JP5249815B2 - 超音波探傷画像の分析装置 - Google Patents
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Description
航空機においては、翼の損傷は大事故に直結する危険があるため、保守・点検作業をして欠陥を発見することは極めて重要である。
図10に示すように、探傷範囲Aが広範囲である場合には、探傷パスPを設定しこの探傷パスPに沿い超音波探触子を移動させていって、超音波による探傷波形信号(応答波形信号)を取得する。
また、欠陥の存在が認められた場合には、探傷画像の基礎となっている探傷波形を確認することにより、詳細な分析もできる。
信号変換処理をするには、健全部位の探傷波形信号を示す図13、及び、欠陥部位の探傷波形信号を示す図14において、表面エコーEsと底面エコーEbの間の位置に所定高さで所定範囲のゲートGを設定しておく。
TOF画像に変換するには、設定したゲートGと欠陥エコーEdが交わる位置を、輝度値に変換する。AMP画像に変換するには、設定したゲートGと交わった欠陥エコーEdの高さを、輝度値に変換する。
なお、欠陥エコーが複数ある場合には、ゲートGと最初に交わるエコーを欠陥エコーEdとして使用したり、ゲートGと交わるエコーのうち、最大高さのエコーを欠陥エコーEdとして使用するなどのバージョンがある。
これらの図に示すように、探傷画像では、健全部位の輝度に対して、欠陥部位の輝度が変化しており、目視により迅速・簡易に欠陥部位を検査することができる。
このため、検査員は、欠陥の種類や部位の違いによって、表示する探傷画像の種類や配置、表示範囲(倍率)やコントラストを繰り返し変更しながら欠陥を検出している。
次に、評価する欠陥の種類(例えば第1の種類の欠陥D1)を決める(ステップS3)。
どのような種類の欠陥を調べるかは、作業者の持っている知識(翼の構造・形状・板厚・材質や、超音波探傷検査の特性や、今までに蓄積した検査経験の知識など)を基に判断される。
例えば欠陥の種類がD1である場合には、探傷画像I1と探傷画像I3を選択し、両探傷画像I1,I3を横並びに整列させて表示させる。
この場合、探傷画像I1,I3は、図19に点線で示す区画線により例えば、4×7の28個に区画された区画領域R1〜R28上に重ねて表示される。つまり、探傷画像I1,I3は、それぞれ、区画領域R1〜R28上の画像に区画される。
なお欠陥の種類に応じて、どのような探傷画像を選択してどのように画像を配列するかは、作業者の持っている知識(翼の構造・形状・板厚・材質や、欠陥の種類や、超音波探傷検査の特性や、今までに蓄積した検査経験の知識など)を基に判断される。
具体的には、表示するX,Y座標の開始位置とX,Y座標の終了位置を変更して、表示すべき区画領域を特定すると共に表示倍率を最適に変更して、図19に示すように、探傷画像I1,I3のうち、例えば区画領域R1上の所定範囲の画像を拡大して表示する(ステップS5)。
欠陥の種類に応じて、どの程度まで表示倍率を拡大調整すれば良いかや、どの区画領域の画像を表示すれば良いかは、作業者の持っている知識(翼の構造・形状・板厚・材質や、欠陥の種類や、超音波探傷検査の特性や、今までに蓄積した検査経験の知識など)を基に判断される。
そこで、作業者は、区画領域R1上の探傷画像I1,I3を拡大した画像(図20)のコントラスト調整をして、健全部位の画像と欠陥部位の画像とのコントラストを強調する(ステップS6)。
欠陥の種類に応じて、どの程度までコントラストを調整すればよいかは、作業者の持っている知識(翼の構造・形状・板厚・材質や、欠陥の種類や、超音波探傷検査の特性や、今までに蓄積した検査経験の知識など)を基に判断される。
これは、選択した特定の画像と選択した特定の欠陥によっては、特定の区画領域での欠陥検出ができないことが知識や経験により初めから分かっている場合には、時間と労力を削減するために、特定の区画領域での探傷画面分析をスキップしているからである。
更に、経験の浅い検査員は、表示する画像の種類や配置、表示範囲(倍率)やコントラストを間違えてしまう可能性があり、欠陥の検出漏れが発生するリスクがある。
同一の探傷波形信号を複数種類の異なる信号変換処理手法により信号変換して得た複数の探傷画像信号が記憶された探傷画像信号用データベース部と、
検査する欠陥の種類と、検査する欠陥の種類に応じて使用する探傷画像と、使用する探傷画像の配置パターンと、使用する探傷画像の画像領域のうちで表示する画像領域の範囲を示す表示範囲と、表示範囲の画像のコントラストを規定するコントラスト指示値を情報として有する多数の検査手順コマンドが実行順番に沿い並んで構築された探傷条件データベースが記憶された探傷条件データベース部と、
探傷画像分析装置とで構成されており、
前記探傷画像分析装置は、
前記探傷条件データベースの検査手順コマンドを、外部からの入力指令に基づき順に取り込み、検査手順コマンドを取り込む毎に、取り込んだ当該検査手順コマンドで示す探傷画像に対応する探傷画像信号を前記探傷画像信号用データベース部から取り込み、この探傷画像信号に基づく探傷画像を、当該検査手順コマンドで示す画像の配置パターンで、当該検査手順コマンドで示す表示範囲とコントラストで表示装置に表示させることを特徴とする。
同一の探傷波形信号を複数種類の異なる信号変換処理手法により信号変換して得た複数の探傷画像信号が記憶された探傷画像信号用データベース部と、
検査する欠陥の種類と、使用する探傷画像の画像領域のうちで表示する画像領域の範囲を示す表示範囲を情報として有する多数の検査手順コマンドが実行順番に沿い並んで構築された第1の探傷条件データベースと、欠陥の種類と、板厚と、形状と、材質とを組み合わせた各パターン毎に、使用する探傷画像と、使用する探傷画像の配置パターンと、表示範囲の画像のコントラストを規定するコントラスト指示値を規定する第2の探傷条件データベースとが記憶された探傷条件データベース部と、
検査対象物の板厚、形状、材質のデータを少なくとも有する設計データを有するCADモデル部と、
探傷画像分析装置とで構成されており、
前記探傷画像分析装置は、
前記第1の探傷条件データベースの検査手順コマンドを、外部からの入力指令に基づき順に取り込み、
検査手順コマンドを取り込む毎に、取り込んだ当該検査手順コマンドで示す表示範囲に対応する検査対象物の対応部分の板厚、形状、材質を前記CADモデルから取り込んで検査手順コマンドに組み込むと共に、第2の探傷条件データベースを参照して、欠陥の種類と前記CADモデルから取り込んだ板厚、形状、材質の組み合わせパターンに対して規定されている、使用する探傷画像と、使用する探傷画像の配置パターンと、表示範囲の画像のコントラストを規定するコントラスト指示値を取り込み、
使用する探傷画像に対応する探傷画像信号を前記探傷画像信号用データベース部から取り込み、この探傷画像信号に基づく探傷画像を、取り込んだ画像の配置パターンで、取り込んだ表示範囲とコントラストで表示装置に表示させることを特徴とする。
同一の探傷波形信号を複数種類の異なる信号変換処理手法により信号変換して得た複数の探傷画像信号が記憶された探傷画像信号用データベース部と、
検査する欠陥の種類と、使用する探傷画像の画像領域のうちで表示する画像領域の範囲を示す表示範囲を情報として有する多数の検査手順コマンドが実行順番に沿い並んで構築された第1の探傷条件データベースと、欠陥の種類と、板厚と、形状と、材質とを組み合わせた各パターン毎に、使用する探傷画像と、使用する探傷画像の配置パターンと、表示範囲の画像のコントラストを規定するコントラスト指示値を規定する第2の探傷条件データベースとが記憶された探傷条件データベース部と、
検査対象物の形状、材質のデータを少なくとも有する設計データを有するCADモデル部と、
検査対象物の板厚を計測する板厚計測装置と、
探傷画像分析装置とで構成されており、
前記探傷画像分析装置は、
前記第1の探傷条件データベースの検査手順コマンドを、外部からの入力指令に基づき順に取り込み、
検査手順コマンドを取り込む毎に、取り込んだ当該検査手順コマンドで示す表示範囲に対応する検査対象物の対応部分の形状、材質を前記CADモデルから取り込んで検査手順コマンドに組み込むと同時に取り込んだ当該検査手順コマンドで示す表示範囲に対応する検査対象物の対応部分の板厚として前記板厚計測装置により計測した板厚を取り込むと共に、第2の探傷条件データベースを参照して、欠陥の種類と前記CADモデル及び前記板厚計測装置から取り込んだ板厚、形状、材質の組み合わせパターンに対して規定されている、使用する探傷画像と、使用する探傷画像の配置パターンと、表示範囲の画像のコントラストを規定するコントラスト指示値を取り込み、
使用する探傷画像に対応する探傷画像信号を前記探傷画像信号用データベース部から取り込み、この探傷画像信号に基づく探傷画像を、取り込んだ画像の配置パターンで、取り込んだ表示範囲とコントラストで表示装置に表示させることを特徴とする。
また、検査員の習熟度によらずに、正確に欠陥の検出をすることができ、欠陥の検出漏れがなくなる。
これら探傷画像信号i1〜inを、探傷画像分析装置10を介して画像表示装置30に送ることにより、表示画面31に探傷画像I1〜Inを表示することができる。
更に、同一種類の欠陥を検出するため実行順番に沿い連続して設定された複数の検査手順コマンドの表示範囲は、先行する検査手順コマンドで指示される表示範囲に対して、後行する検査手順コマンドで指示される表示範囲が位置的にズレている。
そうすると、探傷画像分析装置10は探傷画像信号用データベース部50から探傷画像信号i1〜inを取り込み、探傷画像分析装置10内のメモリに探傷画像信号i1〜inを記憶する。
そして、探傷画像分析装置10により自動操作が開始される(ステップS4)。
したがって、短時間で容易に欠陥の検査ができると共に、経験の浅い検査員であっても検査漏れなく正確に欠陥検査をすることができる。
これら探傷画像信号i1〜inを、探傷画像分析装置10を介して画像表示装置30に送ることにより、表示画面31に探傷画像I1〜Inを表示することができる。
後述するように、各検査手順コマンドCを実行する際には、探傷画像分析装置10は、表示範囲に対応する、検査対象物(主翼)の対応部分の板厚、形状、材質をCADデータから取得して、各検査手順コマンドCに組み込む(記録する)。
更に、同一種類の欠陥を検出するため実行順番に沿い連続して設定された複数の検査手順コマンドの表示範囲は、先行する検査手順コマンドで指示される表示範囲に対して、後行する検査手順コマンドで指示される表示範囲が位置的にズレている。
そうすると、探傷画像分析装置10は探傷画像信号用データベース部50から探傷画像信号i1〜inを取り込み、探傷画像分析装置10内のメモリに探傷画像信号i1〜inを記憶する。
そして、探傷画像分析装置10により自動操作が開始される(ステップS4)。
したがって、短時間で容易に欠陥の検査ができると共に、経験の浅い検査員であっても検査漏れなく正確に欠陥検査をすることができる。
これら探傷画像信号i1〜inを、探傷画像分析装置10を介して画像表示装置30に送ることにより、表示画面31に探傷画像I1〜Inを表示することができる。
後述するように、各検査手順コマンドCを実行する際には、探傷画像分析装置10は、表示範囲に対応する検査対象物(主翼)の対応部分の形状、材質を、CADデータから取得して各検査手順コマンドCに組み込む(記録する)と共に、表示範囲に対応する検査対象物(主翼)の対応部分の板厚として、板厚計測装置70により実測した板厚を取得して各検査手順コマンドCに組み込む(記録する)。
更に、同一種類の欠陥を検出するため実行順番に沿い連続して設定された複数の検査手順コマンドの表示範囲は、先行する検査手順コマンドで指示される表示範囲に対して、後行する検査手順コマンドで指示される表示範囲が位置的にズレている。
そうすると、探傷画像分析装置10は探傷画像信号用データベース部50から探傷画像信号i1〜inを取り込み、探傷画像分析装置10内のメモリに探傷画像信号i1〜inを記憶する。
そして、探傷画像分析装置10により自動操作が開始される(ステップS4)。
したがって、短時間で容易に欠陥の検査ができると共に、経験の浅い検査員であっても検査漏れなく正確に欠陥検査をすることができる。
20 入力装置
30 画像表示装置
31 表示画面
40 探傷条件データベース部
50 探傷画像信号用データベース部
60 三次元CADモデル部
70 板厚計測装置
Claims (3)
- 同一の探傷波形信号を複数種類の異なる信号変換処理手法により信号変換して得た複数の探傷画像信号が記憶された探傷画像信号用データベース部と、
検査する欠陥の種類と、検査する欠陥の種類に応じて使用する探傷画像と、使用する探傷画像の配置パターンと、使用する探傷画像の画像領域のうちで表示する画像領域の範囲を示す表示範囲と、表示範囲の画像のコントラストを規定するコントラスト指示値を情報として有する多数の検査手順コマンドが実行順番に沿い並んで構築された探傷条件データベースが記憶された探傷条件データベース部と、
探傷画像分析装置とで構成されており、
前記探傷画像分析装置は、
前記探傷条件データベースの検査手順コマンドを、外部からの入力指令に基づき順に取り込み、検査手順コマンドを取り込む毎に、取り込んだ当該検査手順コマンドで示す探傷画像に対応する探傷画像信号を前記探傷画像信号用データベース部から取り込み、この探傷画像信号に基づく探傷画像を、当該検査手順コマンドで示す画像の配置パターンで、当該検査手順コマンドで示す表示範囲とコントラストで表示装置に表示させる、
ことを特徴とする超音波探傷画像の分析装置。 - 同一の探傷波形信号を複数種類の異なる信号変換処理手法により信号変換して得た複数の探傷画像信号が記憶された探傷画像信号用データベース部と、
検査する欠陥の種類と、使用する探傷画像の画像領域のうちで表示する画像領域の範囲を示す表示範囲を情報として有する多数の検査手順コマンドが実行順番に沿い並んで構築された第1の探傷条件データベースと、欠陥の種類と、板厚と、形状と、材質とを組み合わせた各パターン毎に、使用する探傷画像と、使用する探傷画像の配置パターンと、表示範囲の画像のコントラストを規定するコントラスト指示値を規定する第2の探傷条件データベースとが記憶された探傷条件データベース部と、
検査対象物の板厚、形状、材質のデータを少なくとも有する設計データを有するCADモデル部と、
探傷画像分析装置とで構成されており、
前記探傷画像分析装置は、
前記第1の探傷条件データベースの検査手順コマンドを、外部からの入力指令に基づき順に取り込み、
検査手順コマンドを取り込む毎に、取り込んだ当該検査手順コマンドで示す表示範囲に対応する検査対象物の対応部分の板厚、形状、材質を前記CADモデルから取り込んで検査手順コマンドに組み込むと共に、第2の探傷条件データベースを参照して、欠陥の種類と前記CADモデルから取り込んだ板厚、形状、材質の組み合わせパターンに対して規定されている、使用する探傷画像と、使用する探傷画像の配置パターンと、表示範囲の画像のコントラストを規定するコントラスト指示値を取り込み、
使用する探傷画像に対応する探傷画像信号を前記探傷画像信号用データベース部から取り込み、この探傷画像信号に基づく探傷画像を、取り込んだ画像の配置パターンで、取り込んだ表示範囲とコントラストで表示装置に表示させる、
ことを特徴とする超音波探傷画像の分析装置。 - 同一の探傷波形信号を複数種類の異なる信号変換処理手法により信号変換して得た複数の探傷画像信号が記憶された探傷画像信号用データベース部と、
検査する欠陥の種類と、使用する探傷画像の画像領域のうちで表示する画像領域の範囲を示す表示範囲を情報として有する多数の検査手順コマンドが実行順番に沿い並んで構築された第1の探傷条件データベースと、欠陥の種類と、板厚と、形状と、材質とを組み合わせた各パターン毎に、使用する探傷画像と、使用する探傷画像の配置パターンと、表示範囲の画像のコントラストを規定するコントラスト指示値を規定する第2の探傷条件データベースとが記憶された探傷条件データベース部と、
検査対象物の形状、材質のデータを少なくとも有する設計データを有するCADモデル部と、
検査対象物の板厚を計測する板厚計測装置と、
探傷画像分析装置とで構成されており、
前記探傷画像分析装置は、
前記第1の探傷条件データベースの検査手順コマンドを、外部からの入力指令に基づき順に取り込み、
検査手順コマンドを取り込む毎に、取り込んだ当該検査手順コマンドで示す表示範囲に対応する検査対象物の対応部分の形状、材質を前記CADモデルから取り込んで検査手順コマンドに組み込むと同時に取り込んだ当該検査手順コマンドで示す表示範囲に対応する検査対象物の対応部分の板厚として前記板厚計測装置により計測した板厚を取り込むと共に、第2の探傷条件データベースを参照して、欠陥の種類と前記CADモデル及び前記板厚計測装置から取り込んだ板厚、形状、材質の組み合わせパターンに対して規定されている、使用する探傷画像と、使用する探傷画像の配置パターンと、表示範囲の画像のコントラストを規定するコントラスト指示値を取り込み、
使用する探傷画像に対応する探傷画像信号を前記探傷画像信号用データベース部から取り込み、この探傷画像信号に基づく探傷画像を、取り込んだ画像の配置パターンで、取り込んだ表示範囲とコントラストで表示装置に表示させる、
ことを特徴とする超音波探傷画像の分析装置。
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