JP5246453B2 - 超電導ケーブルの臨界電流測定方法 - Google Patents

超電導ケーブルの臨界電流測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、超電導ケーブルの臨界電流を測定する方法に関するものである。特に、多相(代表的には三相)同軸超電導ケーブルに具える任意の超電導層について、臨界電流を測定可能な超電導ケーブルの臨界電流測定方法に関するものである。
電力供給路を構成する電力ケーブルとして、超電導ケーブルが開発されつつある。超電導ケーブルは、酸化物超電導相を具える超電導線材を巻回して構成された超電導層を有するケーブルコアと、一つ又は複数のケーブルコアを収納すると共に、液体窒素といった冷媒が満たされる断熱管とを具える単心超電導ケーブル、又は多心超電導ケーブル(特許文献1)が代表的である。例えば、三相交流送電に利用される三心超電導ケーブルでは、三つのケーブルコアを具え、各ケーブルコアに具える超電導層を各相の送電に利用する。その他、多相超電導ケーブルとして、同軸状に配置された複数の超電導層をそれぞれ、各相の送電に利用する同軸超電導ケーブルが検討されている(特許文献2)。
一方、超電導ケーブルを布設後、竣工試験などでケーブル特性を確認する目的で、超電導ケーブルの臨界電流を測定することがある。特許文献1では、測定対象となる1本のケーブルコアに、別のケーブルコアを接続して往復通電を行って、測定対象の臨界電流を測定することを開示している。この測定方法では、上記別のケーブルコアをリード部材として利用することで、布設後などで超電導ケーブルの両端が離れている場合などでも、電源の接続にあたり、銅などの常電導材料からなる長尺なリード部材が不要である。また、長尺なリード部材の使用に伴う電気抵抗の増大が無く、当該電気抵抗を考慮した大容量の直流電源を使用しなくてよいため、この測定方法は、臨界電流を簡便に測定可能である。
特開2006-329838号公報 特開2005-253204号公報
しかし、従来、上述の多相同軸超電導ケーブルのように、複数(特に三つ以上)の超電導層を同軸状に具える同軸超電導ケーブルについて、各超電導層の臨界電流を測定するための具体的な方法が検討されていない。
例えば、同軸超電導ケーブルに具える複数の超電導層のうち、一つの超電導層を測定対象とするとき、特許文献1を参照して、当該測定対象の超電導層を往路とし、別の超電導層を復路とする往復通電路を構築して、臨界電流を測定することを考える。この場合、上述のように長尺なリード部材が不要であり、臨界電流を測定するためのシステムを容易に構築できると期待される。
しかし、上記手法を利用しても、同軸超電導ケーブルに具える任意の超電導層について、臨界電流を測定できない場合がある。
ここで、同軸超電導ケーブルに具える各超電導層を構成する超電導線材として、同一仕様(材質、サイズなど)の線材を利用する場合、線材の製造性に優れる上に、巻回条件の調整などを行い易い。しかし、この場合、一つのケーブルコアにおいて外周側に位置する超電導層は、内周側に位置する超電導層と比較して、超電導線材の使用本数が多くなる。超電導層における臨界電流の設計値Iclayerは、使用する超電導線材における臨界電流の設計値Icwireに依存する(Icwire×使用本数)ため、上述のように使用本数が多いと、外周側の超電導層における臨界電流の設計値Iclayer outerは、内周側の超電導層における臨界電流の設計値Iclayer innerに比較して大きくなる。外周側の臨界電流:Iclayer outerが内周側の臨界電流:Iclayer innerよりも大きい場合に、測定対象が外周側の超電導層であり、この外周側の超電導層を往路とし、内周側の超電導層を復路とすると、内周側の臨界電流:Iclayer innerに制限されて、臨界電流:Iclayer outerの測定に必要な電流を往路及び復路に流すことができない。つまり、測定対象の臨界電流を測定できない。特に、同軸超電導ケーブルに具える各超電導層を比較したとき、臨界電流の設計値が大きく異なる場合には、臨界電流を実測できない超電導層が生じ得る。
そこで、本発明の目的は、同軸超電導ケーブルに具える任意の超電導層の臨界電流を測定可能な超電導ケーブルの臨界電流測定方法を提供することにある。
本発明は、同軸超電導ケーブルに具える複数の超電導層のうち、測定対象の超電導層と、測定対象以外の別の超電導層とで往復通電を行って測定対象の臨界電流を測定するにあたり、復路とする別の超電導層として、臨界電流の設計値が特定の条件を満たすものとすることで、上記目的を達成する。
本発明の超電導ケーブルの臨界電流測定方法は、複数の超電導層が同軸状に配置されたケーブルコアを具える同軸超電導ケーブルにおいて、測定対象とする一つの超電導層の臨界電流を測定する方法に係るものである。この測定方法では、まず、測定対象とする超電導層を除く複数の超電導層から、少なくとも一つの超電導層を選択する。この選択は、当該選択した超電導層における臨界電流の設計値が、測定対象の超電導層における臨界電流の設計値以上となるように行う。次に、上記同軸超電導ケーブルの一端側において、上記測定対象の超電導層と選択した超電導層とを電気的に接続して、上記測定対象の超電導層を往路とし、上記選択した超電導層を復路とする往復通電路を構築する。そして、上記同軸超電導ケーブルの他端側において、往路とする上記測定対象の超電導層と、復路とする上記選択した超電導層とに直流電源を接続して上記往復通電路に直流電流を通電して、上記測定対象の超電導層の臨界電流を測定する。
同軸超電導ケーブルに具える複数(特に、三つ以上)の超電導層のうち、一つの超電導層を測定対象とし、別の超電導層を利用して往復通電路を構築する本発明は、上述のように長尺なリード部材が不要であり、小型な電源を利用して臨界電流を簡便に測定できる。特に、本発明では、測定対象における臨界電流の設計値を基準として、復路に利用する超電導層を選択しており、臨界電流の測定のために流す電流値が復路の臨界電流値によって制限されず、十分に大きな値とすることができる。従って、本発明では、同軸超電導ケーブルに具える任意の超電導層の臨界電流を測定することができる。
本発明の一形態として、上記復路を複数の超電導層とする形態が挙げられる。
復路を複数の超電導層によって構成することで、当該超電導層における臨界電流の設計値(合計値)を測定対象における臨界電流の設計値(以下、臨界電流Icgoと呼ぶ)よりも容易に大きくすることができ、上記形態は、測定対象の臨界電流を確実に測定できる。また、上記形態は、復路を複数の超電導層によって構成することで復路に電圧が実質的に生じず、往路のみの電圧を測定できることから、往路とする測定対象の超電導層の臨界電流を精度よく測定できる。
本発明の一形態として、往路とする上記測定対象の超電導層と、路とする上記選択した超電導層とが同一のケーブルコアに具えられ、上記復路が、上記測定対象の超電導層よりも内周側に位置する複数の超電導層を含む形態が挙げられる。
上記形態は、往路とする測定対象の超電導層と、復路とする超電導層とが同一のケーブルコアに存在するため、往復通電路をより簡単に形成でき、測定システムの構築時に作業性に優れる。また、上記形態は、復路とする超電導層がケーブルコアの内周側の層である、つまり、往路とする測定対象の超電導層が当該ケーブルコアの外周側の層であるものの、複数の超電導層によって復路を構築することで、復路の臨界電流の設計値(合計値)を測定対象の臨界電流Icgoよりも容易に大きくすることができ、測定対象の臨界電流を確実に測定できる。
本発明の一形態として、上記同軸超電導ケーブルが、複数のケーブルコアが一つの断熱管に収納された多心ケーブルであり、往路とする上記測定対象の超電導層を具えるケーブルコアと、復路とする上記選択した超電導層を具えるケーブルコアとが異なる形態が挙げられる。
上記形態は、往路とする測定対象の超電導層と、復路とする超電導層とが同一の断熱管内に収納されているため、往復通電路を簡単に形成でき、測定システムの構築時に作業性に優れる。また、上記形態は、複数のケーブルコアから復路とする超電導層を選択できるため、測定対象の臨界電流Icgoよりも設計値が大きな超電導層を選択し易く、選択の自由度が大きい。
本発明超電導ケーブルの臨界電流測定方法は、同軸超電導ケーブルに具える任意の超電導層の臨界電流を測定できる。
実施形態に係る超電導ケーブルの臨界電流測定方法を説明するための説明図である。 同軸超電導ケーブルを模式的に示す横断面図である。
以下、図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。図において同一符号は、同一名称物を示す。まず、測定対象となる同軸超電導ケーブルを説明する。
同軸超電導ケーブル1は、例えば、図2に示すように同軸状に配置された複数の超電導層(ここでは超電導層12A,12B,12C)を具える一つのケーブルコア10が、一つの断熱管101に収納された単心ケーブルが挙げられる。
ケーブルコア10は、例えば、中心から順にフォーマ11、超電導層、電気絶縁層、シールド層14、保護層15を具える。
フォーマ11は、超電導層の支持、ケーブルの抗張力材、その他、短絡や地絡などの事故時における事故電流を分流する通電路などに利用される。通電路にも利用する場合、フォーマ11は、銅やアルミニウムなどの常電導材料からなる中実体や中空体(管体)が好適に利用できる。中実体は、例えば、ポリビニルホルマール(PVF)やエナメルなどの絶縁被覆を具える銅線を複数本撚り合わせた撚り線材が挙げられる。フォーマ11の外周にクラフト紙やPPLP(住友電気工業株式会社 登録商標)といった絶縁性テープなどを巻回してクッション層(図示せず)を設けることができる。
ケーブルコア10では、同軸状に配置された三つの超電導層12A,12B,12Cを具える。各超電導層12A〜12Cはいずれも、超電導線材を螺旋状に巻回した線材層を単層又は多層に具える形態が挙げられる。超電導線材は、酸化物超電導相を具える線材が挙げられる。より具体的には、REを希土類元素とするとき、RE123と呼ばれるREBa2Cu3Ox(例えば、YBCO,HoBCO,GdBCOなど)といった希土類系酸化物超電導相を具えるRE系薄膜線材(金属基板の上に上記超電導相の薄膜を具える線材)や、Bi2223と呼ばれるBi2Sr2Ca2Cu3O10+δといったBi系酸化物超電導相を具え、AgやAg合金を金属マトリクスとするBi系線材といった高温超電導線材が挙げられる。一つの超電導層を多層構造とする場合、各線材層の層間にクラフト紙などの絶縁紙を巻回した層間絶縁層を形成することができる。その他、一つの超電導層の直上や直下には、カーボン紙などを適宜巻回して半導電層を設けることができる。
各超電導層12A〜12Cを構成する超電導線材の使用数や線材層の積層数は、所望の電力供給容量に応じて設計される。一般に、使用数や積層数を多くすると、超電導層の臨界電流を大きくすることができる。例えば、定格電流が2kA以上、更に4kA以上、特に5kA以上といった大容量の電力供給が可能な超電導ケーブルとすることができる。同軸超電導ケーブル1を例えば、3相交流送電に利用し、各超電導層12A〜12Cを各相の送電に利用する場合、各超電導層12A〜12Cの使用数や積層数は、各相の送電容量に応じて設計するとよい。
各超電導層12A〜12Cを構成する超電導線材は、異なる仕様(材質、サイズ、臨界電流特性)の線材が利用できるが、同様の仕様の線材とすると、線材の製造性に優れる上に、巻回条件の調整などを行い易く、ケーブルの生産性にも優れる。各超電導層12A〜12Cが同様の仕様の線材によって構成されている場合、ケーブルコア10において外周側に位置する超電導層(ここでは、超電導層12C)を構成する超電導線材の使用数が、内周側に位置する超電導層(ここでは、超電導層12A,12B)を構成する超電導線材の使用数以上であることを許容する。超電導線材の幅や、線材層において周方向に隣り合う線材の間隔などを調整することで、各超電導層における超電導線材の使用数を等しくすることができる。
ケーブルコア10では、超電導層12A,12B間、超電導層12B,12C間、及び超電導層12Cの外周にそれぞれ、電気絶縁層13a,13b,13cを同軸状に具える。電気絶縁層13a〜13cは、クラフト紙やPPLP(登録商標)といった半合成絶縁紙などの絶縁性テープを巻回することで形成することができる。電気絶縁層13a〜13cは、例えば、各超電導層12A〜12Cを3相交流送電の各相の送電に利用する場合、相間絶縁などに必要な耐電圧特性を有するように設けるとよい。
シールド層14は、超電導シールド層及び常電導シールド層の少なくとも一方を具える形態が挙げられる。超電導シールド層は、例えば、上述の超電導線材を螺旋状に巻回して形成し、常電導シールド層は、例えば、銅といった常電導材料からなる金属テープを巻回して形成することができる。シールド層14は、同軸超電導ケーブル1の運転時、磁気遮蔽層として利用することができる。常電導シールド層は、上述の事故電流の誘導電流を分流する通電路に利用することもできる。
保護層15は、シールド層(特に超電導シールド層)を機械的に保護する機能を有する。保護層15は、クラフト紙やPPLP(登録商標)といった半合成絶縁紙などの絶縁性テープを巻回して形成した形態が挙げられる。
断熱管101は、内管101iと外管101oとの二重管からなり、内管101iと外管101oとの間が真空引きされた真空断熱構造のものが代表的である。運転時、内管101i内には、液体窒素といった冷媒103が充填され、超電導層や超電導シールド層を超電導状態に維持する。内管101iと外管101oとの間にスーパーインシュレーションといった断熱材(図示せず)や、両管101i,101oの間隔を保持するスペーサ(図示せず)を配置させた構成が利用できる。外管101oの外周には、ポリ塩化ビニル(PVC)といった防食層102を具えると、耐食性を高められる。
(実施形態1)
次に、上記構成を具える同軸超電導ケーブル1に具える超電導層の臨界電流を測定する方法を具体的に説明する。ここでは、ケーブルコア10において外周側に位置する超電導層12Cを測定対象とする場合を説明する。
まず、同軸超電導ケーブル1に具えるケーブルコア10から、少なくとも一つの超電導層(測定対象の超電導層12Cを除く)を選択する。特に、本発明では、当該選択した超電導層における臨界電流の設計値(以下、臨界電流Icreturnと呼ぶ)が、測定対象である超電導層12Cの臨界電流Icgo以上となるように選択することを特徴とする。
例えば、超電導層12A,12B,12Cにおける臨界電流の設計値をそれぞれ順に、3000A,4000A,5000Aとすると、測定対象の臨界電流Icgoは5000Aであることから、超電導層12A,12Bのいずれか一方を選択しても、当該選択した超電導層の臨界電流Icreturnは、5000A以上とならない。一方、超電導層12A,12Bの双方を選択すると、臨界電流Icreturn(ここでは合計値)は、3000A+4000A=7000Aとなり、測定対象の臨界電流Icgo:5000A以上となる。そこで、この例では、超電導層12A,12Bの双方を選択する。
次に、測定対象の超電導層12Cを往路とし、上記選択した超電導層12A,12Bの双方を復路とする往復通電路を構築する。具体的には、図1に示すようにケーブルコアの両端側をそれぞれ段剥ぎして、各超電導層12A,12B,12Cを露出させておく。そして、同軸超電導ケーブル1の一端部(図1では右側)において、超電導層12A,12Bを電気的に接続すると共に、超電導層12A,12Bの双方と測定対象の超電導層12Cとを電気的に接続する。この接続には、リード部材210,211が利用できる。ここでは、リード部材210によって超電導層12A,12Bを接続し、リード部材211によって超電導層12Cとリード部材210とを接続している。リード部材210,211、及び後述するリード部材220,221は、銅や銅合金などの常電導材料からなる部材、その他、上述の超電導線材を適宜組み合せた部材が挙げられる。
次に、同軸超電導ケーブル1の他端部(図1では左側)において、往路及び復路に直流電源200を接続して、構築した往復通電路に往復通電を行えるようにする。ここでは、復路とする超電導層12A,12Bの双方をリード部材220によって電気的に接続すると共に、往路とする超電導層12Cにリード部材221を接続し、リード部材220,221に直流電源200を接続している。
直流電源200は、市販品を利用することができる。直流電源200として、通電の変化速度の制御が可能な機構を具えるものを利用したり、変化速度を制御可能な市販のスイーパ装置(図示せず)を直流電源200に併設させたりすることができる。また、直流電源200からの測定データ(主として通電電流)を記録する記憶手段を具える記録装置を直流電源200に接続すると、作業者が測定結果を把握し易い。
その他、ここでは、超電導層12A,12Bの端部と超電導層12Cの端部間の電圧を測定する測定手段(図示せず)をケーブルコア10の端部に取り付ける。この測定データの記憶手段や記録装置なども、ケーブルコア10の端部に取り付けると、作業者が測定結果を把握し易い。
上述のような測定システムを構築したら、直流電源200によって、往路:超電導層12Cと復路:超電導層12A,12Bとからなる往復通電路に、一定の変化速度で直流電流を供給して、往路の臨界電流を測定する。直流電流は、リード部221から超電導層12Cを経て、更にリード部材211を介してリード部材210で分岐されて超電導層12A,12Bを流れる。理想的には、超電導層12A,12Bのそれぞれに、同じ大きさの電流が流れる(通電した電流の1/2ずつが流れる)ことが好ましい。超電導層12A,12Bを経た分流電流は、直流電源200側においてリード部220を経て合わせられる。
ここでは、超電導層12Cの臨界電流は、超電導層12Cと、超電導層12A,12Bとの間の電圧信号(電位差)を測定して、電流と電圧との関係を求め、得られた電流-電圧特性から1μV/cm(=0.1mV/m)の電界が生じた電流を求め、この電流とする。
上述のように、同軸超電導ケーブルに具える複数の超電導層のうち、一つの超電導層の臨界電流を測定するにあたり、別の超電導層を利用して往復送電路を構築することで、長尺なリード部材が不要であるため、長尺なリード部材に発生する電圧を保証するための大容量の電源を使用する必要がない。従って、実施形態1では、小容量の電源を利用して、測定対象とする超電導層の臨界電流を簡便に測定することができる。特に、実施形態1では、往路とする測定対象の超電導層12Cにおける臨界電流の設計値Icgo以上となるように、復路とする超電導層を選択していることで、復路とする超電導層に流れる電流は、当該超電導層の臨界電流の設計値を超えない(復路に通電可能な電流値以下となる)。そのため、実施形態1では、臨界電流を測定するために通電電流値を十分に大きくすることができ、測定対象の臨界電流を確実に測定することができる。また、任意の超電導層を測定対象とした場合にも、全ての超電導層の臨界電流を測定することができる。
更に、この例では、測定対象の超電導層が外周側に位置し、復路とする超電導層が内周側に位置するものの、複数の超電導層によって復路を構築することで、復路における臨界電流の設計値の合計値を臨界電流の設計値Icgo以上にすることができる。従って、実施形態1では、測定対象の臨界電流を確実に測定できる。
加えて、この例では、復路を複数の超電導層によって構築することで、当該複数の超電導層に電流が分岐して、復路に実質的に電圧が生じない。そのため、実施形態1では、往路とする測定対象の超電導層の電圧を適切に測定できることから、臨界電流を精度よく測定することができる。
(変形例1)
上述のRE系薄膜線材やBi系線材はいずれも、その表面に対して垂直に磁場が印加されると(超電導線材の厚さ方向に磁場が印加されると)、その表面に平行に磁場が印加される場合に比べて、臨界電流が低下する傾向にある。従って、実施形態1のように、ケーブルコア10の外周側に位置する超電導層12Cを測定対象及び往路とし、内周側に位置する超電導層12A,12Bを復路とする場合、復路とする超電導層12A,12Bが形成する磁場による臨界電流の低下分を補正すると、臨界電流を更に精度よく測定することができる。
(変形例2)
実施形態1では、超電導層12Cを測定対象としたが、超電導層12A又は超電導層12Bの臨界電流も勿論測定することができる。上述のように超電導層12A,12B,12Cにおける臨界電流の設計値をそれぞれ順に、3000A,4000A,5000Aとするときに、超電導層12Aを測定対象とする場合、復路には、例えば、超電導層12Bを利用することができる。この場合、同軸超電導ケーブル1の一端側で、超電導層12A,12Bをリード部材によって電気的に接続し、他端側で、リード部材を適宜介して超電導層12A,12Bに直流電源200を接続するとよい。超電導層12Bを測定対象とする場合、復路には、超電導層12Cを利用することができる。この場合、同軸超電導ケーブル1の一端側で、超電導層12B,12Cをリード部材によって電気的に接続し、他端側で、リード部材を適宜介して超電導層12B,12Cに直流電源200を接続するとよい。
上記いずれの場合も、復路とする超電導層における臨界電流の設計値は、往路とする測定対象の超電導層における臨界電流の設計値よりも十分に大きい。従って、超電導層12Aの臨界電流、超電導層12Bの臨界電流のいずれも精度よく測定することができる。
なお、測定対象とする超電導層の臨界電流Icgoと、別の超電導層の臨界電流の設計値に大きな差がない場合には、任意の超電導層を復路に利用することができる。
(実施形態2)
実施形態1では、測定対象の超電導ケーブルとして単心ケーブルを説明したが、一つの断熱管内に複数のケーブルコア(実施形態1で説明した構成のもの)を具える多心ケーブルにも、本発明測定方法を利用することができる。この場合、多心同軸超電導ケーブルに具える任意のケーブルコアについて、任意の超電導層を測定対象及び往路とし、同じケーブルコアに具える少なくとも一つの別の超電導層を復路とすることができる(但し、復路には、臨界電流Icgo≦臨界電流Icreturn(複数層の場合には合計値)を満たす超電導層を選択する)。
或いは、多心同軸超電導ケーブルに具える任意のケーブルコアについて、任意の超電導層を測定対象及び往路とし、別のケーブルコアに具える少なくとも一つの超電導層を復路としたり、同じケーブルコアに具える少なくとも一つの別の超電導層と別のケーブルコアに具える少なくとも一つの超電導層との双方を復路としたりすることができる(但し、復路には、臨界電流Icgo≦臨界電流Icreturn(複数層の場合には合計値)を満たす超電導層を選択する)。
上述のようにこの形態は、復路とする超電導層の選択の自由度が大きく、任意の超電導層の臨界電流を測定することができる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、一つのケーブルコアに具える超電導層の数、一つの断熱管に具えるケーブルコアの数などを変更することができる。
本発明超電導ケーブルの臨界電流測定方法は、布設後の超電導ケーブルの竣工試験を行う場合などで臨界電流を測定する際に好適に利用することができる。測定対象には、多相交流用超電導ケーブルの他、直流用超電導ケーブルとすることができる。
1 同軸超電導ケーブル 10 ケーブルコア 11 フォーマ
12A,12B,12C 超電導層 13a,13b,13c 電気絶縁層 14 シールド層
15 保護層
101 断熱管 101i 内管 101o 外管 102 防食層 103 冷媒
210,211,220,221 リード部材 200 直流電源

Claims (4)

  1. 超電導線材を螺旋状に巻回した線材層を単層又は多層に具えてなる複数の超電導層が電気絶縁層を介して同軸状に配置されており、各超電導層の臨界電流の設計値が異なるケーブルコアを具える同軸超電導ケーブルにおいて、測定対象とする一つの超電導層の臨界電流を測定するときに、
    測定対象とする超電導層を除く複数の超電導層から、複数の超電導層を選択し、この選択は、当該選択した複数の超電導層における臨界電流の設計値の合計が、測定対象の超電導層における臨界電流の設計値以上となるように行い、
    前記同軸超電導ケーブルの一端側において、前記測定対象の超電導層と前記選択した複数の超電導層とを電気的に接続して、前記測定対象の超電導層を往路とし、前記選択した複数の超電導層を復路とする往復通電路を構築し、
    前記同軸超電導ケーブルの他端側において、往路とする前記測定対象の超電導層と、復路とする前記選択した複数の超電導層とに直流電源を接続して前記往復通電路に直流電流を通電して、前記測定対象の超電導層の臨界電流を測定することを特徴とする超電導ケーブルの臨界電流測定方法。
  2. 往路とする前記測定対象の超電導層と、路とする前記選択した複数の超電導層とは、同一のケーブルコアに具えられ、
    前記復路は、前記測定対象とする超電導層を除く複数の超電導層のうち、前記測定対象の超電導層よりも内周側に位置する複数の超電導層を含むことを特徴とする請求項1に記載の超電導ケーブルの臨界電流測定方法。
  3. 前記同軸超電導ケーブルは、複数のケーブルコアが一つの断熱管に収納された多心ケーブルであり、
    復路とする前記選択した複数の超電導層を具えるケーブルコアの少なくとも一つは、往路とする前記測定対象の超電導層を具えるケーブルコア異なることを特徴とする請求項1に記載の超電導ケーブルの臨界電流測定方法。
  4. 前記同軸超電導ケーブルは、3相交流送電に用いられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の超電導ケーブルの臨界電流測定方法。
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