JP5281667B2 - ネットワークエンティティ、ネットワークエンティティ保護方法 - Google Patents
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Description
例えば、バーストトラヒック発生時における通信品質の劣化を回避するため、無線リソース(物理的リソース)の使用状況に応じて、優先度に応じて予め設定した複数の呼受付閾値を、当該呼に係る呼受付閾値と比較し、該比較結果に基づいて当該呼に対する新規の呼受付を規制することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献2所載の技術は、発信呼、着信呼、呼設定後のデータ通信などの各種のトラヒックの処理時に、CPUリソースやメモリリソース(物理的リソース)が、該当ノードへの大量のトラヒック流入によって許容リソース使用率を超えて輻輳状態となり、ネットワーク全体のトラヒック処理能力が極端に低下する問題に対処する技術であるとされている。
図4は、LTEのシステムにおけるネットワークエンティティ間のトラヒックについて説明するための概念図である。この図では、トラヒックは細線の矢線で表されている。
この場合、CSCF420では、従来の技術によって、通例の如く、接続されている外部のサーバ(ノード)からのバーストトラヒックの流入を抑止するように、当該外部のサーバ(ノード)においてCSCF420へ送るトラヒックに関する規制が実行される。
発明者は、上述のようなバーストトラヒックの規制とその効果等について種々考察を加えた。次に、これらの考察について、以下に、図面を参照して説明する。
また、図5(b)は、図5(a)における機能不全の発生要因を2つの種別に区分して、それぞれに課すべき規制の条件を可視化した図である。
図5(a)および図5(b)における考察では、機能不全の発生要因を物理的リソースと論理的リソースとに区分している。
そして、図5(a)の例では、当該ネットワークエンティティにおける機能不全の発生要因が物理的リソースである場合には、トラヒック規制を考えるに際して上記機能不全発生に係る注目因子を、ハードウェアのリソース(即ち、物理的リソース)の使用率としている。
また、ハードウェアのリソースの使用率は、例えば、該当するノードに適用されたサーバコンピュータの仕様上の能力に対する使用率として定義し得る。この場合には、トラヒック規制の基準として、動作保証されている ハードウェアリソース(上記の例では、サーバコンピュータのCPU)の使用率が適用され得る。
また、物理的リソースに関する規制、および、論理的リソースに関する規制の何れかでも規制に抵触する状態が図5(b)に表された非許容領域Z52であり、この領域に該当する状態のときに規制の発動を要することになる。
図5を参照して説明したバーストトラヒックの規制に係る考察では、リソースを物理的リソースと共に論理的リソースをも併せ勘案する一方、呼の種別については別段の配慮をしないで所謂総量規制を行うことを条件とするという前提であった。これに対し、図6を参照して説明するケースでは、呼の種別毎のトラヒックの動静に係る視点で考察を加えたものである。
図6(a)における右側の「規制値未満」と表記された状況は、リソースの稼働が規制の基準値未満である場合を表している。即ち、呼種A、呼種B、呼種C、および、呼種Dは、個々において、何れも呼種別の規制値未満であって、当然に、それらの総和も規制の基準値未満である。従って、呼種別および総量の何れの点でも規制発動に到らない状態である。
図6(b)は、従来の如く物理的リソースに関してバーストトラヒックに規制をかける場合の問題点について説明するための図である。
即ち、図6(b)における領域Z61は物理的リソースおよび論理的リソースの双方に係る各基準値未満の領域である許容領域であり、図5(b)における領域Z51に対応する。従って、この領域Z61では規制の発動を要しない。
即ち、バーストトラヒックに起因する故障や通信品質低下等の機能不全の発生を確実に予防することができるネットワークエンティティ、および、ネットワークエンティティ保護方法を実現することをその目的とする。
(1)物理的リソースに係るトラヒック規制を行う物理的リソース系トラヒック規制制御部と、呼の発生を検出する呼検出部と、前記呼検出部によって検出された呼に対応するトラヒック量を既定の呼種別毎に算定する呼種別トラヒック量算定部と、前記呼種別トラヒック量算定部で算定された呼種別のトラヒック量を該トラヒック量に対応する呼種別論理的リソース消費量に換算する呼種別論理的リソース消費量換算部と、前記呼種別論理的リソース消費量換算部で算定される呼種別論理的リソース消費量に関する規制の基準値を保持する呼種別論理的リソース消費量規制基準値保持部と、前記呼種別論理的リソース消費量規制基準値保持部に保持された当該基準値に基づいて前記呼種別論理的リソース消費量換算部で換算された呼種別論理的リソース消費量が既定の規制値に該当するか否かを判定する呼種別トラヒック規制要否判定部と、前記呼種別トラヒック規制要否判定部で規制値に該当すると判定されたトラヒックに関する規制を前記物理的リソース系トラヒック規制制御部によるトラヒック規制とは非排他的に且つ呼種別に実行する呼種別トラヒック規制制御部と、
を備えていることを特徴とするネットワークエンティティ。
上記(2)のネットワークエンティティでは、(1)のネットワークエンティティにおいて特に、当該ネットワークエンティティがLTEにおけるCSCFとして構成され、前記呼種別トラヒック規制制御部は、前記CSCFにおける呼セッションの制御を担う呼セッション制御部において各別の呼種に応じた規制を行うように構成されているため、CSCFでの呼セッション制御動作の一環として呼種別の論理的リソースに係るトラヒック規制が物理的リソースに係るトラヒック規制とは非排他的に実行される。
(ネットワークエンティティの構成)
図1は、本発明の実施の形態としてのネットワークエンティティの構成を表す機能ブロック図である。
図1におけるネットワークエンティティはLTE(Long Term Evolution)のシステム
におけるCSCF(Call Session Control Function)100として構成されている。
CSCF100は、呼検出部111、呼種別トラヒック量算定部112、呼種別論理的リソース消費量換算部113、呼種別トラヒック規制要否判定部114、記憶部120、および、呼セッション制御部130を含んで構成されている。
更に、呼セッション制御部130は、CSCF100における中核的機能である呼セッション制御を実行するための機能部であり、物理的リソース系トラヒック規制制御部131、および、呼種別トラヒック規制制御部132を備えている。
呼セッション制御部130の、物理的リソース系トラヒック規制制御部131は、物理的リソースに係るバーストトラヒックを規制するための、それ自体は上掲の文献所載のような一般的な構成を有するものである。
従って、図6を参照して既述のような、物理的リソースに関するトラヒックの規制だけでは規制が発動されない論理的リソースに係る基準値超過状態、即ち、図6(b)における領域Z63に該当する状態に対して有効に規制を発動することができる。
図2は、図1のネットワークエンティティの動作を表すフローチャートである。
呼検出部111が呼の発生を待機し(S201、S202:No)、呼の発生が検出されると(S202:Yes)、呼種別トラヒック量算定部112でCSCF100への呼種別のトラヒック流入量が算定される(S203)。
上記の判定が規制を要する旨であるときには(S206:Yes)、呼セッション制御部130の呼種別トラヒック規制制御部132において、該当する呼種別にトラヒックの規制制御が実行される(S207)。
このため、図6(b)における領域Z63に該当する状態についても、規制が発動することになり、ネットワークエンティティ(CSCF)100におけるバーストトラヒックからの保護が十全に行われる。
一方、上記の判定が規制を要しない旨であるときには(S206:No)、呼種別トラヒック規制制御部132における呼種別のトラヒック規制制御を行わずにリターンする。
図3(a)は、既述の図6(a)に相応する図であり、呼種A、B、C、D毎に、トラヒック量、従って、これに対応するリソースの状況に着目した考察の結果を表している。
図3(a)における「規制値未満」と表記された状況は、リソースの稼働が規制の基準値未満である場合を表している。即ち、呼種A、呼種B、呼種C、および、呼種Dは、個々において、何れも呼種別の規制値未満であって、当然に、それらの総和も規制の基準値未満である。従って、呼種別および総量の何れの点でも規制発動に到らない状態である。
このため、バーストトラヒック発生時に、呼種Aおよび呼種Bについて、それらが各別の基準値Ua、Ub未満であるときにはリソースの枯渇なく通信が持続され得るため、規制がかからない。そして、それら呼種Aおよび呼種Bが各別の基準値Ua、Ubを、それぞれSa、Sb超過した場合には、規制がかかり、リソースの枯渇に起因する通信品質の低下や、ネットワークエンティティにおける機能不全の発生が効果的に回避される。
111……………………呼検出部
112……………………呼種別トラヒック量算定部
113……………………呼種別論理的リソース消費量換算部
114……………………呼種別トラヒック規制要否判定部
120……………………記憶部
121……………………物理的リソース系トラヒック規制制御用データ保持部
122……………………呼種別論理的リソース消費量換算用データ保持部
123……………………呼種別トラヒック規制値保持部
130……………………呼セッション制御部
131……………………物理的リソース系トラヒック規制制御部
132……………………呼種別トラヒック規制制御部
Claims (3)
- 物理的リソースに係るトラヒック規制を行う物理的リソース系トラヒック規制制御部と、呼の発生を検出する呼検出部と、前記呼検出部によって検出された呼に対応するトラヒック量を既定の呼種別毎に算定する呼種別トラヒック量算定部と、前記呼種別トラヒック量算定部で算定された呼種別のトラヒック量を該トラヒック量に対応する呼種別論理的リソース消費量に換算する呼種別論理的リソース消費量換算部と、前記呼種別論理的リソース消費量換算部で算定される呼種別論理的リソース消費量に関する規制の基準値を保持する呼種別論理的リソース消費量規制基準値保持部と、前記呼種別論理的リソース消費量規制基準値保持部に保持された当該基準値に基づいて前記呼種別論理的リソース消費量換算部で換算された呼種別論理的リソース消費量が既定の規制値に該当するか否かを判定する呼種別トラヒック規制要否判定部と、前記呼種別トラヒック規制要否判定部で規制値に該当すると判定されたトラヒックに関する規制を前記物理的リソース系トラヒック規制制御部によるトラヒック規制とは非排他的に且つ呼種別に実行する呼種別トラヒック規制制御部と、
を備えていることを特徴とするネットワークエンティティ。 - 当該ネットワークエンティティがLTEにおけるCSCFとして構成され、前記呼種別トラヒック規制制御部は、前記CSCFにおける呼セッションの制御を担う呼セッション制御部において各別の呼種に応じた規制を行うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のネットワークエンティティ。
- ネットワーク上に設けられたコンピュータが、該ネットワークないしネットワークエンティティの注目点におけるトラヒック量を既定の呼種別毎に算定し、該算定された呼種別のトラヒック量を該トラヒック量に対応する呼種別の論理的リソース消費量に換算し、該換算による呼種別の論理的リソース消費量が既定の規制値との対照においてトラヒック規制を要するか否かを呼種別に判定し、規制を要すると判定されたトラヒックに関する規制を前記論理的リソースとは別異の物理的リソースに係るトラヒック規制である物理的リソース系トラヒック規制とは非排他的に実行することを特徴とするネットワークエンティティ保護方法。
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