JP5266877B2 - スピーカ駆動方法およびスピーカシステム - Google Patents

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Description

この発明は、磁歪アクチュエータや圧電アクチュエータなどのアクチュエータによって音響振動板に振動を加えて音響を再生するスピーカシステム、および、このスピーカシステムのアクチュエータを音声信号によって駆動する方法に関する。
スピーカシステムとして、磁歪アクチュエータや圧電アクチュエータなどのアクチュエータによって音響振動板に振動を加えて音響を再生するものが考えられている。
具体的に、特許文献1(特開2007−166027号公報)および特許文献2(特開2007−228557号公報)では、図27に示すようなスピーカシステムが提案されている。
このスピーカシステムでは、アクリルなどからなる円筒状の音響振動板10を円板状のベース筐体20上に鉛直に支持し、ベース筐体20の等角間隔の4箇所の位置に磁歪アクチュエータ30を配置する。
それぞれの磁歪アクチュエータ30の駆動ロッド35を音響振動板10の下端面12に当接させ、音声信号によって磁歪アクチュエータ30を駆動して、音響振動板10の下端面12に、これに垂直な板面方向の振動を加える。
下端面12は縦波で励起されるが、振動弾性波が音響振動板10の板面方向に伝播することによって縦波と横波が混在した波となって、音響振動板10の板面に垂直な方向に音波が放射され、音響振動板10の高さ方向の全体に渡って均一な音像が形成される。
さらに、図27では省略したが、特許文献1,2には、ベース筐体20の中央の開口部に通常のスピーカユニットを取り付けることが示されている。
この場合、音響振動板10および磁歪アクチュエータ30は、可聴周波数帯域の中高域を受け持つツィータとして機能させ、通常のスピーカユニットを、可聴周波数帯域の低域側を受け持つウーファとして機能させる。
特許文献1,2の図7には、このスピーカシステムの駆動系として、図28に示すような駆動系が示されている。図28で、アクチュエータ1,2,3,4は、図27に示した4個の磁歪アクチュエータである。
図28の駆動系では、ステレオ音声信号を構成する左音声信号Lと右音声信号Rとが、加算回路121で合成される。
合成後の音声信号Ahlは、ハイパスフィルタ122およびローパスフィルタ125に供給されて、ハイパスフィルタ122からは、中高域成分の音声信号Ahが得られ、ローパスフィルタ125からは、低域成分の音声信号Alが得られる。
ハイパスフィルタ122からの中高域成分の音声信号Ahは、イコライザ123で周波数特性が補正され、さらにアンプ124−1,124−2,124−3,124−4で増幅されて、アクチュエータ1,2,3,4に供給される。
ローパスフィルタ125からの低域成分の音声信号Alは、イコライザ126で周波数特性が補正された後、遅延回路127で数ミリ秒遅延され、さらにアンプ128で増幅されて、上記のスピーカユニット50に供給される。
さらに、特許文献1,2の図16には、上記のスピーカシステムの駆動系として、図29に示すような駆動系が示されている。図29で、アクチュエータ1,2,3,4は、図27に示した4個の磁歪アクチュエータである。
加算回路121で左音声信号Lと右音声信号Rとが合成され、ハイパスフィルタ122から中高域成分の音声信号Ahが得られ、ローパスフィルタ125から低域成分の音声信号Alが得られることは、図28の駆動系と同じである。
図29の駆動系では、ハイパスフィルタ122からの中高域成分の音声信号Ahは、DSP(Digital Signal Processor)などの信号処理部129−1,129−2,129−3,129−4でレベルや遅延時間などが調整される。
調整後の音声信号は、アンプ124−1,124−2,124−3,124−4で増幅されて、アクチュエータ1,2,3,4に供給される。
ローパスフィルタ125からの低域成分の音声信号Alは、DSPなどの信号処理部130で図28のイコライザ126および遅延回路127に相当する処理が実行され、さらにアンプ128で増幅されて、上記のスピーカユニット50に供給される。
さらに、特許文献2の図17には、上記のスピーカシステムの駆動系として、図30に示すような駆動系が示されている。図30で、アクチュエータ1,2,3,4は、図27に示した4個の磁歪アクチュエータである。
図30の駆動系では、左音声信号Lおよび右音声信号Rは、アクチュエータのチャンネルごとに、アッテネータ210で減衰され、信号処理部211でレベルや遅延時間などが調整される。信号処理部211では、さらに調整後の左音声信号と右音声信号とが混合される。
混合後の音声信号は、アクチュエータのチャンネルごとに、ハイパスフィルタ212に供給されて、ハイパスフィルタ212から、アクチュエータのチャンネルごとに、混合後の音声信号の中高域成分が得られる。その中高域成分の音声信号は、それぞれアンプ202で増幅されて、アクチュエータ1,2,3,4に供給される。
一方、左音声信号Lおよび右音声信号Rは、スピーカユニット50用に、アッテネータ220で減衰され、信号処理部221でレベルや遅延時間などが調整される。信号処理部221では、さらに調整後の左音声信号と右音声信号とが混合される。
混合後の音声信号は、ローパスフィルタ222に供給されて、ローパスフィルタ222から、混合後の音声信号の低域成分が得られる。その低域成分の音声信号は、アンプ203で増幅されて、スピーカユニット50に供給される。
なお、磁歪アクチュエータは、外部磁界を与えると形状が変化する磁歪素子を用いたアクチュエータである。最近は、磁歪素子として、形状変化量が従来の1000倍近い超磁歪素子が現れている。
しかも、磁歪素子は、形状が変化する際の発生応力が大きいため、小型の磁歪アクチュエータでも、音響振動板を比較的大音量で鳴らすことができるとともに、鉄板などの硬い音響振動板でさえも鳴らすことができる。
さらに、磁歪アクチュエータは応答速度にも優れ、磁歪素子単体の応答速度はナノ秒オーダーである。
ただし、音響振動板を駆動するアクチュエータとしては、磁歪アクチュエータに限らず、圧電アクチュエータなどを用いることもできる。
なお、下記の非特許文献1には、2つの音声信号(音響信号)の間の相関係数のことが記載されている。また、この非特許文献1には、入力音声信号をそのまま左音声信号とし、同じ入力音声信号をシュレーダー回路に供給して得られた信号を右音声信号とする擬似ステレオ方式が示されている。
上に挙げた先行技術文献は、以下の通りである。
特開2007−166027号公報 特開2007−228557号公報 NHK技研月報、昭和60年12月、18〜23頁「ステレオ再生における音像の広がり感と距離感の制御法」
しかし、上記のように複数のアクチュエータによって音響振動板に振動を加えて音響を再生する場合に、上記のように各アクチュエータを同一の音声信号によって駆動すると、音像の拡がりが小さくなる。
具体的に、図27の例のスピーカシステムを図28、図29または図30に示した方法で駆動すると、図31(A)(B)に示すように、音像Aiは、音響振動板10の中心軸に直交する面内では、音響振動板10の内側中心部に形成され、拡がり感のないものとなる。図31(A)中の信号(L+R)hは、上述した左音声信号Lと右音声信号Rとの合成信号の中高域成分である。
そこで、この発明は、音像を音響振動板の周辺部や外側に拡げることができるようにしたものである。
この発明のスピーカ駆動方法は、複数のアクチュエータによって音響振動板に振動を加えて音響を再生するスピーカシステムの制御部が上記複数のアクチュエータを駆動する方法として、音声信号を移相、遅延または演算して、互いの間の相関係数が1より小さくなるように無相関化された第1および第2の音声信号を生成し、第1の音声信号によって第1のアクチュエータを駆動し、第2の音声信号によって第2のアクチュエータを駆動し、第1および第2の音声信号によって第1および第2のアクチュエータを駆動する駆動モードと、互いの間の相関係数が第1の音声信号と第2の音声信号との間の相関係数より大きい第3および第4の音声信号によって第1および第2のアクチュエータを駆動する駆動モードとを切り替えるものである。
上記のスピーカ駆動方法では、第1および第2の音声信号が、互いの間の相関係数が1より小さい、互いの相関性が低い信号、または互いに無相関の信号とされるので、第1および第2の音声信号による音像が、音響振動板の周辺部や外側に拡がって形成されるようになる。
以上のように、この発明によれば、音像を音響振動板の周辺部や外側に拡げることができる。
[1.スピーカシステムの一例:図1〜図4]
スピーカシステムの一例として、複数のアクチュエータによって円筒状の音響振動板の端面に、端面に垂直な板面方向の振動を加える場合を示す。
(1−1.システム全体の構成:図1〜図3)
図1、図2および図3に、この例のスピーカシステムを示す。図1は、スピーカシステムを上方から見た図、図2は、ベース筐体につき、図1のラインA−Aの部分を断面にした側面図、図3は、図1のラインB−Bの部分の断面図である。
音響振動板10は、例えば、アクリルなどによって、両端を開口とした円筒状に形成し、厚みを2mm、直径を10cm、長さ(高さ)を100cmとする。
ベース筐体20は、例えば、アルミニウムなどによって、音響振動板10の外径より大きい外径の、ある高さ(厚み)を有する円板状に形成する。
音響振動板10は、一端側の端面を上端面11とし、他端側の端面を下端面12として、その軸方向を鉛直方向とし、その中心軸をベース筐体20の中心軸に合わせるように、ベース筐体20の上面21に取り付ける。
具体的に、ベース筐体20の上面21の等角間隔の4箇所の位置において、それぞれ、L字アングル41の一端を、ベース筐体20との間にシリコンゴムからなるダンピング材42を介在させて、ネジ43によってベース筐体20に取り付ける。
さらに、音響振動板10の内側および外側に、それぞれシリコンゴムからなるダンピング材44および45を介在させて、L字アングル41の他端を、ネジ46およびナット47によって音響振動板10の下端部に取り付ける。
このようにダンピング材44,45および42を介して音響振動板10をベース筐体20に取り付けることによって、音響振動板10の振動がベース筐体20に伝播してベース筐体20側に音像が定位することを防止することができる。
さらに、ベース筐体20には、L字アングル41の取り付け位置の間の、等角間隔の4箇所の位置に、それぞれ上面21から下面22までに渡って上下方向に貫通した穴である収納部23を形成する。
このベース筐体20の、それぞれの収納部23内に、それぞれ磁歪アクチュエータ30を、それぞれの駆動ロッド35を上に向けて下側から挿入する。
さらに、それぞれの収納部23内の磁歪アクチュエータ30の下側に、それぞれコイルスプリング(コイルバネ)24およびネジ25を挿入する。ネジ25は、駆動ロッド35の先端が音響振動板10の下端面12に当接し、かつコイルスプリング24が所定量圧縮される位置まで、収納部23内に挿入する。
ベース筐体20の下面22には、等角間隔の3箇所の位置に、脚部27を形成する。必要に応じて、音響振動板10の下端面12とベース筐体20の上面21との間には、磁歪アクチュエータ30の駆動ロッド35の位置を除く位置に、シリコンゴムなどからなるダンピング材28を介在させる。これによって、音響振動板10とベース筐体20との間の密閉度を高めることができる。
以上の構成で、音声信号によって磁歪アクチュエータ30を駆動すると、その音声信号に応じて、磁歪アクチュエータ30の後述の磁歪素子が、その軸方向に伸縮し、駆動ロッド35が同じ方向に変位して、音響振動板10の下端面12に縦波の振動が加えられる。
この縦波は、音響振動板10の板面に沿って上端面11まで伝播するが、その伝播の過程で縦波と横波が混在した波となって、音響振動板10の板面に垂直な方向に音波が放射される。
さらに、この例では、図1および図3に示すように、ベース筐体20の中央部を開口部29として、この開口部29にスピーカユニット50を、例えば、スピーカ前面側を下方に向け、スピーカ背面側を上方に向けて取り付ける。スピーカユニット50に対しては、音響振動板10がキャビネットとして機能する。
この場合、例えば、音響振動板10および磁歪アクチュエータ30を、可聴周波数帯域の中高域を受け持つツィータとして機能させ、スピーカユニット50を、可聴周波数帯域の低域側を受け持つウーファとして機能させる。
(1−2.磁歪アクチュエータの例:図4)
図4に、磁歪アクチュエータ30の一例を示す。この例は、磁歪素子に予荷重が加えられる場合である。
アクチュエータ本体としては、棒状の磁歪素子31の周囲にソレノイドコイル32が配置され、ソレノイドコイル32の周囲にマグネット33およびヨーク34が配置される。さらに、磁歪素子31の一端に駆動ロッド35が連結され、磁歪素子31の他端に固定盤36が取り付けられる。
このアクチュエータ本体が、駆動ロッド35の先端部が外筐ケース39の外側に突出するように、例えばアルミニウムからなる外筐ケース39内に装填される。
さらに、駆動ロッド35にはシリコンゴムなどからなるダンピング材37が装填されるとともに、固定盤36の背後にはネジ38が挿入されて、磁歪素子31に予荷重が加えられる。
[2.スピーカ駆動方法:図5〜図22]
(2−1.相関係数r:図5〜図7)
上記の非特許文献1などに示されているように、2つの音声信号の似ている度合いを示す指標の1つとして、相関係数rが考えられている。
図5に示すように、相関係数rは、+1から−1までの値をとる。2つの音声信号が全く同一である場合には、相関係数rは1(+1)である。2つの音声信号が独立・無関係である場合には、相関係数rは0である。2つの音声信号が互いに逆相である場合には、相関係数rは−1である。
図1〜図3に示した例のスピーカシステムに準じて、図6に示すように、2つのアクチュエータ1,2によって、円筒状の音響振動板10の下端面に、これに垂直な板面方向の振動を加える場合を考える。
アクチュエータ1を駆動する(アクチュエータ1に供給される)音声信号をA1、アクチュエータ2を駆動する(アクチュエータ2に供給される)音声信号をA2とし、音声信号A1と音声信号A2との間の相関係数をr12とする。
相関係数r12と音像との関係を考察すると、r12=1の場合には、図7(A)に示すように、音像Aiは、音響振動板10の中心軸に直交する面内では、音響振動板10の内側中心部に形成され、拡がり感のないものとなる。
r12=0の場合には、図7(B)に示すように、音像全体は、音響振動板10の中心軸に直交する面内では、アクチュエータ1,2の内側の円形の部分Ai10,Ai20と、両者の間の部分Ai30とからなるものとなる。
r12=−1の場合には、図7(C)に示すように、音像全体は、音響振動板10の中心軸に直交する面内では、アクチュエータ1,2の外側の半環状の音像Ai1,Ai2からなるものとなり、拡がり感のある音像が得られる。
図7(A)のようにr12=1の場合は、例えば、図31に示した場合と同様に、ステレオ音声信号の左音声信号と右音声信号との和の信号を、それぞれ音声信号A1,A2とする場合である。
図7(B)のようにr12=0の場合は、例えば、音声信号A1をステレオ音声信号中の左音声信号とし、音声信号A2をステレオ音声信号中の右音声信号とする場合である。
図7(C)のようにr12=−1の場合は、例えば、ステレオ音声信号の左音声信号と右音声信号との和の信号を音声信号A1とし、この音声信号A1に対して逆相の信号を音声信号A2とする場合である。
そこで、この発明では、互いの間の相関係数が1より小さくなるように無相関化された2つの音声信号によって2つのアクチュエータを駆動する。この場合の無相関化は、音声信号を移相、遅延または演算(合成)することによって行う。
上記のように、左音声信号と右音声信号との和の或る位相の信号を音声信号A1とし、これに対して逆相の信号を音声信号A2とすることは、無相関化の一例である。
(2−2.駆動方法と音像状態:図8および図9)
図8に、図1〜図3に示した例のスピーカシステムを駆動する場合を示す。アクチュエータ1,2,3,4は、図1に示した4個の磁歪アクチュエータである。
アクチュエータ1を駆動する(アクチュエータ1に供給される)音声信号をA1、アクチュエータ2を駆動する(アクチュエータ2に供給される)音声信号をA2、アクチュエータ3を駆動する(アクチュエータ3に供給される)音声信号をA3、アクチュエータ4を駆動する(アクチュエータ4に供給される)音声信号をA4とする。
相関係数rとしては、
(a)r12:音声信号A1,A2間の相関係数、
(b)r13:音声信号A1,A3間の相関係数、
(c)r14:音声信号A1,A4間の相関係数、
(d)r23:音声信号A2,A3間の相関係数、
(e)r24:音声信号A2,A4間の相関係数、
(f)r34:音声信号A3,A4間の相関係数、
の6つが考えられる。
以下の例の駆動方法では、これら6つの相関係数r12,r13,r14,r23,r24,r34が全て、1より十分に小さくなるように、すなわち−1または0に近い値となるように、音声信号を無相関化処理する。
これによって、音声信号A1,A2,A3,A4による音像は、全体として、図9(A)(B)に音像Aiとして示すように、音響振動板10の中心軸に直交する面内では、音響振動板10の外側に環状に形成され、拡がり感のある音像が得られる。
以下に、モノラル再生を行う場合、ステレオ再生を行う場合、およびサラウンド再生を行う場合につき、具体的な駆動方法を示す。
(2−3.モノラル再生を行う場合の駆動方法:図10)
図10に、モノラル再生を行う場合の駆動方法の一例を示す。
この例では、もとのモノラル音声信号Moを、そのままアクチュエータ1に供給するとともに、90°移相回路79aでモノラル音声信号Moの位相を90°遅らせて(または進ませて)、モノラル音声信号M1としてアクチュエータ2に供給する。
さらに、90°移相回路79bでモノラル音声信号M1の位相を90°遅らせて(または進ませて)、モノラル音声信号M2としてアクチュエータ3に供給し、90°移相回路79cでモノラル音声信号M2の位相を90°遅らせて(または進ませて)、モノラル音声信号M3としてアクチュエータ4に供給する。
この例では、図8に示した6つの相関係数r12,r13,r14,r23,r24,r34が全て無相関化されて、図9に示したように音響振動板10の外側に音像が形成され、拡がり感のある音像が得られる。
(2−4.ステレオ再生を行う場合の駆動方法:図11〜図16)
<第1の例:図11>
図11に、ステレオ再生を行う場合の駆動方法の第1の例を示す。この例では、位相を反転することによって無相関化する。
すなわち、もとの左音声信号Loを、そのまま一方の左音声信号Laとして、アクチュエータ1に供給するとともに、位相反転回路61で左音声信号Loの位相を反転させて、他方の左音声信号Lbとして、一方の左音声信号Laに対して位相が反転した信号を得て、アクチュエータ3に供給する。
同様に、もとの右音声信号Roを、そのまま一方の右音声信号Raとして、アクチュエータ2に供給するとともに、位相反転回路62で右音声信号Roの位相を反転させて、他方の右音声信号Rbとして、一方の右音声信号Raに対して位相が反転した信号を得て、アクチュエータ4に供給する。
したがって、この例では、左音声信号Laと左音声信号Lbとの間の相関係数r13は−1となり、右音声信号Raと右音声信号Rbとの間の相関係数r24も−1となる。
この例では、音響振動板10の外側に音像が形成され、拡がり感のある音像が得られる。
さらに、この例では、リスナーは、矢印9aで示す方向から聴いても、矢印9bで示す方向から聴いても、リスナーから見て左側に左音声信号が定位し、リスナーから見て右側に右音声信号が定位するように音楽を聴くことができる。
ただし、リスナーの聴取方向が固定される場合などには、隣接するアクチュエータ1,2に左音声信号La,Lbが供給され、隣接するアクチュエータ3,4に右音声信号Ra,Rbが供給されるようにしてもよい。
<第2の例:図12>
図12に、ステレオ再生を行う場合の駆動方法の第2の例を示す。この例では、位相を90°ずらすことによって無相関化する。
すなわち、もとの左音声信号Loを、そのまま一方の左音声信号Laとして、アクチュエータ1に供給するとともに、90°移相回路63で左音声信号Loの位相を90°ずらして、他方の左音声信号Lcとして、一方の左音声信号Laに対して位相が90°ずれた信号を得て、アクチュエータ3に供給する。
同様に、もとの右音声信号Roを、そのまま一方の右音声信号Raとして、アクチュエータ2に供給するとともに、90°移相回路64で右音声信号Roの位相を90°ずらして、他方の右音声信号Rcとして、一方の右音声信号Raに対して位相が90°ずれた信号を得て、アクチュエータ4に供給する。
この例でも、左音声信号Lcが左音声信号Laに対して無相関化され、右音声信号Rcが右音声信号Raに対して無相関化されて、音響振動板10の外側に音像が形成され、拡がり感のある音像が得られる。
さらに、この例でも、リスナーは、矢印9aで示す方向から聴いても、矢印9bで示す方向から聴いても、リスナーから見て左側に左音声信号が定位し、リスナーから見て右側に右音声信号が定位するように音楽を聴くことができる。
ただし、この例でも、隣接するアクチュエータ1,2に左音声信号La,Lcが供給され、隣接するアクチュエータ3,4に右音声信号Ra,Rcが供給されるようにしてもよい。
<第3の例:図13>
図13に、ステレオ再生を行う場合の駆動方法の第3の例を示す。
この例では、もとの左音声信号Loを、そのまま一方の左音声信号Laとして、アクチュエータ1に供給するとともに、90°移相回路89cで、もとの右音声信号Roの位相を90°遅らせて(または進ませて)、その出力を一方の右音声信号Raとして、アクチュエータ2に供給する。
また、90°移相回路89aで左音声信号Loの位相を90°遅らせ(または進ませ)、90°移相回路89bで90°移相回路89aの出力の位相を90°遅らせて(または進ませて)、90°移相回路89bの出力を他方の左音声信号Lgとして、アクチュエータ3に供給する。
また、90°移相回路89dで右音声信号Raの位相を90°遅らせ(または進ませ)、90°移相回路89eで90°移相回路89dの出力の位相を90°遅らせて(または進ませて)、90°移相回路89eの出力を他方の右音声信号Rgとして、アクチュエータ4に供給する。
この例では、矢印9a,9b,9c,9dのいずれの方向についても、音像の拡がり効果が得られる。
この例でも、隣接するアクチュエータ1,2に左音声信号La,Lgが供給され、隣接するアクチュエータ3,4に右音声信号Ra,Rgが供給されるようにしてもよい。
<第4の例:図14>
図14に、ステレオ再生を行う場合の駆動方法の第4の例を示す。この例では、或る時間遅延させることによって無相関化する。
すなわち、もとの左音声信号Loを、そのまま一方の左音声信号Laとして、アクチュエータ1に供給するとともに、遅延回路65で左音声信号Loを数ミリ秒遅延させて、他方の左音声信号Ldとして、一方の左音声信号Laに対して数ミリ秒遅延した信号を得て、アクチュエータ3に供給する。
同様に、もとの右音声信号Roを、そのまま一方の右音声信号Raとして、アクチュエータ2に供給するとともに、遅延回路66で右音声信号Roを数ミリ秒遅延させて、他方の右音声信号Rdとして、一方の右音声信号Raに対して数ミリ秒遅延した信号を得て、アクチュエータ4に供給する。
この例でも、左音声信号Ldが左音声信号Laに対して無相関化され、右音声信号Rdが右音声信号Raに対して無相関化されて、音響振動板10の外側に音像が形成され、拡がり感のある音像が得られる。
この例でも、隣接するアクチュエータ1,2に左音声信号La,Ldが供給され、隣接するアクチュエータ3,4に右音声信号Ra,Rdが供給されるようにしてもよい。
<第5の例:図15>
図15に、ステレオ再生を行う場合の駆動方法の第5の例を示す。この例では、互いに相補的な周波数特性の2つの櫛形フィルタによって無相関化する。
すなわち、遅延回路67で、もとの左音声信号Loを2〜4ミリ秒程度遅延させる。演算回路68で、左音声信号Loに遅延回路67の出力の左音声信号を加算して、一方の左音声信号Laを得、演算回路69で、左音声信号Loから遅延回路67の出力の左音声信号を減算して、他方の左音声信号Leを得る。左音声信号Laはアクチュエータ1に供給し、左音声信号Leはアクチュエータ3に供給する。
同様に、遅延回路71で、もとの右音声信号Roを2〜4ミリ秒程度遅延させる。演算回路72で、右音声信号Roに遅延回路71の出力の右音声信号を加算して、一方の右音声信号Raを得、演算回路73で、右音声信号Roから遅延回路71の出力の右音声信号を減算して、他方の右音声信号Reを得る。右音声信号Raはアクチュエータ2に供給し、右音声信号Reはアクチュエータ4に供給する。
この例でも、左音声信号Leが左音声信号Laに対して無相関化され、右音声信号Reが右音声信号Raに対して無相関化されて、音響振動板10の外側に音像が形成され、拡がり感のある音像が得られる。
この例でも、隣接するアクチュエータ1,2に左音声信号La,Leが供給され、隣接するアクチュエータ3,4に右音声信号Ra,Reが供給されるようにしてもよい。
<第6の例:図16>
図16に、ステレオ再生を行う場合の駆動方法の第6の例を示す。この例では、シュレーダー回路によって無相関化する。
すなわち、もとの左音声信号Loを、そのまま一方の左音声信号Laとして、アクチュエータ1に供給するとともに、もとの左音声信号Loから、シュレーダー回路75によって、他方の左音声信号Lfを得て、アクチュエータ3に供給する。
同様に、もとの右音声信号Roを、そのまま一方の右音声信号Raとして、アクチュエータ2に供給するとともに、もとの右音声信号Roから、シュレーダー回路76によって、他方の右音声信号Rfを得て、アクチュエータ4に供給する。
シュレーダー回路75および76では、それぞれ、BPF1‥‥BPF2Nとして示す2N個のバンドパスフィルタによって、入力音声信号を2N個の周波数帯域の信号成分に分割する。さらに、一方の1つおきの周波数帯域の信号成分は位相を90°進ませ、他方の1つおきの周波数帯域の信号成分は位相を90°遅らせ、各信号成分を加算して出力する。
この例でも、左音声信号Lfが左音声信号Laに対して無相関化され、右音声信号Rfが右音声信号Raに対して無相関化されて、音響振動板10の外側に音像が形成され、拡がり感のある音像が得られる。
この例でも、隣接するアクチュエータ1,2に左音声信号La,Lfが供給され、隣接するアクチュエータ3,4に右音声信号Ra,Rfが供給されるようにしてもよい。
なお、上記の非特許文献1に示された擬似ステレオ方式は、入力音声信号をそのまま左音声信号とし、同じ入力音声信号をシュレーダー回路に供給して得られた信号を右音声信号とするもので、図16の例のステレオ再生方法とは全く異なる。
(2−5.サラウンド再生を行う場合の駆動方法:図17および図18)
図17に、サラウンド再生を行う場合の駆動方法の一例を示す。
この例では、もとの左音声信号Loを、そのまま左音声信号Lとして、アクチュエータ1に供給するとともに、もとの右音声信号Roを、そのまま右音声信号Rとして、アクチュエータ4に供給する。
同時に、演算回路77で左音声信号Loから右音声信号Roを減算して、左音声信号L(Lo)および右音声信号R(Ro)のそれぞれに対して無相関化された信号(Lo−Ro)を得、この信号(Lo−Ro)をサラウンド左音声信号SLとして、アクチュエータ2に供給する。
同様に、演算回路78で右音声信号Roから左音声信号Loを減算して、左音声信号L(Lo)および右音声信号R(Ro)のそれぞれに対して無相関化された信号(Ro−Lo)を得、この信号(Ro−Lo)をサラウンド右音声信号SRとして、アクチュエータ3に供給する。
サラウンド右音声信号SRはサラウンド左音声信号SLに対しても、すなわちサラウンド左音声信号SLとサラウンド右音声信号SRとは相互に、無相関となる。
リスナーは、再生される音響を、例えば、矢印9cで示す方向から聴く。
この例では、図18に示すように、フロント音像Afは、音響振動板10の内側において、アクチュエータ1とアクチュエータ4との間に形成され、リア音像Arは、音響振動板10の外側において、アクチュエータ2の近傍位置からアクチュエータ3の近傍位置までに渡って形成され、全体として多指向型の音像が得られる。
(2−5.駆動モードの切り替えと無相関化の程度の制御:図19〜図22)
上述した駆動方法は、無相関化によるワイドモードで各アクチュエータを駆動する場合であるが、このワイドモードと以上のような特別な無相関化処理を実行しないノーマルモードとが切り替えられるようにスピーカシステムを構成することもできる。
この場合、ユーザの操作によって駆動モードが切り替えられるように構成することもできるが、ユーザの操作によらずに自動的に駆動モードが切り替えられるように構成することもできる。
後者の場合、1つの方法として、再生対象が音楽である場合には、スピーカシステムにおいて、その音楽データを12音解析などによって解析し、その解析結果に応じて駆動モードを切り替える。
別の方法として、音楽データにメタデータなどの情報が付随し、その情報で当該音楽に適した駆動モードが指示されている場合、スピーカシステムにおいて、その指示に従って駆動モードを切り替える。
また、駆動モードをノーマルモードとワイドモードとの間で二値的に切り替える代わりに、ノーマルモードとワイドモードとの間で段階的または連続的に制御することもできる。
以下に、いくつかの具体例を示す。
<第1の例:図19および図20>
図19に、第1の例を示す。
この例は、音楽データの解析結果に応じて駆動モードを切り替える場合であり、かつステレオ再生を行う場合である。
この例では、DVDプレーヤや音楽再生装置などで得られた音楽データSaを、音声処理部81に供給して、左音声信号Loおよび右音声信号Roを得る。
その左音声信号Loおよび右音声信号Roを、それぞれ無相関化処理部82で無相関化処理して、左音声信号Lxおよび右音声信号Rxを得る。
この場合の無相関化処理としては、例えば、図11に示したように位相を反転させる。位相を反転させることによって、左音声信号Loと左音声信号Lxとの間の相関係数、および右音声信号Roと右音声信号Rxとの間の相関係数は、それぞれ−1となる。
左音声信号Loは、アクチュエータ1に供給し、右音声信号Roは、アクチュエータ2に供給する。また、左音声信号LoおよびLx、および右音声信号RoおよびRxを、切り替え回路84に供給する。
そして、12音解析部83で、音楽データSaの12音を解析して、音楽データSaに係る当該音楽のジャンルを判別し、当該音楽に適した駆動モードを決定する。
12音解析では、C(ド),C♯,D(レ),D♯,E(ミ),F(ファ),F♯,G(ソ),G♯,A(ラ),A♯,B(シ)の12音を解析することによって、当該音楽のビートの強さなどを検出することができ、当該音楽のジャンルを判別することができる。
音楽のジャンルと音像の拡がりとの関係では、例えば、クラシックの場合には、音像の拡がりが大きい方が望ましいが、ロックの場合には、むしろ音像の拡がりが小さい方が望ましい。
そのため、12音解析部83で当該音楽がロックと判断されたときには、切り替え回路84からは左音声信号Loおよび右音声信号Roが取り出され、12音解析部83で当該音楽がクラシックと判断されたときには、切り替え回路84からは左音声信号Lxおよび右音声信号Rxが取り出される。
切り替え回路84から取り出された左音声信号は、アクチュエータ3に供給され、切り替え回路84から取り出された右音声信号は、アクチュエータ4に供給される。
したがって、当該音楽がロックであるときには、左音声信号Loがアクチュエータ1,3に供給され、右音声信号Roがアクチュエータ2,4に供給されて、図20(A)にノーマルモードとして示すように、音響振動板10の内側中心部に音像Aiが形成される。
当該音楽がクラシックであるときには、左音声信号Loがアクチュエータ1に、左音声信号Lxがアクチュエータ3に、右音声信号Roがアクチュエータ2に、右音声信号Rxがアクチュエータ4に、それぞれ供給されて、図20(B)にワイドモードとして示すように、音響振動板10の外側に音像Aiが形成される。
当該音楽が他のジャンルであるときにも、そのジャンルに応じてノーマルモードまたはワイドモードとされる。
<第2の例:図21>
図21に、第2の例を示す。
この例では、図19の例のように無相関化処理部82および12音解析部83を備える場合に、12音解析部83での解析結果に応じて、無相関化処理部82での無相関化の程度を連続的に変更制御する。
具体的に、例えば、12音解析部83では、当該音楽のビートの強さを検出し、無相関化処理部82は、移相量を0から180°までの範囲で連続的に変えられる左音声信号用および右音声信号用の移相回路を有するものとする。
その2つの移相回路の移相量は、当該音楽のビートが強いほど0に近くなり、当該音楽のビートが弱いほど180°に近くなるように、連続的に変更制御する。
そして、この例では、左音声信号Loをアクチュエータ1に供給し、右音声信号Roをアクチュエータ2に供給し、無相関化処理部82の出力の左音声信号Lvをアクチュエータ3に供給し、無相関化処理部82の出力の右音声信号Rvをアクチュエータ4に供給する。
したがって、この例では、上記のノーマルモードとワイドモードとの間で駆動モードが連続的に変えられ、当該音楽のビートが弱いときほど音像が拡がるようになる。
<第3の例:図22>
図22に、第3の例を示す。
この例は、音楽データに付随するメタデータでの指示に従って駆動モードを切り替える場合であり、かつサラウンド再生を行う場合である。
ただし、この例は、図17の例とは異なり、4個のアクチュエータ1〜4ではなく、5個のアクチュエータ1〜5によってサラウンド再生を行う場合である。アクチュエータ5は、アクチュエータ1とアクチュエータ4との間の位置において音響振動板10に当接する磁歪アクチュエータである。
この例では、音楽データSaを音声処理部85に供給して、センター音声信号Co、左音声信号Lo、右音声信号Ro、サラウンド左音声信号SLoおよびサラウンド右音声信号SRoを得る。
これらもとの音声信号を無相関化処理部86に供給して、もとの音声信号に比べて無相関化された、すなわち相互の間の相関係数rが、より1より小さくされたセンター音声信号Cx、左音声信号Lx、右音声信号Rx、サラウンド左音声信号SLxおよびサラウンド右音声信号SRxを得る。
音声処理部85からのそれぞれの音声信号Co,Lo,Ro,SLo,SRo、および無相関化処理部86からのそれぞれの音声信号Cx,Lx,Rx,SLx,SRxは、切り替え回路88に供給する。
そして、メタデータ解析部87で、音楽データSaに付随するメタデータDmを読み取って、駆動モードを決定し、切り替え回路88を切り替える。
すなわち、メタデータDmでノーマルモードとされているときには、切り替え回路88を音声処理部85側に切り替えて、音声信号Co,Lo,Ro,SLo,SRoをアクチュエータ5,1,4,2,3に、それぞれ供給する。
したがって、このとき、図20(A)と同様に、音響振動板10の内側中心部に音像が形成される。
メタデータDmでワイドモードとされているときには、切り替え回路88を無相関化処理部86側に切り替えて、音声信号Cx,Lx,Rx,SLx,SRxをアクチュエータ5,1,4,2,3に、それぞれ供給する。
したがって、このとき、図20(B)と同様に、音響振動板10の外側に音像が形成される。
[3.スピーカシステムの他の例と駆動方法:図23〜図26]
スピーカシステムは、図1〜図3に示した例のほか、例えば、以下のように構成することができる。
(3−1.音響振動板を円筒状とする場合の他の例:図23)
図1〜図3に示した例は、音響振動板10の上端側も開口とする場合であるが、図23に示すように、音響振動板10の上端側を上面底板部13として有底のものとしてもよい。
なお、図23は図3に相当する断面図であるため、図23には磁歪アクチュエータは表されていない。
(3−2.音響振動板を平板状とする場合の第1の例:図24および図25)
図24に、音響振動板を平板状とする場合の一例を示す。図24(A)は、スピーカシステムを上方から見た図、図24(B)は、ベース筐体につき、図24(A)のラインC−Cの部分を断面にした正面図である。
この例では、平板状の音響振動板100を、円板状のベース筐体20の上面21に、図1〜図3に示したL字アングル41などによって取り付ける。
ベース筐体20には、L字アングル41の取り付け位置より中心側の、中心を挟んで対向する2箇所の位置に、それぞれ上面21から下面22までに渡って上下方向に貫通した穴である収納部23を形成する。
図1〜図3に示した例と同様に、このベース筐体20の、それぞれの収納部23内に、それぞれ磁歪アクチュエータ30を、それぞれの駆動ロッド35を上に向けて下側から挿入する。
さらに、それぞれの収納部23内の磁歪アクチュエータ30の下側に、それぞれコイルスプリング(コイルバネ)24およびネジ25を挿入する。ネジ25は、駆動ロッド35の先端が音響振動板100の下端面105に当接し、かつコイルスプリング24が所定量圧縮される位置まで、収納部23内に挿入する。
ベース筐体20の下面22には、等角間隔の3箇所の位置に、脚部27を形成する。
この例でも、音声信号によって磁歪アクチュエータ30を駆動すると、音響振動板100の下端面105に縦波の振動が加えられ、音響振動板100の板面に垂直な方向に音波が放射される。
さらに、この例でも、ベース筐体20の中央部を開口部29として、この開口部29にスピーカユニット50を、例えば、スピーカ前面側を下方に向け、スピーカ背面側を上方に向けて取り付けることができる。
この場合も、例えば、音響振動板100および磁歪アクチュエータ30を、可聴周波数帯域の中高域を受け持つツィータとして機能させ、スピーカユニット50を、可聴周波数帯域の低域側を受け持つウーファとして機能させることができる。
図25に、この図24の例のスピーカシステムを駆動する方法の一例を示す。アクチュエータ1,2は、図24に示した2個の磁歪アクチュエータである。
この例では、演算回路91で、左音声信号Loと右音声信号Roとを加算して、モノラル音声信号Moを得るとともに、位相反転回路92で、そのモノラル音声信号Moの位相を反転させる。
そして、モノラル音声信号Moを一方のアクチュエータ1に供給し、このモノラル音声信号Moに対して位相が反転したモノラル音声信号−Moを他方のアクチュエータ2に供給する。
これによれば、音声信号Mo,−Mo間の相関係数rは−1であるので、アクチュエータ1,2の外側に拡がる音像が形成される。
(3−3.音響振動板を平板状とする場合の第2の例:図26)
図26に、音響振動板を平板状とする場合の他の例を示す。
この例では、平板状の音響振動板100に、2つの角穴101および102を形成し、その角穴101および102に、それぞれ積層圧電アクチュエータ111および112を、それぞれの変位方向の一端および他端が音響振動板100の板面内に存在するように装着する。
積層圧電アクチュエータ111および112は、それぞれ、圧電セラミック基板を積層し、印加電圧に応じて各基板を厚さ方向に変位させるアクチュエータである。
この例では、音声信号によって積層圧電アクチュエータ111および112を駆動すると、音響振動板100の角穴101および102に臨む端面に縦波の振動が加えられ、音響振動板100の板面に垂直な方向に音波が放射される。
この例でも、例えば、図25の例と同様に、演算回路91および位相反転回路92によって、モノラル音声信号Moを積層圧電アクチュエータ111に供給し、このモノラル音声信号Moに対して位相が反転したモノラル音声信号−Moを積層圧電アクチュエータ112に供給する。
これによれば、音声信号Mo,−Mo間の相関係数rは−1であるので、積層圧電アクチュエータ111,112の外側に拡がる音像が形成される。
この発明のスピーカシステムの一例を上方から見た図である。 図1のスピーカシステムのラインA−Aの部分を断面にした側面図である。 図1のスピーカシステムのラインB−Bの部分の断面図である。 磁歪アクチュエータの一例を示す図である。 相関係数の説明に供する図である。 アクチュエータが2個の場合を示す図である。 2つの音声信号の間の相関係数に応じて音像が変化する様子を示す図である。 アクチュエータが4個の場合を示す図である。 この発明の駆動方法による場合の音像状態の一例を示す図である。 モノラル再生を行う場合の駆動方法の一例を示す図である。 ステレオ再生を行う場合の駆動方法の第1の例を示す図である。 ステレオ再生を行う場合の駆動方法の第2の例を示す図である。 ステレオ再生を行う場合の駆動方法の第3の例を示す図である。 ステレオ再生を行う場合の駆動方法の第4の例を示す図である。 ステレオ再生を行う場合の駆動方法の第5の例を示す図である。 ステレオ再生を行う場合の駆動方法の第6の例を示す図である。 サラウンド再生を行う場合の駆動方法の一例を示す図である。 図17の駆動方法による場合の音像状態を示す図である。 駆動モードを切り替える場合の一例を示す図である。 図19の駆動方法による場合の音像状態を示す図である。 無相関化の程度を連続的に変更制御する場合の一例を示す図である。 駆動モードを切り替える場合の他の例を示す図である。 この発明のスピーカシステムの他の例を示す図である。 この発明のスピーカシステムの他の例を示す図である。 図24のスピーカシステムの駆動方法の一例を示す図である。 この発明のスピーカシステムの他の例を示す図である。 特許文献1,2に記載されたスピーカシステムを示す図である。 特許文献1,2に記載されたスピーカ駆動回路を示す図である。 特許文献1,2に記載されたスピーカ駆動回路を示す図である。 特許文献2に記載されたスピーカ駆動回路を示す図である。 特許文献1,2に記載されたスピーカ駆動方法による場合の音像状態を示す図である。
符号の説明
主要部については図中に記述したので、ここでは省略する。

Claims (10)

  1. 複数のアクチュエータによって音響振動板に振動を加えて音響を再生するスピーカシステムの制御部が上記複数のアクチュエータを駆動する方法として、
    音声信号を移相、遅延または演算して、互いの間の相関係数が1より小さくなるように無相関化された第1および第2の音声信号を生成し、第1の音声信号によって第1のアクチュエータを駆動し、第2の音声信号によって第2のアクチュエータを駆動し、
    上記第1および第2の音声信号によって上記第1および第2のアクチュエータを駆動する駆動モードと、互いの間の相関係数が上記第1の音声信号と第2の音声信号との間の相関係数より大きい第3および第4の音声信号によって上記第1および第2のアクチュエータを駆動する駆動モードとを切り替える
    スピーカ駆動方法。
  2. 請求項1のスピーカ駆動方法において、
    再生対象の音楽の解析結果に応じて、駆動モードを切り替えるスピーカ駆動方法。
  3. 請求項1のスピーカ駆動方法において、
    再生対象の音楽に付随する指示に従って、駆動モードを切り替えるスピーカ駆動方法。
  4. 請求項1のスピーカ駆動方法において、
    上記第1の音声信号と第2の音声信号との間の相関係数を段階的または連続的に変更制御するスピーカ駆動方法。
  5. 音響振動板と、
    音声信号を移相、遅延または演算して、互いの間の相関係数が1より小さくなるように無相関化された第1および第2の音声信号を生成する信号処理手段と、
    それぞれ上記音響振動板に振動を加える第1および第2のアクチュエータと、
    上記第1および第2の音声信号によって上記第1および第2のアクチュエータを駆動する駆動モードと、互いの間の相関係数が上記第1の音声信号と第2の音声信号との間の相関係数より大きい第3および第4の音声信号によって上記第1および第2のアクチュエータを駆動する駆動モードとを切り替えるモード切替手段と
    を備えるスピーカシステム。
  6. 請求項5のスピーカシステムにおいて、
    上記音響振動板は円筒状であり、
    上記第1および第2のアクチュエータは、それぞれ上記音響振動板の一端面に上記音響振動板の板面方向の振動を加えるものであるスピーカシステム。
  7. 請求項6のスピーカシステムにおいて、
    上記音響振動板の他端側は、底板によって有底とされたスピーカシステム。
  8. 請求項5のスピーカシステムにおいて、
    上記音響振動板は平板状であり、
    上記第1および第2のアクチュエータは、それぞれ上記音響振動板の端面に上記音響振動板の板面方向の振動を加えるものであるスピーカシステム。
  9. 請求項5のスピーカシステムにおいて、
    上記第1および第2のアクチュエータは、それぞれ磁歪アクチュエータであるスピーカシステム。
  10. 請求項5のスピーカシステムにおいて、
    上記第1および第2のアクチュエータは、それぞれ圧電アクチュエータであるスピーカシステム。
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