JP5263252B2 - 走査型画像表示装置 - Google Patents

走査型画像表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5263252B2
JP5263252B2 JP2010223128A JP2010223128A JP5263252B2 JP 5263252 B2 JP5263252 B2 JP 5263252B2 JP 2010223128 A JP2010223128 A JP 2010223128A JP 2010223128 A JP2010223128 A JP 2010223128A JP 5263252 B2 JP5263252 B2 JP 5263252B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scanning
current
image
unit
light source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010223128A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012078533A (ja
Inventor
勇士 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2010223128A priority Critical patent/JP5263252B2/ja
Priority to PCT/JP2011/071840 priority patent/WO2012043452A1/ja
Publication of JP2012078533A publication Critical patent/JP2012078533A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5263252B2 publication Critical patent/JP5263252B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B26/00Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements
    • G02B26/08Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light
    • G02B26/10Scanning systems
    • G02B26/101Scanning systems with both horizontal and vertical deflecting means, e.g. raster or XY scanners

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)

Description

本発明は、光源部から出射した光束を走査して投射対象に投射する走査型画像表示装置に関する。
従来、画像信号に応じた強度のレーザ光等の光束を出射する光源部と、この光源部から出射された光束を2次元走査する走査部とを有し、走査部により走査された光束を投射部から投射対象に投射して画像を表示する走査型画像表示装置が知られている。走査型画像表示装置としては、例えば、投射対象を観察者の眼の網膜とした網膜走査型の画像表示装置や、投影対象をスクリーンとした光走査型の画像表示装置等がある。
このような走査型画像表示装置においては、走査部による光束の走査範囲に関し、最大走査範囲のうち、画像を形成するための光束の出射により画像表示が行われる有効走査範囲と、有効走査範囲の外の範囲であり画像表示が行われない無効走査範囲とが存在する。有効走査範囲と無効走査範囲とは、光源部に供給される駆動電流の値によって切り替えられる。
こうした光束の走査状態の切替えが行われる構成によれば、走査部によって光束が2次元走査されることで画像が形成される画面において、有効走査範囲に対応する画像有効領域と、無効走査範囲に対応する画像無効領域とが形成される。つまり、画像有効領域が、画面における画像の表示領域となる。例えば、画像無効領域は、矩形状に形成される画像有効領域に対して、画像有効領域を囲む枠状の領域として形成される。
以上のような走査型画像表示装置においては、従来技術として、光源部の応答性を高める観点から、走査部による光束の走査位置が無効走査範囲にある状態において、光源部を待機状態とするため、光源部にバイアス電流を供給することが行われている。かかる技術によれば、光束の走査位置が有効走査範囲にある状態では、画像信号に応じた大きさの駆動電流が光源部に供給され、光束の走査位置が無効走査範囲にある状態では、バイアス電流が光源部に供給される。
このように、光源部にバイアス電流の供給が行われる構成においては、光束の走査位置が無効走査範囲にある状態でも、光源部にバイアス電圧が印加され、バイアス電流の供給が定常的に行われることから、バイアス電流による電力が無駄に消費され、消費電力が大きくなるという問題がある。このような問題を解決するため、例えば、特許文献1に記載された技術を用いることができる。特許文献1には、光束の走査位置が無効走査範囲にある期間のうち、少なくとも所定期間は光源へのバイアス電流の供給を停止または低減するという技術が開示されている。
特開2009−086366号公報
ところで、上述したように画像有効領域と画像無効領域とが形成される構成においては、例えば比較的暗い画像の場合等、表示される画像によっては、画像有効領域と画像無効領域との区別がつきにくく、画面における画像の表示領域が分かりにくいという問題がある。このような問題は、特に、網膜走査型の画像表示装置であって、外光により認識される背景に、光束により形成される画像を重ねて視認することができるシースルー型の構成において顕著となる。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、画像有効領域と画像無効領域との区別が明確となり画像を強調して表示することができるとともに、消費電力を削減することができる走査型画像表示装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の走査型画像表示装置は、画像信号に応じた強度の光束を出射する光源部と、第1の方向に相対的に高速に光束を走査する高速走査部、及び前記第1の方向に直交する第2の方向に相対的に低速に光束を走査する低速走査部を有し、前記光源部から出射された光束を2次元走査する走査部と、前記走査部で走査された光束を投射対象に投射する投射部と、前記画像信号に応じた画像表示用電流、及び前記光源部を待機状態とするためのバイアス電流を、前記光源部に供給させる電流供給部と、前記電流供給部による前記画像表示用電流及び前記バイアス電流の供給を制御する電流制御部と、を備え、前記電流制御部は、前記高速走査部による前記第1の方向の光束の走査過程で、光束の走査位置が、前記画像信号に応じた画像表示が行われない無効走査範囲から前記画像表示が行われる有効走査範囲に切り替わる位置から所定間隔前の位置に達した時に、前記電流供給部による前記バイアス電流の供給を開始し、光束の走査位置が前記所定間隔の範囲にある間に前記バイアス電流にオーバーシュートを生じさせ、光束の走査位置が前記無効走査範囲から前記有効走査範囲に切り替わる時に前記バイアス電流の設定値に収束するように前記バイアス電流を供給し、光束の走査位置が、前記有効走査範囲から前記無効走査範囲に切り替わる位置から所定間隔後の位置に達した時に、前記電流供給部による前記バイアス電流の供給を停止するものである。
また、請求項2に記載の走査型画像表示装置は、請求項1に記載の走査型画像表示装置において、前記電流制御部は、前記低速走査部による前記第2の方向の光束の走査過程で、光束の走査位置が、前記無効走査範囲から前記有効走査範囲に切り替わる位置から前記高速走査部による前記第1の方向の走査ラインの所定ライン数前の位置までの範囲にある場合に、前記オーバーシュートによるピーク時の電流値と同等の第1電流値まで電流値が走査ラインごとに上昇し且つ前記第1電流値まで電流値が上昇した後は電流値が走査ラインごとに前記第1電流値よりも下がる模擬電流を、前記電流供給部から前記光源部に供給させ、前記有効走査範囲から前記無効走査範囲に切り替わる位置から前記走査ラインの所定ライン数後の位置までの範囲にある場合に、前記第1電流値まで電流値が走査ラインごとに上昇し且つ前記第1電流値まで電流値が上昇した後は電流値が走査ラインごとに前記第1電流値よりも下がる模擬電流を、前記電流供給部から前記光源部に供給させるものである。
また、請求項3に記載の走査型画像表示装置は、請求項1または請求項2に記載の走査側画像表示装置において、前記電流制御部は、前記バイアス電流の供給を開始した際、前記電流供給部から前記光源部に供給される電流を、所定の電流値まで段階的に上昇させるものである。
また、請求項4に記載の走査型画像表示装置は、請求項1に記載の走査側画像表示装置において、前記電流制御部は、前記低速走査部による前記第2の方向の光束の走査過程で、光束の走査位置が、前記無効走査範囲から前記有効走査範囲に切り替わる位置から前記高速走査部による前記第1の方向の走査ラインの所定ライン数前の位置までの範囲、及び、前記有効走査範囲から前記無効走査範囲に切り替わる位置から前記走査ラインの所定数ライン後の位置までの範囲にある場合に、前記バイアス電流の供給の開始にともなって、光束の走査位置が前記所定間隔の範囲にある間に前記光源部に供給される電流の平均値の電流を前記電流供給部から前記光源部に供給させるものである。
また、請求項5に記載の走査型画像表示装置は、請求項1〜のいずれか1項に記載の走査型画像表示装置において、前記投射対象を、観察者の少なくとも一方の眼の網膜とし、前記走査部によって走査された光束を、前記投射部により前記網膜に入射して、画像を表示するものである。
本発明によれば、画像有効領域と画像無効領域との区別が明確となり画像を強調して表示することができるとともに、消費電力を削減することができる。
本発明の一実施形態に係る走査型画像表示装置の全体的な構成を示す図。 本発明の一実施形態に係る走査部の動作説明図。 本発明の一実施形態に係る光源部における電流値と発光量との関係を示す図。 本発明の一実施形態に係るバイアス電流についての説明図。 本発明の一実施形態に係るバイアス電流の制御についての説明図。 本発明の一実施形態に係る主走査方向についてのバイアス電流の時間変化を示す図。 本発明の一実施形態に係る枠表示を示す図。 本発明の一実施形態に係る副走査方向についての光源への供給電流の時間変化を示す図。 本発明の一実施形態に係る模擬電流についての説明図。 本発明の一実施形態に係る枠表示を示す図。 本発明の一実施形態に係る光源への供給電流の制御に際しての事前準備についてのフロー図。 本発明の一実施形態に係る光源への供給電流の制御についてのフロー図。 本発明の一実施形態に係る模擬電流の変形例についての説明図。 本発明の一実施形態に係るバイアス電流の変形例についての説明図。
本発明は、走査部による光束の走査位置が無効走査範囲にある状態で光源部を待機状態とするために光源部に供給されるバイアス電流のON/OFFのタイミングを工夫することにより、電力消費の低減を図りつつ、有効領域に表示される画像を強調しようとするものである。以下、本発明の実施の形態を説明する。
以下に説明する本発明の実施の形態は、本発明を、走査型画像表示装置の一例である網膜走査ディスプレイ(Retinal Scanning Display、以下「RSD」とする。)に適用した場合のものである。なお、本発明は、網膜走査型の画像表示装置であるRSDに限らず、例えば投影対象をスクリーンとした光走査型の画像表示装置(レーザディスプレイ)等の、他の走査型画像表示装置にも適用可能である。
[RSDの構成]
まず、本実施形態に係る走査型画像表示装置としてのRSD1の構成について、図1を用いて説明する。本実施形態に係るRSD1は、投影対象を、観察者の少なくとも一方の眼10の網膜10bとし、光束としてのレーザ光を走査する走査部によって走査したレーザ光を、レーザ光を投射する投射部により網膜10bに入射して、画像を表示する。つまり、RSD1は、微弱な光を高速で走査しながら観察者の網膜10bに照射することで、網膜10b上に走査された光の残像を映像として観察者に認識させる網膜走査型の画像表示装置である。
図1に示すように、RSD1は、コントロールユニット2と、投影ユニット3とを備える。コントロールユニット2は、画像信号に応じた強度のレーザ光を画像光として出射する。コントロールユニット2から出射された画像光は、光ファイバケーブル4により、投影ユニット3に伝送される。
コントロールユニット2は、記憶部を内蔵し、この記憶部に記憶されたコンテンツ情報等に基づいて画像信号を形成する。コントロールユニット2は、形成した画像信号に応じた強度のレーザ光を画像光として光ファイバケーブル4へ出射する。
投影ユニット3は、光ファイバケーブル4により伝送されて来た画像光を、観察者が表示画像として認識可能とするために走査する。投影ユニット3は、コントロールユニット2においてR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の色毎に強度変調された画像光を、2次元方向に走査し、観察者の眼10に入射させる。
RSD1の電気的構成及び光学的構成について具体的に説明する。コントロールユニット2は、制御部5と、光源ユニット6とを有する。光源ユニット6は、光源部7と、駆動信号供給回路8とを含む。
制御部5は、RSD1の各部を統括的に制御する。制御部5は、予め記憶されている制御プログラムにしたがって所定の処理を実行することにより、RSD1を制御する。制御部5は、データ通信用のバスにより接続されるCPU、フラッシュメモリ、RAM、VRAM、複数の入出力インターフェース等の各種機能部分を有し、バスを介して各種情報の送受信を行う。
制御部5は、入出力端子等を介して外部接続された図示しない機器類から供給される画像データや、予め記憶されたコンテンツ情報に基づく画像データ等の各種画像データの入力を受ける。制御部5は、入力された画像データに基づいて、画像信号5Sを生成する。制御部5により生成された画像信号5Sは、駆動信号供給回路8に送られる。つまり、制御部5は、画像信号5Sに応じた強度のレーザ光を光源部7に出射させる。
駆動信号供給回路8は、画像信号5Sに応じた駆動信号を生成する駆動信号生成部として機能する。駆動信号供給回路8は、画像信号5Sに基づいて、表示画像を形成するための要素となる各信号を画素単位で生成する。
光源部7は、駆動信号供給回路8により生成された駆動信号に応じた強度のレーザ光を出力する。光源部7は、赤色レーザ光を生成して出射する赤色レーザ部11と、緑色レーザ光を生成して出射する緑色レーザ部12と、青色レーザ光を生成して出射する青色レーザ部13とを有する。
各色のレーザ部11,12,13は、各色のレーザ光を発生させる光源としてのレーザ11a,12a,13aと、このレーザ11a,12a,13aを駆動させるための光源駆動部としてのレーザドライバ11b,12b,13bとを含む。各色のレーザ11a,12a,13aは、例えば、半導体レーザや高調波発生機構付き固体レーザである。各色のレーザドライバ11b,12b,13bは、駆動信号供給回路8から入力される駆動信号に基づき、それぞれ対応するレーザ11a,12a,13aに駆動電流を供給する。そして、各色のレーザ11a,12a,13aは、対応するレーザドライバ11b,12b,13bから供給される駆動電流に応じて強度変調されたレーザ光を出射する。
したがって、赤色レーザ部11は、駆動信号供給回路8からの駆動信号14Rに基づき、レーザドライバ11bによってレーザ11aを駆動させ、赤色のレーザ光を出射する。また、緑色レーザ部12は、駆動信号供給回路8からの駆動信号14Gに基づき、レーザドライバ12bによってレーザ12aを駆動させ、緑色のレーザ光を出射する。また、青色レーザ部13は、駆動信号供給回路8からの駆動信号14Bに基づき、レーザドライバ13bによってレーザ13aを駆動させ、青色のレーザ光を出射する。
このように、本実施形態では、各レーザ11a,12a,13aに供給される駆動電流が、画像信号5Sに応じた画像表示用電流に相当する。そして、各色のレーザドライバ11b,12b,13bは、画像信号5Sに応じた大きさの駆動電流を画素単位で順次各色のレーザ11a,12a,13aに供給することによって、各色のレーザ11a,12a,13aを駆動する。なお、各色のレーザ11a,12a,13aが半導体レーザである場合は、駆動電流を直接変調してレーザ光の強度変調を行うことができるが、各色のレーザ11a,12a,13aが固体レーザである場合は、各レーザ11a,12a,13aそれぞれに外部変調器を備えてレーザ光の強度変調を行う必要がある。
また、駆動信号供給回路8は、各色のレーザ11a,12a,13aにバイアス電流を供給するためのバイアス電流供給信号24R,24G,24Bを生成する。そして、各色のレーザドライバ11b,12b,13bは、駆動信号供給回路8から入力されるバイアス電流供給信号に基づき、それぞれ対応するレーザ11a,12a,13aにバイアス電流を供給する。バイアス電流により、光源部7を構成する各色のレーザ11a,12a,13aは待機状態となり、光源部7の応答性が高められる。なお、各色に対応するバイアス電流供給信号24R,24G,24Bは、対応する色の駆動信号14R,14G,14Bに重畳して駆動信号供給回路8から出力されてもよい。
このように、本実施形態のRSD1では、駆動信号供給回路8が、画像信号5Sに応じた画像表示用電流としての駆動電流、及び光源部7を待機状態とするためのバイアス電流を、光源部7に供給させる電流供給部として機能する。すなわち、駆動信号供給回路8は、各色のレーザドライバ11b,12b,13bに、駆動電流及びバイアス電流を各色のレーザ11a,12a,13aに供給させるため、各色のレーザドライバ11b,12b,13bに送信する駆動信号14R,14G,14B、及びバイアス電流供給信号24R,24G,24Bを生成する。
そして、本実施形態のRSD1では、制御部5が、駆動信号供給回路8による駆動電流及びバイアス電流の供給を制御する電流制御部として機能する。すなわち、制御部5は、駆動信号供給回路8に送信する画像信号5Sによって、駆動信号供給回路8から出力される駆動信号14R,14G,14Bを制御することで、駆動信号14R,14G,14Bに基づいて各色のレーザ11a,12a,13aに供給される駆動電流を制御する。また、制御部5は、駆動信号供給回路8から出力されるバイアス電流供給信号24R,24G,24Bを制御するための制御信号を生成し、駆動信号供給回路8に送信する。そして、制御部5は、駆動信号供給回路8に送信する制御信号によって、駆動信号供給回路8から出力されるバイアス電流供給信号24R,24G,24Bを制御することで、バイアス電流供給信号24R,24G,24Bに基づいて各色のレーザ11a,12a,13aに供給されるバイアス電流を制御する。
光源部7は、各色のレーザ部11,12,13により出射したレーザ光を、合波してから、光ファイバケーブル4に出射する。このため、光源部7は、コリメート光学系16,17,18と、ダイクロイックミラー19,20,21と、結合光学系22とを有する。
各色のレーザ部11,12,13から出射した各色のレーザ光は、それぞれコリメート光学系16,17,18によって平行光化された後、それぞれ対応するダイクロイックミラー19,20,21に入射する。各ダイクロイックミラー19,20,21に入射する赤色,緑色,青色の3色のレーザ光は、3個のダイクロイックミラー19,20,21により、波長に関して選択的に反射・透過させられて結合光学系22に達し、合波されて集光される。結合光学系22により集光されたレーザ光は、光ファイバケーブル4に入射する。
このように、光源部7から光ファイバケーブル4に入射するレーザ光は、強度変調された各色のレーザ光が合波されたものである。なお、各色のレーザ部11,12,13からのレーザ光を光源部7からの出射光として出射させるための光学系の構成は、各色のレーザ部11,12,13から出射される各色のレーザ光が波長に関して選択的に反射・透過させられる構成であれば限定されるものではない。以上のように、光源部7は、制御部5から入力される画像信号5Sに応じた強度のレーザ光を出射する。
投影ユニット3は、RSD1において光源部7と観察者の眼10との間に位置する。投影ユニット3は、コリメート光学系31と、水平走査部32と、第1リレー光学系33と、垂直走査部34と、第2リレー光学系35とを有する。
コリメート光学系31は、光源部7で生成され光ファイバケーブル4から出射されたレーザ光を平行光化する。水平走査部32は、コリメート光学系31で平行光化されたレーザ光を画像表示のために水平方向に往復走査する。第1リレー光学系33は、水平走査部32と垂直走査部34との間に設けられ、走査レンズ系を構成し、水平走査部32と垂直走査部34との間でレーザ光を中継する。
垂直走査部34は、水平走査部32で水平方向に走査されたレーザ光を垂直方向に走査する。第2リレー光学系35は、水平走査部32及び垂直走査部34によって水平方向と垂直方向に走査されたレーザ光を、投影ユニット3から外部へと出射させるための光学系である。
水平走査部32及び垂直走査部34、ならびに第1リレー光学系33は、光ファイバケーブル4から出射したレーザ光を、画像として観察者の網膜10bに投影可能な状態とするために、水平方向と垂直方向に走査して走査光束とするための光走査装置及び光学系である。つまり、本実施形態では、水平走査部32及び垂直走査部34を含む構成が、光源部7から出射されたレーザ光を2次元走査する走査部として機能する。以下の説明では、水平走査部32及び垂直走査部34を含む構成を総称して「走査部」という。
水平走査部32は、走査部において高速スキャナとして機能するものであり、共振型の偏向素子32aと、水平走査駆動回路32bとを備える。偏向素子32aは、レーザ光を水平方向に走査するため偏向面(反射面)を有する。水平走査駆動回路32bは、偏向素子32aを共振させて偏向素子32aの偏向面を揺動させる駆動信号を生成する。水平走査駆動回路32bは、偏向素子32aに対する駆動信号を、駆動信号供給回路8から入力される水平駆動信号36に基づいて生成する。
一方、垂直走査部34は、走査部において低速スキャナとして機能するものであり、非共振型の偏向素子34aと、垂直走査駆動回路34bとを備える。偏向素子34aは、レーザ光を垂直方向に走査するため偏向面(反射面)を有する。垂直走査駆動回路34bは、偏向素子34aの偏向面を非共振状態で揺動させる駆動信号を生成する。垂直走査駆動回路34bは、偏向素子34aに対する駆動信号を、駆動信号供給回路8から入力される垂直駆動信号37に基づいて生成する。
垂直走査部34は、表示すべき画像の1フレーム毎に、画像を形成するためのレーザ光を最初の水平走査線から最後の水平走査線に向かって垂直に走査する。これにより、2次元走査された画像が形成される。ここで「水平走査線」とは、水平走査部32による水平方向への1走査を意味する。走査部が有する偏向素子32a,34aは、例えば、ガルバノミラー等である。また、偏向素子32a,34aの駆動方式は、例えば、圧電駆動、電磁駆動、静電駆動等である。
このように、本実施形態のRSD1においては、水平走査部32が、第1の方向である水平方向に、垂直走査部34に対して相対的に高速にレーザ光を走査する高速走査部として機能する。また、垂直走査部34が、水平方向に直交する第2の方向である垂直方向に、水平走査部32に対して相対的に低速にレーザ光を走査する低速走査部として機能する。
第1リレー光学系33は、水平走査部32が有する偏向素子32aの偏向面によって水平方向に走査されたレーザ光を、垂直走査部34が有する偏向素子34aの偏向面に収束させる。そして、偏向素子34aの偏向面に収束したレーザ光が、偏向素子34aの偏向面によって垂直方向に走査され、画像光Lxを形成する。なお、RSD1においては、水平走査部32と垂直走査部34との配置を入れ替えることで、レーザ光を垂直走査部34によって垂直方向に走査した後、水平走査部32によって水平方向に走査する構成が採用されてもよい。
第2リレー光学系35は、正の屈折力を持つ2つのレンズ系として、直列配置されるレンズ系38,39を有する。垂直走査部34により走査されたレーザ光は、レンズ系38によって、走査されるレーザ光同士で中心線が相互に平行となるように、かつ収束レーザ光となるように変換される。レンズ系38により変換されたレーザ光は、レンズ系39により、RSD1が備えるハーフミラー15を介して観察者の瞳孔10aに収束するように変換される。
このように、画像光Lxとしてのレーザ光は、第2リレー光学系35を介した後、ハーフミラー15により反射させられて、観察者の瞳孔10aに入射する。画像光Lxが瞳孔10aに入射することにより、網膜10b上に、画像信号5Sに応じた表示画像が投影される。このようにして、観察者は、画像光Lxを表示画像として認識する。
本実施形態では、第2リレー光学系35を構成するレンズ系38,39、及びハーフミラー15を含む構成が、走査部で走査されたレーザ光を投射対象に投射する投射部として機能する。本実施形態では、投射部によりレーザ光が投射される投射対象は、観察者の眼10の網膜10bである。
また、ハーフミラー15は、外光Lyを透過させて観察者の眼10に入射させる。これにより、観察者は、外光Lyにより認識される背景に、画像光Lxによる画像を重ねて視認することができる。このように、本実施形態のRSD1は、投影ユニット3から出射される画像光Lxを観察者の眼10に走査しつつ投射するとともに、外光Lyを透過させるシースルー型である。ただし、RSD1はシースルー型である必要はない。
以上のような構成を備えるRSD1は、例えば、投影ユニット3を含む構成を支持する眼鏡型のフレームを備えることで、観察者の頭部に装着されるヘッドマウントディスプレイを構成する。以下では、本実施形態のRSD1の詳細について説明する。
[走査部の動作等について]
RSD1が備える走査部の動作等について、図1及び図2を用いて説明する。RSD1においては、走査部による走査範囲として、水平方向及び垂直方向の各方向について、画像信号5Sに応じた画像表示(以下単に「画像表示」ともいう。)が行われる有効走査範囲と、この有効走査範囲に対して走査方向の両端側に位置し、画像表示が行われない無効走査範囲とが存在する。
すなわち、図2に示すように、水平走査部32の走査方向である水平方向について、有効走査範囲Za1と、この有効走査範囲Za1の両側に位置する無効走査範囲Za2とが存在し、垂直走査部34の走査方向である垂直方向について、有効走査範囲Zb1と、この有効走査範囲Zb1の両側に位置する無効走査範囲Zb2とが存在する。有効走査範囲Za1,Zb1と無効走査範囲Za2,Zb2とは、光源部7に供給される駆動電流の値によって切り替えられる。
有効走査範囲Za1,Zb1とは、具体的には、水平走査部32及び垂直走査部34のそれぞれの偏向素子32a,34aがレーザ光を走査できる最大の範囲(以下「最大走査範囲」という。)Za3,Zb3のうち、実際に光源部7から画像信号5Sに応じて強度変調されたレーザ光(以下「画像形成用レーザ光」という。)が出射される範囲である。つまり、画像形成用レーザ光は、走査部の偏向素子32a,34aによる走査位置が所定の範囲として定められる有効走査範囲Za1,Zb1にあるタイミングで出射される。そして最大走査範囲Za3,Zb3のうち、画像形成用レーザ光が出射されない無効走査範囲Za2,Zb2が、各有効走査範囲Za1,Zb1に対してレーザ光の走査方向の両側に存在する。
このようにレーザ光の走査状態が有効走査範囲Za1,Zb1と無効走査範囲Za2,Zb2とで切り替わる構成によれば、図2に示すように、走査部によってレーザ光が2次元走査されることで画像が形成される画面において、有効走査範囲Za1,Zb1に対応する画像有効領域A1と、無効走査範囲Za2,Zb2に対応する画像無効領域A2(斜線部分参照)とが形成される。
つまり、画像有効領域A1が、画面における画像の表示領域であり、レーザ光の走査位置(以下「光走査位置」という。)が画像有効領域A1にある場合、画像信号5Sに応じた大きさの駆動電流が、光源部7に供給される。そして、水平走査部32及び垂直走査部34により、画像有効領域A1内で、1フレーム分のレーザ光が走査され、この走査が1フレームの画像ごとに繰り返される。本実施形態では、図2に示すように、画像無効領域A2は、矩形状に形成される画像有効領域A1に対して、画像有効領域A1を囲む枠状の領域として形成される。
なお、図2には、光源部7からレーザ光が常時出射されたとの仮定のもと、水平走査部32及び垂直走査部34によって走査されるレーザ光の軌跡γが仮想的に示されている。ただし、水平走査部32による水平走査方向(Y方向)の走査数は、1フレームあたり数百又は千程度あることから、図2では、便宜上、レーザ光の軌跡γを簡略して記載している。
以下の説明では、走査部によるレーザ光の走査方向について、水平走査部32による走査方向である水平方向(第1の方向)を「主走査方向」とし、垂直走査部34による走査方向である垂直方向(第2の方向)を「副走査方向」とする。したがって、走査部による主走査方向は、レーザ光の走査にともなってドット(画素)が変化するドット方向と、副走査方向は、レーザ光の走査にともなってライン(画素列)が変化するライン方向と言える。
[光源部の特性等について]
光源部7が有する各色のレーザ11a,12a,13aの特性について説明する。図3は、各色のレーザに供給される電流値とレーザの発光量との関係、つまり各色のレーザ11a,12a,13aのI−L特性を示す。図3に示すグラフにおいて、横軸はレーザに供給される電流値(I)を示し、縦軸はレーザの発光量(L)を示す。
図3に示すように、各色のレーザ11a,12a,13aに供給される電流値が固有の閾値電流の値Ithに達するまでは、電流値の増加にともなって発光量は増加するものの、その増加量はわずかであり、発光量は少ない。そして、各色のレーザ11a,12a,13aに供給される電流値が閾値電流の値Ithを超えることにより、発光量が急激に立ち上がる。
このようなレーザの特性を踏まえ、本実施形態のRSD1においては、上述したように、光源部7の応答性を高める観点から、各色のレーザ11a,12a,13aに値Ibのバイアス電流が供給される。具体的には、各色のレーザ11a,12a,13aは、半導体レーザ等の容量成分を含むレーザであることから、供給される電流値が0から閾値電流の値Ithまで上昇する過程で、電流の一部が容量の充電に用いられる分、実際の発光に寄与する電流の立ち上がりが遅れる。このため、各色のレーザ11a,12a,13aは、電流の供給を受け始めてから発光するまでの遅延時間を要する。
そこで、各色のレーザ11a,12a,13aに、バイアス電流(値Ib)が供給されることで、レーザが待機状態となり、発光の遅延が抑制され、応答性が高められる。本実施形態のRSD1では、バイアス電流の値Ibは、各色のレーザ(LD:Laser Diode)がフル点灯(発光量La)の状態となる電流(以下「最大電流」という。)の値Iaの略半分の値である。なお、バイアス電流の値としては、例えば、閾値電流の値Ithよりもわずかに小さい値が用いられる場合もある。
このように、各色のレーザ11a,12a,13aにバイアス電流の供給が行われる構成において、各色のレーザ11a,12a,13aに供給される電流の値に関し、電流の値がバイアス電流の値Ibから最大電流の値Iaまでの範囲d1で、光源部7から画像形成用レーザ光が出射される。つまり、各色のレーザ11a,12a,13aに供給される電流の値について、バイアス電流の値Ibの状態が画像0%の状態に対応し、最大電流の値Iaの状態が画像100%の状態に対応し、画像0〜100%の範囲d1が、画像信号5Sに応じた変調成分としてのレーザ光が出射される範囲に対応する。
図4は、各色のレーザ11a,12a,13aにバイアス電流が供給される際の電流の値の時間変化を示す。図5に示すグラフにおいて、横軸は時間(t)を示し、縦軸はレーザに供給される電流値(I)を示す。
図4に示すように、時刻taにおいて、各色のレーザ11a,12a,13aに対するバイアス電流の供給が開始(バイアス電流がON)されると、各色のレーザ11a,12a,13aに供給される電流値は、バイアス電流の値として設定される値Ibを一旦大きく上回り、その後増減を繰り返して時間の経過とともに徐々に安定し、値Ibに収束する。このように、各色のレーザ11a,12a,13aに対するバイアス電流の供給の過程では、バイアス電流の供給の開始にともなって電流の値が急激に増加してバイアス電流の値Ibを大きく上回るオーバーシュートが生じる。
以上のような走査部の動作や光源部の特性等を有する本実施形態のRSD1においては、光源部7が有する各色のレーザ11a,12a,13aに供給される電流の制御、特にバイアス電流のON/OFFタイミングについて特徴的な制御が行われる。以下、本実施形態のRSD1において光源部7に供給される電流の制御について説明する。なお、以下の説明では、各色のレーザ11a,12a,13aを「光源」とも称する。
[光源部への供給電流の制御について]
まず、走査部による主走査方向のレーザ光の走査過程における光源部7への供給電流の制御について、図5及び図6を用いて説明する。主走査方向については、光走査位置が副走査方向における有効走査範囲Zb1にある場合、光走査位置は、主走査方向の一端から他端までの過程、つまり主走査方向の往復走査における往路または復路の1走査ラインの過程で、画像無効領域A2、画像有効領域A1、画像無効領域A2を順に通過する。
したがって、主走査方向における1走査ラインの過程では、光走査位置が、画像無効領域A2に対応する無効走査範囲Za2から、画像有効領域A1に対応する有効走査範囲Za1に入るタイミングで、光源への駆動電流の供給が開始される。また、光走査位置が、有効走査範囲Za1から、無効走査範囲Za2に出るタイミングで、光源への駆動電流の供給が停止される。
そして、上述のとおり、光源にバイアス電流の供給が行われる本実施形態のRSD1においては、光走査位置が、有効走査範囲Za1に入る前、及び有効走査範囲Za1から出た後のそれぞれの無効走査範囲Za2にある状態で、所定のタイミングで、光源へのバイアス電流の供給が行われる。光源へのバイアス電流の供給は、制御部5により、以下のように制御される。
主走査方向の1走査ラインの過程において、光走査位置が無効走査範囲Za2から有効走査範囲Za1に入る際には、光走査位置が、無効走査範囲Za2から有効走査範囲Za1に切り替わる位置から所定間隔前の位置に達した時に、駆動信号供給回路8によるバイアス電流の供給が開始される。すなわち、図5に示すように、主走査方向(図5における上下方向)の1走査ラインの過程において、光走査位置が無効走査範囲Za2から有効走査範囲Za1に入る際には、画像無効領域A2と画像有効領域A1との境界の位置(以下「境界位置」という。)P1よりも所定間隔d2手前の位置P2で、バイアス電流がONされる。
なお、図5では、図2と同様に、光源部7からレーザ光が常時出射されたとの仮定のもとでの簡略化されたレーザ光の軌跡γが仮想的に示されている。また、以下の説明では、主走査方向の1走査ラインの過程について、図5において上側から下側に向かうレーザ光の走査を往路、同図において下側から上側に向かうレーザ光の走査を復路とする。
バイアス電流がONされる位置P2に関し、境界位置P1から手前側に隔てる距離に相当する所定間隔d2は、所定間隔d2を、時間(クロック数)t0の間に光走査位置が移動する距離とした場合、時間t0としては、上述したようなバイアス電流のオーバーシュート特性が考慮され、バイアス電流がONされてからオーバーシュートを経て電流値が安定するまでの時間が目安とされる(図4参照)。つまり、バイアス電流がONされる位置P2から、境界位置P1までの所定間隔d2を規定する時間t0としては、バイアス電流の供給の開始にともなって生じるオーバーシュートの影響を排除する観点から、少なくとも、バイアス電流がONされてからオーバーシュートを経て電流値が安定するまでの時間が確保されることが望ましい。
時間t0により規定される所定間隔d2は、例えば数クロック分(例えば、3〜5クロック分)の距離である。つまり、主走査方向の1走査ラインの過程において、光走査位置が画像無効領域A2から画像有効領域A1に切り替わる数クロック手前で、光源のバイアス電流がONされる。ここで、クロックとは、レーザ光のスポットの最小単位である1のドット(画素)から次のドット(画素)までを単位とする時間であり、時間t0に相当するクロック数分手前から、光源のバイアス電流がONされる。したがって、光走査位置が、無効走査範囲Za2から有効走査範囲Za1に切り替わる位置から所定画素数前の位置に達した時に、バイアス電流がONされ、その所定画素数は、例えば、3〜5画素程度である。なお、バイアス電流がONされてからオーバーシュートを経て電流値が安定するまでの時間は、レーザ光の光源毎に、かつ、その光源の使用条件などで異なるものなので、時間t0は、使用する光源毎に設定されることが望ましい。このように、制御部5は、レーザ光の主走査方向について、光走査位置が画像無効領域A2から画像有効領域A1に入る際、両領域の境界位置P1の数クロック手前で、バイアス電流の供給が開始されるように、光源への電流を制御する。
また、主走査方向の1走査ラインの過程において、光走査位置が有効走査範囲Za1から無効走査範囲Za2に出た後には、光走査位置が、有効走査範囲Za1から無効走査範囲Za2に切り替わる位置から所定間隔後の位置に達した時に、駆動信号供給回路8によるバイアス電流の供給が停止される。すなわち、光走査位置が画像有効領域A1から画像無効領域A2に出ることで、光源への駆動信号の供給が停止された後、所定のタイミングでバイアス電流の供給が停止される。
本実施形態では、光走査位置が画像有効領域A1に対して、上述したようにバイアス電流がONされるタイミングの場合の所定間隔d2と同じ大きさの間隔を隔てた位置に達したタイミングで、バイアス電流がOFFされる。つまり、図5に示すように、主走査方向の1走査ラインの過程において、光走査位置が有効走査範囲Za1から無効走査範囲Za2から出た後には、画像有効領域A1と画像無効領域A2との境界位置P3よりも所定間隔d2進んだ位置P4で、バイアス電流がOFFされる。
このように、制御部5は、レーザ光の主走査方向について、光走査位置が画像有効領域A1から画像無効領域A2に出る際、両領域の境界位置P3の数クロック後で、バイアス電流の供給が停止されるように、光源への電流を制御する。そして、本実施形態では、主走査方向について、バイアス電流がOFFされる光走査位置の画像有効領域A1に対する間隔と、バイアス電流がONされる光走査位置の画像有効領域A1に対する間隔とは、いずれも同じ所定間隔d2である。ただし、バイアス電流のON/OFFそれぞれが行われる光走査位置の画像有効領域A1に対する間隔は、異なってもよい。
以上のような主走査方向についての光源へのバイアス電流のON/OFF制御に関し、光走査位置の移動にともなう一連の制御について、図6を加えて説明する。図6(a)は、主走査方向の往路方向におけるバイアス電流の時間変化を示すグラフであり、同図(b)は、主走査方向の復路方向におけるバイアス電流の時間変化を示すグラフである。
図5及び図6(a)に示すように、主走査方向における往路方向の1走査ラインの過程では、まず、画像無効領域A2と画像有効領域A1との境界位置P1よりも数クロック手前に相当する所定間隔d2手前の位置P2で、バイアス電流がONされる(点PA1参照)。点PA1でバイアス電流がONされた後、光走査位置が境界位置P1に達すると、画像の書き出しが開始される(点PB1参照)。つまり、点PB1から、光走査位置が画像有効領域A1に入り、光源への駆動電流の供給が開始され、画像形成用レーザ光の出射が開始される。
バイアス電流の供給が開始される点PA1の位置から画像の書き出しが開始される点PB1の位置までの間に、バイアス電流のオーバーシュートが生じる(図6(a)、符号S1参照。)。つまり、バイアス電流がONされてからバイアス電流がオーバーシュートする期間を経た後、画像有効領域A1における画像の書き出しが開始される。
点PB1で画像の書き出しが開始されてから、画像有効領域A1を経た光走査位置が画像有効領域A1と画像無効領域A2との境界位置P3に達することで、画像の書き出しが終了する(点PC1参照)。光走査位置が画像有効領域A1にある間、つまり点PB1から点PC1までの間は、光源への駆動電流の供給によって画像形成用レーザ光の出射が行われるとともに、光源にはあらかじめ設定された所定の値(値Ib)のバイアス電流が供給される。
そして、画像有効領域A1と画像無効領域A2との境界位置P3よりも所定間隔d2進んだ位置P4で、バイアス電流がOFFされる(点PD1参照)。これにより、光源へのバイアス電流の供給は停止される。
また、図5及び図6(b)に示すように、主走査方向における復路方向の1走査ラインの過程では、往路方向の場合と同様にして、バイアス電流のON/OFFが制御される。すなわち、画像無効領域A2と画像有効領域A1との境界位置P3よりも数クロック手前に相当する所定間隔d2手前の位置P4で、バイアス電流がONされる(点PA2参照)。つまり、往路方向において点PD1でバイアス電流がOFFされてから、光走査位置が折り返して点PA2の位置に達するまでの間、バイアス電流はOFFの状態である。点PA2でバイアス電流がONされた後、光走査位置が境界位置P3に達すると、画像の書き出しが開始される(点PB2参照)。
バイアス電流の供給が開始される点PA2の位置から画像の書き出しが開始される点PB2の位置までの間に、バイアス電流のオーバーシュートが生じる(図6(b)、符号S2参照。)。点PB2で画像の書き出しが開始されてから、画像有効領域A1を経た光走査位置が画像有効領域A1と画像無効領域A2との境界位置P1に達することで、画像の書き出しが終了する(点PC2参照)。光走査位置が点PB2から点PC2までの間は、光源への駆動電流の供給によって画像形成用レーザ光の出射が行われるとともに、光源にはあらかじめ設定された所定の値(値Ib)のバイアス電流が供給される。
そして、画像有効領域A1と画像無効領域A2との境界位置P1よりも所定間隔d2進んだ位置P2で、バイアス電流がOFFされる(点PD2参照)。これにより、光源へのバイアス電流の供給は停止される。
このようにして、往路方向および復路方向のそれぞれの1走査ラインの過程において、バイアス電流のON/OFFが同様のタイミングで制御される構成においては、画像有効領域A1から主走査方向の両側にそれぞれ所定間隔d2隔てた位置P2,P4が、バイアス電流がON/OFFされる位置となる。具体的には、図5において上側の画像無効領域A2にある位置P2は、往路方向の走査の場合はバイアス電流がONされる位置であり、復路方向の走査の場合はバイアス電流がOFFされる位置である。同じく図5において下側の画像無効領域A2にある位置P4は、往路方向の走査の場合はバイアス電流がOFFされる位置であり、復路方向の走査の場合はバイアス電流がONされる位置である。
また、画像有効領域A1の主走査方向の両側の画像無効領域A2に対する境界位置P1,P3が、画像の書き出しが開始・終了する位置となる。具体的には、図5において上側の境界位置P1は、往路方向の走査の場合は画像の書き出しが開始される位置であり、復路方向の走査の場合は画像の書き出しが終了する位置である。同じく図5において下側の境界位置P3は、往路方向の走査の場合は画像の書き出しが終了する位置であり、復路方向の走査の場合は画像の書き出しが開始される位置である。
以上のように、主走査方向についての光源へのバイアス電流のON/OFF制御が行われることにより、画像有効領域A1の両外側の縁部で、バイアス電流のオーバーシュート効果による輝度の高いレーザ光が放射されることとなり、画像有効領域A1の両側の2辺に沿って直線状の画像部分が形成される。すなわち、図7に示すように、画像有効領域A1に対して、主走査方向の両側の縁部に、バイアス電流がオーバーシュートする分の電流によって、画像有効領域A1に対して主走査方向の両側の各辺に沿って直線状の画像部分である枠Y1,Y2が形成される。
主走査方向の往路方向における画像有効領域A1の手前側に形成される枠Y1は、主走査方向の往路において、画像有効領域A1の数クロック手前の位置P2でのバイアス電流ONの制御が副走査方向の有効走査範囲Zb1の各走査ラインで行われることにより、位置P2と境界位置P1との間に、バイアス電流のオーバーシュート分の電流による画像部分として形成される。また、主走査方向の復路方向における画像有効領域A1の手前側に形成される枠Y2は、主走査方向の復路において、画像有効領域A1の数クロック手前の位置P4でのバイアス電流ONの制御が副走査方向の有効走査範囲Zb1の各走査ラインで行われることにより、位置P4と境界位置P3との間に、バイアス電流のオーバーシュート分の電流による画像部分として形成される。枠Y1,Y2は、実際には、RGBのバランスによって色は異なるが、比較的淡い色の帯状の画像部分として表示される。
このように、本実施形態のRSD1では、主走査方向について、オーバーシュートするタイミングを、光走査位置が画像有効領域A1に入る直前に持ってくることにより、画像有効領域A1の両側に枠Y1,Y2が形成される。画像有効領域A1に対して主走査方向の両側に枠Y1,Y2が形成されることにより、画像有効領域A1と画像無効領域A2との境界が際立ち、画像が強調されるように表示される。つまり、主走査方向において画像有効領域A1の両側に形成される枠Y1,Y2は、バイアス電流のオーバーシュートによって比較的輝度の高いレーザ光により形成される部分であることから、レーザ光の照射が行われない画像無効領域A2に対して、枠Y1,Y2による枠表示によって画像有効領域A1の部分を強調して表示することができる。
さらに言うと、レーザ光の走査の過程において、光源へのバイアス電流の供給が定常的に行われる場合、枠Y1,Y2のような、画像有効領域A1と画像無効領域A2とを区画する表示がなされないため、画像有効領域A1と画像無効領域A2との境界が不明確となる。そこで、本実施形態のように、枠Y1,Y2が形成されることにより、枠Y1,Y2によって画像有効領域A1と画像無効領域A2との境界部分の認識を容易に行うことができ、画像有効領域A1に表示される画像が強調される。
また、本実施形態のRSD1によれば、主走査方向の1走査ラインの過程において、光走査位置が無効走査範囲Za2にある期間の一部において、光源へのバイアス電流の供給が停止されることから、光源へのバイアス電流の供給が定常的に行われる場合との比較において、消費電力を削減することができる。
具体的には、バイアス電流は、光走査位置が画像有効領域A1を出てから、時間t0経過後、つまり光走査位置が所定間隔d2進んだ後にOFFされる。そして、OFFされたバイアス電流は、光走査位置が画像有効領域A1に入る時間t0前、つまり光走査位置が画像有効領域A1に対して所定間隔d2手前の位置に達した時にONされる。このように、本実施形態のRSD1では、光源へのバイアス電流の供給が、主走査方向のレーザ光の走査過程における折り返し部分において一時的に停止される。このように、画像無効領域A2においてバイアス電流の供給が一時的に停止される分、電力の消費を抑制することができる。
また、本実施形態における光源への電流制御によれば、主走査方向について、枠Y1,Y2よりも外側では、バイアス電流の供給が行われずに、光源が完全にOFFの状態となる。このため、光源へのバイアス電流の供給が定常的に行われることで画像無効領域A2においてもバイアス電流がONの状態となる場合に比べ、画像有効領域A1と画像無効領域A2とのコントラスト比を向上させることができる。
また、本実施形態のRSD1では、主走査方向において、光走査位置が画像有効領域A1に入る前のバイアス電流のONのタイミングだけでなく、画像有効領域A1から出た後のバイアス電流のOFFのタイミングについても、画像有効領域A1に対して所定間隔d2を隔てた位置が採用されている。これにより、バイアス電流のON/OFF制御によって画像有効領域A1の主走査方向の両側の縁部で生じるギザギザ状の表示が解消される。
具体的には、光走査位置が画像有効領域A1から画像無効領域A2に出る際に、これらの領域の境界の位置(往路の場合、境界位置P3、復路の場合、境界位置P1)でバイアス電流がOFFされる場合を仮想する。かかる場合、主走査方向における境界位置P1から位置P2までの範囲、及び境界位置P3から位置P4までの範囲において、バイアス電流が流れる走査ラインとバイアス電流が流れない走査ラインとが交互に生じることとなる。結果として、バイアス電流のオーバーシュートによるレーザ光の照射が主走査方向の走査ラインごとに交互に生じることから、画像有効領域A1の主走査方向の両側の縁部においてギザギザ状の表示が生じる。
そこで、本実施形態のRSD1のように、画像有効領域A1から出た後についても、画像有効領域A1に対して所定間隔d2を隔てた位置でバイアス電流がOFFされることにより、上述したような画像有効領域A1の縁部で生じるギザギザ状の表示を解消することができる。このように、画像有効領域A1の縁部で生じるギザギザ状の表示を解消する観点から、本実施形態のRSD1のように、バイアス電流ONの位置が画像有効領域A1に対して隔てる間隔と、バイアス電流OFFの位置が画像有効領域A1に対して隔てる間隔とは、大きさが同じであることが望ましい。
また、本実施形態のRSD1において、仮に、画像無効領域A2と画像有効領域A1との境界位置P1,P3で、バイアス電流がONされる場合、バイアス電流のオーバーシュートが画像有効領域A1の領域内で生じ、その部分で画像が潰れるという現象が生じる可能性がある。この点、本実施形態のRSD1では、バイアス電流ONの位置が、画像有効領域A1に対して、バイアス電流がONされてからオーバーシュートが収まるまでの光走査位置の移動距離が考慮されて設定される所定間隔d2手前の位置である。このため、バイアス電流のオーバーシュートによる画像の潰れを回避することができる。
また、本実施形態のRSD1においては、副走査方向においても、画像有効領域A1の両側の画像無効領域A2で、主走査方向についての枠Y1,Y2と同様の枠を形成するための電流制御が行われる。具体的には、副走査方向における画像有効領域A1の両外側の縁部で、主走査方向の走査ラインの数ラインに、光源へのバイアス電流がONされた時のオーバーシュートによる輝度と同等の画像信号が出力されるような電流の供給が行われる。このような光源へのバイアス電流の供給は、制御部5により、以下のように制御される。
副走査方向のレーザ光の走査の過程において、光走査位置が無効走査範囲Zb2から有効走査範囲Zb1に入る際、及び有効走査範囲Zb1から無効走査範囲Zb2に出た後に、バイアス電流のオーバーシュートを模した模擬電流が所定の間光源に供給される。
具体的には、図5及び図8に示すように、光走査位置が、無効走査範囲Zb2から有効走査範囲Zb1に切り替わる境界位置LB1から所定ライン数前の位置LA1までの範囲にある場合に、模擬電流が光源に供給される。また、光走査位置が、有効走査範囲Zb1から無効走査範囲Zb2に切り替わる境界位置LC1から走査ラインの所定ライン数後の位置LD1までの範囲にある場合に、模擬電流が光源に供給される。なお、図8は、副走査方向についての光源への供給電流の時間変化を示す図である。
ここで、模擬電流とは、上述したように主走査方向の電流制御において、バイアス電流の供給が開始された際に駆動信号供給回路8から光源部7に供給される電流を模した電流である。すなわち、主走査方向の電流制御においては、バイアス電流がONされるたびに、光源に供給される電流値が、あらかじめ設定された所定の値(値Ib)を大きく上回るオーバーシュートが生じるが、このように所定のバイアス電流値よりも上昇する電流を模した電流が、模擬電流として光源に供給される。
副走査方向において、模擬電流がONされる位置LA1、及び模擬電流がOFFされる位置LC1に関し、ライン数とは、水平走査部32による主走査方向の走査ラインの、副走査方向に連続する数である。つまり、副走査方向について、光走査位置が画像有効領域A1に入る前と出た後それぞれにおける所定のライン数に相当する間隔の間に、光源への模擬電流の供給が行われる。
所定ライン数に相当する間隔としては、主走査方向についてのバイアス電流のON/OFF制御における所定間隔d2(図5参照)と同じであることが望ましい。つまり、副走査方向の所定ライン数に相当する間隔は、所定間隔d2と同様に数クロック分の距離である。
したがって、図8に示すように、所定ライン数に相当する間隔は、この間隔を、時間t1の間に光走査位置が移動する距離とした場合、時間t1は、光走査位置が副走査方向に移動する距離が所定間隔d2となるような時間に設定される。つまり、副走査方向について模擬電流がONされた状態となる位置LA1から境界位置LB1までの間、及び境界位置LC1から位置LD1までの間を規定する時間t1としては、副走査方向の光走査位置の移動速度との関係において、光走査位置が副走査方向の所定間隔d2移動する時間に設定される。
本実施形態に係る模擬電流について説明する。模擬電流は、上述のとおり、光源に供給される電流であって、所定のバイアス電流値よりも上昇する電流を模した電流である。具体的には、本実施形態では、模擬電流は、副走査方向について、画像有効領域A1の前後の所定ライン数分の走査ラインで、走査ラインごとに光源へ供給される電流値を変化させることで、主走査方向におけるオーバーシュートによる電流値の時間変化(輝度分布)を副走査方向において再現しようとするものである。
本実施形態のRSD1における模擬電流は、上述したような主走査方向のバイアス電流の制御においてバイアス電流の供給を開始した際に駆動信号供給回路8から光源部7に供給される電流の主走査方向についての分布を、副走査方向に対応させて模した電流である。
上述のとおり、主走査方向において、光源に供給されるバイアス電流は、ONされてから、オーバーシュートによって、バイアス電流の値として設定される値Ibを一旦大きく上回り、その後徐々に安定して値Ibに収束する(図4参照)。そこで、こうしたバイアス電流の供給の開始時の電流値の時間変化に倣って、模擬電流の供給が行われる。
詳細には、図8及び図9に示すように、本実施形態では、光源への模擬電流の供給が行われる所定ライン数を4本とする。つまり、副走査方向における位置LA1と境界位置LB1との間の間隔、及び境界位置LC1と位置LD1との間の間隔は、主走査方向の走査ライン4本分の間隔である。そして、これら走査ライン4本の各走査ラインにおける電流値は、例えば次のように設定される。
図9に示すように、副走査方向において、光走査位置が画像無効領域A2から画像有効領域A1に入るに際し、模擬電流の供給が開始されてから最初の3本の走査ラインに対応する時間t01の間は、バイアス電流がONされた時に生じるオーバーシュートとしての電流値の急な上昇に倣って、1走査ラインごとに電流値が上昇するように、各走査ラインにおける光源への供給電流値が設定される。したがって、例えば、3本目の走査ラインにおける電流値は、バイアス電流のオーバーシュートによるピーク時の電流値と同等の電流値に設定される。なお、図9において破線で示す波形は、オーバーシュートするバイアス電流の波形を表す。
そして、画像有効領域A1に直近の4本目の走査ラインに対応する時間t02の間は、3本目の走査ラインの電流値から値が下がり、あらかじめ設定されるバイアス電流の値Ibに比較的近い電流値が設定される。また、副走査方向において、光走査位置が画像有効領域A1から画像無効領域A2に出た後は、光走査位置が画像無効領域A2から画像有効領域A1に入る場合とは逆の、つまり各走査ラインの電流値が副走査方向について対称となるように、光源への電流値が制御される(図8参照。)。
このように、本実施形態のRSD1では、模擬電流として、走査ラインごとに光源への電流値が制御されることにより、主走査方向におけるバイアス電流がONされたときの電流値が模擬される。つまり、主走査方向におけるバイアス電流のオーバーシュートによる電流の変化に合わせて、副走査方向における画像有効領域A1の両外側の数ラインの部分で、副走査方向に映像信号に濃淡がつけられる。なお、副走査方向について、画像有効領域A1の両側にて模擬電流の供給が行われる走査ラインのライン数、つまり模擬電流として走査ラインごとに電流値を変化させる走査ラインの数は、特に限定されない。
以上のような副走査方向についての光源への供給電流の制御に関し、光走査位置の移動にともなう一連の制御について、図8を用いて説明する。
図8に示すように、副走査方向における光走査の過程では、まず、画像無効領域A2と画像有効領域A1との境界位置LB1よりも光走査位置が所定間隔d2進む時間に相当する時間t1前の位置LA1で、模擬電流の供給が開始される。位置LA1で模擬電流の供給が開始された後、光走査位置が境界位置LB1に達すると、模擬電流の供給が停止されるとともに、画像の書き出しが開始される。つまり、境界位置LB1から、光走査位置が画像有効領域A1に入り、光源への駆動電流の供給が開始され、画像形成用レーザ光の出射が開始される。
境界位置LB1で画像の書き出しが開始されてから、画像有効領域A1を経た光走査位置が画像有効領域A1と画像無効領域A2との境界位置LC1に達することで、画像の書き出しが終了する。光走査位置が画像有効領域A1にある間、つまり境界位置LB1から境界位置LC1までの間は、光源への駆動電流の供給によって画像形成用レーザ光の出射が行われる。そして、画像有効領域A1と画像無効領域A2との境界位置LC1よりも時間t1経過した位置LD1で、模擬電流の供給が停止される。
以上のように、副走査方向についての光源への供給電流の制御が行われることにより、画像有効領域A1の両側の縁部で、バイアス電流のオーバーシュート効果にならった輝度の高いレーザ光が放射されることとなり、画像有効領域A1の両側の2辺に沿って直線状の画像部分が形成される。すなわち、図10に示すように、画像有効領域A1に対して、枠Y1,Y2に加えて、副走査方向の両側の縁部に、模擬電流によって、画像有効領域A1に対して副走査方向の両側の各辺に沿って直線状の画像部分である枠X1,X2が形成される。
副走査方向における画像有効領域A1の手前側に形成される枠X1は、副走査方向の走査において、画像有効領域A1の数ライン手前の位置LA1から境界位置LB1までの間に模擬電流の供給が行われることにより、位置LA1と境界位置LB1との間に、模擬電流による画像部分として形成される。また、副走査方向における画像有効領域A1の奥側に形成される枠X2は、副走査方向の走査において、境界位置LC1から画像有効領域A1の数ライン先の位置LD1までの間に模擬電流の供給が行われることにより、境界位置LC1と位置LD1との間に、模擬電流による画像部分として形成される。
このように光源に模擬電流が供給されることで画像有効領域A1に対して副走査方向の両側の付加領域として形成される枠X1,X2の輝度分布は、主走査方向の両側の付加領域である枠Y1,Y2の輝度分布にそろったものとなる。つまり、模擬電流による表示が、主走査方向におけるオーバーシュートによる輝度分布を副走査方向に対応させて模したものであるため、枠Y1,Y2と枠X1,X2とは、幅方向については同様の輝度分布を有する。
このように、本実施形態のRSD1では、副走査方向について、画像有効領域A1の両側で模擬電流を供給することにより、画像有効領域A1の両側に枠X1,X2が形成される。したがって、枠X1,X2と枠Y1,Y2とにより、画像有効領域A1の4辺に沿って直線状の画像部分が形成され、画像有効領域A1の周囲を囲む額縁状の枠表示が形成される。これにより、主走査方向及び副走査方向のいずれについても画像有効領域A1と画像無効領域A2との境界が際立ち、画像が強調されるように表示される。つまり、副走査方向において画像有効領域A1の両側に形成される枠X1,X2は、バイアス電流のオーバーシュートを模した比較的輝度の高いレーザ光により形成される部分であることから、レーザ光の照射が行われない画像無効領域A2に対して、枠Y1,Y2による枠表示に加え、枠X1,X1によって画像有効領域A1の部分を強調して表示することができる。
また、本実施形態のように、枠Y1,Y2に加えて枠X1,X2が形成されることにより、主走査方向の場合と同様に副走査方向についても画像有効領域A1と画像無効領域A2との境界を明確にすることができる。結果として、枠Y1,Y2及び枠X1,X2によって画像有効領域A1と画像無効領域A2との境界部分の認識を容易に行うことができ、画像有効領域A1に表示される画像が強調される。
また、本実施形態における光源への電流制御によれば、副走査方向についても、枠X1,X2よりも外側では、バイアス電流の供給が行われずに、光源が完全にOFFの状態となることから、画像有効領域A1と画像無効領域A2とのコントラスト比を向上させることができる。
以上のように、本実施形態のRSD1によれば、画像有効領域A1と画像無効領域A2との区別が明確となり画像を強調して表示することができるとともに、消費電力を削減することができる。
以下、本実施形態のRSD1における光源への供給電流の制御について、図11及び図12に示すフロー図を用いて説明する。図11に示すように、本実施形態に係る光源の電流制御においては、事前準備として、まず、光源へのバイアス電流がオーバーシュートした時の輝度である枠Y1,Y2の輝度が測定される(S10)。すなわち、光源への供給の開始にともなってオーバーシュートするバイアス電流(図4参照)が光源に供給されることによって表示される画像の輝度(輝度分布)が測定される。
そして、ステップS10で測定された枠Y1,Y2の輝度に基づき、枠X1,X2として表示する画像信号を決定する(S20)。すなわち、上述したように副走査方向において画像有効領域A1の両外側の領域において光源に供給される模擬電流の各走査ラインに対する電流値(図9参照)が決定される。以上のような事前準備が、光源の電流制御に際してあらかじめ行われる。
続いて、RSD1の実際の駆動にともなって行われる光源の電流制御について説明する。図12に示すように、本実施形態に係る光源の電流制御においては、まず、ユーザ調整として、枠の太さの決定が行われる(S100)。すなわち、画像有効領域A1の周りに形成される枠Y1,Y2,X1,X2の幅が決定される。
主走査方向の両側の枠Y1,Y2については、枠の太さは、バイアス電流のON/OFFのタイミングを規定する所定間隔d2によって調整される。また、副走査方向の両側の枠X1,X2については、枠の太さは、光源への模擬電流の供給が行われる所定ライン数によって調整される。ここで、枠Y1,Y2,X1,X2の太さは同じであることが好ましいことから、例えば、各枠の太さは同じ太さとなるように一律に調整される。また、枠の太さの調整は、例えば、RSD1のコントロールユニット2に、観察者が操作可能な枠の太さ調整用の調整部が設けられ、この調整部の操作により行われる。
次に、ステップS100において決定された枠の太さに基づいて、バイアス電流のON/OFFのタイミング、及び枠X1,X2の表示領域が決定される(S110)。バイアス電流のON/OFFのタイミングは、ステップS100において枠Y1,Y2の太さを規定する所定間隔d2が決まることにより決定される。所定間隔d2が決まることで、主走査方向において、上述したようにバイアス電流がON/OFFされる位置となる、画像有効領域A1の両側にそれぞれ所定間隔d2隔てた位置P2,P4が決定される。また、枠X1,X2の表示領域は、ステップS100において決定される所定ライン数が決まることにより決定される。
そして、レーザ光の走査が開始される(S120)。つまり、RSD1が備える走査部により、比較的高速な主走査方向の光走査、及び比較的低速な副走査方向の光走査が開始される。
レーザ光の走査においては、走査ラインのカウントが行われる(S130)。副走査方向の一端から他端までの走査ラインの順番に沿って、光走査位置の副走査方向の移動にともない、副走査方向のどの走査ラインに光走査位置が存在するかにより、走査ラインのカウントが行われる。例えば、走査ラインが全部で1000本の場合、副走査方向の両端側の100本の走査ラインが無効走査範囲Zb2で、中間の800本の走査ラインが有効走査範囲Zb1として設定される。そして、本ステップでは、1000本の走査ラインのうち、現在光走査位置が存在する走査ラインが何番目の走査ラインかがカウントされる。
次に、ステップS130にてカウントされた走査ラインが、画像有効領域A1の(有効走査範囲Zb1の)走査ラインか否かが判定される(S140)。本ステップでは、具体的には、上記のように走査ラインが全部で1000本の場合の例に倣うと、カウントされた走査ラインが、副走査方向における201〜800番目のいずれかの走査ラインか否かが判定される。
ステップS140において、カウントされた走査ラインが画像有効領域A1の走査ラインであると判定された場合(S140:Yes)、その走査ラインの主走査方向の走査において、上述したようなバイアス電流のON/OFF制御を含む、光源への供給電流の制御が行われる。
すなわち、図5を用いて説明した往路方向の場合の例に倣うと、まず、光走査位置が点PA1の位置に達した時点で、バイアス電流がONされる(S150)。次に、光走査位置が点PB1の位置から点PC1の位置に達するまで、光源に駆動電流がされることで、画像の書き出しが行われる(S160)。そして、光走査位置がPD1の位置に達した時点で、バイアス電流がOFFされる(S170)。そして、例えば光走査位置やクロック数等に基づいて1走査ラインが終了したか否かが判定され(S180)、1走査ラインの光走査が終了すると、ステップS130にてカウントされた走査ラインについての光走査が終了し、次の走査ラインについてのカウントが行われる(S130)。
一方、ステップS140において、カウントされた走査ラインが画像有効領域A1の走査ラインではないと判定された場合(S140:No)、その走査ラインが枠X1,X2表示領域か否かが判定される(S190)。本ステップでは、具体的には、上記のように走査ラインが全部で1000本の場合の例に倣い、さらに模擬電流が流される所定ライン数が4本であるとすると、カウントされた走査ラインが、副走査方向における197〜200番目、801〜804番目のいずれかの走査ラインか否かが判定される。
ステップS190において、カウントされた走査ラインが枠X1,X2表示領域であると判定された場合(S190:Yes)、その走査ラインの主走査方向の走査において、上述したような模擬電流が光源に供給される。
すなわち、図5を用いて説明した往路方向の場合の例に倣うと、光走査位置が位置P2に達した時点で、模擬電流がONされる(S200)。そして、光走査位置が、位置P2から境界位置P1,P3を経て、位置P4に達するまで、光源への模擬電流の供給が行われる(S210、S220)。そして、上記のとおり1走査ラインの光走査が終了すると、次の走査ラインについてのカウントが行われる(S180、S130)。
他方、ステップS190において、カウントされた走査ラインが枠X1,X2表示領域ではない判定された場合(S190:No)、光源への電流はOFFされ、光源への電流供給が行われることなく、上記のとおり1走査ラインの光走査が終了すると、次の走査ラインについてのカウントが行われる(S180、S130)。
以上のように、光源への供給電流の制御が行われることにより、画像有効領域A1の4辺に沿って枠Y1,Y2及び枠X1,X2が形成され、画像有効領域A1の周囲を囲む額縁状の枠表示が形成される(図10参照)。これにより、上述したような画像の強調表示効果が得られる。
以下では、本実施形態に係るRSD1の変形例について説明する。まず、光源に供給される模擬電流の変形例について説明する。模擬電流は、上述したように、枠X1,X2を形成するため、副走査方向について、画像有効領域A1の前後の所定ライン数分の走査ラインで光源に供給される。
光源に供給される模擬電流は、上述したようにバイアス電流のオーバーシュートによる電流値の変化を、走査ラインごとに電流値を変化させることで模したものに限らず、バイアス電流のオーバーシュートによって変動する電流値の平均的な値であってもよい。つまり、本実施形態のRSD1では、模擬電流は、バイアス電流の供給の開始にともなって、光走査位置が所定間隔d2の範囲にある間に光源部7に供給される電流の平均値の電流であってもよい。
この場合、図13に示すように、光源に供給される模擬電流として、所定の平均値Icの電流が用いられる。平均値Icは、図4に示すように光源への供給が開始されてからオーバーシュートするバイアス電流に関し、バイアス電流がONされてからオーバーシュートを経て電流値が安定するまでの時間t0により規定される所定間隔d2における平均的な電流値である。なお、図13において破線で示す波形は、オーバーシュートするバイアス電流の波形を表す。
模擬電流についての平均値Icは、例えばオーバーシュートするバイアス電流の所定間隔d2におけるピクセルごとの電流値の平均である。ただし、平均値Icは、バイアス電流がオーバーシュートしてから安定するまでの間に変化する電流値の平均であり、平均値Icについての平均としては、相加平均や相乗平均、あるいは時間平均や距離平均等、適宜の平均が採用される。
このような模擬電流が供給されることで画像有効領域A1に対して副走査方向の両側の付加領域として形成される枠X1,X2の輝度分布は、主走査方向の両側の付加領域である枠Y1,Y2の輝度分布の平均値となる。つまり、模擬電流による表示が、主走査方向におけるオーバーシュートによる輝度分布を平均させることで模したものであるため、枠X1,X2の幅方向の輝度分布は、枠Y1,Y2の幅方向の輝度分布の平均値として一定の値となる。
このように、枠X1,X2を形成するために光源に供給される模擬電流として、バイアス電流のオーバーシュートによる変化部分の平均値が用いられることにより、光源に模擬電流を供給するための電流制御の処理が簡単となる。例えば、模擬電流の電流値をあらかじめ所定の平均値Icとして設定しておくことにより、光源への模擬電流の供給にともなう電流制御において走査ラインごとに電流値を変化させる必要がなく、簡単な処理が実現できる。
また、模擬電流の電流値を走査ラインにかかわらず所定の平均値Icとすることにより、枠X1,X2の幅方向の輝度分布が一定となる。これにより、画像有効領域A1と画像無効領域A2との境界をより際立たせることができる。
次に、光源に供給されるバイアス電流の変形例について説明する。本実施形態に係るRSD1においては、バイアス電流は、上述したように、画像有効領域A1に対して枠Y1,Y2を形成するために利用される。バイアス電流は、ONされることにより、バイアス電流の値として設定される値Ibを大きく上回った後に安定するというオーバーシュートを生じさせる。このように、バイアス電流は、特に制御しない限り、ONされることで連続的に変化してオーバーシュートを発生させる。
そこで、本変形例では、バイアス電流がONされてから所定の値Ibに安定するまでの過程で、電流値が段階的に変化するようにバイアス電流が制御される。つまり、本変形例に係るRSD1では、制御部5は、光源へのバイアス電流の供給を開始した際、駆動信号供給回路8から光源部7に供給される電流を、所定の電流値まで段階的に上昇させる。
この場合、図14に示すように、光源に供給されるバイアス電流が、ONされてから時間t0の間に所定の電流値としての値Ibに達するまで、段階的に上昇させられる。図14では、バイアス電流は、2段階に上昇させられることで、値Ibまで達している。
このようにバイアス電流を所定の電流値まで段階的に上昇させる過程では、所定の値までの段階数は特に限定されない。つまり、駆動信号供給回路8により画素単位で各信号が生成される構成においては、小さくても画素ごとに段階的に電流値が変化させられることで、段階的なバイアス電流の上昇が実現される。
このように、枠Y1,Y2を形成するために利用されるバイアス電流を、所定の電流値まで段階的に上昇させることにより、バイアス電流が所定の電流値まで一度に上昇させる場合との比較において、バイアス電流の急激なオーバーシュートを回避することができる。
また、こうしたバイアス電流の電流値の段階的な制御は、上述したように枠X1,X2を形成するための模擬電流に、バイアス電流の電流値を合わせることを可能とする。つまり、模擬電流は、バイアス電流について現象として生じるオーバーシュートを、意図的に電流値を制御することで再現するものであるため、バイアス電流が意図的な電流値の制御のもとで変化させられることにより、模擬電流をバイアス電流に合わせることが容易となる。
このように、バイアス電流の電流値を段階的に制御することにより、枠X1,X2を形成するための模擬電流として、バイアス電流の変化態様を容易に再現することが可能となる。これにより、バイアス電流によって形成される枠Y1,Y2と模擬電流によって形成される枠X1,X2とで、幅方向の輝度分布を容易にそろえることができる。枠Y1,Y2と枠X1,X2とで幅方向の輝度分布がそろうことにより、枠Y1,Y2と枠X1,X2とで形成される4辺の枠表示の一体感を増すことができ、画像有効領域A1と画像無効領域A2との境界をより際立たせることができる。
以上説明したように、本実施形態に係るRSD1によれば、以下の効果が期待できる。
(1)本実施形態に係るRSD1は、画像信号5Sに応じた強度のレーザ光を出射する光源部7と、水平方向(主走査方向)に相対的に高速にレーザ光を走査する水平走査部32、及び主走査方向に直交する垂直方向(副走査方向)に相対的に低速にレーザ光を走査する垂直走査部34を有し、光源部7から出射されたレーザ光を2次元走査する走査部と、走査部で走査されたレーザ光を投射対象である観察者の眼10の網膜10bに投射する投射部と、画像信号5Sに応じた駆動電流、及び光源部7を待機状態とするためのバイアス電流を、光源部7に供給させる駆動信号供給回路8と、駆動信号供給回路8による駆動電流及びバイアス電流の供給を制御する制御部5と、を備える。そして、制御部5は、水平走査部32による主走査方向のレーザ光の走査過程で、光走査位置が、画像信号5Sに応じた画像表示が行われない無効走査範囲Za2から画像表示が行われる有効走査範囲Za1に切り替わる位置(点PB1)から所定間隔d2前の位置(点PA1)に達した時に、駆動信号供給回路8によるバイアス電流の供給を開始し、光走査位置が、有効走査範囲Za1から無効走査範囲Za2に切り替わる位置(点PC1)から所定間隔d2後の位置(点PD1)に達した時に、駆動信号供給回路8によるバイアス電流の供給を停止する。これにより、画像有効領域A1と画像無効領域A2との区別が明確となり画像を強調して表示することができるとともに、消費電力を削減することができる。
(2)また、本実施形態のRSD1においては、制御部5は、垂直走査部34による副走査方向のレーザ光の走査過程で、光走査位置が、無効走査範囲Zb2から有効走査範囲Zb1に切り替わる境界位置LB1から水平走査部32による主走査方向の走査ラインの所定ライン数前の位置LA1までの範囲、及び有効走査範囲Zb1から無効走査範囲Zb2に切り替わる境界位置LC1から走査ラインの所定ライン数後の位置LD1までの範囲にある場合に、バイアス電流の供給を開始した際に駆動信号供給回路8から光源部7に供給される電流を模した模擬電流を、駆動信号供給回路8から光源部7に供給させる。これにより、画像有効領域A1の4辺に沿って画像有効領域A1の周囲を囲む額縁状の枠表示が形成され、主走査方向及び副走査方向のいずれについても画像有効領域A1と画像無効領域A2との境界が際立ち、より画像を強調して表示することができる。
(3)また、本実施形態のRSD1においては、制御部5は、バイアス電流の供給を開始した際、駆動信号供給回路8から光源部7に供給される電流を、所定の電流値まで段階的に上昇させる。これにより、模擬電流をバイアス電流に合わせることが容易となり、画像有効領域A1と画像無効領域A2との境界をより際立たせることができる。
(4)また、本実施形態のRSD1においては、前記模擬電流は、バイアス電流の供給の開始にともなって、光走査位置が所定間隔d2の範囲にある間に光源部7に供給される電流の平均値の電流である。これにより、光源に模擬電流を供給するための電流制御の処理が簡単となる。
(5)また、本実施形態のRSD1においては、前記模擬電流は、バイアス電流の供給を開始した際に駆動信号供給回路8から光源部7に供給される電流の主走査方向についての分布を、副走査方向に対応させて模した電流である。これにより、画像有効領域A1と画像無効領域A2との境界をより際立たせることができ、画像を強調して表示することができる。
(6)また、本実施形態のRSD1は、投射対象を、観察者の少なくとも一方の眼10の網膜10bとし、走査部によって走査されたレーザ光を、投射部により網膜10bに入射して、画像を表示する。これにより、効果的に、画像有効領域A1と画像無効領域A2との区別を明確として画像を強調して表示することができる。
1 RSD(走査型画像表示装置)
2 コントロールユニット
5 制御部(電流制御部)
5S 画像信号
7 光源部
8 駆動信号供給回路(電流供給部)
10 眼
10b 網膜
15 ハーフミラー
32 水平走査部(高速走査部)
34 垂直走査部(低速走査部)
35 第2リレー光学系
38 レンズ系
39 レンズ系

Claims (5)

  1. 画像信号に応じた強度の光束を出射する光源部と、
    第1の方向に相対的に高速に光束を走査する高速走査部、及び前記第1の方向に直交する第2の方向に相対的に低速に光束を走査する低速走査部を有し、前記光源部から出射された光束を2次元走査する走査部と、
    前記走査部で走査された光束を投射対象に投射する投射部と、
    前記画像信号に応じた画像表示用電流、及び前記光源部を待機状態とするためのバイアス電流を、前記光源部に供給させる電流供給部と、
    前記電流供給部による前記画像表示用電流及び前記バイアス電流の供給を制御する電流制御部と、を備え、
    前記電流制御部は、
    前記高速走査部による前記第1の方向の光束の走査過程で、
    光束の走査位置が、前記画像信号に応じた画像表示が行われない無効走査範囲から前記画像表示が行われる有効走査範囲に切り替わる位置から所定間隔前の位置に達した時に、前記電流供給部による前記バイアス電流の供給を開始し、
    光束の走査位置が前記所定間隔の範囲にある間に前記バイアス電流にオーバーシュートを生じさせ、
    光束の走査位置が前記無効走査範囲から前記有効走査範囲に切り替わる時に前記バイアス電流の設定値に収束するように前記バイアス電流を供給し、
    光束の走査位置が、前記有効走査範囲から前記無効走査範囲に切り替わる位置から所定間隔後の位置に達した時に、前記電流供給部による前記バイアス電流の供給を停止する、
    走査型画像表示装置。
  2. 前記電流制御部は、
    前記低速走査部による前記第2の方向の光束の走査過程で、
    光束の走査位置が、前記無効走査範囲から前記有効走査範囲に切り替わる位置から前記高速走査部による前記第1の方向の走査ラインの所定ライン数前の位置までの範囲にある場合に、前記オーバーシュートによるピーク時の電流値と同等の第1電流値まで電流値が走査ラインごとに上昇し且つ前記第1電流値まで電流値が上昇した後は電流値が走査ラインごとに前記第1電流値よりも下がる模擬電流を、前記電流供給部から前記光源部に供給させ、
    前記有効走査範囲から前記無効走査範囲に切り替わる位置から前記走査ラインの所定ライン数後の位置までの範囲にある場合に、前記第1電流値まで電流値が走査ラインごとに上昇し且つ前記第1電流値まで電流値が上昇した後は電流値が走査ラインごとに前記第1電流値よりも下がる模擬電流を、前記電流供給部から前記光源部に供給させる、
    請求項1に記載の走査型画像表示装置。
  3. 前記電流制御部は、前記バイアス電流の供給を開始した際、前記電流供給部から前記光源部に供給される電流を、所定の電流値まで段階的に上昇させる、
    請求項1または請求項2に記載の走査型画像表示装置。
  4. 前記電流制御部は、
    前記低速走査部による前記第2の方向の光束の走査過程で、
    光束の走査位置が、前記無効走査範囲から前記有効走査範囲に切り替わる位置から前記高速走査部による前記第1の方向の走査ラインの所定ライン数前の位置までの範囲、及び、前記有効走査範囲から前記無効走査範囲に切り替わる位置から前記走査ラインの所定数ライン後の位置までの範囲にある場合に、前記バイアス電流の供給の開始にともなって、光束の走査位置が前記所定間隔の範囲にある間に前記光源部に供給される電流の平均値の電流を前記電流供給部から前記光源部に供給させる
    請求項1に記載の走査型画像表示装置。
  5. 前記投射対象を、観察者の少なくとも一方の眼の網膜とし、前記走査部によって走査された光束を、前記投射部により前記網膜に入射して、画像を表示する、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の走査型画像表示装置。
JP2010223128A 2010-09-30 2010-09-30 走査型画像表示装置 Expired - Fee Related JP5263252B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010223128A JP5263252B2 (ja) 2010-09-30 2010-09-30 走査型画像表示装置
PCT/JP2011/071840 WO2012043452A1 (ja) 2010-09-30 2011-09-26 走査型画像表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010223128A JP5263252B2 (ja) 2010-09-30 2010-09-30 走査型画像表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012078533A JP2012078533A (ja) 2012-04-19
JP5263252B2 true JP5263252B2 (ja) 2013-08-14

Family

ID=45892898

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010223128A Expired - Fee Related JP5263252B2 (ja) 2010-09-30 2010-09-30 走査型画像表示装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5263252B2 (ja)
WO (1) WO2012043452A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6100080B2 (ja) * 2013-05-08 2017-03-22 株式会社東芝 プロジェクタ及び携帯端末
JP6209456B2 (ja) * 2013-05-31 2017-10-04 株式会社Qdレーザ 画像投影装置及び投射装置
JP6822039B2 (ja) * 2015-10-05 2021-01-27 船井電機株式会社 投射装置
JP6691369B2 (ja) * 2015-10-21 2020-04-28 株式会社日立エルジーデータストレージ レーザ投射表示装置およびレーザ光源の駆動方法
JP7058912B2 (ja) * 2018-03-19 2022-04-25 矢崎総業株式会社 ヘッドアップディスプレイ装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0530314A (ja) * 1991-07-25 1993-02-05 Canon Inc 画像形成装置
JP2009086366A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Brother Ind Ltd 光走査装置、光走査型画像表示装置及び網膜走査型画像表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2012043452A1 (ja) 2012-04-05
JP2012078533A (ja) 2012-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2112832B1 (en) Image display device
JP5195942B2 (ja) 走査型画像表示装置
JP4929738B2 (ja) 光走査装置、光走査装置の制御方法及び画像表示装置
JP5263252B2 (ja) 走査型画像表示装置
JP5348036B2 (ja) 表示装置
JP5316346B2 (ja) 網膜走査型画像表示装置
US20120188623A1 (en) Scanning image display device and method of controlling the same
US20100177285A1 (en) Optical scanning device, optical scanning image display device and retinal scanning display
JP4840175B2 (ja) 画像表示装置
JP6582237B2 (ja) 画像表示装置
JP5076427B2 (ja) 画像表示装置および画像サイズ変更方法
WO2015044995A1 (ja) 表示装置
JP2018156062A (ja) 表示装置、物体装置及び表示方法
JP6137006B2 (ja) 画像表示装置および画像表示方法
JP5083452B2 (ja) 光走査装置、光走査装置の制御方法及び画像表示装置
JP4935607B2 (ja) 画像表示装置
WO2015194377A1 (ja) 光源駆動装置及び画像表示装置
JP6311823B2 (ja) 画像表示装置および画像表示方法
JP2011069902A (ja) 画像表示装置
WO2010103974A1 (ja) 画像表示装置
JP2011075958A (ja) 画像表示装置
WO2016135796A1 (ja) 画像描画装置、ヘッドアップディスプレイ及び画像輝度調整方法
JP2011164121A (ja) 画像表示装置
JP2017079132A (ja) 光出力制御ユニット、及び光投射装置
JP2014106378A (ja) 画像表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130415

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees