(第1の実施形態)
以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機に具体化した第1の実施形態を図1〜図35にしたがって説明する。
図1には、パチンコ遊技機10が略示されており、パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠12の前面側には前枠14が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠14は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠12に重なるように組み付けられている。このため、中枠12は、前枠14の後側に配置されており、機正面側からは視認し得ないようになっている。前枠14は、中央部に窓口14aを有するとともに、該窓口14aの下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な第1貯留皿としての上皿(貯留皿)15を一体成形した構成とされている。前枠14の裏面側には、機内部に配置された遊技盤YBを保護し、かつ窓口14aを覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤YBは、中枠12に装着される。また、前枠14には、窓口14aのほぼ全周を囲むように、図示しない発光体(ランプ、LEDなど)の発光(点灯や点滅)により発光演出を行う電飾表示部を構成する上側枠用ランプ部16aと、左側枠用ランプ部16bと、右側枠用ランプ部16cとが配置されている。各枠用ランプ部16a〜16cは、前枠14の前面に装着される複数の発光体を、該各発光体の発する光を透過可能に成形したランプレンズで覆って構成されている。
前枠14には、窓口14aの左右上部に、各種音声を出力して音声演出を行う左スピーカ17aと、右スピーカ17bとが配置されている。左スピーカ17aと右スピーカ17bは、前枠14の裏面に装着されており、該前枠14の前面であって左スピーカ17a及び右スピーカ17bの装着部位に対応する部位には放音孔が複数形成されている。
中枠12の前面側であって前枠14の下部には、上皿15から溢れ出た遊技球を貯留する第2貯留皿としての下皿(貯留皿)18が装着されている。また、中枠12の前面側であって下皿18の右方には、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル19が装着されている。また、前枠14には、下皿18の左方に、各種音声を出力して音声演出を行う下スピーカ17cが配置されている。下スピーカ17cは、中枠12に装着されている。
上皿15には、その左方側に機内部から払出される遊技球の図示しない払出口が設けられているとともに、遊技者の保有する遊技球を貯留する凹状の貯留通路15aが連設されており、さらに右方側に貯留通路15a内の遊技球を機内部に取り込む図示しない上皿取込口が設けられている。上皿15に貯留された遊技球は、貯留通路15aにより前記上皿取込口へ案内されるとともに該上皿取込口を介して1球ずつ機内に取り込まれ、遊技盤YBに向けて発射される。遊技盤YBに向けて発射される遊技球は、発射ハンドル19の回動量に応じて発射の強弱が設定される。また、下皿18には、上皿15から溢れ出て流下した遊技球の出口18aが設けられているとともに、遊技球を貯留する凹状の貯留部18bが遊技球の出口18aに連設されている。
次に、遊技盤YBの構成について図2にしたがって詳しく説明する。
遊技盤YBの前面には、発射ハンドル19の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域H1を形成する誘導レール20が円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール20によって遊技盤YBには、該遊技盤YBの左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路20aが形成されるとともに、誘導レール20の内側に遊技領域H1が形成される。また、遊技盤YBの前面であって誘導レール20の外側となる遊技領域H1外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域H2とされている。
遊技盤YBの遊技領域H1のほぼ中央(センター)には、各種の表示器や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)21が装着されている。表示枠体21の略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口21aが形成されており、当該セット口21aに整合して表示枠体21には液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示装置としての演出表示器22が装着されている。演出表示器22には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示器22の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示器22の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄を用いて行われる。
図2に示すように、遊技盤YBにおける遊技領域H1の左下方には、7セグメント型の表示装置としての特図表示器23が設けられている。特図表示器23では、複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。そして、図柄変動ゲームにおいて特図表示器23では、複数種類の特別図柄(以下、「特図」と示す場合がある)を1列で変動させて特図を表示する。この特図は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。
そして、特図表示器23では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄の変動表示が開始され、該ゲームの終了と同時に特図が確定停止表示される。また、演出表示器22では、図柄変動ゲームの開始により同時に飾り図柄(以下、飾図と示す場合がある)の変動表示が開始され、該ゲーム終了前に飾図がゆれ変動状態で一旦停止表示され、該ゲームの終了と同時に各列の飾図が確定停止表示される。「変動表示」とは、図柄を表示する表示器に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態であり、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。なお、特図表示器23と演出表示器22では、同時に図柄変動ゲームと図柄変動ゲームに係わる表示演出が開始され、同時に終了する(すなわち、同時に特図と飾図が確定停止表示される)。
本実施形態において特図表示器23には、複数種類の特図の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特図が選択され、その選択された特図が図柄変動ゲームの終了によって確定停止表示される。複数種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる100種類の大当り図柄(大当り表示結果に相当する)と、小当りを認識し得る図柄となる10種類の小当り図柄(小当り表示結果に相当する)と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄とに分類される。なお、大当り図柄が表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。また、小当り図柄が表示された場合、遊技者には、小当り遊技が付与される。本実施形態の大当り遊技については後で詳細に説明する。
また、本実施形態において演出表示器22には、各列毎に[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]の7種類の数字が飾図として表示されるようになっている。そして、本実施形態においては、特図表示器23に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、演出表示器22に停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。演出表示器22に停止表示された全列の図柄が同一図柄の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当り遊技が付与される大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾図による大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、演出表示器22に確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる種類の場合には、原則として、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾図によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)となる。なお、はずれの図柄組み合わせの中でも所定の図柄組み合わせ(例えば、[123])が表示された場合には、大当り及び小当りのいずれかに当選したことを認識できる。この大当り及び小当りの何れかに当選したことを認識できる図柄組み合わせが、大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態となる確率変動状態(確変状態)が付与される可能性を示唆する確変示唆の図柄組み合わせとなる。
また、本実施形態において、演出表示器22における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾図が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾図が変動を開始すると)、演出表示器22において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾図が停止表示されるようになっている。そして、停止表示された左図柄と右図柄が同一図柄の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾図が同一図柄となって停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾図が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾図によるリーチの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームの開始後、最初に飾図を停止表示させる左列が第1停止表示列になるとともに、次に飾図を停止表示させる右列が第2停止表示列になり、さらに最後に飾図を停止表示させる中列が第3停止表示列となる。
また、演出表示器22には、特図表示器23の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。より詳しくは、特図表示器23に表示される特図と、演出表示器22に表示される飾図による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、特図と飾図による図柄組み合わせが対応して確定停止表示されるようになっている。例えば、特図表示器23に大当り図柄が確定停止表示される場合には、原則として演出表示器22にも[222]や[444]などの大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、特図表示器23にはずれ図柄が確定停止表示される場合には、演出表示器22にも[121]や[345]などのはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、特図表示器23に小当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示器22にも[123]などの図柄組み合わせが確定停止表示される。なお、特図に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特図に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。以上のように、本実施形態の演出表示器22では、図柄変動ゲームに係わる表示演出(3列の図柄を変動表示させて図柄の組み合わせを表示させる図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。
また、遊技盤YBにおける遊技領域H1の左下方であって、特図表示器23の左方には、普図表示器24が配設されている。この普図表示器24では、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄による図柄組み合わせゲーム(以下、「普図ゲーム」と示す場合がある)が行われるようになっている。本実施形態において普図表示器24は、図示しない発光体(LEDやランプなど)をレンズカバー(図2では表面に「○(丸)」と「×(ばつ)」を装飾したもの)で覆って構成した複数個(本実施形態では2個)の普通図柄表示部から構成されている。普図表示器24では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う普図当りか否か(開閉羽根27の開動作により下始動入賞口26を開放するか否か)の内部抽選(普図当り抽選)の抽選結果を表示する。そして、本実施形態の普図表示器24では、普図当り抽選で当りを決定している場合には普図ゲームで普図からなる当り図柄が確定停止表示(本実施形態では「○(丸)」側の普通図柄表示部が点灯)される。一方、本実施形態の普図表示器24では、普図当り抽選ではずれを決定している場合には普図ゲームで普図からなるはずれ図柄が確定停止表示(本実施形態では「×(ばつ)」側の普通図柄表示部が点灯)される。
また、図2に示すように、表示枠体21の正面視下方の遊技領域H1には、遊技球の入球口25aを有する上始動入賞口25と遊技球の入球口26aを有する始動手段としての下始動入賞口26が上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口25は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口25aを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口26は普通電動役物とされ、普通電動役物ソレノイドSOL2(図4に示す)の作動により開閉動作を行う開閉手段としての開閉羽根27を備えており、開閉羽根27が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口26aを開放させる構成とされている。
上始動入賞口25と下始動入賞口26の各奥方には、入球した遊技球を検知する始動口センサSE1,SE2(図4に示す)が配設されている。上始動入賞口25と下始動入賞口26は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。下始動入賞口26は開閉羽根27が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入球し易い状態とされる一方で、開閉羽根27が閉動作すると、入口が拡大されずに遊技球が入球し難い状態とされる。
また、図2に示すように、下始動入賞口26の下方には、大入賞口ソレノイドSOL1(図4に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉28を備えた大入賞口装置29が配設されている。大入賞口装置29の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントセンサSE3が設けられている。そして、当り遊技(大当り遊技と小当り遊技)が生起されると、大入賞口扉28の開動作によって大入賞口装置29が開放されて遊技球が入球可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。そして、この当り遊技は、内部抽選で当りを決定し、図柄変動ゲームにて当り図柄(大当り図柄と小当り図柄を含む)が確定停止表示されることを契機に付与される。
また、遊技盤YBにおける遊技領域H1の左下方であって、特図表示器23の左方には、機内部(RAM30c)で記憶される図柄変動ゲームの始動保留球の記憶数(以下、「特図保留記憶数」を示す)に基づく保留中の図柄変動ゲームの回数を報知する特図保留表示器Raが設けられている。特図保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。そして、特図保留記憶数は、始動入賞口(上始動入賞口25と下始動入賞口26)に遊技球が入球することで1加算され、図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入球すると、特図保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。特図保留表示器Raは、複数(本実施形態では4つ)のランプから構成され、特図保留記憶数に対応する個数のランプを点灯させることによって特図保留記憶数を遊技者に報知する。
また、表示枠体21の左側には、作動ゲート35が配設されている。そして、作動ゲート35の奥方には、入賞(通過)した遊技球を検知するゲートセンサSE4(図4に示す)が設けられている。作動ゲート35は、遊技球の入賞検知(通過検知)を契機に、普図ゲームの始動条件を付与し得る。普図ゲームは、下始動入賞口26を開状態とするか否か(下始動入賞口26に遊技球を入賞可能とするか)の抽選結果を導出するために行われる演出である。下始動入賞口26は、開閉羽根27により常には入り口が閉鎖された閉状態となっており、この閉状態では遊技球を入賞させることができない。その一方で、下始動入賞口26は、普図当り遊技が付与されると、開閉羽根27が開放されることにより下始動入賞口26が開状態となり、遊技球を入賞させることができる。即ち、普図当り遊技が付与されると、開閉羽根27の開放によって下始動入賞口26に遊技球を入賞させることができるため、遊技者は、図柄変動ゲームの始動条件と賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。なお、上始動入賞口25へは常に同じ条件で遊技球を入賞させることができるようになっている。
また、図2に示すように、遊技盤YBにおける遊技領域H1の左下方であって、普図表示器24の右方には、普図保留表示器Rbが配設されている。普図保留表示器Rbは、作動ゲート35を遊技球が通過し、始動保留球となって機内部(RAM30c)で記憶された始動保留球の記憶数(以下、「普図保留記憶数」と示す)を表示する表示器であり、普図保留表示器Rbの表示内容によって保留されている普図ゲームの回数が報知される。普図保留記憶数は、作動ゲート35を遊技球が通過すると1加算(+1)され、普図ゲームが開始されることにより1減算(−1)される。そして、普図ゲーム中に作動ゲート35を遊技球が通過すると普図保留記憶数は更に加算(+1)されて所定の上限数(本実施形態では4)まで累積される。本実施形態において普図保留表示器Rbは、複数(本実施形態では4つ)のランプから構成され、普図保留記憶数に対応する個数のランプを点灯させることによって普図保留記憶数を遊技者に報知する。
また、遊技盤YBの遊技領域H1の最下方(大入賞口装置29よりも下方)には、遊技領域H1に発射された後、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト球口13が形成されている。アウト球口13を通過した遊技球は、パチンコ遊技機10の設置設備(遊技島)に配設されたアウト球タンク(図示しない)に排出される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が予め定めた確変図柄であることを条件として、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率状態を低確率抽選状態である通常確率(本実施形態では5/1697)から高確率抽選状態(本実施形態では50/1697)に変動させる確変状態(確率変動状態)を付与する機能である。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。
また、確変状態は、次回の大当りが生起される迄の間、付与される。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、変動時間短縮(以下、「変短」と示す)状態を付与する変短機能を備えている。変短状態が付与されると、開閉羽根27を開動作させるか否かの抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が短縮される、及び普図ゲームの当り確率が通常確率から高確率に変動する入球率向上状態が特典として付与されるようなっている。この入球率向上状態において、開閉羽根27は、普図ゲームにおいて当選した際、通常状態である場合とは異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。
すなわち、通常状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根27が1回開放し、開放してから0.3秒又は1.0秒経過するまで開放状態を維持するようになっている。その一方で、変短状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根27が3回開放するとともに、1回の開放において開放してから1.5秒が経過するまで開放状態を維持するようになっている。つまり、開閉羽根27は、変短状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。なお、開放してから規定時間経過する前であっても、入球上限個数(例えば、10球)の遊技球が入球したときには、開閉羽根27は閉鎖するようになっている。同様に、所定回数開放していなくても、入球上限個数(例えば、10球)の遊技球が入球したときには、開閉羽根27は閉鎖するようになっている。また、変短状態は、予め定めた回数の図柄変動ゲームが実行される迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。なお、変短状態が付与される前記回数は、大当りに当選した時の遊技状態に応じて変化する。
本実施形態では、大当り遊技の終了後における開閉羽根27の単位時間あたりの開放時間を増加させる変短状態が、開放時間増加状態となる。なお、変短状態(開放時間増加状態)中は、1回の普図当りによって開閉羽根27が開放される時間の合計が、非変短状態時よりも増加する。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10に規定する大当り遊技(15ラウンド大当り遊技と2ラウンド大当り遊技)、及び小当り遊技について、図3をもとに詳しく説明する。
大当り遊技は、大当り抽選で大当りに当選し、特図表示器23の図柄変動ゲームで、大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口装置29の大入賞口扉28が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では15ラウンド又は2ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口装置29の大入賞口扉28の開閉が所定回数行われるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口装置29に、規定個数(入球上限個数)の遊技球が入球するまでの間、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
本実施形態において、大当り図柄は、図柄A、図柄B、図柄C、図柄D、図柄E、図柄F、図柄G、及び図柄Hからなる8つのグループに属する図柄とされている。そして、図柄Aには28種類の大当り図柄が、図柄Bには3種類の大当り図柄が、図柄Cには5種類の大当り図柄が、図柄Dには3種類の大当り図柄が、図柄Eには3種類の大当り図柄がそれぞれ振分けられている。また、図柄Fには5種類の大当り図柄が、図柄Gには15種類の大当り図柄が、図柄Hには38種類の大当り図柄がそれぞれ振り分けられている。また、図柄Iには、小当りに対応する10種類の特図(小当り図柄)が振分けられている。
図柄A、図柄B、及び図柄Dに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与する15ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Aに基づく大当りを「第1の確変15ラウンド大当り」と示し、図柄Bに基づく大当りを「第2の確変15ラウンド大当り」と示し、図柄Dに基づく大当りを「第3の確変15ラウンド大当り」と示す。第1の確変15ラウンド大当り遊技〜第3の確変15ラウンド大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、第1の確変15ラウンド大当り遊技〜第3の確変15ラウンド大当り遊技における15回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口扉28を「1回」開放させるように設定されている。また、第1の確変15ラウンド大当り〜第3の確変15ラウンド大当りでは、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態と、その確変状態の終了時まで変短状態を付与するようになっている。なお、図3では、確変状態の終了時まで変短状態を付与する場合を「リミットなし」と表記している。また、本実施形態では、第1の確変15ラウンド大当り〜第3の確変15ラウンド大当りでは、大当り遊技終了後に移行する演出モードを異ならせているが、演出モードについては後に詳述する。
図柄Cに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与する15ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Cに基づく大当りを「100回変短付き確変15ラウンド大当り」と示す。100回変短付き確変15ラウンド大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、100回変短付き確変15ラウンド大当り遊技における15回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口扉28を「1回」開放させるように設定されている。また、100回変短付き確変15ラウンド大当りでは、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態と、予め定めた回数(本実施形態では100回)を上限回数として変短状態を付与するようになっている。
図柄Eに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されているとともに大当り遊技終了後に確変状態を付与し、最初(1ラウンド目)のラウンド遊技における大入賞口扉28の開放態様を、第1の確変15ラウンド大当り遊技〜第3の確変15ラウンド大当り遊技の開放態様と異ならせた15ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Eに基づく大当りを「特別確変15ラウンド大当り遊技」と示す。特別確変15ラウンド大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、特別確変15ラウンド大当り遊技では、1ラウンド目のラウンド遊技において大入賞口扉28を複数回(本実施形態では3回)開放させるとともに、2ラウンド目からのラウンド遊技において大入賞口扉28を「1回」開放させるように設定されている。また、特別確変15ラウンド大当りでは、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態と、その確変状態の終了時まで変短状態を付与するようになっている。
また、特別確変15ラウンド大当り遊技では、オープニング時間として「0.004(秒)」が、エンディング時間として「16.136(秒)」がそれぞれ設定されている。そして、特別確変15ラウンド大当り遊技において1ラウンド目の大入賞口扉28の開放態様として、開放1回目と開放2回目の開放時間が「0.2(秒)」に、開放3回目の開放時間が「24.6(秒)」に、それぞれ設定されている。また、開放1回目と開放2回目の間にはインターバル時間として「2.0(秒)」が、開放2回目と開放3回目の間にはインターバル時間として「4.5(秒)」が、それぞれ設定されている。これにより、特別確変15ラウンド大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技時間は、「0.2(秒)+2.0(秒)+0.2(秒)+4.5(秒)+24.6(秒)」からなる「31.5(秒)」に設定されていることになる。
その一方で、特別確変15ラウンド大当り遊技において2ラウンド目〜15ラウンド目では、大入賞口扉28の開放回数が「1回」とされ、ラウンド遊技時間として「25(秒)」がそれぞれ設定されている。2ラウンド目〜15ラウンド目の各ラウンド遊技時間(25(秒))は、1ラウンド目の大入賞口扉28の合計開放時間(0.2(秒)+0.2(秒)+24.6(秒)=25(秒))と同一時間に設定されている。各ラウンド遊技のラウンド遊技時間は、各ラウンド遊技が入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、それぞれ最大時間となる。
図柄Fに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「2回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与する2ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Fに基づく大当りを「第1の確変2ラウンド大当り」と示す。第1の確変2ラウンド大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、第1の確変2ラウンド大当り遊技における2回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口扉28を「1回」開放させるように設定されている。また、第1の確変2ラウンド大当りでは、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態と、その確変状態の終了時まで変短状態を付与するようになっている。
図柄Gに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「2回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与する2ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Gに基づく大当りを「第2の確変2ラウンド大当り」と示す。第2の確変2ラウンド大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、第2の確変2ラウンド大当り遊技における2回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口扉28を「1回」開放させるように設定されている。また、第2の確変2ラウンド大当りでは、大当り抽選の当選時における遊技状態に応じて、大当り遊技終了後に確変状態とその確変状態の終了時まで変短状態を付与する場合と、大当り遊技終了後に確変状態のみを付与する場合とがある。また、以下の説明では、第1の確変2ラウンド大当りと第2の確変2ラウンド大当りを合わせて「確変2ラウンド大当り」と示す場合がある。
確変2ラウンド大当り遊技では、オープニング時間として「0.004(秒)」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.2(秒)」が、エンディング時間として「2.5(秒)」がそれぞれ設定されている。つまり、確変2ラウンド大当り遊技におけるオープニング時間及びラウンド遊技時間は、特別確変15ラウンド大当り遊技のオープニング時間、及び1ラウンド目における1回目と2回目の大入賞口扉28の開放時間と同一時間に設定されている。また、図3には図示しないが、確変2ラウンド大当り遊技における各ラウンド間のインターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。これにより、確変2ラウンド大当り遊技において、1ラウンド目で大入賞口扉28が開放してから2ラウンド目で大入賞口扉28が閉鎖するまでの時間(「2.4(秒)」)は、特別確変15ラウンド大当り遊技の1ラウンド目において大入賞口扉28が2回目の開放を終了するまでの時間と同一時間とされる。
なお、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間は、各ラウンド遊技が入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、それぞれ最大時間となる。しかしながら、確変2ラウンド大当り遊技のラウンド遊技時間(0.2(秒))は、1回のラウンド遊技において、大入賞口扉28に入球する遊技球の入球個数が、入球上限個数を満たさないような時間に設定されている。因みに、パチンコ遊技機10では、1分間あたりの遊技球の発射個数がおおよそ「100球」に設定されているので、遊技球を1球発射させるために要する時間は「0.6(秒)」となる。したがって、確変2ラウンド大当り遊技の各ラウンド遊技において、ラウンド遊技時間(0.2(秒))内に、入球上限個数となる「9球」の遊技球を発射して、入球させるのは実質的に不可能である。
図柄Hに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与しない(非確変状態を付与する)15ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Hに基づく大当りを「非確変15ラウンド大当り」と示す。また、非確変15ラウンド大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、非確変15ラウンド大当り遊技における15回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口扉28を「1回」開放させるように設定されている。また、非確変15ラウンド大当りでは、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後には確変状態を付与せずに、予め定めた回数(本実施形態では100回)を上限回数として変短状態を付与するようになっている。
図柄Iに基づく小当り遊技は、規定ラウンド数が「1回」に設定されているとともに、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、小当り遊技の1回のラウンド遊技では、大入賞口扉28を「2回」開放させるように設定されている。また、小当り遊技では、当該小当り遊技終了後の遊技状態を、小当り抽選の当選時における遊技状態で継続させるようになっている。すなわち、小当り遊技では、小当り抽選の当選時の遊技状態が確変状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を確変状態に継続させるとともに、小当り抽選の当選時の遊技状態が変短状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を変短状態に継続させる。また、小当り遊技では、小当り抽選の当選時の遊技状態が非確変状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を非確変状態に継続させるとともに、小当り抽選の当選時の遊技状態が非変短状態であれば小当り遊技終了後の遊技状態を非変短状態に継続させる。
また、小当り遊技では、オープニング時間として「0(秒)」が、エンディング時間として「2.5(秒)」がそれぞれ設定されている。そして、小当り遊技におけるラウンド遊技の大入賞口扉28の開放態様として、開放1回目と開放2回目の開放時間が「0.2(秒)」に設定されているとともに、開放1回目と開放2回目の間にはインターバル時間として「2.0(秒)」が設定されている。これにより、小当り遊技における1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間は、「0.2(秒)+2.0(秒)+0.2(秒)」からなる「2.4(秒)」に設定されていることになる。このため、小当り遊技のラウンド遊技時間は、確変2ラウンド大当り遊技の1ラウンド目で大入賞口扉28が開放してから2ラウンド目で大入賞口扉28が閉鎖するまでの時間と同一時間とされる。さらに、小当り遊技のラウンド遊技時間は、特別確変15ラウンド大当り遊技の1ラウンド目において大入賞口扉28が2回目の開放を終了するまでの時間と同一時間とされる。
なお、小当り遊技におけるラウンド遊技のラウンド遊技時間は、ラウンド遊技が入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、それぞれ最大時間となる。しかしながら、小当り遊技のラウンド遊技時間(2.4(秒))は、1回のラウンド遊技において、大入賞口扉28に入球する遊技球の入球個数が、入球上限個数を満たさないような時間に設定されている。したがって、小当り遊技のラウンド遊技において、ラウンド遊技時間(2.4(秒))内に、入球上限個数となる「9球」の遊技球を発射して、入球させるのは実質的に不可能である。
なお、図3の「当たったときの状態」欄に示す「低確+変短なし」、「低確+変短あり」、「高確+変短なし」、「高確+変短ありG1」、「高確+変短ありG2」、「高確+変短ありG3」の6つの状態は、それぞれ次のような状態を示す。「低確+変短なし」は、非確変状態で、かつ非変短状態を示し、本実施形態のパチンコ遊技機10においては「通常状態」となる。「低確+変短あり」は、非確変状態で、かつ変短状態を示し、本実施形態のパチンコ遊技機10において「低確+変短あり」の状態は、非確変15ラウンド大当り(図柄H)に当選することによって作り出される。「高確+変短なし」は、確変状態で、かつ非変短状態を示し、本実施形態のパチンコ遊技機10において「高確+変短なし」の状態は、「低確+変短なし」の状態で第2の確変2ラウンド大当り(図柄G)に当選することによって作り出される。
さらに、「高確+変短ありG1」は、確変状態で、かつ変短状態であることに加えて移行先の演出モードが「高確示唆モード」であることを示している。本実施形態のパチンコ遊技機10において「高確+変短ありG1」の状態は、第2の確変15ラウンド大当り(図柄B)又は100回変短付き確変15ラウンド大当り(図柄C)に当選することによって作り出される。また、本実施形態のパチンコ遊技機10において「高確+変短ありG1」の状態は、「低確+変短あり」の状態、又は「高確+変短ありG1」の状態で第1の確変2ラウンド大当り(図柄F)に当選することによっても作り出される。また、本実施形態のパチンコ遊技機10において「高確+変短ありG1」の状態は、「低確+変短あり」の状態、「高確+変短なし」の状態、又は「高確+変短ありG1」の状態で第2の確変2ラウンド大当り(図柄G)に当選することによっても作り出される。
また、「高確+変短ありG2」は、確変状態で、かつ変短状態であることに加えて移行先の演出モードが「第1の高確確定モード」であることを示し、本実施形態のパチンコ遊技機10において「高確+変短ありG2」の状態は、第1の確変15ラウンド大当り(図柄A)に当選することによって作り出される。また、本実施形態のパチンコ遊技機10において「高確+変短ありG2」の状態は、「低確+変短なし」の状態、「高確+変短なし」の状態、又は「高確+変短ありG2」の状態で第1の確変2ラウンド大当り(図柄F)に当選することによっても作り出される。さらに、「高確+変短ありG2」の状態は、「高確+変短ありG2」の状態で第2の確変2ラウンド大当り(図柄G)に当選することによっても作り出される。
「高確+変短ありG3」は、確変状態で、かつ変短状態であることに加えて移行先の演出モードが「第2の高確確定モード」であることを示し、本実施形態のパチンコ遊技機10において「高確+変短ありG3」の状態は、第3の確変15ラウンド大当り(図柄D)又は特別確変15ラウンド大当り(図柄E)に当選することによって作り出される。また、本実施形態のパチンコ遊技機10において「高確+変短ありG3」の状態は、「高確+変短ありG3」の状態で第1の確変2ラウンド大当り(図柄F)又は第2の確変2ラウンド大当り(図柄G)に当選することによっても作り出される。なお、「高確+変短ありG3」の状態は、その他の状態に比して、リーチ抽選に当選する確率が低くなるように設定されている。このように、本実施形態では、確変状態の有無及び変短状態の有無に応じて遊技状態を設定していることに加え、滞在中の演出モードの種類を考慮している。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、各大当り遊技の終了後、大当り抽選の抽選確率状態が、高確率抽選状態(確変状態)であるのか、低確率抽選状態(非確変状態)であるのかを遊技者に示唆する遊技状態報知画像を表示させる複数(本実施形態では4つ)の演出モードを備えている。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、当選した当りの種類及び当選したときの遊技状態に応じて移行する演出モードが異なるようになっている。この演出モードの移行により、遊技者は、滞在中の演出モード、すなわち当該演出モードで表示される遊技状態報知画像から大当り抽選の抽選確率状態が、高確率抽選状態であるか否かを推測するようになっている。
本実施形態において、4つの演出モードは、演出態様が夫々異なっている。具体的には、変短状態が付与されないとともに、大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態又は低確率抽選状態となっているときに滞在する通常モードと、変短状態が付与される場合とされない場合があるとともに、大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態又は低確率抽選状態となっているときに滞在する高確示唆モードが設定されている。さらに、変短状態が付与されるとともに、大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態となっているときに滞在する高確確定モードとが設定されている。高確確定モードは、大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態、すなわちパチンコ遊技機10の遊技状態が確変状態であることを、遊技者に対して確定的に示唆(報知)する演出とされている。なお、本実施形態では、2種類の高確確定モード(第1の高確確定モード、第2の高確確定モード)を設定している。その一方、通常モード及び高確示唆モードは、大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態及び低確率抽選状態の何れの場合でも実行される演出とされている。すなわち、通常モード及び高確示唆モードは、パチンコ遊技機10の遊技状態が、確変状態及び非確変状態の何れの状態であるかを遊技者に対して非確定的に示唆(報知)する高確率潜伏演出とされ、これらの2つの演出モードは確変状態である可能性を示唆する。
そして、前述した4つの演出モードは、確変状態であることの期待度の高低(確変状態である可能性の大小)を示唆し、その高低によって区別される演出となっている。本実施形態においては、通常モード<高確示唆モード<高確確定モードの順に、確変状態である期待度が高い演出モードとして位置付けられている。
また、各演出モード滞在中は、その滞在中の演出モードに対応する遊技状態報知画像が演出表示器22に画像表示されるようになっている。具体的に言えば、通常モード時には、遊技状態報知画像としての通常背景画像が画像表示されるようになっているとともに、高確示唆モード時には、遊技状態報知画像としての高確背景画像が画像表示されるようになっている。また、高確確定モード時には、遊技状態報知画像としての第1の確定背景画像又は第2の確定背景画像が画像表示されるようになっている。これらの各背景画像が画像表示されることにより、遊技者は、大当り抽選の当選確率が高確率状態である期待度を把握し得る。なお、背景画像は、図柄の背面に映し出される画像である。
次に、パチンコ遊技機10の制御構成について図4に基づき説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と、表示制御基板32と、ランプ制御基板33と、音声制御基板34とが装着されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示器22の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、ランプ制御基板33は主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、各種ランプ部16a〜16cの発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。また、音声制御基板34は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、各種スピーカ17a〜17cの音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板30には、メインCPU30aが備えられている。該メインCPU30aには、ROM30b及びRAM30cが接続されている。メインCPU30aには、上始動口センサSE1と、下始動口センサSE2と、カウントセンサSE3と、ゲートセンサSE4が接続されている。また、メインCPU30aには、特図表示器23と、普図表示器24と、特図保留表示器Raと、普図保留表示器Rbとが接続されている。また、メインCPU30aには、大入賞口ソレノイドSOL1と、普通電動役物ソレノイドSOL2が接続されている。また、メインCPU30aは、特図用の当り判定用乱数、特図振分用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン振分用乱数、小当り図柄振分用乱数や、普図用の当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM30cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、メインCPU30aは、時間を計測するタイマを更新する。RAM30cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
特図用の当り判定用乱数は、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数であるとともに、大当り抽選に当選しなかった場合に小当りとするか否かの小当り抽選(小当り判定)で用いる乱数である。また、特図振分用乱数は、大当りとなる場合に特図表示器23に確定停止表示させる特図としての大当り図柄を決定する際に用いる乱数である。また、リーチ判定用乱数は、当り抽選(大当り抽選と小当り抽選を含む)で当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成し、リーチ演出を行うか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。そして、本実施形態では、2種類のリーチ判定用乱数L1,L2を用いてリーチ抽選を実行するようになっている。2種類のリーチ判定用乱数L1,L2は、それぞれが取り得る数値範囲(乱数更新処理において乱数値が更新される範囲)が異なるとともに、リーチ判定に係る処理において用途が異なっている。本実施形態においてリーチ判定用乱数L1の取り得る数値は「0」〜「162」までの全163通りに設定されており、後述する振分テーブルT2(はずれ用)(図26(a)〜(c)など)を選択する際に用いる振分テーブル選択用乱数として機能する。また、リーチ判定用乱数L2(第2のリーチ判定用乱数)の取り得る数値は「0」〜「6」までの全7通りに設定されており、特定の演出(本実施形態では擬似連はずれリーチ演出)を実行させるか否かを決定する際に用いる実行決定用乱数として機能する。
また、本実施形態では、リーチ判定用乱数L1の値に応じて、リーチ演出の実行の有無、及びリーチ演出を実行させる場合、その種類が特定可能となっている。具体的には、リーチ判定用乱数L1「0」には「擬似連はずれリーチ」が対応付けられているとともに、リーチ判定用乱数L1「1〜5」には「擬似連はずれリーチを除くリーチ」が対応付けられている。さらに、リーチ判定用乱数L1「6〜162」には「リーチなし」が対応付けられている。また、リーチ判定用乱数L1の値が「0」の場合、リーチ判定用乱数L2の値を参照し、リーチ演出の実行可否が決定されるようになっている。なお、リーチ判定用乱数L2「0〜5」には「実行可」が対応付けられているとともに、リーチ判定用乱数L2「6」には「実行否」が対応付けられている。一方、リーチ判定用乱数L1の値が「0」以外の値であった場合(1〜162)、リーチ判定用乱数L2の値は参照されない。なお、リーチ判定用乱数の値は、始動保留球の記憶数により、リーチ判定が肯定判定される確率が異なるように設定されている。
また、変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択し、決定する際に用いる乱数である。そして、本実施形態では、2種類の変動パターン振分用乱数R1,R2(以下、振分用乱数R1,R2と示す)を用いて変動パターンを選択(決定)するようになっている。2種類の振分用乱数R1,R2は、それぞれが取り得る数値範囲(乱数更新処理において乱数値が更新される範囲)が異なるとともに、変動パターンの選択に係る処理において用途が異なっている。本実施形態において第1の変動パターン振分乱数としての振分用乱数R1の取り得る数値は、「0」〜「240」までの全241通りに設定されており、後述する変動パターン特定用テーブルとしての振分テーブルSPV又は振分テーブルSPP(図27〜図29に示す)を選択する際に用いる振分テーブル選択用乱数として機能する。また、第2の変動パターン振分乱数としての振分用乱数R2の取り得る数値は、「0」〜「238」までの全239通りに設定されており、選択した振分テーブルSPV又は振分テーブルSPPから変動パターンを特定する際に用いる変動パターン特定用乱数として機能する。普図用の当り判定用乱数は、普図当りとするか否かの普図当り抽選(普図当り判定)で用いる乱数である。また、小当り図柄振分用乱数は、小当りとなる場合に特図表示器23に確定停止表示させる特図としての小当り図柄を決定する際に用いる乱数である。
本実施形態において、特図用の当り判定用乱数、特図振分用乱数、小当り図柄振分用乱数、リーチ判定用乱数、及び変動パターン振分用乱数は、同一時期(同一タイミング)に取得される。すなわち、上記各乱数は、上始動入賞口25又は下始動入賞口26へ遊技球が入球した時に、それぞれ取得されるようになっている。
ROM30bには、パチンコ遊技機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから図柄が停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。また、変動パターンには、該変動パターン毎に、図柄変動ゲームの開始から終了までの変動時間(演出時間)が定められている。また、変動パターンは、当り演出用、はずれリーチ演出用、及びはずれ演出用からなる演出内容毎に分類されている。
当り演出では、図柄変動ゲームが、当りとなるように展開される。具体的に言えば、演出表示器22において当りの図柄組み合わせが確定停止表示されるとともに、特図表示器23において当り図柄が確定停止表示される。
はずれリーチ演出では、演出表示器22において図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て最終的にはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるとともに、特図表示器23においてはずれ図柄が確定停止表示される。はずれ演出では、演出表示器22において図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるとともに、特図表示器23においてはずれ図柄が確定停止表示される。なお、特図表示器23では、図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで図柄の変動が継続される。すなわち、リーチ演出は、演出表示器22の画像表示部GHに画像表示される飾図を用いた図柄変動ゲームで行われる。
また、ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、特図用の当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1696までの全1697通りの整数)の中から定められている。なお、大当り判定値は、確変状態が付与されているか否かでその数が異なっており、確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では50個)は、通常状態時の大当り判定値の数(本実施形態では5個)よりも多く設定されている。また、ROM30bには、小当り判定値が記憶されている。小当り判定値は、小当り抽選で用いる判定値であり、特図用の判定用乱数の取り得る数値(0〜1696までの全1697通りの整数)の中から定められている(本実施形態では5個)。
また、ROM30bには、普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、普図当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、普図用の当り判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。なお、普図当り判定値は、変短状態が付与されているか否かでその数が異なっており、変短状態が付与されている時の普図当り判定値の数(本実施形態では240個)は、通常状態時の普図当り判定値の数(本実施形態では50個)よりも多く設定されている。また、RAM30cには、普図当り判定時に使用する普図用の当り判定用乱数が記憶されている。本実施形態において、普図用の当り判定用乱数は、作動ゲート35を遊技球が通過したことを契機に取得するようになっている。
また、ROM30bには、第1のリーチ判定値が記憶されている。第1のリーチ判定値は、図柄変動ゲームがはずれとなる場合に、リーチ演出を実行させるか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数L1の取り得る数値(0〜162までの全163通りの整数)の中から定められている。なお、第1のリーチ判定値は、始動保留球の記憶数により、その数が異なっている。また、ROM30bには、第2のリーチ判定値が記憶されている。第2のリーチ判定値は、リーチ判定において特定のリーチ演出(本実施形態では擬似連はずれリーチ演出)の実行可が決定された場合に、再度、リーチ演出を実行させるか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数L2の取り得る数値(0〜6までの全7通りの整数)の中から定められている。
次に、図4に基づき統括制御基板31について説明する。
統括制御基板31には、統括CPU31aが備えられている。該統括CPU31aには、ROM31b及びRAM31cが接続されている。また、統括CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM31cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、ROM31bには、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
次に、図4に基づき表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32には、サブCPU32aが備えられている。該サブCPU32aには、ROM32b及びRAM32cが接続されている。また、表示制御基板32(サブCPU32a)には、演出表示器22が接続されている。ROM32bには、演出表示器22の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、ROM32bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、RAM32cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
次に、メインCPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する入賞処理や変動パターン決定処理などの各種処理について説明する。
主制御基板30のメインCPU30aは、上始動入賞口25又は下始動入賞口26へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口センサSE1,SE2が出力する検知信号を入力するとRAM30cに記憶されている特図保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。
保留判定の判定結果が肯定(特図保留記憶数<4)の場合、メインCPU30aは、保留記憶数を1加算(+1)し、特図保留記憶数を書き換える。また、メインCPU30aは、保留判定を肯定判定している場合、特図用の当り判定用乱数の値と特図振分用乱数の値をRAM30cから取得し、該値を特図保留記憶数に対応付けてRAM30cの所定の記憶領域に格納する。なお、メインCPU30aは、保留判定の判定結果が否定(特図保留記憶数=4)の場合、上限数を超える特図保留記憶数の書き換えを行わないとともに、特図用の当り判定用乱数の値と特図振分用乱数の値を取得しない。
そして、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの開始直前に、特図保留記憶数に対応付けてRAM30cの所定の記憶領域に格納した特図用の当り判定用乱数の値を読み出し、その読み出した特図用の当り判定用乱数の値とROM30bに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当りか否かの大当り判定(大当り抽選)を行う。なお、大当り判定においてメインCPU30aは、遊技状態が通常状態である場合には、低確率用の大当り判定値と特図用の当り判定用乱数の値を比較し、遊技状態が確変状態である場合には、高確率用の大当り判定値と特図用の当り判定用乱数の値を比較する。
大当り判定の判定結果が肯定(特図用の当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、メインCPU30aは、大当りを決定する。具体的には、メインCPU30aは、特図振分用乱数の値をもとに、図柄変動ゲームで確定停止表示させる大当り図柄(特図)を決定する。図柄A〜Hには所定個数ずつ特図振分用乱数が振分けられているため、メインCPU30aは、特図振分用乱数の値に基づいて、図柄A〜Hに分類される大当り図柄(特図)を決定することになる。また、大当りを決定したメインCPU30aは、決定した最終停止図柄から大当り遊技の種類を特定するとともに、当り演出用の変動パターンを選択し、決定する。
また、メインCPU30aは、大当り判定の判定結果が否定(特図用の当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、特図用の当り判定用乱数の値とROM30bに記憶されている小当り判定値を比較して、小当りか否かの小当り判定を行う。小当り判定の判定結果が肯定(特図用の当り判定用乱数の値と小当り判定値とが一致)の場合、メインCPU30aは、小当りを決定する。具体的には、メインCPU30aは、小当り図柄振分用乱数の値をもとに、図柄変動ゲームで確定停止表示させる小当り図柄(特図)を決定する。また、小当りを決定したメインCPU30aは、当り演出用の変動パターンを選択し、決定する。
また、メインCPU30aは、小当り判定の判定結果が否定(特図の当り判定用乱数の値と小当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。そして、メインCPU30aは、特図表示器23で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定する。また、はずれを決定したメインCPU30aは、はずれリーチ演出を実行するか否かを決定する。そして、リーチ判定の判定結果が肯定(はずれリーチ演出を実行する)の場合、メインCPU30aは、はずれリーチ演出用の変動パターンを選択し、決定する。一方、前記判定結果が否定(はずれリーチ演出を実行しない)の場合、メインCPU30aは、はずれ演出用の変動パターンを選択し、決定する。
特図及び変動パターンを決定したメインCPU30aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板31(統括CPU31a)に出力する。具体的に言えば、メインCPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する制御データとしての変動パターン指定コマンドを最初に出力する。また、同時に、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの演出時間の計測を開始する。次に、メインCPU30aは、特図を指示する特別図柄指定コマンドを出力する。そして、メインCPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する全図柄停止コマンドを出力する。また、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの開始時に特図保留記憶数を1減算(−1)し、特図保留記憶数を書き換える。そして、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特図表示器23の表示内容を制御する。すなわち、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの開始により特図の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特図(大当り図柄、又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
次に、メインCPU30aが実行する制御内容として、大当り遊技時及び小当り遊技時の制御内容を説明する。
メインCPU30aは、大当り遊技及び小当り遊技の各開始時にオープニングコマンドを出力するとともに、各ラウンド遊技の開始時にラウンドコマンドを出力し、さらに終了時にエンディングコマンドを出力する。オープニングコマンドはオープニングの開始を指示し、ラウンドコマンドはラウンド遊技の開始を指示し、エンディングコマンドはエンディングの開始を指示する。また、メインCPU30aは、各ラウンド遊技の開始時に、大入賞口扉28を開放させるための開放信号を出力する。開放信号は、大入賞口扉28の大入賞口ソレノイドSOL1に対して出力され、前記開放信号によって前記大入賞口ソレノイドSOL1が作動し、大入賞口扉28が開動作される。また、メインCPU30aは、ラウンド遊技毎に予め定めたラウンド遊技時間を計測するとともに、カウントセンサSE3からの検知信号を入力してラウンド遊技中に入球した遊技球の入球個数をカウントする。そして、メインCPU30aは、ラウンド遊技時間が経過したこと、及び入球上限個数の遊技球が入球したことの何れかの終了条件を満たすことにより、大入賞口扉28を閉鎖させるための閉鎖信号を出力する。閉鎖信号は、大入賞口扉28の大入賞口ソレノイドSOL1に対して出力され、前記閉鎖信号によって前記大入賞口ソレノイドSOL1が作動し、大入賞口扉28が閉動作される。
大当り遊技及び小当り遊技を終了させたメインCPU30aは、確変大当り遊技が付与された場合、確変状態を付与することを示す確変フラグに大当りの種類に応じて「01H」〜「04H」のうちいずれか1つの値を設定する。なお、確変フラグに「01H」〜「04H」のうちいずれかが設定されている場合には、確変状態が付与されていることを示している。また、メインCPU30aは、非確変大当り遊技が付与された場合、確変状態を付与することを示す確変フラグに「00H」を設定する。また、メインCPU30aは、確変状態の終了時まで変短状態を付与する場合、変短状態を付与することを示す作動フラグに「01H」を設定する。なお、作動フラグに「01H」が設定されている場合には、変短状態が付与されていることを示し、「00H」が設定されている場合には、変短状態が付与されていないことを示している。なお、各フラグはRAM30cの所定の記憶領域に記憶されるとともに、大当り遊技が付与された場合にクリアされる(「00H」が設定される)ようになっている。
また、メインCPU30aは、100回変短付き確変15ラウンド大当り遊技(図柄C)又は非確変15ラウンド大当り遊技(図柄H)が付与される場合には、変短状態を付与する図柄変動ゲームの回数として、作動回数に100回を設定する。この変短状態付与回数は、図柄変動ゲームが実行される毎に1減算され、値が0となると、作動フラグがクリアされる(「0」が設定される)。
そして、メインCPU30aは、大当り遊技の終了後、遊技状態を確変状態及び変短状態とする場合には高確率指定コマンドと変短作動コマンドを出力し、変短状態とする場合には変短作動コマンドのみを出力する。一方、小当り遊技の場合、小当り当選時の遊技状態が維持されることから、メインCPU30aは、小当り遊技中も小当り当選時の遊技状態で制御し、かつ小当り遊技終了後には遊技状態を指定するコマンドを出力しない。すなわち、メインCPU30aは、小当り遊技に当選した場合、確変状態を付与するか否かの状態移行判定を行わない。
次に、統括制御基板31について説明する。
統括制御基板31の統括CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを各制御基板32〜34に出力する。また、統括CPU31aは、特別図柄指定コマンドを入力すると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて演出表示器22に停止表示させる図柄組み合わせを構成する飾図を決定する。
飾図の決定において統括CPU31aは、特別図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特図)が、第1の確変15ラウンド大当り(図柄A)又は第3の確変15ラウンド大当り(図柄D)に対応する大当り図柄の場合、飾図の図柄組み合わせとして、確変大当りを認識し得る図柄組み合わせ(本実施形態では奇数図柄)を決定する。また、統括CPU31aは、特別図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特図)が、第2の確変15ラウンド大当り(図柄B)、100回変短付き確変15ラウンド大当り(図柄C)、及び非確変15ラウンド大当り(図柄H)の何れかに対応する大当り図柄であった場合、以下の図柄組み合わせを決定する。すなわち、統括CPU31aは、飾図の図柄組み合わせとして、確変大当りに当選したのか非確変大当りに当選したのかを認識し得ない図柄組み合わせ(本実施形態では偶数図柄)を決定する。また、統括CPU31aは、特別図柄指定コマンドで指定された停止図柄が、特別確変15ラウンド大当り(図柄E)、第1の確変2ラウンド大当り(図柄F)、及び第2の確変2ラウンド大当り(図柄G)のうちいずれかに対応する大当り図柄の場合、飾図の図柄組み合わせとして、はずれを認識し得る図柄組み合わせのうち、確変示唆の図柄組み合わせを決定する。確変示唆の図柄組み合わせは、リーチを形成しないはずれの図柄組み合わせからなる。また、統括CPU31aは、特別図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特図)が、小当り図柄の場合には、特別確変15ラウンド大当り(図柄E)、第1の確変2ラウンド大当り(図柄G)、及び第2の確変2ラウンド大当り(図柄F)の時と同様に、確変示唆の図柄組み合わせを決定する。
また、統括CPU31aは、特別図柄指定コマンドで指定された停止図柄が、小当り図柄を除くはずれ図柄の場合、はずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。なお、はずれ図柄の場合にはずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する際には、前記確変示唆の図柄組み合わせを除いて組み合わせを決定しても良いし、前記確変示唆の図柄組み合わせを含んで組み合わせを決定しても良い。また、はずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する場合、統括CPU31aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。一方、統括CPU31aは、はずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識し得る図柄組み合わせを決定する。そして、飾図を決定した統括CPU31aは、飾図を指示する飾り図柄指定コマンドを表示制御基板32に出力する。また、統括CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを各制御基板32〜34に出力する。
次に、統括CPU31aが実行する演出モードに係る制御内容を説明する。
統括CPU31aは、メインCPU30aが出力する特別図柄指定コマンドで指示された大当り図柄の種類と、現在の遊技状態(確変状態の有無、変短状態の有無、及び前回の特図の種類)に係る各指定コマンドと、演出モードフラグの設定値をもとに、演出モードの移行態様を制御する。演出モードフラグは、現在滞在している演出モードを識別可能な情報で構成されており、RAM31cに設定される。統括CPU31aは、演出モードフラグを設定すると、滞在中の演出モードを指示するモード指定コマンドを各制御基板32〜34に出力する。
次に、統括CPU31aが実行する大当り遊技に係る制御内容を説明する。
統括CPU31aは、オープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドを入力すると、これらのコマンドに応じてオープニング演出の演出内容、ラウンド演出の演出内容、及びエンディング演出の演出内容を決定する。そして、統括CPU31aは、決定した演出内容を指示する演出指示コマンドを各制御基板32〜34にそれぞれ出力する。
次に、表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32のサブCPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを実行させるように演出表示器22の表示内容を制御する。このとき、サブCPU32aは、選択した演出内容をもとにROM32bの画像データを用いて前記演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。
そして、サブCPU32aは、図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに演出表示器22に映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。そして、サブCPU32aは、図柄変動ゲーム中に全図柄停止コマンドを入力すると、飾り図柄指定コマンドで指示された図柄を演出表示器22に確定停止表示させるように演出表示器22の表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。また、サブCPU32aは、モード指定コマンドを入力すると、その指示内容に基づき、背景画像を変化させる。
以下、本実施形態において、主制御基板30のメインCPU30aによる変動パターンの決定に係る具体的な構成と処理内容を、図5〜図35にしたがってさらに詳しく説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームの演出内容を特定する変動パターンとして、変動パターンP1〜P409の全409種類の変動パターンが設定されている。これらの変動パターンには、各別に変動時間と演出態様が対応付けられている。そして、当該変動パターンは、演出態様の基本内容に基づいて大別することができるようになっている。なお、基本内容とは、リーチ演出が実行される前に導出されるリーチ演出導出用の演出内容を示す。本実施形態では、「通常」、「すべり」、「擬似連2回」、「擬似連3回」、「擬似連4回」、及び「特殊」の6種類の基本内容が設定されている。さらに、本実施形態では、当り抽選に当選した場合(当り)と、当り抽選に当選しなかった場合(はずれ)それぞれにおいて、前述した「通常」、「すべり」、「擬似連2回」、「擬似連3回」、「擬似連4回」に分類される基本内容が設定されている。それとともに、当り抽選に当選した場合のみ、「特殊」に分類される基本内容が設定されているので、合計11種類の基本内容に分類することが可能である。
因みに、「すべり」とは、演出表示器22における図柄変動ゲームの開始後、左列(第1停止表示列)の変動が停止し、続いて右列(第2停止表示列)の変動を停止させる際に、すべり変動を伴う変動形態を示す。すべり変動は、図柄列(本実施形態では右列)の変動を一旦停止させて図柄を導出した後、その図柄列を再び変動させて図柄を再び導出する変動である。また、「擬似連2回〜4回」とは、1回の図柄変動ゲームにおいて図柄の変動開始から図柄の変動停止までを1回とする変動サイクルを複数回(2回〜4回)連続して実行させる連続予告演出(擬似連続予告)を指す。連続予告演出を伴う1回の図柄変動ゲームは、変動サイクルの実行回数によって大当り表示結果(大当り図柄)が導出されるか否かの可能性(大当り期待度)が変化するようになっている。本実施形態のパチンコ遊技機10は、大当り抽選に当選した場合、大当り抽選に当選していない場合に比して変動サイクルの実行回数が多い図柄変動ゲームが行われ易くなっている。また、本実施形態において、連続予告演出を伴う図柄変動ゲームでは、連続予告演出を構成する複数回の変動サイクルのうち、最終回の変動サイクルでリーチが形成され、リーチ演出が行われるようになっている。すなわち、連続予告演出を伴う図柄変動ゲームでは、最終回の変動サイクルよりも前の変動サイクルでは、リーチが形成されないようになっている。
また、「通常」とは、前述したすべり変動や連続予告演出を伴わない変動形態を指す。また、「特殊」とは、モード移行演出を伴ったり、小当りや確変2ラウンド大当りに当選した際に実行される変動形態を指す。
図5は、「通常はずれ」に分類される変動パターンP1〜P38を示す一覧表であり、図6は、「すべりはずれ」に分類される変動パターンP39〜P55を示す一覧表であり、図7は、「擬似連2回はずれ」に分類される変動パターンP56〜P68を示す一覧表である。また、図8は、「擬似連3回はずれ」に分類される変動パターンP69〜P79を示す一覧表であり、図9は、「擬似連4回はずれ」に分類される変動パターンP80〜P83を示す一覧表である。さらに、図10は、「通常当り」に分類される変動パターンP84〜P197を示す一覧表であり、図11は、「すべり当り」に分類される変動パターンP198〜P243を示す一覧表であり、図12は、「擬似連2回当り」に分類される変動パターンP244〜P289を示す一覧表である。また、図13は、「擬似連3回当り」に分類される変動パターンP290〜P335を示す一覧表であり、図14は、「擬似連4回」に分類される変動パターンP336〜P349を示す一覧表であり、図15は、「特殊」に分類される変動パターンP350〜P409を示す一覧表である。
これらの変動パターンP1〜P409には、それぞれ当該変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドと、当該変動パターンに設定される変動時間が対応付けられている。変動パターン指定コマンドは、上位データとしての上位バイト(1バイト目)と下位データとしての下位バイト(2バイト目)からなる2バイトの制御データで構成されている。また、本実施形態では、上位バイトによって図柄変動ゲームの演出内容における基本内容が特定可能となっている。
具体的には、変動パターンP1〜P38を指定する変動パターン指定コマンドとして、「80H00H」〜「80H25H」が設定されているとともに、変動パターンP39〜P55を指定する変動パターン指定コマンドとして、「81H00H」〜「81H10H」が設定されている。そして、上位バイト「80H」によって、「通常はずれ」が特定され、上位バイト「81H」によって「すべりはずれ」が特定されるようになっている。また、変動パターンP56〜P68を指定する変動パターン指定コマンドとして、「82H00H」〜「82H0CH」が設定されているとともに、変動パターンP69〜P79を指定する変動パターン指定コマンドとして、「83H00H」〜「83H0AH」が設定されている。そして、上位バイト「82H」によって「擬似連2回はずれ」が特定され、上位バイト「83H」によって「擬似連3回はずれ」が特定されるようになっている。さらに、変動パターンP80〜P83を指定する変動パターン指定コマンドとして、「84H00H」〜「84H03H」が設定されている。そして、上位バイト「84H」によって「擬似連4回はずれ」が特定されるようになっている。
また、変動パターンP84〜P197を指定する変動パターン指定コマンドとして、「85H00H」〜「85H71H」が設定されているとともに、変動パターンP198〜P243を指定する変動パターン指定コマンドとして、「86H00H」〜「86H2DH」が設定されている。そして、上位バイト「85H」によって「通常当り」が特定され、上位バイト「86H」によって「すべり当り」が特定されるようになっている。また、変動パターンP244〜P289を指定する変動パターン指定コマンドとして、「87H00H」〜「87H2DH」が設定されているとともに、変動パターンP290〜P335を指定する変動パターン指定コマンドとして、「88H00H」〜「88H2DH」が設定されている。そして、上位バイト「87H」によって「擬似連2回当り」が特定され、上位バイト「88H」によって「擬似連3回当り」が特定されるようになっている。また、変動パターンP336〜P349を指定する変動パターン指定コマンドとして、「89H00H」〜「89H0DH」が設定されているとともに、変動パターンP350〜P409を指定する変動パターン指定コマンドとして、「8AH00H」〜「8AH3BH」が設定されている。そして、上位バイト「89H」によって「擬似連4回当り」が特定され、上位バイト「8AH」によって「特殊」が特定されるようになっている。
また、前記上位バイトは、特定の基準上位データとしての「80H」を先頭とし、「80H」から一定値(+1)ずつオフセットされることで次の上位バイトが特定されるように序列されている。また、変動パターン指定コマンドを構成する下位バイトは、前述した上位バイトとの組み合わせによって詳細内容としてのはずれ変動及びリーチ変動の種類を特定可能となっている。例えば、変動パターンP50(すべりキャラK1はずれ)を指定する変動パターン指定コマンド「81H0BH」において、上位バイト「81H」によって「すべりはずれ」が特定される。それとともに、下位バイト「0BH」と上位バイト「81H」との組み合わせによって、すべり変動の後、「キャラK9」のリーチ演出が実行され、はずれ図柄組み合わせを導出することが特定される。また、下位バイトは、上位バイト単位で特定の基準下位データとしての「00H」が先頭に設定されており、「00H」から一定値(+1)ずつオフセットされることで次の下位バイトが特定されるように序列されている。
なお、図5に示す「短縮変動」とは、図柄変動ゲームの開始後、各列の変動をほぼ同一のタイミングで停止させて各列に図柄を導出させるはずれ演出である。また、図5に示す「通常変動」とは、図柄変動ゲームの開始後、各列の図柄を予め定めた変動停止順序(例えば、左列→右列→中列)にしたがって変動を停止させて各列に図柄を導出させるはずれ演出であり、「短縮変動」よりも変動時間が長く設定されている。また、図5に示す「擬似連2回ガセ」は、2回の変動サイクルからなる連続予告演出を実行するとともに、最終回の変動サイクルにおいてリーチ状態を形成せずにはずれ図柄を確定停止表示させるはずれ演出である。また、図5〜図9に示す「キャラKX(X:図中では1〜4)はずれ」とは、リーチ形成後に、ノーマルリーチを経由し、リーチ演出を発展させて行われる演出であって、例えば、キャラクタなどを登場させ、当該キャラクタの動作によって最終図柄停止列の図柄を導出するなどの態様で行われるはずれリーチ演出である。一方、図10〜図14に示す「キャラKX(X:図中では1〜4)当り」とは、リーチ形成後に、ノーマルリーチを経由し、リーチ演出を発展させて行われる演出であって、例えば、キャラクタなどを登場させ、当該キャラクタの動作によって最終図柄停止列の図柄を導出するなどの態様で行われる当りリーチ演出である。また、図15に示す「チャンス演出CX(X:1,2)」は、演出モードを移行させる演出である。
また、「通常はずれ」に分類される変動パターンと、「すべりはずれ」に分類される各変動パターンでは、同一変動内容(例えば「キャラK1」)の変動パターンを比較した場合、「すべりはずれ」に分類される変動パターンの変動時間は、すべり変動の変動時間を含む分だけ「通常はずれ」に分類される変動パターンの変動時間よりも長く設定されている。また、「擬似連2回はずれ」、「擬似連3回はずれ」、「擬似連4回はずれ」に分類される変動パターンでは、同一変動内容(例えば「キャラK1」)の変動パターンを比較した場合、連続予告演出の変動サイクルの数が多いほど、変動時間が長く設定されている。同様に、「通常当り」に分類される変動パターンと、「すべり当り」、に分類される各変動パターンでは、同一変動内容(例えば「キャラK1」)の変動パターンを比較した場合、「すべり当り」に分類される変動パターンの変動時間は、すべり変動の変動時間を含む分だけ「通常当り」に分類される変動パターンの変動時間よりも長く設定されている。また、「擬似連2回当り」、「擬似連3回当り」、「擬似連4回当り」に分類される変動パターンでは、同一変動内容(例えば「キャラK1」)の変動パターンを比較した場合、連続予告演出の変動サイクルの数が多いほど、変動時間が長く設定されている。
また、図5〜図9に示す変動パターンでは、リーチ演出が導出されるまでの過程が異なっている。同様に、図10〜図15に示す変動パターンでは、リーチ演出が導出されるまでの過程が異なっている。また、図5〜図15に示す変動パターンでは、同一の演出内容を対応付けた変動パターンが、当り抽選に当選した場合と当り抽選に当選しなかった場合とに応じて複数設定されており、リーチ演出を視認しただけでは大当りとなるのか否かが分からないようになっている。なお、本実施形態では、リーチ演出の内容としてキャラK1〜K4を図示したが、その他にも複数種類のリーチ演出が設定されている。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、変動パターンと変動パターン指定コマンドを1対1で対応付けた状態でROM30bに記憶しているのではなく、上位バイトと下位バイトをそれぞれ演算によって算出することにより、変動パターン指定コマンドを生成している。なお、図5〜図15の説明では、説明の都合上、変動パターンと変動パターン指定コマンドを合わせて記載しているだけであって、実際に変動パターンと変動パターン指定コマンドが1対1で対応付けた状態でROM30bに記憶されているのではない。本実施形態では、変動パターンP1〜P8が、はずれ変動用の変動パターンとなり、変動パターンP9〜P83が、はずれリーチ演出用の変動パターンとなり、変動パターンP84〜P409が、当り演出用の変動パターンとなる。
次に、変動パターン算出方法について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、409通りの変動パターンが設定されている。そして、この中からどの変動パターンが選択されるかは、変動パターン振分け状態、大当り抽選の結果、特図振分用乱数の値、特図保留記憶数、リーチ判定用乱数L1の値、リーチ判定用乱数L2の値、振分用乱数R1の値、及び振分用乱数R2の値によって分岐するようになっている。なお、変動パターン振分け状態とは、確変状態の有無、変短状態の有無、及び確変状態の有無又は変短状態の有無を決定する契機となった大当り図柄(前回の当り)によって分類される状態を指している。
最初に、大当り抽選に当選した場合における変動パターン算出方法の流れについて図16にしたがって説明する。
図16で説明するように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、当該大当り抽選が実行されたときの変動パターン振分け状態毎(状態JA〜JF)に異なる変動パターンが選択されるようになっている。さらに、本実施形態では、大当り抽選が実行されたときの変動パターン振分け状態に加え、大当り抽選への当選に基づいて決定された大当りの種類(特図振分用乱数の値)に応じて異なる判定テーブルとしての当り用の振分テーブルT1(図25に示す)が選択されるようになっている。振分テーブルT1とは、大当り抽選に当選した際に参照されるテーブルであって、後に詳述する当り用の振分テーブルSPV(図27、図28に示す)を選択する際に参照されるようになっている。また、本実施形態では、振分テーブルT1として、振分テーブルT1−17〜T1−32が設定されており、その一例として振分テーブルT1−17,T1−21を図示している。以下、複数の振分テーブルT1−xx(x:17〜32)をまとめて「振分テーブルT1」と示す場合がある。また、本実施形態では、振分テーブルSPVとして、振分テーブルSPV01〜SPV21,SPV40〜SPV44が設定されており、その一例として振分テーブルSPV03,SPV05,SPV11を図示している。以下、複数の振分テーブルSPVxx(x:01〜21,40〜44)をまとめて「振分テーブルSPV」と示す場合がある。
例えば、大当り抽選が実行されたときの変動パターン振分け状態が状態JAであって、且つ大当り抽選への当選に基づいて決定された大当りが第1の確変15ラウンド大当り(図柄A)であった場合、当該状態において選択し得る振分テーブルT1−17を含む複数の振分テーブルT1の中から1つの振分テーブルT1が選択されるようになっている。一方、大当り抽選が実行されたときの変動パターン振分け状態が状態JAであって、且つ大当り抽選への当選に基づいて決定された大当りが第2の確変15ラウンド大当り(図柄B)であった場合、振分テーブルT1−21を含む複数の振分テーブルT1の中から1つの振分テーブルT1が選択されるようになっている。
そして、選択された振分テーブルT1の中から、振分用乱数R1の値に基づいて、下位バイトを演算する際に参照される当り用の複数の振分テーブルSPVの中から1つの振分テーブルSPVが選択されるようになっている。例えば、振分テーブルT1−17が選択された場合、振分用乱数R1の値に基づいて、変動パターン振分け状態が状態JAとなっているときに第1の確変15ラウンド大当り(図柄A)に当選した際に選択し得る振分テーブルSPV03,SPV05,SPV11を含む複数の振分テーブルSPVの中から1つの振分テーブルSPVが選択されるようになっている。そして、選択された振分テーブルSPVの中から振分用乱数R2の値に基づいて変動パターンが特定される。なお、ここでは図示しないが、状態JB〜JFも前述したようなルールで振分テーブルT1及び振分テーブルSPVが対応付けられている。
次に、大当り抽選に当選しなかった場合における変動パターン算出方法の流れについて図17にしたがって説明する。
図17で説明するように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選しなかった場合、大当り抽選の実行契機となった始動保留球を除く特図保留記憶数毎に異なる変動パターンが選択されるようになっている。さらに、本実施形態では、特図保留記憶数に加え、リーチ判定用乱数L1の値に応じて異なる判定用テーブルとしてのはずれ用の振分テーブルT2(図23に示す)が選択されるようになっている。振分テーブルT2とは、大当り抽選に当選しなかった際に参照されるテーブルであって、後に詳述する振分テーブルSPP(図29に示す)を選択する際に参照されるようになっている。なお、以降の説明では、振分テーブルT1,T2を合わせて「振分テーブルT」と示す場合がある。また、本実施形態では、振分テーブルT2として、振分テーブルT2−01〜T2−16が設定されており、その一例として振分テーブルT2−01,T2−11,T2−16を図示している。以下、複数の振分テーブルT2−xx(x:01〜16)をまとめて「振分テーブルT2」と示す場合がある。また、本実施形態では、振分テーブルSPPとして、振分テーブルSPP22〜39,SPP45が設定されており、その一例として振分テーブルSPP22,SPP31,SPP37,SPP38,SPP45を図示している。以下、複数の振分テーブルSPPxx(x:22〜39,45)をまとめて「振分テーブルSPP」と示す場合がある。
例えば、大当り抽選の実行契機となった始動保留球を除く特図保留記憶数の値が「1」であるとともにリーチ判定用乱数L1の値が「0」であって、且つリーチ判定用乱数L2の値が「3」であった場合、振分テーブルT2−16が選択されるようになっている。
そして、選択された振分テーブルT2の中から、振分用乱数R1の値に基づいて、下位バイトを演算する際に参照される複数の振分テーブルSPP(はずれ用)の中から1つの振分テーブルSPPが選択されるようになっている。例えば、振分テーブルT2−16が選択された場合、振分用乱数R1の値に基づいて、振分テーブルSPP21,SPP31,SPP37、及びSPP38のうちいずれか1つが選択されるようになっている。そして、選択された振分テーブルSPPの中から振分用乱数R2の値に基づいて変動パターンが特定される。なお、以降の説明では、振分テーブルSPP,SPVを合わせて「振分テーブルSP」と示す場合がある。なお、ここでは図示しないが、特図保留記憶数が「2」又は「3」の場合も、前述したようなルールで振分テーブルT2及び振分テーブルSPPが対応付けられている。
図18は、大当り抽選に当選した場合に、メインCPU30aが現在の変動パターン振分け状態を把握する際に参照する第1の振分状態決定テーブルを示す。
図18に示す第1の振分状態決定テーブルでは、確変フラグの値及び作動フラグの値に基づいて現在の変動パターン振分け状態と現在の変動パターン振分け状態を特定するための第1のオフセット値が特定されるようになっている。
具体的には、確変フラグに「00H」が設定されているとともに、作動フラグに「00H」が設定されている場合、変動パターン振分け状態として「状態JA」が特定される。なお、状態JAとは、「低確+変短なし」となる通常モード又は「低確+変短なし」となる変短なしの高確示唆モード中の変動パターン振分け状態とされている。そして、状態JAは、通常状態中、及び非確変15ラウンド大当り(図柄H)に当選し、大当り遊技終了後100回の図柄変動ゲームが終了した後に作り出される。また、変動パターン振分け状態が「状態JA」となっていることを特定する第1のオフセット値として「00H」(10進数:0)が設定されている。
また、確変フラグに「00H」が設定されているとともに、作動フラグに「01H」が設定されている場合、変動パターン振分け状態として「状態JB」が特定される。なお、状態JBとは、「低確+変短あり」となる変短ありの高確示唆モード中の変動パターン振分け状態とされている。そして、状態JBは、非確変15ラウンド大当り(図柄H)に当選することによって作り出される。また、変動パターン振分け状態が「状態JB」となっていることを特定する第1のオフセット値として「05H」(10進数:5)が設定されている。
また、確変フラグに「01H」が設定されている場合、変動パターン振分け状態として「状態JC」が特定される。なお、状態JCとは、「高確+変短なし」となる通常モード又は「高確+変短なし」となる変短なしの高確示唆モード中の変動パターン振分け状態とされている。そして、状態JCは、「低確+変短なし」の状態で第2の確変2ラウンド大当り(図柄G)に当選することによって作り出される。また、変動パターン振分け状態が「状態JC」となっていることを特定する第1のオフセット値として「0AH」(10進数:10)が設定されている。
また、確変フラグに「02H」が設定されているとともに、作動フラグに「00H」が設定されている場合、変動パターン振分け状態として「状態JC」が特定される。ちなみに、当該変動パターン振分け状態は、100回変短付き確変15ラウンド大当り(図柄C)に当選し、大当り遊技終了後100回の図柄変動ゲームが終了した後に作り出される。また、変動パターン振分け状態が「状態JC」となっていることを特定する第1のオフセット値として「0AH」が設定されている。
また、確変フラグに「02H」が設定されているとともに、作動フラグに「01H」が設定されている場合、変動パターン振分け状態として「状態JD」が特定される。なお、状態JDとは、「高確+変短ありG1」となる変短ありの高確示唆モード中の変動パターン振分け状態とされている。そして、状態JDは、第2の確変15ラウンド大当り(図柄B)又は100回変短付き確変15ラウンド大当り(図柄C)に当選することによって作り出される。さらに、状態JDは、「低確+変短あり」の状態、又は「高確+変短ありG1」の状態で第1の確変2ラウンド大当り(図柄F)に当選することによっても作り出される。また、状態JDは、「低確+変短あり」の状態、「高確+変短なし」の状態、又は「高確+変短ありG1」の状態で第2の確変2ラウンド大当り(図柄G)に当選することによっても作り出される。また、変動パターン振分け状態が「状態JD」となっていることを特定する第1のオフセット値として「0FH」(10進数:15)が設定されている。
また、確変フラグに「03H」が設定されているとともに、作動フラグに「01H」が設定されている場合、変動パターン振分け状態として「状態JE」が特定される。なお、状態JEとは、「高確+変短ありG2」となる第1の高確確定モード中の変動パターン振分け状態とされている。そして、状態JEは、第1の確変15ラウンド大当り(図柄A)に当選することによって作り出される。また、状態JEは、「低確+変短なし」の状態、「高確+変短なし」の状態、又は「高確+変短ありG2」の状態で第1の確変2ラウンド大当り(図柄F)に当選することによっても作り出される。さらに、状態JEは、「高確+変短ありG2」の状態で第2の確変2ラウンド大当り(図柄G)に当選することによっても作り出される。また、変動パターン振分け状態が「状態JE」となっていることを特定する第1のオフセット値として「14H」(10進数:20)が設定されている。
また、確変フラグに「04H」が設定されているとともに、作動フラグに「01H」が設定されている場合、変動パターン振分け状態として「状態JF」が特定される。なお、状態JFとは、「高確+変短なしG3」となる第2の高確確定モード中の変動パターン振分け状態とされている。そして、状態JFは、第3の確変15ラウンド大当り(図柄D)又は特別確変15ラウンド大当り(図柄E)に当選することによって作り出される。また、状態JFは、「高確+変短ありG3」の状態で確変2ラウンド大当り(図柄F,G)に当選することによっても作り出される。また、変動パターン振分け状態が「状態JF」となっていることを特定する第1のオフセット値として「19H」(10進数:25)が設定されている。
図19は、メインCPU30aが現在の変動パターン振分け状態に基づいて振分テーブルT1を選択する際に参照する判定テーブル群としての第1振分テーブルを示す。
図19に示す第1振分テーブルでは、選択可能な振分テーブルT1が、変動パターン振分け状態毎に設定されている。例えば、状態JAには、選択可能な振分テーブルT1として、振分テーブルT1−21,T1−17,T1−25,T1−29,T1−30が振り分けられている。また、状態JBには、選択可能な振分テーブルT1として、振分テーブルT1−21,T1−17,T1−26,T1−30が振り分けられている。このように、第1振分テーブルでは、変動パターン振分け状態同士で比較した場合、同一の振分テーブルT1が対応付けられている場合がある(例えば、「状態JA」及び「状態JB」における振分テーブルT1−21)。また、1つの変動パターン振分け状態内においても同一の振分テーブルT1が対応付けられている場合がある(例えば、「状態JB」における振分テーブルT1−30)。
図20(a),(b)は、メインCPU30aが、第1振分テーブル(図19)の中から1つの振分テーブルT1を選択するために参照する第2のオフセット値を算出するために用いる特図種別データテーブルである。
図20(a),(b)で示す特図種別データテーブルでは、今回の大当り抽選への当選に基づいて決定された大当りの種類を特定する第3のオフセット値と、第3のオフセット値に対応する第2のオフセット値が対応付けられている。具体的には、当選した大当りが非確変15ラウンド大当り(図柄H)であった場合、第3のオフセット値として「0」が対応付けられているとともに、当選した大当りが第1の確変15ラウンド大当り(図柄A)であった場合、第3のオフセット値として「1」が対応付けられている。また、当選した大当りが第2の確変15ラウンド大当り(図柄B)であった場合、第3のオフセット値として「2」が対応付けられているとともに、当選した大当りが100回変短付き確変15ラウンド大当り(図柄C)であった場合、第3のオフセット値として「3」が対応付けられている。また、当選した大当りが第3の確変15ラウンド大当り(図柄D)であった場合、第3のオフセット値として「4」が対応付けられているとともに、当選した大当りが特別確変15ラウンド大当り(図柄E)であった場合、第3のオフセット値として「5」が対応付けられている。
なお、当選した大当りが第1の確変2ラウンド大当り(図柄F)であった場合、当該大当りに当選したことにより生起される遊技状態に応じて異なる第3のオフセット値が設定される。具体的には、「低確+変短なし」の状態で第1の確変2ラウンド大当りに当選し、遊技状態が「高確+変短ありG2」となる場合(F−1と示す)、第3のオフセット値として「6」が対応付けられている。また、「低確+変短あり」の状態で第1の確変2ラウンド大当りに当選し、遊技状態が「高確+変短ありG1」となる場合(F−2と示す)、第3のオフセット値として「7」が対応付けられている。また、「高確+変短なし」の状態で第1の確変2ラウンド大当りに当選し、遊技状態が「高確+変短ありG2」となる場合(F−3と示す)、第3のオフセット値として「8」が対応付けられている。また、「高確+変短ありG1」の状態で第1の確変2ラウンド大当りに当選し、遊技状態が「高確+変短ありG1」となる場合(F−4と示す)、第3のオフセット値として「9」が対応付けられている。また、「高確+変短ありG2」の状態で第1の確変2ラウンド大当りに当選し、遊技状態が「高確+変短ありG2」となる場合(F−5と示す)、第3のオフセット値として「10」が対応付けられている。また、「高確+変短ありG3」の状態で第1の確変2ラウンド大当りに当選し、遊技状態が「高確+変短ありG3」となる場合(F−6と示す)、第3のオフセット値として「11」が対応付けられている。
同様に、当選した大当りが第2の確変2ラウンド大当り(図柄G)であった場合も、当該大当りに当選したことにより生起される遊技状態に応じて異なる第3のオフセット値が設定される。具体的には、「低確+変短なし」の状態で第2の確変2ラウンド大当りに当選し、遊技状態が「高確+変短なし」となる場合(G−1と示す)、第3のオフセット値として「12」が対応付けられている。また、「低確+変短あり」の状態で第2の確変2ラウンド大当りに当選し、遊技状態が「高確+変短ありG1」となる場合(G−2と示す)、第3のオフセット値として「13」が対応付けられている。また、「高確+変短なし」の状態で第2の確変2ラウンド大当りに当選し、遊技状態が「高確+変短ありG1」となる場合(G−3と示す)、第3のオフセット値として「14」が対応付けられている。また、「高確+変短ありG1」の状態で第2の確変2ラウンド大当りに当選し、遊技状態が「高確+変短ありG1」となる場合(G−4と示す)、第3のオフセット値として「15」が対応付けられている。また、「高確+変短ありG2」の状態で第2の確変2ラウンド大当りに当選し、遊技状態が「高確+変短ありG2」となる場合(G−5と示す)、第3のオフセット値として「16」が対応付けられている。また、「高確+変短ありG3」の状態で第2の確変2ラウンド大当りに当選し、遊技状態が「高確+変短ありG3」となる場合(G−6と示す)、第3のオフセット値として「17」が対応付けられている。
そして、これらの第3のオフセット値「0」〜「17」の値は、第2のオフセット値に対応付けられている。なお、特図種別データテーブル(図20)における第2のオフセット値は、第1振分テーブル(図19)において変動パターン振分け状態別に設定された判定テーブル群としての振分テーブル群の中から1つの振分テーブルT1を選択するために参照される値である。そして、第1振分テーブル(図19)では、5つの振分テーブルT1で1つの振分テーブル群が構成されているので、第2のオフセット値の取り得る値は、「00H」〜「04H」の5種類に設定されている。つまり、第2のオフセット値によって、1つの振分テーブル群において先頭から何番目のデータを抽出するかが特定される。
そして、第3のオフセット値「0」,「2」〜「4」には第2のオフセット値「00H」が対応付けられるとともに、第3のオフセット値「1」には第2のオフセット値「01H」が対応付けられている。また、第3のオフセット値「5」には第2のオフセット値「02H」が対応付けられるとともに、第3のオフセット値「6」〜「11」には第2のオフセット値「03H」が対応付けられている。また、第3のオフセット値「12」〜「17」には第2のオフセット値「04H」が対応付けられている。つまり、各確変2ラウンド大当りに当選した場合、当該大当りに当選した時の遊技状態に拘らず、同一の振分テーブルT1が選択されることになる。
そして、第1振分テーブル(図19)おいて、変動パターン振分け状態を特定する第1のオフセット値に基づいて振分テーブル群が特定され、振分テーブル群の中から、第3のオフセット値に基づいて決定された第2のオフセット値に応じて、1つの振分テーブルT1が特定されることになる。なお、図18に示した第1のオフセット値は、第1振分テーブル(図19)において、各変動パターン振分け状態の先頭に設定された振分テーブルT1に対応している。したがって、例えば、第1のオフセット値が「14H」である場合、「14H」を10進数で表すと「20」となるので、先頭から20個オフセットした21番目のデータ(変動パターン振分け状態JE)が特定される。そして、第2のオフセット値(図20)に基づいて特定した変動パターン振分け状態に分類される振分テーブルT1のうち1つの振分テーブルT1が特定される。
一方、図21(a),(b)は、大当り抽選に当選しなかった場合、メインCPU30aが振分テーブルT2を選択する際に参照する第2の振分状態決定テーブルを示す。
図21(a),(b)に示す第2の振分状態決定テーブルでは、確変フラグの値、作動フラグの値、及び特図保留記憶数に基づいて、選択判定値としてのリーチ判定オフセット値、はずれ選択判定値としての変動選択オフセット値、及び判定回数が特定されるようになっている。なお、リーチ判定オフセット値とは、大当り抽選に当選しなかった場合に振分テーブルT2の中から一の振分テーブルT2を選択するために参照する値である。また、変動選択オフセット値とは、はずれリーチ演出の実行否が決定された場合に、はずれ演出用の振分テーブルT2を特定するために参照する値である。また、判定回数は、リーチ判定の実行回数である。
具体的には、第2の振分状態決定テーブルは、作動フラグに「01H」が設定されているか否かに応じて大別されるようになっている。作動フラグに「00H」が設定されている場合には、図21(a)に示す第2の振分状態決定テーブルが参照され、作動フラグに「01H」が設定されている場合には、図21(b)に示す第2の振分状態決定テーブルが参照されるようになっている。そして、図21(a)に示す第2の振分状態決定テーブルでは、さらに確変フラグが「00H」か否かに応じて大別されるようになっている。例えば、確変フラグに「00H」が設定されているとともに、特図保留記憶数が「0」,「1」である場合、リーチ判定オフセット値として「00H」が、変動選択オフセット値として「00H」が、判定回数として「4回」が特定される。また、確変フラグに「01H」が設定されているとともに、特図保留記憶数が「0」,「1」である場合、リーチ判定オフセット値として「03H」が、変動選択オフセット値として「00H」が、判定回数として「4回」が特定される。
一方、図21(b)に示す第2の振分状態決定テーブルでは、特図保留記憶数の値は関与せず、確変フラグの値に応じて大別されるようになっている。例えば、確変フラグに「00H」,「01H」が設定されている場合、リーチ判定オフセット値として「06H」が、変動選択オフセット値として「03H」が、判定回数として「4回」が特定される。また、確変フラグに「04H」が設定されている場合、リーチ判定オフセット値として「09H」が、変動選択オフセット値として「05H」が、判定回数として「1回」が特定される。
図22(a)〜(e)は、メインCPU30aが現在の抽選確率状態及び特図保留記憶数に基づいてリーチ判定を実行する際に参照するリーチテーブルとしてのリーチ判定テーブルを示す。
図22(a)〜(e)に示すリーチ判定テーブルでは、リーチ判定用乱数L1の値を振分けたブロック単位で、1つのデータ群が構築されている。1つのデータ群は、リーチ判定オフセット値(00H〜09H)に対応しており、振分テーブルT2を特定するために用いられる。そして、1つのデータ群では、リーチ判定用乱数L1の値と比較する比較順序にしたがって設定された1つの振分データDC(抽出値)に対して、選択可能な振分テーブルT2を特定する第4のオフセット値(特定値)が1つ対応付けられており、1つのデータ群には合計8個のデータが設定されている。
例えば、図22(b)に示すデータ群では、比較順序が1番目となる振分データDCとしての「1」は、「1個」のリーチ判定用乱数L1の値(0)を示す。また、比較順序が2番目となる振分データDCとしての「2」は、「1個」のリーチ判定用乱数L1の値(1)を示す。また、比較順序が3番目となる振分データDCとしての「6」は、「4個」のリーチ判定用乱数L1の値(2〜5)を示す。また、比較順序が4番目となる振分データDCとしての「23」は、「17個」のリーチ判定用乱数L1の値(6〜22)を示す。
また、図22(b)に示すデータ群では、振分データDCとしての「1」には第4のオフセット値として「15」が対応付けて格納されているとともに、振分データDCとしての「2」には第4のオフセット値として「12」が対応付けて格納されている。また、振分データDCとしての「6」には第4のオフセット値として「11」が対応付けて格納されているとともに、振分データDCとしての「23」には第4のオフセット値として「10」が対応付けて格納されている。
なお、振分データDCは、メインCPU30aが、振分テーブルSPPを選択する際に取得したリーチ判定用乱数L1の値と比較するためのデータであって、振分テーブルSPP選択用の判定値となる。そして、リーチ判定テーブルでは、リーチ判定オフセット値に応じてデータ群が特定され、第2の振分状態決定テーブル(図21)で決定された判定回数内でリーチ判定が実行され、取得したリーチ判定用乱数L1が含まれる振分データDCに対応付けられている第4のオフセット値が選択されることになる。以下同様に、残りのリーチ判定オフセット値に対応するデータ群にもそれぞれ設定されている。
図23は、メインCPU30aが第4のオフセット値に基づいて振分テーブルT2を選択する際に参照する第2振分テーブルを示す。
図23に示す第2振分テーブルでは、振分テーブルT2−01〜T2−16が設定されている。そして、第4のオフセット値「0」〜「15」が、振分テーブルT2−01〜T2−16にそれぞれ対応している。このように、図23に示す第2振分テーブルでは、はずれ変動用の振分テーブルT2−01〜T2−09に設定された第4のオフセット値(「0」〜「8」)が、図21(a),(b)で変動選択オフセット値として設定されていた値「00H」〜「08H」に対応している。一方、図23に示す第2振分テーブルでは、はずれリーチ変動用の振分テーブルT2−10〜T2−16に設定された第4のオフセット値(9〜15)が、図22においてはずれリーチ変動用の振分テーブルを特定する第4のオフセット値(「9」〜「15」)に対応している。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、振分用乱数R1の値を振分けたブロック(データ群)単位で、図25及び図26に示す振分テーブルT1(当り用)と振分テーブルT2(はずれ用)が構築されている。振分テーブルT1,T2は、変動パターンを選択するためのブロックを特定するとともに、その変動パターンに対応する変動パターン特定用のデータ値を特定するために用いるテーブルでもある。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、振分テーブルT1から特定されたブロックから一の変動パターンを特定するために用いる図27及び図28に示す振分テーブルSPVが構築されている。振分テーブルSPVは、ブロック毎に1つ構築され、ROM30bには複数の振分テーブルSPVが記憶されている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、はずれ用の振分テーブルとして、振分テーブルT2から特定されたブロックから一の変動パターンを特定するとともに、その変動パターンに対応する変動パターン特定用のデータ値を特定するために用いる図29に示す振分テーブルSPPが構築されている。そして、振分テーブルSPPは、ブロック毎に1つ構築され、ROM30bには複数の振分テーブルSPPが格納されている。
以下、ROM30bに記憶された振分けテーブルT1,T2,SPV,SPPについて、図24〜図29にしたがって詳しく説明する。
本実施形態における当り用の振分テーブルT1(又ははずれ用の振分テーブルT2)は前述したブロック単位で構築されている。そして、各振分テーブルT1(又は振分テーブルT2)には、図24(a)に示すように、抽出値としての振分データDAと、下位バイトを演算して算出する際に用いる第2の演算データがとしての第5のオフセット値とが格納されている。加えて、各振分テーブルT1(又は振分テーブルT2)には、図24(a)に示すように、上位バイトを特定する際に用いる第1の演算データとしての第6のオフセット値と、振分テーブルSPV(又は振分テーブルSPP)のアドレス(アドレス値)が格納されている。振分テーブルT1(又は振分テーブルT2)の振分データDAは、メインCPU30aが、振分テーブルSPV(又は振分テーブルSPP)を選択する際に取得した振分用乱数R1の値と比較するためのデータであって、振分テーブルSPV(又は振分テーブルSPP)選択用の判定値となる。そして、振分テーブルT1(又は振分テーブルT2)には、メインCPU30aが、振分用乱数R1の値と比較する比較順序にしたがって振分データDAが格納されている。また、振分テーブルSPV(又は振分テーブルSPP)アドレスは、振分テーブルT1(又は振分テーブルT2)から特定される振分テーブルSPV(振分テーブルSPP)の読み出しアドレスを示すデータであり、テーブル特定用のデータ値となる。つまり、振分用乱数R1の値に応じて振分テーブルSPV(又は振分テーブルSPP)が振分られていることになる。
また、本実施形態において、当り用の振分テーブルSPV(又ははずれ用の振分テーブルSPP)には、図24(b)に示すように、第2の抽出値としての振分データDBが格納されている。振分テーブルSPV(又は振分テーブルSPP)の振分データDBは、メインCPU30aが、変動パターンを選択する際に取得した振分用乱数R2の値と比較するためのデータであって、変動パターン選択用の判定値となる。そして、振分テーブルSPV(又は振分テーブルSPP)には、メインCPU30aが、振分用乱数R2の値と比較する比較順序にしたがって振分データDBが格納されている。本実施形態では、第2の抽出値の区分けが振分データDBとなる。
なお、振分テーブルSPV(又は振分テーブルSPP)には、振分データDBが対応付けられているだけであって、変動パターン指定コマンドが直接対応付けられているわけではない。その一方で、振分テーブルSPV(又は振分テーブルSPP)は、選択し得る変動パターンの種類や、後に詳述する下位バイトを算出するために使用する第7のオフセット値を特定するテーブルでもある。そして、振分テーブルSPV(又は振分テーブルSPP)では、1つの振分データDBに対して1つの下位バイトが特定されるようになっており、1つの振分テーブルSPV(又は振分テーブルSPP)において振分データDB毎に下位バイトが序列されるようになっている。さらに、第5のオフセット値によって、振分テーブルSPにおいて比較順序が1番目に設定された振分データDBで特定される先頭の下位バイトも特定可能となっている。
図25(a)は、本実施形態の振分テーブルT1のうち、図19に示す「状態JA」における大当り図柄としての図柄Aに対応するブロックで構築した振分テーブルT1−17を示す。
図25(a)に示す振分テーブルT1−17に格納した振分データDAは、ブロック毎に振分けた振分用乱数R1の値に対応付けられている。例えば、比較順序が1番目となる振分データDAとしての「16」は、「16個」の振分用乱数R1の値(0〜15)を示す。また、比較順序が2番目となる振分データDAとしての「24」は、「8個」の振分用乱数R1の値(16〜23)を示す。また、比較順序が3番目となる振分データDAとしての「32」は、「8個」の振分用乱数R1の値(24〜31)を示す。同様に、振分用乱数R1が所定個数ずつ振分けられることにより、振分テーブルT1−17には、22個の振分データDAが格納されるようになっている。なお、振分データDAは、各ブロックに振分けた振分用乱数R1の個数の累積値となっている。このため、図25(a)に示す例では、比較順序が1番目の振分データDAが振分用乱数R1の個数「16」に対応して「16」となり、比較順序が2番目の振分データDAが振分用乱数R1の個数「8」に「16」を加算して「24」となる。
また、図25(a)に示す振分テーブルT1−17には、各振分データDAに対応させて振分テーブルSPVのアドレスが格納されている。例えば、振分データDAとしての「16」には振分テーブルSPV01のアドレスが対応付けて格納されているとともに、振分データDAとしての「24」には振分テーブルSPV02のアドレスが対応付けて格納されている。また、図25(a)において、比較順序が1番目〜9番目となる振分データDAには、同一の第6のオフセット値(「5」)が対応付けられているとともに、比較順序が10番目〜13番目となる振分データDAには、同一の第6のオフセット値(「6」)が対応付けられている。比較順序が14番目〜17番目となる振分データDAには、同一の第6のオフセット値(「7」)が対応付けられているとともに、比較順序が18番目〜21番目となる振分データDAには、同一の第6のオフセット値(「8」)が対応付けられている。また、比較順序が22番目となる振分データには第6のオフセット値「9」が対応付けられている。
以下同様に、図25(b)に示す振分テーブルT1−21についても、図25(a)に示す振分テーブルT1−17と同様のルールに基づいて、振分データDA、第5のオフセット値、第6のオフセット値、及び振分テーブルSPVのアドレスが設定されている。そして、振分テーブルT1−21及び振分テーブルT1−17では、同一の振分テーブルSPVが対応付けられている場合もある(例えば、振分テーブルSPV03)。また、1つの振分テーブルT1内において、同一の振分テーブルSPVが複数対応付けられている場合もある(例えば、振分テーブルSPV01)。また、同一の第6のオフセット値が対応付けられたブロックでは、同一の振分テーブルSPVが対応付けられていないが、異なる第6のオフセット値が対応付けられたブロックでは、同一の振分テーブルSPVが対応付けられている場合もある。なお、ここでは図示しないが、状態JB〜状態JFに応じてもそれぞれ振分テーブルT1及び振分テーブルSPVが対応付けられている。
図26(a)は、振分テーブルT2−01を示す。
図26(a)に示す振分テーブルT2−01に格納した振分データDAは、ブロック毎に振分けた振分用乱数R1の値に対応付けられている。例えば、比較順序が1番目となる振分データDAとしての「237」は、「237個」の振分用乱数R1の値(0〜236)を示す。また、比較順序が2番目となる振分データDAとしての「241」は、「4個」の振分用乱数R1の値(237〜240)を示す。このようにして、振分テーブルT2−01には、振分用乱数R1の値に応じて2個の振分データDAが格納されるようになっている。なお、振分データDAは、各ブロックに振分けた振分用乱数R1の個数の累積値となっている。このため、図26(a)に示す例では、比較順序が1番目の振分データDAが振分用乱数R1の個数「237」に対応して「237」となり、比較順序が2番目の振分データDAが振分用乱数R1の個数「4」に「237」を加算して「241」となる。
また、図26(a)に示す振分テーブルT2−01には、各振分データDAに対応させて振分テーブルSPPのアドレスが格納されている。例えば、振分データDAとしての「237」には振分テーブルSPP22のアドレスが対応付けて格納されているとともに、振分データDAとしての「241」には振分テーブルSPP45のアドレスが対応付けて格納されている。また、図26(a)において、比較順序が1番目〜2番目となる振分データDAには、第6のオフセット値として「0」が対応付けられている。
以下同様に、図26(b)に示す振分テーブルT2−11及び図26(c)に示す振分テーブルT2−16についても、図26(a)に示す振分テーブルT2−01と同様のルールに基づいて、振分データDA、第5のオフセット値、第6のオフセット値、及び振分テーブルSPPのアドレスが設定されている。振分テーブルT2−11と振分テーブルT2−16では、同一の振分テーブルSPPが対応付けられている場合もある(例えば、振分テーブルSPP31)。また、1つの振分テーブルT2内において、同一の振分テーブルSPPが複数対応付けられている場合もある(例えば、振分テーブルSPP31)。また、同一の第6のオフセット値が対応付けられたブロックでは、同一の振分テーブルSPPが対応付けられていないが、異なる第6のオフセット値が対応付けられたブロックでは、同一の振分テーブルSPPが対応付けられている場合もある。
本実施形態では、振分テーブルT2−01〜T2−09が、リーチ演出を実行しないはずれ変動用の判定テーブルとなる一方で、振分テーブルT2−10〜T2−16が、リーチ演出を実行するはずれリーチ変動用の判定テーブルとなり、より詳しくは、振分テーブルT2−16は、擬似連はずれリーチ演出用の判定テーブルとなる。そして、はずれ変動用の判定テーブルには、はずれ変動用の変動パターンを特定する振分テーブルSPPばかりが対応付けられているとともに、はずれリーチ変動用の判定テーブルには、はずれリーチ変動用の変動パターンを特定する振分テーブルSPPばかりが対応付けられている。
図27(a)は、本実施形態の振分テーブルSPVのうち、振分テーブルT1−17(図25(a))及び振分テーブルT1−21(図25(b))から読み出されるように共通化された振分テーブルSPV03を示す。また、図27(b)は、振分テーブルT1−17(図25(a))及び振分テーブルT1−21(図25(b))から読み出されるように共通化された振分テーブルSPV05を示す。また、図28(a)は、本実施形態の振分テーブルSPVのうち、図25(a)に示す振分テーブルT1−17の振分データDAとしての「241」に対応付けた振分テーブルSPV11を示す。また、図28(b)は、本実施形態の振分テーブルSPVのうち、図25(b)に示す振分テーブルT1−21の振分データDAとしての「241」に対応付けた振分テーブルSPV17を示す。
図27(a)に示す振分テーブルSPV03には、当該振分テーブルSPV03から選択可能な変動パターンに対応する振分データDBが、メインCPU30aによって振分用乱数R2の値と比較される比較順序にしたがって格納されている。なお、振分テーブルSPV03を用いて変動パターンを特定するメインCPU30aは、上から順に振分用乱数R2の値と振分データDBを比較する。
具体的に言えば、振分テーブルSPV03において、比較順序が1番目となる振分データDBとしての「5」は、「5個」の振分用乱数R2の値(0〜4)を示す。また、振分テーブルSPV03において、比較順序が2番目となる振分データDBとしての「11」は、「6個」の振分用乱数R2の値(5〜10)を示す。なお、振分データDBは、振分用乱数R2の個数の累積値となっている。このため、図27(a)に示す例では、比較順序が1番目の振分データDBが振分用乱数R2の個数「5」に対応して「5」となり、比較順序が2番目の振分データDBが振分用乱数R2の個数「6」に「5」を加算して「11」となる。
また、振分テーブルSPV03では、振分データDBの比較順序に合わせて、下位バイトを演算するために使用する第1の補正値としての第7のオフセット値が算出されるようになっている。なお、第7のオフセット値は第5のオフセット値に加算されるようになっている。これにより、振分テーブルSPのうち先頭から何番目の振分データDBに対応する下位バイトを特定したら良いかが分かるようになっている。具体的には、比較順序が1番目となる振分データDBとしての「5」には第7のオフセット値として「00H」が、比較順序が2番目となる振分データDBとしての「11」には第7のオフセット値として「01H」が算出されるようになっている。なお、残り8個の振分データにも、比較順序にしたがって「02H」〜「09H」の第7のオフセット値が算出されるようになっている。
また、本実施形態において振分テーブルSPV03は、図25(a),(b)に示すように、振分データDAとして「32」を含む振分テーブルT1−17と、振分データDAとして「33」を含む振分テーブルT1−21のそれぞれで選択可能となっている。すなわち、本実施形態において、前述した両振分テーブルT1のうち何れの振分テーブルT1を選択した場合であっても、変動パターンは同じ振分テーブルSPV(SPV03)から選択されるようになっており、アドレスデータ(振分テーブルSPV)の共通化(共有化)が図られている。
以下同様に、図27(b)、図28(a),(b)に示す振分テーブルSPV05,SPV11,SPV17についても、図27(a)に示す振分テーブルSPV03と同様のルールに基づいて、振分データDBが設定されている。
図29(a)は、本実施形態の振分テーブルSPPのうち、振分テーブルT2−01(図26(a))から読み出される振分テーブルSPP22を示す。また、図29(b)は、振分テーブルT2−11(図26(b))及び振分テーブルT2−16(図26(c))から読み出されるように共通化された振分テーブルSPP31を示す。また、図29(c)は、本実施形態の振分テーブルSPPのうち、図26(c)に示す振分テーブルT2−16の振分データDAとしての「239」に対応付けた振分テーブルSPP37を示す。また、図29(d)は、本実施形態の振分テーブルSPPのうち、図26(c)に示す振分テーブルT2−16の振分データDAとしての「241」に対応付けた振分テーブルSPP38を示す。また、図29(e)は、本実施形態の振分テーブルSPPのうち、図26(a)に示す振分テーブルT2−01の振分データDAとしての「241」に対応付けた振分テーブルSPP45を示す。
図29(a)に示す振分テーブルSPP22には、当該振分テーブルSPP22から選択可能な変動パターンに対応する振分データDBが、メインCPU30aによって振分用乱数R2の値と比較される比較順序にしたがって格納されている。
具体的に言えば、振分テーブルSPP22において、比較順序が1番目となる振分データDBとしての「212」は、「212個」の振分用乱数R2の値(0〜211)を示す。また、振分テーブルSPP22において、比較順序が2番目となる振分データDBとしての「223」は、「11個」の振分用乱数R2の値(212〜222)を示す。なお、振分データDBは、振分用乱数R2の個数の累積値となっている。このため、図29(a)に示す例では、比較順序が1番目の振分データDBが振分用乱数R2の個数「212」に対応して「212」となり、比較順序が2番目の振分データDBが振分用乱数R2の個数「11」に「212」を加算して「223」となる。
また、振分テーブルSPP22では、振分データDBの比較順序に合わせて第7のオフセット値が算出されるようになっている。具体的には、比較順序が1番目となる振分データDBとしての「212」には第7のオフセット値として「00H」が、比較順序が2番目となる振分データDBとしての「223」には第7のオフセット値として「01H」が算出されるようになっている。
以下同様に、図29(b)〜(d)に示す振分テーブルSPP31,SPP37,SPP38についても、図29(a)に示す振分テーブルSPP22と同様のルールに基づいて、振分データDBが設定されている。
図29(e)に示す振分テーブルSPP45には、当該振分テーブルSPP45から選択可能な変動パターンに対応する振分データDBが、メインCPU30aによって振分用乱数R2の値と比較される比較順序にしたがって格納されている。
なお、振分テーブルSPでは、取得した振分用乱数R2の値が、振分データDB未満であるか否かによって第5のオフセット値に加算される値(第7のオフセット値)が変化する。また、振分テーブルSPPによっては、変動パターン指定コマンドの下位バイトが連番ではなく、規則性を持たずに設定されている場合もある。このような場合、振分テーブルSPPから正しい振分データDBを抽出できなくなってしまう。具体的に言えば、変動パターンP7(擬似2ガセ:80H06H)が選択された場合(第5のオフセット値「2」となっている)、振分テーブルSPP45において、変動パターンP7を指定する変動パターン指定コマンドの下位バイトに対応する振分データDBの比較順序を2番目としたとする。この場合、下位バイトが「06H」であるにもかかわらず、第5のオフセット値「2」に第7のオフセット値として「02H」が加算されることで「04H」となり、下位バイトとしての「06H」を特定できなくなってしまう。また、選択すべき振分データDBを抽出するための手法として、比較順序が2番目〜4番目となる振分データDBにおいて、比較順序が1番目の振分データDBと同一の「30」を設定する方法も考えられる。そして、振分用乱数R2と振分データDBとの比較を4回実行することにより、下位バイトとしての「06H」を特定することも可能である。しかしながら、下位バイトとしての「06H」を特定するために、比較順序が1番目となる振分データDBとしての「30」と同一の3つの振分データDBを余分に設定しなければならないため、データ容量の圧迫に繋がることになる。したがって、本実施形態では、1回の判定で所望の振分データDBを特定できるように設定している。
このようなことから、本実施形態では、振分テーブルSP内で特定される下位バイトが連番となっていない場合、比較順序が若い振分データDBで特定される下位バイトから下にスライドさせたい分だけ振分用乱数R2に加算した値を、補正用の振分データDBとして設定している。この補正用の振分データDBは、メインCPU30aが、振分用乱数R2の値と比較しても、その比較結果として振分データDBとして格納した数値よりも補正用の振分用乱数R2の値が小さいと判断し得ない値によって構成されている(例えば「245」など)。
上記の説明のもとで、図29(e)に示す振分テーブルSPP45では、比較順序が1番目となる振分データDBとして「30」を設定し、比較順序が2番目となる補正用の振分データDBとして「243」を設定し、比較順序が3番目となる振分データDBとして「239」を設定している。なお、振分テーブルSPP45において、比較順序が1番目となる振分データDBとしての「30」は、「30個」の振分用乱数R2の値(0〜29)を示す。また、振分テーブルSPP45において、比較順序が2番目となる振分データDBとしての「243」は、振分データDBが設定されているだけであって、実際に振分用乱数R2の値が対応付けられているわけではない。また、振分テーブルSPP45において、比較順序が3番目となる振分データDBとしての「239」は、「209個」の振分用乱数R2の値(30〜238)を示す。なお、振分データDBは、振分用乱数R2の個数の累積値となっている。このため、図29(e)に示す例では、比較順序が1番目の振分データDBが振分用乱数R2の個数「30」に対応して「30」となり、比較順序が3番目の振分データDBが振分用乱数R2の個数「209」に「30」を加算して「239」となる。
このような構成により、メインCPU30aが、振分テーブルSPP45を用いて下位バイトを演算する場合、振分用乱数R2の値として「40」を抽出しているとすると、1番目に格納されている振分データDB「30」は振分用乱数R2の値よりも小さくないので選択すべき振分データDBと判断しない。また、メインCPU30aは、2番目に格納されている振分データDB「243」は振分用乱数R2として選択し得ない値なので選択すべき振分データDBと判断せず、3番目に格納されている振分データDBとしての「239」と振分用乱数R2の値「40」を比較する。そして、メインCPU30aは、振分データDBとしての「239」よりも振分用乱数R2の値「40」が小さいので、当該振分データDBに基づいて第7のオフセット値を算出することになる。
具体的には、比較順序が1番目となる振分データDBとしての「30」には第7のオフセット値として「00H」が、比較順序が2番目となる振分データDBとしての「243」には第7のオフセット値として「03H」が算出されるようになっている。また、比較順序が3番目となる振分データDBとしての「239」には第7のオフセット値として「04H」が算出されるようになっている。
このように共通化した振分テーブルTを用いて変動パターンを特定する場合であっても、振分テーブルTに格納する振分データDAを変動パターンに応じて格納しておけば、それぞれの変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドを算出し得る。
したがって、例えば、本実施形態において共通化されたアドレスデータSPV03で特定される振分テーブルSPV03は、振分データDAとして「32」を含む振分テーブルT1−17から読み出された場合と、振分データDAとして「124」を含む振分テーブルT1−17から読み出された場合とで、異なる変動パターンと対応していることになる。
以下、本実施形態においてメインCPU30aが、大当り抽選に当選した際に大当り演出用の図柄変動ゲームを実行させる場合の処理として、振分テーブルT1及び振分テーブルSPVを用いて実行する特別図柄大当り設定処理について、図30に示すフローチャートにしたがって説明する。
特別図柄大当り設定処理においてメインCPU30aは、RAM30cに設定した確変フラグの値を読み出し、読み出した値が「01H」と一致するか否かを判定する(ステップS11)。当該判定結果が肯定(「01H」と一致した)の場合、次に、メインCPU30aは、確変フラグを+01H(1加算)したものをオフセット値とする(ステップS12)。そして、メインCPU30aは、当該オフセット値を加算値とする(ステップS13)。続いて、メインCPU30aは、ステップS12で算出したオフセット値を2倍し(ステップS14)、さらに、メインCPU30aは、ステップS13で算出したオフセット値を2倍する(ステップS15)。そして、メインCPU30aは、ステップS15で算出したオフセット値とステップ13で算出した加算値を加算し、これを第1のオフセット値とする(ステップS16、図18)。
すなわち、メインCPU30aは、図18において、確変フラグが「01H」となる場合には、変短状態が付与されていないので、確変フラグのみの値に基づいて、変動パターン振分け状態を決定することになる。そして、メインCPU30aは、図19において先頭から10個オフセットした11番目のデータ(変動パターン振分け状態JC)を特定するために、ステップS11〜S16に示すような処理を実行している。
一方、ステップS11の判定結果が否定(「01H」と一致しない)の場合、次に、メインCPU30aは、作動フラグの値を読み出すとともに、確変フラグの値と作動フラグの値を加算し、これをオフセット値とする(ステップS17)。その後、メインCPU30aは、ステップS13に移行する。すなわち、メインCPU30aは、図18において、確変フラグが「01H」以外の値である場合、作動フラグが「00H」又は「01H」のいずれかとなっている。したがって、確変フラグと作動フラグの値に基づいて、変動パターン振分け状態を決定することになる。そして、メインCPU30aは、図19において各変動パターン振分け状態の先頭のデータを特定するために、ステップS11〜S17に示すような処理を実行していることになる。
続いて、メインCPU30aは、ステップS16で算出した第1のオフセット値と、大当りの種類を参照して算出した第2のオフセット値、及び第3のオフセット値(図20(a),(b))に基づいて、図19に示す第1振分テーブルの中から1つの振分テーブルT1を特定する(ステップS18)。
例えば、第1の確変15ラウンド大当り(図柄A)に当選したことによって第1の高確確定モードが設定されている場合は、確変フラグに「03H」が設定されているとともに、作動フラグに「01H」が設定されている。したがって、ステップS16の処理において第1のオフセット値として「14H」が特定されるとともに、変動パターン振分け状態として状態JEが特定される(図19)。そして、状態JEとなっているときに非確変15ラウンド大当りに当選したとすると、第3のオフセット値として「0」が算出されるとともに(図20(a))、第2のオフセット値として「00H」が算出されるため(図20(b))、ステップS18の処理では、振分テーブルT1−23が選択されることになる(図19)。
その後、メインCPU30aは、特定した振分テーブルT1を用いて変動パターン決定処理(ステップ19)、当り変動用の変動時間テーブルアドレスのセット(ステップS20)、特別図柄タイマ設定処理(ステップS21)、及び変動開始コマンド設定処理を実行した後(ステップS22)、特別図柄大当り設定処理を終了する。なお、変動パターン決定処理(ステップS19)、特別図柄タイマ設定処理(ステップS21)、及び変動開始時コマンド設定処理(ステップS22)については、後に詳述する。
次に、本実施形態においてメインCPU30aが、大当り抽選に当選しなかった際にはずれリーチ演出用の図柄変動ゲーム又ははずれ演出用の図柄変動ゲームを実行させる場合の処理として、振分テーブルT2及び振分テーブルSPPを用いて実行する特別図柄はずれ設定処理について、図31,図32に示すフローチャートにしたがって説明する。
特別図柄はずれ設定処理においてメインCPU30aは、作動フラグの値を読み出し、読み出した値が「01H」と一致するか否か、即ち、変短状態が付与されているか否かを判定する(ステップS101)。当該判定結果が否定(「01H」と一致しない)の場合、次に、メインCPU30aは、確変フラグの値を読み出し、読み出した値と「01H」を比較する(ステップS102)。そして、メインCPU30aは、比較の結果、確変フラグの値が「01H」以上の場合には、Cフラグ(キャリーフラグ)を「0」とする。一方、メインCPU30aは、比較の結果、確変フラグの値が「01H」未満の場合、すなわち、確変フラグの値が「00H」の場合には、Cフラグを「1」とする。
その後、メインCPU30aは、ステップS103において、リーチ判定オフセット値に「00H」をセットし、続いて、Cフラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS104)。ステップS104の判定結果が否定(Cフラグに「0」が設定されている)の場合、メインCPU30aは、リーチ判定オフセット値に「03H」をセットする(ステップS105)。続いて、メインCPU30aは、減算後の特図保留記憶数を読み出し、これを判定データとする(ステップS106)。一方、ステップS104の判定結果が肯定(Cフラグに「1」が設定されている)の場合、メインCPU30aは、ステップS106に移行する。
そして、メインCPU30aは、リーチ判定オフセット値に加算する加算値として「02H」をセットし(ステップS107)、読み出した判定データと、上限数(本実施形態では4)まで始動保留球が記憶されている状態で図柄変動ゲームを実行するために1減算した後の値である保留記憶数(03H)とを比較する(ステップS108)。そして、メインCPU30aは、比較の結果、判定データが「03H」と一致した場合には、Cフラグ(キャリーフラグ)を「0」とする。一方、メインCPU30aは、比較の結果、判定データが「03H」と一致しなかった場合には、Cフラグを「1」とする。その後、メインCPU30aは、Cフラグに「0」が設定されているか否かを判定する(ステップS109)。ステップS109の判定結果が否定(Cフラグに「1」が設定されている)の場合、即ち、減算後の特図保留記憶数が「3」と一致しなかった場合、メインCPU30aは、加算値を−01H(1減算)する(ステップS110)。
続いて、メインCPU30aは、判定データが減算後の特図保留記憶数「2」と一致するか否かを比較するために、判定データと「02H」とを比較する(ステップS111)。そして、メインCPU30aは、比較の結果、判定データが「02H」と一致した場合には、Zフラグを「1」とする。一方、メインCPU30aは、比較の結果、判定データが「02H」よりも小さい場合には、Zフラグを「0」とする。その後、メインCPU30aは、Zフラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS112)。ステップS112の判定結果が否定(Zフラグに「0」が設定されている)の場合、即ち、減算後の特図保留記憶数が「0」,「1」である場合、メインCPU30aは、加算値を−01H(1減算)する(ステップS113)。そして、メインCPU30aは、リーチ判定オフセット値と加算値を加算し、当該値を以降の判定で用いるリーチ判定オフセット値として設定する(ステップS114)。一方、メインCPU30aは、ステップS109の判定結果が肯定(Cフラグに「0」が設定されている)の場合、即ち、減算後の特図保留記憶数が「3」である場合、及びステップS112の判定結果が肯定(Zフラグに「1」が設定されている)の場合、即ち、減算後の特図保留記憶数が「2」である場合、ステップS114に移行する。その後、メインCPU30aは、ステップS129(図32に示す)へ移行する。なお、メインCPU30aは、ステップS107、ステップS110、又はステップS113の処理で算出した加算値を、そのまま変動オフセット値として設定することになる。
このような処理を実行することにより、メインCPU30aは、変短状態が付与されていない場合において、確変状態の有無及び特図保留記憶数に基づいてリーチ判定オフセット値を算出することができる(図21(a))。例えば、「低確+変短なし」の状態で第2の確変2ラウンド大当り(図柄G)に当選したことによって変短なし時の高確示唆モードが設定されている場合は、確変フラグに「01H」が設定されているとともに、作動フラグに「00H」が設定されている(図18)。そして、この状態において特図保留記憶数が「2」であるとすると、ステップS114の処理において、最終的なリーチ判定オフセット値として、「00H」+「03H」+「02H」−「01H」により、「04H」が算出されることになる。
一方、ステップS101の判定結果が肯定(作動フラグに「01H」が設定されている)の場合、次に、メインCPU30aは、確変フラグの値を読み出し、当該値をフラグデータとして取得する(ステップS115)。その後、メインCPU30aは、加算値として「03H」をセットするとともに(ステップS116)、リーチ判定オフセット値として「06H」を設定する(ステップS117)。
次に、メインCPU30aは、ステップS115で取得したフラグデータ(確変フラグの値)と確変フラグの値「02H」を比較する(ステップS118)。そして、メインCPU30aは、比較の結果、確変フラグの値が「02H」以上の場合には、Cフラグを「0」とする。一方、メインCPU30aは、比較の結果、確変フラグの値が「00H」又は「01H」である場合には、Cフラグを「1」とする。
その後、メインCPU30aは、Cフラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS119)。ステップS119の判定結果が否定(Cフラグに「0」が設定されている)の場合、メインCPU30aは、ステップS120において、リーチ判定オフセット値に「07H」をセットする。そして、メインCPU30aは、フラグデータと「02H」が一致するか否かを判定し(ステップS121)、ステップS121の判定結果が否定の場合(フラグデータと「02H」が一致しない)、加算値を+01H(1加算)して「04H」とする(ステップS122)。それとともに、メインCPU30aは、リーチ判定オフセット値を+01H(1加算)して「08H」とする(ステップS123)。その後、メインCPU30aは、ステップS115で取得したフラグデータと確変フラグの値「03H」を比較する(ステップS124)。
その後、メインCPU30aは、フラグデータと「03H」が一致するか否かを判定する(ステップS125)。ステップS125の判定結果が否定(フラグデータと「03H」が一致しない)の場合、メインCPU30aは、加算値を+01H(1加算)して「05H」とした後(ステップS126)、リーチ判定オフセット値を+01H(1加算)して「09H」とする(ステップS127)。その後、メインCPU30aは、図21(b)で示すように、確変フラグが「04H」となっている場合には、判定回数として「1回」を強制的に設定する(ステップS128)。そして、メインCPU30aは、ステップS116、ステップS122、又はステップS126の処理で算出した加算値を、そのまま変動選択オフセット値としてセットする。なお、メインCPU30aは、ステップS119の判定結果が肯定(Cフラグに「1」が設定されている)の場合、ステップS121の判定結果が肯定(フラグデータと「02H」が一致)の場合、及びステップS125の判定結果が肯定(フラグデータと「03H」が一致)の場合は、図21に示したように、判定回数として「4回」を設定した後、ステップS129に移行する。
なお、メインCPU30aは、ステップS129において、リーチ判定オフセット値に基づいてリーチ判定テーブルを特定する(リーチ判定テーブルのアドレスをセットする)ようになっている。また、ステップS129以降は、変短状態が付与されているか(作動フラグに「01H」が設定されているか)否かを問わず、同一の処理が実行されるようになっている。
次に、メインCPU30aは、リーチ判定用乱数L1と算出されたアドレスの内容(振分データDC)を比較する(ステップS130)。このステップS130の処理により、メインCPU30aは、まず、ROM30bにおけるリーチ判定テーブルの格納領域の先頭(+0000H)に格納されている振分テーブルT2の振分データDCを読み出し、その振分データDCとリーチ判定用乱数L1の値を比較する。この比較は、振分データDCのデータ値(例えば「2」など)を上限とし、そのデータ値よりも取得したリーチ判定用乱数L1の値を示すデータ値が小さいか否かによって行われる。そして、メインCPU30aは、比較の結果、振分データDCのデータ値よりもリーチ判定用乱数L1の値を示すデータ値の方が小さい場合には、Cフラグを「1」とする。一方、メインCPU30aは、比較の結果、振分データDCのデータ値よりもリーチ判定用乱数L1の値を示すデータ値の方が小さくない場合(すなわち、大きい場合及び一致する場合)には、Cフラグを「0」とする。
その後、メインCPU30aは、第4のオフセット値のアドレスを設定するために、算出されたアドレスを+0001H(1加算)し(ステップS131)、Cフラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS132)。ステップS132の判定結果が否定(Cフラグに「0」が設定されている)の場合、メインCPU30aは、算出されたアドレスを+0001H(1加算)した後(ステップS133)、判定回数を1減算する(ステップS134)。そして、メインCPU30aは、減算後の判定回数が0回であるか否かを判定し、当該判定結果が肯定(0回)である場合には、ステップS107、ステップS110、ステップS113、ステップS116、ステップS122、又はステップS126の処理で算出した加算値でもある変動選択オフセット値に基づいて、はずれ変動用の振分テーブルT2のアドレスをセットする(ステップS137)。一方、ステップS134の判定結果が否定(0回ではない)の場合、メインCPU30aは、ステップS130の処理に戻る。このステップS134の処理により、メインCPU30aは、リーチ判定テーブルの格納領域に格納されている次の判定テーブルの振分データDCとリーチ判定用乱数L1の値とを比較する準備を行う。メインCPU30aは、ステップS134の判定結果が肯定になる迄、すなわち判定回数が0回となる迄、又は判定回数内に振分データDCよりもリーチ判定用乱数L1のデータ値が小さくなるまで、ステップS130〜ステップS134の処理を繰り返す。
これにより、ステップS128で設定された判定回数(1回)又は4回以内に、振分データDCのデータ値よりもリーチ判定用乱数L1の値を示すデータ値の方が小さくならなければ、予め算出した変動選択オフセット値で特定されるはずれ変動用の判定テーブルが選択されることになる。
また、ステップS132の判定結果が肯定(Cフラグに「1」が設定されている)の場合、即ち、振分データDCのデータ値よりもリーチ判定用乱数L1の値を示すデータ値の方が小さい場合、メインCPU30aは、取得したリーチ判定用乱数L2の値が、「06H」と一致するか否かを判定する(ステップS135)。ステップS135の判定結果が肯定(「06H」と一致する)の場合、メインCPU30aは、図22に示すように、リーチ判定テーブルにおいて振分データDCに対応付けられた第4のオフセット値が、0FH(10進数:15)と一致するか否かを判定する(ステップS136)。なお、「0FH」は、振分テーブルT2−16に対応する第4のオフセット値であり、さらに、振分テーブルT2−16に設定されている振分テーブルSPP21,SPP31,SPP37,SPP38は、「擬似連はずれリーチ」の変動パターンを特定するテーブルである。したがって、振分テーブルT2−16は、擬似連はずれリーチ用の振分テーブルとなる。
そして、ステップS136の判定結果が肯定の場合(0FHと一致する)、メインCPU30aは、ステップS107、ステップS110、ステップS113、ステップS116、ステップS122、又はステップS126の処理で算出した加算値でもある変動選択オフセット値に基づいて、はずれ変動用の振分テーブルT2のアドレスをセットする(ステップS137)。これにより、以降の処理では、取得した第4のオフセット値「0FH」で特定される振分テーブルT2−16ではなく、ステップS107、ステップS110、ステップS113、ステップS116、ステップS122、又はステップS126の処理で算出した加算値でもある変動選択オフセット値で特定されるはずれ変動用の振分テーブルT2が選択されることになる(ステップS137)。
その後、メインCPU30aは、特定した振分テーブルT2を用いて変動パターン決定処理(ステップ19)、はずれ変動用の変動時間テーブルアドレスのセット(ステップS20)、特別図柄タイマ設定処理(ステップS21)、及び変動開始コマンド設定処理を実行した後(ステップS22)、特別図柄はずれ設定処理を終了する。
一方、ステップS135の判定結果が否定(「6」と一致せず)の場合、即ち、リーチ判定用乱数L2の値が「0」〜「5」のいずれかである場合、及びステップS136の判定結果が否定(第4のオフセット値が「0FH」と一致しない)の場合、メインCPU30aは、ステップS137でセットした振分テーブルT2のアドレスに基づいてはずれリーチ変動用の振分テーブルT2を選択することになる。つまり、ステップS135の判定結果が否定であれば、第4のオフセット値として「0FH」が選択された場合であっても、当該オフセット値で特定される振分テーブルT2−16(擬似連はずれリーチ)に基づいて変動パターンが特定されることになる。
このように、取得したリーチ判定用乱数L2の値が「0」〜「5」である場合には、第4のオフセット値で特定されるはずれリーチ変動用の振分テーブルT2が選択されるようになっている。また、取得したリーチ判定用乱数L2の値が「6」の場合であっても、リーチ判定用乱数L1の値に基づいて算出した第4のオフセット値が「0FH」ではない場合には、第4のオフセット値で特定されるはずれリーチ変動用の振分テーブルT2が選択されることになる。一方、取得したリーチ判定用乱数L2の値が「6」であって、且つリーチ判定用乱数L1の値に基づいて算出した第4のオフセット値が「0FH」である場合には、第4のオフセット値で特定される擬似連はずれリーチ変動用の振分テーブルT2ではなく、変動選択オフセット値で特定されるはずれ変動用の振分テーブルT2が選択されることになる。
このように、2種類のリーチ判定用乱数L1,L2を使用して選択率を調整することで、擬似連リーチの全体的な出現率を下げることなく、特定の条件が成立したとき(本実施形態ではリーチ判定用乱数L2「6」が選択され、かつ第4のオフセット値が「0FH」であるとき)だけ、擬似連はずれリーチの実行を規制することができる。また、振分テーブルT2−16には、「擬似連はずれリーチ」に対応する振分テーブルSPPしか対応付けていないので、擬似連はずれリーチ演出とその他のリーチ演出との兼ね合いによる全体的な出現率の調整を行う必要がなく、「擬似連はずれリーチ」の出現率の調整を行うだけで済む。本実施形態では、擬似連はずれリーチ演出が特定の演出となる。
次に、本実施形態においてメインCPU30aが、振分テーブルT1,T2及び振分テーブルSPV,SPPを用いて変動パターンを選択する変動パターン決定処理について、図33に示すフローチャートにしたがって説明する。なお、図33に示す変動パターン選択処理は、メインCPU30aが、内部抽選により、当り及びはずれを決定している場合には、その決定後に実行する処理となる。
変動パターン決定処理においてメインCPU30aは、振分用乱数R1をロードする(ステップS201)。すなわち、メインCPU30aは、RAM30cの設定領域から振分用乱数R1の値を読み出し、取得する。次に、メインCPU30aは、ステップS201で取得した振分用乱数R1と振分テーブルTの内容を比較するとともに(ステップS202)、テーブルアドレスを+0001H(1加算)する(ステップS203)。このステップS202の処理により、メインCPU30aは、まず、ROM30bにおける振分テーブルTの格納領域の先頭(+0000H)に格納されている振分テーブルTの振分データDAを読み出し、その振分データDAと振分用乱数R1の値を比較する。この比較は、振分データDAのデータ値(例えば「2」など)を上限とし、そのデータ値よりも取得した振分用乱数R1の値を示すデータ値が小さいか否かによって行われる。そして、メインCPU30aは、比較の結果、振分データDAのデータ値よりも振分用乱数R1の値を示すデータ値の方が小さい場合には、Cフラグを「1」とする。一方、メインCPU30aは、比較の結果、振分データDAのデータ値よりも振分用乱数R1の値を示すデータ値の方が小さくない場合(すなわち、大きい場合及び一致する場合)には、Cフラグを「0」とする。本実施形態においてステップS202の処理でCフラグを「1」とする場合は、選択すべき振分テーブルSPのアドレスデータが格納されている振分テーブルTを確定した場合である。一方、本実施形態においてステップS11の処理でCフラグを「0」とする場合は、選択すべき振分テーブルSPのアドレスデータが格納されている振分テーブルTを確定していない場合である。
次に、メインCPU30aは、Cフラグが「1」であるか否かを判定する(ステップS204)。この判定結果が否定の場合、メインCPU30aは、ステップS205〜S208の処理を実行し、テーブルアドレスを順に+0001H(1加算)するとともに、ステップS208の処理の終了後にステップS202に戻る。このステップS205〜S208の処理により、メインCPU30aは、振分テーブルTの格納領域に格納されている次の振分テーブルTの振分データDAとステップS201で取得した振分用乱数R1の値とを比較する準備を行う。すなわち、ステップS205〜S208の処理後、テーブルアドレスは次の振分テーブルTにおける振分データDAの格納領域を示すことになる。そして、メインCPU30aは、ステップS208の処理の終了後にステップS202の処理に戻ったならば、ステップS202の処理により、次の振分テーブルTの振分データDAと振分用乱数R1の値とを比較し、その比較結果に応じてCフラグを「0」又は「1」とする。メインCPU30aは、ステップS204の判定結果が肯定になる迄、すなわちCフラグを「1」とし、選択すべき振分テーブルSPのアドレスデータが格納されている振分テーブルTを確定できる迄、ステップS202〜ステップS208の処理を繰り返す。
そして、メインCPU30aは、ステップS204の判定結果を肯定とした場合、ステップS209に移行する。ステップS209にてメインCPU30aは、ステップS203によりテーブルアドレスを+0001Hしていることにより、その+0001H後のテーブルアドレスの内容をロードし、その内容を第5のオフセット値とする。図24(a)を参照して詳述すると、変動パターン選択処理の開始時のテーブルアドレスは+0000Hとなっていることから、ステップS203によりテーブルアドレスは+0001Hに書き換えられる。このため、この時点においてステップS204の判定結果が肯定となったならば、テーブルアドレスとしての+0001Hには図24(a)に示すように、変動パターン指定コマンドの下位バイトを演算するために使用する第5のオフセット値を示すデータ値が格納されているので、その内容を第5のオフセット値とする。
次に、メインCPU30aは、テーブルアドレスを+0001H(1加算)するとともに(ステップS210)、加算後のテーブルアドレスの内容をロードし、その内容を第6のオフセット値とする(ステップS211)。すなわち、図24(a)に示すように、振分テーブルTには、第5のオフセット値の次に第6のオフセット値が格納されているので、ステップS210によりテーブルアドレスを+0001Hすれば、その加算後のテーブルアドレスの内容は第6のオフセット値となる。ステップS211においてメインCPU30aは、第6のオフセット値をRAM30cのワークエリアに格納する。
次に、メインCPU30aは、テーブルアドレスを+0001H(1加算)するとともに(ステップS212)、加算後のテーブルアドレスの内容をロードし、その内容を振分テーブルSPのアドレス(下位)とする(ステップS213)。また、メインCPU30aは、テーブルアドレスを+0001H(1加算)するとともに(ステップS214)、加算後のテーブルアドレスの内容をロードし、その内容を振分テーブルSPのアドレス(上位)とし、セットする(ステップS215)。すなわち、図24(a)に示すように、振分テーブルTには、第6のオフセット値の次に振分テーブルSPのアドレスデータが格納されているので、ステップS212,S214によりテーブルアドレスをそれぞれ+0001Hすれば、その加算後のテーブルアドレスの内容は振分テーブルSPのアドレス(上位と下位)となる。
次に、メインCPU30aは、ステップS213で読み出した振分テーブルSPのアドレス(下位)をセットし(ステップS216)、振分テーブルSPの内容をロードする(ステップS217)。ステップS215の処理とステップS216の処理により、振分テーブルSPのアドレスが特定される。また、ステップS217においてメインCPU30aは、RAM30cの設定領域から振分用乱数R2の値を読み出し、当該値を判定データとして取得する。次に、メインCPU30aは、ステップS217で取得した振分用乱数R2の値から、「0F0H」(10進数:240)を減算する(ステップS218)。本実施形態では、図29で説明したように、振分テーブルSPによっては、設定されている振分用乱数R2(0〜238までの全239種類)よりも大きい値(例えば、243など)が、振分テーブルSP内に設定されている場合がある。このため、メインCPU30aは、選択すべき下位バイトを特定するためにステップS218の処理を実行している。そして、メインCPU30aは、ステップS217で取得した振分用乱数R2の値から「0F0H」を減算した値を、加算値とする(ステップS218)。このとき、振分用乱数R2の値が「239」以下であれば、加算値は「0」となり、「240」以上であれば、加算値は「1」以上となる。そして、メインCPU30aは、ステップS218において、振分用乱数R2の値が「239」以下(演算した加算値が「0」)となる場合には、Cフラグに「1」を設定する一方で、振分用乱数R2の値が「240」以上(演算した加算値が「1」以上)となる場合には、Cフラグに「0」を設定する。
そして、メインCPU30aは、ステップS219において、Cフラグに「1」が設定されているか否かを判定し、ステップS219の判定結果が否定(Cフラグに「0」が設定されている)の場合、すなわち、加算値が「1」以上となる場合、テーブルアドレスを+0001H(1加算)する(ステップS220)。それとともに、メインCPU30aは、ステップS218で算出した加算値と第5のオフセット値を加算した値を、以降の処理で使用する第2の処理データとして設定する(ステップS221)。以降、メインCPU30aは、ステップS219が肯定判定されるまで、ステップS217〜S221の処理を繰り返し実行する。
一方、ステップS219の判定結果が肯定(Cフラグに「1」が設定されている)の場合、すなわち、振分用乱数R2の値が「239」以下の場合、メインCPU30aは、振分用乱数R2をロードする(ステップS222)。すなわち、メインCPU30aは、RAM30cの設定領域から振分用乱数R2の値を読み出し、取得する。次に、メインCPU30aは、ステップS222で取得した振分用乱数R2と振分テーブルSPの内容を比較する(ステップS223)。そして、メインCPU30aは、比較の結果、振分データDBのデータ値よりも振分用乱数R2の値を示すデータ値の方が小さい場合には、Cフラグを「1」とする。一方、メインCPU30aは、比較の結果、振分データDBのデータ値よりも振分用乱数R2の値を示すデータ値の方が小さくない場合(すなわち、大きい場合及び一致する場合)には、Cフラグを「0」とする。
次に、メインCPU30aは、Cフラグが「1」であるか否かを判定する(ステップS224)。この判定結果が肯定(Cフラグが「1」である)の場合、メインCPU30aは、変動パターン決定処理を終了する。一方、ステップS224の判定結果が否定(Cフラグが「0」である)の場合、メインCPU30aは、テーブルアドレスを+0001H(1加算)するとともに(ステップS225)、第5のオフセット値を+01H(1加算)し(ステップS226)、ステップS226の処理の終了後にステップS217に戻る。したがって、比較順序が1番目となる振分データDBよりも振分用乱数R2の値を示すデータ値が小さい場合、第7のオフセット値は「00H」となる。そして、比較順序が2番目以降の振分データDBでは、第7のオフセット値は「01H」、「02H」…となる。ただし、振分データDBで特定される下位バイトが連番となっていない場合は、振分データDBから「240」を減算した値が第7のオフセット値として加算される。本実施形態では、第5のオフセット値に第7のオフセット値を加算した値が、第2の処理データとなる。
このステップS222〜S226の処理により、メインCPU30aは、振分テーブルSPの格納領域に格納されている次の振分データDBとステップS222で取得した振分用乱数R2の値とを比較する準備を行う。すなわち、メインCPU30aは、ステップS224の判定結果が肯定になる迄、すなわちCフラグを「1」とし、第5のオフセット値を確定できる迄、ステップS217〜ステップS226の処理を繰り返す。
したがって、このような処理を実行することにより、メインCPU30aは、選択した振分テーブルSPに設定された振分データDBのうち、先頭から何番目の振分データDBに対応付けられた下位バイトを特定すれば良いのかを把握することができる。
次に、変動時間の算出方法について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、変動パターン指定コマンドに加え、変動時間と変動パターンを1対1で対応付けていないため、図柄変動ゲームを開始させる度に変動時間をその都度算出するようになっている。なお、本実施形態において、変動パターンで特定される変動時間は、前述した基本内容(「通常はずれ」、「すべりはずれ」など)の変動時間を特定する基本変動時間と、前述した詳細内容(キャラK9など)の変動時間を特定する詳細変動時間とで構成されている。
図34(a)は、大当り抽選に当選しなかった場合に参照される詳細変動時間設定テーブルとしてのはずれ変動用の変動時間テーブルを示す。
図34(a)に示すはずれ変動用の変動時間テーブルでは、図33のステップS221又は図33のステップS226で算出した第2の処理データ(第5のオフセット値に第7のオフセット値を加算した値)と、詳細変動時間がそれぞれ対応付けられている。
具体的には、38種類の変動時間データD1〜D38が設定されているとともに、各変動時間データには、それぞれ異なる詳細変動時間が対応付けられている。例えば、変動時間データD1には、詳細変動時間として「550」が設定されている一方で、変動時間データD2には、詳細変動時間として「3050」が設定されている。以下、同様に、変動時間データD3〜D38に対しても、それぞれ異なる詳細変動時間が対応付けられている。また、当該はずれ変動用の変動時間テーブルで示す「D1〜D38」の値は、図33のステップS221又は図33のステップS226で算出した第2の処理データと対応している。
一方、図34(b)は、大当り抽選に当選した場合に参照される詳細変動時間設定テーブルとしての当り変動用の変動時間テーブルを示す。
図34(b)に示す当り変動用の変動時間テーブルでは、はずれ変動用の変動時間テーブルと同様に、図33のステップS221又は図33のステップS226で算出した第2の処理データと、詳細変動時間が対応付けられている。
具体的には、175種類の変動時間データD39〜D214が設定されているとともに、各変動時間データには、それぞれ異なる詳細変動時間が対応付けられている。例えば、変動時間データD39には、詳細変動時間として「40075」が設定されている一方で、変動時間データD40には、詳細変動時間として「42209」が設定されている。以下、同様に、変動時間データD41〜D214に対しても、それぞれ異なる詳細変動時間が対応付けられている。また、当該当り変動用の変動時間テーブルで示す「D39〜D214」の値は、図33のステップS221又は図33のステップS226で算出した第2の処理データと対応している。
このように、図34(a)及び図34(b)で示す変動時間テーブルによって、各図柄変動ゲームにおける詳細変動時間が特定されるようになっている。また、詳細変動時間では、「キャラKX(X:数字)」の変動時間、つまり、詳細内容としてのはずれ変動又はリーチ変動の変動時間(当りリーチ変動及びはずれリーチ変動を含む)を特定しており、第2の処理データの値が同一となる変動パターンに関しては、同一の詳細変動時間が対応付けられていることになる(基本変動時間を除く)。
また、当該図柄変動ゲームにおける基本変動時間は、図34(c)に示す基本変動時間設定テーブルとしての特別図柄変動時間算出テーブルに設定されている。
図34(c)に示す特別図柄変動時間算出テーブルでは、図33のステップS211で算出した第6のオフセット値と、基本変動時間が対応付けられている。具体的には、11種類の変動時間データD1−00〜D1−10が設定されているとともに、各変動時間データには、それぞれ異なる基本変動時間が対応付けられている。具体的には、変動時間データD1−00,D1−05,D1−10には、基本変動時間として「0」が設定されている一方で、変動時間データD1−01,D1−06には、基本変動時間として「2134」が設定されている。また、変動時間データD1−02,D1−07には、基本変動時間として「3250」が設定されている一方で、変動時間データD1−03,D1−08には、基本変動時間として「6500」が設定されている。また、変動時間データD1−04,D1−09には、基本変動時間として「9750」が対応付けられている。
つまり、本実施形態では、同一の基本内容(基本変動時間)が対応付けられている変動パターンには、同一の第6のオフセット値が対応付けられているとともに、同一の詳細内容(詳細変動時間)が対応付けられている変動パターンには、第2の処理データの値が同一となるように設定されている。
次に、図30で示した特別図柄大当り設定処理及び図32で示した特別図柄はずれ設定処理におけるステップS21の処理(特別図柄タイマ設定処理)について、図34(a)〜(c)を用いて詳細に説明する。
メインCPU30aは、特別図柄タイマ設定処理において、大当り抽選に当選しなかった場合、図34(a)に示すはずれ変動用の変動時間テーブルを参照する一方で、当り抽選に当選した場合、図34(b)に示す当り変動用の変動時間テーブルを参照する。そして、メインCPU30aは、大当り抽選の抽選結果に応じて図34(a)又は図34(b)に示す変動時間テーブルを設定し、当該テーブルの中から、第2の処理データに基づいて詳細変動時間を決定する。具体的には、メインCPU30aは、図33のステップS221又は図33のステップS226で算出した第2の処理データに基づいて、図34(a)又は図34(b)に示す変動時間テーブルの中から、第2の処理データに対応する変動時間データを特定し、詳細変動時間を算出する。
また、メインCPU30aは、ステップS211で算出した第6のオフセット値に基づいて、図34(c)に示す変動時間テーブルの中から第6のオフセット値に対応する変動時間データを特定し、基本変動時間を算出する。そして、メインCPU30aは、詳細変動時間に基本変動時間を加算した後、本実施形態のパチンコ遊技機10では、1回の制御周期を4msと設定しているため、加算後の値を4倍することで、今回実行させる図柄変動ゲームの変動時間を算出する。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、はずれ変動用の変動時間データとして、変動時間データD1〜D38の38種類を設定しているとともに、当り変動用の変動時間データとして、変動時間データD39〜D214までの175種類を設定しており、詳細変動時間データとしては、214種類設定されていることになる。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、基本変動時間の変動時間を特定する変動時間データとして、変動時間データD1−00〜D1−10の11種類を設定している。これにより、本実施形態における変動時間の組み合わせは、214×11=2354(種類)となる。
そして、本実施形態では、変動パターンP1〜変動パターンP409で示す409種類の変動パターンが設定されており、変動パターンと変動時間を1対1で対応付けると、409通りの変動時間及び変動時間データが必要となる。ところが、本実施形態のような変動時間の算出方法を採用することで、214+11=225(種類)の変動時間及び変動時間データを設定するだけで、409種類全ての変動時間を表すことができる。
なお、本実施形態における変動時間の算出方法は、以下の計算式(1)が成立する場合に有効となる。
{(詳細変動時間の種類+基本変動時間の種類)(合算値)}<変動パターンの数…(1)
次に、図30で示した特別図柄大当り設定処理及び図32で示した特別図柄はずれ設定処理におけるステップS22の処理(変動開始時コマンド設定処理)について、図35を用いて詳細に説明する。
図35は、下位バイトを算出するために参照される変動パターン算出テーブルを示す。
図35に示す変動パターン算出テーブルでは、図33のステップS211で算出した第6のオフセット値に対して、図33のステップS211又は図33のステップS226で算出した第2の処理データから減算する第2の補正値としての補正値がそれぞれ対応付けられている。
具体的には、第6のオフセット値としての「0」には、補正値として「0」が対応付けられているとともに、第6のオフセット値としての「1」には、補正値として「18」が対応付けられている。また、第6のオフセット値としての「2」には、補正値として「20」が対応付けられているとともに、第6のオフセット値としての「3」には、補正値として「22」が対応付けられている。さらに、第6のオフセット値としての「4」には、補正値として「29」が対応付けられているとともに、第6のオフセット値としての「5」には、補正値として「0」が対応付けられている。また、第6のオフセット値としての「6」〜「8」には、補正値として「12」が対応付けられているとともに、第6のオフセット値としての「9」には、補正値として「35」が対応付けられている。また、第6のオフセット値としての「10」には、補正値として「114」が対応付けられている。
なお、図35に対応付けられている補正値は、各上位バイトに合わせた先頭下位バイト「00H」を設定するために用いる補正値である。本実施形態では、「通常はずれ」に分類される変動パターンP1(80H00H)〜P18(80H11H)に設定されている変動内容は、「すべりはずれ」に設定されていない変動内容となっている。そして、「通常はずれ」に分類される変動パターンP19(80H12H)に設定されている変動内容は、「すべりはずれ」では、先頭下位バイト「00H」で特定されるようになっている。したがって、「通常はずれ」に分類される18個分のデータを繰り上げて、「00H」から数えて19番目のデータを上位バイト「81H」における先頭に格納するために、補正値として「18」が設定されていることになる。つまり、「すべりはずれ」に分類される変動パターンP39を、「通常はずれ」に分類される最後の変動パターンP38を特定する変動パターン指定コマンド「80H25H」の次に位置する「80H26H」にすることもできる。ところが、本実施形態では、基本内容毎に上位バイトを異ならせているとともに、詳細内容毎に変動時間を統一しているため、「80H26H」から「すべりはずれ」の変動パターンを特定する変動パターン指定コマンドを設定するのではなく、「81H00H」が「すべりはずれ」の先頭となるように変動パターン指定コマンドを設定している。以下、「擬似連2回はずれ」、「擬似連3回はずれ」、及び「擬似連4回」においても、前述したような理由により、それぞれ補正値が対応付けられている。
同様に、「通常当り」に分類される変動パターンP84(85H00H)〜P95(85H0BH)に設定されている12個の変動内容は、「すべり当り」、「擬似連2回当り」、及び「擬似連3回当り」に設定されていない変動内容となっている。そして、「通常当り」に分類される変動パターンP96(85H0CH)に設定されている変動内容は、「すべり当り」、「擬似連2回当り」、及び「擬似連3回当り」では、先頭下位バイト「00H」で特定されるようになっている。したがって、「通常当り」に分類される12個分のデータを繰り上げて、「00H」から数えて13番目のデータを各上位バイト(「86H」、「87H」、「88H」)における先頭に格納するために、補正値として「12」が設定されていることになる。以下、「擬似連4回」及び「特殊」においても、前述したような理由により、それぞれ補正値が対応付けられている。
そして、メインCPU30aは、変動開始時コマンド設定処理として、ステップS211で算出した第6のオフセット値に基づいて、上位バイトを算出する。具体的には、メインCPU30aは、基準上位バイト「80H」に第6のオフセット値を加算することで、上位バイトを算出する。例えば、算出した第6のオフセット値が「6」であった場合、上位バイトは「86H」となり、算出した第6のオフセット値が「7」であった場合、上位バイトは「87H」となる。
一方、メインCPU30aは、下位バイトを算出する場合、ステップS211で算出した第6のオフセット値に基づいて、変動パターン算出テーブル(図35)から補正値を算出する。そして、メインCPU30aは、図33のステップS221又は図33のステップS226で算出した第2の処理データから、補正値を減算することで、各上位バイトに応じた下位バイトを算出する。本実施形態では、第2の処理データから、補正値を減算した値が、第3の処理データとなる。
これにより、変動パターンと変動パターン指定コマンドを1対1で対応付けなくても、変動パターン指定コマンドを上位バイトと下位バイトに分け、第5のオフセット値及び第6のオフセット値に基づいて上位バイト及び下位バイトをそれぞれ算出することで、今回実行させる図柄変動ゲームの変動内容を特定する変動パターンを指示する変動パターン指定コマンドを逐一作成することができる。これにより、変動パターンに対して変動パターン指定コマンドを1対1で対応付けて記憶している場合に比して、データ容量を圧縮することが可能となる。そして、メインCPU30aは、算出した変動パターン指定コマンドをRAM30cに設定し、所定の制御周期の経過後に、統括制御基板31に出力する。
本実施形態では、基準上位バイト「80H」に第6のオフセット値を加算する処理が、第1の補正処理となり、第5のオフセット値に第7のオフセット値を加算する処理が、第2の補正処理となる。また、第5のオフセット値に第7のオフセット値を加算した値(第2の処理データ)から補正値を減算する処理が、第3の補正処理となる。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10において、変動パターンが選択される態様を、具体例を挙げて説明する。
最初に、大当り抽選に当選した際における変動パターンの選択態様を説明する。
メインCPU30aは、現在の変動パターン振分け状態が状態JAとなっている際に大当り抽選に当選するとともに、大当りの種類を指定する特図振分用乱数として第1の確変15ラウンド大当りを指定する特図振分用乱数を取得したとする。この場合、メインCPU30aは、第1のオフセット値として「00H」を、第3のオフセット値として「1」を、第2のオフセット値として「01H」を算出することになる。そして、メインCPU30aは、第1のオフセット値〜第3のオフセット値に基づいて、振分テーブルとして振分テーブルT1−17を選択することになる(図18、図19、図20(a),(b)、及び図25(a))。
そして、メインCPU30aは、振分用乱数R1として「45」を取得した場合、その乱数値「45」と振分テーブルT1−17の振分データDAを順次比較し、選択する振分テーブルSPVを確定する。すなわち、メインCPU30aは、最初に、振分テーブルT1−17に格納されている先頭の振分データDAとしての「16」と乱数値「45」を比較する。そして、振分用乱数R1としての「45」は、振分データDAとしての「16」より大きい値であるので、次に、比較順序が2番目となる振分データDAとしての「24」と乱数値「45」を比較する。そして、振分用乱数R1としての「45」は、振分データDAとしての「24」よりも大きい値であるので、次に、比較順序が3番目となる振分データDAとしての「32」と乱数値「45」を比較する。そして、振分用乱数R1としての「45」は、振分データDAとしての「32」よりも大きい値であるので、次に、比較順序が4番目となる振分データDAとしての「35」と乱数値「45」を比較する。そして、振分用乱数R1としての「45」は、振分データDAとしての「35」よりも大きい値であるので、次に、比較順序が5番目となる振分データDAとしての「47」と乱数値「45」を比較する。そして、振分用乱数R1としての「45」は、振分データDAとしての「47」よりも小さい値であるので、メインCPU30aは、振分データDAとして「45」を含む振分テーブルT1−17から、振分テーブルSPVとして振分データDA「47」に対応する振分テーブルSPV05を確定する(図27(b))。同時に、メインCPU30aは、第5のオフセット値として「35」を取得するとともに、第6のオフセット値として「5」を取得する。
そして、メインCPU30aは、第6のオフセット値として「5」を取得したので、基準上位バイトとしての「80H」に第6のオフセット値としての「5」を加算することで「85H」とし、これを上位バイトとする。これにより、メインCPU30aは、上位バイトとして、「通常当り」を特定する「85H」を演算により算出したことになる。
続いて、メインCPU30aは、振分用乱数R2として「90」を取得した場合、その乱数値「90」と振分テーブルSPV05(図27(b))の振分データDBを順次比較し、選択する振分データDBを特定する。すなわち、メインCPU30aは、最初に振分テーブルSPV05に格納されている先頭の振分データDBとしての「33」と乱数値「90」を比較する。そして、振分用乱数R2としての「90」は、振分データDBとしての「33」より大きい値であるので、次に、比較順序が2番目となる振分データDBとしての「99」と乱数値「90」を比較する。そして、振分用乱数R2としての「90」は、振分データDBとしての「99」より小さい値であるとともに、振分データDBとしての「99」は、振分テーブルSPV17において、比較順序が先頭から数えて2番目となるように設定されている。したがって、メインCPU30aは、第5のオフセット値としての「35」に、第7のオフセット値としての「01H」を加算して「36」とする(図27(b)、ステップS226)。
さらに、メインCPU30aは、第6のオフセット値「5」に基づいて、変動パターン算出テーブル(図35)の中から補正値「0」を特定し、先ほど算出した「36」から補正値としての「0」を減算することで、「36」とする。なお、「36」を16進法に変換すると「24H」となるので、下位バイトは「24H」となる。これにより、変動パターン指定コマンド「85H24H」が特定される(変動パターンP120(キャラK2当り))。
一方、メインCPU30aが、現在の変動パターン振分け状態が状態JAとなっている際に大当り抽選に当選するとともに、大当りの種類を指定する特図振分用乱数として第1の確変15ラウンド大当りを指定する特図振分用乱数を取得したとする。そして、メインCPU30aが、振分用乱数R1として「185」又は「227」を取得した場合も、振分データDAとして「186」及び「228」を含む振分テーブルT1−17から、振分テーブルSPVとして振分テーブルSPV05を確定する。つまり、振分用乱数R1として「45」を取得した際と同一の振分テーブルSPV05が選択されることになる。ただし、図25(a)に示すように、メインCPU30aは、振分用乱数R1として「185」を取得した場合は、第5のオフセット値として「35」を取得するとともに、第6のオフセット値として「6」を取得する。また、メインCPU30aは、振分用乱数R1として「227」を取得した場合は、第5のオフセット値として「35」を取得するとともに、第6のオフセット値として「8」を取得する。
したがって、メインCPU30aは、第6のオフセット値として「6」を取得した場合、基準上位バイトとしての「80H」に第6のオフセット値としての「6」を加算することで「86H」とし、これを上位バイトとする。これにより、メインCPU30aは、上位バイトとして、「すべり当り」を特定する「86H」を演算により算出したことになる。一方、メインCPU30aは、第6のオフセット値として「8」を取得した場合、基準上位バイトとしての「80H」に第6のオフセット値としての「8」を加算することで「88H」とし、これを上位バイトとする。これにより、メインCPU30aは、上位バイトとして、「擬似3当り」を特定する「88H」を演算により算出したことになる。
また、振分用乱数R1として「185」又は「227」を取得した場合も、振分用乱数R2として、振分用乱数R1として「45」が取得された場合と同様に「90」が取得されたとしても、上位バイトが異なるので、全く別の変動パターン指定コマンドが算出されることになる。具体的には、振分用乱数R1として「185」が取得された場合、変動パターン指定コマンド「86H18H」が特定される。(変動パターンP222(すべり キャラK2当り))。一方、振分用乱数R1として「227」が取得された場合、変動パターン指定コマンド「88H18H」が特定される。(変動パターンP314(擬似3 キャラK2当り))。
また、メインCPU30aは、第2の処理データとしての「36」に基づき、当り変動用の変動時間テーブル(図34(b))から変動時間データとして変動時間データD75(D39+D36)を特定するとともに、詳細変動時間として「31575」を特定する。さらに、メインCPU30aは、第6のオフセット値としての「5」に基づき、特別図柄変動時間算出テーブル(図34(c))から変動時間データとして変動時間データD1−05を特定するとともに、基本変動時間として「0」を特定する。そして、メインCPU30aは、詳細変動時間(31575)に基本変動時間(0)を加算することで、当該図柄変動ゲームの変動時間として、「31575」を算出する。なお、本実施形態では、1回の制御周期を4msと設定しているため、31575×4=1263…=126.3…(秒)が算出される。
また、振分用乱数R1として「185」又は「227」を取得した場合も、メインCPU30aは、第2の処理データとしての「36」に基づき、当り変動用の変動時間テーブル(図34(b))から変動時間データとして変動時間データD75を特定するとともに、詳細変動時間として「31575」を特定する。さらに、メインCPU30aは、振分用乱数R1として「185」を取得した場合は、第6のオフセット値としての「6」に基づき、特別図柄変動時間算出テーブル(図34(c))から変動時間データとして変動時間データD1−06を特定するとともに、基本変動時間として「2134」を特定する。そして、メインCPU30aは、詳細変動時間(31575)に基本変動時間(2134)を加算することで、当該図柄変動ゲームの変動時間として、「33709」を算出する。なお、本実施形態では、1回の制御周期を4msと設定しているため、33709×4=1348…=134.8…(秒)が算出され、変動パターンP120と比較して、「すべり変動」の分(約8.5秒)だけ長くなる。
同様に、メインCPU30aは、振分用乱数R1として「227」を取得した場合は、第6のオフセット値としての「8」に基づき、特別図柄変動時間算出テーブル(図34(c))から変動時間データとして変動時間データD1−08を特定するとともに、基本変動時間として「6500」を特定する。そして、メインCPU30aは、詳細変動時間(31575)に基本変動時間(6500)を加算することで、当該図柄変動ゲームの変動時間として、「38075」を算出する。なお、本実施形態では、1回の制御周期を4msと設定しているため、38075×4=1523…=152.3…(秒)が算出され、変動パターンP120と比較して、「擬似連3回」の分(約26秒)だけ長くなる。
次に、大当り抽選に当選しなかった際における変動パターンの選択態様を説明する。
メインCPU30aは、変短状態及び確変状態が付与されておらず、且つ現在の特図保留記憶数の値が「0」となっているとすると、リーチ判定オフセット値として「00H」を、変動選択オフセット値として「00H」を、判定回数として「4回」をそれぞれ算出する(図21(a)、図31)。そして、メインCPU30aは、リーチ判定テーブル(図22)において、リーチ判定オフセット値としての「00H」で特定されるデータ群を特定することになる(図22(b))。そして、メインCPU30aは、リーチ判定用乱数L1として「0」を取得した場合、その乱数値「0」とデータ群における振分データDCを順次比較し(最大4回)、選択すべき振分テーブルT2に対応する第4のオフセット値を算出する。すなわち、メインCPU30aは、最初に、リーチ判定オフセット値「0」に対応するデータ群に格納されている先頭の振分データDCとしての「1」と乱数値「0」を比較する。そして、メインCPU30aは、振分データDCとしての「1」によって、第4のオフセット値として「15」を取得する(図22(b)、図32)。
また、メインCPU30aは、リーチ判定用乱数L2として「3」を取得したとすると、当該値が「6」ではないので、取得した第4のオフセット値「15」で特定されるはずれリーチ変動用の振分テーブルT2−16を特定する。そして、メインCPU30aは、振分用乱数R1として「239」を取得した場合、その乱数値「239」と振分テーブルT2−16の振分データDAを順次比較し、振分テーブルSPPとして振分テーブルSPP38を確定する(図29(d))。同時に、メインCPU30aは、第5のオフセット値として「29」を取得するとともに、第6のオフセット値として「4」を取得する。
そして、メインCPU30aは、第6のオフセット値として「4」を取得したので、基準上位バイトとしての「80H」に第6のオフセット値としての「4」を加算することで「84H」とし、これを上位バイトとする。これにより、メインCPU30aは、上位バイトとして、「擬似連4回はずれ」を特定する「84H」を演算により算出したことになる。なお、下位バイトの算出方法及び変動時間の算出方法については、前述した大当り抽選に当選した場合と同様の手法で行われるため、ここでは説明を省略する。
また、先に示した例では、リーチ判定用乱数L1として「0」を取得したこととしたが、リーチ判定用乱数L1として、例えば「50」を取得したとする。この場合、図22(b)では、リーチ判定用乱数L1の値と振分データDCの比較回数は最大4回に設定されているが、リーチ判定用乱数L1としての「50」よりも大きい値が設定された振分データDCが、4回以内に選択されないことになる。このため、メインCPU30aは、変動選択オフセット値「00H」で特定されるはずれ変動用の振分テーブルT2−01を特定することになる(図26(a)、図32)。
一方、メインCPU30aが、リーチ判定用乱数L2として「6」を取得したとすると、取得した第4のオフセット値「15」で特定されるはずれリーチ変動用の振分テーブルT2−16ではなく、変動選択オフセット値「00H」で特定されるはずれ変動用の振分テーブルT2−01を特定することになる(図26(a))。そして、メインCPU30aは、振分用乱数R1として「239」を取得した場合、その乱数値「239」と振分テーブルT2−01の振分データDAを順次比較し、振分テーブルSPPとして振分テーブルSPP45を確定する。同時に、メインCPU30aは、第5のオフセット値として「2」を取得するとともに、第6のオフセット値として「0」を取得する。
そして、メインCPU30aは、第6のオフセット値として「0」を取得したので、基準上位バイトとしての「80H」に第6のオフセット値としての「0」を加算することで「80H」とし、これを上位バイトとする。これにより、メインCPU30aは、上位バイトとして、「通常はずれ」を特定する「80H」を演算により算出したことになる。
続いて、メインCPU30aは、振分用乱数R2として「100」を取得した場合、その乱数値「100」と振分テーブルSPP45の振分データDBを順次比較し、選択する振分データDBを特定する。このとき、メインCPU30aは、比較順序が2番目に設定されている振分データDBとしての「243」は、振分用乱数R2として設定されている乱数値の数よりも多いので、243から240を減算した値「3」を第7のオフセット値とし、第5のオフセット値「2」に「3」を加算して「5」とする。さらに、メインCPU30aは、次のアドレスに移行し、比較順序が3番目に設定されている振分データDBとしての「239」を特定する。そして、振分用乱数R2としての「100」は、振分データDBとしての「239」より小さい値であるため、メインCPU30aは、第5のオフセット値としての「5」にさらに1加算して「6」とする(図29(e)、ステップS226)。
さらに、メインCPU30aは、第6のオフセット値「0」に基づいて、変動パターン算出テーブル(図35)の中から補正値「0」を特定し、先ほど算出した「6」から補正値としての「0」を減算することで、「6」とする。なお、「6」を16進法に変換すると「06H」となるので、下位バイトは「06H」となる。これにより、変動パターン指定コマンド「80H06H」が特定される(変動パターンP7(擬似連2回ガセ))。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)メインCPU30aは、基準上位バイト「80H」に対して第6のオフセット値を加算することによって上位バイトを算出する。また、メインCPU30aは、第5のオフセット値に第7のオフセット値を加算し、さらに補正値を減算することで上位バイトに対応した下位バイトを算出する。これにより、変動パターンと変動パターン指定コマンドを予め対応付けて記憶しておかなくても、その都度上位バイトと下位バイトを演算して変動パターン指定コマンドを算出することにより、データ容量の増大を抑制しつつ、演出内容を増加させることができる。
(2)基準上位バイト「80H」に第6のオフセット値を加算するだけで、今回の図柄変動ゲームにおける演出態様を特定する変動パターン指定コマンドの上位バイトを算出することができる。したがって、基準上位バイト「80H」さえ設定されていれば、その他の上位バイトは基準上位バイト「80H」に基づく演算処理だけで算出することができ、主制御基板30における制御容量の圧迫を抑制することができる。
(3)下位バイトも複数種類存在するが、第7のオフセット値を第5のオフセット値に加算することで、特定した振分テーブルSPにおいて比較順序が一番目に設定された振分データDBから数えて何番目の振分データDBに対応する下位バイトかが特定されるので、想定外の下位バイトが選ばれることもない。さらに、加算後の第5のオフセット値から補正値を減算することで上位バイトに対応した下位バイトを算出するので、複数存在する下位バイトの中から今回の図柄変動ゲームを特定する変動パターン指定コマンドを構成する上位バイトに応じた下位バイトを確実に算出することができる。
(4)基本内容が異なるだけで詳細内容が共通化されている変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドにおいて、上位バイト及び下位バイトの整合が図られていない場合であっても、第5のオフセット値の読み出し位置が同一となるように演算できるので、変動パターン指定コマンドを連続した番号で管理することができる。
(5)大当り抽選の抽選確率状態が高確率抽選状態となっているか否か、変短状態が付与されているか否か、及び前回の当りの種類に応じて第1振分テーブル(図19)を設定した。それとともに、大当り抽選への当選によって生起される大当り遊技の種類に基づいて振分テーブルT1が選択されるように設定したので、生起される大当りの種類に応じて適切な変動パターン指定コマンドを設定することができる。
(6)大当り抽選に当選しなかった場合であっても、その都度上位バイトと下位バイトを演算して変動パターン指定コマンドを算出することにより、リーチ判定の判定結果に応じた演出内容を確実に特定することができるとともに、データ容量の増大を抑制しつつ、演出内容を増加させることができる。
(7)特図保留記憶数に応じて振分テーブルT2を設定しているので、大当り判定時の特図保留記憶数に応じて適切な変動パターン指定コマンドを設定することができる。
(8)抽選確率状態が高確率抽選状態となっているか否かに応じて振分テーブルTを設定しているので、大当り判定時の抽選確率状態に応じて適切な変動パターン指定コマンドを設定することができる。また、本実施形態における変動パターンの算出方法を採用すれば、抽選確率状態毎に振分テーブルT2を設けても、データ容量の増大を抑制することができる。
(9)第1振分テーブル(図19)では、変動パターン振分け状態が異なっていたとしても、一部の振分テーブルTを共通化しているので、汎用性を持たせることができ、より一層、記憶領域の削減に貢献し得る。また、振分テーブルSPを共通化したとしても、振分データDBを異ならせることにより、同じ振分テーブルSPを用いて特定される変動パターンの割合を異ならせることができる。
(10)振分テーブルT内又は異なる振分テーブルT間で一部の振分テーブルSPを共通化されているので、より一層、記憶領域の削減に貢献し得る。
(11)変動パターンと変動時間を1対1の関係で対応付けるのではなく、メインCPU30aが、大当り抽選の抽選結果に応じて複数の振分けテーブルTの中から一の振分テーブルTを選択するとともに振分データDAを特定するようにした。この際、メインCPU30aは、振分けデータDAに対応した第6のオフセット値に従って基本変動時間を特定するとともに、振分データDAに対応した第5のオフセット値に従って詳細変動時間を特定し、詳細変動時間に基本変動時間を加算して今回実行する図柄変動ゲームの変動時間を算出する。これにより、変動パターンと変動時間を1対1で対応付けて記憶しておかなくても、当該図柄変動ゲームの変動時間を算出することができるため、データ容量の増大を抑制することができる。
(12)変動パターン指定コマンド及び変動時間を変動パターンに1対1の関係で対応付けるのではなく、その都度演算によって求めるとともに、基本内容が同一の変動パターンを特定する変動パターン指定コマンドについては同一の上位バイトを対応付けた。そして、特定の基準上位バイトから一定値だけオフセットされることで次の上位バイトが特定されるように序列した。これにより、変動時間及び変動パターン指定コマンドを変動パターンに1対1の関係で対応付けなくても済むので、さらにデータ量を圧縮することができる。
(13)また、変動パターン指定コマンド及び変動時間を変動パターンに1対1の関係で対応付けるのではなく、且つ上位バイト及び下位バイトを、その都度演算によって求めるようにすることで、より一層データ量を圧縮することができる。
(14)変動パターン指定コマンドの上位バイトで基本内容が特定できるようにし、特定の演出内容を示す上位バイトが特定されたときだけ、一定確率で特定の演出ではなく通常変動を実行するようにした。これにより、特定の演出の全体の出現率を下げることなくはずれ時に頻繁に出現することを抑制することができ、特定の演出の大当り信頼度を上昇させることができる。
(15)上位バイトを作成する前に、変動パターンの種類を変更することができるので、余分な制御処理を実行しなくて済む。
(16)変動選択オフセット値又は第4のオフセット値によって当該変動用の振分テーブルT2が選択されるので、当該変動に応じた変動パターンを確実に選択することができる。
(17)リーチ判定は、必ず判定回数内で終了するようになっているので、例え誤作動が生じた場合であっても、選択したデータ群から異なるデータ群に処理が移行してしまうという不都合が生じることを抑制することができる。
(18)振分テーブルSPPに振分用乱数R2の数よりも多い値が設定された振分データDBを設定することにより、格納されている振分データDBで特定される下位バイトが連番でない場合であっても、算出すべき下位バイトを確実に算出することができる。
(19)大当り図柄毎(利益の異なる当りの種類毎)に振分テーブルSPVを設けても、振分テーブルSPVの共通化によってデータ容量の増大を抑制することができる。そして、データ容量の増大を抑制しつつ、大当り図柄毎に出現可能な特有の演出を設定することができ、演出のバリエーションを増加させることができる。例えば、確変機能を備えたパチンコ遊技機10において、大当り遊技終了後に確変状態を伴う確変大当り確定の演出を出現させることができる。
(20)ROM30bには振分データDA,DBがそれぞれ記憶されており、この振分データDA,DBの振分け調整によって変動パターンの選択率や振分テーブルSPの選択率を変更することができ、その調整作業が簡便になる。例えば、変動パターンの選択率を調整したい場合には振分データDBを変更すれば良く、変動パターン群(一の振分テーブルSPから選択可能な変動パターンの集合)の選択率を調整したい場合には振分データDAを変更すれば良い。
(21)振分テーブルT2−16には、「擬似連はずれリーチ」に対応する振分テーブルSPPしか対応付けていないので、擬似連はずれリーチ演出とその他のリーチ演出との兼ね合いによる全体的な出現率の調整を行う必要がなく、「擬似連はずれリーチ」の出現率の調整を行うだけで済む。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図36〜図44に基づき説明する。なお、第2の実施形態は、確変状態の有無及び変短状態の有無に応じて遊技状態を設定しており、滞在中の演出モードの種類を考慮していない。そして、確変2ラウンド大当りに当選した場合、前回の大当りの種類(滞在していた演出モードの種類)にかかわらず、移行先の演出モードを統一している点が、第1の実施形態とは異なっている。また、本実施形態では、確変フラグの値、作動フラグの値、及び振分け種別フラグの値に応じて変動パターン振分状態を決定している点が、第1の実施形態とは異なっている。したがって、変動パターン振分状態の決定方法が、第1の実施形態における決定方法とは異なるが、変動パターン指定コマンドの算出方法や変動時間の算出方法などを含むその他の点では、第1の実施形態と同様である。そのため、第1の実施形態と同様の部分については、同一符号を付すことにし、その重複説明を省略する。また、第2の実施形態で設定される変動パターンの種類や、リーチ判定テーブル、振分テーブルT、及び振分けテーブルSPは、第1の実施形態と同一である。なお、振分け種別フラグとは、「確変+変短あり」の状態となっている演出モードの種類に基づいて変動パターン振分状態を決定するために参照するフラグである。
図36及び図37に示すように、本実施形態では、第1の実施形態に定めた大当りと同一の大当りを設定している。そして、本実施形態では、確変状態の有無及び変短状態の有無に応じて遊技状態を設定しており、滞在中の演出モードの種類を考慮していない点が、第1の実施形態とは異なる。したがって、図37に示すように、第1の2ラウンド確変大当りに当選した場合、「高確+変短あり」となっている演出モードの種類にかかわらず、移行先の演出モードを、「高確+変短あり」となっている第1の高確確定モードに統一している。同様に、図37に示すように、第2の2ラウンド確変大当りに当選した場合、「高確+変短あり」となっている演出モードの種類にかかわらず、移行先の演出モードを、「高確+変短あり」となっている高確示唆モードに統一している。
そして、本実施形態では、「当り後の変短」の欄に示す「高確+変短ありG1」は、以下の条件下で作り出されるようになっている。すなわち、「高確+変短ありG1」の状態は、第2の確変15ラウンド大当り(図柄B)又は100回変短付き確変15ラウンド大当り(図柄C)に当選することによって作り出される。また、「高確+変短ありG1」の状態は、「低確+変短あり」、「高確+変短なし」、及び「高確+変短あり」のいずれかの状態で第2の確変2ラウンド大当り(図柄G)に当選することによっても作り出される。
また、図36及び図37における「当り後の変短」の欄に示す「高確+変短ありG2」は、以下の条件下で作り出されるようになっている。すなわち、「高確+変短ありG2」の状態は、第1の確変15ラウンド大当り(図柄A)及び第1の確変2ラウンド大当り(図柄F)のいずれかに当選することによって作り出される。
また、図36及び図37における「当り後の変短」の欄に示す「高確+変短ありG3」は、以下の条件下で作り出されるようになっている。すなわち、「高確+変短ありG3」の状態は、第3の確変15ラウンド大当り(図柄D)又は特別確変15ラウンド大当り(図柄E)に当選することによって作り出される。
そして、本実施形態では、変動パターン振分状態を、確変フラグ、作動フラグ、及び振分け種別フラグの値に応じて決定している。これにより、大当り遊技及び小当り遊技を終了させたメインCPU30aは、確変大当り遊技が付与された場合、確変状態を付与することを示す確変フラグに「01H」を設定することになる。
また、前述したような遊技状態の決定方法を採用したことにより、本実施形態において、統括CPU31aは、演出モードの設定に際し、特別図柄指定コマンドで指示された大当り図柄の種類と、現在の遊技状態(確変状態の有無、変短状態の有無)に係る各指定コマンドと、演出モードフラグの設定値をもとに、演出モードの移行態様を制御することになる。
次に、変動パターン算出方法について説明する。
なお、本実施形態における変動パターン振分け状態とは、確変状態の有無、変短状態の有無、及び「高確+変短あり」となっている場合には、演出モードの種類を加味することによって分類される状態を指している。
したがって、図38に示す第2の実施形態用の第1の振分状態決定テーブルでは、確変フラグの値、作動フラグの値、及び振分け種別フラグの値に基づいて現在の変動パターン振分け状態と現在の変動パターン振分け状態を特定するための第1のオフセット値が特定されるようになっている。
具体的には、確変フラグに「01H」が設定されているとともに、作動フラグに「00H」が設定されている場合、変動パターン振分け状態として「状態JC」が特定される。
また、確変フラグに「01H」が、作動フラグに「01H」が、さらに振分け種別フラグに「01H」が設定されている場合、変動パターン振分け状態として「状態JD」が特定される。また、本実施形態において、状態JDは、第2の確変15ラウンド大当り(図柄B)又は100回変短付き確変15ラウンド大当り(図柄C)に当選することによって作り出される。さらに、状態JDは、「低確+変短あり」の状態、「高確+変短なし」の状態、又は「高確+変短あり」の状態で第2の確変2ラウンド大当り(図柄G)に当選することによっても作り出される。
また、確変フラグに「01H」が、作動フラグに「01H」が、さらに振分け種別フラグに「02H」が設定されている場合、変動パターン振分け状態として「状態JE」が特定される。また、本実施形態において、状態JEは、第1の確変15ラウンド大当り(図柄A)及び第1の確変2ラウンド大当り(図柄F)のいずれかに当選することによって作り出される。
また、確変フラグに「01H」が、作動フラグに「01H」が、さらに振分け種別フラグに「03H」が設定されている場合、変動パターン振分け状態として「状態JF」が特定される。また、本実施形態において、状態JFは、第3の確変15ラウンド大当り(図柄D)又は特別確変15ラウンド大当り(図柄E)に当選することによって作り出される。このように、本実施形態では、確変フラグの値、作動フラグの値、及び振分け種別フラグの値を用いて変動パターン振分状態を決定している点が、第1の実施形態とは異なるが、これらの値に基づいて特定される変動パターン振分状態は、第1の実施形態と同じである。なお、状態JA及び状態JBについては、第1の実施形態と同一であるため、ここでは説明を省略する。
また、図39に示す第2の実施形態用の第1振分テーブルでは、各2ラウンド確変大当りに当選した場合における移行先の演出モードを統一しているので、参照される判定テーブルの種類が、第1の実施形態における第1振分テーブル(図19)と一部異なっている。例えば、状態JBには、選択可能な振分テーブルT1として、振分テーブルT1−21,T1−17,T1−26,T1−32,T1−30が振り分けられている。また、変動パターン振分状態JD,JEに設定される判定テーブルの種類も、2ラウンド確変大当り当選時における移行先の演出モードを統一したことにより、第1の実施形態とは一部異なっている。
同様に、図40(a),(b)に示す特図種別データテーブルでは、各2ラウンド確変大当りに当選した場合における移行先の演出モードを統一しているので、第2のオフセット値及び第3のオフセット値が、第1の実施形態における特図種別データテーブル(図20(a),(b))と一部異なっている。例えば、図40(a),(b)で示す特図種別データテーブルでは、当選した大当りが第1の確変2ラウンド大当り(図柄F)であった場合、第3のオフセット値として「6」が対応付けられている。また、「低確+変短なし」の状態で当選した大当りが第2の確変2ラウンド大当り(図柄G(変短なし))であった場合、第3のオフセット値として「7」が対応付けられている。さらに、「低確+変短あり」、「高確+変短なし」、及び「高確+変短あり」の何れかの状態で当選した大当りが第2の確変2ラウンド大当り(図柄G(変短あり))であった場合、第3のオフセット値として「8」が対応付けられている。
このように、本実施形態では、第1の2ラウンド確変大当りに当選した場合、当選時に滞在していた演出モードの種類に応じて変動パターン振分状態を決定しないので、どの演出モードに滞在していた場合であっても、同一の第2のオフセット値及び第3のオフセット値が算出される。同様に、第2の2ラウンド確変大当りに当選した場合も、「高確+変短あり」となっているどの演出モードに滞在していた場合であっても、同一の第2のオフセット値及び第3のオフセット値が算出される。なお、その他の大当りに当選した場合に設定される第2のオフセット値及び第3のオフセット値は、第1の実施形態における値と同一であるため、ここでは説明を省略する。
また、本実施形態では、確変フラグ、作動フラグ、及び振分け種別フラグを設定したことにより、図41(b)に示す第2の実施形態用の第2の振分状態決定テーブルでは、確変フラグの値、振分け種別フラグの値、作動フラグの値、及び特図保留記憶数に基づいて、リーチ判定オフセット値、変動選択オフセット値、及び判定回数が特定されるようになっている。なお、図41(a)に示す第2の振分状態決定テーブルは、確変フラグの種類が「00H」及び「01H」の2種類となっていること以外は第1の実施形態と同一であるため、ここでは説明を省略する。
そして、図41(b)に示す第2の振分状態決定テーブルでは、例えば、確変フラグに「00H」が設定されている場合、リーチ判定オフセット値として「06H」が、変動選択オフセット値として「03H」が、判定回数として「4回」が特定される。また、確変フラグに「01H」が設定されているとともに振分け種別フラグに「03H」が設定されている場合、リーチ判定オフセット値として「09H」が、変動選択オフセット値として「05H」が、判定回数として「1回」が特定される。
このように、本実施形態では、確変フラグ、作動フラグ、及び振分け種別フラグを設定している。したがって、本実施形態におけるリーチ判定オフセット値、変動選択オフセット値、及び判定回数の算出方法は、第1の実施形態における算出方法とは異なるが、得られる値は、同一である。
以下、本実施形態においてメインCPU30aが実行する特別図柄大当り設定処理について、図42に示すフローチャートにしたがって説明する。
特別図柄大当り設定処理においてメインCPU30aは、RAM30cに設定した確変フラグの値及び作動フラグの値を読み出し、読み出した値が、確変フラグに関しては「01H」かつ作動フラグに関しては「00H」と一致するか否かを判定する(ステップS11a)。当該判定結果が肯定(確変フラグの値「01H」かつ作動フラグの値「00H」)の場合、次に、メインCPU30aは、確変フラグを+01H(1加算)したものをオフセット値とする(ステップS12a)。また、本実施形態では、メインCPU30aは、図38において、確変フラグが「01H」かつ作動フラグが「00H」となる場合には、変短状態が付与されていないので、確変フラグのみの値に基づいて、変動パターン振分け状態を決定することになる。
一方、ステップS11aの判定結果が否定(確変フラグの値「01H」かつ作動フラグの値「00H」ではない)の場合、次に、メインCPU30aは、作動フラグの値及び振分け種別フラグの値を読み出すとともに、確変フラグの値、作動フラグの値、及び振分け種別フラグの値を加算し、これをオフセット値とする(ステップS17a)。すなわち、本実施形態では、確変フラグの値が「00H」の場合、作動フラグが「00H」又は「01H」のいずれかとなっている(図38)。また、確変フラグの値が「01H」の場合であっても、振分け種別フラグとして「01H」〜「03H」のうちいずれか1つの値が設定されている場合、作動フラグの値が「01H」となっている。したがって、確変フラグの値が「01H」かつ作動フラグの値が「00H」ではない場合には、確変フラグ、作動フラグ、及び振分け種別フラグの値に基づいて、変動パターン振分け状態を決定することになる。そして、メインCPU30aは、図30と同じ処理を行う図42に示すステップS13からの処理を実行する。
次に、本実施形態においてメインCPU30aが実行する特別図柄はずれ設定処理について、図43及び図44に示すフローチャートにしたがって説明する。
特別図柄はずれ設定処理においてメインCPU30aは、作動フラグの値を読み出し、読み出した値が「01H」と一致するか否か、即ち、変短状態が付与されているか否かを判定する(ステップS101a)。当該判定結果が否定(「01H」と一致しない)の場合、次に、メインCPU30aは、確変フラグの値を読み出し、読み出した値と「01H」を比較する(ステップS102a)。その後、メインCPU30aは、図31と同じ処理を行う図43に示すステップS103からの処理を実行する。
一方、ステップS101aの判定結果が肯定(作動フラグに「01H」が設定されている)の場合、次に、メインCPU30aは、確変フラグの値及び振分け種別フラグの値を読み出し、これらの値を加算した値をフラグデータとして取得する(ステップS115a)。その後、メインCPU30aは、加算値として「03H」をセットするとともに(ステップS116)、リーチ判定オフセット値として「06H」を設定する(ステップS117)。
次に、メインCPU30aは、ステップS115aで取得したフラグデータ(確変フラグの値と振分け種別フラグの値を加算した値)と確変フラグの値「01H」と振分け種別フラグの値「01H」を加算した値である「02H」を比較する(ステップS118)。そして、メインCPU30aは、比較の結果、確変フラグの値と振分け種別フラグの値を加算した値が「02H」以上の場合には、Cフラグを「0」とする。一方、メインCPU30aは、比較の結果、確変フラグの値と振分け種別フラグの値を加算した値が「00H」である場合には、Cフラグを「1」とする。
その後、メインCPU30aは、Cフラグに「1」が設定されているか否かを判定する(ステップS119)。ステップS119の判定結果が否定(Cフラグに「0」が設定されている)の場合、メインCPU30aは、ステップS120において、リーチ判定オフセット値に「07H」をセットする。そして、メインCPU30aは、フラグデータと「02H」が一致するか否かを判定し(ステップS121)、ステップS121の判定結果が否定の場合(フラグデータと「02H」が一致しない)、加算値を+01H(1加算)して「04H」とする(ステップS122)。それとともに、メインCPU30aは、リーチ判定オフセット値を+01H(1加算)して「08H」とする(ステップS123)。その後、メインCPU30aは、ステップS115で取得したフラグデータと確変フラグの値「01H」と振分け種別フラグの値「02H」を加算した値である「03H」を比較する(ステップS124)。
その後、メインCPU30aは、フラグデータと「03H」が一致するか否かを判定する(ステップS125)。ステップS125の判定結果が否定(フラグデータと「03H」が一致しない)の場合、メインCPU30aは、加算値を+01H(1加算)して「05H」とした後(ステップS126)、リーチ判定オフセット値を+01H(1加算)して「09H」とする(ステップS127)。その後、メインCPU30aは、図41(b)で示すように、確変フラグと振分け種別フラグの値を加算した値が「04H」となっている場合には、判定回数として「1回」を強制的に設定する(ステップS128)。その後、メインCPU30aは、図32と同じ処理を行う図44に示すステップS129からの処理を実行する。
そして、本実施形態においても、メインCPU30aは、第1の実施形態と同じ手順にて、変動パターン指定コマンド及び当該変動パターン指定コマンドで指定される変動パターンに定められる変動時間を算出する。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態に記載の効果(1)〜(21)に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(22)第1の確変2ラウンド大当り(図柄G)に当選した場合における演出モードの移行先を統一した(第1の高確確定モード)。同様に、「低確+変短あり」、「高確+変短なし」、及び「高確+変短あり」となっている状態で第2の確変2ラウンド大当り(図柄F)に当選した場合における演出モードの移行先を統一した(高確示唆モード)。これにより、大当りに当選した際に滞在していた演出モードの種類毎に変動パターン振分け状態を決定する必要がなくなり、ROM30bに係る記憶容量を削減することができる。
(23)確変フラグ、作動フラグ、及び振分け種別フラグの値に応じて、変動パターン振分状態を決定するようにした。これにより、同じ「高確+変短あり」となっている演出モード(第1の高確確定モード、第2の高確確定モード、高確示唆モード)であっても、振分け種別フラグの値に応じて、最適な変動パターンを選択させることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 各実施形態において、変動パターン振分状態を決定する際のフラグの種類を変更しても良い。例えば、第1の実施形態において、確変フラグ、作動フラグ、及び振分け種別フラグの値を参照して変動パターン振分状態を決定しても良く、第2の実施形態において、確変フラグ及び作動フラグの値を参照して変動パターン振分状態を決定しても良い。
・ 各実施形態において、遊技状態(確変状態の有無、変短状態の有無、特図保留記憶数)に応じて振分テーブルTを設定しなくても良い。例えば、特図保留記憶数がどのような値であっても、選択され得る振分テーブルTの種類が同一種類となるように設定しても良い。
・ 各実施形態において、リーチ判定の最大判定回数は、リーチ判定テーブルに設定されているデータ群に格納されている振分データDCと第4のオフセット値のセットと同じ数(4)となるように設定したが、その判定回数は4回に限られない。
・ 各実施形態では、変動選択オフセット値がはずれ変動用の振分テーブルT2を特定するものとしたが、変動選択オフセット値によって、特定のはずれリーチ演出(本実施形態では擬似連はずれリーチ演出)以外のはずれリーチ演出が定められたはずれリーチ変動用の振分テーブルT2が特定されるようにしても良い。
・ 各実施形態では、リーチ判定用乱数L2の値が「6」であって、且つ第4のオフセット値として「15」が選択された場合は、変動選択オフセット値で特定されるはずれ変動用の振分テーブルT2が選択されるようにした。その変更例として、変動選択オフセット値で特定されるはずれ変動用の振分テーブルT2ではなく、メインCPU30aが、新たに選択し得るはずれリーチ変動用の振分テーブル又ははずれ変動用の振分テーブルを決定しても良い。
・ 各実施形態において、リーチ判定用乱数L2を用いたリーチ演出の実行可否判定の当選確率を変更しても良い。
・ 各実施形態において、特定の演出は、擬似連はずれリーチ演出に限られず、その他の大当り信頼度が高く設定されたリーチ演出としても良いし、擬似連はずれリーチ演出の中でも、例えば擬似連4回はずれリーチ演出としても良い。
・ 各実施形態において、はずれ時における特定の演出の出現回数が所定回数を超えた場合に、当該実施形態のような演出の実行可否を決定する制御を行うようにしても良い。
・ 各実施形態において、変動パターンと変動パターン指定コマンドを1対1の関係で対応付けた上で、変動時間のみ、基本変動時間と詳細変動時間に分けて別々に算出するようにしても良い。
・ 各実施形態において、変動パターンと変動時間を1対1の関係で対応付けた上で、上位バイトと下位バイトを別々に算出するようにしても良い。
・ 各実施形態では、複数の上位バイトを設定したが、上位バイトの種類は1種類でも構わない。このような状態で変動時間を算出する場合、例えば、下位バイト「00H」〜「0AH」は、「通常はずれ」を特定する下位バイトとし、「0BH」〜「1FH」は、「すべりはずれ」を特定する下位バイトとして、下位バイトの連続範囲で基本内容が特定できるようにした上で、上記実施形態のような制御を実行して変動時間を算出しても良い。また、下位バイトの連続範囲ではなく、特定の下位バイトには特定の基本内容を特定可能な特定値を対応付けることで、特定値によって基本内容が特定できるようにした上で、上記実施形態のような制御を実行して変動時間を算出しても良い。
・ 各実施形態では、詳細内容を「はずれ変動及びリーチ変動の種類」としたが、リーチ有効ライン数、予告演出の種類、図柄の種類、又は変動形態などとしても良い。
・ 各実施形態において、上位データ算出手段と下位データ算出手段は、別々の手段であっても良い。
・ 各実施形態において、変動パターン指定コマンドの算出に際し、前回の大当りの種類を参照せずに振分テーブルTを選択するようにしても良い。
・ 各実施形態において、振分テーブルSPで振分データDBを規則的に変化させることができれば、格納する振分データDBの種類を変更しても良い。例えば、振分テーブルSPに、振分データDBを+02Hずつ変化させるように振分データDBを格納しても良い。
・ 各実施形態において、各振分テーブルT,SPに対する振分データDA,DBの値を変更しても良い。すなわち、振分テーブルT,SPに対する振分データDA,DBの値を変更することにより、変動パターンの選択率が代わることになる。
・ 各実施形態は、特図と飾図を用いるパチンコ遊技機10に具体化したが、特図のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
・ 各実施形態において、統括制御基板31を省略し、統括制御基板31で実行する処理を表示制御基板32で実行するようにしても良い。また、統括制御基板31と、ランプ制御基板33と、音声制御基板34とを単一の基板で構成しても良い。
・ 各実施形態は、2種類の特別図柄を用いるパチンコ遊技機10に具体化しても良い。この場合、各特別図柄に基づく図柄変動ゲームの変動パターンを共通化し、これらの変動パターンを特定する際に用いる振分テーブルT1,T2,SPP,SPVを共通化すれば、ROM30bに記憶するデータ容量の増大を抑制しつつ、変動パターン数を増加させることができる。これにより、遊技演出のバリエーションを増加させることもできる。
次に、上記各実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記詳細変動時間設定テーブルは、前記大当り抽選の抽選結果に応じて設定されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。
(ロ)図柄変動ゲームの変動時間及び前記図柄変動ゲームが開始してから終了するまでの演出態様を特定し得る変動パターンを複数種類の変動パターンの中から選択し、その選択した変動パターンに基づいて図柄変動ゲームが実行され、前記変動パターンで特定される変動時間が、複数の変動パターンにおいて共通化されている演出態様における基本内容の変動時間を特定する基本変動時間と、当該演出態様における詳細内容の変動時間を特定する詳細変動時間とで構成されているとともに、前記基本変動時間の総数及び前記詳細変動時間の総数の合算値は、前記変動パターンの総数よりも少なくなるように構成されている遊技機において、前記変動パターンを特定する際に用いる抽出値、前記基本変動時間を特定するために用いる第1の演算データ、及び前記詳細変動時間を特定するために用いる第2の演算データが格納された複数の判定テーブルを記憶する判定テーブル記憶手段と、複数の基本変動時間が定められた基本変動時間設定テーブルを記憶する基本変動時間設定テーブル記憶手段と、複数の詳細変動時間が定められた詳細変動時間設定テーブルを記憶する詳細変動時間設定テーブル記憶手段と、今回実行する図柄変動ゲームの変動時間を算出する変動時間算出手段と、前記変動パターンを指示する制御データを構成する上位データを演算処理によって算出する上位データ演算手段と、を備え、前記判定テーブル記憶手段では、同一の基本内容が対応付けられている変動パターンに対しては同一の第1の演算データが特定されるように該第1の演算データを対応付けるとともに、同一の詳細内容が対応付けられている変動パターンに対しては同一の第2の演算データが特定されるように該第2の演算データを対応付けており、前記制御データは、前記演出態様の基本内容を特定する上位データと該上位データとの組み合わせによって前記演出態様の詳細内容を特定する下位データとで構成され、前記基本内容が同一の変動パターンを特定する制御データについては同一の上位データが対応付けられており、前記上位データは、特定の基準上位データを先頭とし、該基準上位データから一定値だけオフセットされることで次の上位データが特定されるように序列され、前記上位データと前記下位データをそれぞれ抽出することで前記制御データが生成されるようになっており、前記上位データ演算手段は、大当りとするか否かの大当り抽選に当選した場合、複数の判定テーブルの中から一の判定テーブルを選択するとともに前記第1の演算データを抽出し、前記基準上位データに対して第1の演算データを用いた第1の補正処理を実行することにより前記上位データを算出する一方で、前記大当り抽選に当選しなかった場合、該大当り抽選に当選しなかった場合に選択し得る複数の判定テーブルの中から一の判定テーブルを選択するために参照する選択判定値を取得し、リーチありのはずれ演出を実行するか否かを決定する際に用いるリーチ判定用乱数の値と前記選択判定値に基づいて複数の判定テーブルの中から一の判定テーブルを選択するとともに前記第1の演算データを抽出し、前記基準上位データに対して第1の演算データを用いた第1の補正処理を実行することにより前記上位データを算出し、前記変動時間算出手段は、大当りか否かを決定する大当り抽選の抽選結果に応じて複数の判定テーブルの中から一の判定テーブルを選択するとともに前記抽出値を特定し、前記抽出値に対応した第2の演算データに従って前記詳細変動時間設定テーブルの中から前記詳細変動時間を特定するとともに、前記抽出値に対応した第1の演算データに従って前記基本変動時間設定テーブルの中から前記基本変動時間を特定し、前記詳細変動時間に前記基本変動時間を加算して今回実行する図柄変動ゲームの変動時間を算出することを特徴とする遊技機。