JP5253113B2 - 報知方法および無線装置 - Google Patents

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Description

本発明は、報知技術に関し、特に所定の情報が含まれた信号を報知する報知方法および無線装置に関する。
交差点の出会い頭の衝突事故を防止するために、路車間通信の検討がなされている。路車間通信では、路側機と車載器との間において交差点の状況に関する情報が通信される。路車間通信では、路側機の設置が必要になり、手間と費用が大きくなる。これに対して、車車間通信、つまり車載器間で情報を通信する形態であれば、路側機の設置が不要になる。その場合、例えば、GPS(Global Positioning System)等によって現在の位置情報をリアルタイムに検出し、その位置情報を車載器同士で交換しあうことによって、自車両および他車両がそれぞれ交差点へ進入するどの道路に位置するかを判断する(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−202913号公報
IEEE802.11等の規格に準拠した無線LAN(Local Area Network)では、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)と呼ばれるアクセス制御機能が使用されている。そのため、当該無線LANでは、複数の端末装置によって同一の無線チャネルが共有される。このようなCSMA/CAでは、端末装置間の距離や電波を減衰させる障害物の影響などによって、互いの無線信号が到達しない状況、つまりキャリア・センスが機能しない状況が発生する。キャリア・センスが機能しない場合、複数の端末装置から送信されたパケット信号が衝突する。また、通信速度を高速化するために、無線LANでは、OFDM変調方式が使用される。
一方、無線LANを車車間通信に適用する場合、不特定多数の端末装置へ情報を送信する必要があるために、信号はブロードキャストにて送信されることが望ましい。しかしながら、交差点などでは、車両数の増加、つまり端末装置数の増加によって、パケット信号の衝突の増加が想定される。その結果、パケット信号に含まれたデータが他の端末装置へ伝送されなくなる。このような状態が、車車間通信おいて発生すれば、交差点の出会い頭の衝突事故を防止するという目的が達成されなくなる。また、システムの安定化を目的として、パケット信号の衝突確率の平均化が要求される。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、衝突確率を平均化することによって、無線装置同士の不平等を低減する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の無線装置は、無線装置間の通信を制御するためのアクセス制御装置から、複数のスロットが少なくとも含まれたフレームに関する情報を受けつける受付部と、受付部において受けつけた情報に対応したフレームに同期するように、複数のスロットが少なくとも含まれたフレームを生成する生成部と、生成部において生成したフレームに含まれた複数のスロットのうち、少なくともひとつをランダムに選択する選択部と、選択部において選択したスロットにて、データを報知する報知部とを備える。選択部は、フレームごとに選択を実行する。
本発明の別の態様は、報知方法である。この方法は、無線装置間の通信を制御するためのアクセス制御装置から、複数のスロットが少なくとも含まれたフレームに関する情報を受けつけるステップと、受けつけた情報に対応したフレームに同期するように、複数のスロットが少なくとも含まれたフレームを生成するステップと、生成したフレームに含まれた複数のスロットのうち、少なくともひとつをランダムに選択するステップと、選択したスロットにて、データを報知するステップとを備える。選択するステップは、フレームごとに選択を実行する。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、衝突確率を平均化することによって、無線装置同士の不平等を低減できる。
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、車両に搭載された端末装置間においてデータ通信を実行する通信システムに関する。端末装置は、車両の速度や位置等の情報(以下、これらを「データ」という)を格納したパケット信号をブロードキャスト送信する。また、他の端末装置は、パケット信号を受信するとともに、データをもとに車両の接近等を認識する。ここで、端末装置は、通信速度の高速化を目的としてOFDM変調方式を採用する。このような状況のもと、交差点等において、端末装置の数が増加すると、パケット信号の発生確率が増加する。これに対応するために、本実施例に係る通信システムは、次の処理を実行する。
本実施例に係る通信システムは、複数の端末装置の他にアクセス制御装置を含み、アクセス制御装置は、例えば、交差点に設置される。アクセス制御装置は、複数のスロットが含まれたフレームを繰り返し規定する。なお、各フレームに含まれた複数のスロットのうち、一部が制御スロットとして確保されている。また、アクセス制御装置は、使用すべき制御スロットを特定し、当該制御スロットのタイミングに関する情報や、当該アクセス制御装置を識別するための情報(以下、「識別情報」という)を制御情報に含める。さらに、アクセス制御装置は、制御情報を格納したパケット信号(以下、これを「制御情報」ということもある)を当該制御スロットにてブロードキャスト送信する。ここで、制御スロットのタイミングに関する情報とは、例えば、当該制御スロットがフレームの先頭から何番目に配置されるかに関する情報(以下、「制御スロット情報」という)である。
端末装置は、制御情報を受信することによって、制御情報に対応したフレームを生成する。生成したフレームにも、複数のスロットが含まれる。また、端末装置は、フレームに含まれた複数のスロットのうち、制御スロット以外のスロットを認識する。なお、以下の端末装置の説明において、スロットとは、制御スロットを除外したスロットのことを示す場合がある。端末装置は、複数のスロットのいずれかを選択する。また、端末装置は、フレームごとに、ランダムにスロットを選択する。端末装置は、選択したスロットにおいて、データを格納したパケット信号(以下、これを「データ」ということもある)をブロードキャスト送信する。その結果、端末装置は、フレームごとに、ランダムにスロットを変えながらデータを報知する。
このように、フレームごとに、ランダムにスロットを変えるので、衝突確率を平均化することができ、端末装置同士の不平等を低減できる。ここで、アクセス制御装置は、端末装置間のデータ通信に直接関与せず、データ通信に使用すべきスロットを直接指定しない。あくまでも、アクセス制御装置は、複数の端末装置が使用すべきスロットが含まれたフレームの構成を通知しているだけである。端末装置は、通知されたフレームに含まれたスロットのタイミングにてデータ通信を実行する。つまり、アクセス制御装置は、複数の端末装置間の通信を制御する。
なお、制御情報もひとつのスロットにて送信されているので、制御情報を受信できない端末装置から送信されたデータと、制御情報とが衝突する可能性がある。その結果、他の端末装置が制御情報を受信できないと、上記の処理の実行が困難になる。これに対応するために、データを送信するために使用されるOFDM信号では、一部のサブキャリアにデータが格納されず、ヌルキャリアとされている(以下、このようなサブキャリアを「識別キャリア」という)。一方、制御情報を送信するために使用されるOFDM信号では、識別キャリアにも信号が配置されている。そのため、仮に、データと制御情報とが衝突した場合であっても、端末装置は、識別キャリアの信号成分を観測することによって、制御情報の存在を検知することができる。
さらに、近接した交差点のそれぞれにアクセス制御装置が設置される場合、それらのアクセス制御装置間の干渉を考慮する必要がある。仮に、各アクセス制御装置からブロードキャスト送信される制御情報が干渉すると、端末装置は、それらの制御情報を受信できなくなるおそれがあり、前述の動作が実現されなくなる。このような干渉は、各アクセス制御装置に対して異なった周波数チャネルを割り当てることによって回避できるが、別の周波数チャネルが設けられない場合、干渉を低減するための別の構成が必要とされる。これに対応するために、前述のごとく、制御スロットが複数確保される。各アクセス制御装置は、複数の制御スロットのそれぞれに対してキャリアセンスを実行することによって、ひとつの制御スロットを選択し、選択した制御スロットにて制御情報をブロードキャスト送信する。
図1は、本発明の実施例に係る通信システム100の構成を示す。これは、ひとつの交差点を上方から見た場合に相当する。通信システム100は、アクセス制御装置10、車両12と総称される第1車両12a、第2車両12b、第3車両12c、第4車両12d、第5車両12e、第6車両12f、第7車両12g、第8車両12hを含む。なお、各車両12には、図示しない端末装置が搭載されている。また、アクセス制御装置10によってエリア200が形成されている。
図示のごとく、図面の水平方向、つまり左右の方向に向かう道路と、図面の垂直方向、つまり上下の方向に向かう道路とが中心部分で交差している。ここで、図面の上側が方角の「北」に相当し、左側が方角の「西」に相当し、下側が方角の「南」に相当し、右側が方角の「東」に相当する。また、ふたつの道路の交差部分が「交差点」である。第1車両12a、第2車両12bが、左から右へ向かって進んでおり、第3車両12c、第4車両12dが、右から左へ向かって進んでいる。また、第5車両12e、第6車両12fが、上から下へ向かって進んでおり、第7車両12g、第8車両12hが、下から上へ向かって進んでいる。
各車両12に搭載された端末装置は、データを取得し、データが格納されたパケット信号をブロードキャスト送信する。ここで、本発明の実施例を説明する前に、端末装置が公知の無線LANに対応する場合、つまりCSMA/CAに対応する場合の動作を説明する。各端末装置は、キャリアセンスを実行して送信可能であると判定した場合に、データをブロードキャスト送信する。そのため、複数の端末装置からのデータが衝突する場合がある。また、端末装置の数が増加するにつれて、衝突の発生確率が増加する。特に、交差点のような場所では、車両12の衝突が発生しやすいにもかかわらず、データの衝突も発生しやすくなり、データを必要とするような場所においてデータの利用がなされなくなる。
そこで、通信システム100は、交差点にアクセス制御装置10を配置する。アクセス制御装置10は、図示しないGPS衛星から受信した信号をもとに、複数のスロットを含んだフレームが繰り返されるように生成する。ここで、複数のスロットのうちの一部が制御スロットに相当する。アクセス制御装置10は、制御スロット情報と識別情報とを制御情報に含める。さらに、アクセス制御装置10は、制御スロットにて制御情報を報知する。なお、制御スロットの選択については、後述する。
複数の端末装置は、アクセス制御装置10によって報知された制御情報を受信し、制御情報をもとに、フレームを生成する。その結果、複数の端末装置のそれぞれにおいて生成されるフレームは、アクセス制御装置10において生成されるフレームに同期する。その結果、複数の端末装置のそれぞれにおいて生成されるスロットは、互いに同期される。端末装置は、複数のスロットのいずれかを選択する。ここで、端末装置は、フレームごとにスロットを再度選択する。その際、端末装置は、ランダムにスロットを変えていく。例えば、端末装置は、フレームの先頭から10番目のスロットを選択した場合、次のフレームにおいて、フレームの先頭から5番目のスロットを使用する。また、端末装置は、選択したスロットにてデータを報知する。なお、端末装置は、制御情報を受信できていない場合であっても、データを報知してもよい。他の端末装置からのデータを受信した端末装置は、データをもとに、他の端末装置が搭載された車両12の存在を認識する。
ここで、アクセス制御装置10から報知される制御情報と、端末装置から報知されるデータとは、ともにOFDM信号を使用する。しかしながら、両者の配置されているサブキャリアは、同一ではない。データは、前述の識別キャリアに配置されていない。一方、識別情報は、データが配置されたサブキャリアに加えて、識別キャリアにも配置される。その結果、仮に、データと識別情報とが衝突した場合であっても、端末装置は、識別キャリアの信号成分を観測することによって、制御情報の存在を検知できる。なお、前述の端末装置によるエリア200への進入検出は、識別キャリアに対してなされてもよい。
図2は、アクセス制御装置10の構成を示す。アクセス制御装置10は、アンテナ150、RF部152、変復調部154、処理部156、GPS測位部158、フレーム生成部160、制御部162を含む。GPS測位部158は、図示しないGPS衛星からの信号を受信し、受信した信号をもとに時刻の情報を取得する。なお、時刻の情報の取得には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。GPS測位部158は、時刻の情報をフレーム生成部160へ出力する。
フレーム生成部160は、GPS測位部158から時刻の情報を取得する。フレーム生成部160は、時刻の情報をもとに、複数のフレームを生成する。例えば、フレーム生成部160は、「0msec」となるタイミングを基準にして、「1sec」の期間を10分割することによって、「100msec」のフレームを10個生成する。このような処理を繰り返すことによって、フレームが繰り返されるように規定される。また、フレーム生成部160は、各フレームを複数に分割することによって、複数のスロットを生成する。例えば、各フレームが200分割されることによって、「500μsec」のスロットが200個生成される。
ここで、フレームに含まれた複数のスロットのうちの一部が、「制御スロット」として確保されている。例えば、ひとつのフレームに含まれた200個のスロットのうち、先頭から5個のスロットが制御スロットとされる。また、制御スロットは、アクセス制御装置10が制御情報をブロードキャスト送信するために使用されるスロットである。さらに、フレームに含まれた複数のスロットのうちの残りが、図示しない端末装置間の通信のために確保される。前述のごとく、通信システム100は、OFDM変調方式を採用しているので、各スロットは、複数のOFDMシンボルから構成されるように規定される。また、OFDMシンボルは、ガードインターバル(GI)と有効シンボルとによって構成される。なお、各スロットの前方の部分や後方の部分にガードタイムが設けられてもよい。ここで、スロットに含まれた複数のOFDMシンボルのまとまりが、前述のパケット信号に相当する。
図3(a)−(d)は、フレーム生成部160において生成されるフレームのフォーマットを示す。図3(a)は、フレームの構成を示す。図示のごとく、第iフレームから第i+2フレームのように、複数のフレームが繰り返されるように規定されている。また、各フレームの期間は、例えば、「100msec」である。図3(b)は、ひとつのフレームの構成を示す。図示のごとく、ひとつのフレームは、M個のスロットによって構成されている。例えば、Mは「200」であり、各スロットの期間は「500μsec」である。また、フレームの先頭部分に配置されたスロットが制御スロットに相当し、制御スロットを配置した区間が制御領域220として示されている。
ここでは、第1スロットから第5スロットまでの5つのスロットが、制御スロットとして制御領域220に含まれている。図3(c)は、ひとつのスロットの構成を示す。図示のごとく、スロットの前方の部分と後方の部分とにガードタイムが設けられている。また、スロットの残りの期間は、N個のOFDMシンボルによって構成されている。図3(d)は、ひとつのOFDMシンボルの構成を示す。図示のごとく、ひとつのOFDMシンボルは、GIと有効シンボルによって構成されている。図2に戻る。
RF部152は、受信処理として、各スロットにおいて、図示しない他の端末装置間の通信において送信されるパケット信号をアンテナ150にて受信する。ここで、パケット信号の送信元は、例えば、端末装置である。RF部152は、アンテナ150を介して受信した無線周波数のパケット信号に対して周波数変換を実行し、ベースバンドのパケット信号を生成する。さらに、RF部152は、ベースバンドのパケット信号を変復調部154に出力する。一般的に、ベースバンドのパケット信号は、同相成分と直交成分によって形成されるので、ふたつの信号線が示されるべきであるが、ここでは、図を明瞭にするためにひとつの信号線だけを示すものとする。
また、RF部152には、LNA(Low Noise Amplifier)、ミキサ、AGC、A/D変換部も含まれる。RF部152は、送信処理として、各スロットにおいて、変復調部154から入力したベースバンドのパケット信号に対して周波数変換を実行し、無線周波数のパケット信号を生成する。さらに、RF部152は、無線周波数のパケット信号をアンテナ150から送信する。また、RF部152には、PA(Power Amplifier)、ミキサ、D/A変換部も含まれる。
変復調部154は、受信処理として、RF部152からのベースバンドのパケット信号に対して、復調を実行する。さらに、変復調部154は、復調した結果を処理部156に出力する。また、変復調部154は、送信処理として、処理部156からのデータに対して、変調を実行する。さらに、変復調部154は、変調した結果をベースバンドのパケット信号としてRF部152に出力する。ここで、通信システム100は、OFDM変調方式に対応するので、変復調部154は、受信処理としてFFT(Fast Fourier Transform)も実行し、送信処理としてIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)も実行する。
処理部156は、フレーム生成部160から、フレームのタイミングと、フレームに含まれたスロットのタイミングとに関する情報を受けつける。処理部156は、フレームに含まれた複数のスロットのうち、制御スロットのタイミングを特定する。図3(a)の場合、制御領域220に含まれた5つの制御スロットが特定される。処理部156は、アンテナ150、RF部152、変復調部154を介して、各制御スロットに対するキャリアセンスを実行する。キャリアセンスとして公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。なお、処理部156は、変復調部154を経由せずに、RF部152から受信信号を受けつけてもよい。処理部156は、キャリアセンスの結果をもとに、5つの制御スロットのうちのひとつを選択する。例えば、干渉電力の最も小さい制御スロットが選択される。
処理部156は、選択した制御スロットに関する制御スロット情報を生成する。また、処理部156は、制御スロット情報と識別情報を含めながら、制御情報を生成する。処理部156は、選択した制御スロットへ制御情報を割り当てる。処理部156は、割り当てた制御スロットにて、変復調部154へ制御情報を出力する。なお、通信システム100において定められた制御スロットにて制御情報をブロードキャスト送信することは、フレーム中の制御スロットのタイミングを通知することに相当する。また、フレーム中の制御スロットの相対的な位置は制御スロット情報に含まれているので、前述のことは、フレームのタイミングを通知することにも相当する。
前述のごとく、通信システム100は、OFDM変調方式に対応しているので、処理部156は、制御情報をOFDM信号として生成する。なお、図示しない複数の端末装置間のデータ通信にもOFDM信号が使用されている。ここでは、制御情報を配置させるOFDM信号(以下、これも「制御情報」ということがある)と、データを配置させるOFDM信号(以下、これも「データ」ということがある)とを比較しながら説明する。図4(a)−(b)は、通信システム100において使用されるOFDMシンボルのフォーマットを示す。図4(a)は、制御情報に相当し、図4(b)は、データに相当する。
ここで、両方において、縦の方向が周波数を示し、横の方向が時間を示す。縦の方向において、上から順に「31」、「30」、・・・「−32」の番号が示されているが、これらはサブキャリアを識別するために付与された番号(以下、「サブキャリア番号」という)である。また、OFDM信号の中において、サブキャリア番号「31」のサブキャリアの周波数が最も高く、サブキャリア番号「−32」のサブキャリアの周波数が最も低い。また、図中の「D」は、データシンボルに相当し、「P」は、パイロットシンボルに相当し、「N」は、ヌルに相当する。
制御情報とデータとに共通して、サブキャリア番号「31」から「27」、「2」、「0」、「−2」、「−26」から「−32」のサブキャリアは、ヌルである。また、制御情報のうち、サブキャリア番号「26」から「3」、「−3」から「−25」のサブキャリアは、データでも使用されており、また、両者においてシンボルの用途も同一である。一方、制御情報のうち、サブキャリア番号「1」、「−1」は、データにて使用されていない。これらは、前述の識別キャリアに相当する。つまり、識別キャリアは、OFDM信号のうちの中央の周波数付近のサブキャリアに配置されている。さらに、制御情報のうち、データでも使用されるサブキャリアと、識別キャリアとの間、つまりサブキャリア番号「2」、「−2」には、ガードバンドが設けられてる。なお、サブキャリア番号「−2」から「2」のサブキャリアをまとめて「識別キャリア」と呼んでもよい。
ここで、処理部156は、フレームに関する情報やスロットの番号を識別キャリアに配置する。また、処理部156は、重要度の高い情報を識別キャリアに優先的に配置してもよい。また、パケット信号の前方のOFDMシンボルには、既知信号が配置される。このような既知信号は、端末装置におけるAGCや、伝送路特性の推定に使用される。処理部156は、所定のスロットのうちの一部の期間にわたって、識別キャリアに既知信号を配置してもよい。このような既知信号は、例えば、UW(Unique Word)のように使用される。図2に戻る。
変復調部154、RF部152は、制御スロットにて、処理部156において生成した制御情報をアンテナ150からブロードキャスト送信する。制御情報の宛先のひとつは、端末装置である。制御情報を受信した端末装置は、各スロットのタイミングを認識し、端末装置間の通信のために確保した残りのスロットのうちの少なくともひとつを使用する。制御部162は、アクセス制御装置10全体の処理を制御する。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図5は、車両12に搭載された端末装置14の構成を示す。端末装置14は、アンテナ50、RF部52、変復調部54、処理部56、制御部58を含む。また、処理部56は、タイミング特定部60、取得部62、生成部64、通知部70を含み、タイミング特定部60は、制御情報抽出部66、スロット決定部68、乱数生成部80、除算部82を含む。アンテナ50、RF部52、変復調部54は、図2のアンテナ150、RF部152、変復調部154と同様の処理を実行する。そのため、ここでは、これらの説明を省略する。
取得部62は、図示しないGPS受信機、ジャイロスコープ、車速センサ等を含んでおり、それらから供給されるデータによって、図示しない車両12、つまり端末装置14が搭載された車両12の存在位置、進行方向、移動速度等を取得する。なお、存在位置は、緯度・経度によって示される。これらの取得には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。取得部62は、取得した情報を生成部64へ出力する。
制御情報抽出部66は、変復調部54からの復調結果を受けつける。また、制御情報抽出部66は、復調結果のうち、識別キャリアに対応したサブキャリアの部分を監視する。識別キャリアに対応したサブキャリアの部分に有効なデータが含まれている場合、制御情報抽出部66は、制御情報が含まれたスロット、つまり制御スロットを受信していることを認識する。また、制御情報抽出部66は、制御情報が含まれたスロットを受信しているタイミングを基準として、フレームおよびスロットの同期を確立する。
具体的に説明すると、制御情報抽出部66は、制御情報に含まれた制御スロット情報をもとに、受けつけた復調結果が配置された制御スロットを特定し、これを基準にフレームを生成する。制御スロット情報が、図3(b)の第3スロットに相当すれば、制御情報抽出部66は、第3スロットを基準にしてフレームを生成する。つまり、制御情報抽出部66は、制御スロット情報に対応したフレームに同期するように、複数のスロットがフレームを生成する。制御情報抽出部66は、生成したフレームに関する情報をスロット決定部68へ出力する。
乱数生成部80は、乱数をフレームごとに生成する。ここで、乱数は、0から最大値RANDMAXまでの値を一様にとりうる。なお、乱数の生成には、公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。乱数生成部80は、乱数を除算部82へ出力する。除算部82は、フレームごとに乱数生成部80から乱数を受けつける。除算部82は、乱数を被除数とし、ひとつのフレームに含まれたスロットの数を除数として、除算を実行する。なお、後者は、既知の値であり、除算部82に予め設定されている。除算部82は、除算結果の余りをスロット決定部68へ出力する。
スロット決定部68は、除算部82から余りの値を受けつけ、余りの値をもとに、制御情報抽出部66において生成したフレームに含まれた複数のスロットのうち、ひとつをランダムに選択する。具体的に説明すると、スロット決定部68は、ひとつのフレームに含まれた複数のスロットの先頭を「0」とした場合に、除算結果の余りに対応した順番のスロットを特定する。余りの値はフレームごとに異なった値になるので、スロット決定部68は、フレームごとにスロットの選択を実行する。スロット決定部68は、選択したスロットに関する情報を生成部64へ出力する。
生成部64は、取得部62からの情報を受けつける。生成部64は、取得部62からの情報をもとにデータを生成する。ここで、データは、図4(b)のように形成されている。また、生成部64は、スロット決定部68から、選択されたスロットに関する情報も受けつけ、情報に応じたスロットにてデータを変復調部54へ出力する。その結果、変復調部54、RF部52、アンテナ50は、スロット決定部68において選択したスロットにて、データを報知する。また、データを割り当てたスロットは、フレームごとにランダムに切りかえられる。通知部70は、図示しない他の端末装置14からのデータを取得し、データの内容に応じて、図示しない他の車両12の接近等を運転者へ通知する。通知部70での処理は、これに限定されない。制御部58は、端末装置14全体の動作を制御する。
以上の構成による通信システム100の動作を説明する。図6は、通信システム100の動作概要を示す。図の横方向が時間に相当しており、図の縦方向に第1アクセス制御装置10aから第3アクセス制御装置10cが示されている。また、図6では、図3(b)での制御領域220のみを示している。前述のごとく、ここでは、制御領域220に5つの制御スロットが配置されているとしている。図中の「制」は、制御情報に相当する。第1アクセス制御装置10aは、先頭の制御スロットを使用し、第2アクセス制御装置10bは、5番目の制御スロットを使用し、第3アクセス制御装置10cは、3番目の制御スロットを使用する。その結果、各アクセス制御装置10からブロードキャスト送信される制御情報間の干渉が低減される。
図7は、端末装置14によるデータの報知手順を示すフローチャートである。制御情報抽出部66は、生成情報をもとにフレームを生成する(S10)。乱数生成部80は、フレームごとに乱数を生成する(S12)。除算部82は、除算を実行し(S14)、除算結果の余りを出力する。スロット決定部68は、余りの値をもとにスロットを決定する(S16)。変復調部54等は、決定されたスロットにてデータを報知する(S18)。次のフレームにて送信すべきデータがあれば(S20のY)、ステップ12に戻る。一方、次のフレームにて送信すべきデータがなければ(S20のN)、処理は終了される。
本発明の実施例によれば、フレームごとにスロットを選択するので、衝突確率を平均化することができ、端末装置同士の不平等を低減できる。また、端末装置同士の不平等が低減されるので、通信品質を向上できる。また、フレームごとにスロットを選択するので、データが連続して衝突している状況の発生を低減できる。また、フレームごとにスロットを選択するので、キャリアセンス処理を省略できる。また、キャリアセンス処理が省略されるので、処理を簡略化できる。また、キャリアセンス処理が省略されるので、送信までの期間を短縮できる。また、スロットをランダムに選択するので、通信量が増加した場合であってもパケット信号の衝突確率を平均化できる。
また、アクセス制御装置からの制御情報にしたがって生成したスロットにてデータを報知するので、複数の端末装置間の同期を確立できる。また、複数の端末装置間の同期が確立されるので、データの衝突確率を低減できる。スロットのタイミングにてデータを報知するので、複数のデータの一部が重なって衝突するような状況の発生を低減できる。また、スロットのタイミングにてデータを報知するので、フレームの利用効率を低減できる。また、スロットの選択は端末装置において実行されるので、アクセス制御装置は、フレームのタイミングを通知するだけであり、処理を簡易にできる。
また、制御情報のうち、識別キャリアは、データに使用させず、残りのサブキャリアは、データにも使用されるので、制御情報とデータ信号とが衝突しても制御情報の信号成分を観測させることによって、制御情報の存在を検知させることができる。また、識別キャリアとそれ以外のサブキャリアとの間にガードバンドが設けられるので、両者の間の干渉を低減でき、識別キャリアで伝送している情報の到達確率を向上できる。また、識別キャリアに、重要な情報を配置するので、重要な情報の到達確率を向上できる。また、識別キャリアにUWを配置するので、識別キャリアの検出精度を向上できる。
また、フレームに含まれた複数のスロットのうち、制御領域が制御スロットのために確保されているので、制御情報とデータとの干渉を低減できる。また、制御領域に複数の制御スロットが配置されているので、複数のアクセス制御装置からの制御情報間の干渉を低減できる。また、干渉が低減されるので、制御情報の品質の悪化を抑制できる。また、制御情報の品質の悪化が抑制されるので、制御情報の内容を正確に伝送できる。また、複数の制御情報間の干渉が低減されるので、複数のアクセス制御装置を配置できる。また、複数のアクセス制御装置が配置されるので、各交差点でのパケット信号の衝突確率を低減できる。また、他のアクセス制御装置に使用されていない制御スロットを推定するので、複数の制御情報間の干渉を低減できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例において、フレーム生成部160は、複数のスロットにて形成されたフレームが規定される。しかしながらこれに限らず例えば、フレーム生成部160は、フレームに複数のスロット以外の期間を設けてもよい。具体的には、フレームの一部の期間に複数のスロットが配置され、残りの期間では、複数の端末装置14間においてCSMA/CAがなされてもよい。その際、アクセス制御装置は、CSMA/CAの期間では、空きスロットや衝突スロットの検出を実行しない。本変形例によれば、端末装置14は、スロットによる通信とCSMA/CAによる通信を選択できるので、通信の自由度を向上できる。つまり、フレームは、複数のスロットを少なくとも含んでいればよい。
本発明の実施例において、アクセス制御装置から報知される制御情報や、ひとつの端末装置14から報知されるデータは、ひとつのスロットに割り当てられている。しかしながらこれに限らず例えば、制御情報やデータが、ふたつ以上のスロットに割り当てられていてもよい。本変形例によれば、制御情報やデータの通信速度を向上できる。
本発明の実施例において、識別キャリアは、ふたつのサブキャリアに相当する。また、識別キャリアは、OFDMシンボルの中央周波数付近のサブキャリアに配置されている。しかしながらこれに限らず例えば、識別キャリアは、ふたつ以上のサブキャリアに相当してもよく、識別キャリアは、OFDMシンボルの中央周波数付近以外のサブキャリアに配置されていてもよい。その際、識別キャリアに、空きスロットに関する情報や衝突スロットに関する情報を含めてもよい。本変形例によれば、通信システム100の設計の自由度を向上できる。
本発明の実施例に係る通信システムの構成を示す図である。 図1のアクセス制御装置の構成を示す図である。 図3(a)−(d)は、図2のフレーム生成部において生成されるフレームのフォーマットを示す図である。 図4(a)−(b)は、図1の通信システムにおいて使用されるOFDMシンボルのフォーマットを示す図である。 図1の車両に搭載された端末装置の構成を示す図である。 図1の通信システムの動作概要を示す図である。 図5の端末装置によるデータの報知手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10 アクセス制御装置、 14 端末装置、 50 アンテナ、 52 RF部、 54 変復調部、 56 処理部、 58 制御部、 60 タイミング特定部、 62 取得部、 64 生成部、 66 制御情報抽出部、 68 スロット決定部、 70 通知部、 80 乱数生成部、 82 除算部、 100 通信システム、 150 アンテナ、 152 RF部、 154 変復調部、 156 処理部、 158 GPS測位部、 160 フレーム生成部、 162 制御部。

Claims (3)

  1. 無線装置間の通信を制御するためのアクセス制御装置から、複数のスロットが少なくとも含まれたフレームに関する情報を受けつける受付部と、
    前記受付部において受けつけた情報のうち、複数のサブキャリア中の一部である識別キャリアに対応したサブキャリアの部分を監視し、前記識別キャリアに対応したサブキャリアの部分に含まれた制御スロットを受信しているタイミングを基準としたフレームに同期するように、複数のスロットが少なくとも含まれたフレームを生成する生成部と、
    前記生成部において生成したフレームに含まれた複数のスロットのうち、少なくともひとつをランダムに選択する選択部と、
    前記選択部において選択したスロットにて、データを報知する報知部とを備え、
    前記選択部は、フレームごとに選択を実行することを特徴とする無線装置。
  2. 前記選択部は、
    乱数を生成する生成部と、
    前記生成部において生成した乱数を被除数とし、前記生成部において生成したフレームに含まれたスロットの数を除数として、除算を実行する除算部と、
    フレームの先頭から数えて、前記除算部による除算結果の余りに対応した順番のスロットを特定する特定部と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の無線装置。
  3. 無線装置間の通信を制御するためのアクセス制御装置から、複数のスロットが少なくとも含まれたフレームに関する情報を受けつけるステップと、
    受けつけた情報のうち、複数のサブキャリア中の一部である識別キャリアに対応したサブキャリアの部分を監視し、前記識別キャリアに対応したサブキャリアの部分に含まれた制御スロットを受信しているタイミングを基準としたフレームに同期するように、複数のスロットが少なくとも含まれたフレームを生成するステップと、
    生成したフレームに含まれた複数のスロットのうち、少なくともひとつをランダムに選択するステップと、
    選択したスロットにて、データを報知するステップとを備え、
    前記選択するステップは、フレームごとに選択を実行することを特徴とする報知方法。
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