JP5279566B2 - 合成床版 - Google Patents

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Description

本発明は、底鋼板にコンクリート層を一体に接合してなる合成床版に関するもので、特に重量を軽減した合成床版に関するものである。
橋梁や高架道路を構成する床版の1つとして、鋼製型枠となる底鋼板をリブで補強し、且つ該底鋼板の上側にコンクリートを打設し充填してコンクリート層(コンクリートスラブ)を形成して上記底鋼板とコンクリートとからなる構成を有する合成床版が用いられている。
ところで、一般に、床版は自重が大きいため、床版を鋼桁上に取り付けている場合は、該床版を支持する鋼桁にかかる負担が大きくなるため、鋼桁を大きなものとする必要が生じている。したがって、床版の自重をより軽量化できれば、鋼桁をより小さく(細く)することが可能となる。
又、橋梁の補修工事を行う場合、既存の鋼桁の鋼材に錆等による減肉が生じていたり、疲労が生じていると、該既存の鋼桁の強度が当初の設計強度よりも低下している可能性がある。そのため、橋梁の補修に際して床版を打ち替えるときに、既設の床版を軽い新たな床版に打ち替えるようにすれば、腐食減肉や疲労が生じている既存の鋼桁であっても、その負担を減らすことができると考えられる。
以上のような点に鑑みて、軽量化を図ることが可能な床版が従来提案されてきている。
図11は、軽量化を図るために従来提案されている床版の一例を示すもので、コンクリート床版1が3層のコンクリート層2,3,4で構成してある。
上記各コンクリート層2,3,4はそれぞれ比重の異なる発泡ビーズ混入コンクリートにより形成してあり、これにより重量の軽減化を図ることができるようにしてある。
更に、1層目のコンクリート層2は耐摩耗性を高めるために硬度の高いコンクリートにより形成するようにしてある。又、2層目のコンクリート層3内には、長手方向に延びる空洞部5が幅方向に所要ピッチで多数形成してあり、これにより更なる軽量化を図るようにしてある。3層目のコンクリート層4は上記2層目のコンクリート層3よりも比重が大きく設定してあり、該3層目のコンクリート層4には、PC鋼線6を用いてプレストレスが導入してある。
上記2層目のコンクリート層3に設ける空洞部5の断面形状としては、円形、長円形、楕円形、三角形、四角形、その他多角形状等とする考えが示されている(たとえば、特許文献1参照)。
又、比較的短いスパンの橋に採用される合成床版橋としては、図12にその一例の概略を示す如きものが従来提案されている。
図12に示した合成床版橋は、橋軸直交方向に所定幅を有し且つ橋軸方向に延在する底鋼板7を備え、該底鋼板7上における橋軸直交方向の所定間隔位置に、橋軸方向に延在するU型リブ8が、概ね逆U字状を呈するように溶接してある。更に、上記U形リブ8と格子を形成するように、橋軸直交方向に延在するT形リブ9が、橋軸方向所要間隔で配設してある。
上記U形リブ8とT形リブ9の上には、上面にアスファルト層11を有する鉄筋コンクリート床版10が形成してある(たとえば、特許文献2参照)。
更に、合成床版の1つとしては、図13にその一例の概略を示す如きものが従来提案されている。
図13に示した合成床版は、底鋼板12のコンクリート打設個所の表面に、長手方向の所要間隔個所に長手方向に沿う長円形の孔14を設けてなる構成のリブ13が、所定間隔で平行に且つ各リブ13の長円形の孔14同士の位置がそれぞれ横方向に揃うように配列して設置してある。上記各リブ13同士の横方向に揃えられた各長円形の孔14には、リブ13と直角方向に延びる一連の鋼パイプ15が挿通して配置してある。
更に、上記リブ13の上方に鉄筋16を配筋した状態で、上記底鋼板19上に、上記リブ13及び鋼パイプ15を埋設するようにコンクリートを打設してコンクリート層(コンクリートスラブ)17を形成した構成としてある(たとえば、特許文献3参照)。
特開平9−209486号公報 特開2006-69742号公報 特開2004−3290号公報
ところが、上記特許文献1に示された従来のコンクリート床版は、各コンクリート層2と3と4を積層した状態で形成させるために、コンクリートを3回に分けて打つ必要があり、よって、工数が嵩むという問題がある。又、打ち継ぎ目も複雑化してしまうという問題もある。
更に、上記特許文献1に示されたものは底鋼板のないコンクリート床版1であるため、下面側に位置する3層目のコンクリート層4に空洞を設けると、床版としての強度が落ちてしまうために、空洞部5は、2層目のコンクリート層3内に収める必要がある。そのために、上記空洞部5の上下方向寸法は、床版全体の断面の上下方向寸法に対して2〜3割程度にしか設定できないため、重量軽減効果が小さい。
上記特許文献2に示された合成床版橋では、U形リブ8の内部を空洞にすることはできるが、底鋼板7上に設けてあるU形リブ8とT形リブ9とからなる構造を床版に適用しようとすると、該構造を床版の厚み寸法内に収める必要上、上記U形リブ8の高さ寸法が制限されてしまう。
又、上記U形リブ8は底鋼板7に溶接するものであるため鋼製であることは明らかであり、そのため、該U形リブ8自体の重量が嵩むことから、上記したようにU形リブ8の内部が空洞になることによる重量軽減効果が小さいという問題がある。
更に、上記特許文献2に示された底鋼板7上に設けてあるU形リブ8とT形リブ9とからなる構造を床版に適用する場合、上記U形リブ8は橋軸方向に連続しているため、床版同士の継手部では上記U形リブ8同士を繋ぐ必要が生じる。そのために、継手形状が複雑になってしまうという問題が生じる。
上記特許文献3に示された合成床版は、リブ13の孔14に挿通させて配置する鋼パイプ15自体の自重が大きいため、該鋼パイプ15の内部が空洞になることによる重量軽減効果は少ない。
そこで、本発明は、底鋼板上にコンクリート層を一体に接合してなる合成床版にて、重量を軽減することができ、しかも、容易に製造することが可能な合成床版を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に対応して、底鋼板と、底鋼板の上面におけるコンクリート層接合個所に貼り付けた多数の中空の埋め殺し用型枠と、上記底鋼板上に上記埋め殺し用型枠を埋設するようにコンクリートを打設して形成したコンクリート層とを備え、上記埋め殺し用型枠は、水平断面多角形の胴部と、該胴部の上端側の天井部とで構成されてなり、上記コンクリート層の下面側に上記埋め殺し用型枠による空洞を設けてなる構成を有することを特徴とする
又、上記構成において、底鋼板上に貼り付ける埋め殺し用型枠を樹脂製とした構成とする。
更に、上記各構成において、底鋼板上に貼り付ける埋め殺し用型枠の天井部をアーチ形状とした構成とする。
更に又、上記各構成において、底鋼板上に、多数の埋め殺し用型枠を、橋軸方向及び橋軸直角方向に並べて配設するようにして、該多数の埋め殺し用型枠のうち、隣接する埋め殺し用型枠同士の間に打設されたコンクリートによって、橋軸方向及び橋軸直角方向に連続するコンクリートリブを形成するようにした構成とする。
同様に、上記各構成において、
底鋼板上に、多数の埋め殺し用型枠を、ハニカム構造を形成する六方格子の中心に位置するように間隔を隔てて配置して、上記各埋め殺し用型枠同士の間に、ハニカム状の隙間が形成されると共に、該ハニカム状の隙間に打設されたコンクリートによってハニカム構造のコンクリートリブが形成されるようにした構成とする。
上述の各構成において、近接して配置される複数の埋め殺し用型枠で囲まれる部分の中央となる位置の底鋼板上に、スタッドを設けるようにした構成とする。
同様に、上述の構成において、橋軸方向に配列される埋め殺し用型枠の隣接するもの同士の間と対応する位置の底鋼板上に橋軸直角方向に延びるリブを設けて、該リブが橋軸直角方向に連続するコンクリートリブに埋め込まれるようにした構成とする。
更に、上記各構成において、橋軸方向及び橋幅方向に延びる鉄筋を、各埋め殺し用型枠の頂部の上方位置で交差させて配筋してコンクリート層に埋設させるようにした構成とする。
更に又、上記各構成において、底鋼板上にて埋め殺し用型枠を埋設するように形成させるコンクリート層を、鋼繊維補強コンクリート製とした構成とする。
本発明の合成床版によれば、以下のような優れた効果を発揮する。
(1)底鋼板と、底鋼板の上面におけるコンクリート層接合個所に貼り付けた多数の中空の埋め殺し用型枠と、上記底鋼板上に上記埋め殺し用型枠を埋設するようにコンクリートを打設して形成したコンクリート層とを備え、上記埋め殺し用型枠は、水平断面多角形の胴部と、該胴部の上端側の天井部とで構成されてなり、上記コンクリート層の下面側に上記埋め殺し用型枠による空洞を設けてなる構成としてあるので、底鋼板上にコンクリート層を形成するために使用するコンクリートの使用量を、該コンクリート層の下面側に埋め殺し用型枠により形成してある空洞に相当する分、削減できる。よって、床版全体の自重の軽量化を図ることができる。
(2)底鋼板上に貼り付ける埋め殺し用型枠を樹脂製とした構成とすることにより、埋め殺し用型枠自体の自重を軽いものとすることができるため、床版全体の自重の軽量化に有利なものとすることができる。しかも、多数使用する埋め殺し用型枠に要するコストの低減化を図ることもできる。
(3)底鋼板上に貼り付ける埋め殺し用型枠の天井部をアーチ形状とした構成とすることにより、コンクリート層の下面側に形成させる空洞を、埋め殺し用型枠に沿うアーチ形状とすることができる。このため、コンクリート層において、各埋め殺し用型枠の上側に位置する部分のコンクリートの自重と、該部分に上方から作用する荷重を、空洞部のアーチ形状に沿って各埋め殺し用型枠の周りに位置する部分のコンクリートへ圧縮力として伝えることができる。よって、上記各埋め殺し用型枠の周りに位置する部分のコンクリートで、コンクリート層全体の自重とコンクリート層に上方から作用する荷重を支持させることができる。
(4)底鋼板上に、多数の埋め殺し用型枠を、橋軸方向及び橋軸直角方向に並べて配設するようにして、該多数の埋め殺し用型枠のうち、隣接する埋め殺し用型枠同士の間に打設されたコンクリートによって、橋軸方向及び橋軸直角方向に連続するコンクリートリブを形成するようにした構成とすることにより、コンクリート層の下面側に設ける空洞部同士の間に、橋幅方向に連続するコンクリートのリブ状部分と、橋軸方向に連続するコンクリートのリブ状部分を格子状に連結してなる格子構造を形成させることができる。よって、底鋼板とコンクリート層との付着性を高めることができると共に、剪断耐力を高めることができる。
(5)底鋼板上に、多数の埋め殺し用型枠を、ハニカム構造を形成する六方格子の中心に位置するように間隔を隔てて配置して、上記各埋め殺し用型枠同士の間に、ハニカム状の隙間が形成されると共に、該ハニカム状の隙間に打設されたコンクリートによってハニカム構造のコンクリートリブが形成されるようにした構成とすることにより、コンクリート層の下面側に設ける空洞部同士の間に、ハニカム構造のコンクリートのリブ状の部分を形成させることができる。よって、底鋼板とコンクリート層との付着性を高めることができると共に、剪断耐力を高めることができる。
(6)近接して配置される複数の埋め殺し用型枠で囲まれる部分の中央となる位置の底鋼板上に、スタッドを設けるようにした構成とすることにより、底鋼板とコンクリート層との付着性能を向上させることができて、剪断耐力をより高めることができる。更に、コンクリートが薄肉となっている部分にスタッドから薄肉板厚方向に力が働かないようにすることができる。
(7)橋軸方向に配列される埋め殺し用型枠の隣接するもの同士の間と対応する位置の底鋼板上に橋軸直角方向に延びるリブを設けて、該リブが橋軸直角方向に連続するコンクリートリブに埋め込まれるようにした構成とすることにより、底鋼板とコンクリート層との付着性能を向上させることができて、剪断耐力をより高めることができる。更には、底鋼板にリブを設けた状態で、該底鋼板の鋼製型枠としての強度を高めることができるため、該リブで補強された底鋼板を単独で搬送することが可能になることから、底鋼板上にコンクリートを打設してコンクリート層を形成させる工程を現場施工することができる。
(8)橋軸方向及び橋幅方向に延びる鉄筋を、各埋め殺し用型枠の頂部の上方位置で交差させて配筋してコンクリート層に埋設させるようにした構成とすることにより、埋め殺し用型枠を埋設して形成したコンクリート層において上下方向のコンクリート厚み寸法が最も小さくなる埋め殺し用型枠の頂部の上方の部分のコンクリートを、交差させた鉄筋で補強することができる。
(9)底鋼板上にて埋め殺し用型枠を埋設するように形成させるコンクリート層を、鋼繊維補強コンクリート製とした構成とすることにより、中空の埋め殺し用型枠のサイズをより大きくすることができるため、床版全体の更なる軽量化を図るのに有利なものとすることができる。
本発明の合成床版の実施の一形態を示す概略切断側面図である。 図1のA−A方向矢視図である。 図1の合成床版で用いる埋め殺し用型枠を拡大して示すもので、(イ)は切断側面図、(ロ)は切断平面図である。 図1の合成床版で用いる埋め殺し用型枠の天井部を拡大して示すもので、(イ)はドーム形状とした場合を、(ロ)は複数の円筒面で形成される形状を、それぞれ示す斜視図である。 本発明の実施の他の形態を示す概略切断側面図である。 図5のB−B方向矢視図である。 図5のC−C方向矢視図である。 本発明の実施の更に他の形態を示す概略切断平面図である。 本発明の実施の更に他の形態を示すもので、(イ)(ロ)(ハ)はいずれも埋め殺し用型枠の変形例を示す切断側面図である。 本発明の実施の更に他の形態として、埋め殺し用型枠の別の変形例を示す切断側面図である。 軽量化を図るために従来提案されている床版の一例として、コンクリート床版を示す橋軸方向に直交する面による概略切断側面図である。 従来提案されている合成床版橋の一例の概略を示す橋軸方向に直交する面で切断した側面図である。 従来提案されている合成床版の一例の概略を示す斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図4(イ)(ロ)は本発明の合成床版の実施の一形態を示すもので、以下のような構成としてある。
すなわち、本発明の合成床版18は、底鋼板19と、該底鋼板19の上面におけるコンクリート層20の接合個所に配設する多数の中空の埋め殺し用型枠21と、上記底鋼板19の上側に上記埋め殺し用型枠21を埋設するよう形成したコンクリート層20とを備えてなる構成とする。
詳述すると、上記埋め殺し用型枠21は、図3(イ)(ロ)に示す如く、上下方向に所要寸法延びる筒状の胴部、たとえば、水平断面形状が正方形の角筒状の胴部21aを備え、且つ該胴部21aの上端側を、アーチ状の天井部21bで閉塞させた中空構造としてある。なお、上記アーチ状の天井部21bは、上記胴部21aの軸心位置を通る面での垂直断面形状がアーチ状となるようにしてあれば、図4(イ)に示すように、該天井部21bの頂部を中心としてアーチを水平方向に回転させることで形成される、いわゆるドーム形状、あるいは、図4(ロ)に示すように、天井部21bの頂部と上記胴部21aの各側面の上端部とを、水平方向の軸心を有する個別の円筒面で滑らかに繋いだ形状とするようにしてもよい。これにより、埋め殺し用型枠21を埋設するよう形成してある上記コンクリート層20において、上記埋め殺し用型枠21の上側に位置する部分のコンクリートの自重と、該部分のコンクリートに対して上方から作用する荷重とを、上記埋め殺し用型枠21の天井部21bの外面に沿ってアーチ形状に形成されている部分のコンクリートを介し、該埋め殺し用型枠21の胴部21aの周りに位置する部分のコンクリートへ、圧縮力として伝えることができるようにしてある。よって、上記各埋め殺し用型枠21の胴部21aの周りに位置する部分のコンクリートで、上記コンクリート層20全体の自重及び該コンクリート層20に上方から作用する荷重を支持させることができるようにしてある。
なお、上記埋め殺し用型枠21は、下端を除く外面のすべての角部を丸めるようにしてあり、これにより、上記コンクリート層20にて、該埋め殺し用型枠21外面に接する部分のコンクリートに応力集中が生じる虞を未然に防止できるようにしてある。なお、図4(イ)(ロ)では図示する便宜上、胴部21aの周囲に角部が記載してある。
更に、上記埋め殺し用型枠21は、樹脂製としてある。これにより、埋め殺し用型枠21の自重の軽量化を図ることができるようにしてある。しかも、上記所要形状の埋め殺し用型枠21を大量生産することが可能となるため、多数使用する埋め殺し用型枠21に要するコストの低減化を図ることができるようにしてある。
以上の構成としてある埋め殺し用型枠21は、底鋼板19上へのコンクリート層20形成用のコンクリートを打設する工程の前に、図1及び図2に示すように、角筒状としてある胴部21aの各側面を図1及び図2に矢印xで示す橋軸方向、及び、図2に矢印yで示す橋軸直角方向、すなわち、橋幅方向にそれぞれ沿わせた姿勢で、上記底鋼板19の上面における継手部19aを除くコンクリート層20接合個所に、橋軸方向(x方向)及び橋幅方向(y方向)にそれぞれ所要間隔で多数並べて配置して、図3(イ)に示すように、底鋼板19の上面に、該各埋め殺し用型枠21の胴部21aの下端を、周方向の全周に亘り接着剤等の所要の貼り付け手段22を用いて水密に貼り付けるようにしてある。これにより、上記底鋼板19上で橋軸方向(x方向)及び橋幅方向(y方向)にそれぞれ所要間隔で配列された各埋め殺し用型枠21のうち、橋軸方向(x方向)に配列された各埋め殺し用型枠21の隣接するもの同士の間に、橋幅方向(y方向)に連続する空間が形成されるようにしてある。又、橋幅方向(y方向)に配列された各埋め殺し用型枠21の隣接する各埋め殺し用型枠21同士の間に、橋軸方向(x方向)に連続する空間部が形成されるようにしてある。よって、上記各埋め殺し用型枠21を上記底鋼板19上に配設した後の工程で、図1及び図2に示すように、上記底鋼板19の上に上記各埋め殺し用型枠21を埋設するようコンクリートを打設してコンクリート層20を形成させると、上記橋軸方向(x方向)に隣接する各埋め殺し用型枠21同士の間に、橋幅方向(y方向)に連続するコンクリートのリブ状の部分(以下、橋幅方向コンクリートリブと云う)23aをそれぞれ形成させると共に、上記橋幅方向(y方向)に隣接する埋め殺し用型枠21同士の間に、橋軸方向(x方向)に連続するコンクリートのリブ状の部分(以下、橋軸方向コンクリートリブと云う)23bをそれぞれ形成させることができるようにしてある。したがって、上記底鋼板19上に上記コンクリート層20を接合した状態では、該コンクリート層20の下面側に、上記橋軸方向(x方向)に所要間隔で平行に配列された各橋幅方向コンクリートリブ23aと、橋幅方向(y方向)に所要間隔で平行に配列された各橋軸方向コンクリートリブ23bが格子状に一体に連結された格子構造を形成できて、上記底鋼板19と該コンクリート層20との付着性を高めることができると共に、剪断耐力を高めることができるようにしてある。
更に、上記底鋼板19の上面のコンクリート層20接合個所において、上記橋軸方向(x方向)及び橋幅方向(y方向)にそれぞれ所要間隔で配列してある各埋め殺し用型枠21のうち、橋軸方向(x方向)と橋幅方向(y方向)に互いに近接して配置されている4つの埋め殺し用型枠21で形成される正方形の中央と対応する位置には、底鋼板19上へのコンクリート層20形成用のコンクリートを打設する工程の以前に、予めスタッド24をそれぞれ突設してなる構成とする。これにより、その後の工程で上記底鋼板19上に上記各埋め殺し用型枠21を埋設するようにコンクリート層20を接合すると、該コンクリート層20の下面側に形成される各橋幅方向コンクリートリブ23aと上記各橋軸方向コンクリートリブ23bとの交点部分に、上記各スタッド24がそれぞれ埋め込まれるようにしてある。したがって、上記底鋼板19上に上記コンクリート層20を接合した状態では、個々のスタッド24でそれぞれ対応する上記橋幅方向コンクリートリブ23aと橋軸方向コンクリートリブ23bの双方に剪断力を伝えることができる。一方、上記橋軸方向(x方向)に隣接する埋め殺し用型枠21同士の間で橋幅方向コンクリートリブ23aが薄肉となっている部分、及び、上記橋幅方向(y方向)に隣接する各埋め殺し用型枠21同士の間で上記橋軸方向コンクリートリブ23bが薄肉となっている部分、には、該各スタッド24から薄肉板厚方向に力が働かないようにしてある。
上記底鋼版19上に設けた各埋め殺し用型枠21の上方には、底鋼板19上へのコンクリート層20形成用のコンクリートを打設する工程の以前に、予め橋軸方向(x方向)に延びる鉄筋25aと、橋幅方向(y方向)に延びる鉄筋25bとを格子状に配筋するようにして、その後の工程で上記底鋼板19上に上記各埋め殺し用型枠21を埋設するようにコンクリート層20を接合するときに、該各鉄筋25a,25bが、コンクリート層20に埋設されるようにしてある。更に、上記したように各橋軸方向(x方向)の鉄筋25aと各橋幅方向(y方向)の鉄筋25bを配筋するときには、該各鉄筋25a,25b同士が、上記各埋め殺し用型枠21の頂部の上方位置で交差するようにした構成としてある。これにより、上記各埋め殺し用型枠21を埋設するよう形成するコンクリート層20では、該各埋め殺し用型枠21の頂部の上方位置で上下方向のコンクリート厚み寸法が最も小さくなるが、この上下方向のコンクリート厚み寸法が最も小さくなる部分を、上記交差させた橋軸方向と橋幅方向の各鉄筋25aと25bの双方で補強することができるようにしてある。
上記コンクリート層20は、鋼繊維補強コンクリートを用いて形成することが好ましい。このようにすれば、上記コンクリート層20の強度を高めることができるため、通常のコンクリートを用いて上記コンクリート層20を形成させる場合に比して、上記中空としてある各埋め殺し用型枠21のサイズをより大きくして、隣接する各埋め殺し用型枠21同士の間や、各埋め殺し用型枠21の上方に充填されるコンクリートの厚みを薄くすることが可能になることから、合成床版18全体の軽量化を図るのに有利になる。なお、上記鋼繊維補強コンクリートと同程度の強度が得られれば、鋼繊維以外の繊維補強コンクリートや、繊維補強以外の任意の手段で強度を高めた高強度コンクリートを用いてコンクリート層20を形成させるようにしてもよい。
更に、本実施の形態では、上記コンクリート層20は、底鋼板19の橋軸方向(x方向)の両端部に所要の長さ寸法で設ける継手部19aの上側を除いて形成した構成としてある。これにより、本発明の合成床版18のプレキャスト化を図ることができるようにしてある。
すなわち、以上の構成としてある本発明の合成床版18を製造する場合は、工場等にて、先ず、底鋼板19の上面におけるコンクリート層20接合個所に、上述したような所定の配置で多数の埋め殺し用型枠21を貼り付けると共に、各スタッド24を取り付ける。次に、上記各埋め殺し用型枠21の上方に、橋軸方向(x方向)と橋幅方向(y方向)の鉄筋25aと25bを、上述した所定の配置で配筋する。次いで、上記底鋼板19の上面における橋軸方向(x方向)両端部の継手部19aの内側位置に、図示しない型枠を仮設した状態で、上記各埋め殺し用型枠21と各スタッド14と各鉄筋25a,25bを埋設するようにコンクリートを打設し、養生することで、上記底鋼板19上にコンクリート層20を一体に接合してなるプレキャストの合成床版18が製造されるようになる。
上記のようにして製造したプレキャストの合成床版18を使用する場合は、床版設置現場へ搬入し、図示しない橋桁上に、該合成床版18を橋軸方向(x方向)に並べて配置する。その後、図1及び図2に示すように、隣接して配置されている合成床版18の底鋼板19の橋軸方向(x方向)の端部に設けてある継手部19a同士を、突合せた状態で添接板26と高力ボルト27を介して連結し、しかる後、上記連結された合成床版18の底鋼板19の継手部19aの上側に、図1に二点鎖線で示すように、間詰コンクリート28を充填するように打設するようにすればよい。
このように、本発明の合成床版18によれば、底鋼板19の上に接合するコンクリート層20の下面側に、底鋼板19上に貼り付けてある多数の埋め殺し用型枠21の内部空間に応じた空洞を設けることができるため、コンクリート層20を構成するコンクリートの使用量を低減させることができる。しかも、上記埋め殺し用型枠21は樹脂製とすることで、該埋め殺し用型枠21自体の自重を軽いものとすることができる。よって、本発明の合成床版18を、床版全体で自重の軽いものとすることができる。
したがって、本発明の合成床版18を用いることで、橋梁の鋼桁の負担を減らすことができて、該鋼桁を小さく(細く)できる効果が期待できる。又、本発明の合成床版18は、橋梁の補修工事を行う場合に、既存の鋼桁の鋼材に錆等による減肉が生じていたり、疲労が生じていることに起因して、該既存の鋼桁の強度が当初の設計強度よりも低下している場合等に、打ち替え用の床版として用いるのに好適なものとすることができる。
更に、上記底鋼板19の継手部19aの上側には上記埋め殺し用型枠21を設けていないため、継手構造が複雑化する虞はない。
又、上記各埋め殺し用型枠21の天井部21bがアーチ形状としてあるので、上記コンクリート層20の下面側に形成される空洞もアーチ形状にすることができる。これにより、該コンクリート層20において、上記空洞を設けることで、該空洞の上方に位置する部分の上下方向のコンクリート厚み寸法が小さくなるとしても、該部分の自重と上方から作用する荷重を、上記埋め殺し用型枠21の天井部の外面に沿うアーチ形状の部分に沿わせて圧縮力に変換した状態で、上記埋め殺し用型枠21の胴部21aの周りに位置する部分のコンクリートへ伝えて支持させることができる。
更に、上記底鋼板19上に、多数の埋め殺し用型枠21を、橋軸方向(x方向)及び橋幅方向(y方向)にそれぞれ所要間隔で並べて配置してあることで、上記コンクリート層20の下面側に上記各埋め殺し用型枠21によって形成される空洞同士の間に、橋軸方向(x方向)に所要の間隔で平行に配列された橋幅方向コンクリートリブ23aと、橋幅方向(y方向)に所要の間隔で平行に配列された橋軸方向コンクリートリブ23bとによる一体の格子構造を形成させることができて、該コンクリート層20の剪断耐力を高めることができる。
更に又、上記底鋼板19上における上記コンクリート層20の橋幅方向コンクリートリブ23aと橋軸方向コンクリートリブ23bの交点部分に対応する位置に、予めスタッド24をそれぞれ設けておくことで、個々のスタッド24により、上記コンクリート層20の橋幅方向コンクリートリブ23aと橋軸方向コンクリートリブ23bの双方の底鋼板19に対する付着性能を高めることができる。
更には、コンクリート層20にて最も上下方向のコンクリート層厚み寸法が小さくなる各埋め殺し用型枠21の頂部上方に存在する部分のコンクリートを、該各埋め殺し用型枠21の頂部の上方で交差するように配筋してある鉄筋25a,25bで補強することができる。
よって、上記コンクリート層20の下面側に空洞を設けた状態としても、該コンクリート層20の強度低下を未然に防止することができて、本発明の合成床版18に床版として所望される強度を容易に得ることができる。
しかも、本発明の合成床版18は、底鋼板19の上面のコンクリート層20接合個所に、上記各埋め殺し用型枠21を所定の配置で貼り付けると共に、上記各スタッド24を所定の配置で取り付け、更に、上記鉄筋25a,25bを配筋した状態で、該各埋め殺し用型枠21、各スタッド24、各鉄筋25a,25bを埋設するようコンクリート層20を形成するためのコンクリートの打設を1回で行うことができるため、製造を容易なものとすることができる。
更に、本発明の合成床版18を、予め工場等で底鋼板19の継手部19aの上方のみを残して該底鋼板19上にコンクリート層20を接合してプレキャスト化することにより、床版設置工事でのコンクリートの打設を間詰コンクリート28のみとすることができるため、急速施工に対応することができて、床版打ち替え工事のために交通を止める期間の短縮化を図る効果が期待できる。
次に、図5乃至図7は本発明の実施の他の形態を示すもので、図1乃至図4(イ)(ロ)に示したと同様の構成において、底鋼板19の上面のコンクリート層20接合個所における橋軸方向(x方向)及び橋幅方向(y方向)に近接して配置される4つの埋め殺し用型枠21の中央位置ごとに、スタッド24をそれぞれ突設した構成に代えて、底鋼板19の上面のコンクリート層20の接合個所にて、橋軸方向(x方向)に配列される各埋め殺し用型枠21の隣接するもの同士の中間位置となる橋軸方向(x方向)所要間隔位置に、橋幅方向(y方向)に延びる鋼製のリブ29をそれぞれ底鋼板19に溶接して設けた構成としたものである。これにより、底鋼板19の上面のコンクリート層20設置個所に上記鋼製リブ29を橋軸方向の所定の配置で設置すると共に、多数の埋め殺し用型枠21を所定位置にそれぞれ貼り付けた状態で、上記底鋼板19上に上記各鋼製リブ29及び埋め殺し用型枠21を埋設するようにコンクリートを打設してコンクリート層20を形成するときに、該コンクリート層20の下面側に橋軸方向(x方向)に所要間隔で形成される各橋幅方向コンクリートリブ23aに、上記各鋼製リブ29がそれぞれ埋め込まれるようにしてある。よって、上記各鋼製リブ29を介して底鋼板19とコンクリート層20との付着性能を高めることができるようにして、床版全体の剪断耐力をより向上させることができるようにしてある。
更に、上記各鋼製リブ29には、長手方向所要間隔個所に橋軸方向(x方向)に貫通する孔30をそれぞれ穿設してなる構成としてもよい。このようにすれば、上記したと同様にして底鋼板19上に各埋め殺し用型枠21と鋼製リブ29を埋設するコンクリート層20を形成させると、上記各孔30の内側にコンクリート層20のコンクリートが貫通して配置されるため、上記底鋼板19とコンクリート層20との付着性能を更に高める効果が期待できる。
なお、上記のように各鋼製リブ29の長手方向所要間隔個所に孔30を設ける場合、該各孔30の位置は、橋幅方向(y方向)に配列される各埋め殺し用型枠21の隣接するもの同士の中間となる位置に対応させて設けることが望ましい。このようにすれば、上記と同様にして底鋼板19上にコンクリート層20を形成させると、上記鋼製リブ29の各孔30の両側には、上記コンクリート層20の下面側に形成される橋軸方向コンクリートリブ23bが存在するようになるため、該橋軸方向コンクリートリブ23bの橋軸方向に連続する部分のコンクリートにより、上記鋼製リブ29の各孔30の内側に存在しているコンクリートを孔30の両側から抑えて拘束できるため、剪断耐力を更に向上させる効果が期待できる。
その他の構成は図1乃至図4(イ)(ロ)に示したものと同様であり、同一のものには同一の符号が付してある。
本実施の形態によっても、図1乃至図4(イ)(ロ)の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
更に、底鋼板19上に鋼製リブ29を取り付けることで、該底鋼板19の鋼製型枠としての強度を高めることができるため、該鋼製リブ29で補強された底鋼板19を単独で搬送することが可能となる。よって、底鋼板19上にコンクリートを打設してコンクリート層20を形成させる工程を現場施工することができる。
次いで、図8は本発明の実施の更に他の形態を示すもので、図1乃至図4(イ)(ロ)に示したと同様の構成において、底鋼板19上に、筒状の胴部21aとアーチ形状の天井部21bからなる埋め殺し用型枠21を、橋軸方向(x方向)及び橋幅方向(y方向)にそれぞれ所要間隔で並べて配列した構成に代えて、底鋼板19の上面におけるコンクリート層20接合個所に、多数の埋め殺し用型枠21を、該各埋め殺し用型枠21がそれぞれ六方格子の中心に位置し且つ隣接する埋め殺し用型枠21同士の間に所要間隔を隔てた状態で配置して底鋼板19に貼り付けるようにしたものである。
なお、本実施の形態では、各埋め殺し用型枠21を、筒状の胴部21aの水平断面形状が正六角形となるようにして、隣接する埋め殺し用型枠21の胴部21aの側面同士が平行に配置されるようにしてある。
又、上記各埋め殺し用型枠21のうち、互いに近接する3つの埋め殺し用型枠21で形成される正三角形の中央と対応する底鋼板19上の所要位置に、それぞれスタッド24を突設した構成としてある。
その他の構成は図1乃至図4(イ)(ロ)に示したものと同様であり、同一のものには同一の符号が付してある。
本実施の形態によれば、上記底鋼板19上に上記多数の埋め殺し用型枠21を所定の配置で貼り付けると共に、各スタッド24を所定の配置で設けた状態で、該底鋼板19上にコンクリートを打設してコンクリート層20を形成させると、該コンクリート層20の下面側に上記底鋼板19上に貼り付けてある多数の埋め殺し用型枠21の内部空間に応じた空洞を設けることができるため、床版全体の自重の軽量化を図ることができ、この軽量化に伴い、図1乃至図4の(イ)(ロ)の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
又、上記コンクリート層20の下面部には、天井部21bがアーチ形状としてある上記各埋め殺し用型枠21により形成されるアーチ形状を備えた空洞の間に、ハニカム構造(六方格子構造)のコンクリートリブを形成することができる。よって、本実施の形態によっても、該コンクリート層20の剪断耐力を高めることができると共に、上記各スタッド24により、上記コンクリート層20のハニカム構造のコンクリートリブの各交点部分の底鋼板19に対する付着性能を高めることができることから、コンクリート層20の下面側に空洞を設けた状態としても、該コンクリート層20の強度低下を未然に防止することができて、本実施の形態の合成床版18に床版として所望される強度を容易に得ることができる。
更に、図1乃至図4(イ)(ロ)の実施の形態と同様に、製造を容易なものとすることができると共に、プレキャスト化することで、急速施工に対応することが可能となる。
次いで、図9(イ)(ロ)(ハ)は本発明の実施の更に他の形態として、本発明の合成床版18で用いる埋め殺し用型枠21の変形例を示すもので、以下のようにしてある。
すなわち、本実施の形態の埋め殺し用型枠21は、図3(イ)(ロ)に示したと同様の筒状の胴部21aとアーチ状の天井部21bからなる構成において、上記天井部21bの所要個所、たとえば、頂部に、内外方向に貫通する孔21cを設け、更に、該孔21cを閉塞させるための栓(蓋)21dを備えてなる構成としてある。
ここで、本発明の合成床版18の構造について述べると、コンクリート層20の下面側に中空の埋め殺し用型枠21により空洞が形成してあるため、該コンクリート層20を浸透した水が、上記中空の埋め殺し用型枠21の内側に集まって溜まるようになると、底鋼板19に腐食が生じる虞が懸念されることから、該埋め殺し用型枠21の内側への水の進入を未然に防止する必要がある。
そのために、上記図1乃至図4(イ)(ロ)の実施の形態では、図3(イ)に示したように、各埋め殺し用型枠21の胴部21aの下端を、周方向の全周に亘り接着剤等の所要の貼り付け手段22を用いて底鋼板19の上面に水密に貼り付けることで、該各埋め殺し用型枠21の内部への水の進入を未然に防止するようにしてある。
しかし、上記貼り付け手段22として接着剤を用いる場合は、該接着剤が固まるまでの間に、たとえば、温度変化等により上記埋め殺し用型枠21の内部と外部で気圧の差が生じると、上記固まる前の接着剤に埋め殺し用型枠21の内外に連通する空気の通路が形成されてしまい、この空気の通路が形成されたまま接着剤が固まることで、上記埋め殺し用型枠21の底鋼板19への貼り付け個所の水密性が保持できなくなる虞が懸念される。
そこで、上記したように埋め殺し用型枠21の貼り付け手段22として接着剤を用いる場合に、温度変化等による埋め殺し用型枠21の内部と外部に気圧差が生じる虞が懸念される場合は、本実施の形態の天井部21bに内外方向に貫通する孔21cを具備してなる構成の埋め殺し用型枠21を、先ず、図9(イ)に示すように、栓21dを取り外して上記孔21cを開放した状態で、胴部21aの下端を、周方向の全周に亘り貼り付け手段としての接着剤22aを用いて底鋼板19の所定位置に貼り付ける。その後、上記接着剤22aが固まることで上記埋め殺し用型枠21の胴部21aの下端が全周に亘り上記底鋼板19に水密に貼り付けられた後に、図9(イ)に二点鎖線で示すように上記孔21cを栓21dで閉塞させるようにすればよい。このようにすれば、上記接着剤22aが固まるまでの間は、上記孔21を通して埋め殺し用型枠21の内外の気圧は同一に保たれるため、固まる前の上記接着剤22aに空気の通路が形成される虞を未然に防止できて、上記底鋼板19に該埋め殺し用型枠21の下端を水密に貼り付けることができるため、該埋め殺し用型枠21の内部に水が進入する虞を未然に防止できる。
又、本実施の形態の埋め殺し用型枠21は、先ず、栓21dを取り外して上記孔21cを開放した状態で、胴部21aの下端を、周方向の全周に亘り底鋼板19の所定位置に接着剤や両面テープ等の任意の貼り付け手段22を用いて貼り付け、次いで、上記底鋼板19に貼り付けられた埋め殺し用型枠21に設けてある孔21cを通して、図9(ロ)に示すように、該埋め殺し用型枠21の内部空間の下部、あるいは、図9(ハ)に示すように、該埋め殺し用型枠21の内部空間の全体に、発泡ウレタンのような発泡樹脂31を充填し、しかる後、上記孔21cを栓21dで閉塞させるようにしてもよい。このようにすれば、上記埋め殺し用型枠21の下端と上記底鋼板19との上記貼り付け手段22を介した貼り付け個所に、たとえ埋め殺し用型枠21の内外に連通する空気の通路が形成されたとしても、埋め殺し用型枠21の内部空間の下部あるいは全体に充填した発泡樹脂31により、該埋め殺し用型枠21の内部へ水の浸入を確実に防止することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、埋め殺し用型枠21の天井部21bのアーチ形状は、必ずしも円弧である必要はなく、楕円弧や放物線等の曲線形状であってもよい。
又、埋め殺し用型枠21の筒状の胴部21aは、隣接する埋め殺し用型枠21同士の間にコンクリートのリブを形成させると同時に、コンクリート層20を形成するコンクリートの使用量を低減させる観点からすると、隣接する埋め殺し用型枠21の胴部21aの側面が平行に配置されるような水平断面多角形とすることが望ましいが、埋め殺し用型枠21の胴部21aを円筒状としてもよい。
埋め殺し用型枠21の胴部21a及び天井部21bの板厚と内部空間との寸法比は、埋め殺し用型枠21のサイズや、形状、材質に応じて図示したものから適宜変更してもよい。
埋め殺し用型枠21の上下方向寸法や水平断面寸法、天井部21のアーチ形状の曲率、胴部21aと天井部の21b上下方向の寸法比等のサイズ、底鋼板19上に配設する埋め殺し用型枠21同士の間隔は、本発明の合成床版18に作用することとなる荷重、該合成床版18の底鋼板19の強度、コンクリート層20に要求される強度、コンクリート層20を構成するコンクリートの強度等に応じて適宜変更してもよい。
埋め殺し用型枠21の胴部21aの下端を、底鋼板19の上面に貼り付けるときの貼り付け強度を高めるために、埋め殺し用型枠21の胴部21aの下端を、図10に示すように内周側に屈曲させたり、図示してないが外周側に屈曲させることで、貼り付け面積を拡大させるようにしてもよい。更には、埋め殺し用型枠21の胴部21aの下端側を閉塞させた構成としてもよい。
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
19 底鋼板
20 コンクリート層
21 埋め殺し用型枠
24 スタッド
25a,25b 鉄筋
29 鋼製リブ(リブ)

Claims (9)

  1. 底鋼板と、底鋼板の上面におけるコンクリート層接合個所に貼り付けた多数の中空の埋め殺し用型枠と、上記底鋼板上に上記埋め殺し用型枠を埋設するようにコンクリートを打設して形成したコンクリート層とを備え、上記埋め殺し用型枠は、水平断面多角形の胴部と、該胴部の上端側の天井部とで構成されてなり、上記コンクリート層の下面側に上記埋め殺し用型枠による空洞を設けてなる構成を有することを特徴とする合成床版。
  2. 底鋼板上に貼り付ける埋め殺し用型枠を樹脂製とした請求項1記載の合成床版。
  3. 底鋼板上に貼り付ける埋め殺し用型枠の天井部をアーチ形状とした請求項1又は2記載の合成床版。
  4. 底鋼板上に、多数の埋め殺し用型枠を、橋軸方向及び橋軸直角方向に並べて配設するようにして、該多数の埋め殺し用型枠のうち、隣接する埋め殺し用型枠同士の間に打設されたコンクリートによって、橋軸方向及び橋軸直角方向に連続するコンクリートリブを形成するようにした請求項1、2又は3記載の合成床版。
  5. 底鋼板上に、多数の埋め殺し用型枠を、ハニカム構造を形成する六方格子の中心に位置するように間隔を隔てて配置して、上記各埋め殺し用型枠同士の間に、ハニカム状の隙間が形成されると共に、該ハニカム状の隙間に打設されたコンクリートによってハニカム構造のコンクリートリブが形成されるようにした請求項1、2又は3記載の合成床版。
  6. 近接して配置される複数の埋め殺し用型枠で囲まれる部分の中央となる位置の底鋼板上に、スタッドを設けるようにした請求項4又は5記載の合成床版。
  7. 橋軸方向に配列される埋め殺し用型枠の隣接するもの同士の間と対応する位置の底鋼板上に橋軸直角方向に延びるリブを設けて、該リブが橋軸直角方向に連続するコンクリートリブに埋め込まれるようにした請求項4記載の合成床版。
  8. 橋軸方向及び橋幅方向に延びる鉄筋を、各埋め殺し用型枠の頂部の上方位置で交差させて配筋してコンクリート層に埋設させるようにした請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の合成床版。
  9. 底鋼板上にて埋め殺し用型枠を埋設するように形成させるコンクリート層を、鋼繊維補強コンクリート製とした請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の合成床版。
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