本発明にかかる遊技機は、手段1として、
回転操作を行うための操作器具が係合される係合部を有し締結に必要なトルクよりさらに大きいトルクで回転させると破断して分離し得る部位である分離部が頭部に形成されたネジ(以下、破断ネジと称す)によって、2以上の構成部材が連結された遊技機であって、
前記破断ネジが磁性体よりなり、
分離した前記分離部を磁力により遊技機の所定箇所に保持する磁気手段を備えることを特徴とする。
本発明において、「2以上の構成部材を連結する」とは、遊技機を構成する任意の部材同士を連結することを含意し、例えば、第1ケースと第2ケースとの間に制御基板を収容した構成を有する基板ボックスの該第1ケースと第2ケースとを連結して該基板ボックスを閉塞することや、基板ボックスや制御基板自体をベース(取付台座)部材に連結して所定位置に固定すること等がいずれも含まれる。
また、「磁性体」は、常磁性体も含意するが望ましくは強磁性体である。
なお、磁気手段は遊技機に対して固定的に設けられることが好ましい。磁気手段が可動に設けられていると、磁気手段の動きにより破断ネジの分離部が磁気手段から外れやすくなるのに対し、磁気手段を遊技機に対して固定的に設けることにより、保持された分離部が磁気手段から外れることが防止される。
上記手段1の構成によれば、破断ネジを用いて遊技機の構成部材同士を連結した際に分離部を分離させても、該分離部は磁気手段により所定箇所に保持しておくことができ、したがってゴミとならず、処理する手間を省くことができるとともに、遊技機内の隙間から入り込むこともないため、不具合が生じることも防止することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段2として、手段1の遊技機において、
前記破断ネジの締結位置は、前記磁気手段が磁力を及ぼし得る範囲内に配置されていることを特徴とする。
磁気手段は、例えば、破断ネジの締結位置からやや離隔した所定箇所に配置しておき、破断ネジから分離した後の分離部をこの磁気手段のところへ持っていって磁力により保持しておくようにしても、該分離部を所定箇所に保持しておくことができる以上、該分離部をゴミとせず、また遊技機内の隙間から入り込むこともないようにすることができる点で、磁気手段として所要の機能を果たすことができると考えられるが、上記手段2のように、破断ネジの締結位置が、磁気手段が磁力を及ぼし得る範囲内に配置される構成とすれば、分離部が分離した後ただちに磁気手段に保持されるため、該分離部をこの磁気手段のところへ持っていく手間も不要となって作業がより容易となり、また磁気手段のところへ持っていくまでに誤って落としたりすることもないことから、より確実に所定箇所に保持するようにすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段3として、手段1または手段2の遊技機において、
前記構成部材としての第1ケースと第2ケースとの間に制御基板を収容した構成を有する基板ボックスを備え、
前記基板ボックスの一側部分が、外部との電波の送受信が可能に構成されたシールを貼付することにより封印され、
前記基板ボックスの他側部分に、前記磁気手段が配置されていることを特徴とする。
本発明において、基板ボックスの「一側部分」と「他側部分」とは、基板ボックスにおいて相対向する互いに離れた部位を意味し、例えば正面視方形状の基板ボックスの場合、左右方向に離れた部位や、上下方向に離れた部位、対角方向に離れた部位等をいずれも含意する。さらに、基板ボックスの「表側部分」と「裏側部分」も含意するが、この場合、当該表側部分と裏側部分とが互いに離れていることが望ましい。
また、「基板ボックスをシールを貼付することにより封印する」とは、破壊、変色等の痕跡をなんら残さずに、もしくは電波の送受信機能をなんら損なわずにシールを剥がすことによっては、基板ボックスを開封することが不可能な状態とすること、即ち基板ボックスを開封するにはシールの少なくとも一部に破壊、変色等の痕跡を残すこと、もしくは電波の送受信機能を損なうことが必要な状態とすることを意味する。
外部との電波の送受信が可能に構成されたシールは、基板ボックスに貼付しておくようにすることにより、基板ボックスを不正に開封すべくこのシールを剥がすと電波送受信機能が破壊されて、制御基板に対して不正が行われたことを発見することができるようにしたものであり、例えば特開2006−326281号公報にも開示されている(以下、このようなシールを封印シールとも称す)。上記手段3の構成においては、基板ボックスを構成する第1ケースと第2ケースとを連結して該基板ボックスを閉塞するのに破断ネジが使用されるとともに、該基板ボックスが上記封印シールを貼付することにより封印された構成となっているが、ここで仮に、破断ネジの分離部を保持する磁気手段と上記封印シールとが互いに近接して配置されていると、磁気手段の磁力による影響が封印シールに及んで電波の送受信が阻害され、その結果、不正行為の有無を正しく検知することができなくなると考えられる。これに対し、上記手段3では、磁気手段と封印シールとが、基板ボックスにおいて相対向する互いに離れた部位にそれぞれ配置されているため、磁気手段の磁力による影響が封印シールに及び難く、したがって電波の送受信が磁力により阻害されることなく封印シールが正確に作動することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段4として、手段1から手段3のいずれかの遊技機において、
一方向の幅が他に比べて大きい形状を有する基板ボックスを遊技盤の裏面側に沿って備え、
前記基板ボックスの長さ方向における中央部または当該中央部より一方側に位置する部位のうちいずれかに対応する前方位置に所定の入球口の入球検出センサが配置され、
前記入球検出センサが前記中央部に対応する位置に配置される場合においては前記基板ボックスの長さ方向における少なくともいずれかの端部に、前記入球検出センサが前記一方側に位置する部位に対応する位置に配置される場合においては前記基板ボックスの長さ方向における他方の端部に、前記磁気手段が配置されることを特徴とする。
基板ボックスは、通常、収容する制御基板の形状に対応して、概略平板状の直方体形状を有する箱体となっており、例えば主制御基板を収容する基板ボックスの場合、正面視概略横長の長方形状の箱体となっていて、いわゆる板替えなどを考慮して遊技盤の裏面側に配置される。さらに主制御基板と入球検出センサとは、配線をし易くするなどの理由から前後方向に重なるように配置されることも多い。ここで、例えば、基板ボックスの長辺部すなわち上端縁部または下端縁部を破断ネジを用いて封止する構成とすることも可能であるが、この場合、破断ネジの近傍に磁気手段が配置されると、入球検出センサと磁気手段とが比較的に近接し、磁気手段の磁力が該入球検出センサに悪影響を及ぼすこととなりやすい。これに対し、上記手段4の構成によれば、基板ボックスの長さ方向において入球検出センサからできる限り離れた位置となる端部に磁気手段が配置されることにより、所定の入球口の入球検出センサと磁気手段とが大きく離隔することとなって磁気手段の磁力による影響が該入球検出センサに及び難くなる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段5として、手段1から手段4のいずれかの遊技機において、
前記破断ネジにおける頭部を少なくとも前記操作器具によって操作される側から覆う壁を有するとともに前記分離部が通過し得ず前記操作器具を挿通し得る操作孔を有する規制手段を備え、
前記磁気手段は、分離した後の分離部を、破断ネジの頭部における軸部側に残留した部分(以下、頭部本体と称す)と前記規制手段における操作孔との間の位置に保持することを特徴とする。
上記手段5の構成によれば、分離した後の分離部が、規制手段により覆われた状態となり且つ磁気手段による磁力をも受けるため、より確実に保持されて脱落防止効果が向上する。
また、分離部が分離した後の破断ネジの頭部における頭部本体は、前述の通り、ドライバによっては逆回しして緩めることができないが、仮に、該頭部本体が外部に開放されているとすると、該頭部本体に例えば外部から棒状の不正具を接着剤で接合して逆回しするといった強引な方法によって不正に連結状態を解除される場合もあり得る。ところが、上記手段5の構成によれば、分離した後の分離部が磁気手段により頭部本体と操作孔との間の位置に保持されていることにより、該分離部が障害となって外部から不正具を頭部本体に届かせることができず、したがって不正に連結状態を解除されることをより確実に防止することができる。
なお、磁気手段は、規制手段の外側に設けられた状態で規制手段により覆われた部位に対して磁力を働かせるものであってもよい。
また、本発明にかかる遊技機は、手段6として、手段5の遊技機において、
前記規制手段が、破断ネジの頭部の周囲を包囲するとともに端面に前記操作孔が形成された筒状体となっていることを特徴とする。
上記手段6の構成によれば、分離した後の分離部が周囲からも包囲されるようにして保持されることとなり、したがってさらに確実に保持されて脱落防止効果がさらに向上する。
また、頭部本体も、周囲からも包囲されることにより、外部からの不正な操作が及ぶことがさらに困難な構成とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段7として、手段6の遊技機において、
前記規制手段が、破断ネジの分離部の外径の2倍以下の内径を有する円筒状体となっていることを特徴とする。
規制手段が、仮に、破断ネジの分離部の外径の2倍を超える内径を有する円筒状体であったとすると、該分離部が規制手段の内部で偏って位置した場合に、頭部本体の位置から側方に大きくずれて位置することとなり、したがってもはや十分に障害として機能しなくなって、例えば操作孔から頭部本体に不正具を容易に近づけることが可能となってしまう。これに対し、上記手段7の構成のように、規制手段が、破断ネジの分離部の外径の2倍以下の内径を有する円筒状体となっていれば、該分離部が規制手段の内部で偏って位置したとしても、頭部本体の位置から側方に大きくずれることはなく、十分に障害として機能し得る範囲内に留まることとなって、操作孔から頭部本体に不正具を近づけることは困難である。
また、円筒状体とすることで、製造しやすく大量生産に適するという利点も得られる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段8として、手段6または手段7の遊技機において、
前記規制手段が、破断ネジの分離部の外径よりも大きい内径を有する円筒状体となっており、
前記磁気手段が、分離した後の分離部を、頭部本体の中心に対し偏心させた状態に保持することを特徴とする。
規制手段が、仮に、破断ネジの分離部の外径にほぼ等しい内径を有する円筒状体であったとすると、該分離部が分離した後も規制手段の内部で頭部本体の中心に対して中心がほぼ揃った同心状態に保持されることとなる。この同心状態では、例えば、操作孔からドライバを挿入し分離部を頭部本体に強く圧しつけるようにしながら逆回しすると、破断面同士の間に摩擦力が働き、分離部とともに頭部本体も回転してしまう場合がある。これに対し、上記手段8の構成によれば、分離部が頭部本体の中心に対し偏心させた状態に保持されるため、いくら分離部を頭部本体に強く圧しつけるようにしながら逆回ししたとしても、頭部本体を回転させることは困難である。
また、本発明にかかる遊技機は、手段9として、手段6または手段7の遊技機において、
前記規制手段が、破断ネジの分離部の外径よりも大きい内径を有する円筒状体となっており、
前記磁気手段が、分離した後の分離部を、頭部本体に対し傾斜した体勢に保持することを特徴とする。
上記手段9の構成によれば、たとえ分離部を回転させたとしても、これにともなって頭部本体を回転させることは困難であるため、外部から頭部本体を回転させることをより困難とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段10として、手段6から手段9のいずれかの遊技機において、
前記磁気手段が、分離した後の分離部を、操作孔に嵌合した体勢に保持することを特徴とする。
上記手段10の構成によれば、分離した後の分離部によって操作孔が閉塞された状態に保持されるため、該分離部を確実に障害として機能させることができ、操作孔から頭部本体に不正具を近づけることを効果的に防止することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段11として、手段6から手段10のいずれかの遊技機において、
前記破断ネジの頭部本体が、径方向に延出する鍔部を有し、
前記規制手段が、筒状体の操作孔形成側と反対側における周壁の端縁から、筒状体の中心にむけて内側へ延出し、中心部に鍔部の外径より小さい孔径を有する挿通孔が形成された掛合リブを有することを特徴とする。
上記手段11の構成によれば、破断ネジの鍔部が規制手段の掛合リブに掛合することによって、破断ネジが規制手段の内部から脱落しないように確実に保持される。
また、本発明にかかる遊技機は、手段12として、手段11の遊技機において、
前記掛合リブの挿通孔が、破断ネジの頭部本体の外径より大きい孔径を有し、
前記鍔部が、破断ネジの頭部本体における軸部側端から、掛合リブの厚さより大きい間隔をおいた位置に形成されていることを特徴とする。
上記手段12の構成によれば、掛合リブが、破断ネジの頭部本体における軸部側端と鍔部との間に、多少の余裕をもって掛合することとなり、したがって、破断ネジを締結した状態でも、規制手段が破断ネジに対して自由に回転すること、即ち自在に空転(空回り)することが可能な状態に保持されるため、破断ネジを外部から逆回しすることを確実に防止することができる。仮に、上記のような余裕がないとすると、規制手段を回転させると破断ネジに対して空転せずに該破断ネジをともに回転させ、その結果、外部から規制手段を回転させることで破断ネジを緩めることが可能となってしまうこともあるが、上記手段12のように余裕を設けることにより規制手段が空転し得る構成とすることによって、外部から破断ネジを緩めることを困難とすることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段13として、手段11または手段12の遊技機において、
前記掛合リブが、規制手段における周壁の端縁部を薄肉に形成し、規制手段の内部に破断ネジの頭部を収容した後に該端縁部を内側に折曲するように変形加工することにより形成されていることを特徴とする。
上記手段13の構成によれば、規制手段をプレスすることにより容易に掛合リブを形成することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段14として、手段1から手段13のいずれかの遊技機において、
前記破断ネジが永久磁石よりなり、
前記破断ネジの頭部が破断されることにより該破断ネジの頭部本体と分離部とが分離された場合に、前記頭部本体が磁気手段として機能することを特徴とする。
上記手段14の構成によれば、破断ネジを永久磁石として成形することにより分離部が分離したとき頭部本体および分離部がそれぞれ別個に永久磁石として機能することとなるため、例えばその分離の瞬間に頭部本体および分離部の各破断面が引き付け合う(吸引し合う)ように構成することができる。したがって、別体としての磁気手段は省略することもでき、構成を簡略化することができる。なお、不正対策を考慮しない場合においては、規制手段の構成を省略してもよい。
また、本発明にかかる遊技機は、手段15として、手段1から手段14のいずれかの遊技機において、
前記破断ネジのネジ山に切欠が形成されていることを特徴とする。
上記手段15の構成によれば、螺入対象部の構成材料を切欠に食い込ませるようにしながら破断ネジを螺入することができ、したがって破断ネジのゆるみ止め効果を向上させることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段16として、手段1から手段15のいずれかの遊技機において、
遊技機がパチンコ機であることを特徴とする。
パチンコ機の基本構成としては、操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて有価物体の一例である球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カード書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
パチンコ機にあっては、破断ネジが磁性体よりなり、分離した分離部を磁力により遊技機の所定箇所に保持する磁気手段を備える構成とすることにより、破断ネジを用いて締結操作を行う際に分離部を分離させても、該分離部は磁気手段により所定箇所に保持しておくことができ、したがってゴミとならず、処理する手間を省くことができるとともに、遊技機内の隙間から入り込むこともないため、不具合が生じることも防止することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段17として、手段1から手段15のいずれかの遊技機において、
遊技機がスロット機であることを特徴とする。
スロット機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。
この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
スロット機にあっては、破断ネジが磁性体よりなり、分離した分離部を磁力により遊技機の所定箇所に保持する磁気手段を備える構成とすることにより、破断ネジを用いて締結操作を行う際に分離部を分離させても、該分離部は磁気手段により所定箇所に保持しておくことができ、したがってゴミとならず、処理する手間を省くことができるとともに、遊技機内の隙間から入り込むこともないため、不具合が生じることも防止することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段18として、手段1から手段15のいずれかの遊技機において、
遊技機がパチンコ機とスロット機を融合させた遊技機であることを特徴とする。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機にあっては、破断ネジが磁性体よりなり、分離した分離部を磁力により遊技機の所定箇所に保持する磁気手段を備える構成とすることにより、破断ネジを用いて締結操作を行う際に分離部を分離させても、該分離部は磁気手段により所定箇所に保持しておくことができ、したがってゴミとならず、処理する手間を省くことができるとともに、遊技機内の隙間から入り込むこともないため、不具合が生じることも防止することができる。
また、本発明にかかる遊技機の製造方法は、手段19として、
手段1から手段4のいずれかの遊技機の製造方法であって、
前記破断ネジの分離部を、分離した後に前記所定箇所から取り外すことを特徴とする。
上記手段19の構成によれば、例えば遊技機の製造工程が完了した後、搬送中やホールでの設置作業時あるいは設置後などのいずれかの時点で、外部からの接触や機械的衝撃といった何らかの偶発的な要因により破断ネジの分離部が磁気手段から脱離し、遊技機内外で散乱してゴミとなったり、遊技機内の隙間から入り込んで不具合が生じたりするといった事態を確実に防止することができる。
また、本発明にかかる遊技機の製造方法は、手段20として、手段19の遊技機の製造方法において、
前記磁気手段を着脱可能に設け、
前記破断ネジの分離部を磁気手段ごと取り外すことを特徴とする。
上記手段20の構成によれば、より容易に分離部を除去することができるとともに、磁気手段を再利用することもできる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る遊技機の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、便宜上、パチンコ機を挙げて説明するが、本発明は、パチンコ機以外の弾球遊技機(例えばアレンジボール機や雀球遊技機など)、その他、遊技球を用いる種々の形態の遊技機に適用することができる。
(パチンコ機の正面構成)
図1は本実施形態のパチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の左側面図であり、図3は、その平面図である。図4は、外枠11に対して内枠12と前面枠(セット)14と、セット板400を開放した状態を示す斜視図である。(但し、図4では便宜上、遊技盤30面上の遊技領城内の構成〔釘、センター役物等〕を空白で示しているが、アウト口36は描いてある)。
図1乃至図4に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は、軽量化を図るために、樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。
前記内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて遊技球発射ハンドル18の設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリルーブタジエンースチレン)樹脂から成る。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と灰皿22と音出力口24(内枠12の左右上端部位置)が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、後述の上皿19が満タンになった場合等に排出口16より排出される遊技球を停留する役割がある。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。
そして、遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38(図4参照)によって遊技球が遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、遊技球発射ハンドル18と後述するセットハンドルと発射モーターなどで構成されている。音出力口24は、内枠12の左右上端部位置に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。また、灰皿22は、図1に示すように、下皿15の左方に設けられている。灰皿22は左右方向(水平方向)の軸線を軸心にして回動(例えば前方側に向けて前回り)するように支持されている。
なお、下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。特に、下皿15を形成する表面層と下皿15の奥方の前面パネル部分とを難燃性のABS樹脂にて成形している。このため、この部分は燃えにくくなっている。
また、前面枠14は、図4に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。しかも前面枠14は内枠12の外側壁(リブ)12B内に嵌まり込むようにして取り付けられている。
つまり、この前面枠14の側面の少なくとも一部が内枠12の外側壁(リブ)12B内に嵌まり込むようにして取り付けられているので、内枠12と前面枠14との隙間から異物(針状あるいは薄板状等のものであって、具体的には針金、ピアノ線、セルロイド板等)を差し入れるなどの不正行為を防止できるようになっている。また、前面枠14は、内枠12と同様に、合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されているので、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。
一方、前面枠14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19(図1参照)が前面枠14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
図4に示すように、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓部孔21が形成されている。そして、樹脂ベース20の後側には、図4及び図5に示す遊技盤30が着脱可能に装着されている。図5に示すように、遊技盤30は四角形状の合板よりなり、上部一方のコーナーが肩落ちされており(後に述べる)、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。
従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓部孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている(図4では遊技盤30のアウト口36が示されている)。そして、ここでは、遊技盤30の前記内枠12の外枠11に対する枢着部(パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にした枢着)に近いコーナー(隅)が、図5に示すように、略三角形状に角落ち(切り欠き)720されている。
次に、図5を用いて遊技盤30の構成を説明する。図5は遊技盤30の構成を示す正面図である。遊技盤30の左右やや下方位置には、2組一対の一般入賞口31、31が階段状に配置され、中央下方には、始動口33が配置されている。これら一般入賞口31、31および始動口33は、遊技領域から裏面へ向けて貫通する開口となっており、これらの開口に対応して入賞装置が取り付けられている。即ち、此れらに対応した入球検出センサが、遊技盤30の背面に設けられており、これらのセンサは、図示しない電気配線を通じて後述する主制御基板(主制御装置)に接続されている。
そして、この一般入賞口31、31及び始動口33に遊技球が入球した場合には、上記各検出センサで検出され、この検出センサの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出されると共に、始動口33に遊技球が入球した場合には、後述する抽選が開始されることになる。
尚、上記入賞感知センサにて各々検出された検出結果は、後述する主制御基板に取り込まれ、該主制御基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。
かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。但し、本発明に従来の「証拠球方式」を適用してもよい。
また、遊技盤30の中央には液晶パネルを用いた装飾図柄表示装置42が配置されており、その左右横側部には、スルーゲート34,34が配置されている。これらのスルーゲートは、遊技球の通過によって、後述の始動口33の羽根物を開閉作動させる。その他に、遊技盤30の左右下方位置には、上記一般入賞口31、31を備えた装飾部材35が設けられ、また、遊技盤30の下部にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って、遊技盤30裏面の図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。さらに、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の誘導釘が植設されているとともに、同様の機能を有する風車が配設されている。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置38から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。
なお、レールユニット50はフッ素樹脂を添加して成形されているので、遊技球の摩擦抵抗を少なくできる。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)か内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。
かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図5の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51および外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図5の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレートが取着されている。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。
内レール51および外レール52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路に導くための役目をなす。
なお、遊技盤30の右下隅部および左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図5のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(図5のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されている。本実施形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール51および外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール52によって特定される。
前記樹脂ベースにおいて、窓部孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置38より発射された直後に遊技球を案内するための発射レールが取り付けられている。発射レールは、その後方の金属板を介して樹脂ベースに取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レールに沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
また、発射レールとレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置38から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路を介して下皿15に排出される。
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール52に沿って流れ、外レール52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路に誘導される、これにより、ファール球の全てがファール球通路に確実に案内されるようになり、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。また、遊技球発射装置38には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射される。
図4中の符号67は、上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。この排出口67には、略水平方向の回転軸を軸心として略水平状態と略垂直状態とに変位する開閉式のシャッタが取り付けられている、前面枠14を内枠12から開放した状能(図4の状態)では、バネ等の付勢力によりシャッタが略水平状態から略垂直状態となり、排出口67から遊技球がこぼれ落ちないようにこの排出口67を閉鎖する。
また、前面枠14を閉鎖した状態では、当該前面枠14の裏面に設けられた球通路樋69(図4参照)によりシャッタが押し開けられて略水平状態になり、排出口67の方へ排出された遊技球はもれなく球通路樋69を通って上皿19に排出されるようになる。従って、本パチンコ機10においては、前面枠14の開放に際し払出通路内等の遊技球がパチンコ機10外にこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
図4に示すように、内枠12の上側には、前面枠14が内枠12に対して開かれたことを検出する前面枠セット開検出スイッチ90が設けられている。前面枠14が開かれると、前面枠セット開検出スイッチ90からホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。また、前面枠14が閉じられると、前面枠14の金属製の補強板が、内枠12の一対の金具に接触するようになっており、前面枠14のアースが確保されている。
ここで、前述した前面枠14について、図1乃至図4を参照しつつより詳細に説明する。
前面枠14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、ベース部材が窓部101を形成する開口を備えており、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲して細化した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に、演出装置700の一つとして、各種ランプ等の発光部が設けられている。これら発光部は、大当たり遊技状態時や羽根開放時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光部を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光部を内蔵した中央電飾部103が設けられている。
本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり遊技状態中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光部を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。
その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ810、813(LED:後に言及)とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓部107が設けられている。この小窓部107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓部107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。更に、遊技領域内にも、入賞口用等の電飾ランプ、LEDが存在するが、こうした発光部も演出装置700の一部を構成する。
また、図1に示すように、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタンと、返却ボタンと、度数表示部とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタンは、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタンは、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
そして、度数表示部はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置部から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
(パチンコ機の背面構成)
図6及び図7は、パチンコ機10の背面図と、外枠11から内枠12を開き、内枠12からセット板400を一部開いた斜視図である。先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12および遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにしてまたは前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)等が取り付けられている。
本実施形態では、各種制御基板を3つの制御基板にユニット化し、これら制御基板ユニットを個別に内枠12または遊技盤30の裏面に装着するようにしている。ここでは便宜上、これらのユニットを「第1制御基板ユニット201」、「第2制御基板ユニット202」および「第3制御基板ユニット203」と称することとする。この場合、第1制御基板ユニット201および第2制御基板ユニット202として、主制御基板と音声ランプ制御基板とがそれぞれ取付台に搭載してユニット化され、第3制御基板ユニット203として、払出制御基板、発射制御基板および電源基板が、セット板400の第2パーツを構成する排出通路盤にユニット化されている。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202および第3制御基板ユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12または遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。かかる構成については後に詳述する。これは、各ユニット201、202、203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
図5に示す一般入賞口31、始動口33に入賞した遊技球は何れも前記裏枠セットの回収通路を介して集合し、さらに排出通路盤の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図5参照)も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
その他、図6に示すように、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、払出機構部352より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、または排出通路の何れかに振り分けるための遊技球分配部が設けられている。
第1制御基板ユニット201は、遊技盤30の裏面側に配設され、略L字状をなす取付台を有し、この取付台に主制御装置261が搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる遊技の制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主制御基板を具備しており、この主制御基板が透明樹脂材料等よりなる後述の第1基板ボックス201Aに収容された構成とされる。
第2制御基板ユニット202は、取付台座に音声ランプ制御装置が搭載された構成を有し、装飾図柄表示装置42の裏面側を覆う位置に配置され、遊技盤30に取り付けられている。音声ランプ制御装置は、音声ランプ基板を具備している。
第3制御基板ユニット203は、払出制御装置311、発射制御装置312、電源制御装置313およびカードユニット接続基板314が含まれる。払出制御装置311、発射制御装置312および電源制御装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311により、賞品球や貸出球の払出が制御される。
また、発射制御装置312により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モーターの制御が行われ、電源制御装置313により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)および図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源制御装置313およびカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315(この内側に位置するもう一つの基板ボックス),316,318にそれぞれ収容された構成とされ、セット板400の上部から側部にかけて配置された概略逆L字状をなす払出ユニットならびに下部に配置された排出通路盤とともに、第3制御基板ユニット203を構成している。
図6に示すように、払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モーター部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モーターが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。また、電源制御装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。
そして、図4に示す通り、前記内枠12の外枠11に対する枢着部725に近い前記遊技盤30のコーナーが、図5に示すように、略三角形状(遊技盤の中心側は円弧状)に角落ち720されている。前記枢着部725は、図4に示すように、外枠11に固定のブラケット726(上端部)(下端部は図外)に、内枠12に固定の取り付け金具を枢着することで構成されている。
ここで、上述したエラー状態などの状態報知について図1及び図6に基づいて述べる。[遊技球の払い出しに関するエラー報知]
(タンク球無し)
タンク球無しの報知は、タンクとタンクレールに遊技球が無いことを報知するもので、図1に示す右コーナーLED810が点灯し、モニターLED(図示せず)が消灯し、状態表示(図示せず)が「1」を点滅表示する。
(下受け皿満タン)
下受け皿満タンの報知は、図1に示す右コーナーLED813が点灯し、モニターLED(図示せず)が消灯する。そして、状態表示(図示せず)が「2」を点滅表示する。
(払出ユニット異常)
払出モーター駆動中にも関わらず払出カウントスイッチに遊技球の通過がない状態を示すもので、右コーナーLED810が点灯し、モニターLED(図示せず)が消灯し、状態表示(図示せず)が、「3」を点滅表示する。
[電源に関するエラー報知]
(ヒューズ切れ1及びヒューズ切れ2)
ヒューズ切れ1は、図6に示す第1ヒューズ814に定格以上の電流が流れたとき、ヒューズ切れ2は、第2ヒューズ815に以上の定格以上の電流が流れたときに飛んでしまった状態であるが、このエラー状態報知は、表示されない。
[その他のエラー報知]
その他のエラーとしては、「ガラス枠開放」、「内枠開放」、「遊技球等貸出装置未接続」、「遊技球等貸出装置通信異常」、「コマンド異常」、「コネクタ未接続」がある。そのうち、遊技球等貸出装置が未接続の場合は、モニターLED(図示せず)及びモニターLED(図示せず)が消灯する。そして、遊技球等貸出装置通信異常は、前記状態表示(図示せず)が「U」を点滅表示する。
また、コマンド異常は、ハーネスの破損等によるコマンド不良を示すもので、前記状態表示(図示せず)が「C」を点滅表示する(電源投入時にコマンド異常になった場合は点灯表示)。更に、コネクタ未接続は、モニターLED(図示せず)が消灯する(ただし、発射動作中は点滅する)。
尚、図6において、820は、電源スイッチを示す。
次に、第1制御基板ユニット201について説明する。第1制御基板ユニット201には、主制御装置261が搭載され、該主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を収容してなるものである。
前記第1制御基板ユニット201は、第1制御基板ボックス201A、後述の開閉機構410および連結取付台座部材430を含み、第1制御基板ボックス201Aは、第1制御基板ユニット201の主要部をなす部材であり、図8乃至図15に示すように、外側ケース70および内側ケース85を含む。この実施例では、外側ケース70が主制御装置261の制御基板80を収容する容積のある方であり、内側ケース85がその蓋体に相当する方である。上記外側ケース70および内側ケース85は第1ケースおよび第2ケースに相当するものであるが、外側ケース70および内側ケース85のうちいずれを第1ケースとしいずれを第2ケースとするかは任意である。
この第1制御基板ボックス201Aは、前記外側ケース70側に設けられる外側封印部71と、前記内側ケース85側に設けられる内側封印部86と、その外側封印部71と内側封印部86とを連結する封印部材87とを有し、その封印部材87によって前記外側封印部71と内側封印部86とが連結されている場合に前記制御基板80を取り出すときには第1制御基板ボックス201Aを破壊するか或いは所定の部位を切断することを必要とするものである。
前記外側ケース70の外側封印部71と内側ケース85の内側封印部86とは対を成すもので、この実施例では、個別に使用することのできる4個の封印部(封印、開封の再使用不可)から構成されており、それぞれを、封印部材87を用いて封印するよう構成されたものであり、こうした封印構造は、公知に属するものと変わらないものであるから、ここでの詳細説明は省略する。
図8は、遊技球が流下する遊技領域を前面側に形成してある遊技盤30の裏面の斜視図である。図9は、第1制御基板ボックス201Aを開閉機構410から取り外した状態を示す。
上記開閉機構410は、第3部材としての回動連結のための軸411を備え、一端側、即ち、コの字形に折り曲げられた一枚の支持板(約2mm厚の鋼板)からなる第1部材としての支持体412が、図15に示すようにそのコの字の底板部分で遊技盤30の裏面側にネジで固定され、他端側は、その軸411を基点にして回動するように枢着された第2部材としてのブラケット413で構成されている。前記軸411は、リベット構造であり、その両端部を変形させることよって容易に抜き取り出来ないようにされている。
前記第1部材としての支持体412のコの字の底板部分にはネジ孔が設けられ、図15に示すように、遊技盤30の裏面と球集合板460(入賞装置に入球した遊技球を受けて下方へ誘導する排出通路が形成されているもの)との間でネジ固定され、球集合板460の開口部461(又は切り欠き部)を介して遊技機の裏面側に向かう方向に突出する。そして、このブラケット413は、板状体で構成されて第1係合部414(後述の連結取付台座部材430に対する)に構成され、その第1係合部414には、図16に示す切り欠き係合部415が形成されている。この切り欠き係合部415は、切り欠き部分の両側の先端部が互いに対向する方向に鉤状に突出し、全体として概略C字形状となるように形成されている。
上記構造とすることにより、球集合板460を遊技盤30に取り付けた後は支持体412が外側から取り外せない状態となるので、例えば後述する第1制御基板ボックス201Aを不正に取り外したりすることがより困難となる。
上記球集合板460については、その外周部の複数個所を遊技盤30の裏面に対して固定するが、そのうちの少なくとも一つが固定解除できないように、後述する破断ネジ等でするか、ビス留めしたあと、ビス頭部を覆うキャップを取り付けるようにする等して、球集合板460が遊技盤30から容易に外されるのを防止する構造としてもよい。
上記切り欠き係合部415は、後述の第2係合部433とでもって、第1係合部414の抜け出し防止の規制機構440を構成する。前記ブラケット413(約2mm厚の鋼板)には、図16に示すように、前記支持体412に枢支連結される一枚の支持板からなる支持部413Aが形成されており、その支持部413Aは、ブラケット本体部から直角に折り曲げられて側面視で門型に形成されている。
尚、前記第1制御基板ボックス201Aは、既述の通り、外側封印部71を備える外側ケース70と内側封印部86を備える内側ケース85を有し、主に外側ケース70の内部に遊技を制御する制御基板を収容する構成のものである。
次に、図9乃至図18に基づいて、連結取付台座部材430について述べる。
この連結取付台座部材430は、前記開閉機構410と前記第1制御基板ボックス201Aとにそれぞれ連結されるものであり、言わば従来から用いられていた基板ボックスを取り付けるための取付台座に相当するものであって、合成樹脂で成型されており、ここでは、幅は、前記第1制御基板ボックス201Aの幅と実質的に同じ幅(約150mm)で、長さが約48mm(第1制御基板ボックス201Aの長手方向に向かう長さ)、厚みが13mm、肉厚は、2mmのものであり、第1制御基板ボックス201Aの内側ケース85の側面に接当する側が開放され、リブが多数設けられ、破断ネジ439を収容する収容部431が、ここでは3個形成されており、そこに破断ネジ439がそれぞれ1本づつセットされるようになっているが、周壁、リブの端面は同じレベルに形成され、内側ケース85の側面に密着接当可能にされており、反対側の側面(遊技盤30側)は、平坦に形成されている。
前記第1制御基板ボックス201Aのうち、前記連結取付台座部材430と連結封止される部位である第1取付台座封止部450が、その内側ケース85の端部に設けられており、ここでは該第1制御基板ボックス201Aの幅方向に、所定の間隔を隔てて4個突設されている。この第1取付台座封止部450は、外側ケース70の外側封印部71と内側ケース85の内側封印部86との位置と平面視で位相がずれるように変位して配置されており、従って、第1制御基板ボックス201Aを背面から(遊技機の背面から)見たときに、前記外側封印部71と内側封印部86に重なることなく、視認できる状態にある。即ち、前記外側封印部71と内側封印部86の位置する側に前記第1取付台座封止部450が配置され、且つ、前記第1制御基板ボックス201Aの背面視(正面)において、前記第1取付台座封止部450が見えるように前記外側および内側封印部71、86と平面位相をずらせて配置されているのである。
そして、前記連結取付台座部材430には、前記第1制御基板ボックス201Aの前記第1取付台座封止部450と連結封止される部位である第2取付台座封止部432が、ここでは、4個が、前記4個の第1取付台座封止部450と対応する位置に突設されている。この1個の第2取付台座封止部432の構造は、この連結取付台座部材430の本体に繋がるリブに、有底のネジ止め凹部を有する突起体が一体成型されており、そのリブの底面と有底板分の底面は面一で、且つ、前記収容部431のリブ及び周壁のレベルと面一とされている。
そして、前記第1、及び第2取付台座封止部450、432は、破断ネジを用いて連結封止される。
前記連結取付台座部材430の内部に、前記開閉機構410の前記第1係合部414と係合する部位である第2係合部433が設けられる。この第2係合部433は、この実施例では、後述する第1被覆部材430Aとは別体成型の第2被覆部材430Bに取り付けられる。勿論、別体の第2被覆部材430Bが存在せず、第2係合部433が連結取付台座部材430の樹脂成型時に埋め込まれたり、或いは、それ自体の弾性変形を利用して、連結取付台座部材430に形成された挿入部434の内部に挿入設置されるように構成されてもよいものである。
前記第2係合部433は、ここでは、弾性を備えた一枚の薄い板体(鋼板)を折曲成形して構成されている。即ち、概略縦長の長方形の板体の一方長辺に沿って延びる帯状部を直角に折曲し、さらにこの帯状部の両端部を内側方向(板体の他方長辺側方向)へ90度未満の小角度(例えば20〜60度程度)だけ折曲して弾性係合爪を形成した構成となっている。一方、前記第1係合部414は、金属製の平板状体で構成され、そこに切り欠き係合部415が形成され、該切り欠き係合突片部415に前記第2係合部433の係合爪を係合させることによって、抜け出し防止の規制機構440Dが構成されている。そして、前記開閉機構410の前記第1係合部414を挿入して前記連結台座部材430の内部の前記第2係合部433に係合させるために前記連結台座部材430に、挿入部434が形成されている。
このように、前記規制機構440Dは、前記第1係合部414と前記第2係合部433との係合において、前記開閉機構410の第1係合部414が前記挿入部434に挿入されて前記第2係合部433と係合されたあとにその挿入方向とは逆の抜き出す方向への移動を規制するものである。
なお図10には、図示を明確化するため、第1係合部414を前記挿入部434に挿入した状態で、第2部材すなわちブラケット413ごと第1制御基板ボックス201Aが球集合板460から分離した状態が示されているが、実際のパチンコ機10においては、ブラケット413は第1制御基板ボックス201A側(連結取付台座部材430)よりも先に、球集合板460側(第1部材すなわち支持体412)に取り付けられた構造となっている。
ここで、更に、前記連結取付台座部材430について詳述する。前記第2係合部433を被覆するべく前記連結取付台座部材430には、第1被覆部材430Aと第2被覆部材430Bが備えられている。第1被覆部材430Aが前記連結取付台座部材430に一体形成されたもので、第2被覆部材430Bは、前記連結取付台座部材430に組み合わせるよう別体構成とされ、且つ、その少なくとも一方、ここでは第1被覆部材430Aに凹面が形成され、他方、即ち、第2被覆部材430Bに対向するよう組み合わせることで前記第1係合部を挿入するための前記挿入部434を形成している。具体的には、前記挿入部434は、その入口が、入口側から内部に向かって幅狭となるようにテーパ状に形成され、且つ、挿入方向に沿って複数、ここでは4本の案内リブが形成されている。
そして、この第2被覆部材430Bに、前記第2係合部433が設けられるが、その第2係合部433の薄板を、第2被覆部材430Bに形成した係止突片430Cに、その入口の側からスライド挿入して係止させ、且つ、ネジ止めされる。
前記第2被覆部材430Bは、前記第1被覆部材430Aよりも小さく構成され、前記連結取付台座部材430と前記第1制御基板ボックス201Aとが連結した状態においては、前記第2被覆部材430Bの取り外し方向側に前記第1制御基板ボックス201Aが位置された状態となり、前記第1制御基板ボックス201Aと前記第1被覆部材430Aとにより被覆された状態となるように構成されているものである。
また、前記連結取付台座部材430は、前記第1制御基板ボックス201Aよりも小さく構成され、前記第1制御基板ボックス201Aのうち、基板裏面側で一端側に寄せて連結されるように構成されているものである。
更に、上述した通り、前記第1及び第2被覆部材430A、430Bを透明樹脂により成型し、これらに被覆される第2係合部433を金属製の係合部材により構成してある。
前記第1制御基板ボックス201Aの側面に、係止リブ420、420、420が前記連結取付台座部材430の略周部に沿って配置されて突出するように備えられ、該係止リブ420、420、420に所定の方向、即ち、第1制御基板ボックス201Aの裏面に沿って第1、第2取付台座封止部や第1連結部の位置する側から第1制御基板ボックス201Aの中央側に向けてスライド移動させることによって、係合するリブ係合部435が前記連結取付台座部材430の側部に設けられると共にその一つの係止リブ420が、前記連結取付台座部材430の収容部431の周壁の内側に形成されたリブ係合部436に係合するように設けられている。
前述の別体構成の前記第2被覆部材430Bの両側部にカム面を備えた係合片430D、430Dが突設され、前記連結取付台座部材430の内部に前記係合片430D、430Dに係合する門型の係合部430E、430Eがそれぞれ設けられ、前記第2被覆部材430Bを前記連結取付台座部材430に対して押し付けることで前記カム面作用により前記係合部430D、430Dの素材の弾性変形を利用して門型の係合部430E、430Eへの係合が行われるように構成されている。
本実施形態のパチンコ機10においては、遊技機に取り付けられた第1制御基板ユニット201が遊技盤30の裏面に対して開閉することにより、遊技盤裏面の設置物に対しての検査、メンテナンスが容易に行い得るのである。
そして、封印部により封印されることにより、制御基板に対して不正な改変を行ったり、不正品に交換されることを防止でき、また、第1、第2取付台座封止部450、432により連結封止することによって、第1制御基板ユニット201を不正品に交換されることを防止できる。
更に、連結取付台座部材430に対して開閉機構410を簡単な操作により装着できるので、作業性が向上するのであり、そして、第1係合部414と第2係合部433とを一度係合させるとその解除が規制機構440Dによって規制され、係合部分は被覆されているので、連結状態の第1制御基板ボックス201Aおよび開閉機構410、即ち第1制御基板ユニット201ごと不正に持ち去ることを防止できるのである。
次に、第1被覆部材430Aが前記連結取付台座部材430に一体形成されるのに対し、第2被覆部材430Bが前記連結取付台座部材430に組み合わせるよう別体構成とされることで、第2係合部433を被覆することを行い得ながら、第2係合部433を第2被覆部材430Bに備えておいて、これを後に組み合わせるという作業で、この、第2係合部433を前記連結取付台座部材430の内部に備えることができる。
また、前記連結取付台座部材430と前記第1制御基板ボックス201Aとが連結した状態においては、第2被覆部材430Bが前記第1制御基板ボックス201Aの側に位置して、前記第1被覆部材430Aとで挟まれた状態となって第2係合部433の被覆が行われ、その被覆が容易に外れない。
更に、連結取付台座部材430は、前記第1制御基板ボックス201Aよりも小さく構成され、前記第1制御基板ボックス201Aのうち、基板裏面側で一端側に寄せて連結される構成であるので、従来のような基板ボックスと同等の大型の取付台座を必要とすることがない状態で、その第1制御基板ボックス201Aの開閉を行い得るのである。
更に、前記第1及び第2被覆部材430A、430Bを透明樹脂により成型し、これらに被覆される第2係合部433を金属製の係合部材により構成してあることで、第1係合部414と第2係合部433の係合状態が確実におこなわれているかどうか外部から視認でき、また、強固な係合がされていることが視認されることで、安易な取り外しが行われないようにすることができる。
また、前記第2係合部433を板金で構成してその一部を変形させることで第1係合部414に対する係合を行う構成であるので、極めて構造が簡単であり、同時に、係合状態の解除が容易に行われないものである。
更に、挿入部434の入口をテーパ状として、且つ、案内リブを設けることで、第1係合部414の挿入を容易にすることができると共に内部への侵入がガイドされてスムースに行い得るのである。
また、外側ケース70の前記外側封印部71と内側ケース85の内側封印部86の位置する側に前記第1取付台座封止部450及び第2取付台座封止部432が配置されるものの、前記第1、及び第2取付台座封止部450、432が見えるように前記外側および内側封印部と平面位相をずらせて配置されていることで、前記第1、及び第2取付台座封止部450、432が前記第1制御基板ボックス201Aの背面視(正面)において、視認可能となり、前記第1、及び第2取付台座封止部450、432が不正に解除されているかどうか容易に分かるのである。
また、第1制御基板ボックス201Aの側面に、係止リブ420を突出するように設け、前記連結取付台座部材430を係止させて位置決めすることができ、その後の前記第1取付台座封止部450及び第2取付台座封止部432の連結が行い易いのである。
更に、前記第2被覆部材430Bを連結取付台座部材430に取り付けるに、第2被覆部材430Bのカム面を備えた係合片430Dと、連結取付台座部材430の前記係合片430Dに係合する係合部430Eの存在によって、第2被覆部材430Bを連結取付台座部材430に向けて押圧するだけで、素材の弾性変形でもって係合が行われることになり、簡単に組み付けができる。
また、連結取付台座部材430に、破断ネジ439を収容する収容部431を設けることで、第1制御基板ボックス201Aの定期検査等で封止を解いた後に、そこから破断ネジ439をとり出して、再び新たな第1取付台座封止部450と第2取付台座封止部432との封止を行うことができる。
(開閉機構の一部変形例)
上記開閉機構410の他端側である第2部材、第1、第2取付台座封止部450,432を、破断ネジで連結させてもよい。
また、第1取付台座封止部450に形成された切断部450A(図9他参照)を切断して、破断ネジは第2取付台座封止部及び第2部材に残すようにすれば連結封止を解除できる。更に、別の変形例として、第1、第2連結部の両方に切断部を形成し、破断ネジを第2部材に残すようにしてもよい。
また、この例では、第1係合部414を構成する金属製の平板状体を方形状に打ち抜いて開口係合部417が形成されており、該開口係合部417に前記第2係合部433の舌片433dの係合爪を係合させることによって、抜け出し防止の規制機構440Dが構成されている。
遊技盤30の裏面と第1制御基板ユニット201との間には、カバー部材501が介装されている。図14及び図15に示すように、遊技盤30の裏面には球集合板460が設けられ、第1制御基板ユニット201はこの球集合板460に外側から取り付けられる構成となっているが、該球集合板460と第1制御基板ユニット201との間には、若干の間隙が形成されている。パチンコ機10の機種によっては、遊技盤30の裏面の設計に応じて、当該部位の寸法(奥行)が異なる。このため、この寸法の変動に対応できるように、球集合板460と第1制御基板ユニット201との間には、若干の余裕、すなわち間隙が形成されているのである。前記カバー部材501は、この球集合板460と第1制御基板ユニット201との間の間隙を補填するためのものであり、当該間隙にほぼ対応した寸法を有するものとなっている。
上記カバー部材501を設けた主たる目的は、球集合板460の裏面に設けられた種々の電気部品、例えば、遊技盤30の表面に設けられた電飾用の基板等の電気部品、配線などを保護することになる。即ち、この球集合板460の裏面に露出された状態に配置されているものであるから、裏面側からアタック(多の部品の組み付け時、或いは基板ボックスの開閉時)に際して、破損、破断が生じる虞がある。
この他に、球集合板460の裏面中央には、中継基板470、これにつながるコネクタ、配線が設けられている。ここでは、中継基板470は、表裏2段配置に構成されており、裏面側(外側)では、第1制御基板ユニット201からの入力を、大入賞口作動のための中継とし、また一部の電飾に中継し、また、入球を検知するセンサーの出力を中継している。同様に、内側の中継基板については、電飾等の中継を行う。
また、球集合板460の裏面に露出されている基板としては、大当たりに際して開く大入賞口装置471(図5参照)のための制御(ソレノイド、センサー)を行う中継基板473がある。これらの中継基板470、中継基板473については、この実施例では、前記カバー部材501の被覆対象外となっている。即ち、これらの中継基板470、中継基板473を覆いから外すように、即ち、その中継基板470に対しては、このカバー部材501の一部を凹ませた形状とし、その中継基板473については、中抜き形状(窓)として、そのカバー部材501の形状が採られている。
上記カバー部材501は、球集合板460に対向する面が開放された概略横長で中空体(箱形)に形成され、その上端部にはほぼ矩形状の切欠部511が形成されている。この切欠部511は、球集合板460と第1制御基板ユニット201とを電気的に接続するスペースを確保するためのものである。
上記カバー部材501の内部には、図14に示すように、複数のリブ512が形成されている。このリブ512は、カバー部材501の補強の機能だけでなく、該カバー部材501の内部に不正基板を設置し得るスペースが形成されないようにするという機能も奏するものである。また、このリブ512は、球集合板460側に設けた電気部品等に接当しないように区画配置されると共にその高さが部分的に変えられている(リブの外縁面が同じレベルではない)。
上記カバー部材501は透明樹脂よりなるものであり、これにより、内部での不正行為の有無等が外側から容易に視認することができ、したがって不正をより効果的に防止し得るようになっている。
上記カバー部材501の一方端部には、上下1対の板状のブラケット513が突設されている。該ブラケット513の先端部には孔または切欠が形成されており、一方、前記球集合板460における前記開閉機構410形成側端部とは反対側の端部(図14および図15では右側端部)には、上下1対の軸462がそれぞれ上方に突出するように設けられており、この軸462に前記カバー部材501のブラケット513が挿通されている。これにより、上記カバー部材501は一方端部で軸462を中心として水平面上で回動可能に軸支され開閉可能となっている。即ち、該カバー部材501の開閉軸線はパチンコ機10の背面からみて前記開閉機構410形成側端部の反対側(図14および図15の右側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にしてカバー部材501が後方側に十分に開放できるようになっている。
前記第1制御基板ボックス201Aは、図13に示すように開閉機構410により該開閉機構410形成側端部(図13では左側端部)で回動させて一方側へ(図13では左方に)開放し得るようになっているが、上記のようなカバー部材501の支持構造とすることにより、該カバー部材501は図14に示すように第1制御基板ボックス201Aとは逆方向に(図14では右方に)開放し得るようになっている。すなわち、該カバー部材501と第1制御基板ボックス201Aとが、左右逆方向に開閉し得る構造、さらに具体的にいえば、左右から折り重ねるようにして閉じ得るとともに、その閉じた状態からそれぞれ左右に開放し得る構造となっている。
上記カバー部材501の自由端部側(図9及び図11では左端部側)およびこれに対応する球集合板460上の位置には、カバー部材501と球集合板460とを封止するための封止手段が設けられている。この封止手段は、第1封止部520Aと第2封止部520Bとを有している。この第1封止部520Aおよび第2封止部520Bについて以下順次説明する。
図19に示すように、第1封止部520Aは、球集合板460に遊技盤30側から挿通されてカバー部材501を球集合板460に固定する固定手段であるネジ519と、球集合板460の遊技盤30側に設けられネジ519が挿通される孔を底板に有する凹部465と、カバー部材501に設けられネジ519が挿入され固定される挿入部514と、ネジ519による固定状態を解除するために挿入部514に設けられた切断部514Aとから構成されている。
カバー部材501の自由端において球集合板460に当接する上下2箇所のコーナー部からは、それぞれ、上下1組の方形状の延出片が、互いに平行となるように、水平に平伏した状態で、カバー部材501の長さ方向に沿って延出し、上下1組の延出片のうち内側に位置する延出片の先端部が外方に屈曲して外側の延出片に向かって延び、これら上下の延出片の先端部分が、カバー部材501の奥行方向に沿って延びる円筒状部を支持するような形状となるように、カバー部材501のコーナー部が成形されている。上記円筒状部の内部にはネジ溝が形成されてネジ519が螺入し得るようになっており、この円筒状部が挿入部514となっている。また、上記上下1組の方形状の延出片は、ネジ519による固定状態を保持するのに十分な強度を有するとともに、ニッパ等の適宜手段により容易に切断し得る肉厚を有するものとなっており、この延出片が切断部514Aとなっている。
一方、球集合板460において上記カバー部材501の上下のコーナー部に対応する位置にはそれぞれ、凹部465が設けられている。下側の凹部465は、球集合板460の取付面(遊技盤30側面)から円形の平面形状をなして陥入し、その底板にはネジ挿通孔が穿設された構成となっている。上側の凹部465は、球集合板460の取付面(遊技盤30側面)から、下側の一隅を部分円状に角落ちさせた概略方形状の平面形状をなして陥入し、その底板にはネジ挿通孔が穿設された構成となっている。上下の凹部465のネジ挿通孔にはそれぞれ、遊技盤30側からネジ519が挿通され、該ネジ519の頭部が凹部465内に収容されるとともに、軸部が前記カバー部材501の挿入部514に螺合し、これによりカバー部材501の自由端部が球集合板460に固定されるようになっている。
球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態では、球集合板460の凹部465がネジ519のネジ頭を収容して遊技盤30により閉塞された状態、すなわちネジ519のネジ頭が球集合板460と遊技盤30との間に挟まれた状態となるため、外部からネジ519を取り外すことが不可能であり、これにより、カバー部材501と球集合板460とが封止されるようになっている。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的としてカバー部材501を開放する場合には、前記切断部514Aを切断することにより、カバー部材501と球集合板460との封止状態を外側から(パチンコ機10の背面側から)、痕跡を残しながら解除することができる。
なお、固定手段として、ネジにかえてナイラッチ等を用いるようにしてもよい。ナイラッチは、頭部から延出する軸部の先端部が径方向に拡張するように成形されたナイロン製の締結具であり、締結対象の部材に設けた孔部に押し込んで弾性的に係合させることにより当該部材を締結するものである。
第2封止部520Bは、カバー部材501に背面側から挿通されてカバー部材501を球集合板460に固定する破断ネジ522と、カバー部材501に設けられ破断ネジ522が挿通される孔を底板に有する破断ネジ挿通部515、516と、球集合板460に設けられ破断ネジ522が螺入される螺入部463、464と、破断ネジ522による固定状態を解除するために破断ネジ挿通部515、516に設けられた切断部515A、516Aとから構成されている。上記破断ネジ522は、第1取付台座封止部450と第2取付台座封止部432とを連結封止するための、後述する破断ネジ439と同様の構成を有するものとなっており、ここでは説明を省略する。
カバー部材501の自由端は、高さ方向における中段をなす帯域部分が内側に陥入して、正面視概略コ字状の形状を有しており、その陥入部分の底板から、高さ方向に長く延びる概略直方体状の基台部515Bが外側(カバー部材501の自由端側)に突出し、さらに該基台部515Bの外側端面から、破断ネジ挿通部515が外側に突出した形状となっている。基台部515Bの外側端面の上端部および下端部からは、それぞれ、上下1組の方形状の延出片が、互いに平行となるように、水平に平伏した状態で、カバー部材501の長さ方向に沿って延出し、上下の延出片の先端部同士がたがいに近接し合う方向に円弧状に湾曲するように延びて接合し、正面視半円状の周壁部515Cが形成されている。この周壁部515Cを含む上下の延出片は全体として正面視U字状に形成され、その先端部分の内側における奥行方向中央付近には、奥行方向に対し垂直となるように、即ち、例えば遊技盤30の裏面に対し平行となるように、底壁515Dが設けられ、該底壁515Dにはネジ挿通孔(図示せず)が穿設されている。
上記周壁部515Cを含む上下の延出片および底壁515Dにより、破断ネジ挿通部515が構成されている。上記上下の延出片は、前記第1封止部520Aの切断部514Aと同様に、十分な強度を有するとともに容易に切断し得る肉厚を有するものとなっており、また、前記底壁515Dは上下の延出片の先端部の間の空間のみを閉塞しこれより内側の脚部(立ち上がり部)の間の空間は閉塞しないように設けられていて、この脚部は奥行方向に貫通する形状となっている。このように構成されることにより、上記上下の延出片の脚部が第2封止部520Bの切断部515Aとなっている。
一方、図15に示すように、球集合板460において上記上下の破断ネジ挿通部515に対応する位置にはそれぞれ、螺入部463が設けられている。上下の螺入部463は、球集合板460における前記支持体412挿通用の上下の開口部461の間の位置から、背面側(カバー部材501側)へ延出する円筒状に形成され、その内部にはネジ溝が設けられて破断ネジ522が螺入され得るようになっている。
図19に示すように、カバー部材501を閉じて球集合板460に当接させた状態では、破断ネジ挿通部515の周壁部515Cの球集合板460側端縁も球集合板460に当接し、螺入部463の全体が該周壁部515Cにより包囲されるようになっている。この状態で、破断ネジ522が破断ネジ挿通部515に背面側(カバー部材501側)から挿通されて螺入部463に螺入され、これによりカバー部材501が球集合板460に固定される。破断ネジ522は、後述するように所定の高トルクで回転させることにより頭部の先端側の分離部が破断して分離する。この状態では、ドライバによって破断ネジ522を回転させることはできず、しかも破断ネジ522は破断ネジ挿通部515の周壁部515Cで包囲されているため、痕跡を残さずに破断ネジ522を取り除くことは不可能である。これにより、カバー部材501と球集合板460とが封止された状態となる。一方、前記切断部515Aを切断することにより、カバー部材501と球集合板460との封止状態を痕跡を残しながら解除することができる。
カバー部材501の自由端は、前記したように中段をなす帯域部分が内側に陥入した正面視概略コ字状の形状を有しているが、その陥入部分を挟む上段および下段の突出部分の先端面には、それぞれ前記第1封止部520Aが設けられている。さらに、下段の突出部分の先端面において、第1封止部520Aの上方の位置に、破断ネジ挿通部516が設けられている。この破断ネジ挿通部516は、前記陥入部分の底板に設けられた破断ネジ挿通部515とほぼ同様の上下の延出片(周壁部を含む)および底壁を有する構成となっている。
また、図15に示すように、球集合板460において上記カバー部材501の下段の突出部分に設けられた破断ネジ挿通部516に対応する位置には螺入部464が設けられており、この螺入部464は前記螺入部463と同様に、背面側(カバー部材501側)へ延出する円筒状に形成され、その内部にはネジ溝が設けられて破断ネジ522が螺入され得るようになっている。本実施形態に示す第2封止部520Bは、カバー部材501の陥入部分の底板に設けられた上下の破断ネジ挿通部515および突出部分に設けられた破断ネジ挿通部516と、これら破断ネジ挿通部515、516にそれぞれ対応するように球集合板460に設けられた螺入部463、464と、破断ネジ挿通部515、516のそれぞれに設けられた切断部515A、516Aと、破断ネジ522とで構成され、高さ方向に並ぶ3点でカバー部材501と球集合板460との封止がなされ得るようになっている。
上記カバー部材501の陥入部分の底板に設けられた上下の破断ネジ挿通部515は、図9および図11に示すように、前記開閉機構410におけるブラケット413の上下の支持部413Aの間に挟持されるような位置に形成され、これら支持部413Aの間のスペースをほぼ閉塞し、第1制御基板ボックス201Aを枢着する軸411であるリベットの頭部に近接している。
図9乃至図11ならびに図21に示すように、上記カバー部材501の外側面(第1制御基板ボックス201A側面)における固定端部(図9、図11及び図21では右側端部)には、先端に係止爪が形成された矩形状の係止片517が後方に(第1制御基板ボックス201A側に)突出するように配設され、一方、第1制御基板ボックス201Aの内側ケース85の自由端部には、矩形状の突起部851が側方に(図21では右方に)突出するように配設されており、図22に示すように該係止片517が突起部851に弾性的に係止し得るようになっている。この係止片517は、カバー部材501に一体成型されている。
前記第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851には、図24に示すように外部との電波の送受信を行うように構成されたシール(封印シール)601が貼付され、これにより第1制御基板ボックス201Aの右側端縁部分が封印される。矩形状突起部851は、第1制御基板ボックス201Aの外側ケース70および内側ケース85の右側端縁部分に、互いに合同な縦長の長方形状を有する突起片をそれぞれ右方へ突出するように形成しておき、外側ケース70に内側ケース85を嵌着するとともにこれら突起片を重合させるようにすることによって構成されている。封印シール601は、横断面コの字形状をなすように折り曲げた状態で、前記外側ケース70および内側ケース85の両突起片を跨ぐようにして貼付されている。
封印シール601は、図26および図27に示すように、前記第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851の上下面を除く3面を折り曲げ状態でほぼ全面的に覆い得る長方形状の平面形状を有し、図25に示すように、基材層602、粘着材層603および剥離紙604を積層して構成され、粘着材層603上にはICタグユニット605が配置されている。
基材層602は、ポリエステルフィルム等の樹脂フィルムよりなり、封印シール601を剥がす力に伴う応力によって一部が破壊される程度の適度な脆性を有するとともに、粘着材層603を構成する粘着剤に対する溶解性を有するトルエン等の有機溶剤や粘着剤層の粘着力が低下する温度(例えば50℃以上)の熱により変色するものとなっている。これにより、第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851から封印シール601を不正に剥がすことを意図して溶剤をかけたり熱を加えたりすると、基材層602が変色して不正行為の痕跡が残るようになっている。
粘着剤層603を構成する粘着剤は、一旦貼付した後に剥がされると基材層602から剥がれる程度の粘着力を有している。よって、封印シール601が剥がされた場合には再度貼付することが困難であり、さらに粘着剤層603の一部が被着体側に残存することとなる。これにより、封印シール601を不正に剥がした場合に痕跡を残すことができる。
ICタグユニット605は、ICチップ605aおよびアンテナ605bより構成されており、帯状に延びる長尺状のアンテナ605bの中央付近にICチップ605aが配置されている。ICチップ605aは集積回路として形成されるものであり、制御部およびメモリー領域を有する。メモリー領域には、識別データとしてのID情報が格納されている。アンテナ605bは、アルミ等の金属薄層で形成されており、その厚みはICチップ605aの厚みよりも薄い。また、アンテナ605bは、共振周波数が2.45GHz等の一定周波数となるようにアンテナパターンとして作製されている。
ICチップ605aのメモリー領域に格納されたID情報は、制御部により呼び出されてアンテナ605bから発信し得るように構成されており、アンテナ605bから発信されたID情報をリーダー/ライターとして形成されるスキャナーで受信して読み取ることができるようになっている。詳細には、スキャナーから前記周波数の微弱な電波で呼び出しが行われ、この電波で誘導電磁界が形成される。この誘導電磁界内にアンテナ605bが位置する程度に、スキャナーをアンテナ605bに近接させると、アンテナ605bに電磁誘導により起電力が発生する。ICチップ605aではこの起電力を電源として、メモリー領域に格納されているID情報が制御部で呼び出されてアンテナ605bから送信され、このように発信されたID情報をスキャナーで受信して読み取ることができるようになっている。
ICタグユニット605(アンテナ605b)は、図27に示すように、粘着剤層603が形成された基材層602に対し、当該基材層602の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って斜めに配置されている。詳細には、アンテナ605bは基材層602の対角線上にはなく、アンテナ605bの長手方向が基材層602の両対角線と交差している。この場合、長尺状のアンテナ605bはその長手方向が基材層602のすべての辺方向と交差することとなる。そして、前記矩形状突起部851を構成する両突起片に跨って封印シール601が貼付されているのに伴って、アンテナ605bも両突起片に跨っている。
また、封印シール601には、アンテナ605bの長手方向に沿って多数のアンテナ用切り込み606が等間隔に並置するようにして形成されている。アンテナ用切り込み606は、アンテナ605bの長手方向に対して略直交する方向に延びる直線状であり、基材層602の表面側から粘着剤層603の背面側まで貫通している(なお、図26ではアンテナ用切り込み606は図示省略している)。ちなみに、アンテナ用切り込み606が延びる方向は、アンテナ605bの長手方向に対して略直交する方向であるため、基材層602のすべての辺方向と交差している。また、アンテナ用切り込み606は、アンテナ605bに若干掛かる構成となっている。この場合に、アンテナ605bはアンテナ用切り込み606により分断されていないため、ID情報の送信に関して弊害は生じない。また、アンテナ用切り込み606がアンテナ605bを挟んで直線状に並ばないように、アンテナ605bの一側に位置するアンテナ用切り込み606と他側に位置するアンテナ用切り込み606とはずらして形成されている。詳細には、アンテナ605bの一側に位置するアンテナ用切り込み606と他側に位置するアンテナ用切り込み606とは、アンテナ605bの長手方向に沿って交互に並ぶように形成されている。
上記封印シール601を第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851から剥がそうとする場合、できるだけ該封印シール601を損なわないようにするには、剥がす力に伴う応力が、基材層602の隅角に対して局所的に集中したり封印シール601の折り曲げ部分に集中したりしないように、封印シール601の短辺に沿う方向に剥がすことが必要となるが、この方向はアンテナ605bの延びる方向に対して交差する方向である。従って、剥がす力に伴う応力がアンテナ605bの周囲に位置するアンテナ用切り込み606の端部に集中することで、アンテナ用切り込み606を端緒とする断裂が生じて基材層602が破壊され、これに伴いアンテナ605bが分断されることとなる。アンテナ605bが分断されるとID情報がアンテナ605bから送信されなくなるので、ID情報をスキャナーで読み取ることができなくなる。よって、封印シール601を第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851からできる限りきれいに剥がして第1制御基板ボックス201Aを開封し、制御基板80に対して不正を行った後に、第1制御基板ボックス201Aを封印すべく封印シール601を再度きれいに原状に復すように貼ったとしても、当該不正行為を容易に発見することができる。
封印シール601の4隅には、基材層602の表面側から粘着剤層603の背面側まで貫通する隅部切り込み607がそれぞれ形成されている。詳細には、隅部切り込み607は、封印シール601の隅角の内側にて当該隅角に沿うようにしてL字状に形成されている。よって、封印シール601がその一辺に沿う方向に剥がされるのではなく隅角側から(即ち封印シール601の辺に対し斜方向に)剥がされたとしても、隅部切り込み607から封印シール601に破壊が生じることとなる。これにより、不正行為の痕跡を残すことができる。
封印シール601の外縁には、図26に示すように、外側端部から内側に向けて多数の外縁切り込み608が形成されている。これら外縁切り込み608は、内側から外側に向けて開く鋭角のV字状となっており、さらに封印シール601の外周に沿う方向に等間隔で形成されている。従って、第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851から封印シール601を剥がそうとすると、この剥がす力に伴う応力が外縁切り込み608の内側端部に集中して封印シール601に破れなどといった破壊が生じる。これにより、封印シール601が剥がされたことの痕跡を残すことができ、制御基板80に対して不正行為が行われたことを容易に発見することができる。
ただし、上記のように外縁切り込み608が形成された構成においては、封印シール601の一辺全体からその辺に直交する方向に沿って封印シール601が剥がされると封印シール601の破壊が生じ難い。即ち、封印シール601をその角から剥がす場合や、封印シール601の外縁における隣り合う外縁切り込み608間を摘んで剥がす場合などは、剥がす力に伴う応力が少数の外縁切り込み608の内側端部に集中するため、外縁切り込み608を介した封印シール601の破壊が生じ易いのに対し、矩形状の封印シール601の一辺全体からその辺に直交する方向に沿って剥がす場合には、剥がす力に伴う応力が多数の外縁切り込み608の内側端部に分散されるため、外縁切り込み608を介した封印シール601の破壊が生じ難い。よって、後者の方式で封印シール601が剥がされると、外縁切り込み608では不正の痕跡が残らない場合がある。ところが、前述したように、アンテナ605bが封印シール601の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って延びるようにして斜めに配置されているので、封印シール601の一辺全体からその辺に直交する方向に沿って封印シール601が剥がされたとしてもアンテナ605bが分断されることとなる。これにより、不正行為を容易に発見することができる。
基材層602の表面には、図26に示すように、インク塗布部609、識別情報部610および機種情報部611が設けられている。インク塗布部609には、紫外線等の特定の波長の光が照射されることにより模様が表れる特殊インクが塗布されている。識別情報部610には、複数の数字が記載されており、当該識別情報部610に記載される数字は遊技機毎に異なっている。この場合に、識別情報部610に記載される数字はICチップ605aに格納されているID情報と対応づけて設定されている。例えば、ID情報が数字で登録されている場合には、ID情報の数字と識別情報部610に記載された数字との和が、遊技ホールなどに設置された複数の遊技機において同一となるように設定されている。機種情報部611には、当該遊技機の機種名や当該遊技機の製造メーカー名などが記載されている。
ここで、封印シール601の図26における上部領域R1は、図24に示すように、外側ケース70の突起片の表側面(重合面と反対側の面)に貼付することを意図して形成された領域となっている。よって、第1制御基板ボックス201Aに対峙する位置からは、インク塗布部609および識別情報部610を視認することができるので、インク塗布部609および識別情報部610の確認作業を容易に行うことができる。また、封印シール601の図26における中間領域R2は、図24に示すように、外側ケース70および内側ケース85の両突起片の突出端面(即ち矩形状突起部851の突出端面)に貼付することを意図して形成された領域となっている。よって、機種情報部611に記載された内容は第1制御基板ボックス201Aを取り外すことなく確認することができる。なお、下部領域R3は、内側ケース85の突起片の表側面(重合面と反対側の面)に貼付することを意図して形成された領域となっている。また、前記したように、第1制御基板ボックス201Aが遊技盤30の裏面側に取り付けられた状態では、矩形状突起部851にはカバー部材501の外側面に形成された係止片517が弾性的に係止しており、このため矩形状突起部851の突出端面から内側ケース85の突起片の表側面にかけて貼付されている封印シール601の中間領域R2および下部領域R3や上部領域R1の一部はこの係止片517に覆われた状態となっているが、この係止片517は容易に取り外すことができるため、インク塗布部609、識別情報部610または機種情報部611の確認作業を行うことも容易である。
上述のようにインク塗布部609および識別情報部610が設けられていることにより、第1制御基板ボックス201Aが不正に交換された場合に、その交換がなされていることを容易に発見することができる。即ち、交換された不正用の基板ボックスが正規の第1制御基板ボックス201Aと外観上区別できなかったとしても、インク塗布部609に特定の光を照射し模様が表れないことを確認することで交換されたことを発見することができる。また、不正用の基板ボックスのシールにICタグユニットが設けられていたとしても、ID情報をスキャナーで読み取り、その情報と識別情報部610の情報とを確認することで交換されたことを発見することができる。
上記構成によれば、制御基板80を収容する外側ケース70と内側ケース85とを跨ぐようにしてICタグユニット605を有する封印シール601が貼り付けられているので、第1制御基板ボックス201Aを開封するためには、矩形状突起部851から封印シール601を剥がし当該矩形状突起部851のネジ固定を解除する必要がある。この場合に、封印シール601をその隅角から剥がしていくと、剥がす力に伴う応力が基材層602の隅角部分に集中し、基材層602は適度な脆性を有しているので、基材層602が大きく破壊されることとなる。また、封印シール601の外縁には、内側から外側端部に向けて鋭角のV字状に開いた外縁切り込み608が形成されているので、封印シール601をその隅角から剥がしていくと、剥がす力に伴う応力が外縁切り込み608の内側端部(内側に尖った部位)に集中し、基材層602がより破壊されやすくなっている。さらに、封印シール601が第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851に対して略コ字状に折り曲げて貼り付けられているので、封印シール601をその隅角から剥がしていくと、剥がす力に伴う応力が折り曲げ部分に集中し、同様に基材層602が大きく破壊されることとなる。この場合、封印シール601が不正に剥がされたこと、即ち、制御基板80に対して不正が行われたことの痕跡が明確に残ることとなる。よって、制御基板80に対して不正を行おうとする者は、封印シール601の一辺全体からその辺に直交する方向に沿って剥がすことで、剥がす力に伴う応力を基材層602の一辺全体に分散させ、ベース部材が極力破壊されないようにすることとなる。ところが、アンテナ605bをその長手方向が封印シール601のすべての辺方向と交差するように配置する構成とすることにより、封印シール601をその一辺全体から剥がそうとすると、アンテナ605bの長手方向と交差する方向に破壊が生じる。そして、アンテナ605bが長尺状であり、アンテナ605bの長手方向と交差する方向の寸法は短くなっていることにより、破壊が生じた位置にてアンテナ605bが分断されることとなる。この場合、遊技ホールの管理者等がスキャナーによりICチップ605aに格納されたID情報を確認できなくなるため、主基板に対して不正が行われたことを容易に且つ確実に発見することができる。
また、上記のとおり、アンテナ605bを基材層602の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って延びるように配置する構成とすることにより、アンテナ605bを基材層602の一辺に沿って設ける構成に比べ、アンテナ605bの長さ寸法が大きく確保されている。よって、封印シール601が剥がされた場合におけるアンテナ605bの分断が生じる機会を多く設けることができる。
また、ICチップ605aをアンテナ605bの長手方向の略中央に配置する構成とすることにより、上記のとおりアンテナ605bが封印シール601の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って配置された構成においてはICチップ605aの位置は封印シール601の中央付近となる。よって、ICチップ605aの厚みに起因して封印シール601が剥がし易くなることを抑制することができる。即ち、ICチップ605aは所定の厚みを有するため、封印シール601におけるICチップ605aの周囲と第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851との間には隙間が生じることとなる。この場合に、ICチップ605aが封印シール601の外縁側にあるとその外縁と第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851との隙間に指を掛けることで封印シール601が剥がし易くなる。これに対して、ICチップ605aの位置が封印シール601の中央付近であることにより、ICチップ605aの厚みに起因して封印シール601の外縁と第1制御基板ボックス201Aの矩形状突起部851との間に隙間が生じることはない。
また、基材層602におけるアンテナ605bの周囲にアンテナ用切り込み606を形成する構成とすることにより、封印シール601が剥がされた場合にアンテナ用切り込み606の端部から基材層602が破壊されるのに伴ってアンテナ605bも破壊され、その位置にてアンテナ605bが分断されることとなる。よって、アンテナ605bが分断され易くなり、主基板に対して不正が行われた場合の発見をより確実に行うことができる。特に、アンテナ用切り込み606をアンテナ605bの長手方向及び基材層602のすべての辺方向に対して交差する方向に延びる線状の切り込みとすることにより、封印シール601がその一辺に沿う方向に剥がされた場合の剥がす力に伴う応力がアンテナ用切り込み606のアンテナ側端部に集中し易くなる。これにより、封印シール601がその一辺に沿う方向に剥がされた場合のアンテナ605bの分断をより確実に発生させることができる。なお、アンテナ用切り込み606はアンテナ605bに達する位置まで形成されているので、封印シール601が不正に剥がされた場合にアンテナ605bが分断され易い構成となっている。また、アンテナ用切り込み606がアンテナ605bを挟んで直線上に並ばないように形成されていることにより、例えば、遊技機の製造時における封印シール601の貼り付け作業時などといった不正と関係のない場合にアンテナ605bを挟んで位置するアンテナ用切り込み606が繋がりそれに伴ってアンテナ605bが分断されてしまうことを抑制することができる。
また、封印シール601の4隅に、基材層602の表面側から粘着材層603の背面側まで貫通するL字状の隅部切り込み607をそれぞれ形成する構成とすることにより、封印シール601がその隅角側から剥がされた場合には、剥がす力に伴う応力が隅部切り込み607の端部に集中し、隅部切り込み607から封印シール601に破れなどといった破壊が生じる。よって、制御基板80に対して不正が行われたことの痕跡が封印シール601に残り、当該不正が行われたことを容易に発見することができる。また、当該隅部切り込み607を介した封印シール601の破壊を回避すべく、封印シール601の一辺に沿う方向に当該封印シール601が剥がされたとしても、上記のとおりアンテナ605bの分断が生じるので不正を容易に発見することができる。
なお、粘着材層603を構成する粘着剤に対して溶解性を示す溶剤が封印シール601にかけられたり塗布されたりした場合、基材層602が変色する構成とすることにより、溶剤により粘着材層603の接着力を弱めアンテナ605bを分断させることなく封印シール601を剥がし制御基板80に対して不正行為が行われたとしても、当該不正行為が行われたことを容易に発見することができる。また、封印シール601に対して所定温度以上の熱が加えられた場合も同様に、基材層602が変色する構成とすることにより、所定温度以上の熱を加えることにより粘着材層603の接着力を弱めアンテナ605bを分断させることなく封印シール601を剥がし制御基板80に対して不正行為が行われたとしても、当該不正行為が行われたことを容易に発見することができる。
また、上記カバー部材501の外側面における自由端部には、図11に示すように、矩形状凹部518が形成されている。この矩形状凹部518は、前記連結取付台座部材430の長さ(約48mm)および厚み(約13mm)にそれぞれほぼ等しい長さ(カバー部材501の長手方向に沿った長さ)および深さを有し、図9に示すように、内部に連結取付台座部材430をほぼ隙間なく収容することができ、収容状態で該連結取付台座部材430の外側面(開放側面)とカバー部材501の外側面とが面一となるようになっている。これにより、第1制御基板ボックス201Aとの間にできる限り間隙が形成されないようになっている。
(カバー部材の一部変形例)
図23に示すように、上記カバー部材501の内部に形成するリブの数を少なくするようにしてもよい。図23に示す例では、リブの形成が前記実施例の場合よりも大幅に少なく、これに応じて区画された室数も少なくなっている。さらには、カバー部材501の内部にリブを形成せず、内部空間を区画しないようにしてもよく、あるいは、カバー部材の内部に適宜な材料を充填して内部空間を実質的になくすようにしてもよい。
また、上記図23に示す例では、カバー部材501内の壁面に、第2封止部520B用の破断ネジ522を収容する破断ネジ収容部521が、ここでは3個形成されており、そこに破断ネジ522がそれぞれ1本づつセットされるようになっている。これにより、カバー部材501の封止を解除して開放するごとに、破断ネジを1本ずつ取り出し第2封止部520Bの3箇所の破断ネジ挿通部515、516に挿通・螺合して次の封止を行うようにすることができ、未使用の破断ネジ522は封止した状態のカバー部材501の内部に確実に保持しておくことができる。この破断ネジ収容部521は、例えば、1本の破断ネジのみを収容する構成としてもよく、この場合にも、破断ネジを未使用の段階ではカバー部材の内部に保持しておくことができる。
また、上記パチンコ機10においては、カバー部材501の一方端部およびこれに対応する球集合板460の位置に、第1および第2封止部520A、520Bで構成される封止手段を設けた構造としていたが、これと同様のまたは異なる封止手段を他方端部にも設け、これにより、カバー部材501の両端部を封止した状態で固定する構造とするようにしてもよい。この場合、前記カバー部材501の開閉構造(回動可能に軸支した構造)を設けた端部にさらに封止手段を設けるようにしてもよいが、両端部が封止手段により固定されるため、開閉構造は省略することができる。
上記パチンコ機10においては、遊技盤30の裏面の球集合板460の裏面を覆うようにカバー部材501が設けられていることにより、球集合板460の裏面に配置された中継基板、配線等の電気部品を保護することができ、他の電気部品の組み付け、或いは外部からの他物の接触による電気部品の破損、断線が防止できるのである。即ち、パチンコ機10の組立てにおいては、例えば、球集合板460に中継基板、LED基板、スイッチ、配線等の電気部品を取り付け、この球集合板460にカバー部材501を取り付けてこれらをユニットとして構成し、このユニットを遊技盤30に取り付け、この後第1制御基板ユニット201を取り付けるという工程にすると、作業性が良好となるが、このような場合に、電気部品も少なくとも一部がカバー部材501で覆われるようにすることで、電気部品がカバー部材501によって保護され、取り付け作業時に電気部品が破損されることが防止される。
又、遊技盤30の裏面と第1制御基板ユニット201との間の間隙が補填され、これによって、不正行為を行い得るようなスペースが形成されないようになっている。
さらに、このカバー部材501が封止手段520により封止した状態で固定されていることにより、不正に取り外すことが困難となっており、もしこの封止が不正に破られたとしても、痕跡が残るため、封止が破られたことが一目瞭然であり、これにより不正行為が容易に発覚する。
さらに、封止手段が第1封止部520Aと第2封止部520Bとを有し、第1封止部520Aが、球集合板460に遊技盤30側から挿通されてカバー部材501を球集合板460に固定する固定手段であるネジ519と、球集合板460の遊技盤30側に設けられネジ519が挿通される孔を底板に有する凹部465と、カバー部材501に設けられネジ519が挿入され固定される挿入部514と、ネジ519による固定状態を解除するために挿入部514に設けられた切断部514Aとから構成されているため、球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態では外部からネジ519を取り外すことが不可能であり、これにより、カバー部材501が封止した状態で固定され、これを痕跡を残すことなく不正に取り外そうとすると球集合板460を遊技盤30から取り外すことが必要となり、したがって不正行為を行うことが困難となっている。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的としてカバー部材501を開放する場合に、切断部514Aを切断することによって痕跡を残しながらカバー部材501の封止状態を解除することができる。また、球集合板460が遊技盤30に取り付けられていない状態ではカバー部材501を自在に開放し得るため、作業性が良好である。
さらに、第2封止部520Bが、カバー部材501に背面側から挿通されてカバー部材501を球集合板460に固定する破断ネジ522と、カバー部材501に設けられ破断ネジ522が挿通される孔を底板に有する破断ネジ挿通部515、516と、球集合板460に設けられ破断ネジ522が螺入される螺入部463、464と、破断ネジ522による固定状態を解除するために破断ネジ挿通部515、516に設けられた切断部515A、516Aとから構成されているため、カバー部材501を破断ネジ522により球集合板460に外側から固定することができ、これにより、容易にカバー部材501を封止した状態で固定することができる。このとき、前記球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態であっても、カバー部材501を破断ネジ522により球集合板460に外側から封止・固定することができるので、たとえば前記第1封止部520Aによる封止状態を解除した後に、第2封止部520Bによって再度カバー部材501と球集合板460とを封止することができる。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的としてカバー部材501を開放する場合には、切断部515A、516Aを切断することによって痕跡を残しながらカバー部材501の封止状態を解除することができる。
さらに、第1制御基板ユニット201の一方端部が軸411により回動可能に枢着され、破断ネジ挿通部515が、第1制御基板ユニット201を枢着する軸411に近接していることにより、第1制御基板ユニット201を枢着部分から不正に取り外そうとしても、破断ネジ挿通部515が障害となって枢着部分を取り外すことが困難となっており、またカバー部材501は封止した状態で固定されているため、破断ネジ挿通部515を取り除こうとしても痕跡を残さずにこれを取り除くことは困難となっている。したがって不正行為がさらに効果的に防止される。
さらに、カバー部材501の内部に、第2封止部520B用の破断ネジ522を1本またはそれ以上収容する破断ネジ収容部521が配設されていることにより、破断ネジ収容部521に破断ネジ522を収容しておくようにすれば、カバー部材501の封止を解除して開放するごとに、破断ネジ522を1本ずつ取り出して次の封止を第2封止部520Bで行うようにすることができ、未使用の破断ネジ522がある段階ではこれを封止した状態のカバー部材501の内部に確実に保持しておくことができる。
さらに、カバー部材501のコーナー部に第1封止部520Aが設けられ、コーナー部以外に第2封止部520Bが設けられていることにより、第1封止部520Aによってカバー部材501をコーナー部で容易かつ確実に封止することができるとともに、このカバー部材501の封止を第2封止部520Bによってさらに確実に行うことができる。また、複数個所に第1および第2封止部が設けられているので、封止および解除を行う行程の1回につき1箇所ずつで封止および解除を行うようにすれば、封止および解除の行程を複数回行うことができ、その行程ごとに開封履歴を残すことができる。
さらに、カバー部材501が中空体に成形され、内部がリブ512により多数の室に区画された構成としたことによって、カバー部材501の内部に不正基板を設置するのに十分なスペースが形成されておらず、したがって不正行為を効果的に防止することができる。
さらに、カバー部材501が、球集合板460に対向する面が開放された構成としたことにより、カバー部材501を閉じた状態では上記開放された面も球集合板460に当接して閉塞されるため、カバー部材501の内部に不正基板を設置する等の不正行為は困難となっている。このとき、前記したようにカバー部材501の内部がリブ512により多数の室に区画されていても、カバー部材501の開放部分が外部に露出しておればそこからリブ512を切断して不正行為のためのスペースを確保されるおそれがあるが、上記のようにカバー部材501の開放面を球集合板460に対向させることにより、リブ512を切断することも困難となっている。
さらに、カバー部材501と第1制御基板ユニット201とが、たがいに左右逆方向に開閉される開閉構造を有する構成としたことにより、カバー部材501および第1制御基板ユニット201のそれぞれを開放した状態における荷重が左右いずれか一方の端部に集中せず、左右両端部に分散することとなる。よって、たとえば点検などに際してカバー部材501および第1制御基板ユニット201を開放する場合等に、これらカバー部材501および第1制御基板ユニット201の荷重により球集合板460に変形が生じるといった不具合が防止される。球集合板460に変形が生じると、遊技球の排出に不具合をきたすおそれがある。
さらに、第1制御基板ユニット201の一方端部が軸411により回動可能に枢着され、カバー部材501に、第1制御基板ユニット201の他方端部(自由端部)に係止する係止片が一体成型された構成としたことにより、第1制御基板ユニット201の自由端部を保持するための部材(例えばナイラッチ等)を別に用意する必要がなく、部品点数を少なくすることができる。また、カバー部材501が不正に取り外されたとした場合、第1制御基板ユニット201の自由端部が保持されずに遊離した状態となるため、不正行為が容易に発覚することとなり、したがって不正を行うことがより困難となる。
また、パチンコ機10の組み立てにおいては、例えば、球集合板460に中継基板、LED基板、スイッチ、配線等の電気部品を取り付け、この球集合板460にカバー部材501を取り付けてこれらをユニットとして構成し、このユニットを遊技盤30に取り付け、この後第1制御基板ユニット201を取り付けるという工程にすると作業性が良好となるが、このような場合に、電気部品の少なくとも一部がカバー部材501で覆われるようにすることで、電気部品がカバー部材501によって保護され、取り付け作業時に電気部品が破損されることが防止される。
なお、図22には、球集合板460にカバー部材501および第1制御基板ユニット201を取り付けた状態が示されており、このように、球集合板460、カバー部材501および第1制御基板ユニット201を一体とした状態で遊技盤30に取り付けるという工程も可能であり、パチンコ機10の組み立て方法は特定のものに限定されないが、前記のように球集合板460およびカバー部材501をユニットとして遊技盤30に取り付けた後に第1制御基板ユニット201を取り付けるという工程の作業性がとりわけ良好である。
(特徴構成)
本実施形態のパチンコ機10においては、前述の通り、基板ボックスである第1制御基板ボックス201Aが遊技盤30の裏面側に配設され、取付台座に相当する連結取付台座部材430に該第1制御基板ボックス201Aを連結して取り付けるのに、破断ネジが使用されている。第1制御基板ボックス201Aおよび連結取付台座部材430には、それぞれ第1取付台座封止部450および第2取付台座封止部432が設けられており、該第1取付台座封止部450と第2取付台座封止部432とを破断ネジ439で連結し封止することにより、第1制御基板ボックス201Aが連結取付台座部材430に連結封止されるようになっている。
上記破断ネジ439は、冷間圧造用炭素鋼線(SWCH)よりなり、図28に示すように、頭部491および軸部492で構成され、頭部491は、先端面にネジ穴(図示せず)が形成された分離部613と頭部本体614とが、先端側からこの順に軸方向に並ぶように連続的に形成された構成となっており、頭部本体614からは軸部492が延出している。該分離部613および頭部本体614はいずれも基本的に円柱形状となっており、分離部613よりも頭部本体614のほうがやや大径となっているが、これらの境界部においては、互いに向けてテーパ状に漸次細径化し、これにより、くびれ状の細径部615が形成されている。
分離部613は、先端側から円柱形状に延び、軸部側端部でやや拡径して、上述のようにテーパ状に漸次細径化する形状となっており、これにより、円柱形状部分とテーパ状部分との間にフランジ部616が形成されている。
頭部本体614には、やや分離部613側寄りの位置に、径方向に延出する鍔部617が形成されている。また、頭部本体614の軸部492形成側端面には、ゆるみ止めのための、放射状に延びる多数の刻み目よりなるナール618が形成されている。
軸部492は、図29の部分拡大図に示すように、ネジ山619に切欠620が形成された構成となっている。各切欠620は、ネジ山619を周縁から平面視概略台形状に切り欠いてなる角型の切欠となっており、ネジ山619の周方向に等間隔に(90°毎に)4箇所に形成され、これら4箇所においてそれぞれ軸部492の軸方向に一直線に整列するように形成されている。破断ネジ439を前記第1取付台座封止部450に螺入すると、該第1取付台座封止部450の構成材料である樹脂が上記切欠620に食い込み、これにより破断ネジ439の緩みが効果的に防止される。
上記破断ネジ439の頭部491には、図28に示す収容部材621が嵌着される。収容部材621は、硫黄快削鋼(SUM)よりなり、概略円筒形状のホルダとなっている。該収容部材621の一方端面部には、前記破断ネジ439の分離部613における円柱形状部の径よりもわずかに大きくかつフランジ部616の外径より小さい径を有する操作孔622が穿設され、該操作孔622の下には、フランジ部616の外径より大きくかつ鍔部617の外径より小さい径を有するフランジ部収容腔623が連続的に形成され、該フランジ部収容腔623の下には、鍔部617の外径よりもわずかに大きい径を有する鍔部収容腔624が連続的に形成され、これにより該収容部材621の内部が、操作孔622から段階的に拡径する形状となっている。
上記収容部材621における鍔部収容腔624側先端縁部は、外径が若干小さくなるようにやや窄まる形状となっており、これにより薄肉部625が形成されている。本実施形態では、収容部材621における鍔部収容腔624側先端縁部が、外周を縮小させるようにして薄肉とされているが、後でも述べるように、このような場合は切削加工により薄肉部625を形成しやすく、一方、これとは逆に、内周を拡大させるようにして薄肉とすることも可能であるが、このような場合にはヘッダ加工により薄肉部を形成しやすい。
上記フランジ部収容腔623の周面上における1箇所の鍔部収容腔624側端部には、磁界発生部626が設けられている。該磁界発生部626は、一側面がフランジ部収容腔623の内周面に沿って湾曲する凹入面となっている概略直方体状であって強力な磁力を有する永久磁石よりなり、フランジ部収容腔623の周面上における一箇所において鍔部収容腔624に接する端縁部に嵌着され、該フランジ部収容腔623の内周面から中心部にむけてやや突出するようにして配置されている。
上記収容部材621内には、鍔部収容腔624側から破断ネジ439の頭部491を挿入し、この後、図30(a)に示すように、前記薄肉部625をプレスして内側に折曲するように変形加工する。これにより、操作孔622形成側と反対側における周壁の端縁から、収容部材621の中心にむけて内側へ延出し、中心部に鍔部617の外径より小さい孔径を有する挿通孔627が形成された掛合リブ628が形成される。前述の通り、操作孔622の径は破断ネジ439の分離部613におけるフランジ部616の外径より小さいため、該フランジ部616が操作孔622に掛合して該破断ネジ439の頭部491が操作孔622から外部へ抜け出すことはできない一方で、鍔部617が掛合リブ628の挿通孔627に掛合して該破断ネジ439の頭部491が挿通孔627から外部へ抜け出すことはできず、したがって該破断ネジ439の頭部491が収容部材621内に収容された状態に確実に保持される。この状態では、破断ネジ439の頭部491は、分離部613における円柱形状部が操作孔622に嵌合し、ネジ穴(図示せず)が形成された先端面が操作孔622から露出した体勢に保持され、収容部材621内に回転自在に保持されている。
上述のようにして収容部材621を嵌着した破断ネジ439は、図30(a)に示すように、操作孔622から露出した頭部491における先端面のネジ穴(図示せず)にドライバDR1を嵌入して回転させることにより、螺入対象部である第1取付台座封止部450および第2取付台座封止部432に螺入する。
このとき、前述の通り破断ネジ439の頭部491は収容部材621内に回転自在に保持されているので、該収容部材621を外側から把持しながら破断ネジ439をドライバDR1で回すことができて螺入操作が行いやすい。即ち、破断ネジ439が第2取付台座封止部432の内部にほぼ収容された状態では収容部材621を外側から把持することは困難であるが、それ以前の段階では、収容部材621をつまむように把持しながら破断ネジ439をドライバDR1で回すことができ、したがって螺入操作がしやすく、換言すれば、収容部材621が螺入操作の際の破断ネジ439の支持具(支え)としても機能することができる。
破断ネジ439を締結(本締め)するまで螺入すると、前記ナール618が第2取付台座封止部432の表面に圧し付けられるとともに、第1取付台座封止部450および第2取付台座封止部432のそれぞれを構成する樹脂が前記切欠620に食い込み、これにより破断ネジ439に緩み止めがなされる。この後、さらに大きい高トルクで回転させると、図30(b)に示すように、破断ネジ439の頭部491が前記細径部615で破断し、分離部613が頭部本体614から分離する。
分離した後の分離部613は、前述の通りフランジ部616が操作孔622に掛合して外部へ抜け出すことができない状態にあるため、引き続き収容部材621内に拘束されて留まり、さらに、前述の通り収容部材621のフランジ部収容腔623の周面上における1箇所の鍔部収容腔624側端部には磁界発生部626が設けられているので、該磁界発生部626によって、分離部613が破断ネジ439の頭部本体614と収容部材621の操作孔622との間の位置に保持されるが、分離部613は一定の余裕(遊び)をもって収容されるので、そのぶん、収容部材621内で多少の遊動が可能な状態で保持される。このとき、分離部613の破断面側端部が図30(b)中の矢印に示すように磁界発生部626の磁力により一方側へ強力に吸引されるので、分離部613は、図30(b)に示すように、円柱形状部が操作孔622に嵌合した状態を保持しながら、破断面側端部が一方側へ引き寄せられるようにして傾斜し、以降この傾斜体勢に保持されることとなる。
上記分離部613は、収容部材621内に覆われ、かつ磁界発生部626の磁力により引き付けられることによって、脱落が確実に防止される。また、分離部613が分離しているため、頭部本体614はもはやドライバによっては逆回しして緩めることができない。さらにこのとき、仮に、例えば外部から操作孔622を通してペンチ等を挿入し頭部本体614を把持したり、あるいは棒状の不正具を挿入してその先端を頭部本体614に接着剤で接合したりして、該頭部本体614強引に逆回ししようとしても、分離した後の分離部613が磁界発生部626により破断ネジ439の頭部本体614と収容部材621の操作孔622との間の位置に保持されていることにより、該分離部613が障害となって外部からペンチや不正具を頭部本体に届かせることができず、したがって破断ネジ439による連結状態を不正に解除することは困難となっている。
また、分離した後の分離部613が収容部材621により周囲からも包囲されるようにして保持されていることにより、確実に脱落が防止されているとともに、頭部本体614も確実に閉塞されて外部からの不正な操作が及ぶことが困難となっている。
また、破断ネジ439の分離部613の外径と収容部材621の内径とが適宜範囲内に設定されていることにより、破断ネジ439による連結状態を不正に解除することが防止されるようになっている。
例えば仮に、図31(a)に模式的に示すように破断ネジの分離部P11の外径D11が収容部材H12の内径D12の1/2未満(即ち収容部材H12の内径D12が破断ネジの分離部P11の外径D11の2倍より大)となっていた場合、同図に示すように分離部P11が収容部材H12の内部で中心からずれて偏って位置すると、破断ネジの頭部本体P12の中心O12が分離部P11により覆われず、したがって前記のように棒状の不正具を挿入しその先端を接着剤で接合して頭部本体P12を強引に逆回しすることも可能な状態となる。即ち、分離部P11が不正具の進入に対して障害として機能しなくなる。
これに対し、本実施形態では収容部材621の内径が破断ネジ439の分離部613の外径の2倍以下となっており、したがって、分離部613が収容部材621の内部で偏って位置したとしても、頭部本体614の位置から側方に大きくずれることはなく、該分離部613が頭部本体614の中心を覆い十分に障害として機能し得る範囲内に留まることとなって、該頭部本体614に不正具を近づけることは困難となっている。
一方、仮に、図31(b)に模式的に示すように破断ネジの分離部P21の外径が収容部材H22の内径にほぼ等しくなっていた場合、該分離部P21が分離した後も収容部材H22の内部で頭部本体(図示せず)の中心に対して中心がほぼ揃った同心状態に保持されることとなる。この同心状態では、例えば、ドライバで分離部P21を頭部本体に強く圧しつけるようにしながら逆回しすると、破断面同士の間に摩擦力が働き、分離部P21とともに頭部本体も回転してしまう場合がある。
これに対し、本実施形態では、前述の通り破断ネジ439の分離部613が一定の余裕(遊び)をもって収容部材621の内に収容されており、即ち該分離部613の外径は収容部材621の内径より小さくなっているので、該分離部613はこの余裕(遊び)のぶんだけ収容部材621内で遊動することができ、この状態で、該分離部613は、磁界発生部626により吸引されることによって頭部本体614の中心からずれて偏心した状態に保持されるため、いくら分離部613を頭部本体614に強く圧しつけるようにしながら逆回ししたとしても、頭部本体614を回転させることは困難となっている。
以上のことから、本実施形態においては、破断ネジ439の分離部613の外径が、収容部材621の内径の1/2より大きく、かつ収容部材621の内径より小となるように設定されている。
なお、「破断ネジ439の分離部613の外径と収容部材621の内径」とは、厳密には、「分離部613における円柱形状部の外径と収容部材621における操作孔622の内径」ならびに「分離部613におけるフランジ部616の外径と収容部材621におけるフランジ部収容腔623の内径」のいずれをも含意するが、いずれにおいても上述の大小関係は満たすものとなっている。
さらに、分離した後の分離部613が、磁界発生部626により吸引されることによって頭部本体614に対し傾斜した体勢に保持されているので、たとえ分離部613を回転させたとしても、回転軸の方向が一致していないため頭部本体614を回転させることは困難であり、したがって外部から頭部本体614を回転させることがより困難となっている。
また、分離した後の分離部613が操作孔622に嵌合した体勢に保持されることにより該操作孔622が閉塞された状態に保持されているため、該分離部613が確実に障害として機能することができ、操作孔622から頭部本体614に不正具を近づけることが効果的に防止されている。
また、前記掛合リブ628の挿通孔627は破断ネジ439の頭部本体614の外径より大きい孔径を有し、図30(b)に示すように、前記鍔部617は、破断ネジ439の頭部本体614における軸部492側端から、掛合リブ628の厚さt10より大きい間隔d10をおいた位置に形成されている。これにより、掛合リブ628が、破断ネジ439の頭部本体614における軸部492側端が当接する第2取付台座封止部432の表面と鍔部617との間に、多少の余裕(d10−t10)をもって掛合することとなり、したがって、破断ネジ439を締結した状態でも、収容部材621が破断ネジ439に対して自由に回転すること、即ち自在に空転(空回り)することが可能な状態に保持されるため、破断ネジ439を外部から逆回しすることを確実に防止することができる。仮に、上記のような余裕がない(即ちt10=d10)とすると、収容部材621を回転させると破断ネジ439に対して空転せずに該破断ネジ439をともに回転させ、その結果、外部から収容部材621を回転させることで破断ネジ439を緩めることが可能となってしまうこともあると考えられる。
本実施形態においては、第2取付台座封止部432が、円筒形状の収容部材621に対応して基本的に丸形の周壁を有し、該収容部材621をできる限り隙間なく包囲し得る構成となっており、これによって外部から収容部材621を回転させ難いようになっているが、上記のように収容部材621を空転させる構成とすることで、破断ネジ439を緩めることをさらに確実に防止することができる。さらには、例えば、収容部材621が比較的大きい隙間をあけて包囲される場合や、あるいは、収容部材621が周壁等により包囲されずに露出している場合には、該収容部材621が外部から回転させやすい状態となるため、上記のように収容部材621を空転させる構成とすることが特に有用である。
以下、ヘッダ(圧造機)により破断ネジを作製する工程の一例を簡略に順次説明する。
(1)まず、コイル材(線材)を所定長に切断する。
(2)ついで、図32(a)に示すように、ヘッダに上記切断したコイル材S11をセットしてヘッダ加工を行い、該コイル材S11の一部を径方向に膨出させて、頭部本体S12を形成し、また、図32(b)に示すように、該コイル材S11の一方端面に、プラスのネジ穴S15を形成する一方、図32(c)に示すように、頭部本体S12において前記ネジ穴S15から遠い側の端面に、ナールS17を形成する。
(3)ついで、図32(d)に示すように、さらにヘッダ加工を行い、上記頭部本体S12における前記ナールS17形成側と反対側の端部(即ち前記ネジ穴S15に近い側の端部)をさらに径方向に膨出させて、鍔部S13を形成する。
(4)ついで、図32(e)に示すように、上記頭部本体S12における前記ナールS17形成側端部から延びる丸棒部(即ち前記ネジ穴S15形成側と反対側の丸棒部)に切削加工によりネジ山を削成して、軸部S14を形成する。
(5)ついで、図32(f)に示すように、前記ネジ穴S15形成側の丸棒部に、くびれ状の細径部S16を形成する。
上記のようなヘッダ加工を用いた方法により、破断ネジを容易に作製することができる。
また、図28および図30に示す収容部材621をヘッダ加工(圧造成形)により作製する工程について、以下に記述する。
まず、炭素鋼等の金属よりなるコイル材(線材)を所定長に切断し、収容部材621のベースとなる円柱状の金属材を成形する。
切断後、その円柱状の金属材に対し圧力を加えることにより、鍔部収容腔624、フランジ部収容腔623、薄肉部625および操作孔622の順に成形する。この場合、これら複数の部位を同時に成形する(一度の加圧により成形する)ことも可能であるが、薄肉部625の成形時には特にひび割れ等が生じる可能性が高いため、少なくとも薄肉部625については別個に低速で加圧して成形することが好ましい。
なお、ヘッダ加工により薄肉部625を形成する場合、収容部材621の内周面に段差状に形成することが好ましい。このようにすれば、加圧時の金属材の保持が容易となるため、外周面に形成する場合と比較して容易に薄肉部625を成形することができる。
また、薄肉部625は、切削により成形することも可能である。この場合には、収容部材621の外周面に段差状に形成することが好ましい。このようにすれば、収容部材621の外周面に対し工具を径方向に向けて当てた状態で収容部材621を回転させ切削することができるため、内周面に形成する場合と比較して工具の配置が容易となるとともに、薄肉部625の厚みにばらつきを生じさせないようにすることができる。ただし、薄肉部625は本実施形態のように端部から次第に厚みを増していく(段差ではなく曲面とする)のが望ましい。この場合には、各部位に発生する応力を一定に近づけることが可能となり、破断ネジ439と収容部材621とを一体化させる場合に薄肉部625が破損することを防止できる。
(作用)
上述の通り、本実施形態のパチンコ機10においては、回転操作を行うための操作器具であるドライバDR1が係合される係合部であるネジ穴を有し締結に必要なトルクよりさらに大きいトルクで回転させると破断して分離し得る部位である分離部613が頭部に形成された破断ネジ439によって、2点の構成部材すなわち第1制御基板ボックス201Aと連結取付台座部材430とが連結された構成において、上記破断ネジ439が磁性体である鋼材よりなり、分離した上記分離部613を磁力により遊技機の所定箇所すなわち収容部材621内に保持する磁気手段として、永久磁石よりなる磁界発生部626を備える構成としたので、破断ネジ439を用いて第1制御基板ボックス201Aと連結取付台座部材430とを連結した際に分離部613を分離させても、該分離部613は収容部材621内に保持しておくことができ、したがってゴミとならず、処理する手間も不要となっているとともに、遊技機内の隙間から入り込むこともないため、不具合も生じ難くなっている。
また、上記破断ネジ439の締結位置が、磁界発生部626が磁力を及ぼし得る範囲内に配置されている。磁気手段としては、例えば仮に、破断ネジの締結位置からやや離隔した所定箇所に配置しておき、破断ネジから分離した後の分離部をこの磁気手段のところへ持っていって磁力により保持しておく構成としたとしても、該分離部を所定箇所に保持しておくことができる以上、該分離部をゴミとせず、また遊技機内の隙間から入り込むこともないようにすることができる点で、磁気手段として所要の機能を果たすことができると考えられる。これに対し、本実施形態のパチンコ機10においては、破断ネジ439の締結位置が、磁界発生部626が磁力を及ぼし得る範囲内に配置されているので、分離部613が分離した後ただちに磁界発生部626に保持されるため、該分離部613を磁気手段のところへ持っていく手間も不要となっていて作業がより容易となっており、また磁気手段のところへ持っていくまでに誤って落としたりすることもないことから、より確実に保持しておくことができる。
また、構成部材としての第1ケースである外側ケース70と第2ケースである内側ケース85との間に制御基板80を収容した構成を有する第1制御基板ボックス201Aを備え、該第1制御基板ボックス201Aの一側部分すなわち矩形状突起部851形成側部分が、外部との電波の送受信が可能に構成された封印シール601を貼付することにより封印され、上記第1制御基板ボックス201Aの他側部分すなわち連結取付台座部材430との連結部分に、前記磁界発生部626が配置されている。ここで仮に、破断ネジの分離部を保持する磁気手段と封印シールとが互いに近接して配置された構成となっていたとすると、磁気手段の磁力による影響が封印シールに及んで電波の送受信が阻害され、その結果、封印シールによって不正行為の有無を正しく検知することができなくなると考えられる。これに対し、本実施形態のパチンコ機10においては、磁界発生部626と封印シール601とが、第1制御基板ボックス201Aにおいて相対向する互いに離れた左右両端部にそれぞれ配置されているため、磁界発生部626の磁力による影響が封印シール601に及び難く、したがって電波の送受信が磁力により阻害されることなく封印シール601が正確に作動することができる。
また、一方向の幅が他に比べて大きい形状を有する第1制御基板ボックス201Aを遊技盤30の裏面側に沿って備え、該第1制御基板ボックス201Aの長さ方向における中央部に対応する前方位置に始動口33に対応する入賞装置(始動入賞装置)の入球検出センサが配置され、上記第1制御基板ボックス201Aの長さ方向における端部である連結取付台座部材430との連結部分に、前記磁界発生部626が配置されている。上記第1制御基板ボックス201Aは、正面視概略横長の長方形状の箱体となっていて、遊技盤30の始動口33の裏側の位置に、該始動口33と前後方向に重なるようにして配置されている。ここで、例えば、該第1制御基板ボックス201Aの長辺部すなわち上端縁部または下端縁部を破断ネジを用いて封止することも可能であるが、この場合、該第1制御基板ボックス201Aの中央部の前方には始動口33が位置しているから、破断ネジの近傍に磁気手段が配置されると、始動入賞装置の入球検出センサと磁気手段とが比較的に近接し、磁気手段の磁力が該入球検出センサに悪影響を及ぼすこととなりやすい。これに対し、本実施形態のパチンコ機10においては、第1制御基板ボックス201Aの長さ方向において入球検出センサからできる限り離れた位置となる端部すなわち連結取付台座部材430との連結部分である右端の短辺部に磁気手段である磁界発生部626が配置されているので、始動入賞装置の入球検出センサと磁界発生部626とが大きく離隔していて磁界発生部626の磁力による影響が該入球検出センサに及び難い構成となっている。
また、破断ネジ439における頭部491を少なくともドライバによって操作される側から覆う壁である端面部を有するとともに前記分離部613が通過し得ずドライバを挿通し得る操作孔622を有する規制手段として収容部材621を備え、磁界発生部626は、分離した後の分離部613を、破断ネジ439の頭部本体614と収容部材621の操作孔622との間の位置に保持するので、分離した後の分離部613が、収容部材621により覆われた状態となり且つ磁界発生部626による磁力をも受けるため、より確実に保持されて脱落防止効果がより良好となっている。
また、分離部613が分離した後の破断ネジ439の頭部491における残留部分である頭部本体614は、前述の通り、ドライバによっては逆回しして緩めることができないが、仮に、該頭部本体614が外部に開放されているとすると、該頭部本体614に例えば外部から棒状の不正具を接着剤で接合して逆回しするといった強引な方法によって不正に連結状態を解除される場合もあり得る。ところが、本実施形態のパチンコ機10においては、分離した後の分離部613が磁界発生部626により頭部本体614と操作孔622との間の位置に保持されるので、該分離部613が障害となって外部から不正具を頭部本体614に届かせることができず、したがって不正に連結状態を解除されることがより確実に防止される構成となっている。
また、収容部材621が、破断ネジ439の頭部613の周囲を包囲するとともに端面に前記操作孔622が形成された筒状体となっているので、分離した後の分離部613が周囲からも包囲されるようにして保持され、したがってさらに確実に保持されて脱落防止効果がより良好となっている。
また、頭部本体614も、周囲からも包囲されるようになっているので、外部からの不正な操作が及ぶことがさらに困難となっている。
また、収容部材621が、破断ネジ439の分離部613の外径の2倍以下の内径を有する円筒状体となっている。規制手段が、仮に、破断ネジ439の分離部613の外径の2倍を超える内径を有する円筒状体であったとすると、該分離部613がこの円筒状の規制手段の内部で偏って位置した場合に、頭部本体614の位置から側方に大きくずれて位置することとなり、したがってもはや十分に障害として機能しなくなって、例えば操作孔から頭部本体614に不正具を容易に近づけることが可能となってしまう。これに対し、本実施形態のパチンコ機10においては、規制手段である収容部材621が、破断ネジ439の分離部613の外径の2倍以下の内径を有する円筒状体となっているので、該分離部613が収容部材621の内部で偏って位置したとしても、頭部本体614の位置から側方に大きくずれることはなく、十分に障害として機能し得る範囲内に留まるため、操作孔622から頭部本体614に不正具を近づけることは困難となっている。また、収容部材621が円筒状体となっているため、製造しやすく大量生産にも好適なものとなっている。
また、収容部材621が、破断ネジ439の分離部613の外径よりも大きい内径を有する円筒状体となっており、磁界発生部626が、分離した後の分離部613を、頭部本体614の中心に対し偏心させた状態に保持するようになっている。規制手段が、仮に、破断ネジ439の分離部613の外径にほぼ等しい内径を有する円筒状体であったとすると、該分離部613が分離した後もこの円筒状の規制手段の内部で頭部本体614の中心に対して中心がほぼ揃った同心状態に保持されることとなる。この同心状態では、例えば、操作孔からドライバを挿入し分離部613を頭部本体614に強く圧しつけるようにしながら逆回しすると、破断面同士の間に摩擦力が働き、分離部613とともに頭部本体614も回転してしまう場合がある。これに対し、本実施形態のパチンコ機10においては、分離部613が頭部本体614の中心に対し偏心させた状態に保持されるため、いくら分離部613を頭部本体614に強く圧しつけるようにしながら逆回ししたとしても、頭部本体614を回転させることは困難となっている。
また、収容部材621が、破断ネジ439の分離部613の外径よりも大きい内径を有する円筒状体となっており、磁界発生部626が、分離した後の分離部613を、頭部本体614に対し傾斜した体勢に保持するようになっているので、たとえ分離部613を回転させたとしても、これにともなって頭部本体614を回転させることは困難であるため、外部から頭部本体614を回転させることがより困難となっている。
また、磁界発生部626が、分離した後の分離部613を、操作孔622に嵌合した体勢に保持するようになっているので、分離した後の分離部613によって操作孔622が閉塞された状態に保持されるため、該分離部613が確実に障害として機能することができ、操作孔622から頭部本体614に不正具を近づけることが効果的に防止されるようになっている。
また、破断ネジ439の頭部本体614が、径方向に延出する鍔部617を有し、収容部材621が、筒状体の操作孔622形成側と反対側における周壁の端縁から、筒状体の中心にむけて内側へ延出し、中心部に鍔部617の外径より小さい孔径を有する挿通孔627が形成された掛合リブ628を有するので、破断ネジ439の鍔部617が収容部材621の掛合リブ628に掛合することによって、破断ネジ439が収容部材621の内部から脱落しないように確実に保持されるようになっている。
また、掛合リブ628の挿通孔627が、破断ネジ439の頭部本体614の外径より大きい孔径を有し、鍔部617が、破断ネジ439の頭部本体614における軸部492側端から、掛合リブ628の厚さt10より大きい間隔d10をおいた位置に形成されているので、掛合リブ628が、破断ネジ439の頭部本体614における軸部492側端と鍔部617との間に、多少の余裕(d10−t10)をもって掛合することとなり、したがって、破断ネジ439を締結した状態でも、収容部材621が破断ネジ439に対して自由に回転すること、即ち自在に空転(空回り)することが可能な状態に保持されるため、破断ネジ439を外部から逆回しすることが確実に防止されるようになっている。仮に、上記のような余裕がない(d10=t10)とすると、収容部材621を回転させると破断ネジ439に対して空転せずに該破断ネジ439をともに回転させ、その結果、外部から収容部材621を回転させることで破断ネジ439を緩めることが可能となってしまうこともあるが、本実施形態のパチンコ機10においては、上述の通り、余裕(d10−t10)を設けることにより収容部材621が空転し得る構成となっているので、外部から破断ネジ439を緩めることが困難となっている。
また、掛合リブ628が、収容部材621における周壁の端縁部に薄肉部625を形成し、収容部材621の内部に破断ネジ439の頭部613を収容した後に該薄肉部625を内側に折曲するように変形加工することにより形成されているので、収容部材621をプレスすることにより容易に掛合リブ628を形成することができるようになっている。仮に、収容部材に上記のような薄肉部が形成されず周壁の肉厚が均一であったとすると、プレスすると該周壁の全体に圧が加わって膨れや変形が生じやすい。
また、破断ネジ439のネジ山619に切欠620が形成されているので、螺入対象部である第1取付台座封止部450および第2取付台座封止部432の構成材料である樹脂を切欠620に食い込ませるようにしながら破断ネジ439を螺入することができ、したがって破断ネジ439のゆるみ止め効果がより良好となっている。
(変更態様)
前記実施形態のパチンコ機10には、様々な変更を加えることが可能である。
(1)例えば、前記実施形態においては、分離した後の分離部613が規制手段である収容部材621により覆われるようになっていたが、このような規制手段を設けない構成としてもよい。
図33は、規制手段を省略した構成の一例を示す斜視図である。同図に示す例では、互いに連結される第1構成部材631および第2構成部材632にそれぞれ直方体状の第1封止部633および第2封止部634が突設され、磁気手段として、コ字状に折り返した形状に成形されてクリップ状に構成された永久磁石よりなる磁界発生片635が、第1封止部633の周壁に着脱可能に嵌着されるようになっている。第1封止部633から破断ネジ636を螺入して第1封止部633と第2封止部634とを連結し、該破断ネジ636の分離部637を頭部本体638から分離させると、該分離部637が磁界発生片635に吸引されて第1封止部633内に保持されることとなる。したがって、この構成によっても、分離した分離部637がゴミとならず、処理する手間を省くことができるとともに、遊技機内の隙間から入り込むこともないため、不具合が生じることも防止することができる。
上記図33に示す構成の場合、分離した後の分離部637が、前記実施形態における収容部材621のような規制手段により機械的に保持されることはなく、磁気手段である磁界発生片635により磁気的に保持されることのみによって第1封止部633内に保持される構成となっているので、破断ネジ636は、規制手段が省略され、またこれにともない前記実施形態の場合のような鍔部も形成されておらず、したがってそのぶん簡略な構成となっている。
またこの場合、分離した破断ネジ636の分離部637を出荷時以降も磁界発生片635により保持した状態で第1封止部633内に保持しておくようにしてもよく、これによっても、通常は分離部637が脱落することもなく問題も生じないと考えられるが、あるいは、破断ネジ636の分離部637を分離させた後の任意の段階、例えば、遊技機の製造工程が完了して出荷する前の段階で、分離部637を第1封止部633内から取り外して遊技機から除去するようにしてもよい。これによれば、例えば搬送中やホールでの設置作業時あるいは設置後などのいずれかの時点で、外部からの接触や機械的衝撃といった何らかの偶発的な要因により該分離部637が磁界発生片635から脱離し、遊技機内外で散乱してゴミとなったり、遊技機内の隙間から入り込んで不具合が生じたりするといった事態を確実に防止することができる。
さらにこのとき、分離部637を取り外す際に、磁界発生片635ごと取り外すようにしてもよく、これによればより容易に分離部637を除去することができるとともに、磁界発生片635を再利用することもできる。
(2)また、前記実施形態の破断ネジ439は、冷間圧造用炭素鋼線(SWCH)を加工して得られたものとなっていたが、破断ネジの構成材料としては、磁気手段の磁力により吸引されまたは反発し得る磁性体であれば任意のものが使用できる。なかでも、鉄、コバルト、ニッケル等の金属またはこれらの合金、各種のフェライト(3価の鉄イオンを含む複合酸化物)といった強磁性体が好適なものとして挙げられる。
(3)また、磁気手段としては、破断ネジ636の分離部を磁力により吸引または反発して保持しておくことが可能なものであれば任意のものが使用でき、前記磁界発生部626や磁界発生片635のような永久磁石を用いたもの以外にも、電磁石を用いてもよい。さらに、永久磁石としても、アルニコ磁石、フェライト磁石、ネオジム磁石等の各種の磁石がいずれも使用できる。
また、前記実施形態においては、磁界発生部626が破断ネジ636の分離部を磁力により吸引して保持する構成としていたが、磁気手段としては、破断ネジの分離部を磁力により反発して保持する構成としてもよい。例えば、磁気手段に対向する位置に適宜な受容面を設けておき、破断ネジの分離部に磁気手段の磁力により反発力を及ぼして該分離部を受容面上に押さえつけるようにして保持する構成とすることもできる。上記受容面は、例えば破断ネジの締結位置の近傍に突起等の適宜な構造体を新たに形成することにより設けるようにしてもよいが、破断ネジの締結位置の近傍に既存の構成部材の一部が位置する場合にはこれを受容面として利用するようにしてもよく、例えば、前記実施形態における収容部材621のように破断ネジの分離部を包囲する収容部材を設ける場合、あるいはこのような収容部材を設けない場合でも前記実施形態における第2取付台座封止部432のように破断ネジを包囲する封止部を設ける場合には、この収容部材や封止部の内面を受容面とすることができる。
(4)また、破断ネジ自体を永久磁石よりなるものとし、破断ネジの頭部が破断されることにより該破断ネジの頭部本体と分離部とが分離された場合に、該頭部本体が磁気手段として機能する構成としてもよい。これによれば、破断ネジを永久磁石として成形することにより分離部が分離したとき頭部本体および分離部がそれぞれ別個に永久磁石として機能することとなるため、例えばその分離の瞬間に頭部本体および分離部の各破断面が引き付け合う(吸引し合う)ように構成することができる。したがって、別体としての磁気手段は省略することもでき、構成を簡略化することができる。
なお、不正対策を考慮しない場合においては、規制手段(収容部材)の構成を省略してもよい。
上記のように永久磁石よりなる破断ネジは、例えばフェライト磁石よりなるものとする場合、以下のイ)〜ヘ)のような工程に従って作製することができる。
イ)酸化鉄にバリウムやストロンチウム等を加えて熱処理する(焼き固める)。
ロ)μmレベルの粒子に粉砕する。
ハ)頭部と、これより細径の軸部とを有する形状に成形する(型に入れて加圧する)。このとき、ネジ穴やナールも同時に形成する。
ニ)頭部に細径部を切削により形成し、軸部にネジ山を切削により形成する。
ホ)焼結する。
ヘ)電磁石により着磁する。
(5)また、前記実施形態においては、収容部材621におけるフランジ部収容腔623の内周面上の1箇所に磁気手段として磁界発生部626が設けられているが、例えば、収容部材の全体を永久磁石で構成して、該収容部材自体を磁気手段としても機能し得る構成としてもよく、これによれば構成をより簡略化できる。ただし、分離した破断ネジの分離部を偏心ないし傾斜した体勢に保持できる点からすれば、前記実施形態におけるように収容部材に部分的に磁気手段を設けることが望ましい。
(6)また、前記実施形態においては、磁界発生部626と封印シール601とが、第1制御基板ボックス201Aにおいて相対向する互いに離れた左右両端縁部にそれぞれ配置されているが、磁界発生部と封印シールとの配置はこれ以外にも、例えば図34に示すような配置も可能である。同図に示す例では、基板ボックス211の一側部分(左側部分)R11に前記実施形態の場合と同様の封止部641が形成され、該封止部641に、前記実施形態の場合と同様に磁界発生部を備える収容部材が嵌着された破断ネジ(図示せず)が用いられ、他側部分(右側部分)R12にシール640が貼付されている。このシール640の貼付位置は、上記基板ボックス211の他側部分(右側部分)R12内に位置する上端縁上の右端近傍となっている。このように、磁界発生部と封印シールとの設置位置は、基板ボックスのいずれかの端縁の中央部以外にも、基板ボックスのいずれかの隅部としてもよい。
(7)また、前記実施形態においては、第1制御基板ボックス201Aの長さ方向における中央部に対応する位置に始動口33に対応する入賞装置(始動入賞装置)の入球検出センサが配置され、上記第1制御基板ボックス201Aの長さ方向における端部である連結取付台座部材430との連結部分に磁界発生部626が配置されているが、例えば、基板ボックスの長さ方向における中央部より一方側に位置する部位に対応する前方位置に所定の入球口の入球検出センサが配置される場合には、基板ボックスの長さ方向における他方の端部に磁気手段を配置するようにすることが望ましく、この構成によっても、基板ボックスの長さ方向において入球検出センサからできる限り離れた位置となる端部に磁気手段が配置されることとなり、所定の入球口の入球検出センサと磁気手段とが大きく離隔することとなって磁気手段の磁力による影響が該入球検出センサに及び難くなる。
(8)また、前記実施形態においては、第1制御基板ボックス201Aと連結取付台座部材430とが破断ネジ439を用いて連結封止され、さらに加えて、カバー部材501と球集合板460とが同様の破断ネジ522を用いて連結封止されているが、破断ネジはこれ以外にも、遊技機を構成する任意の部材の連結部に使用することができる。
なかでも、
・主制御基板ボックスを構成する第1ケースと第2ケースとの連結部、
・払出基板ボックスと連結取付台座部材との連結部、
・払出基板ボックスを構成する第1ケースと第2ケースとの連結部、
・取付台座部材と球集合板との連結部、
・払出機構部の取付部、
・始動口に対応する入賞装置の入球検出センサや大入賞口に対応する入賞装置の入球検出センサおよびソレノイドと主制御基板とを中継する中継基板の取付部、
等が例示され、これらはいずれも不正対象となりやすく、したがって破断ネジを使用することが特に望ましい。
上記払出機構部は、払出モータ等が設けられており、該払出モータを制御する基板に不正な改変を加え、該払出モータを余分に駆動して賞球を過多に払い出させるといった不正行為がなされやすいため、該払出モータを収容するボックス(ないしカバー部材)の取付等に破断ネジが好適に使用される。また、上記中継基板は、例えば前記実施形態におけるように、球集合板(に形成された台座)等に載置してネジ止めにより固定されるが、特にこの中継基板は配線も多く、不正行為がなされても露見し難いため、例えば球集合板(ないし台座)との間に擬似主基板等を隠すように設置するといった不正がなされやすく、したがって破断ネジを用いてこの中継基板を固定することにより容易に不正対策を施すことができる。
(9)また、前記実施形態においては、破断ネジ439の分離した分離部613が、磁気手段としての磁界発生部626により所定箇所に保持され、かつ、規制手段としての収容部材621により覆われる構成となっていたが、これにかえて、磁気手段を設けず、破断ネジの分離部が、磁力と関係なく規制手段により機械的に所定箇所に保持される構成としてもよい。例えば、前記実施形態の収容部材621において磁界発生部626を設けないようにすることによって、このような構成とすることができる。
(10)また、前記実施形態においては、パチンコ機10が例示されていたが、遊技機としては、パチンコ機以外にも、スロット機、パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機も例示される。
スロット機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。
この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。