JP5268209B2 - 磁気共鳴診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被検体の代謝産物から磁気共鳴信号を検出し、この磁気共鳴信号に基づき代謝産物を観測するMRスペクトロスコピー(MRS)用の磁気共鳴診断装置に係わり、とくに、不均一な静磁場や不均一な高周波磁場に因り生じる不要な水信号及び脂肪信号を同時に抑圧する機能を備えた磁気共鳴診断装置に関する。
近年、疾病の早期診断(特に腫瘍の進行度の判定)に有効な方法として、H−MRS(Magnetic Resonance Spectroscopy)が行われている。H−MRSは、磁気共鳴現象を利用して水素原子核1Hを含む生体内の微小な代謝産物を観測する手法であり、NAA(N−アセチルアスパラギン酸)、Cho(コリン)、PCr/Cr(クレアチンリン酸/クレアチン)、Glx(グルタミン酸およびグルタミン)、Lac(乳酸)、mI(ミオイノシトール)等の代謝産物を観測することができる。
このH−MRSにおいて、生体内に存在するNAA等のプロトン代謝産物の濃度は生体水の濃度に比べて4桁程度小さいことから、通常のA/D変換器のビット数では代謝産物からの信号を十分検出することができない。このため、従来のH−MRSでは、水信号(生体内の水からMR信号)を周波数選択的に抑圧した状態で、代謝産物の計測を行っている。
この水信号を抑圧する方法として、さまざまな方法が提案されている。一般的には、CHESS(CHEmical Shift Selective)パルスを使用する方法が用いられている。
このCHESS法によれば、水の周波数帯域のみを選択的に励起する数十msecの高周波パルスを印加して水の磁化スピンのみを横平面(xy平面)に倒した後、傾斜磁場パルスを印加して横磁化をスポイルさせ、これにより水信号を抑圧する。一般には、図9に示す如く、3個のCHESSパルスP1〜P3が印加される(同図のシーケンスにおける水抑制期間tchess参照)。その内、最初の2個のパルスP1,P2の強度はフリップ角α=90°になるように設定され、3個目のパルスP3の強度は、水信号が最小となるようにプリスキャンで予め設定したフリップ角αに設定されている。このCHESSパルスの印加後、本スキャンと呼ばれるMR信号収集のためのスキャン(図の例では、局所励起期間tloc及び信号収集期間tacqのパルス列によるスキャン)が実行される。
このように水信号の抑制を実施することにより代謝産物の信号観測は可能になる。しかしながら、例えば、脳の頭表の近傍や前立腺などの腹部において脂肪が大量に含まれている領域の近傍を観測する場合、その観測領域内に脂肪信号(生体内の信号から生じるMR信号)が混入するという大きな問題がある。
この脂肪信号の混入を低減させるため、従来では、プリサチュレーション法が使用されている。このプリサチュレーション法は、観測領域の外側の広がりにおける興味の無い領域から生じるMR信号を予め飽和(プリサチュレーション)させておく手法である。
これを実施するシーケンスは、そのような興味の無い領域からのMR信号を事前飽和させる空間プリサチュレーションパルスと、この興味の無い領域(プリサチュレーション領域)に印加する各空間方向の傾斜磁場及びスポイル傾斜磁場から成る。このプリサチュレーションパルスの空間的な印加方向を変えて複数個印加することにより、観測領域に外部から脂肪信号が混入するという事態を防止又は抑制することができる。
図9のシーケンスは、2個のプリサチュレーションパルスP4,P5を印加する例を示している。このシーケンスは、一部、上述したが、水抑制期間tchessと、MRSのデータ収集領域外の信号をプリサチュレートするプリサチュレーション期間tpresatと、代謝産物の磁化を励起する局所励起期間tlocと、MR信号を収集する期間tacqとから成る。また、このシーケンスにおいて、RFはRFパルスの印加タイミングを示しており、Gs1,Gs2,Gs3は空間直交3軸に対する傾斜磁場の印加タイミングを示している。なお、この傾斜磁場の印加方向s1、s2、s3の夫々には、信号収集領域に応じて、空間直交3軸x、y、zのいずれを割り当ててもよく、またスライス選択傾斜磁場を複数軸、選択することでオブリーク収集も可能になる。
水抑制期間tchessは前述したように3つのRFパルスP1,P2,P3と各RFパルスに続いて夫々印加されるスポイル傾斜磁場G1,G2,G3とから成る。プリサチュレーション期間tpresatは、対象領域外の信号をプリサチュレートさせるために印加する、周波数帯域ΔFを有するRFパルスP4,P5と、このRFパルスP4,P5とそれぞれ同時に印加されるプリサチュレーション領域に対応するスライス選択傾斜磁場G4,G6と、このRFパルスに続いて夫々印加されるスポイル傾斜磁場G5,G7とから成る。
また、局所励起期間tlocは、強度がそれぞれ90°、180°、180°であるRFパルスL1,L2,L3によりエコー信号を発生させるダブルSE(Spin Echo)法で構成されている。印加タイミングはtloc2=tloc1+tloc3である。なお、この局所励起用のシーケンスとして、主にTEを短くすることを目的として印加する3つの90°パルスから成るSTE(stimulated echo)法を使用してもよい。また、3つのRFパルスL1,L2,L3と同時に3つのスライス選択傾斜磁場Gsl1,Gsl2,Gsl3が夫々印加され、磁気共鳴信号を観測する領域が空間的に決定される。なお、不要信号をスポイルするための傾斜磁場Gsp1,Gsp2が図示に示すタイミングで印加される。
また、2軸Gs1,Gs2の方向には、位相エンコード傾斜磁場Genc1,Gernc2が印加される。MR信号収集毎に、これらの傾斜磁場に拠るエンコード量が変更され、MRSI(Magnetic Resonance Spectroscopic Imaging)が可能となる。位相エンコード傾斜磁場Genc1,Genc2を印加しない場合は、スライス選択傾斜磁場Gsl1,Gsl2,Gsl3により決まる単一の領域からMR信号を観測することになるシングルボクセルのMRSが行われる。
なお、スポイル傾斜磁場は、この磁場を印加しないときには不要信号を生じることになるスピンが予め十分にスポイルされるように、MRI装置ごとにその印加強度、印加時間、及び印加軸を選んで使用される。
図10は、図9のシーケンスを利用して頭部MRSを行うときのデータ収集領域及びプリサチュレーション領域を示している。図中、符号601が頭部断面図を示す。実線で囲まれた四角602の領域が図9のスライス選択傾斜磁場Gsl1,Gsl2,Gsl3により決まるMRSの関心領域(ROI)であり、位相エンコードGenc1,Genc2の印加により、点線603で区切られた格子(マトリックス)から生じるMR信号のスペクトルが観測される。領域604、605は、オペレータによって、MRSを取得する以前に取得した断層像601上に入力装置を介して設定される。長方形で示された領域604,605は、図9のプリサチュレーションパルスP4,P5により夫々事前飽和される脂肪信号のプリサチュレーション領域である。
このプリサチュレーションパルスを設定するための設定装置の例を図11に示す。図中、符号701が設定装置により表示されるインターフェース画面を示し、符号702がプリサチュレーションパルス追加ボタンを示す、符号703がプリサチュレーション領域の厚さを入力するボックスである。この設定装置には、必要に応じて、フリップ角(FA)を入力するボックス、プリサチュレーションパルスの方向を設定するボタン、及び、プリサチュレーションパルスの削除ボタンなどが追加されることがある。
プリサチュレーションパルスの設定を行う場合、ボタン702を入力装置から選択する。これにより、図10に示すMRI画像601にプリサチュレーション領域を表す2本の平行線が現れる。この2本の平行線を、入力装置に配置されたポインティングデバイス(マウス、トラックホールなど)やキーボードを介して平行移動、回転移動などを行って、所望のプリサチュレーション領域に設定する。このように所望本数のプリサチュレーションパルスを604、605を設定し、この後、MRSのスキャンを実行する。これにより、H−MRSにおいて、脂肪信号が対象領域の近傍にある場合でも良好なスペクトルが取得可能ではある。
発明が解決しようとする課題
しかしながら、頭部における鼻腔、並びに、耳の穴及びその近傍領域、また腹部における直腸及びその近傍領域のように磁場均一性の悪い領域に関して、水の共鳴信号の半値幅が広くなることがある。これを回避せんがため、プリサチュレーションパルスを頭表の脂肪領域だけでなく、磁場均一性の悪い領域にも設定してデータ収集を行うことも想定される。しかし、水と脂肪とで緩和時間が異なるため、プリサチュレーションパルスの強度を何れか一方に合わせて設定するか、中庸の値を設定することになる。
かかるパルス強度を一方に合わせた場合、水又は脂肪のいずれか一方のプリサチュレーション効果は充分に上がらない。その結果、これら水及び脂肪の領域を外した位置に関心領域を設定した場合でも、関心領域から計測するMR信号に不要な水又は脂肪の信号が混入してきて、良好なスペクトルの取得が困難になる。パルス強度を中庸な値に設定すると、水及び脂肪共、充分なプリサチュレーション効果は得られず、同様に、良好なスペクトルを得ることは難しい。
このように、従来の磁気共鳴画像診断装置においてH−MRSを行う場合、データ収集領域の近傍に緩和時間が異なる脂肪及び水を持つ領域がある場合、不要信号の影響により、高精度なスペクトルが得られないという事態が未解決のまま放置されていた。
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みてなされたもので、被検体の所望領域の近傍に緩和時間が異なる脂肪及び水を持つ領域がある場合でも、脂肪及び水からの不要な信号の混入を共に排して又は大幅に抑制して、その所望領域から高精度なMR信号を収集することができる磁気共鳴診断装置を提供することを、その目的とする。
課題を解決するための手段
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の1つの形態によれば、被検体に事前飽和のためのプ
リサチュレーションパルスを含むパルスシーケンスを印加して、当該被検体内の所望の代
謝産物から生じる磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴診断装置において、前記パルスシーケ
ンス内でスライス選択傾斜磁場と共に印加される複数種類の前記プリサチュレーションパ
ルスとして、印加タイミングが異なる縦緩和時間が長い物質を事前飽和させる第1のプリ
サチュレーションパルスと前記縦緩和時間が短い物質を事前飽和させる第2のプリサチュ
レーションパルスとを、前記第1のプリサチュレーションパルスが前記第2のプリサチュ
レーションパルスに時間的に先行するよう設定するパルス設定手段を備えたことを特徴と
する。
例えば、前記緩和時間は縦緩和時間である。
好適には、前記パルス設定手段は、印加タイミングが異なる前記縦緩和時間が長い物質を事前飽和させる第1のプリサチュレーションパルスと前記縦緩和時間が短い物質を事前飽和させる第2のプリサチュレーションパルスとを設定する手段である。この場合、前記第1のプリサチュレーションパルスは前記第2のプリサチュレーションパルスに時間的に先行することが好ましい。例えば、前記第1及び第2のプリサチュレーションパルスの少なくとも一方は、2個以上のRFパルスを用いて構成してもよい。
また例えば、前記パルス設定手段は、前記第1及び第2のプリサチュレーションパルスの強度を前記縦緩和時間に応じて又は最大飽和効果を得るように設定する強度設定手段を備える、ことが望ましい。強度設定手段は、一例として、前記異なる複数種類の物質それぞれに対する前記縦緩和時間の既知の値を用いて前記プリサチュレーションパルスのフリップ角を前記強度として演算により設定する手段である。また、強度設定手段は、調整用のパルスシーケンスを起動させてMR信号を収集し、このMR信号に基づいて前記プリサチュレーションパルスのフリップ角を前記強度として設定する手段であってもよい。
好ましくは、前記パルス設定手段は、オペレータとの間でインターラクティブに前記プリサチュレーションパルスを設定可能なグラフィック・ユーザ・インターフェースとして構成される。
例えば、前記縦緩和時間が長い物質は前記被検体内の生体水であり、前記縦緩和時間が短い物質は前記被検体内の脂肪である。
さらに、本発明の別の態様によれば、被検体に事前飽和のためのプリサチュレーションパルスを含むパルスシーケンスを印加して、当該被検体内の所望の代謝産物から生じる磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴診断装置において、前記被検体の予め取得されている所望位置の断層像を表示する画像表示手段と、この画像表示手段により表示された断層像上で前記磁気共鳴信号を収集したい関心領域と、スピンの緩和時間の異なる複数種類の物質それぞれに応じた前記事前飽和を施すプリサチュレーション領域とを設定する領域設定手段と、前記プリサチュレーションパルスの強度を前記複数種類の物質それぞれに応じて設定する強度設定手段と、前記領域設定手段により設定された領域の情報と前記強度設定手段により設定された強度の情報とを前記パルスシーケンスに反映させる情報反映手段と、前記パルスシーケンスを実行して前記関心領域から前記磁気共鳴信号を収集する信号収集手段と、を備えたことを特徴とする。例えば、前記代謝産物はプロトン化合物であり、前記プリサチュレーションパルスの時系列的前又は後に周波数選択性の水抑制パルスを印加する手段を有していてもよい。
以下、本発明に係る実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態を、図1〜図5参照して説明する。
この実施形態に係るMRSI装置(MRS装置としても機能する)の概略構成を図1に示す。
このMRSI装置は、MRI(Magnetic Resonance Imaging)と同等の構成を有し、MRS又はMRSIのための信号収集及びその解析のほか、MRイメージングの機能をも有している。
具体的には、このMRSI装置は、被検体としての患者Pを載せる寝台部と、静磁場を発生させる静磁場発生部と、静磁場に位置情報を付加するための傾斜磁場発生部と、高周波信号を送受信する送受信部と、システム全体のコントロール及び画像再構成を担う制御・演算部と、被検体Pの心時相を表す信号としてのECG信号を計測する心電計測部と、患者Pに息止めを指令するための息止め指令部とを備えている。
静磁場発生部は、例えば超電導方式の磁石1と、この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備える。これにより、磁石1はその円筒状の開口部(診断用空間)の軸方向(設定される直交座標系のZ軸方向に相当)に静磁場HOを発生させる。この開口部には被検体Pが挿入・配置される。この磁石1にはシムコイル14が設けられている。このシムコイル14には、後述するホスト計算機の制御下で、シムコイル電源15から静磁場均一化のための電流が供給される。寝台部は、被検体Pを載せた天板を磁石1の開口部に退避可能に挿入できる。
傾斜磁場発生部は、磁石1に組み込まれた傾斜磁場コイルユニット3を備える。この傾斜磁場コイルユニット3は、互いに直交するX、Y及びZ軸方向の傾斜磁場を発生させるための3組(種類)のx,y,zコイル3x〜3zを備える。傾斜磁場部はまた、x,y,zコイル3x〜3zに電流を供給する傾斜磁場電源4を備える。この傾斜磁場電源4は、後述するシーケンサ5の制御のもと、x,y,zコイル3x〜3zに傾斜磁場を発生させるためのパルス電流を供給する。なお、シーケンサ5から傾斜磁場電源4に供給される制御波形信号は、図示していない渦補償回路により渦磁場に因る影響が補正されている。
傾斜磁場電源4からx,y,zコイル3x〜3zに供給されるパルス電流を制御することにより、物理軸である3軸X,Y,Z方向の傾斜磁場を合成して、互いに直交するスライス傾斜磁場GS、位相エンコード傾斜磁場GE、及び読出し(周波数エンコード方向)傾斜磁場GRの各論理軸方向を任意に設定・変更することができる。スライス方向、位相エンコード方向、および読出し方向の各傾斜磁場は、静磁場HOに重畳される。
送受信部は、磁石1の診断用空間内において被検体Pの近傍に配設されるRFコイル7と、このコイル7に接続された送信器8T及び受信器8Rとを備える。この送信器8T及び受信器8Rは、後述するシーケンサ5の制御のもとで動作する。送信器8Tは、核磁気共鳴(NMR)を起こさせるためのラーモア周波数のRF電流パルスをRFコイル7に供給する。受信器8Rは、RFコイル7が受信したエコー信号などのMR信号(高周波信号)を取り込み、これに前置増幅、中間周波変換、位相検波、低周波増幅、フィルタリングなどの各種の信号処理を施した後、A/D変換してMR信号に応じたデジタル量のエコーデータ(原データ)を生成する。
さらに、制御・演算部は、シーケンサ(シーケンスコントローラとも呼ばれる)5、ホスト計算:機6、演算ユニット10、記憶ユニット11、表示器12、及び入力器13を備える。
この内、ホスト計算機6は、記憶したソフトウエア手順により、装置全体の動作を統括する一方、後述する事前飽和用のプリサチュレーションパルスの設定、及び、シーケンサ5へのパルスシーケンス情報の指令などの処理を行う。事前飽和は、被検体内の水及び脂肪からの不要なMR信号が、関心領域から収集するMR信号に混入するのを防止するために行われる。
パルスシーケンスとしては、2次元又は3次元スキャンに拠る、FE(グラジェントエコー)法、FFE(高速FE)法、SE(スピンエコー)法、FSE(高速SE)法、FASE(高速Asymmetric SE:すなわち、高速SE法にハーフフーリエ法を組み合わせたイメージング法))法、EPI(エコープラナーイメージング)法などに拠るパルス列が用いられる。
シーケンサ5は、CPUおよびメモリを備えており、ホスト計算機6から送られてきたパルスシーケンス情報を記憶し、この情報にしたがって傾斜磁場電源4、送信器8T、受信器8Rの動作を制御するとともに、受信器8Rが出力したデジタル量のMR信号(エコーデータ;原データ又は生データとも呼ばれる)を一旦入力し、これを演算ユニット10に転送するように構成されている。ここで、パルスシーケンス情報とは、一連のパルスシーケンスにしたがって傾斜磁場電源4、送信器8T及び受信器8Rを動作させるために必要な全ての情報であり、例えばx,y,zコイル3x〜3zに印加するパルス電流の強度、印加時間、印加タイミングなどに関する情報を含む。
また、演算ユニット10は、受信器8Rが出力したエコーデータをシーケンサ5を通して入力して、その内部メモリ上の2次元又は3次元のk空間(フーリエ空間又は周波数空間とも呼ばれる)に配置し、このエコーデータをその各組毎に2次元又は3次元フーリエ変換に付して実空間の画像データに再構成する。また、この演算ユニット10は、位相エンコード量の変更に伴う領域毎に収集したエコーデータをフーリエ変換等に処して、MRSIデータを生成する。
さらに、演算ユニット10は必要に応じて画像に関するデータの合成処理、差分演算処理などを行うことができる。
記憶ユニット11は、再構成された画像データのみならず、上述の合成処理や差分処理が施された画像データを保管することができる。
表示器12は、MRSIに関する各種の診断情報のみならず通常の撮像において再構成された画像を表示する。また、入力器13はオペレータが操作するポインティングデバイス、トラックボール、キーボード、マウスなどの操作機器を備えており、これに対する操作情報はホスト計算機6に送られる。
このため、入力器13、表示器12、及びホスト計算機6により実行される所定プログラム(図2の一部の処理)の機能によって、プリサチュレーションパルスの設定に使用するプリサブトラクションパルス設定装置がグラフィック・ユーザー・インタフェースとして形成される。この設定装置は本発明の1つの特徴を成す。
さらに、本実施形態では、息止め法を用いたスキャンが必要なときのために音声発生器16を備える。この音声発生器16は、ホスト計算機6から指令があったときに、息止め開始および息止め終了のメッセージを音声として発することができる。
さらに、心電計側部は、被検体Pの体表に付着させてECG信号を電気信号として検出するECGセンサ17と、このセンサ信号にデジタル化処理を含む各種の処理を施してホスト計算機6及びシーケンサ5に出力するECGユニット18とを備える。この心電計測部による計測信号は、心電同期法によるスキャンを実行するときにシーケンサ5又はホスト計算機6により用いられる。これにより、心電同期法に拠る同期タイミングを適切に設定できる。
次に、図2〜5を参照して、本実施形態のMRSI装置におけるプリサチュレーションパルス設定及びMR信号収集の動作を説明する。
ホスト計算機6は、入力器13を介してオペレータから与えられた操作情報に応答して図2に示す、サチュレーションパルスの設定を含む収集処理を実行する。
この収集処理が開始されると、まず、ホスト計算機6は、入力器13から与えられるオペレータの操作信号に基づいて、所望の代謝産物からのMR信号を収集するパルスシーケンスの種類を決定する(ステップS1)。このパルスシーケンスとしては例えば、図3に示す如く、90°、180°、180°のフリップ角を有するRFパルスL1,L2,L3(局所励起期間tlocを参照)によりエコー信号を発生させるダブルSE法に拠るパルスシーケンスが設定される。
次いで、このパルスシーケンスの先頭に追加される、生体水からのMR信号を抑制する、所謂、水抑制パルスが設定される(ステップS2)。これにより、例えば図3に示す如く、水抑制パルスP1,P2,P3及びスポイラーパルスG1,G2,G3が設定される(図3の水抑制期間tchess参照)。
なお、図3において、Gs1,Gs2,Gs3は空間直交3軸に対する傾斜磁場の印加タイミングを示している。この傾斜磁場の印加方向s1、s2、s3の夫々には、信号収集領域に応じて、空間直交3軸x、y、zのいずれを割り当ててもよく、またスライス選択傾斜磁場を複数軸、選択することでオブリーク収集も可能になる。
この後、ステップS3〜S18において、ホスト計算器6、入力器13、及び表示器12により機能的に構成されるグラフィックユーザインターフェースとしてのプリサチュレーションパルス設定装置により、プリサチュレーションパルスを設定するための一連の処理が実行される。
具体的には、最初に、オペレータからの指令に応じて、事前に撮像している被検体Pの所望位置の断層像が参照画像として表示器12に表示される(ステップS3)。この参照画像は、例えば図5に示す如く頭部のアキシャル象31である。図5では、符号32が眼球部分を、また符号33が鼻孔部分を模式的に示している。
この後、オペレータは、この参照画像31を観察しながら所望の関心領域(ROI)34を設定する(ステップS4;図5参照)。この関心領域34により、MR信号を収集し、スペクトル解析などのMRS又はMRSIデータを提示するための範囲が指定される。更に、図3に示す如く、位相エンコード傾斜磁場Genc1,Genc2が設定される(ステップS5;信号収集期間tacq参照)。これにより、図5に示す如く、参照画像31にはグリッド状のライン35が重畳表示され、MRSIのために信号収集毎(励起毎)に変化させる位相エンコードによる微小領域が表示される。
このように励起パルスL1,L2,L3及びスライス選択傾斜磁場Gsl1,Gsl2,Gsl3(図3の局所励起期間tloc参照)を用いる選択励起法と位相エンコード傾斜磁場Genc1,Genc2の印加とを組み合わせた2D−MRSI法を採用しているので、この位相エンコード傾斜磁場の設定が必要になる。なお、シングルボクセルスペクトロスコピーの場合、この位相エンコード傾斜磁場の印加は不要になる。
この後、プリサチュレーションパルスを水及び脂肪の別に設定する処理に移行する。
ホスト計算機6は、オペレータからの指示に応じてプリサチュレーションパルス設定装置を起動させる(ステップS6)。この起動により、図4に例示するプリサチュレーションパルス設定装置のインターフェース画面41が表示器12に表示される。このインターフェース画面41は、例えば前記参照画像31とは並置する状態で表示される。
図4に模式的に示すように、このインターフェース画面41には、水用プリサチュレーションパルス追加ボタン42、脂肪用プリサチュレーションパルス追加ボタン43、水用プリサチュレーション領域の厚さを入力するためのボックス44、及び脂肪用プリサチュレーション領域の厚さを入力するためのボックス45が表示される。
例えば入力器13のマウスを使って水用プリサチュレーション追加ボタン42をクリック(押す)すると、参照画像31上に2本の平行なラインL1,L2が表示される(ステップS7;図5参照)。次いで、オペレータは入力器13を使って、水用厚さボックス44に所望の領域厚さを入力し、また参照画像31上の2本の平行ラインL1,L2を平行移動及び/又は回転移動させ、これにより、図5に示す如く、所望厚さ、所望位置、及び所望方向の水用プリサチュレーション領域36を設定する(ステップS8,S9)。なお、このステップS8,S9の処理はいずれを先行させてもよいし、両者を試行錯誤的に繰り返してもよい。
この1つ目の水用プリサチュレーション領域36で事前飽和させたい水領域が全てカバーされれば良いが、そうでない場合には、さらにステップS7〜S9の処理が繰じ返される(ステップS10)。この結果、2つ目及び3つ目の水用プリサチュレーション領域37,38が例えば図5に示す如く、信号の流れ込みの懸念される水分布領域をカバーすべく設定される。これにより、パルス列としては図3に示す如く、水を事前抑制させることを目的とした期間tp−waterが形成される。
このように水プリサチュレーション領域36〜38の設定が終わると、今度は、脂肪プリサチュレーション領域の設定に移行する。この場合も、上述と同様に、オペレータは入力器13のマウスなどを使って脂肪用プリサチュレーションパルス追加ボタン43をクリック(押す)する(ステップS11)。これにより、上述と同様に、参照画像31上に2本の平行なラインが表示されるので、このラインを使って、脂肪用厚さボックス45への所望領域厚さの入力及び/又は平行移動及び/又は回転移動により所望厚さ、所望位置、及び所望方向の脂肪用プリサチュレーション領域39を設定する(ステップS12,S13)。なお、このステップS12,S13の処理はいずれを先行させてもよいし、両者を試行錯誤的に繰り返してもよい。
この1つ目の脂肪用プリサチュレーション領域でサチュレーションしたい脂肪領域がカバーされれば良いが、そうでない場合には、さらにステップS11〜S13の処理が繰り返される(ステップS14)。この結果、2つ目の脂肪用プリサチュレーション領域40,が例えば図5に示す如く、信号の流れ込みの懸念される脂肪分布領域をカバーすべく設定される。これにより、パルス列としては図3に示す如く、脂肪を事前抑制させることを目的とした期間tp−lipidが形成される。上述した水用の期間tp−waterとこの脂肪用の期間tp−lipidとによりプリサチュレーション期間tpresatが形成される。
なお、プリサチュレーション領域の厚さは固定値とし、デフォルトで設定するようにしてもよい。この場合、上述した設定装置のインターフェース画面41において厚さ設定ボックス44、45が不要になる。また、プリサチュレーションパルス毎に設定厚さを変更したい場合において、厚さ設定ボックスを、設定するプリサチュレーションパルスの本数分だけ予め同一画面上に設けるようにしてもよい。さらに、インターフェース画面41には、必要に応じてフリップ角FAを入力するボックス、プリサチュレーションパルスの方向を設定するボタン、及び/又はプリサチュレーションパルスの削除ボタンなどが追加するようにしてもよい。
次いで、プリサチュレーションパルス設定装置(ホスト計算機6)は、オペレータとの問で、プリサチュレーションパルスの強度設定法をインターラクティブに選択する(ステップS15)。パルス強度の設定法として、本実施形態では様々な方法が用意されている。
ここで、このパルス強度の設定法を説明する。
図4に示すプリサチュレーションパルス設定装置(インターフェース41)を用いる場合、プリサチュレーションパルスのパルス波形、中心周波数、及び帯域が水用と脂肪用との間で異なるように設定することができるが、同一の波形を用いてもよい。
水用及び脂肪用に対して、プリサチュレーションパルスの波形、中心周波数、及び帯域が共に同一のものを用いる場合、水と脂肪の事前飽和効果はパルス強度及びプリサチュレーション領域の厚さのみにより決まる。
プリサチュレーションパルスの強度は、水及び脂肪に対する事前飽和効果が十分確保されるように設定する必要がある。本実施形態では、第1〜第5のパルス強度設定法が用意されている。
第1のパルス強度方法は、生体水と脂肪の既知の緩和時間を利用した方法であり、縦緩和時間をT1、プリサチュレーションパルスから局所励起パルスまでの時間をtとするとプリサチュレーションパルスのフリップ角FAは次式で表される。
Figure 0005268209
この式を水用プリサチュレーションパルスに適用する場合、縦緩和時間T1には生体水の値を代入し、脂肪用プリサチュレーションパルスに適用する場合、脂肪の値を代入する必要がある。
第2のパルス強度設定法も、生体水と脂肪の既知の縦緩和時間を利用した方法であるが、パルス強度と時間の関係をリニアに近似した点が異なる。この設定法の場合、プリサチュレーションパルスのフリップ角FAは次式で表される。
【数2】
FA=Arccos(t/T1) …… (2)
この式において、縦緩和時間T1は、前述と同様に、水用プリサチュレーションパルスに適用する場合、生体水の値を使用し、脂肪用プリサチュレーションパルスに適用する場合、脂肪の値を使用する必要がある。
臓器毎に縦緩和時間は異なるので、上述の第1、第2の設定法を採用する場合、事前飽和させる部分の臓器に応じてその臓器の代表的な縦緩和時間を採用するようにしてもよい。
第3のパルス強度設定法は水用、脂肪用に最適なフリップ角FAをそれぞれ1本だけ計測により求めておく手法である。第1、第2のパルス強度設定法の場合、臓器間で縦緩和時間が大きく異なると、信号の事前飽和効果を充分に得ることが難しいこともある。そこで、信号収集期間tacqの最初のRF励起パルスL1に最も近い位置の水用プリサチュレーションパルスP6(図3のパルス列の場合)のフリップ角FAを水信号が最小になるように実験的に求め、水の縦緩和時間T1を下記式により計算する。ここで実験で求めたフリップ角FAをFAexpとすると
Figure 0005268209
と表される。
このように求められる縦緩和時間T1を利用して、他の水用プリサチュレーションパルスのフリップ角FAを、前記(1)又は(2)式により演算する。
この設定法の場合、MRS計測を行う前に、かかるフリップ角FAを求めるための調整用パルスシーケンスを実施しておく必要がある。CHESSパルスの調整と同様に、水プリサチュレーションパルスの最適FAを求めるには、最後のパルスP6を調整用として、そのフリップ角FAを数度刻みで変化させ、他の2本のパルスP4,P5)は強度=0としたシーケンスで印加し、関心領域内の水からのMR信号が最小となるフリップ角FAを求め、上記の方法により各パルスの強度を決定する。このとき、MR信号の変化幅が小さくて観察し難い場合、関心領域内の信号を見る代わりに、調整用のプリサチュレーション領域と同じ領域又はその近傍のみの信号の変化を観察するようにしてもよい。
脂肪の場合も同様にして、プリサチュレーションパルスのフリップ角FAを求める。
また、ここでは各プリサチュレーションパルス群の中で時間的に最後尾に位置するパルス(P6及びP8)のフリップ角FAを調整用としたが、いずれを調整用としてもよく、例えば時間的に先頭のパルス(P4及びP7)を調整用としてもよい。
さらに、第4のパルス強度設定法は、印加する水用及び脂肪用の最適フリップ角FAを全て計測により求め、その値を採用する方法である。
この設定法の場合、MRS計測を行う前に、FAを求めるための調整用パルスシーケンスが実行される。第3の設定法において1つのパルスに対して行った計測を、全プリサチュレーションパルスに対して各別に実行してそれらのフリップ角FAを求める。
さらに、第5のパルス強度設定法は、生体水の縦緩和時間を周波数選択性の水抑制パルスP3のフリップ角度から前記式(3)で求め、水用プリサチュレーションパルスP4,P5,P6の強度を前記式(1)又は(2)で求める方法である。ただし、式(3)における時間tとして水抑制パルスP3からRF励起パルスL1までの時間を、一方、「FAexp」として水抑制パルスP3のフリップ角FAを採用する。この場合、脂肪用のプリサチュレーションパルスのフリップ角FAは、前述した第1〜第4のいずれかの設定法で求める。
図2に戻って、上述の如く実行されるパルス強度の設定法が選択されると(ステップS15)、プリサチュレーションパルス設定装置はその選択結果に応じた設定法でパルス強度、すなわちフリップ角を求める。具体的には、「演算による設定」が選択された場合、上述した第1、第2、又は第5の設定法に拠り各パルスP4〜P8のフリップ角FAが演算される(ステップS16)。なお、ステップS16の処理には第1、第2、又は第5の設定法を択一的に選択する処理も含まれる。
また、ステップS15において「調整用パルスシーケンスによる設定」が選択された場合、上述した第4の設定法に拠り各パルスP4〜P8のフリップ角FAが計測される(ステップS16)。なお、この場合、調整用シーケンスが実行される。
さらに、ステップS15において「演算と調整用パルスシーケンスとの併用による設定」が選択された場合、上述した第3の設定法に拠り各パルスP4〜P8のフリップ角FAが求められる(ステップS18)。なお、この場合、調整用シーケンスの実行も含まれる。
このように設定された、プリサチュレーションパルスの強度及びプリサチュレーション領域の厚さを含む、信号収集用の各種のパラメータは、ステップS1で決定しているパルスシーケンスに反映される(ステップS19)。これにより、図3に示す如く、例えばダブルSE法のパルス列に水抑制期間tchess及びプリサチュレーション期間tpresatが付加されて、最終的なパルス列が設定される。とくに、プリサチュレーション期間tpresatにあっては、RF励起パルスとしての各プリサチュレーションパルスP4(〜P8)の波形面積及び傾斜磁場Gs1,Gs2,Gs3の強度が、設定されたフリップ角やプリサチュレーション領域の位置及び厚さに応じて調整されている。
このように設定準備が整うと、最終設定されたパルスシーケンスが起動され、その励起毎に位相エンコード量を変えながらMR信号(エコー信号)が収集される(ステップS20)。この収集データはスペクトル分析などの計測に付される。
このように本実施形態によれば、H−MRSIを行う場合において、プリサチュレーションパルス設定装置により、例えば図2に示すように、水用、脂肪用各別にプリサチュレーションパルスを備えたパルスシーケンスがオペレータとの間でインターラクティブに設定される。
即ち、周波数選択的なCHESSパルスを使用した水抑制期間tchessと代謝産物を励起する局所励起期間tlocとの間に、プリサチュレーション期間tpresatが置かれる。
このプリサチュレーション期間tpresatでは、水を事前励起させる期間tp−waterが時間的に先行し、これに、脂肪を事前励起させることを期間tp−lipidが続く。
水励起期間tp−waterのパルス列には、水を事前励起することを目的とした複数のプリサチュレーションパルス(RFパルス)P4,P5,P6と、これらのパルスと同時に印加され且つ水の事前励起領域に対応するスライス選択傾斜磁場G4,G6,G8と、各プリサチュレーションパルスに続いて印加されるスポイル傾斜磁場G5,G7,G9が配置される。
一方、脂肪励起期間tp−lipidのパルス列には、脂肪を事前励起することを目的とした複数のプリサチュレーションパルス(RFパルス)P7,P8と、これらのパルスと同時に印加され且つ脂肪の事前励起領域に対応するスライス傾斜磁場G10,G12と、各プリサチュレーションパルスに続いて印加されるスポイル傾斜磁場G11,G13とが配置される。
なお、プリサチュレーション期間tpresat以外の期間を成すパルス列は、従来のパルス列と同様である。
このパルスシーケンスが実行されると、CHESSパルスによる水抑制に続いて、例えば図5に示す如く、関心領域34に隣接又は接近して位置する局所的な水抑制領域36〜38の主に水プロトンのスピンが水抑制期間tp−waterの複数のプリサチュレーションパルスP4,P5,P6によって順次励起されて信号飽和状態になる。続いて、関心領域34に隣接又は接近して位置する局所的な脂肪抑制領域39、40の主に脂肪プロトンのスピンが脂肪抑制期間tp−lipidの複数のプリサチュレーションパルスP7,P8によって順次励起されて信号飽和状態になる。
このため、MRS又はMRSIの対象領域である関心領域34に水や脂肪の分布域が隣接又は近接している場合であっても、これら水及び脂肪のスピンが、それぞれに縦緩和時間T1に合わせたパルス強度で確実に事前飽和されているので、関心領域34の信号収集時に、水及び脂肪からの不要な信号が混入するという事態が確実に防止される。
とくに、水と脂肪の縦緩和特性の違い(縦緩和時間は脂肪の方が水よりも短い)に応じて、水の局所的な抑制を時間的に先行させているので、脂肪抑制を先行させた場合よりも、脂肪の信号抑制を確実に行うことができる。
従って、頭部における鼻孔や耳の穴及びその近傍領域、又は、腹部における直腸及びその近傍領域のように磁場均一性の低い領域を含む断面においてMRS又はMRSIを行う場合であっても、水及び脂肪の緩和時間の違いを考慮したパルス強度の個別に印加できるので、水及び脂肪の双方を最も有効に事前飽和させ、関心領域に対する、誤差を排除又は抑制した高品質なスペクトルを得ることができる。
また、本実施形態によれば、プリサチュレーションパルスは、グラフィックユーザインターフェースとして提供される設定装置を介してインターラクティブに設定できるので、その作業は迅速に且つ的確なものになる。
なお、この実施形態において、複数の水用プリサチュレーション領域の内、いくつかを同一領域として設定してもよいし、同様に、脂肪用プリサチュレーション領域の内、いくつかを同一領域として設定してもよい。さらに、水用プリサチュレーション領域と脂肪用プリサチュレーション領域を同一領域として設定してもよい。
また、水用及び脂肪用プリサチュレーション領域36〜40の設定番は任意で構わず、また、これらの設定の順番とパルス印加の順番は必ずしも同一でなくてもよい。さらに、プリサチュレーション期間において、必要に応じて、脂肪抑制を水抑制に先行させることも可能である。
(第2の実施形態)
図6を参照して、本発明の第2の実施形態に係るMRSI装置を説明する。第2の実施形態は、ユーザインターフェースとして提供されるプリサチュレーションパルス設定装置の別の例に関する。
なお、このMRSI装置のハードウエア構成は第1の実施形態のものと同一又は同等である。この構成要素は同一符号を用いて説明する(後述する第3の実施形態においても同様とする)。
第2の実施形態において、ホスト計算機6、入力器13、及び表示器12により機能的に、図6に示すプリサチュレーションパルス設定装置のインターフェース画面51が提供される。
このインターフェース画面51には、従来の設定装置と同様に、それぞれ1種類のプリサチュレーションパルス追加ボタン52及び領域厚さ設定ボックス53が表示される。また、脂肪プリサチュレーションパルス数の設定ボックス54も表示される。水用プリサチュレーションパルスと脂肪用プリサチュレーションパルスを区別するために、設定ボックス54が必要となる。
パルス設定を行う場合、水用プリサチュレーション領域36〜38を先に目的の本数だけ設定し(前述した図5参照)、この後、脂肪用プリサチュレーション領域39,40を目的の本数だけ設定する必要がある(図5参照)。この設定は第1の実施形態と同様に行われる。脂肪用プリサチュレーションパルスの数がボックス54から指定される。水用プリサチュレーションパルスの数は、全プリサチュレーションパルスから脂肪プリサチュレーションパルスの数を引いたものである。
脂肪用プリサチュレーションパルスの設定を先に行ってもよいし、水用プリサチュレーションパルスの数を設定するように構成することもできる。
プリサチュレーション領域の厚さ及びプリサチュレーションパルスの強度設定は、第1の実施形態と同様に行われる。
このため、本実施形態によっても、第1の実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
図7,8を参照して、本発明の第3の実施形態に係るMRSI装置を説明する。第3の実施形態は、ユーザインターフェースとして提供されるプリサチュレーションパルス設定装置の更に別の例に関する。
第3の実施形態において、ホスト計算機6、入力器13、及び表示器12により機能的に、図7に示すプリサチュレーションパルス設定装置のインターフェース画面61が提供される。
このインターフェース画面61には、水用プリサチュレーション領域の厚さを設定する厚さ設定ボックス62、MRS用の関心領域の頂点からの距離を設定する距離設定ボックス64、水用プリサチュレーション領域の本数を設定する本数設定ボックス66、脂肪用プリサチュレーション領域の厚さを設定する厚さ設定ボックス63、MRS用の関心領域の頂点からの距離を設定する距離設定ボックス65、脂肪用プリサチュレーション領域の本数を設定する本数設定ボックス67が表示される。
水用プリサチュレーションについて、領域厚さをボックス62から例えば10mmと指定し、関心領域の頂点からの距離をボックス64から例えば2mmと指定し、パルス本数をボックス66から例えば4本と指定する。その後、脂肪用に関しても、各ボックス63、65、67から、夫々、例えば5mm、10mm、6本と指定する。これにより、頭部アキシャル像31を参照像とする図8に示すように、複数のプリサチュレーション領域が水、脂肪毎に、矩形状の関心領域の周囲に演算によって自動的に設定される。同図において、点線で示された4つの領域W1〜W4が水用サチュレーション領域を示し、実線で示された6つの領域PP1〜PP6が脂肪用サチュレーション領域を示す。
このように、オペレータはインターフェース画面61において必要な数値のみを入力すればよく、プリサチュレーションパルスを半自動的に設定することができる。
なお、この実施形態において、入力器13に装備したポインティングデバイスにより領域W1〜W4及びPP1〜PP6を回転させる機能を必要に応じて付加してもよい。また、プリサチュレーション領域の厚さ及び本数を予め固定値とする場合には、図7におけるインターフェース画面においてボックス62、63,66、67を省略し、画面を簡単化できる。さらに、プリサチュレーションパルスのフリップ角FA(パルス強度)は第1の実施形態と同様に設定できる。
また、上述の第1〜第3の実施形態では、水用と脂肪用との2種類のプリサチュレーションパルスの設定および制御方法を説明したが、必要に応じてさらに多くの緩和時間の異なる物質(例えばCSF)に対してプリサチュレーションパルスの設定を行うようにしてもよい。この場合、前述したプリサチュレーション設定装置のインターフェース画面41,61に、追加物質用のプリサチュレーションパルスを設定するための入力ボックスが用意される。
さらに、上述した第1〜第3の実施形態のパルスシーケンスにおいて、水用プリサチュレーションパルスおよび脂肪用プリサチュレーションパルス、又は、それらのいくつかを水抑制期間tchessに先行させてもよい。また、上述の各実施形態は、プリサチュレーション領域をMRI画像の面上に設定する例について説明したが、MRI画像に対して平行な面上でプリサチュレーション領域を指定するうに構成することもできる。その場合には、プリサチュレーション設定装置のインターフェース画面に、MRI画像に対して平行なプリサチュレーションパルスを設定するための入力ボタンを設ければよい。
また、上述の各実施形態において、局所励起パルスシーケンスとしてスピンエコーシーケンスを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の局所励起シーケンスを用いてもよい。また、例えば、論文「Radiolgy 188:277(1993)」に示す如く、局所励起を行わないOVS(Outer Volume Suppression)法のパルスシーケンスに、図3の水用のプリサチュレーションパルス群tp−water を付加し、本発明に係るパルス強度設定法を用いるようにしてもよい。
発明の効果
以上説明したように、本発明によれば、被検体の代謝産物かちの磁気共鳴信号を検出する磁気共鳴診断装置において、不均一な静磁場及び不均一な高周波磁場に因って生じる、不要な水信号及び脂肪信号を同時に抑圧することができ、MRS又はMRSIの対象領域から誤差要因を確実に排除又は軽減したMR信号を収集して、スペクトロスコピー又はスペクトロスコピックイメージングの精度を格段に向上させることができる。
第1〜第3の実施形態に係る磁気共鳴診断装置の概略構成を示すブロック図。 プリサチュレーションパルスの設定を含む準備処理から信号収集スキャンまでの過程を概略的に説明するフローチャート。 プリサチュレーション期間を含むパルスシーケンスの一例を示すシーケンス図。 第1の実施形態において機能的に実現されるプリサチュレーション設定装置のインターフェースの画面図。 第1の実施形態のプリサチュレーション設定装置により表示されるプリサチュレーション領域の位置を示す画面図。 第2の実施形態において機能的に実現されるプリサチュレーション設定装置のインターフェースの画面図。 第3の実施形態において機能的に実現されるプリサチュレーション設定装置のインターフェースの画面図。 第3の実施形態のプリサチュレーション設定装置により表示されるプリサチュレーション領域の位置を示す画面図。 従来例に係る、プリサチュレーション期間を含むパルスシーケンスの一例を示すシーケンス図。 従来例のプリサチュレーション設定装置により表示されるプリサチュレーション領域の位置を示す画面図。 従来例において機能的に実現されるプリサチュレーション設定装置のインターフェースの画面図。
1 磁石
3 傾斜磁場コイルユニット
4 傾斜磁場電源
5 シーケンサ
6 ホスト計算機
7 RFコイル
8T 送信器
8R 受信器
10 演算ユニット
11 記憶ユニット
12 表示器
13 入力器
31 参照画面
36〜38 水用プリサチュレーション領域
39,40 脂肪用プリサチュレーション領域
41,51,61 プリサチュレーション設定装置のユーザインターフェース画面
W1〜W4 水用プリサチュレーション領域
PP1〜PP6 脂肪用プリサチュレーション領域

Claims (9)

  1. 被検体に事前飽和のためのプリサチュレーションパルスを含むパルスシーケンスを印加し
    て、当該被検体内の所望の代謝産物から生じる磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴診断装置
    において、
    前記パルスシーケンス内でスライス選択傾斜磁場と共に印加される複数種類の前記プリ
    サチュレーションパルスとして、印加タイミングが異なる縦緩和時間が長い物質を事前飽
    和させる第1のプリサチュレーションパルスと前記縦緩和時間が短い物質を事前飽和させ
    る第2のプリサチュレーションパルスとを、前記第1のプリサチュレーションパルスが前
    記第2のプリサチュレーションパルスに時間的に先行するよう設定するパルス設定手段を
    備えたことを特徴とする磁気共鳴診断装置。
  2. 請求項に記載の磁気共鳴診断装置において、
    前記第1及び第2のプリサチュレーションパルスの少なくとも一方は、2個以上のRF
    パルスを用いて構成されることを特徴とした磁気共鳴診断装置。
  3. 請求項1または2に記載の磁気共鳴診断装置において、
    前記パルス設定手段は、前記第1及び第2のプリサチュレーションパルスの強度を前記
    縦緩和時間に応じて又は最大飽和効果を得るように設定する強度設定手段を備えることを
    特徴とした磁気共鳴診断装置。
  4. 請求項に記載の磁気共鳴診断装置において、
    前記強度設定手段は、前記異なる複数種類の物質それぞれに対する前記縦緩和時間の既
    知の値を用いて前記プリサチュレーションパルスのフリップ角を前記強度として演算によ
    り設定する手段であることを特徴とした磁気共鳴診断装置。
  5. 請求項に記載の磁気共鳴診断装置において、
    前記強度設定手段は、調整用のパルスシーケンスを起動させてMR信号を収集し、この
    MR信号に基づいて前記プリサチュレーションパルスのフリップ角を前記強度として設定
    する手段であることを特徴とした磁気共鳴診断装置。
  6. 請求項1〜の何れか一項に記載の磁気共鳴診断装置において、
    前記パルス設定手段は、オペレータとの間でインターラクティブに前記プリサチュレー
    ションパルスを設定可能なグラフィック・ユーザ・インターフェースとして構成されるこ
    とを特徴とした磁気共鳴診断装置。
  7. 請求項1〜の何れか一項に記載の磁気共鳴診断装置において、
    前記縦緩和時間が長い物質は前記被検体内の生体水であり、前記縦緩和時間が短い物質
    は前記被検体内の脂肪であることを特徴とした磁気共鳴診断装置。
  8. 被検体に事前飽和のためのプリサチュレーションパルスを含むパルスシーケンスを印加し
    て、当該被検体内の所望の代謝産物から生じる磁気共鳴信号を収集する磁気共鳴診断装置
    において、
    前記被検体の予め取得されている所望位置の断層像を表示する画像表示手段と、
    この画像表示手段により表示された断層像上で前記磁気共鳴信号を収集したい関心領域
    と、スピンの緩和時間の異なる複数種類の物質それぞれに応じた前記事前飽和を施すプリ
    サチュレーション領域とを設定する領域設定手段と、
    前記プリサチュレーションパルスの強度を前記複数種類の物質それぞれに応じて設定す
    る強度設定手段と、
    前記領域設定手段により設定された領域の情報と前記強度設定手段により設定された強
    度の情報とを前記パルスシーケンスに反映させる情報反映手段と、
    前記パルスシーケンスを実行して前記関心領域から前記磁気共鳴信号を収集する信号収
    集手段と、を備えたことを特徴とする磁気共鳴診断装置。
  9. 請求項に記載の磁気共鳴診断装置において、
    前記代謝産物はプロトン化合物であり、前記プリサチュレーションパルスの時系列的前
    又は後に周波数選択性の水抑制パルスを印加する手段を有することを特徴とする磁気共鳴
    診断装置。
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