JP5278721B2 - レーザ計測システム及び方法 - Google Patents
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該処理装置は;
該複数のレーザセンサから得られる複数の計測データを用いて該対象領域の背景データを算出する第1処理手段と、該複数のレーザセンサから得られる複数の計測データと、既に算出された該背景データの差分を計算して対象物をポイントデータの連続として算出する第2処理手段と、該第2の処理手段によって算出された該ポイントに関して、所定の範囲内にある複数の該ポイントを纏めてクラスタとして算出する第3処理手段と、該第3処理手段によって算出された複数のクラスタであって、所定の範囲内にある複数のクラスタを纏めて位置及びその移動ベクトルを算出する第4処理手段と、を有し、
該記憶手段は;
該第1の処理手段によって算出された該背景データを、それらを取得した該レーザセンサに対応して記憶する背景データ記憶部と、該第2の処理手段によって算出された多数の該ポイントデータに連続的に識別符号を付して、それらを取得した該レーザセンサに対応して、該ポイントデータを記憶するポイントデータ記憶部と、該第3の処理手段によって算出された多数の該クラスタにそれぞれ識別符号を付して、それらを取得した該レーザセンサに対応して、該クラスタを記憶するクラスタ記憶部と、該第4の処理手段によって算出され、纏められた多数の位置及び移動ベクトルを、該対象物に固有の識別符号を付して記憶する軌跡記憶部と、を有し
該第4処理手段手段によって計算された対象物の移動軌跡を該表示装置に表示することを有することを特徴とするレーザ計測システムとして構成される。
本発明はまた、対象の領域を照射する複数のレーザセンサから得られたレーザ計測データを処理装置で処理するレーザ計測データの処理方法としても把握される。
[実施例1]
図1は人の軌跡計測システムの例を示す。このシステムは、例えばオフィスにおいて人の移動軌跡を測定して空間の利用密度を調査することで、新たなオフィスの空間設計に役立てるために使用される。
この軌跡計測システムは、3台レーザセンサ11,12、13と、これらのレーザセンサに接続されたパーソナルコンピュータ(PC)3によって構成される。この例において、3台のレーザセンサ11〜13は、それぞれh1、h2、h3(h1> h2> h3)の高さに設置される。各レーザセンサで検知された計測データはPC3へ送信される。PC3は、計測データを受信して人の位置および軌跡を計算し、及び関連するデータを処理するため処理装置としてのCPU31と、関連する種々のデータを記憶するデータベース(DB)32と、表示装置33及び入力装置34を有している。
各DBについては、後でも説明するが、背景DB321は各レーザセンサから取得された背景データ(角度、距離)を各レーザセンサに対応させて記憶する。
ポイントDB322は各レーザセンサで検出された人のデータ(背景データと差分を取ったもの)を、各レーザセンサに対応してポイントデータとして連続的に番号を付して記憶する。なお、ポイントデータは、(角度、距離)データから直行座標系データに変換されたものである。
軌跡DB324は、軌跡接続処理S704によって算出された人の位置座標と移動ベクトルに時刻及び人IDを付して、人IDごとに記憶する。この軌跡DB324のデータを画像処理することで、特定のIDの人が移動する様子を表示装置に表示することができる。
図示した長方形の範囲、すなわち横幅L1、縦幅L2(この例では、L1:10m、L2:8m)の領域Qがレーザによる監視領域となる。斜線部Wは壁である。
[0,415],[0.5,423],[1.0,430],…,[θ,1],…,[180,368] (1)
図3は、無人状態の監視領域Qからレーザセンサ11によって取得された、(θ、l)の計測データをプロットした図である。図示ように、この計測データには対象となる人を含まない、背景の壁を検出したデータ(各プロット)のみが含まれる。この計測データは、監視領域の背景データとして取得されて、背景DB321に記憶される。この例では、レーザセンサ11〜13から取得された3つの背景データはそれぞれ背景DBに記憶される。
図14に示すように、背景DBは、各レーザセンサごとに、上記式(1)で示される、(角度、距離)のデータを記憶する。
図示のように、レーザセンサ11によって検知されたこの計測データは、監視領域Q内に2人の人P1、P2が居る例を示している。θ1〜θ2までの間で人P1が検知され、θ3〜θ4までの間で人P2が検知されている。なお、人P1、P2の影となる壁は検出されない。
同様にして、図5及び図6は、それぞれレーザセンサ12及び13によって検知された計測データを示す。図5の計測データは人P1とP2の腰の辺りを検知し、図6は同じ人P1、P2の足元辺りを検知している。
全体の処理として、DB32を初期化する初期化処理S701、監視領域Qの背景データを取得する背景データ取得処理S702、人の検出処理を行うクラスタ検出処理S703,人の軌跡を計測する軌跡接続処理S704、取得された軌跡データを処理して表示する軌跡表示処理S706の4つの処理が実行される。
背景データ取得処理S702は、図2に示すように、無人状態の監視領域Qからレーザセンサ11〜13によって(θ、l)の計測データを取得し、背景データとして背景DB321に記憶する。この処理は、ある計測領域に対して計測前の一番最初に一度だけ実行される。例えば毎日、早朝の計測領域内に人が不在である時間帯などに一度行われる。図3に示すように、無人状態の計測領域から取得された計測データは監視領域の背景データとして背景DB321に記憶される。
軌跡表示処理S706では、人の軌跡を表示装置33に表示する。
まず、ポイントDB322及びクラスタDB323のデータを全てNULLでクリアする(S901)。この時点でタイマーtの計時をスタートさせる(S902)。タイマーの計時は、レーザセンサから送られる計測データが、PC3側で1つも受信できなかった場合に、タイムアウトすることにより受信処理を中止するためである。
[0,415],[0.5,423],[1.0,430],…,[θ1,506],…,[θ2,509],…,[θ3,398],…,[θ4,418],…,[180,368] (2)
これを図化すると、図4のようになる。図4の例では、監視領域Q内に2人の人P1、P2が居て、θ1〜θ2までの間で人P1が、θ3〜θ4までの間で人P2が、が検出されている。なお、人P1、P2の影となる壁は検出されない。
[θ1,506],…,[θ2,509] …,[θ3,398],…,[θ4,418] (3)
これを図化すると図21のように、人P1、P2による点のみが残る。なお、同時に受信しているレーザセンサ12、13からの計測データについても同様の処理を実施すると、図5、図6に示すように、人P1、P2による点のみが残る。
各差分データに含まれる角度は、各レーザセンサの正面方向を90°とした角度であり、全てのレーザセンサに共通する角度の値では無い。よって、レーザセンサが監視領域Qに対して向いている方向を考慮し、各差分データが示す角度を全て共通の角度に回転の計算を行いて揃える(S906)。
まず、変数Nと変数Cを1に初期化する(S1001、S1002)。変数Nはレーザセンサの番号(レーザセンサ11〜13)を、変数CはクラスタIDの値を指定するための変数である。
その後、レーザセンサNで検出されたクラスタに対し、全て人IDを割り当てたかを判断し(S1007)、未だ、他のクラスタが在る場合は次のクラスタIDに対し検索を行うよう、変数Cに1を加えて(S1008)、S1003へ戻る。
このようにしてレーザセンサNに対して、全てのクラスタに人IDを割り当てると(S1007)、この処理は終了する。そして、全てのレーザセンサのクラスタについて上記のループ処理を行ったかを判断する(S1009)。その結果、未だ処理を行っていないレーザセンサがある場合は、Nに1を加え(S1031)、次のレーザセンサについても同様の処理を行う。
そして、上記処理にて割り当てた人IDごとに位置座標、移動ベクトルを求め、軌跡DBを更新する(S1010)。更新された軌跡DB324の例を、図19に示す。位置座標は、同一の人IDが割り当てられたクラスタの中心点の座標を平均して得る座標の値である。また、上記のように、新しく現れた人ID:21の場合、位置座標はクラスタの中心座標より求めた値であるが、この時の移動ベクトルは前回の位置座標が無い為(0,0)である。
図20の例では、3つのレーザセンサ11〜13で検出されたクラスタは太いドットと矢印で表され、レーザセンサの検知数が減るにつれて、ドットの大きさ及び矢印の太さも小さくなる。
実施例2によれば、図1のように設置した全てのレーザセンサが遮蔽物に遮られること無く、人の全身を計測できる場合に、人の軌跡に加えて、その際の人の姿勢を計測することができる。
これは、図11に示すように、軌跡DB324にレーザセンサ11〜13から人が見えている‘1’、見えていない‘0’を示す姿勢データ3241を追加することで実現できる。例えば図12に示すように、人がしゃがんでいる場合は、レーザセンサ12,13ではクラスタが検出できるが、レーザセンサ11では検出できない。このように、各レーザセンサからの計測データを解析することで、人の動きを認識することができる。また、時刻データと対応付けて軌跡DB324に記憶しておくことで、その人がどのくらいの時間に座ったり、立ったりていたか等の、姿勢の継続が分かる。
この例は、実施例1における、ポイントデータDB323より近接点をクラスタとし手纏める処理(S910)の変形例である。この処理S910を、図13に示すような処理に代えて、レーザセンサごとに検知処理を分岐することを可能とするものである。
すなわち、レーザセンサ11は平均的な人の頭部の高さであることより、人の頭部を検出することに特化したアルゴリズムを使用することでクラスタの検出精度を上げることが可能である。また、同様に、レーザセンサ12、13のクラスタ検出に対しても、胴部、足に特化したアルゴリズムを切り替えることでクラスタの検出精度を上げることが可能である。
321:背景DB 322:ポイントDB322 323:クラスタDB 324:軌跡DB324
Claims (4)
- 異なる高さに設置された複数のレーザセンサを用いて対象の領域の異なる高さを照射して、領域内を動く対象物を計測するレーザ計測システムであって、
該複数のレーザセンサから得られる該計測データを用いてデータ処理を行う処理装置と、該処理装置で処理された情報を記憶する記憶手段、情報を表示する表示装置と有し、
該処理装置は;
該複数のレーザセンサから得られる複数の計測データを用いて該対象領域の背景データを算出する第1処理手段と、
該複数のレーザセンサから得られる複数の計測データと、既に算出された該背景データの差分を計算して対象物をポイントデータの連続として算出する第2処理手段と、
該レーザセンサごとに、該第2の処理手段によって算出された該ポイントに関して、所定の範囲内にある複数の該ポイントを纏めて同一対象物のクラスタとして纏め、同じクラスタを構成する点の座標よりクラスタごとの中心座標を求めて、複数の該レーザセンサ毎に該クラスタ及び中心座標が1つに纏められる毎に固有のクラスタIDを付与する第3処理手段と、
後記軌跡記憶部を検索して、該第3処理手段によって算出された、該レーザセンサ対応に該クラスタIDに対応する対象物IDを探し出して、クラスタの中心点と、前回の位置から該移動ベクトルで移動した今回の位置にある検索開始点の距離が近い範囲内にある該クラスタIDに同じ対象物IDを付与し、該対象物IDの付与を複数の該レーザセンサから得られる全ての該クラスタについて行い、同じ該対象物IDごとに該対象物の位置座標と、前回の位置座標と今回の位置座標を結ぶ対象物の移動ベクトルを算出する第4処理手段と、を有し、
該記憶手段は;
該第1の処理手段によって算出された該背景データを、該レーザセンサが回転する所定ピッチの角度と該レーザセンサからの距離の対として、それらを取得した該レーザセンサに対応して記憶する背景データ記憶部と、
該第2の処理手段によって算出された、計測データを、[x,y]直交座標系に変換した多数の該ポイントデータにそれぞれ異なる識別符号を付して、それらを取得した該レーザセンサに対応して、該ポイントデータを記憶するポイントデータ記憶部と、
該第3の処理手段によって算出された、計測データを、[x,y]直交座標系に変換したものと、算出されたクラスタの中心座標と、対象物ごとに異なる対象物IDとを,識別符号としてクラスタIDを付して、それらを取得した該レーザセンサに対応して、記憶するクラスタ記憶部と、
該第4の処理手段によって算出された、計測データに関する、[x,y]直交座標系で表される位置座標と、該移動ベクトルと、及び該計測データを取得した時刻とを該対象物IDに対応付けて記憶する軌跡記憶部と、を有し
該第4処理手段によって計算された対象物の移動軌跡を該表示装置に表示することを有することを特徴とするレーザ計測システム。
- 前記第3の処理手段は、前記レーザセンサごとに前記対象物の検知処理を分岐し、それぞれ別々の検知アルゴリズムを用いて対象物の部位を検出する
ことを特徴とする請求項1のレーザ計測システム。
- 異なる高さに設置された複数のレーザセンサを用いて対象の領域の異なる高さを照射して、領域内を動く対象物を計測し、得られたレーザ計測データを処理装置で処理するレーザ計測データの処理方法であって、
該複数のレーザセンサから得られる複数の計測データを用いて該対象領域の背景データを算出する第1処理ステップと、
該複数のレーザセンサから得られる複数の計測データと、既に算出された該背景データの差分を計算して対象物をポイントデータの連続として算出する第2処理ステップと、
該レーザセンサごとに、該第2の処理ステップによって算出された該ポイントに関して、所定の範囲内にある複数の該ポイントを纏めて同一対象物のクラスタとして纏め、同じクラスタを構成する点の座標よりクラスタごとの中心座標を求めて、複数の該レーザセンサ毎に該クラスタ及び中心座標が1つに纏められる毎に固有のクラスタIDを付与する第3処理ステップと、
後記軌跡記憶部を検索して、該第3処理ステップによって算出された、該レーザセンサ対応に該クラスタIDに対応する対象物IDを探し出して、クラスタの中心点と、前回の位置から該移動ベクトルで移動した今回の位置にある検索開始点の距離が近い範囲内にある該クラスタIDに同じ対象物IDを付与し、該対象物IDの付与を複数の該レーザセンサから得られる全ての該クラスタについて行い、同じ該対象物IDごとに該対象物の位置座標と、前回の位置座標と今回の位置座標を結ぶ対象物の移動ベクトルを算出する第4処理ステップと、
該第1の処理ステップによって算出された該背景データを、該レーザセンサが回転する所定ピッチの角度と該レーザセンサからの距離の対として、それらを取得した該レーザセンサに対応して背景データ記憶部に記憶するステップと、
該第2の処理ステップによって算出された、計測データを、[x,y]直交座標系に変換した多数の該ポイントデータにそれぞれ異なる識別符号を付して、それらを取得した該レーザセンサに対応して、該ポイントデータをポイントデータ記憶部に記憶するステップと、
該第3の処理ステップによって算出された、計測データを、[x,y]直交座標系に変換したものと、算出されたクラスタの中心座標と、対象物ごとに異なる対象物IDとを,識別符号としてクラスタIDを付して、それらを取得した該レーザセンサに対応してクラスタ記憶部に記憶するステップと、
該第4の処理ステップによって算出された、計測データに関する、[x,y]直交座標系で表される位置座標と、該移動ベクトルと、及び該計測データを取得した時刻とを該対象物IDに対応付けて軌跡記憶部に記憶するステップと、を有し
該第4処理ステップによって計算された対象物の移動軌跡を該表示装置に表示することを有することを特徴とするレーザ計測データの処理方法。
- 前記第3の処理ステップにおいて、前記レーザセンサごとに前記対象物の検知処理を分岐し、それぞれ別々の検知アルゴリズムを用いて対象物の部位を検出する
ことを特徴とする請求項3のレーザ計測データの処理方法。
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