以下本発明の実施例について図面を参照して説明する。
図1は参考例にかかる照明装置10を示す略図である。図2は図1の照明装置10の作用を説明するための照明装置10の部分拡大である。
図5及び図6は照明装置を含む表示装置の例を示す略図である。図5及び図6において、表示装置100は、照明装置102と、表示パネル104とを含む。図5においては、照明装置102はフロントライトであり、表示パネル104は反射型液晶表示パネルである。偏光板106がフロントライト102と表示パネル104との間に配置される。図6においては、照明装置102はバックライトであり、透過型液晶表示パネルである。偏光板106が表示パネル104の両側に配置される。これから説明する照明装置10は、図5又は図6の照明装置102として、あるいはその他の照明装置として使用可能である。
図1において、照明装置10は、導光板12と、光源14と、導光板12と光源14との間に位置する錐体16とからなる。錐体16は、基部16aと、基部16aより小さい台部16bと、基部16aと台部16bとの間の斜面16cとを有する。光源14は錐体16の台部16bに密着して配置され、導光板12は錐体16の基部16aに密着して配置され、光源14の発光部から導光板12まで空気層を介さずに光が伝達するようになっている。
図1及び図2においては、錐体16は導光板12と一体的に同一の材料で形成され、光源14は錐体16の基部16aに接着剤により固定される。例えば、導光板12及び錐体16はアクリル(屈折率1.48)やアートンやセオノア(屈折率1.51)で作られる。ポリカーボネート(屈折率1.58)を用いることもできる。本参考例においては、接着剤は光源14と錐体16との間に実質的に空気が入らないように両者を光学的に接続するものである。ここでは、接着剤と粘着剤及びその他の接着性の部材を総称して接着剤と呼ぶ。
光源14はLEDからなる。図4はLEDの一例を示す断面図である。LED14はpn接合を形成した半導体チップ14aをアクリルやエポキシ等の樹脂14bで封止してなるLEDパッケージとして形成されている。LED14の発光部14cの後側にはミラー14dが形成され、光は矢印で示されるようにLED42から前方に向かって放射状に出るようになっている。LED14の光の指向性は小さく、光は種々の角度で前方及び斜め方向に進む。
図2においては、導光板12の軸線に対して比較的に大きな角度で光源14から出射した光18が示されている。光18は錐体16に入り、錐体16の斜面16cに向かう。光18は錐体16の斜面16cで全反射し、さらに導光板内12へと進む。光18は導光板内12で全反射を繰り返しながら導光板12内を伝導し、プリズムや拡散反射層等の光取り出し機構により導光板12から表示パネル104へ向かって出射する。導光板12の軸線に対して比較的に小さな角度で光源14から出射した光19は斜面16cに当たることなく導光板12内を伝導する。
錐体16の屈折率をn、錐体16の軸線と平行な線と斜面16cとの間の角度をαとするとき、錐体16の斜面16cの角度αが、arcsin(1/n)と同じか、大きいようにすると、錐体16に入った光は全て斜面16cで全反射する。ただし、角度αが大きいと、斜面16cで反射する光量が減り、また、斜面16cで反射した光が導光板の表面から突き抜ける可能性がある。従って、錐体16の斜面16cの角度αが、30度から45度の範囲にあるようにすると、導光板12内に取り込まれることができる光の量を多くすることができる。
光源14の発光部は錐体16の台部16bより小さいか等しい。また、光源14の光出射面は錐体16の台部16bより小さいか等しい。このようにすることにより、光源14から出射する多くの光を錐体16に入れることができる。
図3は比較例の照明装置の作用を説明する図である。図3においては、錐体16がなく、光源14は導光板12に光学的に密着していない、つまり、光源14と導光板12との間に空気層がある。この場合、光源14の発光部から出た一部の光は光源14と空気層との間の界面で反射して導光板12に向かわず、一部の光は導光板12の端面で反射して導光板12に入らない。
本願の発明では、このような利用できない光をかなり大きく導光板12内に取り込むことができ、光の利用効率が改善される。実験では、2.9倍の光取り出し効率アップが確認された。
図7から図23は照明装置10の他の例を示す図である。これらの例においては、照明装置10は、導光板12と、光源14と、導光板12と光源14との間に位置する錐体16とからなる。光源14は錐体16の台部16bに密着して配置され、導光板12は錐体16の基部16aに密着して配置され、光源14の発光部から導光板12まで空気層を介さずに光が伝達するようになっている。
図7においては、光源14と錐体16とは一体的に形成され、錐体16は導光板12に取りつけられている。
図8においては、錐体16と導光板12とは一体的に形成され、光源14は錐体16の台部16bの凹部に設けた流動などによる変形が可能な変形体(接着剤)20により錐体16の台部16bに取りつけられる。
図9においては、光源14は錐体16の台部16bに接着剤22により取りつけられている。錐体16が斜面16cをもつばかりでなく、接着剤22にも斜面22cをもつように細工してある。従って、この例では、接着剤22は錐体16と同等の機能のもつことになり、光の利用効率が向上する。この例では、接着剤22はアクリル系の導光板12及び錐体16と同じアクリル系の接着剤として接着力を高め、空気層を排除するようにした。接着剤22の形状は図2を参照して説明した屈折率nと斜面の傾斜角度αの関係を満足するように設定されるのが望ましい。
図10においては、光源14は錐体16の台部16bに接着剤22により取りつけられている。接着剤22の表面22dは丸みを帯びた傾斜面になっている。この場合にも、図9の照明装置10と同様に、光の利用効率が向上する。この例では、まず光源14を錐体16の台部16bに接着した後、アクリル系樹脂を落として部分球体を形成したものである。光源14は接着剤22に埋め込んだほうが光源14からその側部の方から出射する光も取り込めるようになる。
図11及び図12においては、錐体16が接着剤からなる。この場合にも、錐体16を構成する接着剤の形状は図2を参照して説明した屈折率nと斜面の傾斜角度αの関係を満足するように設定されるのが望ましい。
図13及び図14においては、複数の光源14が錐体16の台部16bに取りつけられている。この場合、図14に示す垂直断面では、図9又は図10の構造になるが、水平断面では図11又は図12の構造になる。LED光源列は、LEDチップを仕込んだ複数のパッケージをプリント基板に配列したアレイを接着したものである。1パッケージに三原色のうちの一色を発光する1つのLEDチップを仕込み、R、G、B色を発光する順に並べてアレイ化したものを使った。また、1パッケージに三原色のそれぞれの色を発光する3つのLEDチップを仕込んだものを用いることもできる。これは面光源としたときの色ムラが小さくなる利点がある。
また錐体16および導光板の導光の方向に添う側面(図14において手前および向こう側の面)には正反射ミラー13を付けるのが望ましい。これにより、面内方向に集光されず該側面から導光板の外に光が出るのを防止できる。
図15及び図16においては、白色有機EL等の線光源14が錐体16の台部16bに取りつけられている。線状EL光源14はガラス基板に作成したものを用いた。熱膨張率の観点から、線状EL光源14は有機フィルム又は有機薄板に形成したものを用いることもできる。
図17から図19においては、導光板は 第1の導光板12Aと、第2の導光板12Bとからなる。光源14は第1の導光板12Aの側部に上記したのと同様に取りつけられている。第1の導光板12Aは第2の導光板12Bの側部に配置される。第1の導光板12Aはライトガイドパイプとも呼ばれ、第2の導光板12Bが配置される側とは反対側に鋸歯状のミラー24を形成されている。第2の導光板12Bは第1の導光板12Aが配置される側に集光手段26を有する。
光源14から出た光は、第1の導光板12Aに入り、第1の導光板12Aは線光源となる。第1の導光板12A内の光は鋸歯状のミラー24で反射して第2の導光板12Bへ入る。第2の導光板12Bは面光源となる。光源14と第1の導光板12Aの光結合部はアクリル系樹脂で光学的に密接に結合してあるが、第1の導光板12Aと第2の導光板12Bの光結合部は第1の導光板12A内を導光する光を妨げないために光学的に密接に結合してなく、単に接触させているだけである。
図20及び図21においては、錐体16は細長いくさび形部材として形成され、複数の錐体16が導光板12の側部に配置されている。LEDからなる光源14は各錐体16の台部に配置されている。光吸収材28が錐体16の導光板12に近い部分を覆うように錐体16と導光板12の境界付近で全ての錐体16を囲んで配置されている。この例は、光源14からの発散光を平行光に変換するのに適している。
図22及び図23においては、錐体16は細長いくさび形部材として形成され、複数の錐体16が導光板12の側部に配置されている。LEDからなる光源14は各錐体16の台部に配置されている。光吸収材28が錐体16の導光板12に近い部分を覆うように錐体16と導光板12の境界付近で全ての錐体16を囲んで配置されている。さらに、ミラー又は散乱反射材30が全ての錐体16を囲んで配置されている。この例は、光源14からの発散光を平行光に変換するのに適している。LED等の微小な光源14を錐体16の台部に貼合してあるが、光源14を錐体16の台部に必ずしも貼合する必要はない。光源14は錐体の(側面付近など)近くに配置してあれば問題ない。
図24から図27は照明装置の他の例を示す図である。図24及び図25においては、照明装置10は、光源15と、導光板12と、導光板12に取りつけられた細長いくさび形部材として形成された複数の錐体16と、錐体16の導光板12に近い部分を覆うように錐体16と導光板12の境界付近で全ての錐体16を囲んで配置されている光吸収材28と、全ての錐体16を囲んで配置されているミラー又は散乱反射材30とからなる。光源15は冷陰極管(蛍光灯)からなり、錐体16の側部で全ての錐体16を横切るように配置されている。光源15から出た光は錐体16の側部から錐体16の内部に入り、錐体16の内部で全反射を繰り返しながら、導光板12の軸線に対して小さな角度となって導光板12に入るようになっている。この例は、平行光を導光板12に取り込むのに適している。
図26及び図27においては、照明装置10は、光源15と、導光板12と、導光板12に取りつけられた細長く且つ幅の広いくさび形部材として形成された1つの錐体16と、錐体16の導光板12に近い部分を覆うように錐体16と導光板12の境界付近で全ての錐体16を囲んで配置されている光吸収材28と、全ての錐体16を囲んで配置されているミラー又は散乱反射材30とからなる。この例の作用は前の例の作用と同様である。
図24から図27において、光源15は冷陰極管ばかりでなく、例えばEL光源などの他の棒状光源とすることができる。また、光源15は棒状光源に限らず、任意の形状の光源とすることができる。これらの例において、光吸収材28は迷光防止の作用をする。
図28は本発明の第1実施例による液晶表示装置を示す略図である。図29は図28の液晶パネルを示す断面図である。液晶表示装置40は、液晶パネル42と、照明装置44と、偏光板46と、低屈折率層48とからなる。好ましくは、液晶パネル42は、反射型液晶パネルであり、そして、垂直配向型(VA型)液晶パネルである。
図29において、液晶パネル42は、一対のガラス基板42a、42bの間に液晶42cを挟持してなるものである。一方のガラス基板42aは、共通電極42d及び垂直配向膜42eを含み、他方のガラス基板42bは、画素電極42f及び垂直配向膜42gを含む。従って、液晶分子は、電圧不印加時に基板面に対してほぼ垂直に配向し、電圧印加時に基板面に対してほぼ平行に配向する。そして、画素電極42fは光を反射させる材料で作られている。好ましくは、1画素は複数の領域に分割され、領域毎に液晶のプレチルト方向が異なっている。
図28において、照明装置44の(第2の)導光板54は低屈折率層48を介して偏光板46と貼合され、偏光板46は液晶パネル42に貼合される。
このように、導光板と、偏光板46と、液晶パネル42とを貼合する場合には、導光板に入った光のうち、低屈折率層48で全反射しない光がそのまま偏光板46を透過し、液晶パネル42に照射するため、コントラストが低下する問題が生じた。これは本願の発明者が高コントラストのVA方式の液晶パネル42を用いて、偏光板46を導光板に貼合、あるいはさらに液晶パネル42を貼合したときに、大きな問題として認識された。
導光板の片側を空気より高い屈折率の低屈折率層48で満たし、さらに液晶パネル42を貼合したため、導光板に流れ込んだ(低屈折率層48で全反射できない)大量の光が液晶パネル42に入射し、コントラスト低下、コントラスト不均一化、輝度不均一化による表示品質が低下する問題があった。これは、導光板と偏光板46と液晶パネル42とを貼合したことではじめて判明したことである。
また、導光板と液晶パネル42という板物同士を貼合するために、剥がれやすいという問題があった。特に、貼合部にゴミが咬みこむと特殊環境下で局所的に剥がれやすくなり、表示品質が低下する問題があった。導光板と液晶パネル42を導光板より屈折率の低い低屈折率層48を介して接触させたため、境界面における透過は完全に0ではなく、少なからずコントラストを低下させる原因になっていた。また、偏光板を導光板に貼合、あるいはさらに液晶パネルを貼合する場合に、多くの光が偏光板に吸収されて輝度が低下する問題があった。これから説明する実施例はそのような問題点を解決するためになされたものである。
図30は図28の照明装置44を示す平面図、図31は図30の照明装置44の断面図である。照明装置44は、光源50と、光源50から発せられた光を受ける第1の導光板52と、第1の導光板52を通った光を受ける第2の導光板54と、第1の導光板52と第2の導光板54の間に位置する集光手段56とを備え、第2の導光板54の厚さは第1の導光板52の厚さより厚い。
この照明装置44は図17から図19に示した照明装置10と類似している。すなわち、光源50は、LEDからなり、第1の導光板52の側部に取りつけられている。第1の導光板52は第2の導光板54の側部に配置される。第1の導光板52は第2の導光板54が配置される側とは反対側に鋸歯状のミラー(図17参照)を形成されている。第2の導光板54は第1の導光板52が配置される側に集光手段56を有する。この例では、集光手段56は第2の導光板54と一体的に第1の導光板52に向かって先細りに形成された部分である。第2の導光板54は該第2の導光板54内を伝導する光を液晶パネル42に向かわせるための光取り出し機構として表面54Aにプリズム(図示せず)を有する。第2の導光板54がプリズムを有することは以下の例についても同様である。
光源50は厚さ0.6mmのLEDからなる。第1の導光板52の厚さは0.5mm、第2の導光板54の厚さは1.0mmとし、集光手段56は第1の導光板52と第2の導光板54の間に延びる斜面56Aを有する部分である。ただし、集光手段56と第1の導光板52とは光学的に結合されていず、単に接触する程度に近接して配置されている。
第1の導光板52及び第2の導光板54はJSR社のアートン(屈折率1.51)で作った。従って、集光手段56もアートンで作られている。図28の偏光板46はナノ気泡を含有させて屈折率を小さくした粘着材(屈折率1.45から1.47)を介して第2の導光板54に貼合されている。この粘着材が図28の低屈折率層48となる。偏光板46は、偏光層の両側にTACを貼合してなり、さらにその下に複数の層を配設したものである。VA方式の液晶パネル42は偏光板46に貼合されている。
集光手段56は第1の導光板52から第2の導光板54に入る光の平行度を上げるために設けられている。
低屈折率層48とした粘着材は、アクリル系で元の屈折率は1.48である。これに、目に見えない微細なナノ気泡を含有させて、さらに屈折率を小さくするため、先ず、偏光板表面に高さ数μm〜10μmの凹凸を設け、これに粘着材を塗布したものを導光板に貼合した。これにより、面内均一に空気を咬み込んで粘着することができる。この段階では、気泡が視認されるため、さらにオートクレーブをかけて仕上げる。気泡を咬ませることにより、照明光が1.2倍〜1.8倍になることを確認した。
図32は集光手段56の作用を説明する図である。58は第1の導光板52から第2の導光板54に入る光を示す。第2の導光板54の軸線と平行な線に対する斜面56Aの角度をαとする。光58の第2の導光板54の軸線と平行な線に対する角度をθとする。光58が集光手段56の入口側(第1の導光板52側)における下端から出口側(第2の導光板54側)における上端を通るときの角度をθ0とする。第2の導光板54における全反射角度をθcとする。
Wは集光手段56の長さを示す。Lは光58の入射位置を示す。H0は第1の導光板52の厚さ、H1は第2の導光板54の厚さを示す。hは(H1−H0)/2である。このとき、H1=H0+2h、h=Wtanα、h+H0=Wtanθ0、の関係がある。
図33は光58の角度がθ<αの場合(マイナス角度を考慮する場合には、−α<θ<αの場合)の集光手段56の作用を説明する図である。この場合には、光58の角度は小さく、平行度がよい。光58は斜面56Aに当たらず、直接第2の導光板54に入る。第2の導光板54に入った光が60で示されている。
図34は光58の角度がα<θ<θ0 の場合(及び−θ0 <θ<αの場合)の集光手段56の作用を説明する図である。この場合には、光58の入射位置Lに従って、光58は斜面56Aに当たらず、直接第2の導光板54に入る場合と、光58は斜面56Aに当たって全反射した後、第2の導光板54に入る。後者の場合の第2の導光板54に入った光が60で示されている。光58、60を下に平行移動させると、前者の場合になる。
図35は光58の角度がθ0 <θの場合(及びθ<−θ0 の場合)の集光手段56の作用を説明する図である。この場合には、全ての光58が斜面56Aに当たって全反射した後、第2の導光板54に入る。第2の導光板54に入った光が60で示されている。
図36は第1の導光板52から集光手段56に入る光の角度分布を示す。図37は集光手段56において調節された光の角度分布を示す。光58が斜面56Aに当たって全反射すると、光58の角度θは±2αだけ第2の導光板54の軸線に平行な線に近づくように補正される。図36においてハッチングした部分は、光58が斜面56Aで反射する領域である。従って、第1の導光板52から第2の導光板54に入る光の平行度が図37に示されるように高くなる(小さい角度の光量が高くなる)。Pは好ましい角度範囲を示す。
ここで、集光手段56の長さ及び斜面の角度について検討した。集光手段56の長さをパラメータとし、0.5mmから7mmまでの長さを有するサンプルを作った。第1の導光板52の厚さ、第2の導光板54の厚さ、及び集光手段56の長さが決まると、集光手段56の斜面56Aの角度αが決まる。
図38は第1の導光板52から集光手段56に入る光の角度分布を示す。角度はプラス側のみ示されている。曲線αは集光手段56の斜面56Aの角度αをプロットしたものに相当する。曲線θ0は図32の角度θ0をプロットしたものに相当する。曲線αより下の領域Xが図33に示したように斜面56Aで反射しないで第2の導光板54へ進む光の領域である。曲線αと曲線θ0の間の領域Yが図34に示したように部分的に斜面56Aで反射する光の領域である。曲線θ0より上の領域Zが図35に示したように全て斜面56Aで反射する光の領域である。
図39は全ての光58が斜面56Aで反射する角度をもった光(図38の領域Z)の集光手段56を出た後の角度分布を示す。この場合、光60の角度分布は曲線Uと曲線θ′の間の領域になる。曲線θ′は図38の曲線θ0を下に移動したものに相当する。この領域と図38の領域Zとを比べると、光60の角度分布はより小さい角度をもつものに変換され、光の平行度は向上する。
領域Mは、13度と−13度の間にあり、第2の導光板54の内部を進むときに第2の導光板54と低屈折率層48との間の界面で全反射される角度の領域を示す。光60が第2の導光板54と低屈折率層48との間の界面で全反射されると、光は第2の導光板54の内部に十分に行き渡るので、照明装置として好ましい。13度と曲線θ′との間の領域内において、線aより左側の部分では、光は斜面56Aで反射して領域M内にはいる。線aより右側の部分では、光は斜面56Aで反射して領域M内に入るが、もともと斜面56Aで反射しなくても領域M内に入る成分である。
図40は一部の光58が斜面56Aで反射する角度をもった光(図38の領域Y)の集光手段56を出た後の角度分布を示す。この場合、光60の角度分布は曲線Vと曲線Wの間の領域になる。この領域と図38の領域Yとを比べると、光60の角度分布はより小さい角度をもつものに変換され、光の平行度は向上する。線bより左側の部分では、光は斜面56Aで反射して領域M内にはいる。線bより右側の部分では、光は斜面56Aで反射して領域M内を入るが、もともと斜面56Aで反射しなくても領域M内に入る成分である。
図38から図40において、集光手段56の長さが0.8mmを通る線Nが示されている。集光手段56の長さが0.8mm(斜面の角度αは約18度)から3.5mm(斜面の角度αは約4.1度)までは、全反射伝導する光の量が増加するが、さらにテーパ長さが長くなっても集光効果はほとんど変わらない(特に図40)。また、全反射伝導する光の中でも、平行に近い部分(±5度以内)が増大するため、第2の導光板54の光取り出し用のプリズムを45度に近い角度にして液晶パネル42に垂直に照射される光の量が増加する。
このことから、第2の導光板54における全反射角度をθc、斜面56Aの角度をαとするとき、α<1.5θcの関係を満たす。α<1.5θcの関係は、全反射角度θcが13度とし、斜面56Aの角度αを約18度とすることにより導かれる。この結果、輝度を1.5倍から2倍、コントラストを2倍から3倍にすることができた。この例では、LEDの厚さ0.6mmに対して、第1の導光板の厚さ0.5mmとしたが、LEDの有効的な発光は中心付近の厚さ0.5mm以下の領域(面)に集中しており、光結合ロスの問題は小さい。
図41は照明装置の他の例を示し、図42は図41の照明装置の断面図である。この例では、集光手段56は、第1の導光板52と一体的に第2の導光板54に向かって末広がりに形成された部分である。集光手段56は斜面56Aを有する。
図43は照明装置の他の例を示し、図44は図43の照明装置の断面図である。この例では、集光手段56は、第1の導光板52付近から第2の導光板54付近にかけて傾斜する斜面56Aを有する反射板からなる。反射板は、第1の導光板52から出て第2の導光板54に入射する光の平行度を向上するように配置されている。集光性は劣るが構造簡易で製造性に優る。
図45は照明装置の他の例を示し、図46は図45の照明装置の断面図である。この例では、集光手段56は、概ね円柱状のファイバからなる。概ね円柱状のファイバはレンズと同様に作用し、第1の導光板52から出て第2の導光板54に入射する光の平行度を向上するように配置されている。この例の特徴は、第1の導光板52が第2の導光板54より薄いときに効果がある。
図47は図45及び図46の照明装置44の垂直方向の集光効果を示す図、図48は図45及び図46の照明装置44の水平方向の集光効果を示す図である。図47及び図48において、F0は集光手段56としてのファイバがないときの垂直方向の相対的な光量分布を示し、F1は集光手段56としてのファイバ31があるときの垂直方向の相対的な光量分布を示す。集光手段56としてのファイバがあるときに集光効果が改善され、第2の導光板54に入射する光の平行度が向上する。第1の導光板52の厚さが0.7mm、第2の導光板54の厚さが1.0mmのときに、およそ1.5倍の集光効果が得られた。
この例においては、LEDからなる光源50を第1の導光板52に直付けする場合と同じように1.5倍程度の集光効果が得られるLEDの厚さは1.0mm、第2の導光板54の厚さが同じく1.0mmであった。LEDを調べたところ、実質的な発光面の厚さは1.0mmより小さい上に、発光面の奥に配置された0.数mm角の発光チップを中心に放射状に光が放出されており、この結果、ファイバでの集光効果が増大したことが分かった。
図49は照明装置の他の例を示し、図50は図49の照明装置の正面図、図51は図49の照明装置の左側面図である。この例においては、前の例の集光手段56と同様の集光手段62がLEDからなる光源50と第1の導光板52との間に配置されている。この集光手段62は第1の導光板52と一体的に形成され、光源50に向かって先細りに延びる。集光手段62の作用は集光手段56と同様である。集光手段62は光源50と第1の導光板52との間の斜面を含む部分であり、第1の導光板52における全反射角度をθc、第1の導光板52の軸線と平行な線に対する該斜面の角度をαとするとき、α<1.5θcの関係を満たす。この例では、光源50の厚さが第1の導光板52の厚さより薄く、集光手段62は光源50から出て第1の導光板52に入射する光の平行度を向上するように配置されている。
この例においては、前に述べたように、LEDから光が放射状に放出されるため、集光効果はより大きくなる(1.3倍程度大きくなる)。しかし、光源50を第1の導光板52を介して第2の導光板54に結合する構造においては、第1の導光板52の第2の導光板54とは反対側の面に反射ミラーを形成するが、この面の平面性及び垂直性が悪いと上下方向の拡がり角度が大きくなるため、第1の導光板52の製造精度が厳しくなる。この点に関しては、この例の方が簡便である。
図52は照明装置の他の例を示し、図53は図52の照明装置の断面図である。この例では、前の例の第1の導光板52をなくし、光源50が第2の導光板54に結合されるようになっている。集光手段62がLEDからなる光源50と第2の導光板54との間に形成されている。図43及び図44の集光手段56と同様に、集光手段62は、光源50付近から第2の導光板54付近にかけて傾斜する斜面62Aを有する反射板からなる。反射板は、光源50から出て第2の導光板54に入射する光の平行度を向上するように配置されている。
図54は照明装置の他の例を示し、図55は図54の照明装置の断面図である。この例でも、前の例の第1の導光板52をなくし、光源50が第2の導光板54に結合されるようになっている。集光手段62がLEDからなる光源50と第2の導光板54との間に形成されている。図45及び図46の集光手段56と同様に、集光手段62は、概ね円柱状のファイバからなる。概ね円柱状のファイバはレンズと同様に作用し、光源50から出て第2の導光板54に入射する光の平行度を向上するように配置されている。
図56は照明装置の他の例を示す。照明装置44は、図示しない光源と、第1の導光板52と、第2の導光板54と、概ね円柱状のファイバからなる集光手段56と、第2の導光板54に低屈折率層48を介して貼合された偏光板46とからなる。
図57は照明装置の他の例を示す。照明装置44は、図示しない光源と、第1の導光板52と、第2の導光板54と、第2の導光板54と一体的にテーパーをつけて形成された集光手段56と、第2の導光板54に低屈折率層48を介して貼合された偏光板46とからなる。
図58は液晶表示装置の他の例を示す。液晶表示装置40は、照明装置44と、偏光板46と、液晶パネル42とを含む。照明装置44は、図示しない光源と、第1の導光板52と、第2の導光板54と、第1の導光板52と第2の導光板54との間に位置し、概ね円柱状のファイバからなる集光手段56とからなる。偏光板46は低屈折率層48を介して第2の導光板54に貼合され、かつ、低屈折率層64を介して液晶パネル42に貼合される。
図59は液晶表示装置の他の例を示す。液晶表示装置40は、照明装置44と、偏光板46と、液晶パネル42とを含む。照明装置44は、図示しない光源と、第1の導光板52と、第2の導光板54と、第1の導光板52と第2の導光板54との間に位置し、斜面56Aを有する部分からなる集光手段56とからなる。偏光板46は低屈折率層48を介して第2の導光板54に貼合され、かつ、低屈折率層64を介して液晶パネル42に貼合される。
図60は照明装置の他の例を示す断面図であり、図61は図60の照明装置の正面図であり、図62は図60の照明装置の断面図である。照明装置44は、LEDからなる光源50と、第1の導光板52と、第2の導光板54と、光源50と第1の導光板52との間に位置し、第1の導光板52と一体的にテーパーをつけて形成された集光手段62と、第1の導光板52と第2の導光板54との間に位置し、第2の導光板54と一体的にテーパーをつけて形成された集光手段56とからなる。
図63は本発明の第2実施例の液晶表示装置を示す図である。液晶表示装置70は、光源72と、光源72から発せられた光が入光する導光板74と、反射型の垂直配向方式の液晶パネル76と、導光板74と液晶パネル76との間に配置された偏光板78とからなる。低屈折率層80が導光板74と偏光板78との間にある。低屈折率層80の屈折率は空気の屈折率より大きいが、導光板74の屈折率よりも小さい。
導光板74と偏光板78と液晶パネルと76は粘着材又は接着剤又は貼合材で互いに貼合されている。低屈折率層80はその粘着材又は接着剤又は貼合材からなる。粘着材の屈折率は公称1.48だが、粘着時に空気を均一に挟み込み、オートクレープ処理することにより光を散乱しない微細気泡として粘着材に溶け込ませ、実質の屈折率を1.47以下にした。導光板74は屈折率1.48のアクリル又は屈折率1.51のアートンで作られる。
導光板74は、光源72から光が入る入光面(側面)74Aと、液晶パネル76の表示領域(又は液晶の存在領域)76Aに対応する導光領域74Bと、入光面74Aと導光領域74Bとの間に設けられ、導光板74の全反射角度(導光板74と貼合材層80との間の界面の全反射角度)よりも大きな角度で導光板74に入射した不要光の少なくとも一部を除去するための不要光排除領域74Cとを備える。不要光排除領域74Cの幅はQで示される。
また、導光板74は、導光領域74B内を進む光を導光板74から液晶パネル76へ取り出すための第1の表面74Dと、第1の表面74Dと反対側の第2の表面74Eに設けられたプリズム74Fとを有する。プリズム74Fは入光面74Aから距離Cの点から表示領域76Aにかけて設けられる。距離Cは幅Qとほぼ等しいか、少し小さい。
この例では、光源72は、冷陰極管及びU字形のリフレクタからなり、導光板74の入光面74A付近に配置される。導光板74の不要光排除領域74Cには不要光排除手段82が設けられる。不要光排除手段82は好ましくは光を吸収する部材からなる。光を吸収する部材は好ましくはブラックマトリクス等の黒色部材又は金属部材からなる。この例では、不要光排除手段82は液晶パネル76の表示領域76Aの外側へ延長された偏光板の延長部分である。
不要光排除領域74Cは液晶の表示領域76Aにかからないように設定し、不要光排除領域74Cにはプリズム74Fをなくすことで、散逸光が発生しないようにしてある。導光板74はアートンで屈折率は1.51〜1.52であり、入光面74Aからは上下方向に概ね±40度の角度に広がった光が入射するが、屈折率1.47の粘着材で導光できる光は概ね上下方向に±13度の角度範囲の光だけであり、概ね13度から40度の範囲の光は部分的に粘着材を透過し、さらに一部は偏光板78に吸収され、残りは偏光板78をすり抜ける。この洩れ光は液晶パネル76の表示領域76Aに入射するとコントラストを低下させるため、除去されるべき光である。そこで、偏光板78をすり抜けた先には吸収性のブラックマトリクスがあるようにし、液晶の表示領域を配置しないようにした。吸収性のブラックマトリクスの代わりに吸収テープを配設してもよい。
不要光排除領域74Cにおいて低屈折率層(粘着材)80で部分的に反射された光、及び低屈折率層80に接触しないで不要光排除領域74Cを通過した不要光、特に±30度から±40度の角度の光は、中途半端に平行光に近いために排除が難しい。そのような光は液晶に到達するとコントラストを低下させるので、プリズム74Fの存在領域において少しでも平行光に近くしてコントラストを改善するのが望ましい。このため、プリズム74Fを構成する緩斜面及び急斜面のうち、緩斜面の角度を1度以上とすることにより、平行度を改善して、導光領域74Bの始点から短距離でコントラストを改善するようにした。
図64は図63の液晶表示装置の表示位置とコントラストとの関係を示す図である。不要光排除領域74Cの幅Qと導光板74の厚さtとの比(Q/t)をパラメータとして幾つかの関係を調べた。Q/t=2.0の曲線では、表示領域74Aの端部からコントラストが10以上を達成できた。従って、不要光排除領域74CはD/tが2.0以上になるようにするのが好ましい。
図65は図63の液晶表示装置の表示位置と輝度との関係を示す図である。この場合にも、Q/tが2.0以上であれば、輝度ムラが比較的に小さい。
図66は液晶表示装置の例を示す図である。図63においては、不要光排除手段82は導光板74の下側、すなわち液晶パネル76側にのみ設けられている。図66においては、不要光排除手段82に加えて、偏光部材からなる不要光排除手段84が導光板74の上側、すなわち液晶パネル76とは反対側に設けられている。不要光排除手段84は接着剤層又は粘着材層86で導光板74に貼合されている。さらに、不要光排除手段84の上に、ホルダの黒色面を配設すると、近傍の表示領域に迷光がなくなり、表示品質が向上する。
不要光排除手段84を設けると、光源72から上向きに進む光が導光板74の第1の表面(上面)74Eで反射して導光板74の第2の表面(下面)74Dを通り抜ける光をなくすことができるので、図63の第2実施例と比べて不要光排除領域74を概ね半分の幅に短縮できるメリットがある。しかし、この場合には、不要光排除手段84の表示領域側のエッジは光が散乱しないようにうまく処理する必要があり、また、貼合工数が増えるという問題点もある。
図67は液晶表示装置の例を示す図である。図68は導光板74の表面の取り出し用のプリズム74Fを示す部分拡大図である。図68において、プリズム74Fは緩斜面74Gと急斜面74Hとを含み、好ましくは、第1の表面74Eと平行な平面に対する緩斜面74Gの角度βは1度以上であり、第1の表面74Eと平行な平面に対する急斜面74Hの角度γは45度以下である。特に、導光板74の厚さをtとしたとき、プリズム74Fの始点から3tの範囲内においてそのような角度に設定するのがよい。
図69は図67の液晶表示装置の表示領域の位置とコントラストとの関係を示す図である。図69においては、表示位置は、プリズム74Fの始点からの距離x/導光板74の厚さtの比で表されている。緩斜面74Gの角度βは1度以上であると、コントラストは表示位置が3(x/t)付近で十分に高くなる。
このようにして、不要光排除領域を極力短くする代わりに、プリズム配設領域において、プリズムの緩斜面74Gの角度を1度以上とすることにより、伝導光の平行度を改善したものである。緩斜面74Gで1回反射された光は角度2βだけ平行光に近くなる。
厚さが1mmの導光板74の場合、緩斜面74Gの角度βを1度以上とすることにより、角度40度で導光板74のプリズム存在領域に入る光は約17mm進むと角度30度で進む光となり、この光がプリズム74Fで反射されて液晶パネル76に照射されても、大幅なコントラストの低下を生じない。プリズム領域に入光する角度40度付近の光は大部分が最初の粘着材への入射と通過で伝導しなくなるため、ユーザーが不快に感じる低コントラストの領域の幅は17mmの半分から3分の1になる。
図70は液晶表示装置の他の例を示す図である。光源72及び導光板74が示されている。偏光板78は破線で示されている。導光板74は図63で説明した不要光排除領域74Cを有する。不要光排除領域74Cの幅は2mm前後にし、その後にプリズム(図示せず)を配置した。
導光板74を通って液晶パネル76に到達するコントラストを低下させる高角度の光は、低屈折率層80の表面に対してP偏光成分が多くなっている。従って、このP偏光成分を吸収するように偏光板78の吸収軸78Xを配置することで、表示領域のコントラストを高くすることができる。
偏光板78の吸収軸78Xは、入光面74Cと平行な平面に対する角度δで配置されている。図70においては、角度δは75度となっている。角度δが±45度以上になると急激にコントラストの低い領域が小さくなる傾向があることが分かった。
図71は図70の液晶表示装置の表示領域の位置とコントラストとの関係を示す図である。図71においては、表示位置は、偏光板78の始点からの距離x/導光板74の厚さtの比で表されている。コントラストは表示位置が3(x/t)付近で十分に高くなる。
図72は液晶表示装置の他の例を示す図である。図72においては、図70に示されるのと同様の液晶表示装置が装置本体70Aとともに示される。装置本体70Aは垂直に立てて使用されるようになっており、導光板74及び偏光板78及び液晶パネル76の組立体の下方に操作パネル70Bが設けられている。矢印Eは垂直下方を示す。偏光板78の吸収軸78Xは、入光面74Cと平行な平面に対する角度δで配置されている。
例えば、装置本体70AはPDA等の装置本体である。表示ユニットをPDAに組み込むときに、導光領域の入光面を側面になるようにすると同時に、偏光板76の吸収軸を概ね水平にして、迷光として粘着材を透過しやすい偏光成分を偏光板が吸収するようにするとともに、主に上斜め方向からの外部照明に対して透過性偏光となるように設定してある。結果として、光源は側面配置となる。
図73は液晶表示装置の例を示す図である。図73の例においては、導光板74(導光領域)の屈折率をng、低屈折率層(導光板を伝導する光が液晶パネル側で反射する層)80の屈折率をna、プリズム74Fの離散ピッチをP、導光板74のプリズム74Fと液晶パネル76の反射機構(反射電極)の距離をDとするとき、
の関係を満足するようになっている。
導光板74は屈折率1.51で、厚さ1.8mmのアートンで作られ、低屈折率層80は屈折率1.47のTACフィルムからなる。偏光板78と液晶パネル76のガラス基板の一方を、合わせて屈折率1.50から1.53で約1.2mmとした。
図74は図73の液晶表示装置において(p/d)と輝度均一性との関係を示す図である。(p/d)が4以下であれば、輝度均一性は非常によくなる。
ここでプリズムピッチを1mmとして作製したが、表示装置の輝度ムラは非常に軽微であった。従来の導光板と液晶パネルを貼合しない構造では、導光板のプリズムの部分から導光が視認する側に直接に飛び出し、目に入るため、プリズムが輝線となって視認された。本発明のように、導光板74と偏光板78と液晶パネル76とを一体に貼合し、おおきな角度の非伝導光を対策しておく場合には、同じ問題は発生せず、液晶パネル表示面への照明ムラさえ発生しなければ問題ない。従って、プリズムで反射され液晶パネルに照射される光はより平行光に近いためプリズムピッチを狭くする必要がある反面、直接導光が目に飛び込まないため、プリズムが目立たず、プリズムのピッチを従来よりも大きくできるメリットもある。
図75は液晶表示装置の他の例を示す図である。図75の例においては、粘着材層からなる低屈折率層80が導光板74の下面側に設けられるとともに、粘着材層からなる低屈折率層86が液晶パネル76の上面側にも設けられる。導光板74はアクリルで、屈折率1.48、粘着材は導光板74側及び液晶パネル76側ともにアクリル系の材料で屈折率1.48を使用した。貼合時に所定の空気層を薄く咬みこみ、オートクレープにより、粘着材層に溶け込ませることによって、不可視のナノ気泡とするとともに、粘着材層の屈折率を1.46以下に低くした。貼合時に咬みこんだ空気層を薄く均一とするため、偏光板78には所定の凹凸を有するものを使用した。
この例においては、偏光板78と導光板74とは第1の貼合材層によって貼合され、液晶パネル76と偏光板78の偏光層とは第2の貼合材層によって貼合され、該第1の貼合材層の厚さが、反射防止または反射低減の構造、または反射防止または反射低減の構造の一部となっているようにすることができる。
図76は図75の液晶表示装置の表示位置とコントラストとの関係を示す図である。曲線80Xは低屈折率層80が導光板74の下面側にのみ設けられる場合を示し、曲線86Xは低屈折率層80及び低屈折率層86が偏光板78の導光板74側及び液晶パネル76側に設けられる場合を示す。この結果、低屈折率層80及び低屈折率層86を設ければ、表示領域全体で、コントラストを高くすることができる。
図77は液晶表示装置の他の例を示す。図77の例においては、偏光板78と導光板74とは第1の貼合材層80によって貼合され、液晶パネル76と偏光板78の偏光層とは第2の貼合材層86によって貼合され、第1の貼合材層80及び第2の貼合材層86の少なくとも一方について、該貼合材層の厚さをT、該貼合材層に咬みこむゴミの大きさをSとするとき、
S<50μm、またはS<T
となる関係を満たすようにした。
図78は図77の液晶表示装置のゴミと大きさと発泡箇所との関係を示す図である。
導光板74と偏光板78と液晶パネル76の貼合物を、室温が−20℃から+60℃の間で時間変化する高湿度(室温25℃で湿度85%)の環境においたところ、導光板74と偏光板78の貼合面で気泡が発生した。気泡は偏光を乱すため、また、一旦発生した気泡はその後に視認されるまでに面積拡大する傾向があるため、発生自体が問題であり、気泡を発生させないことが重要である。
気泡を顕微鏡で見ると、全ての気泡の中心部に貼合時に混入したゴミが存在することが分かった。ゴミの大きさと気泡発生の確率のデータをとったところ、概ね50μm以下の小さいゴミでは気泡が発生していないことが分かった。気泡発生の原因はゴミを咬みこむことによってゴミ近傍の粘着部または接着部の粘着力又は接着力が貼合後のオートクレープ後にも弱いままで残存し、その後の温度変化によって剥離が発生したものと考えられる。
サンプルでは、まず、偏光板78を液晶パネル76に貼合し、次に、偏光板78と液晶パネル76の貼合物に導光板74を貼合したため、導光板74と偏光板78の間の貼合が弱くなったと思われる。先に導光板74を偏光板78に貼合し、次にこの貼合物に液晶パネル76を貼合する場合の液晶パネルと偏光板の貼合面についても同様である。
今回の粘着層は厚さ30μmとしたが、これより大きい50μmのゴミの周囲に気泡が発生しなかった理由は、このゴミが貼合時に、またはオートクレープ時に少し押しつぶされて高さが30μm以下になったためと考えるのは道理である。従って、例えば、厚さが倍の60μmの粘着層を用いれば、高さ60μm程度のゴミでも気泡が発生しないようにできる。
アクリルやアートン等の導光板74と偏光板78の貼合性を向上する方法として、コロナ放電処理、プラズマ処理、UV照射処理を行うのが好ましい。コロナ放電処理、プラズマ処理、UV照射処理を比較検討した結果、コロナ放電処理が処理パワーの強度と制御性の点、画面バラツキが小さい点から最適と分かった。プラズマ処理は強すぎ、UV照射処理は耐光性のあるアクリル材などの処理には弱すぎる上、試作の結果として均一に大面積を処理するにもコロナ放電処理より困難性が高いことが分かった。
図79は液晶表示装置の他の例を示す。図79においては液晶パネル76は図示省略されている。図79の例においては、導光板74側に貼合材層(低屈折率層)80があり、偏光板78は少なくとも透明層78Aと偏光層78Bとを含む。例においては、透明層78Aは高屈折率層78C、78Dでサンドイッチされている。透明層78Aは高屈折率層78Cを介して貼合材層80と貼合される。
貼合材層80の屈折率は導光板74の屈折率よりも低いか概ね等しく、透明層78Aの屈折率は導光板74の屈折率及び貼合材層80の屈折率より低い。
透明層(低屈折率層)78Aと高屈折率層78C、78Dとを偏光層(片偏光を吸収し、これと直交する偏光を透過する層)78Bとともに予め作りこんでおく。また、偏光層78Bの他方の表面に他の透明層を設ける。
この偏光板78を液晶パネル76と導光板74に貼合することで、導光板74と偏光板78の接着剤または粘着材に選択の自由度が増加する。すなわち、
(a)屈折率が導光板74に近い、例えば光硬化性のアクリル系やエポキシ系などの接着剤を使用できる。
(b)導光板74と偏光板78の間も低屈折率の粘着材層とすることで、低屈折率層が複層となり、全反射角に近い部分反射光(低屈折率層を突き抜けて液晶パネル76に届くと大幅にコントラストを低下させる光)の導光性を高くすることができる。
(c)低屈折率層の厚さを制御しやすくなり、例えば、低屈折率層の厚さを導光板74を垂直に透過する光に対して反射防止または反射低減の構造、または半波長となっているようにすることができる。低屈折率層は、垂直透過光については反射防止膜、概ね水平に伝導する伝導光に対しては低屈折率層として反射界面を形成する。
図80は液晶表示装置の他の例を示す。図80の例においては、導光板74をガラスで製作し、液晶パネル76のガラス基板と熱膨張率を近いものにした。その結果、対角10型の導光板74と対角10型の液晶パネル76を偏光板78を介して貼合したものを室温が−20℃から+70℃まで繰り返し変化させても、貼合物の貼合面では剥離や内部での気泡発生はおろか、基板の反りなど一切の異常変形は発生しなかった。
これまで、アートンやアクリルの導光板74とガラス基板を有する液晶パネル76を貼合して、環境変化で異常が発生しないサイズは対角5型程度より小さいものに限られていたが、この例の構造では、原理的に再現なく大きい構造物を作ることができる。
また、図80の例では、導光板74全体をガラスで作ったが、ガラス平板などのガラス基板の上に成形しやすい樹脂材料で作成したプリズム等の光取り出し構造を形成したシートを貼合してもよい。また、ガラス平板などのガラス基板の上に、例えば光硬化性アクリルなどの樹脂材料でプリズム等の光取り出し構造を直接に形成してもよい。
図81は液晶表示装置の他の例を示す。図81の例においては、液晶パネル76の基板を樹脂で作り、この液晶パネル76と樹脂の導光板74とを貼合している。液晶パネル76の基板と導光板74とは熱膨張率を近いものにした。
これまでの実施例では、液晶パネル76に垂直配向(VA)方式を採用した。下記の表1は垂直配向(VA)方式の液晶パネルを使用した場合とTN方式の液晶パネルを使用した場合とを比較した例である。部分貼合1は、AR処理した導光板と偏光板を貼合した液晶パネルとを単に重ねた構造である。部分貼合2は、導光板と偏光板を低屈折率層を介して貼合したものと液晶パネルとを単に重ねた構造である。全貼合は、導光板と偏光板と液晶パネルとを一体に貼合した構造である。
部分貼合1では、垂直配向(VA)方式はTN方式と同程度に低コントラストであった。導光板74と偏光板78と液晶パネル76と一体に貼合した全貼合では、VA方式の液晶パネルを使用した場合の方が、TN方式の液晶パネルを使用した場合よりもコントラストを高くすることができる。これは、
(a)VA方式がTN方式に比べて高コントラストであること、(b)VA方式の高コントラストの特性を発揮するためには、界面反射を抑えた、偏光板を導光板に貼合したものを液晶パネルに積載、又は貼合したフロントライト構造とすることが望ましいことが分かった。
図82は導光領域に入光する光の水平面内の拡がり角度とコントラストとの関係を示す図である。四角のドットをプロットした曲線は上記部分貼合2に相当し、丸のドットをプロットした曲線は上記全貼合に相当する。例えは、部分貼合2及び全貼合の場合、導光領域の材料がアクリル(屈折率1.49)の場合に通常の拡がり角度±42度であるところを、拡がり角度を±30度以内に収束させると、格段にコントラストを向上できることが分かった。拡がり角度は図83に示される。
以上本発明の参考例および実施例を説明したが、それらの例は下記の特徴を含む。
(付記1) 導光板と、光源と、該導光板と該光源との間に位置する錐体とからなり、該錐体は基部と該基部より小さい台部と該基部と該台部との間の斜面とを有し、該光源は該錐体の台部に密着して配置され、該導光板は該錐体の基部に密着して配置され、光源の発光部から導光板まで空気層を介さずに光が伝達するようにしたことを特徴とする照明装置。
(付記2) 該錐体と該導光板とは一体的に形成され、該光源は該錐体に取りつけられていることを特徴とする付記1に記載の照明装置。
(付記3) 該光源と該錐体とは一体的に形成され、該錐体は該導光板に取りつけられていることを特徴とする付記1に記載の照明装置。
(付記4) 該錐体の屈折率をn、錐体の軸線と平行な線と斜面との間の角度をαとするとき、該錐体の斜面の角度(α)が、arcsin(1/n)と同じか、大きいことを特徴とする付記1に記載の照明装置。
(付記5) 該錐体の屈折率をn、錐体の軸線と平行な線と斜面との間の角度をαとするとき、該錐体の斜面の角度(α)が、30度から45度の範囲にあることを特徴とする付記1に記載の照明装置。
(付記6) 該錐体が接着性部材からなることを特徴とする付記5に記載の照明装置。
(付記7) 該錐体が接着性部材で該導光板に接合され、該接着性部材の屈折率がn、錐体の軸線と平行な線と該接着性部材の斜面との間の角度をαとするとき、該接着性部材の斜面の角度(α)が、arcsin(1/n)と同じか、大きいことを特徴とする付記1に記載の照明装置。
(付記8) 該光源の発光部は該錐体の台部より小さいか等しいことを特徴とする付記1に記載の照明装置。
(付記9) 該光源の光出射面は該錐体の台部より小さいか等しいことを特徴とする付記1に記載の照明装置。
(付記10) 該光源と該錐体の少なくとも一部を包むように配置された反射部材を備えることを特徴とする付記1に記載の照明装置。
(付記11) 該導光板と該錐体の境界付近に光吸収材が設けられることを特徴とする付記1に記載の照明装置。
(付記12) 該光源は少なくとも1つのLEDからなることを特徴とする付記1に記載の照明装置。
(付記13) 導光板と、光源と、該導光板と該光源との間に位置する錐体とからなり、該錐体の基部は該導光板に接合または密着され、該光源は該錐体に近接して配置され、さらに、反射部材が該光源及び該錐体を囲むように配置され、光吸収部材が該くさび形部材と該導光板との境界付近に設けられていることを特徴とする照明装置。
(付記14) 付記1から13のいずれかに記載の照明装置と、表示素子を含むことを特徴とする表示装置。
(付記15) 光源と、該光源から発せられた光を受ける第1の導光板と、該第1の導光板を通った光を受ける第2の導光板と、第1の導光板と第2の導光板の間に位置する集光手段とを備え、第2の導光板の厚さが第1の導光板の厚さより厚いことを特徴とする照明装置。
(付記16) 該集光手段は第1の導光板と第2の導光板との間の斜面を含む部分であり、第2の導光板における全反射角度をθc、第2の導光板の軸線と平行な線に対する該斜面の角度をαとするとき、α<1.5θcの関係を満たすことを特徴とする付記15に記載の照明装置。
(付記17) 該集光手段としての斜面を含む部分は、第2の導光板と一体的に第1の導光板に向かって先細りに形成された部分であることを特徴とする付記16に記載の照明装置。
(付記18) 該集光手段としての斜面を含む部分は、第1の導光板と一体的に第2の導光板に向かって末広がりに形成された部分であることを特徴とする付記16に記載の照明装置。
(付記19) 該集光手段は第1の導光板の端部付近から第2の導光板の端部付近にかけて傾斜する斜面を有する反射板からなることを特徴とする付記15に記載の照明装置。
(付記20) 該集光手段は概ね円柱状の部材からなることを特徴とする付記15に記載の照明装置。
(付記21) 第2の導光板はその一面にプリズムが形成され、反対側の表面には低屈折率層を介して偏光板が貼合されていることを特徴とする付記15から20のいずれかに記載の照明装置。
(付記22) 付記15から20のいずれかに記載の照明装置と、該第2の導光板の屈折率より小さい屈折率を有する低屈折率層を介して第2の導光板に貼合された偏光板と、該偏光板に貼合された表示パネルとからなることを特徴とする表示装置。
(付記23) 該表示パネルは反射型液晶表示パネルからなることを特徴とする付記22に記載の表示装置。
(付記24) 該表示パネルは垂直配向型液晶表示パネルからなることを特徴とする付記23に記載の表示装置。
(付記25) 光源と、該光源から発せられた光が入光する導光板と、該光源と導光板の間に位置する集光手段とを備え、該光源の厚さが導光板の厚さより厚く、該集光手段は該光源から出て該導光板に入射する光の平行度を向上するように配置されていることを特徴とする表示装置。
(付記26) 光源と、該光源から発せられた光が入光する導光板と、液晶パネルと、該導光板と該液晶パネルとの間に配置された偏光板とからなり、該導光板と該偏光板と該液晶パネルとが互いに貼合されており、
該導光板は、該光源から光が入る入光面と、該液晶パネルの表示領域に対応する導光領域と、該導光領域内を進む光を該導光板から該液晶パネルへ取り出すための第1の表面と、該第1の表面と反対側の第2の表面に設けられたプリズムと、該入光面と該導光領域との間に設けられ、該導光板の全反射角度よりも大きな角度で該導光板に入射した不要光の少なくとも一部を除去するための不要光排除領域とを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
(付記27) 不要光を排除する手段が不要光排除領域に設けられ、該不要光を排除する手段が光を吸収する部材からなることを特徴とする付記26に記載の照明装置。
(付記28) 該光を吸収する手段が偏光部材からなることを特徴とする付記27に記載の照明装置。
(付記29) 該偏光部材は、液晶パネルの表示領域の外側へ延長された該偏光板の延長部分であることを特徴とする付記28に記載の液晶表示装置。
(付記30) さらなる偏光部材が、該導光板に該偏光板の延長部分とは反対側にもうけられることを特徴とする付記29に記載の液晶表示装置。
(付記31) 不要光排除領域は前記導光領域のプリズムを含まないことを特徴とする付記26に記載の液晶表示装置。
(付記32) 該導光板の不要光排除領域の厚さをt、不要光排除領域の幅をWとするとき、
W>2.0t
の関係を概ね満足することを特徴とする付記25に記載の液晶表示装置。
(付記33) 光源と、該光源から発せられた光が入光する導光板と、液晶パネルと、該導光板と該液晶パネルとの間に配置された偏光板とからなり、該導光板と該偏光板と該液晶パネルとが互いに貼合されており、
該導光板は、該光源から光が入る入光面と、該液晶パネルの表示領域に対応する導光領域と、該導光領域内を進む光を該導光板から該液晶パネルへ取り出すための第1の表面と、該第1の表面と反対側の第2の表面に設けられたプリズムとを備え、
該プリズムの入光面側の端部から導光領域の厚さの約3倍の距離にわたるプリズムの部分において、該プリズムは、緩斜面と、急斜面とにより形成され、緩斜面が導光領域の光取り出し面に対して傾斜角度1度以上であることを特徴とする液晶表示装置。
(付記34) 光源と、該光源から発せられた光が入光する導光板と、液晶パネルと、該導光板と該液晶パネルとの間に配置された偏光板とからなり、該導光板と該偏光板と該液晶パネルとが互いに貼合されており、
偏光板の吸収軸の方向は導光領域の入光面に対して概ね直交又は直交方向からの傾き角度が概ね45度以内であることを特徴とする液晶表示装置。
(付記35) 液晶パネルの表示方向に対して、偏光板の吸収軸の方向は、概ね水平、又は水平からの傾き角度が45度以内であり、導光板の入光面は液晶表示装置の右側面または左側面の近傍にあることを特徴とする付記8又は9に記載の液晶表示装置。
(付記36) 光源と、該光源から発せられた光が入光する導光板と、反射型の液晶パネルと、該導光板と該液晶パネルとの間に配置された偏光板とからなり、該導光板と該偏光板と該液晶パネルとが互いに貼合されており、
該導光板は、該光源から光が入る入光面と、該液晶パネルの表示領域に対応する導光領域と、該導光領域内を進む光を該導光板から該液晶パネルへ取り出すための第1の表面と、該第1の表面と反対側の第2の表面に設けられたプリズムとを備え、
該導光領域の屈折率をng、
該導光板を伝導する光が液晶パネル側で反射する層の屈折率をna、
該プリズムの離散ピッチをP、
該プリズムと液晶パネルの反射機構の距離をDとするとき、
の関係を満たすことを特徴とする液晶表示装置。
(付記37) 光源と、該光源から発せられた光が入光する導光板と、反射型の液晶パネルと、該導光板と該液晶パネルとの間に配置された偏光板とからなり、該導光板と該偏光板と該液晶パネルとが互いに貼合されており、
該偏光板と該導光板との間に該導光板より低屈折率の第1の低屈折率層があり、該液晶パネルと該導光板との間に該導光板より低屈折率の第2の低屈折率層があることを特徴とする液晶表示装置。
(付記38) 光源と、該光源から発せられた光が入光する導光板と、反射型の液晶パネルと、該導光板と該液晶パネルとの間に配置された偏光板とからなり、該導光板と該偏光板と該液晶パネルとが互いに貼合されており、
偏光板の片面又は両面が凹凸面であることを特徴とする液晶表示装置。
(付記39) 光源と、該光源から発せられた光が入光する導光板と、液晶パネルと、該導光板と該液晶パネルとの間に配置された偏光板とからなり、該導光板と該偏光板と該液晶パネルとが互いに貼合されており、
該偏光板と該導光板とは第1の貼合材層によって貼合され、該液晶パネルと該偏光板の偏光層とは第2の貼合材層によって貼合され、第1の貼合材層及び第2の貼合材層の少なくとも一方について、該貼合材層の厚さをT、該貼合材層に咬みこむゴミの大きさをSとするとき、
S<50μm、またはS<T
となる関係を満たすことを特徴とする液晶表示装置。
(付記40) 光源と、該光源から発せられた光が入光する導光板と、反射型の液晶パネルと、該導光板と該液晶パネルとの間に配置された偏光板とからなり、該導光板と該偏光板と該液晶パネルとが互いに貼合されており、
該偏光板と該導光板とは第1の貼合材層によって貼合され、該液晶パネルと該偏光板の偏光層とは第2の貼合材層によって貼合され、該第1の貼合材層の厚さが、反射防止または反射低減の構造、または反射防止または反射低減の構造の一部となっていることを特徴とする液晶表示装置。
(付記41) 光源と、該光源から発せられた光が入光する導光板と、液晶パネルと、該導光板と該液晶パネルとの間に配置された偏光板とからなり、該導光板と該偏光板と該液晶パネルとが互いに貼合されており、
該導光板側に貼合材層があり、該偏光板は少なくとも透明層と偏光層とを含み、該透明層は該貼合材層と該偏光板の偏光層との間にあり、該透明層の屈折率は該導光板の屈折率より低いことを特徴とする液晶表示装置。
(付記42) 光源と、該光源から発せられた光が入光する導光板と、液晶パネルと、該導光板と該液晶パネルとの間に配置された偏光板とからなり、該導光板と該偏光板と該液晶パネルとが互いに貼合されており、
実質的に導光板の反射面を形成する低屈折率領域の厚さが垂直光に対して反射防止または反射低減の構造、または半波長となっていることを特徴とする液晶表示装置。
(付記43) 光源と、該光源から発せられた光が入光する導光板と、液晶パネルと、該導光板と該液晶パネルとの間に配置された偏光板とからなり、該導光板と該偏光板と該液晶パネルとが互いに貼合されており、
該導光板が基体と樹脂層とからなるものであって、該基体が液晶パネルの基板と同じ材料又は概ね同等の熱膨張率をもつ材料で作られており、該樹脂層が導光板内を伝導する光について光路を変換して導光板外に射出させるためのプリズムとして光路変換機能を有することを特徴とする液晶表示装置。
(付記44) 光源と、該光源から発せられた光が入光する導光板と、液晶パネルと、該導光板と該液晶パネルとの間に配置された偏光板とからなり、該導光板と該偏光板と該液晶パネルとが互いに貼合されており、
該導光板の材料と該液晶パネルの基板が、ともにガラス、またはともにプラスチックであることを特徴とする液晶表示装置。
(付記45) 光源と、該光源から発せられた光が入光する導光板と、液晶パネルと、該導光板と該液晶パネルとの間に配置された偏光板とからなり、
該導光板の一面にプリズムが形成され、対向面に偏光板が貼合されており、
液晶パネルが垂直配向方式で駆動されるものであることを特徴とする液晶表示装置。
(付記46) 光源と、該光源から発せられた光が入光する導光板と、液晶パネルと、該導光板と該液晶パネルとの間に配置された偏光板とからなり、
該導光板の一面にプリズムが形成され、対向面に偏光板が貼合されており、
導光板内を伝導する光の水平面内の拡がり角度が全角60度以内であることを特徴とする液晶表示装置。
(付記47) 偏光板を液晶パネルに貼合する工程と、
該偏光板を液晶パネルに貼合した組立体に導光板を貼合する工程と、
導光板と偏光板と液晶パネルをこの順に貼合した貼合物を加圧する工程とからなることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(付記48) 導光板と偏光板を貼合する前に、導光板の貼合する面をコロナ放電処理またはプラズマ放電処理またはUV照射処理をすることを特徴とする付記47に記載の液晶表示装置の製造方法。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態、および請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。