には第1特別図柄始動口13、第2特別図柄始動口14が設けられている(先読み演出役物90と第1特別図柄始動口13、第2特別図柄始動口14が一体化されている)。そして、第1特別図柄始動口13、第2特別図柄始動口14に入球した全ての遊技球(第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aによって検出済みの全ての遊技球)が先読み演出役物90に進入する構成になっている。なお、第1始動口スイッチ13a又は第2始動口スイッチ14aによって検出済みの遊技球は、その遊技球によってパチンコ機50の遊技状態に変化を与えない(ここで言う遊技状態の変化とは、遊技者にとって有利な状態又は不利な状態に移行するという意味である。つまり、用済み球によってパチンコ機50の遊技状態が有利な状態又は不利な状態に変化することはない)ものであるから(役目が終了したものであるから)、以後、用済み球と称する。
なお、第1特別図柄始動口13、第2特別図柄始動口14のどちらの特別図柄始動口に入球しても、入球した遊技球が先読み演出役物90に進入する構成ではなく、第2特別図柄始動口14に入球した遊技球(用済み球)のみ先読み演出役物90内に進入可能な構成にしてもよい。また、第2特別図柄始動口14に入球した全ての遊技球が先読み演出役物90に進入する構成ではなく、第2特別図柄始動口14に入球した遊技球が先読み演出役物90に進入するまでの遊技球通路に切換え装置などを設けて所定の条件が成立した場合にのみ前記切換え装置を作動させて第2特別図柄始動口14に入球した遊技球が先読み演出役物90に進入可能になる構成にしてもよい(先読み演出役物90に進入できなかった用済み球はパチンコ機50の裏側に取り込まれる)。
また、上述したように先読み演出役物90には、左袖入賞口31に入球した遊技球(左袖入賞口スイッチ31aによって検出済みの遊技球)、右袖入賞口33に入球した遊技球(右袖入賞口スイッチ33aによって検出済みの遊技球)が進入可能な構成になっている。なお、本実施例では、左袖入賞口31、右袖入賞口33に入球した遊技球が全て先読み演出役物90に入球する構成ではなく、通常時は、左流下経路切換体91a、右流下経路切換体92aによって先読み演出役物90への進入(左演出役物誘導通路91、右演出役物誘導通路92への流下)が防がれている。そして、所定条件(先読み演出役物90を使用した先読み演出が開始されたときなど)が成立すると左流下経路切換体91a、右流下経路切換体92aが可動し、左袖入賞口31に入球した遊技球(左袖入賞口スイッチ31aによって検出済みの遊技球)は左演出役物誘導通路91を通って、右袖入賞口33に入球した遊技球(右袖入賞口スイッチ33aによって検出済みの遊技球)は右演出役物誘導通路92を通って先読み演出役物90に進入可能になる。
第1特別図柄始動口13、第2特別図柄始動口14に入球した遊技球は、それぞれの検出手段(第1始動口スイッチ13a又は第2始動口スイッチ14a)に検出された後、先読み演出役物90に設けられた流出口101から先読み演出役物90(先読み演出役物上領域90a)に進入する。左袖入賞口31、右袖入賞口33に入球した遊技球も流出口101から先読み演出役物90(先読み演出役物上領域90a)に進入する。
つまり、先読み演出役物90への遊技球の進入は必ず流出口101を通ることになる。
流出口101の上流には進入球検出スイッチ101aが設けられており、先読み演出役物90内に進入した用済み球を検出する。進入球検出スイッチ101aは音声・ランプ統合制御装置83に接続されており、進入球検出スイッチ101aからの検出信号が音声・ランプ統合制御装置83に入力される。音声・ランプ統合制御装置83は進入球検出スイッチ101aから検出信号を基に先読み演出役物90に進入した遊技球の数をカウントする。
なお、先読み演出役物90に進入した遊技球の数に応じて後述する振分体94の振分確率が変更される構成にしてもよい(振分体94を可動式にして、音声・ランプ統合制御装置83によって振分体94の角度を変更する)。
先読み演出役物90は、先読み演出役物上領域90a、先読み演出役物下領域90bという2つの領域と2つの領域の間に左役物羽根95、右役物羽根96が設けられている。左役物羽根95、右役物羽根96は可動式であり、左役物羽根95は左役物羽根ソレノイド95a、右役物羽根96は右役物羽根ソレノイド96aによって可動する。左役物羽根ソレノイド95a、右役物羽根ソレノイド96aは音声・ランプ統合制御装置83によって制御される。
先読み演出役物下領域90bには前方に突出し、左側に長い縁、右側に短い縁が形成されたガイド部材93が設けられており、ガイド部材93の後方には遊技球(用済み球)が進入可能な非特定領域C100が設けられている。
また、図3Bに記すように先読み演出役物下領域90bの最下部には遊技球(用済み球)が進入可能な特定領域97、非特定領域A98、非特定領域B99を備えた、すり鉢上の振分体94(俗に言うクルーン)が設けられている。
特定領域97には用済み球が進入したことを検出する特定領域検出スイッチ97aが、非特定領域A98には用済み球が進入したことを検出する非特定領域検出スイッチA98aが、非特定領域B99には用済み球が進入したことを検出する非特定領域検出スイッチB99aが、非特定領域C100には用済み球が進入したことを検出する非特定領域検出スイッチC100aが設けられており、それらの検出スイッチ(97a、98a、99a、100a)は音声・ランプ統合制御装置83に接続されており、検出スイッチ(97a、98a、99a、100a)からの検出信号が音声・ランプ統合制御装置83に入力される。音声・ランプ統合制御装置83は、検出信号を基に、それぞれの領域に何個の用済み球が進入したのか及び特定領域97、非特定領域A98、非特定領域B99、非特定領域C100に進入した用済み球の合計をカウントする(先読み演出役物90から排出された用済み球の数をカウントする)。
つまり、音声・ランプ統合制御装置83は先読み演出役物90に進入した遊技球の数と先読み演出役物90から排出された遊技球の数を把握することができ、その両カウント数により音声・ランプ統合制御装置83は先読み演出役物90に遊技球が残っているか否かを判断することができる(残球判定手段が設けられている)。
なお、この残球判定手段により、所定時間以上、先読み演出役物90内に遊技球が残っていると判断された場合にはエラー報知を行う構成になっている。
また、本実施例では、用済み球が特定領域検出検出スイッチ97aによって検出されると、音声・ランプ統合制御装置83は演出図柄制御装置82に特定領域97に用済み球が進入したことを知らせる信号を送り、信号を受信した演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6にて特定領域97に遊技球が入球したことを知らせる表示を行う構成になっている。
なお、先読み演出役物90の前面は透明な部材で形成されているため、先読み演出役物上領域90a、先読み演出役物下領域90b、左役物羽根95、右役物羽根96の様子や振分体94にて用済み球が振分けられている(動いている)様子を遊技者が確認出来るようになっている。
なお、左役物羽根95、右役物羽根96は、通常時は図3に記すように両羽根(95、96)とも、ほぼ同じ角度で左斜め下に先端を傾けた状態で固定されている。これにより、両羽根(95、96)間に隙間が出来、その隙間の先が非特定領域C100(ガイド部材93)に向いている。よって、通常中に流出口101から排出された用済み球は右役物羽根96又は左役物羽根95によって非特定領域C100(ガイド部材93)に導かれる。
なお、ここで言う通常時とは、先読み演出役物90を使用した先読み演出を行っていないときを言う。
また、通常時(先読み演出を行っていないとき)には流出口101から排出された用済み球は、殆んどの場合、非特定領域C100に進入することになるが、必ず非特定領域C100に進入するわけではなく、ごく稀に振分体94に落下することがある。しかし、落下した用済み球が1個だけであった場合には、必ず落下してきた用済み球は非特定領域A98又は非特定領域B99に入り特定領域97には入らないようになっている。詳しく言えば、特定領域97の位置をガイド部材93から遊技球が落下する位置かでは入り難い位置に設けているほか、振分体94の設置角度も特定領域97に入り難いように傾かせている。さらに、特定領域97の進入口部分は、ほんの少し盛り上がっている(当然に遊技者には分からないように細工が施されている。)。
なお、上述したように、通常時(先読み演出を行っていないとき)に特定領域97に遊技球が入球しても遊技状態には何も影響はない(当然に、先読み演出を行っているときに特定領域97に遊技球が入球したからといって、特別図柄抽選に当選するわけではない。特定領域97に遊技球が入球すれば特別図柄抽選で当選している可能性が高いということを遊技者に報知するだけのことである)。
また、通常時(先読み演出を行っていないとき)や先読み演出役物90を使用した先読み演出が行われているが特別図柄抽選はハズレの場合に、遊技球が特定領域97に進入してしまい遊技者に大きな期待を与えてしまうことを防止するために、特定領域97に1個だけ遊技球が入球しただけでは、あまり、遊技者に特別図柄抽選の抽選結果に対して期待を与えずに、複数(例えば3個)の遊技球が特定領域97に入った場合にのみ遊技者に特別図柄抽選の抽選結果に対して大きな期待を与えるように設定してもよい。
図4に示すように、パチンコ機50の裏側は、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、遊技球流下通路が形成されており上方(上流)から、球タンク71、タンクレール72、シュートユニット74、払出ユニット75が設けられており、払出ユニット75の中には払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球が入賞すれば球タンク71からタンクレール72、シュートユニット74を介して所定個数の遊技球(賞球)が払出装置73により払出球流下通路76を通り上皿55に払い出される。また、本実施例では上述の賞球を払い出す払出装置73により貸出ボタン57を操作した際に払い出される貸球も払い出す構成になっている。
また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、音声・ランプ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、音声・ランプ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
主制御装置80、演出図柄制御装置82、音声・ランプ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図4では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。
また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51))から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
このパチンコ機50の電気的構成は、図5のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、音声・ランプ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84、電源基板85にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1特別図柄始動口13に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ13a、第2特別図柄始動口14に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ14a、普通図柄作動ゲート19に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ19a、大入賞口16に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ16a、左袖入賞口31に入球した遊技球を検出する左袖入賞口スイッチ31a、左落し入賞口32に入球した遊技球を検出する左落し入賞口スイッチ32a、右袖入賞口33に入球した遊技球を検出する右袖入賞口スイッチ33a、右落し入賞口34に入球した遊技球を検出する右落し入賞口スイッチ34a等の検出信号が入力される。
また、払出装置73から払出された遊技球を検出する払出球検出スイッチ21(払出球検出手段)も主制御装置80に接続されている。なお、払出球検出スイッチ21は払出制御装置81にも接続されており、払出球検出スイッチ21の検出信号が主制御装置80、払出制御装置81に入力され、主制御装置80と払出制御装置81により賞球の計数が行われる。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及び音声・ランプ統合制御装置83に出力する。
また主制御装置80は、図柄中継基板20を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置11及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留記憶表示装置10、第2特別図柄保留記憶表示装置12及び普通図柄保留記憶表示装置8の点灯、状態報知装置18の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド16bを制御することで大入賞口16の開閉を制御し、普通役物ソレノイド14bを制御することで第2特別図柄始動口14の開閉を制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力されるほか、図柄変動や大当たり等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータに送られる。
主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ73aを可動させて賞球を払い出させる。
なお、払出制御装置81は扉開放スイッチ、オーバーフロースイッチ22、シュート球切れスイッチ74a、bからの信号が入力され、オーバーフロースイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及びシュート球切れスイッチA、B(74a、74b)によりシュートユニット74(シュートユニット74の球誘導路及び払出ユニット75の球誘導路)に待機している遊技球が所定個数無いことを示す信号が入力されると払出モータ73aを停止させ、遊技球の払出動作を停止させる。なお、オーバーフロースイッチ22、シュート球切れスイッチA、B(74a、74b)とも、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ73aの駆動を再開させる。
また、払出制御装置81は遊技球等貸出装置接続端子24を介してプリペイドカードユニット56と交信することで払出モータ73aを作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出球検出スイッチ21(払出球検出手段)に検出され、検出信号は主制御装置80、払出制御装置81に入力される。なお、遊技球等貸出装置接続端子24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための貸出しボタン57、精算を要求するための精算ボタン58、残高表示器59が接続されている。
つまり、本実施例では、入賞口に遊技球が入球した際に払い出される遊技球(賞球)も貸出しボタン57を押したことに起因して払い出される遊技球(貸球)も同じ払出装置73から払い出され、払い出された遊技球も同じ払出球検出スイッチ21により検出される構成になっている。しかし、このような構成に限定するわけではなく、各々異なる払出装置により払い出される構成にしてもよいし、払い出された遊技球を各々異なる払出球検出手段により検出される構成にしてもよい。
また、払出制御装置81は、エラーナンバー表示装置40、エラー解除スイッチ41が実装されているほか、球切れ表示LED36、下皿満杯表示LED37、異常状態報知LED38の点灯、点滅の制御も行う。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠70、前枠52)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に発射させる。
なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止スイッチ信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
音声・ランプ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LEDや各種ランプを制御する。
また、音声・ランプ統合制御装置83には、演出ボタン67が接続されており、遊技者が演出ボタン67を操作した際には、その信号が音声・ランプ統合制御装置83に入力される。
また、音声・ランプ統合制御装置83には、詳細は後述するが、先読み演出役物90に進入した遊技球(用済み球)を検出するための進入球検出スイッチ101a、先読み演出役物90内に設けられた特定領域97に遊技球が進入したことを検出する特定領域検出スイッチ97a、先読み演出役物90内に設けられた非特定領域A98、非特定領域B99、非特定領域C100に遊技球が進入したことを検出する非特定領域検出スイッチA98a、B99a、C100aからの検出信号が入力されるほか、先読み演出役物90内に設けられた左役物羽根95、右役物羽根96を駆動させるための左役物羽根ソレノイド95a、右役物羽根ソレノイド96a、左袖入賞口31に入球した遊技球を先読み演出役物90に進入させるか否かを切り換えるための左流下経路切換体91aを駆動させるための左切換体ソレノイド91b、右袖入賞口33に入球した遊技球を先読み演出役物90に進入させるか否かを切り換えるための右流下経路切換体92aを駆動させるための右切換体ソレノイド92bの駆動制御を行う構成になっている。
音声・ランプ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、音声・ランプ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものと音声・ランプ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、疑似図柄等の演出画像を画面6aに表示させる。
次に発射された遊技球が遊技盤1面上に設けられた各入賞口(13、14、16、31、32、33、34)の何れかに入球し、遊技球(賞球)が払い出されるまでの流れを説明する。遊技盤1面上に設けられた各入賞口(13、14、16、31、32、33、34)には上記したように各々スイッチ(13a、14a、16a、31a、32a、33a、34a)が設けられているととものに、各々入球した際に払い出される遊技球数(賞球数)が設定されている。スイッチ13a、14a、16a、31a、32a、33a、34a)は、主制御装置80に接続されており、発射された遊技球が入賞口に入球すると、その信号が主制御装置80に入力される。主制御装置80はその信号が入力されると、その信号により設定された賞球数(払い出すべき遊技球数)を一旦、主制御装置80に設けられた未払い記憶領域に記憶する(未払い記憶領域に未払い数(未だ払い出されていない遊技球の数)が残っていた場合には、その残っている未払い数に新たに加わった未払い数(新たな入球での払い出すべき遊技球数)分を未払い記憶領域に加算する。)。
主制御装置80は未払い記憶領域に記憶された未払い数が存在していた場合、その未払い数が15個以下ならば(例えば5個)、その未払い数(例えば5個)分の遊技球を払いださせる信号(払出制御コマンド)を払出制御装置81に送信する。なお、未払い記憶領域に記憶されている未払い数が16個以上であれば(例えば35個)、15個分の遊技球を払い出させる信号(払出制御コマンド)を払出制御装置81に送信する。その信号によって遊技球が15個払い出し終えると再び主制御装置80は15個分の遊技球を払い出させる払出制御コマンドを払出制御装置81に送信する(35−15=20 未だ20個未払い数が残っているので)。そして、その信号によって遊技球が15個払い出し終えると今度は、主制御装置80は5個分(20−15=5)の遊技球を払い出させる払出制御コマンドを払出制御装置81に送信する。
払出制御コマンドを受信した払出制御装置81は主制御装置80と同様に払出制御装置81に設けられた未払い記憶領域に払出制御コマンドで指示された払い出すべき遊技球数を未払い数として記憶する。
払出制御装置81に設けられた未払い記憶領域に未払い数が存在していると払出制御装置81は未払い数分の遊技球を払い出すように払出装置73(払出モータ73a)を制御する。払出装置73(払出モータ73a)により払い出された遊技球(賞球)は、払出球検出スイッチ21に検出される。払出球検出スイッチ21は上述したように主制御装置80、払出制御装置81に接続されており、遊技球を払出球検出スイッチ21が検出する毎に主制御装置80と払出制御装置81に検出信号が入力される。主制御装置80及び払出制御装置81は検出信号が入力される毎に各々に設けられた未払い記憶領域に記憶されている未払い数を減算していく。
このように本実施例では主制御装置80、払出制御装置81の2つの制御装置により賞球の払い出しを管理しているので正確な払い出しが可能になっている。また、主制御装置80、払出制御装置81はパチンコ機50の電源が落ちた場合でもバックアップされる構成になっているので、主制御装置80、払出制御装置81の未払い領域に記憶された未払い数が消えて、遊技者に不利益を与えることはない。
また、上述したように貸球も払出装置73(払出モータ73a)によって払い出され、払い出された遊技球は払出球検出スイッチ21により検出される構成なので、賞球の払い出しと同様に制御され(球貸し専用の未払い領域が主制御装置80、払出制御装置81に設けられている)、確実に貸球の払い出し制御が行われる。
なお、払出装置73から払い出された遊技球の数は外部接続端子78を介してホールコンピュータに送られる。
しかし、このような構成に限定するわけではなく、例えば主制御装置81は未払い記憶領域に35個の未払い数が記憶されていた場合、払出制御装置81に15個分の遊技球を払い出させる信号(払出制御コマンド)を2回、5個分の遊技球を払い出させる信号を1回を続けて払出制御装置81に送信する構成にしてもよい。つまり、実際に払い出されるのを待たずに払出制御コマンドを送信する構成。その場合、払出制御装置81の未払い記憶領域に未払い数が溜まっていくが、払出制御装置81は1回の払い出し(最大15個も払い出し)が終わったことを確認してから、残っている未払い数分(15個以内)の遊技球の払い出しを行う構成が望ましい。
また、主制御装置80のみに未払い記憶領域を設け、払出制御装置81は未払い記憶領域を設けない構成でもよいし、逆に払出制御装置81のみ未払い記憶領域を設け、主制御装置81は未払い記憶領域を設けない構成にしてもよい。
次に、主制御装置80が、メインルーチンとして行う各処理に従って、パチンコ機50の動作を説明する。
図6に記すフローチャートは、主制御装置80のマイコンにより実行されるメイン処理を表したものであり、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される処理である。本実施形態では、S10〜S24までの各処理は割り込み処理において1回だけ実行される処理であって「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS25、S26の処理を「残余処理」と称する。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
正常割り込みでないと判断されると(S10:NO)、前記メモリの所定領域に所定値を書き込む、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み、即ち初期設定が為され(S11)、残余処理に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:YES)、図19に記載した様々な乱数についての更新処理が行なわれる。
まず初期値乱数1の更新処理が実行される(S12)。この処理は、初期値乱数1の値について、この処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数1の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初期値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。
S12の処理後には、初期値乱数2の更新処理が実行される(S13)。この処理はS12の処理と同様に初期値乱数2の値について、実行毎に+1するインクリメント処理である。違いは、初期値乱数1の最大値が「3966」であるのに対して初期値乱数2の最大値が「997」であるということである。よって、この処理を実行する前の初期値乱数2の乱数値が最大値である「997」のときは次回の処理で初期値である「0」に戻る。
なお、詳細は後述するが初期値乱数1は大当り判定(特別図柄の抽選)に使用するものであり、初期値乱数2は当り判定(普通図柄の抽選)に使用するものである。
S13に続く大当り判定用乱数の更新処理(S14)は、初期値乱数1、初期値乱数2の更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であるが、最大値である「3966」に至ると次回の処理では、そのときの前記初期値乱数1の値を初期値(以下、「更新初期値」という。)とし、更に割り込み毎に+1する処理を続行して更新初期値より「1」少ない値(以下、「更新最大値」という。)に至れば次回の処理では、更にそのときの初期値乱数1の値を初期値とし「0」〜「3966」までの3967個の整数値を繰り返し作成する。
即ち、割り込み処理毎に+1し、乱数を構成する要素を「0」〜「3966」までの整数値とすることは前記初期値乱数1と何等変わることはないが、今回の更新最大値に至れば次回の割り込み処理ではそのときの更新初期値を初期値とし更新最大値に至るまで割り込み毎に+1し、更に次回の更新初期値を初期値とする構成である。これにより、大当り判定用乱数は、乱数を構成する要素を「0」〜「3966」までの3967個の整数値とし、割り込み処理毎に+1するが、更新最大値に至れば、次回の割り込み処理ではそのときの初期値乱数1により決定される値に変更されるので、当否乱数の値を予測不可能にすることができる。また、更新初期値と更新最大値とにより決定される乱数の構成要素は従来の当否乱数と同じ「0」〜「3966」の3967個の整数値と何等変わることがないので乱数を構成する要素の出現率を均一にしている。
なお、図19に記載するように通常確率状態時の当選することとなる値の数は10で、値は「775」〜「777」、「1775」〜「1777」、「2774」〜「2777」であり、高確率状態時の当選することとなる値の数は100で、値は「775」〜「777」、「1314」〜「1333」、「1758」〜「1777」、「2758」〜「2777」、「3314」〜「3333」である。
S14に続く当り判定用乱数の更新処理(S15)は、初期値乱数1、初期値乱数2の更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であるが、最大値である「996」に至ると次回の処理では、そのときの前記初期値乱数2の値を初期値(以下、「更新初期値」という。)とし、更に割り込み毎に+1する処理を続行して更新初期値より「1」少ない値(以下、「更新最大値」という。)に至れば次回の処理では、更にそのときの初期値乱数2の値を初期値とし「0」〜「996」までの997個の整数値を繰り返し作成する。
即ち、割り込み処理毎に+1し、乱数を構成する要素を「0」〜「996」までの整数値とすることは前記初期値乱数2と何等変わることはないが、今回の更新最大値に至れば次回の割り込み処理ではそのときの更新初期値を初期値とし更新最大値に至るまで割り込み毎に+1し、更に次回の更新初期値を初期値とする構成である。これにより、当り判定用乱数は、乱数を構成する要素を「0」〜「996」までの997個の整数値とし、割り込み処理毎に+1するが、更新最大値に至れば、次回の割り込み処理ではそのときの初期値乱数1により決定される値に変更されるので、当否乱数の値を予測不可能にすることができる。また、更新初期値と更新最大値とにより決定される乱数の構成要素は従来の当否乱数と同じ「0」〜「996」の997個の整数値と何等変わることがないので乱数を構成する要素の出現率を均一にしている。
なお、図19に記載するように通常確率状態時の当選することとなる値の数は10で、値は「31」〜「40」であり、高確率状態時の当選することとなる値の数は966で、値は「31」〜「996」である。
大当り図柄決定用乱数の更新処理(S16)は「0」〜「19」の20個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る構成になっており、この20個の乱数値により図20(b)に示す20種類の大当り図柄より1つの大当り図柄が決定される。
図20(b)に示すように、第1特別図柄、第2特別図柄共に同じ大当り図柄を使用する構成になっている。また、大当り図柄決定用乱数値と大当り図柄の関係は図20(c)に示すとおりである。
図21は第1特別図柄が大当りを示す図柄で確定表示された場合の大当り遊技の内容を示し、図22は第2特別図柄が大当りを示す図柄で確定表示された場合の大当り遊技の内容を示している。図21と図22を見比べると分かるように、同じ大当り図柄であっても第1特別図柄と第2特別図柄とでは大当り遊技の内容が異なっているものが存在している。異なっているのは、大当り図柄が「EP」、「FH」、「HP」、「PE」のときであり、種類は同じ確変大当り(図中は確変と記載)であるがラウンド数が第1特別図柄は2ラウンドであり第2特別図柄は15ラウンドになっている。なお、確変大当りとは、大当り遊技終了後に特別図柄抽選の抽選確率が高く設定された高確率遊技状態になる大当りを言い、図21、図22に記載された通常とは通常大当りのことであり、通常大当りとは、大当り遊技終了後も特別図柄抽選の抽選確率が低い遊技状態(通常遊技状態)のまま、あるいは抽選確率が高い高確率遊技状態から大当り遊技終了後、特別図柄抽選が低い遊技状態(通常遊技状態)に戻る大当りを言う。なお、ラウンドとは、大当り遊技中に大入賞口16が開放される回数のことであり、当然、開放回数(ラウンド数)が少ないほうが大当り遊技中に得られる賞球数が少なくなる。
なお、本実施例では確変大当りのうち、ラウンド数が2ラウンドである大当りを突確大当りと称する。
つまり、第1特別図柄始動口13に入球したことに起因して行われる大当り抽選(特別図柄抽選(特図当否判定))で大当りと判断される確率と第2特別図柄始動口14に入球したことに起因して行われる大当り抽選(特別図柄抽選(特図当否判定))で大当りと判断される確率は通常遊技状態では1/396.7、高確率遊技状態では1/39.67で同じであるが、大当りした際に行われる大当り遊技の内容が第1特別図柄始動口13に入球して大当りになった場合よりも第2特別図柄始動口14に入球して大当りになった場合のほうが、大当り遊技中に多く賞球が得られる大当りになる確率が高くなっている。なお、確変大当り(突確大当りも含む)になる確率は第1特別図柄始動口13に入球して抽選が行われた場合と第2特別図柄始動口14に入球して抽選が行われた場合とで変化はない(同じ確率である)。なお、このような構成(第1特別図柄と第2特別図柄で大当り中に得られる賞球の数が異なる大当り遊技が選択される確率を変えている構成)にしている理由は後述する。
なお、「EP」、「FH」、「HP」、「PE」以外の大当り図柄は第1特別図柄でも第2特別図柄でも同じ大当りの種類(確変又は通常)で同じラウンド数になっている。
特別図柄の大当り図柄と擬似図柄の大当り図柄の関係も図21、図22に記載するように「EP」、「FH」、「HP」、「PE」以外の特別図柄の大当り図柄と擬似図柄の大当り図柄の関係は第1特別図柄、第2特別図柄問わず一定になっている。
なお、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の大当り図柄は図20(b)(c)、図21、図22に記載するように2つの異なるアルファベットにより構成されているほか、図2に記載されているように遊技領域3の隅に小さく表示されることより特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)を見てもどのような大当りなのか判断し辛いので遊技者は通常、擬似図柄を見て遊技することになる。
図6に戻り小当り図柄決定用乱数の更新処理(S17)は「0」〜「9」の10個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1されて最大値を超えると初期値である「0」に戻る。なお、図20(b)に記載するように小当りを示す図柄は「EE」、「FF」の2種類であり、小当り図柄決定用乱数によって、どちらの小当りを示す図柄を選択するか決定する。
なお、小当りを示す図柄は、第1特別図柄、第2特別図柄とも同じになっている。
また、図20(b)に記載するようにハズレを示す特別図柄も第1特別図柄、第2特別図柄で同じになっており、ハズレを示す図柄は「−−」の1種類になっているので外れ図柄を決定するための乱数は備えていない。
また、図20(a)に記載するように普通図柄の当り図柄(「L」)もハズレ図柄(「−」)も共に1種類しか存在しないので当り図柄又はハズレ図柄を決定するための乱数は備えていない。
リーチ判定用乱数の更新処理(S18)は「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時に当選する値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時に当選する値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時に当選する値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
変動パターン決定用乱数の更新処理(S19)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る。
なお、大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は第1特別図柄始動口13又は第2特別図柄始動口14に遊技球が入球することで抽出され、当り判定用乱数は普通図柄作動ゲート19を遊技球が通過することで抽出される。
続く入賞確認処理(S20)では、遊技領域3に設けられた各入賞口(13、14、16、31、32、33、34)へ遊技球が入球したか否か及び普通図柄作動ゲート19を遊技球が通過したか否かを確認する処理である。
なお、第1特別図柄始動口13、第2特別図柄始動口14への遊技球の入球の確認については、後述する始動入賞確認処理で説明するほか、普通図柄作動ゲート19への遊技球の通過の確認についてはゲート通過確認処理で説明する。
続いては、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての特図当否判定処理(S21)、普通図柄抽選が当りか否かを判定する普図当否判定処理(S22)行う。この特図当否判定処理、普図当否判定処理についても詳しくは後述する。この特図当否判定処理(S21)、普図当否判定処理(S22)が終了すると続いて画像出力処理等の各出力処理(S23)が実行される。
各出力処理(S23)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81、発射制御装置84、音声・ランプ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド16b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S20)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータを音声・ランプ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
続く不正監視処理(S24)は、普通入賞口(左袖入賞口31、左落し入賞口32、右袖入賞口33、右落し入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、異常判断手段は、主制御装置80に設けている。
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数1の更新処理(S25)、初期値乱数2の更新処理(S26)から構成されるが、各々前述したS12、S13の処理と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで、時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S24までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行(特別遊技の実行)するか否か、特別図柄(第1又は第2)の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、図6に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数1、初期値乱数2の更新される(加算される)値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数1が大当り判定用乱数と、初期値乱数2が当り判定用乱数と同期する可能性はなくなる。尚、本実施形態においては、大当り判定用乱数の更新は初期値乱数1の値により変更され、当り判定用乱数は初期値乱数2の値により変更される構成なので同期の虞は全くない。
次に図7にて主制御装置80が行う始動入賞確認処理の説明を行なう。
この始動入賞確認処理では、図7のS30に記載されているように第1特別図柄始動口13、第2特別図柄始動口14の両方の特別図柄始動口への遊技球の入球を確認する。S30では、主制御装置80が第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aの検出信号に基づいて、第1特別図柄始動口13、第2特別図柄始動口14に遊技球が入球したか否かを判断する。
S30で肯定判断ならば、検出信号が入力された側(第1特別図柄又は第2特別図柄)の保留記憶数について、記憶可能数(記憶限度数)である4個の記憶が既に記憶されているか否かを確認する(S31)。つまり、第1始動口スイッチ13aからの検出信号であれば、第1特別図柄の保留記憶数を確認し、第2始動口スイッチ14aからの検出信号であれば第2特別図柄の保留記憶数を確認する。
検出信号が入力された側(第1特別図柄又は第2特別図柄)の保留記憶数が満杯でなければ(S31:NO)、遊技球が入球した際に(第1始動口スイッチ13a又は第2始動口スイッチ14aが遊技球を検出した際に)抽出した複数の前記した乱数値(大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数)を検出信号が入力された側(第1特別図柄又は第2特別図柄)の保留記憶として記憶する(S32)。
S32の処理後は先読み演出判定処理を行なう(S33)。この先読み演出判定処理(S33)とは、第1特別図柄始動口13又は第2特別図柄始動口14に遊技球が入球したことにより保留記憶された値(大当り判定用乱数の値)について、その保留記憶された値(大当り判定用乱数)の抽選結果を報知する前に(その保留記憶されたものの抽選結果を報知するための特別図柄が変動を開始する前に)、その保留記憶されたもの(保留記憶されている乱数値の抽選結果)に対して遊技者に期待を持たせる演出を行うことが可能か否かを判定する処理である。なお、このS33の処理では保留記憶された大当り判定用の乱数値が予め定められた大当りと判定される値(通常確率状態時では上記した10個の値、高確率遊技状態時では上記した100個の値)と一致しているか否及びリーチ判定用の乱数値が予め定められたリーチと判定される値(全てのリーチとなる値ではなくリーチとなる値の一部)と一致しているか否かも確認される(つまり、S33の処理が当否乱数確認手段に該当する)。
S33の処理後、そのS33の判定結果について先読み演出が可能であったか否か判断する(S34)。
S33(34)の判断基準は図7の下表に示す通りである。詳しく説明すると、現在が通常確率遊技状態であり、開放延長機能が作動中であった場合、つまり時間短縮状態であった場合において、遊技球が第1特別図柄始動口13に入球し、入球した際に抽出した乱数値が記憶された場合には、その保留記憶については、先読み演出を行わないと判断される(可能ではないと判断される)。また、現在が高確率状態であり、開放延長機能が作動中であった場合に遊技球が第1特別図柄始動口13に入球し、入球した際に抽出した乱数値が記憶された場合には、その保留記憶については、先読み演出を行わないと判断される(可能ではないと判断される)。なお、図7の下表に高確率状態時で開放延長機能が未作動の場合も記載されているが、本実施例では高確率状態で開放延長機能が作動していない(未作動)状態は存在しない。また、現在が条件装置作動中であった場合、つまり、大当り遊技状態中において、遊技球が第1特別図柄始動口13に入球し、入球した際に抽出した乱数値が記憶された場合には、その保留記憶については、先読み演出を行わないと判断される(可能ではないと判断される)。つまり、上記以外の状態(どちらの特別図柄始動口に入球したかも含め)以外では、先読み演出が可能であると判断される。
なお、図7の下表に記した判定基準は、本実施例の構成が上記したように第1特別図柄よりも第2特別図柄のほうが優先して抽選が行われる構成(優先して変動が行われる構成)であるので設定された判定基準である。また、図7の下表はあくまでも最低限の判定基準であるため、本実施例では保留記憶された大当り判定用の乱数値とは無関係に演出可能か否かが判断されている構成になっているが、この判定基準(図7の下表)に加え、保留記憶された大当り判定用乱数値、大当り図柄決定用乱数値、リーチ判定用乱数値、変動パターン決定用乱数値によっても先読み演出可能か否かを判断する構成にしてもよい。つまり、上記判定基準(図7の下表)に加え、記憶された大当り判定用乱数値が大当りとなる値であった場合や、記憶されたリーチ判定用乱数値がリーチとなる値であった場合や、既に記憶されているものに対して既に先読み演出が可能であると判断されたか否かも判定基準に加える構成でもよい。
先読み演出可能と判断された場合(S34:YES)、つまり、図7の下表の丸が付いている状態と一致した場合には、主制御装置80は音声・ランプ統合制御装置83(演出図柄制御装置82でも可)に先読み演出が可能であることを示す信号(先読み演出許可信号)を送信する。なお、先読み許可信号には、S32の処理で確認した、記憶された大当り判定用乱数値が大当りとなる値であったか否か、リーチとなる値であったか否かの結果を示す内容も含まれている(つまり、S35の処理が先読み演出許可信号送信手段に該当する)。
先読み演出許可信号を受信した音声・ランプ統合制御装置83(演出図柄制御装置82)は、確認した大当り判定用乱数値の確認結果(大当りになる値か否か)、現在の保留記憶数、現在、先読み演出を実行しているか否かなどを確認して先読み演出を行うか否か決定する。つまり、主制御装置80が先読み演出が可能であると判断しても必ず先読み演出が行われるわけではなく、主制御装置80はあくまでも先読み演出が可能か否かだけを判断し、サブ制御装置(音声・ランプ統合制御装置83又は演出図柄制御装置82)が実際に先読み演出を行うか否かを判断する構成である。なお、先読み演出許可信号を受信したあとの音声・ランプ統合制御装置83の詳しい制御は後述する。
なお、S33の処理で、記憶された大当り判定用乱数値、リーチ判定用乱数値だけを確認するのではなく、記憶された大当り図柄決定用乱数値、変動パターン決定用乱数値も確認する構成にするとともにその内容を含んだ先読み演出許可信号をサブ制御装置(音声・ランプ統合制御装置83又は演出図柄制御装置82)に送信し、サブ制御装置(音声・ランプ統合制御装置83又は演出図柄制御装置82)は、上記した複数の乱数値の内容が含まれた先読み演出許可信号をもとに先読み演出を行うか否か決定するようにしてもよい。
また、主制御装置80は図7の下表に記載された判定基準などにより先読み演出が可能か否かを判断するのではなく、どのような状態でも常にサブ制御装置(音声・ランプ統合制御装置83又は演出図柄制御装置82)に先読み演出許可信号を送信し、サブ制御装置(音声・ランプ統合制御装置83又は演出図柄制御装置82)が図7下表に記載された判定基準をもとに先読み演出が可能か否かの判断も含めて実際に先読み演出を行うか否かを決定する構成にしてもよい。
S35の処理後及びS34の判断で否定判断がなされた場合には、保留記憶した側(第1特別図柄又は第2特別図柄)の特別図柄保留記憶表示装置(10又は12)の点灯数を1増加させると共に音声・ランプ統合制御装置83を経由して演出図柄制御装置82に現在の保留記憶数を送信する(S36)。なお、保留記憶してない側(第1特別図柄又は第2特別図柄)の現在の保留記憶数は送信しない。現在の保留記憶数を示す信号を受信した演出図柄表示装置82は演出図柄表示装置6に現在の保留記憶数を示す擬似保留数表示を行う。
なお、このS36で送信する現在の保留記憶数を指示する信号とS35で送信する先読み演出許可信号を一つにし、1度に先読み演出が可能であるか否かの情報と現在の保留記憶数の情報を送信する構成にしてもよい。
S36の処理後はリターンに抜ける。
なお、本実施例で行われる先読み演出は、詳しく後述するが、期待を持たせたい特別図柄の変動表示が行われる前(先読み演出が可能と判断された保留記憶の抽選結果が表示される前)の複数回前の特別図柄の変動表示から上記期待を持たせたい変動まで連続して同じような表示演出(連続するほど表示内容を激しくする構成が好適である)を演出図柄表示装置6にて行う演出と先読み演出役物90を利用して行う演出がある。しかし、先読み演出をこの2種類の演出に限定するわけではなく、期待を持たせたい保留記憶の表示(先読み演出が可能と判断された保留記憶の演出図柄表示装置6で表示する擬似保留表示)を通常の保留表示とは異なる表示で行う俗に言う保留表示予告などの先読み演出を加えてもよい。
次に音声・ランプ統合制御装置(サブ制御装置)83が行う先読み演出処理を図17を用いて説明する。
まず、音声・ランプ統合制御装置(サブ制御装置)83はS35の処理にて主制御装置80から送られてくる先読み演出許可信号を受信したか否かを判断する(S200)。先読み演出許可信号を受信した場合には(S200:YES)、現在、先読み演出が実行されている最中か否かを判断する(S201)。なお、このS201の判断は先読み演出役物90を使用した先読み演出に限らず、演出図柄表示装置6にて行われる先読み演出も含めて判断される(演出図柄表示装置6にて先読み演出を行っていた場合もS201の判断で肯定判断される)。先読み演出が実行中ではなかった場合(S201:NO)、S200で受信した先読み演出許可信号に含まれている大当り判定用乱数値が特定の値であるか否か及びリーチ判定用乱数の値が特定の値であるか否かを判断する(S202)。S200、S202で否定判断された場合及びS201で肯定判断された場合にはリターンに抜ける。
なお、大当り判定用乱数値の特定の値とは、上記した大当りになる値である。また、本実施例では大当り判定用乱数の値が大当りになる値でなかった場合でもリーチ判定用乱数の値が上記したようにリーチになる所定の値(リーチになる値の全てではなく、リーチになる値のうちの一部を特定の値とする)であった場合もS202の判定で肯定判断がなされる。
S202の判定で肯定判断であった場合には、先読み演出許可信号に含まれる乱数値(大当り判定用乱数値など)が第1特別図柄始動口13に入球した際に抽出した乱数値であるか否かを確認する(S203)。S203の判定で肯定判断がなされると第1特別図柄の保留記憶数と第2特別図柄の保留記憶数を合わせた数が2個以上あるか否かを判定する(S204)。このS204の判定では合計で2個以上あればよいのでどちらかの保留記憶数が0個であっても、もう一方の保留個数が2個あれば肯定判断になる。
S204の判定で肯定判断がなされると先読み表示演出開始処理が行なわれる(S205)。この先読み表示演出開始処理とは、演出図柄表示装置6の表示を使用して先読み演出を行うための処理である。具体的には、現在の保留記憶数(第1特別図柄の保留記憶数、第2特別図柄の保留記憶数)及び先読み演出許可信号に含まれていた乱数値(大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数)に応じて、先読み演出を特別図柄の変動を何回、跨らせて行うかを決定する(先読み演出を行うことを決定した乱数値について抽選結果が報知される何回前の特別図柄の変動から先読み演出を行うかを決定する)。
なお、本実施例では、先読み演出が連続(継続)すればするほど(特別図柄の変動を跨げば跨ぐほど)大当りする確率が高くなるように設定している。
S203で否定判断がなされた場合、つまり、先読み演出許可信号に含まれていた乱数値(大当り判定乱数値など)が第2特別図柄始動口14に入球した際に抽出した乱数値であった場合には(S203:NO)、第2特別図柄の保留記憶数が2個以上あるか否かを判定する(S206)(第1特別図柄の保留記憶数が4個であっても第2特別図柄の保留記憶数が1個であればS206の判定は否定判断になる)。なお、S204の判断では第1特別図柄の保留記憶数と第2特別図柄の保留記憶数を合わせた数が2個以上あるか否かを判断するが、S206の判断では第2特別図柄の保留記憶数が2個以上あるか否かを判断する。これは、上述したように本実施例が第1特別図柄の抽選(変動)よりも第2特別図柄の抽選(変動)を優先する構成であるからである。つまり、先読み演出許可信号に含まれている乱数値が第1特別図柄始動口13に入球した際に抽出したものであった場合には、それ以前に記憶されている乱数値(どちらの始動口(第1又は第2)に入球した際に抽出した乱数値であっても)よりも前に、この先読み演出許可信号に含まれている乱数値について抽選が行われないが、先読み許可信号に含まれている乱数値が第2特別図柄始動口14に入球した際に抽出した乱数値であった場合には、それ以前に記憶されている乱数値が第1特別図柄始動口13に入球した際に抽出したものであった場合には、先に記憶された乱数値についての抽選(変動)が行われる前に、この先読み演出許可信号に含まれている乱数値の抽選(変動)が行われてしまい、この変動より前の変動から継続して行いたい演出が出来なくなってしまうからである。
S206の判定が肯定判断であった場合には、現在の遊技状態が開放延長状態であるか否かを判定し(S207)、否定判断であった場合には前述した先読み表示演出開始処理(S205)を行ってリターンに抜ける。一方、現在の遊技状態が開放延長状態であった場合には(S207:YES)、先読み役物演出開始処理を行なう(S208)。この先読み役物演出開始処理とは、先読み演出役物90を使用して先読み演出を行うための処理である。具体的には、現在の第2特別図柄の保留記憶数及び及び先読み演出許可信号に含まれていた乱数値(大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数)に応じて、先読み演出を特別図柄の変動を何回、跨らせて行うかを決定する(先読み演出を行うことを決定した乱数値について抽選結果が報知される何回前の特別図柄の変動から先読み演出を行うかを決定する)。そして、その決定に従って音声・ランプ統合制御装置83は左役物羽根95(左役物羽根ソレノイド95a)を可動させて、流出口101から流出される用済み球の先読み演出役物上領域90aから先読み演出役物下領域90bへの流出を阻止する(先読み演出役物上領域90aにて用済み球の貯留を開始する)。さらに、左役物羽根95を可動させたあと、左流下経路切換体91a(左切換体ソレノイド91b)及び右流下経路切換体92a(右切換体ソレノイド91b)を可動させて、左袖入賞口31に入球した遊技球(左袖入賞口スイッチ31aによって検出済みの遊技球)が左演出役物誘導通路91を通って、右袖入賞口33に入球した遊技球(右袖入賞口スイッチ33aによって検出済みの遊技球)が右演出役物誘導通路92を通って先読み演出役物90に進入可能にする(つまり、先読み演出役物90を使用した先読み演出が行われる前は左袖入賞口31、右袖入賞口33に入球した遊技球は先読み演出役物90に進入不可能になっている。)。これにより、先読み演出役物上領域90aに多くの用済み球が貯留されることになり、遊技者の期待が膨らむ。なお、先読み演出役物90を使用した先読み演出を行う場合には必ず左袖入賞口31、右袖入賞口33に入球した遊技球を先読み演出役物90に進入可能にするのではなく、先読み演出役物90を使用した先読み演出を行うときでも左袖入賞口31、右袖入賞口33に入球した遊技球を先読み演出役物90に進入可能にする場合と進入不可能なまま継続する場合を設けてもよい。
つまり、S201、S202、S203、S204、S206の処理が先読み演出実行決定手段に該当し、S204、S206、S207の処理が先読み演出内容決定手段に該当する。また、先読み演出役物上領域90a、左役物羽根95、右役物羽根96を合わせたものが貯留装置に該当する。
また、本実施例では、先読み演出を行うか否かの判定、どのような先読み演出を行うかの判定を音声・ランプ統合制御装置83にて行う構成にしているが、音声・ランプ統合制御装置83ではなく、同じサブ制御装置である演出図柄制御装置82にて先読み演出を行うか否かの判定、どのような先読み演出を行うかの判定を行う構成にしてもよい。
次に主制御装置80が行う特図当否判定処理を図8にて説明する。
図8に示す特図当否判定処理では、主制御装置80はまず条件装置が作動中か否か大当りフラグに基づいて判断する(S40)。この条件装置とは、特別図柄の抽選で当選した場合(取得した大当り判定用乱数の値が予め定められた所定の値と一致していた場合)に立つフラグである。
条件装置が作動中でなければ(S40:NO)、特別図柄が変動中であるか(S41)、確定図柄の表示中であるか(S42)の判断が行われる。S41の判断及びS42の判断は、第1特別図柄、第2特別図柄の両方について判断される。つまり、第1特別図柄、第2特別図柄のいずれかでも変動中あるいは確定表示であれば、このS41の判断、S42の判断では肯定判断が行われる。これは、本実施例の構成が片方の特別図柄が変動中であった場合にはもう一方の特別図柄は変動しないようにしている構成であるためである。
S41、S42の両方の判断で否定判断がなされると、次の処理では、第2特別図柄の保留記憶が存在するか否か(記憶されているか否か)の判断が行われ(S43)、第2特別図柄の保留記憶が存在していなければ(S43:NO)、次は第1特別図柄の保留記憶が存在するか否か(記憶されているか否か)の判断が行われる(S44)。
S43の判断が肯定判断であった場合には、第2特別図柄の保留として記憶されている、第2特別図柄始動口14に遊技球が入球した際に抽出した乱数値(大当り判定用乱数の値)の中で最も古いものについて、S44の判断が肯定判断であった場合には、第1特別図柄の保留として記憶されている、第1特別図柄始動口13に遊技球が入球した際に抽出した乱数値(大当り判定用乱数の値)の中で最も古いものについて大当り抽選が行われる。
実際の制御としては、まず、確変フラグが立っているか否か(現在が高確率遊技状態か否か)の判断が行われ(S45)、高確率遊技状態でなかったなら、つまり通常確率遊技状態であったなら(S45:NO)、前述した10個の当り値が設定されている通常確率判定用テーブルにて抽選を行い(10個の当り値と記憶されている大当り判定用乱数の値のうち最も古い値が一致しているか否かの抽選)(S46)、高確率遊技状態であったなら(S45:YES)、前述した100個の当り値が設定されている高確率判定用テーブルにて抽選を行い(100個の当り値と記憶されている大当り判定用乱数の値のうち最も古い値が一致しているか否かの抽選)(S47)が行われる。なお、S46、S47の処理では、記憶されている大当り判定用乱数値が大当りとなる値でなかった場合には、該記憶されている大当り判定用乱数値が小当りになる値か否かの抽選が行われる(小当り遊技を行う否かの判定に利用する前述した61個の当り値が設定された小当り判定用テーブルにて大当り判定用乱数の値のうち最も古い値が一致しているか否かの抽選)。なお、この小当り判定用テーブルは一つしかなく、通常確率遊技状態でも高確率遊技状態でも同じテーブルを使用する。つまり、小当りになる確率は常に一定になっている。
S46又はS47の判定処理で予め定められた当り値(大当り判定用の当り値)と一致していた場合には(S48:YES)、保留記憶されていた大当り図柄決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S49)、保留記憶されていた大当り判定用乱数、変動パターン決定用乱数の値及び現在の遊技状態(高確率遊技状態、時間短縮状態、通常状態)によって変動パターン(変動時間)を決定する(S50)。なお、上述したように本実施例では大当り図柄によって大当り遊技の内容(種類)が決まっているので、この大当り図柄の決定が大当り遊技の種類の決定になっている。
S46又はS47の判定処理で抽出されていた大当り判定用の乱数値が予め定められた当り値(大当り判定用の当り値)と一致していない場合には(S48:NO)、小当り判定用の当り値と一致していたか否かを判断し(S51)、一致していた場合には(S51:YES)、保留記憶されていた小当り図柄決定用乱数の値に基づいて小当り図柄を決定し(S52)、保留記憶されていた小当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数の値及び現在の遊技状態(高確率遊技状態、時間短縮状態、通常状態)によって変動パターン(変動時間)を決定する(S53)。S51でも否定判断がなされたらハズレ図柄を決定し(S54)、保留記憶されていたリーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数の値及び現在の遊技状態(高確率遊技状態、時間短縮状態、通常状態)によって変動パターン(変動時間)を決定する(S55)。なお、前述したようにハズレ図柄は1種類しかなく、ハズレた場合には必ずその1種類のハズレ図柄が選択される。
このように本実施例では、第1特別図柄、第2特別図柄の両方の特別図柄の保留記憶が行われていた場合には、第1特別図柄の保留記憶のほうが先に記憶されていた場合でも第2特別図柄の保留記憶について優先して抽選する構成(第2特別図柄の抽選結果を報知する変動を優先して行う構成)になっている。
このような第2特別図柄の抽選(結果)を優先して行う構成及び前述した第1特別図柄で大当りした場合に行われる大当り遊技状態よりも第2特別図柄で大当りした場合に行われる大当り遊技のほうが大当り遊技状態で得られる賞球数が多く、大当り後に高確率遊技状態になる大当り遊技が発生する確率を高くした構成を組み合わせた構成にしていることで、通常遊技状態では、あまり多くの賞球を得ることが出来ないが、一旦、高確率遊技状態になると多くの賞球が得られる構成、つまり、遊技店と遊技者の利益バランスが保ったまま、メリハリがある面白いパチンコ遊技機になっている。
S50、S53、S55の処理に続いては、上述の抽選結果を示すデータ(大当り遊技の種類、小当りの有り無し、ハズレの種類(リーチの有り無し)、変動時間など)を含んだ変動開始コマンド(表示制御コマンド)を音声・ランプ統合制御装置83(演出図柄制御装置82)に出力するとともに抽選したほうの特別図柄(第1又は第2)をその特別図柄に対応する特別図柄表示装置(第1又は第2)にて変動表示させ(S56)、特別遊技処理に移行する。
従って、音声・ランプ統合制御装置83(演出図柄制御装置82)は変動開始コマンド(表示制御コマンド)により、大当り図柄(大当り遊技の種類)、ハズレ図柄、リーチの有無、変動時間を把握することが出来る。
次に音声・ランプ統合制御装置(サブ制御装置)83が行う図柄(擬似図柄)変動開始処理を図18(a)を用いて説明する。
図柄変動開始処理では、図18(a)に記載するように、音声・ランプ統合制御装置83は、主制御装置80がS56の処理で送信する変動開始コマンド(表示制御コマンド)を受信したか否かを判断し(S210)、受信していなかった場合には(S210:NO)、リターンに抜け、受信した場合には(S210:YES)、該変動開始コマンド内に含まれている特別図柄抽選(特図当否判定)の抽選結果、特別図柄の変動時間、特別図柄の確定図柄(大当り図柄、ハズレ図柄)を基に特別図柄の擬似演出を複数種類の擬似演出(擬似図柄による表示演出)の中より一つの擬似演出を決定する(特別図柄の変動時間と同じ時間の擬似演出(擬似図柄の変動時間)が選択される)(S211)。S211の処理後は、S211にて決定した擬似演出を演出図柄表示装置6で表示させるために、演出図柄制御装置82に信号を送信し(S212)、演出図柄制御装置82は、その信号の指示に従って演出図柄表示装置6にて擬似図柄の変動を行う。
なお、音声・ランプ統合制御装置83による擬似図柄の決定は、特別図柄(第1、第2)が大当りを示す図柄であった場合には、図21、図22に記載しているように大当り図柄(特別図柄)に対応した擬似図柄(大当り図柄)を選択するようになっており、特別図柄(第1、第2)がハズレを示す図柄であった場合には、ランダムに擬似図柄を選択する構成になっている(なお、ランダムと言っても、リーチになる変動であった場合には同じ種類の擬似図柄を2個選択するようになっているほか、同じ種類の擬似図柄を3個選択しないように制御されている)。また、図示は省略しているが、小当りを示す図柄であった場合にも大当り図柄を示す図柄であった場合と同様に小当り図柄(特別図柄)に対応した擬似図柄(小当り図柄)を選択するようになっている。なお、擬似図柄の決定及び変動(擬似演出)の決定は音声・ランプ統合制御装置83ではなく同じサブ制御装置である演出図柄制御装置82にて行う構成にしてもよい。
S212の処理後は、現在、先読み演出役物90を使用した先読み演出が行われている最中か否かを判断し(S213)、先読み演出中であれば(S213:YES)、S210の処理で受信した変動開始コマンドに含まれていた特別図柄抽選の抽選結果が、今現在行われている先読み演出役物90を使用した先読み演出の起因となった乱数値(大当り判定用乱数値)か否か(S208の処理で先読み役物演出の開始が決定された乱数値か否か)を確認し(S214)、S214の判断で肯定判断であった場合には、変動開始から所定時間後(S210で受信した変動開始コマンドに含まれる抽選結果についての特別図柄が変動している間)に左役物羽根95(左役物羽根ソレノイド95a)、右役物羽根96(右役物羽根ソレノイド96a)を可動させ、先読み演出役物上領域90aに貯留されている用済み球を流出する(貯留を解除する)ための制御を行って(S215)、リターンに抜ける。なお、S213、S214で否定判断がなされた場合もリターンに抜ける。
なお、S215の処理で先読み演出役物上領域90aに貯留されている用済み球が流出されるときに、又は流出される直前に左流下経路切換体91a(左切換体ソレノイド91b)、右流下経路切換体92a(右切換体ソレノイド92b)を可動させ、左袖入賞口31、右袖入賞口33に入球した遊技球を先読み演出役物90に進入不可能にする。また、S210で受信した変動開始コマンドに含まれている抽選結果についての特別図柄の変動が終了するとともに(終了する前でもよいが)、左役物羽根95(左役物羽根ソレノイド95a)、右役物羽根96(右役物羽根ソレノイド96a)を可動させて、左役物羽根95、右役物羽根96を図3に記載されているような通常位置(先読み役物90を使用した先読み演出を行っていない時の位置)に戻す。
なお、本実施例では音声・ランプ統合制御装置83にて先読み演出役物90(左役物羽根95、右役物羽根96)の制御及び左流下経路切換体91a、右流下経路切換体92aの制御を行う構成にしているが、音声・ランプ統合制御装置83ではなく同じサブ制御装置である演出図柄制御装置82で先読み演出役物90(左役物羽根95、右役物羽根96)の制御及び左流下経路切換体91a、右流下経路切換体92aの制御を行う構成にしてもよい。
主制御装置80の処理に戻り、図8のS41の判定で肯定判断がなされた場合、つまり、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中であった場合には、図9(a)に示すように図柄変動時間(S50又はS53又はS55の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判断する(S57)。肯定判断であれば(S57:YES)、図柄停止コマンドを音声・ランプ統合制御装置83に出力し、特別図柄表示装置(第1又は第2)を制御してS49又はS52又はS54にて決定した確定図柄を確定表示させる(S58)。図柄停止コマンドを受信した音声・ランプ統合制御装置83は演出図柄制御装置82に予め決めておいた擬似図柄にて確定表示させる命令を出力し、演出図柄制御装置82は、その信号により演出図柄表示装置6を制御して擬似図柄を確定表示させる(詳細は後述する)。これにより、特別図柄(第1又は第2)と擬似図柄の変動の開始と終了が同じタイミングになる(同期する)。
S58の処理後は、確定表示させた特別図柄(第1又は第2)が大当りを示すものであるか否かを判断し(S59)、大当りを示すものであった場合には(S59:YES)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S60)、条件装置の作動を開始させる(大当りフラグを立てる)(S61)。
S61の処理後は確変フラグが立っているか否か(現在が高確率遊技状態であるか否か)を判定し(S62)、確変フラグが立っていたなら(S62:YES)、確変フラグと時短フラグ(時間短縮状態にする(しておく)ためのフラグ)を落す(S63)。S62で否定判断がなされた場合には時短フラグが立っているか否かを判断し(S64)、時短フラグが立っていた場合には(S64:YES)、時短フラグを落す(S65)。S63の処理、S65の処理後は特別遊技処理に移行する。なお、本実施例では高確率遊技状態であれば必ず時間短縮状態になっている構成であるため、S62の判定で肯定判断がなされた場合には確変フラグと時短フラグの両方を落す構成になっている。また、本実施例では時短フラグが立つことで開放延長機能(第2特別図柄始動口14の開放時間を長くするための機能)も作動する構成になっているほか時短フラグが落ちる(停止する)と開放延長機能も終了する(未作動になる)。よって、S63及びS65の処理で開放延長機能も終了される。
また、S63、S65の処理を行なう理由としては本実施例ではどのような大当りであっても、大当り遊技状態中は確変フラグ、時短フラグを落す構成になっているからである。
一方、S59の判定で否定判断がなされた場合、つまり確定表示させた特別図柄(第1又は第2)が大当りを示すものでなかった場合には、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S66)、時短フラグのみ立っているか否かを判断し(S67)、時短フラグのみ立っていれば(S67:YES)、記憶されている時短回数から−1を行い(S68)、−1を行った値が0か否かを判断し(S69)、0であった場合には(S69:YES)、時短フラグを落す(S70)(上記したように時短フラグを終了させると開放延長機能も終了する)。なお、S67の時短フラグのみ立っているか否かの判断は、確変フラグと時短フラグが立っていれば否定判断になり時短フラグのみ立っていた場合には肯定判断になる判断処理である。S70の処理後及びS67又はS69にて否定判断がなされると、確定表示された特別図柄が小当り図柄を示すものか否かを判断し(S71)、小当りを示すものであった場合には(S71:YES)、小当り遊技作動役物の作動開始を行う処理を行ない(S72)、S72の処理後は特別遊技処理に移行する。
図8のS42の判定で肯定判断がなされた場合、つまり、第1特別図柄又は第2特別図柄が確定表示中であった場合には、図8(b)に示すようにS60又はS66で設定された確定表示時間が終了したか否かを判断し(S73)、終了した場合には(S73:YES)、確定図柄表示終了処理(S74)により特別図柄表示装置(第1又は第2)を制御して特別図柄の確定表示を終了させ、また、音声・ランプ統合制御装置83経由で演出図柄制御装置82に指示して、疑似図柄の確定表示を終了させる。
次に音声・ランプ統合制御装置(サブ制御装置)83が行う図柄変動停止処理を図18(b)を用いて説明する。
図18(b)に記載するように音声・ランプ統合制御装置83は、主制御装置80がS58の処理で送信する図柄停止コマンドを受信したか否かを判断し(S216)、受信していなかった場合には(S216:NO)、リターンに抜け、受信した場合には(S216:YES)、演出図柄制御装置82に演出図柄表示装置6にて変動している擬似図柄を停止させる信号を送信し(S217)、信号を受信した演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6にて変動している擬似図柄を停止させる。S216の処理後はリターンに抜ける。
次に主制御装置80が行う特別遊技処理を図10、図11、図12を用いて説明する。
図10に記すように主制御装置80は条件装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断し(S75)、作動中でなければ(S75:NO)、小当り遊技作動役物が作動中か否かを判断する(S76)。小当り遊技作動役物が作動中であった場合には、小当り開始演出中であるか否かを判断し(S77)、開始演出中であった場合には(S77:YES)、小当りの開始演出の終了時間か否かを判断し(S78)、肯定判断がなされた場合には(S78:YES)、大入賞口16を開放する処理を行う(S79)。なお、本実施例での小当り遊技では、大入賞口16にて0.5秒間の開放が1回行われる構成になっている。S79の処理後及びS76又はS78で否定判断がなされた場合にはリターンに抜ける。
小当り開始演出中でなかった場合には(S77:NO)、小当り動作中か否かを判断し(S80)(大入賞口16が0.5秒の開放を行っているか否か判断する)、肯定判断であれば、ほぼありえないことであるが、0.5秒経過する前に大入賞口16に遊技球が規定数である10個、入賞したか否かを判断し(S81)、否定判断であれば開放してから0.5秒経過したか否かを判断する(S82)。S81又はS82の判定で肯定判断がなされた場合には大入賞口16を閉鎖する処理(S83)を行なってから、小当り終了演出を行う処理を行い(S84)、リターンに抜ける。また、S82の判定で否定判断がなされた場合もリターンに抜ける。
小当り遊技中でない場合には(S80:NO)、小当り終了演出が終了する時間か否かを判断し(S85)、終了時間であれば(S85:YES)、小当り遊技作動役物を終了させる処理を行ない(S86)、リターンに抜ける。また、S85の判定で否定判断がなされた場合にもリターンに抜ける。
一方、図10のS75にて肯定判断がなされた場合(S75:YES)、つまり、大当りフラグが立っていた場合には、図11に記載のように大入賞口16が開放中か否かを確認にし(S90)、大入賞口16が開放中でなければ(S90:NO)、大当り遊技の開始演出中であるか否かを確認する(S91)。S91の判定で大当り遊技の開始演出中であると判断された場合には(S91:YES)、大当り遊技の開始演出が終了する時間か否かを判断し(S92)、終了する時間であれば(S92:YES)、大入賞口16を開放する処理(S93)を行ってからリターンに抜け、終了する時間でなければ(S92:NO)、そのままリターンに抜ける。
S91で否定判断がなされた場合、つまり、大当り遊技の開始演出中でない場合には、インターバル中か否かの判断が行われる(S94)。なお、このインターバルとは、大入賞口16が閉じている状態から開放されるまでの時間のことである。
インターバル中であった場合には(S94:YES)、インターバルが終了する時間か否かを判別し(S95)、インターバルが終了する時間であれば(S95:YES)、大入賞口16を開放する処理(S96)を行ってからリターンに抜け、インターバルが終了する時間でなければ(S95:NO)、そのままリターンに抜ける。
S94で否定判断がなされた場合、つまり、インターバル中でない場合には、大当り遊技の終了演出中か否かを判別し(S97)、大当り遊技終了演出中でなければ(S97:NO)、大当りになった図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)を記憶し(S98)、大当り開始演出処理(S99)を行ってリターンに抜け、大当り遊技の終了演出中であった場合(S97:YES)には、そのままリターンに抜ける。
大当り開始演出処理(S99)では、主制御装置80は音声・ランプ統合制御装置83に大当り開始コマンドを送信し、大当り開始コマンドを受信した音声・ランプ統合制御83は、パチンコ機50に設けられたランプ、LEDを大当り遊技演出用に激しく発光させたり、大当り遊技用の音を発生させる。また、音声・ランプ統合制御装置83は、演出図柄制御装置82に信号を送信し、演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6にて大当り開始演出を表示させる。なお、S93、S96の大入賞口16を開放する処理でも、主制御装置80は音声・ランプ統合制御装置83に大入賞口開放コマンド(ラウンド開始コマンド)を送信し、大入賞口開放コマンド(ラウンド開始コマンド)を受信した音声・ランプ統合制御装置83は、その開始されるラウンドに応じて上記ランプ、LEDを発光させたり音声を出力させる。また、音声・ランプ統合制御装置83は演出図柄制御装置82に信号を送信し、演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6にて、その開始されるラウンドに応じた演出を行わせる。
一方、S90で肯定判断がなされた場合は、つまり、大入賞口16が開放中であった場合には、図12に記載するように大入賞口16に規定数である10個の遊技球が入球したか否かを確認し(S100)、10個未満の遊技球しか入球していなかった場合には(S100:NO)、大入賞口16の最大開放時間が経過したか否かを判別する(S101)。なお、本実施例では大入賞口16の最大開放時間は2種類存在し(小当り遊技を除く)、大入賞口16が15回開放される大当り遊技では、その1回(1ラウンド)の最大開放時間が全て28秒と設定され、大入賞口16が2回開放される大当り遊技では、その1回(1ラウンド)の最大開放時間が全て2秒と設定されている。つまり、主制御装置80は大当り遊技が開始される前に今から行われる大当り遊技の種類を把握し、その大当り遊技の種類に応じて大当り遊技の内容を設定する。
S101の判定で否定判断がなされるとリターンに抜け、S100又はS101で肯定判断がなされると大入賞口16を閉鎖する処理(S102)を行なう。S102の処理後は、S102で終了したラウンドが最終ラウンドであったか否か(2ラウンド又は15ラウンド)を判別し(S103)、最終ラウンドでなかった場合には(S103:NO)、インターバル処理(S104)を行なって、リターンに抜ける。このインターバル処理(S104)もS93、S96の大入賞口16を開放する処理と同様に、主制御装置80は音声・ランプ統合制御装置83に、音声・ランプ統合制御装置83は演出図柄制御装置82に信号を送信し、ランプ、LED、音声、演出図柄表示装置6によりインターバル用の演出を行う。
S103で肯定判断がなされた場合、つまり、終了したラウンドが最終ラウンドであった場合には、大当り遊技の終了演出処理(S99の大当り開始演出処理と同様に音声・ランプ統合制御装置83、演出図柄制御装置82に信号を送信して演出を行う。)を行い(S105)、条件装置を停止させる(S106)。S106の処理後は大当りした図柄(特別図柄)が大当り遊技終了後に高確率遊技状態になる図柄であるか否かを判別し(S107)、肯定判断であれば確変フラグと時短フラグを立てる(開放延長機能も作動する)処理を行ない(S108)、否定判断であれば時短フラグのみを立てて(開放延長機能も作動する)、時短回数カウンタの値を100にセットする。
S108又はS109の処理後は音声・ランプ統合制御装置83に大当り終了コマンドを送信し(S110)、リターンに抜ける。
次に図6のS20の入賞確認処理の一部であるゲート通過確認処理を図13にて説明する。
図13に記載するように、主制御装置80は、遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過したか否かを判別し(S150)、通過した場合には(S150:YES)、遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過した際に抽出する乱数値(当り判定用乱数値)の記憶(普通図柄の保留記憶)が満杯状態(4個記憶されている状態)か否かを判別し(S151)、満杯状態でなければ(S151:NO)、遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過した際に抽出した当り判定用の乱数値を記憶して(S152)、リターンに抜け、S150で否定判断がなされた場合とS151で肯定判断がなされた場合もリターンに抜ける。
次に主制御装置80が行う普図当否判定処理を図14にて説明する。
図14に示す普図当否判定処理では、主制御装置80はまず普通電動役物が作動中か否かを判断し(S153)、否定判断であれば、普通図柄が変動中であるか(S154)、普通図柄が確定表示中であるか(S155)、普通図柄の保留記憶があるか(S156)の判定が行われる。
なお、普通電動役物とは普通図柄抽選(普図当否判定)で当たったことに起因して作動するものであり、普通電動役物が作動することで第2特別図柄始動口14が開放する。
S154、S155の判定で否定判断であり、S156の判定で肯定判断であった場合には、現在が高確率遊技状態か否か(確変フラグが立っているか否か)を判別し(S157)、高確率遊技状態でなければ(S157:NO)、前述した10個の当り値が設定されている通常確率判定用テーブルにて抽選を行い(10個の当り値と記憶されている当り判定用乱数の値のうちの最も古い値が一致しているか否かの抽選)(S158)、高確率遊技状態であったなら(S157:YES)、前述した966個の当り値が設定されている高確率判定用テーブルにて抽選(966個の当り値と記憶されている当り判定用乱数の値のうちの最も古い値が一致しているか否かの抽選)(S159)が行われる。
S158又はS159の判定処理で予め定められた当り値(当り判定用の当り値)と一致していた場合には(S160:YES)、当り図柄の決定(S161)、変動パターンの決定(S162)が行われ、一致しなかった場合には(S160:NO)、ハズレ図柄の決定(S163)、変動パターンの決定(S164)が行われる。なお、図20に記載するように普通図柄の当り図柄もハズレ図柄も1種類しかないので、当りであれば必ず「L」に決定され、ハズレであれば必ず「−」に決定される。また、図23に記載するように普通図柄の変動時間は2種類しかなく、この2種類は現在の遊技状態において時短フラグが立っているか否かで振り分けられる構成になっている、詳細には、現在の遊技状態(変動開始時(抽選時)の遊技状態)が、時短フラグが立っていない状態であれば普変動パターン1である5秒が必ず選択され、時短フラグ(開放延長機能作動中)が立っている状態であれば普変動パターン2である0.7秒が必ず選択される構成になっている(開放延長機能作動時に開始される普通図柄の最短変動時間は0.7秒、最長変動時間も0.7秒)。つまり、抽選結果が当りであってもハズレであっても変動時間が同じになっている。しかし、この構成に限定するわけではなく、抽選結果(当りハズレ)により変動時間を異ならせる構成にしてもよい。
S162又はS164の処理後は普通図柄を普通図柄表示装置7にて変動表示させ(S165)、普図当り遊技処理に移行する。
図14のS154の判定で肯定判断がなされた場合、つまり、普通図柄が変動中であった場合には、図15(a)に示すように図柄の変動時間(S162又はS164にて決定された変動パターン(変動時間)に基づく)が経過したか否かを判別する(S166)。肯定判断であれば(S166:YES)、S161又はS163にて決定された確定図柄を確定表示させる(S167)。
S167の処理後は、確定表示させた普通図柄が普通電動役物を作動させる図柄の組み合わせか否か、つまり、当りを示す図柄であるか否かを判断し(S168)、普通電動役物を作動させる図柄の組み合わせであった場合には(S168:YES)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄を表示させておく時間の設定)を行う(S169)。
なお、S169の表示設定処理では、予めに普通図柄を確定表示させておく時間を設定するのではなく、普通電動役物が作動中の間、確定表示させておくための処理であり、本実施例では、普通電動役物の作動時間が変化する構成であるので普通図柄が当りを示す図柄で確定表示されている時間も変化する。
S169の処理後は現在の遊技状態において開放延長機能が作動中か否かを判定し(S170)、その判定結果に応じて第2特別図柄始動口14の開放時間を変化させる。これは、普通図柄抽選の抽選時(普通図柄の変動開始時)に第2特別図柄始動口14の開放時間が決定される構成でなく、普通図柄の確定表示時に現在の遊技状態(開放延長機能が作動中か否か)を確認し、その遊技状態に応じて、第2特別図柄始動口14の開放時間を決定する構成であるからである。つまり、普通図柄抽選の抽選時(普通図柄の変動開始時)に開放延長機能が未作動であっも普通図柄の確定表示時に開放延長機能が作動中であれば、第2特別図柄始動口14の開放時間は延長される(長い開放時間が選択される)。また、逆に普通図柄抽選の抽選時(普通図柄の変動開始時)に開放延長機能が作動中であっても普通図柄の確定表示時に開放延長機能が未作動であった場合は第2特別図柄始動口14の開放時間は延長されない(短い開放時間が選択される)。
なお、普通図柄の変動時間は上述したように普通図柄抽選時(普通図柄の変動開始時)に決定され、その決定された変動時間は、変動中に遊技状態が変化しても変わらない。つまり、普通図柄抽選時(普通図柄の変動開始時)に時短フラグが立っておらず、長い変動時間が選択され、その選択された変動時間に従って変動している最中に遊技状態が変化し時短フラグが立っても変動時間が短縮されることはない。
S170の判定で現在(普通図柄の確定表示時)が開放延長機能が作動中であると判断された場合(S170:YES)には、第2特別図柄始動口14の開放パターンを選択する処理を行なう(S171)。
本実施例では図24(a)に記載するように第2特別図柄始動口14の開放パターンは開放パターンA、開放パターンB、開放パターンC、開放パターンD、開放パターンE、開放パターンFの6種類の開放パターンが存在し、この6種類の開放パターンより1つの開放パターンが選択される。なお、開放延長機能未作動時(時短フラグが立っていないときには)必ず開放時間が短い開放パターンAが選択され、開放延長機能作動時(時短フラグが立っているときに)は開放パターンAは選択されない構成になっているので、S171の開放パターン選択処理では開放パターンBから開放パターンFまでの5種類の開放パターンから一つの開放パターンが選択される。
S171の選択処理での5種類の開放パターンから1つの開放パターンを選択する方法は、図24(a)に記載のように開放パターン選択手段(主制御装置80)が第2特別図柄の保留記憶数によって複数種類の開放パターンより一つの開放パターン選択するようになっている(図24では第2特別図柄の保留記憶数を第2保留数と記載)。詳細には、第2特別図柄の保留記憶数が0個であれば開放パターンBが選択され、第2特別図柄の保留記憶数が1個であれば開放パターンCが選択され、第2特別図柄の保留記憶数が2個であれば開放パターンDが選択され、第2特別図柄の保留記憶数が3個であれば開放パターンEが選択され、第2特別図柄の保留記憶数が4個であれば開放パターンFが選択される。なお、本実施例では、第2特別図柄の保留記憶数のみで選択される構成であるので、普通図柄の保留記憶数、第1特別図柄の保留記憶数は、この選択処理には関係しない。しかし、これに限るわけではなく、第2特別図柄の保留数に加えて普通図柄の保留記憶数又は第1特別図柄の保留記憶数に応じて第2特別図柄始動口14の開放パターンを選択する構成にしてもよい。
なお、各開放パターンの開放動作は図24(b)に記載する通りであり、開放パターンAと開放パターンBの違いは開放時間の長さのみであり、開放パターンBから開放パターンFまでの違いは開始インターバルの長さ(時間)のみである。なお、開始インターバルとは、普通電動役物が作動してから(普通図柄が当りを示す図柄で確定表示されてから)第2特別図柄始動口14が開放し始めるまでの時間である。つまり、第2特別図柄の保留記憶数が0個の場合には、開始インターバルの時間が一番短い開放パターンBが選択され、第2特別図柄の保留記憶数が4個の場合には開始インターバルの時間が一番長い開放パターンFが選択される構成になっている。なお、開放パターンAより開放パターンBのが開始インターバルを短くしてもよい、例えば開放パターンBの開始インターバルの時間を0秒にするなども考えられる。
また、開始インターバルが一番短い(長い)開放パターンが例えば開放パターンBと開放パターンB’など複数種類存在する場合には、開始インターバル時間が一番短い(長い)複数種類の開放パターンの中より一つの開放パターンを選択する。
このように選択されるようにした理由は、第1特別図柄始動口13に入球したことに起因する特別図柄抽選(第1特別図柄による抽選)で大当りした場合の大当り遊技よりも第2特別図柄始動口14に入球したことに起因する特別図柄抽選(第2特別図柄による抽選)で大当りした場合の大当り遊技のほうが、多くの賞球が得られる(且つ、大当り遊技終了後に高確率遊技状態になる)大当り遊技が発生する確率を高く設定しておき、第1特別図柄始動口13に入球したことに起因して行なわれる特別図柄抽選(第1特別図柄の変動)よりも第2特別図柄始動口14に入球したことに起因して行われる特別図柄抽選(第2特別図柄の変動)のほうを優先して行う構成にして、第2特別図柄始動口14の開放時間が短い通常確率遊技中での大当り遊技では多くの賞球が得られ難いようにし高確率遊技状態(時短状態)(開放延長機能作動時)での大当り遊技では多くの賞球を得られやすいようにしているにも係わらず、開放延長機能時に第1特別図柄の保留記憶についての抽選が行われていまうこと(多くの賞球を得られない大当り遊技が発生する確率が高い抽選が行われてしまうこと)を極力防止するためである。
つまり、第2特別図柄の保留記憶数が0個である場合、次の抽選では第1特別図柄の抽選が行われてしまう。しかし、開放パターンBが選択されれば、第2特別図柄始動口14は直ぐに開放されるので(開始インターバルが短いので)、開放された第2特別図柄始動口14に遊技球が入球し、第2特別図柄の保留記憶が溜まる。よって現在、第2特別図柄が変動中であった場合には、該第2特別図柄の変動が終了するまでに第2特別図柄の保留記憶が溜まり第1特別図柄の保留記憶についての抽選を回避することが出来る。また、現在、第2特別図柄が変動中でない場合には1回のみ第1特別図柄の保留記憶について抽選が行われるが、その後は第2特別図柄の保留記憶についての抽選が多く行われることになる。
一方、第2特別図柄の保留記憶数が満杯の4個である場合に第2特別図柄始動口14に遊技球が入球しても賞球は得られるが入球した際に抽出される大当り判定用乱数の値は記憶されないので、第2特別図柄の保留が満杯時に第2特別図柄始動口14が開放することは、あまり意味(メリット)が無い。しかし、第2特別図柄の保留記憶数が満杯である状態時に開始インターバル時間が長い開放パターンが選択されれば、開始インターバル時間中に第2特別図柄の変動が終了し、新たに第2特別図柄の抽選(変動)が行われるので、第2特別図柄の保留記憶数は減り、第2特別図柄始動口14が開放された時には第2特別図柄の保留記憶が可能な状態(保留記憶数が3個の状態)になっており、意味のない状態が発生することが防止できる。また、開始インターバル時間が長いということは新たな普通図柄の抽選(変動)が行われないので普通図柄の保留記憶も多く溜まることになり、普通図柄の保留記憶が多く溜まれば、第2特別図柄始動口14が多く開放されるので第2特別図柄の保留記憶も溜まり、第1特別図柄の保留記憶についての抽選がさらに、行われなくなる。
S171の処理後は、S171で選択した開放パターンを設定する(S172)。S170で開放延長機能が作動していないと判断されたら(S170:NO)、上述したように第2特別図柄始動口14の開放時間が短い開放パターンAを設定する(S173)。S172、S173の処理後は普通電動役物の作動を開始させ(S174)、普図当り遊技処理に移行する。S168の判定で普通電動役物を作動させる図柄の組み合わせでなかった場合、つまりハズレ図柄が停止した場合には(S168:NO)、ハズレ図柄の確定表示時間を設定する処理(S175)を行い普図当り遊技処理に移行する。
一方、図14のS155の判定で肯定判断がなされた場合、つまり、普通図柄の確定表示中であった場合には、図15(b)に記すように確定図柄の表示時間が終了したか否かを判別し(普通電動役物が作動中であった場合には作動時間が終了したか否かを判別する)、終了時間であった場合には(S176:YES)、普通図柄の確定表示を終了させ(S177)、普図当り遊技に移行する。また、S176で否定判断がなされた場合も普図当り遊技に移行する。
次に図16を用いて普図当り遊技処理を説明する。
図16に示すように普図当り遊技処理では普通電動役物が作動中か否かを判別し(S180)、普通電動役物が作動中でなければ(S180:NO)リターンに抜け、普通電動役物が作動中であった場合には(S180:YES)、第2特別図柄始動口14に最大入賞数である5個の遊技球が入球したか否かを判別する(S181)。なお、このS181の最大入賞数は普通電動役物が作動中であった場合に限り入球数を制限するものであり、普通電動役物が非作動時であった場合には最大入賞数という制限はない。
S181で否定判断がなされた場合には、S171又はS173で設定された開放パターンに従って普通電動役物の作動時間が終了したか否かを判断し(S182)、S181又はS182にて肯定判断がなされた場合には普通電動役物の作動を終了する処理を行ない(S183)、リターンに抜ける。また、S182で否定判断がなされた場合もリターンに抜ける。
なお、普通電動役物の作動時間とは、開始インターバルの開始より第2特別図柄始動口14が閉鎖するまでの時間であり、開放を複数回行う構成であった場合は、開始インターバルの開始より第2特別図柄始動口14の最後の開放が終了するまでの時間である。
次に普通図柄、第1特別図柄、第2特別図柄の変動時間について図23を用いて説明する。
図23(a)は普通図柄の変動時間(変動パターン)を表したものであり、図23(b)は第1特別図柄の変動時間(変動パターン)を表したものであり、図23(c)は第2特別図柄の変動時間(変動パターン)を表したものである。
上述したように普通図柄の変動時間は2種類だけしかなく、開放延長機能が未作動時の場合は当りハズレ関係なく変動時間が長い普変動パターン1が選択され、開放延長機能作動時には当りハズレ関係なく変動時間が短い普変動パターン2が選択される。よって開放延長機能作動時における普通図柄の最短時間、最長時間とも0.7秒である。しかし、これに限るわけではなく、開放延長機能作動時(時短フラグが立っているとき)の普通図柄の変動時間を複数種類設け、その中より一つ選択する構成にしてもよい。
図23(b)(c)を見比べことで分かるように本実施例では第1特別図柄の変動時間(変動パターン)と第2特別図柄の変動時間(変動パターン)が同じ構成になっているが、この構成に限るわけではなく、第1特別図柄の変動時間(変動パターン)と第2特別図柄の変動時間(変動パターン)を全く異なるものにしてもよいし、同じ変動時間(変動パターン)と異なる変動時間(変動パターン)が混合するようにしてもよい。
なお、図23(b)に示すように第1特別図柄の変動パターンのうち一番短い変動時間は第1変動パターン1の2.30秒であり、一番長い変動時間は第1変動パターン15の104.91秒である。なお、第1変動パターン1は開放延長機能作動時(時短フラグが立ってる時)、且つ、で第1特別図柄の保留記憶数が満杯の4個の状態で特別図柄抽選でハズレた場合によく選択される変動パターンである。
また、図23(c)に示すように第2特別図柄の変動パターンのうち一番短い変動時間は第2変動パターン1の2.30秒であり、一番長い変動時間は第2変動パターン15の104.91秒である。なお、第2変動パターン1は開放延長機能作動時(時短フラグが立ってる時)、且つ、第2特別図柄の保留記憶数が満杯の4個の状態で特別図柄抽選でハズレた場合によく選択される変動パターンである。
次に図25のタイミングチャート、図26の先読み演出役物90の動きを表した図、図27の演出図柄表示装置6に表示される画像の図を用いて、先読み演出役物90を使用した先読み演出の内容を説明する。
なお、図25に記載の第2始動口とは第2特別図柄始動口14のことである。また、説明を分かりやすくするために、第1特別図柄始動口13への入球については省略し、第2特別図柄始動口14への入球についてのみ説明する。
図25に記載するように、現在、第2特別図柄が変動中に第2特別図柄始動口14へ遊技球が入球すると(図25aの時点)、現在の第2特別図柄の保留記憶数は0個の状態であるので第2特別図柄の保留記憶数が1個になる。上述したように第2特別図柄始動口14に遊技球が入球した際に抽出された乱数値が保留記憶されると、その保留記憶された乱数値について主制御装置80にて、先読み演出を行うことが可能であるか否かの先読み演出許可判定が行われ(S33、S34)、その判定結果である先読み演出許可信号がサブ制御装置である音声・ランプ統合制御装置83に送信される。先読み演出許可信号を受信した音声・ランプ統合制御装置83は受信した先読み演出許可信号を基に先読み演出を行うか否か(S200、S201、S202、S203、S204、S206)及び、どのような先読み演出を行うか(S203、S204、S206、S207)の判定を行う。
さらに、先ほどの第2特別図柄が変動中に第2特別図柄始動口14に遊技球が入球し(図25b、c、d時点)、第2特別図柄の保留記憶が溜まる(b時点の入球で保留記憶数2個、c時点の入球で保留記憶数3個、d時点の入球で保留記憶数4個)。取得された乱数値が保留記憶されると上述したように記憶された乱数値について先読み演出を行うことが可能であるか否か、先読み演出を行うか否か、どのような先読み演出を行うかの判定が行われる。今回の場合は、a時点、b時点、c時点に入球した際に抽出した(保留記憶した)乱数値については、先読み演出を行わないと判定され、d時点に入球した際に抽出した(保留記憶した)乱数値については、先読み演出役物90を使用して先読み演出を行うと判定される。
図25の第2特別図柄始動口14への入球時であるa時点、b時点、c時点、d時点での先読み演出役物90の状態(先読み役物90を使用した先読み演出を行っていないときの先読み演出役物90の状態)は図26のAに記すように左役物羽根95、右役物羽根96の先端は非特定領域C100の方向に向いて固定されている。よって、第1特別図柄始動口13又は第2特別図柄始動口14に入球した遊技球は流出口101から排出され、排出された用済み球は左役物羽根95又は右役物羽根96に導かれて非特定領域C100に進入する。
変動中であった第2特別図柄が停止すると(ハズレ図柄で停止)、その後、a時点で入球した際に抽出された乱数値について抽選が行われ、その抽選結果が第2特別図柄の変動によって報知される(a変動)。
d時点で入球した際に抽出された乱数値についての先読み演出役物90を使用した先読み演出は、この乱数値(先読み演出を行うことが決定された乱数値)が特別図柄抽選される3個前の特別図柄抽選の抽選結果の報知である特別図柄の変動中(a変動中)より先読み演出を行うことが決定されていたので、このa時点に入球した際に抽出した乱数値の抽選結果である特別図柄の変動(a変動)が開始された直後(図25のx時点)、図27のAに記載されているように、第1特別図柄始動口13、第2特別図柄始動口14(左袖入賞口31、右袖入賞口33)に入球した遊技球が先読み演出役物90内に貯留されること、先読み演出役物90内に設けられた特定領域97に遊技球が入球すれば何か良いことが起こるかもしれないこと、貯留されればされるほど特定領域97に入球し易くなることなどが演出図柄表示装置6に表示される。
演出図柄表示装置6にて図27のAの表示が行われた後(まだ、aの第2特別図柄が変動中)、図26のBに示すように左役物羽根95が可動し、左役物羽根95と右役物羽根96の間で形成されていた隙間がなくなる(右役物羽根96は可動しない)。また、これと同時に左流下経路切換体91a、右流下経路切換体92aが作動する。これにより、第1特別図柄始動口13、第2特別図柄始動口14、左袖入賞口31、右袖入賞口33に入球した遊技球(検出センサーにて検出済みの用済み球)が図26のC、D、Eのように読み演出役物上領域90aに貯留されることになる。
なお、先読み演出役物上領域90aに用済み球が貯留されいるときには(図25のy時点)、図27のBに記すように先読み演出役物90(先読み演出役物上領域90a)に貯留されている遊技球の数が演出図柄表示装置6にて表示される(左役物羽根95が可動したあとに、進入球検出スイッチ101aによって検出された遊技球の数を表示する)。
そして、先読み演出を行うと決定された乱数値についての特別図柄抽選が行われ、その抽選結果である特別図柄の変動(d)が行われ、所定時間が経過すると図26のFに記載するように左役物羽根95及び右役物羽根96は外側に可動し、両羽根(95、96)間に大きな隙間が形成され、その大きな隙間から、今まで先読み演出役物上領域90aにて貯留されていた大量の用済み球が一気に先読み演出役物下領域90bに流出される。流出された用済み球の一部(ごく小量)は非特定領域C100に進入するが、殆んどの用済み球は振分体94に落下する。上述したように、振分体94に落下した用済み球は、特定領域97に進入し難いように形成されているが、このように大量に用済み球が落下すると落下した用済み球の一部は特定領域97に進入することになる。
用済み球が特定領域に進入すると(図25のz地点)、図27のCに記載するように演出図柄表示装置6にて遊技球が特定領域97に入球したことを報知する(なお、本実施例では図27のCに記載するように遊技球が特定領域97に入球する毎に演出図柄表示装置6に表示され、特定領域に入球した遊技球の数を表示する。)。
なお、図25に記載するように左流下経路切換体91a、右流下経路切換体92aは先読み演出を行うことが決定された乱数値についての特別図柄の変動(d)が開始されると作動が停止されるようになっている(左袖入賞口31、右袖入賞口33に入球した遊技球が先読み演出役物90に入球しないように切り換えられる)。
また、先読み演出を行うことが決定された乱数値についての特別図柄(d)の変動が停止されると左役物羽根95及び右役物羽根96は図26のAに記載されているように通常位置に戻る。
このように、通常中(先読み演出役物90を使用した先読み演出を行っていないとき)には、第1特別図柄始動口13又は第2特別図柄始動口14に入球した遊技球は非特定領域C100に入球する。遊技者としては、ほとんどとの場合、非特定領域C100に進入してしまうので抽選結果に対して期待感を持たない。しかし、左役物羽根95が可動することで(先読み演出が行われることで)、今まで先読み演出役物下領域90b(非特定領域C100)に流下していた用済み球が両役物羽根(95、96)によってせき止められ、先読み演出役物下領域90bへ流出されなくなる(先読み演出役物上領域90aに用済み球が貯留される)ので遊技者は抽選結果に対しての期待感が生まる。
1個だけ振分体94に流出されるより、一気に多くの遊技球が振分体94に流出されれたほうが特定領域97に遊技球が進入する確率が高くなることは、当然なことなので、時間が経過するにつれ(複数の特別図柄の変動が跨るにつれ)、先読み演出役物上領域90aに用済み球が溜まっていくのを見て、遊技者はもっと多く遊技球が溜まって欲しいと思うようになる(もっと、多く複数の変動に跨って欲しい、継続して欲しいと思うようになる)。
つまり、従来の表示装置の表示による連続予告と同じくらい抽選結果に対して大きな期待感を抱くようになる(複数の変動に跨るにつれ期待感が増幅されるようになる)。
なお、本実施例は上記した構成に限定するわけではなく、例えば、先読み演出役物上領域90aに貯留されている用済み球の解除(左役物羽根95、右役物羽根96の可動)を遊技者が所定期間中に演出ボタン67を操作したことに起因して行われるようにしてもよいし、振分体94を可動式にする構成にしてもよい。なお、振分体94を可動式にする場合には、振分体94は常に同じように可動する構成にしてもよいし、用済み球を特定領域97に進入させないように又は進入し易くするために特定期間中にだけ可動させる構成にしてもよい。なお、どのように振分体94を可動させる構成でも可動の制御は、サブ制御装置である音声・ランプ統合制御装置83、演出図柄制御装置82が行う構成が好適である。
また、上記した構成では、遊技者に大当りを期待させる演出として、先読み演出役物90を使用した先読み演出を行う例を記載したが、大当り遊技終了後に高確率遊技状態になる大当り、つまり、確変大当りを遊技者に期待させる演出として、先読み演出役物90を使用した先読み演出を行うようにしてもよい(例えば、取得した(記憶した)大当り図柄決定用乱数値を示す内容も先読み演出許可信号の中に含ませ、その大当り図柄決定用乱数値が大当り遊技終了後に高確率遊技状態にならない通常大当りになる値であった場合には、演出図柄表示装置6の表示演出による先読み演出(連続予告演出)を行い、確変大当りになる値であった場合には、先読み演出役物90を使用した先読み演出(連続予告)を行うようにするなどが考えられる)。
また、先読み演出役物90を使用して先読み演出を行う際、遊技者に抽選結果に対して一番期待させたい場合には、第1特別図柄始動口13、第2特別図柄始動口14、左袖入賞口31、右袖入賞口33から先読み演出役物90へ進入可能な構成にし、二番目に期待させたい場合には、第1特別図柄始動口13、第2特別図柄始動口14、左袖入賞口31から先読み演出役物90へ進入可能な構成にし(右袖入賞口33からは先読み演出役物90へは進入不可能な構成)、三番目に期待させたい場合には、第1特別図柄始動口13、第2特別図柄始動口14から先読み演出役物90へ進入可能な構成(左袖入賞口31、右袖入賞口33からは先読み演出役物90へは進入不可能な構成)にするなど、先読み演出役物上領域90aに多く遊技球が貯留される可能性が高い(低い)に応じて期待感の大きさを異なるように設定してもよい。
また、先読み演出役物90を図3に記載した構成に限定するわけではなく、用済み球の貯留が可能であり、貯留された用済み球が流出された際に特定領域97と非特定領域(B98、C99)に振分けられる振分体94が設けられていれば、構造はどのような構造であってもよい。
1 遊技盤
3 遊技領域
6 演出図柄表示装置
7 普通図柄表示装置
8 普通図柄保留記憶表示装置
9 第1特別図柄表示装置
10 第1特別図柄保留記憶表示装置
11 第2特別図柄表示装置
12 第2特別図柄保留記憶表示装置
13 第1特別図柄始動口
13a 第1始動口スイッチ
14 第2特別図柄始動口
14a 第2始動口スイッチ
16 大入賞口
19 普通図柄作動ゲート
19a 普通図柄作動スイッチ
50 パチンコ機
80 主制御装置(当否乱数確認手段、先読み演出許可信号送信手段)
82 演出図柄制御装置(先読み演出実行決定手段、先読み演出内容決定手段)
83 音声・ランプ統合制御装置(先読み演出実行決定手段、先読み演出内容決定手段)
90 先読み演出役物
90a 先読み演出役物上領域(貯留装置)
90b 先読み演出役物下領域
91 左演出役物誘導通路(誘導通路)
91a 左流下経路切換体(切換え手段)
91b 左切換体ソレノイド
92 右演出役物誘導通路(誘導通路)
92a 右流下経路切換体(切換え手段)
92b 右切換体ソレノイド
93 ガイド部材
94 振分体
95 左役物羽根(貯留装置)
95a 左役物羽根ソレノイド
96 右役物羽根(貯留装置)
96a 右役物羽根ソレノイド
97 特定領域
97a 特定領域検出スイッチ
98 非特定領域A
98a 非特定領域検出スイッチA
99 非特定領域B
99a 非特定領域検出スイッチB
100 非特定領域C
100a 非特定領域検出スイッチC
101 流出口
101a 進入球検出スイッチ

Claims (4)

  1. 乱数値を取得するための普通図柄作動スイッチと、
    該普通図柄作動スイッチに遊技球が検出されたことにより取得した前記乱数値を記憶する普通図柄保留手段と、
    該普通図柄保留手段により記憶された前記乱数値によって当否を判定する普通図柄判定手段と、
    該普通図柄判定手段による判定結果を普通図柄の変動を経て確定表示することで報知する普通図柄表示装置と、
    前記普通図柄判定手段による判定が当選した場合に所定入賞口が所定回数開放される普図当り遊技状態に移行させる普図当り遊技実行手段と、
    複数種類の乱数値を取得するための始動口スイッチと、
    該始動口スイッチに遊技球が検出されたことにより取得した前記複数種類の乱数値を記憶する特別図柄保留手段と、
    該特別図柄保留手段により記憶された前記複数種類の乱数値の一つである当否乱数によって当否を判定する特別図柄判定手段と、
    該特別図柄判定手段による前記特別図柄保留手段に記憶された前記当否乱数の判定結果を特別図柄の変動を経て確定表示することで報知する特別図柄表示装置と、
    前記特別図柄判定手段による判定が当選した場合に大入賞口が所定回数開放される特別遊技状態に移行させる特別遊技実行手段と、
    前記特別遊技状態の終了後に前記普通図柄又は/及び前記特別図柄の変動時間が短縮された変動時間短縮状態に移行させる変動時間短縮手段と、
    前記特別遊技状態の終了後に前記所定入賞口の開放時間が長い開放延長状態に移行させる開放延長手段と、
    前記特別遊技状態の終了後に前記特別図柄判定手段による当否判定で当選する確率が高く設定された高確率遊技状態に移行させる確率変動手段と、
    前記普通図柄判定手段、前記普図当り遊技実行手段、前記特別図柄判定手段、前記特別遊技実行手段、前記変動時間短縮手段、前記開放延長手段、前記確率変動手段とを備えた主制御装置と、
    該主制御装置から送られる前記特別図柄判定手段による判定結果を含む表示制御コマンドをもとに演出図柄表示装置にて前記特別図柄の擬似演出を表示させるための制御を行うサブ制御装置と、
    を備えた弾球遊技機において、
    前記始動口スイッチによって検出された遊技球(以後、用済み球と称する)が進入可能な先読み演出役物と、
    該先読み演出役物内に進入した前記用済み球の貯留及び貯留の解除を行う貯留装置と、
    該貯留装置の下流側に設けられた特定領域及び非特定領域と、
    該特定領域に進入した前記用済み球を検出する特定領域検出手段と、
    前記主制御装置に、前記特別図柄判定手段による当否の判定よりも先に前記特別図柄保留手段に記憶された前記当否乱数値が特定の値であるか否かを確認する当否乱数確認手段と、該当否乱数確認手段によって確認された当否乱数値又は前記当否乱数確認手段の確認結果、を示す先読み演出許可信号を前記サブ制御装置に送信する先読み演出許可信号送信手段と、を備え、
    前記サブ制御装置に、前記当否乱数確認手段に確認された前記当否乱数値が前記特別図柄判定手段による当否の判定が行われる前に、前記確認された当該当否乱数値についての演出(以後、先読み演出と称する)を行うか否かを決定する先読み演出実行決定手段と、
    前記先読み演出を前記先読み演出役物を利用した演出にするか否かを決定する先読み演出内容決定手段と、を備え、
    前記先読み演出役物を利用した先読み演出は、前記先読み演出実行決定手段にて前記先読み演出を行うことが決定された前記当否乱数値が前記特別図柄保留手段に記憶される以前から前記特別図柄保留手段に記憶されている前記当否乱数値についての前記特別図柄判定手段による当否判定の結果を示す特別図柄の変動開始又は変動中に前記貯留装置による前記用済み球の貯留を開始し、当該変動中の特別図柄の変動が終了しても前記貯留装置による前記用済み球の貯留を継続させ、前記先読み演出実行決定手段にて前記先読み演出を行うことが決定された前記当否乱数値についての前記特別図柄判定手段による当否判定の結果を示す特別図柄の変動中に前記貯留装置による貯留を解除して貯留されている複数の前記用済み球を一斉に流出させ、流出された前記用済み球が前記特定領域検出手段に検出されると、検出されたことを前記演出図柄表示装置により報知するようにしたことを特徴とする弾球遊技機。
  2. 請求項1記載の弾球遊技機において、
    前記始動口スイッチは、前記普通図柄判定手段による判定が当選した場合に開放される前記所定入賞口に入球した遊技球を検出するようにし、
    前記先読み演出内容決定手段は、少なくとも現在の遊技状態が前記開放延長状態であることを条件に前記先読み演出役物を利用した先読み演出を行うと決定することを特徴とする弾球遊技機。
  3. 請求項1記載の弾球遊技機において、
    前記始動口スイッチは、入球率が変化しない入賞口に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチと、前記普通図柄判定手段による判定が当選した場合に開放される前記所定入賞口に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチとがあり、
    前記特別図柄保留手段には、前記第1始動口スイッチに遊技球が検出されたことにより取得した前記複数種類の乱数値を記憶する第1特別図柄保留手段と、前記第2始動口スイッチに遊技球が検出されたことにより取得した前記複数種類の乱数値を記憶する第2特別図柄保留手段とがあり、
    前記特別図柄表示装置には、前記特別図柄判定手段による前記第1特別図柄保留手段に記憶された前記当否乱数値の判定結果を第1特別図柄の変動を経て確定表示することで報知する第1特別図柄表示装置と、前記特別図柄判定手段による前記第2特別図柄保留手段に記憶された前記当否乱数値の判定結果を第2特別図柄の変動を経て確定表示することで報知する第2特別図柄表示装置とがあり、
    前記第1特別図柄表示装置又は前記第2特別図柄表示装置にて特別図柄が変動している場合には他方の特別図柄表示装置にて特別図柄は変動させないようにするとともに第1特別図柄保留手段及び第2特別図柄保留手段の双方に前記取得された当否乱数値が記憶されている場合には、前記第1特別図柄保留手段にて記憶されている当否乱数値よりも前記第2特別図柄保留手段にて記憶されている当否乱数値の判定結果を示す特別図柄の変動を優先するように設定し、
    前記特別遊技状態には前記大入賞口の開放時間又は開放回数の異なる複数種類の特別遊技状態があり、前記第1特別図柄保留手段に記憶された前記当否乱数値が前記特別図柄判定手段による判定で当選した場合に行われる前記特別遊技よりも前記第2特別図柄保留手段に記憶された前記当否乱数値が前記特別図柄判定手段による判定で当選した場合に行われる前記特別遊技態のほうが、前記大入賞口の開放時間が長い又は前記大入賞口の開放回数が多い前記特別遊技が選択される確率を高く設定し、
    前記先読み演出内容決定手段は、少なくとも前記先読み演出実行決定手段が演出を行うと決定した前記当否乱数値が前記第2始動口スイッチに遊技球が検出されたことにより取得されたものであることを条件に前記先読み演出役物を利用した先読み演出を行うと決定することを特徴とする弾球遊技機。
  4. 請求項1記載の弾球遊技機において、
    前記始動口スイッチにより入球した遊技球が検出されない入賞口に入球した遊技球を前記先読み演出役物に誘導する誘導通路と、
    該誘導通路に、当該入賞口に入球した遊技球を前記先読み演出役物に進入不能にするか進入可能にするかを切り換える切換え手段とを備え、
    前記先読み演出内容決定手段にて前記先読み演出役物を利用して先読み演出を行うと決定されると、前記先読み演出実行決定手段にて先読み演出を行うことが決定された前記当否乱数値が前記特別図柄保留手段に記憶される以前から前記特別図柄保留手段に記憶されている当否乱数値についての前記特別図柄判定手段による当否判定の結果を示す特別図柄の変動開始又は変動中に前記切換え手段を、前記先読み演出役物への進入不能な状態から進入可能な状態に切り換えるようにしたことを特徴とする弾球遊技機。
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