以下、本発明の一実施の形態の電気掃除機の構成を図1ないし図9を参照して説明する。
図9において、11はいわゆるキャニスタ型の電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、管部12と、この管部12が着脱可能に接続される掃除機本体13とを有している。
管部12は、掃除機本体13に接続される基端側に対して先端側が前方へ屈曲した接続管部15と、この接続管部15の先端側に連通する可撓性を有するホース体16と、このホース体16の先端側に設けられた手元操作部17と、この手元操作部17の先端側に着脱可能に接続される延長管18と、この延長管18の先端側に着脱可能に接続される吸込口体としての床ブラシ19とを備えている。
手元操作部17には、把持部21がホース体16側へと突出し、この把持部21には、操作用の設定ボタン22が複数設けられている。
また、掃除機本体13は、図7ないし図9に示すように、本体ケース25を備え、この本体ケース25の内部には、隔壁26が設けられ、この隔壁26の後側に、電動送風機27(図2)を収容する図示しない電動送風機室、および、電源コード31を出し入れ可能に巻回した図示しないコードリールを収容するコードリール室がそれぞれ区画されているとともに、隔壁26の前側に、電動送風機27の吸込側に連通する本体集塵室35が区画され、この本体集塵室35に、集塵装置としての集塵カップ36が着脱可能に配置されている。
本体ケース25は、例えば合成樹脂などにより形成され、上側が開口した下ケース41と、この下ケース41の上側後部である電動送風機室およびコードリール室を覆う上ケース42と、この上ケース42あるいは下ケース41に対して上下方向に回動可能に軸支され本体集塵室35を開閉可能とする本体蓋43とを備えている。そして、下ケース41の両側方には、掃除機本体13の走行用の大径の走行輪44(一方のみ図示)が回転自在に軸支されている。
上ケース42は、後部に、電動送風機室の下流側に連通する排気口46(図2)と、電源コード31を本体ケース25の外部に導出するための図示しないコード導出口とがそれぞれ開口形成されている。
本体蓋43は、後端側が回動可能に軸支されている。また、この本体蓋43には、接続管部15が接続される本体吸込口48を備えた回転部49が周方向に回転可能に設けられている。さらに、本体吸込口48は、前方上側に向けて開口形成されている。
電動送風機27は、電源コード31を介して電源から給電されることにより、設定ボタン22で設定された所定の動作モードで動作して管部12を介して空気とともに塵埃を吸い込むものである。そして、この電動送風機27は、前側を吸込側、後側を排気側として電動送風機室内に配置され、本体ケース25全体として後側に偏って位置している。
そして、集塵カップ36は、図4ないし図6および図8に示すように、塵埃分離本体部としての塵埃分離ユニット51と、集塵部としての集塵部ユニット52とを備えている。
塵埃分離ユニット51は、分離部としての塵埃分離部54と、この塵埃分離部54の後部に一体に設けられたフィルタ取付部55とを有している。
塵埃分離部54は、吸込管部としての角筒状の案内風路管57が、左右方向の略中央部に上向きに形成され、この案内風路管57の一側に略円筒状の分離室部58が形成され、この分離室部58の上側で案内風路管57の前方に集塵部ユニット52の上流側に連通する導風管部59が形成され、案内風路管57の他側に集塵部ユニット52の上流側に連通する連通管部60が形成され、かつ、案内風路管57の下方に接続風路部61が形成されている。
案内風路管57は、塵埃分離ユニット51を本体ケース25の本体集塵室35に装着した状態で本体吸込口48(図9)の下流側に気密に接続されて塵埃を空気とともに吸い込む吸込接続口64を上端部に備え、かつ、下端部が分離室部58の上部後側に、この分離室部58の内周面に沿って空気を導くように接線方向に沿って連通している。そして、吸込接続口64には、第1開閉部材としての接続口開閉弁65(図2)が取り付けられている。
分離室部58は、左右幅方向に沿って軸方向を有しており、中心軸位置に接続風路部61に連通する円形状の開口66が中央部に形成され、この開口66に、例えば五角錐形状の塵埃分離手段67が取り付けられている。また、この分離室部58の開口66の周囲には、接続風路部61に連通する複数の延命用開口68が形成され、これら延命用開口68には、それぞれメッシュフィルタ69が取り付けられている。さらに、分離室部58の周壁部の下部には、連通開口部としての塵埃戻し開口71が開口形成され、この塵埃戻し開口71には上流側と下流側との圧力差により開閉する第2開閉部材としての開口開閉弁72が取り付けられているとともに、この塵埃戻し開口71は、塵埃分離部54と一体的に形成された連通風路73と連通している。また、この分離室部58の周壁部の上部前側には、導風管部59の上流側に連通する図示しない導入開口が形成されている。そして、この分離室部58は、蓋76により開閉可能となっている。
塵埃分離手段67は、分離室部58内で周囲に沿って空気を旋回させることで塵埃を遠心分離するための部分であり、開口66に連通する連通開口78を外周面に複数備え、これら連通開口78を覆ってネットフィルタ79が設けられている。
連通風路73は、分離室部58の後部下側からフィルタ取付部55の下部に亘って前後方向に略水平状に形成され、このフィルタ取付部55内に連通している。
導風管部59は、水平方向に沿って形成され、分離室部58と反対側の端部に、集塵部ユニット52の上流側に気密に接続される導風開口81が形成されている。
連通管部60は、塵埃分離部54の側部に集塵部ユニット52の下流側に連通する側部開口83が開口形成されているとともに、本体集塵室35の底部に位置し隔壁26側に連通する接続開口84に気密に接続される下部開口85(図6)が開口形成され、この下部開口85を覆って内部に塵埃捕集手段としての微細塵フィルタ86(図7)が配置されている。この微細塵フィルタ86は、前後方向に沿って山部および谷部が左右幅方向に交互に形成されたプリーツ状のフィルタである。また、接続開口84の下部には、上流側と下流側との圧力差によって開閉する第3開閉部材としてのフラップ状の接続開口開閉弁87が取り付けられている。
接続風路部61は、前後方向に沿って形成され、フィルタ取付部55へと連通している。
また、フィルタ取付部55は、図1(a)、図1(b)および図6に示すように、前端を形成する正面視略半円形状の区画壁としての前壁部88と、この前壁部88の外周縁部から後方へと突出した突出部89とを有し、後端部が開口されて隔壁26に対向しており、内部にプリーツフィルタ体90が着脱可能となっている。
前壁部88は、塵埃分離部54と一体的に形成されており、連通管部60の下流側と連通する第1接続開口92と接続風路部61の下流側と連通する第2接続開口93とが隔壁部94を介して互いに隣接して下側寄りの位置に開口形成されている。また、この前壁部88には、第1接続開口92および第2接続開口93の一部を開閉するための第4開閉部材としての接続開閉弁95が回動可能に取り付けられている。
この接続開閉弁95は、前壁部88の前側に位置する駆動部97と、この駆動部97と一体的で前壁部88の後部に位置する弁本体98とを備えている。
駆動部97は、中心角が約90°程度の扇形状に形成されており、前壁部88に対して左右90°程度回動可能となるように軸部97aで軸支されている。この軸部97aは、接続口開閉弁65(図2)の回動軸と連結され、各弁65,95の開閉が連動するように構成されている。さらに、この駆動部97の円弧状の周縁部近傍の一部には、ギヤ歯部97bが形成されている。
弁本体98は、接続開口92,93を開閉する板体であり、駆動部97の回動に伴って前壁部88の背面側を摺動して回動するように構成されている。また、この弁本体98には、正面視で略三角形状の穴部98aが開口形成されている。この穴部98aは、弁本体98が接続開口92,93の後部の位置まで回動した状態で、第2接続開口93の一部を開口させるものである。
突出部89は、水平方向に沿って形成されフィルタ取付部55の上部を区画する上部突出部89aと、この上部突出部89aの下部に連続し、フィルタ取付部55の底部側を形成する略円弧状の下部突出部89bとを有している。
上部突出部89aには、左右方向に長手状でかつ上方に向けて突出する上部突出部99が形成され、この上部突出部99には、プリーツフィルタ体90の上部でかつ上流すなわち前面側に位置して、外気を導入するための第1流入口としての上部外気導入口100が開口形成されている。
一方、下部突出部89bの一側には、プリーツフィルタ体90の下部側方でかつ上流すなわち前面側に位置して外気を導入するための第2流入口としての側部外気導入口102が形成されており、下部突出部89bの他側には、連通風路73に連通する廃棄口103が一側に形成されている。なお、以下、外気とは、集塵カップ36の外部に位置する空気をいい、必ずしも掃除機本体13の外部の空気をいうものではなく、電動送風機27の排気風なども含むものとする。
上部外気導入口100は、外気とフィルタ取付部55内とを連通可能なもので、プリーツフィルタ体90の上方に位置し、左右方向に複数の図示しない小型導入口に区画されている。また、この上部外気導入口100には、全体を覆って開閉部材としての第1流入口開閉手段すなわち第5開閉部材である上部開閉弁105が取り付けられている。
小型導入口は、外側(上流側)である上側からフィルタ取付部55内(下流側)である下側へ向かって、徐々に開口面積が小さくなるように、換言すれば風路面積が絞られるように形成されている。
上部開閉弁105は、横長に形成され、ヒンジ部105aを介してフィルタ取付部55の上側に前後方向に回動可能に軸支されている。また、この上部開閉弁105は、接続開閉弁95による接続開口92,93の開閉に連動して、上部外気導入口100を開閉するように構成されている。
側部外気導入口102は、外気とフィルタ取付部55内とを連通可能なもので、プリーツフィルタ体90の下側寄りで廃棄口103と反対側の側部に位置している。したがって、廃棄口103は、側部外気導入口102から吸い込んだ外気の下流側に位置している。またこの側部外気導入口102は、上部外気導入口100全体よりも開口面積が小さく設定されている。そして、側部外気導入口102には、開閉部材としての第2流入口開閉手段すなわち第6開閉部材である側部開閉弁107が取り付けられている。
この側部開閉弁107は、突出部89の外形に沿って湾曲状に形成されており、例えば下部が図示しないヒンジ部を介して突出部89に軸支されている。
廃棄口103は、プリーツフィルタ体90の下側の側方に配置されている。
また、プリーツフィルタ体90は、フィルタ取付部55に取り付け可能なフィルタ枠部108と、このフィルタ枠部108の内部に保持された捕集手段としてのフィルタであるプリーツフィルタ109とを備えている。そして、プリーツフィルタ109は、交互に形成された複数の山谷部によるプリーツ形状すなわち溝部であるプリーツ部109aにより表面積を確保した細塵捕集用のフィルタであり、プリーツフィルタ体90をフィルタ取付部55に取り付けた状態で第1接続開口92および第2接続開口93の一部を覆い、かつ、プリーツ部109aが上下方向に沿うように配置されている。また、プリーツフィルタ109は、上部全体の前端部が上部外気導入口100の下方に対向し、一側部の前端部が側部外気導入口102に対向するように配置されている。換言すれば、プリーツフィルタ109のプリーツ部109aは、上部外気導入口100からの外気の導入方向に沿い、かつ、側部外気導入口102からの外気の導入方向に交差する方向に沿うように形成されている。したがって、廃棄口103は、上部外気導入口100から吸い込んだ外気のプリーツフィルタ109のプリーツ部109aに沿った下流側で、かつ、側部外気導入口102から吸い込んだ外気の下流側に位置している。
また、集塵部ユニット52は、図5に示すように、塵埃を内部に収容する本体部111と、上端側が本体部111の上端側に回動可能に軸支された集塵部蓋体としてのユニット蓋部112とを有し、これら本体部111とユニット蓋部112との間に集塵室113を区画している。そして、この集塵部ユニット52は、図示しない爪部を介して塵埃分離ユニット51に固定可能であるとともに、この爪部の係合を図示しない取外機構により解除することで、塵埃分離ユニット51(図4)から取り外しできるように構成されている。
本体部111は、合成樹脂などにより気密に形成されている。
ユニット蓋部112は、枠状の蓋部本体114と、この蓋部本体114に区画形成された通気口115および蓋部開口116と、通気口115に取り付けられたネットフィルタ117とを備えている。そして、このユニット蓋部112は、集塵室113を開閉可能に構成されている。
蓋部開口116は、集塵部ユニット52を塵埃分離ユニット51に取り付けた状態で導風開口81に気密に接続される開口である。
集塵室113は、例えば綿ごみなどの比較的大きい塵埃が収容される部分であり、導風管部59の側方から下方へと伸びるように上下方向に長手状に形成されている。
そして、図7に示すように、隔壁26は、本体集塵室35側に位置する壁状の前部インデューサである隔壁本体121と、この隔壁本体121の後部に一体的に取り付けられた風路構成部としての後部インデューサである図示しない隔壁風路とを有している。
隔壁本体121は、隔壁風路122側へと連続する複数の通気孔125が格子状に形成されている。また、この隔壁本体121には、左右幅方向に沿って長手状の露出孔126が形成されており、この露出孔126から、除塵手段としての塵落とし部127の前側の一部が露出している。
塵落とし部127は、左右幅方向に沿って配置された図示しないガイド部に支持された除塵手段本体である図示しない塵落とし部本体と、この塵落とし部本体に左右方向に沿って回動可能に軸支された除塵体である塵落とし体129とを備えている。そして、塵落とし部本体が、図示しない駆動機構によりガイド部に沿ってガイドされながら左右幅方向に往復摺動することで、塵落とし体129がプリーツフィルタ109のプリーツ部109aを順次乗り越えつつこのプリーツフィルタ109を弾くことで、このプリーツフィルタ109に振動を与え、このプリーツフィルタ109に捕集した塵埃を除去することが可能となっている。
ここで、駆動機構は、電動送風機27の駆動を制御する制御手段である制御回路からの信号により正転・反転駆動される第1駆動源である電動機すなわち第1モータ、この第1モータの回転軸に接続された複数のギヤ、および、これらギヤに歯合して連動する複数のギヤ列などを備えた第1機構部と、制御回路からの信号により正転・反転駆動される第2駆動源である電動機すなわち第2モータ、この第2モータの回転軸に接続された複数のギヤ、および、これらギヤに歯合して連動する複数のギヤ列などを備えた第2機構部とを備えている。
第1機構部は、一のギヤ列が接続開閉弁95の駆動部97のギヤ歯部97bに歯合され、他のギヤ列が塵落とし部本体に歯合されて、第1モータの回転に伴い接続開閉弁95が接続開口92,93を開閉するとともに、塵落とし部本体が塵落とし体129とともにガイド部に沿って摺動するように構成されている。
第2機構部は、一のギヤ列が第2モータの回動により上部開閉弁105を開閉するように構成され、他のギヤ列が第2モータの回動により側部開閉弁107を開閉するように構成されている。
また、隔壁風路は、本体集塵室35側と電動送風機27の吸込側とを連通接続する第1風路部131と、この第1風路部131に対して分岐され上記接続開口84と連通する第2風路部132とを備えており、第1風路部131の上流端である前端を開閉可能な第7開閉部材としての前部開閉弁137と、第2風路部132を第1風路部131に対して開閉可能な第8開閉部材としての下部開閉弁144とが取り付けられている。
前部開閉弁137と下部開閉弁144とは、上記駆動機構の第1機構部のギヤ列のさらに他の一部によって互いに連動して回動され、前部開閉弁137と下部開閉弁144との一方が開いた状態で他方が閉じるように構成されている。このため、接続開閉弁95、前部開閉弁137および下部開閉弁144が、駆動機構の第1モータの回動に連動して開閉されることにより、通常の掃除に用いる第1風路としての主風路W1と、例えば掃除の開始時、あるいは終了時などにプリーツフィルタ109を空気洗浄するための第2風路としての副風路W2とが切り換えられる。
具体的に、主風路W1には、図3に示すように、接続開閉弁95によって接続開口92,93が開かれた状態となり、この接続開閉弁95に連動して接続口開閉弁65が吸込接続口64を開いた状態となり、前部開閉弁137によって第1風路部131の上流端である前端が開口した状態となり、下部開閉弁144によって第2風路部132が第1風路部131に対して遮断された状態となり、開閉弁105,107によって外気導入口100,102が閉塞された状態となり、かつ、電動送風機27の負圧によって、開口開閉弁72および接続開口開閉弁87により塵埃戻し開口71および接続開口84がそれぞれ閉塞された状態となることで、本体吸込口48から、吸込接続口64を介して案内風路管57、分離室部58、導風管部59、集塵室113、連通管部60、第1接続開口92、プリーツフィルタ109、通気孔125、第1風路部131を介して電動送風機27へと吸い込まれる第1主風路W1aと、この第1主風路W1aから分離室部58にて延命用開口68および連通開口78(開口66)へと分岐され、接続風路部61および第2接続開口93を介してプリーツフィルタ109にて第1主風路W1aと合流する第2主風路W1bとが構成される。
また、副風路W2には、図2(a)に示すように、接続開閉弁95によって第1接続開口92および第2接続開口93の一部が閉塞された状態となり、前部開閉弁137によって第1風路部131の前端が閉塞された状態となり、下部開閉弁144が開かれて第2風路部132が第1風路部131に連通した状態となり、上部開閉弁105によって上部外気導入口100が開かれた状態となり、側部開閉弁107によって側部外気導入口102が閉塞された状態となり、かつ、電動送風機27の負圧によって開口開閉弁72および接続開口開閉弁87により塵埃戻し開口71および接続開口84がそれぞれ開かれた状態となることで、上部外気導入口100を介して、連通風路73、分離室部58、導風管部59、集塵室113、下部開口85、接続開口84、第2風路部132および第1風路部131を介して電動送風機27へと吸い込まれる第1副風路W2aと、図2(b)に示すように、接続開閉弁95によって第1接続開口92および第2接続開口93の一部が閉塞された状態となり、前部開閉弁137によって第1風路部131の前端が閉塞された状態となり、下部開閉弁144が開かれて第2風路部132が第1風路部131に連通した状態となり、上部開閉弁105によって上部外気導入口100が閉塞された状態となり、側部開閉弁107によって側部外気導入口102が開かれた状態となり、かつ、電動送風機27の負圧によって開口開閉弁72および接続開口開閉弁87により塵埃戻し開口71および接続開口84がそれぞれ開かれた状態となることで、側部外気導入口102を介して、連通風路73、分離室部58、導風管部59、集塵室113、下部開口85、接続開口84、第2風路部132および第1風路部131を介して電動送風機27へと吸い込まれる第2副風路W2bと、これら副風路W2a,W2bからフィルタ取付部55の位置で第2接続開口93へと分岐され、接続風路部61、開口66(連通開口78)および延命用開口68へと分岐されて分離室部58内にて副風路W2a,W2bと合流する第3副風路W2cとが構成される。
したがって、主風路W1と副風路W2とは、フィルタ取付部55、分離室部58、導風管部59および集塵室113が共通するように設けられており、この共通部分の一部であるフィルタ取付部55に、プリーツフィルタ109が位置している。また、外気導入口100,102が副風路W2の吸気口となっている。
そして、接続口開閉弁65、開口開閉弁72、接続開口開閉弁87、接続開閉弁95、上部開閉弁105、側部開閉弁107、前部開閉弁137、下部開閉弁144、および駆動機構などにより、主風路W1と副風路W2とを選択的に電動送風機27の吸込側に連通させるように切り換えるための切換部145が構成されている。
なお、図2(a)および図2(b)は、便宜上、各弁65,72,87,95,105,107,137,144の開閉動作を模式的に示しているものであり、必ずしも実際の各弁65,72,87,95,105,107,137,144の回動や摺動などの動作を示しているものではない。
次に、上記一実施の形態の動作を説明する。
まず、本体ケース25の本体蓋43を開けて本体集塵室35に集塵カップ36を装着する。
このとき、本体集塵室35に、まず塵埃分離ユニット51を装着することで、下部開口85が接続開口84と気密に接続され、接続開閉弁95の駆動部97のギヤ歯部97bが第1機構部のギヤに歯合するとともに、フィルタ取付部55のプリーツフィルタ体90が、隔壁26の通気孔125および塵落とし体129に対向する。
次いで、この塵埃分離ユニット51を装着した本体集塵室35に集塵部ユニット52を装着することで、集塵部ユニット52が塵埃分離ユニット51に係止され、集塵部ユニット52の通気口115および蓋部開口116と塵埃分離ユニット51の導風開口81および側部開口83とが気密に接続される。
そして、本体蓋43を閉じることで、集塵カップ36の吸込接続口64と本体蓋43の本体吸込口48とが気密に接続される。
この状態で、本体吸込口48にホース体16(接続管部15)、延長管18および床ブラシ19を順次連通接続するとともに、本体ケース25から電源コード31を引き出して壁面などのコンセントに接続し、作業者が把持部21を把持して所定の設定ボタン22を操作すると、制御回路が駆動機構の第1モータを所定方向に回転させる。
すると、下部開閉弁144が閉じて第2風路部132を第1風路部131に対して遮断し、かつ、前部開閉弁137が回動して第1風路部131の前端を開き、接続開閉弁95が回動して接続開口92,93が開口し、かつ、接続口開閉弁65が回動して吸込接続口64が開口する。また、電動送風機27の負圧によって、開口開閉弁72および接続開口開閉弁87が塵埃戻し開口71および接続開口84をそれぞれ閉塞する。このとき、開閉弁105,107は外気導入口100,102を閉塞した状態となっている。
この結果、図3に示すように、主風路W1が電動送風機27の吸込側に連通接続され、副風路W2が電動送風機27の吸込側に対して遮断される。
このように主風路W1が電動送風機27の吸込側に接続されると、制御回路は第1モータの回動を停止させ、電動送風機27を駆動させる。
そして、作業者は、床ブラシ19を床面上で前後方向に走行させ、電動送風機27の負圧の作用により、床ブラシ19の先端側から床面上の塵埃を空気とともに吸い込む。
この吸い込まれた空気は吸込風となり、床ブラシ19から延長管18、ホース体16および本体吸込口48を経由して、集塵カップ36の吸込接続口64へと吸い込まれる。
この後、空気は、塵埃とともに分離室部58内へと吸い込まれ、この分離室部58内にて、塵埃分離手段67の外周面との間を旋回することで、比較的大きい塵埃である粗塵が遠心分離されて第1主風路W1a側へと、すなわち、導風管部59から導風開口81および集塵部ユニット52の蓋部開口116を介して集塵室113内へと空気とともに吸い込まれる。
また、細塵は、ネットフィルタ79を吸込風が通過する際に一部が捕集される。この吸込風は、第2主風路W1b側へと、すなわち開口66および延命用開口68から接続風路部61へと流入し、第2接続開口93を介してプリーツフィルタ体90の上流側へと吸込風とともに通過する。
そして、前記粗塵は、集塵室113に収容され、この集塵室113において、吸込風が通気口115から側部開口83へと通過する際に圧縮される。この通過した吸込風は、第1接続開口92を介してプリーツフィルタ体90の上流側へと通過する。
この後、吸込風は、プリーツフィルタ体90のプリーツフィルタ109を通過して、このプリーツフィルタ109により、含まれる細塵が捕集される。
そして、吸込風は、隔壁26の通気孔125を通過して電動送風機27の吸込側に吸い込まれ、この電動送風機27を通過して排気風となり、本体ケース25の排気口46から外気へと排出される。
掃除が終了すると、作業者が所定の設定ボタン22を操作して、電動送風機27の停止信号を制御回路に出力する。
このとき、停止信号を受信した制御回路は、駆動機構の第1モータを、掃除の開始時と反対方向へと回動させるとともに、第2モータを回動させる。
すると、第1モータの回動により、塵落とし部127が左右幅方向に往復動作し、塵落とし体129がプリーツ部109aに対して交差する方向にプリーツフィルタ109を順次弾くことで、プリーツフィルタ109に捕集した細塵をプリーツフィルタ109から剥がすとともに、下部開閉弁144が開いて第2風路部132を第1風路部131に連通させ、前部開閉弁137が第1風路部131の前端を閉塞し、接続開閉弁95が回動して、第1接続開口92および第2接続開口93の一部を閉塞し、かつ、接続口開閉弁65が吸込接続口64を閉塞する。また、電動送風機27の負圧によって、開口開閉弁72および接続開口開閉弁87が塵埃戻し開口71および接続開口84をそれぞれ開く。さらに、第2モータの回動により、上部開閉弁105が上部外気導入口100を開く。このとき、側部開閉弁107は、側部外気導入口102を閉じた状態となっている。
この結果、図1(a)および図2(a)に示すように、副風路W2が電動送風機27の吸込側に連通接続され、主風路W1が電動送風機27の吸込側に対して遮断されることで、上部外気導入口100の各小型導入口からは、フィルタ取付部55内に外気が導入され、この外気の一部が、絞られて流速を速められつつプリーツフィルタ109のプリーツ部109aの上流側面に沿って流れるように上側から下側へと吹き付けられ(以下、外気A1という)、塵落とし部127によりプリーツフィルタ109から剥がされた細塵が突出部89上へと運ばれる。また、吸込風の残りは、穴部98aへと分岐されて流れる。
所定時間が経過した後、制御回路は、第2モータを動作させて上部開閉弁105により上部外気導入口100を閉じるとともに、側部開閉弁107により側部外気導入口102を開くことで、図1(b)および図2(b)に示すように、側部外気導入口102から導入された外気の一部が、プリーツフィルタ109のプリーツ部109aと交差する方向に沿って流れるように左右幅方向へと吹き付けられ(以下、外気A2という)、突出部89上に運ばれた細塵を廃棄口103へと運ぶ。また、吸込風の残りは、穴部98aへと分岐されて流れる。
この後、廃棄口103へと吸い込まれた吸込風は、連通風路73を介して塵埃戻し開口71を通過して分離室部58へと流入する。また、穴部98aへと吸い込まれた吸込風は、接続風路部61を介してフィルタ69,79を逆方向に通過(逆洗)して分離室部58へと流入する際に、これらフィルタ69,79に付着した塵埃を剥がす。
分離室部58へと流入した吸込風は、合流して塵埃分離手段67の周囲を旋回しつつ導風管部59へと吸い込まれ、集塵室113から通気口115、側部開口83および下部開口85を経由して、それぞれ集塵室113に捕集された綿ごみなどの粗塵、ネットフィルタ117および連通管部60の微細塵フィルタ86によって塵埃が捕集された後、接続開口84を介して第2風路部132および第1風路部131を経由し、電動送風機27の吸込側へと吸い込まれる。
そして、駆動機構の動作開始から一定時間が経過すると、制御回路は、駆動機構とともに電動送風機27を停止させる。
集塵部ユニット52に所定量以上の塵埃が溜まった場合には、本体ケース25の本体蓋43を開き、本体集塵室35から集塵部ユニット52を取り外し、ごみ箱などの上方でユニット蓋部112を開くことで、集塵室113内に捕集された塵埃を廃棄する。
また、塵埃分離ユニット51の各種フィルタが目詰まりした場合には、この塵埃分離ユニット51も本体集塵室35から取り外して適宜掃除する。
そして、取り外しのときと逆の手順により、塵埃分離ユニット51と集塵部ユニット52とを順次本体集塵室35へと再度取り付ける。
上述したように、上記一実施の形態によれば、電気掃除機11を駆動状態から停止させる操作を作業者がしたときなどの所定条件時に、開閉弁105,107により外気導入口100,102を順次開き、プリーツフィルタ109の上流側へと、上部外気導入口100から外気A1を吸い込んでプリーツフィルタ109のプリーツ形状に沿う方向、具体的には上下方向に沿って流した後、側部外気導入口102から外気A2を吸い込んでプリーツ形状に交差する方向、具体的には左右方向(水平方向)に沿って流すことで、プリーツフィルタ109に捕集した塵埃を確実に除去して、側部外気導入口102を介する外気A2の流れの下流側に位置する廃棄口103へと確実に運ぶことができ、フィルタ取付部55内などのプリーツフィルタ109回りを清潔に保つことができる。
すなわち、上部外気導入口のみを設ける従来の場合では、プリーツフィルタから除去した細塵を下方へと運ぶに過ぎず、廃棄口へと確実に運ぶことが容易でなかったのに対して、本実施の形態では、上部外気導入口100から吸い込んだ外気A1によりプリーツフィルタ109から下方へと一旦除去した細塵を、側部外気導入口102から吸い込んだ外気A2により廃棄口103へと運ぶので、確実に廃棄口103へと細塵を吸い込むことができる。
また、細塵を下方へと運ぶための外気A1は、細塵が自重によっても下方へと落下することから、流速が比較的小さくてもよい一方で、細塵を略水平方向に運ぶための外気A2は、重力の補助を受けながら細塵を運ぶことが殆どできず、また、プリーツフィルタ109のプリーツ部109aと交差する方向に流れることで抵抗も大きくなることから、流速を比較的大きくすることが好ましい。したがって、側部外気導入口102の開口面積を上部外気導入口100の開口面積よりも小さく設定することで、上部外気導入口100から吸い込む外気A1を広い範囲でプリーツフィルタ109に吹き付けて、このプリーツフィルタ109の広い範囲から細塵を運ぶことができるとともに、側部外気導入口102から吸い込む外気A2の流速を、上部外気導入口100から吸い込む外気の流速よりも大きくして、細塵を廃棄口103へと確実に運ぶことができる。
なお、上記一実施の形態において、集塵カップ36は、主風路W1と副風路W2とを切り換えできる構成とすれば、上記構成に限定されるものではない。
また、主風路W1と副風路W2との切り換えのタイミングは、例えば掃除中の任意のタイミング、あるいは作業者によって所定の操作が入力されたときなど、任意に設定できる。
さらに、駆動機構は、接続開閉弁95および各弁105,107,137,144などを連動させることができれば、任意に構成できる。
そして、プリーツフィルタ109のプリーツ部109aは、上下方向に沿うように配置するものに限定されない。この場合には、上記外気導入口100,102に代えて、プリーツ部109aの方向に沿って外気を導入する第1流入口と、プリーツ部109aの方向に交差する方向に沿って外気を導入する第2流入口とを形成し、第2流入口からのプリーツ部109aの形状に沿った流れの下流側に廃棄口を形成すれば、同様の作用効果を奏することができる。
また、フィルタとしては、プリーツフィルタ109に限定されない。この場合には、第1流入口をフィルタの上方に形成し、第2流入口をフィルタの下部側方に形成して、第2流入口から吸い込んだ外気の流れの下流側に廃棄口を形成すれば、同様の作用効果を奏することができる。
さらに、除塵手段を設けない構成としてもよい。この場合には、構成をより簡略化できる。
そして、電気掃除機11としては、キャニスタ型に限らず、アップライト型、ハンディ型、あるいは自律走行型などでも対応できる。