〔パチンコ遊技機の全体構造〕
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図8を参照して実施形態に係るパチンコ遊技機の全体について説明する。図1は、実施形態に係るパチンコ機1の外枠2に対して本体枠3を開放し、本体枠3に対して扉枠5を開放した状態を示す斜視図であり、図2は、パチンコ遊技機の正面から見た斜視図であり、図3は、パチンコ機1の正面図であり、図4は、パチンコ機1の側面図であり、図5は、パチンコ機1の平面図であり、図6は、パチンコ機1の背面図であり、図7は、パチンコ機1を構成する外枠2、本体枠3、遊技盤4、扉枠5の後方から見た分解斜視図であり、図8は、パチンコ機1を構成する外枠2、本体枠3、遊技盤4、扉枠5の前方から見た分解斜視図である。
図1乃至図8において、本実施形態に係るパチンコ機1は、島(図示しない)に設置される外枠2と、該外枠2に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4を装着し得る本体枠3と、該本体枠3に開閉自在に軸支され且つ前記遊技盤4に形成されて球が打ち込まれる遊技領域605を遊技者が視認し得る遊技窓101と該遊技窓101の下方に配置され且つ遊技の結果によって払出される球を貯留する貯留皿としての皿ユニット300とを備えた扉枠5と、を備えて構成されている。
外枠2には、その下方前方に表面が装飾カバー板15によって被覆されている下部前面板14が固着されている。また、本体枠3には、上記したように遊技盤4が着脱自在に装着し得る他に、その裏面下部に打球発射装置650と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板等が一纏めに設けられている基板ユニット1100が取り付けられ、本体枠3の後面開口580(図7参照)を覆うカバー体1250が着脱自在に設けられている。更に、扉枠5には、上記した皿ユニット300の他に、遊技窓101を閉塞するようにガラスユニット250と、ハンドル装置460とが設けられている。そして、本実施形態の特徴は、扉枠5に設けられる皿ユニット300が1つであり、しかも、従来は本体枠3に設けられていたハンドル装置460が扉枠5に設けられ、また、扉枠5と本体枠3とが正面から見てほぼ同じ方形の大きさであるため、正面から本体枠3が視認できなくした点である。以下、パチンコ機1を構成する部材について詳細に説明する。
〔外枠〕
外枠2について、主として図9乃至図13を参照して説明する。図9は、外枠2の正面斜視図であり、図10は、同外枠2の正面から見た分解斜視図であり、図11は、同外枠2の正面図であり、図12は、同外枠2の背面図であり、図13は、図11のB−B断面図(A)と図13(A)のC−C断面図(B)、D−D断面図(C)、E−E断面図(D)である。
図9及び図10において、本実施形態に係る外枠2は、上下の上枠板10及び下枠板11と左右の側枠板12,13とを、それぞれの端部を連結するための連結部材19で連結することによって方形状に組み付けられるものである。具体的には、連結部材19は、中央と左右とに段差のある表彰台状に形成され、突出した中央の部分が上枠板10及び下枠板11の両端部中央に形成された係合切欠部20に嵌合され、一段下がった左右の部分の平面に上枠板10の裏面と下枠板11の上面とが当接し且つ一段下がった左右の部分の一側面に側枠板12,13の内側面が当接するようになっている。
なお、本実施形態における上枠板10及び下枠板11は、本発明の横枠に相当し、また、本例の左右の側枠板12,13は、本発明の縦枠に相当している。
そして、その状態で、上枠板10の係合切欠部20の両側方及び下枠板11の係合切欠部20の両側方にそれぞれ形成される挿通穴21と連結部材19の一段下がった左右の部分の平面に形成される複数(図示の場合2個)の連結穴22(図10の上枠板10と側枠板12とを連結する連結部材19に表示するが、他の連結部材19にも存在する)とを一致させて上方又は下方から複数(図示の場合2本)の連結ビス23で止着し、更に、側枠板12,13の上下端部分に穿設される複数(図示の場合2個)の取付穴24と連結部材19の一段下がった左右の部分の側面に形成される複数(図示の場合3個)の連結穴25とを一致させて側方外側から複数(図示の場合3本)の連結ビス26,27で止着することにより、上下の上枠板10及び下枠板11と左右の側枠板12,13とが強固に連結固定される。ただし、3本の連結ビス26,27のうち、1本の連結ビス27は、側枠板12,13と連結部材19とを連結するものではなく、上枠板10及び下枠板11と連結部材19とを側方から直接連結するものである。
外枠2を構成する上枠板10と下枠板11、及び側枠板12,13のうち、上枠板10と下枠板11とは従来と同じ木製であり、側枠板12,13は、軽量金属、例えば、アルミニュウム合金の押出し成型板により構成されている。上枠板10及び下枠板11を従来と同じ木製で構成した理由は、パチンコ機1を遊技場に列設される島に設置する場合に、島の垂直面に対し所定の角度をつけて固定する作業を行う必要があるが、そのような作業は上枠板10及び下枠板11と島とに釘を打ち付けて行われるため、釘を打ち易くするためである。一方、側枠板12,13をアルミニュウム合金の押出し成型板により構成した理由は、従来の木製に比べ強度を維持しつつ肉厚を薄く形成することができるため、側枠板12,13の内側に隣接する本体枠3の側面壁540〜543(図23参照)の正面から見たときの左右幅を広くすることができる。このため左右方向の寸法の大きな遊技盤4を本体枠3に装着することができることになり、結果的に遊技盤4の遊技領域605を大きく形成することができるからである。
なお、側枠板12,13をアルミニュウム合金の平板で構成すると、充分な剛性が確保できないため、図13(C)に示すように、側枠板12(側枠板13も全く同じ構造である。)の後方部分内側にリブによって後方が開放した空間部28(側枠板13の空間部28は図12に表示)を形成して後方部分の肉厚h1が厚くなるように引き抜き成型されている。もちろん、この肉厚h1は、従来の木製の肉厚と同等若しくは若干薄い寸法となっている。
また、図13(B),(D)に示すように、側枠板12の空間部28の前方には、連結部材19の一段下がった左右の部分の一方の部分が嵌め込まれる溝部29(側枠板13の溝部29は図9に表示)が形成されている。側枠板12の溝部29から前端部までは、図13(B)〜(D)に示すように、その内側面が連結部材19の一段下がった左右の部分の他方の部分が当接する平板状をなすものであるが、その平板部に材料軽減のための浅い凹部が形成されている。更に、前記溝部29が形成される反対側の面(外側面)には、図9及び図13(B)に示すように、上支持金具45の垂下片部53が挿入される凹部30(側枠板13の凹部30は図10に表示)が形成されている。
そして、上記のように形成される軸支側の側枠板12には、連結部材19を取り付けるための構成以外に、その上部に上支持金具45の垂下片部53を側枠板12の外側に止着ビス32で止着するための取付穴31が穿設されると共に、その下部に下支持金具66の垂直当接片72に形成される取付穴69と一致させて止着ビス34で止着するための取付穴33が穿設されている。また、取付穴33の下部であって側枠板12の前方部分に側枠板12と下部前面板14とを止着ビス36で止着するための取付穴35が形成されている。
一方、開放側の側枠部13には、連結部材19を取り付けるための構成以外に、その上部に閉鎖用突起38を取付ネジ39で取り付けるための取付穴37が穿設され、その下部に閉鎖用突起41を取付ネジ42で取り付けるための取付穴40が穿設されると共に、さらに最下方に側枠板13と下部前面板14とを止着ビス44で止着するための取付穴43が形成されている。
なお、この閉鎖用突起38,41は、外枠2に対して本体枠3を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取り付けられる錠装置1000のフック部1054,1065(図67参照)と係合するものであり、後に詳述するように錠装置1000のシリンダー錠1010に鍵を差し込んで一方に回動することにより、フック部1054,1065と閉鎖用突起38,41との係合が外れて本体枠3を外枠2に対して開放することができるものである。
また、下枠板11と左右の側枠板12,13の下部前面に固定される下部前面板14は、閉止時においてその上面に本体枠3が載置されるものであり、下部前面板14の表面及び側面は、装飾カバー板15によって被覆されているが、装飾カバー板15の裏面に、その後端に弾性爪が形成される止着突起16(図12参照)が突設され、その止着突起16が下部前面板14に貫通される止着穴17に貫通させられることにより下部前面板14に取り付けられている。なお、外枠2の装飾カバー板15の開放側の上面には、本体枠3の閉止時に該本体枠3をスムーズに案内するための案内板18が交換可能に装着されている。
ところで、本体枠3を開閉自在に軸支する構造として、上枠板10と側枠板12とを連結する機能も兼用する上支持金具45と下部前面板14の一側上面に沿って取り付けられる下支持金具66とが設けられている。上支持金具45には、前方に突出している支持突出片46に該支持突出片46の側方から先端中央部に向かって屈曲して形成された支持鉤穴47が形成されており、この支持鉤穴47に本体枠3の後述する上軸支金具503の軸支ピン504(図25参照)が着脱自在に係合されるようになっている。
また、下支持金具66も前方に突出した形状に形成されているが、この突出した部分に上向きに支持突起68が突設され、この支持突起68に本体枠3の後述する枠支持板506(図26参照)に形成される支持穴が挿入される。したがって、外枠2に本体枠3を支持するためには、下支持金具66の支持突起68に本体枠3の枠支持板506に形成される支持穴を係合させた後、本体枠3の上軸支金具503の軸支ピン504を支持鉤穴47に掛け止めることにより簡単に開閉自在に軸支することができる。
また、上支持金具45は、上枠板10の軸支側の上面及び前面に凹状に形成される取付段部49に装着されるものであるが、その装着に際し、上支持金具45に形成される複数(図示の場合2個)の取付穴48と取付段部49に穿設される複数(図示の場合2個)の取付穴50とを一致させて取付ビス51を上方から差し込み、上枠板10の裏面から押し当てられる挟持板52に止着することにより上支持金具45が上枠板10に堅固に固定される。
また、上支持金具45の外側側方には、側枠板12の外側に当接する垂下片部53があり、その垂下片部53にも取付穴が穿設され、この取付穴と前記取付穴31とを止着ビス32で止着することにより、上支持金具45と側枠板12とを固定すると共に、上枠板10と側枠板12とを上支持金具45を介して連結している。
一方、下支持金具66は、前述したように側枠板12の取付穴33と垂直当接片72の取付穴69とを一致させた状態で止着ビス34で止着し、さらに、下支持金具66の水平面の中程に穿設される取付穴70に取付ネジ71を差し込むことにより、前記装飾カバー板15を介して前記下部前面板14の上面に止着されるものである。
上記のように構成される外枠2において、その構成部材である上枠板10と下枠板11と側枠板12,13とを連結部材19で連結することにより、連結部材19が側枠板12,13の内面に密着して止着されると共に連結部材19と上枠板10及び下枠板11が係合した状態で止着されるので、その組み付け強度が高く頑丈な方形状の枠組みとすることができる。上記した連結部材19と上枠板10及び下枠板11との係合状態に加え、連結部材19の側枠板12,13への取り付けに際し、溝部29に連結部材19の一段下がった左右の部分の一方の部分が嵌め込まれる構造であるため、連結部材19の側枠板12,13への取り付けが強固となり、これによっても方形状の枠組みの強度を向上することができると共にその位置決めを正確に行うことができる。
また、連結部材19によって上枠板10、下枠板11、側枠板12,13を連結した後、上支持金具45を所定の位置に取り付けたときに、図11及び図12に示すように、各枠板10,11,12,13の外側面(外周面)から外側に突出する部材は存在しないので、パチンコ機1を図示しないパチンコ島台に設置する際に、隣接する装置(例えば、隣接する玉貸器)と密着して取り付けることができる。また、下支持金具66を取り付けたときにも、下部前面板14の上面と下支持金具66の上面とがほぼ同一平面となるようになっている。
〔扉枠〕
次に、上記した本体枠3の前面側に開閉自在に設けられる扉枠5について、図14乃至図19を参照して説明する。図14は、扉枠5の正面図であり、図15は、扉枠5の背面図であり、図16は、図14に表示されるA−A断面図であり、図17は、図14に表示されるB−B断面図であり、図18は、扉枠5の正面から見た分解斜視図であり、図19は、扉枠5の背面から見た分解斜視図である。
図14、図15、図18及び図19に示すように、扉枠5は、方形状に形成される扉枠本体100の上部に縦長六角形状の遊技窓101が形成され、該遊技窓101の前面周囲に扉レンズユニット120が取り付けられ、また、遊技窓101の下方の板状部の前面に扉枠本体100に皿ユニット300が設けられ、その皿ユニット300の一側(開放側)にハンドル装置460の操作ハンドル部461が突設固定されている。また、扉枠本体100の裏面には、遊技窓101の周囲に補強板金210が固定され、遊技窓101を閉塞するようにガラスユニット250が取り付けられると共に、前記遊技窓101の下方の板状部の裏面に、前記操作ハンドル部461に対応するジョイントユニット480、装着台280、及び枠装飾中継基板290がそれぞれ取り付けられている。なお、ガラスユニット250の裏面下部には、防犯機能を有する防犯カバー270も装着されている。以下、扉板5を構成する上記の各構成部材のより詳細な構造について説明する。
<扉枠本体>
図18及び図19に示すように、扉枠本体100は、合成樹脂によって額縁状に形成され、前述したように上方部に縦長六角形状の遊技窓101が形成され、その遊技窓101の下方が板状部となっている。遊技窓101の上部左右には、後述するスピーカ163を貫通させる円形状のスピーカ用開口102が形成され、そのスピーカ用開口102の下方に後述するガラスユニット250の止め片254を係止するための止めレバー108(図15参照)が回動自在に設けられている。なお、本実施形態に係る遊技窓101は、従来に比べて上下方向及び左右方向の寸法が大きくなった遊技盤4が取り付けられるため、遊技窓101の上下方向及び左右方向の寸法も大きくなっている。このため、後述する扉枠レンズユニット120の形状が従来一般的に知られているものと大きく相違する。
一方、遊技窓101の下方の板状部には、軸支側上部に皿ユニット300の賞球連絡樋451が貫通する賞球通過口103が開設され、その斜め中央寄りに後述する側面開口蓋406を脱着するための蓋用開口105が開設され、その蓋用開口105の開放側の隣接する位置に球送りユニット287を装着するための球送り開口104が開設され、さらに球送り開口104のさらに開放側寄りにシリンダー錠1010が貫通するための錠穴106が開設されている。
また、球送り開口104の下方の板状部の裏面側にジョイントユニット480を取り付けるためのジョイントユニット装着凹部107が形成され、同じく下方の板状部の裏面側の遊技窓101の下部左右にガラスユニット250の掛止突片255を掛け止めるための係合受片(図示せず)が形成され、その係合受片の側方に防犯カバー270の後述する装着弾性片273が装着される装着開口部110が形成されている。また、板状部の前面中央には、前方に向って後述する皿ユニット300の案内穴456(図16参照)に挿入される係合突起111が形成されている。更に、扉枠本体100の下辺は、後方に突出した扉枠突片112となっており、後述するように、この扉枠突片112と本体枠3に形成される係合溝584,585とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における外側の突条及び係合部を構成するものである。
<扉レンズユニット>
次に、上記した扉枠本体100の前面側の上部に取り付けられる扉レンズユニット120の構成について説明する。扉レンズユニット120は、前面側を反射面とするリフレクタと、リフレクタの前面及び内側に取り付けられる冷陰極管及びLED基板と、リフレクタの前方を覆う光透過性のあるレンズカバー150と、レンズカバー150に取り付けられるスピーカ163と、レンズカバー150のベースとなるレンズベース体121と、から構成されている。
レンズカバー150は、レンズベース体121における上レンズカバー部151と、側方レンズカバー部156,157とが透過性の樹脂によって形成されている。そして、前述したように扉枠本体100に形成される遊技窓101の開口寸法が従来よりも大きく形成されているため、扉枠本体100の外周辺と遊技窓101の内周辺との間の寸法、換言するならば、レンズカバー150が取り付けられるための寸法(特に、左右両側部の寸法)が狭くなっているため、本実施形態におけるレンズカバー150は、上レンズカバー部151と側方レンズカバー部156,157のすべての最大前方突出部において、その基部寸法(扉枠本体100に当接する部分の幅寸法)に対して前方に向って突出する突出寸法が大きくなるような断面楔形状となっている。より詳細に説明すると、上レンズカバー部151及び側方レンズカバー部156,157は、共に白色レンズ部として断面楔状の前方膨出部が合成樹脂で成形され、その白色レンズ部の下部後端の遊技窓101を縁取る内側に着色の異なる合成樹脂で成形された赤色レンズ部を連結して構成されるものである。
ところで、上レンズカバー部151は、内部が空洞で後方が開放した断面楔状に形成されると共に平面視においてブーメラン形状に構成されるものであり、前述した「く」字状に形成される上冷陰極管とその楔状の先端部内面との距離が近くなるように形成されている。そして、上レンズカバー部151の楔状先端部外側には、銀色に着色された不透明な先頭モール部材154が固着されており、上レンズカバー部151のほぼ全体に相当する断面楔状の前方膨出面を上冷陰極管で照明している。また、側方レンズカバー部156,157は、内部が空洞で後方が開放して断面楔状に形成される点で上レンズカバー部151と同様であるが、側方視において楔状の突出量が上レンズカバー部151に比べて少なく、また全体としてなだらかな曲線を有するブーメラン形状に構成されるものであり、前述した直線状に形成される側方冷陰極管とその楔状の先端部内面との距離が近くなるように形成されている。
また、本実施形態において、扉枠5の前面周囲を装飾する照明手段として冷陰極管を使用している理由は、以下の通りである。扉枠5の前面周囲を装飾する際に、発光源とその発光源の前面に配置されるレンズカバーの距離をあまり大きく取ることができないという制約がある。この制約は、扉枠5は常に開閉されるため、あまり突出量を大きくすると、開放時における作業等に支障を来たすおそれがあるからである。しかして、発光源とレンズカバーとの間の距離があまりとれない状況において、従来のように、発光源として、ランプやLEDを点在させた場合に、レンズカバーを通して視認できる光装飾は、連続した状態の光装飾が視認できるものではなく光が強い部分と弱い部分との斑模様に視認できるに過ぎない。これに対し、本実施形態のように、発光源として連続した冷陰極管を使用した場合に、冷陰極管とレンズカバー150との距離が短くても、レンズカバー150を通して視認できる光装飾は、連続した状態の美しい光装飾が視認できるものである。このため、正に遊技盤4を囲む領域が連続した美しい光装飾により縁取られた状態となるので、従来のパチンコ遊技機にはない装飾効果を奏することができる。なお、発光源とレンズカバーとの距離をある程度とることができる場合には、LED等の点在する発光源を使用しても光が拡散してレンズカバーの全域をあまり強弱がなく照明することができる。
更に、レンズカバー150の側方レンズカバー部156,157の下方に装飾部材取付領域184が形成され、その装飾部材取付領域184に装飾部材185が取り付けられている。この装飾部材185は、上記したスピーカカバー165と類似した形状にして、レンズカバー150を扉枠本体100の表面に取り付けたときに、レンズカバー150の上部左右と下部左右とがバランスのとれた印象を与えるために取り付けられるものである。なお、上記したスピーカカバー165及び装飾部材185は、上記したように単にスピーカ163の前方を覆ったり、あるいはレンズカバー150の下部を装飾したりするだけではなく、その周囲がLEDで光装飾される構造となっている。
以上、詳述したように、本実施形態に係るスピーカカバー165及び装飾部材185は、扉枠5の遊技窓101を囲む領域において、前述した冷陰極管及びLED基板による光装飾とは別に四隅を重点的に光装飾するように構成されているので、遊技窓101の下辺を除く全周が漫然と光によって装飾されるのではなく、強弱のある光装飾とすることができる。特に、扉枠5の左右上部における光装飾は、従来、スピーカだけが配置される傾向が強く、そのスピーカ周りの光装飾が行われないため遊技窓101の外周周りの光装飾に斑がある印象を与えていたが、本実施形態のように構成することにより、遊技窓101の下辺を除く全周を効果的に光装飾を行うことができるものである。
<補強板金>
扉枠本体100の前面側には、上記した扉レンズユニット120が取り付けられると共にその下方に皿ユニット300が取り付けられる。ここで、皿ユニット300の構造を説明する前に、扉枠本体100の裏面側に取り付けられる補強板金210、ガラスユニット250、防犯カバー270、装着台280、枠装飾中継基板290、ハンドル装置460について順次説明する。まず、補強板金210について主として図18、図19、及び図15乃至図17を参照して説明する。
補強板金210は、図18及び図19に示すように、扉枠本体100の上辺部裏面に沿って取り付けられる上側補強板金211と、扉枠本体100の軸支側辺部裏面に沿って取り付けられる軸支側補強板金212と、扉枠本体100の開放側辺部裏面に沿って取り付けられる開放側補強板金213と、扉枠本体100の遊技窓101の下辺裏面に沿って取り付けられる下側補強板金214と、が相互にビス等で締着されて方形状に構成されるものである。
図18に示すように、軸支側補強板金212の上下端部には、その上面に上下方向に摺動自在に設けられる軸ピン219を有する上軸支部218と、その下面に軸ピン221(図15参照)を有する下軸支部220と、が一体的に形成されている。そして、上下の軸ピン219,221が本体枠3の軸支側上下に形成される上軸支金具503及び下軸支金具509に軸支されることにより、扉枠5が本体枠3に対して開閉自在に設けられるものである。
下側補強板金214は、所定幅を有して扉枠本体100の横幅寸法とほぼ同じ長さに形成され、その長辺の両端縁のうち下方長辺端縁が後方に向って折曲した下折曲突片229となっており、上方長辺端縁の両側部が後方に向って折曲した上折曲突片230となっているものの、その両側部の上折曲突片230に挟まれる部分が垂直方向に延設される垂直折曲突片231となっている。下折曲突片229の突出量はあまり大きくなく、この下折曲突片229が溝部や凹部と係合して凹凸係合をなすものではなく、強度を高めるために形成されているのに対し、両側部の上折曲突片230の突出量は下折曲突片229の突出量よりもやや大きく下方からの不正具の侵入を多少防止するが、むしろ、本実施形態における下側補強板金214の構成で最も特徴的な構成は、垂直折曲突片231である。
この垂直折曲突片231は、その上端縁形状が後述するガラスユニット250のユニット枠251の下端形状に合致するように凹状に形成され、ガラスユニット250を扉枠5の裏面側に固定したときに、垂直折曲突片231の上端片がガラスユニット250のユニット枠251の幅方向のほぼ中央の外周に沿って形成される係合溝261に係合するようになっている(図17参照)。なお、下側補強板金214には、扉枠本体100に形成される賞球通過口103の底面を除く外周を保護する賞球通過口被覆部228が形成されている。
<ガラスユニット(透明板ユニット)>
次に、扉枠5の裏面に取り付けられる透明板ユニットとしてのガラスユニット250について説明する。ガラスユニット250は、図18及び図19に示すように、遊技窓101よりも大きな開口を有する合成樹脂で成型した環状の縦長八角形状のユニット枠251と、ユニット枠251の開口の外周前後面に2枚の透明板としてのガラス板262(ガラス板でなくても透明な合成樹脂板でもよい。)を(ホットメルト系接着剤で)接着することにより構成されるものである。なお、図示は省略するが、ユニット枠251には、内部に乾燥剤を封入する乾燥剤封入空間部が形成されている。
<防犯カバー>
次に、上記したガラスユニット250の下部裏面を被覆して遊技盤4への不正具の侵入を防ぐ防犯機能が付与された防犯カバー270について、主として図15、図17、図18、及び図19を参照して説明する。防犯カバー270は、図示するように、透明な合成樹脂によって左右の補強板金212,213の間のガラスユニット250の下方部を覆うような平板状に形成され、その上辺部が遊技盤4の内レール603の下方円弧面に沿った円弧状の当接凹部271として形成されていると共に、その当接凹部271に沿って後方に向って防犯後突片274が突設されている。また、防犯カバー270を取り付けた状態で軸支側裏面には、防犯後端部突片275が斜め状に突設形成されている。一方、防犯カバー270の前面には、防犯カバー270を取り付けた状態で前記ガラスユニット250のユニット枠251の下方形状に沿った防犯前突片272が突設されると共に、下部両端にU字状に形成される装着弾性片273が前方に向けて突設形成されている。
上記のように構成される防犯カバー270は、装着弾性片273を扉枠本体100に形成される装着開口部110に装着することにより、扉枠5の裏面側に着脱自在に取り付けられる。そして、取り付けた状態では、図17に示すように、防犯前突片272がガラスユニット250のユニット枠251の後方下片面と対面するようになっている。また、防犯前突片272の前端は、垂直折曲突片231と当接している。また、防犯後突片274及び防犯後端部突片275は、後方へ突出した状態となっているが、扉枠5を閉じたときに、防犯後突片274の軸支側の半分は、遊技盤4に固定される内レール603の下側面に侵入して対面した状態となるが、防犯後突片274の開放側の半分は、前構成部材601の内レール603に形成されたレール防犯溝607に挿入された状態となり、また、防犯後端部突片275は、本体枠3の軸支側に形成される前記防犯突起608の上面に沿って重合状の位置となる(図30参照)。
而して、防犯カバー270を取り付けて扉枠5を閉じた状態においては、前述した扉枠突片112と係合溝584,585とによる防犯構造、及び後述する防犯突片285と防犯空間586とによる防犯構造に加えて、ガラスユニット250の下方から不正具を侵入させようとしても、防犯前突片272とユニット枠251との重合により、防犯カバー270の前面下方方向からの不正具の侵入が防止され、防犯後突片274と前構成部材601を構成する内レール603との重合により、防犯カバー270の後面下方方向からの不正具の侵入が防止される。特に、扉枠5の軸支側の斜め下方からの不正具の侵入に対しては、防犯突起608と防犯後端部突片275との重合構造によって外レール602への不正具の侵入が阻止され、さらに内レール603と防犯後突片274との重合構造によって遊技盤4の遊技領域605への不正具の侵入を阻止することができる。
また、同様に、扉枠5の開放側の斜め下方からの不正具の侵入に対しては、前述した開放側補強板金213の二重の折曲突片223,225による防犯構造に加えて、レール防犯溝607と防犯後突片274との凹凸係合によりさらに遊技盤4の遊技領域605への不正具の侵入を阻止することができる。なお、防犯カバー270の裏面側の防犯後突片274と防犯後端部突片275との間の垂直面は、扉枠5を閉じた状態で外レール602と内レール603とで形成される打球の誘導通路の前面下方部分を覆うものであるため、当該誘導通路部分を飛送若しくは逆送する打球のガラス板262への衝突を防止する機能も有している。
<装着台>
装着台280は、図15、図18、及び図19に示すように、扉枠本体100の板部裏面の上半分を覆うように取り付けられるものであり、防犯カバー270と同様に透明な合成樹脂によって前方が開放した横長直方体状に形成されるものである。この装着台280は、発射レール515から発射された球をスムーズに遊技盤4に導くために、扉枠5を閉めたときに装着台280の後面と本体枠3の板部511とによって発射レール515を挟持するように形成されるものであり、このため、装着台280の後面に球飛送誘導面286が形成されている。ところで、本実施形態に係る装着台280には、その軸支側上部に下側補強板金214に形成される賞球通過口被覆部228の後方突出部を貫通させる賞球通過口用開口281が形成され、その開放側下部に球送りユニット287を取り付ける球送りユニット取付凹部282が形成されている。この球送りユニット取付凹部282から斜め方向の領域が球飛送誘導面286となっている。
また、球送りユニット取付凹部282に取り付けられる球送りユニット287は、後述する打球発射装置650の打球槌687の往復動差に対応して揺動する球送り部材が設けられ、この球送り部材の揺動動作によって皿ユニット300の誘導通路部の流下端にある球を発射レール515の発射位置に1個ずつ供給するものである。また、装着台280の中程下部に後述する側面開口蓋406を取り外す際に指を入れることができる蓋用開口283が形成されている。更に、装着台280の上辺の一部に垂直に立設される立壁284が形成されている。この立壁284は、図15に示すように、前記防犯カバー270を取り付けたときに、該防犯カバー270の前面と当接して防犯カバー270の下部が前方に移動しないように規制するためのものである。
更に、本実施形態に係る装着台280の特徴は、上述した球飛送誘導面286の下方から賞球通過口用開口281にかけて斜め状に防犯突片285が後方に向って突設される構造である。この防犯突片285は、前述したように、本体枠3の板部511に形成される防犯空間586との間で、扉枠5と本体枠3との下側辺部における内側の突条及び係合部を構成するものである。
<枠装飾中継基板>
上記した装着台280の下部の軸支側には、図15及び図18に示すように、枠装飾中継基板290が取り付けられ、その枠装飾中継基板290の後面を覆う中継基板カバー291が取り付けられている。この枠装飾中継基板290は、扉枠5に設けられる電飾部品や電気部品(冷陰極管、LED基板、スピーカ163、操作ハンドル部461内に設けられるスイッチ、貸球ユニット327、操作ボタンユニット329等)からの配線が集約して接続され、その枠装飾中継基板290からの配線が本体枠3の裏面に取り付けられる基板ユニット1100に組み込まれる扉中継基板1102等を介しての賞球払出制御基板1186や遊技盤4に取り付けられる主制御基板ボックス624の主制御基板1350(図78及び図110を参照)に接続されている。
<皿ユニット>
次に、主として図14、図18及び図19を参照して皿ユニット300の構成について説明する。皿ユニット300は、大きく分けて外観を構成するユニット枠301と、ユニット枠301の内部に取り付けられる下部スピーカユニット340と、下部スピーカユニット340の上部に配置され且つ前記ユニット枠301の上面に臨むように設けられる皿体380と、皿体380に設けられる第二球抜弁の球抜き動作をするための第二球抜きリンクユニット(図示せず)と、ユニット枠301の後面を閉塞する皿蓋板450と、から構成されている。
ユニット枠301には、貸球ユニット327が備えられている。この貸球ユニット327は、パチンコ機1に隣接して球貸し機が設けられている場合に、貸出指令を導出するスイッチや貸出残表示器等が設けられるものである。また、ユニット枠301には、上面の前方中央に操作ボタンユニット329が備えられている。なお、操作ボタンユニット329は、複数(図示の場合は3個)の押ボタン330a,330b,330cを有して構成されているが、この複数の操作ボタン330は、遊技盤4に設けられる液晶表示装置640等で行われる遊技内容に遊技者が参加する際に操作されるものである。
更に、皿ユニット300には、ユニット枠301の上面右側に、第一球抜ボタン316が配置されていると共に、ユニット枠301の中央下部に、第二球抜リンクユニットの一部を構成する第二球抜ボタン421が配置されている。なお、本実施形態において、第一球抜ボタン316と第二球抜ボタン421の2つの球抜ボタン316,421を設けたのは、第一球抜ボタン316の操作によって、皿体380の貯留部381及び誘導通路部に貯留されているすべての球を球抜きすることができるものの、その球抜動作は、誘導通路部382で一列状に整列された球を球抜するために多少時間がかかるのに対し、第二球抜ボタン421の操作によって、皿体380の貯留部381から上流側の球を径の大きな第二球抜開口から素早く球抜することができるため、球抜時間を短くすることができる。このため、遊技者が球抜きにかける時間の長短を選択することができるものである。
また、遊技中に大当りとなった場合に皿ユニット300に大量の球が払出されることになり、これを放置して遊技を継続すると皿ユニット300の上流側に設けられる満タンスイッチ916(図57参照)が機能して払出動作が停止されたり弾発動作が停止されて大当り中であるにもかかわらず遊技が継続できなくなるおそれがあり、このような場合に、第二球抜ボタン421の操作を行うことにより、皿ユニット300に貯留されつつある球を球抜すると同時に発射位置への球の供給を維持して大当り中の遊技を継続することができるようになっている。
<ハンドル装置>
次に、扉枠5の開放側下部に取り付けられるハンドル装置460について、主に図18、図19、及び図20を参照して説明する。図20は、ハンドル装置460と本体枠3に設けられる打球発射装置650との関係を示す斜視図である。ハンドル装置460は、扉枠5の開放側下部前面に設けられる操作ハンドル部461と、操作ハンドル部461に対応する扉枠5の裏面に組み付けられて操作ハンドル部461の回動操作に応じて回転する回転軸465と連携され且つ回転軸465の回転運動をスライド運動に変化させるジョイントユニット480と、から構成されている。
このハンドル装置460には、図示は省略するが、操作ハンドル部461を回転操作するとONとなるマイクロスイッチと、マイクロスイッチがONとなっている状態で押圧操作するとマイクロスイッチがOFF状態となる単発ボタンと、操作ハンドル部461の外周表面に施された導電性のメッキを介して遊技者の操作ハンドル部461への接触を検知するタッチセンサとを備えている。そして、遊技者が操作ハンドル部461を回動してマイクロスイッチがONとなり且つタッチセンサが接触を検出しているときに打球発射装置650の後述する発射モータ695(図37参照)が回転駆動されるようになっている。また、回転軸465の先端には、勾玉状に形成されたカムが固定されており、このカムが回転することで、ジョイントユニット480のスライド突片492が左右方向に移動するようになっている。
このジョイントユニット480のスライド突片492のスライド移動が、図20に示すように、打球発射装置650のスライド部材710に伝達されて打球発射装置650の付勢バネ684(図37参照)の張力を調節し、もって打球槌687の付勢力の強弱を調整して遊技者の望む打球の弾発力を得ることができる。なお、ハンドル装置460と打球発射装置650との関係については、打球発射装置650についての説明の後で詳細に説明する。
〔本体枠〕
次に、遊技盤4が前面側から着脱自在に装着し得ると共に、打球発射装置650と、賞球を払い出すための賞球タンク720とタンクレール部材740と球通路ユニット770と賞球ユニット800(本発明の払出ユニットに相当)と満タンユニット900と、外枠2に対する本体枠3の施錠及び本体枠3に対する扉枠5の施錠を行う錠装置1000と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板等が一纏めに設けられている基板ユニット1100と、後面開口580を覆うカバー体1250と、等の各種の部品が本体枠主体500に装着されることにより構成される本体枠3について、図面を参照して説明する。
まず、図21〜図29を参照して、上記した各種の部品が装着される本体枠主体500及び各種の部品が装着された本体枠3について説明する。図21は、部品を取り付ける前の本体枠主体500の正面図であり、図22は、部品を取り付ける前の本体枠主体500の背面図であり、図23は、部品を取り付ける前の本体枠主体500の側面図であり、図24は、部品を取り付ける前の本体枠主体500の背面から見た斜視図であり、図25は、部品を取り付けた本体枠3の前方から見た斜視図であり、図26は、部品を取り付けた本体枠3を外枠2に軸支した状態を前方から見た斜視図であり、図27は、部品を取り付けた本体枠3の背面図であり、図28は、部品を取り付けた本体枠3の背面から見た斜視図であり、図29は、パチンコ機1の中程(主制御基板ボックス624部分)の水平線で切断したパチンコ遊技機の断面平面図である。
図21において、本体枠主体500の一側上下には、本体枠3を外枠2に開閉軸支するための上軸支金具503及び下軸支金具509(共に図25参照)を取り付けるための軸支金具取付段部501,502が形成され、この軸支金具取付段部501,502に上軸支金具503及び下軸支金具509を取り付けた状態では、本体枠主体500の上辺及び側辺が上軸支金具503の上辺及び側辺とほぼ同一平面状となり、本体枠主体500の下辺及び側辺が下軸支金具509の下辺及び側辺とほぼ同一平面状となっている(図27参照)。ここで、上軸支金具503と下軸支金具509について図25と図27を参照して説明する。上軸支金具503は、本体枠主体500の裏面に取付部を有すると共にその上端辺が前方に突出し、その前方に突出した上面に軸支ピン504が立設固定され、その軸支ピン504の側方に扉軸支穴505が穿設されている。
一方、下軸支金具509は、本体枠主体500の裏面に取付部を有すると共にその下端辺及びやや上部に2つの支持板506,507が一体的に突設されている。下方に位置する支持板506は、本体枠3を外枠2の下支持金具66に支持するための枠支持板506を構成するものであり、上方に位置する支持板507は、扉枠5の下軸支部220を本体枠3に支持するための扉支持板507を構成するものである。このため、枠支持板506に外枠2の下支持金具66の支持突起68を挿入するための軸支穴(図示しない)が形成され、扉支持板507に扉枠5の下軸支部220に突設される軸ピン221を挿入するための軸支穴508が穿設されている。
ところで、本体枠主体500は、正面から見た場合に、長方形状に形成され、その上部の約3/4が遊技盤4を設置するための遊技盤設置凹部510(図25参照)となっており、その遊技盤設置凹部510の下方のやや奥まった領域が板部511となっている。また、遊技盤設置凹部510を囲む前面側の前面上辺部及び前面開放側辺部は、扉枠5の裏面と対面するように所定幅を有して形成されており、前面上辺部には、横方向に平行状に突設される突起によって上部防犯二重溝581が形成され、正面から見て右側の前面開放側辺部には、外側に側部防犯溝582が形成されると共に内側に後端が第一側面壁540に接続される傾斜面となっている内壁によって形成される防犯凹部583が形成され、正面から見て左側の前面軸支側辺部は、前面上辺部や前面開放側辺部と異なり扉枠5の裏面と対面する所定幅を有するように形成されていないが、本体枠主体500の前面軸支側辺部が前面上辺部や前面開放側面部に比べて前方への突出量が多い軸支辺部587となっている。
より詳細に説明すると、前面上辺部に形成される上部防犯二重溝581は、扉枠5の上辺部裏面に取付固定される上側補強板金211の両長辺端を後方に向って折曲される折曲突片215,216がそれぞれ挿入されるようになっているものである。また、前面開放側辺部に形成される側部防犯溝582及び防犯凹部583は、扉枠5の開放部裏面に取付固定される開放側補強板金213の両長辺端を後方に向って折曲される開放側外折曲突片223及び開放側内折曲突片225がそれぞれ挿入されるようになっているものである。更に、前面軸支側辺部の軸支辺部587には、扉枠5の軸支側裏面に取付固定される軸支側補強板金212の軸支側L字状折曲突片217の先端部が当接するようになっている。
そして、上記した構造によって扉枠5と本体枠3との当接面の隙間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を防止することができ、特に、最も不正行為が行われやすい開放側辺部や次いで不正行為が行われやすい上辺部における不正行為の防止をはかることができる構造となっている。もちろん、軸支側における軸支側補強板金212と軸支側L字状折曲突片217との当接による不正行為の防止も充分に機能するが、多くの場合、軸支側は、頑丈な支持金具45,66と軸支金具503,509とで本体枠3と扉枠5とが連結されているため、上辺部及び開放側辺部に比べて本体枠3と扉枠5との間に隙間が作り難い。このため、本実施形態においては、二重の防犯構造ではなく、一重の防犯構造としている。これらの点については、後に詳述する。
また、遊技盤設置凹部510を囲む前面側の前面上辺部、前面開放側辺部、及び前面軸支側辺部には、上記した構成以外に前面開放側辺部の上部、中間部、下部に本体枠3の開放側裏面に取り付けられる後述する錠装置1000に設けられる扉用フック部1041(図67参照)を貫通させて前方に飛び出させるための扉用フック穴549が開設されており、また、前面軸支側辺部の内側面に遊技盤4に形成される位置決め凹部611と係合するための盤位置決め突起576が設けられている。更に、前面軸支側辺部の盤位置決め突起576のやや下方位置の内側前方面に、扉枠5を閉じた状態で軸支側補強板金212の軸支側L字状折曲突片217の先端が挿入される上下2つの規制突起577が突設されている。この規制突起577の作用については前述した通りである。また、図21に示すように、開放側の平面部分と遊技盤設置凹部510との境目の上下に遊技盤4に設けられる遊技盤止め具614の端部が係合される盤止め具挿入穴578が形成されている。
次に、板部511の構成について図21乃至図26を参照して説明する。板部511の上面は、遊技盤4を載置するための遊技盤載置部512となっており、その遊技盤載置部512のほぼ中央に、当該載置部512に遊技盤4を載置したときに遊技盤4に形成されるアウト口606(図30参照)の下面を支持する通路支持突起513が突設されている。また、図21に示すように、板部511の前面の中央部から開放側の端部に向かってレール取付ボス514が所定間隔を置いて突設され、このレール取付ボス514に発射レール515(図25参照)がビス止め固定されている。また、発射レール515の先端位置に対応する板部511の前面には、レール接続部材516が突設され、遊技盤設置凹部510に遊技盤4が設置されたときに、遊技盤4の内レール603の下流端である接続通路部609(図30参照)と隣接するようになっている。
また、レール接続部材516の側方位置(発射レール515と反対側の位置)には、遊技盤4の下部を固定するための楕円形状の遊技盤固定具519(図25参照)の上端部を取り付けるための固定具取付ボス517が突設され、その斜め下方にストッパー518が突設されている。即ち、遊技盤固定具519は、固定具取付ボス517を中心にして回転自在に設けられ、前記遊技盤載置部512に遊技盤4が載置された状態で時計方向に回動して遊技盤固定具519を遊技盤4の前面に押圧して遊技盤4を固定するものである。また、遊技盤を取り外す場合には、遊技盤固定具519を反時計方向に回して取り外すことにより、簡単に行うことができる。この場合、遊技盤固定具519はストッパー518により反時計方向の余分な回転ができないようになっている。
また、板部511の開放側下部は、手前側に膨出状に突設された(裏面から見れば凹状となっている)直方体状の発射装置取付部520が形成されており、この発射装置取付部520に本体枠主体500の裏面から打球発射装置650が固定されている。この点については、後に詳述する。上記した発射装置取付部520の前面壁部分には、前述したジョイントユニット480のスライド突片492と連携されるスライド部材710(図41参照)が収納されるハンドル連結窓522が形成され、該ハンドル連結窓522の隣接する位置に打球槌687の軸受689(図37参照)の端面が臨む軸用穴523が開設されている。また、発射装置取付部520の上壁部分には、打球発射装置650の打球槌687が上方に突出するための槌貫通開口521が切欠形成され、その槌貫通開口521の斜め上方の板部511の前面に錠装置1000のシリンダー錠1010が貫通するシリンダー錠貫通穴526が開設されている。
一方、板部511の裏面には、図22に示すように、軸支側の上部から板部511の中央部分に向けて延設された後下方に向かう球抜排出通路524が形成されている。この球抜排出通路524は、後述する球抜接続通路880(図25参照)から排出される球をパチンコ機1の下方から島の内部に排出するためのものである。また、上述した発射装置取付部520の上方には、円柱状の案内突起525が後方に向かって突設され、この案内突起525に後述する基板ユニット1100の案内孔1212(図73参照)が差し込まれて基板ユニット1100の取付けを容易にしている。また、基板ユニット1100をビスで取り付けるための取付穴部527が板部511の左右上下に形成され、この取付穴部527に基板ユニット1100の取付片1122を対応させてビスで止着する。また、発射装置取付部520の凹状の内部には、打球発射装置650を取り付けるための発射装置取付ボス529が後方に向かって突設され、更に、開放側の最下端部には、図24に示すように、本体枠3を外枠2に対して閉じる際に、装飾カバー板15の上面に当接しながら本体枠3の閉止動作を案内するために先端が先細状で縦長形状の案内突片528が後方に向かって突設されている。
板部511には、以上説明した構成以外に、図24に示すように、軸支側の端部上面に前記球抜排出通路524の上流端の開口である球抜接続開口530が形成されている。この球抜接続開口530に球抜接続通路880の下流端が接続されるようになっている。また、球抜接続開口530に隣接する部分は、後に詳述する満タンユニット900(図25参照)を載置するための満タンユニット載置部531が板部511と直交するように水平状に形成され、その満タンユニット載置部531の前方部分に満タンユニット900の係合片924(図57参照)と係合するユニット係合溝532が形成されている。更に、図25に示すように、満タンユニット載置部531の前方の板部511の前面には、扉枠5の開放時に満タンユニット900の出口921から排出される賞球を堰き止める出口開閉装置579が設けられている。
この出口開閉装置579については、詳細に説明しないが、扉枠5が閉じているときには、扉枠5の裏面に当接するレバーによって開閉板が下降した状態となっているが、扉板5が開放されるとレバーへの当接がなくなるため開閉板が上昇して出口921を閉塞するものである。このため、扉枠5の開放時においても満タンユニット900内に貯留された賞球が出口921から零れ落ちることがない。また、図25に示すように、板部511の上端辺にそって形成される遊技盤載置部512であって発射レール515の発射部の上方に対応する位置に上下方向に貫通する締結穴533を形成し、その締結穴533の前方部分に締結バンド619を掛け止めるための締結連杆534が差し渡されている。この締結連杆534は、本体枠3からの遊技盤4の取り外しを防止するための機構である。
次に、遊技盤設置凹部510の構成について説明する。遊技盤設置凹部510は、軸支側の内側面及び上記した上辺部及び開放側の鍔面部から後方へ周設される第一側面壁540と、該第一側面壁540から後方に周設される第二側面壁541と、該第二側面壁541から後方に周設される第三側面壁542と、該第三側面壁542から後方に周設される第四側面壁543、とにより、本体枠3の左右側辺及び上辺の後方部分が囲まれた凹状に形成されているものである。
なお、第一側面壁540〜第四側面壁543は、背面から見て上辺及び右辺(軸支側の辺)が段差をもって後方に真っ直ぐに延長されるように形成されるのに対し、左辺(開放側の辺)が第一側面壁540から第四側面壁543に向かうにしたがって内側に傾斜する段差状(図29参照)に形成される。これは、左辺(開放側の辺)の第一側面壁540から第四側面壁543までを後方に真っ直ぐ形成したときに、本体枠3を開放する際に、第四側面壁543の最後端部が外枠2の側枠板13の内面と当接してスムーズに開放できない場合があるため、開放側の第一側壁面540から第四側面壁543までが内側傾斜状とすることによりスムーズに開放することができるようにしたものである。
また、それと同時に開放側の第一側面壁540に沿って錠装置1000が取り付けられるが、その取付けを第一側面壁540の後端辺に設けられる錠取付穴547(図63参照)を利用して行うため、その錠取付穴547を形成するためにも開放側の第一側面壁540から第四側面壁543を傾斜段差状に形成したものである。更に、第一側面壁540〜第四側面壁543の段差の寸法も、第一側面壁540と第二側面壁541との段差は、後述する遊技盤4の裏面の周辺と当接する必要があるため、ある程度大きな段差をもって形成されるが、それ以外の段差は、極めて小さな段差となっている。もちろん、第二側面壁541〜第四側面壁543までは段差を形成することなく連続的に形成してもよい。
そして、上記した側面壁540〜543は、図23に示すように、それぞれ奥行き幅寸法d1,d2,d3,d4を有するように形成され、本実施形態の場合、d1+d2+d3+d4=約135mmとなっている。特に、第一側面壁540の幅寸法d1は、遊技盤4の厚みに相当し、残りの第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間に遊技盤4に設けられる各種の遊技装置の後方突出部分が収納されるようになっている。
つまり、第一側面壁540は、遊技盤4の厚さとほぼ同じ奥行寸法を有する前側面壁を構成し、第二側面壁541〜第四側面壁543は、遊技盤4の周辺部裏面と当接する段差部を有して第一側面壁540から後方に向かってほぼ当該第一側面壁540と平行状に延設され且つ遊技盤4に設けられる遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁を構成するものである。特に、本実施形態の場合には、図5に示すように、第二側面壁541〜第四側面壁543のすべての部位の後方への突出量が、本体枠3の裏面側上部に固定される賞球タンク720の球を貯留する貯留部728の後面壁722とほぼ同じ位置となるように形成されている。
これにより、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4のほぼ全域を液晶表示画面が占めるような遊技装置が取り付けられている場合においても、そのような遊技装置の後方突出部分を楽に収納することができるものである。
また、図22及び図24に示すように、第四側面壁543の後端辺からは背面から見てその左辺(開放側)、上辺及び右辺(軸支側)に、開放側後面壁544、上後面壁545及び後面壁としての軸支側後面壁546がそれぞれパチンコ機の正面と平行となるように内側に向かって突設されている。軸支側後面壁546は、その前面が平板状(図21参照)となっており、その後面に球払出機構を構成する後述の球通路ユニット770と賞球ユニット800とが着脱自在に取り付けられるようになっている。従って、軸支側後面壁546の内側への突出幅寸法は、球通路ユニット770と賞球ユニット800とを取り付ける幅があれば充分である。
また、上後面壁545は、その前面が平板状(図21参照)となっており、その後面に後述するタンクレール部材740が取り付けられるため、その下端辺が傾斜状に形成されている。従って、上後面壁545の内側への突出幅は、傾斜状に取り付けられるタンクレール部材740の高さ幅寸法があれば充分である。更に、開放側後面壁544には、その前面が平板状(図21参照)となっており、その後面に後述するカバー体1250を軸支するカバー体支持筒部575が形成されている。したがって、開放側後面壁544の内側への突出幅寸法は、カバー体支持筒部575を形成する幅寸法があれば充分である。
上述したように、第四側面壁543の後端辺から内側に向かって突設される開放側後面壁544、上後面壁545及び軸支側後面壁546の前面が平板状に形成され、この平板状部分が遊技盤4の周辺部に対応するものであるため、上記したように、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4のほぼ全域を液晶表示画面が占めるような遊技装置が取り付けられている場合においても、そのような遊技装置の後方突出部分を楽に収納することができるものである。なお、開放側後面壁544、上後面壁545及び軸支側後面壁546の内側は、後面開口580となっており、この後面開口580が後述するカバー体1250によって開閉自在に閉塞されるようになっている。
なお、本実施形態における第一側面壁540は、本発明の前側面壁に相当し、本例の第二側面壁、第三側面壁、及び第四側面壁は、本発明の後側面壁に相当している。
次に、遊技盤設置凹部510の更に詳細な構成について説明すると、前述したように、開放側の平面部分には、錠装置1000の扉枠用フック部1041が貫通する扉用フック穴549が上中下の3箇所開設されているが、その上下の扉用フック穴549のさらに上中下に錠装置1000の後述する係止突起1004が係合される錠係止穴548(図22参照)が形成されている。また、開放側の第一側面壁540に沿って錠装置1000が取り付けられるが、その取付けをビスで行うための錠取付穴547(図22参照)が第一側面壁540の後端部の上部と中程に形成されている。なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されるビス止め部1003と前記シリンダー錠貫通穴526の上方近傍に形成される錠取付穴547とを対応させてビスで止着することにより、錠装置1000の下方も取り付けられるようになっている。
また、図24に示すように、第一側面壁540の上辺前方の左右には、本体枠3を外枠2に対して閉止する際に、外枠2の上枠板10の内周面と当接する案内円弧突起552が突設され、第一側面壁540の後端辺中央に後述する賞球タンク720の切欠部729と連通する逃げ凹部551が形成され、第一側面壁540と第二側面壁541と接続する垂直面にタンク取付溝550が形成されている。そして、このタンク取付溝550に賞球タンク720の取付鍔部733を取り付けたときには、図28に示すように、賞球タンク720の切欠部729が逃げ凹部551と連通して賞球タンク720内に貯留された球の球圧が増加したときに圧抜きして球詰まりが発生しないように機能する。また、賞球タンク720を本体枠3に取り付けたときには、平面視で賞球タンク720の正面側から見て奥側の後面壁722と第四側面壁543の後端辺がほぼ一致(図5参照)するようになっている。なお、上記した案内円弧突起552は、本体枠3の上辺を外枠2の上枠板10の内周面と当接させることにより、本体枠3を持ち上げて本体枠3の下辺と装飾カバー板15との間に隙間を形成し、その隙間から不正器具を挿入するような不正行為を防止するためのものである。
また、前述した上後面壁545には、タンクレール部材740を取り付けるためのレール係止溝553が後面開口580の開口縁に沿って形成されており、また、第四側面壁543と上後面壁545の屈曲部にレール係止溝554が形成されている。そして、これらレール係止溝553,554にタンクレール部材740の係止突片749,750(図45参照)を係止させることにより、タンクレール部材740を本体枠3に取り付けることができる。また、タンクレール部材740を取り付けたときの下流側に対応する上後面壁545の上部には、レール掛止弾性片555が形成され、レール係止溝553,554にタンクレール部材740の係止突片749,750を係止させて、タンクレール部材740を本体枠3に取り付けたときに、その係止状態が外れないようにレール掛止弾性片555がタンクレール部材740の下流側上端の上から当接するようになっている。
このタンクレール部材740を取り外すときには、レール掛止弾性片555を後方へ押圧しておいてからレール係止溝553,554と係止突片749,750との係止状態を解除すべくタンクレール部材740を上方に持ち上げればよい。また、レール掛止弾性片555の側方に逃げ穴556が穿設され、レール掛止弾性片555の下方にアース線接続具557形成されている。逃げ穴556は、タンクレール部材740に設けられる整列歯車747の軸ピン748の端部を逃がすために穿設されるものであり、また、アース接続具207は、タンクレール部材740の内部に貼着される金属製の導電板(図示しない)に接触していると共に、電源基板に設けられるアース用コネクタに接続される配線が接続されるものである。
また、軸支側後面壁546には、図22及び図24に示すように、軸支側後面壁546の左右両端に垂直状の立壁560を立設し、その立壁560の間に球通路ユニット770と賞球ユニット800とが取り付けられる。また、左右の立壁560の間の最上流部から中流部よりやや上方まで賞球案内突起561が屈曲状に突設されている。この賞球案内突起561は、軸支側後面壁546にその突出高さが下流側に向かって徐々に低くなるように後方に向かって突設され、後述する球通路ユニット770を取り付けたときに、該球通路ユニット770の球落下通路772(図50参照)に対応するもので、賞球を一列状に誘導するものである。また、賞球案内突起561の左右には、球通路ユニット770をビスで止着するための通路ユニット取付ボス562、及び位置決めするための位置決めピン574が突設されると共に、後述する球切れスイッチ778(図50参照)に対面するスイッチ対応突起563が突設されている。通路ユニット取付ボス562及び位置決めピン574については、後に詳述する。
更に、左右の立壁560の中流部から下流部にかけて賞球ユニット800の係合部としての鉤状係合部824(図52参照)と係合する係止部としての係合突片565と、賞球ユニット800のボタン挿通係合穴821(図52参照)と係合するロック用弾性爪564と、が形成されると共に、賞球ユニット800のスプロケット807の回転軸808(図52参照)の端部が受け入れられる逃げ穴566が形成されている。また、軸支側後面壁546の下方には、払出モータ用逃げ開口部572が形成されており、この払出モータ用逃げ開口部572に賞球ユニット800の駆動モータとしての払出モータ815が臨むようになっている(図25参照)。そして、賞球ユニット800は、軸支側後面壁546の裏面最下端に形成される係止溝573のその下端を係止して前記係合突片565及びロック用弾性爪564によって軸支側後面壁546に着脱自在に取り付けられるようになっている。この着脱自在の構成については、後に詳述する。
また、軸支側後面壁546の開放側の端部には、そのカバー体1250の開放側の端辺が入り込むカバー体当接溝567が形成されていると共に、該カバー体当接溝567の下方に施錠壁569が突設されている。カバー体当接溝567には、カバー体1250の止め穴1253(図28参照)に対応する止め穴568が形成されており、これら止め穴1253,568とを一致させて図示しないビスで止着することにより、カバー体1250によって本体枠3の後面開口580を閉塞固定することができるようになっている。また、施錠壁569には、平面視U字状の施錠用突出鉤片570が突設され、本体枠3に対してカバー体1250を閉じた状態で施錠用突出鉤片570をカバー体1250に形成される貫通穴1254(図28参照)を貫通させ、例えば、南京錠等の錠を施錠用突出鉤片570に掛け止めることにより、南京錠の鍵を有する責任者しかカバー体1250を開放することができないようにすることができる。
以上、遊技盤設置凹部510及び板部511とからなる本体枠主体500の構成について説明してきたが、上記に説明した以外に、板部511の最下端辺部に、扉枠5を閉じたときに、扉枠本体100の下辺を後方に向けて折曲した扉枠突片112,113(図19参照)が挿入される係合溝584,585(図21参照)が形成されている。係合溝584は、前述した発射装置取付部520の下方に形成される溝であり、係合溝585は、前記係合溝584の一端から軸支側に向って形成される溝である。なお、係合溝585に対応する扉枠突片112は、係合溝584に対応する扉枠突片113の突出量よりも大きくなるように後方に向って突設されている。ただし、開放端下部には、突出量の多い扉枠突片112が僅かに形成されている。そして、上記した扉枠突片112,113と係合溝584,585とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における外側の突条及び係合部を構成するものである。
上記のように板部511には、発射レール515や出口開閉装置579が設けられ且つレール接続部材516や発射装置取付部520が突設形成されているが、発射装置取付部520及び発射レール515の板部511における配置位置が開放側に偏り、しかもそれらが板部511の表面よりも突出して形成されている。このため、扉枠5を閉じた状態において、発射装置取付部520及び発射レール515が配置される板部511のほぼ中央部から開放側にいたる領域は、扉枠5の裏面と発射装置取付部520及び発射レール515の前面とが密着した状態となるため、前述した扉枠突片112と係合溝585との隙間を上手にすり抜けてきたピアノ線等の不正具を扉枠5の裏面と発射装置取付部520及び発射レール515の前面との間をさらに上手にすり抜けさせて遊技盤4の表面側若しくは遊技盤4の裏面側に到達させることは極めて困難である。
一方、発射装置取付部520及び発射レール515が配置されない板部511のほぼ中央部から軸支側にいたる領域は、板部511の表面に突出した部分がないため、扉枠5を閉じた状態において、扉枠5の裏面と板部511の前面との間に空間586が生じてしまう。このため、前述した扉枠突片112と係合溝584との隙間を上手にすり抜けてきたピアノ線等の不正具が扉枠5の裏面と板部511の前面との間の空間586を簡単にすり抜けてしまうことができるため、この空間586を不正具が上方に向ってすり抜けないように、扉枠5の裏面下部に取り付けられる装着台280には、扉枠5を閉じた状態で該空間586に侵入する防犯突片285が形成されている。この防犯突片285は、板部511のほぼ中程から軸支側端部までいたるように装着台280に形成されている。したがって、発射レール515及び遊技盤4に取り付けられる外レール602の下方空間は、装着台280に突設される防犯突片285を受け入れる防犯空間586を構成している。そして、この防犯突片285と防犯空間586とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における内側の突条及び係合部を構成するものである。
本体枠3は、上記したように、遊技盤4、打球発射装置650、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、満タンユニット900、錠装置1000、基板ユニット1100及びカバー体1250が取り付けられるが、以下、これらを順次説明する。
<遊技盤の概略構成>
遊技盤4の概略構成について図30乃至図35を参照して説明する。図30は、遊技盤4の正面から見た斜視図であり、図31は、遊技盤4の正面図であり、図32は、遊技盤4の背面図であり、図33は、遊技盤4の平面図であり、図34は、遊技盤4に形成される取り外し防止機構部分の拡大斜視図であり、図35は、遊技盤4の取り外し防止機構に対する本体枠側の構造を示す本体枠3の部分斜視図である。
図30において、遊技盤4は、透明板状の遊技パネル599を保持したほぼ正方形状のパネルホルダ600と、パネルホルダ600の前面に遊技領域605を囲むように取り付けられる前構成部材601と、から構成されている。遊技パネル599の表面には、遊技領域605に各種の遊技装置や多数の障害釘(いずれも図示省略)が植立されている。そして、それらの遊技装置や障害釘が設けられた後に前構成部材601がパネルホルダ600の前面に取り付けられるが、その前構成部材601は、遊技パネル599の周囲を囲むように内部が円形の空洞状に形成され且つ外形がパネルホルダ600の外形に沿った形状に形成されており、その下辺中程から上辺の中心を過ぎた斜め上方までの円弧面が外レール602として形成され、その外レール602の終端に設けられる衝止部620の下部位置から上辺の前記衝止部620の対称の逆流防止部材604が設けられる位置までが内レール603として形成されている。外レール602は、その始端部に前記発射レール515の延長状に設けられたレール接続部材516に連接する接続通路部609が斜め状に形成されており、その接続通路部609に隣接してファール口610が形成されている。また、ファール口610の上流端から衝止部620までの外レール602には、金属製のレールが密着して取り付けられている。
なお、衝止部620は、勢いよく外レール602を滑走してきた打球が衝突したときに、その衝突した打球を遊技領域605の内側に反発させるようにゴムや合成樹脂の弾性体が設けられるものであり、逆流防止部材604は、一端発射されて遊技領域605の内側に取り入れられた打球が再度外レール602に逆流しないように防止するものである。更に、外レール602の下部一側には、金属製のレールの一部に沿うように防犯突起608が突設されている。この防犯突起608は、扉枠5が閉じられた状態で前述したように防犯カバー270に突設される防犯後端部突片275と上下方向に重複して本体枠3と扉枠5の軸支側の隙間の中程よりやや下方から挿入されるピアノ線等の不正具の侵入を防止するものである。
また、内レール603の下部中央には、アウト口606が設けられ、そのアウト口606から逆流防止部材604までの内レール603と外レール602との間は、発射された打球が遊技領域605まで誘導される誘導通路を構成するものであるが、遊技領域605に到達せずに外レール602を逆流した打球はファール口610に取り込まれて後述する満タンユニット900のファール球入口923に導かれて再度皿ユニット300に排出されるようになっている。なお、遊技領域605は、実質的に内レール603によって囲まれる領域である。また、内レール603のアウト口606から衝止部620に向かう途中の前構成部材601には、レール防犯溝607が形成されている。このレール防犯溝607は、扉枠5が閉じられた状態で前述したように防犯カバー270に突設される防犯後突片274の一部が侵入するように溝状に形成されており、このレール防犯溝607と防犯後突片274との凹凸係合により、上下方向に重複して本体枠3と扉枠5の開放側の隙間の中程よりやや下方から挿入されるピアノ線等の不正具の侵入を最終的に防止するものである。
ところで、遊技盤4の一側には、本体枠3に形成される前記盤位置決め突起576に嵌合する位置決め凹部611が形成され、遊技盤4の他側には、本体枠3に形成される前記盤止め具挿入穴578に挿入される遊技盤止め具614が設けられている。遊技盤止め具614は、押し込み固定したときにその端部が盤止め具挿入穴578に挿入されるようになっている。しかして、遊技盤4を本体枠3に固定するためには、本体枠3の前面側から位置決め凹部611が盤位置決め突起576に嵌合するように斜め方向から差し込んだ後、遊技盤4の全体を本体枠3の第一側面壁540に押し込み、その状態でフリーな状態となっている遊技盤止め具614を押し込み固定してその端部を盤止め具挿入穴578に挿入して固定する。その後、遊技盤固定具519を回動して遊技盤4の下部前面を固定する。これによって遊技盤4を本体枠3に簡単に装着することができる。遊技盤4を取り外すには、上記の手順と逆の手順で取り外せばよい。
また、本実施形態における遊技盤4は、遊技盤4の本体枠3からの不正な取り外しを極めて簡単に防止する構成を有している。即ち、図30及び図34に示すように、遊技盤4の下方の前記通路用切欠部613と反対側の下端部に遊技盤4の前後に貫通する取付用切欠部616を形成し(正確には、前構成部材601に取付用切欠部616が形成されている。)、その取付用切欠部616の下部に水平方向に締結バー617を掛け渡し固定する。締結バー617には、そのほぼ中央に締結バンド619を掛け止めるための帯溝状の締結部618が形成されている。一方、本体枠3に設けられる取り外し防止機構としては、前述したように、本体枠3下方の板部511の上端辺にそって形成される遊技盤載置部512であって発射レール515の発射部の上方に対応する位置に上下方向に貫通する締結穴533を形成し、その締結穴533の前方部分に締結バンド619を掛け止めるための締結連杆534が差し渡されている(図35参照)。
上記のように構成される遊技盤4を本体枠3の遊技盤設置凹部510に収納配置したときには、図34に示すように、締結バー617が遊技盤載置部512に当接して載置した状態になると共に、締結部618と締結連杆534とが一致した状態となる。そして、その状態で締結部618と締結連杆534との一致している部分に対して、締結バー617の上方から一般的に市販されている締結バンド619の先端を取付用切欠部616に差し込んで下方に向けて締結穴533に差し込み前方に導き、その先端を締結バンド619の締結具部分に係合させる。そして、締結バンド619の締結具より前方に飛び出した不必要な先端部分を切断しておく。このようにすれば、締結バンド619を切断しない限り、遊技盤止め具614と遊技盤固定具519等の固定を解除しても、遊技盤4を本体枠3から取り外すことができない。締結バンド619を切断すれば、遊技盤4を本体枠3から取り外すことはできるものの、例えば、締結バンド619をパチンコ店独特のものを使用することにより、異なる締結バンドが締結されていれば、遊技盤4を取り外して何らかの不正行為を行われたことが容易に理解することができるものである。このように極めて簡単な取り外し防止機構により遊技盤4の本体枠3からの不正な取り外しを防止することができる。
また、遊技盤4の外形形状は、その上部左右に前記扉枠5の裏面に設けられるスピーカ163の後方突出部分を受け入れるようにスピーカ用切欠部612が形成され、また、ファール口610の側方斜め下に後述する満タンユニット900の前方誘導通路920部分の一部が挿入される通路用切欠部613が形成されている。また、前構成部材601の下方左右には、証明確認用の証紙を貼付する証紙貼付部615が設けられている。
一方、遊技盤4の裏面には、遊技領域605に設けられる各種の遊技装置(例えば、V入口を有した役物や一般入賞口等の入賞口)に入賞した球を下流側に整列して誘導することができる裏箱621が取り付けられており、その裏箱621の裏面に遊技領域605のほぼ中央に配置される表示装置としての液晶表示装置640(図74等参照)の表示を制御する表示装置制御基板が収納される表示制御基板ボックスとしての液晶表示制御基板ボックス622が取り付けられている。
更に、遊技盤4の裏面には、裏箱621の下方に盤用基板ホルダ623が固定されている。この盤用基板ホルダ623は、その前方に裏箱621によって整列誘導された入賞球を集めるように空間部(この空間部は、前後方向の幅が裏箱621の幅よりも比較的広いものとして形成されている。)が形成され、その空間部の底面に落下口629(図29参照)が形成されている。この落下口629は、前記アウト口606の後面部分で合流して後述する基板ユニット1100に形成されるアウト球通路1119(図73参照)に連通するものである。
また、盤用基板ホルダ623には、その裏面に遊技動作を制御する主制御基板1350を収納する主制御基板ボックス624と、後述する基板ユニット1100に設けられる払出制御基板1186や電源基板等と接続するための中継端子板625と、が取付けられている。中継端子板625には、遊技盤4を本体枠3に装着するだけで自動的に前記基板ユニット1100に設けられるドロワコネクタ1200,1202と接続されるドロワコネクタ626,627が設けられている。
更に、盤用基板ホルダ623には、ドロワコネクタ626,627の間から中継端子板625を貫通するように後方に向かって突出する接合案内突起628が形成されている。この接合案内突起628は、後に詳述するように遊技盤4を本体枠3に装着する作業を行ったときに、基板ユニット1100側に設けられるドロワコネクタ1200,1202と遊技盤4側に設けられるドロワコネクタ626,627とが自然に接続されるように基板ユニット1100の枠用基板ホルダ1101に形成される接合案内孔1213に挿入される(図73参照)ものである。なお、これらドロワコネクタの接続については、後に詳述する。
<打球発射装置>
打球発射装置650について図36乃至図41を参照して説明する。図36は、打球発射装置650の全体の斜視図(A),発射モータ部分を取り外した状態の斜視図(B)であり、図37は、打球発射装置650の分解斜視図であり、図38は、打球発射装置650と発射レール515との関係を示す正面図(A),発射モータ部分の斜視図(B)であり、図39は、操作ハンドル部461を操作していない状態における打球発射装置650と発射レール515との関係を示す背面図であり、図40は、操作ハンドル部461を操作している状態における打球発射装置650と発射レール515との関係を示す背面図であり、図41は、打球発射装置650に設けられるスライド部材710の平面図(A),正面図(B),正面から見た斜視図(C),正面図(B)のA−A断面図(D)である。
打球発射装置650は、発射ベース枠651に打球槌687を回動自在に軸支すると共に、その打球槌687に往復回動を付与する発射モータ695を発射ベース枠651に取り付け、さらに打球槌687に復帰する付勢力を付与する付勢バネ684の付勢力を調節するスライド杆677及びスライド部材710が発射ベース枠651に設けられることにより構成される。
より詳細に説明すると、図37に示すように、発射ベース枠651は、合成樹脂によって横長な長方形状に成型されるものであり、そのほぼ中心に打球槌687の軸受689が嵌合される軸受筒652が形成され、その上部及び側方に打球槌687の発射原点位置を規制するゴムストッパー部材653,654が取り付け固定されている。即ち、ゴムストッパー部材653,654は、打球槌687が付勢バネ684の付勢力により発射原点位置に戻ったときに打球槌687の衝撃を受け止めるものである。また、発射ベース枠651の後方(発射レール515の下方に対応する部位の反対側)の上方に横長細溝状のスライド案内孔655が形成され、そのスライド案内孔655の下方にスライド部材収納空間656が形成されている。
このスライド案内孔655は、後述するスライド杆677の後端上部に突設される案内係止片678が挿入されてスライド杆677のスライド移動を案内するものであり、スライド部材収納空間656には、スライド部材710が左右方向に移動可能に収納されるものである。なお、スライド杆677の前方部分のスライド案内は、スライド杆677の前方に形成される案内長孔680に止めネジ682によって発射ベース枠651に形成される止め穴662に止着される案内ブッシュ681を貫通させることにより行われる。また、スライド部材収納空間656の底面には、図38に示すように、長方形状の連結開口664が形成されている。
また、発射ベース枠651の上辺の前方部分には、発射ベース枠651の本体に対して庇部が形成されており、前記軸受筒652の上方の庇部に作動片用開口657が穿設されている。この作動片用開口657には、前記扉枠5の皿ユニット300の下流側の打球供給口288(図15参照)に臨んで設けられている供給揺動片289(図15参照)と当接する作動片658が作動片用開口657の開口縁の後方上部に突設されている取付部660に止めピン659によって揺動自在に設けられるものである。作動片658は、「て」字状に形成され、その上辺の後端部が止めピン659によって軸支され、その軸支部から下方の円弧部に打球槌687と一体的に回動するベース板690に突設される作動片当接部693と当接し、打球槌687の往復動作に連動して上辺部が供給揺動片289を揺動させ、供給揺動片289の揺動動作により打球供給口288から流出する打球を1個ずつ発射レール515の発射位置に供給するようになっている。
更に、発射ベース枠651には、発射モータ695を内蔵するモータカバー694を止着するためのモータ取付ボス661が後方下部に2箇所と前方上部に1箇所の合計3箇所に突設されていると共に、前記スライド部材収納空間656の下部後方にスライド杆677をスライドさせるためにスライド部材710と連結される揺動片672の下端の軸穴673が挿入される揺動片用ボス663が突設されている。
上記した発射ベース枠651には、打球発射装置650の剛性を高めるために金属プレート665がほぼ密着するように取り付けられている。このため、金属プレート665には、軸受筒652、下方のゴムストッパー部材653、スライド案内孔655、案内ブッシュ681、及び揺動片用ボス663にそれぞれ対応する貫通孔666,667,668,669,671が形成されていると共に、スライド部材710の連結凸部712が貫通する横長楕円状の貫通孔670も貫通されている。上記のように構成される金属プレート665は、スライド部材710をスライド部材収納空間656に収納した後、それぞれの貫通孔666〜671がそれに対応する部材652,653,655,681,712,663を貫通あるいは一致させるように発射ベース枠651に密着させてビス止めすることにより発射ベース枠651に固定されるものである。
金属プレート665が取り付けられた発射ベース枠651の揺動片用ボス663の先端部分が貫通孔671から頭を出しているが、その頭の部分に揺動片672の軸穴673が挿通されて、揺動片672が下端を中心にして揺動自在に軸支される。揺動片672は、図37に示すように、縦長杆状に形成され、その下端に前記軸穴673が形成され、その中程にスライド部材710の連結凸部712が挿入されるやや縦長穴形状の連結穴674が形成されている。そして、その連結穴674より上方の前方面がスライド杆677の一端(後端)と当接する当接部675となっている。しかして、揺動片672を揺動片用ボス663に挿通し、且つ貫通孔670から頭を出しているスライド部材710の連結凸部712に連結穴674を挿入してワッシャ付きピン676を連結凸部712に止着することにより、揺動片672が発射ベース枠651に取り付けられる。そして、取り付けられた揺動片672は、スライド部材710のスライドに伴って下端を中心にしてその上方部分が揺動するようになっている。
また、金属プレート665の上部前面には、横長杆状のスライド杆677が左右方向にスライド可能に取り付けられる。即ち、スライド杆677の後方上部に突設されるL字状の案内係止片678を金属プレート665の貫通孔668に貫通係合させ、スライド杆677の前方に形成される案内長孔680に止めネジ682を有する案内ブッシュ681を貫通させて止めネジ682を止め穴662に止着する。上記した案内係止片678と貫通孔668、及び案内長孔680と案内ブッシュ681とにより、スライド杆677が金属プレート665を介して発射ベース枠651にスライド可能に装着される。また、スライド杆677には、その一端(後端)に上述した揺動片672の当接部675と当接する被当接部679が形成され、その他端(前端)に付勢バネ684の一端の係止輪685を掛け止めるためのバネ係止部683が突設されている。
金属プレート665が取り付けられた発射ベース枠651の軸受筒652が貫通孔666から突出しているが、その軸受筒652には、打球槌687の軸受689が抜け落ちないように嵌合されている。軸受689の軸には、打球槌687の下端部が固着されると共に同時にベース板690が固着される。ベース板690には、その前方裏面側に前記作動片658と当接する作動片当接部693が突設され、その前方前面に付勢バネ684の他端の係止輪686を掛け止めるためのバネ係止部692が突設され、さらにその後方前面に発射モータ695のモータカム697と係脱するモータ当接突片691が突設されている。打球槌687の上端には、合成樹脂製の槌先688が固着されており、この槌先688が発射レール515の下端部とその上方に固着される発射位置ストッパー702とによって形成される発射位置に突入するように臨んでいる。
一方、発射ベース枠651の前述したモータ取付ボス661には、モータカバー694に収納された発射モータ695が取り付けられる。より具体的には、図38(B)に示すように、モータカバー694は、内部に発射モータ695を収納するように形成された円筒部と、該円筒部の前方に拡大して前記モータ取付ボス661に取り付けるための取付固定穴699が形成される取付部と、が一体的に形成され、円筒部の内部に収納される発射モータ695のモータ軸696の先端に逆回転防止カム698とモータカム697とが固定されている。
この逆回転防止カム698の外周には、多数の逆歯が形成されており、ストッパー片取付ボス701に揺動自在に固定されるストッパー片700(図39参照)と係合して発射モータ695の逆方向の回転を防止している。これは、モータカム697が逆方向に回転してモータカム697とモータ当接突片691とが噛み合って打球発射装置650が駆動できなくなる故障が発生しないように防止するためである。また、モータカム697は、勾玉状に形成されており、発射モータ695の回転に伴いモータ当接突片691と係脱しながら打球槌687を往復動作させる。なお、モータカバー694をモータ取付ボス661に取り付けたときには、図36(A)に示すように、打球発射装置650の主たる構成が後面から見て被覆されたような状態となっている。
ところで、前述したスライド部材収納空間656に収納されてスライド移動するスライド部材710は、図41に示すように、後方が開放した直方体状に形成され、その前面に楕円形状の楕円凸部711が突設され、さらに該楕円凸部711の後方位置に円形状の連結凸部712が突設されている。また、上面及び下面には、スライド部材収納空間656内をスライドし易いように断面円弧状のスライド用当接突部713がその両端に突設されている。一方、直方体状に形成されるスライド部材710の空間は、前記扉枠5の裏面下部に設けられるジョイントユニット480のスライド突片492が挿入される挿入空間714となっている。
そして、この挿入空間714は、スライド方向前方の側壁手前側に第一傾斜面715が形成されると共に、その第一傾斜面715のやや後方寄りに上面及び下面の内側から内部に向かって突設され且つ相互の先端間に所定の間隔が形成される挟持片716が形成されている。挟持片716の手前側にも奥に向かって側方視でハ字状に傾斜する第二傾斜面717も形成されている。しかして、スライド突片492が挿入空間714に挿入された状態では、図41(B)に示すように、スライド突片492の傾斜辺493側の一端辺がスライド方向前方の側壁に当接した状態で且つ上下の挟持片716の間に挿入された状態となっている。なお、スライド部材710の挿入空間714の側方に空間部718が形成されているが、この空間部718は、特に機能を奏しているわけではない。
而して、上記のように構成されるスライド部材710は、スライド部材収納空間656に収納された状態で、図38(A)に示すように、スライド部材収納空間656の底面に形成される楕円形状の連結開口664に挿入空間714が臨むように形成されていると共に、スライド部材710がスライド部材収納空間656の一方の空間内壁に当接した状態(図38(A)では左の空間内壁に当接しているように図示されているが、通常の状態では右の空間内壁に当接した状態となっている。)となっている。
そこで、まず、スライド部材710と打球発射装置650の付勢バネ684の強弱を調整する関係について説明すると、スライド部材710がスライド部材収納空間656の内部の初期位置(図38(A)において右の空間内壁に当接した位置)にあるときには、図39に示すように、該スライド部材710の連結凸部712に連結された揺動片672がほぼ垂直状態となっている。このため、揺動片672と当接しているスライド杆677も付勢バネ684の付勢力により一方向(図39において左側方向)に付勢された状態で揺動片672の当接部675とスライド杆677の被当接部679とが当接した状態となっている。この状態では、付勢バネ684が張力されていないので、打球槌687が発射モータ695の回転に従動して往復回動しても、打球槌687の復帰力も弱く、発射位置にある打球が弾発されても遊技盤4の遊技領域605に到達することはない。
一方、スライド部材収納空間656の内部をスライド部材710が初期位置から他方方向に移動したとき(図38(A)において左の空間内壁方向に向かって移動したとき)、図40に示すように、揺動片672が下端の軸穴673を軸として揺動して傾動するため、当接部675と被当接部679との当接によりスライド杆677が他方向(図40において右側方向)に向かってスライド移動する。すると、スライド杆677のバネ係止部683に係止されている付勢バネ684も張力されて伸びた状態となる。この状態では、付勢バネ684が張力されているので、打球槌687が発射モータ695の回転に従動して往復回動したときの打球槌687の復帰力が強くなり、発射位置にある打球が強く弾発されて遊技盤4の遊技領域605に到達する。そして、この打球の弾発力の強弱は、スライド部材710のスライド部材収納空間656内でのスライド量に応じて調整することができる。
上記したように、スライド部材710を移動させることにより、打球発射装置650による弾発力を調整することができるが、このスライド部材710の移動は、前述したハンドル装置460の操作ハンドル部461の回動操作部材464の回動操作に応じて移動するジョイントユニット480のスライド体483の移動と連動するようになっている。この点について図20、を参照して説明する。
前述したように、ハンドル装置460の操作ハンドル部461の回動操作部材464を回転させることにより、回転軸465の先端に固着される勾玉状のカム466も回転するため、ジョイントユニット480のスライド体483が収納体481の内部を一方向に向かってスライド移動する。このため、スライド体483の前面に突設されるスライド突片492も同じ方向にスライド移動することになる。スライド体483のスライド突片492は、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態では、本体枠5の発射装置取付部520に形成される連結開口664を貫通してスライド部材710の挿入空間714に挿入されるようになっている。この場合の挿入状態は、前述したようにスライド突片492の傾斜辺493側の一端辺がスライド方向前方の側壁に当接した状態で且つ上下の挟持片716の間に挿入された状態である。したがって、スライド突片492が一方向に向かってスライド移動すると、スライド部材710も同一方向に向かってスライド移動することになる。このとき、前述したように、スライド部材710のスライド移動に伴ってスライド杆677もスライド移動するので、付勢バネ684の付勢力を調整することができる。つまり、ハンドル装置460の回動操作部材464を回動操作することにより、打球発射装置650の打球の弾発力を調整することができるものである。
ところで、本実施形態においては、ハンドル装置460が扉枠5に設けられ、打球発射装置650が本体枠3に設けられているので、扉枠5を開閉する毎にハンドル装置460のスライド突片492と打球発射装置650のスライド部材710とが連携したり離れたりすることになる。しかし、本実施形態においては、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を閉じることにより、スライド突片492がスライド部材710の挿入空間714に自動的に挿入されてハンドル装置460と打球発射装置650とが連携され、逆に、本体枠3に対して扉枠5を開放することにより、スライド突片492が挿入空間714から離れてハンドル装置460と打球発射装置650とを分離することができるので、極めて簡単に扉枠5の開閉に伴ってハンドル装置460と打球発射装置650との連携・分離を行うことができる。特に、スライド突片492が挿入空間714に挿入される際には、スライド突片492の位置が上下方向に多少ずれていても、挿入空間714内に突設される挟持片716の第二傾斜面717によってスライド突片492がスムーズに挟持位置に挿入されるようになっている。
また、時として、操作ハンドル部461の回動操作部材464に遊技者が詰め物を詰めてある程度回動した位置で固定している場合があるが、遊技場の店員がその詰め物を知らずに扉枠5を開閉する場合がある。このような場合でも、扉枠5を開放する場合には、単にスライド突片492が挿入空間714から離れるだけであるので問題はないが、扉枠5を閉める場合に、スライド突片492の位置が多少一方向にずれた状態となっているものの、スライド突片492の傾斜辺493とスライド部材710の第一傾斜面715との協働作用により、扉枠5の閉止動作に伴ってスライド部材710を一方向に移動させながら最終的にスライド突片492とスライド部材710とが係合するようになっている。つまり、本実施形態においては、操作ハンドル部461の回動操作部材464がどのような回動位置で固定されていても、操作ハンドル装置460と打球発射装置650との連携を行うことができるものである。
<賞球タンク>
次に、本体枠3の裏面上部に取り付けられる賞球タンク720について、主として図42を参照して説明する。図42は、賞球タンク720の斜視図(A)、平面図(B)、側面図(C)である。賞球タンク720は、前述したように、本体枠3の裏面上部に形成されるタンク取付溝550(図24参照)に着脱自在に取り付けられるものである。しかして、賞球タンク720は、長方形状の箱状に形成され、パチンコ機1の正面側から見て、その前面壁721に切欠部729が形成され、その底面が上流側壁724から下流側壁723に向かって傾斜する第一傾斜底面726と前面壁721から次に説明する排出口730に向かって傾斜する第二傾斜底面727とによって貯留部728が形成されている。
また、その第二傾斜底面727の傾斜下端に排出口730が形成されるが、この排出口730は、パチンコ機1の正面側から見て賞球タンク720の後面壁722よりも外側に突出するように下流側壁723と後面壁722とをコ字状に連結する排出口突出壁725に囲まれるように形成されている。また、賞球タンク720の前面壁721の両端外側には、前記タンク取付溝550と係合する取付鍔部733が形成されていると共に、賞球タンク720の底面の裏面側に本体枠3の前記第四側面壁543に載置当接する載置当接片731,732が突設され、さらに、賞球タンク720の上流側の後面壁722の下部に後述する球ならし部材744を取り付けるための球ならし取付軸735が突設されている。また、排出口730を除く賞球タンク720の後面壁722及び上流側壁724には、球の跳ね飛びを防止するための溢れ防止部材734が着脱自在に取り付けられるようになっている。
上記のように構成される賞球タンク720においては、本体枠3のタンク取付溝550に対して取付鍔部733を上方から差し込むように取り付け、載置当接片731,732を本体枠3の第四側面壁543に当接させる。これによって、賞球タンク720が本体枠3の裏面側上部に載置して取り付けられるが、この取り付けられた状態においては、図28に示すように、前面壁721の切欠部729を介して貯留部728と本体枠3の裏面に形成された逃げ凹部551とが連通し、また、図5に示すように、排出口730が次に説明するタンクレール部材740の上流端部に臨むようになっている。したがって、賞球タンク720において、球を貯留する貯留部728(第一傾斜底面726及び第二傾斜底面727に対応する貯留空間部分)の前後方向の幅は、本体枠3の第二側面壁541〜第四側面壁543までの前後方向の幅とほぼ同じとなるように形成されると共に、それらの側面壁541〜543までの上部に載置されるようになっている。
また、前述したように、本体枠3の第一側面壁540〜第四側面壁543は、遊技盤4の周辺部の後方突出空間を覆うように深く形成されているので、その側面壁541〜543の上部に載置される賞球タンク720の貯留部の深さは、従来の貯留タンクにくらべて浅く形成されているものの、賞球が貯留されて重量が増加しても賞球タンク720の全体を本体枠3の側面壁542〜543で支持しているので、傾斜底面726,727が変形することなく貯留された球をスムーズに排出口730に導くことができる。また、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているため、貯留部728に貯留された球の流れが第二傾斜底面727から外側に向かって流れるように構成されている。このため、従来のように傾斜底面の一部に開口を設けて排出口としていた賞球タンクに比べて、排出口近傍の貯留部に球詰まり解消のための球崩し突部を突出形成することなく球詰まりが発生し難い構造とすることができる。
そして、本実施形態においては、前述したように、遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上部外側に賞球タンク720の貯留部が載置された状態で、しかも、賞球タンク720の排出口730が貯留部の後面壁722よりも外側に突出して設けられているため、タンクレール部材740が賞球タンク720の貯留部の外側(パチンコ機1の正面から見て奥側)に位置して、タンクレール部材740と賞球タンク720の貯留部728とが上下方向に重複しない位置となっているので、遊技盤4の裏面に設けられる遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上辺を本体枠3の上辺に近い位置で後方に向って突出させることができ、これにより、遊技装置の後方突出部が遊技盤4の上辺部で突出していても後側面壁541〜543の内部に楽に収納することができる。
更に、賞球タンク720の貯留部728が遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上部外側に載置されているか否かに関係なく、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているという構成だけで従来の賞球タンクにはない独特の効果を奏するものである。これについて図43を参考にして説明する。図43は、従来の賞球タンク(A),(B)と本実施形態に係る賞球タンク(C)との排出口部分における球の圧力状態を示す平面図である。図において、通常時、賞球タンク720に貯留される球は、賞球タンク720の貯留部に貯留されて滞留した状態となっている。この場合、従来の賞球タンクのように貯留部の傾斜底面の一部を開口して排出口730Aを形成している場合、例えば、図43(A)に示すように、球崩し突部736Aと反対側に排出口730Aが形成された賞球タンクや、図43(B)に示すように、球崩し突部736Bに隣接して排出口730Bが形成されている場合には、排出口730A,730Bの部分では、貯留された球の圧力とその圧力に基く賞球タンクの側壁からの反作用により、常に排出口730A,730B部分に四方から球圧がかかった状態となっている。
このため、たまたま球の重合具合によって球同士の圧力が釣り合い、下流側の球が流れ出ても、排出口730A,730B部分で球噛み状態が発生し球詰まりが発生することがあった。これに対し、本実施形態に係る賞球タンク720では、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているので、図43(C)に示すように、排出口730部分における貯留された球の圧力は、貯留部から排出口730方向に向かう作用力とその反作用だけの二方向からの圧力であり、従来のように四方から圧力を受けるわけではない。このため、下流側の球が流れ出ても、排出口730部分における球噛み状態が発生し難く、球詰まりが発生しないという優れた効果を奏することができる。
<タンクレール部材>
上記した賞球タンク720の下方に配置されるタンクレール部材740について主として図44乃至図46を参照して説明する。図44は、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、及び満タンユニット900の関係を示すパチンコ機1の背面側から見た斜視図であり、図45は、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、及び満タンユニット900の関係を示すパチンコ機1の正面側から見た斜視図であり、図46は、タンクレール部材740の下流部と球通路ユニット770の上流部との関係を示す断面図(A)と平面図(B)である。
タンクレール部材740は、前述したように、本体枠3の上後面壁545のレール係止溝553,554(図24参照)に着脱自在に取り付けられるものである。そのため、タンクレール部材740には、その後面側の側面の左右辺及び下辺にレール係止溝553に上から差し込まれる複数の係止突片749が突設されると共に、その後面側側面の上辺中央にレール係止溝554に上から掛け止められる鉤状の係止突片750が突設されている。しかして、タンクレール部材740は、上面が開放した傾斜樋状に形成され、その上流端上面が賞球タンク720の排出口730に臨み、その下流端下面が後に詳述する球通路ユニット770に臨んでいる。また、タンクレール部材740の内部は、図5に示すように仕切壁741によって球が2列に整列して流下する通路742となっている。
なお、通路742の底面は、細溝が切り欠けられており、通路742を球と一緒に転動する異物がその細溝から下方に落下するようになっている。また、通路742の側壁には、静電気を除去するための金属板(図示しない)が貼付されており、この金属板の下流端が前述したアース線接続具557(図22参照)に接続されている。このため、タンクレール部材740を流下する球に帯電していた静電気が金属板からアース線接続具557を介して電源基板のアース用コネクタを経て外部にアースされるようになっている。
また、タンクレール部材740の中流域のやや下流側に重錘を有する卵形状の球ならし部材744が揺動自在に設けられている。この球ならし部材744は、前述した賞球タンク720の球ならし取付軸735に揺動自在に軸支されるものであり、タンクレール部材740の2列のそれぞれの通路742内に向かって垂下され、各通路742を流下する球が上下方向に複数段で流下してきたときに1段となるように整流するものである。また、球ならし部材744の設置位置より下流側のタンクレール部材740の上面が球押え板745によって被覆されている。この球押え板745は、球ならし部材744によって1段とならなかった球を強制的に1段とするように傾斜円弧状に形成されるものである。
更に、タンクレール部材740の下流端部には、それぞれの通路742に臨んで一対の整列歯車747が軸ピン748によって回転自在に軸支されている。この整列歯車747は、外周に複数の歯が形成され、一対の整列歯車747の歯のピッチが半ピッチずつずれるようにして軸ピン748に固定されている。このため、タンクレール部材740の各通路742を流下してきた球の上部が整列歯車747の歯と噛み合いながら下流側に流下するときに2列の通路742の球が交互に1つずつ送られることになる。この場合、図46に示すように、各通路742を流れてきた球は、整列歯車747と噛み合いながら2列の通路742の下部に形成される傾斜面743に沿って中央方向に誘導され、その誘導中に次に説明する球通路ユニット770の球落下通路772の上端入口773に2列の通路742からの球を交互に一列状にして落下するようになっている。なお、整列歯車747は、その上面を円弧状の歯車カバー746によって被覆されている。
<球通路ユニット>
上記したタンクレール部材740から一列状に落下される球を賞球ユニット800に導くための球通路ユニット770について、主として図47乃至図51を参照して説明する。図47は、本体枠3と球通路ユニット770及び賞球ユニット800との関係を示す分解斜視図であり、図48は、球通路ユニット770及び賞球ユニット800との関係を示す背面図であり、図49は、球通路ユニット770の背面から見た斜視図であり、図50は、球通路ユニット770の正面図であり、図51は、球通路ユニット770と賞球ユニット800との連結構造を説明するための側面図である。なお、図48及び図49において、賞球ユニット800部分は、ギヤカバー866、アルミ放熱板841、ユニットサブ板825が削除され、ユニットベース体801に形成された球通路部分をわかりやすく描いたものである。ただし、ギヤ等については、球通路との関係を理解し易くするため、一点鎖線で示してある。
球通路ユニット770は、ほぼ長方形状の板材の裏面(背面から見える面を表面という。)に屈曲した一対の屈曲通路壁771によって球落下通路772が形成されている。この球落下通路772は、図46(A)に示すように、その上流が前後方向(背面から見て奥行方向)に屈曲する前後屈曲通路部772aと、該前後屈曲通路部772aに連通して左右方向(背面から見て左右方向)に屈曲する左右屈曲通路部772bと、該左右屈曲通路部772bに連通してほぼ垂直状となっている垂直通路部772cとからなっている。
この前後屈曲通路部772aは、図46(A)に示すように、上述したタンクレール部材740から落下する上端入口773の位置が前述したように2列の通路742のほぼ中央であるため、本体枠3の上後面壁545及び軸支側後面壁546の表面から背面側に離れた位置となっているので、前後屈曲通路部772aと軸支側後面壁546に突設される前記賞球案内突起561とによって球落下通路772を軸支側後面壁546の表面に近い位置とするように前後方向に屈曲するものである。また、左右屈曲通路部772bは、図50に示すように、タンクレール部材740から前後屈曲通路部772aを落下してきた球の勢いを弱めるために球通路ユニット770のほぼ横幅一杯にコ字状に屈曲して形成されるものである。
更に、垂直通路部772cもほぼ垂直状に形成されているものの若干緩やかに湾曲して形成され、その垂直通路部772cを構成する一方の屈曲通路壁771に切欠部775が形成され、その切欠部775に上端が支軸777によって軸支される球切れ検出片776が揺動自在に取り付けられている。この球切れ検出片776の側方には、球切れスイッチ778が取り付けられ、球切れスイッチ778のアクチュエータ779が球切れ検出片776に当接している。球切れ検出片776及び球切れスイッチ778によって垂直通路部772cでの球切れを検出する球切れ検出機構が構成されている。
しかして、垂直通路部772cに球が存在しているときには、垂直通路部772cに存在する球によって球切れ検出片776が押圧されてアクチュエータ779を押して球切れスイッチ778をONとするが、垂直通路部772cに球詰まりや球欠乏により球が存在しなくなると球切れ検出片776が垂直通路部772c内に向かって揺動するので、アクチュエータ779が球切れスイッチ778をOFFとする。球切れスイッチ778がOFFになると、後述する賞球ユニット800の払出モータ815の回転が停止して賞球の払出が停止されるようになっている。
なお、切欠部775の下端部には、球切れ検出片776の通路部と反対側への過剰な揺動を防止するためにストッパー突起780が形成されており、また、球通路ユニット770の球切れ検出片776に対応する垂直通路部772cに球詰まり用挿入溝781が形成されている。この球詰まり用挿入溝781は、球詰まり等で球切れ検出片776の揺動動作が行われ難い場合に、球通路ユニット770の後面側からピンを差し込んで球切れ検出片776部分の球詰まりの解消を図るために設けられるものである。更に、球切れ検出片776に対面する他方の屈曲通路壁771は、若干球切れ検出片776側に向かって膨出状に形成されている。これは、垂直通路部772cに球が存在しているときに確実に球切れ検出片776を押圧して球切れスイッチ778をONにするためである。
また、球通路ユニット770には、上記した球落下通路772を避けた位置に止め穴782と位置決めボス783とが形成されている。位置決めボス783は、本体枠3の軸支側後面壁546に形成される位置決めピン574に係合されるものであり、止め穴782は同じく軸支側後面壁546に形成される通路ユニット取付ボス562に対応するものである。しかして、球通路ユニット770を本体枠3に取り付けるには、図47に示すように、位置決めボス783を位置決めピン574に係合させながら通路ユニット取付ボス562と止め穴782とを一致させ、その状態で止め穴782からビス784を螺着することにより行うことができる。更に、球通路ユニット770には、その一側中程にカバー体1250の係合片と係合するカバー体係合溝785が形成されていると共に、下部に賞球ユニット800と連結するための連結蓋部材786が回動自在に設けられている。
連結蓋部材786は、図49に示すように、長方形状の板材の裏面に円弧状に突設される一対の通路壁790を突設することにより構成されており、球通路ユニット770の下部表面の左右両端部に突設される軸支部としての支持突片787に、連結蓋部材786の両端部から延びる支持片788の先端に突設される回転軸部としての突起軸789を嵌合することにより回動自在に軸支されるものである。また、連結蓋部材786は、閉じることにより球通路ユニット770の下方に延長されて通路壁790によって形成される通路と球落下通路772の下流端部とが連通した状態(図51(B)に示す状態)と、開放することにより通路壁790によって形成される通路と球落下通路772の下流端部とが連通しない状態(図51(A)に示す状態)と、に回動し得るが、開放した状態から閉じた状態に移行する際に、連結蓋部材786の支持片788を案内する案内突起791が球通路ユニット770の後面下端部に突設されている。
而して、球通路ユニット770を本体枠3の軸支側後面壁546に固定した状態で、しかも、後述するように賞球ユニット800を同じく軸支側後面壁546に装着した状態(図51(A)に示す状態)で、連結蓋部材786を閉じて賞球ユニット800に設けられる係止弾性爪820によってその後面を係止することにより、球通路ユニット770の球落下通路772と賞球ユニット800の屈曲通路803とを通路壁790にて連通して、球通路ユニット770の球落下通路772を落下する球を賞球ユニット800の屈曲通路803に導くことができるものである。このように球通路ユニット770に回動自在な連結蓋部材786を設けた理由は、後述するように賞球ユニット800を本体枠3に対して着脱自在に装着し易くすることと、その着脱自在に装着したことに起因して球通路ユニット770と賞球ユニット800との間に形成される空間が球のスムーズな落下を阻害しないようにするためである。
また、球通路ユニット770に突設される一対の屈曲通路壁771の間に本体枠3の軸支側後面壁546にその突出高さが下流側に向かって徐々に低くなるように突設される賞球案内突起561を挿入することで、球落下通路772の上端入口773がタンクレール部材740の2列の通路742のほぼ中央下部に位置するように、球落下通路772の上流部を背面からみて前後方向に屈曲する前後屈曲通路部772aとして形成する。これにより、一対の整列歯車747によって2列で流下する球を交互に1個ずつ賞球ユニット800側に送り出す構成において、球落下通路772を通して球を1個ずつスムーズに賞球ユニット800に送り出すことができる。また、この構成によれば、複数の部材の組立体から球落下通路772を構成する必要がないため、球落下通路772を構成する部品点数を削減することができると共に、球落下通路772の組み付け作業性を向上することができる。
また、タンクレール部材740から前後屈曲通路部772aを落下してきた球は、左右屈曲通路部772bを通過することでその勢いを弱め、その後、垂直通路部772cを通って賞球ユニット800に送られる。また、勢いが弱められた状態で球が送り込まれる垂直通路部772cには、球切れを検出するための球切れ検出機構(球切れ検出片776及び球切れスイッチ778)が設けられる。これにより、球落下通路772での球切れ、言い換えれば賞球ユニット800に供給する球が切れたこと(球切れ)を確実に検出することができる。
<賞球ユニット>
次に、上記した球通路ユニット770の下流側に配置される賞球ユニット800について、主として図52乃至図55を参照して説明する。図52は、賞球ユニット800の背面側から見た分解斜視図であり、図53は、払出モータ815と払出部材としてのスプロケット807との関係を説明するための背面図であり、図54は、賞球ユニット800の通路と駆動関係を説明するための背面図であり、図55は、図54のA−A断面図である。
図52において、賞球ユニット800は、一対の屈曲通路壁802によって球通路を構成する屈曲通路803、賞球通路810、及び球抜通路811が形成されるユニットベース体801と、該ユニットベース体801の後面を覆うユニットサブ板825と、該ユニットサブ板825の上部表面(後面側)に取り付けられる中継基板830と、前記ユニットサブ板825のほぼ中央表面領域(後面側領域)に設けられるギヤ群843,844,847及び検出円盤850(回転伝達部材)を被覆するギヤカバー866とから構成されている。以下、これらの構成を順次説明する。
ユニットベース体801は、ほぼ長方形状の板状(この板部分を「底面」という場合がある。)に形成され、その板状のユニットサブ板825側に向かって突設される一対の屈曲通路壁802によって屈曲通路803が形成されている。屈曲通路壁802は、ユニットベース体801の上部中央から下流側のほぼ中程まで球の直径よりもやや大きな間隔で突設されるが、その中程から下流側に大きく左右に分かれて中程から下流端までユニットベース体801の両端辺の側壁を兼ねている。また、中程の屈曲通路壁802が大きく左右に分かれた部分は、球送り回転体としてのスプロケット807が配置される振分空間805を構成し、その振分空間805の下部からユニットベース体801の下流端までに左右に分かれた前記屈曲通路壁802の対をなすように通路区画壁809が突設形成されている。
つまり、中程から下流側の左右の屈曲通路壁802と通路区画壁809とによって振分空間805から左右に2つの通路が構成されることなり、一方の通路が賞球通路810を構成し、他方の通路が球抜通路811を構成している。なお、通路区画壁809も左右に大きく分かれており、その分かれた通路区画壁809の内側に払出モータ815を収納するモータ収納空間814が形成されている。即ち、払出モータ815は、球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)を避けた位置であって当該球通路の奥行き幅寸法内に形成されるモータ収納空間814に収納固定される。なお、屈曲通路803は、該通路803内に停留する球のスプロケット807への圧力を弱めるために蛇行状に形成されて振分空間805に到達しているが、その振分空間805の上流側の底面に楕円形状の開口804が形成されている。この開口804は、屈曲通路803内に入った小さなゴミ等を貯留するもので、賞球ユニット800を本体枠3から取り外したときに溜まったゴミ等を取り出すことができるようになっている。
また、上記した振分空間805には、外周に球が嵌り合う複数(図示の場合は、3つ)の凹部が形成された払出部材としてのスプロケット807が回転自在に配置されるが、このスプロケット807が固定される回転軸808の他端を軸支する軸受筒806が振分空間805の底面に形成されている。また、振分空間805の底部を構成する通路区画壁809の上端部は、スプロケット807の回転円弧に沿った凹円弧状に形成され、その一方に形成される賞球通路810の上流部には、払出球検出センサ812が着脱自在に装着されている。
この払出球検出センサ812は、先端部に球が通過する円形状の通過穴が形成された直方体状の磁気センサからなり、その後端部の形状と合致するスイッチ嵌合凹部865を屈曲通路壁802で形成することにより、簡単に着脱自在に取り付けられるものである。なお、払出球検出センサ812からの配線(図示しない)は、後述する中継基板830に接続されるようになっている。更に、賞球通路810を構成する屈曲通路壁802の下流側には、ユニットサブ板825と一体的に形成される通路蓋板部859に形成される係止部860と係合する係止爪813が複数形成されている。ただし、複数の係止爪813のうち、通路蓋板部859の下端の一方の係止部860と係合する係止爪813は、通路区画壁809側に形成されている。
また、ユニットベース体801の下方であって賞球通路810と球抜通路811との間には、払出モータ815を収納する円形状のモータ収納空間814が形成されるが、このモータ収納空間814の内部に払出モータ815の円筒状本体が収納されるようになっている。ただし、払出モータ815は、その前面に形成される一対の取付片816によってユニットサブ板825の下方に取り付けられるアルミ放熱板841の裏面側にビス817で固着されるようになっている。そして、払出モータ815がユニットサブ板825のアルミ放熱板841に取り付けられた状態で、払出モータ815のモータ軸818は、アルミ放熱板841に穿設された軸挿通穴842を貫通して第一ギヤ843が固着されるようになっている。
また、ユニットサブ板825及びアルミ放熱板841でユニットベース体801の後面側を被覆することにより、上記した屈曲通路803、賞球通路810、及び球抜通路811が形成される奥行幅方向の空間内に払出モータ815の円筒状本体部分も収納配置されることになる。そして、払出モータ815を収納するモータ収納空間814と前述したスプロケット807が配置される振分空間805とが、上下方向の極めて近い位置関係に形成されているため、ユニットベース体801の上下方向の長さを短くすることができ、結果的に賞球ユニット800のコンパクト化を図ることができる。
更に、ユニットベース体801には、上記した球抜通路811の最下端に球抜きされた球を賞球ユニット800の裏面側に誘導する誘導突片819が突設され、この誘導突片819に誘導された球が後述する球抜接続通路880に誘導されて最終的にパチンコ機1の外部(島台の下方に設けられる回収樋)に放出されるようになっている。また、ユニットベース体801の上部には、前述した球通路ユニット770の連結蓋部材786を係止する係止弾性爪820が突設されると共に、賞球ユニット800を本体枠3の軸支側後面壁546に着脱自在に取り付けるためのボタン挿通係合穴821及び鉤状係合部824と、ユニットベース体801とユニットサブ板825を挟持した状態でギヤカバー866とを連結するための取付ボス823が設けられている。
このボタン挿通係合穴821には、ユニットベース体801の上部一側に設けられて棒状の着脱ボタン822が奥行幅方向に摺動自在に取り付けられるものであり、後述するように、その前方先端が本体枠3の軸支側後面壁546に形成されるロック用弾性爪564に対応している。また、ボタン挿通係合穴821の後端面は、図47に示すように、ロック用弾性爪564の先端部が入り込むように凹状となっている。また、鉤状係合部824は、本体枠3の軸支側後面壁546に形成される係合突片565と係合するもので、賞球ユニット800を軸支側後面壁546に押し当てて下方に押下げることにより、鉤状係合部824と係合突片565とが係合するものである。そして、その係合状態においてロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821とが係合するので、賞球ユニット800の上方向の移動ができないようになっている。
なお、鉤状係合部824は、ユニットベース体801の上部左右に形成されている。また、ユニットサブ板825を挟持した状態でユニットベース体801とギヤカバー866とを連結するための取付ボス823は、後面側に向かって長く突設され、ユニットサブ板825に穿設される貫通穴858を貫通した後、ギヤカバー866の取付穴867に対応させ、そのギヤカバー866の表面からネジ868を螺着することにより、ユニットサブ板825を挟持した状態でユニットベース体801とギヤカバー866とを連結している。
上記したユニットベース体801を被覆するユニットサブ板825の構成について説明すると、ユニットサブ板825は、ユニットベース体801の屈曲通路803部分と振分空間805部分と賞球通路810部分とを覆う合成樹脂製の板材に払出モータ815が取り付けられると共に球抜通路811の下流部分とを覆うアルミ放熱板841を取り付けることにより構成されている。そして、ユニットサブ板825の合成樹脂板部の表側(後面側)には、中継基板830を取り付けるための中継基板領域826が上部に形成され、その下方に複数のギヤ843,844,847や検出円盤850が取り付けられるギヤ領域840が形成されている。
この中継基板領域826は、ほぼ正方形状に形成され、その正方形状に沿って中継基板830を載置する載置リブ827が突設され、その一側垂直辺の上下に後述する基板カバー835の係合突起836と係合する係合溝部828が形成され、その他側垂直辺の中央に基板カバー835の係止突部837と係合する係止爪部829が形成されている。また、中継基板領域826には、着脱ボタン822が挿通されるボタン挿通穴834と中継基板830をビス(図示しない)で止着するための取付ボス部832が形成されている。
上記した中継基板領域826に取り付けられる中継基板830は、賞球ユニット800に設けられる上述した払出球検出センサ812、払出モータ815、及び後述するセンサ855からの配線と、後述する払出制御基板1186(図25及び図72参照)からの配線とを中継するもので、そのために複数のコネクタが設けられると共に、着脱ボタン822が挿通されるボタン挿通穴833と前記取付ボス部832に対応する取付穴831とが穿設されている。しかして、中継基板830を中継基板領域826の載置リブ827に載置した状態で取付穴831と取付ボス部832とを合致させて図示しないビスで止着することにより中継基板830をユニットサブ板825の表面(後面)に止着することができる。
また、上記のように取り付けられる中継基板830は、基板カバー835によって被覆される。基板カバー835は、ほぼ正方形状の前面側が開放したボックス状に形成され、その一側垂直辺の上下基部に係合突起836と他側垂直辺のほぼ中央側面に係止突部837が形成されている。また、基板カバー835の正方形状の垂直面には、ボタン開口838と接続開口部839とが形成されている。しかして、基板カバー835の係合突起836を中継基板領域826の係合溝部828に差し込んで係合した後、係止突部837と係止爪部829とを係合させることにより、簡単に基板カバー835で中継基板830を被覆することができる。逆に、取り外す場合には、係止爪部829を弾性変形させて係止突部837との係合を解除すると共に基板カバー835を斜め手前側に引いて係合突起836と係合溝部828との係合を解除することができる。なお、基板カバー835を被覆した状態では、ボタン挿通係合穴821に係合されている着脱ボタン822の頭部がボタン挿通穴833,834を挿通してボタン開口838から外部に僅かに臨んでいる。また、中継基板830に接続された配線は、接続開口部839から外部に引き出されるようになっている。
次に、ユニットサブ板825に形成されるギヤ領域840に設けられるギヤ843,844,847、及び検出円盤850について説明する。前述したように、払出モータ815のモータ軸818の先端は、ユニットサブ板825のアルミ放熱板841に穿設される軸挿通穴842を貫通してユニットサブ板825の表面(後面側)に突出しており、その突出した部分に第一ギヤ843(駆動ギヤ)が固着されている。第一ギヤ843の上方には、該第一ギヤ843と噛合する第二ギヤ844(回転伝達ギヤ)がギヤカバー866の裏面(前面側)に一端が圧入され且つアルミ放熱板841に穿設される軸穴846に他端が支持される軸845に回転自在に設けられ、その第二ギヤ844の上方には、該第二ギヤ844と噛合する第三ギヤ847(回転伝達ギヤ)がユニットサブ板825に形成される軸穴849に圧入された軸848に回転自在に設けられている。更に、第三ギヤ847の上方には、該第三ギヤ847と噛合するギヤ部852(従動ギヤ)を有する検出円盤850が前記スプロケット807を軸支する回転軸808に回転自在に設けられている。
なお、図55に示すように、モータ軸818の先端部がギヤカバー866に形成される受穴に遊嵌されている。また、回転軸808は、その一端がユニットベース体801に形成される軸受筒806に圧入されて支持され、その他端がギヤカバー866に形成される軸受穴に支持されるものであるが、ギヤ領域840の中央よりやや下方に形成された軸貫通穴864を貫通して振分空間805においてスプロケット807を回転自在に軸支し、ユニットサブ板825とギヤカバー866とによって形成される空間において検出円盤850を回転自在に軸支している。ただし、図55に示すように、スプロケット807の後端部が検出円盤850の中心前面部と係合した状態となっているので、スプロケット807と検出円盤850とは、回転軸808を中心として一体的に回転するようになっている。したがって、払出モータ815が回転駆動すると、その回転が第一ギヤ843、第二ギヤ844、第三ギヤ847、検出円盤850のギヤ部852を介してスプロケット807を回転するように伝達される。
この検出円盤850の外周は、ギヤ部852の円よりも一回り大きく形成されており、そのギヤ部852よりも外側に突出している外周部分には、スプロケット807の凹部と同じ数(図示の場合には、3個)の検出切欠851が形成されている。この検出切欠851は、ユニットサブ板825の表面に形成される基板取付部857に挟持支持されるセンサ基板854に設けられる投受光方式のセンサ855(回転位置検出手段)によって検出されるものである。そして、センサ855は、払出動作時において所定のインターバル時間内に検出切欠851の検出個数を検出することにより、スプロケット807が正常に回転しているか否かを監視するためのものである。仮に、センサ855により、異常回転が検出されたとき(多くは、スプロケット807による球噛み状態)には、スプロケット807を所定回数正逆回転させて異常状態(例えば、球噛み状態)を解消するものである。なお、実際に払いだされた球の個数は、前述した賞球通路810に設けられる払出球検出センサ812によって検出して計数のために使用している。なお、図55に示すように、センサ基板854の他端辺もギヤカバー866に形成される基板取付部に挟持されるようになっている。
上述したように、ギヤ領域840に設けられる複数のギヤのうち、第二ギヤ844だけがギヤカバー866側に圧入される回転軸845に回転自在に設けられているところ、ギヤ領域840を覆うギヤカバー866には、前記ユニットベース体801に突設されてユニットサブ板825の貫通穴858を貫通する取付ボス823の先端部に対応する位置に穿設される取付穴867が形成されている。そして、ギヤカバー866側に設けられる第二ギヤ844の歯とユニットサブ板825側に設けられる第一ギヤ843及び第三ギヤ847の歯とを噛み合わせながら、取付穴867と取付ボス823とを一致させた状態でギヤカバー866の後面からネジ868で螺着することにより、ユニットサブ板825を挟持する状態でベースユニット体451とギヤカバー866とが一体的に固定される。また、ギヤカバー866の一側側面には、前記中継基板830に接続される配線(例えば、中継基板830と後述する払出制御基板1186とを接続する配線等)を掛け留めて纏める配線処理片869が突設されている。
以上、賞球ユニット800の構成について説明してきたが、ユニットベース体801とユニットサブ板825と中継基板830と基板カバー835とギヤカバー866とを組み付けた状態においては、図55に示すように、払い出すべき球が導かれる屈曲通路803の下方位置に払出モータ815の円筒状の本体部分が収納されるように位置する。また、ユニットベース体801には、球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)内に配置されたスプロケット807と、球通路を避けた位置であって球通路の奥行き幅寸法内に形成されるモータ収納空間814に収納された払出モータ815と、を設け、ユニットサブ板825には、その非閉塞面側に沿って払出モータ815のモータ軸818の回転をスプロケット807の回転軸808に伝達する回転伝達部材(第一ギヤ843、第二,3ギヤ844,847、及び検出円盤850のギヤ部852)を設け、しかも、払出モータ815と屈曲通路803の振分空間805に配置される払出部材としてのスプロケット807とをユニットサブ板825の後面のギヤ領域840に設けられる複数のギヤ843,844,847,850(852)によって回転駆動するように連結した構造となっている。即ち、ユニットベース体801とユニットサブ板825との間に形成される球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)の奥行き幅内にスプロケット807と払出モータ815とを収納し、しかも、スプロケット807と払出モータ815とを連結する回転伝達部材(第一ギヤ843、第二,3ギヤ844,847、及び検出円盤850のギヤ部852)をユニットサブ板825の非閉塞面側の所定幅内に沿って設けたので、球通路の外側に払出モータやスプロケットの一部を配置したものに比べて、賞球ユニット800を薄型化することができる。
また、このような賞球ユニット800は、当該賞球ユニット800内の球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)が一条の通路形状で形成されることにより、より一層の薄型化が図られている。即ち、従来のように、払出モータ815を賞球ユニットの前面側又は後面側又は側方側に突出させるものと異なり、本体枠3の軸支側後面壁546の後面側に取り付けたときに、賞球ユニット800のいずれの部分もさらに後方に向かって突出することがない構造とすることができる。なお、図55において、払出モータ815の前端部分がユニットベース体801の後面よりも僅かに突出して構成されているが、この突出部分は、図25に示すように、軸支側後面壁546の下方の払出モータ用逃げ開口部572から本体枠3の前方部分に臨むようになっているため、結果的にその突出寸法から軸支側後面壁546の板厚寸法を差し引いた寸法だけ突出する程度となり、軸支側後面壁546よりも前方に向かう突出量は僅かなものとなっている。また、このような構成をとることにより、本実施形態では、賞球ユニット800が取り付けられる本体枠3の軸支側後面壁546と遊技盤4の裏面との間に、遊技盤4に設けられる遊技装置の後方突出部分を収納する収納空間を奥行き幅方向で大きくとることができる。
更に、上記のように構成される賞球ユニット800を本体枠3の軸支側後面壁546に取り付けるためには、図47に示すように、鉤状係合部824と係合突片565とを対応させて位置合わせした後、賞球ユニット800の下端を係止溝573に掛け止め且つ鉤状係合部824と係合突片565とを係合させるために賞球ユニット800を軸支側後面壁546に密着させたまま下方に押下げる。このとき、賞球ユニット800の下端部と係止溝573とが係合し且つ鉤状係合部824と係合突片565とが係合しているので、取付自体は完了しているが、賞球ユニット800を上方に移動させることにより簡単に上記のそれぞれの係合状態が解除されてしまうため、これを防止するために、ロック用弾性爪564がボタン挿通係合穴821に係合するようになっている。
つまり、ロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821とが係合することにより、取付状態で賞球ユニット800の上方への移動を防止している。このように、賞球ユニット800を取り付けた後に、球通路ユニット770の連結蓋部材786を前述したように回動して係止弾性爪820で係止することにより、球通路ユニット770の球落下通路772下流端と賞球ユニット800の屈曲通路803の上流端とを一対の通路壁790によって構成される通路を介して連通化することができる。また、賞球ユニット800を取り付けた状態では、賞球通路810の下流端と後に詳述する満タンユニット900の賞球入口927とが接続され、球抜通路811の下流端が球抜接続通路880の上流端と接続される。
一方、賞球ユニット800を取り外すときは、係止弾性爪820による係合を解除して連結蓋部材786を手前側に回動し、その後、着脱ボタン822を押圧してロック用弾性爪564を前面側に移動させてロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821との係合を解除させ、その後着脱ボタン822を押圧したままの状態で賞球ユニット800を上方に引き上げて賞球ユニット800の下端部と係止溝573との係合及び鉤状係合部824と係合突片565との係合を解除して賞球ユニット800を手前側に引き出すことにより、賞球ユニット800を簡単に取り外すことができる。
<満タンユニット>
上記した賞球ユニット800の下流側に配置される満タンユニット900について、主として図56乃至図62を参照して説明する。図56は、賞球ユニット800と満タンユニット900との関係を示す斜視図であり、図57は、満タンユニット900の斜視図であり、図58は、満タンユニット900の正面から見た分解斜視図であり、図59は、満タンユニット900の背面から見た分解斜視図であり、図60は、満タンユニット900とファール口610との関係を示す一部破断斜視図であり、図61は、満タンユニット900に設けられる底面揺動板907部分で切断した横断面図であり、図62は、満タンユニット900とファール口610との関係を示す断面図である。
満タンユニット900は、前述したように本体枠3の満タンユニット載置部531に載置固定されるものであり、図58に示すように、上面が開放したボックス状に形成されるボックス主体901と、該ボックス主体901の上面を覆う蓋体926とから構成されている。ボックス主体901は、賞球通路810の下流端から流入した球が内部をジグザグ状に誘導されて出口921から排出されるようになっている。このため、その上流部に蓋体926に形成される賞球入口927から流入した球を一端から他端に向かって側方に誘導する側方誘導通路902が形成されている。側方誘導通路902の賞球入口927の直下の一端部には、球を側方に向かって誘導するように凹円弧状に形成される側方誘導受部903が設けられ、側方誘導通路902の他端内面に側方誘導通路902を流れてきた球の衝撃を受け止めて該球を下流側に誘導する緩衝部材904が設けられている。
また、側方誘導通路902の他端内面に設けられる緩衝部材904に衝突した球は、向きを下流側に変えた後、側方誘導通路902の球の流れと逆方向に流れるように誘導される逆側方誘導通路905が形成されている。逆側方誘導通路905を流れた球は、その後、前方に向かって形成される前方誘導通路920に導かれて該前方誘導通路920の流下端に形成される出口921から前述した皿ユニット300の賞球連絡樋451に導かれる。
ところで、前記逆側方誘導通路905の上流側の底面には、その底面の全域に亘って開口する底面開口906が形成され、その底面開口906を底面揺動板907が揺動自在に閉塞している。底面開口906は、上面が開放されたほぼ正方形の凹状に形成され、その内部の正面から見て前後方向の側壁に一対の軸支突起911が突設されている。また、底面開口906の凹状の底面にバネ913の下端を位置決めするための円形状のバネ載置凹部912が形成されている。一方、底面開口906を閉塞する底面揺動板907は、ほぼ正方形状に形成され、その裏面下流側に正面から見て前記軸支突起911に嵌合することにより軸支される半円形状の軸受部908が突設形成されている。
また、底面揺動板907の裏面中央には、図61に示すように、バネ913の上端が係止されるバネ係止突起910が下方に向かって突設されている。したがって、底面揺動板907は、バネ913の付勢力によりその上流側が常に上方へ揺動された方向に付勢されている。そして、バネ913は、通常の賞球の払出個数(例えば、15個)が一度に底面揺動板907上に載置したときでも底面揺動板907が下方に揺動せず、賞球の払出個数以上の所定個数の球が底面揺動板907上に載置したときに下方に揺動するようなバネ係数を有するバネ部材によって形成されている。更に、底面揺動板907の上流側に検出突片909が前方に向かって突出されている。この検出突片909は、底面揺動板907の軸受部908を軸支突起911に嵌合軸支したときに、連通孔929を貫通して次に説明するスイッチ収納空間914に位置するようになっている。
また、逆側方誘導通路905の上流端部の側壁の外側には、満タンスイッチ916を収納するためのスイッチ収納空間914が一体的に形成されている。スイッチ収納空間914に満タンスイッチ916を取り付けるために、スイッチ収納空間914の上部であって逆側方誘導通路905の上流端部の側壁の外側面にスイッチ取付部918が形成され、そのスイッチ取付部918に満タンスイッチ916を保持するスイッチホルダ915の取付片917がネジ919によって止着されている。満タンスイッチ916は、投光器と受光器とからなるスイッチとして構成され、その受光器と投光器との間を検出突片909が上下に揺動することによりON・OFFを検出するものである。
更に、逆側方誘導通路905の下流側の一側方にファール球通路922が形成されている。ファール球通路922は、その上流側のファール球入口923が図60に示すように、前述したファール口610に連通し、その下流側が前方誘導通路920の上流側に連通するように屈曲して形成されている。このため、ファール口610に取り入れられたファール球は、ファール球入口923から屈曲したファール球通路922を通って前方誘導通路920に導かれ、さらに出口921及び賞球連絡樋451を通って皿ユニット300に戻される。
また、ボックス主体901には、前記出口921の両側方と前記ファール球入口923の一側方に前記満タンユニット載置部531に形成されるユニット係合溝532に係合される係合片924が突設されると共に、蓋体926に形成される掛止片928と係合する掛止突起925が形成されている。この掛止突起925は、ボックス主体901の左右後方の側壁上部に適宜形成されている。
一方、蓋体926は、ボックス主体901の側方誘導通路902、逆側方誘導通路905、前方誘導通路920、及びファール球通路922の上面を覆うような板形状に形成され、前記側方誘導通路902に上流端に対応する位置に正方形状の賞球入口927が開口されている。また、蓋体926の周囲には、ボックス主体901の前記掛止突起925と係合するための掛止片928が下方に向かって突設されている。
上記のように構成される満タンユニット900においては、図56に示すように、賞球ユニット800の賞球通路810から払出された球が賞球入口927から側方誘導通路902の上流側に入って側方誘導受部903によって側方に向かって誘導されて緩衝部材904に衝突する。緩衝部材904に衝突した球は、そのまま下流側に向かって逆側方誘導通路905を前記側方誘導通路902の誘導方向と逆方向に誘導されて前方誘導通路920に導かれ、前方誘導通路920の出口921から賞球連絡樋451を通って皿ユニット300に導かれる。また、ファール球入口923から入ったファール球も屈曲したファール球通路922によって球の勢いを弱められて前方誘導通路920に合流し、前方誘導通路920の出口921から賞球連絡樋451を通って皿ユニット300に導かれる。
そして、通常時、満タンユニット900内を球が自然に流れているときには、側方誘導通路902から逆側方誘導通路905に球が移動する際に、底面揺動板907に落下するが、通常の賞球の払出個数程度では、バネ913の弾発力が強いので、底面揺動板907が揺動することがなく、図61の実線で示すように、検出突片909が投受光方式の満タンスイッチ916の投光器と受光器との間に入ってスイッチが導通しない状態(OFF)となっている。これに対し、皿ユニット300に賞球が貯留されて満タンユニット900内にも球が充満してきたときには、前方誘導通路920及び逆側方誘導通路905の上流側の全域に形成される底面揺動板907上に貯留された球の圧力により底面揺動板907がバネ913の付勢力に抗して下方に揺動し、図61の二点鎖線で示すように、検出突片909が投受光方式の満タンスイッチ916の投光器と受光器との間から外れてスイッチが導通した状態(ON)となる。満タンスイッチ916がONすると、賞球ユニット800の払出モータ815の回転駆動が停止(所定個数の賞球を払出している最中にON信号が導出された場合には、その所定個数の賞球が払出されてから停止)するようになっている。
上記したように、満タンユニット900においては、球が流下する通路(図示の場合には、逆側方誘導通路905)の通路底面の幅とほぼ同じ幅の底面揺動板907によって満タンスイッチ916を作動させるようにすると共に、通常時の球の流れによって揺動せずある程度の球が載置したときに底面揺動板907揺動するように付勢部材(バネ913)で付勢したので、従来のように一部の通路の底面等に球が載置したことにより球詰まりを検出するものに比べて、その一部の通路部分における球の載置が球詰まりによって検出されない事態を確実に防止することができる。このことは、球の満タンを確実に検出することができるものである。
また、本実施形態に係る満タンユニット900においては、本体枠3の満タンユニット載置部531に着脱自在に取り付けるものであるため、従来のように、満タン装置を本体枠に形成された払出通路の内部に組み付けるものに比べて、本体枠に満タン構造のための通路を形成する必要がない。また、満タンユニット900の内部をジグザグ状の通路とすることにより、賞球ユニット800の賞球通路810から払出された球の勢いを弱めながら皿ユニット300に誘導することができるので、払い出された賞球が皿ユニット300から外に飛び出すこともない。更に、本実施形態に係る満タンユニット900は、ファール球を導くファール球通路922が賞球を払い出す前方誘導通路920の途中に球の勢いを弱めて合流するようになっているので、賞球の流れを阻害することなくファール球を合流させることができる。
<錠装置>
次に、本体枠3の開放側の裏側端辺に沿って垂直方向に取り付けられる錠装置1000について主として図63乃至図71を参照して説明する。図63は、錠装置1000と本体枠3との関係を示す背面斜視図であり、図64は、錠装置1000の本体枠3への掛け止め構造を示す拡大側方断面図であり、図65は、パチンコ機1の縦方向中央よりやや下方の位置で水平方向に切断した一部断面図であり、図66は、錠装置1000と本体枠3の側壁540,541との詳細な関係を示す拡大断面図であり、図67は、錠装置1000の側面図(A)、前面側から見た斜視図(B)であり、図68は、錠装置1000の背面側から見た斜視図(A)、錠装置1000のコ字状基体1001の内部に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050の斜視図(B),(C)であり、図69は、錠装置1000の分解斜視図であり、図70は、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050の作用を説明するための正面図であり、図71は、不正防止部材1023,1032の作用を説明するための正面図である。
錠装置1000は、本体枠3の開放側の第一側面壁540に沿って本体枠3のほぼ上端から下端にかけて取り付けられるものであり、図63に示すように、本体枠3の外周側辺と第一側面壁540の立ち上がり部との間の上下端近い部分及び中程に形成される複数(図示の場合、3個)の錠係止穴548と、第一側面壁540の垂直面の上部と中程に切り欠けられて形成される錠取付穴547とシリンダー錠貫通穴526の上部近傍に形成される錠取付穴547と、によって次に説明する錠装置1000のコ字状基体1001が支持固定されるものである。そこで、以下、錠装置1000の構造について詳細に説明する。
図67乃至図69に示すように、錠装置1000は、断面コ字状に形成される錠基体としてのコ字状基体1001と、該コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と、前記コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる本体枠用摺動杆1050と、該本体枠用摺動杆1050の摺動を不正に行うことができないようにコ字状基体1001の下部に取り付けられる不正防止部材1023,1032と、からなる。
コ字状基体1001は、金属を断面コ字状となるように折り曲げ、その内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設けるものであるが、その横幅寸法は従来の断面L字状に成形された基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いものとなっている。これは、前述したように遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の側面壁540〜543で囲まれる空間を大きくしたため、側面壁540と本体枠3の外周辺との間の寸法が極めて小さくなっていることにより、本実施形態に係る錠装置1000の横幅寸法を小さく形成して錠装置1000を本体枠3の裏側に取り付けることができるような取付構造として改良したためである。そして、コ字状基体1001の断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取り付けられるため、錠装置1000が本体枠3に取り付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、それぞれのフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態の不正防止構造となっている。
まず、コ字状基体1001の開放側と反対の閉塞側上下に本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065が貫通される長方形状のフック貫通開口1002が開設されると共に、閉塞側であって第一側面壁540と密着する側面1001b(図69参照)上部と中程に水平方向にビス止め部1003が突設され、更に、開放側の第一側面壁540と密着しない側面1001a(図69参照)の上端部及び中間部と、開放側の両側面1001a,1001bの下端部に係止突起1004が突設形成されている。
このビス止め部1003と係止突起1004は、錠装置1000を本体枠3の裏面に取り付けるためのものであり、係止突起1004を本体枠3の錠係止穴548に差し込んで上方に移動させ(図64参照)、その状態でビス止め部1003と錠取付穴547とが一致するため、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができる。なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程のビス止め部1003だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されるビス止め部1003と前記シリンダー錠貫通穴526の上方近傍に形成される錠取付穴547とを対応させて図示しないビスで止着することにより、錠装置1000の下方も取り付けられるようになっている。
また、その取り付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起1004を錠係止穴548に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中の2箇所に形成されたビス止め部1003及びコ字状基体1001の開放側(前方部)に形成されたビス止め部1003を錠取付穴547にビスで固定する構造であるため、錠装置1000の前方部を係止突起1004と錠係止穴548で係止し、錠装置1000の後方部をビス止め部1003と錠取付穴547で固定し且つ錠装置1000の下方部をビス止め部1003と錠取付穴547で固定するので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。
換言すると、錠装置1000を極めて横幅寸法の薄いコ字状基体1001に集約して構成した場合でも、錠装置1000の前方部と後方部との係止及び固定により、錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造(固定構造でもよい)を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着しない側面1001aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003及びビス止め部1003がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着する側面1001bから水平方向に突設形成される構造であるため、前方部の係止構造が第一側面壁540と密着する側面1001bに形成される場合に比べて、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠3に固定することができるものである。
また、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bの上部、中程、下部に挿通穴1005が形成され、コ字状基体1001に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納した状態で挿通穴1005にリベット1006を差込んでかしめることにより、コ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を摺動自在に取り付けることができる。即ち、扉枠用摺動杆1040の上中下の3箇所に形成されるリベット用長穴1042と本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052にそれぞれ1つずつ形成されるリベット用長穴1055,1061にリベット1006を貫通させることにより、扉枠用摺動杆1040が上方に移動できるようにし、本体枠用摺動杆1050が下方に移動できるようになっている。したがって、図68(B)に示すように本体枠用摺動杆1050のリベット用長穴1055,1061の下端部にリベット1006が貫通しており、図68(C)に示すように扉枠用摺動杆1040のリベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通している。
更に、コ字状基体1001の下方部には、その閉塞側面に不正防止切欠部1007が形成されると共に、その開放側の本体枠3の第一側面壁540と密着する側面1001bの前端部にシリンダー錠1010を取り付けるための錠取付片1008が側方に向かって突設され、更に、第一側面壁540と密着する側面1001bに挿入縦開口1020、バネ係止片1021、及び逃げ横穴1022がそれぞれ形成されている。不正防止切欠部1007は、後に説明する第一不正防止部材1023のストッパー片部1027が進退するようになっている。この点については、後に詳述する。また、錠取付片1008は、錠装置1000を本体枠3の裏面に取り付けた状態で、遊技盤設置凹部510の下端辺よりも下方の位置となるようにコ字状基体1001の側面1001bの前端部から側方に向かって突設されるが、この錠取付片1008には、シリンダー錠1010が貫通する錠挿通穴1009が形成されると共にシリンダー錠1010の錠取付基板1011に形成される取付穴1013をビス1012で取り付けるための取付穴1014が上下2箇所に穿設され、更に、錠装置1000の下部を本体枠3の裏面に取り付けるためのビス止め部1003が穿設されている。
また、挿入縦開口1020は、シリンダー錠1010に固定される係合カム1016の第一係合突片1017及び第二係合突片1018がシリンダー錠1010の回動時に侵入するための開口であり、バネ係止片1021は、不正防止部材1023,1032に設けられるバネ1035が係止されるものであり、逃げ横穴1022は、連結ピン1034の移動の邪魔をしないように逃げ穴を構成するものである。この点については後に詳述する。
上記した錠取付片1008に取り付けられるシリンダー錠1010について説明すると、シリンダー錠1010は、錠取付基板1011の前方に円筒状のシリンダー錠本体が固定され、そのシリンダー錠本体の錠軸1015が錠取付基板1011より後面に出ており、その錠軸1015の後端に係合カム1016がビス1019によって固定されている。係合カム1016は、ブーメラン形状に形成され、その一端辺が回動時に本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合する第一係合突片1017となっており、その他端辺が回動時に扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合する第二係合突片1018となっている。そして、上記のように構成されるシリンダー錠1010は、円筒状のシリンダー錠本体部分を錠挿通穴1009に挿通して錠取付基板1011の上下2箇所に形成される取付穴1013と錠取付片1008の取付穴1014とを一致させてビス1012で螺着することにより、シリンダー錠1010をコ字状基体1001に固定することができる。
次に、コ字状基体1001に取り付けられる不正防止部材1023,1032,について図69を参照して説明する。不正防止部材1023,1032は、シリンダー錠1010を正式な鍵で回動せずに、例えばピアノ線や針金等で不正に本体枠用摺動杆1050を下降させることを防止するためのものである。しかして、不正防止部材1023,1032は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結した構造となっている。第一不正防止部材1023は、上端の揺動軸穴1025を中心にして揺動自在に構成される縦長の板状に形成され、その揺動軸穴1025を前述したコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を摺動自在に取り付けるための挿通穴1005及びリベット1006のうち、最下方の挿通穴1005及びリベット1006によって取り付けられる。
また、第一不正防止部材1023には、その板状面に前記挿入縦開口1020と重複する縦長な突片挿入穴1026が開設され、この突片挿入穴1026に第二係合突片1018が挿入し得るようになっている。つまり、突片挿入穴1026と挿入縦開口1020を第二係合突片1018が貫通することにより、コ字状基体1001の内部に設けられる扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045と第二係合突片1018とが係合するようになっている。また、第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026の開設位置の斜め上方の外形線が傾斜部1024となっている。この傾斜部1024は、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017の後面側と当接するもので、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017と傾斜部1024とが当接することにより第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として揺動(図71(B)において時計回転方向)するようになっている。
更に、第一不正防止部材1023には、前記突片挿入穴1026の斜め下方の外形線上にストッパー片部1027が突設され、そのストッパー片部1027の下方に規制突片1031が突設され、該規制突片1031の前方部にピン穴1029と連結穴1030とが上下に形成されている。ストッパー片部1027は、本体枠用摺動杆1050の施錠時に前記不正防止切欠部1007及び本体枠用摺動杆1050の係合切欠部1066に侵入係合して本体枠用摺動杆1050が不正に摺動しないようにするものである。また、規制突片1031は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とはバネ1035によって連結されるが、そのバネ1035で連結されたときに第二不正防止部材1032の付勢方向への移動を規制するものである。ピン穴1029は、ガイドピン1028が固定されるものであり、ガイドピン1028が第一不正防止部材1023の裏面側からピン穴1029に固定された状態で、そのガイドピン1028を前記挿入縦開口1020の最下端部に形成される横長状開口部に係合させることにより、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001の側面1001bに沿って案内するものである。更に、連結穴1030は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結するためのものである。
上記した第一不正防止部材1023に連結される第二不正防止部材1032は、逆「て」字状の板材で形成され、その上部一端に連結穴1033が形成され、その上部他端にバネ係止穴1036が穿設され、下方端部に当接部1037が設けられている。連結穴1033は、第一不正防止部材1023の連結穴1030と一致させて連結ピン1034で連結するためのものであり、バネ係止穴1036は、一端がコ字状基体1001のバネ係止片1021に係止されるバネ1035の他端を係止するものである。また、当接部1037は、本体枠3の閉鎖時に外枠2の内側下部に固定される閉鎖用突起41と当接するものである。なお、上記した第一不正防止部材1023及び第二不正防止部材1032の作用については、後に詳述する。
次に、コ字状基体1001の内部に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050について説明する。まず、扉枠用摺動杆1040は、縦長の金属製の板状部材から構成され、その一側縦辺の上中下の3箇所に扉枠用フック部1041が前方に向かって一体的に突設されている。この扉枠用フック部1041は、コ字状基体1001内に収納したときに、その開放側から前方に突出しているもので、錠装置1000を本体枠3の裏面に固定したときに、本体枠3に形成される扉用フック穴549(図21及び図22参照)から前方に突出し、扉枠5の裏面に形成されるフックカバー227(図15参照)に係止するものである。なお、扉枠用フック部1041は、下向きの係合爪形状となっているため、扉枠用摺動杆1040を上昇させることにより扉枠用フック部1041とフックカバー227との係止状態を解除することができる。
また、扉枠用摺動杆1040の上中下の側面中央に、前記リベット1006が挿通される縦長のリベット用長穴1042が形成され、該リベット用長穴1042のうちの最上部のリベット用長穴1042の下方及び扉枠用摺動杆1040の最下端にガイド突起1043が突設されている。リベット用長穴1042は、コ字状基体1001の挿通穴1005に挿通されるリベット1006が貫通されるものであり、しかも、このリベット1006が扉枠用摺動杆1040の上昇動作を邪魔しないように縦長に形成されている。そして、通常状態においては、リベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通当接した状態となっている。また、ガイド突起1043は、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に形成される突片移動穴1056,1064に挿通されるものであり、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の摺動動作を案内するようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040の上端部にスプリングフック部1046が形成され、このスプリングフック部1046にスプリング1048の一端が係止され、そのスプリング1048の他端が本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051に形成されるスプリングフック部1057に係止される。これにより、扉枠用摺動杆1040が下方向に、本体枠用摺動杆1050が上方向に、それぞれ相互に付勢されている。扉枠用摺動杆1040の中程には、当接弾性片1047が凸状に形成されている。この当接弾性片1047は、扉枠用摺動杆1040の一側側面からプレスで打ち出して凸状に形成したものであり、コ字状基体1001の内側面に当接して内部で扉枠用摺動杆1040がガタつかないようにするものである。
更に、扉枠用摺動杆1040の下方部分の側面には、共に縦長な遊び穴1044と上昇係合穴1045とが形成されている。遊び穴1044は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動するときに、その回動動作の邪魔にならないように第一係合突片1017の先端部が移動しえる空間を構成するものである。また、上昇係合穴1045は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動するときに、その回動動作によって扉枠用摺動杆1040が上昇するように係合するためのものである。なお、扉枠用摺動杆1040の縦辺下部後方には、前記不正防止切欠部1007よりも上下方向に大きな切欠である逃げ切欠部1049が形成されている。この逃げ切欠部1049は、第一不正防止部材1023のストッパー片部1027を確実に不正防止切欠部1007及び係合切欠部1066に係合させるために邪魔しないように形成されるものである。
一方、本体枠用摺動杆1050は、金属板製の上フック部材1051と、金属板製の下フック部材1052と、上フック部材1051と下フック部材1052とを連結する連結線杆1052と、から構成されている。つまり、本体枠用摺動杆1050は、従来のように1つの金属製の縦長板で構成されているわけではなく、フック部1054,1065を有する上フック部材1051と下フック部材1052とを金属製の板材をプレスで形成し、その金属製の上フック部材1051と下フック部材1052とを細い金属製の連結線杆1053で連結したものである。このため、狭いコ字状基体1001の空間に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを効率よく収納することができる。
ところで、上フック部材1051には、その上端部に後方に向かってフック部1054が突設され、その板面部にリベット用長穴1055と突片移動穴1056とが形成され、また、その前方の縦辺下端部にスプリングフック部1057と連結穴1058とが形成され、さらに、その上辺及び下辺に当接部1059が形成されている。フック部1054は、コ字状基体1001の上方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の上部に設けられる閉鎖用突起38に係合するもので上向きに係止爪部が形成されている。
このリベット用長穴1055は、扉枠用摺動杆1040の上部に形成されるリベット用長穴1042に対応するものであり、このリベット用長穴1055にリベット1006が貫通された通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1055の最下端部を貫通した状態となっている。これにより、上フック部材1051が下方に向かって移動することができるようになっている。突片移動穴1056は、前述したように扉枠用摺動杆1040の上方のガイド突片1043が挿入されて、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内するようになっている。スプリングフック部1057は、前述したようにスプリング1048の他端が係止されるものである。また、連結穴1058は、連結線杆1053の上端が折り曲げられて挿入されるものである。更に、当接部1059は、コ字状基体1001に収納されたときに、該コ字状基体1001の内部側壁に当接して上フック部材1051の摺動動作においてガタつきがなくスムーズに行われるようにするためのものである。
一方、下フック部材1052には、その下端部に後方に向かってフック部1065が突設され、その板面部の上方から下方にかけてリベット用長穴1061と下降係合穴1062と遊び穴1063と突片移動穴1064とが順次形成され、また、その前方の縦辺上端部に連結穴1060が、その後方の縦辺下部に係合切欠部1066がそれぞれ形成され、さらに、その上辺及び下辺に当接部1067が形成されている。フック部1065は、コ字状基体1001の下方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の下部に設けられる閉鎖用突起41に係合するもので上向きに係止爪部が形成されている。リベット用長穴1061は、扉枠用摺動杆1040の下部に形成されるリベット用長穴1042に対応するものであり、このリベット用長穴1061にリベット1006が貫通された通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1061の最下端部を貫通した状態となっている。
これにより、下フック部材1052が下方に向かって移動することができるようになっている。下降係合穴1062は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動するときに、その回動動作によって本体枠用摺動杆1050が下降するように係合するためのものである。また、遊び穴1063は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動するときに、その回動動作の邪魔にならないように第二係合突片1018の先端部が移動し得る空間を構成するものである。突片移動穴1064は、前述したように扉枠用摺動杆1040の下方のガイド突片1043が挿入されて、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内するようになっている。また、連結穴1060は、連結線杆1053の下端が折り曲げられて挿入されるものである。更に当接部1067は、コ字状基体1001に収納されたときに、該コ字状基体1001の内部側壁に当接して下フック部材1052の摺動動作においてガタつきがなくスムーズに行われるようにするためのものである。
以上、錠装置1000を構成する各部材について説明してきたが、この錠装置1000を組み付けるには、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051と下フック部材1052とを連結線杆1053で連結し、その状態で扉枠用摺動杆1040のガイド突片1043を上フック部材1051と下フック部材1052の突片移動穴1056,1064に挿入すると共に、相互のリベット長穴1042とリベット用長穴1055,1061を位置合わせして重ね合わせ、その重ね合わせた状態で上フック部材1051のフック部1054と下フック部材1052のフック部1065とをコ字状基体1001のフック貫通開口1002に貫通させながら扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001のコ字状の空間に挿入する。その後、挿通穴1005からリベット1006を差し込む。
この際、リベット1006がリベット用長穴1055,1061、1042を貫通するように差し込む。ただし、最下端のリベット1006を差し込むときには、第一不正防止部材1023の揺動軸穴1025にもリベット1006を差し込んで第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に同時に取り付ける必要がある。なお、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に取り付ける前に、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結し且つガイドピン1028をピン穴1029に図示しないビスで止着しておき、さらにガイドピン1028を挿入縦開口1020の最下端の開口部に挿入しておく必要がある。
更に、リベット1006で扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001内に収納固定した状態で、スプリング1048をスプリングフック部1046,1057相互間に掛け渡し、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを相互に反対方向に付勢し、さらに、バネ1035をバネ係止片(穴)1021,1036に掛け渡して第二不正防止部材1032が規制突片1031に当接した状態とする。その後、錠取付片1008の錠挿通穴1009にシリンダー錠1010の円筒状本体部分を挿入してシリンダー錠1010をビス1012で取付穴1014に固定する。なお、このとき係合カム1016の第一係合突片1017の先端部が傾斜部1024の外側で且つ挿入縦開口1020に僅かに挿入し、係合カム1016の第二係合突片1018の先端部が第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026及び挿入縦開口1020に僅かに挿入した状態となるようにシリンダー錠1010を錠取付片1008に取り付ける。
上記のようにして組み付けた錠装置1000を本体枠3の裏面に取り付けるためには、前述したように、扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041を本体枠3に形成される扉用フック穴549に差し込みながら、鉤型に突出する係止突起1004を本体枠3の錠係止穴548に差し込んで上方に移動させ、その状態で水平方向に突出したビス止め部1003及びビス止め部1003を錠取付穴547に一致させ、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、図63に示すように、錠装置1000を本体枠3の裏面に強固に固定することができる。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着しない側面1001aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003及びビス止め部1003がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着する側面1001bから水平方向に突設形成される構造であるため、前方部の係止構造が第一側面壁540と密着する側面1001bに形成される場合に比べて、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠3に固定することができるものである。
ところで、本体枠3の裏面に取り付けられた錠装置1000の作用について図70及び図71を参照して説明する。まず、図70を参照して本体枠3の開閉動作と扉枠5の開閉動作について説明する。本体枠3が外枠2に対して閉じ且つ扉枠5が本体枠3に対して閉じている状態においては、図70(A)に示すように、外枠2の閉鎖用突起38,41と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止し且つ扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041と扉枠5のフックカバー227とが係止した状態となっている。その状態でシリンダー錠1010に図面示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図70(B)に示すように、第一係合突片1017の先端が本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合してスプリング1048の付勢力に抗して下フック部材1052を下方に押下げ、これと連結されている連結線杆1053と上フック部材1051も押下げられて下降する。このため、外枠2の閉鎖用突起38,41と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止状態が解除されるため、本体枠3を前面側に引くことにより本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、本体枠3を閉じる場合には、フック部1054,1065がスプリング1048の付勢力により上昇した状態(図70(A)に示す状態と同じ上昇した位置)となっているが、フック部1054,1065の上辺が外側に向かって下り傾斜しているため、強制的に本体枠3を外枠2に対して押圧することにより、フック部1054,1065の上辺傾斜部が閉鎖用突起38,41の下端部と当接するので、本体枠用摺動杆1050が下方に下降し、遂には、フック部1054,1065の上向き爪部と閉鎖用突起38,41とが再度係止した状態となって本体枠用摺動杆1050が上昇して係止状態に戻る。
一方、シリンダー錠1010に図示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第二係合突片1018が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図70(C)に示すように、第二係合突片1018の先端が扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合してスプリング1048の付勢力に抗して扉枠用摺動杆1040を上方に押し上げ上昇する。このため、扉枠5のフックカバー227と扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041とが係止状態が解除されるため、扉枠5を前面側に引くことにより扉枠5を本体枠3に対して開放することができる。
なお、扉枠5を閉じる場合には、扉枠用フック部1041がスプリング1048の付勢力により下降した状態(図70(A)に示す状態と同じ下降した位置)となっているが、扉枠用フック部1041の下辺が外側に向かって上り傾斜しているため、強制的に扉枠5を本体枠3に対して押圧することにより、扉枠用フック部1041の下辺傾斜部がフックカバー227の上端部と当接するので、扉枠用摺動杆1040が上方に上昇し、遂には、扉枠用フック部1041の下向き爪部とフックカバー227とが再度係止した状態となって扉枠用摺動杆1040が下降して係止状態に戻る。なお、本実施形態における扉枠用摺動杆1040は、コ字状基体1001の全長とほぼ同じ長さに形成されると共に、そのコ字状基体1001が本体枠3の縦方向の側面のほぼ全長に亘って取り付けられ、しかも、扉枠5との係止部である扉枠用フック部1041が扉枠用摺動杆1040の上端部、中央部、下端部の3箇所に形成されているため、扉枠5と本体枠3の縦方向の全長における施錠が確実に行われ、扉枠5と本体枠3との間を無理やりこじ開けてその間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を行うことができないという利点もある。
上記したように、本実施形態に係る錠装置1000は、シリンダー錠1010に差し込んだ鍵を一方向に回動することにより、外枠2に対する本体枠3の施錠を解除し、他方向に回動することにより、本体枠3に対する扉枠5の施錠を解除することができる。この場合、シリンダー錠1010に鍵を差し込むことなく本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065にピアノ線等を引っ掛けてこれを下降させる不正行為が行われることがあるが、本実施形態においては、このような不正行為を行うことができないようになっている。このような不正行為を防止する構造の第一番目が第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とから構成されるロック機構であり、第二番目の不正防止構造がコ字状基体1001の閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050が収納される構造である。
まず、第一番目の不正防止構造であるロック機構の作用について図71を参照して説明する。まず、外枠2と本体枠3とが閉じている状態においては、図71(A)に示すように、外枠2の閉鎖用突起41と第二不正防止部材1032の当接部1037とが当接した状態となっている。この状態においては、バネ1035の付勢力により第一不正防止部材1023が反時計方向に回動してストッパー片部1027が不正防止切欠部1007内に侵入し、ストッパー片部1027が不正防止切欠部1007に対応する位置にある本体枠用摺動杆1050の下フック部材1052に形成される係合切欠部1066と係合した状態となっている。このため、本体枠用摺動杆1050にピアノ線等を引っ掛けて引き降ろそうとしても、ストッパー片部1027と係合切欠部1066とが係合しているので、本体枠用摺動杆1050を不正に下方に引き降ろすこと(解錠すること)が不能となり、本体枠3を開放するという不正行為を行うことができない。
一方、シリンダー錠1010に鍵を差し込んで正規に本体枠3を開錠する場合には、図71(B)に示すように、鍵を回動させることにより係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入するように回動される。この第一係合突片1017の回動時に、第一不正防止部材1023の傾斜部1024と第一係合突片1017の側面とが当接するため、第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として図示の時計回転方向に回転を始め、ストッパー片部1027も不正防止切欠部1007から退避するように移動する。このため、ストッパー片部1027と係合切欠部1066との係合が解除された状態となる。このとき、第二不正防止部材1032は、バネ1035を伸ばして当接部1037が後退した位置となっている。この状態でさらに係合カム1016を回動させて第一係合突片1017も回動させると、第一係合突片1017の先端が下フック部材1052の下降係合穴1062に係合して本体枠用摺動杆1050の全体を下降させるので、フック部1054,1065と外枠2の閉鎖用突起38,41との係止状態が解除されて本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、本体枠3を外枠2に対して閉じるときには、第二不正防止部材1032は、規制突片1031に当接した状態となっているため、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032との位置関係は、図71(A)に示す状態とほぼ同じ位置関係になっている。この状態で本体枠3を閉めると、外枠2の閉鎖用突起41と第二不正防止部材1032の当接部1037とが正面から当接し、最終的に図71(A)に示す状態となる。このため、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが本体枠3を閉じるときに邪魔になることはない。また、本実施形態においては、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが本体枠用摺動杆1050の下降動作だけが不正に行われないように防止しているのは、本体枠用摺動杆1050を不正に開放すれば、解放後に扉枠用摺動杆1040を手動で簡単に開けることができることと、ピアノ線等で摺動杆を上昇させる不正行為は事実上行い難いという理由により、本体枠用摺動杆1050に対する不正操作ができないように工夫されている。
また、上記した第一番目の不正防止構造であるロック機構であっても、第一不正防止部材1023をピアノ線等で揺動させることにより、ロック機構の機能を無力化することも不可能ではない。そこで、万一ロック機構のロック機能が不正な行為により無力化される場合を想定すると、本実施形態においては、錠装置1000が本体枠3に取り付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、それぞれのフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001の閉鎖空間に収納されて完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んでコ字状基体1001の閉鎖空間の内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げようとしても、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bによって不正具の閉鎖空間への侵入が阻止されるため、不正行為を簡単に行うことができない構造となっている。
以上、詳述したように、本実施形態に係る錠装置1000は、その横幅寸法が従来のL字状基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設け且つ錠装置1000を操作するためのシリンダー錠1010のコ字状基体1001への取付位置を遊技盤の下端辺よりも下方となる位置としたので、遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の側面壁540〜543で囲まれる空間を大きくしても、錠装置1000を本体枠3の裏側に強固に取り付けることができる。そして、断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取り付けられるため、錠装置1000が本体枠3に取り付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、それぞれのフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んで内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げる等の不正行為を簡単に行うことができない。
また、錠装置1000の取り付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起1004を錠係止穴548に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中下の3箇所に形成されたビス止め部1003及びビス止め部1003を錠取付穴547にビスで固定する構造であるため、錠装置1000の前方部を係止突起1004と錠係止穴548で係止し、錠装置1000の後方部をビス止め部1003及びビス止め部1003と錠取付穴547で固定するので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。
なお、上記した実施形態においては、コ字状基体1001の下方部をビス止めする構造として錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と本体枠3のシリンダー錠貫通穴526の上部近傍に形成した錠取付穴547とを螺着する構造としたが、これに代えて、シリンダー錠1010を錠取付片1008に取り付けるビス1012を利用して、該ビス1012の先端が錠取付片1008を貫通して螺着される錠取付穴をシリンダー錠貫通穴526の上下に形成する構造でも良い。また、コ字状基体1001の下方部をビス止めしなくても、錠装置1000の後方部のビス止め部1003と錠取付穴547との固定だけでも、錠装置1000を本体枠3の裏面に強固に固定されることを確認している。
また、上記した実施形態においては、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を左右の側面1001a,1001bを有するコ字状基体1001で完全に被覆するものとしたが、例えば、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を第一側面壁540に密着しない反対側の側面1001aに摺動自在にリベット等で装着し、第一側面壁540に密着する側面1001bを省略したL字状基体(錠基体)とし、そのL字状基体(錠基体)の側面1001aと第一側面壁540とによって形成される閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納する構造としてもよい。この場合でも、実施形態と同じような取付構造及び不正防止構造とすることができる。
<基板ユニット>
次に、本体枠3の裏面下部に取り付けられる基板ユニット1100について、主として図72及び図73を参照して説明する。図72は、基板ユニット1100を背面側から見た斜視図であり、図73は、基板ユニット1100を前面側から見た斜視図である。
基板ユニット1100は、本体枠3の裏面下部に複数形成されるホルダ用の取付穴部527(図22,図24参照)に取り付けられるものであり、図示すように、合成樹脂成形された枠用基板ホルダ1101に、扉中継基板、電源基板ボックス1103、端子基板ボックス1104、払出制御基板ボックス1105、主ドロワ中継基板、及び副ドロワ中継基板の各種基板を取り付けることにより構成されている。上記の基板のうち、扉中継基板、電源基板ボックス1103、端子基板ボックス1104、及び払出制御基板ボックス1105は、枠用基板ホルダ1101の後面側に前後方向に重複して取り付けられ、主ドロワ中継基板及び副ドロワ中継基板は、枠用基板ホルダ1101の前面側に取り付けられるものである。なお、払出制御基板ボックス1105の裏面には、電源基板等からの電磁波の影響を防止するためにシールド板が取り付けられ、また、主ドロワ中継基板及び副ドロワ中継基板は、基板カバー1109に被覆されて取り付けられている。
まず、枠用基板ホルダ1101は、横長状に合成樹脂で成形され、図示すように、その後面側一側部に配線用開口1124が形成され、図示は省略するが、配線用開口1124の内側に扉中継基板を取り付けるための中継基板用凹部が形成されている。この枠用基板ホルダ1101の左右両辺及び下辺には、基板ユニット1100を本体枠3に取り付けるための取付片1122が外側に向かって突設され、該取付片1122を本体枠3の前記取付穴部527(図22参照)に対応させて図示しないビスで止着することにより、基板ユニット1100が本体枠3の背面下部に取り付けられる。なお、取付穴部527は、図24に示すように、取付片1122の外形形状に合致する外周壁を有して形成されている。更に、枠用基板ホルダ1101の他端側(図73の右側)側壁の外側に、配線を係止するための配線掛止片1123が突設形成されている。
また、枠用基板ホルダ1101の前面側のほぼ中央には、アウト球通路1119が逆さL字状に形成されている。このアウト球通路1119は、前述したアウト口606(図31参照)、球抜排出通路524(図22参照)の下流側、及び落下口629(図29参照)と対応するように上方が幅広く形成され、下流側が球を列状に排出するように幅狭く形成されている。したがって、基板ユニット1100を本体枠3に取り付けたときには、図25に示すように、アウト球通路1119の幅広上流部がアウト口606の下面を支持する通路支持突起513の後方に位置するようになっている。そして、アウト球通路1119の下流端からアウト球や入賞球、あるいは球抜き球がパチンコ遊技機の外部(一般的に、島の回収樋)に向かって放出されるものである。
基板カバー1109には、主ドロワ中継基板に設けられる主ドロワ中継コネクタ1200及び払出制御基板用コネクタ1201と、副ドロワ中継基板に設けられる副ドロワ中継コネクタ1202及び扉枠用コネクタ1203とが基板カバー1109の外側に突出するための長方形状のコネクタ用開口が開設されている。
払出制御基板ボックス1105は、横長の長方形状の払出制御基板が固定されるボックス主体と、ボックス主体に取り付けられて払出制御基板の表面を覆うカバー体と、から構成されている。ボックス主体とカバー体とは、その一側辺を係合させ、その他側辺に分離切断部1183でカシメ固定している。これによってボックス主体とカバー体とを分離するためには、分離切断部1183を切断しないと分離できないようになっている。ただし、分離切断部1183におけるカシメ固定は、複数箇所(図示の場合は、1〜4の数字で示す4箇所)のうち、いずれかをカシメ部材でカシメれば良く、例えば、検査等で分離する必要がある場合には、3回まで行うことができる。もちろん、不正に分離した場合には、切断した痕跡が残ることになるので、不正行為があったか否かを直ちに知ることができるようになっている。
<カバー体>
次に、カバー体1250について、図6、図24及び図28を参照して説明する。カバー体1250は、本体枠3の後面開口580を覆うものであり、その一側の上中下の3箇所に本体枠3の背面一側に形成されるカバー体支持筒部575に上方から挿入される軸支ピン1251が形成され、その他側のほぼ中央に球通路ユニット770に形成されるカバー体係合溝785と係合する係合片1252が形成されている。しかして、カバー体1250の軸支ピン1251をカバー体支持筒部575に差し込むことにより、カバー体1250を本体枠3に開閉自在に軸支し、係合片1252をカバー体係合溝785に係止することにより、カバー体1250を本体枠3に閉じた状態とすることができ、遊技盤4に設けられる各種部品の背面を保護することができる。なお、開放する場合には、係合片1252とカバー体係合溝785との係合を解除すればよい。
また、図示の場合のカバー体1250においては、開放側の係合片1252の上下に止め穴1253が形成され、また、本体枠3の施錠壁569に突設される施錠用突出鉤片570を貫通させる貫通穴1254が形成され、更に詳細に図示しないが、次に説明する第二実施形態に係るカバー体1270と同じように、接続操作用開口1255、立壁、当接突起、補強リブが形成されている。これら接続操作用開口1255、立壁、当接突起、補強リブは、第二実施形態に係るカバー体1270の接続操作用開口1283、立壁1284、当接突起1285、補強リブ1286と同じ位置に設けられて同じ機能を奏するものである。そして、カバー体1250を閉じた状態で、カバー体1250の止め穴1253と本体枠3側の止め穴568とを一致させて図示しないビスで止着することにより、カバー体1250によって本体枠3の後面開口580を閉塞固定することができる。そして、本体枠3に対してカバー体1250を閉じた状態で施錠用突出鉤片570がカバー体1250の貫通穴1254を貫通しているので、例えば、南京錠等の錠を施錠用突出鉤片570に掛け止めることにより、南京錠の鍵を有する責任者しかカバー体1250を開放することができないようにすることができる。
<遊技盤の詳細構成>
遊技盤4の詳細な構成について、主に図74乃至図82を参照して説明する。図74は、遊技盤の正面図であり、図75は、遊技盤を斜め前から見た斜視図であり、図76は、遊技盤を斜め後から見た斜視図であり、図77は、図74におけるA−A断面図であり、図78は、図74におけるB−B断面図であり、図79は、図74におけるC−C断面図であり、図80は、遊技盤を構成する主な部材ごとに分解して斜め前から見た斜視図であり、図81は、図80の分解図を斜め後から見た斜視図である。
図示するように、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4は、外レール602及び内レール603を有し、遊技者が操作ハンドル部461を操作することで遊技媒体としての遊技球が打ち込まれる遊技領域605の外周を区画形成する枠状の前構成部材601と、前構成部材601の後側で前構成部材601の枠内を閉鎖するように配置される透明板状の遊技パネル599と、遊技パネル599の外周を覆うと共に遊技パネル599を前側から着脱可能に保持し、前構成部材601の後側に取付けられる枠状のパネルホルダ600と、パネルホルダ600の後側に取付けられる裏箱621及び裏箱621の後面側に着脱可能に支持され所定の演出画像を表示可能な演出表示手段としての液晶表示装置640を少なくとも有した裏ユニット2000と、パネルホルダ600の後側に固定され裏ユニット200の下部を覆い後側に主制御基板ボックス624が固定される盤用基板ホルダ623とを備えている。
遊技盤4における遊技領域605内には、その略中央上部に配置される役物入賞口ユニット1400と、遊技領域605内の左右両サイドに配置される表左サイド部材1500L及び表右サイド部材1500Rからなる表サイド部材1500と、遊技領域605内の外周下部に略沿うように配置される円弧状の始動口ユニット1600とが備えられている。役物入賞口ユニット1400は、詳細は後述するが、V入口2002を有した役物内への遊技球の進入口となる役物入賞口1402と、役物入賞口1402への遊技球の進入を可能又は不能とする一対の可動片1404とを主に備えている。
また、表左サイド部材1500L及び表右サイド部材1500Rは、上下方向の略中央で遊技領域605の中央寄りに配置され遊技球が通過可能とされたチャッカー1510と、チャッカー1510の下方に配置され遊技球を受入可能とされた一般入賞口1520と、上下方向の略中央で遊技領域605の外周寄りに配置され複数のLEDが円弧状に配列された特別表示器1530とを備えている。
更に、始動口ユニット1600は、遊技球を受入可能とされ、左右方向に所定間隔隔てて配置された二つの第一始動口1602と、二つの第一始動口1602の間でアウト口606の直上に配置された一つの第二始動口1604とを備えている。これら第一始動口1602及び第二始動口1604への遊技球の受入れを契機として役物入賞口ユニット1400の一対の可動片1404が拡開して役物入賞口1402への遊技球の受入れが可能となるようになっている。始動口ユニット1600の第二始動口1604には一対の可動片1606が備えられており、表左サイド部材1500L及び表右サイド部材1500Rのチャッカー1510を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果に応じて所定時間一対の可動片1606が拡開して、第二始動口1604への遊技球の入賞確率を変化させることができるようになっている。
表左サイド装飾部材1500Lの特別表示器1530には、始動口ユニット1600における第一始動口1602への遊技球の始動入賞を契機として抽選される第一特別抽選結果を表示する第一特別図柄表示器1532と、第一特別図柄表示器1532において第一始動口1602への始動入賞に応じた第一特別抽選結果を示唆する第一特別図柄を表示することができない場合にその始動入賞に係る第一特別図柄の表示を保留した保留数を表示する第一特別図柄保留表示器1534と、チャッカー1510を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果に応じた普通図柄を表示する普通図柄表示器1536と、普通図柄表示器1536において遊技球がチャッカー1510を通過することで抽選される普通抽選結果に係る普通図柄を表示することができない場合にチャッカー1510の通過に係る普通抽選結果の普通図柄の表示を保留した保留数を表示する普通図柄保留表示器1538と、を備えている。
なお、第一特別抽選では、役物入賞口ユニット1400の可動片1404が所定時間(例えば、1秒〜5秒の間)開状態となる「長当り」、又は、可動片1404が「長当り」よりも短い所定時間(例えば、0.3秒〜1秒の間)開状態となる「短当り」、の何れかの第一特別抽選結果が抽選されるようになっており、可動片1404が開状態の時に、役物入賞口1402への遊技球の入賞が可能となるようになっている。また、普通抽選では、その普通抽選結果が「当り」であれば、普通図柄表示器1536において「当り」を示唆する普通図柄が表示されたから所定時間(例えば、15秒〜30秒の間)経過後に、始動口ユニット1600の可動片1606を所定時間(例えば、0.3秒〜1秒の間)開状態として、第二始動口1604への遊技球の入賞確率を高くするようになっている。
一方、表右サイド装飾部材1500Rの特別表示器1530には、始動口ユニット1600における第二始動口1604への遊技球の始動入賞を契機として抽選される第二特別抽選結果を表示する第二特別図柄表示器1540と、第二特別図柄表示器1540において第二始動口1604への始動入賞に応じた第二特別抽選結果を示唆する第二特別図柄を表示することができない場合にその始動入賞に係る第二特別図柄の表示を保留して保留数を表示する第二特別図柄保留表示器1542と、第二特別抽選結果が「大当り」の時に、又は第一特別抽選結果を契機として役物入賞口1402に入賞した遊技球がV入口2002に入球した時に、役物入賞口ユニット1400の可動片1404を所定パターンで開閉させる開閉回数(ラウンド回数)を表示するラウンド表示器1544と、を備えている。
特別表示器1530における第一特別図柄表示器1532及び第二特別図柄表示器1540は、夫々三つのLEDを有しており、三つのLEDの点灯パターンによって第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果を示唆する第一特別図柄及び第二特別図柄を表示することができるようになっている。これら第一特別図柄表示器1532及び第二特別図柄表示器1540では、遊技球が第一始動口1602及び第二始動口1604へ始動入賞すると、各LEDが点滅することで第一特別図柄及び第二特別図柄が変動表示され、第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果に応じた所定時間変動表示した後に、第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果を示唆する第一特別図柄及び第二特別図柄に停止表示されるようになっている。
また、特別表示器1530における普通図柄表示器1536は、二つのLEDを有しており、二つのLEDの点灯パターンによって普通図柄を表示することができるようになっている。また、特別表示器1530における第一特別図柄保留表示器1534、第二特別図柄保留表示器1542、及び普通図柄保留表示器1538は、夫々二つのLEDを有しており、二つのLEDの点灯・点滅・消灯の組合わせによって保留された保留数(例えば、最大で四つ)を表示することができるようになっている。更に、ラウンド表示器1544は、三つのLEDを有しており、点灯するLEDの位置によって「3R大当り」、「8R大当り」、「15R大当り」の何れかを表示することができるようになっている。
この遊技盤4は、図示は省略するが、遊技パネル599の前面に複数の障害釘が所定配列で植設されている。また、遊技パネル599は透明板状とされており、遊技者側から遊技パネル599の後側を視認することができるようになっている。この遊技パネル599には、前後方向に貫通し内周形状が所定形状とされた開口部599e(図83及び図84等を参照)が複数形成されており、これら開口部599eに対応して、表左サイド部材1500L、表右サイド部材1500R、及び始動口ユニット1600が夫々前側から遊技パネル599に固定されている。
また、遊技パネル599の略中央には、所定形状に開口する開口窓599f(図83及び図84等を参照)が形成されており、役物入賞口ユニット1400が開口窓599fの内周上部に前側から遊技パネル599に固定されている。また、役物入賞口ユニット1400よりも下側の開口窓599fにおける外周前側には、その周縁に略沿って前方へ延びる透明で枠状のセンター枠1700が遊技パネル599の前面に固定されており、このセンター枠1700によって、遊技パネル599の前面側から遊技球が開口窓599f内へ侵入するのを防止することができるようになっている。このセンター枠1700は、遊技領域605の略中央を中心とした円の一部となる円弧状部1702と、円弧状部1702から下方へ略垂直に垂下する直線状部1704とを有しており、外形が略鍵穴状に形成されている。
更に、遊技盤4における遊技パネル599の後側に配置される裏ユニット2000は、図示するように、遊技パネル599の後側で開口窓599fを通して遊技者側から視認可能となるように配置される液晶表示装置640と、液晶表示装置640を遊技パネル599の後面から所定距離後側へ離れた位置に支持すると共にパネルホルダ600の後側に取付固定される裏箱621と、裏箱621内で円形状の遊技領域605の内周と略沿うように配置される円弧状の装飾体2100と、役物入賞口ユニット1400の役物入賞口1402に入賞した遊技球が供給され、遊技パネル599の開口窓599fの内周下部を通して遊技者側から視認可能となるように裏箱621内に支持される第一可動役物2200、及び第一可動役物2200と遊技パネル599との間で遊技パネル599の開口窓599fを通して遊技者側から視認可能となるように裏箱621内に支持され開口窓599fの内周形状と略沿った枠状の第二可動役物2400とを有した可動役物ユニット2004とを備えている。
そして、これら裏ユニット2000の装飾体2100、第一可動役物2200及び第二可動役物2400は、遊技パネル599の透明部分や開口窓599f等を通して遊技者側から視認できるようになっている。これにより、本例のパチンコ機1では、遊技パネル599の後側すなわち遊技領域605の後側に、装飾体2100、第一可動役物2200及び第二可動役物2400が見えるこれまでのパチンコ機には無い特徴的な外観を有し、他のパチンコ機との差別化して遊技者の関心を強く引き付けることができるようになっている。
なお、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4には、パチンコ機1を揺らしたり磁石を用いたりして不正行為が行われたことを検出する振動センサ2538や磁気センサ2302を備えており、これらセンサ2538,2302によって不正行為が検出されると点灯する不正行為警告表示器2005が備えられている(図74及び図92を参照)。
[遊技盤における遊技パネルの保持構造]
遊技盤4における遊技パネル599の保持構造について、主に図82乃至図84を参照して説明する。図82は、遊技盤における前構成部材、遊技パネル、及びパネルホルダを組立てた状態で縦方向に切断して示す断面図であり、図83は、遊技盤を主に構成する前構成部材、遊技パネル、及びパネルホルダ等を分解して斜め前から見た分解斜視図であり、図84は、図83を斜め後から見た分解斜視図である。
本実施形態の遊技盤4は、上述したように、遊技領域605と対応する大きさの透明な合成樹脂からなる板状の遊技パネル599と、遊技パネル599を前方から着脱可能に保持する合成樹脂からなる枠状のパネルホルダ600と、パネルホルダ600の前側に配置され遊技領域605の外周を区画形成すると共に遊技領域605内に遊技球を案内する案内する外レール602及び内レール603を備えた前構成部材601と、パネルホルダ600の後面側で下端から所定高さまでの所定範囲内に配置される板状のパネル裏板635とを主に備えている。
この前構成部材601は、図示するように、その後面側に、後方へ突出する複数の位置決めボス601a及び位置決め突起601bが備えられている。これら位置決めボス601a及び位置決め突起601bは、詳細は後述するが、後側に配置されるパネルホルダ600や盤用基板ホルダ623、及び遊技パネル599と位置決めできるようになっている。
遊技盤4における遊技パネル599は、その外形が遊技領域605よりも若干大きい多角形状とされており、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の透明な合成樹脂板により形成されている。なお、遊技パネル599の板厚は、パネルホルダ600によりも薄く、図示しない障害釘を植設しても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。
この遊技パネル599には、外周近傍に配置され前後方向に貫通する丸孔からなる複数の嵌合孔599aと、左下部の外周近傍に配置され前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔599bが夫々備えられている。これら嵌合孔599a及び長孔599bは、遊技領域605よりも外側に配置されており、パネルホルダ600との位置決めを行うものである。また、遊技パネル599には、その上辺の両端と下辺の両端に、前側が窪んだ段状の係合段部599cが夫々備えられている。この係合段部599cは、遊技パネル599の板厚の略半分を切り欠いた形態とされると共に、嵌合孔599a及び長孔599bと同様に、遊技領域605よりも外側に配置されており、遊技パネル599をパネルホルダ600へ係合固定するためのものである。
また、遊技パネル599には、所定位置に内レール固定孔599dが複数備えられている。この内レール固定孔599dに内レール603の後側から突出する位置決め突起599bを嵌合固定させることで、内レール603を所定の位置に固定することができるようになっている。
更に、遊技パネル599には、表左サイド部材1500L、表右サイド部材1500R、及び始動口ユニット1600等が備えられるように内形が所定形状で前後方向に貫通する開口部599eが複数形成されていると共に、それらを固定するための固定孔が適宜位置に形成されている。また、遊技パネル599には、その略中央に、内形が所定形状で開口部599eよりも大きな開口窓599fが形成されており、開口窓599fの内周上部に役物入賞口ユニット1400が固定されると共に、周縁に略沿って前側にセンター枠1700が固定されるようになっている。
遊技盤5におけるパネルホルダ600は、遊技パネル599を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、従来のパチンコ機の遊技盤における木製合板からなる部材(例えば、遊技盤ベース等)の厚さと略同じ厚さ(本例では、約20mm)とされた熱可塑性合成樹脂からなるものである。このパネルホルダ600には、遊技パネル599を着脱可能に保持し前面側から後方側に向かって凹んだ保持段部600aと、保持段部600aの内側において略遊技領域605と同等の大きさで前後方向に貫通する貫通口600bとを主に備えている。
パネルホルダ600の保持段部600aは、前面からの深さが遊技パネル599の厚さと略同じ深さとされており、保持段部600a内に保持された遊技パネル599の前面がパネルホルダ600の前面と略同一面となるようになっている。また、この保持段部600aは、その前側内周面が、遊技パネル599の外周面に対して所定量のクリアランスCが形成される大きさとされている。このクリアランスCにより、温度変化や経時変化により相対的に遊技パネル599が伸縮しても、その伸縮を吸収できるようになっている(図82参照)。なお、クリアランスC内にゴム等の弾性部材を詰めても良い。
また、パネルホルダ600には、保持段部600aに保持される遊技パネル599に形成された嵌合孔599a及び長孔599bと対応する位置に配置され、保持段部599aの前面から前方に向かって延び、遊技パネル599の嵌合孔599a及び長孔599bに嵌合及び挿通可能な複数の突出ピン599cを備えている。これらの突出ピン600cを遊技パネル599の嵌合孔599a及び長孔599bに嵌合及び挿通することで、パネルホルダ600と遊技パネル599とを互いに位置決めすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ600には、遊技パネル599の係合段部599cと対応する位置に、係合段部599cと係合する係合爪600d及び係合片600eを供えている。詳述すると、図82及び図83に示すように、係合爪600dは、パネルホルダ600の上側の保持段部600aに配置されており、遊技パネル599における上側の係合段部599cと対応し、保持段部600aの前面から前方に向かって突出し係合段部599cと弾性係合するようになっている。この係合爪600dは、その先端がパネルホルダ600の前面から突出しない大きさとされている。一方、係合片600eは、パネルホルダ600の下側の保持段部600aに配置され、遊技パネル599における下側の係合段部599cと対応し、保持段部600aの前面との間に遊技パネル599の係合段部599cが挿入可能な大きさの所定の隙間を形成した状態で、パネルホルダ600の前面に沿って上側(中心側)に向かって所定量延びる形態とされている。これら係合爪600d及び係合片600eに遊技パネル599の係合段部599cを係合させることで、遊技パネル599がパネルホルダ600に対して着脱可能に保持されるようになっている。
また、パネルホルダ600には、前構成部材601に備えられた位置決めボス601aを挿通可能な前後方向に貫通するボス挿通孔600fを備えており、このボス挿通孔600fに前構成部材601の位置決めボス601aを挿通することで、パネルホルダ600と前構成部材601とが互いに位置決めされるようになっている。
このパネルホルダ600には、図82及び図84に示すように、その後面側に、上下方向の中央やや下方より下側と外周縁を残すように前側に所定量窪んだ形態の取付支持部600gが備えられている。この取付支持部600gにより、パネルホルダ600の後面は、下端より所定高さまでの所定範囲より上側で、後面側外周部が後方に突出したような状態で窪んだ形態となると共に、その窪み量(深さ)が、取付支持部600gに取付固定される裏ユニット2000における裏箱621のフランジ状の固定部621d(図94等を参照)を収容できる深さ(本例では、約2.5mmとされており、1〜3mmの間とすることが望ましい)とされている。この取付支持部600gに所定の部材を取付固定することで、その固定部621dがパネルホルダ600よりも後側に突出するのを防止することができ、パネルホルダ600すなわち遊技盤4をパチンコ機1の遊技盤設置凹部510内に確実に設置装着できるようになっている。
また、パネルホルダ600の後面側には、下端より所定高さまでの所定範囲内で取付支持部600gが形成された位置より下側に形成され、前側に向かって窪み、パネル裏体635を収容可能な収容凹部600hと、この収容凹部600h内に前後方向に貫通するように配置されパネル裏板635に形成された係止爪635cを係止可能な係止部600iとを更に備えている。この収容凹部202hは、パネル裏板635の係止爪635cを係止部600iに係止させることでパネル裏板635を着脱可能に収容すると共に、収容されたパネル裏板635の後面が、パネルホルダ600の後面と略同一面となるように形成されている。
更に、パネルホルダ600には、図82及び図84に示すように、後面側の取付支持部600g内及び収容凹部600hよりも上側に配置され所定のビスを螺合可能な複数の取付孔600jが所定配列で配置されている。また、パネルホルダ600には、取付孔600jと対応するように配置される複数の位置決め孔600kが備えられている。この位置決め孔600kは、取付孔600jを用いて取付固定される部材に形成された位置決め突起(例えば、裏箱621の固定部621dに形成された位置決め突起621f)が挿入されるものである。なお、本例では、位置決め孔600kは、背面視略矩形状(角孔状)の止り孔とされている。
なお、取付孔600jに対して、その孔の内径が大径のものと小径のものとを混在させるようにして、取付固定する所定の部材の大きさや重量等に応じて、適宜径の取付孔600jを用いるようにしても良い。
更に、パネルホルダ600には、少なくとも下端から所定高さまでの所定範囲では後面側に開口する複数の肉抜き部600lが形成されており、肉抜き部600lによりパネルホルダ600の重量が軽減されるようになっている。図83に示すように、収容凹部600hの前側、つまり、パネルホルダ600の前面側の下端から所定高さまでの所定範囲内には、これらの肉抜き部600lが形成されておらず、その範囲内では、パネルホルダ600の前面が略平らな面となるようになっているので、その前面に配置される前構成部材601の接続通路部609の後面が略平らな面となり、打球発射装置650から発射された遊技球が、滑らかに案内されるようになっている。また、このパネルホルダ600は、図示するように、肉抜き部600lが形成されることで、取付孔600j等がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネルホルダ600の強度を維持したりするために、格子状のリブが形成された状態となっている。
なお、このパネルホルダ600には、障害釘植設装置(図示しない)や、組立治具等の位置決め手段に対応した位置決め部600mが形成されており、障害釘植設装置に遊技パネル599を保持した状態でセットできるようになっている。また、パネルホルダ600の下部には、前構成部材601のアウト口606と連通する開口600nと、前構成部材601のファール口610と連通する連通孔600oとが更に備えられている。
次に、パネル裏板635は、パネルホルダ600の後面側で下端から所定高さまでの所定範囲内の肉抜き部600lを覆うように配置されると共に、パネルホルダ600の収容凹部600hに後面同士が略同一面となるように収容可能とされ、平面状の後面に所定配列で配置され所定のビスを螺合可能な複数のビス孔635aと、ビス孔635aと対応するように配置される複数の位置決め孔635bと、パネルホルダ600の係止部600iに係止可能な係止爪635cと、前面側から貫通しないように陥没する減量用の凹陥部635dとを備えている。
なお、このパネル裏板635におけるビス孔635a及び位置決め孔635bは、パネルホルダ600における取付孔600j及び位置決め孔600kと略同じ構成とされている。また、このパネル裏板635もパネルホルダ600と同様に、凹陥部635dにより、ビス孔635a及び位置決め孔635b等が形成された部分がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネル裏板635の強度を維持したりするために、格子状のリブが形成された状態となっている。更に、パネル裏板635には、パネルホルダ600の開口600n、連通孔600o、及びボス挿通孔600fと対応した位置に前後方向に貫通する開口635eが備えられている。
このパネル裏板635は、パネルホルダ600の収容凹部600hに収容させると共に、パネル裏板635の係止爪635cをパネルホルダ600の係止部600iに係止させることで、パネルホルダ600と一体となり、その状態では、パネル裏板635の後面が、パネルホルダ600の後面と略同一面となる。このようにパネルホルダ600とパネル裏板635とを一体化することで、パネルホルダ600の後面側には、貫通口600bの外周側で略全周に亘って所定配列で取付孔600j、ビス孔635a等からなる取付孔と、位置決め孔600k及び635bが配置されることとなり、それら取付孔の存在により、所定の部材を任意の位置に取付固定できるようになっている。
上述したように、本例における遊技パネル599の保持構造によると、前方からパネルホルダ600の保持段部600a内へ遊技パネル599を嵌合挿入して、係合爪600d及び係合片600eと、係合段部599cとを係合させることで、パネルホルダ600に遊技パネル599を保持させることができると共に、遊技パネル599とパネルホルダ600の前面側が略面一となるようになっており、従来より用いられている障害釘植設装置を改造等しなくても遊技パネル599をパネルホルダ600に保持した状態で従前の障害釘植設装置にセットすることが可能となり、障害釘の植設にかかるコストが増加するのを抑制することができるようになっている。
また、遊技領域605を有した遊技盤4を、遊技パネル599、パネルホルダ600、及び前構成部材601に分割するようにしているので、パチンコ機1の機種によって障害釘や入賞口等の位置が変化する遊技パネル599を交換パーツとすると共に、パネルホルダ600及び前構成部材601を共通パーツとすることができ、パネルホルダ600や前構成部材601等をリサイクル可能とすることができると共に遊技パネル599のみを交換するだけで種々の機種に対応可能な遊技盤4を備えたパチンコ機1とすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ600に予め複数の取付孔600jが所定配列で備えられているので、機種に応じてパネルホルダ600の後面側に取付固定される裏ユニット2000や盤用基板ホルダ623等の種々の所定の部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、各種部材の固定部を取付孔600jの位置と対応させるように設計することで、パネルホルダ600を機種に依存しないパチンコ機1の共通パーツとすることができるようになっている。
[盤用基板ホルダ]
盤用基板ホルダ623の詳細な構成について、図80、図85及び図86を参考にして説明する。図85は、盤用基板ホルダに主制御基板ボックスを固定した状態で斜め後から示す斜視図である。図86は、図85を盤用基板ホルダ、ドロワホルダ、及び主制御基板ボックスに分解して斜め後から示す分解斜視図である。
この盤用基板ホルダ623は、パネルホルダ600の後側に取付固定されるものであり、図80に示すように、前方及び上方が開放された箱状とされ、その底部が左右方向の略中央で前側に向かって低くなるように傾斜しており、遊技パネル599の後側に排出された遊技球を受け取った上で、左右方向の略中央から下方へ排出することができるようになっている。この盤用基板ホルダ623の後面には、後側から所定のビスで固定される金属板からなり主制御基板ボックス624に備えられた封止部624aと対応する被封止部1302が形成されたカシメベース部材1300と、中継端子板625及びドロワコネクタ626,627を支持するドロワホルダ1305とが固定されている。
本例の主制御基板ボックス624は、盤用基板ホルダ623の後面との間にカシメベース部材1300を挟み込むようにして盤用基板ホルダ623に支持されると共に、主制御基板ボックス624の封止部624aがカシメベース部材1300の被封止部1302へ封止されるようになっている。そして、この状態で主制御基板ボックス624を盤用基板ホルダ623から取り外す場合、カシメベース部材1300の被封止部1302に開封痕が残るようになっており、主制御基板ボックス624が不正に取り外されたか否かが目視で判るようになっている。
また、主制御基板ボックス624を盤用基板ホルダ623に固定した状態では、カシメベース部材1300を盤用基板ホルダ623へ固定しているビスの頭が、カシメベース部材1300と主制御基板ボックス624との間に配置されるようになっており、カシメベース部材1300ごと主制御基板ボックス624が取り外されるのを防止することができるようになっている。また、カシメベース部材1300が金属板により形成されているので、被封止部1302によって主制御基板ボックス624の封止部624aを強固に封止することができ、不正行為が行われ難い構造となっている。
[表サイド部材]
表左サイド部材及び表右サイド部材の構成について、主に図80、図81、及び図87を参考に説明する。図87は、遊技パネルに表サイド部材及び始動口ユニットを取付けた状態で後側から見た斜視図である。表サイド部材は、表左サイド部材1500L及び表右サイド部材1500Rからなり、図示するように、遊技盤4における左右方向の中心を境として互いに略左右対称の形状とされている。この表左サイド部材1500L及び表右サイド部材1500Rは、上下方向の略中央に特別表示器1530を有した本体部1502と、本体部1502から円弧状に上方へ延びる上延出部1504と、本体部1502の略中央から遊技領域605の中心側へ向かって延びる中延出部1506と、本体部1502から円弧状に下方へ延びる下延出部1508とを備えており、本体部1502、上延出部1504、及び下延出部1508により遊技領域605の外周に沿った円弧状の外形となっている。
表左サイド部材1500L及び表右サイド部材1500Rにおける中延出部1504には、遊技領域605内を流通する遊技球が通過可能なチャッカー1510が備えられている。このチャッカー1510には、通過する遊技球を検出可能な通過センサ1512が備えられており、通過センサ1512により遊技球の通過を検出すると、所定の普通抽選結果が抽選されるようになっている。
また、この表左サイド部材1500L及び表右サイド部材1500Rは、本体部1502から円弧状に下方へ延びる下延出部1508に、遊技領域605内を流下する遊技球を受入れて遊技パネル599の後面側へ導く受入口部材1514が備えられている。この受入口部材1514は、遊技領域605内における遊技球の受入口となる一般入賞口1520と、一般入賞口1520に入賞した遊技球を後側へ案内する案内部1522と、案内部1522により案内された遊技球を遊技パネル599のパネル面に沿って一般入賞口1520よりも下方で遊技領域605の外周付近へ誘導する誘導路部1524と、誘導路部1524によって誘導された遊技球を遊技パネルの後側下方へ排出する排出部1526とを備えている。なお、表左サイド部材1500L及び表右サイド部材1500Rには、受入口部材1514を含めて、遊技パネル599の前面と当接する不透明なフランジ部1528を備えており、このフランジ部1528により遊技パネル599の開口部599eが前側から閉鎖されて開口部599eが遊技者から見え難くなるようになっている。
表左サイド部材1500L及び表右サイド部材1500Rにおける受入口部材1514は、図87に示すように、遊技パネル599に形成された開口部599e内へ前側から挿入されるようになっており、受入口部材1514の誘導路部1524が、遊技パネル599の略厚さ内で遊技球を誘導するようになっており、遊技パネル599の後面からの突出量が排出部1526を除いて遊技球の直径よりも少ない突出量となっている。これにより、遊技パネル599の後側の空間を可及的に広くすることができるようになっている。
また、表左サイド部材1500L及び表右サイド部材1500Rには、本体部1502内に配置され特別表示器1530を構成する複数のLEDが取付けられた本体部内前基板1550と、本体部内前基板1550の後側に配置され前後面に複数のLEDが実装された本体部内後基板1552と、上延出部1504内に配置され前側に複数のLEDが実装された上延出部内基板1554と、下延出部1508内に配置され前側に複数のLEDが実装された下延出部内基板1556とを更に備えている。これら本体部内後基板1552、上延出部内基板1554、及び下延出部内基板1556の前側に実装されたLEDによって、表左サイド部材1500L及び表右サイド部材1500Rを発光装飾させることができるようになっている。
一方、本体部内後基板1552の後側に実装されたLEDは、遊技パネル599の後側に配置される裏ユニット2000の装飾体2100や第二可動役物2400等を照らすことができるようになっており、表左サイド部材1500L及び表右サイド部材1500Rにおける本体部内後基板1552の後側に実装されたLEDによって、装飾体2100や第二可動役物2400等を発光装飾させることができるようになっている。
[始動口ユニット]
始動口ユニットの構造について、主に図80、図81、及び図87を参照して説明する。この始動口ユニット1600は、図示するように、遊技パネル599の前面に当接すると共に遊技パネル599における所定の開口部599eを前側から閉鎖し、遊技領域605の外周に略沿った円弧状の開口被覆部1608と、開口被覆部1608の左右両端付近に配置され上方に開口し遊技領域605内を流下する遊技球を受入可能とされた第一始動口1602と、第一始動口1602に受入れられた遊技球を後方へ案内する案内部1610と、開口被覆部1608の左右方向略中央に配置され上方に開口し遊技領域605内の遊技球を受入可能とされた第二始動口1604と、第二始動口1604の左右両側に配され拡開可能に可動する一対の可動片1606と、一対の可動片1606を可動させ第二始動口1604の後側に支持される始動口ソレノイド1612と、始動口ソレノイド1612を支持すると共に第二始動口1604に受入れられた遊技球を後側へ誘導する誘導部1614と、誘導部1614により誘導された遊技球を検出して下方へ排出する第二始動口センサ1616とを備えている。
また、始動口ユニット1600は、開口被覆部1608の後側に遊技パネル599の開口部599eの内周に略沿った形状のリブ1618を備えており、リブ1618によって板状の開口被覆部1608が補強された状態となっている。また、開口被覆部1608の後側からは、案内部1610、誘導部1614、及びリブ1618が後方へ突出した状態となっており、それら案内部1610や誘導部1614等が遊技パネル599の開口部599e内へ前側から挿入配置されるようになっている。なお、案内部1610及びリブ1618は、その後方への突出量が遊技パネル599の板厚と略同じとされている。
この始動口ユニット1600における一対の可動片1606は、上端側が自由端とされると共に下端側が遊技パネル599のパネル面に対して直角方向に延びる軸周りに回動可能とされ、始動口ソレノイド1612のプランジャが前後方向へ移動することで図示しない所定のリンク機構を介して一対の可動片1606の下端が回動して、それらの上端が互いに接近したり離反したりするようになっている。この一対の可動片1606は、通常の状態では、略直立した状態で上端同志の間隔が第二始動口1604の開口幅(遊技球の直径よりも若干大きい幅)と略同じ間隔となっており、始動口ソレノイド1612の駆動により一対の可動片1606の上端が互いに離反する方向へ回動して逆ハの字状に開いた状態(拡開した状態)となるようになっている。これにより、第二始動口1604への遊技球の受入確率(入賞確率)が高くなるようになっている。
[役物入賞口ユニット]
役物入賞口ユニットの構成について、主に図88乃至図91を参考に説明する。図88は、役物入賞口ユニットを斜め上前方から見た斜視図であり、図89は、役物入賞口ユニットを斜め下後方から見た斜視図である。また、図90(A)は役物入賞口ユニットにおける役物入賞口が開放された状態を示す正面図であり、(B)は役物入賞口が閉鎖された状態を示す正面図である。更に、図91は、役物入賞口ユニットにおける駆動機構を示す斜視図である。
役物入賞口ユニット1400は、遊技パネル599の前面に固定可能とされ遊技領域605内で上方に開口する役物入賞口1402を少なくとも有した前本体部材1406と、前本体部材1406における役物入賞口1402の左右両側に配置され互いが上昇位置(閉位置)又は下降位置(開位置)に回動することで役物入賞口1402への遊技球の進入(入賞)を不能又は可能とする一対の可動片1404と、可動片1404を回動駆動させる役物入賞口ソレノイド1408と、一対の可動片1404の夫々左右方向外側に配置され互いが上昇位置又は下降位置に回動することで遊技球を役物入賞口1402側又は役物入賞口1402とは反対側へ誘導可能とされた一対の副可動片1410と、副可動片1410を回動駆動させる役物入賞口副ソレノイド1412と、役物入賞口ソレノイド1408及び役物入賞口副ソレノイド1412を支持し前本体部材1406の後側に固定される後本体部材1414とを主に備えている。
この役物入賞口ユニット1400における前本体部材1406は、遊技パネル599の開口窓599f内に挿入されると共に後側に後本体部材1414が固定されるベース部1416と、ベース部1416の前端に遊技パネル599の前面と当接し遊技パネル599に固定可能とされた板状のフランジ部1418と、フランジ部1418よりも前側に配置され役物入賞口1402を形成すると共に可動片1404及び副可動片1410の前側を部分的に被覆可能とされた前飾り部1420と、役物入賞口1402の上側でフランジ部1418から前方へ突出し一対の可動片1402が上昇位置の時に遊技球が役物入賞口1402へ進入するのを阻止する覆い部1422とを備えている。
この前本体部材1406におけるフランジ部1418には、所定位置に後方へ突出する突起1418aと、取付孔1418bとが形成されており、突起1418aを遊技パネル599の対応する位置に穿設された位置決め孔と嵌合させることで役物入賞口ユニット1400を遊技パネル599の所定位置に位置決めすることができると共に、取付孔1418bを介して所定のビスを遊技パネル599へ固定することで役物入賞口ユニット1400を遊技パネル599に固定することができるようになっている。
前本体部材1406における役物入賞口1402は、その左右方向の幅が遊技球の直径に対して約2.5倍〜3倍の幅とされており、役物入賞口1402内に役物入賞口センサ1424が左右に並んで二つ配置されている(図90を参照)。これらの役物入賞口センサ1424は、前本体部材1406のベース部1416及び前飾り部1420によって、所定位置に保持されている。この前本体部材1406には、役物入賞口センサ1424よりも下側に、役物入賞口センサ1424を通った遊技球を遊技パネル599の後側へ案内する案内部1426を更に備えており、案内部により案内された遊技球が遊技パネル599の後側において下方へ放出され後述する第二可動役物2400へ受け渡されるようになっている。
また、前本体部材1406における覆い部1422は、その表面側に「PINK LADY」の文字が立体的に造形されており、本パチンコ機1の機種を遊技者に対して認識させることができるようになっている。
この役物入賞口ユニット1400は、詳細な図示は省略するが、前本体部材1406におけるベース部1416及び前飾り部1420の夫々一部に、透光性を有した部分を備えていると共に、内部に複数のLEDが配置されており、発光装飾可能とされている。なお、図89中、符号1428は、役物入賞口ソレノイド1408、役物入賞口副ソレノイド1412、役物入賞口センサ1424、及び各種LEDと、主制御基板1350や周辺制御基板2600等と接続するための役物入賞口中継端子板である。
役物入賞口ユニット1400における可動片1404は、図示するように、正面視の形状が役物入賞口1402側を中心とした左右方向外側へ向かって広がるような扇形状とされており、上側に平坦な誘導面1404aと、外周側に部分円筒状の外壁面1404bとが形成されている。また、副可動片1410は、役物入賞口1402側を中心とした可動片1404の左右方向外側に配置されると共に、正面視の形状が半径方向に幅のある円環を周方向に所定量切出したような扇形状とされ、内周側に可動片1404の外壁面1404bの曲率よりも若干大きい曲率の内壁面1410aと、外周側に内壁面1410aと同心円状となる部分円筒状の外壁面1410bと、上側に内壁面1410aと外壁面1410bとの上端同士を直線状に結ぶ平坦な副誘導面1410cとが形成されている。
役物入賞口ユニット1400における可動片1404及び副可動片1410の駆動機構は、役物入賞口1402の左右方向両側付近に前後方向へ延びるように配置され前端に可動片1404の基端が固定される回動軸1432と、回動軸1432の後端に固定されるクランク部材1434と、クランク部材1434のクランクピン1434aが左右方向へ摺動可能とされた長孔1436aを有し役物入賞口ソレノイド1408によって上下方向へ移動するスライダ1436と、基端が回動軸1432周りに回動可能とされると共に回動軸1432に対して直角方向へ延出し可動片1404の旋回範囲よりも外側の位置に副可動片1410が固定されるアーム部材1438と、アーム部材1438における基端と副可動片1410が固定された位置との間に固定されアーム部材1438から後方へ突出する駆動ピン1440と、駆動ピン1440が左右方向へ摺動可能とされた長孔1442aを有し役物入賞口副ソレノイド1412によって上下方向へ移動する副スライダ1442とを備えている。
可動片1404は、通常時では図示しないバネの付勢力によりスライダ1436が下降位置へ移動しており、スライダ1436が下降位置に位置することで、クランク部材1434及び回動軸1432を介して可動片1404の誘導面1404aが斜めに直立したような状態となる(図90(B)を参照)。そして、役物入賞口ソレノイド1408が駆動されると、バネの付勢力に抗してスライダ1436が上昇位置へと移動することで、クランク部材1434を介して回動軸1432が回動すると共に可動片1404が回動し、その誘導面1404aが基端よりも先端が若干高くなった状態となるようになっている(図90(A)を参照)。
一方、副可動片1410は、通常時ではアーム部材1438の基端から偏芯した位置に固定されているのでアーム部材1438及び副可動片1410等の重量によって、アーム部材1438に対して駆動ピン1440を介して連結された副スライダ1442も下降位置に位置しており、蓋然的に副可動片1410の副誘導面1410cが回動軸1432よりも遠ざかった側(役物入賞口1402に対して左右方向外側)が低くなるような状態となり、正面視では前飾り部1420によって隠蔽される位置となるようになっている(図90(B)を参照)。そして、役物入賞口副ソレノイド1412が駆動されると、副スライダ1442が上昇位置へと移動することで、副スライダ1442と連結される駆動ピン1440を挟んで回動軸1432とは反対側に固定された副可動片1410が上昇位置へと回動し、副可動片1410の副誘導面1410cは役物入賞口1402側が低くなった状態となるようになっている(図90(A)を参照)。
なお、図示するように、可動片1404が上昇位置に位置している時は、副可動片1410が下降位置に位置し、可動片1404の誘導面1404aよりも副可動片1410の副誘導面1410cの方が下方に下がった位置なるようになっている。また、可動片1404が囲う位置に位置している時は、副可動片1410が上昇位置に位置し、互いの誘導面1404a及び副誘導面1410cが同一方向側(役物入賞口1402側)が下がった状態となると共に、可動片1404の誘導面1404aよりも副可動片1410の副誘導面1410cの方が上方に上がった位置となるようになっており、副誘導面1410c上に供給された遊技球が、可動片1404の誘導面1404a上へ供給されるようになっている。
本例の役物入賞口ユニット1400における可動片1404と副可動片1410との関係は、可動片1404が上昇すると副可動片1410が下降し、可動片1404が下降すると副可動片1410が上昇するようになっており、可動する可動片1404及び副可動片1410の単位時間当りの状態によって、役物入賞口1402への遊技球の受入確率が大きく変化するようになっている。詳述すると、可動片1404の誘導面1404aが副可動片1410の副誘導面1410cよりも高い位置にある時は、副可動片1410の副誘導面1410c上に遊技球が供給されても、その遊技球が可動片1404の外壁面1404bによって役物入賞口1402側への移動が規制されるので、実質、可動片1404の誘導面1404a上に供給された遊技球が役物入賞口1402へ入賞することができる。一方、可動片1404の誘導面1404aが副可動片1410の副誘導面1410cよりも低い位置にある時は、副誘導面1410c上に供給された遊技球が可動片1404の誘導面1404a上に供給されるようになり、可動片1404だけでなく副可動片1410の副誘導面1410c上に供給された遊技球も役物入賞口1402へ入賞することができる。
これにより、可動片1404が下降し副可動片1410が上昇した状態では、従来よりもより広い範囲内を流下する遊技球を役物入賞口1402へ入賞させることができるので、役物入賞口1402への入賞確率が高くなり、遊技者の興趣を高めることができると共に、そのタイミングを狙って遊技球の打ち込み操作をさせることが可能となり、遊技者をワクワクさせて興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
また、図90(B)に示すように、この役物入賞口ユニット1400では、一対の可動片1404が上昇位置にある通常の状態では、一対の可動片1404同士が、上側が若干開いた逆ハ字状となっていると共に、それらの誘導面1404aと連続するように、前本体部材1406の前飾り部1420に装飾が施されている。そして、一対の可動片1404の誘導面1404aと前飾り部1420の装飾とによって、アルファベットの「V」字が形成されるようになっており、この位置がV入口2002への入口であることを遊技者に対して認識させることができるようになっている。
更に、本例の役物入賞口ユニット1400は、前本体部材1406におれるフランジ部1418の下部外周形状が、遊技領域605の略中央を中心とした円の一部となるような円弧形状に形成されていると共に、前本体部材1406における前飾り部1420に遊技領域605の略中央を中心とした半径の異なる複数の同心円の一部となる円弧状の装飾が形成されている。この前飾り部1420に形成された複数の円弧状の装飾は、鍵穴状に形成されたセンター枠1700の円弧状部1702と連続するようになっている(図74等を参照)。
≪裏ユニット≫
裏ユニットの構成について、主に図92乃至図94を参照して説明する。図92は、裏ユニットの正面図であり、図93は、裏ユニットを斜め前から見た斜視図であり、図94は、裏ユニットを可動役物ユニット、装飾体を備えた裏箱、液晶表示装置等に分解して斜め前から見た斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における裏ユニット2000は、パネルホルダ600の後側に取付けられ前側が開放された箱状で後壁621aの略中央に所定形状の開口621bが形成された裏箱621と、裏箱621の開口621bを通して遊技者から視認可能とされ裏箱621の後側に着脱可能に取付けられる液晶表示装置640と、裏箱621内で円形状の遊技領域605と対応するように開口621bの周りに環状に配置される装飾体2100と、裏箱621内に配置固定され役物入賞口1402に入賞した遊技球が供給されると共に可動することで遊技球を複数の流路の何れかに振分可能とされ所定の流路上にV入口2002を有した可動役物ユニット2004と、を備えている。
この裏ユニット2000は、裏箱621によって、液晶表示装置640、装飾体2100、及び可動役物ユニット2004をユニット化しており、裏箱621をパネルホルダ600の後側に取付固定するだけで、遊技パネル599の後側に液晶表示装置640等を簡単に固定することができると共に、装飾体2100、可動役物ユニット2004や液晶表示装置640等が遊技者側から視認できるようになっている。
また、裏ユニット2000は、装飾体2100に複数のLEDが備えられており、遊技状態に応じて種々な発光演出ができるようになっている。また、可動役物ユニット2004は、第一V入口2002aを有した第一可動役物2200と、第二V入口2002bを有した第二可動役物2400とを備え、役物入賞口ユニット1400の役物入賞口1402へ入賞した遊技球が第二可動役物2400を介して第一可動役物2200へと供給され、更に、第一可動役物2200の第一V入口2002aに入球しなかった遊技球の一部が第二可動役物2400へと供給されるようになっており、第一可動役物2200及び第二可動役物2400の動きによる様々な可動演出と共に遊技球の転動演出ができるようになっている。更に、裏箱621は、その後側に液晶表示装置640の他に、発光演出や可動演出などを制御する制御基板が収容された各種の基板ボックスや、各基板を接続・中継するための中継端子板等が固定されている。
この裏ユニット2000には、図81に示すように、裏箱621の後側に、装飾体2100等の発光演出を制御する第一装飾制御基板2050を有した第一装飾制御基板ボックス2052と、第一装飾制御基板2050と共に装飾体2100等の発光演出を制御する第二装飾制御基板2054を有した第二装飾制御基板ボックス2056と、不正行為によるパチンコ機1の振動を検出する振動センサ2538(図110を参照)を有した振動センサボックス2058と、第二可動役物2400との電気的な接続を中継する第二可動役物中継端子板2060と、表左サイド部材1500Lにおける特別表示器1530との電気的な接続を中継する左特別表示器中継端子板2062と、表右サイド部材1500Rにおける特別表示器1530との電気的な接続を中継する右特別表示器中継端子板2064と、液晶表示装置640に表示される演出画像等の表示を制御する液晶表示制御基板2612(図111を参照)を有した液晶表示制御基板ボックス622と、第一装飾制御基板2050、第二装飾制御基板2054、振動センサ2538、第二可動役物中継端子板2060、左特別表示器中継端子板2062、右特別表示器中継端子板2064、液晶表示制御基板2612、等と電気的に接続され裏ユニット2000側と主制御基板1530との電気的な接続を中継するパネル中継端子板2066とを備えている。
また、裏ユニット2000は、裏箱621における後壁621aの後面側で開口621bの背面視左側に固定され、液晶表示制御基板ボックス622の一方の側面側を支持する液晶支持部材2030と、液晶支持部材2030とは開口621bを挟んで反対側に配置され、液晶表示制御基板ボックス622の他方の側面側を着脱可能に支持する液晶ロック機構2032とを更に備えている(図81及び図94を参照)。なお、本例では、この液晶表示制御基板ボックス622に液晶表示装置640が固定されており、液晶表示制御基板ボックス622を裏箱621に対して着脱するのに伴って、液晶表示装置640を裏箱621に対して着脱することができるようになっている。また、裏箱621の後側には、液晶表示制御基板ボックス622の四隅を支持するサポート部2034を備えており、このサポート部2034によって液晶表示制御基板ボックス622が上下左右方向へ移動するのを規制すると共に、液晶表示装置640と共に液晶表示制御基板ボックス622の重量を良好に支持することができるようになっている。
本例の裏ユニット2000における裏箱621は、正面視外形が矩形状とされ前後方向に所定幅で延びる内形が円筒状の外筒部621cと、外筒部621cの前端から外方へ延びるフランジ状の固定部621dと、外筒部621cの後端開口を閉鎖する後壁621aと、後壁621aを貫通する所定形状の開口621bとを備えている。裏箱621の固定部621dには、前後方向に貫通する複数の固定孔621eと、前方へ突出する複数の位置決め突起621fとが形成されている(図94を参照)。この固定部621dの前面側をパネルホルダ600の後面側に当接させた上で、固定孔621eを介して所定のビスを、パネルホルダ600やパネル裏板635の取付孔600j,635aにねじ込むことで、裏箱621つまり裏ユニット2000をパネルホルダ600の後側に取付固定することができるようになっている。
また、位置決め突起621fは、パネルホルダ600やパネル裏板635の後面側に形成された位置決め孔600k,635bと嵌合することで、パネルホルダ600と裏箱621(裏ユニット2000)との相対位置を位置決めできるようになっている。なお、円柱状の位置決め突起621fに対して、位置決め孔600k,635bが角孔状とされており、位置決め突起621fと位置決め孔600k,635bとの接触面積を小さくしすることで、挿入抵抗を少なくすることができ、簡単に挿入嵌合させることができるようになっている。
更に、裏箱621には、その後壁621aの後面側に、基端側が後壁621aの後面から後側へ突出するように接続されると共に、先端側が後壁621aの後面との間で所定量の隙間を形成する自由端とされ、基端側と先端側との間に配線コードが通過可能な隙間を形成可能な鍵状のコード保持片621gが複数備えられている(図81を参照)。これらコード保持片621gは、裏箱621の後側に支持される液晶表示制御基板ボックス622の周りに略沿って配線コードを保持することができるように配置されている。
また、裏ユニット2000における裏箱621には、表サイド部材1500における受入口部材1514の一般入賞口1520に受入れられて遊技パネル599の後側に配置された排出部1526から排出される遊技球を受取って裏箱621の後側へ誘導した後に下方へ誘導して遊技盤4外へ排出する入賞球誘導樋2010を備えている。この入賞球誘導樋2010の途中には一般入賞口センサ2532(図110を参照)が備えられており、一般入賞口1520に受入れられた遊技球が受入口部材1514を介して入賞球誘導樋2010内の一般入賞口センサ2532に検出されることで一般入賞口1520への入賞が確定するようになっている。
更に、裏箱621には、始動口ユニット1600における第一始動口1602に受入れられて案内部1610から遊技パネル599の後側に放出される遊技球を受取って裏箱621の下面から遊技盤4外へ誘導して排出する第一始動入賞球誘導樋2012を備えている。この第一始動入賞球誘導樋2012の途中に第一始動口センサ2534(図110を参照)が備えられており、第一始動口1602に受入れられた遊技球が第一始動入賞球誘導樋2012内の第一始動口センサ2534に検出されることで第一始動口への入賞が確定し、始動入賞として所定の第一特別抽選結果が抽選されるようになっている。
また、裏箱621には、可動役物ユニット2004における第一可動役物2200の第一V入口2002aに入球した遊技球を受取って下方へ排出する第一V入球誘導路2014と、第二可動役物2400の第二V入口2002bに入球した遊技球を受取って下方へ排出する第二V入球誘導路2016と、第一可動役物2200において第一V入口2002a及び第二可動役物2400へ振分けられなかった遊技球を受取って下方へ排出する第一ハズレ球誘導路2018と、第二可動役物2400において第二V入口2002bへ振分けられなかった遊技球を受取って下方へ排出する第二ハズレ球誘導路2020とを備えている。
[装飾体]
裏ユニット2000における装飾体2100の詳細な構成について説明する。装飾体2100は、図94に示すように、裏箱621の内部にその開口621bを取り巻くように配置固定されており、裏箱621の内壁に沿って左右両側に配置される円弧上の後サイド部材2120と、円弧状の後サイド部材2120と開口621bとの間で裏箱621の後壁621aと近接する位置に配置固定される板状の背景装飾板2140と、裏箱621の開口621bの上部に配置固定され「PINK LADY」の文字が立体的に造形されたロゴ装飾部材2160とを備えている。
背景装飾板2140の後側に配置された背景装飾基板2142は、背景装飾板2410よりも裏箱621における開口621bの左右方向端部付近まで左右方向の中央側(センター枠1700の枠内)へ延び出しており、その延出した部分の表面にも複数のLEDが実装されている。そして、この背景装飾基板2142は、背景装飾板2140の他に、センター枠1700と背景装飾基板2142との間に配置される後述する第二可動役物2400の第二役物本体2402における側枠部2402bの円弧状の装飾部分を後側から発光装飾させることができるようになっている(図77を参照)。
装飾体2100における後サイド部材2120は、左側に配置される後左サイド部材2120Lと、右側に配置される後右サイド部材2120Rとで構成されており、後左サイド部材2120L及び後右サイド部材2120Rは、夫々左右対称形状とされている。この後サイド部材2120は、上下方向の略中央に扇形状の幅広飾り部2122と、飾り部2122の上下に夫々所定間隔で配置される複数の幅細飾り部2124と、幅広飾り部2122及び各幅細飾り部2124を連結するように配置され円柱が円弧状に曲げられた透明なレンズ部2126とを備えている。
後サイド部材2120における幅広飾り部2122は、その表面が裏箱621の中央から外側へ向かうに従って裏箱621の後壁621a側付近から開放された前側へと曲線状に突出すると共に、裏箱621の中央を中心とした同心円状の段が形成されるように鋸歯状に形成されている(図77を参照)。幅広飾り部2122及び幅細飾り部2124の表面には、銀色の金属光沢を有するメッキ層が形成されており、煌びやかな装飾効果が得られるようになっている。また、後サイド部材2120の幅広飾り部2122は、鋸歯状の段が、遊技パネル599に取付けられる表サイド部材1500の本体部1502における本体部内後基板1552の後側に実装されたLEDからの光を裏箱621の中央側へ反射させることができる形状に形成されており、裏箱621内の中央部に配置される可動役物ユニット2004を側面側から照明装飾させることができるようになっている。
なお、図示は省略するが、レンズ部2126の後側には銀色にメッキされた鋸歯状の反射板が配置されていると共に、レンズ部2126の軸方向端部にレンズ部2126内へ向かって光を照射するLEDを実装した後サイド部材装飾基板2128が配置されており、そのLEDを発光させることでレンズ部2126を棒状に発光させることができるようになっている。
また、装飾体2100における背景装飾板2140は、表面側に星や星雲等の宇宙空間の絵柄が施されていると共に、後側に配置された背景装飾基板2142(図111を参照)に実装されたLEDが発光することで、表面側に描かれた星や星雲等が光って見えるようになっている。更に、装飾体2100におけるロゴ装飾部材2160は、「PINK LADY」の文字部が白色の透光性を有した部材により構成されており、その後側に配置されたロゴ装飾基板2162(図111を参照)に実装されたLEDにより各文字が夫々独立して発光することができるようになっている。
[可動役物ユニット]
裏ユニット2000における可動役物ユニット2004の詳細な構成について、主に図95乃至図106を参照して説明する。図95は、可動役物ユニットを斜め前から見た斜視図である。図96は、可動役物ユニットにおける第一可動役物を斜め前から見た斜視図であり、図97は、第一可動役物を第一役物ユニットと貯留ユニットとに分解して斜め前から見た斜視図である。図98は、第一可動役物における第一役物ユニットを第一役物本体と第一役物駆動ユニットとに分解して斜め前から見た斜視図であり、図99は、第一可動役物における第一役物ユニットを第一役物本体と第一役物駆動ユニットとに分解して斜め後から見た斜視図である。図100は、第一役物ユニットにおける第一役物駆動ユニットの駆動機構を斜め後から見た斜視図である。図101は、第一可動役物における貯留ユニットを正面斜め上方から見た斜視図であり、図102は、貯留ユニットにおける貯留板の駆動機構を斜め前から見た斜視図である。
また、図103は、可動役物ユニットにおける第二可動役物を斜め前から見た斜視図であり、図104は、第二可動役物を斜め後から見た斜視図である。図105は、可動役物ユニットにおける第二可動役物を、第二役物本体と第二役物駆動ユニットとに分解して斜め前から見た斜視図である。図106は、第二可動役物における第二役物駆動ユニットの駆動機構を斜め前から見た斜視図である。
本実施形態の裏ユニット2000における可動役物ユニット2004は、図示するように、第一V入口2002aを有した第一可動役物2200と、第一可動役物2200の前側から上側にかけて配置され第二V入口2002bを有した第二可動役物2400とを備えている。
まず、第一可動役物2200について説明する。この可動役物ユニット2004における第一可動役物2200は、役物入賞口1402に入賞した遊技球を可動することで第一V入口2002aへ振分けることができる第一役物ユニット2202と、第一役物ユニット2202で第一V入口2002aへ振分けられなかった遊技球の一部を一時的に貯留することができる貯留ユニット2204とを備えている。
第一可動役物2200における第一役物ユニット2202は、第一V入口2002aを有し外形がUFO形状に造形された第一役物本体2206と、第一役物本体2206を左右方向の両端が交互に上下動するように揺動させると共に全体的に上下方向へ移動させる第一役物駆動ユニット2208とを備えている。この第一役物本体2206は、役物入賞口1402に入賞した遊技球が転動可能とされ左右方向に延びる転動部2210と、転動部2210の略中央後側に開口する第一V入口2002aと、第一V入口2002aと転動部2210の間で第一V入口2002aの前側且つ両側に隣接して開口する第一放出口2212と、転動部2210の左右両端に配置される第二放出口2214とを備えている。
この第一役物本体2206は、第一V入口2002aに入球した遊技球が一旦第一役物本体2206内の後部に誘導された後に、左右方向の略中央から下方へ放出されるようになっている。また、第一放出口2212へ進入した遊技球は、そのままの位置から下方へ放出されるようになっている。更に、第二第二放出口2214は、第一役物本体2206の後部付近から下方へ放出されるようになっている。つまり、この第一役物本体2206は、第一V入口2002a及び第二放出口2214へ進入した遊技球が第一役物本体2206の後部位置から下方へ放出され、第一放出口2212へ進入した遊技球が第一V入口2002aや第二放出口2214よりも前側の第一役物本体2206における前後方向略中央位置から下方へ放出されるようになっている。
この第一役物本体2206における転動部2210は、図示するように、左右方向の略中央が上方へ若干膨出した形状とされており、転動部2210の中央部には、第一V入口2002の底面と連続するような底面を有した溝部2210aが形成されている。この転動部2210における溝部2210aには、第一放出口2212が開口する位置の底面に、第一放出口2212へ向かって低くなる傾斜部2210bが形成されており、溝部2210aにおける底面の左右方向中央の僅かな幅の部分のみが第一V入口2002aの底面と連続するように形成されている。また、転動部2210は、左右方向両端へ向かうに従って後側へ湾曲するような形状に形成されている。
また、第一役物本体2206には、転動部2210の前縁に沿って上方へ延出するように配置された前カバー2216を備えており、この前カバー2216によって転動部2210に供給された遊技球が転動部2210の前側へ転落するのを防止することができるようになっている。また、この前カバー2216は、左右方向の端部が第一役物本体2206の後面との間で所定量の隙間が形成されるようになっており、この隙間により第二放出口2214が形成されるようになっている。なお、前カバー2216は、透明な部材により構成されており、転動部2210を転動する遊技球が遊技者側から良好な状態で視認できるようになっている。
更に、第一役物本体2206には、転動部2210よりも下側に、下方へ向かって丸く膨出する三つの下部部材2218を備えている(図92等を参照)。この下部部材2218は、全体的に透明な部材により構成されていると共に、左右方向中央の下部部材2218には前後方向の略中央に下方が開放され上下方向へ延びる角柱状の白濁した内壁を有する内筒部2218aが形成されている(図78を参照)。この下部部材2218は、湾曲した外周及び内周面によって、後述する貯留ユニット2204から照射される光を反射させることで、あたかも自身が発光しているかのように見せることができるようになっている。
また、第一役物ユニット2202における第一役物本体2206には、その後面側の左右方向の中央を挟んで一方側の所定位置に円形状の支持孔2220が形成されていると共に、支持孔2220が形成された側とは左右方向の中央を挟んで反対側に左右方向へ延びる所定幅(高さ)の長孔2222が形成されている(図99を参照)。これら支持孔2220及び長孔2222には、後述する第一役物駆動ユニット2208の支持ピン2240が挿入されるようになっている。
一方、第一役物ユニット2202における第一役物駆動ユニット2208は、左右方向に離反して配置され前方へ向かって回転駆動軸が延出する第一モータ2230(第一モータ左2230L及び第一モータ右2230R)と、第一モータ2230の回転駆動軸に固定される第一駆動ギヤ2232と、第一駆動ギヤ2232と噛合し一対の第一モータ2230の間側に配置される第一従動ギヤ2234と、第一従動ギヤ2234と共に回転し前側へ延出する円柱状の回転体2236と、回転体2236及び第一従動ギヤ2234を回転可能に軸支する支持軸2238と、支持軸2238の軸心から偏芯した位置で回転体2236の前面側から前側へ延出する支持ピン2240とを備えている。
また、第一役物駆動ユニット2208は、支持ピン2240が前側へ延出するように前面が回転体2236の前面と略同一面状となると共に回転体2236が前面側へ臨む一対の開口部2242を有し左右方向へ延びる矩形状のユニットベース2244と、ユニットベース2244の後側に固定されユニットベース2244と共に第一駆動ギヤ2232、第一従動ギヤ2234、及び回転体2236を収容可能とされ後面側で第一モータ2230及び支持軸2238を所定位置に支持するユニットカバー2246とを備えている。
更に、第一役物駆動ユニット2208は、ユニットカバー2246に固定され各支持ピン2240の回転位置を検出可能な回転検出センサ2248を備えている。詳しくは、第一従動ギヤ2234には、後方へ突出する円弧状の検出片2234aが形成されており、この検出片2234aを回転検出センサ2248により検出することで支持ピン2240の回転位置を検出することができるようになっている。
この第一役物駆動ユニット2208は、ユニットベース2244より前側へ突出する支持ピン2240を第一役物本体2206の支持孔2220及び長孔2222内へ挿入することで第一役物本体2206を支持することができるようになっている。なお、図示するように、正面視で左側に配置された第一役物本体2206の長孔2222と対応する支持ピン2240には、コロ部材2250が回転可能に挿入されており、コロ部材2250が第一役物本体2206の長孔2222内を転動することで、長孔2222と対応する支持ピン2240が長孔2222内を良好に摺動することができるようになっている。
また、第一役物駆動ユニット2208は、後述する主制御基板1530によって、各第一モータ2230が別々に回転制御されるようになっており、支持軸2238に対する支持ピン2240の公転角度位相位置が互いに異なるように各第一モータ2230を夫々回転駆動させることで、二つの支持ピン2240に支持された第一役物本体2206を、揺動させながら上下動するような動きにすることができるようになっている。
続いて、第一可動役物2200における貯留ユニット2204は、第一役物ユニット2202における第一役物本体2206の下方に配置され、第一V入口2002aに進入して第一役物本体2206から下方へ放出された遊技球を捕捉可能とされた第一V入球捕捉部2260と、第一V入球捕捉部2260の左右両側に配置され第一役物本体2206の第二放出口2214から下方へ放出された遊技球を捕捉可能とされた第一ハズレ球捕捉部2262と、第一ハズレ球捕捉部2262及び第一V入球捕捉部2260の前側に配置され第一役物本体2206の第一放出口2212から放出された遊技球を捕捉可能とされ、左右方向中央側及び前後方向前側が低くなるように形成されると共に捕捉した遊技球を貯留可能とされた貯留棚2264と、貯留棚2264の前端に配置され上昇又は下降することで貯留棚2264に遊技球を貯留可能又は貯留不能とする貯留板2266とを備えている。
また、貯留ユニット2204には、貯留棚2264よりも前側且つ下側で貯留棚2264から放出された遊技球を捕捉可能とされた第二V入球捕捉部2268と、第二V入球捕捉部2268よりも後側に配置され貯留棚2264から放出され第二V入球捕捉部2268に捕捉されなかった遊技球を捕捉可能な第二ハズレ球捕捉部2270とを更に備えている。また、貯留ユニット2204には、貯留棚2264の前後方向後半分側の左右に第一ハズレ球捕捉部2262へ向かって低くなるように傾斜する後棚部2272と、第二V入球捕捉部2268の左右両側に配置され第二ハズレ球捕捉部2270へ向かって低くなるように傾斜する前棚部2274と、左右方向の両端に第一役物ユニット2202の高さと略同じ高さまで上方へ延出する側壁部2276とを備えている。
更に、貯留ユニット2204には、貯留棚2264の後端から立上る後端壁2278と、貯留棚2264の左右両端から立上る側端壁2280と、貯留棚2264の前端で貯留板2266の左右両側から立上り装飾性を有した形状とされた前端壁2282とを備えている。これら後端壁2278、側端壁2280、及び前端壁2282は、略同じ高さとされており、これらによって、貯留棚2264は、全周が囲まれた状態となっている。なお、本例では、貯留棚2264及び貯留板2266は、透明な部材により形成されており、貯留棚2264の下側に配置され棚下基板2284に実装されたLEDからの光が貯留棚2264を通して第一役物本体2206を下側から照明することができるようになっている(図96を参照)。
また、貯留ユニット2204には、第一V入球捕捉部2260及び第一ハズレ球捕捉部2262の後端を仕切り貯留棚2264を囲む後端壁2278等と略同じ高さに立上る後仕切壁2286と、後棚部2272の前端に貯留棚2264を囲む側端壁2280と略同じ高さで側端壁2280及び側壁部2276と繋がる中仕切壁2288と、第二ハズレ球捕捉部2270と前棚部2274との間で側壁部2276から左右方向の中央側へ向かって所定量延出し、前棚部2274から第二ハズレ球捕捉部2270へ遊技球が流通可能とされた前仕切壁2290とを備えている。この中仕切壁2288は、貯留棚2264の下側において左右の中仕切壁2288同士が繋がった一体の平面状に形成されている。
この貯留ユニット2204は、図101に示すように、第一V入球捕捉部2260には、所定方向へ低くなるように傾斜する底面によって誘導された遊技球を検出可能な第一V入口センサ2292を備えており、第一役物本体2206における第一V入口2002aに受入れられて第一役物本体2206から放出された遊技球が、第一V入球捕捉部2260に捕捉されて第一V入口センサ2292により検出されることで、遊技球の第一V入口への入球が確定するようになっている。また、第一ハズレ球捕捉部2262には、所定方向へ低くなるように傾斜する底面によって誘導された遊技球を検出可能な第一ハズレ口センサ2294を備えており、第一役物本体2206における第二放出口2214から放出された遊技球が、第一ハズレ球捕捉部2262に捕捉されて第一ハズレ口センサ2294により検出されることで、遊技球の第二放出口2214への放出が確定するようになっている。なお、第一V入口センサ2292及び第一ハズレ口センサ2294により検出された遊技球は、貯留ユニット2204から下方へ排出されるようになっている。
また、貯留ユニット2204における第二V入球捕捉部2268には、所定方向へ低くなるように傾斜する底面によって誘導された遊技球を検出可能な第二V入口センサ2296を備えており、また、第二ハズレ球捕捉部2268には、所定方向へ低くなるように傾斜する底面によって誘導された遊技球を検出可能な第二ハズレ口センサ2298を備えている(図101を参照)。これら第二V入口センサ2296、及び第二ハズレ口センサ2298によって検出された遊技球は、貯留ユニット2204の下方へ排出されるようになっている。
なお、第一V入球捕捉部2260、及び第一ハズレ球捕捉部2262の底面には、第一役物本体2206から放出された遊技球を補足する際の衝撃を吸収する衝撃吸収シートが表面に備えられており、補足した遊技球が跳ねて他の捕捉部や貯留棚2264等へ移動するのを防止すると共に、遊技球の衝撃によって底面が破損するのを防止することができるようになっている。
また、貯留ユニット2204は、第一V入球捕捉部2260と第一ハズレ球捕捉部2262との間に上方へ突出する突出片2300が形成されており、この突出片2300によって、第一V入球捕捉部2262及び第一ハズレ球捕捉部2262との間で遊技球が行き来するのを防止することができるようになっている。また、貯留ユニット2204には、磁石等から発生する磁気を検知可能な磁気センサ2302を備えており、この磁気センサ2302によって磁石等を用いた不正行為を検出して警告等を発することができるようになっている。
この貯留ユニット2204における貯留板2266の駆動機構は、図102に示すように、貯留棚2264の下側に配置され後方へ向かって進退可能とされたプランジャを有した貯留板ソレノイド2304と、貯留板ソレノイド2304によって前後方向へスライド可能とされたスライド部材2306と、スライド部材2306が前後方向へスライドすることで前端に形成された貯留板2266が上下方向へ移動するクランク部材2308と、クランク部材2308における貯留板2266の移動位置を検出可能な貯留板位置センサ2310とを備えている。
このスライド部材2306は、貯留板ソレノイド2304の後側から貯留板ソレノイド2304の左右両側に前側へ向かって延出した一対の突出片2306aと、一対の突出片2306aの先端部に上下方向へ延びるように形成された長孔2306bと、一方の突出片から左右方向外方へ突出し貯留板位置センサ2310により検出可能とされた検出片2306cとを備えている。また、クランク部材2308は、貯留板2266の左右両端から後側へ延びる水平棹部2308aと、水平棹部2308aの後端から下側へ延びる垂下棹部2308bと、垂下棹部2308bの下部から左右方向外方へ突出しスライド部材2306の長孔2306bに摺動可能に挿入されるピン2308cと、水平棹部2308aの後端から左右方向内方へ突出し所定の部材に回動可能に軸支される回動軸2308dとを備えている。
この貯留板2266は、貯留板ソレノイド2304の駆動によってスライド部材2306が前後方向へスライドすると共に、その長孔2306bに挿入されたクランク部材2308のピン2308cが前後方向へ移動することで、クランク部材2308が回動軸2308dを中心として回動し、而してクランク部材2308の先端に形成された貯留板2266が上下方向へ移動するようになっており、貯留板2266が上昇することで貯留棚2264に遊技球が貯留可能となり、貯留板2266が下降することで貯留棚2264に遊技球が貯留不能となって貯留棚2264から遊技球が前方へ排出されるようになっている。なお、本例では、図示しないバネによって貯留板2266が下降位置となるように付勢されており、貯留板ソレノイド2304の駆動によって貯留板2266が上昇するようになっている。また、本例では、貯留板位置センサ2310がスライド部材2306の検出片2306cのスライド位置を検出することで、貯留板2266の上下位置を検出することができるようになっている。
また、この貯留ユニット2204には、貯留板ソレノイド2304の上側で、貯留棚2264の下側に、貯留棚2264に遊技球が貯留されているか否かを検出する貯留球検出センサ2312を更に備えている。
なお、この第一可動役物2200には、第一モータ2230、回転検出センサ2248、第一V入口センサ2292、第一ハズレ口センサ2294、第二V入口センサ2296、第二ハズレ口センサ2298、貯留板ソレノイド2304、貯留板位置センサ2310、貯留球センサ2312、磁気センサ2302と、主制御基板1350との接続を中継する第一可動役物中継端子板2320を備えている。また、棚下基板2284と周辺制御基板2600との接続を中継する第一可動役物装飾中継端子板2322を備えている(図97を参照)。
次に、第二可動役物2400について説明する。この可動役物ユニット2004における第二可動役物2400は、役物入賞口ユニット1400の下側に配置され、後側に配置される液晶表示装置640が視認可能となるように枠状に形成され下端に第二V入口2002bを有した第二役物本体2402と、第二役物本体2402を左右方向へ移動駆動させる第二役物駆動ユニット2404とを備えている。この第二可動役物2400における第二役物本体2402は、左右方向へ延びる上枠部2402aと、上枠部2402aの左右両端から下方へ延びる側枠部2402bと、側枠部2402bの下端同士を連結する下枠部2402cとを備えている。この第二役物本体2402は、図示するように、左右の側枠部2402bの上半分に略同心円となる円弧状の装飾が施されていると共に、左右の側枠部2402bの下半分が下方へ向かうに従って互いに接近する方向へ延びており、全体として下側が窄まった形状となっている。また、第二役物本体2402の下枠部2402cは、第一可動役物2200における貯留ユニット2204の第二V入球捕捉部2268の直上に配置されるようになっている(図95を参照)。
なお、第二役物本体2402は、左右方向の略中央に位置する時に、側枠部2402bの円弧状の装飾部分が、遊技領域605の略中央を中心とした円の一部となるように形成されており、これにより、第二役物本体2402の側枠部2402bと、役物入賞口ユニット1400における前本体部材1406に施された円弧状の装飾と、センター枠1700の円弧状部1702とが略同心円状や略同一円周状に配置されるようになっている(図74等を参照)。
この第二役物本体2402は、上枠部2402aの左右方向略中央に役物入賞口1402に入賞した遊技球を役物入賞口ユニット1400から受取る入賞球受取部2406と、入賞球受取部2406によって受取られた遊技球を左右の側枠部2402bに沿ってその上下方向略中間部へ向かって誘導する一対の縦誘導路2408と、縦誘導路2408によって誘導された遊技球を第二役物本体2402における枠内の略中央へ向かって誘導する一対の横誘導路2410と、横誘導路2410の下流端に配置され遊技球を旋回させながら下方へ放出するクルーンからなる入賞球放出口2412とを備えている。なお、図示するように一対のクルーン2412は互いに連結した状態となっている。
この第二役物本体2402における一対の入賞球放出口2412は、第一可動役物2200における第一役物本体2206の転動部2210上方に位置しており、入賞球放出口2412から放出された遊技球が、第一役物本体2206の転動部2210へ供給されるようになっている。なお、詳細な図示は省略するが、入賞球受取部2406は、左右方向の略中央を境として底面が夫々左右方向外側へ向かって低くなるように形成されている。また、入賞球受取部2406及び縦誘導路2408は、不透明な部材により形成されており、その内部を流通する遊技球が遊技者側から見えないようになっている。更に、横誘導路2410及び入賞球放出口2412は、透明な部材により形成されており、流通する遊技球が遊技者から見えるようになっていると共に、第二可動役物2400の後側に配置される液晶表示装置640を視認することができるようになっている。
第二役物本体2402の下枠部2402cは、第二可動役物2200における貯留ユニット2204の第二V入球捕捉部2268の直上に配置されると共に、貯留棚2264よりも前側且つ下側に配置されており、貯留棚2264から放出された遊技球が下枠部2402cの上部に供給されるようになっていると共に、第二V入球捕捉部2268を閉鎖することができるようになっている(図95を参照)。この下枠部2402cには、左右方向略中央に配置され上部及び下部が開放された第二V入口2002bと、第二V入口2002bの左右に配置され上部及び後部が開放された第二ハズレ口2414とを備えており、貯留ユニット2204の貯留棚2264から放出された遊技球が、第二V入口2002bに受入れられると下枠部2402cの下部から下方の第二V入球捕捉部2268へ放出され、第二ハズレ口2414に受入れられると下枠部2402cの後部から第二V入球捕捉部2268の後方に配置された第二ハズレ球捕捉部2270へ放出されるようになっている。
この第二可動役物2400における第二役物本体2402では、第一可動役物2200の貯留棚2264から放出された遊技球が第二V入口2002bに受入れられると、下方の第二V入球捕捉部2268に捕捉され、そして、第二V入球捕捉部2268の下流に配置された第二V入口センサ2296で検出されることで第二V入口2002bへの遊技球の入球が確定するようになっている。また、貯留棚2264から放出された遊技球が第二ハズレ口2414に受入れられると、後方に配置された第二ハズレ球捕捉部2270に捕捉され、そして、第二ハズレ球捕捉部2270の下流に配置された第二ハズレ口センサ2298で検出されることで第二ハズレ口2414への遊技球の受入れが確定するようになっている。
また、第二役物本体2402には、下枠部2402cの左右両端から後方へ延出する滑車ホルダ2416と、滑車ホルダ2416に回転軸が上下方向を向くように軸支され貯留ユニット2204における中仕切壁2288の前面に対して転動可能とされた滑車2418とを備えている。この滑車2418により、後述する第二役物駆動ユニット2404によって上部のみが左右方向へ駆動される第二役物本体2402をスムーズに左右方向へ移動させることができるようになっている。
なお、第二役物本体2402には、横誘導路2410と下枠部2402cとの間に、その枠内を略閉鎖する透明な隔壁板2420を備えており、この隔壁板2420によって、第一可動役物2200の第一役物本体2206から遊技球が可動役物ユニット2004外へ飛出すのを防止することができるようになっている。
第二可動役物2200における第二役物駆動ユニット2404は、第二役物本体2402の上枠部2402aの後側に配置され、第二役物本体2402を左右方向へ移動駆動させるものである。この第二役物駆動ユニット2404は、前後方向に回転軸が向くように配置された第二モータ2430と、第二モータ2430の回転軸に固定される第二駆動ギヤ2432と、第二駆動ギヤ2432と噛合する第二従動ギヤ2434と、第二従動ギヤ3434と共に回転する駆動プーリ2436と、駆動プーリ2436に対して左右方向に所定距離離反して配置される従動プーリ2438と、駆動プーリ2436と従動プーリ2438とに巻き掛けられるベルト2440と、ベルト2440の所定位置に固定され第二役物本体2402における上枠部2402aの後部に連結される連結スライダ2442と、連結スライダ2442を左右方向へ案内する案内シャフト2444とを備えている(図106を参照)。
また、第二役物駆動ユニット2404には、従動プーリ2438を回転可能に支持すると共に従動プーリ2438を駆動プーリ2436と離反する方向へ付勢してベルト2440に所定のテンションを付与するテンション付与機構2446と、左右方向へ所定距離離反して配置され連結スライダ2442の左右方向位置を検出可能な一対の左右位置検出センサ2448と、第二モータ2430、第二従動ギヤ2434及び駆動プーリ2436、テンション付与機構2446、案内シャフト2444、左右位置検出センサ2448等を所定位置に保持し金属板を屈曲形成したベース部材2450とを備えている(図103及び図105等を参照)。
第二役物駆動ユニット2404における連結スライダ2442には、左右方向に延び案内シャフト2444を挿通可能とされたシャフト挿通部2442aと、シャフト挿通部2442aの左右両端に配置され案内シャフト2444上を転動可能とされたローラ2442bとを備えており、このローラ2442aが案内シャフト2444上を転動することで、連結スライダ2442が左右方向へ滑らかに案内されるようになっている。また、連結スライダ2442には、左右方向の略中央から後方へ突出し左右位置検出センサ2448によって検出可能とされた検出片2442cを備えており、この検出片2442cが左右方向に離反した一対の左右位置検出センサ2448によって検出されることで、連結スライダ2442の左右の移動端位置を検出することができるようになっている。
また、第二役物駆動ユニット2402におけるベース部材2450は、所定の金属板を適宜屈曲形成したものであり、左右方向へ延びた上端を後方へ屈曲することで剛性が高くなるようになっている。また、前側に案内シャフト2444の両端を保持するようにしていると共に、第二モータ2430や駆動プーリ2436及び従動プーリ2438等を後側に保持するようにしている。なお、テンション付与機構2446の一部、第二モータ2430、左右位置検出センサ2448は、ベース部材2450の後側に固定されるユニットカバー2452を介してベース部材2450に保持されるようになっている。
この第二可動役物2400は、一対の左右位置検出センサ2448によって、その間に配置された連結スライダ2442の検出片2442cが検出されると、第二モータ2430が逆転するようになっており、連結スライダ2442すなわち第二役物本体2402が左右方向へ往復移動するようになっている。
続いて、本実施形態の可動役物ユニット2004の動きについて、主に図107乃至図109を参考にして説明する。図107は、可動役物ユニットにおける第一可動役物の第一役物本体の動きを示す説明図であり、図108は、図107に続く第一役物本体の動きを示す説明図である。また、図109は、可動役物ユニットにおける第二可動役物の動きを示す説明図である。
本例のパチンコ機1の可動役物ユニット2004における第一可動役物2200の第一役物本体2206は、第一役物駆動ユニット2208によって揺動しながら上下動するような動きをすることができるようになっている。詳述すると、この第一役物駆動ユニット2208の第一モータ左2230L及び第一モータ2230Rは、後述する主制御基板1350によって、役物入賞口ユニット1400における役物入賞口1402への遊技球の入賞を契機として制御されるようになっており、遊技球が役物入賞口センサ1424で検出されると(なお、第一始動口1602への遊技球の始動入賞により役物入賞口1402が開放されて遊技球が役物入賞可能となったのを契機として制御されるようになっており、遊技球が役物入賞口1402へ受入可能(役物入賞可能)となってから所定時間(例えば、1秒〜10秒)経過した後としても良い)、まず初めに第一モータ右2230Rが駆動されて右側の支持ピン2240が所定速度で時計回りの方向へ公転を開始する。そして、右側の支持ピン2240が約90度公転したところで、続いて第一モータ左2230Lが駆動されて左側の支持ピン2240が所定速度で時計回りの方向へ公転を開始し、各第一モータ右2230R及び第一モータ左2230L(左右の支持ピン2240)が一回転して停止するようになっている。
具体的には、図107(ア)に示すように、この第一役物本体2206は初期状態では、第一役物駆動ユニット2208における左右の支持ピン2240が共に下点に位置しており、第一役物本体2006が下降位置で略水平な状態となっている。そして、第一モータ右2230Rが駆動して右側の支持ピン2240が時計回りの方向へ回転すると、右側の支持ピン2240が下点から左上方向へ円周上を移動し、この右側の支持ピン2240の公転に伴って、右側の支持ピン2240が挿入された第一役物本体2206の支持孔2220も左上方向へと移動する。その際に、左側の支持ピン2240は下点に位置した状態となっており、ローラ2250を介して第一役物本体2206の長孔2222内を摺動することで、第一役物本体2206は右側の支持ピン2240の公転が進むに従って、その右側が徐々に上がって傾いた状態となる(図107(イ)を参照)。
そして、右側の支持ピン2240が約90度公転すると、続いて第一モータ左2230Lの駆動が開始されて左側の支持ピン2240が時計回りの方向へ公転を開始させる。この左側の支持ピン2240が公転を開始することで左側の支持ピン2240が左上方向へと移動し、而して、第一役物本体2206全体が傾いた状態で上昇することとなる(図107(ウ)を参照)。これら左右の支持ピン2240の公転が進むに連れて、右側が高く傾いた第一役物本体2206の傾きが最大となった後に、第一役物本体2206の左側が相対的に上昇して徐々にその傾きが緩くなり、右側の支持ピン2240が約225度公転(左側の支持ピン2240が約135度公転)した時に、第一役物本体2206が初期状態よりも高い位置で略水平な状態となる(図107(エ)を参照)。
その後、更に左右の支持ピン2240の公転が進むと、右側の支持ピン2240が左側の支持ピン2240よりも相対的に低くなり、第一役物本体2206の右側が徐々に低くなるように傾いて行くこととなり(図108(オ)を参照)、左右の支持ピン2240の高さ方向の差に応じて右側が低く傾いた第一役物本体2206の傾きが最大となった後に傾きが緩くなる。そして、右側の支持ピン2240が一回転して下点に到達すると第一モータ右2230Rの駆動が停止して右側の支持ピン2240の公転が停止する(図108(カ)を参照)。一方、右側の支持ピン2240の公転が停止した後も、左側の支持ピン2240の公転が進むことで、右側の支持ピン2240との相対的な高さが小さくなり第一役物本体2206の傾きが徐々に緩くなり、左側の支持ピン2240が一回転して下点に到達すると、第一モータ左2230Lの駆動が停止して左側の支持ピン2240の公転が停止する。而して、左右の支持ピン2240が下点に位置して第一役物本体2206が下降位置で略水平状態となり、初期状態となって停止することとなる(図108(キ)を参照)。
上述したように、第一可動役物2200における第一役物本体2206は、第一モータ右2230R、第一モータ左2230Lを順次回転駆動させることで、第一役物本体2206を揺動させながら上下方向へ移動させることができるようになっており、第一役物本体2206の転動部2210を揺動させて、転動部2210上に供給された遊技球を左右方向へ転動させることができるようになっている。また、右側の支持ピン2240が、その公転中心に対して左側に位置すると第一役物本体2206全体が左側へ移動し、公転中心に対して右側に位置すると第一役物本体2206全体が右側へ移動するようになっており、第一役物本体2206を揺動させながら上下方向へ移動させると共に左右方向へも移動させることができるようになっている。
なお、第一可動役物2200における第一モータ右2230R及び第二モータ左2230Lは、夫々回転検出センサ2248によってその回転位置を検出することで、左右の支持ピン2240の公転位置を正確に制御することができるようになっている。
一方、可動役物ユニット2004における第二可動役物2400は、その第二役物本体2402が第二役物駆動ユニット2404によって左右方向へ常時往復移動させられている。詳述すると、第二可動役物2400における第二役物駆動ユニット2404の第二モータ2430が回転することで、第二駆動ギヤ2432、第二従動ギヤ2434、及び駆動プーリ2436を介してベルト2440が駆動され、このベルト2440に固定された連結スライダ2442を介して第二役物本体2402が左右方向へ所定速度で移動することができるようになっている。
この第二役物駆動ユニット2404では、第二モータ2430の駆動によって連結スライダ2442が左右方向の一方へ移動すると、一対の左右位置検出センサ2448の間に突出した検出片2442cが一方の左右位置検出センサ2448によって検出され、一方の左右位置検出センサ2448の検出信号に基いて主制御基板1350により第二モータ2430が逆転駆動されて、連結スライダ2442が左右方向の他方へ移動することとなる。そして、連結スライダ2442が左右方向の他方へ移動すると、連結スライダ2442の検出片2442cが他方の左右位置検出センサ2448によって検出され、他方の左右位置検出センサ2448の検出信号に基いて主制御基板1350により第二モータ2430が正転駆動されて、連結スライダ2442が再び左右方向の一方へ移動することとなる。この一対の左右位置センサ2448の離反距離が、連結スライダ(第二役物本体2402)の左右方向の移動幅とされている。そして、この第二モータ2430の正転、逆転の繰返しにより連結スライダ2442を介して第二役物本体2402が左右方向へ往復移動するようになっている。
この第二役物本体2402は、図109(イ)に示すように、左右方向の略中央に位置する時は、第二役物本体2402における円弧状の側枠部2402bが、センター枠1700の円弧状部1702や、役物入賞口ユニット1400における前本体部材1406の円弧状の装飾部分と、略同心円状の円の一部となるようになっており、液晶表示装置640の中央を中心に複数の同心円が形成されるような外観となるようになっている。
また、第二役物本体2402が、左端側或いは右端側へ最も移動すると、図109(ア)及び(ウ)に示すように、移動した側の側枠部2402bがセンター枠1700よりも外側へ位置すると共に、移動した側の側枠部2402bの円弧状の部分が、役物入賞口ユニット1400の前本体部材1406におけるフランジ部1418外周の円弧状部分及び前飾り部1420の円弧状の装飾部分と連続するような外観となるようになっている。この第二役物本体2402は、役物入賞口ユニット1400におけるフランジ部1418の円弧状の外周部分によって、その左右方向の移動端が判るようになっている。
<主基板及び周辺制御基板による制御構成>
本実施形態のパチンコ機1における主基板2500及び周辺制御基板2600による詳細な制御構成について、主に図110及び図111を参照して説明する。図110は、パチンコ機における主基板周辺の制御構成を概略的に示すブロック図である。図111は、パチンコ機における周辺制御基板周辺の制御構成を概略的に示すブロック図である。なお、これらの図面において太線の矢印は電源の接続および方向を示し、細線の矢印は信号の接続および方向を示している。
本実施形態のパチンコ機1の制御は、大きく分けて主制御基板1350及び払出制御基板1186を含む主基板2500のグループと、第一装飾制御基板2050及び第二装飾制御基板2054等を含む周辺制御基板2600のグループとで分担されている。主基板2500のグループは遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄表示、賞球払出、可動役物ユニット2004の可動制御、等)を制御しており、周辺制御基板2600のグループは演出動作(発光装飾、音響出力、液晶表示等)を制御している。
図110に示すように、主基板2500の主制御基板1350には、中央演算装置としてのCPU2502、読み出し専用メモリとしてのROM2504および読み書き可能メモリとしてのRAM2506を備えている。このCPU2502は、ROM2504に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺制御基板2600や払出制御基板1186に出力するコマンド信号を作成したりする。また、RAM2506には、主制御基板1350で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。なお、主制御基板1350は、中継端子板625、及び払出制御基板1186を介して電源基板2530に接続されており、電源基板2530から作動用電力が供給されるようになっている。
主制御基板1350の入力インタフェースには、パネル中継端子板2066を介して、チャッカー1510を通過した遊技球を検出する通過センサ1512、一般入賞口1520に入賞した遊技球を検出する一般入賞口センサ2532、第一始動口1602に始動入賞した遊技球を検出する第一始動口センサ2534、第二始動口1604に始動入賞した遊技球を検出する第二始動口センサ1616、役物入賞口1402に入賞した遊技球を検出する役物入賞口センサ1424、第一V入口2002aに入球した遊技球を検出する第一V入口センサ2292、第二V入口2002bに入球した遊技球を検出する第二V入口センサ2296、可動役物ユニット2004内で第一V入口2002a及び第二V入口2002bの何れにも入球しなかった遊技球を検出するハズレ口センサ(第一ハズレ口センサ2294及び第二ハズレ口センサ2298)、及び、全ての入賞口に対する入賞数をカウントするための全入賞口入賞数検出センサ2536が接続されている。
また、主制御基板1350の入力インタフェースには、パネル中継端子板2066を介して、第一可動役物2200の第一役物駆動ユニット2208における第一モータ2230の回転位置を検出する回転検出センサ2248、第一可動役物2200の貯留ユニット2204における貯留板2266の位置を検出する貯留板位置検出センサ2310、貯留板2264上に貯留された遊技球を検出する貯留球検出センサ2312、第二可動役物の第二役物駆動ユニット2404における連結スライダ2442の左右位置を検出する左右位置検出センサ2312、所定条件における不正な振動を検出する振動センサ2538、不正な磁気を検出する磁気センサ2302が接続されている。
更に、主制御基板1350の入力インタフェースには、中継端子板625を介して、遊技球を遊技領域605へ打ち込むための遊技者によって操作される操作ハンドル部461の操作状態を検出する操作センサ2510、本体枠3の開放状態を検出する本体枠開放スイッチ2512、及び扉枠5の開放状態を検出する扉枠開放スイッチ2514も接続されている。
一方、主制御基板1352の出力インタフェースには、パネル中継端子板2066を介して、第二始動口1604への入賞確率を変化させる一対の可動片1606を駆動する始動口ソレノイド1612、役物入賞口1402を開閉する一対の可動片1404を開閉駆動する役物入賞口ソレノイド1408、役物入賞口1402を開閉する一対の可動片1404の外側に配置され役物入賞口1402への遊技球の受入範囲を変化可能な一対の副可動片1410を駆動する役物入賞口副ソレノイド1412、第一可動役物2200の第一役物本体2206を駆動する第一役物駆動ユニット2208の第一モータ2230、第一可動役物2200の貯留ユニット2204における貯留板2266を駆動する貯留板ソレノイド2304、第二可動役物2400の第二役物本体2402を駆動する第二役物駆動ユニット2404の第二モータ2430、及び、周辺制御基板2600が接続されており、主制御基板1350から駆動信号を出力することができるようになっている。
また、主制御基板1350の出力インターフェースには、パネル中継端子板2066を介して、本体部内前基板1550に取付けられた特別表示器1500が接続されており、特別表示器1500の第一特別図柄表示器1532、第一特別図柄保留表示器1534、普通図柄表示器1536、普通図柄保留表示器1538、第二特別図柄表示器1540、第二特別図柄保留表示器1542、ラウンド表示器1544等へ表示信号を出力することができるようになっている。更に、主制御基板1350の出力インタフェースには、パネル中継端子板2066を介して、不正行為警告表示器2005が接続されており、振動センサ2538や磁気センサ2302からの検出信号に基いて駆動信号が出力されるようになっている。
なお、役物入賞口センサ1424、役物入賞口ソレノイド1408、役物入賞口副ソレノイド1412は、パネル中継端子板2066との間に役物入賞口中継端子板1428を更に介して接続されている。また、第一モータ2230、回転検出センサ2248、第一V入口センサ2292、第一ハズレ口センサ2294、第二V入口センサ2296、第二ハズレ口センサ2298、貯留板ソレノイド2304、貯留板位置センサ2310、貯留球センサ2312、磁気センサ2302は、パネル中継端子板2066との間に第一可動役物中継端子板2320を更に介して接続されている。
また、第二モータ2430、左右位置検出センサ2448は、パネル中継端子板2066との間に第二可動役物中継端子板2060を更に介して接続されている。また、表左サイド部材1500L側の特別表示器1500はパネル中継端子板2066との間に左特別表示器中継端子板2062を、表右サイド部材1500R側の特別表示器1500はパネル中継端子板2066との間に右特別表示器中継端子板2064を、夫々介して接続されている。
更に、第一モータ2230及び第二モータ2430は、内部に回転位置を検出するエンコーダを有したステッピングモータとされており、回転駆動の際に主制御基板1350との間でフィードバック制御されることで、その回転位置を高精度に制御することができるようになっている。
一方、払出制御基板1186は、中央演算装置としてのCPU2518、読み出し専用メモリとしてのROM2520および読み書き可能メモリとしてのRAM2522を備えている。そして、払出制御基板1186は、主基板1350から入力したコマンド信号を処理し、払出モータ815や、発射制御基板2524に接続された発射モータ695に対して駆動信号を出力する。これにより、払出モータ815は、駆動信号に従って遊技球を払い出し、発射モータ695は駆動信号に従って遊技球を発射させることが可能になる。
なお、払出制御基板1186には、賞球タンク720内に貯留された遊技球が無くなったことを検出する球切れスイッチ778が接続されており、この球切れスイッチ778の検出に基いて、遊技者及びホール側(ホールコンピュータ)へ球切れの報知がなされる。また、払出制御基板1186には、皿ユニット300の貯留部381に貯留された遊技球が満タンになったことを検出する満タンスイッチ916が接続されており、この満タンスイッチ916の検出に基いて、「遊技球を貯留部381から取り出して下さい」旨の報知がなされるようになっている。
また、主制御基板1350と払出制御基板1186との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、たとえば主基板1350が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板1186から主制御基板1350にACK信号が返されるようになっている。
更に、払出制御基板1186には、外部端子板2526が接続されており、始動口1602,1606やV入口2002等への入球状態、普通図柄・特別図柄の変動状態及び特別抽選結果や普通抽選結果等の各抽選結果に基く遊技状態、不正行為の検出等の各種情報が、遊技施設に設けられたホールコンピュータ等へ出力されるようになっている。
一方、周辺制御基板2600は、図111に示すように、CPU2602をはじめROM2604やRAM2606等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することが可能となっている。また、周辺制御基板2600には、音声や音楽の基となる音源を記憶したROM2608と、ROM2608に記憶された音源を基に、演出内容等に応じた音声や音楽を出力する音源IC2610とが設けられている。なお、上記の主制御基板1350と周辺制御基板2600との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板1350から周辺制御基板2600へのコマンド送信はあっても、その逆は行われないようになっている。また、周辺制御基板2600に対しても主制御基板1350を介して電源基板2530から作動用電力が供給されるようになっている。
なお、周辺制御基板2600を構成する第一装飾制御基板2050及び第二装飾制御基板2054の何れにもCPU2602や音源IC2610を備えるようにしても良いし、何れか一方のみにCPU2602や音源IC2610を備えるようにしても良い。
この周辺制御基板2600には、液晶表示装置640での演出画像の表示を制御する液晶表示制御基板2612が接続されている。この液晶表示制御基板2612には、液晶表示装置640が接続されており、液晶表示制御基板2612で周辺制御基板2600から送信されたコマンド信号を処理し、液晶表示装置640に対して駆動信号を出力する。詳しく説明すると、液晶表示制御基板2612には、CPU2614、RAM2616、ROM2618、VDP2620及び画像ROM2622が備えられている。
液晶表示制御基板2612のCPU2614は、周辺制御基板2600から送られてきたコマンド信号を、入出力インタフェースを介して受信すると共に、そのコマンドを基に演算処理を行って、VDP2620の制御を行う。RAM2616は、CPU2614の作業領域を提供すると共に、表示コマンドに含まれる情報を一時的に記憶する。また、ROM2618は、CPU2614用(表示制御用)のプログラムを保持する。
また、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)2620は、液晶表示装置640に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する描画回路である。VDP2620の内部には、レジスタが設けられており、VDP2620の動作モードや各種表示機能の設定情報等を保持しておくことが可能となっている。そして、このレジスタに保持される各種情報をCPU2614が書き換えることにより、液晶表示装置640における表示態様を種々に変化させることが可能となる。画像ROM2622は、各種の画像データを記憶する不揮発性メモリであり、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データおよび背景画像用のJPEG形式画像データ等が記憶されている。
なお、周辺制御基板2600と液晶表示制御基板2612との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。また、液晶表示制御基板2612に対しても、周辺制御基板2600及び主制御基板1350を介して電源基板2530から作動用電力が供給されるようになっている。
また、周辺制御基板2600には、枠装飾中継端子板290を介して、扉枠5に備えられた扉枠装飾ランプ2624、及びスピーカ163等が接続されており、周辺制御基板2600から、これらランプやスピーカ163等に対して駆動信号が出力されるようになっている。
また、周辺制御基板2600には、枠装飾中継端子板290を介して、扉枠5の前面に配置された三つの押ボタン330a,330b,330c(符号は左から順)からなる操作ボタン330が夫々接続されており、各押ボタン330a,330b,330cの操作信号が入力されるようになっている。
更に、周辺制御基板2600には、表サイド部材1500における本体部1502内に配置され後面にLEDが実装され後サイド部材2120及び後サイド部材2120を介して可動役物ユニット2004を発光装飾させる本体部内後基板1552、表サイド部材1500の上側を発光装飾させる上延出部内基板1554、表サイド部材1500の下側を発光装飾させる下延出部内基板1556、後サイド部材2120を発光装飾させる後サイド部材装飾基板2128、背景装飾板2140を発光装飾させる背景装飾基板2142、ロゴ装飾部材2160を発光装飾させるロゴ装飾基板2162が接続されており、駆動信号を出力することで各基板に備えられたLEDを所定の発光色で点灯・点滅・消灯させることができるようになっている。
また、周辺制御基板2600には、始動口ユニット1600を発光装飾させる始動口ユニット装飾基板2630、役物入賞口ユニット1400を発光装飾させる役物入賞口装飾基板2632、第一可動役物装飾中継端子板2322を介して主に第一役物本体2206を発光装飾させる棚下基板2284が接続されており、駆動信号を出力することで各基板に備えられたLEDを所定の発光色で点灯・点滅・消灯させることができるようになっている。
なお、本実施形態における第一始動口1602及び第二始動口1604が本発明の始動口に、本実施形態のV入口2002,第一V入口2002a,第二V入口2002bが本発明の特定受入口に、本実施形態の第一放出口2212,第二放出口2214,第二ハズレ口が本発明の受入口に、夫々相当している。また、本実施形態の第一役物本体2206が本発明の役物本体に、本実施形態の第一役物駆動ユニット2208が本発明の役物駆動ユニットに、本実施形態の下部部材2218が本発明の役物装飾部に、本実施形態の内筒部2218aが本発明の壁部に、夫々相当している。更に、本実施形態の回転検出センサ2248が本発明の位置検出センサに、本実施形態の貯留棚2264が本発明の棚部に、本実施形態の棚下基板2284に実装されたLEDが本発明の光照射手段に、夫々相当している。
<遊技内容>
本実施形態のパチンコ機1における遊技内容について、主に図77、及び図109乃至図113を参考にして説明する。図112は、主制御基板での機能的な構成を示すブロック図であり、図113、周辺制御基板での機能的な構成を示すブロック図である。
まず、主制御基板1350での遊技演出制御に係る機能的な構成について、図112等を参考に説明する。なお、遊技球の払出しに係る機能的な構成については省略する。本例の主制御基板1350では、ROM2504に予め格納された所定のプログラムをCPU2502によって実行することで各種の遊技制御や演出制御等が具現化されるようになっている。この主制御基板1350には、通過センサ1512から遊技球の検出信号が入力されると、所定の普通乱数を発生させる普通乱数発生手段2550と、普通乱数発生手段2550により発生した普通乱数と対応する普通図柄変動パターンを、ROM2504に格納された所定の普通図柄変動パターンテーブルから選択する普通図柄変動パターン選択手段2552と、選択された普通図柄変動パターンを一時的に記憶して保留する普通図柄保留手段2554とを備えている。
上述の普通図柄保留手段2554は、普通図柄表示器1536において普通図柄が変動表示中に、通過センサ1512からの遊技球の検出信号を契機として選択された普通図柄変動パターンを所定数(例えば、四つ)まで記憶して保留してその保留数を普通図柄保留表示器1538に表示させると共に、普通図柄の変動表示が可能となるまで記憶した普通図柄変動パターンの実行を保留するものである。そして普通図柄保留手段2554で保留された普通図柄変動パターン(普通乱数)が実行されると、その普通図柄変動パターン(普通乱数)に基いて普通図柄表示器1536の普通図柄が変動表示された後に停止表示され、停止表示された普通図柄が「普通当り」であると始動口ソレノイド1612を駆動して一対の可動片1606を拡開させて第二始動口1604への入賞確率を高くするようになっている。
また、主制御基板1350には、第一始動口1602への始動入賞により第一始動口センサ2534で検出された検出信号に基いて所定の第一特別乱数を発生させる第一特別乱数発生手段2556と、第一特別乱数発生手段2556において発生した第一特別乱数と対応する第一特別図柄変動パターンを、ROM2504に予め記憶された所定の特別図柄変動表示パターンテーブルから選択する第一特別図柄変動パターン選択手段2558と、第一特別図柄変動パターン選択手段2558で選択された第一特別図柄変動パターンを一時的に記憶して保留する第一特別図柄保留手段2560とを備えている。この第一特別図柄保留手段2560は、第一特別図柄表示器1532において第一特別図柄が変動表示中等の第一特別図柄を新たに変動表示させることができない時に、第一始動口1602への始動入賞による第一始動口センサ2534からの遊技球の検出信号を契機として選択された第一特別図柄変動パターンを所定数(例えば、四つ)まで記憶して保留してその保留数を第一特別図柄保留表示器1534に表示させると共に、第一特別図柄の変動表示が可能となるまで記憶した第一特別図柄変動パターンの実行を保留するものである。そして、第一特別図柄保留手段2560によって保留された第一特別図柄変動パターン(第一特別乱数)が実行されると、その第一特別図柄変動パターンに基いて第一特別図柄表示器1532の第一特別図柄が変動表示された後に停止表示されて、「長当り」又は「短当り」の何れかを示唆することができるようになっている。
更に、主制御基板1350には、第二始動口1604への始動入賞により第二始動口センサ1616で検出された検出信号に基いて所定の第二特別乱数を発生させる第二特別乱数発生手段2562と、第二特別乱数発生手段2562において発生した第二特別乱数と対応する第二特別図柄変動パターンを、ROM2504に予め記憶された所定の特別図柄変動表示パターンテーブルから選択する第二特別図柄変動パターン選択手段2564と、第二特別図柄変動パターン選択手段2564で選択された第二特別図柄変動パターンを一時的に記憶して保留する第二特別図柄保留記憶手段2566とを備えている。この第二特別図柄保留手段2566は、第二特別図柄表示器1540において第二特別図柄が変動表示中等の第二特別図柄を新たに変動表示させることができない時に、第二始動口1604への始動入賞による第二始動口センサ1616からの遊技球の検出信号を契機として選択された第二特別図柄変動パターンを所定数(例えば、四つ)まで記憶して保留してその保留数を第二特別図柄保留表示器1542に表示させると共に、第二特別図柄の変動表示が可能となるまで記憶した第二特別図柄変動パターンの実行を保留するものである。そして、第二特別図柄保留手段2566によって保留された第二特別図柄変動パターン(第二特別乱数)が実行されると、その第二特別図柄変動パターンに基いて第二特別図柄表示器1540の第二特別図柄が変動表示された後に停止表示されて、「ハズレ」や「大当り」等を示唆することができるようになっている。
また、主制御基板1350には、第一V入口2002aや第二V入口2002bに遊技球が入賞することで第一V入口センサ2292や第二V入口センサ2296からの検出信号、又は、第二始動口1604への始動入賞による第二特別乱数が「大当り」を示唆する場合、「大当り」遊技等の特別有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段2568と、有利遊技状態発生手段2568による特別有利遊技状態の発生、又は、第一始動口1602への始動入賞による第二特別乱数に応じて、役物入賞口ソレノイド1408を駆動して役物入賞口1402を受入可能とする役物入賞口開閉制御手段2570と、少なくとも役物入賞口開閉制御手段2570により役物入賞口1402が受入可能となると第一可動役物2200の第一モータ2230を駆動して第一役物本体2206を駆動させる第一役物駆動制御手段2572とを備えている。
更に、主制御基板1350には、第一始動口1602への始動入賞による役物入賞口1402の受入可能、役物入賞口1402への役物入賞による役物入賞口センサ1424からの遊技球の検出信号、及び貯留球検出センサ2312からの貯留球の検出信号等に基いて、貯留板ソレノイド2304を駆動して貯留ユニット2204の貯留板2266を昇降させる貯留制御手段2574を備えている。また、主制御基板1350には、普通乱数、第一特別乱数、第二特別乱数に応じた、普通図柄変動パターン、第一図柄変動パターン、第二図柄変動パターン、及び各センサからの検出信号、役物入賞口開閉制御手段2570、第一役物駆動制御手段2572、貯留制御手段2574、有利遊技状態発生手段2568等からの制御信号等に基いて所定の制御用のコマンドを生成して周辺制御基板2600へ送信するコマンド送信手段2576を更に備えている。
一方、周辺制御基板2600には、主制御基板1350から送信される制御用のコマンドを受信するコマンド受信手段2650と、コマンド受信手段2650で受信されたコマンドに基いて、ROM2604に格納された演出パターンを選択する演出パターン選択手段2652と、演出パターン選択手段2652で選択された演出パターンに基いて、本体部内後基板1552、上延出部内基板1554、下延出部内基板1556、後サイド部材装飾基板2128、背景装飾基板2142、ロゴ装飾基板2162、始動口ユニット装飾基板2630、役物入賞口装飾基板2632、棚下基板2284等に備えられたLEDの発光駆動を制御することで発光装飾体2004を発光演出させる発光演出制御手段2654と、液晶表示装置640に所定の演出画像を表示させる演出表示制御手段2656とを備えている。
続いて、上述の機能的構成を有した本実施形態のパチンコ機1における遊技内容について、具体的に説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠5の右下に配置された操作ハンドル部461を遊技者が回転操作することで、皿ユニット300の貯留部381に貯留された遊技球が、透明な遊技パネル599の前面に配置された遊技領域605内の上部へと打ち込まれて、遊技球による遊技が開始されるようになっている。遊技領域605内の上部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さによって役物入賞口ユニット1400及びセンター枠1700の左側或いは右側の遊技領域605内を流下することとなる。なお、遊技球の打込強さは、操作ハンドル部461の回転量によって調整することができるようになっており、時計回りの方向へ回転させるほど強く打ち込むことができるようになっている。また、遊技領域605内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘が遊技パネル599の前面に植設されており、遊技球がその障害釘に当接することで、遊技球の流下速度が抑制されると共に、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。
センター枠1700の側面側を流下する遊技球が、表サイド部材1500の上下方向略中央から左右方向中央側へ延出し表サイド部材1500の本体部1502とセンター枠1700の側面との間の遊技領域605内に配置されたチャッカー1510を通過して通過センサ1512により検出されると、その検出信号に基いて主制御基板1350では、普通抽選結果としての普通乱数が取得される。そして、その普通乱数に基いて、特別図柄表示器1530における普通図柄表示器1536の普通図柄が変動表示(二つのLEDが交互に発光点滅)され、所定時間(例えば、15秒〜30秒の間)経過後に取得した普通乱数(普通抽選結果)に基いた普通図柄が停止表示(何れかのLEDが点灯)される。この普通図柄の変動表示は、普通乱数に応じた普通図柄変動パターンに基いて行われるようになっている。
詳しくは、取得した普通乱数が「普通当り」乱数の場合、当りを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器1536の何れか一方のLEDのみが点灯)され、取得した普通乱数が「普通ハズレ」乱数の場合、ハズレを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器1536の何れか他方のLEDのみが点灯)されるようになっている。そして、当りを示唆する普通図柄が停止表示されると、第二始動口1604の左右に直立した一対の可動片1606が、所定時間(例えば、0.3秒〜3秒の間)逆ハ字状となるように拡開して、第二始動口1604への遊技球の入賞確率を高くすることができるようになっている。
ところで、本例では、普通図柄表示器1536において普通図柄が変動表示中に、通過センサ1512で遊技球の通過が検出されると、変動中の普通図柄停止して先に取得された普通乱数の結果が確定するまでの間、通過センサ1512からの検出信号に基いて取得した普通乱数(普通図柄変動パターンを含む)を一時的に記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された普通乱数の数(保留数とも言う)を、普通図柄保留表示器1538で表示するようになっている。この普通図柄保留表示器1538は、二つのLEDからなっており、消灯・点灯・点滅する各LEDの発光状態の組合わせによって記憶数を示唆するようになっており、本例では、四つまで記憶して表示するようになっている。なお、記憶数が四つを越えた場合は、通過センサ1512の検出信号に基いて取得された普通乱数が破棄されるようになっている。
センター枠1700の側面側を流下した遊技球は、チャッカー1510の下方に配置された一般入賞口1520に入賞して、一般入賞口センサ2532に検出されると、その検出信号に基いて主制御基板1350では払出制御基板1186に対して所定の払出コマンドを送信し、その払出コマンドに応じて払出制御基板1186が賞球ユニット800の払出モータ815を制御して所定数(例えば、10個)の遊技球が、貯留部381へ払出されるようになっている。
一方、遊技領域605内に打ち込まれてセンター枠1700よりも下側へ流下した遊技球が、始動口ユニット1600における左右両端に配置された第一始動口1602に入賞して第一始動口センサ2534に検出されると、その検出信号に基いて主制御基板1350では払出制御基板1186に対して所定の払出コマンドを送信し、その払出コマンドに応じて払出制御基板1186が賞球ユニット800の払出モータ815を制御して所定数(例えば、3個)の遊技球が貯留部381へ払出されるようになっている。
また、遊技球が第一始動口1602に入賞して第一始動口センサ2534に検出されると、その検出信号に基いて主制御基板1350では第一特別抽選結果としての所定の第一特別乱数が取得される。そして、取得した第一特別乱数に基いて、特別表示器1530における第一特別図柄表示器1532に表示される第一特別図柄の変動表示が開始された後に、取得した第一特別乱数と対応する第一特別図柄が第一特別抽選結果として停止表示されるようになっている。この第一始動口1602での始動入賞による第一特別抽選結果として、所定の確率で「長当り」、又は「短当り」の何れかが抽選されるようになっている(例えば、「長当り」の抽選確率が1/300、「短当り」の抽選確率が299/300)。そして、「長当り」が抽選されると、役物入賞口ユニット1400における役物入賞口1402を閉鎖する一対の可動片1404とその外側の副可動片1410とが可動して所定時間(例えば、1秒〜5秒間)役物入賞口1402への遊技球の入賞が可能となり、「短当り」が抽選されると、「短当り」が299/300の確率で抽選される)。そして、「長当り」が抽選されると、役物入賞口ユニット1400における役物入賞口1402を閉鎖する一対の可動片1404とその外側の副可動片1410とが可動して所定時間(例えば、0.3秒〜1秒間)役物入賞口1402への遊技球の入賞が可能となる。
なお、本例では、第一始動口1602へ遊技球が入賞して第一始動口センサ2534に検出されると、主制御基板1350からの払出コマンドに基いて賞球ユニット800から所定数(例えば、3個)の遊技球が貯留部381へ払い出されるようになっている。また、役物入賞口1402へ遊技球が入賞して役物入賞口センサ1424に検出されると、主制御基板1350からの払出コマンドに基いて賞球ユニット800から所定数(例えば、13個)の遊技球が貯留部381へ払い出されるようになっている。
本例のパチンコ機1では、役物入賞口1402へ入賞した遊技球が、役物入賞口ユニット1400の下側且つ遊技パネル599の後側に配置された可動役物ユニット2004の第二役物本体2402へ送られるようになっている。この可動役物ユニット2004における第二役物本体2402が第二役物駆動ユニット2404によって常時左右方向へ往復移動しており(図109を参照)、役物入賞口1402への遊技球の進入位置だけでなく、第二役物本体2402の左右方向位置によっても、役物入賞口1402に入賞した遊技球が第二役物本体2402における左右に配置された入賞球放出口2412の何れの側から放出されるか否かで、遊技者をワクワクさせることができる。また、第二役物本体2402が常時左右方向へ往復移動しているので、第二役物本体2402の移動位置と役物入賞口1402が開状態となるタイミングとを見計らって、所望の側の入賞球放出口2412から遊技球が第一役物本体2206へ放出されるように役物入賞口1402を狙って遊技球を打ち込ませて、遊技球の打込操作を楽しませることができるようになっている。
なお、役物入賞口1402へ入賞した遊技球は、第二役物本体2402側へ放出する案内部1426や、第二役物本体2402の入賞球受取部2406及び縦誘導路2408等が遊技者側から見えないようになっているので、喩え第二役物本体2402が左右方向の略中央に位置していても、縦誘導路2408から横誘導路2410へ遊技球が誘導されてくるまでは左右の入賞球放出口2412の何れの側に振分けられたのかを認識することができず、役物入賞口1402へ入賞した遊技球が何れの側の入賞球放出口2412へ振分けられるかで遊技者を楽しませることができるようになっている。
役物入賞口1402へ入賞した遊技球は、第二役物本体2402の左右何れかの入賞球放出口2412から第一役物本体2206の転動部2210へと放出されることとなるが、この第一役物本体2206は、上述したように、第一始動口1602への始動入賞により開放された役物入賞口1402へ遊技球が入賞して役物入賞口センサ1424に検出されると、第一役物駆動ユニット2208の二つの第一モータ2230が駆動して、第一役物本体2206が揺動しながら上下動する動きをするようになっており(図107及び図108を参照)、可動している第一役物本体2206の転動部2210へ遊技球が供給されることとなる。
つまり、一般的に、左右方向へ往復移動する第二役物本体2402の入賞球放出口2412から放出された遊技球が、第一役物本体2206の左右方向中央よりも高い側へ供給されると、中央に配置された第一V入口2002aへの入球確率が高くなり、逆に低い側へ供給されると第一V入口2002aへの入球確率が低くなることとなる。但し、第一役物本体2206の可動状態と、遊技球が供給されるタイミングとによっては、高い側へ供給されてもすぐに低くなって第一V入口2002aへの入球確率が低くなったり、低い側へ供給されてもすぐに高くなって第一V入口2002aへの入球確率が高くなったりする場合もある。
なお、第二役物本体2402の入賞球放出口2412は、クルーンとされており、遊技球が入賞球放出口2412周りを回転してから放出されるので、横誘導路2410を流通した遊技球が直ちに入賞球放出口2412から放出されず、ある程度入賞球放出口2412で滞在してから放出されるので、その間にも、第一役物本体2206の位置や傾斜状態が刻々と変化し、入賞球放出口2412からの遊技球の放出に対して遊技者をハラハラさせて楽しませることができるようになっている。
そして、第二役物本体2402の入賞球放出口2412から放出された遊技球が、第一役物本体2206の転動部2210へ供給されると、供給された遊技球は、低くなっている方向へと転動することとなる。この転動部2210に供給された遊技球の位置や、転動部2210を転動する遊技球の速度等によっては、転動部2210の左右方向略中央に配置された溝部2210aに遊技球が誘導されないと、転動部2210の左右両端に配置された第二放出部2214から遊技球が放出されてしまい、第二放出部2214の下方に配置された第一ハズレ球捕捉部2262に捕捉された上で第一ハズレ口センサ2294に検出されて死球となって遊技盤4の外部へと排出される。
一方、転動部2210に供給された遊技球が、その供給位置や転動速度、第一役物本体2206の可動状況等によって、溝部2210aにより後側へ誘導されると、二つの第一放出口2212又は第一V入口2002aの何れかに受入れられることとなる。そして、第一V入口2002aに遊技球が受入れられると、第一役物本体2206の左右方向中央の後部から下方へ放出される共に、その下方に配置された第一V入球捕捉部2260によって捕捉された後に、第一V入口センサ2292により検出されることで、第一V入口2002aの入球が確定し、役物入賞口1402が所定のパターンで入賞可能となる特別有利遊技状態(「大当り」遊技)が発生するようになっている。
ところで、第一役物本体2206における転動部2210の溝部2210aによって後側へ誘導された遊技球が、第一放出口2212へと進入して第一役物本体2206の下方へ放出されると、第一放出口2212の下側に配置された貯留ユニット2204の貯留棚2264上に供給されることとなる。この貯留棚2264の前端に配置された貯留板2266は、第一始動口1602への始動入賞により開放された役物入賞口1402へ遊技球が入賞して役物入賞口センサ1424により検出されると、主制御基板1350によって貯留板ソレノイド2304が駆動されて所定時間(例えば、5秒〜30秒)上昇位置に位置するようになっており、貯留棚2264に供給された遊技球が上昇した貯留板2266によって堰き止められて貯留棚2264上に貯留されるようになっている。
この貯留棚2264に遊技球が貯留されると、貯留棚2264の下側に配置された貯留球検出センサ2312によって検出され、その検出信号が主制御基板1350を介して周辺制御基板2600へと送られて、液晶表示装置640に演出画像としてカウントダウン演出画像の表示が開始される。このカウントダウン演出画像は、第一始動口1602への始動入賞を契機とした役物入賞口1402への入賞による役物入賞口センサ1424での遊技球の検出を開始点として、主制御基板1350によって貯留板2266が下降するまでの所定時間と、開始点から貯留球検出センサ2312が貯留された遊技球を検出するまでの時間とに基いて、貯留球検出センサ2312により遊技球が検出されてから貯留板2266が下降するまでの時間を算出し、その算出した時間に応じたカウントダウンを表示させるものである。
このカウントダウン演出画像としては、「貯留板2266が下降する時が「0」秒となるように、約1秒間隔で数字が減少する演出画像」、「貯留板2266が下降する時が、所定の音楽や、所定の音楽の特定フレーズ等の終了と略一致するサウンドを有した演出画像」、「貯留板2266が下降する時が、表示されるキャラクタが一連の動作(例えば、ダンス等の振付)の中で決めのポーズとなる演出画像」、「貯留板2266が下降する時が、所定の語句からなるフレーズの終了と略一致するサウンドを有した演出画像」、「貯留板2266が下降する時に向かって、発光や発音の周期が遅くなる又は早くなる演出画像」、等が予め用意されており、演出パターン選択手段2652で適宜選択されるようになっている。
そして、液晶表示装置640に表示されたカウントダウン演出画像のカウントダウンが終了すると(実際には、役物入賞口センサ1424によって遊技球が検出されてから所定時間が経過すると)、主制御基板1350によって貯留板ソレノイド2304の駆動が解除され、貯留板2266が下降して貯留棚2264に貯留された遊技球が貯留棚2264の前端から前方の第二役物本体2402における第二V入口2002bを有した下枠部2402cの上部へ放出されるようになっている。
この第二役物本体2402は、上述した通り、常時左右方向へ往復移動しているので、貯留棚2264の前方に配置された第二V入口2002bもまた左右方向へ往復移動しており、貯留棚2264の左右方向中央と、第二V入口2002bとが略一致した時に、貯留棚2264から遊技球が放出されると、第二V入口2002bに遊技球が入球することとなる(図109を参照)。そして、第二V入口2002bに遊技球が入球すると、その下側に配置された第二V入球捕捉部2268に捕捉された上で、第二V入口センサ2296に検出されて第二V入口2002bへの遊技球の入球が確定し、役物入賞口1402が所定のパターンで入賞可能となる特別有利遊技状態(「大当り」遊技)が発生するようになっている。
従って、左右方向へ往復移動する第二V入口2002bと、遊技球を貯留する貯留棚2264とが略一致した時に貯留板2266が下降して貯留棚2264に貯留された遊技球が貯留棚2264から放出されるか否かで遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができると同時に、貯留棚2264から遊技球を放出する際に、液晶表示装置に640に所定のカウントダウン演出画像を表示させるようにしており、そのカウントダウン演出によって更に遊技者をドキドキさせてV入球への期待感を高めて、遊技者の興趣をより高めることができるようになっている。
また、第一役物本体2206において遊技球が第一V入口2002aに入球することができなくても、その遊技球が第一放出口2212側へ振分けられると貯留棚2264へと供給されて、第二V入口2002bへ入球する機会を得ることができるようになっているので、一つの遊技球でV入球への期待感を二回も抱かせることができ、より遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
一方、貯留棚2264から放出された遊技球が第二V入口2002bに入球しなかった場合、第二V入口2002bの左右に配置された第二ハズレ口2414へ受入れられ、第二V入球捕捉部2268の後側に配置された第二ハズレ球捕捉部2270に捕捉された後に第二ハズレ口センサ2298に検出されて死球となって遊技盤4の外部へ排出される。
なお、本例では、主制御基板1350によって、役物入賞口1402へ入賞して役物入賞口センサ1424で検出された遊技球の数と、第一V入口センサ2292、第二V入口センサ2296、第一ハズレ口センサ2294及び第二ハズレ口センサ2298で検出された遊技球との数を照合するようになっており、照合の結果、遊技球の数が一致しなかった場合、役物入賞口ユニット1400や可動役物ユニット2004内で球詰りが発生したと判断して、その旨を報知するようになっている。
一方、始動口ユニット1600の左右方向中央に配置された第二始動口1604に遊技球が入賞して、第二始動口センサ1616に検出されると、その検出信号に基いて主制御基板1350では第二特別抽選結果としての所定の第二特別乱数が取得される。そして、取得した第二特別乱数に基いて、特別表示器1530における第二特別図柄表示器1540に表示される第二特別図柄の変動表示が開始された後に、取得した第二特別乱数と対応する第二特別図柄が第二特別抽選結果として停止表示されるようになっている。この第二始動口1604での始動入賞による第二特別抽選結果として、所定の確率で「大当り」、又は「ハズレ」の何れかが抽選されるようになっている(例えば、「大当り」の抽選確率が1/500)。そして、「大当り」が抽選されると、役物入賞口ユニット1400における役物入賞口1402を閉鎖する一対の可動片1404とその外側の副可動片1410とが所定のパターンで可動する特別有利遊技状態(例えば、「大当り」遊技)が発生するようになっている。
なお、本例では、第二始動口1604へ遊技球が入賞して第二始動口センサ1616に検出されると、主制御基板1350からの払出コマンドに基いて賞球ユニット800から所定数(例えば、4個)の遊技球が貯留部381へ払い出されるようになっている。
また、第二始動口1604へ遊技球が入賞すると、取得した第二特別乱数に応じて(第二特別抽選結果に応じて)、特別表示器1530第二特別図柄表示器1540が変動表示される他に、液晶表示装置640においても、第二特別乱数(第二特別抽選結果)に応じた演出画像が表示されるようになっている。具体的には、液晶表示装置640において、複数の異なる図柄からなる一連の図柄列が複数列(例えば、三列)表示された状態で各図柄列の変動表示が開始され、その後に、順次停止表示され、最終的に全ての図柄列が停止表示されると、停止表示された図柄の組合わせによって抽出された特別乱数の判定結果が遊技者側に示唆されるようになっている。つまり、始動入賞による特別抽選結果に応じて、複数の図柄列が変動表示された後に特別抽選結果を示唆するように停止表示される演出画像が表示されるようになっている。なお、第二特別図柄表示器1540の第二特別図柄よりも、液晶表示装置640に表示される図柄の方が大きく見易いため、一般的に遊技者は液晶表示装置640に表示された図柄に注目することとなる。
ところで、上述のした「大当り」遊技は、主制御基板1350によって、役物入賞口ユニット1400の一対の可動片1404を開状態とすると共にその外側の副可動片1410を上昇させる一回の開閉動作を連続して繰返させ、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、所定個数(例えば、10個)の遊技球が役物入賞口1402へ入賞、の何れかの条件が充足すると可動片1404及び副可動片1410の開閉動作を停止させるパターン(一回のパターンを1ラウンドと称す)を、所定回数繰返すようになっている。この「大当り」遊技におけるラウンド数は、第一始動口1602や第二始動口1604への遊技球の始動入賞により抽選される第一特別抽選結果(第一特別乱数)や第二特別抽選結果(第二特別乱数)に応じて選択されるようになっており、第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を示唆する第一特別図柄や第二特別図柄が第一特別図柄表示器1532や第二特別図柄表示器1540に表示されると同時にラウンド表示器1544に選択されたラウンド数が表示されるようになっている。
なお、第一始動口1602への始動入賞して役物入賞口1402が入賞可能となると、ラウンド表示器1544に上述したラウンド数が表示されるので、より多いラウンド数が表示されることで、V入口2002への入球に対する期待感を高めることができると共に、V入球させるために役物入賞口1402を狙った遊技球の打込操作をさせて、遊技者の興趣をより高められるようになっている。
因みに、本例では、ラウンド数として、3ラウンド(3R)、8ラウンド(8R)、15ラウンド(15R)の三種類のラウンド数が用意されており、そのラウンド数の間、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させるようになっている。
また、「大当り」遊技中では、主制御基板1350によって、可動役物ユニット2004内の第一V入口2002a及び第二V入口2002bの第一V入口センサ2292及び第二V入口センサ2296が、V入口センサとしては機能しないようになっており、「大当り」遊技中にV入口2002へ遊技球が入球しても「大当り」とならないようになっている。なお、「大当り」遊技中は、第一V入口センサ2292及び第二V入口センサ2296が、ハズレ口センサとして機能するようになっており、役物入賞口1402へ入賞した遊技球の数と、可動役物ユニット2004から排出される遊技球の数とを照合するのに用いられるようになっている。また、「大当り」遊技中は、貯留板2266が下降した状態となっているのに対して、第一可動役物2200の第一役物本体2206が連続して揺動しながら上下動するような動きをするようになっており、第一役物本体2206の動きを楽しませると共に、第一役物本体2206の転動部2210上を転動する遊技球の動きを楽しませることができるようになっている。
なお、これら第一始動口1602や第二始動口1604に遊技球が始動入賞した時に、第一特別図柄表示器1532や第二特別図柄表示器1540において第一特別図柄や第二特別図柄が変動表示中、又は、特別有利遊技状態としての「大当り」遊技中等の第一特別図柄や第二特別図柄を変動表示さることができない時に、第一始動口1602や第二始動口1604へ遊技球が入賞して第一始動口センサ2534や第二始動口センサ1616での遊技球が検出されると、第一特別図柄や第二特別図柄の変動表示が可能となるまでの間、第一始動口センサ2534や第二始動口センサ1616からの検出信号に基いて取得した第一特別乱数や第二特別乱数を記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された第一特別乱数や第二特別乱数の数を、第一特別図柄保留表示器1534や第二特別図柄保留表示器1542において表示するようになっている。これら第一特別図柄保留表示器1534や第二特別図柄保留表示器1542は、夫々二つのLEDからなっており、消灯・点灯・点滅する各LEDの発光状態の組合わせによって記憶数を示唆するようになっており、本例では、夫々四つまで記憶して表示するようになっている。なお、記憶数が四つを越えた場合は、取得した第一特別乱数や第二特別乱数が破棄されるようになっている。
また、遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が、一般入賞口1520、第一始動口1602、第二始動口1604、及び役物入賞口1402の何れにも入賞しなかった場合、遊技領域605の左右方向中央下端に設けられてアウト口606から、遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。また、遊技球が、一般入賞口1520、第一始動口1602、第二始動口1604、及び役物入賞口1402の何れに入賞しても、入賞した遊技球は、遊技領域605内へ戻されること無く全入賞口入賞数検出センサ2536に検出された後に遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。
更に、本例では、V入口2000付近に磁石等の磁力を発生させるものを接近させて、磁気センサ2302により検出されると、主制御基板1350において、不正行為が行われていると判断して、遊技を停止させると共に、不正行為警告表示器2005を点灯させて、警告を発するようになっている。また、主制御基板1350では、第一始動口1602へ遊技球が入賞した後に開状態となった役物入賞口へ遊技球が入賞して可動役物ユニット2004外へ排出されるまでの間、振動センサ2538からの検出信号を受付可能とし、その間に振動センサ2538が振動を検出すると、不正行為が行われていると判断して、遊技を停止させると共に、不正行為警告表示器2005を点灯させて、警告を発するようになっている。
なお、主制御基板1350によって不正行為が行われていると判断されると、不正行為警告表示器2005だけでなく、液晶表示装置640にもその旨が表示されると共に、スピーカ163から警告音や警告音声が発せられるようになっている他に、装飾体2100に備えられた各種LEDが赤色に発光するようになっている。
このように、本実施形態のパチンコ機1は、第一役物本体2206における転動部2210の下側に配置された複数の立体的に湾曲した下部部材2218に対して、透明な貯留棚2264の下側に配置された棚下基板2284に実装されたLEDからの光が照射されるようになっているので、照射された光によって下部部材2218の表面が照明装飾されると共に、照射された光が湾曲した下部部材2218によって遊技者側へと反射することであたかも下部部材2218内に光源が備えられているような発光装飾をすることができ、第一役物本体2206が目立つようになり第一役物本体2206に対して遊技者の関心を強く引き付けることができると共に、下部部材2218の下側から光が照射されることで第一役物本体2206の転動部2210を転動する遊技球がシルエット状となるのを回避させて遊技球が見辛くなるのを防止することができ、第一役物本体2206と共に第一役物本体2206での遊技球を見易くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第一役物本体2206の下部部材2218に対して下側から光を照射するようにしており、蓋然的に、遊技者からは下部部材2218で反射した光が見えることとなるので、従来のパチンコ機のように回転体等の役物本体の後側に光源を配置して後側から前側へ向かって光を照射させるようにした場合と比較して、下部部材2218の発光装飾の眩しさを低減させることができ、下部部材2218の立体的な形状や、第一役物本体2206の転動部2210を転動する遊技球等が見辛くなるのを防止することができ、第一役物本体2206や遊技球等の形状や動きを楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、棚下基板2284に複数の点状に発光するLEDを備えるようにしているので、LEDが配置された位置と対応するように、立体的に湾曲した下部部材2218における表面の複数位置で反射することとなり、下部部材2218に複数の光源が備えられたような煌びやかな発光装飾を具現化することができ、第一役物本体2206内にLEDを備えなくても第一役物本体2206を良好に発光装飾させることができると共に、第一役物本体の可動態様に関わらず簡単な構成で第一役物本体2206を発光装飾させることができコストが増加するのを抑制することができる。
更に、第一役物本体2206の湾曲した下部部材2218を透明としているので、棚下基板2284のLEDからの光が下部部材2218の表面で反射するだけでなく、下部部材2218内へと進入して反対側等の表面でも反射することとなり、下部部材2218の内部で発光しているように錯覚させて、深み(奥行)のある発光装飾を発現させることができ、遊技者の関心を強く引き付けられる第一役物本体2206とすることができる。
また、第一役物本体2206の後側に配置される第一役物駆動ユニット2208の表面が暗色とされているので、第一役物駆動ユニット2208が暗くなって目立ち難くなり、第一役物本体2206を棚下基板2284のLEDによって間接的に発光装飾させても第一役物本体2206を相対的に明るくすることが可能となり、第一役物本体2206での発光装飾による装飾効果をより高めて第一役物本体2206をより目立つようにすることができ、遊技者の関心を強く引き付けることができると共に、第一役物本体2206等をより楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、棚下基板2284を透明な貯留棚2264の下側に配置するようにしているので、遊技者側から棚下基板2284を目立ち難い位置とすることが可能となり、棚下基板2284のLEDによって第一役物本体2206の下部部材2218が発光装飾されているのを気付かせ難くすることができ、あたかも第一役物本体2206に発光手段が備えられているかのように錯覚させて、第一役物本体2206の発光装飾を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、透明な貯留棚2264の下側に棚下基板2284を配置するようにしているので、貯留棚2264へ供給された遊技球が下側から明るく照らされることとなって貯留棚2264を流通する遊技球を見易くすることができ、貯留棚2264上を流通する遊技球の動きを楽しませることができると共に、貯留棚2264から下流側の第二V入口2002bや第二ハズレ口2414へ受入れられる遊技球を見易くして第二V入口2002bへの期待感をより高めることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第一役物本体2206が揺動しながら上下動することで、棚下基板2284のLEDから照射される光の照射位置が様々に位置に変化することとなるので、第一役物本体2206の下部部材2218に対してより多彩な発光装飾を施すことができ、第一役物本体2206の発光装飾を楽しませて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができると共に、第一役物本体が揺動しながら上下動するような、従来のパチンコ機における役物本体の動き(例えば、回転体の回転、シーソー部材のシーソー状の動き、等)とは全く異なる動きをするので、その動きによって遊技者の関心を強く引き付けることができ、遊技者に対する訴求力を高めることで、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させることができる。
更に、V入口2002等を貯留棚2264の下流側だけでなく第一役物本体2206の転動部2210にも配置すると共に、第一役物本体2206の第一V入口2002aに受入れられなかった遊技球を貯留棚2264へ供給するようにしているので、役物入賞口1402へ受入れられた遊技球が、まず第一役物本体2206で第一V入口2002aに受入れられるか否かで遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、喩え第一役物本体2206で遊技球が第一V入口2002aに受入れられなくても下方に配置された貯留棚2264へと供給され、貯留棚2264の下流側に配置された第二V入口2002bへ受入れられるか否かで再び遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、V入口2002へ遊技球が受入れられる機会が第一役物本体2206と貯留棚2264の下流側と二回訪れることで遊技者を楽しませて興趣をより高めることができる。
また、液晶表示装置640を第一役物本体2206の下部部材2218と前後方向で重ならないような位置に配置しているので、液晶表示装置640に表示された演出画像が透明な下部部材2218を通して見えることで、下部部材2218の形状が不明瞭となったり、棚下基板2284のLEDによる下部部材2218の発光装飾が見辛くなったりするのを防止して、下部部材2218を明瞭に視認できるようにすることができ、第一役物本体2206による所望の装飾効果を確実に発揮させて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1は、遊技パネル599に支持された表サイド部材1500の本体部内後基板1552に実装されたLEDからの光が後サイド部材2120の幅広飾り部2122で反射して第二役物本体2402を照射するようになっているので、第二役物本体2402が発光装飾されることとなり第二役物本体2402に対して遊技者の関心を強く引き付けることができると共に、第二役物本体2402の側面側から光が照射されることで第二役物本体2402の縦誘導路2408や横誘導路2410を流通する遊技球がシルエット状となるのを回避させて遊技球が見辛くなるのを防止することができ、第二役物本体2402と共に第二役物本体2402での遊技球を見易くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第二役物本体2402に、前後方向に傾いた側面(傾斜面)を備えるようにしているので、後サイド部材2120から反射してきた光が第二役物本体2402の側面に照射されると、遊技者側へ反射されることとなり、あたかも第二役物本体2402にLED等の発光手段が備えられているように錯覚させることができ、第二役物本体2402内に発光手段を備えなくても確実に第二役物本体2402を発光装飾させることができると共に、第二役物本体2402の可動態様に関わらず簡単な構成で第二役物本体2402を発光装飾させることができコストが増加するのを抑制することができる。
更に、第二役物本体2402を、少なくとも一部が透光性を有すると共に前後方向へ傾いた側面(傾斜面)を備えるようにしているので、後サイド部材2120を介して光が照射される側面そのものが遊技者から視認し易くなり遊技者に対して第二役物本体2402の表面装飾を堪能させることができると共に、透光性を有した部分から第二役物本体2402内へ光を進入させて内部からも発光しているような錯覚を起こさせることが可能となり、深みのある発光装飾を発現させることができ、遊技者の関心を強く引き付けられる役物本体とすることができる。
また、第二役物本体2402が左右方向へ常時往復移動するので、後サイド部材2120を介して照射される光の照射位置が第二役物本体2402の移動に伴って変化することとなり、第二役物本体2402の発光装飾(照明装飾)をより多彩なものとすることができ、遊技者の関心をより強く引き付けられるものとすることができると共に、第二役物本体2402自体を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、表サイド部材1500の本体部内後基板1552からの光を後サイド部材2120の幅広飾り部2122で反射させて第二役物本体2402を発光装飾(照明装飾)させるようにしており、表サイド部材1500の本体部内後基板1552のLEDによって後サイド部材2120を照明することができるので、後サイド部材2120が暗くなるのを防止することができると共に後サイド部材2120に発光手段を備えなくても第二役物本体2402に光を照射することができ、後サイド部材2120による所望の装飾効果を確実に発揮させて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができると共に、後サイド部材2120を照明するための発光手段を別途備える必要がなく、パチンコ機1にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
更に、第二役物本体2402の後側に第二役物本体2402に対して後側から前側に向かって光を照射する背景装飾基板2412に実装されたLEDを備えるようにしているので、第二役物本体2402に対して側面側だけでなく後側からも発光装飾(照明装飾)させることができ、より多彩な発光装飾によって遊技者の関心をより強く引き付けられるものとすることができると共に、第二役物本体2402自体を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。また、第二役物本体2402が移動する位置によっては背景装飾基板2412のLEDからの光が直接遊技者側に照射されるようになるので、遊技者の視界に光が直接入ることとなり、その光によって遊技者を幻惑させて興趣を高められる効果を期待することができると共に、第二役物本体2402の発光装飾態様の変化具合が大きくなり、第二役物本体2402の装飾効果を高めて遊技者の関心を強く引き付けられるものとすることができる。
また、後サイド部材2120の幅広飾り部2122の表面に、金属光沢を有したメッキ層を備えるようにしているので、このメッキ層によって後サイド部材2120での光の反射率を高めることができ、第二役物本体2402をより明るく発光装飾させることが可能となり第二役物本体2402を更に目立たせることができると共に、メッキ層によって後サイド部材2120を煌びやかに装飾して後サイド部材2120による装飾効果をより高めることができ、遊技者の関心を強く引き付けて遊技者の興趣が低下するのを防止することができる。
また、第二役物本体2402を枠状としているので、本体部内後基板1552のLEDからの光が後サイド部材2120を介して照射されると、第二役物本体2402の形状に沿った枠状に発光装飾されることとなり、発光装飾された枠状の第二役物本体2402が左右方向へ往復移動することで、より遊技者の関心を強く引き付けることが可能となり、第二役物本体2402に注目させて、第二役物本体2402の発光装飾、第二役物本体2402の動きや第二役物本体2402での遊技球の動き等を楽しませて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1は、遊技者が打ち込み操作をすることで遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が第一始動口1602へ受入れられることで所定数の遊技球が払出されると共に役物入賞口1402への遊技球の受入れが可能となり、役物入賞口1402が受入可能となった時に遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が役物入賞口1402へ受入れられると所定数の遊技球が払出されると共に、受入れられた遊技球が透明な遊技パネル599の後側に配置された可動役物ユニット2004へと送られる。そして、可動役物ユニット2004では、役物入賞口1402へ受入れられた遊技球が、左右方向へ往復移動する第二可動役物2400の枠状に形成された第二役物本体2402における上枠部2402aの入賞球受取部2406に受取られて、左右の側枠部2402bにおける何れかの縦誘導路2408により下方へ誘導された後に側枠部2402bの上下方向の途中から横誘導路2410によって枠内の略中央に配置されたクルーンからなる入賞球放出口2412へと誘導され、入賞球放出口2412から放出された遊技球が第一可動役物2200における第一役物本体2206の転動部2210上へと供給される。この第一役物本体2206は揺動しながら上下動する動きをしており、その動きに応じて転動部2210上の遊技球が左右方向へ転動することとなり、第一V入口2002a又は第一放出口2212及び第二放出口2214の何れかに受入れられ、遊技球が第一V入口2002aへ受入れられると有利遊技状態(例えば、「大当り」遊技)が発生し、遊技球が第一放出口2212へ受入れられると、下方に配置された貯留ユニット2204の貯留棚2264へ供給されて上昇している貯留板2266によって貯留棚2264上に貯留され、貯留ユニット2204の貯留板2266が下降すると貯留棚2264に貯留された遊技球が左右方向へ往復移動する第二役物本体2402の下枠部2402cへと放出されて、第二役物本体2402の下枠部2402cに配置された第二V入口2002b又は第二ハズレ口2414の何れかに受入れられる。そして、遊技球が第二V入口2002aへ受入れられると有利遊技状態(例えば、「大当り」遊技)が発生するような遊技をすることができ、有利遊技状態の発生により遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。この際に、第一可動役物2200において第一V入口2002aへ遊技球が受入れられるか否かで遊技者をハラハラ・ドキドキさせて期待感を高めることができ、第一可動役物2200で第一V入口2002aへ遊技球が受入れられずに第一放出口2212へ受入れられると、その遊技球が次の第二可動役物2400へと供給されるようになっており、第二可動役物2400でも第二V入口2002bへ遊技球が受入れられるか否かで遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、V入口2002へ受入れられる機会(チャンス)が二回設けられているので、第一可動役物2200で第一V入口2002aへ受入れられなくても次の第二可動役物2400で第二V入口2002bへ受入れられるチャンスがあり、遊技球がV入口2002へ受入れられる機会が増加して有利遊技状態の発生に対する期待感を高く維持することができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができると共に、最後の第二可動役物2400まで遊技者を楽しませて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、可動役物ユニット2004に配置された第一可動役物2200の第一役物本体2206が、揺動しながら上下動するように動きをすると共に、第二可動役物2400の第二役物本体2402が、左右方向へ往復移動するので、第一役物本体2206や第二役物本体2402の動きによって遊技者の関心を強く引き付けることができると共に、第一役物本体2206や第二役物本体2402の動きを楽しませることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、第一役物本体2206や第二役物本体2402が可動することで、第一V入口2002aや第二V入口2002b等も可動することとなり、蓋然的に、それら第一V入口2002aや第二V入口2002b等へ受入れられる遊技球の動きも変化するので、第一役物本体2206や第二役物本体2402と共に遊技球の動きも楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、可動役物ユニット2004に備えられた第一役物本体2206や第二役物本体2402の動きによって、遊技領域605内の外観や雰囲気を変化させることができるので、見た目のインパクトを強くしたりパチンコ機1の外観を特徴付けて目立たせたりすることが可能となり、他のパチンコ機よりも遊技者に対する訴求力が高くなって遊技者の関心を強く引き付けることができ、遊技をするパチンコ機として本パチンコ機1を選択させることが可能となり、本パチンコ機1での上述したような遊技を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第一可動役物2200の第一V入口2002aへ受入れられた遊技球を次の第二可動役物2400へ供給しないようにして、第一V入口2002aへ受入れられた遊技球が以後の遊技に関わらないようにパチンコ機1外へと排出するようにしているので、第一V入口2002aへ受入れられた遊技球も次の第二可動役物2400へ供給するようにした場合と比較して、一つの遊技球による当落の関係が判り易くなり、一つ一つの遊技球に対する期待感が薄くなるのを防止して遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、第一役物本体2206、貯留ユニット2204、及び第二役物本体2402の下枠部2402cが上下方向に並んだ形態となるので、第一V入口2002a及び第二V入口2002bが左右方向の略中央に配置されることとなり、遊技者の目線を遊技領域605の左右方向略中央へ位置させて遊技領域605の全体を視界に入り易くして、第一始動口1602や役物入賞口1402等を認識させることが可能となり、可動役物ユニット2004内の遊技球が最終的に第二ハズレ口2414へ受入れられて「ハズレ」となっても直に役物入賞口1402が受入可能となるように第一始動口1602等を狙った遊技球の打込操作をさせて、役物入賞口1402が受入可能となるまでの時間を可及的に短くすることができ、遊技者が苛立ちや焦り等を感じるのを低減させて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第一可動役物2200と第二可動役物2400との間に貯留ユニット2204を配置するようにしており、第一可動役物2200の第一放出口2212へ受入れられた遊技球が、直ちに第二可動役物2400へ送られるのを防止することが可能となって、貯留ユニット2204で遊技球が貯留されている間に、他の遊技球や、第一始動口1602や役物入賞口1402等に対して関心を向けることが可能となるので、第一始動口1602や役物入賞口1402等を狙った遊技球の打込操作の中断時間を可及的に少なくすることができ、役物入賞口1402が受入可能となるチャンスの間が長くなるのを防止して、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、貯留ユニット2204で貯留された遊技球が、左右方向へ往復移動する第二可動役物2400の第二役物本体2402における第二V入口2002bや第二ハズレ口2414に対して放出されるので、第二V入口2002bへの受入確率が最も高いタイミングで貯留ユニット2204から遊技球が放出されるか否かで、遊技者をワクワク・ドキドキさせて期待感を高めることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、可動役物ユニット2004に第一可動役物2200と第二可動役物2400との二つの可動役物を備えるようにしているので、可動役物を三つ以上備えるようにした場合と比較して、一つ当りの可動役物の大きさを相対的に大きくしたり可動範囲を大きくしたりして目立たせることができ、遊技者の関心を強く引き付けて他のパチンコ機との差別化を図ることができると共に、可動役物2200,2400の動きをより楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、可動役物ユニット2004に第一可動役物2200と第二可動役物2400との二つの可動役物を備えるようにしているので、役物入賞口1402へ受入れられた遊技球が第二可動役物2400において当落が確定するまでの時間が長くなるのを抑制することが可能となり、可動役物ユニット2004内を遊技球が流通することで遊技球の打込操作が中断されるのを可及的に短くすることができ、遊技球の打込操作を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1は、遊技者が打ち込み操作をすることで遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が第一始動口1602へ受入れられることで所定数の遊技球が払出されると共に役物入賞口1402への遊技球の受入れが可能となり、役物入賞口1402が受入可能となった時に遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が役物入賞口1402へ受入れられると所定数の遊技球が払出されると共に、受入れられた遊技球が遊技者から見えないように案内部1426によって遊技パネル599の後側へ案内された後に所定幅の放出部分の異なる位置から放出されて異なる位置へ振分けられる。そして、案内部1426から放出された遊技球が透明な遊技パネル599の後側に配置され左右方向へ往復移動する第二可動役物2400の枠状に形成された第二役物本体2402における上枠部2402aの入賞球受取部2406に受取られて、案内部1426から放出された位置に応じた左右の側枠部2402bにおける何れかの縦誘導路2408により下方へ誘導された後に側枠部2402bの上下方向の途中から横誘導路2410によって枠内の略中央に配置されたクルーンからなる入賞球放出口2412へと誘導され、入賞球放出口2412から放出された遊技球が左右方向へ延びた第一役物本体2206の転動部2210によって受取られ、転動部2210における左右方向の異なる位置に備えられた第一V入口2002a、第一放出口2212、及び第二放出口2214の何れかに受入れられることとなり、第一V入口2002aに受入れられると遊技者が有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」遊技)が発生するような遊技をすることができ、有利遊技状態の発生により遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。この際に、第二役物本体2402が常時左右方向へ往復移動しているので、第一V入口2002aへ受入れられる確率が高くなる第二役物本体2402の入賞球放出口2412、即ち、縦誘導路2408及び横誘導路2410が刻々と変化しており、役物入賞口1402へ受入れられた遊技球が案内部1426で何れの誘導路2408,2410側へ振分けられるのかで遊技者をハラハラ・ドキドキさせて期待感を高めることができ、遊技球の振分けを楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、役物入賞口ユニット1400の案内部1426における遊技球の振分けが遊技者から見えないようになっているので、何れの誘導路2408,2410側へ遊技球が振分けられたのかを早い段階では判らないようにすることができ、早く判ってしまうことで興趣が低下するのを抑制することができると共に、遊技者を焦らして期待感をより高められる効果を期待することができる。
更に、第二役物本体2402が移動することで、各誘導路2408,2410における第一V入口2002aへの受入確率が変化しており、何れの誘導路2408,2410に遊技球が振分けられても、第一V入口2002aへ受入れられる可能性が高い場合があるので、何れの誘導路2408,2410に対しても略一様に遊技者を注目させることができ、各誘導路2408,2410を誘導される遊技球の動きを夫々楽しませて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第二役物本体2402が常時往復移動することで、各誘導路2408,2410における第一V入口2002aへの受入確率が変化するので、第二役物本体2402の動きと、第一V入口2002aへの受入確率の変化とによって、第一V入口2002aへ遊技球が受入れられる可能性の高いタイミングで、役物入賞口1402へ遊技球が受入れられるように、第一始動口1602や役物入賞口1402等を狙った遊技球の打ち込み操作をさせることができ、遊技球の打ち込み操作を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、役物入賞口ユニット1400の案内部1426における放出部分の幅を、遊技球の外形に対して2.5倍〜4倍の幅としているので、案内部1426によって案内された遊技球の案内速度や案内方向(移動ベクトル)等に応じて、実際に遊技球が放出される位置を確実に異なる位置とさせることが可能となり、案内部1426から遊技球を異なる位置へ放出することができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
また、役物入賞口ユニット1400の覆い部1422によって役物入賞口1402の真上から遊技球が役物入賞口1402へ受入れられるのを防止すると共に、可動片1404の誘導面1404aによって遊技球を役物入賞口1402の左右方向から誘導して役物入賞口1402へ受入れられるようにしているので、役物入賞口1402に受入れられた遊技球に対して左右方向の移動ベクトルを付与することができ、その移動ベクトルによって案内部1426において遊技球を左右の側壁に当ててフラフラさせることが可能となり、役物入賞口1426へ受入れられる遊技球の速度や方向等の状況に応じて、案内部1426から第二役物本体2402側へ放出される遊技球を異なる位置へ放出させることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
更に、一対の可動片1404における誘導面1404aの他方の端部同士が遠ざかった位置となると役物入賞口1402が開状態となる。つまり、一対の可動片1404が上方へ向かって広がるように拡開すると役物入賞口1402が入賞可能となるので、従来の電動チューリップを備えた役物入賞口と略同様の役物入賞口ユニット1400とすることが可能となり、従来のパチンコ機に慣れた遊技者に対して違和感を与えてしまうのを抑制することができ、遊技者に対して違和感なく本パチンコ機1で遊技させて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第二可動役物2400の放出口2412から放出される遊技球を受取る第一役物本体2206の転動部2210において遊技球を左右方向へ転動可能としている。つまり、転動部2210を左右方向へ延びた形態とすると共に第一V入口2002a、第一放出口2212、及び第二放出口2214を左右方向の異なる位置に配置するようにしているので、第一V入口2002a、第一放出口2212、及び第二放出口2214を前後方向に配置した場合と比較して、各第一V入口2002a、第一放出口2212、及び第二放出口2214が見易くなり何れの第一V入口2002a、第一放出口2212、及び第二放出口2214へ遊技球が受入れられたのかが判り易くなり、第一V入口2002a、第一放出口2212、及び第二放出口2214への遊技球の受入れを楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第一役物本体2206の転動部2210で遊技球を左右方向へ転動させるようにしているので、前後方向へ転動させるようにした場合と比較して、遊技球が転動する距離を長くして遊技球に対し様々な動きを付与することができ、遊技球の動きを楽しませて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。また、第一V入口2002a、第一放出口2212、及び第二放出口2214に対して遊技球をユラユラと揺動させるようにしているので、第一V入口2002aに対して遊技球が受入れられそうな動きにより遊技者をハラハラさせて有利遊技状態の発生に対する期待感を高めることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、枠状に形成された第二役物本体2402の枠に沿って遊技球を誘導するようにしており、役物入賞口1402へ受入れられた遊技球が案内部1426での振分けにより左側の側枠部2402b又は右側の側枠部2402bの何れかを通って異なる入賞球放出口2412から放出されるので、遊技球が何れの誘導路2408,2410側、つまり、第一V入口2002aへの受入確率の高い誘導路2408,2410側へ振分けられたのかを明確に認識させることができ、遊技者の期待感を高めて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第二役物本体2402において、一対の側枠部2402bの下端同士を下枠部2402cによって連結するようにしており、蓋然的に、第二役物本体2402を上枠部2402a、側枠部2402b、及び下枠部2402cによって枠状に形成することができるので、第二役物本体2402の剛性を高めて遊技球が誘導路2408,2410によって誘導されることで第二役物本体2402が歪んだり、第二役物駆動ユニット2404で第二役物本体2402を所定方向へ移動させることで第二役物本体2402が不用意に揺れたりするのを防止することが可能となり、遊技球を良好な状態で誘導して確実に入賞球放出口2412から所望の位置へ向かって放出させることができ、遊技者に対して不信感や不安感等を与えしまうのを防止して遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1は、遊技者が打ち込み操作をすることで遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が第一始動口1602へ受入れられることで所定数の遊技球が払出されると共に役物入賞口1402への遊技球の受入れが可能となり、役物入賞口1402が受入可能となった時に遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が役物入賞口1402へ受入れられると所定数の遊技球が払出されると共に、受入れられた遊技球が透明な遊技パネル599の後側に配置され左右方向へ往復移動する第二可動役物2400の枠状に形成された第二役物本体2402における上枠部2402aの入賞球受取部2406に受取られて、左右の側枠部2402bにおける何れかの縦誘導路2408により下方へ誘導された後に側枠部2402bの上下方向の途中から横誘導路2410によって枠内の略中央に配置されたクルーンからなる入賞球放出口2412へと誘導され、入賞球放出口2412から放出された遊技球が貯留ユニット2204の貯留棚2264へ供給されて上昇している貯留板2266によって貯留棚2264上に貯留される。そして、遊技球が貯留棚2264に貯留されると役物入賞口1402が受入可能となってから開放時間が経過して貯留板2266が下降するタイミングをカウントダウンするような演出画像が演出表示制御手段2656によって第二役物本体2402の枠内を通して視認可能とされた液晶表示装置640に表示され、その演出画像の終了と共に開放時間が完了することで貯留板2266が下降して貯留された遊技球が左右方向へ往復移動する第二役物本体2402の下枠部2402cに配置された第二V入口2002b又は第二ハズレ口2414の何れかに受入れられる。この際に、第二V入口2002bに遊技球が受入れられると、遊技者が有利となる特別有利遊技状態(例えば、「大当り」遊技)が発生するような遊技をすることができ、特別有利遊技状態の発生により遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。また、貯留棚2266から遊技球が放出される際に、演出表示制御手段2656によってカウントダウンするようなカウントダウン演出画像が表示されるので、貯留板2266が下降するタイミング、つまり、放出タイミングを認識させることが可能となり、貯留棚2264や第二V入口2002bへ遊技者を注目させて、貯留棚2264から放出される遊技球が第二V入口2002bへ受入れられる瞬間を見逃してしまうのを防止することができると共に、カウントダウン演出画像によって遊技球の放出に対する期待感を徐々に高めることができ、遊技者をワクワク・ドキドキさせて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、演出表示制御手段2656によって貯留板2266が下降するタイミングが案内されるので、貯留板2266が下降する時に貯留棚2264や第二可動役物2400等に注目すれば第二V入口2002bへ遊技球が受入れられる瞬間を見ることができ、第一始動口1602や役物入賞口1402等への関心が低くなってそれらに対する遊技球の打ち込み操作が中断する時間を可及的に短くすることが可能となり、役物入賞口1402に受入れられた遊技球が貯留棚2264から第二V入口2002bへ受入れられなかった時でもすぐに役物入賞口1402が受入可能となるように、役物入賞口1402へ遊技球が受入れられた後にも第一始動口1602や役物入賞口1402等を狙った遊技球の打ち込み操作を継続させることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、演出表示制御手段2656によって貯留板2266が下降するタイミングを案内することで、上述したように、役物入賞口1402へ遊技球が受入れられた後も第一始動口1602等を狙って引き続き遊技球の打ち込み操作をさせることができるので、継続して遊技球が消費されパチンコ機1を設置する遊技ホール側の負担が増加するのを抑制することができる。
また、演出表示制御手段2656によって貯留棚2264からの放出タイミングを案内すると共に、第二V入口2002bや第二ハズレ口2414を有した第二可動役物2400の第二役物本体2402が常時左右方向へ往復移動しているので、第二V入口2002bへ遊技球が受入れられる移動タイミングで貯留棚2264から遊技球が放出されるか否かによって遊技者をハラハラ・ドキドキさせて期待感を高めることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
ところで、何らかの理由により役物入賞口1402に受入れられた遊技球が貯留ユニット2204の貯留棚2264に貯留されなかった時でも演出表示制御手段2656によって貯留板2266が下降するタイミングを案内させるようにすると、演出表示制御手段2656の案内により遊技者が貯留棚2264や第二可動役物2400の第二V入口2002b等を注目しても貯留棚2264から遊技球が放出されず、落胆したり不信感を抱いたりして遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがある。しかしながら、本実施形態によると、貯留球検出センサ2312によって遊技球の貯留が検出されると演出表示制御手段2656により貯留板2266が下降するタイミングを案内するようにしており、役物入賞口1402に遊技球が受入れられても貯留棚2264に貯留されなければ演出表示制御手段2656によって案内しないので、遊技球が放出されないのに貯留棚2264等へ遊技者を注目させてしまうのを防止することができ、落胆したり不信感を抱いたりするのを防止して遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、貯留ユニット2204及び第二可動役物2400等を、遊技領域605の後端を区画する透明な遊技パネル599の後側に配置しているので、貯留ユニット2204や第二可動役物2400等により遊技パネル599の前面における遊技球が流通する領域が狭くなるのを防止することが可能となり、遊技領域605内のより広い範囲を遊技球が流通するようにすることで遊技球に種々の動きを付与することができ、遊技球の動きを楽しませて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。また、貯留ユニット2204や第二可動役物2400等を透明な遊技パネル599の後側に配置しているので、遊技球の流通範囲に与える影響を可及的に少なくした状態で貯留ユニット2204や第二可動役物2400を大型化することが可能となり、大型の貯留ユニット2204や第二可動役物2400等によってパチンコ機1の機種を特徴付けることでインパクトのあるパチンコ機1として遊技者に対する訴求力を高めることができると共に、他のパチンコ機との差別化を図って遊技するパチンコ機として本パチンコ機1が選択される可能性を高くすることができる。
更に、第一始動口1602への遊技球の受入れに応じて役物入賞口1402が受入可能となってから所定の開放時間が経過すると貯留ユニット2204の貯留板2266を下降させて第二可動役物2400側へ遊技球を放出するようにしているので、開放時間の開始点を、役物入賞口1402に遊技球が受入れられた時点、或いは、貯留棚2264に遊技球が貯留された時点とした場合と比較して、遊技球が貯留棚2264に貯留されている時間を短くすることができ、遊技者の待ち時間を短くして苛立ちや焦り等が発生するのを抑制して興趣が低下するのを抑制することができる。
また、開放時間の開始点を役物入賞口1402が受入可能となった時点としており、受入可能となった役物入賞口1402へ遊技球が受入れられるタイミングによって、遊技球が貯留ユニット2204の貯留棚2264に貯留される時間が変化するので、開放時間に基いて案内される演出表示制御手段2656のカウントダウン演出画像も変化することとなり、遊技球の受入タイミングに応じて様々な異なるカウントダウン演出画像を表示させることで、演出表示制御手段2656による案内そのものを遊技者に楽しませることができると共に、飽き難くして遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、貯留ユニット2204の貯留板2266を昇降させる貯留板ソレノイド2304、スライド部材2306、及びクランク部材2308等を貯留棚2264の下側に配置しているので、それらが遊技者から見えて見栄えが悪くなるのを防止することができる。また、貯留板位置センサ2310によって貯留板2266の昇降位置を検出しており、貯留板2266の実際の位置を把握した上で貯留板2266を上昇させたり下降させたりすることができるので、確実に貯留板2266によって、貯留棚2264に遊技球を貯留したり貯留棚2264に貯留された遊技球を放出したりすることができ、上述した作用効果を奏することができる。
更に、役物入賞口1402へ受入れられた遊技球が、第二役物本体2402から貯留ユニット2204へ、そして、貯留ユニット2204から再び第二役物本体2402へと流れるようにしているので、第二役物本体2402と貯留ユニット2204とを流通する遊技球の動きを楽しませることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、役物入賞口1402に受入れられた遊技球が、左右方向へ常時往復移動している第二役物本体2402の縦誘導路2408及び横誘導路2410によって誘導された後に入賞球放出口2412から貯留ユニット2204へ放出されるようにしており、第二役物本体2402の移動位置によって入賞球放出口2412の位置が変化することとなって貯留棚2264の様々な位置へ放出されることとなるので、貯留棚2264に放出された遊技球の放出位置によっては貯留棚2264上に貯留板2266により遊技球が貯留されるまでの時間が区々となる。つまり、役物入賞口1402へ遊技球が受入れられたタイミングが同じでも、第二役物本体2402の移動タイミングが異なっていると、貯留棚2264に貯留されるタイミングも異なることとなり、演出表示制御手段2656による案内も変化するので、より様々なパターンで貯留板2266の下降タイミングを案内させることができ、飽き難くして遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、第二可動役物2400の第二役物本体2402を、上枠部2402aと横誘導路2410との間に枠状の空間が形成されると共に、横誘導路2410と下枠部2402cとの間に貯留ユニット2204が配置されるような形態としているので、蓋然的に、第二役物本体2402を大型のものとすることができ、上述した作用効果と同様の作用効果を奏することができると共に、第二役物本体2402を目立たせて遊技者の関心を強く引き付けられるものとすることができる。
また、第二役物本体2402が大型化することで、役物入賞口1402から第二役物本体2402の下枠部2402cに備えられた第二V入口2002bまでの遊技球の経路が長くなって、遊技球の役物入賞による当りハズレが確定するまでの時間が長くなっても、遊技球を一旦貯留ユニット2204の貯留棚2264で貯留させた後に演出表示制御手段2656で貯留された遊技球の放出タイミングを案内させるようにしているので、貯留棚2264から遊技球が放出されるまで、第一始動口1602や役物入賞口1402等を狙った遊技球の打ち込み操作を継続することができ、次のチャンス(役物入賞口1402への受入れチャンスや、第二V入口2002bへの受入れチャンス)までの間が空くのを少なくして遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1は、遊技者の操作によって遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が第一始動口1602に受入れられると、一対の可動片1404が拡開して役物入賞口1402への遊技球の受入れが可能となり、その際に、遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が役物入賞口1402に受入れられると、受入れられた遊技球が第二可動役物2400における左右方向へ往復移動する第二役物本体2402の縦誘導路2408及び横誘導路2410によって誘導された後に入賞球放出口2412から第一可動役物2200へと放出され、第一可動役物2200において第一V入口2002aへ振分けられると有利遊技状態(例えば、「大当り」遊技)が発生するような遊技をすることができ、第一始動口1602や役物入賞口1402への遊技球の受入れによって所定数の遊技球が払出される他に、有利遊技状態の発生によってより多くの遊技球が払出される可能性が高くなり、遊技者を楽しませて興趣を高めることができる。この役物入賞口1402が受入可能となった時に、第二役物本体2402の移動位置によって第一V入口2002aへ振分けられる可能性の高いタイミングで遊技球が役物入賞口1402へ受入れられるように、役物入賞口1402を狙った打ち込み操作をさせて楽しませることができると共に、その際に、役物入賞口ユニット1400に備えられた識別手段としての円弧状の装飾によって第二可動役物2400の可動範囲を容易に認識させて可動する第二役物本体2402の位置を把握させることができるので、役物入賞口1402へ遊技球を打ち込むタイミングが取り易くなり、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第二可動役物2400の可動範囲を識別する識別手段としての円弧状の装飾を備えているので、従来のパチンコ機のように可動役物がセンター役物内に配置されていなくても第二可動役物2400の可動範囲を遊技者に認識させることができる。つまり、従来のセンター役物を廃止することができるので、第二可動役物2400の可動範囲をセンター役物に捕われることなく任意に選択することが可能となり、第二可動役物2400の可動範囲をより広くして第二可動役物2400の動きを楽しませたり、第二可動役物2400の動きによって遊技者の関心を強く引き付けられるようにしたりすることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、役物入賞口1402を備えた役物入賞口ユニット1400に、第二可動役物2400の可動範囲を識別する識別手段としての円弧状の装飾を備えるようにしているので、一対の可動片1404によって開閉する役物入賞口1402と識別手段とを可及的に接近させることができ、遊技者が役物入賞口1402を注目すると識別手段と共に可動する第二可動役物2400の一部が視界に入ることとなり、殆ど視線を移動させることなく役物入賞口1402の開閉タイミングと第二可動役物2400の可動タイミング(移動タイミング)とを取合うことが可能となり、より簡単に所望のタイミングを図ることができ、遊技球の打ち込み操作を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、役物入賞口1402と識別手段とを可及的に接近させることができるので、役物入賞口1402に注目すれば殆ど視線を移動させることなく識別手段と共に第二可動役物2400の一部を視認することが可能となり、役物入賞口1402の開閉タイミングと第二可動役物2400の移動タイミングとを図るための視線移動を可及的に少なくすることができ、早期に眼球疲労が発生するのを防止して遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、往復移動する第二役物本体2402の円弧状の側枠部2402bが、役物入賞口ユニット1400におけるフランジ部1418と前飾り部1420に形成された円弧状の装飾と略一致すると、第二役物本体2402が可動端に到達したことを認識させることができると共に、互いの円弧状のズレによって第二役物本体2402の移動位置を把握させることができ、第二役物本体2402の可動範囲と第二役物本体2402の移動タイミングとを認識させて上述した作用効果を奏する識別手段を具現化することができる。
また、役物入賞口ユニット1400及び第二役物本体2402に、遊技領域605の略中央を中心とした略同心円状の円弧が複数形成されているので、役物入賞口ユニット1400の外観と第二役物本体2402の外観とを統一した外観とすることができ、パチンコ機1(遊技盤4)の見栄えを良くして遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第二可動役物2400の第二役物本体2402を枠状に形成し、その枠内を通して液晶表示装置640の表示画面が遊技者側から視認できるようにしているので、蓋然的に第二役物本体2402が大型化することとなり、大型の第二役物本体2402によって第二可動役物2400をより目立たせることができ、役物入賞口1402や第一V入口2002a等を注目しても第二役物本体2402を視界に入り易くすることができると共に、識別手段によって可動範囲を認識させることができるので、第二役物本体2402の往復移動に応じた打ち込みタイミングを取り易くなり、役物入賞口1402への打ち込み操作を楽しませて遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1は、遊技球が打ち込まれる遊技領域605の後端を区画形成する透明な遊技パネル599と遊技パネル599の後側に配置され液晶表示装置640との間に、液晶表示装置640の表示画面を視認することができる枠状の第二役物本体2402が第二役物駆動ユニット2404によって左右方向へ移動する第二可動役物2400が配置されている。つまり、従来のパチンコ機におけるセンター役物そのものが左右方向へ移動するような大型の第二可動役物2400が配置されているので、従来可動しなかったような大型の役物が可動することで、遊技者を驚かせることができると共に遊技者の関心を強く引き付けることができる。また、第二可動役物2400を遊技領域605を区画する透明な遊技パネル599の後側に配置しているので、第二可動役物2400を大型化しても遊技球が実際に流通する遊技領域605が狭くなることがなく、流通する遊技球の動きを楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技盤4における遊技領域605内において大型の第二可動役物2400が可動することで、遊技盤4の意匠を大きく変化させることができ、この変化によって遊技者の関心を強く引き付けることができると共に、遠くからでも第二可動役物2400の動きを認識させて遊技者に対する訴求力を高くすることができるので、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させることができ、本パチンコ機1による遊技を楽しませて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、遊技領域605内の第一始動口1602に遊技球が受入れられると、一対の可動片1604が拡開して役物入賞口1402への遊技球の入賞が可能となり、その役物入賞口1402へ遊技球が受入れられると、第二可動役物2400の第二役物本体2402へ供給されると共にその誘導路2408,2410によって遊技球が誘導されるようになっているので、第二可動役物2400の動きだけでなく、第二可動役物2400内を流通する遊技球の動きも楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、第二可動役物2400の入賞球放出口2412から放出された遊技球が、第一可動役物2200において第一V入口2002aへ振分けられると、有利遊技状態発生手段によって遊技者が有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」遊技)が発生するので、第二可動役物2400から第一可動役物2200へと放出された遊技球が第一V入口2002aへ振分けられるか否かで、遊技者をハラハラ・ドキドキさせて有利遊技状態の発生への期待感を高めることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、枠状に形成された第二役物本体2402の枠内を通して液晶表示装置640の表示画面が見えるようになっているので、第二役物本体2402が可動することで、あたかも表示画面が動いているように錯覚させることが可能となり、従来のパチンコ機とは異なる感覚のパチンコ機1とすることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、透明な遊技パネル599の後側に大型で枠状の第二可動役物2400を配置しているので、第二可動役物2400における立体的な第二役物本体2402によって、パチンコ機1の機種を特徴付けることが可能となり、従来のパチンコ機のように遊技盤の前面に描写された絵柄や模様等とは一見して異なる印象を与えることができ、他のパチンコ機との差別化を図ることができると共に、遊技者の関心を強く引き付けて遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択する可能性を高くすることができる。
また、大型で枠状の第二役物本体2402が常時左右方向へ可動しているので、常時遊技者の関心を第二可動役物2400へ引き付けることができ、遊技者に対する訴求力を高めて、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させることができる効果を期待することができる。また、常時第二可動役物2400が可動しているので、役物入賞口1402への遊技球の入賞タイミングと、第二役物本体2402によって誘導される遊技球の誘導タイミングとのタイミングを取り易くすることが可能となり、所望のタイミングで役物入賞口1402へ遊技球が受入れられるように遊技球の打ち込み操作をさせることができ、打ち込み操作を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、第二可動役物2400における上下左右方向の大きさを、遊技領域605の大きさに対して2/3〜1/3の大きさとしているので、第二可動役物2400を目立つ大きさとすることができ、遊技者に対する訴求力を高めて上述した作用効果を確実に奏するものとすることができる。
また、第二役物本体2402における上枠部2402aの入賞球受取部2406では、役物入賞口1402からの遊技球を左右の何れかに振分けることができるので、役物入賞口1402に入賞した遊技球が入賞球受取部2406で左右の何れ側に振分けられるかで、遊技者の関心を引き付けることができると共に、第二可動役物2400内を流通する遊技球に注目させることができ、第二可動役2400物内での遊技球の動きを楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。また、横誘導路2410及び入賞球放出口2412によって第二可動役物2400の上下方向の途中から遊技球を放出するようにしているので、第二可動役物2400の下枠部2402cから遊技球を放出するようにした場合と比較して、入賞球放出口2412から遊技領域605の下端までの高さを相対的に高くすることができ、入賞球放出口2412の放出先に遊技球を振分ける第一可動役物2200を配置することが可能となり、第二可動役物2400から放出された遊技球に対して更に様々な動きを付与することができ、遊技媒体の動きをより楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第二役物本体2402の横誘導路2410及び入賞球放出口2412を流通する遊技球を遊技者から視認することができるので、役物入賞口1402へ入賞して第二可動役物2400内へ受取られた遊技球が横誘導路2410を誘導されてくるのを見ることができ、何時入賞球放出口2412から放出されるのかを認識させることが可能となって、遊技者に不安感や不信感等を与えてしまうのを防止することができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、第二役物本体2402の入賞球放出口2412をクルーンとしており、第二役物本体2402から放出される遊技球が入賞球放出口2412において旋回してから下方へ放出されるので、その遊技球の動きを楽しませることができると共に、遊技球が旋回することで遊技球がそこに所定時間滞在することなり、遊技球の流れを一時的に遅くすることで、その分、遊技者に対して下流側の第一可動役物2200への期待感を成熟させてより期待感を高められる効果を期待することができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第二可動役物2400が左右方向へ可動しており、その可動位置によって遊技球を放出する放出位置も変化するので、入賞球放出口2412の下流側に配置される第一可動役物2200における第一V入口2002aへ振分けられる可能性の高い位置で遊技球が放出されるか否かでも遊技者の期待感を高めることができる。つまり、第二可動役物2400の動きと遊技球の放出タイミングとによって、遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者の関心を第二可動役物2400へ引き付けることができると共に、第二可動役物2400と第二可動役物2400内の遊技球の動きを楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、第二可動役物2400の第二モータ2430を回転駆動させることで駆動プーリ2436が回転駆動し、駆動プーリ2436と従動プーリ2438とに巻き掛けられたベルト2440が駆動プーリ2436の回転によって回転することとなり、このベルト2440に固定された連結スライダ2442を介して第二役物本体2402が左右方向へ移動することができ、上述した作用効果を奏する第二可動役物2400を確実に具現化することができる。
また、一対の左右位置検出センサ2448によって連結スライダ2442のスライド位置を検出するようにしているので、その検出片2442cの検出に基いて第二モータ2430の回転方向を切替えるようにすることで、連結スライダ2442を正確に所望の位置で折返すようにすることが可能となり、連結スライダ2442すなわち第二役物本体2402の往復移動をムラなく均一に移動させることができ、違和感なく第二役物本体2402を往復移動させて上述した作用効果を確実に奏する第二可動役物2400を具現化することができる。
また、第二可動役物2400を箱状の裏箱621内に備えるようにしているので、少なくとも、遊技盤4の後側から裏箱621内へホコリやゴミ等が侵入するのを防止することができ、ホコリ等が第二可動役物2400の可動部分に付着することで、第二可動役物2400が良好に可動しなくなる不具合が発生し、遊技の中断の原因となるのを防止することができ、遊技の中断によって遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを防止することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1は、遊技者によって遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が第一始動口1602に受入れられると、所定の第一特別乱数が取得され、取得された第一特別乱数に応じて遊技球の入賞が可能となった役物入賞口1402に受入れられた遊技球が、第一可動役物2200における第一役物本体2206の転動部2210へと供給されて転動部2210上を転動した後に、振分口としての第一V入口2002a、第一放出口2212、及び第二放出口2214の何れか一つに振分けられる。そして、第一V入口2002aに振分けられると、遊技者に有利な「大当り」遊技が発生するような遊技をすることができる。その際に、遊技球を振分ける第一役物本体2206が、従来のパチンコ機のように単に回転したり単に揺動したりするだけのものと比較して、揺動しながら上下動する複雑な動きをする。詳述すると、夫々の支持ピン2240を所定の公転角度位相差(約90度)をもって公転させると、一方の支持ピン2240に対して他方の支持ピン2240の高さが高くなったり低くなったりすることとなり、この一対の支持ピン2240の高さが交互に入替わることで、第一役物本体2206がシーソー状に揺動することとなる。また、一方の支持ピン2240が第一役物本体2206の支持孔2220に挿入されており、この一方の支持ピン2240が公転することで、第一役物本体2206の支持孔2220も公転して支持孔2220が円周状に上下左右方向へ移動するので、第一役物本体2206も上下動することとなる。而して、一対の支持ピン2240が夫々公転することで、第一役物本体がシーソーのように揺動しながら上下動するような動きをすることができるので、一見して第一可動役物2200がこれまでの動きとは全く異なる動きをすることを認識させることができ、遊技者の関心を強く引き付けて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第一可動役物2200の第一役物本体2206が揺動しながら上下動するような、従来のパチンコ機における可動役物の動きとは全く異なる動きをするので、その動きによって遊技者の関心を強く引き付けることができ、遊技者に対する訴求力を高めることで、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させることができる。
また、遊技球が転動可能な転動部2210を有した第一役物本体2206が揺動しながら上下動するので、転動部2210に供給された遊技球が、第一役物本体2206の揺動によって左右方向へ転動すると共に、左右方向へ転動する際に第一役物本体2206の上下方向の動きにより、転動部2210上を転動する遊技球の転動速度が速くなったり遅くなったりして、遊技球に様々な動きを付与することができ、遊技球の動きに注目させることができると共にその動きを楽しませて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、上述したように、第一役物本体2206が揺動しながら上下動することで転動部2210上に供給された遊技球に様々な動きを付与することができ、転動部2210上を転動する遊技球が第一V入口2002aへ振分けられるか否かで、遊技球の動きと共に第一役物本体2206の動きに対して遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、V入球への期待感を高めて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第一役物駆動ユニット2208は、一対の支持ピン2240によって第一役物本体2206を支持するだけで、第一役物本体2206を揺動しながら上下動させることができ、揺動部によって役物本体を揺動させた上で揺動部と共に役物本体を上下動させるようにした場合と比較して、支持ピン2240に係る負荷を低減させることができ、第一役物駆動ユニット2208が大型化するのを抑制することができ、遊技盤4への配置自由度を高めて、より効果的な位置に第一可動役物2200を配置することが可能となり、第一可動役物2200の動きを楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、略水平方向に離反する左右の支持ピン2240の公転半径が略同一半径とされているので、公転半径や公転中心の上下方向位置を異ならせるようにした場合と比較して、第一役物駆動ユニット2208における上下方向の寸法を相対的に小さくすることが可能となり、第一役物駆動ユニット2208を小型化することができる。従って、第一可動役物2200の配置自由度が向上するので、より効果的な位置に第一可動役物2200を配置することが可能となり、詳述した作用効果を確実に奏することができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第一モータ2230により回転体2236を回転させることで支持ピン2240を公転させるようにしているので、支持ピン2240を略一定速度で公転させることが可能となり、第一役物本体2206の動きが滑らかな動きとなって、転動部2210上の遊技球を良好に転動させることができ、遊技球の動きと共に第一役物本体2206の動きも楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、第一モータ2230により支持ピン2240を公転させるようにしており、ソレノイドを用いた場合と比較して、支持ピン2240の公転速度を容易に変化させることができるので、第一役物本体2206の動きを速くしたり遅くしたりして第一役物本体2206の動きに変化を付けることが容易にでき、遊技者に第一役物本体2206の動きを楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。更に、第一役物本体2206の動きに変化を付けることができるので、第一役物本体2206の動きを変化させることで転動部2210上を転動する遊技球の動きも変化することとなり、遊技球に対しても様々な動きを付与することができ、遊技球の動きもより楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、支持ピン2240を公転される回転体2236を、第一モータ2230により第一駆動ギヤ2232及び第一従動ギヤ2234を介して回転させるようにしているので、回転体2236の軸心に対して第一モータ2230の配置位置を偏芯させることが可能となり、第一モータ2230の大きさや支持ピン2240の公転半径等に影響されずに良好な位置に第一モータ2230を配置することができ、上述した作用効果を奏する第一可動役物2200を確実に具現化して、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第一駆動ギヤ2232と第一従動ギヤ2234との噛合によって第一モータ2230の回転を回転体2236へ伝達させるようにしており、回転体2236を一対のプーリとベルトを用いて回転させるようにした場合と比較して、プーリとベルト間の滑りや、ベルトの伸び等による伝達ロスを極力少なくすることができ、第一モータ2230の回転を確実に回転体2236に伝達させることができるので、製品間での動きのバラツキや、経年変化による動きのバラツキ等が発生するのを可及的に低減させることができ、パチンコ機1(製品)によって第一可動役物2200の動きが異なることで遊技者に対して不信感を抱かせたり、遊技中に動作不良が発生したりするのを防止して、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、第一役物本体2206の長孔2222内に挿入される支持ピン2240が、コロ部材2250を介して長孔2222内を摺動することとなるので、長孔2222内での摺動抵抗を可及的に小さくすることが可能となり、第一役物本体2206の長孔2222内で支持ピン2240を良好に摺動させて第一役物本体2206を良好に可動させることができ、第一役物本体2206の動きを楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、一対の支持ピン2240の公転位置を夫々検出可能な回転検出センサ2248を備えるようにしており、回転検出センサ2248によって支持ピン2240の公転位置を検出させてフィードバック制御することで、支持ピン2240の公転位置精度を高めることができるので、揺動しながら上下動する第一役物本体2206の動きの再現性を高めることができ、第一役物本体2206が本来意図した動きとは異なる動きへと変化してしまったり、第一役物本体2206が不本意な動きをすることで遊技者に対して不信感を抱かせたりするのを防止して、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1は、遊技領域605内に打ち込まれた遊技球が受入口部材1514の一般入賞口1520へ受入れられると、遊技パネル599の開口部599e内に挿入配置された誘導路部1524によりパネル面沿って所定方向へ誘導された上で受入口部材1514の排出部1526から遊技パネル599の後側へ排出されるようになっており、受入口部材1514によって遊技パネル599の後側の空間が分断されることがないので、遊技パネル599の後側の空間を一つの空間として可及的に大きくすることが可能となり、透明な遊技パネル599の後側に立体的な可動役物ユニット2004や装飾体2100等を問題なく配置することができ、その可動役物ユニット2004や装飾体2100等によって遊技者の関心を強く引き付けて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、受入れられた遊技球を誘導する誘導路部1524を遊技パネル599の開口部599e内に挿入配置するようにしており、遊技パネル599の後面における受入口部材1514の突出量を可及的に少なくすることができるので、一般入賞口1520の後側も設置範囲内となるような可動役物ユニット2004を問題なく配置することができる。つまり、透明な遊技パネル599の後側に可動範囲の広い大型の可動役物ユニット2004を配置することができるので、従来のパチンコ機とは一見して異なる印象のパチンコ機1とすることが可能となり、遊技者の関心を強く引き付けることができ、本パチンコ機1での遊技に対する期待感を高めて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、一般入賞口1520に受入れられた遊技球を誘導路部1524により遊技パネル599のパネル面に沿って誘導してから遊技パネル599の後側へ排出するようにしているので、液晶表示装置640の前側にも一般入賞口1520を配置することも可能となって、一般入賞口1520を遊技領域605内の任意の位置に配置することができるので、遊技領域605内における一般入賞口1520等のレイアウトを多様化することが可能となり、より遊技者の関心を引き付けられるパチンコ機1とすることができると共に、遊技球の動きを楽しませられるパチンコ機1として飽き難くして遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技パネル599を透明板としてその後側に所定の装飾体2100や可動役物ユニット2004等を配置するようにしているので、遊技パネル599の前面に装飾を施した従来のパチンコ機1と比較して、遊技者の視線を遊技パネル599の前面よりも遊技者側から遠い装飾体2100等に移すことが可能となり、従来のように近視的になって早期に眼球疲労をきたして遊技に対する興趣を低下させてしまうのを抑制することができる。また、一見すると遊技パネル599よりも後側に配置された装飾体2100等が見えるので、従来のパチンコ機1のような圧迫感が減少して奥行感のある遊技盤面とすることができ、視覚的な開放感の高いパチンコ機1として遊技者のストレスを緩和させる効果を期待することができ、ストレスにより遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、透明な遊技パネル599の後側に装飾体2100等を配置しているので、動画を表示させるようにした場合と比較して、その前側を流通する遊技球が見辛くなるのを防止することができ、遊技領域605内を流通する遊技球の動きを楽しませることができると共に、装飾体2100等によってパチンコ機1の機種を特徴付けることができ、遊技者に対する訴求力を高めて遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させることができる。
また、受入口部材1514の不透明なフランジ部1528によって開口部599eの前側が閉鎖されるので、遊技パネル599における開口部599eの白濁した内周端面が遊技者側から見えるのを遮ることができ、パチンコ機1の意匠性が低下するのを防止して、遊技者の関心を引き付けられるパチンコ機1とすることができる。また、不透明なフランジ部1528によって誘導路部1524を遊技者側から見えないようにすることができ、誘導路部1524を流通する遊技に関わらない遊技球が視認できるのを防止して、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、フランジ部1528によって開口部599eと誘導路部1524との間に形成される隙間(溝)を閉鎖することができるので、遊技領域605内を流通する遊技球が隙間によって予期せぬ動きをするのを防止することができ、遊技球の不意な動きによって遊技者が苛立ったり不信感を抱いたりするのを防止して遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、一般入賞口1520に受入れられた遊技球を、誘導路部1524により遊技パネル599のパネル面に沿って遊技パネル599の外周、すなわち遊技領域605の外周付近まで誘導してから遊技パネル599の後側へ排出するようにしているので、遊技領域605内の中間部で遊技球が排出されるのを防止して遊技パネル599の後側を可及的に広く使用できるようにすることが可能となり、より大型の装飾体2100や可動範囲の広い可動役物ユニット2004等を配置して他のパチンコ機1との差別化を図ることができ、備えられた装飾体2100等段によって遊技者の関心を強く引き付けて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、液晶表示装置640に遊技状態に応じて演出画像が表示されるので、遊技球の動きだけでなく、演出画像による演出も楽しませることができ、遊技を飽き難くして遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、透明な遊技パネル599を通して液晶表示装置640の演出画像を視認できるようにしているので、液晶表示装置640の表示画面と、遊技球が流通する遊技領域605とを夫々独立したものとすることが可能となり、遊技領域605を狭くすることなく、より大きな演出画像を表示させることができ、より迫力のある大きな演出画像によって遊技者を楽しませることができると共に、遊技領域605内での遊技球の動きも充分に楽しませることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、装飾体2100等を備えた裏箱621をパネルホルダ600の後側に取付けるだけで、装飾体2100等を簡単に所定位置に支持することができ、パチンコ機1の組立てを簡略化することができる。また、装飾体2100等を箱状の裏箱621内に備えるようにしているので、少なくとも、遊技盤4の後側から裏箱621内へホコリやゴミ等が侵入するのを防止することができ、ホコリ等が装飾体2100や可動役物ユニット2004等に付着することで汚れたり不具合が発生したりして、遊技の中断の原因となるのを防止することができ、遊技の中断によって遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、箱状に形成された裏箱621の後側に液晶表示装置640を支持するようにしているので、液晶表示装置640の表示画面と透明な遊技パネル599の後面との間に、裏箱621の深さ(前後方向の奥行)と略同じ奥行を有した広い空間を遊技パネル599の後側に形成することができる。そして、この広い空間内に装飾体2100や可動役物ユニット2004等を配置しているので、奥行のある立体的な装飾体2100や可動役物ユニット2004等を配置することが可能となり、他のパチンコ機1との差別化を図って遊技するパチンコ機として本パチンコ1機を選択させることができ、本パチンコ機1を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、裏箱621の後側に液晶表示装置640を支持するようにしているので、液晶表示装置640の表示画面を遊技盤面から所定の距離(裏箱621の深さの距離)後側に配置されることとなる。つまり、従来のパチンコ機よりも液晶表示装置640を遊技者から遠ざかった位置に配置されているので、蓋然的に演出画像に対する焦点距離も遠くなり、眼球疲労の発生を抑制して遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、遊技盤設置凹部510の奥行を大きくすることができるので、パネルホルダ600から後側、つまり、裏箱621の奥行(裏箱の深さ)を大きくすることができる。これにより、遊技パネル599の後側に装飾体2100等を確実に配置することができると共に、より大きな装飾体2100や可動範囲の広い可動役物ユニット2004等を配置することができ、従来の平面的な遊技盤に対して、明らかに異なる外観の遊技盤4を提供することが可能となり、この遊技盤4によって遊技者の関心を強く引き付けて、本パチンコ機1での遊技に対する期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができるパチンコ機1とすることができる。
また、一般入賞口1520等に遊技球が受入れられると賞球ユニット800(払出ユニット)から所定数の遊技球が払出されるので、遊技者に対して遊技球が一般入賞口1520等へ受入れられるように一般入賞口1520等を狙った打込操作をさせることができる。また、その際に遊技者が一般入賞口1520等を注目することで一般入賞口1520の後側に配置された装飾体2100が視野に入ることとなるが、一般入賞口1520から後側へ演出する流路部材がないので、後側の装飾体2100を良好な状態で視認させることができ、装飾体2100による所望の装飾演出効果を確実に発揮させて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。