JP4697530B2 - 超電導ケーブルの臨界電流測定方法及び臨界電流測定システム - Google Patents

超電導ケーブルの臨界電流測定方法及び臨界電流測定システム Download PDF

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Description

本発明は超電導ケーブルの臨界電流測定方法と臨界電流測定システムに関するものである。特に、長尺の超電導ケーブル線路を構成する超電導ケーブルの臨界電流を簡便に測定できる臨界電流測定方法に関するものである。
超電導線材の臨界電流を測定する方法として、特許文献1に記載のものがある。これは、2本の超電導線材を絶縁した状態で補強材に沿わせ、両超電導線材の一端側を電気的に接続し、この超電導線材をコイル状に巻回して、その超電導線材の他端側から通電して電圧を測定することで臨界電流を測定する方法である。このように、超電導ケーブルに構成する前段階の超電導線材であれば、コイル状に巻回することにより臨界電流の測定を比較的容易に行なうことができる。しかし、このような臨界電流の測定技術は、布設後の超電導ケーブルの臨界電流の測定に利用することができない。
一方、超電導ケーブルを布設後に竣工試験などでケーブル特性をチェックする目的で超電導ケーブルの臨界電流を測定する必要もある。その場合、例えば図4に示すように、単長の3心一括型超電導ケーブルにおける一本のケーブルコア10Aの両端にリード線30をつないで直流電源40と接続し、この電源からケーブルに通電して臨界電流の測定を行うことが考えられる。
特開2004-28901号公報
しかし、リード線を用いる上記の臨界電流測定方法では、長尺の超電導ケーブルの臨界電流を測定する際に、次のような問題があった。
(1)長尺のリード線が必要になる。
超電導ケーブルを実線路で使用することを考えると、ケーブル単長は1〜5kmとなると想定される。このような長尺線路でリード線を用いた臨界電流の測定を行おうとすれば、ケーブル単長よりも長いリード線が必要になる。例えば、1kmのケーブルの片端側に直流電源を配置する場合、リード線も1km以上の長さが必要になり、ケーブルの中間部に直流電源を配置する場合でも、500m以上のリード線が2本必要になる。
(2)リード線を引き回すスペースが必要になる。
リード線が長尺になると、この長尺のリード線を引き回すスペースを確保しなければならず、その引き回し作業も煩雑である。例えば、超電導ケーブルを地下の管路に布設している場合、別途リード線を挿入するための専用管路が必要になり、管路活用上の制約になる。また、地上に超電導ケーブルを布設し、このケーブルに沿わせてリード線を配置することも考えられるが、一般に地上には道路や建造物が多数存在し、このようなリード線の配置によりケーブルの臨界電流を測定することは事実上不可能である。特に、このリード線は、臨界電流測定時にのみ必要であり、超電導ケーブルの運転後には取り外してもよいため、リード線の引き回しのための専用部材の使用やスペースの確保は極力避けたい。
(3)大容量の直流電源が必要になる。
リード線が長尺になると、その抵抗値が大きくなる。抵抗値の大きなリード線に所望の電流を通電しようとすれば大きな電圧が発生するため、大容量の直流電源が必要になる。一般に、超電導ケーブルの臨界電流は数kAオーダーとなるため、このような大電流で高電圧を発生させることを考慮すると、非常に大容量の電源を使用せざるを得ず、およそ現実的ではない。例えば、1000mm2の断面積を有するリード線の1km当たりの抵抗は約0.02Ωであり、4kAの電流を通電するために必要な電圧は80Vとなる。実際の臨界電流測定では、電流値を徐々に増加させながら電流と電圧の特性を計測するため、インダクタンス成分による電圧も発生することを考慮すると、実質上100V以上の電圧を持つ直流電源が必要になる。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その主目的は、長尺の超電導ケーブルの臨界電流を簡便に測定できる超電導ケーブルの臨界電流測定方法と測定システムを提供することにある。
本発明臨界電流測定方法の第一の態様は、複数本の送電路を有する超電導ケーブルの臨界電流を測定する超電導ケーブルの臨界電流測定方法である。これら複数本の送電路のうち、測定対象となる一本の送電路に一方向の電流を、他の一本の送電路に逆方向の電流を流して往復通電を行い、測定対象の送電路の臨界電流Icを求めることを特徴とする。
複数本ある送電路のうち、一本の送電路に一方向の電流を、他の一本の送電路に逆方向の電流を流して往復通電を行うことで、送電路自体がリード線の機能を兼ねることができる。このとき、測定対象の送電路ではなく、リード線として機能する他の一本の送電路は、実質的に抵抗がない。このような送電路を利用することで、長尺のリード線を用いる必要がなく、それに伴うリード線の引き回しの問題や、大容量の直流電源を必要とするといった問題を全て解消することができる。
複数本ある送電路には、3心のコアを撚り合せて一つの断熱管内に収納した3心一括型超電導ケーブルにおける各コアや、単心コアを一つの断熱管内に収納した単心超電導ケーブルを3本布設した場合の各単心超電導ケーブルが利用できる。一般に、3心一括型超電導ケーブルの方がコンパクトな形状で大電流を通電できるメリットがある。この送電路の具体例は、後述する本発明の他の態様においても共通する。
臨界電流の測定を行う場合、各送電路の接続は、例えば、3心一括型超電導ケーブルにおける第一コアと第二コアとを一端側で接続し、両コアの他端側に直流電源を接続して、第一コアに往路電流を、第二コアに復路電流が流れるようにすればよい。
そして、この往復通電時の電気特性を利用して臨界電流Icを求める。代表的には、上記の往復通電を行い、その電流(I)を変化させて、その際に生じる電圧(V)を測定し、I-V特性から測定対象の送電路の臨界電流Icを求める。このI-V特性を求めて臨界電流を測定する手法も、本発明の他の態様において共通する。
この第一の態様において、他の一本の送電路に流れる電流の磁場の影響を考慮して、測定対象の送電路の臨界電流Icを補正することが好ましい。つまり、予め、二本のサンプル送電路のうち、一方に一方向の電流を、他方に逆方向の電流を流した往復通電時の臨界電流Ic-Rと、一本のサンプル送電路を用いた一方向通電時の臨界電流Ic-Oとの相関関係を求めておく。そして、この相関関係に基づいて、前記測定対象の送電路の臨界電流Icを、一本の送電路に一方向の通電を行った場合の臨界電流Ic-Cに補正すればよい。
この補正により、他の一本の送電路に流れる電流の磁場の影響を排除して、一本の送電路に一方向の通電を行った場合のより正確な臨界電流を求めることができる。
サンプル送電路は、例えば実線路に布設された超電導ケーブルと同様の構成を持つ短尺のケーブルを利用することができる。サンプル送電路の長さは、臨界電流Ic-Rと、臨界電流Ic-Oを求めるのに支障がない程度の長さを適宜選択すればよい。
次に、本発明臨界電流測定方法の第二の態様は、複数本の送電路を有する超電導ケーブルの臨界電流を測定する超電導ケーブルの臨界電流測定方法である。これら複数本の送電路のうち、測定対象となる一本の送電路に一方向の電流を、他の二本の送電路に逆方向の電流を流して往復通電を行い、測定対象の送電路の臨界電流を求めることを特徴とする。
この方法においても、第一の態様と同様に、送電路自体がリード線の機能を兼ねることができる。そのため、長尺のリード線を用いる必要がなく、それに伴うリード線の引き回しの問題や、大容量の直流電源を必要とするといった問題を全て解消することができる。
さらに、第二の態様では、測定対象でない他の二本の送電路に、測定対象の送電路とは逆方向の電流が分配して流される。この他の二本の送電路に流れる分配電流は、基本的に同等の大きさに分けられて分流するため、これら分配電流により、測定対象の送電路に印加される外部磁場が相当程度キャンセルされる。そのため、第二の態様で得られる臨界電流値は、単相(1本)の送電路に通電して測定した臨界電流値とほぼ同等の結果が得られ、補正する必要がない。
第二の態様のより具体的な代表例としては、3心一括型超電導ケーブルにおける第一コアの一端と、第二コアおよび第三コアの一端とを接続し、第一コアの他端と、第二コアおよび第三コアの他端との間に直流電源を接続して、第一コアに往路電流を、第二・第三コアに復路電流が流れるようにすればよい。
また、本発明臨界電流測定システムの第一の態様は、複数本の送電路を有する超電導ケーブルの臨界電流を測定する超電導ケーブルの臨界電流測定システムである。このシステムは、複数本の送電路のうち、一本の送電路における一端と、他の一本の送電路における一端とを電気的につなぐ接続部を有する。また、一本の送電路に一方向の電流を、他の一本の送電路に逆方向の電流を流すように、前記一本の送電路の他端と他の一本の送電路の他端とに接続される直流電源を具備する。
このシステムによれば、一本の送電路における一端と、他の一本の送電路における一端とを電気的につなぐことで、両送電路を用いて往復送電を行うことができ、送電路自体がリード線の機能を兼ねることができる。そのため、長尺のリード線を用いる必要がなく、それに伴うリード線の引き回しの問題や、大容量の直流電源を必要とするといった問題を全て解消することができる。
次に、本発明臨界電流測定システムの第二の態様は、複数本の送電路を有する超電導ケーブルの臨界電流を測定する超電導ケーブルの臨界電流測定システムである。このシステムは、複数本の送電路のうち、一本の送電路における一端と、他の二本の送電路における一端とを電気的につなぐ接続部を有する。また、一本の送電路に一方向の電流を、他の二本の送電路に逆方向の電流を流すように、前記一本の送電路の他端と他の二本の送電路の他端とに接続される直流電源を具備する。
このシステムによれば、一本の送電路における一端と、他の二本の送電路における一端とを電気的につなぐことで、第一の態様と同様に往復通電を行うことができ、送電路自体がリード線の機能を兼ねることができる。さらに、このシステムでは、測定対象でない他の二本の送電路に流れる分配電流が分流することにより、測定対象の送電路に印加される外部磁場が実質的にキャンセルされる。そのため、本システムで得られる臨界電流値は、単相(1本)の送電路に通電して測定した臨界電流値とほぼ同等の結果が得られ、補正する必要がない。
上記本発明システムにおける接続部は、例えば超電導ケーブルの端部に短いリード線を接続することで形成すれば良い。このことは、第一・第二のいずれの態様のシステムであっても同様である。
本発明方法およびシステムによれば、次の効果を奏することができる。
(1)超電導ケーブルを構成する複数の送電路を用いて往復送電を行うことで、送電路自体がリード線の機能を兼ねることができる。そのため、長尺のリード線を用いる必要がなく、それに伴うリード線の引き回しの問題や、大容量の直流電源を必要とするといった問題を解消することができる。特に、巻取り状態でない長尺の超電導ケーブル、例えば布設後の超電導ケーブルの臨界電流の測定を簡便に行なうことができる。
(2)二本のサンプル送電路のうち、一方に一方向の電流を、他方に逆方向の電流を流した往復通電時の臨界電流Ic-Rと、一本のサンプル送電路を用いた一方向通電時の臨界電流Ic-Oとの相関関係を求めておくことで、この相関関係に基づいて、測定対象の送電路の臨界電流Icを、一本の送電路に一方向の通電を行った場合の臨界電流Ic-Cに補正することができる。この補正により、他の一本の送電路に流れる電流の磁場の影響を排除して、一本の送電路に一方向の通電を行った場合のより正確な臨界電流を求めることができる。
(3)複数本の送電路のうち、測定対象となる一本の送電路に一方向の電流を、他の二本の送電路に逆方向の電流を流して往復通電を行うことで、長尺のリード線を用いることなく超電導ケーブルの臨界電流を測定できる。その上、他の二本の送電路に流れる分配電流により、測定対象の送電路に印加される外部磁場がより多くキャンセルされることになる。それにより、得られる臨界電流値は、単相(1本)の送電路に通電して測定した臨界電流値とほぼ同等の結果となり、補正する必要がない。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態1)
本例では、3心一括型超電導ケーブルの臨界電流を測定する場合を例として説明する。先に、この超電導ケーブルの構成を図1に基づいて説明する。この超電導ケーブル100は、3心のケーブルコア10を撚り合せて断熱管20内に収納した構成である。
各ケーブルコア10は、中心から順にフォーマ11、超電導導体層12、絶縁層13、超電導シールド層14、保護層15を具えている。通常、フォーマ11は、撚り線やパイプ材で構成される。導体層12は、フォーマ11上に超電導線材を多層に螺旋状に巻回して構成される。代表的には、超電導線材には、酸化物超電導材料からなる複数本のフィラメントが銀シースなどの安定化金属中に配されたテープ状のものが用いられる。絶縁層13は絶縁紙を巻回して構成される。シールド層14は、絶縁層13上に導体層12と同様の超電導線材を螺旋状に巻回して構成する。そして、保護層15には絶縁紙などが用いられる。
また、断熱管20は、内管21と外管22とからなる二重管の間に断熱材(図示せず)が配置され、かつ二重管内が真空引きされた構成である。断熱管20の外側には、防食層23が形成されている。そして、中空のフォーマ11内や内管21とコア10の間に形成される空間に液体窒素などの冷媒を充填・循環し、絶縁層13に冷媒が含浸された状態で使用状態とされる。
このような超電導ケーブルを布設して構成した超電導ケーブル線路において、臨界電流Icの測定を行う。その測定手順を図2に基づいて説明する。図2では、説明の便宜上、各ケーブルコア10A〜10Cを平行に配して直線状に示しているが、実際の各ケーブルコア10A〜10Cは互いに螺旋状に撚り合わされている。ここでは、3相のケーブルコアのうち、第一相のケーブルコア10Aを測定対象の送電路とし、第二相のケーブルコア10Bを往復通電を行うための送電路とし、残りの第三相のケーブルコア10Cは臨界電流の測定には何ら用いない。
臨界電流の測定を行うには、第一相のケーブルコア10Aの一端と、第二相のケーブルコア10Bの一端とを短いリード線を介して接続しておく。つまり、超電導導体層の端部をリード線31で接続しておく。一方、第一相のケーブルコア10Aの他端と、第二相のケーブルコア10Bの他端の各々には電流端子を設け、この端子に短いリード線32を介して直流電源40を接続する。この接続により、測定対象となる第一相のケーブルコア10Aには往路電流が、第二相のケーブルコア10Bには復路電流が流されることになる。
この接続状態において、超電導ケーブルの臨界電流の測定は、例えば次のように行う。直流電源の電流を徐々に増加させながら第一相のケーブルコア10Aを往路、第二相のケーブルコア10Bを復路とする往復通電を行う。その際、電圧信号を測定し、電流-電圧特性を記録する。そして、この電流-電圧特性から、1μV/cmの電界が発生した電流を臨界電流Icとして求める。
本例の方法によれば、3心あるケーブルコアのうち、第一相のケーブルコア10Aを測定対象とし、第二相のケーブルコア10Bを復路電流通電用の送電路として利用することで、両ケーブルコア10A、10B同士を接続する短いリード線31と、各ケーブルコアと直流電源40を接続する短いリード線32のみを用いれば臨界電流の測定を行なうことができる。そのため、必要なリード線の長さを格段に短かくでき、長尺のリード線を引き回すスペースや煩雑な作業を解消できる。さらに、短尺のリード線でよいため、リード線自体の抵抗値は低く、低電圧で所望の電流を流すことができるため、大容量の直流電源を用いる必要もない。
(実施の形態2)
次に、実施の形態1で求められた臨界電流Icを、外部磁場の影響を考慮して補正する本発明実施の形態を説明する(図2)。実施の形態1による測定方法では、測定対象となる第一相のケーブルコア10Aが、第二相のケーブルコア10Bに流れる電流の磁場の影響を受けるため、この磁場の影響を考慮して臨界電流Icを補正すれば、より正確な臨界電流値を求めることができる。
この場合、臨界電流の測定に先立って、測定対象となる超電導ケーブルと同様の構成を持つ短尺(例えば5m)のサンプルケーブルを用意する。サンプルケーブルは測定対象の超電導ケーブルとは長さが異なる以外は同一の構成である。このサンプルケーブルの第一相の両端部にリード線を介して直流電源を接続して一方向通電を行い、電流を徐々に増加させて、その際の電流-電圧特性から臨界電流Ic-Oを求めておく。
次に、サンプルケーブルの第一相の一端と第二相の一端とをリード線で接続し、さらに第一相の他端と第二相の他端との間にリード線を介して直流電源を接続する。ここでのケーブルにおける接続箇所も実施の形態1と同様に各相の超電導導体層の端部である。その状態で、第一相に往路電流を、第二相に復路電流を流して往復通電を行い、電流を徐々に増加させて、その際の電流-電圧特性から臨界電流Ic-Rを求めておく。
これら臨界電流Ic-Oと臨界電流Ic-Rを求めるに際して、サンプルケーブルは短尺であるため、その臨界電流測定時に必要なリード線が短くてよいことはいうまでもない。
続いて、これらの測定結果から、第一相のみに一方向通電した場合の臨界電流Ic-Oと、第一相と第二相を用いて往復通電した場合の臨界電流Ic-Rとの相関関係を求めておく。
そして、この相関関係に基づいて、実施の形態1で求めた臨界電流Icを補正し、第二相の往路通電を利用することなく第一相のみで一方向通電により測定した場合の臨界電流Ic-Cを推定することができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態1で説明した3心一括超電導ケーブルの全てのケーブルコアを用いて臨界電流の測定を行う実施の形態を図3に基づいて説明する。図3においても、図2と同様に、説明の便宜上、各ケーブルコアは直線状に並列して示している。
本例では、測定対象ではない第二相と第三相のケーブルコア10B、10Cの一端をリード線33で接続し、さらにこの接続箇所を測定対象となる第一相のケーブルコア10Aの一端とリード線34で接続する。つまり、第一相のケーブルコア10Aに対して、第二相および第三相のケーブルコア10B、10Cが並列に接続されることになる。ここでのケーブルコアにおける接続箇所も実施の形態1と同様に各相の超電導導体層の端部である。
一方、第一相の他端はリード線35を介して直流電源40の一方の極に接続される。また、第二相および第三相の他端同士は互いにリード線36で接続され、そのリード線36が直流電源40の他方の極に接続される。
この状態で通電を行うと、第一相には往路電流が通電され、第二相および第三相の各々には復路電流が分流されて、往復通電が行われる。その際、この復路電流の第二相と第三相への分配は、同等の大きさの電流となり、第二相および第三相の各々から第一相に対して作用する各磁場は交差することになる。そのため、この第二相と第三相に流れる復路電流により生じる磁場がある程度相殺され、測定対象の第一相に対して作用する外部磁場を低減することができる。
臨界電流の測定は、実施の形態1と同様に、上記往復通電の際の電流-電圧特性を求め、その電流-電圧特性を元に臨界電流を求める。本例の方法によれば、測定対象の第一相に印加される外部磁場が相当程度キャンセルされた状態で臨界電流の測定が行えるため、得られる臨界電流値は、単相の送電路に通電して測定した臨界電流値とほぼ同等の結果で、補正する必要がない。
本発明超電導ケーブルの臨界電流測定方法および臨界電流測定システムは、長尺の超電導ケーブル、特に既に布設された超電導ケーブル線路におけるケーブルの臨界電流を測定することに利用することができる。
超電導ケーブルの断面図である。 実施の形態1に係る超電導ケーブルの臨界電流測定方法の説明図ある。 実施の形態3に係る超電導ケーブルの臨界電流測定方法の説明図ある。 従来の超電導ケーブルの臨界電流測定方法の説明図である。
符号の説明
100 超電導ケーブル
10、10A、10B、10C ケーブルコア
11 フォーマ 12 超電導導体層 13 絶縁層 14 超電導シールド層
15 保護層
20 断熱管
21 内管 22 外管 23 防食層
30、31、32、33、34、35、36 リード線
40 直流電源

Claims (3)

  1. 複数本の送電路を有する超電導ケーブルの臨界電流を測定する超電導ケーブルの臨界電流測定方法であって、
    予め、二本のサンプル送電路のうち、一方に一方向の電流を、他方に逆方向の電流を流した往復通電時の臨界電流Ic-Rと、一本のサンプル送電路を用いた一方向通電時の臨界電流Ic-Oとの相関関係を求めておき、
    前記複数本の送電路のうち、測定対象となる一本の送電路に一方向の電流を、他の一本の送電路に逆方向の電流を流して往復通電を行い、測定対象の送電路の臨界電流Icを求め、この測定対象の送電路の臨界電流Icを、前記相関関係に基づいて、一本の送電路に一方向の通電を行った場合の臨界電流Ic-Cに補正することを特徴とする超電導ケーブルの臨界電流測定方法。
  2. 複数本の送電路を有する超電導ケーブルの臨界電流を測定する超電導ケーブルの臨界電流測定方法であって、
    前記複数本の送電路のうち、測定対象となる一本の送電路に一方向の電流を、他の二本の送電路に逆方向の電流を流して往復通電を行い、測定対象の送電路の臨界電流を求めることを特徴とする超電導ケーブルの臨界電流測定方法。
  3. 複数本の送電路を有する超電導ケーブルの臨界電流を測定する超電導ケーブルの臨界電流測定システムであって、
    前記複数本の送電路のうち、一本の送電路における一端と、他の二本の送電路における一端とを電気的につなぐ接続部と、
    一本の送電路に一方向の電流を、他の二本の送電路に逆方向の電流を流すように、前記一本の送電路の他端と他の二本の送電路の他端とに接続される直流電源とを有することを特徴とする超電導ケーブルの臨界電流測定システム。
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