JP5256186B2 - 地盤改良工法 - Google Patents
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Description
よって、地盤改良箇所が変わる毎に観測者による混合攪拌ヘッドの位置の誘導が必要になるため、地盤改良の施工中のほとんどの時間においてこの観測が必要となり、観測者は専属となる。従って、1つのベースマシンに対して、少なくとも1人の専属の観測者を必要とするため、コストが上昇するという問題がある。
距離測定器は超音波式であってもよい。超音波式の距離測定器は、安価でありコストを低減できる。さらに、超音波式の距離測定器は、対象物の材質に関係なく安定した測定が可能であり、また、明暗の影響を受けにくい。
距離測定器はレーザー式であってもよい。レーザー光線は、その広がりが小さい。このため、レーザー光線による距離測定は、その測定点は小さくなるので、正確な距離測定を行なうことができる。
実施の形態
図1及び4を用いて、この発明の実施の形態に係る地盤改良施工機1の構成を説明する。なお、以下の実施形態において、ベースマシンとしてショベル系の掘削機であるバックホウを使用した場合の例について説明する。
このように、ケーシング部3の傾斜角度θと、ケーシング部3と距離測定器11との距離すなわちケーシング部3の水平方向の位置とを操縦室2bのオペレータが常時リアルタイムで把握できることによって、ケーシング部3の定位置での鉛直な貫入が可能になる。また、場合によっては、距離測定器11の測距開始ボタンをON(測距開始)及びOFF(測距停止)することによって、ケーシング部3と距離測定器11との距離を一時的に計測し、この一時的な計測を必要に応じて行なうようにしてもよい。
そして、距離測定器11は、送信部と受信部とを有しており、送信部及び受信部のそれぞれにバイモルフ振動子が設けられている。
また、受信部では、バイモルフ振動子は、送信部が発信した超音波が対象物に反射して戻ってきたものを受信し、さらに、受信した超音波のパルスに応じて振動し、交番電流を発生する。
そして、距離測定器11は、送信部から発信されるタイミングパルスを含む超音波のパルスと、受信部で発生した交番電流のパルスとから、距離測定器11と対象物との距離を算出する。
図3を参照すると、地盤改良を行なうエリアは、矩形状をした施工箇所10で示される。施工箇所10は、攪拌機4の形状に合わせて格子状に区分されており、列部分をA〜Cの3つの列に区分され、さらに、各列を行部分1、2、3、4、5・・・・・・に区分されている。よって、各施工区分は矩形状になっており、各施工区分の境界は、ベースマシン2のオペレータ及び施工場所の作業者から目視できるように、消石灰等による白いラインで明示されている。
また、各施工区分に対する施工の順序について、列部分の施工は、列A、B、Cの順で行なわれ、各列部分、例えば、列部分Aでは、施工区分A1、A2、A3・・・・・・の順で方向W1に向かって行なわれる。さらに、列部分Aの施工完了後、列部分Bの施工が行なわれる。このとき、列部分Bでの施工は、方向W1と反対の方向W2に向かって進められる。そして、列部分Bの施工完了後、列部分Cの施工が、施工区分C1から方向W1に向かって進められる。また、図1に示すように、各施工区分における地盤改良は、地盤表面から深度Dまで行なわれる。なお、45t級のベースマシン2を使用した場合、深度Dは11m(メートル)程度以下である。
よって、すべての施工区分の地盤改良を行なうことによって、施工箇所10では、施工箇所10の全体にわたる連続した改良体が形成される。
図1を参照すると、施工箇所10における施工区分C1の近傍に地盤改良施工機1のベースマシン2がセットされる。この際、操縦室2bのオペレータは、施工場所に配置された合図者の誘導により、ケーシング部3を介してアーム2aに垂下させた状態の攪拌機4が施工区分C1の上方に位置するようにベースマシン2の位置決めを行なう。このとき、図3を参照すると、ベースマシン2は、クローラ2dの長手方向である走行方向が、施工箇所10の列Cの長手方向、すなわち、施工区分C1、C2、C3・・・・・・の中心である杭芯を結ぶ線CLと平行になるように配置されている。
ベースマシン2及びケーシング部3の位置決めが完了すると、クローラ2dにおける施工箇所10側の側部に沿って、列Cの長手方向すなわち線CLと平行に、消石灰等による白いライン20が引かれる。(図3参照)
そして、上述に示す一連の動作を完了することによって、施工区分C1への地盤改良施工機1のセットが完了する。
攪拌機4は、アーム2aによって下方に押しつけられることにより、回転する攪拌翼4aが地盤をほぐしつつ、下方に掘進する。このとき、操縦室2bのオペレータは、表示モニタ2cに表示されるケーシング部3の傾斜角度θを確認しながら、アーム2aを操作する。
ここで、固化材スラリーと改良対象地盤の土との混合攪拌状況について説明する。固化材スラリーと改良対象地盤の土との混合攪拌は、事前に行なった固化材スラリーと改良対象土との配合試験等で予め決定された固化材添加量となるように、所定深度Dまでの間において攪拌機4を所定の一定の速度で貫入させながら、固化材スラリーを所定の流量で連続して吐出して、行なわれる。それによって、攪拌機4は、単位時間当たりの攪拌機4の貫入距離に攪拌機4の平面積すなわち攪拌機4の水平方向の攪拌領域の面積を掛けて算出される土量の土と、所定の流量で単位時間当たりに地盤中に供給された量の固化材スラリーとを、単位時間当たりに混合・攪拌する。
上述に示すように、固化材スラリーと土とを混合攪拌しつつ攪拌機4を所定深度Dまで貫入することによって、施工区分C1は、深度D全体にわたって地盤改良が行なわれる。
上述のように各施工区分において同様の動作を繰り返すことによって、施工区分C2、C3、C4、C5・・・・・・の地盤改良が、地盤改良施工機1によって、順次行なわれていく。
a)混合攪拌機4を第一の地盤改良箇所である施工区分C1に配置し、傾斜計7の測定した傾斜に基づきケーシング部3を鉛直にするステップと、
b)距離測定器11がケーシング部3及び距離測定器11の間の距離を測定し、測定した距離を初期値Lとするステップと、
c)ケーシング部3及び混合攪拌機4を所定の深度Dまで地盤に貫入させるステップと、
d)ケーシング部3及び混合攪拌機4を所定の深度Dまで貫入後、地盤より引き抜くステップと、
e)ステップc)またはd)において、ケーシング部3が鉛直な状態から傾斜した際、傾斜計7の測定した傾斜に基づきケーシング部3を鉛直にすると共に、距離測定器11の測定した距離に基づきケーシング部3及び距離測定器11の間の距離を初期値Lに合わせることによって、ケーシング部3の位置を調整するステップと、
f)ステップc)またはd)において、ケーシング部3及び混合攪拌機4の地盤への貫入から引き抜きまでの間に、混合攪拌機4に固化材スラリーを供給し、混合攪拌機4により固化材スラリー及び土を混合攪拌するステップとを行なうことにより地盤改良工法を行なうことができる。
また、距離測定器11は超音波式であるが、超音波式の距離測定器は、安価でありコストを低減できる。さらに、超音波式の距離測定器は、対象物の材質に関係なく安定した測定が可能であり、また、明暗の影響を受けにくい。
また、ベースマシン2の安定した箇所にさらに傾斜計を設けることによって、ベースマシン2の傾斜角度を検出するようにしてもよい。ベースマシン2が傾斜している場合、ケーシング部3と距離測定器11との間の距離が距離測定器11により水平距離ではなく斜距離として測定されるが、この測定された斜距離を、ベースマシン2の傾斜角度に応じて、水平距離に補正するようにしてもよい。これにより、より精度の高いケーシング部3の位置管理が可能になる。
Claims (5)
- 土及び固化材を混合攪拌すると共に掘削可能な混合攪拌機と、前記混合攪拌機が取り付けられた細長のケーシング部と、前記ケーシング部が可動なアームに取り付けられたベースマシンとを備える地盤改良装置による地盤改良工法において、
前記ケーシング部には、前記ケーシング部の傾斜を測定する傾斜計が設けられ、
前記ベースマシンには、前記ケーシング部との間の距離を測定する距離測定器が設けられており、
a)前記混合攪拌機を第一の地盤改良箇所に配置し、前記傾斜計の測定した傾斜に基づき前記ケーシング部を鉛直にするステップと、
b)前記距離測定器が前記ケーシング部及び前記距離測定器の間の距離を測定し、測定した距離を初期値とするステップと、
c)前記ケーシング部及び前記混合攪拌機を所定の深度まで地盤に貫入させるステップと、
d)前記ケーシング部及び前記混合攪拌機を所定の深度まで貫入後、地盤より引き抜くステップと、
e)ステップc)またはd)において、前記ケーシング部が鉛直な状態から傾斜した際、前記傾斜計の測定した傾斜に基づき前記ケーシング部を鉛直にすると共に、前記距離測定器の測定した距離に基づき前記ケーシング部及び前記距離測定器の間の距離を前記初期値に合わせることによって、前記ケーシング部の位置を調整するステップと、
f)ステップc)またはd)において、前記ケーシング部及び前記混合攪拌機の地盤への貫入から引き抜きまでの間に、前記混合攪拌機に固化材を供給し、前記混合攪拌機により前記固化材及び土を混合攪拌するステップと
を含む地盤改良工法。 - 前記第一の地盤改良箇所から第二の地盤改良箇所に移動する際、
前記ベースマシンが、前記第一の地盤改良箇所から前記第二の地盤改良箇所へ向かう方向と平行に移動し、
前記混合攪拌機を前記第二の地盤改良箇所に配置するために、前記傾斜計の測定した傾斜に基づき前記ケーシング部を鉛直にすると共に、前記距離測定器の測定した距離に基づき前記ケーシング部及び前記距離測定器の間の距離を前記初期値に合わせる、請求項1に記載の地盤改良工法。 - 前記ケーシング部が鉛直な状態から傾斜した際、前記混合攪拌機の攪拌動作を緩やかにして、前記ケーシング部の位置を調整する、請求項1または2に記載の地盤改良工法。
- 前記距離測定器は超音波式である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の地盤改良工法。
- 前記距離測定器はレーザー式である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の地盤改良工法。
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