JP5254774B2 - 熱機関の流体シール構造 - Google Patents
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しかし、このようにリング溝4に沿って、ロータ周方向にシール部材80を挿入すると、リング溝内面との接触により、シール部材の表面に傷がつき易い。シール面に傷がつくと蒸気のリークが発生し易い。
該シール構造は、
前記第2のケース部材との接合面に形成される環状のリング溝を備えた第1のケース部材と、
前記第1のケース部材の対向面を形成する第2のケース部材と、
前記リング溝内に設置される柔構造で前記第1のケース部材よりも線膨張率の大きい材料からなるシール部材と、から構成され、
前記リング溝は、内周面入口側に前記シール部材を係止する環状の突起部を備え、
更に前記リング溝の下部に、該リング溝の下面と前記第1のケース部材と第2のケース部材との間の隙間とを連通する圧力供給手段を備えたことを特徴とする。
第1のケース部材よりも線膨張率の大きい材料からなるシール部材をロータ軸方向からリング溝内に挿入して、シール部材の温度上昇に伴い該シール部材が突起部から外れて機械的にシールができるので、シール部材の表面に傷をつけるおそれがない。
また、熱機関の稼動時に車室内に温度分布が生じて、第1のケース部材と第2のケース部材の接合面に変形やうねり等が発生しても、常に漏れのないシールが維持である。
従って、ピッチ円径が大径で円環状のリング溝に略円錐台状のシール部材を挿入する際に、シール部材は前記リング溝内の突起部あるいは接着剤等の係止手段により、リング溝に該係止手段を用いて係止しておくので、横方向からの挿入作業がシール部材の落下等を起こすことなく簡単に、且つ確実に行うことができる。
これにより、ピッチ円径が大径で円環状のリング溝に略円錐台形状のシール部材のロータ軸方向からの挿入作業が容易にでき、蒸気のリークが発生を確実に防止できる。
あるいは、前記シール部材は、前記シール片の末端に当板を備え、前記シール片は該当板を介して隣接するシール片に当接して環状で一体に形成して構成するので、
シール部材の、円周方向の接続部に、ソケットと嵌合体との組み合わせによる円周方向の連結、あるいはシール片の末端に当板を設けることにより、隣接するシール片に当接して環状で一体に形成する構成を、とることによりシール部材の円周方向位置を確実にかつ強固に連結できる。
前記シール片の内径は前記突起部の外径より小さく形成することにより、シール部材の突起部内側への組み付けが、前記各実施例よりも簡単になる。
一方側が軸方向の厚さAで柔らかく、他方側が軸方向の厚さBで硬いので、熱機関の温度が上昇すると柔らかい厚さAの部分の変形量が大きくなって変形し、硬い軸方向の厚さBの部分に、厚さAの部分が追従して密着することとなり、前記メタルタッチ面でのシール効果が向上する。
即ち、前記B>Aに構成したことにより、一方側が軸方向の厚さAの部分が柔軟性を有するため、相手方に追従できて、メタルタッチ面での一方側が自在に変形できてシール効果があがり、片当たり(線当たり)の発生を防止でき、経年変化やメインテナンス性の低下を阻止できる。
即ち、テーパー面の部分が柔軟性を有するため、相手方に自在に追従できて、メタルタッチ面での一方側が自在に変形できて、シール効果があがり、片当たり(線当たり)の発生を防止でき、経年変化やメインテナンス性の低下を阻止できる。
第1実施例に示す流体シール構造は、図13に示す従来技術において、Cシールを組み込んだ流体シール構造に代わり、断面が台形状のシール部材を組み込んだ流体シール構造に係わるものである。
図1(A)に示すように、第1実施例の流体シール構造7は、翼環1との接合面を形成する車室側壁2aに設けられるリング溝4(リング溝4の深さL,リング溝4の幅X)を備えた車室2(第1のケース部材)と、車室2の対向面を形成する翼環側壁1aを備えた翼環1(第2のケース部材)と、リング溝4内に挿入される柔構造のシール部材5と、シール部材5の取付けの際、シール部材5をリング溝4内に一時的に拘束するための突起部6とから構成される。
突起部6は、リング溝4の内周面4bの入口側で車室側壁2aに沿って環状に配置されている。
また、リング溝4は、図1(B)、(C)に示すように、一端は車室側壁2aに開口し、他端はリング溝4の内周面4bに開口する圧力供給手段としての圧力供給孔8が設けられる。圧力供給手段としては、図1(B)に示すように、突起部6を貫通する圧力供給孔8でもよいし、図1(C)に示す歯形状の圧力供給溝8でもよい。該圧力供給手段8は、ロータ軸心線Yを中心に複数個設けられる。
図2(A)は前記シール部材の外観斜視図、図2(B)は(A)のB−B断面図である。
図2(A)に示すように、第1実施例に係わるシール部材5は、複数に分割されたシール片21と、複数のシール片21を連結して環状の一体シールを形成するためのソケット22を備えている。
図2(B)に示すように、シール片21は、円形状の断面を備え、ピッチ円径が小径で円弧状の第1リング23及び、ピッチ円径が大径で円弧状の第2リング24と、両者を接合する薄板状の中間材25から構成されている。
一体に成形されたシール部材5は、ロータ軸線Yを含む断面視で台形の形状をしており、上辺が第1リング23、下辺が第2リング24からなり、両者を連結する中間材25で台形の高さ方向の辺が形成される。円弧状に形成された第1リング23(上辺)のピッチ円直径d1は、円弧状に形成された第2リング24(下辺)のピッチ円直径d2より小さい。
従って、シール部材5は、全体として弾性があり、フレキシブルな柔構造を備える。
即ち、図2(B)に示すように、弾性変形の範囲内で、ロータ軸方向に力Fを第1リング23にかけると、破線のようにシール部材全体がロータ軸方向に弾性変形して、中間材25が第2リング24を支点として時計方向に捩じられ、シール部材5の厚さTが薄くなる。軸方向の力Fを除くと、元の形状に復帰する。
図3(A)はシール片21の端部の平面図、図3(B)はシール片21の端部の側面図(図3(A)のY矢視図)を示す。
また、図4はソケット22(図2(A)参照)の1例を示す。図4(A)は、ソケット22の平面図、図4(B)はソケット22の側面図(図4(A)のX矢視図)を示す。
図3において、各シール片21の第1リング23及び第2リング24の端部は、ソケット22との接続が容易となるよう、先細り形状のテーパ部23a、24aを備える。
一方、図4において、ソケット22は、前記シール片21のテーパ部23a、24aを受入れ可能なように、ソケット22の両端面22a、22bにテーパ孔22cを設けている。
なお、前記シール部材5は、テーパ部23a、24a及びテーパ孔22cを介して、各シール片21の端部21aをソケット22に差し込んで、一体化される。
この変形例は、前記ソケット22を用いずに、シール片21の端部21a同士をスポット溶接Rで接合して一体化した例である。接合部のスポット溶接Rは、1箇所あたりに1点スポットでもよいし、2点スポット以上でもよい。本変形例では、ソケットを必要としないので部品数が少なくなり、構造が簡単になる。
図6(a)に示すように、まず第1リング23、第2リング24及び中間材25からなるシール片21が、ロータ軸方向からリング溝4に挿入される。挿入に際して、第2リング24は第1リング23よりリング溝4の内奥に配置され、第1リング23はリング溝4から翼環側壁1a側へ露出した状態でシール片21を配置する。
即ち、シール片21にプリテンションを与えていない状態では、シール部材5の厚さTはリング溝4の深さLより大きく形成される。この状態で、隣接するシール片21をリング溝内に搬入し、各シール片21とソケット22を連結して、一体のシール部材5を形成する。
即ち、シール部材5を一体化させて、ロータ軸方向に力Fで第1リング23を押し込めば、シール部材5の復元力で第1リング23が突起部6の内壁6aに押し付けられ、突起部6は第1リング23が押し込み前の形状に復元するのを阻止する係止手段として働くからである。
このようにすれば、取付け前にあらかじめシール部材5をリング溝内に確実に拘束できるので、シール部材の取付け時におけるシール部材の表面に傷がつくのを防止できる。
本変形例は、図7(A)に示すように、一体化したシール片21の末端に当板26を配置したものである。図7(A)に示す例は、シール部材5を2分割した場合であるが、この例に限らず、3分割以上でもよい。各分割箇所に、当板26が一枚ずつ配置されている。図7(B)に示すように、当板26はシール片の端部に載置するのみで、溶接等で固定する必要はない。即ち、当板26は、第1リング23、第2リング24及び中間材25のいずれの端部にも固着されていない。
その他の構成は、図1(A)、(B)、(C)と同様であり、これらと同一の部材は同一の符号で示す。
当板26は、リング溝の矩形状の断面に嵌まり込み、出来るだけ隙間のない形状とするのが望ましい。リング溝と当板26との間の隙間が大きいと、熱ひずみに伴うシール部材5の自由な変形が拘束され、シールの密着性が維持できないおそれがあるからである。
図7(A)はシール部材の平面図、(B)はC−C断面図、(C)はD−D断面図である。
図7(A)に示すように、リング溝4内にシール片21を挿入する。シール片21を配置した状態では、当板26はリング溝4内に納まり、シール部材5の一部(例えば、第1リング23)はリング溝4の外側に露出された状態である。
この状態から、第1実施例と同様に、第1リング23に力Fを付加してシール部材5を変形させ、シール部材5を突起部6により係止させ、リング溝4内に拘束する。
次に、シール部材5がリング溝4に係止された状態で、シール片21の両端部21aに当板26を載置する。この場合、シール片21と当板26は、溶接等で接合する必要はない。
最終的に、複数の当板26を介して複数のシール片21を環状に配置して、一体化されたシール部材5が出来上がる。
当板26があれば、シール片21同士は互いに当接するだけで、当板26を介して互いに反力を伝えることができる。また、当板26とシール片21は固着されていないので、熱ひずみ等によりシール部材が変形する際、当板26に拘束されずにリング溝4内を自由に動き得るのは他の例と同様である。
蒸気タービンの稼動状態では、蒸気入口側から蒸気出口側に向かって差圧が働き、車室側壁2aで翼環1側からのスラスト力を受けて、車室2と翼環1との接合面(翼環側壁1a、車室側壁2a)には高い面圧が発生する。
また、メイン蒸気を流す蒸気通路(図示せず)は、翼環1の内周側に配置されており、リング溝4内のシール部材5を挟んで、シール部材5の内周側で高圧(P1)となり、シール部材5の外周側で低圧(P2)となる。
即ち、シール部材5には線膨張係数の大きい材料を選定し、車室2には線膨張率の小さい材料を選定する。
一方、シール部材5をリング溝4に係止している突起部6は、相対的に線膨張率の小さい材料(車室2と同一)を用いているため、その外径D3の熱伸びは小さい。
従って、所定の運転条件に達する前に、シール部材5の第1支持材の内径寸法d11が、リング溝4の突起部6の外径寸法D3を上回り、シール部材5はリング溝4との係止状態から開放され、元の形状に復帰する。
従って、蒸気温度が比較的低い温度条件において、シール部材5は突起部6の係止状態から開放される。
シール部材5が、突起部6に拘束されている状態で車室2内へ蒸気が導入された場合、車室2内には蒸気圧力がかかる。即ち、リング溝4内に拘束されているシール部材5の外側(径方向の外方側)には、翼環側壁1a側から、翼環1と車室2の接合面を介して蒸気圧力を背圧として受ける。
一方、リング溝4内には、前述の圧力供給手段(圧力供給孔8又は圧力供給溝8)が設けられている。従って、前記圧力供給手段8を介して、シール部材5の内側(径方向の内方側)にも、蒸気圧力が伝達され、シール部材5の外側と内側は、均圧の状態が維持される。
図1(A)及び図2(B)に示すように、リング溝4内にシール部材5を取付ける際、シール部材5の幅Wは、リング溝4の幅Xより突起部6の高さhだけ小さく形成するのが望ましい。
シール部材5の幅Wとは、図2(B)においてロータ軸方向からの正面視で、第1リング23の内側半径(d1/2)と第2リング25の外側半径(d2/2)との差(W)を意味する。
なお、シール部材5が突起部6に拘束されている場合と突起部6の拘束から開放されている場合の幅Wの差違は、突起部6の高さh(図6A参照)に比較してリング溝4の幅Xは十分に大きいので、ほとんど無視できるほど小さい。
従って、シール部材5の幅Wは、シール部材5にプリテンション(力F)が与えられていない静置状態での幅と略同じと考えてよい。
なお、突起部6の高さh(図6(A)参照)は、車室2とシール部材5の線膨張率の違いと稼動状態の運転温度から選定できる。
突起部6の拘束から開放されたシール部材5は元の形状に復帰しようとするが、第1リング23の外面が車室側壁2aの対向面である翼環側壁1aに摺接したところで、シール部材の形状の復元が止まる。
この状態で、高圧側(P1)の蒸気通路側(図6(B)の下方)と低圧側(P2)の車室側(図6(B)の上方)との間が、シール部材5を境としてシールされる。一旦、シール部材の前後でシールが形成されると、車室内圧力が常圧に戻らない限り、シール部材には高圧側(P1)から低圧側(P2)へ向かって、常時差圧(P1−P2)がかかり続ける。
この昇温過程で、シール部材5に熱ひずみが生じても、第1リング23及び第2リング24のそれぞれが摺接している翼環側壁1a及びリング溝4の外周面4aから反力を受けるので、シール部材5とリング溝4との密着性が維持され、シール部材5によるシールは十分に確保できる。
図8(A)、(B)に基づき、第2実施例に係わる流体シール構造を説明する。
図8(A)は、シール部材5が、リング溝4内に拘束される前の状態を示し、図8(B)は拘束後の状態を示す断面図である。
第2実施例では、図8(A)に示すように、シール部材5として断面がU字形状を備えた流体シール構造7であり、複数に分割されたシール片21をロータ軸方向からリング溝4内に挿入して、環状に形成したものである。
シール片21が、リング溝4内に挿入され、プリテンションがかからない状態では、シール片21の厚さT(シール片の外表面間の長さ)は、リング溝の深さLより大きい。また、図8(B)に示すように、シール片21の幅W(シール片21の端部と曲がり部の外表面との長さ)は、シール片21を突起部6の高さhを乗り越えてリング溝4内へ挿入し易いように、幅Wはリング溝4の幅Xより突起部6の高さhだけ小さく形成するのが望ましい。
図8(B)に示すように、シール片21は、復元力で元の形状に復帰しようとするが、突起部6の内壁6aに当接し、リング溝4内に拘束される。
更に、隣接するシール片21を同様の手順で挿入し、リング溝4内に拘束させる。内周面4b内に嵌め込んだ各シール片21を環状に配置すれば、各シール片21は、互いに隣接するシール片21の端部同士を接合することなく、端部を当接した状態で一体化されたシール部材5が形成される。なお、複数のシール片を一体化する方法は、上述のように、端部同士を当接させる方法でもよく、第1実施例に示すソケットを介在させてもよく、第1変形例に示す溶接方法でもよく、第2変形例に示す当板を介在させる方法でもよい。
蒸気温度の上昇にともなう熱伸びのため、シール部材5は径方向の外方に膨張する。車室2よりも線膨張率の大きい材料を選定することにより、シール部材5の内径d12が突起部6の外径D3を上廻り、シール部材5は突起部6の拘束から開放される。
同時に、シール部材5の外端5aがリング溝4の外周面4aに当接する。シール部材5が突起部6の拘束から開放された後、密着シールが完成するまでの過程は、第1実施例と同じである。
その他の構成は、図1(A)と同様であり、これらと同一の部材は同一の符号で示す。
次に、図9には、第3実施例に係わる流体シール構造を示す。
図9(A)は、シール部材が、リング溝内に拘束される前の状態を示し、図9(B)は拘束後の状態を示す断面図である。
この第3実施例は、第2実施例と比較して、シール部材5の断面がE字形状である点が異なっている。
図9(A)に示すように、シール片21の厚さTはリング溝4の深さLより大きく、シール片21の幅Wは、リング溝4の幅Xより突起部6の高さhだけ小さくするのが望ましい。その他の構成及び作用、効果は、第2実施例の場合と同じである。
図10には、本発明の第4実施例に係わる他の係止手段に関する流体シール構造を示す図10に示すように、前記のシール部材5をリング溝4内に係止する手段として、突起部6を設ける方法に変えて、シール部材5を該リング溝4に接着する接着剤70を設けてもよい。
接着剤70は、常温では液状で、運転温度で蒸発する材料であれば、公知の接着剤70を使用できる。また、接着剤70は、第1支持材に沿って全周に塗布する必要はなく、断続塗布で仮付けしてよい。
その他の構成は、図1(A)と同様であり、これらと同一の部材は同一の符号で示す。
また、面開きが発生しても、シール部材5の密着性が維持できるので、蒸気のリークの発生を確実に防止できる
その他の構成は、図1(A)と同様であり、これらと同一の部材は同一の符号で示す。
図11は、本発明の第5実施例を示すメタルシール部の要部断面図である。
図11において、車室2の内周突部10に形成された軸直角なシール面と、翼環1の外周突部11に設けられた軸直角なシール面とが摺接し、このメタルタッチ面11aで翼環1の静翼3側からのシールを行うように構成されている。
この第5実施例においては、車室2の内周突部10の軸方向の厚さ(A)と外周突部11の軸方向の厚さ(B)との関係をB>Aに構成している。
即ち、前記B>Aに構成したことにより、内周突部10の厚さ(A)の部分が柔軟性を有するため、相手方に追従できて、メタルタッチ面11aでの変形が自在に変形できてシール効果があがり、片当たり(線当たり)の発生を防止でき、経年変化やメインテナンス性の低下を阻止できる。
図12は、本発明の第6実施例を示すメタルタッチ部の要部断面図である。
この第6実施例においては、車室2の薄肉の内周突部10に形成された軸直角なシール面と、前記内周突部10よりも厚肉に形成されている翼環1の外周突部11に設けられた軸直角なシール面とが摺接し、このメタルタッチ面11aで翼環1の静翼3側からのガスのシールを行うように構成されている。
そして、前記薄肉の内周突部10の軸直角面を内周方向から外周方向に厚いテーパー面12に形成し、該テーパ面12をメタルタッチ面11aに構成している。
即ち、テーパー面12の部分が柔軟性を有するため、相手方に自在に追従できて、メタルタッチ面11aでの一方側が自在に変形できて、シール効果があがり、片当たり(線当たり)の発生を防止でき、経年変化やメインテナンス性の低下を阻止できる。
その他の構成は図11に示す第5実施例と同様であり、同一の部材は同一の符号で示す。
1a 翼環側壁
2 車室
2a 車室側壁
4 リング溝
5 シール部材
6 突起部
7 流体シール構造
8 圧力供給孔(圧力供給溝)
9 接着剤
10 内周突部
11 外周突部
11a メタルタッチ面
12 テーパー面
21 シール片
22 ソケット
23 第1リング
24 第2リング
25 中間材
26 当板
Claims (8)
- 熱機関の第1のケース部材と第2のケース部材との間の流体シールを行う熱機関の流体シール構造であって、
該シール構造は、
前記第2のケース部材との接合面に形成される環状のリング溝を備えた第1のケース部材と、
前記第1のケース部材の対向面を形成する第2のケース部材と、
前記リング溝内に設置される柔構造で前記第1のケース部材よりも線膨張率の大きい材料からなるシール部材と、から構成され、
前記リング溝は、内周面入口側に前記シール部材を係止する環状の突起部を備え、
更に前記リング溝の下部に、該リング溝の下面と前記第1のケース部材と第2のケース部材との間の隙間とを連通する圧力供給手段を備えたことを特徴とする熱機関の流体シール構造。 - 前記シール部材は、ピッチ円径が小径の第1リング及び該第1リングに平行に配置されたピッチ円径が大径の第2リング並びにこれらを連結する板状の中間材から構成されるシール片が複数連結されて、ロータ軸線を含む断面視で、台形状で環状一体に形成されるとともに、前記シール部材の幅は、前記リング溝の幅より前記突起部高さだけ小さく形成され、前記シール部材の厚さは前記リング溝の深さより大きく形成され、前記第1リングの内径は前記突起部の外径より小さく形成されていることを特徴とする請求項1に記載された熱機関の流体シール構造。
- 前記シール部材は、前記第2リングが前記第1リングよりもロータ軸方向で前記リング溝内の内奥に配置されていることを特徴とする請求項2に記載された熱機関の流体シール構造。
- 前記シール部材は、前記複数のシール片を円周方向に接続するソケットと嵌合体との組み合わせにて円周方向に連結して構成されたことを特徴とする請求項2に記載された熱機関の流体シール構造。
- 前記シール部材は、前記シール片の末端に当板を備え、前記シール片は該当板を介して隣接するシール片に当接して環状で一体に形成されたことを特徴とする請求項2に記載された熱機関の流体シール構造。
- 前記シール部材は、断面形状がU字形状又はE字形状のいずれか1つの複数のシール片から構成され、前記シール片の幅は前記リング溝の幅より前記突起部高さだけ小さく形成され、前記シール片の厚さは前記リング溝の深さより大きく形成され、前記シール片の内径は前記突起部の外径より小さく形成されていることを特徴とする請求項1に記載された熱機関の流体シール構造。
- 前記突起部を、接着材で構成し該接着材を前記突起部と同一形態に仕上げて形成することを特徴とする請求項1に記載された熱機関の流体シール構造。
- 請求項1から7のいずれか1項に記載された流体シール構造を適用した蒸気タービンの流体シール構造において、前記第1のケース部材を車室に構成するとともに前記第2のケース部材を翼環に構成し、前記車室の内壁に環状の前記リング溝を設けて該リング溝内に環状の前記シール部材を装填して、該シール部材を前記翼環の側面に接触させて、該シール部材により前記車室と前記翼環間の流体シールを行うように構成されてなる、蒸気タービンの流体シール構造。
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