JP5273349B2 - 超音波検査装置 - Google Patents
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Description
上記特許文献1の検査装置においては、検査手段の前方、斜め前方、側方に超音波振動子が多数配置されている。そして、各超音波振動子のそれぞれの両面には電極が設けられるとともに各電極にはそれぞれ配線が接続されている。この特許文献1の検査装置においては、検査手段の前方から側方にかけて位置する血管内の3次元画像を得られるようになっている。
他方、上記特許文献2の検査装置においては、検査手段の先端側となる半球面に多数の超音波振動子を配置してあり、それによって、各振動子に対して同位相の送信信号を印加するようになっている。
他方、上記特許文献2の検査装置においては、多数の超音波振動子に対して共通の1つの電極を用いているため、各超音波振動子から超音波が同時に発振されるので、受信波が干渉して正確な血管の画像を得ることができないという欠点があった。
そこで、本発明の目的は、小型であって、しかも解像度の高い検査画像を得ることが可能な超音波検査装置を提供することである。
上記駆動電極は、上記センサ部の前方部に軸方向に配置された複数の軸方向電極と、上記前方部の軸心を囲繞する同心円状に配置された複数の環状電極とを備え、また、上記各軸方向電極と各環状電極との各交点の位置に、それら2種類の電極と電気的に接続させて超音波振動子をそれぞれ設けて、各超音波振動子に接続された特定の軸方向電極と環状電極を選択して、それらに接続された超音波振動子に電圧を印加して超音波を発振させるようにし、さらに、上記軸方向電極は、長さが異なる2種類の電極からなり、それら2種類の長さの軸方向電極は円周方向において交互に配置されるとともに、前方部の先端側においては、長さが長い軸方向電極が長さの短い電極よりも先端側に位置するように配置されていることを特徴とするものである。
検査手段3は概略円柱状に形成されており、この検査手段3のセンサ部5の表面側に多数の超音波振動子6が配置されており、これらの超音波振動子6は、信号処理部4からの指令信号により駆動電極7を介して電圧を印加されて超音波を発振するようになっている。また検査手段3の軸部にはガイドワイヤ8が貫通可能な貫通孔3Aが穿設されている。
そして、このように検査手段3を血管内の患部の箇所に挿入した状態において、信号処理部4での制御指令信号に従って所定の順序で特定の駆動電極7を介して超音波振動子6に電圧が印加されて各超音波振動子6から超音波が発振されると、血管の内壁や血栓からの反射波(受信波)が各超音波振動子6によって受信される。そして、各超音波振動子6が受信した反射波は上記信号処理部4によって所要の電気信号に変換されてから上記監視手段に送信されるようになっている。監視手段では信号処理部4から受信した電気信号に基づいて血管内部の3次元検査画像を作成し、これをモニタ等に表示するようになっている。それにより、医師は検査手段3の前方から側面に位置する血管内の状態を診断できるようになっている。
インナーチューブ11の外側には前方側が概略半球状に形成され、後方側が円柱状に形成されたバッキング材14が設けられ、そのバッキング材14の外側には内層側電極15、超音波振動子6、外層側電極16、絶縁層17、音響整合層18の順に積層され、バッキング材14と絶縁層17の間の超音波振動子6がない部分はレジスト材19が埋め込まれている。なお、駆動電極7は内層側電極15と外層側電極16とから構成されている。
上記センサ部5は、概略半球状に形成されて前方側に位置する前方部12と、円柱状に形成されて後方側に位置する後方部13とからなり、それらの全域にわたって多数の超音波振動子6が配列されるとともに、駆動電極7が超音波振動子6と信号処理部4を電気的に接続するように配列されている。
信号処理部4はセンサ部5の後方部13の隣接後方側に配置されており、該信号処理部4とセンサ部5は一体となっており、それらの軸部にわたって上記貫通孔3Aが穿設されている。
すなわち、半球状となった前方部12における表面の形状に沿って、その先端(貫通孔3Aの端部)から軸方向に伸びる複数の軸方向電極Y1〜Y36を設けている。これらの軸方向電極は円周方向における角度の10°毎に配置されており、したがって、前方部12から後方部13にわたって、その表面の円周方向において合計36本の軸方向電極Y1〜Y36が配置されている。各軸方向電極Y1〜Y36の幅と肉厚は同一に設定してあるが、図6に示すように、長さが異なる2種類の軸方向電極を円周方向において順次交互に配置している。
これにより、軸方向電極Y1〜Y36は前方部12の表面においては放射方向に配置された状態となっている。このように、前方部12および後方部13の表面には複数の軸方向電極Y1〜Y36が円周方向において等ピッチで配置されている。
そして、内層側に位置する各軸方向電極Y1〜Y36と外層側に位置する環状電極X1〜X9との各交点の位置に、それら内外の両電極に電気的に接続させてピエゾ素子からなる超音波振動子6がそれぞれ設けられている(図4参照)。
本実施例においては、隣合う各超音波振動子6が隔てた距離は約0.1mmに設定されている。また、前方部12の表面に配置された超音波振動子6の数は合計144個であり、これら144個の振動子が前方部12における半球状の表面に占める面積の割合(占有率)は62%程度になっている。また、後方部13の表面に配置された超音波振動子6の数も144個となっている。
また、図1および図3に示すように、前方部12に配置される各超音波振動子6は放射方向の一直線上に並んで配置されているが、後方部13に設けられる各超音波振動子6は円周方向の幅を前方部12に配置した超音波振動子の約1/4に形成されており、軸方向の後方側に位置するものが順次円周方向に少し位置をずらして配置されている。
また、図5に示すように、環状電極X1は、それから連続して放射方向に伸びる配線Z1を介して信号処理部4が内蔵する第2選択スイッチ4Bに電気的に接続されており、この第2選択スイッチ4Bも制御部4Cからの指令に基づいて駆動されるようになっている。そして、上記配線Z1は環状電極X1〜X9よりも外方に配置されており、環状電極X1以外の環状電極X2〜X9と配線Z1との間には絶縁層が介在させてある。同様に、他の前方部12の環状電極X2〜X5や後方部13の環状電極X6〜X9にも第2選択スイッチ4Bに接続する配線Z2〜Z9(Z6〜Z9は図示しない)がそれぞれ設けられている。また、この図5に示すように、各軸方向電極X1〜X9は全体として円形に形成されているが、円周方向の一箇所を切欠いて円周方向では完全に連続していない。このように、環状電極X1〜X9を円周方向において完全に連続させない理由は、それらに電圧を印加した際に各環状電極X1〜X9から電磁波が放出されるのを抑制するためである。
このように駆動電極7と信号処理部4との間の配線は、前方部12の超音波振動子6の数144個に対し、5本と36本をあわせた41本あれば良く、後方部13の超音波振動子6の数144個分をあわせても9本と36本の合計45本でよいことになる。
すなわち、図示しない制御装置から信号処理部4の制御部4Cに対して各超音波振動子6を駆動させる旨の指令が伝達されると、制御部4Cは、各超音波振動子6毎にそれに接続されている軸方向電極Y1〜Y36と環状電極X1〜X9を特定する。次に制御部4Cは、特定した超音波振動子6に接続されている内外位置の電極を選択して、それらに電圧が印加されるように、第1選択スイッチ4Aと第2選択スイッチ4Bを駆動させる。そして、制御部4Cは特定される超音波振動子6が走査するように第1選択スイッチ4Aと第2選択スイッチ4Bを駆動させるようになっている。
このようにして、環状電極X1〜X9に接続された超音波振動子6から超音波の発振とその後の反射波の受信をするようになっており、さらに、同様の処理を順次繰り返すようになっている。
そして、上述したように環状電極X1〜X9から超音波を発振した後にそれらにより受信された反射波は、受信部4Dを介して図示しない監視手段に伝達されるようになっている。
そして、本実施例においては、特定の超音波振動子6を駆動させるに際しては、該特定の超音波振動子6に接続された内外位置の2種類の電極を選択して特定することで、特定の超音波振動子6に電圧を印加して超音波を発振させることができる。このように、駆動電極7を軸方向電極Y1〜Y36と環状電極X1〜X9によって構成し、それら2種類の電極のそれぞれ1つを選択することで、特定の位置の超音波振動子6に電圧を印加できるようになっている。
したがって、各超音波振動子毎に2本の配線をそれぞれ接続する場合と比較して、電極への配線の本数を大幅に減少させることができ、ひいては検査手段3を小型化することができる。
さらに、各超音波振動子6毎に電圧を印加して超音波3次元画像を得るようにしているので、本実施例によれば、血管及び患部の解像度の高い鮮明な画像を得ることができる。
また、上記多数の超音波振動子6における複数個を同時に選択し、それらから同時に超音波を発振させるようにしても良い。例えば、2個の超音波振動子6を同時に選択する場合には駆動電極として環状電極X1と軸方向電極Y1、Y19を選択し、その2箇所の超音波振動子6を始まりとして、X1とY3、Y21、次にX1とY5、Y23‥‥‥‥‥というように走査すればよい。
さらに、上記実施例においては、軸方向電極Y1〜Y36を長さが異なる2種類の電極から構成しているが、軸方向電極Y1〜Y36を長さが異なる3種類の電極から構成し、それら3種類の電極を円周方向において順次長さが短くなるような配列で設けても良い。
5‥センサ部 6‥超音波振動子
7‥駆動電極 12‥前方部
Y1〜Y36‥軸方向電極
X1〜X9‥環状電極
Claims (2)
- 先端側となる前方部が概略半球状に形成されたセンサ部と、このセンサ部の表面側に設けられる複数の超音波振動子と、上記超音波振動子に電圧を印加する駆動電極とを備えて、上記各超音波振動子を駆動して超音波を発振させるとともに検査対象からの反射波を受信するようにした超音波検査装置であって、
上記駆動電極は、上記センサ部の前方部に軸方向に配置された複数の軸方向電極と、上記前方部の軸心を囲繞する同心円状に配置された複数の環状電極とを備え、
また、上記各軸方向電極と各環状電極との各交点の位置に、それら2種類の電極と電気的に接続させて超音波振動子をそれぞれ設けて、
各超音波振動子に接続された特定の軸方向電極と環状電極を選択して、それらに接続された超音波振動子に電圧を印加して超音波を発振させるようにし、
さらに、上記軸方向電極は、長さが異なる2種類の電極からなり、それら2種類の長さの軸方向電極は円周方向において交互に配置されるとともに、
前方部の先端側においては、長さが長い軸方向電極が長さの短い電極よりも先端側に位置するように配置されていることを特徴とする超音波検査装置。 - 上記センサ部は、上記前方部の後方側に円柱状となる後方部を備えており、
上記軸方向電極は、上記前方部から後方部にわたって設けられており、また、同一外径の環状電極が後方部に設けられており、
後方部における軸方向電極と環状電極との各交点の位置にもそれぞれ超音波振動子が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の超音波検査装置。
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