JP2010056956A - 報知方法および無線装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】通信量が増加した場合であっても、優先局からのパケット信号の衝突確率を低減したい。
【解決手段】フレーム規定部34では、複数のスロットを少なくとも含んだフレームが繰り返されるように規定され、かつフレームに含まれた複数のスロットのうちの一部が優先的な他の無線装置の使用のために確保されている。空きスロット特定部42は、複数のスロットのうちの一部から、優先的な他の無線装置から別の他の無線装置への通信に使用可能なスロットを検出するとともに、複数のスロットのうちの残りから、他の無線装置間の通信に使用可能なスロットを検出する。変復調部24、RF部22は、検出したスロットに関する情報を報知する。
【選択図】図2
【解決手段】フレーム規定部34では、複数のスロットを少なくとも含んだフレームが繰り返されるように規定され、かつフレームに含まれた複数のスロットのうちの一部が優先的な他の無線装置の使用のために確保されている。空きスロット特定部42は、複数のスロットのうちの一部から、優先的な他の無線装置から別の他の無線装置への通信に使用可能なスロットを検出するとともに、複数のスロットのうちの残りから、他の無線装置間の通信に使用可能なスロットを検出する。変復調部24、RF部22は、検出したスロットに関する情報を報知する。
【選択図】図2
Description
本発明は、報知技術に関し、特に所定の情報が含まれた信号を報知する報知方法および無線装置に関する。
交差点の出会い頭の衝突事故を防止するために、路車間通信の検討がなされている。路車間通信では、路側機と車載器との間において交差点の状況に関する情報が通信される。路車間通信では、路側機の設置が必要になり、手間と費用が大きくなる。これに対して、車車間通信、つまり車載器間で情報を通信する形態であれば、路側機の設置が不要になる。その場合、例えば、GPS(Global Positioning System)等によって現在の位置情報をリアルタイムに検出し、その位置情報を車載器同士で交換しあうことによって、自車両および他車両がそれぞれ交差点へ進入するどの道路に位置するかを判断する(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−202913号公報
IEEE802.11等の規格に準拠した無線LAN(Local Area Network)では、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)と呼ばれるアクセス制御機能が使用されている。そのため、当該無線LANでは、複数の端末装置によって同一の無線チャネルが共有される。このようなCSMA/CAでは、端末装置間の距離や電波を減衰させる障害物の影響などによって、互いの無線信号が到達しない状況、つまりキャリア・センスが機能しない状況が発生する。キャリア・センスが機能しない場合、複数の端末装置から送信されたパケット信号が衝突する。また、通信速度を高速化するために、無線LANでは、OFDM変調方式が使用される。
一方、無線LANを車車間通信に適用する場合、不特定多数の端末装置へ情報を送信する必要があるために、信号はブロードキャストにて送信されることが望ましい。しかしながら、交差点などでは、車両数の増加、つまり端末装置数の増加によって、パケット信号の衝突の増加が想定される。その結果、パケット信号に含まれたデータが他の端末装置へ伝送されなくなる。このような状態が、車車間通信おいて発生すれば、交差点の出会い頭の衝突事故を防止するという目的が達成されなくなる。さらに、救急車、消防車、パトカー等のような車両に搭載された端末装置(以下、「優先局」という)からのパケット信号を優先的に伝送させたいという要求がある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、通信量が増加した場合であっても、優先局からのパケット信号の衝突確率を低減させる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の無線装置は、複数のスロットを少なくとも含んだフレームが繰り返されるように規定され、かつフレームに含まれた複数のスロットのうちの一部が優先的な他の無線装置の使用のために確保されており、複数のスロットのうちの一部から、優先的な他の無線装置から別の他の無線装置への通信に使用可能なスロットを検出するとともに、複数のスロットのうちの残りから、他の無線装置間の通信に使用可能なスロットを検出する検出部と、検出部において検出したスロットに関する情報を報知する報知部と、を備える。
本発明の別の態様は、報知方法である。この方法は、複数のスロットを少なくとも含んだフレームが繰り返されるように規定され、かつフレームに含まれた複数のスロットのうちの一部が優先的な他の無線装置の使用のために確保されており、複数のスロットのうちの一部から、優先的な他の無線装置から別の他の無線装置への通信に使用可能なスロットを検出するとともに、複数のスロットのうちの残りから、他の無線装置間の通信に使用可能なスロットを検出するステップと、検出したスロットに関する情報を報知するステップと、を備える。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、通信量が増加した場合であっても、優先局からのパケット信号の衝突確率を低減できる。
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、車両に搭載された端末装置間においてデータ通信を実行する通信システムに関する。端末装置は、車両の速度や位置等の情報(以下、これらを「データ」という)を格納したパケット信号をブロードキャスト送信する。また、他の端末装置は、パケット信号を受信するとともに、データをもとに車両の接近等を認識する。ここで、端末装置は、通信速度の高速化を目的としてOFDM変調方式を採用する。このような状況のもと、交差点等において、端末装置の数が増加すると、パケット信号の発生確率が増加する。これに対応するために、本実施例に係る通信システムは、次の処理を実行する。
本実施例に係る通信システムは、複数の端末装置の他にアクセス制御装置を含み、アクセス制御装置は、例えば、交差点に設置される。アクセス制御装置は、複数のスロットが含まれたフレームを繰り返し規定する。アクセス制御装置は、各スロットでの受信電力を測定することによって、複数の端末装置間の通信に使用されてないスロット(以下、「空きスロット」という)を特定する。また、アクセス制御装置は、フレームの構成情報や特定したスロットに関する情報を制御情報に含め、制御情報を格納したパケット信号(以下、これを「制御情報」ということもある)をひとつのスロットにてブロードキャスト送信する。ここで、ひとつのスロットは、予め定められているものとする。端末装置は、制御情報をもとに、空きスロットのいずれかを選択し、選択したスロットにおいて、データを格納したパケット信号(以下、これを「データ」ということもある)をブロードキャスト送信する。なお、端末装置は、複数のフレームにわたってデータを送信する場合、各フレームでの相対的なタイミングが同一のスロットを使用する。
アクセス制御装置は、各スロットにおいて、複数の端末装置から送信されたパケット信号が衝突しているかも測定することによって、衝突が発生しているスロット(以下、「衝突スロット」という)を特定する。また、アクセス制御装置は、特定したスロットに関する情報も制御情報に含める。端末装置は、制御情報をもとに、既に使用したスロットにおいて衝突が発生しているかを確認する。衝突が発生している場合、端末装置は、制御情報をもとに、別の空きスロットのいずれかを選択する。ここで、アクセス制御装置は、端末装置間のデータ通信に直接関与せず、データ通信に使用すべきスロットを直接指定しない。あくまでも、アクセス制御装置は、端末装置間のデータ通信の状況を監視し、空きスロットや衝突スロットの情報を報知している。
なお、制御情報もひとつのスロットにて送信されているので、制御情報を受信できない端末装置から送信されたデータと、制御情報とが衝突する可能性がある。その結果、他の端末装置が制御情報を受信できないと、上記の処理の実行が困難になる。これに対応するために、データを送信するために使用されるOFDM信号では、一部のサブキャリアにデータが格納されず、ヌルキャリアとされている(以下、このようなサブキャリアを「識別キャリア」という)。一方、制御情報を送信するために使用されるOFDM信号では、識別キャリアにも信号が配置されている。そのため、仮に、データと制御情報とが衝突した場合であっても、端末装置は、識別キャリアの信号成分を観測することによって、制御情報の存在を検知することができる。
以上の状況下において、優先局からのパケット信号を優先的に伝送させるために、本実施例に係る通信システムは、次の処理も実行する。アクセス制御装置は、フレームに含まれた複数のスロットのうちの一部を優先局のみが使用できるスロット(以下、「優先スロット」という)として規定する。なお、通常の端末装置は、優先スロットを使用できないので、優先スロットの数が多くなると、通常の端末装置に使用されるスロットの数が減ってしまう。一方、優先スロットの数が少なければ、複数の優先局からのパケット信号に対する衝突確率が増加する。これに対するために、アクセス制御装置は、フレームに含まれる優先スロットの数を可変に制御する。具体的に説明すると、アクセス制御装置は、優先スロットの使用状況を測定し、使用状況に応じて優先スロットの数を増減させる。例えば、優先スロットの多く使用されていると、アクセス制御装置は、優先スロットの数を増加させる。また、アクセス制御装置は、優先スロットの割当結果を制御情報に含めて報知する。
図1は、本発明の実施例に係る通信システム100の構成を示す。これは、ひとつの交差点を上方から見た場合に相当する。通信システム100は、アクセス制御装置10、車両12と総称される第1車両12a、第2車両12b、第3車両12c、第4車両12d、第5車両12e、第6車両12f、第7車両12g、第8車両12hを含む。なお、各車両12には、図示しない端末装置が搭載されている。特に、第2車両12bには、前述の優先局が搭載されているとする。また、アクセス制御装置10によってエリア200が形成されている。
図示のごとく、図面の水平方向、つまり左右の方向に向かう道路と、図面の垂直方向、つまり上下の方向に向かう道路とが中心部分で交差している。ここで、図面の上側が方角の「北」に相当し、左側が方角の「西」に相当し、下側が方角の「南」に相当し、右側が方角の「東」に相当する。また、ふたつの道路の交差部分が「交差点」である。第1車両12a、第2車両12bが、左から右へ向かって進んでおり、第3車両12c、第4車両12dが、右から左へ向かって進んでいる。また、第5車両12e、第6車両12fが、上から下へ向かって進んでおり、第7車両12g、第8車両12hが、下から上へ向かって進んでいる。
各車両12に搭載された端末装置は、データを取得し、データが格納されたパケット信号をブロードキャスト送信する。ここで、本発明の実施例を説明する前に、端末装置が公知の無線LANに対応する場合、つまりCSMA/CAに対応する場合の動作を説明する。各端末装置は、キャリアセンスを実行して送信可能であると判定した場合に、データをブロードキャスト送信する。そのため、複数の端末装置からのデータが衝突する場合がある。また、端末装置の数が増加するにつれて、衝突の発生確率が増加する。特に、交差点のような場所では、車両12の衝突が発生しやすいにもかかわらず、データの衝突も発生しやすくなり、データを必要とするような場所においてデータの利用がなされなくなる。
そこで、通信システム100は、交差点にアクセス制御装置10を配置する。アクセス制御装置10は、図示しないGPS衛星から受信した信号をもとに、複数のスロットを含んだフレームが繰り返されるように生成する。また、アクセス制御装置10は、複数のスロットの中から、空きスロットと衝突スロットとを特定する。なお、空きスロットと衝突スロットとの特定方法は、後述する。アクセス制御装置10は、特定した空きスロットと衝突スロットに関する情報を制御情報に含める。さらに、アクセス制御装置10は、予め定められたスロットにて制御情報を報知する。例えば、各フレームの先頭スロットにおいて、アクセス制御装置10は、制御情報を報知する。
ここで、各フレームには、優先スロットと、通常のスロットとが含まれており、通信システム100は、優先スロットに対する空きスロットと衝突スロットとを特定するとともに、通常のスロットに対する空きスロットと衝突スロットとを特定する。ここで、通常のスロットとは、優先スロット以外のスロットに相当する。また、それぞれに対する空きスロットと衝突スロットとに関する情報が、制御情報に含められる。さらに、アクセス制御装置10は、優先スロットの使用状況を測定し、使用状況に応じて優先スロットの数を調節する。また、優先スロットの数も報知される。
複数の端末装置は、アクセス制御装置10によって報知された制御情報を受信し、空きスロットのいずれかを選択する。また、端末装置は、選択したスロットにてデータを報知する。ここで、端末装置は、複数のフレームにわたって、選択したスロットに対応したスロットにてデータを報知する。例えば、フレームの先頭から10番目のスロットを選択した場合、次のフレームにおいても、フレームの先頭から10番目のスロットを使用する。なお、制御情報において、使用していたスロットが衝突スロットであると示されていれば、端末装置は、別の空きスロットをさらに選択する。
端末装置は、アクセス制御装置10によって報知された制御情報を受信できている期間にわたって、上記の処理を繰り返し実行する。つまり、端末装置は、制御情報を監視しており、制御情報を受信できたときに、エリア200に進入したことを検出する。なお、端末装置は、制御情報を受信できていない場合であっても、データを報知してもよい。他の端末装置からのデータを受信した端末装置は、データをもとに、他の端末装置が搭載された車両12の存在を認識する。なお、優先局は、優先スロットを使用しながら、以上の処理を実行する。
ここで、アクセス制御装置10から報知される制御情報と、端末装置から報知されるデータとは、ともにOFDM信号を使用する。しかしながら、両者の配置されているサブキャリアは、同一ではない。データは、前述の識別キャリアに配置されていない。一方、識別情報は、データが配置されたサブキャリアに加えて、識別キャリアにも配置される。その結果、仮に、データと識別情報とが衝突した場合であっても、端末装置は、識別キャリアの信号成分を観測することによって、制御情報の存在を検知できる。なお、前述の端末装置によるエリア200への進入検出は、識別キャリアに対してなされてもよい。
図2は、アクセス制御装置10の構成を示す。アクセス制御装置10は、アンテナ20、RF部22、変復調部24、処理部26、GPS測位部28、制御部30を含む。また、処理部26は、検出部32、フレーム規定部34、生成部36、調節部46を含み、検出部32は、電力測定部38、品質測定部40、空きスロット特定部42、衝突スロット特定部44を含む。
GPS測位部28は、図示しないGPS衛星からの信号を受信し、受信した信号をもとに時刻の情報を取得する。なお、時刻の情報の取得には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。GPS測位部28は、時刻の情報をフレーム規定部34へ出力する。フレーム規定部34は、GPS測位部28から時刻の情報を取得する。フレーム規定部34は、時刻の情報をもとに、複数のフレームを生成する。例えば、フレーム規定部34は、「0msec」となるタイミングを基準にして、「1sec」の期間を10分割することによって、「100msec」のフレームを10個生成する。このような処理を繰り返すことによって、フレームが繰り返されるように規定される。
また、フレーム規定部34は、各フレームを複数に分割することによって、複数のスロットを生成する。例えば、各フレームが200分割されることによって、「500μsec」のスロットが200個生成される。ここで、フレームに含まれた複数のスロットのうちの一部が優先スロットとして確保される。また、フレーム規定部34は、後述の調節部46からの指示に応じて、優先スロットの数を変更する。フレーム規定部34は、フレームに含まれた優先スロットの数を検出部32および生成部36へ通知する。前述のごとく、通信システム100は、OFDM変調方式を採用しているので、各スロットは、複数のOFDMシンボルから構成されるように規定される。また、OFDMシンボルは、ガードインターバル(GI)と有効シンボルとによって構成される。なお、各スロットの前方の部分や後方の部分にガードタイムが設けられてもよい。ここで、スロットに含まれた複数のOFDMシンボルのまとまりが、前述のパケット信号に相当する。
図3(a)−(d)は、フレーム規定部34において規定されるフレームのフォーマットを示す。図3(a)は、フレームの構成を示す。図示のごとく、第iフレームから第i+2フレームのように、複数のフレームが繰り返されるように規定されている。また、各フレームの期間は、例えば、「100msec」である。図3(b)は、ひとつのフレームの構成を示す。図示のごとく、ひとつのフレームは、M個のスロットによって構成されている。例えば、Mは「200」であり、各スロットの期間は「500μsec」である。また、第1スロットは、制御情報を送信するために予約されており、第2スロットおよび第3スロットが優先スロットとして予約されている。さらに、残りが通常のスロットに相当する。
また、フレーム中において、優先スロットが含まれている区間は、優先領域210として規定されている。ここでは、優先領域210に含まれる優先スロットの数が「2」であるとしているが、フレーム規定部34によって変更される。図3(c)は、ひとつのスロットの構成を示す。図示のごとく、スロットの前方の部分と後方の部分とにガードタイムが設けられている。また、スロットの残りの期間は、N個のOFDMシンボルによって構成されている。図3(d)は、ひとつのOFDMシンボルの構成を示す。図示のごとく、ひとつのOFDMシンボルは、GIと有効シンボルによって構成されている。図2に戻る。
RF部22は、受信処理として、各スロットにおいて、図示しない他の端末装置間の通信において送信されるパケット信号をアンテナ20から受信する。RF部22は、アンテナ20を介して受信した無線周波数のパケット信号に対して周波数変換を実行し、ベースバンドのパケット信号を生成する。さらに、RF部22は、ベースバンドのパケット信号を変復調部24に出力する。一般的に、ベースバンドのパケット信号は、同相成分と直交成分によって形成されるので、ふたつの信号線が示されるべきであるが、ここでは、図を明瞭にするためにひとつの信号線だけを示すものとする。
また、RF部22には、LNA(Low Noise Amplifier)、ミキサ、AGC、A/D変換部も含まれる。RF部22は、送信処理として、各スロットにおいて、変復調部24から入力したベースバンドのパケット信号に対して周波数変換を実行し、無線周波数のパケット信号を生成する。さらに、RF部22は、無線周波数のパケット信号をアンテナ20から送信する。また、RF部22には、PA(Power Amplifier)、ミキサ、D/A変換部も含まれる。
変復調部24は、受信処理として、RF部22からのベースバンドのパケット信号に対して、復調を実行する。さらに、変復調部24は、復調した結果を処理部26に出力する。また、変復調部24は、送信処理として、処理部26からのデータに対して、変調を実行する。さらに、変復調部24は、変調した結果をベースバンドのパケット信号としてRF部22に出力する。ここで、通信システム100は、OFDM変調方式に対応するので、変復調部24は、受信処理としてFFT(Fast Fourier Transform)も実行し、送信処理としてIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)も実行する。
電力測定部38は、RF部22あるいは変復調部24から、受信信号を受けつけ、受信電力を測定する。ここで、受信電力はスロット単位に測定される。そのため、電力測定部38では、複数のスロットのそれぞれに対する受信電力が測定される。ここで、複数のスロットには、優先スロットと通常のスロットとが含まれる。電力測定部38は、スロット単位の受信電力を空きスロット特定部42および衝突スロット特定部44へ出力する。品質測定部40は、変復調部24からの復調結果を受けつけ、複数のスロットのそれぞれに対する信号品質を測定する。また、信号品質も、優先スロットと通常のスロットとのそれぞれに対して測定される。ここでは、信号品質として誤り率が測定される。なお、誤り率の測定には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。また、信号品質として、誤り率の代わりに、EVM(Error Vector Magnitude)等が測定されてもよい。品質測定部40は、誤り率を衝突スロット特定部44へ出力する。
空きスロット特定部42は、電力測定部38から、スロット単位の受信電力を受けつける。まず、通常のスロットに対する処理を説明する。空きスロット特定部42は、各受信電力としきい値(以下、「空きスロット用しきい値」という)を比較し、受信電力が空きスロット用しきい値よりも小さくなっているスロットを特定する。つまり、空きスロット特定部42は、複数のスロットの中から、複数の端末装置間の通信に使用可能なスロットを空きスロットとして検出する。ここで、空きスロットが複数存在する場合、空きスロット特定部42は、それらを特定する。空きスロット特定部42は、特定した空きスロットに関する情報を生成部36へ出力する。
次に、優先スロットに対する処理を説明する。空きスロット特定部42は、優先スロットでの受信電力と空きスロット用しきい値とを比較し、受信電力が空きスロット用しきい値よりも小さくなっている優先スロットを特定する。つまり、空きスロット特定部42は、少なくともひとつの優先スロットの中から、優先局から別の他の端末装置への通信に使用可能な優先スロットも空きスロットとして検出する。空きスロット特定部42は、特定した空きスロットに関する情報を生成部36および調節部46へ出力する。
衝突スロット特定部44は、電力測定部38から、スロット単位の受信電力を受けつけ、品質測定部40から、スロット単位の誤り率を受けつける。また、衝突スロット特定部44は、スロット単位に、受信電力と誤り率とを関連づける。まず、通常のスロットに関する処理を説明する。衝突スロット特定部44は、スロット単位に、受信電力と第1しきい値とを比較するとともに、誤り率と第2しきい値とを比較する。衝突スロット特定部44は、受信電力が第1しきい値よりも大きく、かつ誤り率が第2しきい値より悪化しているスロットを衝突スロットとして特定する。つまり、衝突スロット特定部44は、受信電力が大きいものの通信品質が悪化しているスロットを衝突スロットとして認定する。このように、衝突スロット特定部44は、複数の端末装置が信号を重複して送信したことによって衝突が発生したスロットを衝突スロットとして検出する。衝突スロット特定部44は、特定した衝突スロットに関する情報を生成部36へ出力する。
次に、優先スロットに関する処理を説明する。衝突スロット特定部44は、優先スロットでの受信電力と第1しきい値とを比較するとともに、優先スロットでの誤り率と第2しきい値とを比較する。衝突スロット特定部44は、受信電力が第1しきい値よりも大きく、かつ誤り率が第2しきい値より悪化している優先スロットを衝突スロットとして特定する。つまり、衝突スロット特定部44は、受信電力が大きいものの通信品質が悪化している優先スロットも衝突スロットとして認定する。衝突スロット特定部44は、特定した衝突スロットに関する情報を生成部36および調節部46へ出力する。
調節部46は、空きスロット特定部42から、優先スロットでの空きスロットに関する情報を受けつけるとともに、衝突スロット特定部44から、優先スロットでの衝突スロットに関する情報を受けつける。また、調節部46は、空きスロット数と衝突スロット数とをもとに、優先スロットの使用状況を推定し、使用状況に応じて、優先スロットの数を調節する。具体的に説明すると、空きスロット数が第1調節用しきい値よりも小さくなっている場合、衝突スロット数が第2調節用しきい値よりも大きくなっている場合の少なくとも一方に該当すると、調節部46は、優先スロットが不足している状況と認定する。調節部46は、優先スロットが不足している状況を認定すると、優先スロットの増加を決定する。例えば、調節部46は、優先スロットの数を「1」増加させる。
一方、空きスロット数が第1調節用しきい値よりも小さくなっていない場合、かつ衝突スロット数が第2調節用しきい値よりも大きくなっていない場合に該当すると、調節部46は、優先スロットが不足していない状況と認定する。さらに、優先スロットが不足していない状況が一定期間継続すると、調節部46は、優先スロットの減少を決定する。なお、フレームに含まれる優先スロット数には、最低値が定められており、最低値に達すると、調節部46は、優先スロット数を減少させない。調節部46は、増加あるいは減少を決定した場合に、その旨をフレーム規定部34へ通知する。前述のごとく、フレーム規定部34は、調節部46からの指示に応じて優先スロット数を増加あるいは減少させる。
生成部36は、空きスロット特定部42から、空きスロットに関する情報を受けつけるとともに、衝突スロット特定部44から、衝突スロットに関する情報を受けつける。ここでの空きスロットおよび衝突スロットは、優先スロットおよび通常のスロットを対象にする。生成部36は、空きスロットに関する情報と衝突スロットに関する情報を含めながら、制御情報を生成する。ここで、フレームに含まれた複数のスロットのそれぞれには、前から順番に「1」、「2」となるような番号(以下、「スロット番号」という)が付与されている。生成部36は、空きスロットに関する情報として、以前のフレームに含まれた空きスロットのスロット番号を制御情報に含める。
また、生成部36は、衝突スロットに関する情報として、以前のフレームに含まれた衝突スロットのスロット番号を制御情報に含める。さらに、生成部36は、フレーム規定部34から優先スロットの数を受けつける。また、生成部36は、優先領域210のうち、空きスロットでなく、衝突スロットでもない優先スロットを特定する。当該優先スロットは、使用されている優先スロット(以下、「使用スロット」という)に相当する。生成部36は、使用スロットのスロット番号も制御情報に含める。
さらに、生成部36は、フレーム規定部34からフレームやスロットに関する情報を受けつけ、各フレームに含まれたひとつのスロットへ定期的に制御情報を割り当てる。ここでは、各フレームのスロット番号「1」のスロット、つまり先頭のスロットに制御情報を割り当てることが予め定められており、生成部36は、当該スロットへ制御情報を割り当てる。生成部36は、割り当てたスロットにて、変復調部24へ制御情報を出力する。
前述のごとく、通信システム100は、OFDM変調方式に対応しているので、生成部36は、制御情報をOFDM信号として生成する。なお、図示しない複数の端末装置間のデータ通信にもOFDM信号が使用されている。ここでは、制御情報を配置させるOFDM信号(以下、これも「制御情報」ということがある)と、データを配置させるOFDM信号(以下、これも「データ」ということがある)とを比較しながら説明する。図4(a)−(b)は、通信システム100において使用されるOFDMシンボルのフォーマットを示す。図4(a)は、制御情報に相当し、図4(b)は、データに相当する。
ここで、両方において、縦の方向が周波数を示し、横の方向が時間を示す。縦の方向において、上から順に「31」、「30」、・・・「−32」の番号が示されているが、これらはサブキャリアを識別するために付与された番号(以下、「サブキャリア番号」という)である。また、OFDM信号の中において、サブキャリア番号「31」のサブキャリアの周波数が最も高く、サブキャリア番号「−32」のサブキャリアの周波数が最も低い。また、図中の「D」は、データシンボルに相当し、「P」は、パイロットシンボルに相当し、「N」は、ヌルに相当する。
制御情報とデータとに共通して、サブキャリア番号「31」から「27」、「2」、「0」、「−2」、「−26」から「−32」のサブキャリアは、ヌルである。また、制御情報のうち、サブキャリア番号「26」から「3」、「−3」から「−25」のサブキャリアは、データでも使用されており、また、両者においてシンボルの用途も同一である。一方、制御情報のうち、サブキャリア番号「1」、「−1」は、データにて使用されていない。これらは、前述の識別キャリアに相当する。つまり、識別キャリアは、OFDM信号のうちの中央の周波数付近のサブキャリアに配置されている。さらに、制御情報のうち、データでも使用されるサブキャリアと、識別キャリアとの間、つまりサブキャリア番号「2」、「−2」には、ガードバンドが設けられてる。なお、サブキャリア番号「−2」から「2」のサブキャリアをまとめて「識別キャリア」と呼んでもよい。
ここで、生成部36は、制御情報のうちの識別キャリア以外のサブキャリアに、空きスロットに関する情報および衝突スロットに関する情報を配置する。また、生成部36は、フレームに関する情報を識別キャリアに配置する。また、生成部36は、これらの情報に限られず、重要度の高い情報を識別キャリアに優先的に配置してもよい。また、パケット信号の前方のOFDMシンボルには、既知信号が配置される。このような既知信号は、端末装置におけるAGCや、伝送路特性の推定に使用される。生成部36は、所定のスロットのうちの一部の期間にわたって、識別キャリアに既知信号を配置してもよい。このような既知信号は、例えば、UW(Unique Word)のように使用される。図2に戻る。
変復調部24、RF部22は、生成部36において生成した制御情報をアンテナ20から報知する。なお、制御情報に含まれた空きスロットに関する情報および衝突スロットに関する情報に応じたスロットを使用している端末装置は、複数のフレームにわたって、当該スロットに対応したスロットを使用する。例えば、スロット番号「10」のスロットが継続的に使用される。制御部30は、アクセス制御装置10全体の処理を制御する。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図5は、車両12に搭載された端末装置14の構成を示す。端末装置14は、アンテナ50、RF部52、変復調部54、処理部56、制御部58を含む。また、処理部56は、タイミング特定部60、取得部62、生成部64、通知部70を含み、タイミング特定部60は、制御情報抽出部66、スロット決定部68を含む。アンテナ50、RF部52、変復調部54は、図2のアンテナ20、RF部22、変復調部24と同様の処理を実行する。そのため、ここでは、これらの説明を省略する。
取得部62は、図示しないGPS受信機、ジャイロスコープ、車速センサ等を含んでおり、それらから供給されるデータによって、図示しない車両12、つまり端末装置14が搭載された車両12の存在位置、進行方向、移動速度等を取得する。なお、存在位置は、緯度・経度によって示される。これらの取得には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。取得部62は、取得した情報を生成部64へ出力する。
制御情報抽出部66は、変復調部54からの復調結果を受けつける。また、制御情報抽出部66は、復調結果のうち、識別キャリアに対応したサブキャリアの部分を監視する。識別キャリアに対応したサブキャリアの部分に有効なデータが含まれている場合、制御情報抽出部66は、制御情報が含まれたスロットを受信していることを認識する。また、制御情報抽出部66は、制御情報が含まれたスロットを受信しているタイミングを基準として、フレームおよびスロットの同期を確立する。さらに、制御情報抽出部66は、制御情報から、空きスロットに関する情報および衝突スロットに関する情報を取得する。なお、制御情報抽出部66は、端末装置14が優先局である場合に、優先スロットに対する空きスロットに関する情報と、優先スロットに対する衝突スロットに関する情報とを取得する。一方、制御情報抽出部66は、通常の端末装置14、つまり優先局ではない端末装置14である場合に、通常のスロットに対する空きスロットに関する情報、通常のスロットに対する衝突スロットに関する情報とを取得する。制御情報抽出部66は、空きスロットに関する情報および衝突スロットに関する情報をスロット決定部68へ出力する。また、制御情報抽出部66は、制御情報から使用スロットに関する情報を取得し、図示しない信号線を介して通知部70へ出力する。
スロット決定部68は、制御情報抽出部66から、空きスロットに関する情報および衝突スロットに関する情報を受けつける。以下の処理は、優先局に対しては、優先スロットを処理対象とし、通常の端末装置14に対しては、通常のスロットを処理対象とする。また、説明を明瞭にするために、以下では、処理対象となるスロットの記載を省略する。スロット決定部68は、空きスロットに関する情報をもとに、ひとつの空きスロットを選択する。なお、空きスロットの選択は、任意になされればよい。スロット決定部68は、選択した空きスロットに関する情報を生成部64へ出力する。
生成部64は、取得部62からの情報を受けつける。生成部64は、情報をもとにデータを生成する。ここで、データは、図4(b)のように形成される。また、生成部64は、スロット決定部68から、空きスロットに関する指示を受けつけ、指示に応じた空きスロットにてデータを変復調部54へ出力する。なお、データを出力する前に、処理部56は、キャリアセンスを実行してもよい。また、生成部64は、次のフレームにおいても、同一のスロット番号のスロットにおいてデータを出力する。
このような処理の継続中も、制御情報抽出部66は、フレームごとに制御情報から、空きスロットに関する情報および衝突スロットに関する情報を取得し続ける。スロット決定部68は、衝突スロットに関する情報をもとに、現在使用しているスロットに対応したスロット番号が衝突スロットとされていないかを確認する。衝突スロットとされていなければ、スロット決定部68は、これまでと同一のスロット番号を生成部64へ出力し続ける。一方、衝突スロットとされていれば、スロット決定部68は、空きスロットに関する情報をもとに、ひとつの空きスロットを再び選択する。つまり、これまで選択していたスロットとは別のスロットが選択される。スロット決定部68は、選択した空きスロットに関する情報を生成部64へ出力する。以下、生成部64では、同様の処理が実行される。
通知部70は、優先スロットと通常のスロットとに関係なく、図示しない他の端末装置14からのデータを取得し、データの内容に応じて、図示しない他の車両12の接近等を運転者へ通知する。特に、制御情報抽出部66から使用スロットに関する情報を受けつけている場合、通知部70は、当該使用スロットでのデータを取得する。通知部70での処理は、これに限定されない。制御部58は、端末装置14全体の動作を制御する。
以上の構成による通信システム100の動作を説明する。図6は、通信システム100の動作概要を示す。図の横方向が時間に相当しており、最上段に記載しているように、第iフレームから第i+2フレームまでの3つのフレームが示されている。また、説明を明瞭にするために、ひとつのフレームに15個のスロットが含まれているとする。アクセス制御装置10は、図示のごとく、各フレームの先頭のスロットにて、制御情報を報知する。図中の「制」は、制御情報に相当する。また、その下段には、制御情報に含まれている空きスロットに関する情報と衝突スロットに関する情報が、スロットに対応づけられながら示されている。図中の「空」は、空きスロットに相当し、「衝」は、衝突スロットに相当する。また、説明を明瞭するために、優先領域210に含まれる優先スロット数は「2」とされる。
さらに下段には、第1端末装置14aから第4端末装置14dがデータを報知するタイミングが示されている。図中の「デ」は、データに相当する。第1端末装置14aから第4端末装置14dは、制御情報を参照し、空きスロットをそれぞれ選択する。第iフレームにおいて、第1端末装置14aから第4端末装置14dは、選択した空きスロットにてデータを報知する。ここで、第2端末装置14bは、優先局なので、優先領域210に含まれた優先スロットを選択する。また、第3端末装置14cと第4端末装置14dにおいて選択された空きスロットが同一であるので、両者から報知されたデータが衝突している。アクセス制御装置10は、当該スロットでの衝突の発生を検出する。第i+1フレームにおいて、アクセス制御装置10から報知される制御情報には、衝突スロットに関する情報として、衝突が発生したスロットが示されている。
第1端末装置14aおよび第2端末装置14bは、既に使用したスロットにおいて衝突が発生していないので、同一のスロット番号のスロットを再び使用する。一方、第3端末装置14cおよび第4端末装置14dは、既に使用したスロットにおいて衝突が発生しているので、別の空きスロットを再び選択する。第3端末装置14cおよび第4端末装置14dは、選択した空きスロットにてデータを報知する。すべてのデータが衝突していないので、第i+2フレームにおいて、アクセス制御装置10から報知される制御情報には、衝突スロットが示されていない。そのため、第i+2フレームにおいて、第1端末装置14aから第4端末装置14dは、既に使用したスロットと同一のスロット番号のスロットを再び使用する。
図7は、通信システム100の別の動作概要を示す。図7は、図6と同様に示される。ここでは、前提として、第2端末装置14bは、アクセス制御装置10からの制御情報を受信できていないとする。そのため、第2端末装置14bは、フレームの構成を把握せずにデータを送信している。アクセス制御装置10は、フレームの先頭のスロットにて、制御情報を報知する。一方、第2端末装置14bは、フレームの先頭スロットにて、データを報知する。その結果、当該スロットにおいて、制御情報とデータとが衝突する。ここで、第1端末装置14a、第3端末装置14c、第4端末装置14dは、衝突が発生した場合であっても、制御情報のうちの識別キャリアの信号成分を観測することによって、制御情報の存在を検知できる。
図8は、通信システム100のさらに別の動作概要を示す。図8は、図6と同様に示される。ここでも、図6と同様に、第2端末装置14bが優先局であるとされている。第iフレームにおいて、優先領域210には、ひとつの優先スロットが含まれており、当該優先スロットは、空きスロットになっている。第2端末装置14bは、制御情報における空きスロットに関する情報を確認して、優先スロットにてデータを送信する。また、第1端末装置14a、第3端末装置14c、第4端末装置14dは、空きスロットをそれぞれ確認して、データを送信する。アクセス制御装置10は、第iフレームにおいて、優先領域210に空きスロットがなくなったことを確認し、優先領域210に含まれる優先スロットの数を「1」から「2」へ増加させる。また、アクセス制御装置10は、ひとつ目の優先スロットが使用スロットであり、ふたつ目の優先スロットが空きスロットである旨を制御情報に含めて送信する。
図9は、アクセス制御装置10における空きスロットの通知手順を示すフローチャートである。ここで、処理の開始のスロット番号が「s」であり、処理の最後のスロット番号が「M」であるとされる。スロット番号「s」および「M」は、優先スロットであるか通常のスロットであるかに応じて設定される。検出部32は、スロット番号mをsに設定する(S10)。電力測定部38は、受信電力を測定する(S12)。空きスロット特定部42は、受信電力が空きスロット用しきい値よりも小さければ(S14のY)、スロット番号mのスロットを空きスロットと特定する(S16)。空きスロット特定部42は、受信電力が空きスロット用しきい値よりも小さくなければ(S14のN)、ステップ16の処理をスキップする。スロット番号mがMでなければ(S18のN)、検出部32は、スロット番号mに1を加算して(S20)、ステップ12に戻る。一方、スロット番号mがMであれば(S18のY)、生成部36は、空きスロットのスロット番号を制御情報に含める(S22)。変復調部24、RF部22は、制御情報を報知する(S24)。
図10は、アクセス制御装置10における衝突スロットの通知手順を示すフローチャートである。検出部32は、スロット番号mをsに設定する(S40)。電力測定部38は、受信電力を測定し、品質測定部40は、誤り率を測定する(S42)。衝突スロット特定部44は、受信電力が第1しきい値より大きく、かつ誤り率が第2しきい値よりも大きければ(S44のY)、スロット番号mのスロットを衝突スロットと特定する(S46)。衝突スロット特定部44は、受信電力が第1しきい値より大きくなく、あるいは誤り率が第2しきい値よりも大きくなければ(S44のN)、ステップ46の処理をスキップする。スロット番号mがMでなければ(S48のN)、検出部32は、スロット番号mに1を加算して(S50)、ステップ42に戻る。一方、スロット番号mがMであれば(S48のY)、生成部36は、衝突スロットのスロット番号を制御情報に含める(S52)。変復調部24、RF部22は、制御情報を報知する(S54)。
図11は、アクセス制御装置10における使用スロットの通知手順を示すフローチャートである。優先領域210に使用中の優先スロットがあれば(S100のY)、生成部36は、使用されている優先スロットのスロット番号を制御情報に含める(S102)。変復調部24、RF部22は、制御情報を報知する(S104)。優先領域210に使用中の優先スロットがなければ(S100のN)、処理は終了される。
図12は、アクセス制御装置10における優先領域の制御手順を示すフローチャートである。調節部46は、優先領域210内の空きスロット数と衝突スロット数とを取得する(S120)。空きスロット数が第1調節用しきい値よりも小さくなく(S122のN)、衝突スロット数が第2調節用しきい値よりも大きくない場合(S124のN)、一定期間が経過していれば(S126のY)、調節部46は、優先領域210の減少を決定する(S128)。一方、一定期間が経過していなければ(S126のN)、処理は終了される。空きスロット数が第1調節用しきい値よりも小さいか(S122のY)、あるいは衝突スロット数が第2調節用しきい値よりも大きければ(S124のY)、調節部46は、優先領域210の拡大を決定する(S130)。
図13は、端末装置14におけるデータの送信手順を示すフローチャートである。制御情報抽出部66は、制御情報を取得する(S70)。使用すべきスロットが既に特定されていれば(S72のY)、スロット決定部68は、当該スロットに衝突が発生していないかを確認する。衝突が発生していれば(S74のY)、スロット決定部68は、スロットを変更する(S76)。衝突が発生していなければ(S74のN)、ステップ76はスキップされる。一方、使用すべきスロットが既に特定されていなければ(S72のN)、スロット決定部68は、空きスロットを特定する(S78)。生成部64は、特定したスロットにてデータを送信する(S80)。
本発明の実施例によれば、複数のスロットの中から、複数の端末装置間の通信に使用可能なスロットを報知するので、複数の端末装置間の通信における衝突の発生確率を低減できる。また、複数の端末装置間の通信における衝突の発生確率が低減されるので、通信量が増加した場合であってもパケット信号の衝突確率を低減できる。また、複数のスロットのそれぞれに対する受信電力をもとに、空きスロットを特定するので、特定を簡易に実行できる。また、以前のフレームに含まれた空きスロットの番号を報知するので、端末装置への指示を確実に実行できる。また、空きスロットを使用している端末装置は、複数のフレームにわたって、当該スロットに対応したスロットを使用するので、処理を簡易にできる。また、アクセス制御装置は、端末装置間のデータ通信に参加せず、空きスロットに関する指標を通知するだけなので、CSMA/CAを前提とした通信システムにも容易に適用できる。
また、複数のスロットの中から、複数の端末装置が信号を重複して送信したことによって衝突が発生したスロットを報知するので、複数の端末装置間の通信における衝突の発生確率を低減できる。また、複数のスロットのそれぞれに対する受信電力と、複数のスロットのそれぞれに対する信号品質とをもとに、衝突スロットを特定するので、特定を簡易に実行できる。また、以前のフレームに含まれた衝突スロットの番号を報知するので、端末装置への指示を確実に実行できる。また、アクセス制御装置は、端末装置間のデータ通信に参加せず、衝突スロットに関する指標を通知するだけなので、CSMA/CAを前提とした通信システムにも容易に適用できる。
また、制御情報のうち、識別キャリアは、データに使用させず、残りのサブキャリアは、データにも使用されるので、制御情報とデータ信号とが衝突しても制御情報の信号成分を観測させることによって、制御情報の存在を検知させることができる。また、識別キャリアとそれ以外のサブキャリアとの間にガードバンドが設けられるので、両者の間の干渉を低減でき、識別キャリアで伝送している情報の到達確率を向上できる。また、識別キャリアに、重要な情報を配置するので、重要な情報の到達確率を向上できる。また、識別キャリアにUWを配置するので、識別キャリアの検出精度を向上できる。
また、優先局のみが使用可能な優先スロットを設けるので、優先局からのパケット信号の衝突の発生確率を低減できる。また、優先スロットにおける空きスロットを通知するので、優先局からのパケット信号の衝突の発生確率を低減できる。また、優先スロットにおける衝突スロットを通知するので、優先局からのパケット信号の衝突の発生確率を低減できる。また、優先局からのパケット信号の衝突の発生確率が低減されるので、重要度の高いデータを伝送できる。また、重要度の高いデータが伝送されるので、交差点等における安全性を向上できる。
また、優先スロットにおける使用スロットを通知するので、優先スロットにて報知されたデータを端末装置に受信させることができる。また、優先スロットの使用状況に応じて優先スロット数を調節するので、優先スロットが不足する状況を低減できる。また、優先スロットが不足する情報が低減されるので、優先局からのパケット信号の衝突の発生確率を低減できる。また、優先スロットの使用状況に応じて優先スロット数を調節するので、優先スロットが過剰になる状況を低減できる。また、優先スロットがあまり過ぎる状況が低減されるので、スロットを有効に使用できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例において、フレーム規定部34は、複数のスロットにて形成されたフレームが規定される。しかしながらこれに限らず例えば、フレーム規定部34は、フレームに複数のスロット以外の期間を設けてもよい。具体的には、フレームの一部の期間に複数のスロットが配置され、残りの期間では、複数の端末装置14間においてCSMA/CAがなされてもよい。その際、アクセス制御装置10は、CSMA/CAの期間では、空きスロットや衝突スロットの検出を実行しない。本変形例によれば、端末装置14は、スロットによる通信とCSMA/CAによる通信を選択できるので、通信の自由度を向上できる。つまり、フレームは、複数のスロットを少なくとも含んでいればよい。
本発明の実施例において、アクセス制御装置10から報知される制御情報や、ひとつの端末装置14から報知されるデータは、ひとつのスロットに割り当てられている。しかしながらこれに限らず例えば、制御情報やデータが、ふたつ以上のスロットに割り当てられていてもよい。本変形例によれば、制御情報やデータの通信速度を向上できる。
本発明の実施例において、識別キャリアは、ふたつのサブキャリアに相当する。また、識別キャリアは、OFDMシンボルの中央周波数付近のサブキャリアに配置されている。しかしながらこれに限らず例えば、識別キャリアは、ふたつ以上のサブキャリアに相当してもよく、識別キャリアは、OFDMシンボルの中央周波数付近以外のサブキャリアに配置されていてもよい。その際、識別キャリアに、空きスロットに関する情報や衝突スロットに関する情報を含めてもよい。本変形例によれば、通信システム100の設計の自由度を向上できる。
10 アクセス制御装置、 12 車両、 14 端末装置、 20 アンテナ、 22 RF部、 24 変復調部、 26 処理部、 28 GPS測位部、 30 制御部、 32 検出部、 34 フレーム規定部、 36 生成部、 38 電力測定部、 40 品質測定部、 42 空きスロット特定部、 44 衝突スロット特定部、 46 調節部、 50 アンテナ、 52 RF部、 54 変復調部、 56 処理部、 58 制御部、 60 タイミング特定部、 62 取得部、 64 生成部、 66 制御情報抽出部、 68 スロット決定部、 70 通知部、 100 通信システム。
Claims (5)
- 複数のスロットを少なくとも含んだフレームが繰り返されるように規定され、かつフレームに含まれた複数のスロットのうちの一部が優先的な他の無線装置の使用のために確保されており、複数のスロットのうちの一部から、優先的な他の無線装置から別の他の無線装置への通信に使用可能なスロットを検出するとともに、複数のスロットのうちの残りから、他の無線装置間の通信に使用可能なスロットを検出する検出部と、
前記検出部において検出したスロットに関する情報を報知する報知部と、
を備えることを特徴とする無線装置。 - 前記検出部は、
複数のスロットのそれぞれに対する受信電力を測定する測定部と、
前記測定部において測定した受信電力がしきい値よりも小さいスロットを特定する特定部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の無線装置。 - 前記報知部は、複数のスロットのうちの一部において使用されているスロットに関する情報も報知することを特徴とする請求項1または2に記載の無線装置。
- 複数のスロットのうちの一部におけるスロットの使用状況に応じて、優先的な他の無線装置の使用のために確保すべきスロットの数を調節する制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の無線装置。
- 複数のスロットを少なくとも含んだフレームが繰り返されるように規定され、かつフレームに含まれた複数のスロットのうちの一部が優先的な他の無線装置の使用のために確保されており、複数のスロットのうちの一部から、優先的な他の無線装置から別の他の無線装置への通信に使用可能なスロットを検出するとともに、複数のスロットのうちの残りから、他の無線装置間の通信に使用可能なスロットを検出するステップと、
検出したスロットに関する情報を報知するステップと、
を備えることを特徴とする報知方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008220405A JP2010056956A (ja) | 2008-08-28 | 2008-08-28 | 報知方法および無線装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2011114979A1 (ja) | 2010-03-15 | 2011-09-22 | 富士通テン株式会社 | アイドリングストップ装置およびアイドリングストップ制御方法 |
WO2020136843A1 (ja) * | 2018-12-27 | 2020-07-02 | 三菱電機株式会社 | 中継装置、中継方法及び中継プログラム |
-
2008
- 2008-08-28 JP JP2008220405A patent/JP2010056956A/ja not_active Withdrawn
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