JP5251552B2 - 水中通信方法、および水中通信装置 - Google Patents

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Description

この発明は、超音波を用いた水中通信方法に関する。また、水中通信装置にも関する。
水中における通信に超音波が利用されている。超音波を利用した水中通信技術としては以下の特許文献1がある。この特許文献1には、海面の船や水上ブイに設置された送信機からダイバーが携帯する受信機に時刻を送信し、受信機は、現時刻と送信されてきた時刻との時間差から距離を測定し、それを表示するものである。
特開10−197623号公報
ダイビングは、常に危険がつきまとうスポーツであり、特にレジャーダイバーは、船上の監視員や同行しているインストラクターとのコミュニケーション不足が大きな事故に直結する可能性がある。
しかしながら、上記特許文献1に記載されたような、従来技術における水中通信方法では、距離をダイバーに伝えるだけであり、距離測定用と情報通信用の二つの周波数で通信する複雑で高価な通信装置を用いない限り、そのダイバーに指示や連絡事項などを伝えることができない、という課題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的は、複雑で高価な通信装置を用いなくても十分にダイバーの安全を確保することができる水中通信方法を提供することにある。
上記目的を達成するための主たる発明は、1台の親機と複数の子機とが超音波により水中で通信するための方法であって、
親機と子機は、超音波振動子を用いて相互に超音波通信する通信部を備えた通信装置であり、
親機は、各子機の識別子を記憶し、各子機は個別に識別子を記憶し、
親機は、各子機に向けて距離計測用の信号を一斉に送信し、
子機は、前記距離計測用の信号を受信した際、前記識別子を含んだ受領信号を親機に返信し、
親機は、前記距離計測用信号の送信と前記子機における前記受領信号の返信とに関わる通信に要した時間に基づいて特定される各子機との遠近関係を取得するとともに、距離の遠い順に各子機の優先度を決定して優先度の高い子機から順番に通信を行う
ことを特徴としている。
本発明の一実施形態であるダイブコンピュータの外観図である。 上記ダイブコンピュータの構成を示すブロック図である。 親機のダイブコンピュータと子機の上記ダイブコンピュータとの同期処理の実施状況を示す図である。 上記同期処理の流れ図である。 上記親機と子機の使用例を示す図である。 本発明の第1の実施例に係る水中通信方法における親機と子機との通信手順を示す図である。 上記親機における情報表示状態を示す図である。 本発明の第2の実施例に係る水中通信方法における親機と子機との通信手順を示す図である。 上記第2の実施例の水中通信方法によって、複数の子機に割り当てられた通信時間についての説明を示す図である。 本発明の第3の実施例に係る水中通信方法おける親機の優先度決定処理の流れ図である。 本発明のその他の実施例における親機と子機との距離測定手順を示す図である。
===本発明の特徴===
水中で通信をする場合、船上の監視員や他のダイバーを引率するインストラクターは、他のダイバーとの距離を把握し、より遠いダイバーとの通信を優先させることで、安全性が向上する。本発明は、このような思想に基づいてなされたものである。そして、本明細書では、その思想に基づく発明として、上記主たる発明に加え、以下の発明にも言及している。そして、その発明は、
1台の親機と複数の子機とが超音波により水中通信するための方法であって、
親機と子機は、超音波振動子を用いて相互に超音波通信する通信部を備えた通信装置であり、
親機は、各子機の識別子を記憶し、各子機は個別に識別子を記憶し、
親機は、各子機に向けて距離計測用の信号を一斉に送信し、
子機は、前記距離計測用の信号を受信した際、前記識別子を含んだ受領信号を親機に返信し、
親機は、前記距離計測用信号の送信と前記子機における前記受領信号の返信とに関わる通信に要した時間に基づいて特定される各子機との遠近関係を取得し、距離の遠い順に各子機の優先度を決定するとともに、優先度が高い子機から順に長い通信時間を割り当てて、各子機に当該割り当てに関する優先通信情報を送信し、
前記子機は、受信した前記優先通信情報に基づく時間帯にのみ親機と通信を可能にすること、
を特徴としている。
また、上記発明、および主たる発明に記載の水中通信方法において、親機は、前記受領信号の信号強度を取得する信号強度取得部を備えるとともに、各子機との距離の遠近を特定する際、前記通信に要した時間が複数の子機において所定の時間以内である場合、前記受領信号の信号強度の弱い方の子機の優先度を上げることとしてもよい。
本発明は、本発明の水中通信方法に基づいて通信する通信装置にも及んでおり、当該通信装置に係る発明には、上記親機として機能する通信装置と、上記子機として機能する通信装置とがある。
そして、上記親機として機能する通信装置は、子機として機能する複数の通信装置と水中通信する通信装置であって、
超音波振動子と、
当該超音波振動子を用いて超音波通信する通信部と、
各子機の識別子を記憶する記憶部と、
子機に向けて距離計測用信号を一斉同報する同報通信部と、
前記子機が前記距離測定用信号を受信した際に返信する前記識別子を含んだ受領信号を受信して前記距離計測用信号の送信と前記受領信号の返信とに関わる通信に要した時間に基づいて特定される各子機との遠近関係を取得するとともに、距離の遠い順に各子機の識別子を並べ替えて記憶する優先度決定部と、
前記並べ替えて記憶した各子機の識別子の順番を優先順として、優先順位の高い子機から順番に通信する優先通信部と、
を備えたことを特徴としている。
あるいは、子機として機能する複数の通信装置と水中通信する通信装置であって、
超音波振動子と、
当該超音波振動子を用いて超音波通信する通信部と、
各子機の識別子を記憶する記憶部と、
子機に向けて距離計測用信号を一斉同報する同報通信部と、
前記子機が前記距離測定用信号を受信した際に返信する前記識別子を含んだ受領信号を受信して前記距離計測用信号の送信と前記受領信号の返信とに関わる通信に要した時間に基づいて特定される各子機との遠近関係を取得するとともに、距離の遠い順に各子機の識別子を並べ替えて記憶する優先度決定部と、
前記並べ替えて記憶した各子機の識別子の順番を優先順として、優先順位が高い子機から順に長い通信時間を割り当てて、各子機に当該割り当てに関する優先通信情報を送信する優先通信情報送信部と、
を備えた親機として機能する水中通信装置とすることもできる。
上記親機として機能する通信装置は、前記受領信号の信号強度を取得する信号強度取得部を備えるとともに、前記優先度決定部が各子機との距離の遠近を特定する際、前記通信に要した時間が複数の子機において所定の時間以内である場合、前記受領信号の信号強度の弱い方の子機をより遠方とすることとしてもよい。
一方、子機として機能する水中通信装置に係る発明は、親機として機能する1台の通信装置と水中通信する通信装置であって、
超音波振動子と、
当該超音波振動子を用いて超音波通信する通信部と、
自身の識別子を記憶する記憶部と、
親機から送信された距離計測用の信号を受信した際、前記識別子を含んだ受領信号を親機に返信する受領信号返信部と、
前記親機から送信されてくる時間の割り当てに関する情報を含んだ優先通信情報を受信して記憶する、当該割り当てに関する情報に基づく時間帯にのみ親機との通信を可能にする通信制限部と、
を備えたことを特徴としている。
そして、当該子機として機能する水中通信装置は、前記通信可能時間帯の少なくとも開始時点と終了時点を利用者に報知する時間帯報知部を備えていればより好ましい。
===本発明の実施形態===
本発明の実施形態として、ダイバーが携帯する腕時計型のコンピュータ(ダイブコンピュータ)を挙げる。図1は、当該ダイブコンピュータ1の外観図である。そして、外観上の差異はないが、ダイブコンピュータ1には、一台の親機と複数台の子機とがあり、この実施形態では、親機は、インストラクターなど、他の複数のダイバーを監視する人が携帯し、他の複数のダイバーはそれぞれ子機を携帯するものとする。なお、ここに示したダイブコンピュータ1は、ダイビングに先立って所定の操作を行うことで、親機にも子機にも成り得るものとする。もちろん、親機用ダイブコンピュータと子機用ダイブコンピュータとが区別されていてもよいし、親機は、監視員が乗船する船上などに設置される形態であってもよい。
ダイブコンピュータ1は、ダイバーの腕10に装着するためのリストバンド2を備え、防水・耐水圧構造を有するケース3の前面には、液晶表示器(LCD)4が配設されている。LCD4には、定型のパターン4aによって表現される文字や図形、セグメント4bによって表現される英数字、あるいはドットマトリクス状パターン4cによって表現されるテキストや図形によって、時刻やダイビングに関わる各種情報が表示される。また、ケース3前面のフレーム部分には、このダイブコンピュータ1を操作するための複数の操作ボタン5が配設されている。
===ダイブコンピュータの構成===
図2に上記ダイブコンピュータ1の機能ブロック構成を示した。ダイブコンピュータ1のハードウエア構成は、ダイビング用途に特化されたコンピュータであり、MPU20、RAM21、ROM22からなるコンピュータ本体をコントローラとしている。ROM22にはMPU20によって実行される各種プログラムに加え、ダイブコンピュータ1ごとに固有の識別子が記憶されている。また、英数字やカタカナ、および記号に対応する文字コードや、ダイバー同士で簡単なコミュニケーションを取るために使用される定型文を記述するテキストデータなども記憶されているものとする。
発振回路23と分周回路24は、各種周波数のクロックを発生させる回路であり、MPU20を動作させるための基準クロックや時刻表示やストップウオッチなどの計時機能に関わるクロックを発生する。そして、ユーザインタフェースに関わる構成として、MPU20からの指示に従って各種情報をLCD4に表示するためのLCD表示制御部25と、操作ボタン5からの操作信号をMPU20に入力するための操作制御部26と、圧電スピーカ27にアラーム音などを音声出力するための音声出力制御部28を備えている。
さらに、ダイビング用途に関わる機能(ダイバー支援機能)を実現するために、水圧、温度、方角などを検出するため各種センサ(29〜31)を備えている。各センサ(29〜31)が出力する信号は、それぞれのセンサ(29〜31)に対応するA/D変換回路(32a〜32c)にてデジタルータに変換されてMPU20に入力される。そして、本実施形態における最も重要なダイバー支援機能となる超音波による水中通信機能を実現するための構成として、圧電素子によって構成された超音波振子40と、MPU20からのデータを超音波信号として超音波振動子40に送信させるための送信制御部41と、超音波振動子40が受信した超音波信号を復調してMPU20に入力するための受信制御部42と、超音波振動子40の接続経路を送信制御部41と受信制御部42のいずれかに切り替えるためのスイッチ43と、MPU20が出力する指令に従ってこのスイッチ43の接続経路を切り換える通信モード切換部44とを備えている。
送信制御部41は、MPU20からのデータを、ASK変調などの所定の変調方式で変調する変調回路やその変調信号によって超音波振動子40を駆動するための回路などを含んでいる。受信制御部42は、超音波振動子40が超音波信号を受信した際に圧電効果によって出力する変調電気信号を復調する回路と、復調した信号をデジタルデータに変換するためのA/D変換回路などを含んでいる。なお、ここに示したダイブコンピュータ1は、例えば、455kHzの超音波によって通信するものとし、通信モード切替部44によって、送信機として機能する送信モードと、受信機として機能する受信モードとに切り替えられるようになっている。すなわち、一つの超音波振動子40により一つの周波数(例えば、共振周波数)を用いて超音波信号の送受信が行えるようになっている。
MPU20は、操作制御部26からの操作信号やあらかじめプログラムされたスケジュールに従ってROM22に記憶されている所定のプログラムを実行し、そのプログラムの実行結果や受信制御部42からのデータなどをRAM21に書込んだり、その書き込んだデータをRAM21から読み出したりする。また、定型文以外のテキストデータもRAM21に読み出し可能にして格納する。テキストデータは、利用者が英数字を一文字ずつ指定しながら入力する操作を受け付け、指定の文字コードを順に並べることで生成すればよい。
MPU20は、各センサ(29〜31)に接続されているA/D変換回路からのデータ(測定データ)についても、サンプリング機会ごとに更新しながらRAM21に読み出し可能にして格納する。さらに、格納した測定データ基づいて所用の情報を随時生成してRAM21に格納する。例えば、あらかじめ記憶されている水圧と深度との関係から圧力センサ30からの測定データに基づいて深度を計算し、その計算結果を格納する。
そして、MPU20は、LCD表示装置25を制御してダイビング機能や時計機能に関わる情報や処理の実行結果などをLCD4に表示させたり、音声制御部28を制御してアラーム音を圧電スピーカ27から出力させたりする。また、送信制御部41を制御して、各種情報を超音波振動子40から超音波信号を送信させたり、通信モード切替部44を制御して、通信モードを受信モードと送信モードとに切り替えさせたりする。
以下に、本発明の実施例として、上記ダイブコンピュータ1を用いて水中通信を行うための操作手順や情報処理手順を挙げる。なお、当該実施例を説明するのに当たり、親機として機能するダイブコンピュータ1をインストラクターとなるダイバーが携帯し、子機として機能する複数のダイブコンピュータ1を受講者となる複数のダイバーがそれぞれ携帯し、親機と子機との間で水中通信を行うことを想定し、その想定の下、本発明の特徴などを平易に説明する。
===同期手順===
親機と子機には構造上の違いが無く、使用時に親機として機能させるか、子機として機能させるのかを決定する。インストラクターは、自身と受講者人数分のダイブコンピュータ1を用意し、自身のダイブコンピュータ1に対して所定の操作を行うことで、自身のコンピュータ1を親機1Mに設定する。本実施例では、MPU20が操作制御部26から所定の操作入力情報を受け取ると、自身の識別子に親機である旨のフラグを含むヘッダ情報を付加し、そのヘッダ付きの識別子をRAM21に格納することで自身を親機に設定する。
次に、インストラクターは、自身の親機1Mと受講者用の各ダイブコンピュータ1とで識別子を認識し合い、時刻を同期させる「ペアリング」と呼ばれる操作を行う。ペアリングは、大気中で超音波通信によって行う。超音波振動は大気中で急速に減衰するため、図3に示したように、親機となるダイブコンピュータ1Mと、子機となるダイブコンピュータ1Sとを超音波振動子の配置部位6が向き合うように近接させて所定の操作を行う。
図4にペアリングに伴う親機1Mと子機1Sとの通信手順や各ダイブコンピュータ(1M,1S)のMPU20における情報処理の流れを示した。この例では、まず、親機1Mを送信モードに切り換え、子機1Sを受信モードに切り換える。その上で、親機1Mに対してペアリングを行わせるための操作を行う。親機1Mは、RAM21から自身が親機1Mである旨のヘッダ情報が付加された識別子を読み出し、その識別子を子機1Sに送信する(s1〜s3)。親機1Mは送信を終了すると受信モードに切り換える。子機1Sは、親機1Mの識別子をRAM21に格納し親機1Mを登録したならば、送信モードに切り換え、親機1Mの識別子を登録した旨と自身の識別子を親機1Mに送信し(s21→s23,s24)、受信モードに切り換える。正しく受信できなかった場合には、エラーの旨を返し、受信モードに切り換える(s21→s22)。親機1Mは、子機1Sの識別子を受け取ったならば、その識別子をRAM21に格納しその子機1Sを登録する(s4→s6)。上手く受信できなければ、エラーを子機に通知して再度子機の識別子を送信してもらう(s4→s5、s24)。このように、通信機会ごとに確認を取りながらペアリング処理の各ステップを実行していく。
なお、本実施例では、親機1Mにおいて情報を表示出力する場合などにおいて、その情報がどの子機1Sのものであるのかを容易に識別できるように、親機1Mは、各子機1Sを識別番号とは別の番号でも管理する。例えば、1番目の子機の識別子を登録したら、その識別子にこの子機に番号「1」を付与して子機1Sの識別子と対応付けしてRAM21に格納する(s6)。そして、子機1Sには、その付与した番号を返送する(s7)。子機1Sは自身の識別子に子機である旨のフラグと自身に付与された子機番号を付加してRAM21に格納し自身を1番目の子機として設定する(s25→s27)。子機1Sが自身を所定の親機の子機として設定したならば、その旨を通知する(s28)。
親機1Mが通信相手の子機1Sが自身の子機であることを設定したことを確認したならば、次に親機1Mと子機1Sとの時刻を同期させる処理に移行する(s8YES)。時刻の同期についても、上述したように、送受信のモードを親機1Mと子機1Sとで相互で切り換えながら情報交換とエラーチェックを行い、親機1Mが子機1Sに現時点の時刻データを送信し(s10)、子機1Sが自身のリアルタイムクロックをその時刻に修正し、時刻を同期したことを親機1Mに通知する(s29→s31)。なお、親機1Mと子機1Sは、データやエラーなどを受け取ったり送信したりする毎にそのデータの内容をLCD4に表示したり、データの送受信を使用者に確認させるためのアラーム音を出力したりする。1台の子機1Sとのペアリングが終了したら、親機1M側で次の子機1Sとペアリングするための操作を行い(s13→s14→s2)、全ての子機1Sとのペアリングが終了したならば、ペアリングを終了させる(s13→s15)。
===本発明における基本思想===
本発明は、親機1Mと最も距離が離れているダイバーが最も危険であり、その最も遠いダイバーから順に安全を確保する、という思想に基づいている。本実施例では、親機1Mが複数の子機1Sとの間で個別に情報通信を行う際、子機1S毎に親機1Mとの距離が遠い順に優先度を決定し、親機1Mは、より遠い子機1Sと優先的に通信を行うこととしている。本実施例では、親機1Mが最も遠い子機1Sと優先的に通信する際の方法や、優先度の決定処理によって、いくつかの変形例や応用例(第1〜第3の実施例)、およびその他の実施例が存在する。以下では、図5に示したように、インストラクター11が携帯するダイブコンピュータ(親機)1Mと、3人の受講者ダイバー12a〜12cのそれぞれが携帯するダイブコンピュータ(子機a〜子機c:1Sa〜1Sc)を用いて通信する事例を挙げ、各実施例を個別に説明する。
===第1の実施例===
以下に示す各実施例に係る水中通信方法では、親機1Mと子機(1Sa〜1Sc)間での通信に要した時間に基づいて各子機(1Sa〜1Sc)との遠近関係を特定することとしている。すなわち、必ずしも各子機(1Sa〜1Sc)との距離を正確に計測する必要はない。少なくとも、相対的な遠近関係が特定できればよい。図6に、その遠近関係の特定、および親機1Mと各子機(1Sa〜1Sc)間での情報通信に関わる情報処理の流れを示した。ここでは、ペアリングを済ませた親機1M、あるいは子機(1Sa〜1Sc)を携帯した複数のダイバー(11,12a〜12c)がダイビングを開始し、子機(1Sa〜1Sc)を携帯する各受講者ダイバー(12a〜12c)に関する情報(深度、潜水経過時間、水温など)をインストラクター11が親機1Mにて確認する、という場面を想定してみる。
まず、潜水を開始するのに当たり、受講者ダイバー(12a〜12c)は、各自の子機(1Sa〜1Sc)を受信モードに切り換えておく。もちろん、通常は受信モードで、所定の操作入力を受け付けたり、所定の信号を受信したりした場合にのみ送信モードに切り替わるようになっていてもよい。なお、潜水経過時間を計測するためには、受講者ダイバー(12a〜12c)がダイビングを開始する際に子機(1Sa〜1Sc)のストップウオッチを作動させればよい。そして、そのストップウオッチの経過時間を潜水経過時間とすればよい。この潜水経過時間は、エアタンクのエア残量を間接的に確認するための目安にもなる。
ダイビング開始後、インストラクター11が各子機(1Sa〜1Sc)における特定の情報(深度、潜水経過時間、温度など)を確認するために、その確認すべき情報を指定する操作を行う(s41)。ここでは深度を指定したものとする。親機1Mは、確認情報を指定する操作入力があると、送信モードに切り換え、距離測定用の超音波信号(距離測定用信号)を送信するとともに、その送信時刻を記憶する(s43,s44)。また、第1の実施例では、親機1Mは、距離測定用信号に自身の識別子とこの信号の送信時刻も含めている。そして、受信モードに切り換え、子機(1Sa〜1Sc)からの返信を待ち受ける状態にする。なお、距離測定用信号に親機1Mの識別子を含めることは必須条件ではないが、この第1の実施例では、距離測定用信号を含めた全ての送信信号に自身の識別子を含ませている。これは、同じ場所で複数のグループがそれぞれ同様の親機1Mと子機1Sとを用いて通信している場合を想定し、子機(1Sa〜1Sc)が、受信信号中の識別子と記憶している親機1Mの識別子とを比較することで、信号の送信元が正しい通信相手であるかどうかを認識することができるようにしている。
子機(1Sa〜1Sc)は、受信した距離測定用信号中の識別子が自身の親機1Mのものであれば、当該受信時の時刻を取得した上で送信モードに切り換え、この受信時刻と自身の識別子とを含んだ信号(受領信号)を送信する(s51a〜s51c,s52a〜s52c)。さらに、第1の実施例では、子機(1Sa〜1Sc)は、受信した距離測定信号に含まれている時刻と受信時の時刻との時間差(Δta〜Δtc)とあらかじめ設定されている水中での音速とに基づいて親機1Mとの距離を計算し、その距離をLCD4に表示する。それによって受講者ダイバー(12a〜12c)は、インストラクター11との距離を確認することができる。
親機1Mは、登録されている子機(1Sa〜1Sc)から受領信号を受信すると、その受領信号中の時刻と受領信号を送信してきた子機(1Sa〜1Sc)の識別子とを対応付けして記憶する(s45a〜s45c)。そして、自身に登録されている全ての子機(1Sa〜1Sc)からの受領信号を受信したならば、先に記憶した距離測定用信号の送信時刻と各子機(1Sa〜1Sc)からの受領信号中の時刻との差(Δta〜Δtc)に基づいて各子機(1Sa〜1Sc)における遠近関係を特定し、遠い順から順番に子機(1Sa〜1Sc)の識別子やその識別子に対応付けされている番号を並べ替えて記憶する(s46)。ここでは、子機1Saが最も遠く、次に子機1Sbが遠く、子機1Scが最も近かったものとする。
この距離に従って並べ変えた順番は、次に続く情報通信の優先順でもあり、親機1Mは、最初に指定入力された確認情報である深度を子機(1Sa〜1Sc)に送付させる旨の命令を含んだ情報を、もっとも優先度が最も高い最遠の子機1Saに超音波信号により送信する(s47a)。子機1Saはこの命令を含んだ信号を受信すると、自身の圧力センサ30によって測定されている圧力に基づく深度を取得するとともに(s53a)、この深度と識別子とを含んだ超音波信号を送信する(s54a)。他の子機(1Sb,1Sc)も同様に、上記命令を含んだ信号を受信すると、深度を取得し(s53b,s53c)、この深度と自身の識別子とを含んだ超音波信号を送信する(s54b,s54c)。
親機1Mは、このようにして深度を含んだ信号を各子機(1Sa〜1Sc)から受信するごとに、その深度を送信元の識別子に対応付けして記憶することで取得する(s48a〜s48c)。全子機(1Sa〜1Sc)分の深度を取得したならば、その旨をLCD4に表示する。インストラクター11は、子機(1Sa〜1Sc)を指定して深度を表示させ、各ダイバー(12a〜12c)の深度を確認する。他の情報についても、このようにして、最も遠い子機1Saから順に送信させて取得すればよい。
図7に親機1Mにおいて、ある子機(1Sa〜1Sc)の深度が表示されている状態を例示した。子機番号41と情報の種別42が深度である旨と、その情報の内容となる深度43とが表示されている。また、この例では、優先度44とその優先度44の判定基準となった距離45も表示されている。なお、親機1Mや子機(1Sa〜1Sc)は、操作ボタン5からの操作入力情報を受け付けたときだけではなく、上記一連の水中通信や情報処理の過程で送信したり受信したりした情報の種別や内容などを適宜にLCD4に表示し、必要に応じてアラーム音を音声出力することで、通信状態や通信内容を常にダイバー(11,12a〜12c)に確認させるようにしている。
以上説明したように、第1の実施例では、親機1Mから最も遠い子機1Saから順番に通信することで、最も危険性が高いダイバー12aから順番に現在の状況などを確認することができる。
===第2の実施例===
上記第1の実施例では、距離に応じた優先度を通信の順番としていた。第2の実施例は、優先度を順番ではなく、通信時間とし、最も遠い子機1Saから順に長い通信時間を割り当て、その通信時間内に限って親機1Mと子機(1Sa〜1Sc)とが通信するものである。これは、親機1Mから最も遠い子機1Saから順に通信時間を長く割り当てることで、インストラクター11が、より危険性が高いダイバー(12a,12b)からより多くの情報を得ることができるようにしている。それによって、コミュニケーション不足による事故や危険性を回避している。
図8に当該第2の実施例における通信と情報処理の手順を示した。なお、第2の実施例において、距離に応じて子機(1Sa〜1Sc)の優先度を決定する処理(s61)は、図6に示した第1の実施例における処理(s41〜s46)と同様である。当該図8では、この処理(s61、図6:s41〜s46)以降の手順を示した。また、各子機(1Sa〜1Sc)の優先度も第1の実施例と同じで、高い方から順に子機1Sa、子機1Sb、子機1Scとする。
親機1Mは、子機(1Sa〜1Sc)別に優先度を決定すると(s61)、子機(1Sa〜1Sc)の数に応じた通信期間を設定し、その通信期間を不等分割し、優先度の高い子機1Saから順に長い時間を割り当てる。そして、各子機(1Sa〜1Sc)の識別子と通信期間における割当時間との対応関係を含んだ優先通信情報を全子機(1Sa〜1Sc)に同報送信する(s63)。そして、受信モードに切り替えて各子機(1Sa〜1Sc)からの信号を待ち受ける。
各子機(1Sa〜1Sc)は、優先通信情報を受信すると、自身の通信時間の割り当てを取得し(s71a〜s71c)、優先通信情報の受信時点を起点とした通信可能時間帯を計算し、それを記憶する(s72a〜s72c)。また、優先通信情報の受信時点からの経過時間を計測し、その経過時間に基づいて記憶した通信可能時間帯になったことを認識すると(s73a〜s73c:YES)、その旨(通信開始)を親機1Mに通知する(s74a〜s74c)。親機1Mは、この通信開始通知の受け取り確認を返送し(s65a〜s65c)、通信可能な子機(1Sa〜1Sc)との通信を開始する(s66a〜s66c)。なお、子機(1Sa〜1Sc)は、親機1Mとの通信が可能になると、その旨を表示や音声によって出力し、以後、通信可能な残り時間を数字やグラフなどによって表示する。
通信可能時間帯においては、まず、子機(1Sa〜1Sc)から送信するものとし、以後、親機1Mと子機(1Sa〜1Sc)は、交互に送受信のモードを切り替えながら情報を交換する。子機(1Sa〜1Sc)は、親機1Mに送信する情報に自身の識別子を含ませ、親機1Mは、受信した情報を子機(1Sa〜1Sc)の識別番号に対応付けして記憶する。子機(1Sa〜1Sc)は、親機1Mから受信した情報を記憶する。また、親機1Mと子機(1Sa〜1Sc)は、受信した情報をその都度LCD4に表示し、必要に応じてアラーム音を出力する。記憶済みの情報については操作入力に従ってMPU20がRAM21から読み出して表示する。
子機(1Sa〜1Sc)は、通信可能時間帯の終了時点で、自身の識別子と通信終了の旨の情報を含んだ信号を送信する(s76a〜s76c)。また、通信可能時間帯が終了するとその旨を表示や音声によって出力する。
親機1Mは、すべての子機(1Sa〜1Sc)から通信終了の情報を含んだ信号を受信すると、再度距離を測定して優先度を決定する処理に戻る(s67a〜s67c→s61)。以上の通信手順と情報処理手順を所定の操作入力によって終了されるまで繰り返す。
ここで、上記時間割の一例を挙げる。図9に各子機(1Sa〜1Sc)に割り当てられた通信可能時間帯を時系列に従って示した。親機1Mは、3台の子機(1Sa〜1Sc)に対して、全部で2分の通信期間を設け、最も優先度が高い子機1Saに50秒、次に優先度が高い子機1Sbに30秒、そして子機1Scに20秒の時間をそれぞれ割り当てる。図示したように、ある子機(1Sa,1Sb)との通信時間帯の終了時点(51a,51b)から次の子機(1Sb,1Sc)の通信時間帯の開始時点(52b,52c)までに10秒の通信禁止期間が設けられている。すなわち、通信期間の開始時点50である0秒から50秒後までが子機1Saの通信可能時間帯、そして10秒の通信禁止期間の後、子機1Sbは通信期間開始時点50から1分後の時点52bから30秒間、すなわち1分30秒後の時点51bまで、子機cは1分40秒後の時点52cから通信終了時点53である2分後まで20秒間がそれぞれ通信可能時間帯となる。
なお、通信禁止期間を設けるのは、電磁波より遙かに速度が遅い超音波を用いて通信することによる遅延時間があり、その遅延時間が子機(1Sa〜1Sc)毎に異なっているためである。すなわち、通信禁止期間を設けないと、より遠い子機1Sa(1Sb)と次に遠い子機1Sb(1Sc)とでは、より遠い子機1Sa(1Sb)の通信可能時間帯の終了時点(51a,51b)と、次に遠い子機1Sb(1Sc)における通信可能時間帯の開始時点(52b,52c)とが実時間において前後し、複数の子機(1Sa〜1Sc)が同時に同じ周波数で送信して混信してしまうのである。
なお、第2の実施例では、第1の実施例における通信順番と安全性との関係も考慮し、最も距離が遠い子機1Saから順番に通信を開始していたが、通信の順番は、最も距離が遠い子機1Saから順に割当時間を長くするのであれば、必ずしも遠近関係に従わなくてもよい。もちろん、優先度に応じ、通信の順番、通信の割当時間、およびその両方のいずれかを所定の操作入力によって親機1M側で設定できるようになっていてもよい。
===第3の実施例===
上記第1および第2の実施例では、距離に応じて各子機(1Sa〜1Sc)の優先度を決定していた。しかし、複数の子機(1Sa〜1Sc)の距離が同程度であれば、バッテリー残量が少ない子機(1Sa〜1Sc)を携帯するダイバー(12a〜12c)や、インストラクター11との間に障害物があるダイバー(12a〜12c)の安全性確保を優先させた方がよい。第3の実施例は、このような場合に対応する実施例であり、距離が同程度のダイバー(12a〜12c)同士では、子機(1Sa〜1Sc)からの送信信号の受信強度が弱い方の優先度を上げるものである。
図10に第3の実施例における優先度決定処理の流れ図を示した。まず、親機が距離測定用信号を送信し、この送信時刻と子機からの受領信号に含まれる受信時刻との時間差(Δta〜Δtc)に基づいて各子機(1Sa〜1Sc)間の相対的な遠近を特定する(s81〜s86)。この処理自体は、実質的に図6における処理s41〜s46と同じであり、第1および第2の実施例と同様である。しかし、第3の実施例では、受信制御部42が受領信号の受信強度を測定し、その受信強度のデータをMPU20に入力することとしている。MPU20はその受信強度データを子機(1Sa〜1Sc)の識別子に対応付けしてRAM21に記憶する。また、ROM22には上記時間差の数値範囲Tが記憶されており、MPU20は、各子機の遠近を特定する際、その特定根拠として計算した時間差(Δta〜Δtc)と上記数値範囲Tとを比較し、計算した時間差がその通知範囲内であれば、RAM21に記憶した受信制御部からの受信強度データを参照する。そして、受信強度が弱い方の子機の優先度を繰り上げ(s87→s88)、最終的に全ての子機(1Sa〜1Sc)の優先度を決定する(s89)。このようにして優先度を決定したならば、以後は、第1あるいは第2の実施例と同様にして優先度に基づく情報通信を各子機(1Sa〜1Sc)と行えばよい。
===その他の実施例===
<メッセージ通信>
インストラクター11は、自身の親機1Mと講習者ダイバー(12a〜12c)の子機(1Sa〜1Sc)とが、第1〜第3の実施例に示した手順で通信することで、各ダイバー(12a〜12c)の状況を子機(1Sa〜1Sc)からの各種情報によって親機1Mにて確認することができる。この確認に際し、インストラクター11は、確認した情報の内容とともに、講習者ダイバー(12a〜12c)の経験や技量に鑑み、特定のダイバー(12a〜12c)に対してメッセージを送る必要性も生じる。このような必要性に対応するために、親機1Mが特定の子機(1Sa〜1Sc)に対して所用の情報を送信するための機能も備えている。この機能を使用するためには、親機1Mにて、番号によって送信相手の子機(1Sa〜1Sc)を指定するとともに、あらかじめROM22に登録されているメッセージ(例えば、COME UP「浮上しなさい」など)を呼び出す。あるいは、操作ボタン5を使って文字を一つずつ指定入力してメッセージ文を作成する。そして、そのメッセージを送信する操作を行う。親機1Mは、子機(1Sa〜1Sc)の識別子とメッセージのテキストデータとを含んだ超音波信号を送信する。子機(1Sa〜1Sc)は、メッセージを含んだ信号中に自身の識別子があれば、アラーム音を音声出力するとともに、そのメッセージを表示出力する。
<その他の距離測定方法>
上記第1〜第3の実施例では、ペアリングによって親機1Mと子機(1Sa〜1Sc)の時刻を同期させ、親機1Mは、その同期した時刻に基づいて各子機(1Sa〜1Sc)との相対的な遠近関係を特定していた。しかし、この例に限らず、ペアリングにおいて時刻の同期を必要としないで距離を測定する方法も存在する。また、時刻を同期させた場合においても第1〜第3の実施例で採用した距離測定方法以外の方法が存在する。以下にその他の距離測定方法を示す。
まず、親機1Mと子機(1Sa〜1Sc)との間で時刻を同期させないで、親機1Mと子機(1Sa〜1Sc)の距離や、各子機(1Sa〜1Sc)同士の相対的な遠近関係を特定するための方法を例示する。図11に当該方法における通信や情報処理の手順を示した。まず、親機1Mは、距離測定用信号を各子機に一斉に同報送信し(s91)、この送信時刻t1を記憶する(s92)。なお、この距離測定用信号には、時刻情報が含まれておらず、当該信号が距離測定用である旨の種別情報だけが含まれている。
子機(1Sa〜1Sc)は距離測定用信号を受信すると、直ちに、あるいは他の子機(1Sa〜1Sc)との通信遅延時間の差を考慮してその時間差より十分大きな時間(例えば、1sec)が経過した後に自身の識別子(IDa〜IDc)を含んだ受領信号を返信する(s101a〜s101c)。もちろん、子機(1Sa〜1Sc)は、この受領信号に時刻情報を含ませない。親機1Mは受領信号を受信するとその受信時刻(ta〜tc)を記憶する(s93a〜s93c)。そして、全ての子機(1Sa〜1Sc)受領信号を受け取ったならば、先に記憶した距離測定用信号の送信時刻t1と各子機(1Sa〜1Sc)からの受領信号の受信時刻(ta〜tc)との時間差(Δta〜Δtc)を求め(s94)、その時間差(Δta〜Δtc)が大きい子機(1Sa〜1Sc)から順に子機の識別子(IDa〜IDc)を並べ替えて各子機(1Sa〜1Sc)の遠近関係を特定する(s95)。
また、第1の実施例において示した距離測定処理では、子機(1Sa〜1Sc)が受領信号中に距離測定用信号の受信時刻を含め、親機側1Mで距離測定用信号の送信時刻と受領信号の受信時刻との時間差に基づいて各子機(1Sa〜1Sc)との遠近関係を特定していた。このような処理方法に限らす、子機(1Sa〜1Sc)側で、距離測定用信号中の送信時刻と、当該距離測定用信号の受信時刻とに基づいて時間差や距離を求め、その子機(1Sa〜1Sc)側で求めた時間差や距離を受領信号中に含めてもよい。親機1Mは、各子機(1Sa〜1Sc)からの受領信号中の時間差や距離をその数値の大小に従って並べ替えるだけで優先順位を特定することができる。
<距離測定処理のタイミング>
第1〜第3の実施例では、親機1Mは、操作入力に応動して距離測定用信号を送信し、各子機(1Sa〜1Sc)の優先度を決定していた。しかし、インストラクター11としては、受講者ダイバー(12a〜12c)との距離を常に監視しておく必要がある。そこで、親機1Mが周期的に距離測定用信号の送信処理とそれに対する子機(1Sa〜1Sc)からの受領信号の受信処理を行い、随時優先度を更新して記憶するようにしてもよい。そして、親機1Mは、各子機(1Sa〜1Sc)間の相対的な遠近関係や、特定の子機(1Sa〜1Sc)との距離などを、操作入力に従って適宜に表示出力する。自動的に表示を更新し続けてもよい。
また、各子機(1Sa〜1Sc)における何らかの情報を得る必要性が生じたら、インストラクター11は、親機1Mを操作してその情報の指定情報を含んだ信号を送信させる。親機1Mは、この送信時点における優先度に従がった順番で各子機(1Sa〜1Sc)と通信する。あるいは、優先度に従った通信時間を割り当てる。
なお、距離の測定周期が長い場合は、最後に距離を測定した時点と現時点とで各子機(1Sa〜1Sc)の遠近関係が変わっている場合もあり得る。このような場合には、子機(1Sa〜1Sc)との通信を開始する際、最後の距離測定時点からの経過時間が所定時間以上である場合、次回の距離測定機会を待たずに距離測定用信号を送信し、最新の遠近関係を特定すればよい。
<実施形態について>
本発明の実施形態として腕時計型のダイブコンピュータ1を例示したが、本発明の実施形態はこれに限るものではない。例えば、エアタンクに接続されている酸素残量計に図2に示したようなダイブコンピュータ1の構成を内蔵させれば、潜水経過時間を目安にしてエア残量を推測するのではなく、直接残量計から取得することができる。そして、その正確な残量を親機1Mに送信することができる。また、当然のことながら、ダイブコンピュータ1の操作手順や出力情報の内容、情報出力の仕方などのユーザインタフェース環境は適宜に変更可能である。なお、以上の実施形態では、一つの超音波振動子を備えた通信装置で、一つの周波数で距離の測定と情報の送受信を行えるため、通信装置を安価に提供することを可能としつつ、情報通信に際しては、各実施例の説明において示したように、危険度が高い作業者から優先して情報通信を行えるため、ダイバーなどの水中作業者の安全性を十分に確保することができる。
この発明は、水中で情報通信する用途に適用可能であり、例えば、海上の監視者と水中のダイバーとの情報通信、インストラクターのダイバーと受講者のダイバーとの情報通信に適用可能である。
1 ダイブコンピュータ、1M 親機、1S、1Sa〜1Sc 子機、
4 液晶表示器、5 操作ボタン、11,12a〜12c ダイバー、
20 MPU、21 RAM、22 ROM、25 表示制御部、
26 操作制御部、27 圧電スピーカ、28 音声出力制御部、
29〜31 センサ、40 超音波振動子、41 送信制御部、
42 受信制御部、43 スイッチ、44 通信モード切替部

Claims (8)

  1. 1台の親機と複数の子機とが超音波により水中で通信するための方法であって、
    親機と子機は、超音波振動子を用いて相互に超音波通信する通信部を備えた通信装置であり、
    親機は、各子機の識別子を記憶し、各子機は個別に識別子を記憶し、
    親機は、各子機に向けて距離計測用の信号を一斉に送信し、
    子機は、前記距離計測用の信号を受信した際、前記識別子を含んだ受領信号を親機に返信し、
    親機は、前記距離計測用信号の送信と前記子機における前記受領信号の返信とに関わる通信に要した時間に基づいて特定される各子機との遠近関係を取得するとともに、距離の遠い順に各子機の優先度を決定して優先度の高い子機から順番に通信を行う
    ことを特徴とする水中通信方法。
  2. 1台の親機と複数の子機とが超音波により水中通信するための方法であって、
    親機と子機は、超音波振動子を用いて相互に超音波通信する通信する通信部を備えた通信装置であり、
    親機は、各子機の識別子を記憶し、各子機は個別に識別子を記憶し、
    親機は、各子機に向けて距離計測用の信号を一斉に送信し、
    子機は、前記距離計測用の信号を受信した際、前記識別子を含んだ受領信号を親機に返信し、
    親機は、前記距離計測用信号の送信と前記子機における前記受領信号の返信とに関わる通信に要した時間に基づいて特定される各子機との遠近関係を取得し、距離の遠い順に各子機の優先度を決定するとともに、優先度が高い子機から順に長い通信時間を割り当てて、各子機に当該割り当てに関する優先通信情報を送信し、
    前記子機は、受信した前記優先通信情報に基づく時間帯にのみ親機と通信を可能にする ことを特徴とする水中通信方法。
  3. 請求項1または2において、親機は、前記受領信号の信号強度を取得する信号強度取得部を備えるとともに、各子機との距離の遠近を特定する際、前記通信に要した時間が複数の子機において所定の時間以内である場合、前記受領信号の信号強度の弱い方の子機の優先度を上げることを特徴とする水中通信方法。
  4. 子機として機能する複数の通信装置と水中通信する通信装置であって、
    超音波振動子と、
    当該超音波振動子を用いて超音波通信する通信部と、
    各子機の識別子を記憶する記憶部と、
    子機に向けて距離計測用信号を一斉同報する同報通信部と、
    前記子機が前記距離計測用信号を受信した際に返信する前記識別子を含んだ受領信号を受信して前記距離計測用信号の送信と前記受領信号の返信とに関わる通信に要した時間に基づいて特定される各子機との遠近関係を取得するとともに、距離の遠い順に各子機の識別子を並べ替えて記憶する優先度決定部と、
    前記並べ替えて記憶した各子機の識別子の順番を優先順として、優先順位の高い子機から順番に通信する優先通信部と、
    を備えたことを特徴とする親機として機能する水中通信装置。
  5. 子機として機能する複数の通信装置と水中通信する通信装置であって、
    超音波振動子と、
    当該超音波振動子を用いて超音波通信する通信部と、
    各子機の識別子を記憶する記憶部と、
    子機に向けて距離計測用信号を一斉同報する同報通信部と、
    前記子機が前記距離計測用信号を受信した際に返信する前記識別子を含んだ受領信号を受信して前記距離計測用信号の送信と前記受領信号の返信とに関わる通信に要した時間に基づいて特定される各子機との遠近関係を取得するとともに、距離の遠い順に各子機の識別子を並べ替えて記憶する優先度決定部と、
    前記並べ替えて記憶した各子機の識別子の順番を優先順として、優先順位が高い子機から順に長い通信時間を割り当てて、各子機に当該割り当てに関する優先通信情報を送信する優先通信情報送信部と、
    を備えたことを特徴とする親機として機能する水中通信装置。
  6. 請求項4または5において、前記受領信号の信号強度を取得する信号強度取得部を備えるとともに、前記優先度決定部は、各子機との距離の遠近を特定する際、前記通信に要した時間が複数の子機において所定の時間以内である場合、前記受領信号の信号強度の弱い方の子機をより遠方とすることを特徴とする親機として機能する水中通信装置。
  7. 親機として機能する1台の通信装置と水中通信する通信装置であって、
    超音波振動子と、
    当該超音波振動子を用いて超音波通信する通信部と、
    自身の識別子を記憶する記憶部と、
    親機から送信された距離計測用の信号を受信した際、前記識別子を含んだ受領信号を親機に返信する受領信号返信部と、
    前記親機から送信されてくる時間の割り当てに関する情報を含んだ優先通信情報を受信して記憶する、当該割り当てに関する情報に基づく時間帯にのみ親機との通信を可能にする通信制限部と、
    を備えたことを特徴とする子機として機能する水中通信装置。
  8. 請求項7において、前記時間帯の少なくとも開始時点と終了時点を利用者に報知する時間帯報知部を備えたことを特徴とする子機として機能する水中通信装置。
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