JP5250802B2 - インターロッキングブロック及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インターロッキングブロック及びその製造方法に関する。
従来より、歩道の路面に多数のインターロッキングブロックを隙間なく敷設する、いわゆるインターロッキング舗装を施すことが広く行われている。近年は、歩道だけに留まらず、公園、駅や病院等の公共建物のエントランス、ビルの屋上等、多岐にわたる場所でインターロッキング舗装が採用されている。
インターロッキングブロックとしては様々な素材のものが知られているが、それぞれに長所及び短所がある。例えば、コンクリート製のインターロッキングブロックは安価ではあるが、見栄えが悪い上に蓄熱しやすく、特に夏場にはため込んだ熱を多量に放出するため敷設面付近の気温が上昇し、歩行者に不快感を与えるという問題がある。また、煉瓦製のインターロッキングブロックは、美的な外観を有する敷設面を作製することができるが、コンクリート製のインターロッキングブロックと同様、蓄熱しやすいという問題がある。
このような問題を解決するために、特許文献1に記載されるような、木質の表層を有するインターロッキングブロックが用いられている。特許文献1に記載のインターロッキングブロックは、木材チップをバインダーで固め、板状に成形して木質の表層を作製した後、該表層の下面に小石群を介してコンクリートブロックを成型したものである。このようなインターロッキングブロックを敷設すると、木質の表層が敷設面側に現れるため、木材のみが敷き詰められているかのような外観を呈し、見栄えがよい。また、木質の表層はコンクリートや煉瓦に比べて蓄熱しにくいため、敷設面付近の気温が上昇しにくい。
特開平10-110401号公報
しかしながら、このような木材チップの集成材による木質表層を有するインターロッキングブロックは、表層部分の集成材の強度が低いため、車両等の往来によって大きな荷重が加わると容易に割れてしまったり、容易に変形してコンクリートブロックから剥離してしまう。また、降雨や高湿気によって集成材に含まれる木材チップが腐食することにより、表層全体がボロボロになって散失してしまう。こういったことにより、インターロッキングブロックの敷設面が平らでなくなり、歩行者が転倒しやすくなる等の安全面での問題が生じる。
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、敷設面の見栄えが良く、蓄熱しにくく、長期に亘って平らな敷設面を提供できるインターロッキングブロック及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために成された本発明に係るインターロッキングブロックは、
上面に滑り止め用凹凸を有するとともに下面に1つの嵌合用凹部を有する、無垢木材から成る木質部と、
上面に前記嵌合用凹部に対応する1つの嵌合用凸部を有する、透水性コンクリートから成るコンクリート部と、
から成り、
前記木質部が、前記無垢木材を板目取りした板材から成り、該板材の芯側の板目が前記木質部の上面になるように構成され、かつ前記1つの嵌合用凹部が前記板目の木芯部分の略真下に形成されており
前記嵌合用凹部及び前記嵌合用凸部が、下部断面積よりも上部断面積の方が大きくなるように構成されていることを特徴とする。
木質部に用いられる無垢木材とは、本出願においては、木材チップを固めた集成材ではなく、一体の木材から成ることを意味する。なお、ここで用いる無垢木材としては、生材に一般的な乾燥処理(自然乾燥、人工乾燥)以外の加工を何ら施していないものであっても良いが、強度や耐腐食性、防蟻性等を向上させるための何らかの加工や処理を施したものの方が望ましい。
例えば、前記木質部は、少なくともその上面を含む部分が圧縮加工された無垢木材から成ることが望ましい。
また、木材の一般的な乾燥処理(人工乾燥)は40〜130℃で行われるが、これよりも高温の180〜220℃で熱処理された無垢木材から木質部を構成すると、木材の乾燥に加えて、耐腐食性、防蟻性や寸法安定性に優れた木質部を得ることができる。
また、前記嵌合用凹部は、インターロッキングブロックの一対の対向側面の一方から他方に貫通する蟻溝であることが望ましい。
さらに、上記課題を解決するために成された本発明に係るインターロッキングブロックの製造方法は、
前記インターロッキングブロックの木質部を、前記嵌合用凹部が存在する面を上にして型へ挿入する挿入工程と、
透水性コンクリート材料を混練して、前記木質部の前記嵌合用凹部が存在する面を覆うように型に投入する投入工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明に係るインターロッキングブロックでは、木質部の材料として無垢木材を用いたため、木材チップによる従来の集成材と同様に、見栄えが良い敷設面を提供することができる。しかも、無垢木材も従来の集成材と同様に蓄熱しにくいため、敷設面付近の気温が上昇して歩行者に不快感を与えることもない。さらに本発明では、木質部の上面に滑り止め用凹凸を設けたため、歩行者の安全性を確保することができることは勿論、該滑り止め用凹凸によって意匠性に優れた、さらに見栄えの良い敷設面を得ることができる。
こうした利点に加え、木質部の材料として用いられる無垢木材は、一体の木材から成るため、木材チップによる従来の集成材に比べて強度が大きく、車両等の往来により大きな荷重が加わっても破損や変形が起こりにくい。また、無垢木材は、木材チップによる従来の集成材に比べて内部に水が浸透しにいため、木質部が腐食しにくいという利点も有する。
さらに、本発明に係るインターロッキングブロックでは、コンクリート部の嵌合用凸部及び木質部の嵌合用凹部を、下部断面積よりも上部断面積の方が大きくなるように構成したため、前記嵌合用凸部及び前記嵌合用凹部を強く結合することができる。従って、頻繁かつ継続的に大きな荷重が加わって木質部が変形しても、木質部がコンクリート部から剥離することが防止される。
さらにまた、本発明に係るインターロッキングブロックでは、木質部の下面に透水性コンクリートから成るコンクリート部を結合したため、降雨等によってインターロッキングブロックが濡れても、木質部とコンクリート部の結合部分に水が溜まりにくく、木質部をより一層腐食しにくくすることができる。
これらのことから、本発明に係るインターロッキングブロックは、長期に亘って平らな敷設面を提供することができる。
本発明のインターロッキングブロックの製造方法では、透水性コンクリート材料を混練して、木質部の嵌合用凹部が存在する面を覆うように型に投入することにより、木質部の嵌合用凹部の中に透水性コンクリート材料の混合物が入り込むため、嵌合用凹部と嵌合用凸部を強く嵌合させることができる。
本発明に係るインターロッキングブロックの一実施例を示す立体斜視図。 (a)本実施例に係るインターロッキングブロック1の側面を、木質部2の蟻溝21の水平方向から見た図。(b)本実施例に係るインターロッキングブロック1の上面図。 本実施例に係るインターロッキングブロック1の製造工程を示す図。 本実施例に係るインターロッキングブロック1の製造工程を示すフローチャート。 木質部2の破壊荷重試験の結果を示す図。 インターロッキングブロック1の破壊荷重試験の結果を示す図。 コンクリート部3の透水性試験の結果を示す図。 コンクリート部3の保水・吸水性試験の結果を示す図。 本実施例のインターロッキングブロック1の変形例の側面図。
[本発明に係るインターロッキングブロックの構成]
以下、本発明に係るインターロッキングブロックの一実施例を、図1及び図2を参照して説明する。
本実施例に係るインターロッキングブロック1は、無垢木材を切削加工して得た木質部2と、透水性コンクリートから成るコンクリート部3とから成り、全体として1個の略直方体形状を呈している。
以下の説明では、インターロッキングブロック1を実際に敷設した際に敷設面として現れる側、即ち木質部2側を上とし、インターロッキングブロック1を敷設した際に隠れる側、即ちコンクリート部3側を下とする。さらに、インターロッキングブロック1の上面において短い方の辺を縦、長い方の辺を横とし、上下方向の辺を高さと表現することにする。
本実施例の木質部2は、縦幅96.5mm、横幅196.5mm、高さ40mmに設計されている。また、コンクリート部3は、縦幅98mm、横幅198mm、高さ40mmに設計されている。木質部2をコンクリート部3の上面に取り付けて成るインターロッキングブロック1の大きさは、縦幅98mm、横幅198mm、高さ80mmである。なお、これらの寸法は、後述するコンクリート部3の嵌合用凸部31及び突起32を含んだものではない。
木質部2及びコンクリート部3の縦幅及び横幅は上記の値に限定されるものではないが、高さはどちらも30mm以上であることが望ましい。これは、どちらも30mm未満であれば大きな荷重が上面に加わった際に割れやすいためである。
木質部2の縦幅及び横幅は、コンクリート部3の縦幅及び横幅よりも僅かに小さくなるように設計されているが、その理由については後述する。
本実施例の木質部2としては、無垢木材として、一般的な乾燥処理のみを施した杉の生木材を用いたものと、前記杉の生木材の全体を体積換算で約50%に圧縮加工して得た圧縮加工木材の2種類を採用した。圧縮加工木材は、杉の生木材を高温高圧の水蒸気雰囲気内に置いて軟化させた後、水蒸気雰囲気内で機械的に圧縮加工したものである。その具体的な方法については後述するが、例えば特開平7-2326号公報に記載のような方法を好適に用いることができる。
木質部2の上面には、該上面を櫛の目状に彫り込むことにより、多数のリブ22が形成されている。これにより木質部2の上面には滑り止め用凹凸が形成され、インターロッキングブロック1の湿潤時に、歩行者や車両等が敷設面上で滑るのを防ぐことができる。リブ22は、曲線、或いはその他の模様であってもよく、図1及び図2の形状に限定されるものではない。
コンクリート部3は、透水性コンクリートの材料であるセメント、水、骨材及び混和剤を計量して混練し、型に投入して固化成型したものである。本実施例では、最終的な単位容積質量に換算してセメント401kg/m3、水122kg/m3、7号砕石(粒径2.5〜5mm)1735kg/m3、混和剤4.01kg/m3の配合組成を採用した。混和剤は、透水性コンクリート専用の混和材である「クリーンタックN100」(株式会社富士ファインケミカル製)を使用した。
固化後に透水性コンクリートが得られるのであれば、材料の種類や配合比率は上記に限定されるものではない。
コンクリート部3の側面には、インターロッキングブロック1の敷設時に目地を確保するための突起32が形成されている。本実施例の突起32は、コンクリート部3の下端より10mm上から上端面までに亘り、高さ30mm、幅10mm、厚さ2mmの大きさを有しており、コンクリート部3の大きい方の側面に2個ずつ、小さい方の側面に1個ずつ、計6個が形成されている。これらの突起32はコンクリート部3を成型するために用いられる型の内側面に窪みを設けることにより作製されたものである。図2(b)に示すように、突起32の配置位置は、インターロッキングブロック1を敷設した時に隣り合うインターロッキングブロック1の突起32同士が接触しないように設計されている。この突起32によって、インターロッキングブロック1を敷設した際に、隣り合うインターロッキングブロック1の間に、突起32の厚さ分の幅の隙間が形成される。この隙間に目地砂を入れることにより、隣り合うインターロッキングブロック1の間の摩擦係数が大きくなるため、ある特定のインターロッキングブロック1のみに大きな荷重が加わった際、そのインターロッキングブロック1のみが敷設面全体から落ち込むのを防ぐことができる。
木質部2の下面には、縦幅いっぱいに延びる、インターロッキングブロック1の一辺に水平な蟻溝21が設けられている。蟻溝21は、本発明の嵌合用凹部に相当するものであり、その大きさは、開口部の幅が40mm、底辺の幅が46mmに設計されている。
蟻溝21には、コンクリート部3の上面の嵌合用凸部31が嵌合している。コンクリート部3の嵌合用凸部31は、蟻溝21の内部形状に対応する形状を有している。従って、蟻溝21(嵌合用凹部)が延びる方向に両者をスライドさせたときにのみ、蟻溝21と嵌合用凸部31の嵌合を解くことができる。但し、後述するように、本実施例では、蟻溝21の内部に嵌合用凸部31が略隙間無く入り込んでいるため、かなり大きな力を加えなければ、木質部2をコンクリート部3から取り外すことができない。(即ち、コンクリート部3の全体が余程大きく破損しない限り、木質部2がコンクリート部3から剥離することはない。)
図1にも示されるように、木質部2はコンクリート部3の上面を覆うように取り付けられている。そのため、本実施例に係るインターロッキングブロック1により形成された敷設面は、木材チップによる従来の集成材と同様に、あたかも木材のみが敷き詰められたかのような、見栄えの良い外観を呈する。しかも、本実施例に係るインターロッキングブロック1では、木質部2の上面に設けられているリブ22により、その敷設面は意匠性に富んだ美的なものとなる。
また、木質部2は無垢木材によって作製されるために、従来の集成材と同様に蓄熱しにくい。従って、敷設面付近の気温が上昇しにくく、歩行者に不快感を与えにくい。
また、木材は一般的に、空気中の湿度が高いときには水分を吸収し、湿度が低いときには水分を放出するという調湿作用を有することが知られている。さらに、木材は一般的に紫外線をよく吸収するため、木材によって反射される光には紫外線が殆ど含まれないことが知られている。従って、本実施例のように無垢木材を用いて木質部2を作製すると、木材の調湿作用によって敷設面付近の湿度を快適に保つことができる。また、紫外線吸収作用によって敷設面上の歩行者に照射される紫外線量を少なく抑えることができる。なお、木材チップによる従来の集成材は、木材チップの周囲がバインダーで覆われているために、木材本来の調湿作用や紫外線吸収作用を殆ど発揮することができない。従って、これらの点で本実施例の木質部2は、集成材から成る従来の木質部に比べて優れているといえる。
本実施例に係るインターロッキングブロック1を実際に敷設すると、木質部2はコンクリート部3により支持される。コンクリート部3は透水性コンクリートで形成されているため、降雨等によりインターロッキングブロック1が濡れた際、木質部2とコンクリート部3との結合面から水を速やかに逃がすことができる。従って、木質部2の腐食をより一層防止することができる。
[本発明に係るインターロッキングブロックの製造方法]
図3及び図4を参照しながら、一実施例に係るインターロッキングブロックの製造方法について説明する。ここでは、木質部2の材料である無垢木材として圧縮加工木材を採用した場合の製造方法を説明し、生木材を採用した場合の製造方法の説明は省略する。なお、生木材を採用した場合の製造方法は、図4のS1がないだけで、それ以外の工程は圧縮加工木材を採用した場合と同じである。
杉の生木材を、170℃の水蒸気雰囲気内に静置して軟化させた。次に、対向する治具でもって機械的に加圧することにより、全体が体積換算約50%まで圧縮された圧縮加工木材を作製した(図4のS1)。さらに、得られた圧縮加工木材に切削加工を施して、リブ22及び蟻溝21を有し、且つ四隅を面取りされた木質部2を作製した(図4のS2)。
次に、木質部2を、上下が開放されているとともに下部開口が可動鉄板11で塞がれた型10の奥まで、その下面(即ち蟻溝21が形成されている面)を上に向けて挿入した(図3(a)及び図4のS3)。
さらに、セメント、7号砕石及び混和剤を、最終的な単位容積質量に換算してセメント401kg/m3、7号砕石1735kg/m3、混和剤4.01kg/m3の割合で計量し(図4のS4)、よく混ぜた後に水122kg/m3を加えて混練した(図4のS5)。そして、得られた所定量の透水性コンクリート材料の混合物を、木質部2の下面を覆うように型10に投入し(図3(b)及び図4のS6)、蟻溝21の内部に固化前の透水性コンクリート材料の混合物が入り込むように、全体を振動加圧して一体化させた(図4のS7)。その後、型10を上方向にスライドさせて取り除き(図3(c))、可動鉄板11と共に密閉された養生室内で24時間の一次養生を施した後、養生室から取り出して可動鉄板11を取り除き、屋外で3日間の自然養生を施すことにより、透水性コンクリート材料の混合物を十分に固化させた(図4のS8)。最後に、インターロッキングブロック1を得た(図3(d))。
このように、本実施例の製造方法では、該蟻溝21内に透水性コンクリート材料の混合物を入り込ませ、固化させることで嵌合用凸部31を形成したため、蟻溝21の内部に嵌合用凸部31が略隙間無く入り込んだインターロッキングブロック1となる。これにより、蟻溝21と嵌合用凸部31を強く嵌合させることができるため、仮に木質部2が変形しても、木質部2がコンクリート部3から容易に剥離しない、耐久性に優れたインターロッキングブロック1を製造することができる。
型10の内側面には、突起32を形成するための窪みが適宜の位置に設けられているが、図3では図面の簡略化の都合上、窪みを図示していない。
本実施例では、木質部2の縦幅は96.5mm、横幅は196.5mmであり、どちらもコンクリート部3の縦幅及び横幅よりも1.5mmだけ小さく設計されている。これは、型10に木質部2を挿入し易くするためである。ただし、木質部2の縦幅及び横幅とコンクリート部3の縦幅及び横幅の差は、十分に短く設計されており、型10に挿入された木質部2の上から透水性コンクリート材料の混合物を投入しても(図3の(c))、木質部2の側面と型10の内側面との隙間に透水性コンクリート材料の混合物が入り込むことは殆どない。
なお、木質部2と型10の内側面との隙間の幅は、型10に投入される透水性コンクリート材料の混合物の粘性に応じて実験的に適宜設定すればよい。
なお、コンクリート部3を作製する際、使用済のコンクリート塊等から調製されたリサイクル材料を骨材として採用することができる。このようなリサイクル材料を用いることにより、インターロッキングブロック1の製造に際して資源の浪費を抑えることができるとともに、製造コストを抑えることもできる。
本実施例のインターロッキングブロック1を用いて舗装を施す際には、木質部2を上、コンクリート部3を下にして、多数のインターロッキングブロック1を敷き詰めた後、突起32によって形成される隣り合うインターロッキングブロック1の隙間に目地砂を入れる。これにより、インターロッキングブロック1を用いた敷設面が完成する。
[本発明に係るインターロッキングブロックの各種試験結果]
本発明に係るインターロッキングブロックの特性を調べるための各種試験を行った。その結果について以下に説明する。なお、いずれの試験においても、上記実施例に係る製造方法にて製造したインターロッキングブロック1及び木質部2、又は単体で製造したコンクリート部3(即ち、木質部2と一体化させることなく透水性コンクリート材料の混合物のみを固化させたもの)を使用した。
(1)木質部2の破壊荷重試験
本実施例の製造方法に基づき、杉の生木材の全体を圧縮加工した圧縮加工木材により作製した木質部2と、杉の生木材より作製した木質部2を用いて破壊荷重試験を行い、それぞれの曲げ強度を調べた。試験方法についてはJIS A5371の付属書B.5.2の規定に準拠した。結果を図5に示す。
生木材による木質部2の曲げ強度は21.92N/mm 2 であり、圧縮加工木材による木質部2の曲げ強度は23.78N/mm 2 であった。この結果から、木質部2は生木材・圧縮加工木材ともに高い曲げ強度を有し、特に圧縮加工木材から成る木質部2は高い曲げ強度を有することが明らかとなった。
(2)インターロッキングブロック1の破壊荷重試験
圧縮加工木材により作製した木質部2を有する、本実施例に係るインターロッキングブロック1を用いて破壊荷重試験を行い、曲げ強度を求めた。試験方法についてはJIS A5371の付属書B.5.2の規定に準拠した。曲げ強度は下記の計算式により計算した。
曲げ強度(N/mm2)=[1.5×最大荷重(N)×スパン(160mm)]/[インターロッキングブロック1の有効幅(mm)×(インターロッキングブロック1の高さ(mm)) 2
試験は計3回行い、3回の結果の平均を算出した。結果を図6に示す。
インターロッキングブロック1の曲げ強度は平均3.60N/mm 2 であり、インターロッキングブロック舗装設計施工要領(社団法人インターロッキングブロック舗装技術協会 平成19年3月)の規定する透水性インターロッキングブロックの規格値3.0N/mm 2 を上回った。
(3)コンクリート部3の透水性試験
コンクリート部3のみを用いて透水性試験を行い、透水係数を求めた。試験方法についてはJIS A5371の付属書B.5.3の規定に準拠した。透水係数は下記の計算式により計算した。
透水係数(cm/sec)=[コンクリート部3の高さ(cm)×Q(排水量:cm 3 )]/[水頭差(cm)×コンクリート部3の表面積(cm2)×30(sec)]
試験は計3回行い、3回の結果の平均を算出した。結果を図7に示す。
コンクリート部3の透水係数は、平均4.4×10-2cm/secであり、インターロッキングブロック舗装設計施工要領(社団法人インターロッキングブロック舗装技術協会 平成19年3月)の規定する透水性コンクリートの規格値1.0×10-2cm/secの4倍を上回る値であった。
(4)コンクリート部3の保水性・吸水性試験
コンクリート部3のみを用いて保水性・吸水性試験を行い、吸上げ高さ(%)及び保水量(g/cm3)を求めた。
保水性試験及び吸水性試験の詳細な方法については、それぞれJIS A5371の付属書B.5.4.1及び同付属書B.5.4.2の規定に準拠した。
まず、コンクリート部3を設定温度105℃の乾燥器内で一定質量になるまで乾燥した後、常温まで冷却した。この時の質量を計測して「絶乾質量」を得た。
次に、コンクリート部3を15〜25℃の清水中で24時間吸水させた後に取り出してプラスチック容器に密閉し、15〜40℃条件下で30分間水を切り、絞った濡れウエスで目に見える水膜をぬぐった後、質量を計測して「湿潤質量」を得た。
さらに、絶乾状態のコンクリート部3の底面から5mmの高さまでを、15〜25℃の清水に浸漬し、30分後にコンクリート部3を取り出して水が滴り落ちない程度まで水を切り、絞った濡れウエスで目に見える水膜をぬぐった後、質量を計測して「30分後の吸上げ質量」を得た。
これらの計量値を用いて、下記の式に基づき、保水量及び吸上げ高さを求めた。
保水量(g/cm3)=[湿潤質量(g)−絶乾質量(g)]/コンクリート部3の体積(cm3
吸上げ高さ(%)=100×[30分後の吸上げ質量(g)−絶乾質量(g)]/[湿潤質量(g)−絶乾質量(g)]
試験は計3回行い、3回の結果の平均を算出した。結果を図8に示す。
コンクリート部3の保水量は平均0.14g/cm3であり、吸上げ高さは平均53.0%であった。どちらもインターロッキングブロック舗装設計施工要領(社団法人インターロッキングブロック舗装技術協会 平成19年3月)の規定する規格範囲内(保水量<0.150g/cm3、吸上げ高さ<70%)において比較的高い数値であった。
以上の結果から、本実施例に係るインターロッキングブロック1及びそれに用いられる木質部2は、いずれも高い曲げ強度を示すことが分かった。従って、本実施例に係るインターロッキングブロック1は大きな荷重が加わっても破損や変形を起こしにくい性質を有する。また、インターロッキングブロック1のコンクリート部3は、高い透水性を有することが明らかとなった。故に、雨等により浴びた水分を木質部2とコンクリート部3の結合部から速やかに逃がして木質部2を腐食しにくくすることができる。さらに、コンクリート部3は、高い透水性を示す一方で、適度な保水性及び吸水性を有することが分かった。従って、インターロッキングブロック1内に適度な水分を保持することができるため、気化熱の作用により、敷設面付近の気温が上昇することをさらに防ぐことができる。
また、本実施例の木質部2は、無垢木材として圧縮加工木材及び生木材のいずれを用いた場合であっても、木材チップによる従来の集成材に比べて内部に水分を保持しにくく、腐食しにくい。また、前記集成材に比べるといずれの木質部2も強度が大きく、木質部2の上面に車両等の往来によって大きな荷重が加わっても割れにくい。また、容易に変形することがなく、コンクリート部3から剥離しにくい。特に、圧縮加工木材から成る木質部2は生木材から成る木質部2よりも内部組織が密になっており、上記した効果は顕著である。
なお、圧縮加工木材の圧縮加工面の表面硬度は、生木材に比べて高い。一方、圧縮加工木材の圧縮加工面の乾燥時のすべり抵抗値は生木材に比べて大きい反面、湿潤時のすべり抵抗値は生木材よりも小さい。これは、圧縮加工によって木目が細かくなり、木目の間の凹部に溜まる水によって滑り易くなる(すべり抵抗値が小さくなる)ためと考えられる。ただし、本実施例では、木質部の上面にリブ22(滑り止め用凹凸)を設けることにより、木質部2として圧縮加工木材を採用した場合であっても滑りにくいようにしている。
本実施例では、木質部2の嵌合用凹部として蟻溝21を設けたが、嵌合用凹部は蟻溝に限定されるものではなく、例えば図9に示すような円柱断面状の溝のように、開口部に比べて内部が膨らんでさえいれば良い。また、溝ではなく穴状の嵌合用凹部であってもよい。さらに、図9に示すように、嵌合用凹部は木質部2に複数個設けても良い。木質部2とコンクリート部3をそれぞれ上下方向に引っ張っただけでは両者の結合が解けないように、嵌合用凹部の数や、嵌合用凹部の開口部及び内部の大きさ等を適宜設計することが望ましい。
なお、変形例として、木質部2が嵌合用凸部を有し、コンクリート部3が嵌合用凹部を有する構成とすることもできる。この場合、嵌合用凸部を有するように木質部2を作製する以外、製造方法は上述の実施例と同じである。
製造方法の変形例として、木質部2とコンクリート部3を別々に作製した後、木質部2をコンクリート部3に取り付けるようにしても良い。この場合、一つの内側面に凹部を有する型に透水性コンクリート材料を混練して投入して養生処理を施し、前記透水性コンクリート材料の混合物を固化させることにより、嵌合用凸部31を有するコンクリート部3を予め作製しておく。次に、上述した実施例と同じ手法で作製した木質部2の嵌合用凹部を上記コンクリート部3の嵌合用凸部31に嵌合することにより、木質部2をコンクリート部3に取り付けてインターロッキングブロック1を形成することができる。
このような変形例の場合は、木質部2を型に挿入する工程がないので、木質部2をコンクリート部3より小さく設計する必要はない。ただしこの場合、コンクリート部3の固化後に木質部2を取り付けるため、例えば本実施例の蟻溝21のように、コンクリート部3と木質部2を互いにスライドさせることにより、コンクリート部3の嵌合用凸部31と木質部2の嵌合用凹部を嵌合できるように嵌合用凹部の形状を設計する。
なお、上記実施例は本発明の一例であり、本発明の趣旨の範囲で適宜、変形や修正、追加を行うことができる。
生木材を圧縮加工する別の方法として、軟化処理を施されていない生木材を200℃程度に熱した熱圧ローラー又は平板で加熱圧縮する方法を採用しても良い。この方法では、加熱面を含む一部分のみが圧縮された圧縮加工木材を得ることができる。比較的柔らかい生木材であれば、加熱せずに圧縮するだけでも同様の圧縮加工木材を得ることができる。
なお、このような圧縮加工処理であっても生木材の表面硬度を上昇させることができる。
また、熱処理木材を用いて木質部2を形成することもできる。但し、処理温度が170℃付近だと、シロアリを誘引する物質が生成することがあるため好ましくない。一方、生木材を180〜220℃程度の高温に曝せば、防カビ性や防蟻性を有する熱分解生成物が生じることにより、木材の耐腐食性や防蟻性が大幅に向上するだけでなく、寸法安定性も向上する。また、このような熱処理によって木材を十分に乾燥させることもできる。
上記のような熱処理木材として、例えば「コシイ・スーパーサーモ」(越井木材工業株式会社製)のような市販の熱処理木材を採用することができる。
また、本実施例に係るインターロッキングブロック1は略直方体状であるとしたが、他の形状であっても良い。突起32の形状や個数も本実施例に限定されるものではない。
1…インターロッキングブロック
2…木質部
3…コンクリート部
10…型
11…可動鉄板
21…蟻溝(嵌合用凹部)
22…リブ(滑り止め用凹凸)
31…嵌合用凸部
32…突起

Claims (3)

  1. 上面に滑り止め用凹凸を有するとともに下面に1つの嵌合用凹部を有する、無垢木材から成る木質部と、
    上面に前記嵌合用凹部に対応する1つの嵌合用凸部を有する、透水性コンクリートから成るコンクリート部と、
    から成り、
    前記木質部が、前記無垢木材を板目取りした板材から成り、該板材の芯側の板目が前記木質部の上面になるように構成され、かつ前記1つの嵌合用凹部が前記板目の木芯部分の略真下に形成されており
    前記嵌合用凹部及び前記嵌合用凸部が、下部断面積よりも上部断面積の方が大きくなるように構成されていることを特徴とするインターロッキングブロック。
  2. 前記木質部が、その全体が180〜220℃で熱処理された無垢木材から成ることを特徴とする、請求項1に記載のインターロッキングブロック。
  3. 前記嵌合用凹部は、インターロッキングブロックの一対の対向側面の一方から他方に貫通する蟻溝であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のインターロッキングブロック。
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