JP5270465B2 - サセプタおよびこれを用いた閃光照射方法ならびにフォトマスクブランクの製造方法 - Google Patents

サセプタおよびこれを用いた閃光照射方法ならびにフォトマスクブランクの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、サセプタおよびこれを用いた閃光照射方法ならびにフォトマスクブランクの製造方法に関し、より詳細には、低応力で且つ光学特性の面内均一性に優れた光学膜を提供するための技術に関する。
半導体デバイス等の微細構造を形成するためには、複数枚のフォトマスクを高い精度で重ね合わせてパターニングが行なわれるが、フォトマスクブランクの状態で既に、基板上に形成された薄膜(光学膜)に応力が蓄えられていると、当該膜中に蓄積されている応力がフォトリソグラフィ工程中に部分的に開放されてしまい、フォトマスクに「歪み」(ディストーション)を生じさせてしまう。このような歪みがあると、フォトマスクの重ね合わせ精度は低下して描写される回路パターンの欠陥原因となる。
各薄膜(光学膜)の応力が概ねゼロとなるような条件で薄膜形成すれば上述したような問題が生じることはないが、光学膜としての薄膜が備えるべき諸特性を確保するための成膜条件が、同時に、低応力の薄膜を形成するための条件でもあるという製造プロセス条件を見出すことは極めて難しく、事実上不可能である。このため、所望の膜特性を確保可能な条件で成膜する工程と、成膜後の薄膜の低応力化を図る工程とは、独立した別個の工程とする必要がある。
ところで、一般に、フォトマスクブランクの製造工程においては、位相シフト膜等の薄膜をスパッタリング法で成膜している。しかし、当該成膜プロセスの過程で膜中に応力が生じ、この応力によって基板そのものが歪み、フォトマスクブランクの反りを発生させてしまうという問題がある。この問題を解決する手法として、位相シフト膜等の光吸収性の薄膜に閃光ランプからの光を所定のエネルギ密度で照射して膜応力を制御し、これによりフォトマスクブランクの反りを低減するという技術が提唱されている(特許文献1)。
しかしながら、閃光ランプを用いて光照射を行うと、照射装置ハウジングで反射した光が、基板の面取り面あるいは端面より入射し、当該入射光が基板を載置するサセプタ面で反射して光学膜に再入射して過剰なエネルギを光学膜に部分的に付与する結果となり、光学特性の面内均一性を低下させるという現象が生じることがある。
このような反射光を低減させるために有効な手法は本発明者らにより既に提案されてきているが(特許文献2)、これらの手法によっても反射光を完全に抑制することはできないため、より面内均一性に優れた光学膜を得るための新たな手法が望まれている。
特開2004−199035号公報 特開2008−076994号公報
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、低応力で且つ光学特性の面内均一性に優れた光学膜を提供するために好適なサセプタ、ならびに当該サセプタを用いた閃光照射方法およびフォトマスクブランクの製造方法を提供することにある。
上述の課題を解決するために、第1の発明に係るサセプタは、透明基板上に設けられた光学膜に閃光を照射する際に用いられるサセプタであって、前記サセプタに前記基板を載置した際、前記サセプタの前記基板が載置される領域には反射率の高い領域と反射率が低い領域があり、前記反射率が高い領域は閃光を照射した際に到達する照射光量が少ない領域であり、前記反射率が低い領域は閃光を照射した際に到達する照射光量が多い領域であるサセプタである。
また、第2の発明に係るサセプタは、主面と端面との間に面取り面を有する透明基板上に設けられた光学膜に閃光を照射する際に用いられるサセプタであって、前記サセプタに前記基板を載置した際、前記サセプタの前記基板が載置される矩形領域内において、前記基板の上側の面取り面より入射した照射光の前記基板載置領域上への到達領域である4辺帯状領域の反射率がR2であり、前記4辺帯状領域より内側の領域の反射率R1は前記反射率R2よりも高いサセプタである。
また、第3の発明に係るサセプタは、厚みがLの透明基板上に設けられた光学膜に閃光を照射する際に用いられるサセプタであって、前記透明基板には主面と端面との間に面取り面が設けられており、該面取り面は、前記主面に対し角度θ(0<θ<90°)で、かつ前記主面を含む平面上で、前記主面を含む平面と前記端面を含む平面との交線から長さDだけ内側まで面取りされた面であり、前記サセプタには、前記基板が載置される領域内に、相対的に高い反射率(R1)の領域と相対的に低い反射率(R2)の領域が設けられており、前記高反射率領域は、前記基板の最端部を前記サセプタの前記基板が載置される面上に垂直投影して得られる矩形の輪郭を基準として、{D+L・tanθ+α(L・tanθ)}(但し0<α≦1)だけ内側の矩形の内部領域を必ず含み、かつ、外縁が(D+L・tanθ)だけ内側の矩形の内側にあるように設けられ、前記低反射率領域は、前記基板の最端部を前記サセプタの前記基板が載置される面上に垂直投影して得られる矩形の輪郭を基準として、(L−D・tanθ)・tanθだけ内側の矩形と(D+L・tanθ)だけ内側の矩形に挟まれた領域を含むように設けられているサセプタである。
好ましくは、前記反射率R1は、波長200〜600nmの光に対して40%以上である。
例えば、前記R1の反射率を有する高反射率領域は不透明石英ガラスからなり、前記R2の反射率を有する低反射率領域は透明石英ガラスからなる。
この場合、例えば、前記不透明石英ガラスは、気泡を含有させた石英ガラスである。
また、例えば、前記R1の反射率を有する高反射率領域および前記R2の反射率を有する低反射率領域は何れも気泡を含有させた不透明石英ガラスからなり、前記高反射率領域の気泡含有量は前記低反射率領域の気泡含有量よりも多い。
さらに、例えば、前記R1の反射率を有する高反射率領域はアルミニウムからなり、前記R2の反射率を有する低反射率領域は不透明石英ガラスからなる。
本発明に係る閃光照射方法およびフォトマスクブランクの製造方法は、上述のサセプタ上に光学膜を設けた基板を載置して前記光学膜に閃光ランプからの光を照射する工程を備えている。
本発明によれば、サセプタの面内に反射率の異なる領域を設けることとしたので、光学膜に照射される光量の面内不均一が抑制され、その結果、低応力で且つ光学特性の面内均一性に優れた光学膜を得ることが可能となる。このようなサセプタを用いて閃光照射を行なう手法は、フォトマスクブランクの製造等に有用である。
全面に白色不透明層(泡入り石英製)を配した平板状サセプタの上に、ArF用のハーフトーン位相シフト膜として機能するMoSiON膜を光学膜として備えた石英基板を載置して閃光照射を施した後に、当該光学膜の透過率を基板中心から基板対角線上に沿って測定したした結果を示した図である。 端部に主面と45°の角度を成す面取り面を有している石英基板の断面(一部)図である。 面取り面1から入射した光によりサセプタの表面における光入射量が多くなる位置と、少なくとも反射率を高くしておく領域を求めるための図である。 本発明に係るサセプタ例の上面図である。 130mm角のみを不透明領域とし他の領域を透明としたサセプタ(A)および全面不透明領域のサセプタ(B)を用いて閃光照射を施した後の光学膜の透過率の面内分布を示す図である。
以下に図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
先ず、閃光照射により光学膜特性の面内不均一性の発生原因についての本発明者らの解釈について説明する。
図1は、全面に白色不透明層(泡入り石英製)を配した平板状サセプタの上に、ArF用のハーフトーン位相シフト膜として機能するMoSiON膜を光学膜として備えた石英基板を載置して閃光照射を施した後に、当該光学膜の透過率を基板中心から基板対角線上に沿って測定したした結果を示した図である。
なお、図2に示したように、石英基板10(1辺が152mmの正方形で厚さは約6mm)は、端部に、主面と45°の角度を成す面取り面11を有している。
図1に示したとおり、光学膜の透過率は、基板の対角線上中心から60mm付近までは概ね均一である一方、中心から90mm付近で顕著な透過率上昇を示し、基板の端部に近づくにつれて急激に低下している。
これは、閃光ランプから発せられた光が、光を反射する素材で作製されたハウジング壁やチャンバ内壁で反射して面取り面11から入射し、更に、サセプタ30の基板載置面で反射して、当該反射光が光学膜20に照射されることによるものと理解される。そして、このような反射光は、基板10の対角線上でみた場合に、基板中心から約90mm付近に集中し易いために、当該位置での光学膜の透過率が他の位置の透過率と大きく異なってしまう結果となる。
この点について更に説明すると、一般に、基板10の端部は、例えばフォトマスクブランクの製造工程やフォトマスクの使用時においてクラック等が生じ難いように、テーパ状に面取りされている。また、基板10の主面には、その全面に光学膜20が形成されているわけではないため、基板の面取り面11は露出された状態にある。なお、一般的には、面取り面11は、基板主面に対し45°の角度を有し、基板の端面から0.5mm程度内側まで形成されている。
上述のような面取り面11を有する基板10では、ハウジング壁やチャンバ内壁で反射した光が面取り面11から入射し易い。このような入射光は基板10中を直進してサセプタ30の白色不透明層で反射し、当該反射光が光学膜20によって吸収されることとなる。つまり、光学膜に照射される閃光の光量は、面内の特定の場所において実効的に高くなり、その結果、光学特性の面内均一性が悪化することとなる。
なお、このとき、面取り面11に照射される光は多数の入射角度成分をもち得るが、本発明者らは、光学膜20への影響という観点からは、面取り面11から基板10内へと入射してくる光のうち、面取り面11に対して垂直に近いものの寄与が大きいと考えており、特に垂直な入射角を有する光成分の寄与に注目している。
図3は、上記の仮定の下において、面取り面11から入射した光により、サセプタ30の表面における光入射量が多くなる位置を求めるための図である。この図の例では、基板10の厚さはLであり、面取り面11が基板10の端面から長さDだけ内側まで主面に対し角度θ(0<θ<90°)で設けられている。この場合、面取り面11の右端部からの光は、基板10の最端部をサセプタ30の主面上に垂直投影して得られる輪郭(a)から(L−D・tanθ)・tanθだけ内側(b)に入射する。また、面取り面11の左端部からの光は、基板10の最端部をサセプタ30の主面上に垂直投影して得られる輪郭(a)から(D+Ltanθ)だけ内側(c)に入射する。
つまり、面取り面11に垂直に入射した光は、サセプタ30の主面上に基板10の最端部を垂直投影して得られる輪郭(a)内の(L−D・tanθ)・tanθだけ内側(b)の領域であり、かつ、(D+Ltanθ)だけ内側(c)の領域を含まない領域(d)の光入射量を局所的に高めることとなる。
そして、このような光はサセプタ30の面で反射され、光学膜領域へと到達し、当該領域に過剰なエネルギを与えることになる。
なお、上述のように一般的に用いられる基板は、厚さが6.4mm、面取り面の角度が45°、また面取りの主面上の長さが0.5であるとすると、それぞれ、基板最端面から12.3mmより内側で13.3mmより外側の領域が過剰エネルギ照射されることとなる。
このような理解のもと、本発明者らは、サセプタ面内の入射光量の少ない領域と多い領域で異なる反射率をもたせることにより、光学膜に照射される閃光量を均一化することを想到した。
なお、ここで言う「反射率」とは、素材の微小領域がもつミクロな反射率のことではなく、垂直に入射した光が、反射成分と透過成分と吸収成分とに分かれる場合の、入射光量に対する反射成分の比を意味する。このため、上記反射率は、更に、局所的な数字を言うものではなく、その領域の平均された反射率を意味する。
例えば、サセプタ材料には、アルミニウムのような反射率の極めて高い材料や、石英のような吸収成分を殆どもたない材料が使用されるが、石英材料を例に取ると、泡入り石英や、表面あるいは内部に粗面をもつ石英は、乱反射による反射成分の寄与により反射率の高い材料となる。つまり、上述の定義に従えば、透明石英は泡入り石英等に比べて反射率の低い材料であり、乱反射成分が多くなるに従い反射率の高い材料となる。また、不透明石英においても、不透明度が高くなるに従い反射率が高い材料となる。
図4は、本発明に係るサセプタ例の上面図で、このサセプタ30は円形平板状で、その内側に基板を載置する矩形領域を有しており、基板載置領域の周縁部に、他の基板載置領域(30H)の反射率(R1)よりも低い反射率(R2)を有する領域(4辺が帯状の領域:30L)を有している。また、(30H)の外側の周辺領域(4辺が帯状の領域:30X)の反射率は、(R2)と等しくても、それより大きくても良い。
当該サセプタの基板載置領域には、例えば図3に図示したような端部に面取り部を有する基板が置かれ、その主面に設けられた光学膜に閃光ランプからの光照射が施されてフォトマスクブランク等が製造される。
この場合、上述の反射率R2を有する低反射率領域(30L)は、基板の最端部をサセプタ30の主面上に垂直投影して得られる輪郭内の(L−D・tanθ)・tanθだけ内側の矩形cと(D+L・tanθ)だけ内側の矩形dに挟まれた領域を必ず含むように設けられる。また、上述の反射率R1を有する高反射率領域(30H)は、上記(D+L・tanθ)よりα(L・tanθ)だけ内側の矩形e、すなわち上記基板の最端部をサセプタ30の主面上に垂直投影して得られる輪郭より{D+L・tanθ+α(L・tanθ)}だけ内側の矩形eの内部領域を必ず含み、かつ、その外縁が上記(D+L・tanθ)だけ内側の矩形dの内側にあるように設けられる。なお、αの値は正であり、1以下であれば被照射膜にほぼ均質な光照射量を与えることができ、0.66以下であれば、より均質な光照射量を与えることができる。
上述の反射率R1は、波長200〜600nmの光に対して40%以上であることが好ましい。
高反射領域および低反射領域に用いるサセプタ材料の組み合わせとしては、例えば、高反射率領域は不透明石英ガラス、低反射率領域は透明石英ガラスなどとする。この場合、不透明石英ガラスには、気泡を含有させた石英ガラスを用いることができる。直径が1mmより小さく0.8μmより大きな気泡を含ませることによって不透明化した石英材料は、機械強度を維持しつつ気泡含有量を上げることで、反射率を40%程度まで上げることができる。
他のサセプタ材料の組み合わせとしては、高反射率領域と低反射率領域を何れも気泡を含有させた不透明石英ガラスとし、高反射率領域の気泡含有量を低反射率領域の気泡含有量よりも多いものとするようにしてもよい。
さらに、高反射率領域はアルミニウムからなり、低反射率領域は不透明石英ガラスからなるようにすることもできる。
なお、上記低反射率領域の設計は、上述の通り面取り面から垂直に入射してくる成分が最も大きな寄与をするためであるが、図3のdで示した位置(面とり面より垂直に入射した光が到達する最も内側の位置)に正確に一致させる必要はなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲、例えば基板内側方向に、図3で示したSの幅、すなわちα(L・tanθ)以内であれば、その領域も含むようにしてもよい。これは、面取り面に非垂直入射する光成分もあるためであり、非垂直入射する成分による影響が出る幅は、基板の厚みと面取り面の角度の関数となるからである。上記αは上述の通り、1以下に設計すればかなりの効果が得られ、0.66以下とした場合には十分な効果が得られる。
本発明のサセプタを、高反射率領域は気泡を含ませることによって不透明化した不透明石英ガラス、低反射率領域は透明石英ガラスで構成した場合を例にとると、低反射率領域に入射した光の多くはサセプタで反射されずに裏面へと抜ける一方、サセプタが置かれている装置ハウジング底面によって反射は生じるが、反射して戻ってくる光は、サセプタの反射率の高い領域に戻ってくるため、被照射材料である光学膜へのエネルギ供与は極めて小さくなる。
これに対し、高反射率領域に入射してくる光の多くは一旦光学膜を通過した光であり既に減衰されているものであるが、この減衰された光は比較的高い比率で反射されて光学膜に再度入射する。
従って、高反射率領域に対応する光学膜部分と低反射率領域に対応する光学膜部分とで閃光照射量の均一化が図られ、その結果、光学膜特性の面内均一化が図れることになる。加えて、高反射率領域の反射率を十分に高いものとすることで、再入射光のエネルギが有効に利用され、光照射エネルギ量を低く設定することが可能となる。
なお、図3のcで示した点より外側に上記(30L)よりも反射率の高い周辺領域(図4の領域30X)を設けても良い。周辺領域(30X)は上記R2の反射率を持っていても、本発明の照射量を平均化するという最低限の目的を達することはできるが、図1に示された、基板端部の照射量が少ないと考えられる領域に対しても平均化を図るためには、この(30X)の領域の反射率を高くすることが有効である。また、(30X)の領域の反射率を高くする場合には、上記(30H)と(30L)の境界の場合と同様、図3のc点より外側に、β(L・tanθ)の幅をもって(30L)と(30X)の境界を設けても良く、βの値は0.66以下であることが好ましい。
上述のサセプタの設計は、閃光ランプ光照射装置として、中央に閃光照射ランプを1つ有し、被照射体1枚に対して閃光を照射する装置を基準に行ったものであるが、場合によっては2以上の被照射体に照射する装置とする場合もあり、このような装置を用いて照射を行う際に被照射体である光学膜に入射するエネルギ量を平均化するには、より複雑な設計が必要になる。このような場合、閃光ランプ照射を行った際に、基板が載置される領域各部に到達する照射光量を求め、到達光量の多い部分を低反射率領域としてやれば良い。なお、到達する照射光量の大小は、図1に示した無機膜の透過率変化の原理を用い、被照射体載置部に半透過性の無機膜を置いておき、その透過率変化より測定することができる。
本発明のサセプタを用いて閃光ランプ光照射処理を行い、光学膜中の応力低減を実行すれば、閃光照射量の均一化が図られるため、光学膜の特性の面内均一性を維持した状態で光学膜の応力低減が可能となる。例えば、合成石英ガラスやフッ化カルシウム等の透明基板上に、閃光ランプから照射される光を吸収可能な光学膜(例えば、位相シフト膜)を成膜した後、この基板を上述の構成のサセプタに載置し、光学膜に閃光照射して膜中の応力低減を行った後に、必要に応じて、当該光学膜上に他の光学膜等が成膜されてフォトマスクブランクとされる。
なお、閃光照射を受ける光学膜としては、フォトマスクブランクに形成される位相シフト膜、遮光膜、反射防止膜などが例示されるが、本発明の閃光照射方法は、本件発明に使用する閃光ランプが、一般的には、閃光が約1〜10ミリ秒の間に約20J/cmものエネルギで照射するものであることを考慮すると、その波長の光吸収能が高すぎる場合には、特別な減光手段を用いないと膜が破壊される可能性がある。
閃光ランプは発光時間が短く、高照度で連続した幅広の波長領域をもつ光源で、例えばキセノンフラッシュランプがこれにあたる。このため、レーザ光源を用いる場合とは異なり、光吸収膜が特定波長の光に対して大きな吸収を示す膜である必要はない。従って、閃光照射の手法による応力制御が可能な膜組成などの制約は極めて緩やかであり、応用範囲は広い。また、基板上で照射光を走査させる必要もなく、基板全面に短時間で光照射(エネルギ付与)することができる。さらに、広い波長領域にわたるスペクトルをもつために、種々の波長の光の照射効果を同時に得ることもできる。
このような閃光がハーフトーン位相シフト膜などの光学膜(閃光吸収膜)に照射されると、その照射光の吸収や急激な温度変化等によって膜組成や原子の結合状態等が変化して応力低減が生じると考えられる。
先ず、厚さが6.35mm、四辺の長さがそれぞれ152mmであり、主面方向に基板端部より長さ0.50mmまで、主面に対し角度45°の面取り面をもつ合成石英製透明基板を準備し、この基板上に反応性DCスパッタリングにより、MoSiONからなるハーフトーン位相シフト膜を膜厚760Åで成膜した。
なお、この位相シフト膜は、露光光としてArFエキシマレーザ(193nm)を用いた場合、位相差が約180°で、透過率が約5%となる膜である。そして、この基板(すなわち位相シフト膜付基板)を温度80℃に加熱した後に、サセプタに位相シフト膜を上にした状態で載置し、上方からキセノン閃光ランプ光を用いてエネルギ照射した。この際、サセプタの不透明領域を基板より小さい130mm角として処理を行った。
図5は、上述の130mm角のみを不透明領域とし他の領域を透明としたサセプタ(A)および全面不透明領域のサセプタ(B)を用い、それぞれのサセプタに光学膜を設けた基板を載置して閃光照射を施した後の光学膜の透過率の面内分布を示す図である。なお、上記不透明領域の反射率は、波長200〜600nmの光に対して40%以上である。
この図から、全面不透明領域のサセプタ(B)を用いて閃光照射した際に生じていた中心から約90mmにある透過率のピークが、130mm角のみ不透明領域で他の領域を透明としたサセプタ(A)を用いて閃光照射した場合には抑えられていることが分かる。
これは、既に説明したように、面取り面から入射した光がサセプタAの不透明領域で反射されることなく通過する為、当該位置に対応する光学膜部分への閃光照射量が抑えられた為である。
本実施例では、サセプタの不透明材料として石英ガラスからなる「泡入りガラス」を用いたが、当該材料はこれに限定されるものではない。また、サセプタは種々の態様のものが可能であり、サセプタ全てを不透明材料で構成したり不透明層と透明層を複数積層する構成のものとしたりすることも可能である。
位相シフト膜などの光学膜中に蓄積された歪量(応力量)を制御し易くするために、閃光照射の量は所定量以下の光エネルギに制御される。これは、閃光照射量が高すぎると光学膜の膜質が損なわれることに加え、過剰照射による膜の破壊の恐れがあるためである。閃光照射光のエネルギの「所定量」は作製されるフォトマスクブランクが備える光学膜の光学特性に依存し、例えば、位相シフトマスクの場合には、位相シフト膜の膜厚、透過率に依存することとなる。
位相シフト膜としては、例えばアモルファスシリコン膜、酸素、窒素、炭素等を含有する金属化合物膜等があり、特にケイ素とケイ素以外の金属と、酸素、窒素及び炭素から選ばれる1種又は2種以上とを含有する層を単層又は多層で含む位相シフト膜はその光学特性制御性に優れる膜である。なお、位相シフト膜中に含有されるケイ素以外の金属としては、W、Mo、Ti、Ta、Zr、Hf、Nb、V、Co、Cr又はNi等が挙げられるが、閃光照射後の反りの低減や耐薬品性向上という観点からは、Moをベースにしたものが好ましい。
そのような組成の位相シフト膜としては、モリブデンシリサイド酸化物(MoSiO)、モリブデンシリサイド窒化物(MoSiN)、モリブデンシリサイド炭化物(MoSiC)、モリブデンシリサイド酸化窒化物(MoSiON)、モリブデンシリサイド酸化炭化物(MoSiOC)又はモリブデンシリサイド酸化窒化炭化物(MoSiONC)などがあり、このようなモリブデンシリサイド系の位相シフト膜は、ターゲットとしてMoSi等を用いた反応性スパッタリング法により成膜することができる。
閃光照射される位相シフト膜が上述のようなモリブデンシリサイド系の膜である場合には、膜仕様としてKrF、ArF、Fレーザ露光用があり得るが、その透過率は200〜1100nmの波長範囲において、KrF用、ArF用、F用の順に高くなる。つまり、膜質により光の吸収効率が異なるため、閃光ランプによる照射エネルギにも各々適正領域があり、KrF、ArF、Fの順に大きくすることが必要となる。
具体的には、KrFレーザの波長(248nm)の光に対して5〜7%の透過率を有する位相シフト膜に対しては、閃光照射エネルギはカロリーメータの測定値で21.5J/cm2以下の所定量とされる。また、ArFレーザの波長(193nm)の光に対して5〜7%の透過率を有する位相シフト膜に対しては、閃光照射エネルギは32.5J/cm2以下の所定量とされる。さらに、F2レーザの波長(157nm)の光に対して5〜7%の透過率を有する位相シフト膜に対しては、閃光照射エネルギは41.5J/cm2以下の所定量とされる。ノマルスキー顕微鏡による観察によれば、位相シフト膜に上記の値よりも高い光エネルギで閃光照射すると、基板表面の位相シフト膜の一部が破壊されていることが確認されている。
なお、本発明において、閃光ランプの単位発光時間(一回の発光に要する時間)は一般的には100μsec〜1secの範囲で設定される。なお、閃光ランプの照射時間が短いと照射波長は短波長側へシフトする傾向があり、閃光ランプの照射時間が長いと照射波長は長波長側へシフトする傾向がある。このため、本実施例では、閃光ランプの単位発光時間を0.1msec〜100msecの範囲内で設定することとし、具体的には1〜10msec程度の照射時間とした。
以上、実施例により本発明のサセプタを用いた閃光照射について説明したが、上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内にあり、更に本発明の範囲内において他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
本発明により、低応力で且つ光学特性の面内均一性に優れた光学膜の提供が可能となる。
10 基板
11 面取り面
20 光学膜
30 サセプタ
30L 低反射率領域
30H 高反射率領域

Claims (8)

  1. 厚みがLの透明基板上に設けられた光学膜に閃光を照射する際に用いられるサセプタであって、
    前記透明基板には主面と端面との間に面取り面が設けられており、
    該面取り面は、前記主面に対し角度θ(0<θ<90°)で、かつ前記主面を含む平面上で、前記主面を含む平面と前記端面を含む平面との交線から長さDだけ内側まで面取りされた面であり、
    前記サセプタには、前記基板が載置される領域内に、相対的に高い反射率(R1)の領域と相対的に低い反射率(R2)の領域が設けられており、
    前記高反射率領域は、前記基板の最端部を前記サセプタの前記基板が載置される面上に垂直投影して得られる矩形の輪郭を基準として、{D+L・tanθ+α(L・tanθ)}(但し0<α≦1)だけ内側の矩形の内部領域を必ず含み、かつ、外縁が(D+L・tanθ)だけ内側の矩形の内側にあるように設けられ、
    前記低反射率領域は、前記基板の最端部を前記サセプタの前記基板が載置される面上に垂直投影して得られる矩形の輪郭を基準として、(L−D・tanθ)・tanθだけ内側の矩形と(D+L・tanθ)だけ内側の矩形に挟まれた領域を含むように設けられているサセプタ。
  2. 前記反射率R1は、波長200〜600nmの光に対して40%以上である請求項1に記載のサセプタ。
  3. 前記R1の反射率を有する高反射率領域は不透明石英ガラスからなり、前記R2の反射率を有する低反射率領域は透明石英ガラスからなる、請求項1または2に記載のサセプタ。
  4. 前記不透明石英ガラスは、気泡を含有させた石英ガラスである請求項3に記載のサセプタ。
  5. 前記R1の反射率を有する高反射率領域および前記R2の反射率を有する低反射率領域は何れも気泡を含有させた不透明石英ガラスからなり、前記高反射率領域の気泡含有量は前記低反射率領域の気泡含有量よりも多い、請求項1または2に記載のサセプタ。
  6. 前記R1の反射率を有する高反射率領域はアルミニウムからなり、前記R2の反射率を有する低反射率領域は不透明石英ガラスからなる、請求項1または2に記載のサセプタ。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項に記載のサセプタ上に光学膜を設けた基板を載置して前記光学膜に閃光ランプからの光を照射する工程を備えている、閃光照射方法。
  8. 請求項1乃至6の何れか1項に記載のサセプタ上に光学膜を設けた基板を載置して前記光学膜に閃光ランプからの光を照射する工程を備えている、フォトマスクブランクの製造方法。
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