JP5273032B2 - 燃料電池の制御装置および燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池の制御装置および燃料電池システムに関する。
電解質膜と、当該電解質膜の一方側に設けられた酸化剤極と、他方側に設けられた燃料極とを備え、酸化剤極に供給される酸素を含む空気等の酸化剤ガスと、燃料極に供給される水素を含む燃料ガスとにより発電する燃料電池がある(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1には、燃料電池の固体高分子電解質の含水状態を最適状態に維持し、安定した電池の運転を可能にする技術が開示されている。具体的には、燃料電池の電流電圧特性が低下し、且つ、固体高分子電解質の電導度が増大した場合には、供給用反応ガス中の水分加湿量を減少させ、燃料電池の電流電圧特性が低下し、且つ、固体高分子電解質の電導度が低い場合には、水分加湿量を増加させるものが開示されている。
また、特許文献2には、燃料電池の水分状態の診断結果に応じて、酸化剤ガスの圧力と燃料ガスの圧力との圧力差を制御する技術が開示されている。具体的には、特許文献2では、水分が過剰であると診断された場合には、燃料ガスの圧力が酸化剤ガスの圧力に対して高くなるように圧力差を制御し、これにより、空気極側から燃料極側への水の拡散を抑制し、燃料極の電極部位での水の滞留を防止している。一方、水分が不足であると診断された場合には、燃料ガスの圧力が酸化剤ガスの圧力に対して低くなるように圧力差を制御し、これにより、空気極側から燃料極側への水の移動を促進させ、電解質膜への含水が迅速に行われるようにしている。
また、特許文献3には、水素あるいは空気の供給量や圧力の過不足によって燃料電池の電流電圧特性が変化することを利用して、アノード圧力センサおよびカソード圧力センサを用いることなく、アノード圧力とカソード圧力との圧力差を一定にする技術が開示されている。具体的には、特許文献3では、実電圧値が予め記憶された電流電圧特性に基づく基準電圧値より小さかった場合に、燃料ガスまたは酸化剤ガスの圧力を増加するように補正するものが開示されている。この技術では、実電圧値と基準電圧値とを照合することにより、水素または空気の供給が不足しているか否かを判定できることを利用している。
特開平5−47394号公報 特開2004−127914号公報 特開2004−220794号公報
ところで、燃料電池においては、酸化剤極での水分濃度が高いと、酸化剤極の触媒の表面に水が吸着する現象または酸化剤極の触媒の表面に水酸基が生成される現象が生じ、これにより触媒の活性が下がり、燃料電池の出力が低下してしまう。
このような酸化剤極での水分濃度が高いことによる燃料電池の出力の低下に対する対策は、上記特許文献1〜3のいずれにも開示されていない。
そこで、本発明は、酸化剤極での水分濃度が高いことによる燃料電池の出力の低下を低減することが可能な燃料電池の制御装置を提供する。
本発明に係る燃料電池の制御装置は、電解質膜と、前記電解質膜の一方側に設けられた酸化剤極と、前記電解質膜の他方側に設けられた燃料極とを備え、前記酸化剤極に供給される酸化剤ガスと前記燃料極に供給される燃料ガスとにより発電する燃料電池の制御装置であって、前記燃料電池の出力が所定の基準より低下し、且つ、前記電解質膜が所定の基準より乾燥していない場合に、前記酸化剤極から排出されるカソードオフガスの圧力を調整するための圧力調整弁の開度を絞って前記酸化剤極のガス圧を上昇させる第1の制御を、前記燃料電池が高負荷運転から低負荷運転に移行する際の高負荷運転終了後に行うことを特徴とする。
また、本発明の一態様では、前記第1の制御では前記燃料電池の出力低下を十分に低減できない場合に、前記制御として、低負荷運転から高負荷運転に移行する際の高負荷運転開始前に、前記酸化剤極のガス圧を上昇させる第2の制御を行う。
本発明に係る燃料電池システムは、電解質膜と、前記電解質膜の一方側に設けられた酸化剤極と、前記電解質膜の他方側に設けられた燃料極とを備え、前記酸化剤極に供給される酸化剤ガスと前記燃料極に供給される燃料ガスとにより発電する燃料電池と、前記燃料電池を制御する上記いずれかの制御装置と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、酸化剤極での水分濃度が高いことによる燃料電池の出力の低下を低減することが可能な燃料電池の制御装置を提供することができる。
実施の形態に係る燃料電池システムの構成を示す概略図である。 燃料電池の構成を示す概略断面図である。 第1の制御におけるカソード背圧および出力電流の一例を示すタイムチャートである。 第2の制御におけるカソード背圧および出力電流の一例を示すタイムチャートである。 低負荷運転時および高負荷運転時におけるカソード背圧および出力電流の一例を示すタイムチャートである。 制御装置により実行される処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施の形態に係る燃料電池システム1の構成を示す概略図である。この燃料電池システム1は、酸化剤ガスと燃料ガスを用いて発電するシステムであり、本実施の形態では、燃料電池自動車に搭載されるものである。ただし、燃料電池システム1は、燃料電池自動車以外に適用されてもよい。
図1において、燃料電池システム1は、燃料電池10を有する。この燃料電池10は、酸化剤ガスと燃料ガスとの供給を受けて発電する。具体的には、酸化剤ガスは、酸素を含む空気等のガスであり、燃料ガスは、水素を含むガスであり、燃料電池10は、水素と酸素との電気化学反応を利用して発電する。燃料電池10は、例えば、固体高分子電解質型の燃料電池である。
図2は、燃料電池10の構成を示す概略断面図である。以下、図2を参照して、燃料電池10の構成について説明する。なお、本実施の形態では、燃料電池10は、多数の単セルが積層されたスタック構造を有するものであるが、図2では、便宜上、単一のセルが示されている。
図2において、燃料電池10は、電解質膜11と、電解質膜11の一方の面に設けられた酸化剤極(カソードと呼ばれる)12と、電解質膜11の他方の面に設けられた燃料極(アノードと呼ばれる)13とを含む。具体的には、燃料電池10は、電解質膜11に酸化剤極12および燃料極13が接合されてなる膜電極接合体(MEA: Membrane Electrode Assembly)を含む。
酸化剤極12の外面側には、酸化剤極12の面に沿って酸化剤極12に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス流路14が設けられており、燃料極13の外面側には、燃料極13の面に沿って燃料極13に燃料ガスを供給する燃料ガス流路15が設けられている。具体的には、酸化剤極12の外面側には、拡散層16を介して、酸化剤ガス流路14が形成されたセパレータが設けられ、燃料極13の外面側には、拡散層17を介して、燃料ガス流路15が形成されたセパレータが設けられる。
ここで、燃料電池10の発電作用について説明する。酸化剤ガス流路14には、その入口14Aを介して酸化剤ガスが供給され、これにより酸化剤極12に酸化剤ガスが供給される。一方、燃料ガス流路15には、その入口15Aを介して燃料ガスが供給され、これにより燃料極13に燃料ガスが供給される。燃料電池10は、酸化剤極12に供給される酸化剤ガスと燃料極13に供給される燃料ガスとを用いて発電を行う。具体的には、白金の触媒作用などにより、燃料極13側では下記式(1)に示される反応が起こり、酸化剤極12側では下記式(2)に示される反応が起こり、全体としては下記式(3)に示される起電反応が起こる。
2 → 2H++2e- ・・・(1)
2H++(1/2)O2+2e- → H2O ・・・(2)
2+(1/2)O2 → H2O ・・・(3)
そして、酸化剤ガス流路14からは、その出口14Bを介してカソードオフガスが排出され、燃料ガス流路15からは、その出口15Bを介してアノードオフガスが排出される。
再び図1を参照すると、酸化剤ガス流路14の入口には、コンプレッサ21から供給される空気を酸化剤ガス流路14に導く酸化剤供給流路22が接続されており、酸化剤ガス流路14の出口には、当該酸化剤ガス流路14から排出されるカソードオフガスを外部に導く酸化剤排出流路23が接続されている。酸化剤排出流路23には、当該流路内のガスの圧力(すなわちカソード背圧)を調整するための圧力調整弁24が設けられている。なお、図1には示されていないが、酸化剤ガス流路14に接続される流路22,23には、適宜、流路内のガスの圧力を測定する圧力センサや、流路内のガスの流量を測定する流量センサ、流路を開閉するための弁(エアシャットバルブ)、加湿モジュールなどが設けられる。
一方、燃料ガス流路15の入口には、高圧水素ガスを貯蔵する水素タンク31から供給される水素を燃料ガス流路15に導く燃料供給流路32が接続されており、燃料ガス流路15の出口には、当該燃料ガス流路15から排出されるアノードオフガスを燃料供給流路32に戻す循環流路33が接続されている。燃料供給流路32には、当該流路内のガスの圧力を調整する圧力調整弁34が設けられている。循環流路33には、水素を循環させるための水素ポンプ38が設けられている。また、循環流路33には、燃料ガス流路15から排出されたアノードオフガスを外部に導く燃料排出流路35が接続されており、この燃料排出流路35には、当該流路を開閉するパージ弁36が設けられている。なお、図1には示されていないが、燃料ガス流路15に接続される流路32,33には、適宜、流路内の圧力を測定する圧力センサや、流路内のガスの流量を測定する流量センサ、流路を開閉するための弁などが設けられる。
燃料電池10には、外部負荷41が電気的に接続される。外部負荷41は、例えば、DC/DCコンバータや、当該DC/DCコンバータを介して燃料電池10に接続される負荷(例えば、二次電池、キャパシタ、補機、抵抗体など)である。
さらに、燃料電池システム1は、燃料電池10の出力電圧を測定する電圧センサ42と、燃料電池の出力電流を測定する電流センサ43と、燃料電池10のインピーダンスを測定するインピーダンス測定部44と、燃料電池システム1全体を制御する制御装置50とを有する。制御装置50は、具体的には、各種の入力情報(電圧センサ42、電流センサ43、およびインピーダンス測定部44の出力値など)に基づき、被制御装置(コンプレッサ21、圧力調整弁24、水素ポンプ38、圧力調整弁34など)を制御する。
制御装置50は、適宜の構成により実現可能であるが、本実施の形態では、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、メインメモリなどを含んで構成され、その機能は、ROM等の記憶媒体に記憶された制御プログラムがCPUにより実行されることによって実現される。
上記構成において、酸化剤極12での水分濃度が高いと、酸化剤極12の触媒の表面に水が物理吸着する現象、または酸化剤極12の触媒の表面に水酸基が生成される現象が生じ、これにより触媒の活性が下がり、燃料電池10の出力が低下してしまう。
このような事象は、例えば、低圧(例えば140kPa abs以下)のカソード圧で連続運転される際に現れる。また、特に、低負荷運転と高負荷運転とが繰り返される際に顕著に現れる。したがって、燃料電池自動車においては、アイドルとWOT(Wide Open Throttle)とが繰り返される際に顕著に現れる。具体的には、低負荷運転と高負荷運転が繰り返されると、燃料電池の出力は次第に低下していく。
燃料電池10の出力が低下している場合であって、且つ、電解質膜11が乾燥していない場合には、上記現象により出力が低下している可能性がある。
本願出願人は、酸化剤極12での水分濃度が高いことによる燃料電池の出力低下が生じた場合、酸化剤極12のガス圧を上昇させることによって、出力低下を低減(回復または抑制)することができることを見出した。一つの推測では、酸化剤極12のガス圧が上昇すると、酸化剤極12での水蒸気濃度が低下し、これにより、触媒への水の吸着量の低下や、触媒からの水の脱離、水酸基の生成の抑制、触媒からの水酸基の脱離が生じるものと考えられる。
以上より、本実施の形態では、上記酸化剤極12での水分濃度が高いことによる燃料電池10の出力の低下に対処するため、制御装置50は、次のような制御を行う。すなわち、制御装置50は、燃料電池10の出力が所定の基準より低下し、且つ、電解質膜11が所定の基準より乾燥していない場合に、酸化剤極12のガス圧を上昇させる制御を行う。
上記「燃料電池10の出力が所定の基準より低下し」について説明する。具体的には、制御装置50は、燃料電池10の出力の実測値を取得し、当該実測値に基づき燃料電池10の出力が所定の基準よりも低下しているか否かを判定する。より具体的には、制御装置50は、出力の実測値と、予め記憶されている出力の推定値とを比較し、両者の差が所定値以上である場合には低下していると判定し、そうでない場合には低下していないと判定する。出力の実測値は、例えば、ある出力電流における出力電圧の実測値や、ある出力電圧における出力電流の実測値である。出力の推定値は、例えば、要求出力に対応する出力電圧および出力電流の目標値を決定するために予め用意された出力マップに基づいて求められる。本実施の形態において判定の対象とされる出力の低下は、燃料電池10の出力自体の低下であって、酸化剤ガスや燃料ガスの不足による出力電圧や出力電流の低下ではない。したがって、本実施の形態では、出力の実測値と推定値との比較は、ガスの圧力や流量等の運転条件を整合させた上で行われる。
上記「電解質膜11が所定の基準より乾燥していない」について説明する。具体的には、制御装置50は、電解質膜11の湿潤状態を表す情報を取得し、当該情報に基づき電解質膜11が所定の基準よりも乾燥しているか否かを判定する。例えば、制御装置50は、燃料電池10のインピーダンスを取得し、当該インピーダンスが所定値以上である場合には乾燥していると判定し、そうでない場合には乾燥していないと判定する。ただし、電解質膜11が乾燥しているか否かは、別の方法で判定されてもよい。
上記「酸化剤極12のガス圧を上昇させる制御を行う」について説明する。具体的には、制御装置50は、燃料電池10の出力が所定の基準よりも低下していると判定され、且つ、電解質膜11が所定の基準よりも乾燥していないと判定された場合には、酸化剤極12のガス圧を上昇させる制御を行う。例えば、制御装置50は、圧力調整弁24やコンプレッサ21を制御して、酸化剤極12のガス圧を上昇させる。ここで、「酸化剤極12のガス圧」は、具体的には、酸化剤ガス流路14内のガスの圧力である。また、「酸化剤極12のガス圧を上昇させる」とは、通常制御時の酸化剤極12のガス圧よりも、酸化剤極12のガス圧を上昇させることを意味する。具体的には、目標出力に応じた予め設定されたガス圧、例えば予め用意された制御マップにおいて目標出力に対応するガス圧を基準として、ガス圧を上昇させることを意味する。
本実施の形態では、制御装置50は、エネルギー効率の観点より、上記制御として、高負荷運転から低負荷運転に移行する際の高負荷運転終了後に、酸化剤極12のガス圧を上昇させる第1の制御を行う。具体的には、制御装置50は、図3に示されるように、高負荷運転終了直後、一時的に、例えば圧力調整弁24の開度を絞る(一つの態様では全閉する)ことにより、カソード背圧を上げる。燃料電池自動車における一態様では、アクセル閉時に、圧力調整弁24の開度を数秒間閉側にして、アクセル閉直後のアイドル運転時または間欠運転時のカソード背圧を一時的に昇圧させる。
そして、制御装置50は、上記第1の制御では燃料電池10の出力低下を十分に低減できない場合に、上記制御として、低負荷運転から高負荷運転に移行する際の高負荷運転開始前に、酸化剤極12のガス圧を上昇させる第2の制御を行う。この第2の制御は、第1の制御と比較して、エネルギー効率の面では劣るが、燃料電池10の出力低下に対して高い低減効果が得られるものである。
上記「第1の制御では燃料電池10の出力低下を十分に低減できない場合」について説明する。具体的には、制御装置50は、所定の判定基準に基づいて、上記第1の制御により出力の低下を十分に低減できているか否かを判定し、低減できていないと判定された場合に、上記第2の制御を行う。ここで、制御装置50は、第1の制御では出力を十分に回復させることができない場合に第2の制御を行ってもよいし、第1の制御では出力の低下を十分に抑制できない場合に第2の制御を行ってもよい。一つの態様では、制御装置50は、出力の実測値が推定値に対し所定値以上下回った場合、まずは第1の制御を行い、その後、再度実測値が推定値に対し上記所定値以上下回った場合、第2の制御を行う。
上記「第2の制御」について説明する。具体的には、制御装置50は、図4に示されるように、高出力要求時等の高負荷運転開始直前に、一時的に、例えば圧力調整弁24の開度を絞る(一つの態様では全閉する)ことにより、カソード背圧を上げる。燃料電池自動車における一態様では、アクセル開時に、圧力調整弁24の開度を閉側にして、カソード背圧を一時的に昇圧させる。
なお、酸化剤極12のガス圧を上昇させる時期は、上記第1の制御における時期や第2の制御における時期に限られない。例えば、アイドル時等の低負荷運転時(例えば図5の期間A)にガス圧を上昇させてもよいし、WOT時等の高負荷運転時(例えば図5の期間B)にガス圧を上昇させてもよい。
以下、本実施の形態に係る燃料電池システム1の動作を具体的に説明する。
制御装置50は、要求出力に応じて、予め設定された燃料電池10の出力マップ(I−V特性マップ)に基づき、出力電圧および出力電流の目標値を決定する。そして、制御装置50は、出力電圧および出力電流の目標値に応じて、予め設定された制御マップに基づき、酸化剤極12に供給される空気の圧力および流量、ならびに燃料極13に供給される水素の圧力および流量の目標値を決定する。そして、制御装置50は、酸化剤極12に供給される空気の圧力および流量、ならびに燃料極13に供給される水素の圧力および流量が、それぞれ目標値となるように、圧力調整弁24、コンプレッサ21、圧力調整弁34、水素ポンプ38を制御する。好適な一態様では、圧力を目標値に制御する際、圧力センサが用いられる。また、好適な一態様では、流量を目標値に制御する際、流量センサが用いられる。
上記制御装置50の制御により、水素タンク31から燃料供給流路32を介して水素が燃料ガス流路15に供給され、コンプレッサ21から酸化剤供給流路22を介して空気が酸化剤ガス流路14に供給され、燃料電池10が発電する。
燃料ガス流路15からは、反応に寄与しなかった水素を含むアノードオフガスが排出され、当該アノードオフガスは循環流路33を通って再び燃料ガス流路15に供給される。このとき、アノードオフガスには、水素以外の不純物が含まれているため、循環するうちに当該アノードオフガス中の水素濃度が低下していく。そこで、適宜のタイミングでパージ弁36が開かれ、水素濃度が低下したアノードオフガスが燃料排出流路35を通って外部に排気される。
一方、酸化剤ガス流路14からはカソードオフガスが排出され、当該カソードオフガスは酸化剤排出流路23を通って外部に排出される。
本実施の形態では、酸化剤極12での水分濃度が高いことによる燃料電池10の出力の低下に対処するため、制御装置50は、図6に示される処理を行う。当該図6に示される処理は、適宜繰り返し行われる。
図6において、制御装置50は、電圧センサ42および電流センサ43を用いて、燃料電池10の出力の実測値を取得する(S1)。
また、制御装置50は、インピーダンス測定部44により測定された燃料電池10のインピーダンスを取得する(S2)。
そして、制御装置50は、取得された出力の実測値が推定値より所定値以上低く、且つ、取得されたインピーダンスが所定値以下であるか否かを判定する(S3)。
ステップS3の判定結果が「NO」である場合、処理は終了する。
一方、ステップS3の判定結果が「YES」である場合、すなわち実測値が推定値より所定値以上低く、且つ、インピーダンスが所定値以下であると判定された場合、制御装置50は、現在第1の制御を実行中であるか否かを判断する(S4)。
そして、第1の制御を実行中でない場合(S4:NO)、制御装置50は、高負荷運転終了後に酸化剤極12のガス圧を上昇させる第1の制御を開始する(S5)。具体的には、アクセルオフ直後、一時的に(20秒程度)、圧力調整弁24を閉じてカソード背圧を上げる制御を開始する。
一方、第1の制御を実行中である場合(S4:YES)、制御装置50は、高負荷運転開始前に酸化剤極12のガス圧を上昇させる第2の制御を開始する(S6)。具体的には、高出力要求時に最初に圧力調整弁24を閉じてカソード背圧を上げる制御を開始する。
なお、上記第1および第2の制御は、例えば、燃料電池の出力が所定以上回復した場合に終了する。
以上のとおり、本実施の形態では、電解質膜と、電解質膜の一方側に設けられた酸化剤極と、電解質膜の他方側に設けられた燃料極とを備え、酸化剤極に供給される酸化剤ガスと燃料極に供給される燃料ガスとにより発電する燃料電池について、燃料電池の出力が所定の基準より低下し、且つ、電解質膜が所定の基準より乾燥していない場合に、酸化剤極のガス圧を上昇させる制御を行う。このため、本実施の形態によれば、酸化剤極での水分濃度が高いことによる燃料電池の出力の低下を低減することが可能となる。
また、本実施の形態では、上記制御として、高負荷運転から低負荷運転に移行する際の高負荷運転終了後に、酸化剤極のガス圧を上昇させる第1の制御を行う。この態様によれば、上記制御をエネルギー効率良く行うことが可能となる。
また、本実施の形態では、上記第1の制御では燃料電池の出力低下を十分に低減できない場合に、上記制御として、低負荷運転から高負荷運転に移行する際の高負荷運転開始前に、酸化剤極のガス圧を上昇させる第2の制御を行う。この態様によれば、第1の制御では燃料電池の出力低下を十分に回復または抑制できない場合に、十分な回復や抑制を図ることが可能となる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更することができる。
例えば、上記圧力調整弁34の代わりにインジェクタが設けられ、燃料ガスの圧力は、インジェクタのオンオフを制御することにより調整されてもよい。
1 燃料電池システム、10 燃料電池、11 電解質膜、12 酸化剤極、13 燃料極、14 酸化剤ガス流路、15 燃料ガス流路、16,17 拡散層、21 コンプレッサ、22 酸化剤供給流路、23 酸化剤排出流路、24 圧力調整弁、31 水素タンク、32 燃料供給流路、33 循環流路、34 圧力調整弁、35 燃料排出流路、36 パージ弁、38 水素ポンプ、41 外部負荷、42 電圧センサ、43 電流センサ、44 インピーダンス測定部、50 制御装置。

Claims (3)

  1. 電解質膜と、前記電解質膜の一方側に設けられた酸化剤極と、前記電解質膜の他方側に設けられた燃料極とを備え、前記酸化剤極に供給される酸化剤ガスと前記燃料極に供給される燃料ガスとにより発電する燃料電池の制御装置であって、
    前記燃料電池の出力が所定の基準より低下し、且つ、前記電解質膜が所定の基準より乾燥していない場合に、前記酸化剤極から排出されるカソードオフガスの圧力を調整するための圧力調整弁の開度を絞って前記酸化剤極のガス圧を上昇させる第1の制御を、前記燃料電池が高負荷運転から低負荷運転に移行する際の高負荷運転終了後に行うことを特徴とする燃料電池の制御装置。
  2. 請求項1に記載の燃料電池の制御装置であって、
    前記第1の制御では前記燃料電池の出力低下を十分に低減できない場合に、前記制御として、低負荷運転から高負荷運転に移行する際の高負荷運転開始前に、前記酸化剤極のガス圧を上昇させる第2の制御を行うことを特徴とする燃料電池の制御装置。
  3. 電解質膜と、前記電解質膜の一方側に設けられた酸化剤極と、前記電解質膜の他方側に設けられた燃料極とを備え、前記酸化剤極に供給される酸化剤ガスと前記燃料極に供給される燃料ガスとにより発電する燃料電池と、
    前記燃料電池を制御する請求項1または2に記載の制御装置と、
    を有することを特徴とする燃料電池システム。
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