以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るプリンタの全体構成を示した断面図である。図2(a)(b)は紙詰まり検出センサ19から出力される検出信号を示す図である。図3は、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態検出用のトナーパターンが形成された中間転写ベルトと、紙詰まり検出センサ19とを示した概略図である。図4は、トナーパターン濃度センサの構成を示す図である。
本発明の一実施形態に係るプリンタ(画像形成装置の一例)1の内部構造の概要について説明する。図1に示すように、本実施形態のプリンタ1は、箱形でなる装置本体11を有する。装置本体11の内部には、ネットワーク接続等がされたコンピュータ等の外部機器から伝送されてくる画像データに基づき画像を形成する画像形成部12と、この画像形成部12によって形成され、記録紙Pに転写された画像に定着処理を施す定着部13と、転写用の記録紙を貯留する用紙貯留部14とが備えられている。装置本体11の上部には、定着処理後の記録紙Pが排出される用紙排出部15が形成されている。
装置本体11上部の正面側には、記録紙Pの出力条件等を入力操作するための図略の操作パネルが設けられている。この操作パネルには、電源キーやスタートボタン、さらには出力条件を入力するための各種のキー等が設けられている。また、操作パネルには、表示部16(図5)が設けられており、当該表示部16がプリンタ1の動作状況や状態等を表示する。
画像形成部12は、用紙貯留部14から給紙された記録紙Pにトナー画像を形成させるものである。本実施形態では、画像形成部12は、上流側(図1においては後側)から下流側へ向けて順次配設された、マゼンタ色の現像剤を用いるマゼンタ用ユニット12Mと、シアン色の現像剤を用いるシアン用ユニット12Cと、イエロー色の現像剤を用いるイエロー用ユニット12Yと、ブラック色の現像剤を用いるブラック用ユニット12Kとを備える。
そして、各ユニット12M,12C,12Y,12Kには、感光体ドラム120及び現像装置121がそれぞれ備えられている。感光体ドラム120は、周面に静電潜像およびこの静電潜像に沿ったトナー像(可視像)を形成させるものであり、周面にアモルファスシリコン層が積層されている。各ユニットの感光体ドラム120は、図1において反時計方向へ向けて回転しつつ現像装置121から現像剤の供給を受ける。
各感光体ドラム120の直下位置には帯電装置122がそれぞれ設けられているとともに、各帯電装置122のさらに下方位置には露光装置123が設けられている。各感光体ドラム120は、帯電装置122によって周面が一様に帯電され、当該帯電後の感光体ドラム120の周面に対して、上記コンピュータ等から入力された画像データに基づく各色に対応したレーザー光が各露光装置123から照射される。これにより、各感光体ドラム120の周面に静電潜像が形成される。かかる静電潜像に現像装置121から現像剤が供給されて、感光体ドラム120の周面にトナー像が形成される。
感光体ドラム120の上方位置には、駆動ローラ124a及び従動ローラ124b間に張架された中間転写ベルト(中間転写体)124が設けられている。この中間転写ベルト124は、当該各感光体ドラム120に当接させて設けられている。中間転写ベルト124は、各感光体ドラム120に対応して設けられた1次転写ローラ125によって感光体ドラム120の周面に押し付けられた状態で、各感光体ドラム120と同期しながら駆動ローラ124aと従動ローラ124bとの間を周回(無端回転)する。
中間転写ベルト124が周回すると、それぞれの1次転写ローラ125により中間転写ベルト124の周面に対してマゼンタ用ユニット12Mの感光体ドラム120によるマゼンタトナーのトナー像の転写が行なわれ、ついで中間転写ベルト124の同一位置にシアン用ユニット12Cの感光体ドラム120によるシアントナーのトナー像の転写が重ねて行なわれ、ついで中間転写ベルト124の同一位置にイエロー用ユニット12Yの感光体ドラム120によるイエロートナーのトナー像の転写が重ねて行なわれ、最後にブラック用ユニット12Kの感光体ドラム120によるブラックトナーのトナー像の転写が重ねて行なわれる。これにより中間転写ベルト124の周面にカラーのトナー像が形成される。この中間転写ベルト124の周面に形成されたカラーのトナー像は、用紙貯留部14から搬送されてきた記録紙Pに転写される。なお、画像形成部12の上記各ユニットは、後述する制御部21(図5)による制御の下、中間転写ベルト124上に後述のトナーパターン25(図3)を形成する。
各感光体ドラム120には、感光体ドラム120の周面の残留トナーを除去して清浄化するクリーニング装置126が設けられている。クリーニング装置126によって清浄化処理された感光体ドラム120の周面は、新たな帯電処理のために帯電装置122へ向かう。
中間転写ベルト124の駆動ローラ124aと対向する位置には、中間転写ベルト124の周面と当接した状態で2次転写ローラ(2次転写部)113が設けられている。この中間転写ベルト124を挟んで駆動ローラ124aと2次転写ローラ113とのニップ部には、図1の上下方向に延びる用紙搬送路111が形成されている。この用紙搬送路111には、適所に搬送ローラ対112が設けられ、用紙貯留部14からの記録紙が、搬送ローラ対112の駆動により、中間転写ベルト124と2次転写ローラ113とのニップ部に向けて搬送される。用紙搬送路111における中間転写ベルト124と2次転写ローラ113とのニップ部では、当該用紙搬送路111を搬送される記録紙Pが中間転写ベルト124と2次転写ローラ113とによる押圧挟持と、2次転写ローラ113の転写バイアスとにより、中間転写ベルト124上のトナー像が当該記録紙Pに転写される。2次転写ローラ113は、支持部材18に支持された状態で装置本体11内に収容されている(詳細は後述)。
定着部13は、中間転写ベルト124と2次転写ローラ113とのニップ部で記録紙Pに転写されたトナー像を当該記録紙Pに対して定着処理を施すものである。定着部13は、内部に加熱源である通電発熱体を備えた加熱ローラ131と、この加熱ローラ131と対向配置された定着ローラ132と、この定着ローラ132及び加熱ローラ131間に張設された定着ベルト133と、この定着ベルト133を介して前記定着ローラ40と対向配置された加圧ローラ134とを備えている。トナー像が転写された状態で定着部13へ供給された記録紙Pは、加圧ローラ134と高温の定着ベルト133との間を通過しながら加熱ローラ131からの熱を得て定着処理が施される。
定着処理が完了した記録紙Pは、定着部13の上部から延設された排紙搬送路114を通って装置本体11の頂部に設けられた用紙排出部15の排紙トレイ151へ向けて排出される。
用紙貯留部14は、装置本体11の図1における右側壁に開閉自在に設けられた手差しトレイ141と、装置本体11内における露光装置123より下方位置に挿脱可能に装着された用紙トレイ141とを備えている。用紙トレイ141には用紙束が貯留される。
用紙トレイ141は、上面が全面開口の箱体を備えて構成され、複数枚の記録紙Pが積層されてなる用紙束P1が貯留可能である。用紙トレイ141に貯留された用紙束P1の最上位の記録紙Pは、下流端(図1における左端)の上面が用紙束P1からピックアップローラ143の駆動で用紙搬送路111へ向けて繰り出され、1枚ずつ繰り出されて記録紙Pが搬送ローラ対112の駆動で用紙搬送路111を通って画像形成部12における2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との間のニップ部へ向けて送り込まれる。
装置本体11の図1における左側部には、装置内部を開放するために外形ケースに設けられた開閉自在な本体カバー17と、当該本体カバー17よりも装置内側に設けられて2次転写ローラ113や定着部13の加圧ローラ134等を支持する支持部材18とが設けられている。この本体カバー17及び支持部材18は、図22(b),(c)に示すように、それぞれの下部を支点として直立姿勢と前傾姿勢との間で回動による姿勢変更可能に構成されている。
支持部材18は、直立姿勢となったときに、2次転写ローラ113が駆動ローラ124aに張架された状態の中間転写ベルト124に当接し、加圧ローラ134が定着ローラ132に当接する構成とされている。本体カバー17が図22(a)に示す矢印方向に引き出して回動され、図22(b)に示すように本体カバー17が開状態となり、更に支持部材18を装置外方(図22(b)の矢印方向)に回動されると、2次転写ローラ113及び加圧ローラ134がそれぞれ中間転写ベルト124及び定着ローラ132から離間させるとともに用紙搬送路111が露出する構成とされている(図22(c))。このため、ユーザは、本体カバー17及び支持部材18を回動させて装置内部を開放させることで、2次転写ローラ113及び中間転写ベルト1247のニップ部付近で発生したジャム処理が可能である。
また、プリンタ1は、記録紙Pが2次転写ローラ113と中間転写ベルト124とのニップ部において紙詰まり(ジャム)を生じているか否かを検出する紙詰まり検出センサ(紙詰まり検出部)19を備えている。この紙詰まり検出センサ19は、例えば発光部及び受光部からなる光学センサと制御部21とにより構成される。
紙詰まり検出センサ19は、例えば、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124とのニップ部の下流となる用紙搬送路111に設けられている。紙詰まり検出センサ19の発光部が用紙搬送路111の一部をなす側壁に配設され、受光部は、当該発光部に対向する用紙搬送路111の側壁部分であって、発光部から発光される光を受光可能な位置に設けられている。この紙詰まり検出センサ19は、用紙搬送路111上の複数の位置に設置されていてもよい。紙詰まり検出センサ19の発光部は、例えば発光ダイオード等で構成され、受光部は、例えばフォトトランジスタ等で構成されている。発光部から出力される光が受光部で受光されるとき、該受光部からH(ハイ)の信号が出力され、発光部から受光部への光が遮光されるとき、該受光部からL(ロー)の信号が出力されるようになっている。なお、紙詰まり検出センサ19は、例えば、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124とのニップ部の上流となる用紙搬送路111に設けられていてもよい。
ジャムが発生していないときには、記録紙Pが給紙カセット142から間欠的に搬送されることから、図2(a)に示すように、記録紙Pが発光部と受光部との間を通るL(ロー)の期間T1(時間t1)と、次の記録紙が発光部と受光部との間に搬送されるまでのH(ハイ)の期間T2(時間t2)とが周期的に発生する。時間t1は、用紙Pの搬送方向の長さと用紙Pの搬送速度とに応じて定まる値である。一方、ジャムが発生したときには、発光素子と受光素子との間に記録紙Pが前記時間t1以上滞留するため、受光素子から前記時間t1以上の期間L(ロー)の信号が出力される。
これに基づき、制御部21は、HからLへの立下りタイミングから時間t1後にLからHへ立ち上がる信号(図2(a))を受信したときにはジャムは発生していないものと判断し、HからLへの立下りタイミングから時間t1が経過してもLからHへ立ち上がらない信号(図2(b))に示す信号を受信したときにはジャムが発生したものと判断する。
また、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124とのニップ部よりも、中間転写ベルト1240の走行方向の下流側となる位置であって、中間転写ベルト1240の周面に対向する位置には、トナーパターン濃度検出センサ(トナーパターン濃度検出部)23が設けられている。トナーパターン濃度検出センサ23は、中間転写ベルト124周面上のトナー濃度を検出するセンサである。トナー濃度検出センサ23は、中間転写ベルト1240の駆動ローラ124aの長さ方向(回転軸方向)において異なる2つの箇所に設けられている(トナー濃度検出センサ23の数を2つに限定する趣旨ではない)。図3に示すように、中間転写ベルト124の幅方向(駆動ローラ124aの長さ方向)両端付近に臨むように、当該中間転写ベルト124の周面と所定間隔を隔ててそれぞれのトナー濃度検出センサ23が配設されている。トナー濃度検出センサ23は、後述の図5に示すように、制御ユニット20に電気的に接続されており、検出したトナーパターンの濃度を制御部21に対して出力する。
トナーパターン濃度検出センサ23は、例えば、以下に示す構成からなる。図4に示すように、トナーパターン濃度検出センサ23は、中間転写ベルト124周面上の任意点pに対して中間転写ベルト124の走行方向における一方側に発光部231が配置され、他方側に受光部232が配置されている。発光部231は、中間転写ベルト124周面上の上記点pに向けて光を出力する光源部2311と、光源部2311から出力された光を第1、第2偏光成分に分光するビームスプリッタ2312と、ビームスプリッタ2312からの一方の偏光成分を受光する受光素子2313とを備える。第1、第2偏光成分は、ブラックトナー画像に対して大きな出力が得られるP波と、マゼンタトナー、シアントナー及びイエロートナーのカラートナー画像に対して大きな出力が得られるS波である。そして、P波はそのまま中間転写ベルト124周面に入射し、S波はビームスプリッタ2312から取り出された後、受光素子2313に入射される。
発光部231は、例えばLED(Light Emitting Diode)を備えて構成され、中間転写ベルト124周面に対して角度θをなす態様で、前記点pに向けてP波及びS波を同量ずつ含む光を出力する。受光素子2313は、発光部231の出力動作を制御するために設置されているものであり、受光素子2313から照射光量に比例した信号が制御部21に出力される。制御部21は、受光素子2313の出力信号が常に一定となるように、光源部2311の出力光を制御する。
受光部232は、中間転写ベルト124周面から反射されてきた光を第1、第2偏光成分に分光するビームスプリッタ2321と、該ビームスプリッタ2321により分光された第1、第2偏光成分のうち第1偏光成分の光を受光する第1受光素子2322と、第1、第2偏光成分のうち第2偏光成分の光を受光する第2受光素子2323とを備えて構成されている。
中間転写ベルト124周面で反射された発光部231からの光は、上記入射角θと同一角度近傍の正反射光とそれ以外の拡散光とを含み、中間転写ベルト124周面に転写されたトナーの量に応じて、拡散光成分の割合が増加して第1、第2受光素子2322,2323により受光される第1、第2偏光成分の比が変化する。
トナーパターン濃度検出センサ23は、この原理を利用し、第1、第2受光素子2322,2323で受光した第1、第2偏光成分の比に対応するアナログ電圧を制御部21に出力するものであり、中間転写ベルト124周面にトナーが無いときに第1受光素子2322により受光される第1偏光成分が最大となって、前記出力電圧が最大値となり、中間転写ベルト124周面上におけるトナーの量が増加するにしたがって第1偏光成分の光量が減少して、前記出力電圧が低下する。制御部21は、トナーパターン濃度検出センサ23の出力信号に基づいて、中間転写ベルト124周面に付着しているトナーの量を算出する。
また、装置本体1の図1における左側部には、本体カバー17の開閉状態を検出する開閉検出スイッチ(カバー開閉検出部)30が設けられている。開閉検出スイッチ30は、例えば、本体カバー17が閉じられたときに本体カバー17によって押下されてオンとなり、本体カバー17が開かれたときに当該押下状態から開放されてオフ状態となる機械的なスイッチ機構からなり、当該オン又はオフを示す検出信号を上記制御ユニット20(制御部21)に対して出力する。
なお、中間転写ベルト124を挟んで従動ローラ124bと対向する位置には、中間転写ベルト124上のトナーを除去するクリーニングローラ(クリーニング部)35が設けられている。
また、中間転写ベルト124の前側下方には、画像形成部12の各ユニット12M,12C,12Y,12Kの色補正のためのトナー濃度検出に用いられる第2トナー濃度検出センサ(第2トナー濃度検出部)24が設けられている。この第2トナー濃度検出センサ24も、上記制御ユニット20の制御部21に電気的に接続されており、制御部21が、第2トナー濃度検出センサ24から得たトナー濃度に基づいて、中間転写ベルト124から記録紙Pに転写されるトナー像の濃度等を補正する。すなわち、制御部21は、第2トナー濃度検出センサ24から得られたトナー濃度を、予め定められた適正な濃度に近付けるために、各ユニット12M,12C,12Y,12Kの帯電バイアス、露光出力又は現像バイアスの変更処理、或いはプリント対象とする画像データのドット数変換等の処理を行う。なお、第2トナー濃度検出センサ24は、上述したトナーパターン濃度検出センサ23と同様の構成である。
次に、プリンタ1の制御系の構成を説明する。図5は、プリンタ1の制御系を示したブロック図である。
制御ユニット20は、CPU、ROM、RAMからなる。制御ユニット20は、各種信号の入力・出力および演算を行う制御部21と、データを記憶する記憶部22と、閾値変更部28とを有している。
制御部21は、各色ユニット12M,12Y,12C,12Kを有する画像形成部12と、2次転写ローラ113に転写バイアスを印加するバイアス印加部26と、LCD(Liquid Crystal Display)等でなる表示部16とを制御する。上述したトナー濃度検出センサ23と、第2トナー濃度検出センサ24も、制御部21に対して、検出信号の出力が可能に接続されている。制御部21は、プリンタ1の全体的な動作制御を司り、装置各部の機構を制御するが、図5には、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理に関する機構のみを示している。
カウンタ27は、トナーパターンの形成に関係する予め定められた機構、例えば、画像形成部12のイエロー用ユニット12Yの現像ユニットに対して設けられている。カウンタ27は、プリントジョブが入力されて画像形成動作が行われる場合に、イエロー用ユニット12Yによって画像形成が行われる記録紙の枚数や画像形成開始時からの経過時間を計測する。また、カウンタ27は、当該イエロー用ユニット12Yがプリンタ1から取り外され、新たな別個のイエロー用ユニット12Yに取り換えられたときに、カウント値がリセットされる。カウンタ27は、後述するユニット別カウンタ32M,32C,32Y,32Kを兼ねるものであってもよい。
検出処理実行回数カウンタ31は、制御部21によって2次転写ローラ113と中間転写ベルト124の周面との接触状態の検出処理が行われた回数を計測する。
ユニット別カウンタ32M,32C,32Y,32Kは、画像形成部12に備えられる各色のユニット12M,12C,12Y,12Kにそれぞれ設けられたカウンタである。ユニット別カウンタ32M,32C,32Y,32Kは、画像形成量(例えば、画像形成動作の回数(画像形成を行った記録紙の枚数)、又は画像形成時間等))の増加に応じてカウントアップする。
不許可回数カウンタ33は、トナーパターン濃度検出センサ23によって検出されるトナーパターン濃度に基づいた制御部21による2次転写ローラ113と中間転写ベルト124の周面との接触状態の検出処理において、制御部21が画像形成動作を許可しないと判断した回数をカウントするカウンタである。
また、中間転写ベルト124上のトナーを除去するクリーニングローラ35も制御部21によって駆動が制御される。さらに、2次転写ローラ113、中間転写ベルト12、画像形成部12及び定着装置13の各駆動源である駆動モータ(当該各駆動源の総称)500も制御部21によって制御される。
制御部21は、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態検出時には、トナーパターン25を、画像形成部12及び中間転写ベルト124を駆動して、例えば画像形成部12のイエロー用ユニット12Yに、中間転写ベルト124上の幅方向両端付近にそれぞれ形成させる(図2)。このトナーパターン25は、予め定められた濃度(例えば、ID値1.4(センサ値633))からなり、例えば1辺が約2cmの正方形状である。なお、当該トナーパターン25を、中間転写ベルト124の略全幅に亘る帯状に形成してもよい。制御部21は、当該トナーパターン25を形成させた場合、当該トナーパターン25を、中間転写ベルト124の周面上から2次転写ローラ113表面上に転写させ、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124とのニップ部よりも下流側に配置されているトナー濃度検出センサ23に、中間転写ベルト124の周面上に残留するトナーパターン25の濃度を検出させる。
そして、制御部21は、上記2つのトナー濃度検出センサ23から得られるそれぞれのトナーパターンについての濃度が、予め定められた閾値(例えば、)以下であれば、画像形成部12,中間転写ベルト124,1次転写ローラ125、2次転写ローラ113,定着部13等にプリントジョブに基づく画像形成動作を許可し、上記それぞれのトナーパターンについての濃度が上記閾値よりも大きければ、プリントジョブに基づく画像形成動作を許可しない。この場合、制御部21は、プリントジョブに基づく画像形成動作を許可しないと判断したときは、ユーザに対する警告を表示部16に行わせる。
記憶部22は、制御部21が、トナー濃度検出センサ23から得られるトナー濃度に基づいて、上記プリントジョブに基づく画像形成動作を行わせるか否かの判断に用いる閾値が記憶されている。制御部21は、トナー濃度検出センサ23から得られるトナー濃度が、記憶部22に記憶されている閾値以下である場合に上記プリントジョブに基づく画像形成動作を許可し、トナー濃度検出センサ23から得られるトナー濃度が、記憶部22に記憶されている閾値よりも大きい場合には、上記プリントジョブに基づく画像形成動作を許可しない。
すなわち、中間転写ベルト124を用いた2次転写方式による画像形成の場合、中間転写ベルト124から2次転写ローラ113に適切にトナーパターンが転写された後は、中間転写ベルト124と2次転写ローラ113とのニップ部下流側におけるトナーパターンの濃度が、ニップ部上流側における中間転写ベルト124上のトナーパターンの濃度よりも、上記転写で2次転写ローラ113側に移動したトナー量の分だけ低下することからすれば、トナーパターン濃度検出センサ23によって検出されたトナーパターンの濃度が当該低下を示さないことは、中間転写ベルト124と2次転写ローラ113とが適切な転写が可能な状態で接触していないことを示す。これに基づき、制御部21は、当該トナーパターン濃度検出センサ23によって検出されたトナーパターンの濃度が予め定められた閾値以下でなければ、プリントジョブに基づく画像形成動作を許可しないようになっている。これは、ユーザから見れば、制御部21は、上記トナーパターン濃度検出センサ23によって検出されたトナーパターンの濃度に基づいて、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124とが適切な転写が可能な接触状態となっているか否かを検出していることになる。
また、記憶部22は、第2トナー濃度検出センサ24によって検出される中間転写ベルト124周面上のトナーパターンの各トナー濃度に対応するそれぞれの上記閾値(制御部21が、トナー濃度検出センサ23から得られるトナー濃度に基づいて、上記プリントジョブに基づく画像形成動作を行わせるか否かの判断に用いる閾値)を記憶している。さらに、記憶部22は、カウンタ27によってカウントされる各カウント値に対応するそれぞれの上記閾値を記憶している。
また、記憶部22には、表示部16に表示させる各種表示データが記憶されている。記憶部22は、制御部21が上記接触状態検出処理において画像形成動作を許可するか否かの各場合に対応した表示データを記憶している。さらに、記憶部22は、制御部21が上記接触状態検出処理において画像形成動作を許可しないと判断した各頻度に対応付けられたそれぞれの表示データを記憶している。制御部21は、画像形成動作を許可しないと判断した頻度に対応付けられた表示データを記憶部22から読み出し、当該読み出した表示データを表示部16段に表示させる。
閾値変更部28は、第2トナー濃度検出センサ24によって検出される上記トナーパターンの濃度、又はカウンタ27のカウント値に基づいて、制御部21によって画像形成動作の許可又は不許可の判断に用いられる上記閾値を変更するか否かを判断し、当該閾値を変更する場合には、第2トナー濃度検出センサ24によって検出される上記トナーパターンのトナー濃度、又はカウンタ27のカウント値に対応する上記閾値を記憶部22から読み出し、制御部21によって用いられる上記閾値を変更する。
次に、プリンタ1による2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の第1実施形態を説明する。図6は、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
プリンタ1の動作中に、紙詰まり検出センサ19から送られてくる信号に基づいて、制御部21が、紙詰まり検出センサ19から送られてくる上述した検出信号に基づいて、2次転写ローラ113及び中間転写ベルト124とのニップ部近傍における紙詰まり発生を検出した場合(S1でYES)、制御部21は、本体カバー17が閉じられているか否かを、開閉検出スイッチ30から送られてくるオン又はオフを示す検出信号に基づいて判断すると共に(S2)、さらに、2次転写ローラ113及び中間転写ベルト124とのニップ部近傍における上記紙詰まりが解消したか否かを、紙詰まり検出センサ19から送られてくる検出信号に基づいて判断する(S3)。
制御部21は、本体カバー17が閉じられ(S2でYES)、かつ、2次転写ローラ113及び中間転写ベルト124とのニップ部近傍における上記紙詰まりが解消したと判断した場合(S3でYES)、画像形成部12、中間転写ベルト124及び2次転写ローラ113を駆動させて、2次転写ローラ113及び中間転写ベルト124との接触状態を検出するためのトナーパターンを、画像形成部12のイエロー用ユニット12Yに、中間転写ベルト124上の幅方向両端付近にそれぞれ形成させる(S4)。なお、イエロー用ユニット12Yがトナーパターン形成に用いられるのは、当該トナーパターンを構成するトナーが中間転写ベルト124上に残留し、この後にプリントジョブに基づいて画像形成が行われた記録紙に当該残留トナーが付着しても、他色トナーに比べてユーザが視認しにくいためである。
このとき、制御部21は、バイアス印加部26に、2次転写ローラ113に正バイアスを印加させることで(S5)、上記トナーパターン25を中間転写ベルト124から2次転写ローラ113に転写させる。
続いて、上記中間転写ベルト124から2次転写ローラ114へのトナーパターンの転写が行われた中間転写ベルト124及び2次転写ローラ114のニップ部の下流側において、2つのトナーパターン濃度検出センサ23が、中間転写ベルト124上のトナーパターンの濃度を検出する(S6)。すなわち、トナーパターン濃度検出センサ23によって、上記中間転写ベルト124から2次転写ローラ114に転写されずに中間転写ベルト124上に残ったトナーの濃度が検出される。
そして、制御部21は、2つのトナー濃度検出センサ23により検出された残留トナーの濃度の両方が、記憶部22に記憶されている上記閾値以下であるか否かを判断する(S7)。制御部21は、上記2つのトナー濃度検出センサ23により検出されたトナー濃度が両方ともに閾値以下であると判断した場合(S7でYES)、次に新たに入力されるジョブによる画像形成を許可する(S8)。すなわち、制御部21は、次に新たにプリントジョブが入力された場合には、画像形成部12、中間転写ベルト124及び2次転写ローラ113、定着部13、及び記録紙搬送機構等を駆動させてプリント動作を行わせるようにする。このように上記2つのトナーパターン濃度検出センサ23により検出されたトナー濃度が両方ともに閾値以下である場合は、中間転写ベルト124の駆動ローラ124aの回転軸方向の略全域に亘って、適切な転写が可能な状態で2次転写ローラ113が中間転写ベルト124の周面に接触していると判別できるためである。
この後、制御部21は、バイアス印加部26に、2次転写ローラ113に逆バイアスを印加させて(S9)、2次転写ローラ113上に転写された上記トナーパターン25を中間転写ベルト124上に戻すための転写を行わせる。さらに、制御部21は、記憶部22から、画像形成許可時に表示させるべき表示データを読み出し、操作パネルの表示部16に表示させる(S10)。例えば、制御部21は、ユーザに対してプリント準備が完了したことを示す「Ready」の旨の表示を表示部16に表示させる(S10)。
一方、S7において、制御部21は、上記2つのトナーパターン濃度検出センサ23により検出された残留トナー濃度のうちのいずれか一方でも上記閾値よりも高いと判断した場合には(S7でNO)、次に新たに入力されるジョブによる画像形成を許可しない(S11)。すなわち、制御部21は、次に新たにプリントジョブが入力されても、画像形成部12、中間転写ベルト124及び2次転写ローラ113、定着部13、及び記録紙搬送機構等を駆動させず、プリント動作を行わせないようにする。上記2つのトナーパターン濃度検出センサ23により検出されたトナー濃度がいずれかでも閾値よりも大きい場合は、中間転写ベルト124の駆動ローラ124aの回転軸方向の略全域において適切な転写が可能な状態で2次転写ローラ113が中間転写ベルト124の周面に接触していないと判別できるためである。
このとき、制御部21は、記憶部22から、画像形成不許可時に表示させるべき表示データを読み出し、操作パネルの表示部16に表示させる(S12)。例えば、操作パネルの表示部16に、ユーザに対してプリントができないことを示す「Error」の旨の表示を行わせる(S12)。さらに、制御部21は、バイアス印加部26に、2次転写ローラ113に逆バイアスを印加させて(S13)、2次転写ローラ113上に転写された上記トナーパターン25を中間転写ベルト124上に戻すための転写を行わせる。なお、異常状態の警告部としては、上記表示部16による表示のみならず、スピーカからの警報音やランプの点滅等であってもよい。
また、上記S1で、制御部21は、2次転写ローラ113及び中間転写ベルト124とのニップ部近傍における紙詰まりの発生を検出しない場合(S1でNO)、上記S4乃至S7に示した中間転写ベルト124と2次転写ローラ114との接触状態の検出処理を行わずに、通常のプリント動作を行わせる(S20)。
なお、上記第1実施形態では、制御部21は、本体カバー17が閉じられ(S2でYES)、かつ、2次転写ローラ113及び中間転写ベルト124とのニップ部近傍における上記紙詰まりが解消したと判断した場合に(S3でYES)、S4乃至S7に示した上記接触状態検出処理を行わせるようにしているが、これに代えて、本体カバー17が閉じられたか否かに拘わらず、2次転写ローラ113及び中間転写ベルト124とのニップ部近傍における上記紙詰まりが解消したと判断されれば、S4乃至S7に示した上記接触状態検出処理を行わせるようにしてもよい。
次に、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の第2実施形態を説明する。図7は、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の第2実施形態を示すフローチャートである。なお、上記第1実施形態と同様の処理は同符号を付して説明を省略する。
上記第1実施形態では、2次転写ローラ113及び中間転写ローに124のニップ部近傍で紙詰まりが発生し、その後に本体カバーが閉じられ、当該紙詰まりの解消が検出されたときに(図6のS1でYES,S2でYES,S3でYES)、制御部21が、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理(図5のS4乃至S7)を行うものとしているが、第2実施形態では、制御部21は、プリンタ1の主電源が投入されたときに(図6のS21でYES)、制御部21が、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理(図6のS4乃至S7)を行う。
このようにすれば、本体カバー17及び支持部材18の開閉(紙詰まり解消操作)がユーザによって行われた可能性がある主電源オフ状態から、主電源が投入された状態にプリンタ1が移行した場合に、制御部21が上記接触状態の検出処理を行うので、当該接触状態検出処理を、中間転写体周面と転写部とが適切に接触しているか否かの検出が真に必要な場合に絞って行わせることができる。また、主電源の投入時には、定着部13や画像形成部12に備えられる現像装置の安定化処理(ウォーミングアップ処理又はエージング処理等)が行われるため、この安定化処理に要する時間を利用して上記接触状態検出処理を並行して行わせることができるので、上記接触状態検出処理のためだけに時間を要するということがない。
次に、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の第3実施形態を説明する。図8は、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の第3実施形態を示すフローチャートである。なお、第1及び第2実施形態と同様の処理は説明を省略する。また、この第3実施形態では、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の開始タイミングとして特定のタイミングを示さないが、上述した第1実施形態又は第2実施形態と同様のタイミングで開始するものとしてもよい。
制御部21は、2次転写ローラ113及び中間転写ベルト124との接触状態検出時に、当該検出に用いる上記トナーパターンを、画像形成部12、中間転写ベルト124及び2次転写ローラ113を駆動して、イエロー用ユニット12Yに、中間転写ベルト124上の幅方向両端付近にそれぞれ形成させる(S41)。
このとき、制御部21は、中間転写ベルト124と2次転写ローラ113とのニップ部よりも上流側に配置されている第2トナー濃度検出センサ24に、上記中間転写ベルト124上に形成させた各トナーパターンの濃度を検出させる(S42)。
そして、閾値変更部28は、上記第2トナー濃度検出センサ24によって検出されたトナーパターンの濃度に対応する閾値(制御部21が、トナーパターン濃度検出センサ23から得られるトナー濃度に基づいて、プリントジョブに基づく画像形成動作を行わせるか否かの判断に用いる閾値)を記憶部22から読み出す(S43)。
ここで、閾値変更部28は、(1)中間転写ベルト124上に形成された各トナーパターンの濃度は、両者とも同じであると仮定して、いずれか一方のトナーパターンのみのトナー濃度に基づき、当該一方のトナー濃度に対応する閾値を記憶部22から読み出してもよいし、また、(2) 中間転写ベルト124上に形成された両方のトナーパターンの濃度の平均値を算出し、当該トナー濃度平均値に対応する閾値を記憶部22から読み出してもよい。この後、閾値変更部28は、当該読み出した閾値を、制御部21によって上記プリントジョブに基づく画像形成動作を行わせるか否かの判断に用いられる閾値として設定する(S44)。この後に行われる図8に示すS45乃至S53の処理は、図6に示した第1実施形態のS5乃至S13と同様である。
この第3実施形態によれば、閾値変更部28は、上記ニップ部よりも上流側において第2トナー濃度検出センサ24によって検出されるトナーパターンの濃度(すなわち、2次転写ローラ113に転写される前のトナーパターンの濃度)が変化すれば、制御部21によって用いられる上記閾値を、当該トナー濃度変化の量に合わせて変化させるので、画像形成部12又は中間転写ベルト124の経時変化や周囲環境変化の影響で、中間転写ベルト124上に転写される上記トナーパターンの濃度が変化した場合であっても、制御部21は、中間転写ベルト124周面から2次転写ローラ113へのトナーパターン転写前後における中間転写体周面上でのトナーパターンの濃度変化を正確に検出することができ、従来よりも、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態を精度良く検出可能となる。
また、第2トナー濃度検出センサ24は、画像形成部12による画像形成時の濃度検出に用いられているセンサであるので、従前から用いられている機構を利用して、上記第3実施形態の処理を行うことができる。
次に、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の第4実施形態を説明する。図9は、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の第4実施形態を示すフローチャート、図10及び図11は、カウンタ27のカウント処理を示すフローチャートである。図12及び図13は画像形成量と画像形成量に対応する閾値を示す図である。なお、第1乃至第3実施形態で示した処理と同様の処理は説明を省略する。また、この第4実施形態では、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の開始タイミングとして特定のタイミングを示さないが、上述した第1実施形態又は第2実施形態と同様のタイミングで開始するものとしてもよい。
まず、カウンタ27のカウント処理について図10を参照して説明する。制御部21は、ネットワーク接続されたパーソナルコンピュータ等から、プリント指示を示すプリントジョブが送信されてくると、画像形成部12,中間転写ベルト124,2次転写ローラ113、定着部13及び搬送ローラ対112等を駆動して、上記プリントジョブに基づく画像形成動作を開始させる(S81)。このとき、制御部21は、中間転写ベルト124と2次転写ローラ113とのニップ部で記録紙へのトナー像転写が完了する毎に(S82でYES)、画像形成部12のイエロー用ユニット12Yによる現像処理が行われたかを判断し(S83)、イエロー用ユニット12Yによる現像処理が行われた場合は(S83でYES)、当該イエロー用ユニット12Yに対して設けられているカウンタ27をカウントアップさせる(S84)。
制御部21は、当該プリントジョブに基づく画像形成で全ての記録紙についてのトナー像転写が完了するまで、上記カウンタ27のカウント処理を続ける(S85)。なお、カウンタ27が、イエロー用ユニット12Yに対して設けられているのは、上記制御部21による中間転写ベルト124と2次転写ローラ113との接触状態の検出処理のためのトナーパターンがイエロー用ユニット12Yによって形成されるためである。
続いて、図9を用いて2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理を説明する。閾値変更部28は、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の開始タイミングに到ると、上記図10で示したカウント処理でカウントアップさせておいたカウンタ27のカウント値を当該カウンタ27から取得する(S61)。
そして、閾値変更部28は、当該カウンタ27のカウント値に対応する閾値(制御部21が、第1トナー濃度検出センサ23から得られるトナー濃度に基づいて、プリントジョブに基づく画像形成動作を行わせるか否かの判断に用いる閾値)を記憶部22から読み出す(S62)。記憶部22には、例えば、図12に示すように、カウンタ27のカウント値が0〜10,000の閾値として、デフォルトの閾値(例えば、ID値0.4(センサ値154))が記憶され、同カウント値が10,001〜50,000の場合の閾値として、上記デフォルトの閾値よりも値を10低減させた閾値が記憶され、50,001〜100,000の場合の閾値としてデフォルトの閾値よりも値を20低減させた閾値が記憶され、100,001以上の場合の閾値としてデフォルトの閾値よりも値を50低減させた閾値が記憶されている。すなわち、イエロー用ユニット12Yの現像ユニットの使用期間経過に伴う性能低下に応じて、イエロー用ユニット12Yによって中間転写ベルト124の周面上に形成されるトナーパターンのトナー濃度が低下することが予測され、中間転写ベルト124から2次転写ローラ113への転写後に中間転写ベルト124の周面上に残留するトナーパターンのトナー画像濃度も、上記トナー濃度低下に応じて低下すると想定されるため、閾値変更部28は、上記イエロー用ユニット12Yによって中間転写ベルト124の周面上に形成されるトナーパターンのトナー濃度低下分に合わせて、制御部21によって用いられる上記閾値を低下させる。
閾値変更部28は、上記記憶部22から読み出した閾値を、制御部21がプリントジョブに基づく画像形成動作を行わせるか否かの判断に用いる上記閾値として設定する(S63)。この後に行われる図9におけるS64乃至S73の処理は、図6に示した第1実施形態のS4乃至S13と同様である。
この第4実施形態では、閾値変更部28が、中間転写ベルト124の周面上に転写される上記トナーパターンのトナー濃度に影響を与えるイエロー用ユニット12Yの現像ユニットの使用期間経過に伴う性能変化(性能低下)に応じて、制御部21によって用いられる上記閾値を低下させるので、制御部21は、中間転写ベルト124の周面から2次転写ローラ113へのトナーパターン転写前後における中間転写ベルト124周面上でのトナーパターンの濃度変化を、イエロー用ユニット12Yの現像ユニットの性能低下に拘わらず、正確に検出することができる。
また、当該第4実施形態では、カウンタ27は、上述したような画像形成回数(記録紙への画像形成枚数)をカウントするが、これに代えて、図11に示すように、カウンタ27が、タイマとして機能し、イエロー用ユニット12Yの現像ユニットの総駆動時間を計測するものとしてもよい。この場合におけるカウンタ27のカウント処理を、図11を参照して説明する。制御部21は、プリントジョブに基づく画像形成動作を開始させると(S91)、画像形成部12のイエロー用ユニット12Yによる現像処理が行われたかを判断し(S92)、イエロー用ユニット12Yによる現像処理が行われた場合は(S92でYES)、当該イエロー用ユニット12Yに対して設けられているカウンタ27に、イエロー用ユニット12Yによる画像形成動作開始時点からの経過時間を計測させる(S93)。
制御部21は、当該プリントジョブに基づく画像形成動作が終了するまで上記S92,S93の処理を続け(S94でNO)、当該画像形成動作が終了した時点で(S94でYES)、カウンタ27に、当該計測した経過時間を従前の経過時間の累計値に加算させて(S95)、現在プリンタ1に適用されている当該イエロー用ユニット12Yの総駆動時間を算出させる。
そして、閾値変更部28は、図9に示したと同様の閾値変更処理を行うが、この場合、記憶部22には、例えば、図13に示すように、カウンタ27によって算出された総駆動時間が0〜10,000(秒)の場合の閾値として、デフォルトの閾値(例えば、ID値0.4(センサ値154))が記憶され、同総駆動時間が10,001〜50,000(秒)の場合の閾値としてデフォルトの閾値よりも値を10低減させた閾値が記憶され、同総駆動時間が50,001〜100,000(秒)の場合の閾値としてデフォルトの閾値よりも値を20低減させた閾値が記憶され、同総駆動時間が100,001(秒)以上の場合の閾値としてデフォルトの閾値よりも値を50低減させた閾値が記憶されている。但し、ここに示す数値はあくまでも例示である。閾値変更部28は、カウンタ27によって算出された上記総駆動時間に対応する閾値を記憶部22から読み出して(S62)、当該読み出した閾値を、制御部21がプリントジョブに基づく画像形成動作を行わせるか否かの判断に用いる上記閾値として設定する(S63)。
なお、上記では、カウンタ27は、イエロー用ユニット12Yの現像ユニットに対して設けられていたが、カウンタ27は、画像形成部12による上記トナーパターンの形成に関係する機構であれば、他の機構、例えば、他色ユニットの現像ユニットや、更には、画像形成部12の各色ユニット12K,12Y,12C,12Mにおける感光体ドラム120、現像装置121、帯電装置122、露光装置123、露光装置123、及び1次転写ローラ125、更には、中間転写ベルト124、2次転写ローラ113等のいずれかの機構であっても構わない。
次に、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の第5実施形態を説明する。図14は、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の第5実施形態を示すフローチャートである。なお、第1乃至第4実施形態で示した処理と同様の処理は説明を省略する。また、この第5実施形態では、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の開始タイミングとして特定のタイミングを特に示さないが、上述した第1実施形態又は第2実施形態と同様のタイミングで開始するものとしてもよい。
上記第4実施形態では、カウンタ27は、イエロー用ユニット12Yの現像ユニットに対して設けられていたが、本第5実施形態では、カウンタ27は、画像形成部12による上記トナーパターンの形成に関係する予め定められた複数の機構に対してそれぞれ設けられている。カウンタ27が設けられる複数の機構としては、その性能が、画像形成部12によって形成されるトナーパターンのトナー濃度に影響を及ぼすものが選定される。例えば、画像形成部12の各色ユニット12K,12Y,12C,12Mにおけるそれぞれの感光体ドラム120、現像装置121、帯電装置122、露光装置123、露光装置123、及び1次転写ローラ125、更に、中間転写ベルト124、2次転写ローラ113等の全機構、又はこれらから選定された2以上のいずれかの機構である。
記憶部22には、上記予め定められた複数の機構に対して設けられた全てのカウンタ27によって検出されるカウント値(画像形成枚数又は総駆動時間)の合算値に対応する上記閾値(制御部21が、第1トナー濃度検出センサ23から得られるトナー濃度に基づいて、プリントジョブに基づく画像形成動作を行わせるか否かの判断に用いる閾値)が記憶されている。
閾値変更部28は、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の開始タイミングに到ると、上記図10又は図11で示したカウント処理でカウントアップさせておいた上記複数の機構についての各カウンタ27の全てのカウント値を取得する(S121)。そして、閾値変更部28は、当該全てのカウンタ27のカウント値の合算値を算出する(S122)。閾値変更部28は、当該算出した合算値に対応する上記閾値を記憶部22から読み出し(S123)、当該読み出した閾値を制御部21がプリントジョブに基づく画像形成動作を行わせるか否かの判断に用いる上記閾値として設定する(S124)。この後に行われる図14におけるS125乃至S134の処理は、図6に示した第1実施形態のS4乃至S13と同様である。
この第5実施形態では、画像形成量の増加に伴って上記予め定められた機構に性能低下が生じ得たときに、各機構の性能低下が相乗してトナーパターンの濃度を低下させる事態が生じても、閾値変更部28が、この事態に対応して、制御部21によってプリントジョブに基づく画像形成動作の許可又は不許可の判断に用いられる上記閾値を小さくすることになるので、制御部21は、画像形成量の増加に拘わらず、中間転写ベルト124から2次転写ローラ113へのトナーパターン転写前後における中間転写体周面上でのトナーパターンの濃度変化を更に正確に検出することができる。
なお、上述した第4及び第5実施形態においては、上記カウンタ27の設けられている機構がプリンタ1から取り外され、新たな別個のものに交換された時、当該交換された機構に設けられているカウンタ27のカウント値をリセットすることが好ましい。このようにすれば、カウンタ27が設けられている機構が交換されて、使用期間経過に伴う性能変化の蓄積がなくなると、上記カウンタ27のカウンタ値もリセットされることになるので、各機構について生じる使用期間経過に伴う性能変化に基づいて、制御部21は、中間転写ベルト124から2次転写ローラ113へのトナーパターン転写前後における中間転写ベルト124でのトナーパターンの濃度変化を更に正確に検出することができる。
次に、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の第6実施形態を説明する。図15は、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の第6実施形態を示すフローチャートである。なお、第1乃至第6実施形態で示した処理と同様の処理は説明を省略する。また、この第6実施形態では、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の開始タイミングとして所定のタイミングを特に示さないが、上述した第1実施形態又は第2実施形態と同様のタイミングで開始するものとしてもよい。
制御部21は、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の開始タイミングに到ると、検出処理実行回数カウンタ31をカウントアップさせる(S141)。すなわち、制御部21は、検出処理実行回数カウンタ31のカウント値N=N+1とする。制御部21は、当該カウントアップ後の検出処理実行回数カウンタ31のカウント値を取得し、当該カウント値が1〜4のいずれの値であるかを判断する(S142)。なお、この検出処理実行回数カウンタ31のカウントアップは、上記接触状態検出処理の開始後であってS161の処理前であれば、いずれのタイミングで行うものとしてもよい。また、後述するが、当該検出処理実行回数カウンタ31によるカウントは、4がカウントされると、リセットされるようになっている。
そして、制御部21は、検出処理実行回数カウンタ31のカウント値が1であるときは、画像形成部12、中間転写ベルト124及び2次転写ローラ113を駆動して、2次転写ローラ113及び中間転写ベルト124との接触状態を検出するためのトナーパターンを、画像形成部12のイエロー用ユニット12Yに、中間転写ベルト124上の幅方向両端付近にそれぞれ形成させる(S143)。また、制御部21は、検出処理実行回数カウンタ31のカウント値が2であるときは、マゼンタ用ユニット12Mに上記各トナーパターンを形成させ(S144)、検出処理実行回数カウンタ31のカウント値が3であるときは、シアン用ユニット12Cに上記各トナーパターンを形成させ(S145)、検出処理実行回数カウンタ31のカウント値が4であるときは、ブラック用ユニット12Kに上記各トナーパターンを形成させる(S146)。
この後に行われる図15におけるS147乃至S152と、S155乃至S157の処理は、図6に示した第1実施形態のS5乃至S13と同様である。
制御部21は、S152又はS157の処理後、検出処理実行回数カウンタ31のカウント値が4に達しているときは(S153でYES)、検出処理実行回数カウンタ31のカウント値をリセットして(S154)、処理を終了させる。すなわち、制御部21は、検出処理実行回数カウンタ31によって1〜4のいずれかの値のみがカウントされるようにする。
この第6実施形態によれば、制御部21が、接触状態検出処理毎に、上記トナーパターンの形成に用いる各色用のユニットを順番に変更させるので、いずれかのユニットのみが当該トナーパターン形成に連続して用いられるということがない。これにより、トナーパターン形成のために、いずれかの色のユニットのトナー消費量のみが多くなるといった事態を回避でき、プリントジョブに基づく通常の画像形成時に、他色トナーは十分な量があるにも拘わらず特定の一色のトナーのみが足りないことで画像形成ができなくなるといった不具合を防止することができる。
次に、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の第7実施形態を説明する。図16は、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の第7実施形態を示すフローチャートである。なお、第1乃至第6実施形態で示した処理と同様の処理は説明を省略する。また、この第7実施形態では、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の開始タイミングとして特定のタイミングを特に示さないが、上述した第1実施形態又は第2実施形態と同様のタイミングで開始するものとしてもよい。
この第7実施形態では、制御部21が、各色ユニット12M,12C,12Y,12Kのいずれかに上記トナーパターンを形成させた後(S162乃至S165)、閾値変更部28は、ユニット別カウンタ32M,32C,32Y,32Kの中で、当該トナーパターンの形成に用いられたユニットについて設けられているユニット別カウンタのカウント値を取得し(S166)、当該カウント値に対応する閾値(制御部21が、第1トナー濃度検出センサ23から得られるトナー濃度に基づいて、プリントジョブに基づく画像形成動作を行わせるか否かの判断に用いる閾値)を記憶部22から読み出す(S167)。この記憶部22に記憶されているカウント値に対応する閾値は、上述した図12に示した内容と同様である。閾値変更部28は、上記記憶部22から読み出した閾値を、制御部21が上記プリントジョブに基づく画像形成動作を行わせるか否かの判断に用いる閾値として設定する(S168)。この後に行われる図16に示すS169乃至S174と、S177乃至S179の処理は、図6に示した第1実施形態のS5乃至S13と同様である。
この第7実施形態によれば、更に、制御部21によって上記トナーパターン形成用のユニットとして選択された各色ユニット毎の動作量増加に伴う性能変化(性能低下)に対応して、制御部21は、中間転写ベルト124の周面から2次転写ローラ113へのトナーパターン転写前後における中間転写ベルト124周面上でのトナーパターンの濃度変化を正確に検出することができる。
次に、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の第8実施形態を説明する。図17は、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の第8実施形態を示すフローチャートである。なお、第1乃至第7実施形態で示した処理と同様の処理は説明を省略する。
また、この第8実施形態では、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態検出処理の開始タイミングとして特定のタイミングを特に示さないが、上述した第1実施形態又は第2実施形態と同様のタイミングで開始するものとしてもよい。さらに、この第8実施形態では、トナーパターンの形成に用いられる画像形成部12の各色用ユニットは、第1実施形態で示したように予め定められた特定色用のユニットであってもよいし、第6及び第7実施形態で示したように、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理毎に、異なる色用のユニットが順次変更されて、トナーパターン形成用のユニットとして選択されるものであってもよい。
第8実施形態では、制御部21は、2次転写ローラ113及び中間転写ベルト124との接触状態を検出するためのトナーパターンを、画像形成部12のいずれかのユニット(例えば、イエロー用ユニット12Y)に、中間転写ベルト124上の幅方向両端付近にそれぞれ形成させた後(S180)、中間転写ベルト124と2次転写ローラ113とのニップ部よりも上流側に配置されている上記第2トナー濃度検出センサ24に、中間転写ベルト124上に形成させた上記各トナーパターンの濃度を検出させ、当該第2トナー濃度検出センサ24によって検出されたトナー濃度が、予め定められた値(中間転写ベルト124と2次転写ローラ113との接触状態検出に用いるトナーパターンの濃度として予め定められた上記値)に達しているか否かを判断する(S181)。
制御部21は、第2トナー濃度検出センサ24によって検出されたトナー濃度が上記予め定められた値に達していないと判断すると(S181でYES)、トナー像転写用のバイアスを2次転写ローラ113に対してバイアス印加部26に印加させず(S189)、中間転写ベルト124周面上のトナーパターンが2次転写ローラ113側に転写されないようにする。
そして、中間転写ベルト124が無端回転して、S180で形成された中間転写ベルト124上のトナーパターンが、再びS180でトナーパターンを形成したユニットに対向する位置に戻ってきた時に、制御部21は、S180でトナーパターンを形成した同一のユニットに、当該トナーパターンの上に重ねて、再度同一のトナーパターンを形成させる(S190)。
制御部21は、上記S189及びS190の処理を、第2トナー濃度検出センサ24によって検出されたトナー濃度が上記予め定められた値に達するまで繰り返す(S181でYES)。制御部21は、上記S189及びS190の処理を繰り返し、第2トナー濃度検出センサ24によって検出されたトナー濃度が上記予め定められた値に達するに到ると(S181でNO)、2次転写ローラ113に対してバイアス印加部26に正バイアス(トナー像転写用のバイアス)を印加させ(S182)、この後、図6に示した第1実施形態のS5乃至S13と同様である、S183乃至S187と、S191乃至S193の処理を行わせる。
この第8実施形態によれば、画像形成部12の各色ユニットのいずれかによって形成されるトナーパターンの濃度を、特別な構成を追加することなく、中間転写ベルト124から2次転写ローラ113へのトナー像転写前後におけるトナーパターン濃度の変化検出に適した濃度に保つことができる。また、中間転写ベルト124上に形成されるトナーパターンの色を変えずに、当初形成されたトナーパターンと同色にて上記濃度に保つことができる。
なお、第8実施形態では、制御部21は、第2トナー濃度検出センサ24によって検出されたトナーパターンの濃度が上記予め定められた値に達していないと判断すると(S181でYES)、制御部21は、S180でトナーパターンを形成した同一のユニットに、S180で形成したトナーパターンの上に重ねて、再度同一のトナーパターンを形成させるが(S190)、この場合、制御部21は、S180でトナーパターンを形成したユニットとは他色の別の異なるユニットに、当該トナーパターンの上に重ねてトナーパターンを形成させるようにしてもよい。これによれば、当初トナーパターンを形成したユニットが、トナーパターンを多重形成しても上記濃度のトナーパターンを形成できないような程度に性能が低下している場合であっても、上記所望濃度のトナーパターンの形成が可能になる。
次に、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の第9実施形態を説明する。図18は、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の第9実施形態を示すフローチャートである。なお、第1乃至第8実施形態で示した処理と同様の処理は説明を省略する。また、この第9実施形態では、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の開始タイミングとして特定のタイミングを特に示さないが、上述した第1実施形態又は第2実施形態と同様のタイミングで開始するものとしてもよい。
制御部21は、2次転写ローラ113及び中間転写ベルト124との接触状態を検出するためのトナーパターンを、画像形成部12のいずれかのユニット(例えば、イエロー用ユニット12Y)に、中間転写ベルト124上の幅方向両端付近にそれぞれ形成させた後(S201)、中間転写ベルト124と2次転写ローラ113とのニップ部よりも下流側のトナーパターン濃度検出センサ23に、2次転写ローラ113への転写後に中間転写ベルト124上に残留する上記各トナーパターンの濃度を検出させる(S203)。
そして、制御部21は、当該トナーパターン濃度検出センサ23によって検出されたトナー濃度が、上記閾値(制御部21が、第1トナー濃度検出センサ23から得られるトナー濃度に基づいて、プリントジョブに基づく画像形成動作を行わせるか否かの判断に用いる閾値)から一定範囲内の値である否かを判断する(S204)。この一定範囲とは、例えば、閾値を例えばID値0.4(センサ値154)とした場合におけるID値±0.05(センサ値±10)の範囲であり、検出されたトナーパターン濃度が閾値近傍であって、当該トナーパターン濃度検出の正確性が、画像形成動作許可又は不許可の判断に大きな影響を与えることになる範囲である。
制御部21は、上記トナーパターン濃度検出センサ23によって検出されたトナー濃度が上記閾値から一定範囲内の値である場合には(S204でYES)、画像形成部12の上記ユニットによるトナーパターン形成位置を、中間転写ベルト124の走行方向において異なる位置に変更した上で(S206)、再度画像形成部12の上記ユニットに上記トナーパターンを形成させ(S207)、2次転写ローラ113へのトナーパターン転写後に(S208)、中間転写ベルト124上の残留トナーパターンの濃度をトナーパターン濃度検出センサ23に検出させる(S209)。
制御部21は、当該形成位置を異ならせた上での再度のトナーパターン形成及びトナーパターン濃度検出を行わせた後は、図6に示した第1実施形態のS7乃至S13と同様にして、検出されたトナーパターン濃度と閾値との比較に基づく画像形成動作を行わせるか否かの処理を行う(S210乃至S216)。
この第9実施形態によれば、制御部21は、一度目に行うトナーパターン濃度検出センサ23によって検出されたるトナーパターン濃度が上閾値から一定範囲内の値であり、検出されたトナーパターン濃度が閾値近傍であって、当該トナーパターン濃度検出の正確性が画像形成動作許可又は不許可の判断に大きな影響を与える場合には、中間転写ベルト124周面の走行方向における位置を異ならせてトナーパターンを形成し、当該トナーパターンに基づいて、トナーパターン濃度検出及び上閾値に基づいて画像形成動作を許可又は不許可を判断するので、中間転写ベルト124周面上の部分劣化や部分的な汚れ等により、最初のトナーパターン形成箇所には所望の濃度でトナーパターンが形成されない場合であっとても、当該形成箇所とは異なる位置でのトナーパターン形成により、所望の濃度からなるトナーパターンに基づく濃度検出処理及び閾値に基づく画像形成動作許可又は不許可の制御を行うことが可能になる。これにより、中間転写ベルト124周面上の部分劣化や部分的な汚れ等を要因とするトナーパターンに基づく濃度検出処理及び閾値に基づく画像形成動作許可又は不許可の判断ミスを回避することが可能になる。
一方、S204において、制御部21は、上記トナーパターン濃度検出センサ23によって検出されたトナーパターン濃度が上記閾値から一定範囲内から外れていると判断した場合には(S204でNO)、当該検出されたトナーパターン濃度を用いて、検出されたトナーパターン濃度と閾値との比較に基づく画像形成動作を行わせるか否かの処理を行う(S210乃至S216)。このように、当該検出されたトナーパターン濃度が閾値から大きく外れる場合には、当該トナーパターン濃度検出の正確性が画像形成動作許可又は不許可の判断に大きな影響を及ぼさないため、上記再度のトナーパターン形成やトナーパターン濃度検出の処理を省略して、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出精度を保ちつつ、当該画像形成動作を許可又は不許可とする制御に要する時間を短くする。
次に、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の第10実施形態を説明する。図19は、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の第10実施形態を示すフローチャートである。なお、第1乃至第9実施形態で示した処理と同様の処理は説明を省略する。また、この第10実施形態では、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の開始タイミングとして特定のタイミングを特に示さないが、上述した第1実施形態又は第2実施形態と同様のタイミングで開始するものとしてもよい。
上記第9実施形態では、上記トナーパターン濃度検出センサ23によって検出されたトナーパターン濃度が上記閾値から一定範囲内の値である場合には(図18のS204でYES)、画像形成部の上記ユニットによるトナーパターン形成位置を、中間転写ベルト124の走行方向において異なる位置に変更した上で(図18のS206)、トナーパターンを形成し、当該トナーパターンに基づいて、トナーパターン濃度検出及び上閾値に基づいて画像形成動作を許可又は不許可を判断していたが(図18のS206乃至S216)、本第10実施形態では、図19に示すように、制御部21は、上記トナーパターン濃度検出センサ23によって検出されたトナーパターン濃度が上記閾値から一定範囲内の値である場合(S224でYES)、クリーニングローラ35(図1,図3)に、中間転写ベルト124周面上を清掃させてから(S225)、再度画像形成部12の上記ユニットにトナーパターンを形成させる(S226)。そして、制御部21は、2次転写ローラ113側へのトナーパターンを転写させた後に(S227)、中間転写ベルト124上の残留トナーパターンの濃度をトナーパターン濃度検出センサ23に検出させる(S228)。制御部21は、当該クリーニングローラ35による中間転写ベルト124周面の清掃後に再度のトナーパターン形成及びトナーパターン濃度検出を行わせた後は、図6に示した第1実施形態のS7乃至S13と同様にして、検出されたトナーパターン濃度と閾値との比較に基づく画像形成動作を行わせるか否かの処理を行う(S229乃至S235)。
この第10実施形態によれば、中間転写ベルト124周面上の汚れ等により、最初のトナーパターン形成では所望の濃度でトナーパターンが形成されない場合であっても、再度のトナーパターン形成により、所望の濃度からなるトナーパターンに基づく濃度検出処理及び閾値に基づく画像形成動作許可又は不許可の制御を行うことが可能になる。このため、中間転写ベルト124周面上の汚れ等を要因とする、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の誤検出、及び上記閾値に基づく画像形成動作許可又は不許可の判断ミスを回避することが可能になる。
上記第9及び第10実施形態では、同一のユニットに再度トナーパターンを形成させるとしているが、異なる色用のユニットに上記再度のトナーパターン形成を行わせるようにしてもよい。
次に、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の第11実施形態を説明する。図20は、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理の第11実施形態を示すフローチャートである。図21は、制御部21によって画像形成動作が不許可とされた頻度と、これに対応付けられた表示データとを示す図である。なお、第1乃至第10実施形態で示した処理と同様の処理は説明を省略する。
この第11実施形態は、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理時に、制御部21がプリントジョブに基づく画像形成動作を不許可とする際に行う警告に関するものである。第11実施形態のS241に入る前提として行われる、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理としては、第1乃至第10実施形態で示した各接触状態検出処理のいずれも適用が可能である。
制御部21は、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124との接触状態の検出処理時に、検出処理実行回数カウンタ31をカウントアップする(S241)。この検出処理実行回数カウンタ31のカウントアップは、S241に入る前提として行われる上記接触状態検出処理の開始後であって、S243におけるトナーパターン濃度と閾値との比較処理の前であれば、いずれのタイミングで行うものとしてもよい。
続いて、制御部21は、上記2つのトナーパターン濃度検出センサ23により検出された残留トナー濃度のうちのいずれか一方でも上記閾値よりも高いと判断した場合には(S243でNO)、次に新たに入力されるジョブに基づく画像形成を許可せず(S244)、不許可回数カウンタ33をカウントアップする(S245)。
ここで、制御部21は、この時点における検出処理実行回数カウンタ31及び不許可回数カウンタ33のカウント値を取得し、プリントジョブに基づく画像形成動作を不許可とした頻度Mを算出する(S246)。本実施形態では、制御部21は、検出処理実行回数カウンタ31が直近10回カウントアップされる間に、不許可回数カウンタ33が何回カウントアップされたかを頻度Mとして算出する。
ここで、上記頻度1≧Mである場合は(S247で「1≧M」)、制御部21は、当該頻度Mの値に対応する表示データを記憶部22から読み出し、表示部16に表示させる(S248)。本実施形態では、頻度M≦1に対応付けられた表示データとして、図21に示すように、記憶部22に、「本体カバー及び支持部材の閉まりを再確認して下さい。」の旨のメッセージを示す表示データが記憶されている。
また、上記頻度2≦M<5である場合は(S247で「2≦M<5」)、制御部21は、当該頻度Mの値に対応する表示データ(本実施形態では、頻度2≦M<5に対応付けられた表示データとして、図21に示すように、記憶部22に、「本体カバー及び支持部材を一旦開け、カチッと音がするまで閉じて下さい。その後、本体カバー及び支持部材の閉まりを再確認して下さい。」の旨のメッセージを示す表示データが記憶されている)を記憶部22から読み出し、表示部16に表示させる(S249)。
また、上記頻度M≧5である場合は(S247で「5≧M」)、制御部21は、当該頻度Mの値に対応する表示データ(本実施形態では、頻度5≧Mに対応付けられた表示データとして、図21に示すように、記憶部22に、「サービスマンに連絡して下さい。」の旨のメッセージを示す表示データが記憶されている)を記憶部22から読み出し、表示部16に表示させる(S250)。
この第11実施形態によれば、制御部が、トナーパターン濃度検出センサ23によって検出されたトナーパターン濃度が閾値よりも高く、プリントジョブの入力があっても画像形成動作を行わせない場合には、当該画像形成動作を許可しないと判断した頻度(すなわち、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124周面の接触状態が不適切と判断した頻度)に応じて表示部16に表示させるメッセージを上記のように異ならせるので、2次転写ローラ113と中間転写ベルト124の接触不良発生時には、ユーザに、その時点における状況に応じた適切な操作を認識させることが可能になる。
なお、上記S248乃至S250では、制御部21によるユーザに対する操作案内を、表示部16によるメッセージ表示としたが、当該表示部16に代えて、スピーカ又はLED(Liquid Crystal Display)等を警告部として、制御部21が、スピーカからの警報音を上記頻度Mに応じて異ならせたり、LEDの点滅方法や点灯色を上記頻度Mに応じて異ならせるようにしてもよい。
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置の一実施形態としてプリンタ1を例にして説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、複写機やファクシミリ装置等にも適用可能である。また、本発明に係る画像形成装置は、カラープリンタに限らず、モノクロ方式のプリンタにも適用可能である。
また、上記実施形態では、中間転写体として、中間転写ベルト124が適用される例を示しているが、中間転写体としては、中間転写ドラム等の他の方式のものであっても構わない。
また、上記各実施形態では、制御部21は、画像形成部12のユニットに、中間転写ベルト124の駆動ローラ124aの長さ方向(回転軸方向)において2つのトナーパターンをそれぞれ異なる位置に形成させ、トナーパターン濃度検出センサ23によって検出される当該2つのトナーパターンのそれぞれの濃度と上記閾値との比較により画像形成動作を許可するか否かの判断(中間転写ベルト124と2次転写ローラ113との接触状態の検出)を行うものとしているが、これに限られず、制御部21は、画像形成部12のユニットに、中間転写ベルト124の駆動ローラ124aの長さ方向(回転軸方向)においてトナーパターンを1つのみ形成させ、トナーパターン濃度検出センサ23によって検出される当該1つのトナーパターンの濃度と上記閾値との比較により画像形成動作を許可するか否かの判断を行うようにしてもよい。