JP5281628B2 - 掌側プレート及び橈骨遠位端掌側整復器具 - Google Patents

掌側プレート及び橈骨遠位端掌側整復器具 Download PDF

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Description

本発明は、橈骨遠位端の掌側から骨折部に添える掌側プレート、及び、掌側プレート上に設置してプレートロックネジの骨への刺入方向ガイドする掌側ガイドブロック、掌側プレートと骨折部とを固定するプレートロックネジ、掌側プレートに取付けて骨に下孔を削孔するドリルをガイドするドリルガイド、ドリルガイドに挿入して骨に鋼線孔を穿孔する穿孔鋼線をガイドする鋼線ガイド等の器具を掌側プレートに組合わせた橈骨遠位端掌側整復器具に関するものである。
従来の骨プレートとして、骨の幹部に当てられる幹板部と、骨の遠位端部又は近位端部に当てられる頭板部とを備え、幹板部と頭板部のそれぞれに骨ネジ又は骨ピンを挿入するための少なくとも一個の貫通穴が形成された骨プレートにおいて、幹板部における貫通穴の入口側に凹状座面が形成され、頭板部における貫通穴の入口側と出口側に凹状座面と雌ネジがそれぞれ形成され、球状凸面が頭部の下面に形成された骨ネジ又は骨ピンの軸部が貫通穴に遊貫される場合は頭部の球状凸面が上記凹状座面に滑動自在に嵌り込むようにし、雄ネジが頭部の側面に形成された骨ネジ又は骨ピンの軸部が頭板部の貫通穴に遊貫される場合は頭部の雌ネジが上記雌ネジに螺合するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−313514号公報
しかしながら、上記従来の技術によれば、皮膚や筋肉等を大きく切開し、骨膜を剥離して骨を展開後、骨に直接骨プレートを当て骨ネジよって骨折部を骨プレートに固定するので、大きく切開・展開される筋肉等の損傷が大きく、骨折部が整復され骨プレートが撤去された後の筋肉等の回復に時間がかかるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、筋肉等の切開が最小限に抑えられ、骨折部固定の力学的安定性に優れ、骨折部の整復時の筋骨膜損傷が少なく(最小侵襲手術)、筋肉等の回復が速く、かつ、骨癒合も早期に得られる橈骨遠位端骨折部の整復器具を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、撓骨遠位端掌側の方形回内筋上に設置して骨折部を掌側より固定する掌側プレートであって、前記掌側プレートの遠位端部に配置されて骨に刺入されたプレートロックネジをロックする複数の遠位ネジ孔と、前記掌側プレートの近位側の幹部に前記撓骨の軸方向に互いに離間して配置され、骨に刺入されたプレートロックネジをロックする複数の近位ネジ孔と、前記遠位ネジ孔の近傍と近位ネジ孔の近傍の幹部とに設けられ、骨折部を前記掌側プレートに仮止めするための仮止め鋼線を通す鋼線孔と、を備え、前記近位ネジ孔の近傍の幹部の鋼線孔は、少なくとも2つが前記撓骨の軸方向に互いに離間し、かつ、前記掌側プレートの中心軸の左側と右側とに配置されていることを特徴とする。
本発明にかかる掌側プレートは、撓骨遠位端掌側の方形回内筋上に設置されるので、方形回内筋を殆んど切開する必要がなく、設置及び抜去による筋(腱)の損傷が無い掌側プレートが得られるという効果を奏する。
本発明にかかる背側プレートを示す平面図である。 図1−1のA−A線に沿う断面図である。 同B−B線に沿う断面図である。 同C−C線に沿う断面図である。 同D−D線に沿う断面図である。 本発明にかかる背側プレートの変形例を示す平面図である。 皮膚及び皮下脂肪を取除いた右手背側を示す図である。 伸筋支帯を取除いた右手背側を示す図である。 骨の右手背側を示す図である。 右手手首の断面図である。 本発明にかかるプレートロックネジを示す正面図である。 本発明にかかるプレートロックネジを示す上面図である。 本発明にかかる第1のドリルガイドを示す正面図である。 本発明にかかる第1のドリルガイドを示す上面図である。 本発明にかかる第1の鋼線ガイドを示す正面図である。 本発明にかかる第1の鋼線ガイドを示す上面図である。 本発明にかかる鈍棒の正面図である。 本発明にかかる鈍棒の上面図である。 本発明にかかる背側ガイドブロックを示す平面図である。 図7−1のA−A線に沿う断面図である。 同B−B線に沿う断面図である。 同C−C線に沿う断面図である。 同D−D線に沿う断面図である。 本発明の撓骨遠位端背側整復器具の組立て状態を示す断面図である。 本発明にかかる掌側プレートを示す平面図である。 図9−1のA−A線に沿う断面図である。 同B−B線に沿う断面図である。 同C−C線に沿う断面図である。 本発明にかかる第2のドリルガイドを示す正面図である。 本発明にかかる第2のドリルガイドを示す上面図である。 本発明にかかる第3のドリルガイドを示す正面図である。 本発明にかかる第3のドリルガイドを示す上面図である。 本発明にかかる第2の鋼線ガイドを示す正面図である。 本発明にかかる第2の鋼線ガイドを示す上面図である。 本発明にかかる掌側ガイドブロックを示す平面図である。 本発明にかかる掌側ガイドブロックを示す側面図である。 撓骨遠位端掌側整復器具の縦断面図である。
以下に、本発明にかかる掌側プレート等の撓骨遠位端掌側整復器具の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1−1は、本発明にかかる背側プレートを示す平面図であり、図1−2は、図1−1のA−A線に沿う断面図であり、図1−3は、同B−B線に沿う断面図であり、図1−4は、同C−C線に沿う断面図であり、図1−5は、同D−D線に沿う断面図であり、図1−6は、本発明にかかる背側プレートの変形例を示す平面図であり、図2−1は、皮膚及び皮下脂肪を取除いた右手背側を示す図であり、図2−2は、伸筋支帯を取除いた右手背側を示す図であり、図2−3は、骨の右手背側を示す図であり、図2−4は右手手首の断面図であり、図3−1は、本発明にかかるプレートロックネジを示す正面図であり、図3−2は、同上面図であり、図4−1は、本発明にかかる第1のドリルガイドを示す正面図であり、図4−2は、同上面図であり、図5−1は、本発明にかかる第1の鋼線ガイドを示す正面図であり、図5−2は、同上面図であり、図6−1は、本発明にかかる鈍棒の正面図であり、図6−2は、同上面図であり、図7−1は、本発明にかかる背側ガイドブロックを示す平面図であり、図7−2は、図7−1のA−A線に沿う断面図であり、図7−3は、同B−B線に沿う断面図であり、図7−4は、同C−C線に沿う断面図であり、図7−5は、同D−D線に沿う断面図であり、図8は、本発明の撓骨遠位端背側整復器具の組立て状態を示す断面図である。
図1−1〜図1−5に示すように、本発明の背側プレート10は、平面視がY字状に形成され、第1の枝部10aの先端部に第1のネジ孔11aが配置され、第2の枝部10bの先端部に第2のネジ孔11bが配置され、Y字の幹部10cに軸方向に互いに離間する複数(5個)の近位ネジ孔11c〜11gが配置されている。2本の枝部10a、10bの間は、切欠き部10dとなっている。
実施例1では、近位ネジ孔を5個配置しているが、近位ネジ孔は、軸方向に離間させて少なくとも2個配置すればよい。第1、第2の枝部10a、10bの中間部にもネジ孔11i、11hを配置しているが、これらは通常、骨折した部分に位置することになって使用されることが少ないので、必ずしも配置する必要はない。ネジ孔11a〜11iは、M4ネジ孔であり、隣合うネジ孔の中心間距離は、5〜7mmとなっている。
図2−1〜図2−4に示すように、背側プレート10を、撓骨遠位端背側の皮膚21及び脂肪22が切開された伸筋支帯23及び総指伸筋腱24a上に設置し、後述のプレートロックネジ30をネジ孔11a〜11gを通して撓骨25に刺入した後、頭部をネジ孔11a〜11gにロックして撓骨25の骨折した部分25a(通常、橈骨先端部より15mmほど近位側)の近傍の橈骨25を背側より固定する。
第1のネジ孔11aは、撓骨遠位端背側のリスター結節25bの母指26側である撓側25cに配置され、プレートロックネジ30は、第1のネジ孔11a及び伸筋支帯23を通して短撓側手根伸筋腱24bとリスター結節25bとの間(図2−4に示す伸筋支帯23の第2区画23bと第3区画23cの間)の撓側25cの端部に刺入される。
第2のネジ孔11bは、リスター結節25bの小指27側に配置され、プレートロックネジ30は第2のネジ孔11b及び伸筋支帯23を通して総指伸筋腱24aの間(図2−4に示す伸筋支帯23の第4区画23d)又は総指伸筋腱24aと小指伸筋腱24dとの間(図2−4に示す伸筋支帯23の第4区画23dと第5区画23eの間)の撓骨25の端部に刺入される。
このとき、リスター結節25b上に位置することになる背側プレート10の2本の枝部10a、10bの間は、切欠き部10dとなっているので、リスター結節25bの隆起が背側プレート10に当たることはなく、予めリスター結節25bを削り取る必要がない。また、骨折した部分25aが潰れて骨欠損が生じている場合に、切欠き部10dから人工骨等の移植を行なうことができる。
複数の近位ネジ孔11c〜11gは、リスター結節25bの近位側(骨折した部分25aよりも近位側)に配置され、プレートロックネジ30は、近位ネジ孔11c〜11gを通し、短母指外転筋腱24e及び総指伸筋腱24aを左右に除けて、撓骨25に刺入される。
第1、第2のネジ孔11a、11bの中心線間の幅方向距離は14.8mm、軸方向距離は3.9mmとしている。図2−3に示すように、橈骨25の遠位端部は、小指27側が橈側25cよりも凹んでいるので、第2のネジ孔11bを第1のネジ孔11aよりも近位側に配置している。
また、橈骨25の遠位端部は、掌側が背側よりも凹んでいるので、橈骨25の遠位端部背側から第1、第2のネジ孔11a、11bを通して橈骨25に刺入されたプレートロックネジ30が橈骨25の遠位端部を遠位側に突き抜けないように、図1−4に示すように、第1、第2のネジ孔11a、11bの向きを、背側プレート10の垂線に対して近位側に5°傾斜させている。
背側プレート10の厚さは2mmであり、全長S1は40mm、全幅S2は23mm、幹部10cの幅S3は10mm、切欠き部10dの開口幅S4は8mm、切欠き部10dの第1の枝部10aの先端からの深さは18mmである。また、背側プレート10は、図2−4に示す伸筋支帯23の湾曲度に合わせて、曲率半径R=28mmで幅方向に湾曲させている。
この背側プレート10の湾曲に合わせるように、背側プレート10の中心軸線の左側に配置されたネジ孔11a、11i、11g、及び、中心軸線の右側に配置されたネジ孔11b、11h、11fの向きを、図1−2及び図1−3に示すように、中心軸側に向けて5°傾斜させている。
第1のネジ孔11a、第2のネジ孔11b及び近位ネジ孔11dの近傍に、ネジ孔を挟むように、三対合計6個の鋼線孔12a〜12fが設けられている。橈骨遠位端の骨折部を背側プレート10及びプレートロックネジ30で固定するのに先立ち、骨折部に鋼線孔12a〜12fを通して仮止め鋼線を刺入して骨折部と背側プレート10とを仮止めし、仮止めによりプレートロックネジ30を刺入するための下孔(ドリル孔)を正確な位置に削孔できるようにする。
鋼線孔12a、12cは、鋼線孔12b、12dよりも骨強度の大きい橈骨遠位端部寄り(遠位)に設けられている。橈骨25の遠位端部は、掌側が背側よりも凹んでいるので、橈骨25の遠位端部背側から鋼線孔12a、12cを通して橈骨25に刺入された仮止め鋼線が橈骨25の遠位端部を遠位側に突き抜けないように、図1−5に示すように、鋼線孔12a、12cの向きを、背側プレート10の垂線に対して近位側に10°傾斜させている。鋼線孔12b、12d、12e、12fの向きは、背側プレート10の垂線と平行としている。
一対の鋼線孔12aと12bの向きが互いに傾斜し、一対の鋼線孔12cと12dの向きが互いに傾斜している(平行でない)ので、それぞれの鋼線孔及び橈骨25に仮止め鋼線を刺入すると、一対の仮止め鋼線同士が交差しているので鋼線孔から抜けなくなり、骨折部を背側プレート10にしっかりと仮止めすることができる。
背側プレート10の第1、第2の枝部10a、10bの端部の角部、及び、幹部10cの端部の角部は、曲率半径R=2mm〜4.5mmで角を落としている。また、背側プレート10の外周縁部は、伸筋支帯23及び総指伸筋腱24aに接触する下面側をエッジ状に尖らせて凸曲面状に面取りしている。
エッジ部の曲率半径は、R=0.2mmであり、凸曲面の曲率半径は、R=3mmである。下面側をエッジ状に尖らせて凸曲面状に滑らかに面取りしているので、背側プレート10で骨折部を固定後、皮膚21を縫合したときに、皮膚21への刺激が少なく、皮膚21との間に空洞部が発生し難い。
背側プレート10の切欠き部10dを囲む周縁部は、図1−5に示すように、縫合された皮膚21又は脂肪22に接触する上面側をエッジ状に尖らせて凸曲面状に面取りしている。エッジ部の曲率半径は、R=0.2mmであり、凸曲面の曲率半径は、R=3mmである。上面側をエッジ状に尖らせて凸曲面状に面取りしているので、伸筋支帯23に接触する部分が滑らかな曲面状であり、伸筋支帯23への刺激が少ない。
背側プレート10は、骨折した部分25aの位置及び個体による橈骨の大きさに応じて、全幅S2=23mm〜28mm、全長S1=40〜52mmの範囲の3種類の大きさのものを用意しておくとよい。
次に、図1−6を参照し、本発明の背側プレート10の変形例の背側プレート15について説明する。背側プレート15は、背側プレート10の第1、第2の枝部10a、10b間を繋ぐ架橋部10eを有しており、切欠き部10dが、第1、第2の枝部10a、10b及び架橋部10eに囲まれて大きな穴状となっている。
本発明の背側プレート15はY字状ではない。その他の部分は背側プレート10と同等である。背側プレート15は、背側プレート10と同等の効果を奏するほか、背側プレート10よりも、第1、第2の枝部10a、10b間が架橋されている分だけ強度が高い。
次に、図3−1及び図3−2を参照し、背側プレート10、15のネジ孔11a〜11iを通して橈骨25に刺入され、橈骨25と背側プレート10、15とを直接接触させないで固定する本発明のプレートロックネジ30について説明する。
プレートロックネジ30は、背側プレート10、15のネジ孔11a〜11iにねじ込まれてロックされるM4のロックネジが形成された頭部30aと、円柱状に形成された中間部30bと、骨に刺入される骨ネジが形成された先部30cと、を有している。頭部30aには、プラスドライバーが係合可能なプラス溝30dが形成され、M4のロックネジは、ネジ孔に入り易いように、先頭のネジ山を他のネジ山よりも低くしてある。
骨ネジ(先部)30cの先端部には、骨への喰い込みをよくするために、周方向3箇所に切欠き部30eを設けている。骨ネジ30cの外径はφ=3mm、谷径はφ=2.2mm、ネジ山厚さは0.1mmとなっている。骨ネジ30cのネジ山ピッチはP=1.4mmであり、頭部30aのM4のロックネジのピッチP=0.7mmよりも大きくしている。中間部30bの外径はφ=2.2mmである。
プレートロックネジ30が橈骨25に刺入され頭部30aのロックネジが背側プレート10のネジ孔にねじ込まれていくとき、プレートロックネジ30の1回転当たりの骨への進入量がネジ孔への進入量よりも大きいので、背側プレート10、15が骨側へ引き寄せられることになり、伸筋支帯23等の弾力等により浮上がっている背側プレート10、15を骨側に引き寄せてしっかりと固定することができる。
頭部30aの長さはL1=3mm、中間部30bの長さはL2=10mm以上、骨ネジ30cの長さはL3=8mmとしている。プレートロックネジ30が橈骨25に刺入され頭部30aのロックネジが背側プレート10、15のネジ孔にロックされたとき、ネジ山等の突起部の無い滑らかな円柱状の中間部30bを伸筋支帯23及び伸筋腱内に位置させてこれらを傷つけないようにするために、中間部30bの長さを伸筋支帯23の厚さよりも大きいL2=10mm以上としている。中間部30bの長さを10mmから2mm刻みで長くした数種類のプレートロックネジ30を用意しておくとよい。
次に、図4−1及び図4−2を参照し、背側プレート10、15のネジ孔11a〜11iにねじ込まれて背側プレート10、15に取付けられる本発明のドリルガイド40について説明する。
ドリルガイド40は、φ=2.4mmのドリルガイド孔40aを有する筒状に形成され、下端部から順に、ネジ穴11a〜11iから橈骨25側に突出して伸筋支帯23及び伸筋腱を左右に押し退け、伸筋支帯23及び伸筋腱がドリルに接触して損傷するのを防止する保護筒部40gと、ネジ孔11a〜11iにねじ込まれてロックされるM4のロックネジ40bと、外径4.5mmの円筒部40cと、対辺距離3.69mmの六角筒部40dと、M3の鋼線ガイドロックネジ孔40eと、が形成されている。
保護筒部40gの長さはM0=6mm、ロックネジ40bの長さはM1=2mm、円筒部40cの長さはM2=12mm、六角筒部40dの長さはM3=16mm、鋼線ガイドロックネジ孔40eの深さは1mm以上としている。ドリルガイド40は、背側プレート10、15に取付けられ、橈骨25にプレートロックネジ30を刺入させるための下孔を削孔するドリルの方向をガイドする。
次に、図5−1及び図5−2を参照し、ドリルガイド40に挿入され、ドリルの先導孔を穿孔する穿孔鋼線をガイドする本発明の鋼線ガイド50について説明する。
鋼線ガイド50は、φ=1.3mmの鋼線ガイド孔50aを有する筒状に形成され、外径φ=2.4mmの円筒部50bと、外径φ=4.5mmの筒状の頭部50cと、を有している。円筒部50bの頭部50c側には、M3・長さ1mmのネジ部50dが形成されている。
円筒部50bの長さはN1=35mm、頭部50cの長さはN2=3mmとしている。鋼線ガイド50は、ドリルガイド40に挿入されネジ部50dが鋼線ガイドロックネジ孔40eにねじ込まれて固定され、橈骨25にドリルの先導孔を穿孔する穿孔鋼線の方向をガイドする。ネジ部50dが鋼線ガイドロックネジ孔40eにねじ込まれて固定されるので、整復手術中に鋼線ガイド50がドリルガイド40から外れ落ちるようなことはない。
次に、図6−1及び図6−2を参照し、鋼線ガイド50に挿入され、予め注射針等で針孔をあけておいた橈骨25の穿孔鋼線刺入位置を探る本発明の鈍棒60について説明する。
鈍棒60は、外径φ=1.2mmの丸棒部60aと、外径φ=4.5mmの柱状の頭部60bと、を有している。丸棒部60aの先端部は、半球状に形成されている。丸棒部60aの長さはR1=53mm、頭部60bの長さはR2=3mmとしている。鈍棒60を鋼線ガイド50に挿入すると、鈍棒60の先端部が背側プレート10の下面より20mmほど突出し、伸筋支帯23を突き抜け伸筋腱の間を通して橈骨25に予め注射針等で針孔をあけておいた穿孔鋼線刺入位置(プレートロックネジ30刺入位置)を探り当てることができる。
次に、図7−1〜図7−5を参照して、背側プレート10、15上に設置して仮止め鋼線及びプレートロックネジ30の骨への刺入方向をガイドする本発明の背側ガイドブロック70について説明する。
背側ガイドブロック70は、樹脂製で、外形が背側プレート10、15と同一で、切欠き部が無い形状に形成され、背側プレート10、15の第1、第2のネジ孔11a、11b及び複数の近位ネジ孔11c〜11iに対応する位置に、それぞれのネジ孔と同じ向きのネジガイド孔71a〜71iが形成されている。また、背側プレート10の鋼線孔12a〜12fに対応する位置に、それぞれの鋼線孔と同じ向きの鋼線ガイド孔72a〜72fが形成されている。
背側ガイドブロック70の厚さは5mmであり、ネジガイド孔71a〜71iの内径はφ=5mmであり、鋼線ガイド孔72a〜72fの内径はφ=1.4mmである。背側ガイドブロック70は、背側プレート10上に設置して仮止め鋼線及びプレートロックネジ30の骨への刺入方向をガイドする。
リスター結節25bの隆起は、背側プレート10、15の上面の高さよりも低いので、リスター結節25bが背側ガイドブロック70に当ることはない。また、図7−2及び図7−3に示すように、背側ガイドブロック70の下面は、背側プレート10の上面の湾曲度に合わせて、曲率半径R=30mmで幅方向に湾曲させている。ガイドブロック70は、背側プレート10、15の3種類の大きさのものに応じて、3種類の大きさのものを用意する。
以上説明した橈骨遠位端背側整復器具のうち、背側ガイドブロック70以外はチタン合金で製作している。また、背側プレート10、15及び背側ガイドブロック70は、右手用のものについて説明したが、左手用のものは右手用のものと線対称(勝手違い)の形状にすればよい。
次に、図8を参照して、上述の橈骨遠位端背側整復器具を用いた撓骨遠位端骨折部の固定方法を説明する。
まず、背側プレート10の第1、第2のネジ孔11a、11b及び近位ネジ孔11c、11eにそれぞれ第1のドリルガイド40を取付け、第1のドリルガイド40にそれぞれ第1の鋼線ガイド50を取付け、第1のネジ孔11aに取付けた第1の鋼線ガイド50には鈍棒60を挿し込み、背側ガイドブロック70のネジガイド孔に第1のドリルガイド40を通して背側ガイドブロック70を背側プレート10上に設置して橈骨遠位端背側整復器具として組立てて準備しておく。
レントゲンで見ながら、骨折部の状態とリスター結節25bの撓側25cにおけるプレートロックネジ30の刺入位置の見当をつける。次に、橈骨遠位端背側の皮膚21を切開し脂肪22を除け、伸筋支帯23、総指伸筋24a及び短母指伸筋24cを露出させる。見当をつけたプレートロックネジ30の刺入位置上の伸筋支帯23を小切開する。
短撓側手根伸筋腱24bを左に除け、リスター結節25bを右にして、レントゲンで見ながらプレートロックネジ30の刺入位置に太い注射針で針孔をあける。組立てた橈骨遠位端背側整復器具を持ってきて、鈍棒60の先端を伸筋支帯23の小切開部に刺し込み、注射針の針孔を探し、その位置に背側プレート10を位置決めする。このとき、背側プレート10から下方へ突出しているドリルガイド40の保護筒部40gが伸筋支帯23及び伸筋腱を左右に押し退け、伸筋支帯23及び伸筋腱がドリルに接触しないようにする。
背側ガイドブロック70の鋼線ガイド孔72a〜72d及び背側プレート10の鋼線孔12a〜12dを通し、各腱を除けて、φ=1.2mmの先の尖った仮止め鋼線を回転させながら撓骨遠位端の骨折片に刺入して骨折片と背側プレート10とを仮止めする。手指を牽引して骨折片と近位側撓骨との位置を整復してから鋼線ガイド孔72e、72f及び鋼線孔12e、12fを通し、各腱を除けて、近位側に仮止め鋼線を刺入し、骨折部を背側プレート10で仮固定する。
第1の鋼線ガイド50にガイドさせて仮止め鋼線と同様の穿孔鋼線を背側プレート10のネジ孔11a〜11eの必要箇所を通して撓骨に刺入させ、ドリルの先導孔を穿孔する。第1の鋼線ガイド50を取外し、第1のドリルガイド40と先導孔にガイドさせて撓骨の必要箇所にプレートロックネジ30の下孔をドリルにより削孔する。このとき、保護筒部40gが伸筋支帯23及び伸筋腱を保護するので、伸筋支帯23及び伸筋腱がドリルにより損傷することはない。
第1のドリルガイド40を取付けたまま、デプスゲージを下孔に挿し込んで各下孔の深さを測り、第1のドリルガイド40を取外す。背側ガイドブロック70のネジガイド孔71a〜71eにガイドさせ、それぞれの長さのプレートロックネジ30を撓骨25の必要箇所に刺入し、ロックネジ(頭部)30aをネジ孔11a〜11eの必要箇所にロックして骨折部を背側プレート10に固定する。
背側ガイドブロック70を撤去し、骨折部に欠損があるときは、切欠き部10dから人工骨等を移植する。切開された皮膚21を縫合すれば撓骨遠位端骨折部の固定が完了する。
図9−1は、本発明にかかる掌側プレートを示す平面図であり、図9−2は、図9−1のA−A線に沿う断面図であり、図9−3は、同B−B線に沿う断面図であり、図9−4は、同C−C線に沿う断面図であり、図10−1は、本発明にかかる第2のドリルガイドを示す正面図であり、図10−2は、同上面図であり、図11−1は、本発明にかかる第3のドリルガイドを示す正面図であり、図11−2は、同上面図であり、図12−1は、本発明にかかる第2の鋼線ガイドを示す正面図であり、図12−2は、同上面図であり、図13−1は、本発明にかかる掌側ガイドブロックを示す平面図であり、図13−2は、同側面図であり、図14は、撓骨遠位端掌側整復器具の縦断面図である。
図9−1〜図9−4に示すように、本発明の掌側プレート100は、厚さが2mmで、平面視が、略台形の頭部100aと略長方形の幹部100bとを接続した細長い略デルタ形状に形成されている。頭部100aの先端部には、第1、第2、第3の遠位ネジ孔101a、101b、101cが一列に配置され、幹部100bには、軸方向に互いに離間する複数(2個)の近位ネジ孔101d、101eが配置されている。ネジ孔101a〜101eは、M4ネジ孔である。隣合う遠位ネジ孔101a、101b、101cの中心間距離は6mm、近位ネジ孔101d、101eの中心間距離は18.5mmとなっている。
頭部100aの中央部には、内径φ4.5mmの上面側大径孔と、内径φ3.3mmの下面側小径孔と中間テーパー孔とから成る3個の段付孔102a〜102cが配置されているが、これらは通常、骨折した部分に位置することになり使用されることが少なく、必ずしも配置する必要はない。しかしながら、段付孔102a〜102cは、複雑骨折等で骨折部が複数の骨折片に割れてしまったときは、個々の骨折片をプレートロックネジ30で掌側プレート100に固定するために使用される。
段付孔102a〜102cをネジ孔としてもよい。隣合う段付孔102a、102b、102cの中心間距離は6.5mmとなっている。また、近位ネジ孔101dと101eの間には、幅4.5mm、長さ9mmの段付長孔103が配置されている。
図示はしないが、掌側プレート100は、撓骨遠位端掌側の皮膚及び脂肪を切開し、掌側手根屈筋腱及び深指屈筋腱を左側に除け、筋膜を切開して、厚さ5〜7mmの方形回内筋上に設置され、前述のプレートロックネジ30をネジ孔101a〜101eを通して撓骨25に刺入した後、頭部をネジ孔101a〜101eにロックして撓骨25の骨折した部分25a(通常、橈骨先端部より15mmほど近位側、図2−3参照)の近傍の橈骨25を掌側より固定する。
遠位ネジ孔101a、101c間の幅方向距離は12mm、軸方向距離は2.7mmとしている。橈骨25の遠位端部は、小指側が橈側25cよりも凹んでいるので、第3の遠位ネジ孔101cを第1の遠位ネジ孔101aよりも近位側に配置している。また、橈骨25の遠位端部は、掌側が背側よりも凹んでいるので、橈骨25の遠位端部掌側から第1〜第3の遠位ネジ孔101a〜101cを通して橈骨25に刺入されたプレートロックネジ30が橈骨25の遠位端部に沿って刺入されるように、図9−4に示すように、第1〜第3の遠位ネジ孔101a〜101cの向きを、掌側プレート100の幹部100bの垂線に対して遠位側に15°傾斜させている。
掌側プレート100の全長T1は49mm、全幅T2は20mm、幹部100bの幅T3は9mmである。また、掌側プレート100は、撓骨遠位端掌側の湾曲度に合わせて、図9−4に示すように、曲率半径R=50mmで軸方向に上面側に湾曲させている。この掌側プレート100の湾曲に合わせるように、段付孔102a〜102cの向きを、掌側プレート100の幹部100bの垂線に対して遠位側に10°〜17°傾斜させている。
第2の遠位ネジ孔101bの近傍、及び、段付長孔103の近傍であって近位ネジ孔101d、101eの近傍に、遠位ネジ孔101b及び段付長孔103を挟むように、合計6個の鋼線孔104a〜104fが設けられている。橈骨遠位端の骨折した部分の近傍を掌側プレート100及びプレートロックネジ30で固定するのに先立ち、骨折した部分の近傍に鋼線孔104a〜104fを通して仮止め鋼線を刺入して骨折した部分の近傍と掌側プレート100とを仮止めし、仮止めにより、プレートロックネジ30を刺入するための下孔(ドリル孔)を正確な位置に削孔できるようにする。
近位ネジ孔の近傍の鋼線孔104e、104fは、撓骨25の軸方向に互いに離間し、かつ、掌側プレート100の中心軸の左側と右側とに配置されている。左側と右側とに配置されているので、手術中に視野のよい側の鋼線孔に先に仮止め鋼線を刺入して仮止めし、仮止め後、手を移動させて視野の悪かった側の鋼線孔に仮止め鋼線を刺入することができる。
また、鋼線孔104e、104fが軸方向に互いに離間しているので、仮止め鋼線で掌側プレート100に仮止めされた遠位の骨折片に左右方向の力が働いて骨折片が動こうとしても、支点となる鋼線孔104e、104fが離間していて強い抵抗力が働いて骨折片が動くことはない。
図9−4に示すように、鋼線孔104a〜104dの向きを、掌側プレート100の幹部100bの垂線に対して遠位側に15°傾斜させている。鋼線孔104e、104fの向きは、幹部100bの垂線と平行としている。
鋼線孔104a〜104dの向きと鋼線孔104e、104fの向きとが互いに傾斜している(平行でない)ので、それぞれの鋼線孔及び骨折した部分の近傍に仮止め鋼線を刺入すると、仮止め鋼線が交差して鋼線孔から抜けなくなり、骨折した部分の近傍を掌側プレート100にしっかりと仮止めすることができる。
掌側プレート100の頭部100aの端部の角部、及び、幹部100bの端部の角部は、曲率半径R=3mm〜4mmで角を落としている。また、掌側プレート100の外周縁部は、方形回内筋に接触する下面側をエッジ状に尖らせて凸曲面状に面取りしている。エッジ部の曲率半径は、R=0.2mmであり、凸曲面の曲率半径は、R=2mmである。
下面側をエッジ状に尖らせて凸曲面状に面取りしているので、掌側プレート100で骨折部を固定後、皮膚21を縫合したときに、皮膚21や深指屈筋腱、掌側手根屈筋腱及び筋膜への刺激が少なく、これらを傷つけることもなく、また、空洞部が発生し難い。掌側プレート100は、骨折した部分25aの位置に応じて、全長T1=49mm、56mm、64mmの3種類を用意しておくとよい。
次に、図10−1及び図10−2を参照し、ネジ孔101a〜101eにねじ込まれて掌側プレート100に取付けられる本発明の第2のドリルガイド140について説明する。
ドリルガイド140は、φ=2.4mmのドリルガイド孔140aを有する筒状に形成され、下端部から順に、ネジ孔101a〜101eにねじ込まれてロックされるM4のロックネジ140bと、外径4.5mmの円筒部140cと、対辺距離3.69mmの六角筒部140dとが形成されている。
ロックネジ140bの長さはM1=2mm、円筒部140cの長さはM2=12mm、六角筒部140dの長さはM3=16mmとしている。六角筒部140dには、識別マーク140eとしての赤色塗料が充填された幅1mmの円周溝が形成されている。第2のドリルガイド140は、前述の第1のドリルガイド40と同一寸法形状であり、掌側プレート100に取付けられ、橈骨25に掌側からプレートロックネジ30を刺入させるための下孔(先導孔)を削孔するドリルの方向をガイドする。
次に、図11−1及び図11−2を参照し、ネジ孔101a〜101eにねじ込まれて掌側プレート100に取付けられる本発明の第3のドリルガイド143について説明する。
第3のドリルガイド143は、φ=2.4mmのドリルガイド孔143aを有する筒状に形成され、下端部から順に、ネジ孔101a〜101eにねじ込まれてロックされるM4のロックネジ143bと、外径4.5mmの円筒部143cと、対辺距離3.69mmの六角筒部143dとが形成されている。
ロックネジ143bの長さはM1=2mm、円筒部143cの長さはM2=12mm、六角筒部143dの長さはM4=26mmとされ、第2のドリルガイド140の六角筒部140dよりも10mm長くしている。六角筒部143dには、識別マーク143eとしての緑色塗料が充填された幅1mmの円周溝が形成されている。第3のドリルガイド143は、六角筒部143d以外は、第2のドリルガイド140と同一寸法形状であり、掌側プレート100に取付けられ、橈骨25に掌側からプレートロックネジ30を刺入させるための下孔を削孔するドリルの位置と方向をガイドする。
次に、図12−1及び図12−2を参照し、第2、第3のドリルガイド140、143に挿入され、ドリルの先導孔を穿孔する穿孔鋼線をガイドする本発明の第2の鋼線ガイド150について説明する。
第2の鋼線ガイド150は、φ=1.3mmの鋼線ガイド孔150aを有する筒状に形成され、外径φ=2.4mmの円筒部150bと、外径φ=4.5mmの頭部150cと、を有している。
円筒部150bの長さはN3=28mm、頭部150cの長さはN2=3mmとしている。第2の鋼線ガイド150は、第1の鋼線ガイド50と異なりネジ部50dを備えていない。また、円筒部150bの長さが、第1のドリルガイド40の円筒部50bの長さよりも短い。第2の鋼線ガイド150は、第2、第3のドリルガイド140、143に挿入され、橈骨25にドリルの先導孔を穿孔する穿孔鋼線の方向をガイドする。
次に、図13−1及び図13−2を参照して、掌側プレート100上に設置されて仮止め鋼線及びプレートロックネジ30の骨への刺入方向をガイドする本発明の掌側ガイドブロック170について説明する。
背側ガイドブロック170は、樹脂で製作され、外形が掌側プレート100と略同一に形成され、掌側プレート100の第1〜第3の遠位ネジ孔101a〜101cに対応する位置に、それぞれの遠位ネジ孔と同じ向きのネジガイド孔171a〜171cが形成されている。また、掌側プレート100の鋼線孔104a〜104fに対応する位置に、それぞれの鋼線孔と同じ向きの鋼線ガイド孔172a〜172fが形成され、段付長孔103に対応する位置に、幅1.3mm、長さ7mmの2個の長孔113が、中心間距離2mm離間して平行に配置されている。
掌側ガイドブロック170の厚さは5mmであり、ネジガイド孔171a〜171cの内径はφ=5mmであり、鋼線ガイド孔172a〜172fの内径はφ=1.4mmである。掌側ガイドブロック170は、図13−2に示すように、段付長孔103の遠位側で15°の角度に折曲げられた形状で、掌側プレート100上に設置されて仮止め鋼線及びプレートロックネジ30の骨への刺入方向をガイドする。掌側ガイドブロック170は、掌側プレート100の3種類の大きさのものに応じて、3種類の大きさのものを用意する。
以上説明した橈骨遠位端掌側整復器具のうち、掌側ガイドブロック170以外はチタン合金で製作している。また、掌側プレート100及び掌側ガイドブロック170は、右手用のものについて説明したが、左手用のものは右手用のものと線対称(勝手違い)の形状にすればよい。
次に、図14を参照して、上述の橈骨遠位端掌側整復器具を用いた撓骨遠位端骨折部の固定方法を説明する。
まず、掌側プレート100の第1、第3のネジ孔101a、101cに第2のドリルガイド140を取付け、第2のネジ孔101bに第3のドリルガイド143を取付け、第2、第3のドリルガイド140、143にそれぞれ第2の鋼線ガイド150を取付け、掌側ガイドブロック170のネジガイド孔171a〜171cに第2、第3のドリルガイド140、143を通して掌側ガイドブロック170を掌側プレート100上に設置して橈骨遠位端掌側整復器具として組立てて準備しておく。
レントゲンで骨折部の状態を見て、プレートロックネジ30の刺入位置の見当をつける。次に、橈骨遠位端掌側の皮膚を切開し脂肪を除け、露出した掌側手根屈筋腱を左側に除ける。次に露出した筋膜を切開し、切開により露出した深指屈筋腱を左に除け、方形回内筋を露出させる。見当をつけたプレートロックネジ30の刺入位置上の方形回内筋を小切開し、組立てた橈骨遠位端掌側整復器具を持ってきて、その位置に掌側プレート100を位置決めする。
掌側ガイドブロック170の鋼線ガイド孔172a〜172d及び掌側プレート100の鋼線孔104a〜104dを通し、φ=1.2mmの先の尖った仮止め鋼線を回転させながら撓骨遠位端の骨折片に刺入して骨折片と掌側プレート100とを仮止めする。掌側ガイドブロック170の長孔113及び掌側プレート100の段付長孔103の中央位置を通して、鋼線ガイド150を橈骨近位側に刺入する。
鋼線ガイド150にガイドさせながら掌側プレート100を前後させて骨折片と近位側撓骨との位置を整復してから鋼線ガイド孔172e、172f及び鋼線孔104e、104fを通し、近位側に仮止め鋼線を刺入し、骨折部を掌側プレート100で仮固定する。
第2の鋼線ガイド150にガイドさせて仮止め鋼線と同様の穿孔鋼線を掌側プレート100のネジ孔101a〜101cを通して骨折片に刺入させ、ドリルの先導孔を穿孔する。第2の鋼線ガイド150を取外し、第2、第3のドリルガイド140、143と先導孔にガイドさせて骨折片にプレートロックネジ30の下孔を削孔する。
第2、第3のドリルガイド140、143を取付けたまま、図示しないデプスゲージを下孔に挿し込んで各下孔の深さを測る。このとき、デプスゲージには、下孔の深さに応じて動くゲージ目盛を指して目盛を読む固定指針として、第2のドリルガイド140用の赤色指針と第3のドリルガイド143用の緑色指針とが設けられている。
赤色指針と緑色指針とは、第2、第3のドリルガイド140、143の長さの差分の10mm離間していて、第2、第3のドリルガイド140、143を取付けた状態で、それぞれ赤色指針と緑色指針とで目盛を読むことにより、下孔の深さを測定することができる。
第1、第2のドリルガイド140、143を掌側プレート100から取外すとき(取付けるときにおいても)は、隣合うドリルガイド同士の高さを異ならせているので、それぞれのドリルガイドを抓む手指又はスパナが干渉せず、脱着が容易である。
第1、第2のドリルガイド140、143を取外した後、掌側ガイドブロック170のネジガイド孔171a〜171cにガイドさせ、それぞれの長さのプレートロックネジ30を骨折片に刺入し、ロックネジ30aをネジ孔101a〜101cにロックして骨折片を掌側プレート100に固定する。
次に、遠位側の仮止め鋼線及び掌側ガイドブロック170を取外し、露出した近位ネジ孔101d、101eの位置の橈骨25にドリルで下孔を削孔し、プレートロックネジ30を近位側に刺入し、ロックネジ30aをネジ孔101d、101eにロックして骨折部を掌側プレート100に固定する。
近位側の仮止め鋼線を撤去し、左側に除けた掌側手根屈筋腱及び深指屈筋腱を元の位置に戻し、切開された皮膚を縫合して撓骨遠位端骨折部の固定が完了する。
以上のように、本発明にかかる撓骨遠位端掌側整復器具は、撓骨遠位端骨折の整復に有用であり、特に、筋肉や腱を殆んど損傷させずに骨折部の整復が可能である。
10 背側プレート
10a、10b 枝部
10c 幹部
10d 切欠き部
11a 第1のネジ孔(ネジ孔)
11b 第2のネジ孔(ネジ孔)
11c〜11g 近位ネジ孔(ネジ孔)
12a〜12f 鋼線孔
23 伸筋支帯
25 橈骨
25b リスター結節
25c 橈側
30 プレートロックネジ
30a 頭部(ロックネジ)
30b 中間部
30c 先部(骨ネジ)
40 ドリルガイド
40a ドリルガイド孔
40b ロックネジ
40c 円筒部
40d 六角筒部
40g 保護筒部
40e 鋼線ガイドロックネジ孔
50 鋼線ガイド
50a 鋼線ガイド孔
50b 円筒部
50c 頭部
50d ネジ部
60 鈍棒
60a 丸棒部
60b 頭部
70 背側ガイドブロック
71a〜71i ネジガイド孔
72a〜72f 鋼線ガイド孔
100 掌側プレート
101a〜101c 遠位ネジ孔
101d、101e 近位ネジ孔
103 段付長孔
104a〜104f 鋼線孔
140、143 ドリルガイド
140a、143a ドリルガイド孔
140b、143b ロックネジ
140c、143c 円筒部
140d、143d 六角筒部
140e、143e 識別マーク
150 鋼線ガイド
150a 鋼線ガイド孔
150b 円筒部
150c 頭部
170 掌側ガイドブロック
171a〜171c ネジガイド孔
172a〜172f 鋼線ガイド孔
113 長孔

Claims (9)

  1. 撓骨遠位端掌側の方形回内筋上に設置して骨折部を掌側より固定する掌側プレートであって、
    前記掌側プレートの遠位端部に配置されて骨に刺入されたプレートロックネジをロックする複数の遠位ネジ孔と、
    前記掌側プレートの近位側の幹部に前記撓骨の軸方向に互いに離間して配置され、骨に刺入されたプレートロックネジをロックする複数の近位ネジ孔と、
    前記遠位ネジ孔の近傍と近位ネジ孔の近傍の幹部とに設けられ、骨折部を前記掌側プレートに仮止めするための仮止め鋼線を通す鋼線孔と、を備え、
    前記近位ネジ孔の近傍の幹部の鋼線孔は、少なくとも2つが前記撓骨の軸方向に互いに離間し、かつ、前記掌側プレートの中心軸の左側と右側とに配置されていることを特徴とする掌側プレート。
  2. 前記遠位ネジ孔の向きが、前記掌側プレートの幹部の垂線に対して遠位方向に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の掌側プレート。
  3. 前記遠位ネジ孔の近傍に設けた鋼線孔の向きと、前記近位ネジ孔の近傍に設けた鋼線孔の向きとが互いに傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の掌側プレート。
  4. 前記近位ネジ孔の近傍に軸方向に長い段付長孔が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の掌側プレート。
  5. 前記掌側プレートの外周縁部が、下面側を尖らせて凸曲面状に面取りされていることを特徴とする請求項1に記載の掌側プレート。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の掌側プレートと、
    前記掌側プレートの遠位ネジ孔又は近位ネジ孔にロックされるロックネジが形成された頭部と、円柱状で長さが10mm以上の中間部と、骨に刺入される骨ネジが形成された先部と、を有するプレートロックネジと、
    を備えることを特徴とする撓骨遠位端掌側整復器具。
  7. ドリルガイド孔を有する筒状に形成され、下端部から順に、前記掌側プレートの前記遠位ネジ孔にロックされるロックネジと、円筒部と、六角筒部と、が形成されるとともに識別マークが設けられ、前記遠位ネジ孔に取付けて前記プレートロックネジの下孔を削孔するドリルをガイドするドリルガイドをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の撓骨遠位端掌側整復器具。
  8. 鋼線ガイド孔を有する筒状に形成され、下端部から順に、前記ドリルガイドの前記ドリルガイド孔に挿入される円筒部と、筒状の頭部と、が形成され、前記ドリルガイドに取付けてドリルの先導孔を穿孔する穿孔鋼線をガイドする鋼線ガイドをさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の撓骨遠位端掌側整復器具。
  9. 前記掌側プレートの複数の遠位ネジ孔に対応する位置に、それぞれのネジ孔と同じ向きのネジガイド孔が形成され、前記鋼線孔に対応する位置に、それぞれの鋼線孔と同じ向きの鋼線ガイド孔が形成され、前記段付長孔に対応する位置に、平行な2つの長孔が形成され、前記掌側プレート上に設置して前記仮止め鋼線及びプレートロックネジの骨への刺入方向をガイドする掌側ガイドブロックをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の撓骨遠位端掌側整復器具。
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