JP5260835B2 - 芳香族アミン類およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、芳香族アミン類およびその製造方法に関するものである。
芳香族アミン類は、医農薬や電子材料等の重要な中間体であり、なかでも窒素原子上に含フッ素置換基をもつ化合物は、特異な生理活性や物性が発現することが期待される。このような芳香族アミン類の中で、N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アミノ基をもつものは、これまでにアニリンと1,1,1−トリフルオロアセトンの脱水縮合により製造されるN−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが知られているのみである(非特許文献1)。しかしこの製法では、室温、2日間の反応で目的物の収率は25%と低く、工業的製法としては問題がある。また、置換アニリン類や他の芳香族アミン類への応用はこれまでに報告がない。
Izvestiya Akademii Nauk USSR,Seriya Khimicheskaya,第3巻,450ページ,1965年
本発明は、芳香族N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アミン類およびそれらの簡便で効率の良い製造方法を開発することを目的とする。
本発明者らは、先の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、パラジウム触媒と塩基の存在下に、芳香族アミン類と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンから芳香族N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アミン類が高収率で得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、一般式(1
Figure 0005260835
[式中、Arはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、チエニル基、インドール基、またはベンゾチアゾリル基を示し、これらの芳香族基は、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数2から4のアルケニル基、アルキル基がハロゲン原子で1つ以上置換されていてもよい炭素数2から5のアシル基、及びアルキル基がハロゲン原子で1つ以上置換されていてもよい炭素数2から5のアルコキシカルボニル基からなる群より選ばれる置換基を有してもよい。nは1または2を示す。Xは、式(2)
Figure 0005260835
で表される(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アミノ基、または式(2)の互変異性体である式(3)
Figure 0005260835
で表される(1−トリフルオロメチルビニル)アミノ基を示す。ただし、nが2のときは、Xは同一または相異なっていても良い。]で表されることを特徴とする芳香族アミン類[ただし、N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンを除く]である。
また本発明は、一般式(4)
Figure 0005260835
[式中、Arはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピロリル基、チエニル基、フリル基、オキサゾリル基、イソオキザゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾフリル基またはプリン基を示し、これらの芳香族基はハロゲン原子で1個以上置換されていてもよい炭素数1から4のアルキル基、ハロゲン原子で1個以上置換されていてもよい炭素数2から4のアルケニル基、ハロゲン原子で1個以上置換されていてもよい炭素数2から4のアルキニル基、ハロゲン原子で1つ以上置換されていてもよい炭素数1から4のアルコキシ基、アルキル基がハロゲン原子で1つ以上置換されていてもよい炭素数2から5のアシル基、アルキル基がハロゲン原子で1つ以上置換されていてもよい炭素数2から5のアルコキシカルボニル基、アルキル基がハロゲン原子で1つ以上置換されていてもよい炭素数1から4のアルキルアミノ基、アルキル基がハロゲン原子で1つ以上置換されていてもよい炭素数1から4のジアルキルアミノ基、シアノ基、水酸基またはハロゲン原子からなる群より選ばれる置換基を有してもよい。nは1または2を示す。]で表される芳香族アミン化合物と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンをパラジウム触媒と塩基の存在下に反応させることを特徴とする、一般式(1)
Figure 0005260835
[式中、Arはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピロリル基、チエニル基、フリル基、オキサゾリル基、イソオキザゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾフリル基またはプリン基を示し、これらの芳香族基はハロゲン原子で1個以上置換されていてもよい炭素数1から4のアルキル基、ハロゲン原子で1個以上置換されていてもよい炭素数2から4のアルケニル基、ハロゲン原子で1個以上置換されていてもよい炭素数2から4のアルキニル基、ハロゲン原子で1つ以上置換されていてもよい炭素数1から4のアルコキシ基、アルキル基がハロゲン原子で1つ以上置換されていてもよい炭素数2から5のアシル基、アルキル基がハロゲン原子で1つ以上置換されていてもよい炭素数2から5のアルコキシカルボニル基、アルキル基がハロゲン原子で1つ以上置換されていてもよい炭素数1から4のアルキルアミノ基、アルキル基がハロゲン原子で1つ以上置換されていてもよい炭素数1から4のジアルキルアミノ基、シアノ基、水酸基またはハロゲン原子からなる群より選ばれる置換基を有してもよい。nは1または2を示す。は下記式(2)または式(3)で表される置換基を示す。ただし、nが2のときは、Xは同一または相異なっていても良い。
Figure 0005260835
Figure 0005260835
で表される(1−トリフルオロメチルビニル)アミノ基を示す。]で表される芳香族アミン類の製造方法である。以下に本発明をさらに詳細に説明する。



Arで表される芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピロリル基、チエニル基、フリル基、オキサゾリル基、イソオキザゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾフリル基またはプリン基等が例示できる。中でも、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピリジル基、チエニル基、インドリル基またはベンゾチアゾリル基が収率が良い点で好ましい。
これらの芳香族基は、炭素数1から4のアルキル基、炭素数2から4のアルケニル基、炭素数2から4のアルキニル基、炭素数1から4のアルコキシ基、炭素数2から5のアシル基、炭素数2から5のアルコキシカルボニル基、炭素数1から4のアルキルアミノ基、炭素数1から4のジアルキルアミノ基、シアノ基、水酸基またはハロゲン原子で1個以上置換されていても良い。
芳香族基の置換基としての炭素数1から4のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基またはシクロプロピルメチル基等が例示できる。
またこれらのアルキル基はハロゲン原子で1個以上置換されていても良く、具体的には、クロロメチル基、2−クロロエチル基、3−クロロプロピル基、ジフルオロメチル基、3−フルオロプロピル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基または2,2,2−トリクロロエチル基等が例示できる。
芳香族基の置換基としての炭素数2から4のアルケニル基としては具体的には、ビニル基、1−メチルビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、3−ブテニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−エチルビニル基、2−ブテニル基または1,3−ブタンジエニル基等が例示できる。
またこれらのアルケニル基はハロゲン原子で1個以上置換されていても良く、具体的には、1−(クロロメチル)ビニル基、1−(ジフルオロメチル)ビニル基、1−(トリフルオロメチル)ビニル基、2−クロロメチル−2−プロペニル基、2−ジフルオロメチル−プロペニル基、2−トリフルオロメチル−2−プロペニル基、1−(2−クロロエチル)ビニル基、1−(2−フルオロエチル)ビニル基、1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ビニル基または1−(2,2,2−トリクロロエチル)ビニル基等が例示できる。
芳香族基の置換基としての炭素数2から4のアルキニル基としては具体的には、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基または3−ブチニル基等が例示できる。
これらのアルキニル基はハロゲン原子で1個以上置換されていても良く、具体的には、3−クロロ−1−プロペニル基、3,3−ジフルオロ−1−プロペニル基、3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル基、4−クロロ−1−ブチニル基、4−フルオロ−1−ブチニル基、4,4−ジフルオロ−1−ブチニル基、4,4,4−トリフルオロ−1−ブチニル基、4−クロロ−2−ブチニル基、4,4−ジフルオロ−2−ブチニル基または4,4,4−トリフルオロ−2−ブチニル基等が例示できる。
芳香族基の置換基としての炭素数1から4のアルコキシ基としては具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、シクロブチルオキシ基またはシクロプロピルメチルオキシ基等が例示できる。
またこれらのアルコキシ基はハロゲン原子で1つ以上置換されていてもよく、具体的には、クロロメトキシ基、2−クロロエトキシ基、3−クロロプロポキシ基、ジフルオロメトキシ基、3−フルオロプロポキシ基、トリフルオロメトキシ基、2−フルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基または2,2,2−トリクロロエトキシ基等が例示できる。
芳香族基の置換基としての炭素数2から5のアシル基としては具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、sec−ブチルカルボニル基またはピバロイル基等が例示できる。
またこれらのアルキルカルボニル基は、アルキル基がハロゲン原子で1つ以上置換されていても良く、具体的には、2−クロロエチルカルボニル基、3−クロロプロピルカルボニル基、ジフルオロメチルカルボニル基、3−フルオロプロピルカルボニル基、トリフルオロメチルカルボニル基、2−フルオロエチルカルボニル基、2,2,2−トリフルオロエチルカルボニル基または2,2,2−トリクロロエチルカルボニル基等が例示できる。
芳香族基の置換基としての炭素数2から5のアルコキシカルボニル基としては具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、sec−ブチルオキシカルボニル基またはtert−ブチルオキシカルボニル基等が例示できる。
またこれらのアルコキシカルボニル基は、アルキル基がハロゲン原子で1つ以上置換されていても良く、具体的には、2−クロロエトキシカルボニル基、3−クロロプロピルオキシカルボニル基、ジフルオロメトキシカルボニル基、3−フルオロプロピルオキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、2−フルオロエトキシカルボニル基、2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル基または2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基等が例示できる。
芳香族基の置換基としての炭素数1から4のアルキルアミノ基としては具体的には、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基またはtert−ブチルアミノ基等が例示できる。
またこれらのアルキル基はハロゲン原子で1つ以上置換されていても良く、具体的には、クロロメチルアミノ基、2−クロロエチルアミノ基、3−クロロプロピルアミノ基、ジフルオロメチルアミノ基、3−フルオロプロピルアミノ基、トリフルオロメチルアミノ基、2−フルオロエチルアミノ基、2,2,2−トリフルオロエチルアミノ基または2,2,2−トリクロロエチルアミノ基等が例示できる。
芳香族基の置換基としてのアルキル基が炭素数1から4のジアルキルアミノ基としては具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基またはsec−ブチルアミノ基等が例示できる。
またこれらのアルキル基はハロゲン原子で1つ以上置換されていても良く、具体的には、ジ(クロロメチル)アミノ基、ジ(2−クロロエチル)アミノ基、ジ(3−クロロプロピル)アミノ基、ビス(ジフルオロメチル)アミノ基、ジ(3−フルオロプロピル)アミノ基、ビス(トリフルオロメチル)アミノ基、ジ(2−フルオロエチル)アミノ基、ジ(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ基またはジ(2,2,2−トリクロロエチル)アミノ基等が例示できる。
芳香族基の置換基としてのハロゲン原子としては具体的には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が例示できる。
本発明で用いることのできるパラジウム触媒としては、パラジウム黒、パラジウムスポンジ等のパラジウム金属が例示でき、また、パラジウム/アルミナ、パラジウム/炭素、パラジウム/シリカ、パラジウム/Y型ゼオライト、パラジウム/A型ゼオライト、パラジウム/X型ゼオライト、パラジウム/モルデナイト、パラジウム/ZSM−5等の担持パラジウム金属も例示できる。また、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、硝酸パラジウム、酸化パラジウム、硫酸パラジウム、シアン化パラジウム、ナトリウムヘキサクロロパラデート、カリウムヘキサクロロパラデート、ナトリウムテトラクロロパラデート、カリウムテトラクロロパラデート、カリウムテトラブロモパラデート、アンモニウムテトラクロロパラデート、アンモニウムヘキサクロロパラデート等の金属塩を例示できる。
さらに、π−アリルパラジウムクロリドダイマー、パラジウムアセチルアセトナト、ホウフッ化テトラ(アセトニトリル)パラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ジクロロジアンミンパラジウム、硝酸テトラアンミンパラジウム、テトラアンミンパラジウムテトラクロロパラデート、ジクロロジピリジンパラジウム、ジクロロ(2,2’−ビピリジル)パラジウム、ジクロロ(フェナントロリン)パラジウム、硝酸(テトラメチルフェナントロリン)パラジウム、硝酸ジフェナントロリンパラジウム、硝酸ビス(テトラメチルフェナントロリン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]パラジウム、ジクロロ[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウムおよびジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム等の錯化合物を例示できる。
パラジウム触媒は、これらの金属、担持金属、金属塩および錯化合物のいずれでも良いが、収率が良い点で、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、π−アリルパラジウムクロリドダイマー、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]パラジウム、ジクロロ[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウム、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム、パラジウム/アルミナおよびパラジウム/炭素が望ましく、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムがさらに望ましい。
これらのパラジウム触媒は単独で用いても良いが、さらに三級ホスフィンと組合わせて用いても良い。用いることのできる三級ホスフィンとしては、例えばトリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリネオペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリス(ヒドロキシメチル)ホスフィン、トリス(2−ヒドロキシエチル)ホスフィン、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィン、トリス(2−シアノエチル)ホスフィン、(+)−1,2−ビス[(2R,5R)−2,5−ジエチルホスホラノ]エタン、トリアリルホスフィン、トリアミルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、プロピルジフェニルホスフィン、イソプロピルジフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィン、イソブチルジフェニルホスフィン、tert−ブチルジフェニルホスフィン等があげられる。
また9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン、2−(ジフェニルホスフィノ)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、(R)−(+)−2−(ジフェニルホスフィノ)−2’−メトキシ−1,1’−ビナフチル、(−)−1,2−ビス[(2R,5R)−2,5−ジメチルホスホラノ]ベンゼン、(+)−1,2−ビス[(2S,5S)−2,5−ジメチルホスホラノ]ベンゼン、(−)−1,2−ビス((2R,5R)−2,5−ジエチルホスホラノ)ベンゼン、(+)−1,2−ビス[(2S,5S)−2,5−ジエチルホスホラノ]ベンゼン、1,1’−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)フェロセン、(−)−1,1’−ビス[(2S,4S)−2,4−ジエチルホスホラノ]フェロセン、(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン、(+)−1,2−ビス[(2R,5R)−2,5−ジ−イソプロピルホスホラノ]ベンゼン、(−)−1,2−ビス[(2S,5S)−2,5−ジ−イソプロピルホスホラノ]ベンゼンなどがあげられる。
また、(±)−2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’−メチルビフェニル、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジペンタフルオロフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、(2R,3R)−(−)−2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン、(2S,3S)−(+)−2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン、(2S,3S)−(−)−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、cis−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エチレン、ビス(2−ジフェニルホスフィノエチル)フェニルホスフィン等があげられる。
また、(2S,4S)−(−)−2,4−1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、(2R,4R)−(−)−2,4−1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、R−(+)−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、(2S,3S)−(+)−1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)−2,3−O−イソプロピリデン−2,3−ブタンジオール、トリ(2−フリル)ホスフィン、トリ(1−ナフチル)ホスフィン、トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィン、トリス(3−クロロフェニル)ホスフィン、トリス(4−クロロフェニル)ホスフィン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(3−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(4−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6−トリメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、トリス[4−(ペルフルオロへキシル)フェニル]ホスフィン等があげられる。
またトリス(2−チエニル)ホスフィン、トリス(m−トリル)ホスフィン、トリス(o−トリル)ホスフィン、トリス(p−トリル)ホスフィン、トリス(4−トリフルオロメチルフェニル)ホスフィン、トリ(2,5−キシリル)ホスフィン、トリ(3,5−キシリル)ホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、(R)−(+)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、(S)−(−)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、(±)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル、(S)−(+)−4,12−ビス(ジフェニルホスフィノ)−[2.2]−パラシクロファン、(R)−(−)−4,12−ビス(ジフェニルホスフィノ)−[2.2]−パラシクロファン、(R)−(+)−2,2’−ビス(ジ−p−トリルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、(S)−(−)−2,2’−ビス(ジ−p−トリルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、ビス(2−メトキシフェニル)フェニルホスフィン等があげられる。
また、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、(1R,2R)−(+)−N,N’−ビス(2’−ジフェニルホスフィノベンゾイル)−1,2−ジアミノシクロヘキサン、(1S,2S)−(+)−N,N’−ビス(2’−ジフェニルホスフィノベンゾイル)−1,2−ジアミノシクロヘキサン、(±)−N,N’−ビス(2’−ジフェニルホスフィノベンゾイル)−1,2−ジアミノシクロヘキサン、(1S,2S)−(−)−N,N’−ビス(2−ジフェニルホスフィノ−1−ナフトイル)−1,2−ジアミノシクロヘキサン、(1R,2R)−(+)−N,N’−ビス(2−ジフェニルホスフィノ−1−ナフトイル)−1,2−ジアミノシクロヘキサン、(±)−N,N’−ビス(2−ジフェニルホスフィノ−1−ナフトイル)ジアミノシクロヘキサン、トリス(ジエチルアミノ)ホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)アセチレン、ビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル、(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジフェニルホスフィン等があげられる。
また(R)−(−)−1−[(S)−2−(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ−tert−ブチルホスフィン、ビス(p−スルホナトフェニル)フェニルホスフィン二カリウム塩、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、(S)−(−)−1−(2−ジフェニルホスフィノ−1−ナフチル)イソキノリン、トリス(トリメチルシリル)ホスフィン、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’−メチルビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニルおよび2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル等が例示できる。
用いられる三級ホスフィンは、上記の三級ホスフィンのいずれでも良いが、収率が良い点で、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、(R)−(+)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、(S)−(−)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルおよび(±)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルが望ましい。
中でも、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、(R)−(+)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、(S)−(−)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル,(±)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’−メチルビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニルおよび2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニルがさらに望ましい。
パラジウム触媒の使用量は、芳香族アミン類(4)に対して0.01〜50モル%が好ましく、1〜20モル%がさらに好ましい。
三級ホスフィンの使用量は、パラジウム化合物に対して、1〜50000モル%が好ましく、10〜1000モル%がさらに好ましい。
本反応で用いることのできる塩基としては例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジブチルアミン、ピペリジン、ピリジン等の有機塩基や、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基を挙げることができる。収率が良い点で無機塩基が望ましく、炭酸セシウム、リン酸カリウム、ナトリウム−tert−ブトキシドがさらに望ましい。
塩基の使用量は、芳香族アミン類(4)に対して、10〜5000モル%が望ましく、100〜500モル%がさらに望ましい。
本反応では、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンそのものを用いても良いが、1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパンにトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジブチルアミン、ピペリジン、ピリジン等の有機塩基を作用させて反応系内で2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンを発生させ、これを用いても良い。有機塩基の量は、1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパンに対して、100〜1000モル%が望ましく、100〜300モル%がさらに望ましい。
2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンまたは1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパンの使用量は、芳香族アミン類(4)に対して、100〜1000モル%が望ましく、100〜250モル%がさらに望ましい。芳香族アミン類(4)でnが2の場合は、これらの2倍量用いれば良い。
本反応は溶媒中で実施することができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、ジクロロメタン、テトラクロロエタン、アセトニトリル、酢酸エチル等を用いることができる。中でも収率が良い点でトルエンが望ましい。
反応温度には特に制限はないが、−10℃から溶媒還流温度の範囲から適宜選ばれた温度で行うことが好ましい。また反応時間は、反応温度にもよるが、10分から48時間である。
反応後の溶液から目的物を単離する方法に特に限定はないが、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー、再結晶または昇華等の汎用的な方法で目的物を得ることができる。
本発明は、医農薬や電子材料等の有用な中間体として期待される芳香族N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アミン類およびその効率的な製造方法を提供するだけでなく、他の含フッ素芳香族イミン誘導体の効率的な製造方法としても有効である。
次に本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、アニリン93.1mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.2mmol)及び内部標準としてヘキサデカンを加えた。これを110℃で12時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、GC分析によりN−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが99%収率で生成していることを確認した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製することにより、黄色油状の目的物を得た(92%、172mg)。
H−NMR(CDCl,ppm):δ2.02(q,JHF=0.4Hz,3H),6.79(dt,JHH=8.4Hz,JHH=1.1Hz,2H),7.18(tt,JHH=7.5Hz,JHH=1.1Hz,1H),7.36−7.39(m,2H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ14.4,118.6,119.7(q,JCF=278.3Hz),125.2,129.2,147.6,157.4(q,JCF=34.0Hz).
19F−NMR(CDCl,ppm):−75.0(JFH=0.4Hz).
MS:M/z=187(分子量ピーク)。
(実施例2)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン55.5mg(0.10mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、アニリン93.1mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.2mmol)及び内部標準としてヘキサデカンを加えた。これを110℃で12時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、実施例1と同様のGC分析によりN−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが92%収率で生成していることを確認した。
(実施例3)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン111mg(0.20mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、アニリン93.1mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.2mmol)及び内部標準としてヘキサデカンを加えた。これを110℃で12時間加熱し撹拌した。反応終了後、セライトろ過し、実施例1と同様のGC分析によりN−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが89%収率で生成していることを確認した。
(実施例4)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン86.8mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、アニリン93.1mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.2mmol)及び内部標準としてヘキサデカンを加えた。これを110℃で12時間加熱し撹拌した。反応終了後、セライトろ過し、実施例1と同様のGC分析によりN−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが83%収率で生成していることを確認した。
(実施例5)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、ジフェニルホスフィノブタン64.0mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、アニリン93.1mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.2mmol)及び内部標準としてヘキサデカンを加えた。これを110℃で12時間加熱し撹拌した。反応終了後、セライトろ過し、実施例1と同様のGC分析によりN−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが80%収率で生成していることを確認した。
(実施例6)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、(±)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル93.4mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、アニリン93.1mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.2mmol)及び内部標準としてヘキサデカンを加えた。これを110℃で12時間加熱し撹拌した。反応終了後、セライトろ過し、実施例1と同様のGC分析によりN−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが78%収率で生成していることを確認した。
(実施例7)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド115mg(1.2mmol)、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル44.8mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、アニリン93.1mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.2mmol)及び内部標準としてヘキサデカンを加えた。これを110℃で12時間加熱し撹拌した。反応終了後、セライトろ過し、実施例1と同様のGC分析によりN−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが26%収率で生成していることを確認した。
(実施例8)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、リン酸カリウム255mg(1.2mmol)、(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、アニリン93.1mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.2mmol)及び内部標準としてヘキサデカンを加えた。これを110℃で12時間加熱し撹拌した。反応終了後、セライトろ過し、実施例1と同様のGC分析によりN−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが26%収率で生成していることを確認した。
(実施例9)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、2−クロロアニリン129mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより2−クロロ−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが生成率99%で生成していることを確認した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=4:1)で精製することにより、黄色油状の目的物を得た(収率55%、121mg)。
H−NMR(CDCl,ppm):δ1.99(s,3H),6.78(dd,JHH=7.8Hz,JHH=1.4Hz,1H),7.18(ddd, JHH=7.8Hz,JHH=7.8Hz,JHH=1.4Hz,1H),7.27(ddd,JHH=7.8Hz,JHH=7.8Hz,JHH=1.4Hz,1H),7.42(dd,JHH=7.8Hz,JHH=1.4Hz,1H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ15.2,119.5(q,JCF=278.5Hz),119.6,122.8,126.0,127.6, 130.2,144.8,160.0(q,JCF=34.4Hz).
19F−NMR(CDCl,ppm):−74.9。
(実施例10)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、3−クロロアニリン127mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより3−クロロ−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが生成率95%で生成していることを確認した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=4:1)で精製することにより、黄色油状の目的物を得た(収率77%、169mg)。
H−NMR(CDCl,ppm):δ2.04(s,CH),6.66−6.69(m,1H),6.81(dd,JHH=2.0Hz,JHH=2.0 Hz,1H),7.14−7.18(m,1H),7.31(dd,JHH=8.0Hz,JHH=8.0Hz,1H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ14.6,116.9,118.8,119.3(q,JCF=276.8Hz),125.2,130.4,135.0,148.7,158.5(q,JCF=34.0Hz).
19F−NMR(CDCl,ppm):−74.9。
(実施例11)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、2−ブロモアニリン175.0mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより2−ブロモ−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが生成率90%で生成していることを確認した。
H−NMR(CDCl,ppm):δ1.98(s, 3H),6.75(dd,JHH=7.9 Hz,JHH=1.6 Hz,1H),7.01−7.05(m,1H),7.29−7.34 (m,1H),7.60(dd,JHH=8.1Hz,JHH=1.3Hz,1H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ15.2,112.3,119.3,119.6(q,JCF=278.5Hz),126.2,128.3,133.3,146.3,159.8(q,JCF=34.4Hz).
19F−NMR(CDCl,ppm):−74.9。
(実施例12)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、4−ブロモアニリン171.0mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより4−ブロモ−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが生成率63%で生成していることを確認した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=4:1)で精製することにより、黄色油状の目的物を得た(収率52%、138mg)。
H−NMR(CDCl,ppm):δ2.03(s,3H),6.68(d,JHH=8.6Hz,2H),7.50(d,JHH=8.6 Hz,2H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ14.5,118.5,119.6(q,JCF=278.4Hz),120.7,132.3,146.5,158.2(q,JCF=34.1Hz).
19F−NMR(CDCl,ppm):−75.0。
(実施例13)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、4−フルオロアニリン111.0mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより4−フルオロ−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが生成率94%で生成していることを確認した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=4:1)で精製することにより、黄色油状の目的物を得た(収率80%、163mg)。
H−NMR(CDCl,ppm):δ2.04(s,3H),6.75−6.80(m,2H),7.08(dd,JHH=8.6Hz,JHF=8.5Hz,2H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ14.4,116.1(d,JCF=22.7Hz),119.7(q,JCF=278.3Hz),120.6(d,JCF=8.2Hz),143.5(d,JCF=2.9Hz),158.0(q,JCF=34.0Hz),160.5(d,JCF=244.1Hz).
19F−NMR(CDCl,ppm):−75.0,−118.4(tt,JFH=8.5Hz,4.8Hz)。
(実施例14)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、2−トルイジン114mg(1.1mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより2−メチル−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが生成率99%で生成していることを確認した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=4:1)で精製することにより、黄色油状の目的物を得た(収率59%、126mg)。
H−NMR(CDCl3,ppm):δ1.96(s,3H),2.08(s,3H),6.60(d,JHH=7.7Hz,1H),7.07(dd,JHH=7.5 Hz,JHH=7.5Hz,1H),7.18(dd,JHH=7.7Hz,JHH=7.5Hz,1H),7.22(d,JHH=7.5Hz,1H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ14.5,17.3,117.4,120.0(q,JCF=278.4Hz),125.1,126.5,126.9,130.8,146.4,157.3(q,JCF=33.8Hz).
19F−NMR(CDCl,ppm):−74.8。
(実施例15)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、4−トルイジン107mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより4−メチル−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが生成率61%で生成していることを確認した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=4:1)で精製することにより、黄色油状の目的物を得た(収率44%、87.5mg)。
H−NMR(CDCl,ppm):δ2.03(s,3H),2.35(s,3H),6.70(d,JHH=8.2 Hz,2H),7.17(d,JHH=8.2Hz,2H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ14.3,20.9,119.0,119.9(q,JCF=278.2Hz),129.7,134.9,144.9,157.1(q,JCF=33.8Hz).
19F−NMR(CDCl,ppm):−74.9。
(実施例16)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、4−アニシジン123.5mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより4−メトキシ−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが生成率99%で生成していることを確認した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=4:1)で精製することにより、黄色油状の目的物を得た(収率59%、128mg)。
H−NMR(CDCl,ppm):δ2.07(s,3H),3.82(s,3H),6.71(d,JHH=9.0Hz,2H),6.85(d,JHH=9.0Hz,2H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ14.4,55.5,114.4,120.0(q,JCF=278.2Hz),120.9,140.4,156.8(q,JCF=33.8Hz),157.4.
19F−NMR(CDCl,ppm):−74.8。
(実施例17)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、2−トリフルオロメチルアニリン159mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより2−トリフルオロメチル−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが生成率38%で生成していることを確認した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=4:1)で精製することにより、黄色油状の目的物を得た(収率40%、99.9mg)。
H−NMR(CDCl,ppm):δ1.97(s,3H),6.73(d,JHH=7.8Hz,1H),7.26(dd,JHH=7.8Hz,JHH=7.7Hz,1H),7.54(dd,JHH=7.8Hz,JHH=7.7Hz,1H),7.68(d,JHH=7.8Hz,1H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ15.1,118.6,119.2(q,JCF=278.4Hz),119.3(q,JCF=31.2Hz),123.5(q,JCF=272.9Hz),124.9,126.8(q,JCF=5.1Hz),132.9,146.1,159.7(JCF=34.8Hz).
19F−NMR(CDCl,ppm):−75.4,−62.2。
(実施例18)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、3−トリフルオロメチルアニリン161mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより3−トリフルオロメチル−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが生成率99%で生成していることを確認した。
H−NMR(CDCl,ppm):δ2.04(s,3H),6.97(d,JHH=7.9Hz,1H),7.06(s,1H),7.45(d,JHH=7.8Hz,1H),7.50(dd,JHH=7.9Hz,JHH=7.8Hz,1H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ14.6,115.7(q,JCF=3.8Hz),119.5(q,JCF=278.4Hz),122.0(q,JCF=3.8Hz),122.1,123.8(q,JCF=272.4Hz),130.0,131.9(q,JCF=32.7Hz),148.1,158.9(q,JCF=34.5Hz).
19F−NMR(CDCl,ppm):−75.1,−63.2。
(実施例19)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、4−tert−ブチルアニリン150.2mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより4−tert−ブチル−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが生成率99%で生成していることを確認した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=4:1)で精製することにより、黄色油状の目的物を得た(収率57%、138.5mg)。
H−NMR(CDCl,ppm):δ1.33(s,9H),2.04(s,3H),6.73(d,JHH=6.8Hz,2H),7.38(d,JHH=6.8Hz,2H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ14.4,31.3,34.4,118.7,120.0(q,JCF=278.2Hz),125.9,144.8,148.2,156.9(q,JCF=33.8Hz).
19F−NMR(CDCl,ppm):−74.9。
(実施例20)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、2−トリフルオロメトキシアニリン176mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより2−トリフルオロメトキシ−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが生成率99%で生成していることを確認した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=4:1)で精製することにより、黄色油状の目的物を得た(収率63%、169.2mg)。
H−NMR(CDCl,ppm):δ2.00(s,3H),6.85−6.87(m,1H),7.19−7.23(m,1H),7.30−7.33(m,2H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ15.2,119.0(q,JCF=278.4Hz),121.0(q,JCF=258.3Hz),120.7,122.5,126.2,127.7,137.7,140.4,160.3(q,JCF=34.5Hz).
19F−NMR(CDCl,ppm):−58.4,−75.1。
(実施例21)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、2−アミノ安息香酸エチル165.8mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより2−[N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アミノ]安息香酸エチルが生成率32%で生成していることを確認した。
H−NMR(CDCl,ppm):δ1.34(t,JHH=7.2Hz,3H),1.96(s,3H),4.30(q,JHH=7.2Hz,2H),6.67−6.69(m,1H),7.19−7.23(m,1H),7.49−7.53(m,1H),8.03(dd,JHH=7.9Hz,JHH=1.3 Hz,1H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ14.1,15.1,61.2,118.8,119.5,120.0(q,JCF=278.2Hz),124.5,131.6,133.3,148.5,157.4(q,JCF=34.4Hz),165.7.
19F−NMR(CDCl,ppm):−75.1。
(実施例22)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、3−エチニルアニリン115.7mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより3−エチニル−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが生成率63%で生成していることを確認した。
19F−NMR(CDCl,ppm):−75.0。
(実施例23)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、4−アミノアセトフェノン136mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより4−[N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アミノ]アセトフェノンが生成率23%で生成していることを確認した。
19F−NMR(CDCl,ppm):−75.1。
(実施例24)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、3−アミノベンゾニトリル120.3mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより3−シアノ−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが生成率84%で生成していることを確認した。
19F−NMR(CDCl,ppm):−75.1。
(実施例25)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、3,5−ジメチルアニリン125.5mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより3,5−ジメチル−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが生成率99%で生成していることを確認した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=4:1)で精製することにより、黄色油状の目的物を得た(収率89%、198mg)。
H−NMR(CDCl,ppm):δ2.02(s,3H),2.31(s,6H),6.40(s,2H),6.80(s,1H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ14.3,21.2,116.2,120(q,JCF=278.3Hz),126.6,138.9,147.6,155.4(q,JCF=33.8Hz).
19F−NMR(CDCl,ppm):−75.0。
(実施例26)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、2−フルオロ−5−メチルアニリン127.8mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより2−フルオロ−5−メチル−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが生成率83%で生成していることを確認した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=4:1)で精製することにより、黄色油状の目的物を得た(収率59%、132.5mg)。
H−NMR(CDCl,ppm):δ2.02(d,JHF=1.7Hz,3H),2.32(s,3H),6.70−6.72(m,1H),6.91−6.94(m,1H),7.01−7.02(m,1H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ15.1(d,JCF=3.1Hz),20.6,115.8(d,JCF=19.7Hz),119.0(q,JCF=278.3Hz),122.1(d,JCF=1.1Hz),126.9(d,JCF=4.5Hz),134.4(d,JCF=2.1Hz),134.44(d,JCF=19.1Hz),149.1(d,JCF=243.8Hz),159.9(q,JCF=34.2Hz).
19F−NMR(CDCl,ppm):−74.8,−131.6(brs)。
(実施例27)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、4−ビニルアニリン117.4mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより4−ビニル−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが生成率77%で生成していることを確認した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=4:1)で精製することにより、黄色油状の目的物を得た(収率42%、89.3mg)。
H−NMR(CDCl,ppm):δ2.04(s,3H),5.24(d,JHH=10.9Hz,1H),5.73(d,JHH=17.6Hz,1H),6.70(dd,JHH=10.9Hz,JHH=17.6Hz,1H),6.77(d,JHH=8.4Hz,2H),7.42(d,JHH=8.4Hz,2H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ14.5,113.6,119.2,119.7(q,JCF=278.3Hz),127.0,134.8,136.0,147.0,157.4(q,JCF=33.9Hz).
19F−NMR(CDCl,ppm):−74.9。
(実施例28)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、3,4−ジフルオロアニリン130mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより3,4−ジフルオロ−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが生成率58%で生成していることを確認した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=4:1)で精製することにより、黄色油状の目的物を得た(収率43%、95mg)。
H−NMR(CDCl,ppm):δ2.05(s,3H),6.52(dddd,JHH=8.7Hz,JHF=3.8Hz,JHH=2.5Hz,JHF=1.8Hz,1H),6.67(ddd,JHF=10.7Hz,JHF=6.9Hz,JHH=2.5Hz,1H),7.18(ddd,JHF=10.1Hz,JHH=8.7Hz,JHF=8.5Hz,1H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ14.5,108.7(d,JCF=19.5Hz),114.8(dd,JCF=6.1Hz,JCF=3.7Hz),117.9(dd,JCF=18.3Hz,JCF=1.3Hz),119.4(q,JCF=278.4Hz),144(dd,JCF=6.8Hz,JCF=3.3Hz),148.0(dd,JCF=246.4Hz,JCF=12.6Hz),150.6(dd,JCF=250.1Hz,JCF=13.6Hz),159.0(dq,JCF=34.4Hz,JCF=1.3Hz).
19F−NMR(CDCl,ppm):−75.0,−135.9(dddd,JFF=21.4Hz,JFH=10.7Hz,JFH=8.5Hz,JFH=1.8Hz),−142.5(dddd,JFF=21.4Hz,JFH=10.1Hz,JFH=6.9Hz,JFH=3.8Hz)。
(実施例29)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム48.1mg(0.05mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、4−ジフルオロメトキシアニリン161mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより4−ジフルオロメトキシ−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが生成率99%で生成していることを確認した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=4:1)で精製することにより、黄色油状の目的物を得た(収率69%、177mg)。
H−NMR(CDCl,ppm):δ2.03(s,3H),6.50(t,JHF=73.8Hz,1H),6.80(d,JHH=8.8Hz,2H),7.15(d,JHH=8.8Hz,2H).
13C−NMR(CDCl,ppm):δ14.5,116.0(t,JCF=260.0Hz),119.7(q,JCF=278.3Hz),120.7,120.8,144.9,148.5(t,JCF=2.9Hz),158.2(q,JCF=34.1Hz).
19F−NMR(CDCl,ppm):−75.0,−81.2(d,JFH=73.8Hz)。
(実施例30)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、酢酸パラジウム22.4mg(0.10mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、3−アミノピリジン94.1mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより3−[N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アミノ]ピリジンが生成率58%で生成していることを確認した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=4:1)で精製することにより、黄色油状の目的物を得た(収率39%、73.4mg)。
H−NMR(CDCl,ppm):2.06(s,3H),7.16(ddd,JHH=8.0Hz,JHH=2.4Hz,JHH=1.5Hz,1H),7.33(dd,JHH=8.0Hz,JHH=4.8Hz,1H),8.13(d,JHH=2.4Hz,1H),8.44(dd,JHH=4.8Hz,JHH=1.5Hz,1H).
13C−NMR(CDCl,ppm):14.6,119.4(JCF=278.3Hz),123.7,126.5,140.0,143.4,146.8,159.2(JCF=34.5Hz).
19F−NMR(CDCl,ppm):−75.0。
(実施例31)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム57.5mg(0.10mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、2−アミノ−3−メトキシカルボニルチオフェン157.2mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより2−[N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アミノ]チオフェン−3−カルボン酸メチルが生成率15%で生成していることを確認した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=4:1)で精製することにより、黄色油状の目的物を得た(収率4%、10.0mg)。
H−NMR(CDCl,ppm):2.13(s,3H),3.80(s,3H),7.00(d,JHH=5.6Hz,1H),7.33(d,JHH=5.6Hz,1H).
13C−NMR(CDCl,ppm):15.7,51.7,117.6,119.0,119.2(q,JCF=278.3Hz),128.2,155.3,162.2(q,JCF=34.7Hz),162.7.
19F−NMR(CDCl,ppm):−74.9.
また、19F−NMRによりこの反応溶液中には、2−[N−(1−トリフルオロメチルビニル)アミノ]チオフェン−3−カルボン酸メチルが生成率14%で生成していることも確認した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=4:1)で精製することにより、黄色油状の目的物を得た(収率6%、14.8mg)。
H−NMR(CDCl,ppm):3.87(s,3H),5.23(d,JHH=3.7Hz,1H),5.27(m,1H),6.54(d,JHH=5.7Hz,1H),7.19(d,JHH=5.7Hz,1H),9.89(1H).
13C−NMR(CDCl,ppm):51.6,94.5(q,JCF=3.9Hz),110.0,110.2,121.1(q,JCF=274.5Hz),125.4,134.3(q,JCF=33.0Hz),155.3,166.1.
19F−NMR(CDCl,ppm):−71.1(brs)。
(実施例32)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム91.8mg(0.10mmol)、炭酸セシウム782mg(2.4mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン166.3mg(0.30mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン4mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、o−フェニレンジアミン108.1mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン450μL(4.3mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:酢酸エチル=12:1)で精製することにより、黄色油状のN−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)−N’−(1−トリフルオロメチルビニル)−o−フェニレンジアミンを得た(収率34%、101.3mg)。
H−NMR(CDCl,ppm):1.57(s,3H),2.63(d,JHH=14.2Hz,1H),2.81(d,JHH=14.2Hz,1H),3.71(s,1H),6.88(dd,JHH=7.7Hz,JHH=1.5Hz,1H),7.12(ddd,JHH=7.7Hz,JHH=7.7Hz,JHH=1.5Hz,1H),7.17(ddd,JHH=7.7Hz,JHH=7.7Hz,JHH=1.5Hz,1H),7.32(dd,JHH=7.7Hz,JHH=1.5Hz,1H).
13C−NMR(CDCl,ppm):23.1,31.9,72.9(q,JCF=25.7Hz),119.9(q,JCF=276.7Hz),122.2,123.2,126.1(q,JCF=288.3Hz),129.5,129.6,136.9,154.9(q,JCF=35.1Hz).
19F−NMR(CDCl,ppm):−72.3,−81.5。
(実施例33)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム57.5mg(0.10mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、1−アミノナフタレン143.9mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより1−[N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アミノ]ナフタレンが生成率98%で生成していることを確認した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:酢酸エチル=8:1)で精製することにより、黄色油状の目的物を得た(収率92%、217.7mg)。
H−NMR(CDCl,ppm):2.00(s,3H),6.75(dd,JHH=7.3Hz,JHH=0.8Hz,1H),7.44(dd,JHH=8.2Hz,JHH=7.3Hz,1H),7.47(ddd,JHH=8.2Hz,JHH=6.9Hz,JHH=1.4Hz,1H),7.51(ddd,JHH=8.2Hz,JHH=6.9Hz,JHH=1.3Hz,1H),7.67(d,JHH=8.2Hz,2H),7.85(dd,JHH=8.2Hz,JHH=1.3Hz,1H).
13C−NMR(CDCl,ppm):14.7,112.9,119.7(q,JCF=278.6Hz),122.7,125.1,125.3,125.4,126.2,126.6,128.1,134.0,143.8,158.6(q,JCF=34.0Hz).
19F−NMR(CDCl,ppm):−74.5。
(実施例34)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム57.5mg(0.10mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、5−アミノ−2−メチルインドール144.6mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより2−メチル−5−[N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アミノ]インドールが生成率42%で生成していることを確認した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:酢酸エチル=8:1)で精製することにより、黄色油状の目的物を得た(収率30%、72.2mg)。
H−NMR(CDCl,ppm):2.08(s,3H),2.45(d,JHH=0.8Hz,3H),6.20(q,JHH=0.8Hz,1H),6.63(dd,JHH=8.3Hz,JHH=1.9Hz,1H),6.93(d,JHH=1.9Hz,1H),7.27(d,JHH=8.3Hz,1H),7.89(brs,1H).
13C−NMR(CDCl,ppm):13.7,14.4,100.7,109.7,110.5,114.0,120.1(q,JCF=278.3Hz),129.3,134.0,136.4,140.3,156.1(q,JCF=33.2Hz).
19F−NMR(CDCl,ppm):−74.7。
(実施例35)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム57.5mg(0.10mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、6−アミノベンゾチアゾール150.0mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより6−[N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アミノ]ベンゾチアゾールが生成率21%で生成していることを確認した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:酢酸エチル=8:1)で精製することにより、黄色油状の目的物を得た(収率19%、46.7mg)。
H−NMR(CDCl,ppm):2.07(s,3H),6.98(dd,JHH=8.6Hz,JHH=2.0Hz,1H),7.37(d,JHH=2.0Hz,1H),8.13(d,JHH=8.6Hz,1H),8.95(s,1H).
13C−NMR(CDCl,ppm):14.7,111.2,118.4,119.6(q,JCF=278.5Hz),124.2,134.8,145.3,151.0,153.4,158.4(q,JCF=34.2Hz).
19F−NMR(CDCl,ppm):−74.9。
(実施例36)
10mLのスクリューキャップ付試験管に、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム57.5mg(0.10mmol)、炭酸セシウム391mg(1.2mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン83.2mg(0.15mmol)を入れ、試験管内をアルゴンガスで置換した。次にトルエン2mLを加え、室温で5分攪拌した。試験管を氷浴で冷却しながら、2−アミノアントラセン192.0mg(1.0mmol)と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン250μL(1.8mmol)を加えた。これを110℃で15時間加熱し撹拌した。反応終了後、固形物をセライトろ過し、内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより2−[N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アミノ]アントラセンが生成率59%で生成していることを確認した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=8:1)で精製することにより、黄色粉体の目的物を得た(収率27%、77.2mg)。
H−NMR(CDCl,ppm):2.13(s,3H),7.03(dd,JHH=8.9Hz,JHH=1.5Hz,1H),7.30(d,JHH=1.5Hz,1H),7.46(ddd,JHH=8.3Hz,JHH=6.0Hz,JHH=2.2Hz,1H),7.48(ddd,JHH=8.3Hz,JHH=6.0Hz,JHH=2.2Hz,1H),7.98(dd,JHH=8.3Hz,JHH=2.2Hz,1H),8.00(dd,JHH=8.3Hz,JHH=2.2Hz,1H),8.04(d,JHH=8.9Hz,1H),8.36(s,1H),8.43(s,1H).
13C−NMR(CDCl,ppm):14.7,118.7,119.8(q,JCF=278.3Hz),120.1,125.4,125.8,125.9,126.5,127.9,128.3,129.6,129.8,131.4,131.5,132.3,144.5,157.7(q,JCF=33.9Hz).
19F−NMR(CDCl,ppm):−74.8。
(比較例1)
前記の非特許文献1の方法に従い、アニリン100mg(1.1mmol)と1,1,1−トリフルオロアセトン105μL(1.2mmol)をベンゼン0.3mL中、室温で2日間攪拌した。反応終了後、ろ液を濃縮し、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=8:1)で精製することにより、黄色油状の目的物を得た(収率22%、44mg)。
(比較例2)
前記の非特許文献1の方法に従い、3,5−ジメチルアニリン133mg(1.1mmol)と1,1,1−トリフルオロアセトン105μL(1.2mmol)をベンゼン0.3mL中、室温で2日間攪拌した。反応終了後、反応液に内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより3,5−ジメチル−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが生成率40%で生成していることを確認した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:クロロホルム=8:1)で精製することにより、黄色油状の目的物を得た(収率28%、60mg)。
(比較例3)
前記の非特許文献1の方法に従い、3,4−ジフルオロアニリン142mg(1.1mmol)と1,1,1−トリフルオロアセトン105μL(1.2mmol)をベンゼン0.3mL中、室温で2日間攪拌した。反応終了後、反応液に内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより3,4−ジフルオロ−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが生成率5%で生成していることを確認した。
(比較例4)
前記の非特許文献1の方法に従い、2−クロロアニリン140mg(1.1mmol)と1,1,1−トリフルオロアセトン105μL(1.2mmol)をベンゼン0.3mL中、室温で2日間攪拌した。反応終了後、反応液に内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより2−クロロ−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが生成率3%で生成していることを確認した。
(比較例5)
前記の非特許文献1の方法に従い、2−トリフルオロメチルアニリン178mg(1.1mmol)と1,1,1−トリフルオロアセトン105μL(1.2mmol)をベンゼン0.3mL中、室温で2日間攪拌した。反応終了後、反応液に内部標準として2,2,2−トリフルオロエタノールを加え、19F−NMRにより2−トリフルオロメチル−N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンが生成率2%で生成していることを確認した。
(参考例1)
オートクレーブ中に、実施例1から8で得られるN−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリン2.0g(10.7mmol)、トルエン10mL、10wt%担持パラジウム/炭素50mgを加え、室温で水素5気圧を導入した。オートクレーブを100℃に昇温し、12時間攪拌した。冷却後、固形物をろ過した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液 ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製することにより、淡黄色油状のN−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピル)アニリンを得た(収率49%、999mg)。
H−NMR(CDCl,ppm):1.40(d,JHH=7.0Hz,3H),3.55(brs,1H),3.93−4.20(m,1H),6.60−6.70(m,2H),6.72−6.83(m,1H),7.11−7.28(m,2H).

Claims (3)

  1. 一般式(1a)
    Figure 0005260835
    [式中、Arはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、チエニル基、インドル基、またはベンゾチアゾリル基を示し、これらの芳香族基は、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数2から4のアルケニル基、アルキル基がハロゲン原子で1つ以上置換されていてもよい炭素数2から5のアシル基、及びアルキル基がハロゲン原子で1つ以上置換されていてもよい炭素数2から5のアルコキシカルボニル基からなる群より選ばれる置換基を有してもよい。nは1または2を示す。Xは、式(2)
    Figure 0005260835
    で表される(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アミノ基、または式(2)の互変異性である式(3)
    Figure 0005260835
    で表される(1−トリフルオロメチルビニル)アミノ基を示す。ただし、nが2のときは、Xは同一または相異なっていても良い。]で表されることを特徴とする芳香族アミン類[ただし、N−(1,1,1−トリフルオロ−2−プロピリデン)アニリンを除く]。
  2. 一般式(4)
    Figure 0005260835
    [式中、Arはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、チエニル基、インドリル基、またはベンゾチアゾリル基を示す、これらの芳香族基はハロゲン原子、シアノ基、炭素数2から4のアルケニル基、アルキル基がハロゲン原子で1つ以上置換されていてもよい炭素数2から5のアシル基、及びアルキル基がハロゲン原子で1つ以上置換されていてもよい炭素数2から5のアルコキシカルボニル基からなる群より選ばれる置換基を有してもよい。nは1または2を示す。]で表される芳香族アミン化合物と2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンをパラジウム触媒と塩基の存在下に反応させることを特徴とする、一般式(1
    Figure 0005260835
    [式中、Arはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、チエニル基、インドリル基、またはベンゾチアゾリル基を示し、これらの芳香族基はハロゲン原子、シアノ基、炭素数2から4のアルケニル基、アルキル基がハロゲン原子で1つ以上置換されていてもよい炭素数2から5のアシル基、及びアルキル基がハロゲン原子で1つ以上置換されていてもよい炭素数2から5のアルコキシカルボニル基からなる群より選ばれる置換基を有してもよい。nは1または2を示す。Xは下記式(2)または式(3)で表される置換基を示す。ただし、nが2のときは、Xは同一または相異なっていても良い。]
    Figure 0005260835
    Figure 0005260835
    表される芳香族アミン類の製造方法。
  3. パラジウム触媒がパラジウム化合物と三級ホスフィンからなる触媒系であることを特徴とする、請求項に記載の芳香族アミン類の製造方法。
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