JP5275831B2 - 地中への温度センサーの設置装置及び設置方法 - Google Patents
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Description
その理由は、廃棄物処分場や廃棄物の不法投棄現場など廃棄物が埋設されている場所等では、廃棄物内の有機物の分解や、酸化反応の進行状態などを、温度を検知することで推定できるからである。
その場合に、埋設されている廃棄物層の任意の位置での状況を直接確認するために、その位置まで掘削して測定を行なうことが必要になる。
そのような作業は大掛りになり、掘削、残土置き場の確保や搬出入などに多くの手間や費用が発生する。
そこで、地中の廃棄物の状況を把握する、間接的ではあるが簡易な方法として、温度を測定する方法が重要な手段として採用されている。
そのための方法として、従来は図5に示すような方法が採用されている。
これはボーリング掘削機で中空外管aを打ち込んで観測用の井戸として形成し、その井戸の内部に温度センサーbを吊り降ろし、信号線cで温度情報を取得する構造である。
あるいは図6に示すように、外側にセンサーbを取り付けた中空外管aを地中に建て込み、信号線cで温度情報を取得する構造も知られている。
<2> 図6に示すような鋼管の外部に温度センサーbを取り付けて地中に建て込む方法では、測定の位置は正確であるが、建て込み中に温度センサーbが破損する可能性が高い、という問題があった。
さらに本発明の地中への温度センサーの設置方法は、地中に貫入する中空外管と、中空外管の先端に取り付けた、先端キャップと、中空外管の内部に配置した、耐熱性内管と、耐熱性内管に設置した温度センサーとより構成した温度センサーの設置装置を使用し、下方への移動を許容し、上方への移動に抵抗するバネ板を形成した前記の先端キャップを、中空外管と耐熱性内管の先端に取り付け、その中空外管を、耐熱性内管とともに地中に貫入し、所定の位置まで貫入したのちに、耐熱性内管を地中に残したまま、中空外管を引き抜き、引抜き後の縦孔の壁が崩壊することによって、耐熱性内管の側面のセンサー窓近傍に配置した温度センサーによって地中の温度を測定できるように設置することを特徴としたものである。
<1> 廃棄物処分場や廃棄物の不法投棄現場など廃棄物が埋設されている場所などの地中内や土壌地盤の地中内の温度を、管の内部を流れている地下水や対流しているガスの温度ではなく、地盤そのものの温度として正確に測定することができる。
<2> 測定のために特別に高額な装置を必要とせず、従来の装置を利用して簡単に設置して地中内の温度を測定することができる。
本発明の地中への温度センサーの設置装置は、中空外管1と、耐熱性内管2と、先端キャップ3と、温度センサー4によって構成する。
中空外管1は、地中に貫入するための中空の鋼管、あるいは強度を有する塩ビ管である。
この中空外管1の貫入方法として、各種の公知の装置を利用できる。
たとえばN値と同等の情報を得るためのオートマチック・ラム・サウンディング試験機を使用することができる。
この装置は、スウェーデン式標準貫入試験を自動的に行うことができる市販の装置である。
この装置を利用して中空外管1を貫入すると、温度センサー4を設置する地盤のN値の測定と、中空外管1の設置を順次連続して行うことができ、あるいは同時に行うことができる。
中空外管1の先端には、後述する先端キャップ3を、取り付け、取り外しが可能なように取り付ける。
そのために中空外管1の先端に凹部を形成しておき、その凹部に、先端キャップ3側から押し出しバネで押し出される鋼球が嵌合するように構成することもできる。
中空外管1の先端には先端キャップ3を取り付ける。
なおこの明細書で「先端」とは、中空外管1などを地中に貫入する際の先端のことを言い、「上方」「下方」とは、貫入する際の向きをいう。
この先端キャップ3は、中空外管1を地中に打撃する際に、その先端に設置する部材である。
この先端キャップ3は、円柱状の円柱体31と、その円柱体31の先端に形成した円錐台状の先端部32とより構成する。
そして円柱体31と先端部32の間には、周囲に放射状態で、複数本のバネ板33を突設する。
このバネ板33は、弾性を備えた薄い板であり、中空外管1を地中へ貫入させる際に、中空外管1の下方への移動を許容し、かつ上方への移動に抵抗するように機能する。
さらに円柱体31の上部端には小径柱34を突設し、この小径柱34に後述する耐熱性内管2の下端を取り付ける。
そのために小径柱34の外径は、耐熱性内管2の内径にほぼ等しい寸法に構成する。
先端キャップ3と中空外管1とは取り付け、取り外しが可能である。
そのために先端キャップ3の円柱状の本体から、外側へ向けて押し出しバネの弾力によって押し出される鋼球35を設置しておく。
すると一定以上の引き上げ力が中空外管1に作用すると、鋼球35が後退して先端キャップ3と中空外管1との結合を解除させることができる。
中空外管1の内部の空間には耐熱性内管2を配置する。
この耐熱性内管2も中空の管体であるが、中空外管1ほどの強度を必要とせず、たとえば市販の耐熱性の樹脂管や蛇腹状のフレキシブル管などを利用することができる。
この耐熱性内管2は、その側面に複数個所にセンサー窓21を開口する。
さらに耐熱性内管2の内部には、センサー4からの検知信号を外部に伝達する信号線を配線する。
耐熱性内管2の先端は、先端キャップ3の小径柱34に確実に固定する。
そのために例えば、小径柱34の外周と、耐熱性内管2の先端の内面との間に接着剤を塗布して接着する。
あるいは小径柱34に耐熱性内管2を嵌合し、外部からひもで拘束するような構成を採用することもできる。
耐熱性内管2に温度センサー4を配置する。
この温度センサー4は、たとえば市販のT型熱電対センサーを利用できるが、これに限られるものではない。
複数個の温度センサー4は、各々、耐熱性内管2に開口したセンサー窓21の近傍に位置させる。
温度センサー4によって得たデータは、耐熱性内管2の内部に配線した信号線を通して、外部へ伝達することが可能である。
無線式の温度センサー4の場合には信号線は不要となる。
次に上記の部材を使用して行う、温度センサー4の設置方法について説明する。
先端キャップ3の尾端に中空外管1と、耐熱性内管2を取り付ける。
そして中空外管1を廃棄物処分場や廃棄物の不法投棄現場など廃棄物が埋設されている場所に貫入する。
中空外管1の貫入によって、先端キャップ3を介して固定した耐熱性内管2も同時に地中に引き込まれる。
中空外管1の地中への貫入作業はたとえば前記したようにオートマチック・ラム・サウンディング試験機によるN値の測定作業をそのまま利用して行うこともできる。
ところで、中空外管1の先端の先端キャップ3は、放射方向にバネ板33が張り出している。
このバネ板33は、先端キャップ3下方への移動を許容し、上方への移動に抵抗するために採用した構造である。
そのために、中空外管1の下向きの貫入に際してはバネ板33は上向きに反り返って地中に貫入することになる。
このように、中空外管1の先端に取り付けた、先端キャップ3のバネ板33が上向きに反り返ることによって、中空外管1の地中への貫入がよりスムーズとなり、鉛直線から外れる曲り現象の発生を阻止することができる。
所定の位置まで中空外管1と耐熱性内管2を貫入させたら、貫入を停止する。
そして、耐熱性内管2を地中に残したまま、中空外管1のみを地上に引き抜上げる。
その際に、中空外管1に一定以上の引き上げ力を作用させて、例えば両者間に介在させた鋼球35を引き込ませ、両者を分離させることができる。
あるいは両者間を簡易な接着で一体化しておき、中空外管1へ一定以上の引き上げ力を作用させて両者を分離させることもできる。
中空外管1の引き抜きによって、耐熱性内管2の周囲には空間が発生する。
すると、引抜き後の縦孔の壁が徐々に崩壊して空間を充填する。
特に廃棄物処理場などでは粘土層とは異なって、短時間の間で縦孔は埋まってしまう。
すると、耐熱性内管2の側面のセンサー窓21近傍に配置した温度センサー4には、直接周囲の地盤の材料が接することになる。
そのために温度センサー4は地中において、その近傍の地下水の温度、あるいは地盤の温度を直接計測することができる。
この時、耐熱性内管2を例えば蛇腹管のようなフレキシブル管にしておくことが望ましい。
すると耐熱性内管2は縦孔の崩壊状況に沿うように変形、追従することになり、測定位置の地盤に密着して正確な位置での誤差のない適正な温度測定が可能になる。
また同時に耐熱性内管2や温度センサー4類の破損も防止することができる。
2:耐熱性内管
3:先端キャップ
31:円柱体
33:バネ板
4:温度センサー
Claims (2)
- 地中に貫入する中空外管と、
中空外管の先端に取り付けた、先端キャップと、
中空外管の内部に配置した、耐熱性内管と、
耐熱性内管に設置した温度センサーとより構成し、
先端キャップの周囲には、下方への移動を許容し、上方への移動に抵抗するバネ板を形成してあり、
耐熱性内管の側面には、センサー窓を開口してあり、この窓の近傍に温度センサーを配置して構成した、
地中への温度センサーの設置装置。 - 地中に貫入する中空外管と、
中空外管の先端に取り付けた、先端キャップと、
中空外管の内部に配置した、耐熱性内管と、
耐熱性内管に設置した温度センサーとより構成した温度センサーの設置装置を使用し、
下方への移動を許容し、上方への移動に抵抗するバネ板を形成した前記の先端キャップを、中空外管と耐熱性内管の先端に取り付け、
その中空外管を、耐熱性内管とともに地中に貫入し、
所定の位置まで貫入したのちに、耐熱性内管を地中に残したまま、中空外管を引き抜き、
引抜き後の縦孔の壁が崩壊することによって、
耐熱性内管の側面のセンサー窓近傍に配置した温度センサーによって地中の温度を測定できるように設置することを特徴とする、
地中への温度センサーの設置方法。
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