JP5252644B2 - 通信システム、端末装置、その制御方法、ならびに、プログラム - Google Patents

通信システム、端末装置、その制御方法、ならびに、プログラム Download PDF

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    • Y02D30/70Reducing energy consumption in communication networks in wireless communication networks

Description

本発明は、アドホックに形成される通信効率の良い通信ネットワークを構成するのに好適な通信システム、端末装置、通信方法、ならびに、これらをコンピュータにより実現するためのプログラムに関する。
従来から、無線通信機器がアドホックに通信ネットワークを動的形成する技術が利用されている。
このような技術には、通信ネットワークに参加する複数の機器のうち1台が親機となり、その他の機器が子機となって、親機が子機を管理し、通信ネットワークに新たな機器が参加する場合は、その情報が親機に通知され、通信ネットワークから親機が抜けた場合は、残された子機のうちいずれかが親機となることで、動的に通信ネットワークの管理を行うものがある。
たとえば、Bluetooth(商標)などで利用されるピコネット(Piconet)では、このような動的な端末管理が行われている。このような通信技術については、後に掲げる文献に開示がされている。
ここで、特許文献1に開示の技術では、無線通信端末が、未定モード(通信ネットワークに参加していない状態に相当。)、上位局モード(「親機」に相当。)もしくは下位局モード(「子機」に相当。)のいずれかのモードで動作し、動的に通信ネットワークを形成する際に、データ信号を伝送する際と制御信号を伝送する際とで、送信電力を変化させる技術が開示されている。
特許第3796537号公報
ここで、効率良くアドホックな通信ネットワークを形成する際には、通信の成功率に基づいて、ある周期内において通信を行う時間帯の時間長を調整し、消費電力を適切に調整したい、という要望がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためのもので、アドホックに形成される通信効率の良い通信ネットワークを構成するのに好適な通信システム、端末装置、その制御方法、ならびに、これらをコンピュータにより実現するためのプログラムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の原理にしたがい、以下の発明を開示する。
本発明の第1の観点に係る通信システムは、複数の端末装置のそれぞれが、1つまたは2つのクラスタに含まれるノードとして機能することにより、他の端末装置と通信し、以下のように構成する。
すなわち、クラスタは、1つの上位ノードと、それ以外の下位ノードと、からなる。
一方、端末装置のそれぞれは、
(1)1つのクラスタに含まれ、当該クラスタの上位ノードとして機能するヘッドノード、
(2)1つのクラスタに含まれ、当該クラスタの下位ノードとして機能するノーマルノード、
(3)2つのクラスタに含まれ、一方のクラスタでは下位ノードとして機能し、他方のクラスタでは上位ノードとして機能するゲートウェイノード
のいずれかとして機能することにより、当該ヘッドノードを根ノード、当該ノーマルノードを葉ノード、当該ゲートウェイノードを内部ノードとする木構造を形成する。
さらに、端末装置のそれぞれは、決定部、時刻設定部、センス部、送信部、受信部を備える。
ここで、決定部は、当該端末装置が上位ノードである場合、当該端末装置と、当該端末装置が上位ノードであるクラスタに含まれる下位ノードである端末装置と、の、通信成功率に基づいて、キャリアセンスを行うべきセンス周期と、当該センス周期内において通信を行う通信時間長と、を決定する。
一方、時刻設定部は、当該端末装置が
(1)ヘッドノードである場合、決定されたセンス周期に基づいて、次にキャリアセンスを行うべきセンス時刻を定め、当該時刻と決定された通信時間長とを、端末装置がヘッドノードとして含まれるクラスタに含まれるすべてのノードに設定し、
(2)ゲートウェイノードである場合、端末装置が下位ノードとして含まれるクラスタに設定されたセンス時刻と重ならないように、決定されたセンス周期に基づいて、次にキャリアセンスを行うべきセンス時刻を定め、当該時刻と決定された通信時間長とを、端末装置が上位ノードとして含まれるクラスタに含まれるすべてのノードに設定する。
さらに、センス部は、端末装置が含まれる1つまたは2つのクラスタに対して設定されたセンス時刻にキャリアセンスを行う。
そして、送信部は、センス時刻から設定された通信時間長の間、他のノードへデータを送信する。
一方、受信部は、センス時刻から設定された通信時間長の間、他のノードからのデータを受信する。
さらに、決定部は、当該通信成功率が目標値より低ければ、当該センス周期に対する当該通信時間長の比率を高くし、当該通信成功率が目標値より高ければ、当該センス周期に対する当該通信時間長の比率を低くするように、当該センス周期と当該通信時間長とを決定する。
また、本発明の通信システムにおいて、複数の端末装置のそれぞれは、抑制部をさらに備え、以下のように構成することができる。
すなわち、抑制部は、キャリアセンスを行わず、送信を行わず、受信を行わない間、電力消費を抑制する。
また、本発明の通信システムにおいて、複数の端末装置のそれぞれは、スキャン部、ノード設定部をさらに備え、以下のように構成することができる。
すなわち、スキャン部は、端末装置が木構造に参加しようとする場合に、他の端末装置をスキャンする。
一方、ノード設定部は、参加のためのスキャンの結果、
(1)他の端末装置が発見できなかった場合、端末装置をヘッドノードに設定し、
(2)1つまたは複数の上位ノードが発見された場合、当該発見された上位ノードのうち木構造における根ノードに最も近い上位ノードを選択し、端末装置を、選択された上位ノードの下位ノードに設定し、
(3)1つまたは複数のノーマルノードが発見された場合、当該発見されたノーマルノードからいずれかを選択し、選択されたノーマルノードをゲートウェイノードに設定し、端末装置を、当該ゲートウェイノードを上位ノードとするクラスタの下位ノードに設定する。
さらに、参加のためのスキャンの結果、複数の上位ノードが発見され、発見された上位ノードのうち、木構造における根ノードに最も近い上位ノードが複数存在する場合、ノード設定部は、当該根ノードに最も近い複数の上位ノードのうち、当該上位ノードにおいて決定されたセンス周期に対する通信時間長の比率が最も低いものを選択する。
また、本発明の通信システムは、以下のように構成することができる。
すなわち、複数の端末装置のそれぞれにおいて、スキャン部は、当該端末装置が下位ノードである場合、上位ノードを切り替えるためのスキャンを行うか否かを、当該端末装置に設定されているセンス周期に対する通信時間長の比に基づいて決定し、切り替えのためのスキャンを行うことが決定された場合、他の端末装置をスキャンする。
さらに、切り替えのためのスキャンの結果、複数の上位ノードが発見された場合、ノード設定部は、当該発見された上位ノードの木構造における根ノードからの距離と、当該発見された上位ノードにおいて選択された上位ノードの決定されたセンス周期に対する通信時間長の比率と、に基づいて、いずれかの上位ノードを選択し、端末装置の上位ノードを、選択された上位ノードに設定し直す。
また、本発明の通信システムにおいて、センス周期は、複数の端末装置において共通するように定められた定数であり、以下のように構成することができる。
すなわち、複数の端末装置のそれぞれにおいて、スキャン部は、当該端末装置に設定されているセンス周期に対する通信時間長の比が、所定の閾値を超える場合、当該切り替えのためのスキャンを行うことを決定する。
一方、切り替えのためのスキャンの結果、複数の上位ノードが発見され、当該発見された上位ノードのうち、木構造における根ノードに最も近い上位ノードが複数存在する場合、ノード設定部は、当該複数存在する上位ノードのそれぞれについて、当該上位ノードを端末装置の上位ノードに設定し直すと仮定した場合の、当該複数存在する上位ノードのそれぞれにおいて決定される通信時間長を推定し、当該推定された通信時間長の総和が最短となる上位ノードを選択する。
また、本発明の通信システムにおいて、センス周期は、複数の端末装置において共通するように定められた定数であり、以下のように構成することができる。
すなわち、複数の端末装置のそれぞれにおいて、スキャン部は、当該端末装置に設定されているセンス周期に対する通信時間長の比が、当該端末装置において定められる閾値を超える場合、当該切り替えのためのスキャンを行うことを決定する。
一方、切り替えのためのスキャンの結果、複数の上位ノードが発見され、当該発見された上位ノードのうち、木構造における根ノードに最も近い上位ノードが複数存在する場合、ノード設定部は、当該複数存在する上位ノードのそれぞれについて、当該上位ノードを端末装置の上位ノードに設定し直すと仮定した場合の、当該上位ノードにおいて決定される通信時間長を推定し、当該推定された通信時間長が最短となる上位ノードを選択する。
また、本発明の通信システムの複数の端末装置のそれぞれにおいて、当該端末装置の電源残量にあらかじめ対応付けられる値を、閾値として定めるように構成することができる。
本発明のその他の観点に係る端末装置は、上記の通信システムにおける端末装置であるように構成することができる。
本発明のその他の観点に係る端末装置の制御方法は、複数の端末装置のそれぞれが、1つまたは2つのクラスタに含まれるノードとして機能することにより、他の端末装置と通信する通信システムにおける端末装置を制御し、以下のように構成することができる。
すなわち、クラスタは、1つの上位ノードと、それ以外の下位ノードと、からなる。
一方、端末装置のそれぞれは、
(1)1つのクラスタに含まれ、当該クラスタの上位ノードとして機能するヘッドノード、
(2)1つのクラスタに含まれ、当該クラスタの下位ノードとして機能するノーマルノード、
(3)2つのクラスタに含まれ、一方のクラスタでは下位ノードとして機能し、他方のクラスタでは上位ノードとして機能するゲートウェイノード
のいずれかとして機能することにより、当該ヘッドノードを根ノード、当該ノーマルノードを葉ノード、当該ゲートウェイノードを内部ノードとする木構造を形成する。
さらに、端末装置のそれぞれは、決定部、時刻設定部、センス部、送信部、受信部を備える。
そして、当該、制御方法は、端末装置のそれぞれにおいて実行される決定工程、時刻設定工程、センス工程、送信工程、受信工程を備える。
ここで、決定工程では、決定部が、当該端末装置が上位ノードである場合、当該端末装置と、当該端末装置が上位ノードであるクラスタに含まれる下位ノードである端末装置と、の、通信成功率に基づいて、キャリアセンスを行うべきセンス周期と、当該センス周期内において通信を行う通信時間長と、を決定する。
一方、時刻設定工程では、時刻設定部が、
(1)当該端末装置がヘッドノードである場合、決定されたセンス周期に基づいて、次にキャリアセンスを行うべきセンス時刻を定め、当該時刻と決定された通信時間長とを、端末装置がヘッドノードとして含まれるクラスタに含まれるすべてのノードに設定し、
(2)当該端末装置がゲートウェイノードである場合、端末装置が下位ノードとして含まれるクラスタに設定されたセンス時刻と重ならないように、決定されたセンス周期に基づいて、次にキャリアセンスを行うべきセンス時刻を定め、当該時刻と決定された通信時間長とを、端末装置が上位ノードとして含まれるクラスタに含まれるすべてのノードに設定する。
さらに、センス工程では、センス部が、端末装置が含まれる1つまたは2つのクラスタに対して設定されたセンス時刻にキャリアセンスを行う。
そして、送信工程では、送信部が、センス時刻から設定された通信時間長の間、他のノードへデータを送信する。
一方、受信工程では、受信部が、センス時刻から設定された通信時間長の間、他のノードからのデータを受信する。
さらに、決定工程では、当該通信成功率が目標値より低ければ、当該センス周期に対する当該通信時間長の比率を高くし、当該通信成功率が目標値より高ければ、当該センス周期に対する当該通信時間長の比率を低くするように、当該センス周期と当該通信時間長とを決定する。
本発明のその他の観点に係るプログラムは、ソフトウェアラジオや無線通信が可能なコンピュータ(DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を含む。)を、上記の端末装置の各部として機能させるように構成する。
当該プログラムは、コンピュータ読取可能な情報記録媒体(コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、または、半導体メモリを含む。)に記録することができる。
そして、上記の情報記録媒体は、コンピュータとは独立して配布、販売することができるほか、インターネット等のコンピュータ通信網を介して上記のプログラムそのものを配布、販売することができる。
本発明によれば、アドホックに形成される通信効率の良い通信ネットワークを構成するのに好適な通信システム、端末装置、その制御方法、ならびに、これらをコンピュータにより実現するためのプログラムを提供することができる。
本実施形態における1つのクラスタと複数の端末装置の関係を示す説明図である。 複数のクラスタをゲートウェイが連結する様子を示す説明図である。 本実施形態に係る端末装置の概要構成を示す説明図である。 複数の端末装置の動作を示す説明図である。 端末装置における状態遷移図である。 Scan手続の流れを示す説明図である。 Associate手続の流れを示す説明図である。 Stream手続の流れを示す説明図である。 Change手続の流れを示す説明図である。 Synchronize手続の流れを示す説明図である。 Disassociate手続の流れを示す説明図である。 Stop手続の流れを示す説明図である。 Hearing intervalに対するHearing periodの比を種々変更した場合の、トラフィックの量と、パケット伝送成功率と、の関係を表すグラフである。 ヘッドノードとゲートウェイノードが割り当てるHearing intervalとHearing periodの様子を示す説明図である。
以下に本発明の実施形態を説明する。なお、以下にあげる実施形態は、説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であれば、これらの各要素または全要素を、これと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も、本発明の範囲に含まれる。
なお、本願の図面では、理解を容易にするため、適宜符号を省略することがある。
図1は、本実施形態における1つのクラスタと複数の端末装置の関係を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
本図に示すように、1つのクラスタ101は、複数の端末装置121によって構成される。端末装置121には、上位ノード(本図では「P」と表記している。)と下位ノード(本図では「C」と表記している。)の2種類があり、1つのクラスタ101には、上位ノードPが必ず1個だけ含まれ、残りはすべて下位ノードCとなる。
本図に示す状態は、いわゆるスター結合に相当するもので、クラスタ101内の上位ノードPが下位ノードCに対して、各種の設定を行う。
このクラスタ101を、いわゆるピコネット構造に適用した場合には、ピコネットコーディネータ(PNC)が上位ノードPに、デバイス(DEV)が下位ノードCに、それぞれ相当する。
本実施形態では、一定の周期で、下位ノードCがセンスできるようなキャリアを、上位ノードPが送信する。このセンス周期を「Hearing interval」と呼ぶ。
下位ノードCは、キャリアのセンスを試行してから一定の通信時間長の間だけ通信を行う。上位ノードPは、センスできるキャリアを送信してから、当該一定の通信時間長の間だけ通信を行う。この通信時間長を「Hearing period」と呼ぶ。各ノードは、センス周期内の残りの時間帯においては、通信を停止することによって、消費電力の抑制を図る。
ひとつのHearing periodの中では、各ノードが、TDMA(Time Division Multiple Access)、CSMA(Carrier Sense Multiple Access)、CDMA(Code Division Multiple Access)などの通信手法により、通信を行う。
典型的には、Hearing intervalは定数、Hearing periodは上位ノードPによって下位ノードCに対して設定される変数であり、上位ノードPは、同期信号のほか、これらの設定情報を送信して、下位ノードCは、キャリアセンスの際に、これらの設定情報を受信し、値を共有するように構成するのが典型的である。
ある時点でキャリアセンスをして一旦同期がとれれば、次にキャリアセンスを行うべき時刻は、同期がとれた時点からHearing intervalだけ経過した後の時刻である。
なお、センス周期からHearing periodを減算した結果を、Hearing intervalと定義する流儀もある。ただし一般には、Hearing intervalは、Hearing periodに対して十分に長いので、上記のいずれの定義を採用しても、大きな差はない。
上記のように、上位ノードPが、キャリアセンス用の信号とともに制御信号を周期的に送信する場合には、Hearing intervalは、このセンス周期と一致するが、一旦通信時間割がクラスタ101内で共有された後は、キャリアセンスのセンス周期がクラスタ101内で共有された後は、必ずしも、同期用の制御信号を周期的に送信する必要はない。たとえば、各種の設定情報が変更された場合にのみ、上位ノードPから、キャリアセンスセンス周期に合わせて制御信号を送信する、という手法を採用しても良い。
また、制御信号には、当該上位ノードPが、木構造においてヘッドノードHからどれだけ離れているかを表す段数(ホップ数)や、現在当該クラスタ101に属しているノードの数、通信のエラー率などの情報を含めることとしても良い。
いずれの場合であっても、上位ノードPおよび下位ノードCは、Hearing interval内のHearing periodにおいてキャリアセンスを行う。
各下位ノードCは、定期的に上位ノードPが送信する(可能性がある)設定信号のキャリアセンスを定期的に行うことで、クラスタ101における各種設定が変更されていないかを確認する。
なお、上位ノードPが周期的に制御信号を送信しない態様では、このクラスタ101が現在も存続していることを確認するためには、上位ノードPがキャリアセンスを行う時間帯に、制御信号を送るよう、下位ノードCから依頼する信号を送信すれば良い。
このような構成を採用することで、各端末装置121は、自身が信号を送信する必要がなく、自身が信号を受信する必要もない時間帯を把握することができる。
このように、ある時刻からある時刻までは通信を行う必要があり、ある時刻からある時刻までは通信を行う必要がない、という設定情報を、以下「時間割」と呼ぶ。上記のように、1つのクラスタにおいて共有される時間割は、上位ノードPにおいて決定され、下位ノードCに設定される。これによって、上位ノードPと下位ノードCで、同じ時間割が利用されることになる。
本実施形態では、送受の必要がない時間帯には、端末装置121が自律的に省電力モードに移行することとし、キャリアセンスをするときや、自身が受信する時間帯となったとき、自身が送信する時間帯となったときには、通常電力モードに復帰することとする。このようにして、各端末装置121の電力消費を抑制し、運用可能時間を長くすることとする。
本願に係る技術は、このようなスター形のネットワークを組み合わせて、複数のクラスタを木構造状に連結する態様に適用される。
図2は、複数のクラスタ101をゲートウェイが連結する様子を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
本図に示すように、複数のクラスタ101のそれぞれには、複数の端末装置121が含まれているが、中には、2つのクラスタ101に属する端末装置121が存在する。
このように、2つのクラスタ101に属する端末装置121は、ゲートウェイノードと呼ばれ、本図では、記号Gで示している。
ゲートウェイノードGが属するクラスタ101は2つであるが、一方のクラスタでは、ゲートウェイノードGは図1における下位ノードCに相当し、他方のクラスタでは、ゲートウェイノードGは図1における上位ノードPに相当する。
一方、1つのクラスタ101に属する端末装置121であって、そのクラスタ101において上位ノードPとして機能するものは、ヘッドノードと呼ばれ、本図では、記号Hで示している。
それ以外の端末装置121は、1つのクラスタ101に属し、そのクラスタ101において下位ノードCとして機能する。このような端末装置121は、ノーマルノードと呼ばれ、本図では、記号Nで示している。
このような構成では、ヘッドノードHやゲートウェイノードGを介して、全端末装置121がツリー状に連結される。
ここで、ヘッドノードは、木構造でいう「根」に相当する。ノーマルノードは、木構造でいう「葉」に相当する。ゲートウェイノードは、木構造でいう「中間ノード」に相当する。
したがって、各端末装置121の間の通信は、このツリーをたどることによって可能となる。
たとえば、すべてのノードから送信される情報をヘッドノードに集約する際には、木構造の葉から根に向かって、適宜中間ノードを経由して伝送を行えば良いし、ヘッドノードから各ノードに対して情報を伝達する際には、木構造の根から葉に向かって、適宜中間ノードを経由して伝送を行うことになる。
ここで、上記のように、あるクラスタ101における上位ノードPは、そのクラスタ101における時間割を管理する。
ゲートウェイノードGは、他のゲートウェイノードGもしくはヘッドノードHから、自身が下位ノードCとして参加するクラスタ101の時間割を設定される。
一方、ゲートウェイノードGは、自身が上位ノードPとして参加するクラスタ101の時間割を自身で設定する。
そこで、ゲートウェイノードGは、2つの時間割ができるだけ重ならないように、特に、両者のキャリアセンスを行うべき時刻が重ならないように設定するのが好適である。このように構成した場合には、1つのゲートウェイノードGを介して2つのクラスタ101が近接したとしても、互いに通信が干渉し合わないようにすることもできる。
なお、実用的には、ゲートウェイノードGが、その上位ノードとは独立に時間割を設定するだけで十分である。この場合、両者のキャリアスキャンの時刻が偶然重なってしまうこともありうる。
図3は、本実施形態に係る端末装置121の概要構成を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
端末装置121は、スキャン部201、ノード設定部202、送信部203、受信部204、センス部205、抑制部206、時刻設定部207、中継部208を備える。
スキャン部201は、電源投入時等、いずれかのクラスタに参加しようとする場合に、受信部204を連続して駆動して、他の端末装置121が存在するか否かを調べる。
すでにクラスタ101が形成されていれば、そのクラスタ101の上位ノードPからキャリアセンス用の制御信号が放送されているはずであるから、これを検知することとなる。
このほか、スキャン部201は、Hearing periodに対するHearing intervalがある閾値(定数、あるいは、端末装置121の電源残量に対して定められる値)を超える場合等、上位ノードPを切り替える必要があると判断した場合にも、受信部204を連続して駆動して、他の上位ノードPが存在するか否かを調べる。
なお、ツリー形のネットワークを形成できるようにするためには、下位ノードCであっても、自身の存在を放送する制御信号を送信することとするのが典型的である。
当該下位ノードCがゲートウェイノードGでもある場合には、自身が上位ノードPとして機能する際に、クラスタ101に属する下位ノードCにセンスされるための制御信号を、Hearing periodで送信する。ゲートウェイノードGが属する2つのクラスタ101における時間割は、上記のように重複しないので、スキャンの際にも、ノードの区別が容易となる。
当該下位ノードCがノーマルノードNである場合には、上記のような制御信号の送信は行わないが、ノーマルノードNが通信を行う際に、他のノードがスキャン可能なように、自身の情報を含む信号を送出するようにする。たとえば、TDMAの場合には、自身に割り当てられたスロットの先頭で必ずこの情報を送信することとすれば良いし、CSMAの場合には、スロットを確保するためのこの情報を送信することとなる。そこで、これらの情報をスキャンするのである。
Hearing intervalが定数である構成においては、スキャン部201によるスキャンは、Hearing intervalの時間長だけ行うことによって、通信可能なすべてのノードをスキャンすることが可能となる。Hearing intervalが変化するような態様では、ある程度の合理的な時間長だけスキャンを行うこととすれば良い。
このスキャン結果に基づいて、ノード設定部202は、
(1)他の端末装置121が発見できなければ、自身をヘッドノードHに設定し、
(2)発見できた他の端末装置121がヘッドノードHであれば、自身を当該ヘッドノードHの下位ノードCとなるように、当該ヘッドノードHへ登録を申し込み、
(3)発見できた他の端末装置121がゲートウェイノードGであれば、自身を当該ゲートウェイノードGの下位ノードCとなるように、当該ゲートウェイノードGへ登録を申し込み、
(3)発見できた他の端末装置121がノーマルノードNであれば、当該ノーマルノードNの動作モードをゲートウェイノードGに移行させ、自身を当該ゲートウェイノードGの下位ノードCとなるように、当該発見された他の端末装置121へ登録を申し込む。
なお、この申し込みは、送信部203を介して行う。
このほか、ノード設定部202は、スキャン部201のスキャンの結果に応じて上位ノードPを切り替える処理も行う。
センス部205は、自身が属するクラスタ101が持続していることを確認するため、自身の上位ノードPによって設定された周期的な時刻に、受信部204を介してキャリアセンスを行う。
抑制部206は、送信部203や受信部204の電力消費を制御するもので、クラスタ101内で共有される時間割に基づいて、自身の送信の必要がない時間帯には送信部203を省電力モードとし、自身の受信の必要がない時間帯には受信部204を省電力モードとすることで、端末装置121全体の消費電力を抑制する。また、このような時間帯に合わせて、適宜、他の各部の電力消費を抑制するように設定するのが典型的である。
中継部208は、当該端末装置121が上位ノードPとして機能している場合に、他の端末装置121同士の通信を中継するもので、受信部204ならびに送信部203と協調動作する。
ある端末装置121が、あるデータを他の端末装置121(同じクラスタ101に属しているとは限らない。)を最終宛先として伝送したい場合に、送信部203は、以下のように動作するのが典型的である。
(1)当該端末装置がノーマルノードNである場合、そのデータに最終宛先を指定したまま、自身が属するクラスタ101の上位ノードPに送信する。
(2)当該端末装置がヘッドノードHもしくはゲートウェイノードGである場合、最終宛先までの経路を調べ、その経路に、当該端末装置が上位ノードPとして含まれるクラスタ101の下位ノードCがあれば、そのデータに最終宛先を指定したまま、当該下位ノードCへ送信する。
(3)当該端末装置がゲートウェイノードGである場合、最終宛先までの経路を調べ、その経路に、当該端末装置が下位ノードCとして含まれるクラスタ101の上位ノードPがあれば、そのデータに最終宛先を指定したまま、当該上位ノードPへ送信する。
受信部204があるデータを受信すると、中継部208が受信されたデータを監視しているため、以下のような処理が実行される。
(1)受信したデータの最終宛先が自身であれば、当該データを、伝送されたデータとして、他の処理に渡す。
(2)受信したデータの最終宛先が自身でなければ、当該データに最終宛先を指定したまま、送信部203に処理させる。
このようにすることで、端末装置121間のデータの伝送が可能となる。
ヘッドノードHに情報を集約する際には、ノーマルノードNやゲートウェイノードGは、自身がヘッドノードHに伝達する情報は、自身の上位ノードに送信するとともに、ゲートウェイノードGは、自身の下位ノードから受信した情報を、自身の上位ノードに送信する。
また、ヘッドノードHから情報を分配する際には、ヘッドノードHは、自身の下位ノードに情報を送信し、ゲートウェイノードGは、自身の上位ノードから受信した情報を、自身の下位ノードに送信する。
図4は、複数の端末装置121の動作を示す説明図である。本図に示す例では、Node 1、Node 2、Node 3の3つの端末装置121がやりとりをする状況を考えている。以下では、本図を参照して説明する。
Node 2に電源が入れられること等を契機として(図示せず。)、Node 2はスキャンを行うが、他の端末装置121は存在しないので、Node 2はヘッドノード(Cluster head)として機能することとなる。
次に、Node 1に電源が入れられる(Power on)。Node 1がスキャン(Scan)を行って、周囲の他の端末装置121を探すと、既にNode 2がヘッドノード(Cluster head)として機能しているので、これが発見される。
すると、Node 1は、Node 2に対しアソシエーション(Assoc.)を行い、Node 2の定める時間割に従うこととなる。
したがって、Node 1は、Node 2が上位ノードPであるクラスタ101の下位ノードCとなる。また、Node 1は、ノーマルノード(Normal node)として機能することとなる。
次にNode 3が立ち上がる(Power on)。Node 3は同様にスキャン(Scan)を行った結果、Node 2は検知できなかったが、Node 1が検知できたものとすると、Node 3は、Node 1へアソシエーション(Assoc.)を行う。
この要求に対して、Node 1は、ゲートウェイノードGとしての機能を開始(Start)するため、自身が上位ノードPとなる新たなクラスタ101を形成し、自身が下位ノードCであるクラスタ101とはできるだけ重複しない時間帯に通信を行う時間割を、新たに形成されたクラスタ101で共有するように設定する。
このようにして、Node 2とNode 1からなるクラスタ101と、Node 1とNode 3からなるクラスタ101と、の、2つのクラスタ101が階層的に構成される。
Node 3からNode 1へ、Node 1からNode 3へ、のデータ伝送は、Node 2が中継するが、Node 2とNode 1の間で通信(Stream)する時間割は、Node 2が設定したものであり、Node 1とNode 3の間で通信(Stream)する時間割は、Node 1が設定したものである。
ここで、上位ノードPがシャットダウンされる(Power off)場合等には、その時間割は廃止され、当該クラスタ101は消滅することなる。
たとえば、Node 2が停止(Stop)したり、Node 3からNode 1へ離脱(Disassoc.)要求がされた場合である。
以下では、理解を容易にするため、まず、端末装置121における基本的な構成にかかる技術を説明し、その後に、本実施形態特有の構成について、説明する。
特に、スキャンによって複数のノードが発見された場合については、本実施形態特有の構成として、後述する。
すなわち、本実施形態では、適宜上位ノードPの切り替えを行うことを特徴の一つとするが、以下の説明に係る基本的な構成では、この切り替えの構成は、説明を省略している。
図5は、端末装置121における基本的な構成にかかる状態遷移図である。以下、本図を参照して説明する。
本図に示すように、端末装置121には、状態(Status)が6種類ある。すなわち、
(1)Power offは、電源offの状態を表す。
(2)Disassociatedは、いずれのクラスタ101にも属さず、各パラメータが初期値にある状態を表す。
(3)Scannedは、いずれのクラスタ101にも属さないが、他ノードの存在等情報を有する状態を表す。
(4)Normal nodeは、あるクラスタ101に、下位ノードCとして参加しており、そのクラスタ101の上位ノードの定める時間割に従う状態を表す。
(5)Cluster headは、自身がヘッドノードとなってクラスタ101を管理し、時間割を独自に定めて動作している状態を表す。
(6)Gatewayは、自身がゲートウェイノードとなって2つのクラスタ101に参加し、一方のクラスタ101では、自身が上位ノードPとなって時間割を定めるが、他方のクラスタ101では自身が上位ノードCとなって設定された時間割にしたがう状態を表す。
また、本図に示すように、端末装置121には、状態遷移を行うための手続(Procedure)が9種類ある。
(1)Resetは、クラスタ101に関する情報等、各種パラメータを初期化する。
(2)Scanは、他ノードの存在を調べる。
(3)Startは、Hearing intervalを設定する。
(4)Associate (Assoc.)は、あるノードの下位ノードになりたい旨を通知する。当該あるノードがヘッドノードHやゲートウェイノードGである場合には、そのままその下位ノードとなるが、当該あるノードがノーマルノードCである場合には、当該あるノードの状態が変化する。
(5)Streamは、特定のノードに対し、データパケットを送信する。
(6)Changeは、Hearing intervalを変更する。
(7)Synchronize (Sync.)は、上位ノードPに対して、下位ノードCが、Hearing intervalの再同期を要求する。
(8)Disassociate (Disassoc.)は、上位ノードPに対して、下位ノードCが、クラスタ101から離脱することを通知する。
(9)Stopは、Hearing intervalを廃止し、自身の下位ノードである端末装置121に、これを通知する。
また、各端末装置121が管理する情報の一例を以下に示す。
(1)全ノードについて、ノードID(8ビット)。
(2)全ノードについて、現在のモードがCluster head/Gateway/Normal nodeのいずれであるか(2ビット)。
(3)全ノードについて、当該ノードが果たすことのできる機能が、Normal nodeのみか、それともCluster headやGatewayとして動作しうるか(1ビット)。
(4)全ノードについて、周波数や変調方式などの物理パラメータ(40ビット程度)。
(5)全ノードについて、当該ノードの優先順位(0−255、8ビット)。
(6)上位ノードについて、設定されたHearing interval(0−65535μs、16ビット)。
(7)上位ノードについて、クラスタ内ノード数(0−255、8ビット)。
(8)上位ノードについて、クラスタ内ノードID(8ビット×0−255ノード、計2048ビット)。
(9)上位ノードについて、クラスタ内ノード別正規化トラヒック(1/256−256/256erl×0−255ノード、計2048ビット)。
(10)下位ノードについて、キャリアセンス周期(0−65535μs、16ビット)。
(11)下位ノードについて、参加するクラスタの上位ノードのノードID(8ビット)。
伝送されるフレームの構造は、典型的には、プリアンブル部、ヘッダ部、ペイロード部からなる。フレームには、以下の9種類がある。
(1)Scan requestは、ヘッドノードもしくはゲートウェイノードに対して、そのクラスタに参加しようとする要求である。
(2)Scan responseは、Scan requestへの応答で、キャリアセンス周期を割り当てる。
(3)Association requestは、ノーマルノードに対して、「ゲートウェイノードになってクラスタを形成」するよう求め、形成されたクラスタに参加しようとする要求である。
(4)Association responseは、Association requestへの応答で、キャリアセンス周期を割り当てる。
(5)Synchronization requestは、上位ノードに対して、キャリアセンス周期の再同期を要求する。
(6)Synchronization responseは、Synchronization requestへの応答である。
(7)Announceは、ノード間で特定の情報を伝達する。
(8)Dataは、通常データである。
(9)Ackは、いわゆる確認応答(Acknowledgement)である。
以下、各手続の詳細について説明する。
まず、Reset手続は、ノード内のパラメータを初期化する。
次に、Scan手続は、以下のように行われる。図6は、Scan手続の流れを示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
実行ノード(Node 1)が、Scan request コマンドフレームを送信すると、本コマンドをセンスしたノード(Node 2,Node 3)は、フレーム終了までキャリアセンスを継続する。
そして、センスしたノードは、フレーム終了時のBackoff時間後に、Scan responseコマンドを返信する。
Scan responseコマンドには、Scan responseを送信したノードが、上位ノードとなれるかどうか、上位ノードとなった場合のHearing intervalに関する情報が含まれる。
さらに、Start手続は、ノードのモードや、上位ノード自身が設定するHearing interval、下位ノードが設定されるキャリアセンス周期(これは、Hearing intervalに等しい。)、その他のノード内パラメータを設定する。
そして、Associate手続は、以下のように行われる。図7は、Associate手続の流れを示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
Node 1は、Scan結果に基づいて、特定のノード(Node 3)に対してアソシエーションを要求する際に、そのノード(Node 3)が設定しているHearing intervalに従って、Association request コマンドフレームを送信する。
受信ノード(Node 3)は、Association responseコマンドを返信する。
一方、Stream手続は、クラスタ内の他のノードに対してデータを送信するもので、図8は、Stream手続の流れを示す説明図である。
本図に示すように、クラスタ内で共有される時間割センス周期(Hearing interval)にしたがって、データの伝送が行われる。
さらに、Change手続は、クラスタ内パラメータの変更をクラスタ内に周知するものである。図9は、Change手続の流れを示す説明図である。
本図に示すように、Announceコマンドフレームのマルチキャストによって、情報の周知が実現される。
そして、Synchronize手続は、上位ノードに対して、クラスタ内の下位ノードがHearing interval の再度通知を要求するものである。図10は、Synchronize手続の流れを示す説明図である。
本図に示すように、Sync.requestを送信したNode 1において、Rensponse timeout periodの中でSync.responseが受信される。Rensponse timeout periodが終了した後に、Node 1における再同期がなされる(図示せず)。
Disassociate手続は、上位ノードに対して、下位ノードが、以降はHearing intervalに従わないことを通知するものである。図11は、Disassociate手続の流れを示す説明図である。
本図に示すように、この手続は、上位ノードに対してAnnounce コマンドフレームを送信することで実現される。
Stop手続は、上位ノードが、Hearing intervalを廃止することをクラスタ内の他ノードに通知するものである。図12は、Stop手続の流れを示す説明図である。
本図に示すように、Stop手続は、Announceコマンドフレームのマルチキャストによって実現される。
さて、本実施形態では、上記のように、上位ノードPは、自身が管理するクラスタ101に参加している下位ノードCとの間の通信の状況に応じて、Hearing intervalに対するHearing periodの比を変化させる。
ある端末装置121におけるHearing periodは、制御信号の送受信はもちろん、データ伝送そのものにも利用される。Hearing periodにキャリアセンスによって自分宛の信号を検知した場合には、Hearing period終了の後も、そのまま受信を継続することによって、データを受け付けるようにするのが典型的である。
したがって、Hearing intervalに対するHearing periodの割合が高くなれば、各端末装置121における消費電力は増大するが、伝送キャパシティも大きくなる。したがって、下位ノードCの個数が多い場合に好適である。
逆に、Hearing intervalに対するHearing periodの割合が低くなれば、各端末装置121における消費電力は低減できるが、伝送キャパシティは低くなる。したがって、下位ノードCの個数が少ない場合に好適である。
したがって、たとえば「パケット誤り率が5パーセント以下」等のように、伝送キャパシティの条件が定められている場合、下位ノードCと上位ノードPとの間のトラフィックの状況によって、上位ノードPは、Hearing intervalに対するHearing periodの割合を調整することになる。
すなわち、上位ノードPと下位ノードCとの間の通信におけるパケット誤り率が、所定の目標範囲を超える(エラーが多い)場合には、Hearing intervalに対するHearing periodの割合を大きくする。
このほか、所定の目標範囲より小さい(エラーが少ない)場合には、Hearing intervalに対するHearing periodの割合を小さくすることとしても良い。Hearing intervalに対するHearing periodの割合は、小さくした方が、消費電力の抑制や、クラスタ間の時間割の衝突を防止する点から、望ましいことが多いからである。
図13は、Hearing intervalに対するHearing periodの比を種々変更した場合の、トラフィックの量と、パケット伝送成功率と、の関係を表すグラフである。以下、本図を参照して説明する。
本図は、ある諸元を用いたシミュレーション結果を示すもので、横軸(Average data packet generation interval per terminal)は、ノードあたりのデータパケット生成間隔であり、単位時間当たり平均トラフィック量の逆数に相当する。数値が大きくなればなるほど、トラフィックは少なく、数値が小さくなればなるほど、トラフィックは多い。
縦軸(Packet success rate)は、パケット伝送の成功率を意味する。グラフが上に配置されていればそれだけ、高い信頼度で通信ができることになる。
HPR(Hearing Period rate)は、センス周期(Hearing interval、もしくは、定義によっては、Hearing intervalとHearing periodの和。)に対するHearing periodの比であり、0.005、0.01、0.015、0.025、0.05、0.1、0.25の各グラフが図示されている。
データ伝送の成功率/エラー率が所望の範囲に含まれるようにするには、トラフィック量に応じて、HPRを調整することになる。
このほか、本実施形態においては、あるゲートウェイノードと、当該ゲートウェイノードの上位ノードと、の間で、時間割が一致しないように設定するのが典型的である。
図14は、ヘッドノードとゲートウェイノードが割り当てるHearing intervalとHearing periodの様子を示す説明図である。以下、本図を参照して説明する。
本図に示すように、Node 1によって設定されたHearing periodと、Node 2によって設定されるHearing periodは、できるだけ互いに重複しないように設定されている。これは、ゲートウェイノードであるNode 2が、重複を避けるように、Hearing intervalおよびHearing periodを設定するからである。
また、本図においては、Hearing intervalに対するHearing periodの割合も異なっている。これは、クラスタ101内の下位ノードCの個数や、伝送の状態が異なるためである。
パケット伝送の成功率/エラー率を求める手法としては、以下のようなものがある。すなわち、下位ノードCが上位ノードPにデータパケットを送る際、ならびに、上位ノードPが下位ノードCにデータパケットを送る際に、それぞれ、パケットの連番の番号を振っておく。そして、受信側では、受信できたパケットの番号に抜けがないか調べることで、伝送成功率/エラー率を求めることができる。
また、ノード同士の通信に、コネクション型のプロトコルが採用されている場合には、再送要求が生じた頻度を、パケット伝送のエラー率とすることができる。
以下では、本実施形態の特徴である上位ノードPの切り替えの詳細について説明する。下位ノードCは、ゲートウェイノードである場合と、ノーマルノードである場合と、の2通りがあるが、いずれの場合においても、その上位ノードPを切り替えることが可能である。
ここで、自身が属するクラスタ101の上位ノードPとの通信が可能であるにもかかわらず、上位ノードPを切り替えて、他のノードを上位ノードとして選択すると、自身が属するクラスタ101を変更することとなる。この場合、自身がノーマルノードNであれば、切り替えの後も自身はノーマルノードNのままであり、自身がゲートウェイノードGであれば、切り替えの後も自身はゲートウェイノードGのままである。
さて、ある下位ノードCが上位ノードPの切り替えを検討する契機としては、以下のような状況が考えられる。
(1)通信効率が悪い場合。当該下位ノードCから送出したパケットが宛先に到達せず再送を行った割合、現在の上位ノードPから通知されたパケット誤り率、現在のHPR等がある閾値を超えた場合、あるいは、ある範囲から逸脱した場合、とするのが典型的である。
(2)電源残量が少なくなった場合。たとえば、現在の電源残量から見て現在のHPRが適切な値(あらかじめ当該下位ノードCにおいて設定された省電力パラメータ)となっているかを見るものである。
(3)定期的に行う場合。一定期間が経過するごとに、他の上位ノードPへの切り替えを検討するものである。なお、上記(1)(2)の場合であっても、前回切り替えを検討してから、次に切り替えを検討するまでには、少なくとも一定期間の経過を要するように構成するのが典型的である。
切り替えを検討することとなった場合には、Scan手続と同様の処理を実行する。当該Scan手続によって、上位ノードPが1つだけ発見された場合には、当該発見された上位ノードPは、現在参加しているクラスタ101の上位ノードPと考えられるから、上位ノードPの切り替えは不要である。
複数の上位ノードPが発見された場合には、切り替え先の上位ノードPを、以下のように決定する。
(1)まず、発見された上位ノードPのうち、木構造におけるヘッドノードHからの距離(ホップ数)が最小のものを探す。距離最小の上位ノードPが1つだけである場合には、当該上位ノードPを切り替え先として選択する。
(2)距離最小の上位ノードPが複数発見された場合には、その中からいずれかを選択することとなる。通信効率や電源残量の観点から、比較を行って、いずれか1つを選択する。
(3)選択された上位ノードPが、現在の上位ノードPと一致する場合には、特段の処理は必要としないが、異なる場合には、現在の上位ノードPからのDisassociate手続と、選択された新たな上位ノードPへのAssociate手続を実行して、上位ノードPを切り替える。
また、電源投入後など、端末装置121が木構造に新規に参加しようとする場合に、Scan結果が複数であった場合には、上記(1)(2)と同様の処理を行って、参加先のクラスタ110の上位ノードPを選択し、その上位ノードPへのAssociate手続を実行する。
通信効率や電源残量の観点から比較を行う手法について、具体的に説明する。
まず、通信効率に基づいて、上位局の候補の比較を行う手法について説明する。
端末装置121は、ヘッドノードからのホップ数が等しい複数の上位ノードP(0番目、1番目、…、N番目からなり、合計(N+1)個)のそれぞれから送信されている制御信号を見て、以下のような情報を得る。ただし、切り替えを検討している下位ノードCは、0番目の上位ノードPが管理するクラスタ101に属しているものとする。
(1)各上位ノードPが管理するクラスタ101に参加しているノードの総数。以下、i番目の上位ノードPのクラスタ101に参加しているノード総数をC[i]と表記する。
(2)各上位ノードPが管理するクラスタ101におけるHPRの値。以下、i番目の上位ノードPのクラスタ101におけるHPR値をH[i]と表記する。
最も単純な近似では、0番目の上位ノードPが管理するクラスタ101から、当該下位ノードCが離脱すると、当該クラスタ101におけるHPR値は、
H[0]×(C[0]−1)/C[0]
に更新される、と考えられる。
一方、当該下位ノードCが、i番目の上位ノードPが管理するクラスタ101に参加したとすると、当該クラスタ101におけるHPR値は、
H[i]×(C[i]+1)/C[i]
に更新される、と考えられる。
そこで、上位ノードPをi番目に切り替えると、全体のHPRの変化Δ[i]は、
Δ[i] = H[0]×(C[0]−1)/C[0] + H[i]×(C[i]+1)/C[i] − H[0] − H[i]
となる。この値をi = 0,1,…,Nのそれぞれについて計算する。
HPRは、伝送効率や消費電力の観点からすると、できるだけ小さい方が望ましい。したがって、Δ[0],Δ[1],…,Δ[N]のうち、値が最小のものがΔ[k]であるとすると、k番目の上位ノードPを切り替え先として選択するのが良い、ということになる。
この場合、切り替えには手間がかかること、Δ[0] = 0であることから、
Δ[k]<0
が成立し、かつ、最小となるようにkを選べば良い。
上記の説明では、各クラスタ101に属する下位ノードC同士のトラフィックは同程度である、との前提で推測を行ったが、上位ノードPから下位ノードCに対してトラフィック総量が通知されるような形態では、さらに詳細な検討が可能である。
すなわち、下位ノードCは、自身が原因となっているトラフィック量を積算する。そして、自分が離脱したり参加したりした後のクラスタ101のトラフィック総量を計算し、計算されたトラフィック総量からHPR値を推測するのである。
この場合には、HPR値を比例案分するのではなく、図13に示すようなグラフを用いても良い。図13のグラフでは、トラフィック量としてデータパケットの平均送出時間間隔が採用されており、通信状況としてデータ転送成功率が採用されている。
そこで、切り替え前のトラフィック量から、切り替え後のトラフィック量を推測する。たとえば、i番目の上位ノードPが現在受け付けているトラフィック量をA[i]とし、当該下位ノードCを原因とするトラフィック量をaとすると、切り替えによって、0番目の上位ノードのトラフィック量は(A[0]−a)、i番目の上位ノードのトラフィック量は(A[i]+a)となる。
そして、必要とされるデータ伝送成功率と、推測されたトラフィック量と、から、HPRがどの程度となるか、を、図13に示すような実測値グラフによって推測する。そして、HPRの総量ができるだけ減少するように、切り替えるのである。
図13に示すようなグラフは、あらかじめ用意することとしても良いし、各端末装置121が、設定されたHPR値と自身の通信状況との履歴を保存することによって、グラフに相当する情報を得ることとしても良い。
なお、トラフィック量からHPRを定める関数がH(・)のように得られており、HPRから現在のトラフィック量を得る関数がH-1(・)のように得られていれば、
A[0] = H-1(H[0]);
A[i] = H-1(H[i])
のように計算ができるから、上位ノードPから下位ノードCへ現在のトラフィック量を通知する必要はない。
また、切り替えがされたとすると、それぞれのHPRは、H(A[0]−a)、H(A[i]+a)となるから、HPRの総量の変化Δ[i]は、
Δ[i] = H(H-1(H[0])−a) + H(H-1(H[i])+a) − H[0] − H[i]
のように計算ができる。このような関数H(・)、H-1(・)は、図13のようなグラフに基づいて、適宜定めることができる。
このように、H(・)、H-1(・)により、切り替えたとした場合の推測値を計算することで、いずれが好ましい切り替え先かを決定する手法についても、本発明の範囲に含まれる。
次に、端末装置121の電源残量に基づいて、上位局の候補の比較を行う手法について説明する。
この態様は、端末装置121の稼働時間を長くしたい場合に好適である。このためには、電源残量が少なくなってきた場合には、HPRを小さくする必要がある。
そこで、各端末装置121の省電力設定として、各電源残量と目標HPR値とを、電源残量が少なくなればなるほど、目標HPR値が小さくなるように、あらかじめ対応付けておく。
そして、端末装置121は、現在の電源残量を取得し、その電源残量に対応付けられる目標HPR値と、現在自身に設定されているHPRとを比較して、目標HPR値の方が小さければ、上位ノードPの切り替えを検討するのである。
ヘッドノードHからの距離が最小の上位ノードPが複数発見された場合には、その中から、HPRが最小のものを選択することとしても良いし、HPRが目標HPR値以下で最大のもの(目標HPR値を上限として、目標HPR値に最も近いもの)を選択することとしても良い。
なお、電源残量に基づく手法を用いる場合には、ヘッドノードHからのホップ数は考慮せず、発見された上位ノードPすべてについて、上記のような比較を行い、適切なものを選択する、という手法を採用することもできる。
このほか、比較の手法としては、現在のH[0],H[1],…,H[N]のうち、最小のものがH[k]であれば、k番目の上位ノードPに切り替える、あるいは、k番目の上位ノードPが管理するクラスタ101に新規参加する、という手法や、各上位ノードPからの制御信号の受信電力強度を測定して、当該強度が最大の上位ノードPに切り替える、あるいは、受信強度最大の上位ノードPが管理するクラスタ101に新規参加する、等の単純な手法を採用することもできる。
また、各端末装置121は、定期的に、切り替えを検討することとしても良い。すなわち、端末装置121が切り替えを検討してスキャンを実行しても、結局切り替えは行わなかった後は、一定期間は、切り替え用のスキャンは行わないこととするものである。
このように、本実施形態においては、通信効率や電源残量などに基づいて上位ノードの切り替えを適切に行うことによって、木構造ネットワーク全体の通信効率を向上させたり、電力消費を抑制することができるようになる。
以上説明したように、本発明によれば、アドホックに形成される通信効率の良い通信ネットワークを構成するのに好適な通信システム、端末装置、その制御方法、ならびに、これらをコンピュータにより実現するためのプログラムを提供することができる。
101 クラスタ
121 端末装置
201 スキャン部
202 ノード設定部
203 送信部
204 受信部
205 センス部
206 抑制部
207 時刻設定部
208 中継部

Claims (11)

  1. 複数の端末装置のそれぞれが、1つまたは2つのクラスタに含まれるノードとして機能することにより、他の端末装置と通信する通信システムであって、
    (a)前記クラスタは、1つの上位ノードと、それ以外の下位ノードと、からなり、
    (b)前記端末装置のそれぞれは、
    (1)1つのクラスタに含まれ、当該クラスタの上位ノードとして機能するヘッドノード、
    (2)1つのクラスタに含まれ、当該クラスタの下位ノードとして機能するノーマルノード、
    (3)2つのクラスタに含まれ、一方のクラスタでは下位ノードとして機能し、他方のクラスタでは上位ノードとして機能するゲートウェイノード
    のいずれかとして機能することにより、当該ヘッドノードを根ノード、当該ノーマルノードを葉ノード、当該ゲートウェイノードを内部ノードとする木構造を形成し、
    (c)前記端末装置のそれぞれは、
    当該端末装置が上位ノードである場合、当該端末装置と、当該端末装置が上位ノードであるクラスタに含まれる下位ノードである端末装置と、の、通信成功率に基づいて、キャリアセンスを行うべきセンス周期と、当該センス周期内において通信を行う通信時間長と、を決定する決定部、
    当該端末装置が
    (1)ヘッドノードである場合、前記決定されたセンス周期に基づいて、次にキャリアセンスを行うべきセンス時刻を定め、当該時刻と前記決定された通信時間長とを、前記端末装置がヘッドノードとして含まれるクラスタに含まれるすべてのノードに設定し、
    (2)ゲートウェイノードである場合、前記端末装置が下位ノードとして含まれるクラスタに設定されたセンス時刻と重ならないように、前記決定されたセンス周期に基づいて、次にキャリアセンスを行うべきセンス時刻を定め、当該時刻と前記決定された通信時間長とを、前記端末装置が上位ノードとして含まれるクラスタに含まれるすべてのノードに設定する
    時刻設定部、
    前記端末装置が含まれる1つまたは2つのクラスタに対して設定されたセンス時刻にキャリアセンスを行うセンス部、
    前記センス時刻から前記設定された通信時間長の間、他のノードへデータを送信する送信部、
    前記センス時刻から前記設定された通信時間長の間、他のノードからのデータを受信する受信部
    を備え、
    前記決定部は、当該通信成功率が目標値より低ければ、当該センス周期に対する当該通信時間長の比率を高くし、当該通信成功率が目標値より高ければ、当該センス周期に対する当該通信時間長の比率を低くするように、当該センス周期と当該通信時間長とを決定する
    ことを特徴とする通信システム。
  2. 請求項1に記載の通信システムであって、
    前記複数の端末装置のそれぞれは、
    前記キャリアセンスを行わず、前記送信を行わず、前記受信を行わない間、電力消費を抑制する抑制部
    をさらに備えることを特徴とする通信システム。
  3. 請求項1または2に記載の通信システムであって、
    前記複数の端末装置のそれぞれは、
    前記端末装置が前記木構造に参加しようとする場合に、他の端末装置をスキャンするスキャン部、
    前記参加のためのスキャンの結果、
    (1)他の端末装置が発見できなかった場合、前記端末装置をヘッドノードに設定し、
    (2)1つまたは複数の上位ノードが発見された場合、当該発見された上位ノードのうち前記木構造における前記根ノードに最も近い上位ノードを選択し、前記端末装置を、前記選択された上位ノードの下位ノードに設定し、
    (3)1つまたは複数のノーマルノードが発見された場合、当該発見されたノーマルノードからいずれかを選択し、前記選択されたノーマルノードをゲートウェイノードに設定し、前記端末装置を、当該ゲートウェイノードを上位ノードとするクラスタの下位ノードに設定する
    ノード設定部
    をさらに備え、
    前記参加のためのスキャンの結果、複数の上位ノードが発見され、前記発見された上位ノードのうち、前記木構造における前記根ノードに最も近い上位ノードが複数存在する場合、前記ノード設定部は、当該根ノードに最も近い複数の上位ノードのうち、当該上位ノードにおいて決定されたセンス周期に対する通信時間長の比率が最も低いものを選択する
    ことを特徴とする通信システム。
  4. 請求項3に記載の通信システムであって、
    前記複数の端末装置のそれぞれにおいて、前記スキャン部は、当該端末装置が下位ノードである場合、上位ノードを切り替えるためのスキャンを行うか否かを、当該端末装置に設定されているセンス周期に対する通信時間長の比に基づいて決定し、切り替えのためのスキャンを行うことが決定された場合、他の端末装置をスキャンし、
    前記切り替えのためのスキャンの結果、複数の上位ノードが発見された場合、前記ノード設定部は、当該発見された上位ノードの前記木構造における前記根ノードからの距離と、当該発見された上位ノードにおいて前記選択された上位ノードの決定されたセンス周期に対する通信時間長の比率と、に基づいて、いずれかの上位ノードを選択し、前記端末装置の上位ノードを、前記選択された上位ノードに設定し直す
    ことを特徴とする通信システム。
  5. 請求項4に記載の通信システムであって、前記センス周期は、前記複数の端末装置において共通するように定められた定数であり、
    前記複数の端末装置のそれぞれにおいて、
    前記スキャン部は、当該端末装置に設定されているセンス周期に対する通信時間長の比が、所定の閾値を超える場合、当該切り替えのためのスキャンを行うことを決定し、
    前記切り替えのためのスキャンの結果、複数の上位ノードが発見され、当該発見された上位ノードのうち、前記木構造における前記根ノードに最も近い上位ノードが複数存在する場合、前記ノード設定部は、当該複数存在する上位ノードのそれぞれについて、当該上位ノードを前記端末装置の上位ノードに設定し直すと仮定した場合の、当該複数存在する上位ノードのそれぞれにおいて決定される通信時間長を推定し、当該推定された通信時間長の総和が最短となる上位ノードを選択する
    ことを特徴とする通信システム。
  6. 請求項4に記載の通信システムであって、前記センス周期は、前記複数の端末装置において共通するように定められた定数であり、
    前記複数の端末装置のそれぞれにおいて、
    前記スキャン部は、当該端末装置に設定されているセンス周期に対する通信時間長の比が、当該端末装置において定められる閾値を超える場合、当該切り替えのためのスキャンを行うことを決定し、
    前記切り替えのためのスキャンの結果、複数の上位ノードが発見され、当該発見された上位ノードのうち、前記木構造における前記根ノードに最も近い上位ノードが複数存在する場合、前記ノード設定部は、当該複数存在する上位ノードのそれぞれについて、当該上位ノードを前記端末装置の上位ノードに設定し直すと仮定した場合の、当該上位ノードにおいて決定される通信時間長を推定し、当該推定された通信時間長が最短となる上位ノードを選択する
    ことを特徴とする通信システム。
  7. 請求項6に記載の通信システムであって、
    前記複数の端末装置のそれぞれにおいて、当該端末装置の電源残量にあらかじめ対応付けられる値を、前記閾値として定める
    ことを特徴とする通信システム。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の通信システムにおける端末装置。
  9. 複数の端末装置のそれぞれが、1つまたは2つのクラスタに含まれるノードとして機能することにより、他の端末装置と通信する通信システムにおける端末装置を制御する制御方法であって、
    (a)前記クラスタは、1つの上位ノードと、それ以外の下位ノードと、からなり、
    (b)前記端末装置のそれぞれは、
    (1)1つのクラスタに含まれ、当該クラスタの上位ノードとして機能するヘッドノード、
    (2)1つのクラスタに含まれ、当該クラスタの下位ノードとして機能するノーマルノード、
    (3)2つのクラスタに含まれ、一方のクラスタでは下位ノードとして機能し、他方のクラスタでは上位ノードとして機能するゲートウェイノード
    のいずれかとして機能することにより、当該ヘッドノードを根ノード、当該ノーマルノードを葉ノード、当該ゲートウェイノードを内部ノードとする木構造を形成し、
    (c)前記端末装置のそれぞれは、決定部、時刻設定部、センス部、送信部、受信部を備え、
    前記制御方法は、前記端末装置のそれぞれにおいて、
    前記決定部が、当該端末装置が上位ノードである場合、当該端末装置と、当該端末装置が上位ノードであるクラスタに含まれる下位ノードである端末装置と、の、通信成功率に基づいて、キャリアセンスを行うべきセンス周期と、当該センス周期内において通信を行う通信時間長と、を決定する決定工程
    前記時刻設定部が、
    (1)当該端末装置がヘッドノードである場合、前記決定されたセンス周期に基づいて、次にキャリアセンスを行うべきセンス時刻を定め、当該時刻と前記決定された通信時間長とを、前記端末装置がヘッドノードとして含まれるクラスタに含まれるすべてのノードに設定し、
    (2)当該端末装置がゲートウェイノードである場合、前記端末装置が下位ノードとして含まれるクラスタに設定されたセンス時刻と重ならないように、前記決定されたセンス周期に基づいて、次にキャリアセンスを行うべきセンス時刻を定め、当該時刻と前記決定された通信時間長とを、前記端末装置が上位ノードとして含まれるクラスタに含まれるすべてのノードに設定する
    時刻設定工程、
    前記センス部が、前記端末装置が含まれる1つまたは2つのクラスタに対して設定されたセンス時刻にキャリアセンスを行うセンス工程、
    前記送信部が、前記センス時刻から前記設定された通信時間長の間、他のノードへデータを送信する送信工程、
    前記受信部が、前記センス時刻から前記設定された通信時間長の間、他のノードからのデータを受信する受信工程、
    を備え、
    前記決定工程にて、当該通信成功率が目標値より低ければ、当該センス周期に対する当該通信時間長の比率を高くし、当該通信成功率が目標値より高ければ、当該センス周期に対する当該通信時間長の比率を低くするように、当該センス周期と当該通信時間長とを決定する
    ことを特徴とする制御方法。
  10. 通信機能を有する複数のコンピュータのそれぞれを、請求項1から7のいずれか1項に記載の通信システムにおける複数の端末装置のいずれかとして機能させることを特徴とするプログラム。
  11. 通信機能を有するコンピュータを、請求項8に記載の端末装置の各部として機能させることを特徴とするプログラム。
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