JP5252990B2 - アルカリ電池 - Google Patents

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Description

本発明は、耐漏液性に優れたアルカリ電池に係り、特には耐漏液性を向上するためにセパレータの孔部を閉塞する隔離材に改良を加えたアルカリ電池に関するものである。
従来、単1形(LR20)や単2形(LR14)などの比較的サイズが大きな筒型アルカリ電池を製造する場合、まず、有底円筒状の正極缶内に中空円筒状に成形した正極合剤を収納する。そして、正極缶の底部に加熱したホットメルト樹脂(熱溶融型接着剤)を充填し、正極合剤の中空部に筒状のセパレータを挿入する。このとき、ホットメルト樹脂が冷却硬化することにより、セパレータと正極缶とが接着され、セパレータの底部開口が塞がれる。その後、セパレータ中空部に電解液を注入してセパレータと正極合剤とに電解液を含浸させた後、セパレータ中空部にゲル状の負極合剤を充填する。そして、正極缶の開口端を別工程によって組み立てられた集電体で密閉して筒型アルカリ電池が完成する。
この筒型アルカリ電池では、ホットメルト樹脂の硬化物からなる隔離材を用いてセパレータの底部開口を閉塞することにより、正極合剤と負極合剤とが分離・絶縁される。また、電池に振動や落下衝撃が加えられた場合でも、ホットメルト樹脂の隔離材によって振動や衝撃が吸収され、正極合剤と負極合剤とが確実に隔離される。このように、ホットメルト樹脂を用いてセパレータの底部開口を閉塞することにより正極合剤と負極合剤とを隔離するようにしたアルカリ電池が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特開平05−135777号公報 特開平10−40927号公報 特開2000−67878号公報 特開2001−266905号公報
ところで、上記構造のアルカリ電池を外部回路にてショートさせた場合、電池が発熱してその温度が上昇する。特に複数個のアルカリ電池を直列に接続してショートさせると、さらに電池の発熱量は増大し、このときの発熱によって電池表面温度が最高で140℃〜160℃にも達する。
ショート状態にあるアルカリ電池においては、電池内部にガスは殆ど発生しない。しかしながら、ショートが解除された後に過放電状態であると、ガスが発生しやすくなり、電池内圧が上昇してしまう。その結果、封口ガスケットの安全弁が作動して電池が漏液し、電池としての機能が損なわれるという問題があった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電池外部にてショートしたときでも内部ガスが発生しにくく、耐漏液性に優れたアルカリ電池を提供することにある。
上記課題を解決するための手段[1]〜[5]を以下に列挙する。
[1]有底筒状の正極缶内にセパレータを介して正極合剤及びゲル状負極合剤が収容され、前記セパレータの底部中央部にある孔部を隔離材で閉塞することにより、前記ゲル状負極合剤と前記正極缶の底部とが隔離されたアルカリ電池において、前記隔離材は、電池外部でのショートに起因した発熱による温度上昇過程で溶融軟化して前記孔部の閉塞を解除する熱可塑性樹脂からなり、前記熱可塑性樹脂の溶融軟化に伴い、前記ゲル状負極合剤と前記正極缶の底部との間をつなぐ内部ショート経路が形成されうることを特徴とするアルカリ電池。
従って、手段1によると、電池外部においてショートしていない平常時には、隔離材が溶融軟化せず固形状を保持するため、孔部も閉塞されたままとなり、ゲル状負極合剤と正極缶の底部との隔離状態が維持される。電池外部においてショートが起きて電池が発熱した場合には、その温度上昇過程で隔離材が溶融軟化して孔部の閉塞が解除されるとともに、ゲル状負極合剤内でガスが発生して内圧が上昇する。すると、ゲル状負極合剤がセパレータ底部の孔部を介して漏れ出し、正極缶の内面と電気的に接続して、正極側と負極側とをつなぐ内部ショート経路が形成される。従って、電池外部におけるショートが解除された後でも電池内部においてショート状態が維持される。ゆえに、それ以上の内部ガスの発生が抑制され、耐漏液性が向上する。
[2]前記隔離材は、融点が86℃以上106℃以下の熱可塑性樹脂からなることを特徴とする手段1に記載のアルカリ電池。
従って、手段2によると、電池外部においてショートしていない平常時の性能低下を伴うことなく、ショートが起きたときには適時に内部ショート経路を形成し、それ以上の内部ガスの発生を確実に抑制することができる。融点が高すぎると、発熱によってかなり温度上昇しないと、隔離材が溶融軟化せず、それゆえ孔部の閉塞解除タイミングが遅くなり、内部ガスの発生を十分に抑制できなくなるおそれがある。逆に融点が低すぎると、平常時における温度上昇によっても隔離材が溶融軟化するおそれがあり、信頼性が低下してしまう。
[3]前記隔離材は、融点が86℃以上106℃以下であり、前記孔部を閉塞し、かつ導電性が付与されていない第1の熱可塑性樹脂と、融点が86℃以上106℃以下であり、前記第1の熱可塑性樹脂と前記正極缶の底部との間に介在するように配置され、かつ導電性が付与された第2の熱可塑性樹脂とからなることを特徴とする手段1に記載のアルカリ電池。
従って、手段3によると、電池外部においてショートしていない平常時には、第1の熱可塑性樹脂及び第2の熱可塑性樹脂が溶融軟化せずいずれも固形状を保持する。このため、両者が互いに混ざり合うこともなく、孔部も閉塞されたままとなり、ゲル状負極合剤と正極缶の底部との隔離状態が維持される。よって、平常時の性能低下を伴うことはない。一方、電池外部においてショートが起きて電池が発熱した場合には、その温度上昇過程で第1の熱可塑性樹脂及び第2の熱可塑性樹脂が溶融軟化して孔部の閉塞が解除されるとともに、両者が混ざり合って全体として導電性を帯びた状態となる。すると、ガス発生による内圧上昇の結果、ゲル状負極合剤がセパレータ底部の孔部を介して漏れ出すとともに、導電性を帯びた上記隔離材を介してゲル状負極合剤と正極缶の内面とが電気的に接続される。ゆえに、必ずしもゲル状負極合剤が正極缶の内面に至らなくても、正極側と負極側とをつなぐ内部ショート経路が形成されうる。
[4]前記第1の熱可塑性樹脂及び前記第2の熱可塑性樹脂は、前記温度上昇過程で溶融軟化して混ざり合い、全体として導電性を得た状態となることを特徴とする手段3に記載のアルカリ電池。
従って、手段4によると、2種類の熱可塑性樹脂が混ざり合うことで内部ショート経路を確実に形成することが可能となる。
[5]前記第1の熱可塑性樹脂及び前記第2の熱可塑性樹脂は同種のものであり、前記第2の熱可塑性樹脂にのみ導電物質が含有されていることを特徴とする手段4に記載のアルカリ電池。
従って、手段5によると、2種類の熱可塑性樹脂が異種のものであると、互いに混ざり合うことが不可能または困難であるが、同種のものであれば、温度上昇過程でともに溶融軟化して比較的容易に混ざり合って均一な導電性を得ることができる。
以上詳述したように、請求項1〜5に記載の発明によると、電池外部にてショートしたときでも内部ガスが発生しにくく、耐漏液性に優れたアルカリ電池を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施の形態のアルカリ電池11を図1〜図3に基づき詳細に説明する。
図1に示されるように、本実施形態の筒型のアルカリ電池11を構成する正極缶21は、正極集電体を兼ねる有底円筒状の電池用金属部品であり、例えばニッケルめっき鋼板を深絞りプレス加工することで形成されている。正極缶21の内部空間には、発電要素30(即ち、正極合剤31、セパレータ41及びゲル状負極合剤51)が装填可能となっている。正極缶21の内部には、中空円筒状に成形された複数個の正極合剤31が縦積みかつ同心状に圧入装填されている。発電要素30の一部をなす正極合剤31は、二酸化マンガンあるいはオキシ水酸化ニッケル等の酸化剤を含む環状(または管状)の成形合剤である。これら正極合剤31の内側には有底円筒状のセパレータ41が挿入されている。セパレータ41及び正極合剤31中には、アルカリ電解液が浸潤されている。セパレータ41の中空部には、亜鉛合金粉末、ゲル化剤、アルカリ電解液などを混合してなるゲル状負極合剤51が充填されている。アルカリ電解液として、本実施形態では水酸化カリウム水溶液を用いている。亜鉛合金粉末として、本実施形態では数十〜数百ppmのインジウム、ビスマス及びアルミニウムを含有するものを用いている。また、ゲル化剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸及びその塩類、アルギン酸ソーダ、エーテル化デンプン等が好適である。
正極缶21の開口部22の内面側には、負極端子板61と集電棒71と封口ガスケット81とを組み付けてなる負極集電体60が配置されかつカシメ付けられている。その結果、正極缶21が液密的に封口されている。
この封口ガスケット81は中央部にボス部82を備えており、そのボス部82を貫通する断面円形状のボス孔82a内には集電棒71が挿通可能となっている。この封口ガスケット81は、平面視で円形状を呈する合成樹脂製の部材であって、例えばナイロン等のようなポリアミド樹脂からなる射出成形部品である。なお、ポリアミド樹脂の代わりに、ポリプロピレン等のようなポリオレフィン樹脂等を用いてもよい。
負極端子板61は導電性金属製の板材からなる。この負極端子板61は、外側面に平坦な端子面が形成された中央平板部と、この中央平板部の外周部に一体的に形成された環状凹部とを備えている。
集電棒71はスズめっき真鍮線等のような導電性金属からなる棒材であって、その先端部73がゲル状負極合剤51中に挿入配置されている。一方、集電棒71の基端部72は、ボス部82のボス孔82aに挿通されるとともに、負極端子板61の内面側中央部に対してスポット溶接等により固着されている。
図1に示されるように、本実施形態のセパレータ41の底部中央部には孔部42が存在しており、その孔部42が1種類の樹脂からなる隔離材90で閉塞されることにより、ゲル状負極合剤51と正極缶21の底部23とが隔離されている。より具体的にいうと、ここでは隔離材90を構成する樹脂として、融点が86℃以上106℃以下であってかつ導電性が付与されていない熱可塑性樹脂(第1の熱可塑性樹脂91)が使用されている。
第1の熱可塑性樹脂91としては上記の融点を満たすものであればよいため、特にその種類は限定されず、例えば固形パラフィンやオレフィン等が選択可能である。なお、第1の熱可塑性樹脂91は、セパレータ41の底部と正極缶21の底部23との間にできる空間の全体を埋めていてもよいが、孔部42を完全に閉塞しているのであれば前記空間の一部を埋める程度であってもよい。
このような融点の第1の熱可塑性樹脂91を使用するのは次の理由による。即ち、電池外部においてショートしていない平常時には、第1の熱可塑性樹脂91が溶融軟化せず固形状を保持するため、孔部42も閉塞されたままとなり、ゲル状負極合剤51と正極缶21の底部23との隔離状態が維持されるからである。一方、電池外部においてショートが起きて電池が発熱した場合には、その温度上昇過程で第1の熱可塑性樹脂91が溶融軟化して孔部42の閉塞が解除されるからである。そしてこの場合、ゲル状負極合剤51内でのガス発生に起因して内圧が上昇する結果、ゲル状負極合剤51がセパレータ41の底部の孔部42を介して漏れ出し、正極缶21の内面と電気的に接続して、正極側と負極側とをつなぐ内部ショート経路が形成されるようになっている。
図2に示される本実施形態の変形例のアルカリ電池11Aにおいては、セパレータ41の底部中央部の孔部42が、2種類の樹脂からなる隔離材90Aで閉塞されることにより、ゲル状負極合剤51と正極缶21の底部23とが隔離されている。より具体的にいうと、ここでは隔離材90Aを構成する一方の樹脂として、融点が86℃以上106℃以下であってかつ導電性が付与されていない熱可塑性樹脂(第1の熱可塑性樹脂91)が使用されている。第1の熱可塑性樹脂91は、孔部42に配置され、実質的に孔部42を閉塞している。また、隔離材90Aを構成する他方の樹脂として、融点が86℃以上106℃以下であり、かつ導電性が付与された第2の熱可塑性樹脂92が使用されている。第2の熱可塑性樹脂92は、第1の熱可塑性樹脂91と正極缶21の底部23との間に介在するように配置されている。
このような融点の第1の熱可塑性樹脂91及び第2の熱可塑性樹脂92を使用するのは次の理由による。即ち、電池外部においてショートしていない平常時には、第1の熱可塑性樹脂91及び第2の熱可塑性樹脂92が溶融軟化せずいずれも固形状を保持する。このため、両者が互いに混ざり合うこともなく、孔部42も閉塞されたままとなり、ゲル状負極合剤51と正極缶21の底部23との隔離状態が維持されるからである。一方、電池外部においてショートが起きて電池が発熱した場合には、その温度上昇過程で第1の熱可塑性樹脂91及び第2の熱可塑性樹脂92が溶融軟化して孔部42の閉塞が解除されるとともに、両者が混ざり合って全体として導電性を帯びた状態となるからである。そしてこの場合、ガス発生による内圧上昇の結果、ゲル状負極合剤51がセパレータ41の底部の孔部42を介して漏れ出すとともに、導電性を帯びた上記隔離材90Aを介してゲル状負極合剤51と正極缶21の内面とが電気的に接続される。ゆえに、必ずしもゲル状負極合剤51が正極缶21の内面に至らなくても、正極側と負極側とをつなぐ内部ショート経路が形成されるようになっている。
第1の熱可塑性樹脂91及び第2の熱可塑性樹脂92としては上記の融点の条件を満たしていれば、特にその種類は限定されず、例えば固形パラフィンやオレフィン等が選択可能である。第1の熱可塑性樹脂91及び第2の熱可塑性樹脂92は同種のものでも異種のものでもよいが、同種のものを選択することが好ましい。即ち、異種の熱可塑性樹脂同士であると、通常は融点をはじめとする諸性質が異なることから、互いに混ざり合うことが不可能または困難となる場合がある。その点、同種の熱可塑性樹脂同士であれば、そもそも融点をはじめとする諸性質が近似していることから、温度上昇過程でほぼ同時に溶融軟化して比較的容易に混ざり合うことができる。よって、溶融後には全体として均一な導電性を得ることができるからである。
ここで、第2の熱可塑性樹脂92には導電性を付与するために導電物質が均一に分散されている。導電物質の量は限定されないが、例えば1重量%以上10重量%以下であることが好ましい。1重量%未満であると少なすぎて導電性を十分に付与できないからである。逆に10重量%超であると、導電性が高くなりすぎてしまい、平常時においてショートしやすくなることに加え、導電物質の割合が増える分だけ高コスト化してしまうからである。なお、このような導電物質として、例えば、黒鉛、カーボンブラック及び金属から選択される少なくともいずれかを添加することが好適である。
第1の熱可塑性樹脂91及び第2の熱可塑性樹脂92の体積は特に限定されず任意であるが、図2のものでは第2の熱可塑性樹脂92の体積のほうが第1の熱可塑性樹脂91の体積よりも大きくなっている。この体積比の関係が逆になると、溶融して混ざり合ったときに、樹脂全体として十分にかつ均一に導電性を付与できないおそれがあるからである。なお、第1の熱可塑性樹脂91は、正極缶21の有する正極端子24の内面側にある凹部の内径よりも小さい直径を有している。一方、第2の熱可塑性樹脂92は、上記凹部の内径よりも大きい直径を有している。第1の熱可塑性樹脂91の下面側は第2の熱可塑性樹脂92に接触し、かつ、第2の熱可塑性樹脂92によって完全に包囲されている。その結果、第1の熱可塑性樹脂91が正極缶21の底面に対して直接接触しないように構成されている。
次に、本実施形態のアルカリ電池11,11Aを製造する手順について述べる。
図1に示すアルカリ電池11を製造するには、まず、あらかじめ中空円筒状に成形された正極合剤31を有底円筒状の正極缶21内に圧入装填する。その後、正極缶21において開口部22の内周面に必要に応じてシール剤(図示略)を塗布する。次に、正極缶21の底部23に第1の熱可塑性樹脂91を供給する。この場合、溶融した第1の熱可塑性樹脂91を正極缶21の内部に垂らし込むようにしてもよいほか、溶融していない固形状の第1の熱可塑性樹脂91を正極缶21の内部に落とし込むようにしてもよい。さらに、正極合剤31の中空部にセパレータ41を装填し、その底部を溶融した状態の第1の熱可塑性樹脂91に押し付けることで、底部中央部にある孔部42を閉塞する。この後、セパレータ41の円筒内部に電解液を注入してセパレータ41と正極合剤31とに電解液を浸潤させた後、セパレータ41の円筒内部にゲル状の負極合剤51を充填する。その後、負極端子板61、集電棒71及び封口ガスケット81からなる負極集電体60を正極缶21の開口部22に配置する。その状態で正極缶21の開口部22にカール及び絞り加工を施して封口し、アルカリ電池11を完成させる。
また、図2に示すアルカリ電池11Aを製造する方法としては、例えば以下の4つがある。
製造方法1(図3の製法Aを参照):まず、あらかじめ中空円筒状に成形された正極合剤31を有底円筒状の正極缶21内に圧入装填する。その後、正極缶21において開口部22の内周面に必要に応じてシール剤(図示略)を塗布する。次に、正極缶21の底部23に、導電性を付与した第2の熱可塑性樹脂92を供給する。この場合、溶融した第2の熱可塑性樹脂92を正極缶21の内部に垂らし込むようにしてもよいほか、溶融していない固形状の第2の熱可塑性樹脂92を正極缶21の内部に落とし込むようにしてもよい。次に、固化した第2の熱可塑性樹脂92の上面中央部に、溶融した状態の第1の熱可塑性樹脂91を少量供給する。そして、正極合剤31の中空部にセパレータ41を装填し、溶融した状態の第1の熱可塑性樹脂91にセパレータ41の底部を押し付けることで、底部中央部にある孔部42を閉塞する。この後、セパレータ41の円筒内部に電解液を注入してセパレータ41と正極合剤31とに電解液を浸潤させた後、セパレータ41の円筒内部にゲル状の負極合剤51を充填する。その後、負極端子板61、集電棒71及び封口ガスケット81からなる負極集電体60を正極缶21の開口部22に配置する。その状態で正極缶21の開口部22にカール及び絞り加工を施して封口し、アルカリ電池11Aを完成させる。
製造方法2(図3の製法Bを参照):正極合剤31を有底円筒状の正極缶21内に圧入装填し、必要に応じてシール剤塗布を行った後、正極缶21の底部23に第2の熱可塑性樹脂92を供給する。次に、正極合剤31の中空部にセパレータ41を装填し、溶融した状態の第2の熱可塑性樹脂92にセパレータ41の底部を押し付ける。次に、セパレータ41の底部中央部に少量の第1の熱可塑性樹脂91を供給して、孔部42を閉塞する。この後、電解液注入、ゲル状負極合剤充填、負極集電体60の配置、封口を順次実施し、アルカリ電池11Aを完成させる。
製造方法3(図3の製法Cを参照):正極合剤31を有底円筒状の正極缶21内に圧入装填し、必要に応じてシール剤塗布を行った後、正極缶21の底部23に第2の熱可塑性樹脂92を供給する。次に、あらかじめ第1の熱可塑性樹脂91で孔部42が閉塞されたセパレータ41を準備し、この閉塞済みセパレータ41を正極合剤31の中空部に装填する。この後、電解液注入、ゲル状負極合剤充填、負極集電体60の配置、封口を順次実施し、アルカリ電池11Aを完成させる。
製造方法4(図3の製法Dを参照):正極合剤31を有底円筒状の正極缶21内に圧入装填し、必要に応じてシール剤塗布を行う。次に、あらかじめ第1の熱可塑性樹脂91で孔部42が閉塞され、かつ、底面を下面側から覆うように第2の熱可塑性樹脂92が設けられたセパレータ41を準備する。そして、この閉塞済みセパレータ41を正極合剤31の中空部に装填する。この後、電解液注入、ゲル状負極合剤充填、負極集電体60の配置、封口を順次実施し、アルカリ電池11Aを完成させる。
以下、上述した実施形態及びその変形例をより具体化した実施例を説明する。
A.評価用サンプルの作製及び評価試験の方法
ここでは、図2に示す構造のアルカリ電池11A(LR20)をいくつか作製し、評価用サンプルとした。第1の熱可塑性樹脂91については、固形パラフィン(エクソンモービル社製「ワックスレックス2480」)あるいはオレフィン(大響社製「アイメルトA−50」)を使用した。第2の熱可塑性樹脂92についても同様に、固形パラフィン(エクソンモービル社製「ワックスレックス2480」)あるいはオレフィン(大響社製「アイメルトA−50」)を使用し、これに導電物質として少量の黒鉛あるいは銅粉を添加して均一に分散させた。
そして、作製されたアルカリ電池11Aをそれぞれ用いて以下のような耐漏液性試験を行った。即ち、アルカリ電池11Aを2本直列あるいは4本直列に接続し、この状態で1時間ショートさせ、ショート開放後に10日間放置した。この時点で漏液が認められたものの数を調査した(N=20)。その結果を表1に示す。
B.評価試験の結果
Figure 0005252990
表1に示すように、2種類の樹脂の融点を86℃以上106℃以下の範囲内にて設定した実施例1〜7については、2本直接接続時においても4本直列接続時においても漏液が全く認められなかった。従って、これらはいずれも耐漏液性に優れていた。また、第2の熱可塑性樹脂92における導電物質の含有量が1重量%〜10重量%の範囲であれば好適な結果が得られることがわかった。さらに、導電物質の種類を黒鉛から導電性金属の一種である銅粉に変更した実施例8についても、実施例1〜7と同様に好適な結果が得られることがわかった。
一方、各実施例に比べて樹脂の融点が高い比較例1〜3では、いずれも漏液が認められ、耐漏液性に劣っていた。また、各実施例に比べて樹脂の融点が低い比較例4では、特に漏液が認められなかったものの、平常の使用温度域でも内部ショート経路が形成される可能性があるため、信頼性が低く、実用上好ましいものとは言えなかった。
C.結論
従って、上記アルカリ電池11,11Aによれば、電池外部においてショートが起きて電池が発熱した場合、隔離材90,90Aの溶融軟化により孔部42の閉塞が解除され、これに基づき正極側と負極側とをつなぐ内部ショート経路が形成される。ゆえに、電池外部におけるショートが解除された後でも電池内部においてショート状態が維持される。ゆえに、それ以上の内部ガスの発生が抑制され、耐漏液性が向上する。
なお、本発明の実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の各実施例では、本発明をLR20(単1形)の円筒形アルカリ電池に具体化したが、他のタイプの円筒形アルカリ電池、例えば、LR14(単2形)、LR6(単3形)、LR03(単4形)、LR1(単5形)などに具体化してもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)上記手段3乃至5のいずれか1項において、前記第2の熱可塑性樹脂の体積は前記第1の熱可塑性樹脂の体積よりも大きいこと。
(2)上記手段3乃至5、上記思想1のいずれか1項において、前記第1の熱可塑性樹脂は前記正極缶の有する正極端子の内面側にある凹部の内径よりも小さい直径を有する一方、前記第2の熱可塑性樹脂は前記凹部の内径よりも大きい直径を有すること。
(3)上記手段3乃至5、上記思想1,2のいずれか1項において、前記第2の熱可塑性樹脂には1重量%以上10重量%以下の導電物質が均一に分散されていること。
(4)上記手段3乃至5、上記思想1,2のいずれか1項において、前記第2の熱可塑性樹脂には、黒鉛、カーボンブラック及び金属から選択される少なくともいずれかの導電物質が含まれていること。
(5)上記手段3に記載のアルカリ電池の製造方法であって、有底筒状の正極缶内に前記正極合剤を装填し、次に前記正極缶の底部に前記第2の熱可塑性樹脂を供給し、さらに前記第2の熱可塑性樹脂上に前記第1の熱可塑性樹脂を供給した後、前記正極合剤の中空部に前記セパレータを装填してその孔部を閉塞することを特徴とするアルカリ電池の製造方法。
(6)上記手段3に記載のアルカリ電池の製造方法であって、有底筒状の正極缶内に前記正極合剤を装填し、次に前記正極缶の底部に前記第2の熱可塑性樹脂を供給し、さらに前記正極合剤の中空部に前記セパレータを装填した後、前記セパレータの孔部に前記第1の熱可塑性樹脂を供給して当該孔部を閉塞することを特徴とするアルカリ電池の製造方法。
(7)上記手段3に記載のアルカリ電池の製造方法であって、有底筒状の正極缶内に前記正極合剤を装填し、次に前記正極缶の底部に前記第2の熱可塑性樹脂を供給した後、前記第1の熱可塑性樹脂であらかじめ孔部を閉塞した前記セパレータを、前記正極合剤の中空部に装填することを特徴とするアルカリ電池の製造方法。
(8)上記手段3に記載のアルカリ電池の製造方法であって、有底筒状の正極缶内に前記正極合剤を装填し、次に前記正極缶の底部に前記第2の熱可塑性樹脂を供給した後、前記第1の熱可塑性樹脂であらかじめ孔部を閉塞しかつ底面を前記第2の熱可塑性樹脂で覆った前記セパレータを、前記正極合剤の中空部に装填することを特徴とするアルカリ電池の製造方法。
本発明を具体化した実施形態のアルカリ電池を示す断面図。 本実施形態の変形例のアルカリ電池を示す断面図。 本実施形態の変形例のアルカリ電池の製造手順を説明するための概略図。
符号の説明
11,11A…アルカリ電池
21…正極缶
31…正極合剤
41…セパレータ
42…孔部
51…ゲル状負極合剤
90,90A…隔離材
91…第1の熱可塑性樹脂
92…第2の熱可塑性樹脂

Claims (5)

  1. 有底筒状の正極缶内にセパレータを介して正極合剤及びゲル状負極合剤が収容され、前記セパレータの底部中央部にある孔部を隔離材で閉塞することにより、前記ゲル状負極合剤と前記正極缶の底部とが隔離されたアルカリ電池において、
    前記隔離材は、電池外部でのショートに起因した発熱による温度上昇過程で溶融軟化して前記孔部の閉塞を解除する熱可塑性樹脂からなり、
    前記熱可塑性樹脂の溶融軟化に伴い、前記ゲル状負極合剤と前記正極缶の底部との間をつなぐ内部ショート経路が形成されうる
    ことを特徴とするアルカリ電池。
  2. 前記隔離材は、融点が86℃以上106℃以下の熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ電池。
  3. 前記隔離材は、融点が86℃以上106℃以下であり、前記孔部を閉塞し、かつ導電性が付与されていない第1の熱可塑性樹脂と、融点が86℃以上106℃以下であり、前記第1の熱可塑性樹脂と前記正極缶の底部との間に介在するように配置され、かつ導電性が付与された第2の熱可塑性樹脂とからなることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ電池。
  4. 前記第1の熱可塑性樹脂及び前記第2の熱可塑性樹脂は、前記温度上昇過程で溶融軟化して混ざり合い、全体として導電性を得た状態となることを特徴とする請求項3に記載のアルカリ電池。
  5. 前記第1の熱可塑性樹脂及び前記第2の熱可塑性樹脂は同種のものであり、前記第2の熱可塑性樹脂にのみ導電物質が含有されていることを特徴とする請求項4に記載のアルカリ電池。
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