JP5277584B2 - 車両用改造判定装置及び車両用改造判定方法 - Google Patents

車両用改造判定装置及び車両用改造判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両に対する改造を判定する車両用改造判定装置及び車両用改造判定方法に関する。
正規の車両部品は、法規制や環境規制などに基づき厳密に選定されているため、不正な車両部品へと勝手に変更する改造行為は大きな問題となっている。そこで、このような正規の車両部品ではない車両部品の使用を検出することで不正な改造行為を防止することができる技術が考案、開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−22467号公報
この特許文献1で開示されている手法では、小型の無線自動認識IC(RFID:Radio Frequency Identification )である識別チップを検知対象となる正規の車両部品に取り付けることで、不正な車両部品に改造されたかどうかを無線による情報収集により検出することができるように構成されている。
しかしながら、特許文献1で開示されている手法を適用した場合、検知対象となる全ての正規の車両部品に高価な識別チップを別途取り付ける必要があるため、非常にコストがかかってしまうといった問題がある。また、検知対象となる正規の車両部品に識別チップを取り付けてあることが改造者の目視によって発見され、容易に取り外されてしまわないように、識別チップを取り付けるためのレイアウトを慎重に考慮しなくてはいけないといった問題もある。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、新たに部品を追加することなく低コストとしながら、車両に対する改造を容易に判定することができる車両用改造判定装置及び車両用改造判定方法を提供することを目的とする。
本発明の車両用改造判定装置は、車両に搭載される各システムが改造されているか否かを判定する車両用改造判定装置において、エンジンシステムと、トランスミッションシステムと、ABS/VSC/TCSシステムと、エアバックシステムと、ナビゲーションシステムと、インテリジェントコントロールクルーズシステムと、ABCペダルシステムと、ステアリングシステムと、コントロールユニットシステムと、メータシステムと、のうちの、前記エンジンシステムを含む少なくとも2つのシステムにて使用される制御信号を取得する制御信号取得手段と、前記制御信号取得手段にて取得された各システムの制御信号を、所望のサンプリング時間毎に記憶する記憶手段と、システムの性能を判断するための判定式が設定され、前記記憶手段に記憶された各種の制御信号が、前記判定式を満足するか否かを判断し、この判断結果に基づいて、各システムに改造が施されたかどうかを判断する改造判定手段と、を備え、前記改造判定手段は、更に、前記エンジンシステムにて使用される制御信号に基づいて、エンジン系の排気量変更の判定方法についてのマップを生成し、このマップに基づいて、エンジン系に改造が施されたか否かを判断することにより、上述の課題を解決する。
本発明の車両用改造判定方法は、車両に搭載される各システムが改造されているか否かを判定する車両用改造判定方法において、エンジンシステムと、トランスミッションシステムと、ABS/VSC/TCSシステムと、エアバックシステムと、ナビゲーションシステムと、インテリジェントコントロールクルーズシステムと、ABCペダルシステムと、ステアリングシステムと、コントロールユニットシステムと、メータシステムと、のうちの、前記エンジンシステムを含む少なくとも2つのシステムにて使用される制御信号を取得する制御信号取得ステップと、前記制御信号取得ステップにて取得された各システムの制御信号を、所望のサンプリング時間毎に記憶する記憶ステップと、前記記憶ステップにて記憶された各種の制御信号が、システムの性能を判断する判定式を満足するか否かを判断し、この判断結果に基づいて、各システムに改造が施されているか否かを判断する改造判定ステップと、を備え、前記改造判定ステップは、更に、前記エンジンシステムにて使用される制御信号に基づいて、エンジン系の排気量変更の判定方法についてのマップを生成し、このマップに基づいて、エンジン系に改造が施されたか否かを判断することにより、上述の課題を解決する。
本発明によれば、新たに部品を追加することなく低コストとしながら車両に対する改造を容易に判定することを可能とする。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1、図2を用いて本発明の実施の形態として示す車両用改造判定装置1、2について説明をする。
まず、図1を用いて、車両用改造判定装置1の構成について説明をする。図1に示すように、車両用改造判定装置1は、車両に搭載された空熱比センサ、クランク角センサ、スロットルセンサなどから検出される制御信号に基づき制御されるエンジンシステム11と、油温センサ、油圧センサ、シフト位置(シフトポジション)などに基づき制御されるトランスミッションシステム12と、車輸速センサ、加速度(G)センサ、ブレーキ油圧などから検出される制御信号に基づき制御されるABS(Antilock Brake System)/VSC(Vehicle Stability Control)/TCS(Transmission Control System)システム13と、シートベルト着用状態、乗員検知センサ、サテライトセンサなどから検出される制御信号に基づき制御されるエアバックシステム14と、自車位置情報、渋滞情報、地図情報などに基づき制御されるナビゲーションシステム15と、レーザレーダなどによって検出される制御信号に基づき制御されるICC(Intelligent Cruise Control)システム16と、ペダルストロークセンサなどによって検出される制御信号に基づき制御されるABC(アクセル・ブレーキ・クラッチ)ペダルシステム17と、操舵角度センサなどによって検出される制御信号に基づき制御されるステアリングシステム18と、キースイッチ、コンビスイッチ、ドアスイッチなどから取得される制御信号に基づき制御されるコントロールユニットシステム19と、警報音/警告音、警告灯の点灯消灯などを行うメータシステム20と、データ記憶装置30と、データ記憶装置30に接続される車両外に設けられた外部装置であるPC50とを備えている。
上述したエンジンシステム11乃至メータシステム20は、車両の駆動や各種機能を実現するために、一般的な車両に搭載されているシステムである。これらの各システムは、センサやアクチュエータなどからの制御信号に基づきほぼ独立した制御がなされているが、図1に示すような通信信号線5を介した車内通信により、センサやアクチュエータなどからの制御信号を相互に共有することでそれぞれ連携をとりながら最適な動作制御を実現をすることもできるようになっている。
このような車両用改造判定装置1は、車両の構成に必須となっている各システムであるエンジンシステム11乃至コントロールユニットシステム19の制御動作に必要となる複数の制御信号を取得してデータ記憶装置30に記憶し、データ記憶装置30に記憶された複数の制御信号のうち、所定の制御信号を用いてPC50にて車両に改造が施されたかどうかを判定することができる。このPC50は、例えば、車両の販売やメンテナンスを実行するディーラーなどに設置されており、車両の点検などの際にデータ記憶装置30との接続を図ることで、車両に改造が施されたかどうかを判定することができる。
データ記憶装置30は、所定のサンプリング時間でサンプリングされた制御信号のサンプリングデータを一時的に記憶する一時記憶部31と、当該データ記憶装置30の記憶制御処理を統括的に制御する制御部32と、制御部32によって記憶制御処理がなされたデータを記憶する不揮発性記憶部33とを備えており、エンジンシステム11乃至コントロールユニットシステム19から取得される複数の制御信号の全てのデータを記憶するのではなく、車両の改造判定に必要となる最低限のデータのみを記憶することで、限られた記憶容量を効率的に利用するようなデータ記憶制御を実行することができる。このデータ記憶装置30による限られた記憶容量を効率的に利用するデータ記憶制御の手法については、後で詳細に説明をする。
続いて、図2を用いて、車両用改造判定装置2の構成について説明をする。車両用改造判定装置2は、エンジンシステム11乃至メータシステム20については、全く同じ構成となっているが、データ記憶装置30を組み込んだ制御部40を備えることで、データ記憶装置30に記憶された複数の制御信号のうち、所定の制御信号を用いて外部装置であるPC50にて実行されていた車両に改造が施されたかどうかの判定を自車両のみで実行することができるようになっている。
この制御部40は、エンジンシステム11乃至メータシステム20から取得される制御信号を取得し、統括的に各システムを制御することができるため、図1に示した車両用改造判定装置1よりも、より高度に且つ容易に各システムの連携を図った制御処理を実現することができる。
このように、図1、2に示す車両用改造判定装置1、2は、その構成に若干の相違はあるものの、データ記憶装置30に記憶された複数の制御信号のうち所定の制御信号を用いて車両に改造が施されたかどうかの判定を実行できることについては全く同じである。したがって、以下においては、説明のため、図2に示す車両用改造判定装置2を用いて説明をする。
図3乃至図6は、エンジンシステム11乃至コントロールユニットシステム19から取得される複数の制御信号の一例と、この複数の制御信号のうちどの制御信号を用いたら車両のどの部位(改造対象部位)に改造が施されたのかを判定することができるのかを対応付けた図である。
図3乃至図6に示すように横軸には、車両で使用される制御信号の一例として、エンジン回転数、スロットル開度、吸入空気量、吸気温度、吸気圧、点火時期、ノック信号、空燃比、エンジン水温、エンジン油温、エンジン油圧、操舵角センサ値、前後加速度(G)、横加速度(G)、ヨーレイト値、車輪速(前1輪)、車輪速(前)、車輪速(後1輪)、車輪速(後)、マスター圧センサ値、ホイールシリンダー圧センサ値、ディファレンシャル(DIFF)油温、トランスミッション(T/M)油圧、トランスミッション(T/M)油温、シフトポジションといった制御信号を示している。
また、図3乃至図6の縦軸に示すように、改造対象系としてエンジン系、駆動系、シャーシ系、車体系などがある。また、各改造対象系には、実際に車両部品交換などが施される複数の改造対象部位がある。例えば、図3に示すように、エンジン系においてはエアクリーナ交換、インタークーラー交換、スロットル径変更、カム変換、排気量変更、エキゾーストマニホールド交換、ターボ変更などがある。
上述したように、各改造対象部位は、いくつかの制御信号を用いて、改造が施されたかどうかを判定することができるが、用いる制御信号の種別よっていくつかの判定方法を考えることができる。例えば、エアクリーナ交換が不当に改造されてしまったかどうかを判定する場合には、図3に示すように、エンジン回転数(A1)、スロットル開度(A2)、吸入空気量(A3)という3つの制御信号を用いた判定方法<1>と、エンジン回転数(B1)、吸入空気量(B2)、吸気圧(B3)、空燃比(B4)という4つの制御信号を用いた判定方法<2>というように2つの判定方法が考えられる。
続いて、図7に示すフローチャートを用いて、車両用改造判定装置2の制御部40による改造判定処理のメインルーチンを示す。
ステップS1において、制御部40は、イグニッションキーがオン(ON)状態となったかどうかを判断する。制御部40は、オン状態となった場合には、ステップS2へと処理を進める一方、オフ状態の場合には、オン状態となるまで待機状態を継続する。
ステップS2において、制御部40は、当該車両用改造判定装置2の各システム(エンジンシステム11乃至コントロールユニットシステム19)の初期診断が終了したかどうかを判定する。具体的には、制御部40は、初期診断に必要となる時間であるおよそ2秒より多くの時間経過したかどうか(経過時間>2秒)を判断し、2秒より多くの時間経過した場合には、ステップS3へと処理を進める一方、経過していない場合には経過するまで待機状態を継続する。
ステップS3において、制御部40は、各システムの診断結果を確認する。
ステップS4において、制御部40は、ステップS3での各システムの診断結果を確認したことに応じて、異常があるかどうかを判断する。制御部40は、異常があると判断した場合には、ステップS5へと処理を進める一方、異常がないと判断した場合には、ステップS8へと処理を進める。
ステップS5において、制御部40は、異常があるとされたシステムの部位(改造対象部位)の確認を実行する。
ステップS6において、制御部40は、異常があるとされたシステムの改造対象部位に関連した各種センサに異常があるかどうか判断をする。制御部40は、関連センサに異常があると判断した場合には、ステップS7へと処理を進める一方、関連センサに異常がないと判断した場合には、ステップS8へと処理を進める。
ステップS7において、制御部40は、異常があると判断した関連センサの値を異常値であるX(固定値)に固定する。
ステップS8において、制御部40は、異常があるとされた改造対象部位の改造判定を開始する。
ステップS9において、制御部40は、異常があると判断された関連センサの値が異常値であるX(固定値)であるかどうかを判断する。制御部40は、異常値であるX(固定値)であると判断した場合には、ステップS10へと処理を進め、異常値であるX(固定値)でないと判断した場合には、ステップS12へと処理を進める。
ステップS10において、制御部40は、関連センサの値を異常値であるX(固定値)としたことに応じて、改造対象部位に改造が施されているかどうかを判定する。制御部40は、改造の判定結果より、改造がなされていると判定した場合には、ステップS11へと処理を進め、改造がなされていないと判定した場合には、ステップS12へと処理を進める。
ステップS11において、制御部40は、メータシステム20を制御し、改造対象部位に改造が施されていることを外部に通知する警報を鳴らし、警告灯を点灯するよう制御する。
ステップS12において、制御部40は、ステップS3、ステップS4におけるシステム診断の結果により異常があると判断された全てのシステムに対する改造の判定処理が終了したかどうかを判断する。制御部40は、異常があると判断された全てのシステムに対する改造の判定処理が終了した場合には、改造判定処理を終了し、改造の判定処理が終了していないシステムが存在する場合には、ステップS8へと処理を戻す。
このようにして、本発明の実施の形態として示す車両用改造判定装置2は、新たに部品を追加することなく、車両において通常使用されている制御信号を利用することで、低コストとしながら車両に対する改造を容易に判定することができる。
続いて、上述した図7に示すフローチャートのステップS8以降に実行される異常があるとされた改造対象部位に対する改造判定の具体的な処理の一例について説明をする。具体的には、上述した図3乃至図6に示す改造対象部位と改造対象部位の判定に用いる制御信号との関係を示した対応図におけるエンジン系のエアクリーナ交換、同じくエンジン系の高車速リミッタキャンセル、駆動系のクラッチ交換、シャーシ系のショックアブソーバ交換とブレーキロータ交換を代表例として改造判定の処理について説明をする。
なお、説明が煩雑となるため、図3乃至図6に示す改造対象部位の全てについて改造判定処理を説明することはできないが、他の改造対象部位も同様にして改造判定処理を実行することができる。
〔エンジン系のエアクリーナ交換〕
始めに、図8に示すフローチャートを用いて、エンジン系のエアクリーナを改造対象部位とした場合の改造判定処理について説明する。なお、図8に示すフローチャートでは、一例として、図3に示すエアクリーナ交換の判定方法<1>について説明をする。
まず、制御部40は、データ記憶装置30に記憶されている制御信号のうち、A1としてエンジン回転数(ステップS21)、A2としてスロットル開度(ステップS22)、A3として吸入空気量(ステップS23)を取得する。
そして、制御部40は、判定式として、A3−f(A1,A2)>K(Kは定数)…(1)を用い、(1)式を満たすかどうかを判定をする(ステップS24)。(1)式は、吸入空気量(A3)と、fの関数としてエンジン回転数(A1)、スロットル開度(A2)から決まる推定吸入空気量との差分が一定値Kよりも大きくなるかどうかを判定する判定式である。
制御部40は、(1)式を満たした場合、エアクリーナが交換され改造が施されたと判定し(ステップS25)、(1)式を満たさなかった場合、エアクリーナが交換されておらず改造が施されていないと判定しステップS21へと処理を戻す。
〔エンジン系の高車速リミッタキャンセル〕
続いて、図9に示すフローチャートを用いて、エンジン系の高車速リミッタキャンセルを改造対象部位とした場合の改造判定処理について説明をする。なお、図9に示すフローチャートでは、一例として、図5に示す高車速リミッタキャンセルの判定方法<1>について説明をする。
まず、制御部40は、データ記憶装置30に記憶されている制御信号のうち、A2としてシフト位置(シフトポジション)を取得する(ステップS31)。そして、制御部40は、シフト位置が6速であるかどうかを判断し(ステップS32)、6速であった場合には、データ記憶装置30に記憶されている制御信号のうち、A1としてエンジン回転数を取得する(ステップS33)。
そして、制御部40は、判定式として、A1>K(6th)(Kは、シフト位置ごとに決まるエンジン回転数の上限値となる定数)…(2)を用い、(2)式を満たすかどうか判定をする(ステップS34)。(2)式は、シフト位置(A2)が上位シフトである6速での走行中に、エンジン回転数(A1)が、6速でのエンジン回転数の上限値Kよりも大きくなるかどうかを判定する判定式である。
制御部40は、(1)式を満たした場合、t(6th)秒以上、つまり6速でのエンジン回転数の上限値Kを、所定秒数以上継続して超えるかどうかを判断し(ステップS35)、これを満たす場合には、高車速リミッタキャンセルが解除され改造が施されたと判定する。なお、ステップS36乃至ステップS39の処理は、シフト位置が6速と同じ上位シフトである5速であった場合についての処理であり、制御部40により、全く同様の処理が実行されるため説明を省略する。
〔その他のエンジン系の判定式の一例〕
ここで、フローチャートは用いないが、エンジン系の改造対象部位に改造が施されているかどうかを判定する判定式の一例について説明をする。
(ターボ変更:タービン交換)
まず、図3に示すターボ変更のタービン交換、つまりターボのタービンを改造対象部位とした場合の判定式について説明をする。なお、一例として、図3に示すターボ変更のタービン変換の判定方法<1>についての判定式について説明をする。
制御部40は、制御信号であるエンジン回転数をA1とし、吸入吸気量をA2とし、吸気圧をA3とした場合に、判定式を、f(A1,A3)−A2>K(Kは定数)…(3)とする。(3)式は、fの関数としてエンジン回転数(A1)のときの吸気圧(A3)から決まる推定吸入空気量と、吸入空気量(A2)と、の差分が一定値Kよりも大きくなるかどうかを判定する判定式である。制御部40は、(3)式を満たした場合、ターボのタービンが交換され改造が施されたと判定する。
(ターボ変更:アクチュエータ交換)
次に、図3に示すターボ変更のアクチュエータ交換、つまりターボのアクチュエータを改造対象部位とした場合の判定式について説明をする。なお、一例として、図3に示すターボ変更のアクチュエータ変換の判定方法<2>についての判定式について説明をする。
制御部40は、制御信号である前後加速度(G)をB1とし、車輪速(前1輪)をB2とした場合に判定式をf(B2)−B1>K(Kは定数)…(4)とする。(4)式は、fの関数として車輪速(前1輪)(B2)から決まる推定前後加速度と、前後加速度(B1)との差分が一定値Kよりも大きくなるかどうかを判定することで、車両性能以上の前後加速度が一定以上の頻度で検出されるかどうかを見極める判定式である。制御部40は、(4)式を満たした場合、ターボのアクチュエータが交換され改造が施されたと判定する。
(マフラー交換)
続いて、図4に示すマフラー交換、つまりマフラーを改造対象部位とした場合の判定式について説明をする。なお、一例として、図4に示すマフラー変換の判定方法<3>と<4>についての判定式について説明をする。
まず、判定方法<3>について説明をする。制御部40は、制御信号であるエンジン回転数をC1とし、吸入空気量をC2とし、点火時期をC3とした場合に、判定式をf(C1,C2)−C3>K(Kは定数)…(5)とする。(5)式は、fの関数として、エンジン回転数(C1)と吸入吸気量(C2)とから決まる推定点火時期と、点火時期(C3)との差分が一定値Kよりも大きくなるかどうかを判定することで、点火時期(C3)が遅角している場合に、マフラーの排気抵抗が正常でないと判定する判定式である。制御部40は、(5)式を満たした場合、マフラーが交換され改造が施されたと判定する。
次に、判定方法<4>について説明をする。制御部40は、制御信号であるエンジン回転数をD1とし、吸入空気量をD2とし、ノック信号をD3とした場合に、判定式をf(D1,D2)−D3>K(Kは定数)…(6)とする。(6)式は、fの関数として、エンジン回転数(D1)と吸入吸気量(D2)とから決まる推定ノック信号と、ノック信号(D3)との差分が一定値Kよりも大きくなるかどうかを判定することで、ノック信号(D3)が遅角している場合に、マフラーの排気抵抗が正常でないと判定する判定式である。制御部40は、(6)式を満たした場合、マフラーが交換され改造が施されたと判定する。
(エンジンオイル:油種変更、油量不足・劣化)
次に、図5に示すエンジンオイルの油種変更、油量不足・劣化を改造対象部位とした場合の判定式について説明をする。
まず、判定方法<1>について説明をする。制御部40は、制御信号であるエンジン回転数をA1とし、エンジン油温をA2とし、エンジン油圧をA3とした場合に、判定式をf(A1)−A2<K(Kは定数)…(7)とする。(7)式は、fの関数としてエンジン回転数(A1)から決まる推定エンジン油温と、エンジン油温(A2)との差分が最低油温である一定値Kよりも小さくなるかどうかを判定することで、エンジンオイルが規定の種類であるかどうかを判定する判定式である。制御部40は、(7)式を満たした場合、エンジンオイルが交換され改造が施されたと判定する。
次に、判定方法<2>について説明をする。制御部40は、制御信号であるエンジン油温をB1とし、エンジン油圧をB2とした場合に、判定式をf(B1)−B2<K(Kは定数)…(8)とする。(8)式は、fの関数としてエンジン油温B1によって決まる推定エンジン油圧と、エンジン油圧(B2)との差分が最低油圧である一定値Kよりも小さくなるかどうかを判定することで、エンジンオイルが規定の種類であるかどうかを判定する判定式である。制御部40は、(8)式を満たした場合、エンジンオイルが交換され改造が施されたと判定する。
〔駆動系のクラッチ交換〕
次に、図10に示すフローチャートを用いて、駆動系のクラッチを改造対象部位とした場合の改造判定処理について説明をする。なお、図10に示すフローチャートでは、一例として、図5に示すクラッチ交換の判定方法<1>について説明をする。
まず、制御部40は、イグニッションキーがオン(ON)状態となったかどうかを判断し(ステップS41)、オン状態となっている場合には、ステップS42へと処理を進める一方、オン状態となっていない場合には、オン状態となるまで待機状態を継続する。
制御部40は、C(COUNT)として初期値ゼロ(0)とし(ステップS42)、データ記憶装置30に記憶されている制御信号のうち、A1としてエンジン回転数(ステップS43)、A2として車輪速(前1輪)(ステップS44)、A3としてシフト位置(シフトポジション)を取得する。制御部40は、イグニッションキーがオフ(OFF)状態となったかどうかを判断し(ステップS46)、オフ状態となっている場合にはステップS41へと処理を戻す一方、オフ状態となっていない場合にはステップS47へと処理を進める。
そして、制御部40は、判定式としてf(A3,A1)−A2>K(Kは定数)…(9)を用い、(9)式を満たすかどうか判定をする(ステップS47)。(9)式は、fの関数としてシフト位置(A3)に応じたエンジン回転数(A1)から算出される推定車速と、車輪速(A2)との差分が一定値Kよりも大きくなるかどうかを判定する判定式である。
制御部40は、(9)式を満たしたことに応じて、Cの値を1だけインクリメントし(ステップS48)、(9)式で判定された推定車速と車輪速(A2)との乖離が、一定値Rよりも多い頻度で発生するかどうかを判定式C>R…(10)にて判定する(ステップS49)。
制御部40は、(10)を満たした場合、クラッチが交換され改造が施されたと判定し(ステップS50)、(10)式を満たさなかった場合、クラッチが交換されておらず改造が施されていないと判定しステップS43へと処理を戻す。
(クラッチ交換の他の判定式)
続いて、図5に示すクラッチ交換の判定方法<2>の判定式について説明をする。制御部40は、制御信号であるエンジン回転数をB1とし、吸入空気量をB2とし、車輪速(前1輪)をB3とし、トランスミッション(T/M)油温をB4とした場合に、判定式をf(B1,B2,B3)−B4>Kまたはf(B1,B2,B3)−B4<M(K、Mは定数)…(11)とする。(11)式は、fの関数として算出したエンジン回転数(B1)、吸入空気量(B2)、車輪速(B3)で走行しているときの推定トランスミッション油温と、トランスミッション油温(B4)との差分が一定値Kよりも大きくなるか、一定値Mよりも小さくなり規定値を外れるかどうかを判定する判定式である。制御部40は、(11)式を満たした場合、クラッチが交換がされ改造が施されたと判定する。
〔シャーシ系のショックアブソーバ交換〕
次に、図11に示すフローチャートを用いて、シャーシ系のショックアブソーバを改造対象部位とした場合の改造判定処理について説明をする。なお、図11に示すフローチャートでは、一例として、図6に示すサスペンションのショックアブソーバ交換の判定方法<1>について説明をする。
まず、制御部40は、データ記憶装置30に記憶されている制御信号のうち、A1として操舵角度センサ値(操舵角度)(ステップS51)、A2として横加速度(G)(ステップS52)、A3として車輪速(前1輪)(ステップS53)、A4として車輪速(後1輪)を取得する。制御部40は、車輪がスリップ中であるかどうかを判定し(ステップS55)、スリップ中である場合にはステップS51へと処理を進め、スリップ中でない場合にはステップS56へと処理を進める。
制御部40は、判定式としてJ<A3<K(J、Kは定数)…(12)を満たしているか(ステップS56)、J<A4<K…(13)を満たしているか(ステップS57)、(f(A1,A3)−A2)>L…(14)を満たしているか(ステップS58)、(f(A1,A3)−A2)<M…(15)を満たしているか(ステップS59)どうかを判断する。
制御部40は、(12)式、(13)式より、車輪速(A3)、車輪速(A4)が一定値Jから一定値Kまでの範囲内でスリップしていない状態であると判定された場合に、(14)式、(15)式より、fの関数である操舵角度(A1)と車輪速(A3)から算出される推定横加速度と横加速度(A2)との差分が一定値Lよりも大きくなるか、一定値Mよりも小さくなり規定値を外れるかどうかを判定する。
制御部40は、(12)式を満たし且つ(13)式を満たし、さらに(14)式または(15)式のいずれかを満たした場合、サスペンションのショックアブソーバが交換され改造が施されたと判定する。
(ショックアブソーバ交換の他の判別式)
続いて、図6に示すサスペンションのショックアブソーバ交換の判定方法<2>の判定式について説明をする。制御部40は、制御信号である操舵角度センサ値(操舵角度)をB1とし、ヨーレイト値をB2とした場合に、判定式をf(B1)−B2>Kまたはf(B1)−B2<M(K、Mは定数)…(16)とする。(16)式は、fの関数として算出した操舵角度(B1)に対する推定ヨーレイト値と、ヨーレイト値(B2)との差分が一定値Kよりも大きくなるか、一定値Mよりも小さくなり規定値を外れるかどうかを判定する判定式である。制御部40は、(16)式を満たした場合、サスペンションのショックアブソーバが交換され改造が施されたと判定する。
〔シャーシ系のブレーキロータ交換〕
最後に、図12に示すフローチャートを用いてシャーシ系のブレーキロータを改造対象部位とした場合の改造判定処理について説明をする。なお、図12に示すフローチャートでは、一例として、図6に示すサスペンションのブレーキロータ交換の判定方法<2>について説明をする。
まず、制御部40は、nとして初期値ゼロ(0)とし(ステップS61)、データ記憶装置30に記憶されている制御信号のうち、B1(n)として車輪速(前1輪)を取得する(ステップS62)。そして、制御部40は、t(n)を時間とし(ステップS63)、n>0であるかどうかを判断し(ステップS64)、n>0の場合、n=n+1としてn値を1インクリメントする(ステップS65)。制御部40は、n>0でない場合、ステップS62へと処理を戻す。
制御部40は、データ記憶装置30に記憶されている制御信号のうち、B2としてホイールシリンダー圧センサ値を取得する(ステップS66)。さらに、制御部40は、B1(n)−B1(n−1)の差分を算出してdB1とし(ステップS67)、t(n)−t(n−1)の差分を算出してdtとする(ステップS68)。
制御部40は、判定式としてf(B1,B2)−(dB1/dt)>K(Kは定数)…(17)を満たしたか(ステップS69)、f(B1,B2)−(dB1/dt)<M(Mは定数)…(18)を満たしたか(ステップS70)どうかを判定する。(17)、(18)式は、fの関数として車輪速(B1)とホイールシリンダー圧センサ値(B2)とから算出される推定減速度と、車輪速B1の微分値との差分が一定値Kよりも大きくなるか、一定値Mよりも小さくなり規定値を外れるかどうかを判定する判定式である。
制御部40は、(17)式、または(18)式のいずれかを満たした場合、サスペンションのブレーキロータが交換され改造が施されたと判定する。
(ブレーキロータ交換の他の判定式)
続いて、図6に示すブレーキロータ交換の判定方法<1>の判定式について説明をする。制御部40は、制御信号である前後加速度(G)をA1とし、車輪速(前1輪)をA2とした場合に、判定式をf(A2)−A1>Kまたはf(A2)−A1<M(K、Mは定数)…(19)とする。(19)式は、fの関数として算出した車輪速(A2)のときの減速で発生する推定前後加速度と、前後加速度(A1)との差分が一定値Kよりも大きくなるか、一定値Mよりも小さくなり規定値を外れるかどうかを判定する判定式である。制御部40は、(19)式を満たし場合、サスペンションのブレーキロータが交換され改造が施されたと判定する。
このようにして、制御部40は、上述した図7に示すフローチャートのステップS8以降において、異常があるとされた改造対象部位に対する改造判定処理を実行することができる。このとき、制御部40は、所定の制御信号をパラメータとしたマップを生成し、生成したマップに基づき、車両に改造が施されたかどうかを判定することもできる。
例えば、図3に示すエンジン系の排気量変更の判定方法<1>についてマップを生成すると、図13に示すようなマップを生成することができる。図13に示すように、制御部40は、横軸にエンジン回転数(E)、縦軸に吸気圧(P)をとり、車両の走行に最低限必要となるエンジン回転数の低回転(E1)から、エンジン性能の限界であるエンジン回転数の高回転(E2)までの範囲内において、過給装置付きエンジンを想定した場合の過過給状態となる正圧領域をNG判定領域R1とし、自然吸気エンジンを想定した場合の過負圧状態となる負圧領域をNG判定領域R2とする。
制御部40は、データ記憶装置30に記憶されている制御信号のうちエンジン回転数(A1)、吸気圧(A3)を取得し、図13に示すマップを参照して照合することで、NG判定領域R1またはNG判定領域R2に入っていれば排気量変更がなされ改造が施されたと判定することになる。なお、パラメータを吸気圧とすることで、通常吸気抵抗となるエアフロメータを外し、吸気圧センサシステムにしても改造の有無を判定可能とすることができる。
このようにして、制御部40により、図13に示すようなマップを生成することで、車両に改造が施されたかどうかを、非常に簡便に、車両の走行状態に応じて網羅的に特定することができる。
[データ記憶装置30によるデータ記憶制御]
上述したように、データ記憶装置30は、エンジンシステム11乃至コントロールユニットシステム19から取得される複数の制御信号の全てのデータを記憶するのではなく、車両の改造判定に必要となる最低限のデータのみを記憶することで、一時記憶部31、不揮発性記憶部33の限られた記憶容量を効率的に利用するようなデータ記憶制御を実行することができる。
上述したような車両に対する改造を一定期間に遡って検出、判定する場合には、その期間に通信されている車両の各種制御信号を記憶保持しておく必要がある。しかしながら、改造判定の対象となる改造対象部位によっては、必要となる制御信号の数が複数となり、また判定対象期間が長ければ長いほど記憶するデータ量が多くなってしまう。
また、車両の制御信号は、それぞれ通信周期が異なる場合もあるため、データの記憶周期の競合が発生したり、データ記憶装置30へのアクセス回数が増加することで制御の煩雑さや、データ記憶装置30の信頼性の低下を招いてしまうといった問題もある。
そこで、データ記憶装置30の制御部32は、まず、制御信号の種別によってデータを記憶する間隔、つまりサンプリング時間を変えることで記憶させるデータ量を削減し、さらに、削減して記憶されたデータのうち所定期間内のデータから特徴的なデータ(例えば、瞬時値、最大値、最小値)の抽出や加工処理(例えば、平均値を算出)を施すことにより、データの時間間隔を各種制御信号の通信周期より間引いて記憶させることができるため、データ量の削減を図りながら、改造判定に必要となる有効なデータのみを最終的に記憶させることができる。
まず、制御部32により、制御信号の種別によってデータを記憶するサンプリング時間を変えることで記憶させるデータ量を削減する手法について説明をする。例えば、制御部32は、制御信号の種別に応じて、制御信号を図14に示すようなデータ群A、B、Cに分類する。
図14に示すように、データ群Aは、走行、停車など車両動特性や、エンジンの負荷条件など車両状態に依存せずに改造対象部位の改造の判定に使用可能なデータであり、常時同一の間隔(サンプリング時間)でデータを記憶する必要のあるデータ群である。データ群Aとしては、例えば、エンジン回転数、スロットル開度、エンジン水温、油温などがある。
つまり、データ群Aは、常に所定の精度を保持する必要のある制御信号であり、制御部32は、制御信号を記憶させる制御処理を実行する場合、まず、このように常に所定の精度を保持する必要のある制御信号と、逆に常に所定の精度を保持する必要のない制御信号とに大別することになる。
図14に示すように、データ群Bは、エンジン出力が高負荷出力であることなど、特定条件下で改造対象部位の改造判定精度が向上し、その状態でのみデータ群Aと同一の間隔(サンプリング時間)でデータを記憶し、それ以外の場合には記憶する間隔(サンプリング時間)を間引いて記憶させるようなデータ群である。データ群Bとしては、例えば、点火時期、ノック信号、車輪速、トランスミッション(T/M)油圧、トランスミッション(T/M)油温などがある。具体的には、カム交換、排気量変更など、エンジン出力が高負荷状態でのみ精度が高くなる判定条件に用いる点火時期、ノック信号などは、エンジン出力が比較的低負荷状態である停車中にはデータ記憶間隔を通常、例えば5秒程度などとした場合、2〜3倍にあたる10〜15秒程度とし、走行状態となったことをトリガとして、通常の間隔で記憶させるようにする。かつ、停車状態が一定以上の期間継続した場合には、再度記憶間隔を長くとることで限られたデータ記憶容量をさらに効率的に利用することができる。
図14に示すように、データ群Cは、カーブ走行中や制動中など、動的な車両状態など、特定条件下でのみ改造対象部位の改造判定が可能な条件に使用され、特定条件下でのみデータが記憶されるデータ群である。データ群Cとしては、前後加速度(G)、横加速度(G)、ヨーレイト値、マスター圧センサ値などがある。具体的には、タイヤ交換、サスペンション交換、ブレーキ交換など車両の動的特性を観点に改造対象部位の改造判定をすることを主とする前後加速度(G)、横加速度(G)、ヨーレイト値などの制御信号は、車両が走行状態となったことをトリガとしてデータの記憶を開始する必要がある。また、一定以上の期間、停車状態であることをトリガとしてデータの記憶を一時中断することで、限られたデータ記憶容量をさらに効率的に利用することができる。
続いて、図15に示すフローチャートを用いて、制御部32による、図14に示したデータ群A、B、Cへと制御信号を分類して記憶させる記憶制御処理動作について説明をする。
まず、制御部32は、車両用改造判定装置2の電源が投入されたことに応じて制御信号のデータ取得を開始する(ステップS81)。制御部32は、図14を用いて説明した条件に基づき、データ群Aに属する制御信号であるかどうかを判断し(ステップS82)、データ群Aに属する場合には、通常のサンプリング時間(例えば、5秒間隔)でデータを一時記憶部31へ記憶させていき(ステップS83)、データ群Aに属さない場合には、ステップS84へと処理を進める。
続いて、制御部32は、図14を用いて説明した条件に基づき、データ群Bに属する制御信号であるかどうかを判断し(ステップS84)、データ群Bに属する場合には、車速信号や、シフト位置とエンジン回転数の組み合わせなどの条件を用いて車両が走行中であるかどうかを判断する(ステップS85)。制御部32は、車両が走行中である場合には、データ群Aと同様に通常のサンプリング時間(例えば、5秒間隔)でデータを一時記憶部31へ記憶させ(ステップS83)、車両が停車中である場合には、データ群Aの例えば、倍のサンプリング時間(10秒間隔)でデータを一時記憶部31へ記憶させる(ステップS86)。
そして、制御部32は、図14を用いて説明した条件に基づき、データ群Cに属する制御信号であるかどうかを判断し(ステップS87)、データ群Cに属する場合には、特定条件下、例えば、操舵状態や、ブレーキの踏み込み量などの条件で直進走行であるか、または制動状態であるかを判断し(ステップS88)、特定条件下である場合には、データ群Aと同様に通常のサンプリング時間(例えば、5秒間隔)でデータを一時記憶部31へ記憶させる(ステップS83)。制御部32は、特定条件下でない場合、例えば、データ記憶の開始判定にのみ使用するデータなどはデータの記憶を行わずに制御を終了する。
このように、データ記憶装置30の制御部32は、常に所定の精度を保持する必要のある制御信号と、逆に常に所定の精度を保持する必要のない制御信号とに大別して、それぞれの制御信号に応じたサンプリング時間でデータを記憶させることで、一時記憶部31の限られた記憶容量を効率的に利用するようなデータ記憶制御を実行することができる。
また、データ記憶装置30の制御部32は、常に前記所定の精度を保持する必要のない制御信号を、特定の条件下となった場合にのみ、所定の精度を保持する必要のある制御信号と同じサンプリング時間で記憶させ、特定の条件下とならなかった場合には、所定の精度を保持する必要のある制御信号よりも長いサンプリング時間で記憶させるよう制御することで、一時記憶部31の限られた記憶容量をさらに効率的に利用するようなデータ記憶制御を実行することができる。
次に、図16に示すフローチャートを用いて、図15に示したフローチャートに継続して実行れる制御部32による記憶制御処理動作について説明をする。
制御部32は、まず、所定のサンプリング時間T1秒(例えば、1〜10秒の任意の値で固定)で制御信号をサンプリングしたサンプリングデータを一時記憶部31に記憶させる(ステップS91)。なお、このステップS91の処理は、図15のフローチャートを用いて説明したステップS83、ステップS86の処理と同一の処理である。
続いて、制御部32は、所定期間内のサンプリング時間T1ごとに取得されるサンプリングデータの所定期間内の数を抽出してmとする(ステップS92)。次に、制御部32は、所定期間内のサンプリングデータから有効となる瞬時値があるかどうかを判断し(ステップS93)、有効な瞬時値がある場合には、有効となる瞬時値X(1)をXmnt=X(1)とし(ステップS94)、有効な瞬時値がない場合には、ステップS95へと処理を進める。
なお、制御部32による、ステップS93における瞬時値の有効性の判断は、例えば、サンプリング時間T1内でのデータ変動が、車両性能や車両特性に影響を与えない、もしくは無視できる程度に小さい場合に有効であるものとする。
次に、制御部32は、所定期間内のサンプリングデータから平均値処理が有効であるかどうかを判断し(ステップS95)、有効であればXave={X(1)+…X(m)/m}により平均値を算出し(ステップS96)、有効でなければステップS97へと処理を進める。
なお、制御部32による、ステップS95における平均値処理の有効性の判断は、例えば、データ変動が周期的である、もしくは特定パターンとなる場合や、サンプリング時間T1内でのデータ変動に対し、車両性能や車両特性がT1よりもゆっくり変化している場合などとする。
さらに、制御部32は、所定期間内のサンプリングデータにおいて有効な最大値があるかどうかを判断し(ステップS97)、有効な最大値がある場合には、所定期間内のサンプリングデータを1つずつ比較をしながら最大値Xmaxを抽出する(ステップS98、S99、S100、S101、S102)。制御部32は、有効な最大値がない場合には、ステップS103へと処理を進める。
なお、制御部32による、ステップS97における最大値の有効性の判断は、例えば、データ変動がサンプリング時間T1より短い期間で生じ、かつ、その変動値が車両性能、車両特性に対して即座に影響を与え、かつデータ変動が主に正方向である場合などとする。
そして、制御部32は、所定期間内のサンプリングデータにおいて有効な最小値があるかどうかを判断し(ステップS103)、有効な最小値がある場合には、所定期間内のサンプリングデータを1つずつ比較しながら最小値Xminを抽出する(ステップS104、S105、S106、S107、S108)。制御部32は、有効な最小値がない場合には、ステップS109へと処理を進める。
なお、制御部32による、ステップS103における最小値の有効性の判断は、例えば、データ変動がサンプリング時間T1より短い期間で生じ、かつ、その変動値が車両性能、車両特性に対して即座に影響を与え、かつデータ変動が主に負方向である場合などとする。
最終的に、制御部32は、算出した平均値Xave、抽出した最大値Xmax、最小値Xmin、瞬時値Xmntを不揮発性記憶部33に記憶させることで、この所定期間内の記憶制御処理動作を終了する(ステップS109)。
これにより、データ記憶装置30の制御部32は、所定期間内のサンプリング時間毎に取得されるサンプリングデータの最大値、最小値を取得し、所定期間内のサンプリング時間毎に取得されるサンプリングデータから平均値を算出して不揮発性記憶部33に記憶させることで、常に、サンプリングデータの効率的な記憶制御を実現することができる。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
本発明の実施の形態として示す車両用改造判定装置の構成について説明するためのブロック図である。 本発明の実施の形態として示す車両用改造判定装置の別な構成について説明するためのブロック図である。 前記車両用改造判定装置において用いられる制御信号と改造対象部位との対応関係を示した図である。 前記車両用改造判定装置において用いられる制御信号と改造対象部位との対応関係を示した図である。 前記車両用改造判定装置において用いられる制御信号と改造対象部位との対応関係を示した図である。 前記車両用改造判定装置において用いられる制御信号と改造対象部位との対応関係を示した図である。 前記車両用改造判定装置で実行される改造判定処理動作のメインルーチンを説明するためのフローチャートである。 エアクリーナに対する改造判定処理動作について説明するためのフローチャートである。 高車速リミッタキャンセルに対する改造判定処理動作について説明するためのフローチャートである。 クラッチに対する改造判定処理動作について説明するためのフローチャートである。 ショックアブソーバに対する改造判定処理動作について説明するためのフローチャートである。 ブレーキロータに対する改造判定処理動作について説明するためのフローチャートである。 前記車両用改造判定装置において、マップ生成により改造判定処理をする一例を示した図である。 データ記憶装置に制御信号を記憶させる際に、制御信号を分類するデータ群について説明するための図である。 前記図14に基づき制御信号を分類する際の処理動作について説明するためのフローチャートである。 データ記憶装置に効率的にデータを記憶させる際の制御処理動作について説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 車両用改造判定装置
2 車両用改造判定装置
5 通信信号線
30 データ記憶装置
31 一時記憶部
32 制御部
33 不揮発性記憶部
40 制御部
50 PC

Claims (5)

  1. 車両に搭載される各システムが改造されているか否かを判定する車両用改造判定装置において、
    エンジンシステムと、トランスミッションシステムと、ABS/VSC/TCSシステムと、エアバックシステムと、ナビゲーションシステムと、インテリジェントコントロールクルーズシステムと、ABCペダルシステムと、ステアリングシステムと、コントロールユニットシステムと、メータシステムと、のうちの、前記エンジンシステムを含む少なくとも2つのシステムにて使用される制御信号を取得する制御信号取得手段と、
    前記制御信号取得手段にて取得された各システムの制御信号を、所望のサンプリング時間毎に記憶する記憶手段と、
    システムの性能を判断するための判定式が設定され、前記記憶手段に記憶された各種の制御信号が、前記判定式を満足するか否かを判断し、この判断結果に基づいて、各システムに改造が施されたかどうかを判断する改造判定手段と、
    を備え、
    前記改造判定手段は、更に、前記エンジンシステムにて使用される制御信号に基づいて、エンジン系の排気量変更の判定方法についてのマップを生成し、このマップに基づいて、エンジン系に改造が施されたか否かを判断すること
    を特徴とする車両用改造判定装置。
  2. 前記制御信号取得手段によって取得される複数の制御信号を、常に所定の精度を保持する必要のある制御信号と、常に前記所定の精度を保持する必要のない制御信号とに大別し、
    大別したそれぞれの制御信号に応じたサンプリング時間で、該制御信号を前記記憶手段に記憶するように御する記憶制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両用改造判定装置。
  3. 前記記憶制御手段は、常に前記所定の精度を保持する必要のない制御信号を、特定の条件下となった場合にのみ、前記所定の精度を保持する必要のある制御信号と同じサンプリング時間で前記記憶手段に記憶させ、
    前記特定の条件下とならなかった場合には、前記所定の精度を保持する必要のある制御信号よりも長いサンプリング時間で前記記憶手段に記憶させるよう制御すること
    を特徴とする請求項2に記載の車両用改造判定装置。
  4. 前記記憶制御手段は、所定期間内の前記サンプリング時間毎に取得されるサンプリングデータの最大値、最小値を取得し、所定期間内の前記サンプリング時間毎に取得されるサンプリングデータから平均値を算出して前記記憶手段に記憶させるよう制御すること
    を特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載の車両用改造判定装置。
  5. 車両に搭載される各システムが改造されているか否かを判定する車両用改造判定方法において、
    エンジンシステムと、トランスミッションシステムと、ABS/VSC/TCSシステムと、エアバックシステムと、ナビゲーションシステムと、インテリジェントコントロールクルーズシステムと、ABCペダルシステムと、ステアリングシステムと、コントロールユニットシステムと、メータシステムと、のうちの、前記エンジンシステムを含む少なくとも2つのシステムにて使用される制御信号を取得する制御信号取得ステップと、
    前記制御信号取得ステップにて取得された各システムの制御信号を、所望のサンプリング時間毎に記憶する記憶ステップと、
    前記記憶ステップにて記憶された各種の制御信号が、システムの性能を判断する判定式を満足するか否かを判断し、この判断結果に基づいて、各システムに改造が施されているか否かを判断する改造判定ステップと、
    を備え、
    前記改造判定ステップは、更に、前記エンジンシステムにて使用される制御信号に基づいて、エンジン系の排気量変更の判定方法についてのマップを生成し、このマップに基づいて、エンジン系に改造が施されたか否かを判断すること
    を特徴とする車両用改造判定方法。
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