JP4020905B2 - タービンノズルの両持型支持構造 - Google Patents

タービンノズルの両持型支持構造 Download PDF

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本発明は、ガスタービンのセラミック製タービンノズルをノズルサポートに押し当てて支持する支持構造に関するものである。
ガスタービンの高効率化を図るためには、タービンノズル出口温度、つまりタービン入口温度を上昇させることが有効である。これに対し、従来の中型および大型のガスタービンにおけるタービンノズルには、金属製の単独翼あるいは複数枚を一体化したセグメント翼が一般的に採用されており、このような金属製のタービンノズルでは、その材料の耐熱限界から、上述のタービン入口温度を上昇させることが困難であるため、ガスタービンの圧縮空気によりタービルノズルを冷却する方法がとられる。ところが、この冷却用の空気は、ガスの燃焼に寄与しないだけでなく、燃焼後のガス温度を低下させる。
そこで、所定のタービン入口温度を保つためには、燃焼器の出口温度を一層上昇させる必要が生じるが、そのようにした場合には、燃焼過程で生じるNOxの増大を招く。また、所定のタービン入口温度を保つためには、ノズル翼を、耐熱材料を用いた複雑な冷却構造を持つ精密鋳造製とする必要があるために、ノズル翼が高価となり、さらに、高温下での酸化や腐食などによる劣化や硬度低下による磨耗などが生じ易い。
一方、上述のタービン入口温度を上昇させる課題を解決するため、高温での酸化、腐食および磨耗などに強い耐久性を発揮するセラミックを燃焼器やタービンなどの高温部品の形成材料に適用する工夫がなされている。ガスタービンの高温部品をセラミック製とした場合には、金属のみを使用したガスタービンに比べて無冷却あるいは少ない冷却空気で高いタービン入口温度を実現でき、高効率化、低公害化および長寿命化などを図ることができる。
ところが、セラミックは脆さや小さい弾性変形能などといった、金属とは異なる特性を有しており、セラミック製部品が隣接する金属製部品と干渉すると、損傷し易いので、その適用には相当の工夫が必要となる。小型のガスタービンでは、環状のタービンノズル全体をセラミックあるいはセラミック系複合材料による一体型構造とすることが可能であるが、中型および大型のガスタービンでは、大きさに伴って増大する熱応力や製造技術上の問題などから一体型構造とすることが困難である。そこで、中型および大型のガスタービンには、タービンノズルを周方向に分割された複数のセラミック製ノズルセグメントにより形成した分割型セグメント構造が採用されている。このようなノズルセグメントの支持構造として、各ノズルセグメントの外周部の一箇所をコイルスプリングで支持部品に押さえ付けて片持ち型の弾性支持構造を採用することにより、ノズルセグメントとこれに隣接する金属製支持部品などとの熱膨張差をコイルスプリングの伸縮により吸収して、金属製支持部品との変形の不適合を解消することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−317577号
しかしながら、ノズルセグメントを保持する機構のためのスペースには制約があるから、各ノズルセグメントの外周部の一箇所を支持部品に押さえ付けるコイルスプリングとして小型のものしか採用することができないので、ノズルセグメントからなるタービンノズルを片持ち型支持構造で保持するための保持力を十分に確保することが難しい。
本発明は、前記従来の課題に鑑みてなされたもので、狭いスペースに収納できる小さなばね体によりタービンノズルを十分な保持力で安定に支持することができる支持構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明に係るタービンノズルの支持構造は、ガスタービンにおけるタービンの入口側に配置されたセラミック製のタービンノズルをノズルサポートに支持する構造であって、前記タービンノズルに形成された径方向外方に突出する外側フランジと、前記タービンノズルに形成された径方向内方に突出する内側フランジと、ばね力により前記外側フランジを前記ノズルサポートの外側支持部に押圧し、前記内側フランジをインナハウジングの内側支持部に押圧する押圧機構とを備え、前記押圧機構は、ばね体と、前記ノズルサポートに取り付けられて前記ばね体を保持し前記外側フランジの一側面にばね力を付加させる保持部材とを有し、前記ノズルサポートの外側支持部が、前記外側フランジの他側面を前記ばね力の作用点よりも径方向外方で支持しているタービンノズルの両持型とした。
このタービンノズルの支持構造によれば、押圧機構のばね力により、タビンノズルの径方向外方の外側フランジをノズルサポートに、かつ径方向内方の内側フランジをインナハウジングにそれぞれ押圧して、タービンノズルを外側と内側との2か所に押し付けて両持型で支持するので、ばね力がタービンノズルの内外2か所に加わることから、小さなばね力を付与するだけでタービンノズルに対して安定に保持できる。したがって、ばね力発生のために押圧機構に設けるばね体として、狭いスペースに収納できる小さなものを採用できる。また、タービンノズルは耐熱性に優れたセラミック製としたので、高いタービン入口温度を実現して、ガスタービンの高効率化、低公害化および長寿命化を実現できる。しかも、セラミック製タービンノズルは、これに隣接する金属製支持部品などとの熱膨張差が押圧機構のばね体の伸縮により吸収されて、軸方向に弾性的に支持されていることから、金属製支持部品の熱変形による影響を受け難いので、金属製支持部品との変形の不適合による損傷の発生が防止される。
さらに、この構成によれば、タービンノズルは、ばね体から付加されるばね力の作用点に対し、その両側にあたる径方向の外方と内方とを支持点として、それぞれノズルサポートおよびインナハウジングに押し付けられているので、ダービンノズルの安定した支持が得られる。
本発明の好ましい他の実施形態では、前記タービンノズルが周方向に分割された複数のノズルセグメントにより形成され、各ノズルセグメントごとに前記押圧機構のばね体が設けられている。この構成によれば、タービンノズルが分割型セグメント構造になっているので、熱応力や製造技術上の問題などから一体化構造とすることが困難な中型または大型のガスタービンに採用することができるとともに、複数のノズルセグメントは、個々の押圧機構のばね体から押圧力を受けてノズルサポートおよびインナハウジングに安定して支持される。
同上のタービンノズルが周方向に分割された複数のノズルセグメントにより形成されている場合において、前記外側フランジと前記外側支持部とが線接触する構成とすることが好ましい。この構成によれば、外側フランジが正常な姿勢からずれて傾いても、面接触の場合と異なり、外側フランジが外側支持部に片当たりして支持点が大きくずれるといったことがなく、安定してタービンノズルを支持できる。
同上のタービンノズルが周方向に分割された複数のノズルセグメントにより形成されている場合において、前記内側フランジと前記内側支持部とが周方向に離間した2か所で点接触している構成とすることが好ましい。この構成によれば、ノズルセグメントがノズル軸心に対し垂直な軸の回りに傾くのが抑制されるので、タービンノズルの姿勢が安定化される。
同上のタービンノズルが周方向に分割された複数のノズルセグメントにより形成されている場合において、前記ノズルサポートに、前記ノズルセグメントの前記外側フランジに係合して前記ノズルセグメントの周方向の位置決めを行う切欠部を有するアダプタが取り付けられている構成とすることが好ましい。この構成によれば、複数のノズルセグメントは、外側フランジと切欠部との係合によって周方向への位置決めがなされる。
本発明の好ましい他の実施形態では、前記内側支持部が、前記タービンノズルの内周面をシールするシール部材に形成されている。この構成によれば、タービンノズルの内周面をシールするシール部材に内側支持部とての機能を兼備させているので、内側支持部を別途設ける必要がなくなり、構成を簡略化できる。
本発明のタービンノズルの支持構造によれば、押圧機構のばね力により、タービンノズルの径方向外方の外側フランジおよび径方向内方の内側フランジをそれぞれノズルサポートおよびインナハウジングに押圧して、タービンノズルを径方向の外側と内側との2か所の支持点で両持型で支持するので、小さなばね力を付与するだけでタービンノズルを安定して支持できる。また、ばね力発生用のばね体として、狭いスペースに収納できる小さなものを採用できる。さらに、タービンノズルをセラミック製としたので、高いタービン入口温度を実現して高効率化、低公害化および長寿命化を図ったガスタービンとしながら、セラミック製タービンノズルが、隣接する金属製支持部品との変形の不適合により損傷するのを防止できる。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るタービンノズルの支持構造を適用したガスタービン1を示す一部破断した側面図である。同図において、ガスタービン1は、圧縮機2で空気IAを圧縮して燃焼器3に導くとともに、ガスまたは液体燃料Fを、燃焼器3内に噴射して燃焼させ、その高温高圧の燃焼ガスGのエネルギによりタービン4を駆動する構成になっている。このタービン4は圧縮機2を駆動するとともに、例えば発電機(図示せず)のような負荷を駆動する。
前記圧縮機2として、軸流圧縮機を備えたガスタービン1を例示してある。この軸流圧縮機2は、回転軸12の外周面に配置された多数個の動翼13と、ハウジング14の内周面に複数段に配置された静翼15との組合せにより、吸気ダクト16から吸入した空気IAを圧縮して、その圧縮空気Aを環状に形成された車室17に送給する。
燃焼器3は、環状の車室17に、その周方向に沿って複数個(例えば6個)が等間隔で配置されており、車室17に送給された圧縮空気Aが、矢印a,bで示すように、燃焼筒21内の燃焼室22に導入される。一方、燃焼器3の燃料ノズル23から燃料Fが燃焼室22内に噴射され、この燃料Fが圧縮空気Aと混合されて燃焼し、その高温高圧の燃焼ガスGが、燃焼筒21の下流側(燃焼ガスGの流れ方向の下流側)に接続された遷移ダクト26を通って、タービンノズル7からタービン4内に流入する。
図2は、図1のII−II線から見た前記タービンノズル7の一部除外した拡大図である。タービンノズル7は、周方向Qに分割された複数(この実施形態において36個)のセラミック製ノズルセグメント8を周知の連結構造により相互に連結して環状に構成され、図1のタービン4の第1段タービン動翼の入口側に配置される。図2の各ノズルセグメント8は、図4に示すように、翼部9の径方向Rの両端部に外周壁部10および内周壁部11が一体形成され、さらに、外周壁部10からは径方向Rの外方に向け外側フランジ20が一体に突設されているとともに、内周壁部11の前端近傍箇所からは径方向Rの内方に向け内側フランジ19が一体に突設されている。さらに、内周壁部11の中央部分からはシール受け突部18が一体に膨出形成されている。各ノズルセグメント8は、外側フランジ20が後述のノズルサポートに、かつ内側フランジ19が後述のインナハウジングにそれぞれ押し付けられることにより、両持型で2点支持される。これらの支持構造の詳細については後述する。
つぎに、前記タービンノズル7の支持構造について説明する。図3は前記タービンノズル7の縦断面図であり、同図において、タービンノズル7を支持するための金属製ノズルサポート27は、径方向Rに2分割された構造であって、このノズルサポート27に前記遷移ダクト26を保持する金属製サポート部材28がボルト29により固定されている。このノズルサポート27はハウジング14に支持されている。複数のノズルセグメント8からなるタービンノズル7は、遷移ダクト26の下流端出口に対向する配置とされて、各ノズルセグメント8の外側フランジ20が押圧機構30からの押圧力で芯棒33を介し前記ノズルサポート27に押し付けられ、かつ内側フランジ19が後述する構造によりインナハウジングに押し付けられて、ガスタービン1の軸方向Pに移動可能に弾性的に両持型で支持されている。前記押圧機構30は、いずれも金属製のばね体31および保持部材32を有しており、各ノズルセグメント8ごとに一つずつ配設されている。したがって、押圧機構30はノズルセグメント8と同数だけ設けられている。
図3に示すように、ばね体31としては圧縮コイルスプリングが用いられている。前記保持部材32は、全体として、リング状体を周方向Qに2分割した半円形弧状の外観を呈し、図5に示すように、取付部32aと、この取付部32aから延出した支持部32bと、この支持部32bの前方に突出したL字状の保持部32cと、前記取付部32aから後方へ突出した係合突部32dとを有している。係合突部32cには挿通孔32fが形成され、支持部32bには切欠き32gが形成されている。
図3に示すように、この保持部材32は、後方のアダプタ37に重合した配置で、ボルト34を前方側から取付部32aの挿通孔32eおよびアダプタ37の挿通孔37aを介してノズルサポート27に螺合することにより、アダプタ37とともにノズルサポート27に固定されている。また、保持部材32には、芯棒33が保持部32cの挿通孔32fに後方から挿通されて、この芯棒33の先端のばね受座33aが支持部32bの切欠き33gを通ってノズルセグメント8の外側フランジ20の前面に当てがった配置で、芯棒33の外周に巻装された前記ばね体31が、保持部32cとばね受け座33aとの間に介装状態に保持されている。このばね体31は、ばね受け座33aを介し外側フランジ20の前面にばね力を付加して、外側フランジ20をノズルサポート27に押圧する。
図6に示すように、前記アダプタ37は、リング体を周方向に2分割した円弧状であって、その内周部には、周方向Qに並べて複数の切欠部37bが形成されており、各切欠部37bに、図2に示すノズルセグメント8の外側フランジ20が嵌め込まれている。これにより、ノズルセグメント8が、周方向Qに位置決めされているとともに、図3に示すガスタービン1の軸方向Pへは移動自在とされている。
また、図6に示すように、前記アダプタ37は、厚み方向の前面側(図6の表面側)における挿通孔37aが形成される部分に環状の第1係合凹所37cが、後面側(図8の裏面側)の内周側に環状の第2係合凹所37dがそれぞれ形成されている。図3に示すように、アダプタ37は、第1係合凹所37cに保持部材32の環状の係合突部32dが係合し、かつ第2係合凹所37dにノズルサポート27の環状の係合突部27aが係合した状態で、ボルト34でノズルサポート27に固定されている。
ノズルサポート27におけるノズルセグメント8の外側フランジ20に対向する箇所には、金属製の外側支持部40が、各ノズルセグメント8ごとにノズルサポート27の当該箇所に対し埋設されて、ボルト41によりノズルサポート27に固定されている。図7に示すように、前記外側支持部40には、前面側(図7の表面側)の外周縁部に、部分円筒面形状(縦断面が円弧状)に膨出して径方向Rに直交する方向(接線方向)に延びる受圧部40aが形成されている。
したがって、図3のばね体31のばね力で押圧されている外側フランジ20は、自身の平坦面が外側支持部40の円筒面形状の受圧部40aに押し付けられて、線接触により支持されている。また、ノズルセグメント8は、外側支持部40の円筒面形状の外周縁部40aを支点として前後に傾斜する。この外周縁部40aは、図7に示すように軸方向から見ると、すべての外側支持部40が並んだ状態で、ノズルセグメント8の数に対応した正多角形(この実施形態では正36角形)となっており、これにより、ノズルセグメント8が前後に傾斜しても、外側支持部40の前記受圧部40aとノズルセグメント8の外側フランジ20とが線接触を保持するようになっている。また、この外側支持部40においても、アダプタ37のノズルサポート27に対する取付構造と同様に、外側支持部40の環状の係合凹所40cに、図3のノズルサポート27の環状の係合突部27bが係合した状態で、ボルト41によりノズルサポート27に固定されている。
一方、各ノズルセグメント8の内周壁部11は以下のような構造で支持されている。すなわち、内周壁部11は、軸心方向中央部のシール受け突部18が、セラミック製の第1シール部材42および第1セラミックばね43を介して、インナハウジング50に固定された金属製のばね受け部材44に支持されているとともに、前端近傍箇所が、セラミック製の第2シール部材47および第2セラミックばね48を介して前記ばね受け部材44に支持されている。前記ばね受け部材44は、タービン軸心C(図1)の回りにリング状に形成され、インナハウジング50に固定されている。そのばね受け部材44には、第1シール部材42および第1セラミックばね43を軸方向の両側から挟むようにして保持する第1および第2保持体51,52が固定されているとともに、第2保持体52との間で第2シール部材47および第2セラミックばね48を軸方向の両側から挟むようにして保持する第3保持体53が、第2保持体52に重合した状態で固定されている。ばね受け部材44に対し、第1保持部材51はボルト55により、第2保持部材52および第3保持部材53はボルト56により、それぞれ固定されている。インナハウジング50は外側のハウジング14に連結されている。
第1シール部材42および第2シール部材47は、リング状体を周方向Qに6分割された6個のセラミック製リング片からなり、それぞれ6つずつのノズルセグメント8に対応している。第1および第2セラミックばね43,48は、各シール部材42,47の内周面と曲率半径が異なる円弧状に湾曲した細長い形状に形成されたセラミック材料からなり、両シール部材42,47は、対応するセラミックばね43,48の弾性力により、6つずつのノズルセグメント8の内周壁部11の内径面に圧接される。これにより、セラミック製の複数のノズルセグメント8からなるタービンノズル7は、複数のリング片からなる2つのシール部材43,47により内周側を2重にシールされて、燃焼ガスGの漏れが確実に防止される。この漏れ防止は第1シール部材42が主に担い、そのシールの補助を第2シール部材47が行うが、第2シール部材47は、シールの補助に加えて、以下のような別の機能を兼備している。
すなわち、図8に示すように、第2シール部材47には、ノズルセグメント8の内側フランジ19に対向する前面側に、半球面状に突出した内側支持部47aが形成されており、ノズルセグメント8が図3の押圧部材30のばね体31のばね力で押圧されていることにより、同図に矢印で示すように、ノズルセグメント8の内側フランジ19の後側の平坦面が、内側支持部47aに押し当てられて点接触していることにより、インナハウジング44に押圧されて支持されている。前記内側支持部47aは、図2にも示すように、各ノズルセグメント8の内側フランジ19に個々に対応して、周方向Qに離間した2か所に形成されている。
上記構成の支持構造では、図3に示す押圧機構30のばね体31のばね力により、タービンノズル7におけるノズルセグメント8の外側フランジ20を外側支持部40を介しノズルサポート27に、かつ内側フランジ19を第2シール部材47の内側支持部47aおよびばね受け部材44を介しインナハウジング50にそれぞれ押圧して、タービンノズル7を径方向の外側と内側との2か所で両持型で支持している。そのため、前記ばね力は、ノズルセグメント8の径方向の内外2か所に加わることから、小さなばね力でノズルセグメント8を外力に対して安定に保持できる。
したがって、前記支持構造では、狭いスペースに収納できる小さなばね体31であっても、タービンノズル7を、ノズルサポート27およびインナハウジング50に押圧して、周辺から作用する励振力、例えば隣接する周辺部品の振動や燃焼ガスGの振動に起因する励振力、あるいは後段のタービン翼からの気流を介しての励振力に抗して、振動することなく安定して支持することができる。また、タービンノズル7を構成する各ノズルセグメント8は、耐熱性に優れたセラミック製であるから、高いタービン入口温度を実現して高効率化、低公害化および長寿命化などを図ったガスタービン1とすることができる。さらに、セラミック製タービンノズル7は、これに隣接する押圧機構30の保持部材32、外側支持部40、アダプタ37、ノズルサボート27などの金属製支持部品との熱膨張差が、ばね体31の伸縮により吸収されて、軸方向に弾性的に支持されることから、金属製支持部品の大きな変形に影響を受けることがないので、金属製支持部品との変形の不適合による損傷が防止される。
また、図3に示すように、外側フランジ20の支持点である外側支持部40の受圧部40aが、押圧機構30におけるばね体31からタービンノズル7の外側フランジ20へのばね力の作用点に対して径方向外方に位置しているから、ノズルセグメント8は、ばね体31から付加されるばね力の作用点に対し、その両側にあたる受圧部40aと第2シール部材47の内側支持部47aとで支持されるので、タービンノズル7の安定した支持が得られる。しかも、各ノズルセグメント8の内側フランジ19は、図8に示す周方向Qに離間した2つの内側支持部47aで支持されているので、図3に示すノズルセグメント8がノズル軸心(タービン軸心Cと同一)に対し垂直な軸の回りに傾くのが抑制されるので、タービンノズル7の姿勢が安定化する。また、内側支持部47aが半球面状であるから、ノズルセグメント8が前後に傾いても、接触点が内側支持部47aの表面上でずれることにより接触が保持される。
タービンノズル7は、周方向に分割された複数のノズルセグメント8を連結して構成された分割型セグメント構造になっているので、熱応力や製造技術上の問題などから一体化構造のセラミック製タービンノズルとすることが困難な中型または大型のガスタービンに採用することができる。しかも、各ノズルセグメント8ごとに個々に対応して押圧機構30のばね体31を配設しているので、各ノズルセグメント8の外側フランジ20および内側フランジ19を個々にばね力でノズルサポート27およびインナハウジング50に押し付けて支持することができるから、タービンノズル7の全体を周方向Qに対して均等に支持することができる。
複数の各ノズルセグメント8は、図2に示す外側フランジ20とアダプタ37の切欠部37bとの係合によって周方向への位置決めがなされていることにより、タービンノズル7としての全体形状を常に保持しながら、図3のガスタービン1の軸方向Pに対し個々に移動自在に支持することができるので、隣接する金属製支持部品27,32,37,40との熱膨張差を個々のノズルセグメント8の軸方向Pへの移動により吸収することができる。
また、ノズルセグメント8の外側フランジ20と外側支持部40の受圧部40aとが線接触しているから、ノズルセグメント8が正常な姿勢からずれて前後に傾いても、外側フランジ20上の接触位置(支点)がほとんど変化しないので、面接触の場合と異なり、外側フランジ20に片当たりして支点がずれることがなく、安定してノズルセグメント8、つまりタービンノズル7を支持できる。
さらに、タービンノズル7の内側フランジ19を支持する内側支持部47aが、タービンノズル7の内周面を補助的にシールする第2シール部材47に一体形成されているので、別部材の内側支持部を設けるのに比較して、構成を簡略化できる。
本発明の一実施形態に係るタービンノズルの支持構造を適用したガスタービンを示す一部破断した側面図である。 図1のII−II線から見た前記タービンノズルの支持構造を示す正面図である。 前記タービンノズルの縦断面図である。 同上のタービンノズルのノズルセグメントを示す斜視図である。 同上の支持機構の保持部材を切断して示した斜視図である。 同上の支持機構のアダプタを示す正面図である 同上の支持機構の外側支持部を示す正面図である。 同上の支持機構のノズルセグメントの内側フランジと内側支持部との相対位置関係を示した斜視図である。
符号の説明
1 ガスタービン
4 タービン
7 タービンノズル
8 ノズルセグメント
19 内側フランジ
20 外側フランジ
27 ノズルサポート
30 押圧機構
31 ばね体
32 保持部材
37 アダプタ
37b 切欠部
40 外側支持部
47 (第2)シール部材
47a 内側支持部
50 インナハウジング

Claims (6)

  1. ガスタービンにおけるタービンの入口側に配置されたセラミック製のタービンノズルをノズルサポートに支持する構造であって、
    前記タービンノズルに形成された径方向外方に突出する外側フランジと、
    前記タービンノズルに形成された径方向内方に突出する内側フランジと、
    ばね力により前記外側フランジを前記ノズルサポートの外側支持部に押圧し、前記内側フランジをインナハウジングの内側支持部に押圧する押圧機構とを備え、
    前記押圧機構は、ばね体と、前記ノズルサポートに取り付けられて前記ばね体を保持し前記外側フランジの一側面にばね力を付加させる保持部材とを有し、
    前記ノズルサポートの外側支持部が、前記外側フランジの他側面を前記ばね力の作用点よりも径方向外方で支持しているタービンノズルの支持構造。
  2. 請求項において、前記タービンノズルが周方向に分割された複数のノズルセグメントにより形成され、各ノズルセグメントごとに前記押圧機構のばね体が設けられているタービンノズルの支持構造。
  3. 請求項において、前記外側フランジと前記外側支持部とが線接触しているタービンノズルの支持構造。
  4. 請求項において、前記内側フランジと前記内側支持部とが周方向に離間した2か所で点接触しているタービンノズルの支持構造。
  5. 請求項において、前記ノズルサポートに、前記ノズルセグメントの前記外側フランジに係合して前記ノズルセグメントの周方向の位置決めを行う切欠部を有するアダプタが取り付けられているタービンノズルの支持構造。
  6. 請求項1からのいずれか一項において、前記内側支持部は、前記タービンノズルの内周面をシールするシール部材に形成されているタービンノズルの支持構造。
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