JP5258709B2 - 防食性鋼製構造物及び鋼製構造物の防食方法 - Google Patents

防食性鋼製構造物及び鋼製構造物の防食方法 Download PDF

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本発明は、ガードレール、街灯、カーブミラー等の支柱や、桟橋、消波構造物等の鋼製突起部などの、屋外でコンクリートに一部分埋設されて使用される鋼製構造物の防食方法に関する。
ガードレール、街灯、カーブミラー等の支柱は、通常、鋼製のものが多用されており、屋外に設置されるので亜鉛メッキや防食塗装がなされている。これらは土に直接埋設されたり、コンクリートに埋設されるが、コンクリートと鋼材の界面に雨水や海水等が侵入し乾湿を繰り返すことによって、支柱の埋設地際部が腐食するという問題があった。
この対策として特許文献1では、支柱の地際部外周面にFRP製円筒状片を接着剤を介して抱着したのちコンクリートを打設する方法が提案されており、特許文献2では支柱の地際部外周面に接着剤層を介して耐食金属材からなる被覆層を設ける、あるいは防錆顔料を配合したエポキシ樹脂塗料を塗布するなどの方法が提案されている。また特許文献3では、支柱の地際部に熱収縮チューブを施したのち、これを加熱収縮させてその上端部を、前記コンクリート面よりも高く露出させることで雨水や海水の侵入を防止する方法が提案されている。
特開昭62−25623号公報 特開2006−132128号公報 特開2007−321381号公報
しかしながらこれらの方法によっても、桟橋、消波堤など長期の耐用が要求される港湾構造物において、電気防食が及ばないコンクリート製消波板に一部分埋設する鋼製突起部等では経時で生じるコンクリートと鋼材のわずかな隙間から雨水や海水が侵入し、埋設地際部に腐食が生じるという問題があった。
本発明の目的は、上記のような問題が生じることなく、ガードレール、街灯、カーブミラー等の支柱や、桟橋、消波構造物等の鋼製突起部など屋外でコンクリートに一部分埋設されて使用される鋼製構造物の防食方法を提供することにある。
(1)コンクリートに一部分埋設される防食性鋼製構造物であって、鋼製構造物の外周にジンクリッチ塗膜層が設けられ、前記ジンクリッチ塗膜層上にエポキシ樹脂被覆層が設けられ、さらに前記エポキシ樹脂被覆層上のコンクリート地際部より下部に水膨潤性ゴム層が鉢巻状に設けられていることを特徴とする防食性鋼製構造物。
(2)前記ジンクリッチ塗膜層が、エポキシ樹脂及び亜鉛末を主成分とするジンクリッチ塗料から構成されるものである上記(1)記載の防食性鋼製構造物。
(3)前記エポキシ樹脂被覆層が、エポキシ樹脂及びアミン系硬化剤を主成分とするエポキシ樹脂塗料から構成されるものである上記(1)または(2)記載の防食性鋼製構造物。
(4)前記水膨潤性ゴム層が、水膨潤性ポリウレタンとゴム成分とを主成分とする水膨潤性ゴム組成物から構成されるものである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の防食性鋼製構造物。
(5)前記鋼製構造物が、コンクリート製消波板に一部分埋設される鋼製突起部である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の防食性鋼製構造物。
(6)コンクリートに一部分埋設される鋼製構造物の防食方法であって、鋼製構造物の外周にジンクリッチ塗膜層を設けた後、前記ジンクリッチ塗膜層上にエポキシ樹脂被覆層を設け、さらに前記エポキシ樹脂被覆層上のコンクリート地際部より下部に水膨潤性ゴム層を鉢巻状に設けた後、コンクリートを打設することを特徴とする鋼製構造物の防食方法。
(7)前記ジンクリッチ塗膜層が、エポキシ樹脂及び亜鉛末を主成分とするジンクリッチ塗料から構成されるものである上記(6)記載の防食方法。
(8)前記エポキシ樹脂被覆層が、エポキシ樹脂及びアミン系硬化剤を主成分とするエポキシ樹脂塗料から構成されるものである上記(6)または(7)記載の防食方法。
(9)前記水膨潤性ゴム層が、水膨潤性ポリウレタンとゴム成分とを主成分とする水膨潤性ゴム組成物から構成されるものである上記(6)〜(8)のいずれかに記載の防食方法。
(10)前記鋼製構造物が、コンクリート製消波板に一部分埋設される鋼製突起部である上記(6)〜(9)のいずれかに記載の防食方法。
本発明によれば、コンクリート製消波板に一部分埋設する鋼製突起部等の厳しい腐食環境下においても長期に亘って高い防食性を保持することができる。
本発明の防食性鋼製構造物の実施例を示す。 本発明の防食性鋼製構造物の他の実施例を示す。 比較例2の防食性鋼製構造物を示す。
以下、本発明について詳細に説明する。図1は、本発明方法による防食被覆の一実施形態を示す鋼材埋設地際部の説明図である。
図1に示すように、鋼製構造物がコンクリートに一部分埋設される際に、鋼製構造物の外周にジンクリッチ塗膜層が設けられ、その上にエポキシ樹脂被覆層が設けられ、さらに該エポキシ樹脂被覆層上のコンクリート地際部より下部に水膨潤性ゴム層が鉢巻状に設けられている。
コンクリートに一部分埋設される鋼製構造物としては、ガードレール、街灯、カーブミラー等の支柱となる鋼管柱や、消波構造物等に設けられる鋼製突起部などが挙げられる。
ジンクリッチ塗膜層は、鋼製構造物のコンクリート地上部から埋没部に至る外周面に設けられるものであり、埋没部についてはコンクリート地際面から少なくとも70mm以上、好ましくは100mm以上下方の埋没部まで設けられることがコンクリートのクラックを防止と、雨水や海水の浸入防止の点から望ましい。該ジンクリッチ塗膜層は、ジンクリッチ塗料を、通常、乾燥膜厚で20μm以上、好ましくは20〜75μmとなるようにして塗装することによって形成せしめることができる。該ジンクリッチ塗料の塗装は、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、刷毛塗りなどのそれ自体既知の手段で行なうことができる。該ジンクリッチ塗料としては、特に、エポキシ樹脂系結合剤及び亜鉛末を含んでなる有機ジンクリッチ塗料や、無機系結合剤及び亜鉛末を含んでなる無機ジンクリッチ塗料が好適に使用される。
上記エポキシ樹脂系結合剤には、1分子中にエポキシ基を2個以上、好ましくは2〜5個有するエポキシ樹脂とその硬化剤とからなるものが包含され、該エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAやビスフェノールFなどのポリフェノール化合物とエピハロヒドリンとの反応により得られるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、その他のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、これらのエポキシ樹脂をアルキルフェノール及び/又は脂肪酸によって変性してなる変性エポキシ樹脂、アルキルジフェノール又はアルキルフェノールノボラック型樹脂とエピクロルヒドリンとを反応させてなるエポキシ基導入アルキルフェノール又はアルキルフェノールノボラック型樹脂などを挙げることができる。また、上記エポキシ樹脂の硬化剤としては、それ自体既知のポリアミンやその変性物などのアミン系硬化剤を使用することができ、該アミン系硬化剤としては、例えば、脂肪族ポリアミン類、脂環族ポリアミン類、芳香族ポリアミン類、これらポリアミン類のマイケル付加物やエポキシ樹脂アダクト物、マンニッヒ付加物等、さらにはケチミン、ポリアミド、ポリアミドアミン、脂肪酸とポリアミンとの反応物やダイマ−酸とポリアミンとの反応物等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。アミン系硬化剤の配合割合は、前記エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対してアミン系硬化剤の活性水素が通常0.5〜5当量、特に0.6〜3当量になるような割合で用いるのが望ましい。
上記エポキシ樹脂系結合剤には、鋼材と塗膜との密着性を向上させるために、シランカップリング剤を配合することができ、該シランカップリング剤としては、例えば、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアミノ基含有シランカップリング剤;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシジル基含有シランカップリング剤;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト基含有シランカップリング剤などが挙げられる。これらのシランカップリング剤の配合量は、ジンクリッチ塗料中の樹脂固形分100重量部に対して通常0.5〜20重量部、好ましくは1〜15重量部が適当である。
一方、無機系結合剤には、例えば、テトラアルコキシシリケ−ト、アルキルトリアルコキシシリケ−ト、ジアルキルジアルコキシシリケート、これらの部分縮合体及び/又はそれらを水及び酸触媒の存在下で縮合反応させた加水分解初期縮合物などのケイ素系無機結合剤が包含され、テトラアルコキシシリケ−トとしては、例えば、テトラメトキシシリケ−ト、テトラエトキシシリケ−ト、テトラプロポキシシリケ−ト、テトライソプロポキシシリケ−ト、テトラブトキシシリケ−ト、テトライソブトキシシリケ−ト、エチルシリケ−ト40(日本コルコ−ト社製)等が挙げられ、アルキルトリアルコキシシリケ−トとしては、例えば、メチルトリメトキシシリケ−ト、メチルトリエトキシシリケ−ト、メチルトリプロポキシシリケ−ト、エチルトリメトキシシリケ−ト、エチルトリエトキシシリケ−ト等が挙げられ、ジアルキルジアルコキシシリケートとしては、例えば、ジメチルジメトキシシリケ−ト、ジメチルジエトキシシリケ−ト、ジエチルジメトキシシリケ−ト、ジエチルジエトキシシリケ−ト等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。また、上記シリケ−ト類に水分散型コロイダルシリカ、溶剤分散型コロイダルシリカなどのコロイダルシリカを併用してもよい。
また、結合剤成分として、上記ケイ素系無機結合剤に、必要に応じて、ケイ素以外の金属アルコキシド、金属コロイド、ポリビニルアルコ−ル樹脂などを混合して用いてもよい。
亜鉛末としては、防食性や接合部塗装時の摩擦耐力などの観点から、平均粒子径が通常5〜60μm、特に10〜45μmの範囲内にあるものが好適に使用できる。また、形状は、球状、棒状、塊状、針状などいずれであってもよいが、ほぼ球形状の粒子が好適である。該亜鉛末は、防食性や耐久性などの観点から、得られる乾燥塗膜を基準にして、通常50〜95重量%、特に60〜93重量%の範囲内で含有されることが好適である。該亜鉛末は、例えば、アルミニウム粉や銅粉等の他の金属粉と併用してもよい。
上記ジンクリッチ塗料には、さらに必要に応じて、通常の体質顔料、防錆顔料及び/又は着色顔料を塗膜の緻密性を損なわない程度で併用することができる。体質顔料としては、例えば、シリカ粉、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、クレー、シリカバルーンなどが挙げられ、防錆顔料及び着色顔料としては、例えば、酸化チタン、リン化鉄、MIO、シアナミド鉛、ジンククロメ−ト、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、メタホウ酸バリウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アルミニウム、ベンガラ、シアニン系着色顔料、カ−ボンブラック、ルチル粉末、ジルコン粉末などが挙げられる。
上記ジンクリッチ塗料には、さらに必要に応じて、有機溶剤、沈降防止剤、タレ止め剤、湿潤剤、反応促進剤、付着性付与剤などの通常の塗料用添加剤を適宜配合してもよい。
エポキシ樹脂被覆層は、上記ジンクリッチ塗膜層の上に設けられるものであり、ジンクリッチ塗膜層の端部を覆うようにして設けられることが望ましい。該エポキシ樹脂被覆層は、通常、エポキシ樹脂系塗料もしくは被覆材を、乾燥膜厚で通常60〜5000μm、好ましくは120〜5000μmとなるよう塗装することによって形成することができる。特に、厚膜型のエポキシ樹脂被覆層を設ける場合には、乾燥膜厚で通常1000〜5000μm、特に2000〜5000μmとなるようにして塗装するのが好適である。該エポキシ樹脂系塗料もしくは被覆材の塗装は、例えばエアスプレー、エアレススプレー、刷毛塗り、ローラー塗りなどのそれ自体既知の手段で行なうことができる。
上記エポキシ樹脂系塗料もしくは被覆材としては、エポキシ樹脂及びアミン系硬化剤を含んでなる有機溶剤型又は無溶剤型の組成物を使用することができる。かかるエポキシ樹脂及びアミン系硬化剤としては、例えば、前記ジンクリッチ塗料の説明で列記したエポキシ樹脂及びアミン系硬化剤の例示の中から適宜選択して使用することができる。
上記エポキシ樹脂系塗料もしくは被覆材には、さらに必要に応じて、顔料類、有機溶剤、沈降防止剤、タレ止め剤、消泡剤、湿潤剤、反応促進剤、付着性付与剤、反応性希釈剤などの通常の塗料用添加剤を適宜配合してもよい。
厚膜型のエポキシ樹脂被覆層を設ける場合には、液状のエポキシ樹脂及びアミン系硬化剤を含んでなる無溶剤型のエポキシ樹脂系塗料を用いるのが好適である。
水膨潤性ゴム層は、上記エポキシ樹脂被覆層上のコンクリート地際部より下部に鉢巻状に設けられるものであり、エポキシ樹脂被覆層の端部を覆うように設けられても良いし、エポキシ樹脂被覆層の端部より上部に設けられても良い。水膨潤性ゴム層を鉢巻状に設ける際の幅は、10mm以上、好適には20〜50mmの幅であることが雨水や海水の浸入防止の点から望ましい。
水膨潤性ゴム層は、上記のように、地際部より下部に鉢巻状に設けることにより、エポキシ樹脂被覆層とコンクリートの隙間に浸入した水に触れると自己体積膨張し、隙間を充填することで、下部のエポキシ樹脂被覆層が被覆されていない部分に雨水や海水が浸入することを防ぐ機能を果たす。これによって、本発明の防食性鋼製構造物の埋設地際部の腐食を著しく改善することができる。
水膨潤性ゴム層は、通常、水膨潤性ゴム組成物を加硫しシート状や略丸棒状等に分出したものをエポキシ樹脂被覆層上に巻きつけて形成することができる。該水膨潤性ゴム組成物としては、従来公知のものが特に制限なく使用でき、例えばビニル系、アクリル系の単一重合体もしくは共重合体、ポリウレタン系重合体、セルロース、デンプンまたはその変性物、架橋物などと、ゴム類との混練物を使用することができ、特にポリエーテルポリオールとポリイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと架橋剤とを、天然ゴム、合成ゴム、もしくは再生ゴム等のゴム類に混練硬化させて得られる水膨潤性ウレタン組成物が好適である。
上記ポリエーテルポリオールは、多価アルコールにアルキレンオキサイドを所望の分子量となるように付加せしめて得られるものであり、付加はランダムでもブロックでもよい。オキシエチレン基の割合が20重量%以上であることが水膨潤性の点から望ましい。上記ポリイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとしては任意のものが使用でき、上記架橋剤としては、一分子当たり2〜6個の活性水素を有し、活性水素当たりの平均分子量30〜15000のポリオール、ポリアミン(低分子量ポリオール、低分子量ポリオールとアルキレンオキサイドとの付加重合物、低分子量ポリアミンとアルキレンオキサイドとの付加重合物等)、あるいはこれらの混合物を用いることができる。
水膨潤性ゴムは、組成を調整する事で膨潤度を変化させる事が出来る。膨潤度が高いと、止水効果も高くなるが、膨潤度が高すぎるとコンクリートにクラックを生じる危険もあるため、水や海水が掛かる頻度と、埋没深さで膨潤度を選択すると良い。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、「部」及び「%」は特に断りのない限り、それぞれ「重量部」及び「重量%」を意味する。
実施例1
図1に示すように、直径100mm、長さ500mmの大きさの鋼管表面を、ガーネットブラストでISO Sa2 1/2及び表面粗度Rz60μmに処理した後、コンクリート地際面から145mm下方となる位置まで「SDジンク500」(関西ペイント社製、エポキシ樹脂ジンクリッチ塗料)を乾燥膜厚約20μmとなるように刷毛塗装し、20℃で24時間乾燥させてジンクリッチ塗膜層を形成した。次いで、ジンクリッチ被膜層上に「テクトバリヤーSP」(関西ペイント社製、超厚膜形エポキシ樹脂被覆材)をコンクリート地際面から150mm下方となる位置まで乾燥膜厚約2.3mmとなるようにスプレー塗装し、20℃で1週間乾燥させてエポキシ樹脂被覆層を形成した。
ついでエポキシ樹脂被覆層の端部から25mm上部でコンクリート地際面から125mm埋没部に相当する位置に、アデカウルトラシールP101(アデカ社製、水膨潤性ゴム組成物)を用いて20mmの幅で水膨潤性ゴム層を形成した。
ついで、この被覆鋼管をエポキシ被覆層の端部より150mm上方まで埋没するようにコンクリートを流し込んで固めコンクリート試験体を作成した。
実施例2
図2に示すように、実施例1において水膨潤性ゴム層を塗膜端部上に形成した以外は実施例1と同様に施工をした。
比較例1
実施例1において水膨潤性ゴム層を形成しない以外は実施例1と同様に施工をした。
比較例2
図3に示すように、コンクリート地際面から5mm上方となる位置まで「SDジンク500」(関西ペイント社製、エポキシ樹脂ジンクリッチ塗料)を乾燥膜厚約20μmとなるように刷毛塗装し、20℃で24時間乾燥させてジンクリッチ塗膜層を形成した。次いで、ジンクリッチ塗膜層上に「テクトバリヤーSP」(関西ペイント社製、超厚膜形エポキシ樹脂被覆材)をコンクリート地際面となる位置まで乾燥膜厚約2.3mmとなるようにスプレー塗装し、20℃で1週間乾燥させてエポキシ樹脂被覆層を形成した。
ついで、この被覆鋼管をエポキシ被覆層の端部まで埋没するようにコンクリートを流し込んで固めコンクリート試験体を作成した。
上記のとおり作製した実施例1及び2並びに比較例1及び2の各コンクリート試験体を海浜部の干満帯に位置する場所に設置し、海水の飛沫や満潮時に鋼管埋没面が没水する環境で暴露試験を行い、発錆の有無で防食性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005258709
表1に示されるように、本発明の実施例1および2では、暴露後、6ヶ月および12ヶ月経過しても錆の発生が無かったが、水膨潤性ゴムを有しない比較例1および2の被覆構造物では、それぞれ暴露後12ヶ月、6ヶ月後に地際部より発錆が確認された。以上により、本発明の防食性鋼製構造物、特に水膨潤性ゴムによる優れた防食効果が確認することができた。
11 エポキシ樹脂被覆層
13 ジンクリッチ塗膜層
15 水膨張性ゴム
17 鋼製構造物
19 コンクリート
21 エポキシ樹脂被覆層
23 ジンクリッチ塗膜層
25 水膨張性ゴム
27 鋼製構造物
29 コンクリート
31 エポキシ樹脂被覆層
33 ジンクリッチ塗膜層
37 鋼製構造物
39 コンクリート

Claims (10)

  1. コンクリートに一部分埋設される防食性鋼製構造物であって、鋼製構造物の外周にジンクリッチ塗膜層が設けられ、前記ジンクリッチ塗膜層上にエポキシ樹脂被覆層が設けられ、さらに前記エポキシ樹脂被覆層上のコンクリート地際部より下部に水膨潤性ゴム層が鉢巻状に設けられていることを特徴とする防食性鋼製構造物。
  2. 前記ジンクリッチ塗膜層が、エポキシ樹脂及び亜鉛末を主成分とするジンクリッチ塗料から構成されるものである請求項1記載の防食性鋼製構造物。
  3. 前記エポキシ樹脂被覆層が、エポキシ樹脂及びアミン系硬化剤を主成分とするエポキシ樹脂塗料から構成されるものである請求項1または2記載の防食性鋼製構造物。
  4. 前記水膨潤性ゴム層が、水膨潤性ポリウレタンとゴム成分とを主成分とする水膨潤性ゴム組成物から構成されるものである請求項1〜3のいずれかに記載の防食性鋼製構造物。
  5. 前記鋼製構造物が、コンクリート製消波板に一部分埋設される鋼製突起部である請求項1〜4のいずれかに記載の防食性鋼製構造物。
  6. コンクリートに一部分埋設される鋼製構造物の防食方法であって、鋼製構造物の外周にジンクリッチ塗膜層を設けた後、前記ジンクリッチ塗膜層上にエポキシ樹脂被覆層を設け、さらに前記エポキシ樹脂被覆層上のコンクリート地際部より下部に水膨潤性ゴム層を鉢巻状に設けた後、コンクリートを打設することを特徴とする鋼製構造物の防食方法。
  7. 前記ジンクリッチ塗膜層が、エポキシ樹脂及び亜鉛末を主成分とするジンクリッチ塗料から構成されるものである請求項6記載の防食方法。
  8. 前記エポキシ樹脂被覆層が、エポキシ樹脂及びアミン系硬化剤を主成分とするエポキシ樹脂塗料から構成されるものである請求項6または7に記載の防食方法。
  9. 前記水膨潤性ゴム層が、水膨潤性ポリウレタンとゴム成分とを主成分とする水膨潤性ゴム組成物から構成されるものである請求項6〜8のいずれかに記載の防食方法。
  10. 前記鋼製構造物が、コンクリート製消波板に一部分埋設される鋼製突起部である請求項6〜9のいずれかに記載の防食方法。
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