JP5267212B2 - ボールジョイント - Google Patents
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請求項3の発明は、一端が開口された略円筒形状の収容部を有するハウジングと、前記収容部に収容される頭部及び前記頭部から延設される軸部を有するボールスタッドと、前記収容部及び前記頭部の間に介在するとともにグリスを介して前記頭部を摺動可能とする樹脂シートとを備え、前記収容部の開口端部をかしめることにより、前記ハウジングに対して前記ボールスタッドが揺動可能となるとともに、前記ハウジングと前記ボールスタッドとが連結するボールジョイントにおいて、前記樹脂シートにおいて、前記頭部の中心位置に対応する外表面よりも軸部側の頭部の外表面と対向する内面には、環状凹溝が設けられ、前記樹脂シートは、前記環状凹溝よりも前記開口端部側において前記頭部と前記頭部の全周において当接していることを要旨とする。
請求項5の発明は、一端が開口された略円筒形状の収容部を有するハウジングと、前記収容部に収容される頭部及び前記頭部から延設される軸部を有するボールスタッドと、前記収容部及び前記頭部の間に介在するとともにグリスを介して前記頭部を摺動可能とする樹脂シートとを備え、前記収容部の開口端部をかしめることにより、前記ハウジングに対して前記ボールスタッドが揺動可能となるとともに、前記ハウジングと前記ボールスタッドとが連結するボールジョイントにおいて、前記樹脂シートにおいて、前記頭部の中心位置に対応する外表面よりも軸部側の頭部の外表面と対向する内面には、環状凹溝が設けられ、前記頭部と前記環状凹溝との間にて形成された空間が前記軸部側から前記頭部の先端部側に向かうにつれて狭くなるように、前記環状凹溝の形状を形成することを要旨とする。
この発明によれば、樹脂シートにおいて、頭部の中心位置の外表面よりも軸部側の頭部の外表面と対向する内面に環状凹溝が形成されることにより、収容部のかしめによる変形に伴う樹脂シートの変形の際に、環状凹溝より軸部側である先端部が頭部と当接した状態を維持することができる。したがって、従来構造のような樹脂シートと頭部との間に間隙が形成されることにより、異物が樹脂シートと頭部との間に侵入することを抑制することができる。
また、頭部と環状凹溝との間にて形成された空間が、頭部の中心位置側に向かうにつれて狭くなることにより、頭部が収容部に対して揺動した際に、頭部と樹脂シートとの間に充填されている潤滑剤であるグリスが、くさび効果の作用により、頭部の中心位置側に押し込まれる。したがって、グリスが最も涸渇しやすい頭部の中心位置に対応する外表面と同外表面に対向する樹脂シートの内面との間にグリスを供給することが可能となる。したがって、頭部の磨耗を抑制することができる。
また、環状凹溝の形状のみを変更することにより、即ち、ボールスタッドの頭部の形状を変更しないことにより、樹脂シートと頭部との摺動性能への影響を抑制することができる。
図1〜図4、及び図6を参照して、本発明のボールジョイントを、車両の操舵装置に搭載されたボールジョイントとして具体化した第1の実施形態について説明する。
図1に示すように、操舵装置1は、運転者がステアリングホイール等の操舵部2を操作することにより、車両の車輪3の方向を変更させる装置である。具体的には、操舵装置1の操舵部2により、操舵部2に連結されたステアリングシャフト4を回転させる。そして、ステアリングシャフト4の回転は、中間シャフト5及びピニオンシャフト6を介して車両の車輪3に向かい延びる転舵軸としてのラックシャフト7の直線方向の移動に変換され、ラックシャフト7の直線方向の移動に伴い、車輪3の方向が変更される。
図4(a)に示すように、収容部12bにかしめが行われる前の状態では、収容部12bの円筒部12b1は、軸方向に沿って延設されている。そして、樹脂シート13も同様に、樹脂シート13の外面は、軸方向に沿って延設されている。また、樹脂シート13の内面は、軸方向の軸部11a側に向かい拡径するように傾斜している。そして、図4(a)の状態では、樹脂シート13において、ボールスタッド11の頭部11bを収容部12bに収容した状態における頭部11bの軸方向の中心位置Cより軸方向の内部側の部位(変形部位13a)は、頭部11bの軸方向の中心位置Cの径である最大径D1よりも大きい内径D2を有している。この状態において、頭部11bを収容部12b及び樹脂シート13内に収容する。
(1)本実施形態のボールジョイントでは、樹脂シート13の変形部位13aの内面に環状凹溝13bが設けられる構成である。この構成によれば、ハウジング12の収容部12bのかしめによる変形に伴う上記変形部位13aの変形の際に、環状凹溝13bより軸方向の内部側である先端部13cの内面13c1が頭部11bと当接した状態を維持することができる。したがって、図6に示す比較構造のような樹脂シート13と頭部11bとの間に間隙Gが形成されることに起因して、異物が樹脂シート13と頭部11bとの間に侵入することを抑制することができる。その結果、頭部11bが異物により傷付くことを抑制することができるため、頭部11bの磨耗に起因するインナーボールジョイント10のがたつきの発生を抑制することができる。
図5を参照して、本発明のボールジョイントを、車両の操舵装置に搭載されたボールジョイントとして具体化した第2の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態と比較して、樹脂シート13の環状凹溝の形状が異なるのみであるため、同一構成要素には、同一符号を付し、その説明を省略する。
(3)本実施形態のボールジョイントでは、頭部11bと環状凹溝30との間にて形成された空間S2が、頭部11bの軸方向の中心位置Cに向かうにつれて狭くなる構成である。この構成によれば、図5(b)に示すように、頭部11bが樹脂シート13に対して矢印Y3方向に摺動した際に、頭部11bと樹脂シート13との間に充填されているグリスが、くさび効果の作用により、頭部11bの軸方向の内部側である矢印Y4に押し込まれる。したがって、頭部11bと樹脂シート13との間において、グリスが最も涸渇しやすい頭部11bの軸方向の中心位置Cの頭部11bの外表面と樹脂シート13との間にグリスを供給することが可能となる。したがって、グリスの涸渇に起因する頭部11bの磨耗を抑制することができる。その結果、インナーボールジョイント10の寿命を延長させることができる。
本発明のボールジョイントは、上記に例示した実施形態に限定されることなく、以下のように変更することができる。
・第1及び第2の実施形態のボールジョイントによれば、図2に示すように、タイロッド8は、インナーボールジョイント10及びアウターボールジョイント20から構成されていたが、タイロッド8の構成は、これに限定されることはない。例えば、タイロッドが基部となるシャフトと、このシャフトの軸方向の内部側及び外部側にそれぞれ固定されるインナーボールジョイント及びアウターボールジョイントとから構成されてもよい。
Claims (5)
- 一端が開口された略円筒形状の収容部を有するハウジングと、前記収容部に収容される頭部及び前記頭部から延設される軸部を有するボールスタッドと、前記収容部及び前記頭部の間に介在するとともにグリスを介して前記頭部を摺動可能とする樹脂シートとを備え、前記収容部の開口端部をかしめることにより、前記ハウジングに対して前記ボールスタッドが揺動可能となるとともに、前記ハウジングと前記ボールスタッドとが連結するボールジョイントにおいて、
前記樹脂シートには、前記収容部のかしめによる変形に伴い変形する変形部位を有し、
前記変形部位における前記頭部と対向する内面には、前記開口端部に沿った環状凹溝が設けられる
ことを特徴とするボールジョイント。 - 請求項1に記載のボールジョイントにおいて、
前記樹脂シートは、前記環状凹溝よりも前記開口端部側において前記頭部と前記頭部の全周において当接している
ことを特徴とするボールジョイント。 - 一端が開口された略円筒形状の収容部を有するハウジングと、前記収容部に収容される頭部及び前記頭部から延設される軸部を有するボールスタッドと、前記収容部及び前記頭部の間に介在するとともにグリスを介して前記頭部を摺動可能とする樹脂シートとを備え、前記収容部の開口端部をかしめることにより、前記ハウジングに対して前記ボールスタッドが揺動可能となるとともに、前記ハウジングと前記ボールスタッドとが連結するボールジョイントにおいて、
前記樹脂シートにおいて、前記頭部の中心位置に対応する外表面よりも軸部側の頭部の外表面と対向する内面には、環状凹溝が設けられ、
前記樹脂シートは、前記環状凹溝よりも前記開口端部側において前記頭部と前記頭部の全周において当接している
ことを特徴とするボールジョイント。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のボールジョイントにおいて、
前記頭部と前記環状凹溝との間にて形成された空間が前記軸部側から前記頭部の先端部側に向かうにつれて狭くなるように、前記環状凹溝の形状を形成する
ことを特徴とするボールジョイント。 - 一端が開口された略円筒形状の収容部を有するハウジングと、前記収容部に収容される頭部及び前記頭部から延設される軸部を有するボールスタッドと、前記収容部及び前記頭部の間に介在するとともにグリスを介して前記頭部を摺動可能とする樹脂シートとを備え、前記収容部の開口端部をかしめることにより、前記ハウジングに対して前記ボールスタッドが揺動可能となるとともに、前記ハウジングと前記ボールスタッドとが連結するボールジョイントにおいて、
前記樹脂シートにおいて、前記頭部の中心位置に対応する外表面よりも軸部側の頭部の外表面と対向する内面には、環状凹溝が設けられ、
前記頭部と前記環状凹溝との間にて形成された空間が前記軸部側から前記頭部の先端部側に向かうにつれて狭くなるように、前記環状凹溝の形状を形成する
ことを特徴とするボールジョイント。
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