JP5260707B2 - 固形容器の開封性評価装置 - Google Patents

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Description

本発明は固形容器包装商品の蓋材の開封強さと液跳ね発生に関係する衝撃の計測方法と適正評価を与える装置に関するものである。
包装容器の蓋材は接着材やヒートシール技法によって接着密封されている。
易開封を必要とする包装容器には固形型と柔軟型がある。前者はカップやトレー容器に代表されるもので固形の容器のフランジ部に柔軟体の蓋材がヒートシールされる。後者は柔軟なシートやフイルムを袋状に加工された一部に実施される。
いずれの方式でも柔軟体の一部を摘まんで開封を行うのが一般的になっている。
袋状の包装品では胴部のたるみ部分を摘まんで、内側から開封ができるが、固形の容器包装では柔軟材の蓋材は平らに加工されるので蓋部の中側の摘みは難しい。そこでカップやトレーの場合には、蓋材の一部にタブを加工してこれを摘まんで外側から開口する方法が適用されている。
接着面が破れシールの場合は剥がれが起こらないので、別に加工された切り口を起点にして包装の一部を切り裂く方法が必要となる。そのために切り口の細工や切り裂きの方向を規制する追加加工等が要求される。
剥がれシールを利用した開封はヒートシール幅、ヒートシール強さ、接着状態等の調節で特別な加工等をせずに開封が可能である。この実際を図1の写真に示した。
液状商品の固形容器包装では開封時の衝撃で充填物が飛び出してロスしたり、衣服や周辺を汚してしまう不具合が発生する。この不具合はユニバーサルデザインの課題の筆頭に挙げられている。
円形カップの蓋シールは開封タブの摘まみ引張で図2に示したように<1>から始まり<5>に終わる横一線で進行する。
図3に示した方法で<1>−<2>、<2>−<3>、<3>−<4>、<4>−<5>の4区分の剥がし長さをシミュレーションする。このシミュレーション結果を2倍すればそれぞれの剥がれ線上の剥がれ長さになる。各部位の剥がれ長さは次の演算で算出できる。
(1) rpx≦(r2−r1) (<1>−<2>の制限範囲)
この間は△obaから線分baを計算することで剥がれ長さを求めることができる。
Figure 0005260707
(2) r2≧rpx>(r2−r1) (<2>−<3>の制限範囲)
この間は△odcの線分dcと△oecの線分ecの差を計算することで剥がれ長さを求めることができる。
Figure 0005260707
(3)(r2+r1)≧rpx>(r2) (<3>−<4>の制限範囲)
この間は<2>−<3>と同様な計算をすればよいから
Figure 0005260707
(4)(2×r2)≧rpx>(r2+r1) (<5>−<6>の制限範囲)
この間は<1>−<2>と同様な計算をすればよいから
Figure 0005260707
各開封位置の開封力のシミュレーションは(rpx)に数値を与えて求めた剥がれ長さを2倍にして、接着面の剥がれ強さを乗じることによって開封力グラフが得られる。
r1=70mm、r2=82mm(シール幅;6mm)の代表的なポイントの剥がれ長さを計算して、横軸に開封距離(rpx)をとってプロットした結果を図4に示した。このカップは円形の場合であるから、直径に到達すると、ヒートシール幅(r2-r1=6)となり、開封パターンはこの点を中心にした対象形になっている。
例えば接着強さが(6N/15mm)とすれば、実際の開封強さは、[6×(剥がれ長さ)/15](N)となる。
従来、開封力の測定方法は明確な方法(規定)がなく、仕上がった製品を≪JIS Z 0238≫を準用した図5に示すような方法で測定/評価が行われている。
カップやトレーのような固形容器包装(Rigid)の接着面のフランジ部は厚手のシートの熱成型やブロー成形で構成される剛体なので、柔軟包装(Flexible)の開封メカニズムとは異なるところが多い。この特徴比較は表1に示したようになる。
Figure 0005260707
固形包装の開封面と操作の応力方向が直角の90°に対して柔軟包装では2つの摘まみ点が180°の関係である。更に固形包装の応力方向と液跳ね方向は同一であり、液跳ねに対する設計上の配慮を示唆している。
固形包装では開封面と開封方向が90°なので、開封操作量と剥がれ量が同一であるのに対して、柔軟包装では180°なので開封操作量と剥がれ量は(1:2)となる。両者の開封に対する仕事率は固形包装を1とすると、柔軟包装では1/2となり開封者は官能的に柔軟包装の方が“容易”に感じる。
従来は固形包装の液跳ねメカニズムの的確な解析/評価法の検討が不十分であった。
カップ蓋シールのような固形包装の開封性の従来の試験は≪JIS Z 023≫や≪ASTM F88≫の引張試験法を準用してきた。この試験法では動的な開封特性や液跳ね原因の解析や評価はできない。
液跳ねの原因である“衝撃”の発生原因の究明と定量的な計測法が必要である。
更に定量的な“衝撃”の発生方法が必要である。
本発明者は液跳ねの原因の探索研究をして、容器に付加される衝撃力は開封操作者の指先の皮膚や筋肉の弾力性が関与していることを発見し、指先の弾力性をシミュレーションした構成を従来の引張試験機構に付加した。その構成は次の通りである。
(1)指先の弾力性をスプリングに置き換えて、引張試験系に付加構成する。
(2)引張試験の開封力源と直列に高速のロードセルを構成する。
(3)開封特性の計測対象物の液跳ね方向に小重量の加速度センサを設置する。
(4)被測定物は計測台に固定するか伸びの無い引張り治具で直接、試験系に取付ける。
(5)開封速度は人手の開封操作相当に合わせる。
(6)充填物を抜き取った被試験物を試験する場合は、充填重量に相当する分銅を容器内
又は計測台に固定する。
(7) 次の計測データを同時に記録する。
<1>開封力(ロードセル出力)、<2>被試験物の重力方向の加速度(加速度センサ出力)、<3>引張速さ、<4>引張長さ
(8)シミュレーション弾力体に調節した荷重を維持した状態で、荷重を急開放することによって、任意の加速度を被試験物に与え、液跳ね状況を観察する。
すなわち、本発明は、固形容器の開口縁にタブ付の蓋材が接着されている試験片の開封力と開封の加速度の経時変化を測定する装置であって、一端に開封動力源から開封力が負荷されるロードセルと、該ロードセルの他端に接続されたスプリングと、該スプリングに接続された前記タブの掴み具と、前記試験片の固形容器側を固定する試験台と、試験片の移動する加速度を測定する加速度センサと、該試験台をスプリングを介して取付ける基台よりなる、タブ付の蓋材で開口部が封止されている固形容器の開封性評価装置と、
固形容器の開口縁にタブ付の蓋材が接着されている試験片の開封力と開封の加速度の経時変化を測定する装置であって、一端に開封動力源から開封力が負荷されるロードセルと、該ロードセルの他端に接続されたスプリングと該スプリングに接続された前記タブの掴み具と、試験片の移動する加速度を測定する加速度センサと、前記試験片の固形容器側をスプリングを介して取付ける基台よりなる、タブ付の蓋材で開口部が封止されている固形容器の開封性評価装置と、
固形容器の開口縁にタブ付の蓋材が接着されている試験片の開封力と開封の加速度の経時変化を測定する装置であって、一端に開封動力源から開封力が負荷されるロードセルと、該ロードセルの他端に取付けられた負荷された荷重の瞬間開放装置と、該瞬間開放装置に接続された前記試験片の固形容器側を固定する試験台と、試験片の移動する加速度を測定する加速度センサと、該試験台をスプリングを介して取付ける基台よりなる、タブ付の蓋材で開口部が封止されている固形容器の開封性評価装置を提供するものである。
(1)人手の開封操作をシミュレーションできるようになった。
(2)容器シールの開封力と開封中に発生する衝撃を同時計測できるようになった。
(3)シール強さの動的変化と衝撃(加速度)の関係が実測できるようになった
(4)シール形状と衝撃発生の関係が明らかにできるようになった。
(5)発生加速度と液跳ねの関係を定性できるようになった。
(6)個別の包装商品に調節した加速度を与えて、シール形状と液跳ねの関係の実際を観
察できるようになった。
本発明の実施対象の説明写真である。 カップの蓋材の開封方向と剥がし長さの計算手順の説明図である。 カップの蓋材の開封方向と剥がし長さの計算手順の説明図である。 カップの蓋シールの剥がれ長さのシミュレーション結果の説明図である。 従来法のカップシールの開封性の試験方法の説明図である。 本発明の実施方法の実際:「開封シミュレータ」の概要説明図である。 本発明の実施方法の実際:「開封シミュレータ」の概要説明図である。 本発明の実施方法の実際:「開封シミュレータ」の概要説明図である。 本発明の実施方法の実際:「開封シミュレータ」の概要説明図である。 開封操作の人手のシミュレーション弾性特性の一例の説明図である。 開封試験系に弾性体が入った場合の説明図である。 モデルパターンの開封試験結果の説明図である。 発明法による市販商品の開封特性測定事例の実施説明図である。 開封力と加速度記録の高拡大表示の一例の説明図である。
本発明の装置は、タブ付の蓋材で開口部が封止されている固形容器の開封性を評価するためのものであり、試験片は、タブ付の蓋材が接着されている固形容器の一部を切取ったものでもよく、容器全体をそのまま試験片としてもよい。
本発明の一態様は、固形容器の開口縁にタブ付の蓋材が接着されている試験片の開封力と開封の加速度の経時変化を測定する装置であって、一端に開封動力源から開封力が負荷されるロードセルと、該ロードセルの他端に接続されたスプリングと、該スプリングに接続された前記タブの掴み具と、前期試験片の固形容器側を固定する試験台と、試験片の移動する加速度を測定する加速度センサと、該試験台をスプリングを介して取付ける基台よりなるものである。
この装置におけるスプリングの弾力は、人手の弾力性をシミュレーションして定め、開封操作に要する力は成人男性で約20Nである。カップの開封操作の際に持ちあがる距離は5〜10mmが実測された。
これから10mm/20N付近のばね定数を選んだ。
容器を支える手と蓋材を引張る手にそれぞれ弾力性がある。蓋側は上方、
容器側は下方への力になる。開封操作中の動的な弾力動作非対象に動作するのでスプリングは2か所に入れることにした。
ロードセルと掴み具の間には、捩れ等の拘束を生じないよう少なくとも1個所に自在結合を設けることが好ましい。この自在結合は屈曲、回転等を自由に行えるもので軽くて確実な動作が必要とされる。例えば釣り具の道糸と針糸をつなぐ≪サルカン:20号≫を利用できる。
加速度センサの市販品は多種あり例えばPCB社(アメリカ)の微小タイプ(自重:0.5g)を使用できる。
本発明の別の態様は、固形容器の開口縁にタブ付の蓋材が接着されている試験片の開封力と開封の加速度の経時変化を測定する装置であって、一端に開封動力源から開封力が負荷されるロードセルと、該ロードセルの他端に接続されたスプリングと、該スプリングに接続された前記タブの掴み具と、試験片の移動する加速度を測定する加速度センサと、前記試験片の固形容器側をスプリングを介して取付ける基台よりなるものである。
本発明のさらに別の態様は、固形容器の開口縁にタブ付の蓋材が接着されている試験片の開封力と開封の加速度の経時変化を測定する装置であって、一端に開封動力源から開封力が負荷されるロードセルと、該ロードセルの他端に取付けられた負荷された荷重の瞬間開放装置と、該瞬間開放装置に接続された前記試験片の固形容器側を固定する試験台と、試験片の移動する加速度を測定する加速度センサと、該試験台をスプリングを介して取付ける基台よりなるものである。
荷重の瞬間開放装置は、図9に示すものの外、フックをカッターに置き替えて切断する方法もある。
本発明の方法を実施する主要な4つの形態の概要を図6〜9示した。この形態を「開封シミュレータ」と呼ぶ。図6に示すように「開封シミュレータ」は、電気で駆動される開封動力源(1)にロードセル(2)を直結する。ロードセル(2)の出力はデジタル処理される。ロードセル(2)荷重部は自在結合(3)-1例えばサルカンとか、回動自在のフックやリングを介して人手の弾力性をシミュレーションしたスプリング(4)-1の一端に結合する。
スプリング(4)-1の他端は自在結合(3)-2を介して伸びのない長いロッド(5)に結合する。ロッド(5)の下端には蓋材のタブを掴むグリッパ(9)を取付ける。サンプルを固定する試験台(6)は自重をなるべく小さくする必要があるので、剛性が大きく軽量なアクリル板を適用した。
試験台(6)の4隅を伸びの小さい細いピアノ線(7)で結び他端を試験台(6)が水平になるようにサルカンで束ねて自在結合(3)-3に結合した。細いピアノ線(7)を選んだのは開封時に発生する高速の衝撃の吸収を極力小さくするためと試験台(6)の自重を小さくするためである。開封操作中に試験台(6)に発生する上下方向の衝撃荷重を検知する加速度センサ(8)を試験台の下部に設置した。加速度センサの自重自体も試験台(6)の発生衝撃値に影響を及ぼすので極力自重の小さいセンサ(0.5g)を適用した。加速度センサ(8)の電気信号を取り出すリード線は細くて剛性の小さいものを適用し、衝撃運動の妨げにならないように配慮した。この結果、数十gの試験物の衝撃荷重を計測できる。自在結合(3)‐3からはスプリング(4)−2を介して基台に固定した。このような構成を採用したことによって、開封力は自在結合(3)-1と自在結合(3)-4を結ぶ直線上で作動する。しかし 開封の剥がれ線は定点ではなく、開封の進行とともに移動するので自在結合(3)によって開封力が阻害を受けずに一直線になるように配慮した。
図6は試験サンプルのカップやトレーのフランジ部分の一部を切り取って、試験台(6)に固形面(12)を粘着テープやネジ止めした状態を示した。
開封試験は蓋材(10)のタブを直接グリッパ(9)に掴み込むか、もしタブの大きさが掴みに不十分な場合には開封力でも変形しない強さのテープを継ぎ足す。
試験台(6)に発生する衝撃エネルギー源はスプリング(4)-1と(4)-2に開封操作中に蓄えられる動的エネルギーである。動的エネルギーの通過面である試験台(6)の質量によって試験台(6)の加速度は変化する。試験台部の総質量は試験台(6)、細いピアノ線(7)、加速度センサ(8)、リード線、それにサンプルの自重の合計となる。
実際の商品で発生する加速度の計測をシミュレーションするには(商品重量)−(試験台の自重)に相当する分銅(13)を試験台(6)に貼り付けて計測すれば、実包装品の開封特性を測定できる。
分銅(13)を取付けずに、切り取られたサンプルの試験を行えば接着面自体の最高速の加速度計測ができる。
図6中の枠部位を図7〜9のように変更することによってそれぞれの目的に応じた試験ができる。
図7は、商品のカップ(15)を試験台(6)にテープ(17)で固定して実際の開封性能を計測する場合である。この図ではカップを試験台の中心から外した例を示した。
全開封中に最も正確に加速度を計測したい部位が応力線に対して直角になるように、その部位が中央付近になるように貼り付けるとよい。
図8は試験台を使わずにサンプルの応答を直接計測して、試験台を介した外乱を排したい場合に適用する。加速度センサはサンプルの底部に直接貼り付ける。
図9はスプリング(4)-1を外し荷重の瞬間開放部(18)を追加して、試験台(6)と細いピアノ線(7)-2を介して直結した。設定した荷重に到達した時点でスピンドル(20)を保持していたフック(19)をソレノイド(21)のスイッチ(図示せず)を自動又は手動で作動させて一気にスプリング(4)-2の荷重を開放する。この時に発生する高速の荷重変化を衝撃荷重源とした。ロードセル(2)の表示を参照して、引張荷重を任意に設定することによって容器に与える加速度を調節する。この時の液跳ねの状態を観察して加速度と液跳ねの関係を定量化する。
試験台(6)に取付けるサンプルの位置は試験台(6)の4隅を伸びの小さい細いピアノ線(7)で結んだ4つの点を四辺形の領域より内側になければならない。
試験台(6)と自在結合(3)-3の距離は長くとった方が作動中の試験台(6)の面が応力線に対して直角に近づく。角度が少し変化しても開封力への影響は小さいが、加速度値は影響がある。試験台(6)の貼り付け領域の外縁付近に剥がれ線がある場合の試験台の傾きと加速度センサ(8)の検知値補正量を表2に示した。最も重要な計測部位を中央付近に置くようにするか表2によって補正する。
Figure 0005260707
A:試験台の対角線寸法 B: 自在結合までの距離
試験台の対角線寸法と自在結合までの距離の比が≪1:2≫の場合3%、≪1:3≫の場合1%の補正が最大となる。試験台の対角線寸法と自在結合までの距離の比が≪1:2≫以上になるように設定して、サンプルを試験台の中央付近に配置すれば実用上は補正の必要はない。
(1)本発明による開封応力の測定例
成人男子の開封力を20Nとして、この時に5〜10mmの伸びが発生するようなスプリングを作成して、図10の弾性特性を持つスプリングをスプリング(4)-1、(4)-2に挿入した。
400mm/min.の速度の引張試験の結果をスプリングのない≪JIS Z 0238≫準拠の結果と共に図11に示した。剥がれ強さは≒6N/15mmである。400mm/min.の速度は通常の開封速度を参考にして選択した。
図11を観察すると、開封力の立ち上がりは緩やかになっている。これは接着面の剥がれ強さに相当するバネ力が発生するまでの開封操作はバネの伸びにのみ関与して、開封が起こっていないことを示している。
開封操作の進行中、スプリングは、図10に示した特性に沿って、開封力に相当する伸びを保って進行する。開封力の変化に対して僅かな伸び縮みを起こし、見かけ上の開封力変化は“緩衝”されていることが、スプリングのないJIS法との比較で分かる。開封操作中は[(伸び)×(開封力)]のエネルギーが保存されることになる。
(2)モデル開封パターンの測定事例
(15mm×15mm)の接着面に15mmを底辺とする三角形の頂点までの長さが3mm、10mm、15mmを連結した接着面を図6の方法を適用して400mm/min.で<1>開封力、<2>垂直方向の発生衝撃の加速度を測定して、本発明の測定方法の性能を検証した。試験台には分銅を設置していないので負荷は約15gである。この結果を図12に示した。
開封系の応力によって発生する衝撃はスプリングの収縮/伸びの両方向が発生する。解放後は他部位への接触等によってプラス方向の雑音加速度が発生するが、計測は直後のマイナス方向を採用している。(図14参照)
三角形の頂点までの長さが15mmの結果は3mmに対して12mmの距離をかけてスプリング内の保持エネルギーをゆっくり消化しているので発生する加速度は9Gであった。10mmでは37G、3mmでは31Gである。10mm以下になると30G程度の大きな加速度が発生している。
三角形部の頂点の長さによって開封力の減少速度が変わるので、スプリングに蓄えられていたエネルギーの放出速度も変わる。すなわち鈍角になると短時間に保持エネルギーが放出されるので大きな加速度の発生が観測されている。開封力に注目すると系内の動的な応力変化の相違も観測できている。
(3)市販商品の開封特性の測定
図6を適用して市販商品のヨーグルトカップとコーヒーミルクカップの開封試験を行った。充填物を取り除いて、接着面の開封特性性能に着目した。
適用した商品はシールの外径:70mm、内径:65mm(シール幅;7.5mm)のヨーグルトカップとシールの外径:30mm、内径:25mm(シール幅;2.5mm)のコーヒーミルクカップである。
測定結果を一緒にして図13に示した。
接着面のヒートシール強さ(JIS Z 0238)を次の方法で換算する。
ヨーグルトカップ:
開封の中央点は[(ヒートシール幅)×2]=7.5×2=15(mm)
ヒートシール強さの15mmに換算すると 15/15=1 となる
この時の開封力は3.8Nであるから、3.8N×1 → 3.8N/15mmを得る。
コーヒーミルクカップ:
開封の中央点は[(ヒートシール幅)×2]=2.5×2=5(mm)
ヒートシール強さの15mmに換算すると 15/5=3 となる
この時の開封力は3.5Nであるから、3.5N×3 → 10.5N/15mmを得る。
開封力パターンは中点を基準に対照的に発生しているが開封力は同様になっていない。
開封開始は外側からの剥がれであり最終は内側からの剥がれである。ヒートシールの効果に相違があることを示している。
加速度の発生する特異点はグラフから観察できるが、開封完了時の詳細値はデジタルデータベースから読み取ると、コーヒーミルクカップは17G、ヨーグルトカップは13Gを示している。コーヒーミルクカップの充填量は数gなので、実際の加速度も同等になる。
ヨーグルトカップは85gが充填されるので実際の加速度は数分の1に減少する。
加速度信号は微細であるがデジタルデータから部分拡大をして観察評価できる。その1例を図14に示した。
開封力の最大値はヒートシール強さのみでなくシール面の半径とシール幅で決まることが分かる。
更に液跳ね現象に関わる衝撃の発生状態を定量的に把握できている。
本発明が合理的な計測方法を提供していることが確認できた。
(4)加速度の定量的付加方法
開封力や開封衝撃の計測だけでは実際の商品の設計に反映できない。最終的には消費者の要求する開け易さと液跳ねのし難さを満足する確認の必要がある。
このためには衝撃値と液跳ねの発生の相関の解析と評価が必要である。それには既知の衝撃を発生させる必要がある。
本発明の方法を図8のようにアレンジする。スプリング(4)-1は取り外して、荷重の瞬間開放部(18)を装着する。荷重の瞬間開放部(18)には、容易に滑り出すスピンドル(20)とフック(19)がある。フック(19)の先端は鋭角になっていてスピンドル(20)の表面に食い込むようにする。開放のタイミングでソレノイド(20)を作動させフック(19)を高速で引き抜きスピンドル(20)の拘束を開放する。
試験台(6)の四隅を細いピアノ線(7)-2で吊り、スピンドル(20)の先端に結ぶ。
サンプルの容器は片面テープあるいは、両面テープ(図示せず)で試験台に固定する。
容器には所定の量の液を入れる。容器の上部の所定の位置に濾紙を配置(図示せず)して、液跳ね滴(23)の高さ及び量の検知と状態を観察する。
液跳ねの動力源はスプリング(4)-2に加えるテンションで決定されるから、ロードセル(2)の表示を元に定量的な衝撃の発生を行う。テンション付加の精度を高めるために、テンション付加速さは50〜100mm/min.の低速で行う。
30mmΦ、5 mlのミルク入りのコーヒーミルクカップの蓋材を取り払い試験台(6)に装着して衝撃試験を行った。系に付与した荷重、発生加速度、液跳ねの状況の測定結果を表3に示した。
Figure 0005260707
発生加速度の大きさは被試験品の重さ決定される。表3に示した付加荷重と発生加速度の関係は一律にならない。液跳ね現象は液面の表面積、形状、液深、液の粘度等に依存するので一律ではない。そこで、実際に適用する各商品毎に本装置を適用して最終的な試験をして設計の適正性を確認する。
本発明の方法は容器の蓋の開封性の解析/評価のマルチな用途に適用できることが確認できた。
本発明は以下の産業上の利用の可能性がある。
(1)固形包装の蓋開封の動的な開封力の計測が可能になった。
(2)固形包装の蓋開封時の衝撃荷重の計測が可能になった。
(3)固形包装の蓋開封時に発生する加速度と液跳ねの状態が再現できる
(4)易開封のユニバーサルデザインの根本改善に反映できる。
1 開封動力源
2 ロードセル
3 自在結合
4 スプリング
5 伸びのない継手
6 試験台
7 細いピアノ線
8 加速度センサ
9 グリッパ
10 蓋材
11 シール面
12 固形面
13 充填物補正の分銅
14 フランジ部
15 カップ本体
16 充填液
17 テープ
18 荷重の瞬間開放部
19 フック
20 スピンドル
21 ソレノイド
22 無接触クッション
23 飛び跳ね滴

Claims (3)

  1. 固形容器の開口縁にタブ付の蓋材が接着されている試験片の開封力と開封の加速度の経時変化を測定する装置であって、
    一端に開封動力源から開封力が負荷されるロードセルと、
    該ロードセルの他端に接続されたスプリングと、
    該スプリングに接続された前記タブの掴み具と、
    前期試験片の固形容器側を固定する試験台と、
    試験片の移動する加速度を測定する加速度センサと、
    該試験台をスプリングを介して取付ける基台
    よりなる、タブ付の蓋材で開口部が封止されている固形容器の開封性評価装置
  2. 固形容器の開口縁にタブ付の蓋材が接着されている試験片の開封力と開封の加速度の経時変化を測定する装置であって、
    一端に開封動力源から開封力が負荷されるロードセルと、
    該ロードセルの他端に接続されたスプリングと、
    該スプリングに接続された前記タブの掴み具と、
    試験片の移動する加速度を測定する加速度センサと、
    前記試験片の固形容器側をスプリングを介して取付ける基台
    よりなる、タブ付の蓋材で開口部が封止されている固形容器の開封性評価装置
  3. 固形容器の開口縁にタブ付の蓋材が接着されている試験片の開封力と開封の加速度の経時変化を測定する装置であって、
    一端に開封動力源から開封力が負荷されるロードセルと、
    該ロードセルの他端に取付けられた負荷された荷重の瞬間開放装置と、
    該瞬間開放装置に接続された前記試験片の固形容器側を固定する試験台と、
    試験片の移動する加速度を測定する加速度センサと、
    該試験台をスプリングを介して取付ける基台
    よりなる、タブ付の蓋材で開口部が封止されている固形容器の開封性評価装置
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