JP5280940B2 - 特定色検出回路 - Google Patents

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Description

本発明は、映像信号から任意の色を検出して画像処理を行う際に使用する、色検出回路に関するものである。
従来、テレビジョンカメラで撮像した映像信号から、任意の色を検出して画像処理を行うものとして、スキンディテールが良く知られている。このスキンディテールは、撮像した映像信号から肌色部分を検出して、輪郭強調信号を制御することにより行う。スキンディテールの技術によれば、人の顔を、より見栄え良く撮影することができる。
この技術は、近年、テレビジョンカメラをはじめとする映像機器のハイビジョン化により、重要性が一層増している。これは、ハイビジョン化により画面を構成する画素数が増大し、以前より映像が高解像度となることにより、目立つべきでない部分を目立たなく表示する必要があるためである。
また、前記任意の色を検出して画像処理を行うものとして、カラーコレクタがある。このカラーコレクタは、検出対象の色および色範囲に対して色補正処理を施すものである。カラーコレクタを使用して色補正処理を施すことにより、例えば、指定の表色系から外れた色を、その表色系の範囲内に収めることができる。また、映像の監視・検査の用途においては、検出対象とする色を任意の色へ変更することにより、特定の対象物を判断・判別し易いようにするなど、カラーコレクタの様々な応用が考えられている。
従来技術による肌色検出回路として、テレビジョンカメラから得たRGB映像信号からIQ信号を生成し、このIQ信号から肌色判定を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第2986625号公報
ところで、色は、周囲の明るさによって、その濃淡が著しく変化する性質を有する。例えば、同一人物の顔を撮像した場合でも、照明の当たる方向が少し変化するだけで、本来同じ色であるはずの同一人物の顔色に顕著な相違が生ずる。
しかしながら、上記特許文献1で提案されている肌色検出回路および撮像装置は、IQ信号により、すなわち色差による2次元平面において、色検出を行うのみである。したがって、この肌色検出回路および撮像装置は、輝度差による検出制御を正確に行うことはできない。
特に、放送で使用されるテレビジョンカメラは、通常の周囲環境とは異なる特殊な撮影環境で扱われることも多いため、輝度方向に対する制御も考慮する必要がある。また、人間の皮膚の色は、例えば人種の違いなどにより個人差が激しく、単純な検出領域の指定のみでは、所望の色範囲を検出することは困難であるため、検出領域の制御方法についても考慮する必要がある。
したがって、本発明の目的は、上述した問題点を鑑みて、輝度差による色の検出制御、および色差平面上での検出領域制御を行うことにより、所望の色を所望の色範囲で検出可能にする特定色検出回路を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に係る特定色検出回路の発明は、
RGB入力画素が、検出したい色信号を中心とする所定色検出領域内の信号か否かを判定する特定色検出回路(KEY信号発生回路10)であって、
RGB入力画素および検出したいRGB色信号を、R軸、G軸およびB軸を三軸とした三次元座標で表現し、前記検出したいRGB色信号の座標または前記検出したいRGB色信号とRGBの比率が同じ座標と、原点とを結ぶ直線に対して、前記RGB入力画素の座標から垂線を下ろした足と該原点との距離を、第一の距離として算出する第一距離算出部(距離算出部A102)と、
前記RGB入力画素の座標と前記足との距離を、第二の距離として算出する第二距離算出部(距離算出部B103)と、
前記RGB入力画素の信号の色相を検出する色相検出部(104)と、
前記第一の距離および前記RGB入力画素の信号の該色相に応じて色差方向(彩度方向)の検出領域を生成し、該検出領域に応じて前記第一の距離から第三の距離を算出する第三距離算出部(検出領域生成部105)と、
前記第二の距離と前記第三の距離とを比較して、前記第三の距離が前記第二の距離より大の場合、前記RGB入力画素は前記所定色検出領域内であると判定する判定部(106)と、
を具え、
前記第二距離算出部(距離算出部B103)は、前記第二の距離を、平方根を用いて算出するにあたり、平方根のサンプル値および該サンプル値間の差分値をデータとするルックアップテーブルを構成し、該ルックアップテーブルに求める値がない場合は、前記平方根のサンプル値および該サンプル値間の差分値に基づいて補間を行うことにより前記第二の距離を算出することを特徴とするものである。
また、上記目的を達成する請求項2に係る特定色検出回路の発明は、
RGB入力画素が、検出したい色信号を中心とする所定色検出領域内の信号か否かを判定する特定色検出回路(KEY信号発生回路10)であって、
RGB入力画素および検出したいRGB色信号を、R軸、G軸およびB軸を三軸とした三次元座標で表現し、前記検出したいRGB色信号の座標または前記検出したいRGB色信号とRGBの比率が同じ座標と、原点とを結ぶ直線に対して、前記RGB入力画素の座標から垂線を下ろした足と該原点との距離を、第一の距離として算出する第一距離算出部(距離算出部A102)と、
前記RGB入力画素の座標と前記足との距離を、第二の距離として算出する第二距離算出部(距離算出部B103)と、
前記RGB入力画素の信号の色相を検出する色相検出部(104)と、
前記第一の距離および前記RGB入力画素の信号の該色相に応じて色差方向(彩度方向)の検出領域を生成し、該検出領域に応じて前記第一の距離から第三の距離を算出する第三距離算出部(検出領域生成部105)と、
前記第二の距離と前記第三の距離とを比較して、前記第三の距離が前記第二の距離より大の場合、前記RGB入力画素は前記所定色検出領域内であると判定する判定部(106)と、
を具え、
前記色相検出部(104)は、
前記RGB入力画素のレベル差の比較、または、
前記検出したいRGB色信号の座標または前記検出したいRGB色信号とRGBの比率が同じ座標と原点とを結ぶ直線の距離と、前記第一の距離との比を求め、前記検出したいRGB色信号の座標に該比を乗じた値と、前記RGB入力画素の座標とから求めた差分の比較により、前記色相を検出することを特徴とするものである。
本発明の特定色検出回路によれば、固有輝度方向・固有色差平面での検出領域制御を行うことにより、立体での特定色の検出が可能になる。また、本発明の特定色検出回路によれば、色相分割を行うことにより各々の色相ブロックで検出領域を制御できる。このため、より柔軟な特定色検出が実現できる。
さらに、本発明の特定色検出回路によれば、求める値がルックアップテーブルにない場合でも、その値を補間により算出する。このため、小さい記憶容量のメモリでルックアップテーブルを構成することができる。
従来、色差平面上での色相分割においては、検出面が一定の色相範囲にしかなかった場合、その他の色相領域を有効活用することはできなかった。しかしながら、本発明の固有色差平面上では、検出平面上での色相分割を行うことができる。したがって、より柔軟な色検出が可能になる。
本発明を使用したKEY信号発生回路のブロック図である。 図1の距離算出部Bにおける平方根算出の説明図である。 図1の色相分離部の色相分離ブロックの説明図である。 色検出が不十分な場合の色相分離の説明図である。 検出領域が円錐型の場合の説明図である。 検出領域生成部における色相制御の説明図である。 検出領域が鉛筆型の場合の説明図である。 検出領域が双円錐型の場合の説明図である。 検出領域が円柱型の場合の説明図である。 検出領域が釣鐘型の場合の説明図である。 検出領域がラッパ型の場合の説明図である。 検出領域が球型の場合の説明図である。 kの値の相違によるMとNの位置関係を示したものである。 色検出範囲の立体図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
まず、本発明の基礎となる原理について説明する。
色信号は、三原色であるR信号、G信号、およびB信号から構成されている。本発明においては、検出したい色信号のR信号、G信号、およびB信号の信号レベルを三次元座標に置き換えてRGB座標点とする(この点を例えば点Mとする)。また、このRGB座標点(点M)と三次元座標の原点(原点Oとする)とを結んだ直線(OM)を、検出領域の中心とする。
また、本発明においては、入力画素が、色の検出を行う領域内にあるか否かの判定を行う。この判定にあたり、本発明では、入力画素であるRGB信号を三次元座標で表示したときに(この点を例えば点Lとする)、前述の直線(OM)に対して垂線を下ろし(交点を例えば点Nとする)、直線(OM)との距離(LN)を算出する。さらに、前述の垂線の足(交点N)と原点(O)との距離(ON)を求めて、前述の垂線の足と原点との距離(ON)を基に、所定距離を求める。本発明では、この所定距離を、入力画素と直線との距離(LN)と比較し、直線との距離(LN)の方が小さいときに、この入力画素は「領域内」であると判定する。
次に、本発明の実施の形態で用いる、固有輝度および固有色差について説明する。一般的に、色は、R:G:Bの比率により決まる。この比率が同じになる点の集合を原点から直線で結んだものが、本発明による輝度軸となり、検出対象色それぞれが固有の輝度軸を持つ。また、この輝度軸と直交する平面が、固有の色差平面となる。以下、この輝度および色差を、一般的に呼ばれている輝度および色差と区別するために、それぞれ、「固有輝度」および「固有色差」と記す。本発明では、この固有輝度をkと記す。
以下、本発明による特定色検出回路について説明する。
図1は、本発明による特定色検出回路の一実施の形態であるKEY信号発生回路の概略構成を示す機能ブロック図である。破線で囲んだ部分は、本実施の形態に係るKEY信号発生回路の要部を示している。
図1に示すように、KEY信号発生回路10は、入力端子101(3ch)と、距離算出部A102と、距離算出部B103と、色相検出部104と、検出領域生成部105と、判定部106と、を備えている。また、KEY信号発生回路10は、さらに、固有輝度算出部107と、Yマトリクス生成部108と、輝度選択部109と、KEY信号生成部110と、KEY信号出力端子111と、を備えている。
図1に示す各機能部の動作について、以下説明する。
入力端子101(3ch)には、R、G、およびBの画素信号を入力する。この入力端子101(3ch)には、テレビジョンカメラまたは他の映像機器からのRGB信号をデジタル変換した画素値を入力する。
距離算出部A102は、検出したい色の画素を三次元座標で表したときに、検出したい画素(点M)と原点(O)とを結んだ直線OMに対して、入力画素(点L)から下ろした垂線の足(交点N)と原点(O)との距離ONを算出する。
距離算出部A102が距離ONを算出する処理を数式で表すと、次のようになる。なお、以下の説明において、画素は(R,G,B)の座標で表すものとする。
入力画素の点Lの座標を(Rl,Gl,Bl)として、検出したい色の座標の点Mの座標を(Rm,Gm,Bm)とする。ここで、点Mが小さい場合には、RGBの比率が同じなので、数倍した点を使用する。点Lから、点Mと原点Oとを結んだ直線OM上に下ろした垂線の足を点Nとし、その座標を(Rn,Gn,Bn)とする。
点Mと原点Oとの距離をOMとし、点Nと原点Oとの距離をONとすれば、kを正数として、式(1)が成立する。
ON=k*OM (1)
上記式(1)を座標成分で表示すると、以下の式(2)のように表すことができる。
(Rn,Gn,Bn)=k*(Rm,Gm,Bm) (2)
また、点Lと点Nを結ぶ線分LNを含む平面と、OMとは直交するので、以下の式(3)が成り立つ。
(Rn−Rl)*Rm+(Gn−Gl)*Gm+(Bn−Bl)*Bm=0 (3)
これら式(2)および式(3)の2式からkを算出すると、以下の式(4)のようになる。
k=(Rm*Rl+Gm*Gl+Bm*Bl)/(Rm+Gm+Bm) (4)
このkを用いてONを表記すると、以下の式(6)のようになる。
ON=k*OM (1)
=(Rm*Rl+Gm*Gl+Bm*Bl)
/(Rm+Gm+Bm
*√(Rm+Gm+Bm) (5)
=(Rm*Rl+Gm*Gl+Bm*Bl)
/√(Rm+Gm+Bm) (6)
ここで、以下の式(7)〜(9)のように各値を定義する。
CR=Rm/√(Rm+Gm+Bm) (7)
CG=Gm/√(Rm+Gm+Bm) (8)
CB=Bm/√(Rm+Gm+Bm) (9)
このように定義することで、上記式(6)は、以下の式(10)のようになる。
ON=CR*Rl+CG*Gl+CB*Bl (10)
このように、CR、CG、およびCBを予め計算したものをパラメータとして回路に与えておくことにより、ONを求める際の計算量を減じることができる。
以上のようにして求めた距離算出部A102の出力は、検出領域生成部105と固有輝度算出部107とに入力する。
一方、距離算出部B103は、前述の垂線の足である点Nと入力画素である点Lとの距離LNを算出する。ここで、点Nの座標は、kを用いてk*(Rm,Gm,Bm)と表せる。点Lと点Nとの距離は、点Nの座標成分と点Lの座標成分との差をとり、その座標成分から算出する。これらの座標成分の差を(Rln,Gln,Bln)とすれば、これらの各成分の値は、以下の式(11)〜(13)のように表される。
Rln=k*Rm−Rl=CRR*Rl+CRG*Gl+CRB*Bl (11)
Gln=k*Gm−Gl=CRG*Rl+CGG*Gl+CRB*Bl (12)
Bln=k*Bm−Bl=CRB*Rl+CGB*Gl+CRB*Bl (13)
なお、上式(11)〜(13)においては、以下の式(14)〜(19)のように各値を定義している。
CRG={Rm*Gm/(Rm+Gm+Bm)} (14)
CGB={Gm*Bm/(Rm+Gm+Bm)} (15)
CRB={Bm*Rm/(Rm+Gm+Bm)} (16)
CRR={Rm*Rm/(Rm+Gm+Bm)−1} (17)
CGG={Gm*Gm/(Rm+Gm+Bm)−1} (18)
CBB={Bm*Bm/(Rm+Gm+Bm)−1} (19)
以上から、LNは、以下の式(20)のように求めることができる。
LN=√(Rln+Gln+Bln) (20)
このように、CRG、CGB、CRB、CRR、CGG、およびCBBは、距離算出部Aの場合と同様に、予め計算したものをパラメータとして回路に与えることにより、LNを求める際の計算量を大幅に減じることができる。
次に、距離算出部B103においてLNを算出する際の、平方根処理について説明する。この平方根処理においては、LUT(Look Up Table)を用いて置換処理を行う。
図2に平方根LUTの波形の例を示す。平方根LUTは、サンプル数128個の実部分データと、サンプル間の差部分データとを格納している。図2に示すブロックの番号に対応するアドレス、入力データ、分割されるサンプル数をまとめると、以下の表1のようになる。
Figure 0005280940
表2にサンプルデータの例を示す。アドレスと、実部分データと、サンプル間の差部分データとの関係は、表2に示すようになる。
Figure 0005280940
サンプル間の差部分データは、求めたい値が中間値である場合に、直線補間を行うことにより算出する際に使用する。
以下、具体的な数値の例を用いて、平方根を求める際の処理について説明する。ここでは、例として、1440000の平方根を求める場合について検討する。1440000は、アドレス1に対応する1024である1048576より大きく、またアドレス2に対応する1448である2096704より小さいので、アドレス1とアドレス2の中間となる。ここで、アドレス1の差部分データ424から直線補間により求めると、以下の式(21)のようになる。
424*(1440000−1048576)/1048576=158 (21)
なお、分母の値である1048576は、0〜(8192)間が64分割(ブロック1)になるため、8192/64=1048576として得る。
以上の計算により、1440000の平方根は、1024+158=1182と求めることができる。この値は、真値1200と比して、極めて近い値であることがわかる。このようにして、中間値を得ることができる。
なお、実部分データおよびサンプル間の差部分データは、CPUなどの外部処理装置から置き換えることも可能である。これらのデータは、実部分、差部分共に、サンプル間隔を等間隔にせずに、レベルの低い部分の分解能を上げている。以上のようにして求めた距離算出部B103の出力は、判定部106へ入力する。
次に、色相検出部104が行う色相の検出について説明する。
まず、通常の場合の色相検出について説明する。通常の場合、色相検出部104は、入力画素が色差平面上の何処に位置するかを検出する。ここで、検出領域は、色相方向に6分割する。
図3は、色相検出部104が、検出領域を、色相方向に6つのブロックに分割した様子を示す図である。入力画素が色差平面上の何処に位置するかを色相検出部104が検出する際は、入力画素のRGBのレベルにより判定する。図3のように分割した検出領域の色相のパターンを、以下の表3に示す。
Figure 0005280940
このようにして色相検出部104が検出した結果の出力は、検出領域生成部105へ入力する。本発明では、この色相検出部104による検出情報を基に、領域毎にゲインを設定することにより、色差平面での色検出を柔軟なものにできる。
次に、色検出が図3に示したブロックの分割による検出では十分でない場合の色相の検出について説明する。本発明では、図3に示したブロックの分割による検出では色検出が十分でない場合、色相検出部104は、固有輝度算出部107の結果を使用する。本発明による固有輝度算出部107は、上述した係数kを算出することができる。なお、固有輝度算出部107が行う係数kの算出については後述する。
このような場合、色相検出部104は、固有輝度算出部107の出力であるkを、検出したい色座標M(Rm,Gm,Bm)に乗じて、その結果を入力色信号から減ずる。すなわち、色相検出部104は、Rl−k*Rm,Gl−k*Gm,およびBl−k*Bmの各値を算出し、この算出値に基づいて、上述した表3のレベル比較を行い、色相を検出する。
検出したい色信号のk倍を入力色信号から減じる処理は、色相分割の対象である平面を、色差平面から固有色差平面に変換する処理に相当する。この処理を行うと、原点が、図4(A)に示す点Oから図4(B)に示す点Mもしくは固有輝度軸上の点となる。従来、色差平面上での色相分割においては、検出面が一定の色相範囲にしかない場合、その他の色相領域を有効活用することができなかった。これに対し、本発明の固有色差平面上では、検出平面内での色相分割が行えるため、より柔軟な色検出が可能になる。このような処理は、通常の検出で十分でない場合に適用するのが好適である。
次に、検出領域生成部105が行う検出領域の生成について説明する。
検出領域生成部105は、固有色差平面上での検出領域の距離PNを求める。この距離PNは、検出領域の立体構造により求め方が異なる。したがって、以下、検出領域の各立体構造別に、距離PNの求め方について説明する。
図5および図7〜図12は、OMやONの固有輝度をX軸として、また固有色差をY軸として示した平面図を、検出領域の立体構造のタイプ別に、それぞれのイメージと共に示す図である。
(a)検出領域が円錐型の場合(図5参照)
図5(B)は、円錐型の検出領域のイメージ図である。円錐型の場合、以下の式(22)によりPNを算出する。
PN=Si*ON (i=1〜6,0≦Si≦1.0) (22)
ここで、ONは、距離算出部A102の出力である。Siは、円錐の母線の傾きとしてもよいし、また、図6に示すように、色相検出部104の出力に基づいてブロック別にSiを設定してもよい。図6は、検出領域生成部105における色相の制御を説明する図である。なお、iは、図3に示したブロック番号であり、1〜6の値をとる。
図5(A)は、入力画素と検出領域との関係を表したグラフである。図5(A)において、線分LNは、入力画素から固有輝度に対して下ろした垂線の足との距離である。線分PNは検出領域であり、上述の式(22)より求めることができる。
このように検出領域を設定することにより、前述のように、固有色差平面上での色検出を柔軟にする効果がある。また、検出領域の底面の円型を、一定範囲の色相別に、彩度方向に制御することが可能になるので、色度上で複雑な分布をする特定色でも柔軟に検出することができる。
(b)検出領域が鉛筆型の場合(図7参照)
図7(B)は、鉛筆型の検出領域のイメージ図である。鉛筆型の場合、以下の式(23)および式(24)によりPNを算出する。
PN=Si*ON (PN≦Yi) (23)
PN=Yi (PN>Yi) (24)
(i=1〜6,0≦Si≦1.0)
なお、ONおよびSiは、円錐型の場合と同じようにして得る。Yiは、PNを所定倍以上にしない閾値である。例えば、ONとSiとの積を演算して、その値がYiより大きくなった場合は、Yiでクリップ処理を行い、PNをYiとする。
図7(A)は、入力画素と検出領域との関係を表したグラフである。図7(A)において、線分LNは、入力画素から固有輝度に対して下ろした垂線の足との距離である。線分PNは検出領域であり、上述の式(23)および式(24)より求めることができる。この場合、PNはYi以上にはならない。
(c)検出領域が双円錐型の場合(図8参照)
図8(B)は、双円錐型の検出領域のイメージ図である。双円錐型の場合、以下の式(25)および式(26)によりPNを算出する。
PN=Si*ON (ON≦Xi) (25)
PN=Ti*ON (ON>Xi) (26)
(i=1〜6,0≦Si≦1.0)
なお、ONおよびSiは、円錐型の場合と同じようにして得る。Tiは、Siと同様に母線の傾きであり、色相別に設定することもできる。Xiは、傾き切換のための固有輝度閾値である。
図8(A)は、入力画素と検出領域との関係を表したグラフである。図8(A)において、線分LNは、入力画素から固有輝度に対して下ろした垂線の足との距離である。線分PNは検出領域であり、上述の式(25)および式(26)より求めることができる。図8(A)においては、入力画素が切換閾値のXiよりも小さい場合を示している。
(d)検出領域が円柱型の場合(図9参照)
図9(B)は、円柱型の検出領域のイメージ図である。円柱型の場合、以下の式(27)および式(28)によりPNを算出する。
PN=0 (ON≦Xi かつ PN≦Yi) (27)
PN=Yi (ON>Xi かつ PN>Yi) (28)
(i=1〜6,0≦Si≦1.0)
ここで、ONがXi以上になる場合は、PNの値はクリップ処理され、Yiとなる。
図9(A)は、入力画素と検出領域との関係を表したグラフである。図9(A)において、線分LNは、入力画素から固有輝度に対して下ろした垂線の足との距離である。線分PNは検出領域であり、上述の式(27)および式(28)より求めて算出する。図9(A)においては、PNの値は、図7に示した鉛筆型の場合と同様のクリップ処理を行うことにより求める。
(e)検出領域が釣鐘型またはラッパ型の場合(図10および図11参照)
図10(B)および図11(B)は、それぞれ、釣鐘型およびラッパ型の検出領域のイメージ図である。検出領域がこれらの型の場合、ONをXiとした際のYiの値をPNとして出力する。このXiとYiとの対応関係は、Xiを入力とした場合のYiを出力とするルックアップテーブルにより構成する。
図10(A)および図11(A)は、入力画素と検出領域との関係を表したグラフである。図10(A)および図11(A)のそれぞれにおいて、Xiは、入力画素から固有輝度に対して下ろした垂線の足と原点との距離である。図10(A)および図11(A)においては、このXiに応じて、検出領域Yiを求める。XiおよびYiは、上述したように、ルックアップテーブルで生成する。
(f)検出領域が球型の場合(図12参照)
図12(B)は、球型の検出領域のイメージ図である。球型の場合、Mの座標は(Rm,Gm,Bm)であり、Lの座標は(Rl,Gl,Bl)なので、これらの成分の差を求めると、以下の式(29)、式(30)、および式(31)のようになる。
Rlm=Rm−Rl (29)
Glm=Gm−Gl (30)
Blm=Bm−Bl (31)
以上から、距離LMは、以下の式(32)のようになる。
LM=√(Rlm+Glm+Blm) (32)
ここで、PMとしてレジスタ値などのパラメータ値を回路に与えて、以下の式(33)を満たす領域を検出領域とすると、図12(A)に示すように、点Mを中心とする球型を検出領域として色領域の検出を行うことができる。
PM≧LM (33)
この場合、距離算出部B103にてLMを算出し、検出領域生成部105にてPMを算出する。このようにして、前記式(32)にしたがって球型の検出領域が生成される。
以上、検出領域の各立体構造別に、PN(またはPM)の求め方についてそれぞれ説明したが、どの立体構造を採用するかは入力映像信号の種類による。
検出領域生成部105は、以上のようにして求めたPNまたはPMを出力として、この出力を判定部106へ入力する。以上が検出領域生成部105の構成であるが、どのタイプの検出領域を選択するかによって、検出領域生成部105の具体的な構成を変更する。
判定部106は、入力画素が所定領域内にあるか否かを判定する。この判定は、判定部106が、距離算出部B103の出力LNまたはLMと、検出領域生成部105の出力PNまたはPMとの大小を比較することにより行う。LNがPNより小さいとき、またはLMがPMより小さいときは、判定部106は、入力画素が所定領域内にあるものと判定する。
入力画素が所定領域内にあると判定された場合、判定部106は、色差方向KEY信号としてHighの信号を、KEY信号生成部110に対して出力する。一方、入力画素が所定領域外にあると判定された場合、判定部106は、色差方向KEY信号としてLowの信号を、KEY信号生成部110に対して出力する。
固有輝度算出部107は、本発明の固有輝度kを算出する。kは以下の式(34)により算出する。
ON=k*OM (34)
ONは距離算出部A102から得られる値を用いる。OMは次の式(35)のようになる。
OM=√(Rm+Gm+Bm) (35)
この逆数をckとしてONへ乗算すれば、kを算出することができる。
このようにして、ON*ckからkを算出することができる。これが本発明の固有輝度となる。係数ckを予め計算しておけば、回路上での計算量を大幅に減じることができる。固有輝度算出部107は、このようにして得た固有輝度kを出力し、この出力を輝度選択部109へ入力する。この固有輝度kの算出において、kは正数であるので、1を超えた数をとることもできる。すなわち、上述した処理は、検出したい点Mの入力色信号レベルを超えた値に関しても扱うことができる。なお、図13は、kの値の相違によるMとNの位置関係を表したものである。
Yマトリクス生成部108は、NTSCの規格により、入力画素から、次の式(36)に示す比率に従って輝度信号を生成する。
Y=0.30R+0.59G+0.11B (36)
例えば本発明をハイビジョンに適用する場合には、ハイビジョンの比率で輝度信号を生成する。Yマトリクス生成部108は、このようにして得た輝度信号を出力し、この出力を輝度選択部109へ入力する。
輝度選択部109は、Yマトリクス生成部108と固有輝度算出部107との出力を、選択制御(図示せず)により選択して、輝度信号を生成する。輝度選択部109は、このようにして得た輝度信号を出力し、この出力をKEY信号生成部110に入力する。
KEY信号生成部110は、輝度選択部109の出力と判定部106の出力とを、そのまま、または混合することにより、KEY信号を生成する。KEY信号生成部110は、このようにして生成したKEY信号を、KEY信号発生回路10の出力として、出力端子111から出力する。
図14は、上述した処理により生成した、色検出用KEY信号の範囲の例を立体的に示す図である。
なお、輝度選択部109の出力は、輝度方向の色検出KEY信号であり、判定部106の出力は、色差方向の色検出KEY信号である。また、輝度方向の色検出KEY信号および色差方向の色検出KEY信号ともに、色の変わり目においてKEY信号の傾きを変えることができる。さらに、輝度レベルの低い部分と高い部分とにおいて、KEY信号の変化を別々に変更することができる。
KEY信号のパターンの例を、以下の表4に示す。
Figure 0005280940
色空間内で特定色を検出するためには、上述した2つのKEY信号を混合する必要がある。この混合は、例えば以下の式(37)に従って行う。
KEY=輝度KEY*色差KEY (37)
このようにして得たKEY信号は、表4に示す検出領域の色検出KEY信号となる。
このKEY信号についても、上述した場合と同様に、色の変わり目においてKEY信号の傾きを変えることができる。なお、これらの上述したKEY信号は、各々単独で出力することも可能である。
色検出KEY信号の信号選択の例を、以下の表5に示す。
Figure 0005280940
どのKEY信号を使用するかは、撮像信号や映像信号の使用方法により異なる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、幾多の変形および変更も可能である。例えば、上述した実施の形態では、演算に要する時間を減らすため、LUTを用いた構成としたが、処理速度の速いプロセッサを使用すれば、その都度演算させる構成とすることも可能である。
また、上述した実施の形態では、RGB入力画素を直接入力する構成としたが、RGB入力画素に対して、オフセットやゲイン調整を行ってから入力する構成とすることもできる。
このようなオフセットやゲイン調整が必要な場合として、次のような場合を想定することができる。すなわち、例えば、撮影対象の風景は全く同じであるが、撮影時間が昼と夕方というように異なり、一方は昼のために青味が強いが、もう一方は夕方であるため赤味が強い、というようなパターンの映像があったとする。このような映像の中から、本来ならば同じである色を検出しようとした場合、前記した条件の色味の差により、正確に検出できないことがある。
この間題を解決するため、昼なら昼の色温度を反映させた輝度軸を、また夕方なら夕方の色温度を反映させた輝度軸を設定できる様にゲイン調整をすることができる。このゲイン調整により、周りの環境に左右されることなく、同じ物体を同じ様に検出することが可能となる。
また、上述したオフセットは、RGB入力画素が黒く沈んでしまい、本来の色として検出できない場合に有効である。
なお、上述した実施の形態においては、入力画素であるRGB信号を用いて各処理を行ったが、このようにRGBで入力された色信号を、別の表色系、例えばXYZ表色系に変換してから、後段の色検出を行うことも可能である。
本発明は、色検出により特殊効果を行う映像処理装置に有用である。特に、本発明は、テレビジョンカメラで肌色を検出して輪郭強調信号を制御する場合や、特定色および色範囲を検出して色補正処理を施したり、任意の色へ変更するカラーコレクタ処理を施す際に好適である。
10 KEY信号発生回路
101 入力端子(3ch)
102 距離算出部A
103 距離算出部B
104 色相検出部
105 検出領域生成部
106 判定部
107 固有輝度算出部
108 Yマトリクス生成部
109 輝度選択部
110 KEY信号生成部
111 KEY信号出力端子

Claims (2)

  1. RGB入力画素が、検出したい色信号を中心とする所定色検出領域内の信号か否かを判定する特定色検出回路であって、
    RGB入力画素および検出したいRGB色信号を、R軸、G軸およびB軸を三軸とした三次元座標で表現し、前記検出したいRGB色信号の座標または前記検出したいRGB色信号とRGBの比率が同じ座標と、原点とを結ぶ直線に対して、前記RGB入力画素の座標から垂線を下ろした足と該原点との距離を、第一の距離として算出する第一距離算出部と、
    前記RGB入力画素の座標と前記足との距離を、第二の距離として算出する第二距離算出部と、
    前記RGB入力画素の信号の色相を検出する色相検出部と、
    前記第一の距離および前記RGB入力画素の信号の該色相に応じて色差方向の検出領域を生成し、該検出領域に応じて前記第一の距離から第三の距離を算出する第三距離算出部と、
    前記第二の距離と前記第三の距離とを比較して、前記第三の距離が前記第二の距離より大の場合、前記RGB入力画素は前記所定色検出領域内であると判定する判定部と、
    を具え、
    前記第二距離算出部は、前記第二の距離を、平方根を用いて算出するにあたり、平方根のサンプル値および該サンプル値間の差分値をデータとするルックアップテーブルを構成し、該ルックアップテーブルに求める値がない場合は、前記平方根のサンプル値および該サンプル値間の差分値に基づいて補間を行うことにより前記第二の距離を算出することを特徴とする特定色検出回路。
  2. RGB入力画素が、検出したい色信号を中心とする所定色検出領域内の信号か否かを判定する特定色検出回路であって、
    RGB入力画素および検出したいRGB色信号を、R軸、G軸およびB軸を三軸とした三次元座標で表現し、前記検出したいRGB色信号の座標または前記検出したいRGB色信号とRGBの比率が同じ座標と、原点とを結ぶ直線に対して、前記RGB入力画素の座標から垂線を下ろした足と該原点との距離を、第一の距離として算出する第一距離算出部と、
    前記RGB入力画素の座標と前記足との距離を、第二の距離として算出する第二距離算出部と、
    前記RGB入力画素の信号の色相を検出する色相検出部と、
    前記第一の距離および前記RGB入力画素の信号の該色相に応じて色差方向の検出領域を生成し、該検出領域に応じて前記第一の距離から第三の距離を算出する第三距離算出部と、
    前記第二の距離と前記第三の距離とを比較して、前記第三の距離が前記第二の距離より大の場合、前記RGB入力画素は前記所定色検出領域内であると判定する判定部と、
    を具え、
    前記色相検出部は、
    前記RGB入力画素のレベル差の比較、または、
    前記検出したいRGB色信号の座標または前記検出したいRGB色信号とRGBの比率が同じ座標と原点とを結ぶ直線の距離と、前記第一の距離との比を求め、前記検出したいRGB色信号の座標に該比を乗じた値と、前記RGB入力画素の座標とから求めた差分の比較により、前記色相を検出することを特徴とする特定色検出回路。
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