JP5246335B2 - ガンマ線方向検出装置および方法 - Google Patents

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    • G01T1/29Measurement performed on radiation beams, e.g. position or section of the beam; Measurement of spatial distribution of radiation
    • G01T1/2907Angle determination; Directional detectors; Telescopes

Description

本発明は、ガンマ線検出器につき、特に小体積で線源の存在する方向情報を得る方法と装置に関する。
従来の線源の存在する方向情報を得るガンマ線検出器技術にはガンマカメラ,コンプトンカメラ(非特許文献1)およびアドバンストコンプトンカメラ(非特許文献2)がある。コンプトンカメラと呼ばれる、主に天文分野で用いられるガンマ線検出器が存在するが、良い方向分解能を得るために2層の検出器を隙間を空けて配置するものがある。アドバンストコンプトンカメラ(以下ACC,非特許文献2)が、コニカルセクションから真の線源位置を抜粋するための技術として提案され分布の局在化に成功している。
瓜谷章(1999)応用物理学会 放射線分科会誌 放射線 Vol.25 No.1、p.87 栗原孝史(2008)法政大学情報メディア教育研究センター研究報告 Vol.21
個人携帯用の線量計は一般にガンマ線の飛来方向情報を取得できない。
ガンマカメラと呼ばれる、医療分野で用いられるガンマ線検出器では、鉛コリメータなどにより方向情報を得るが、コリメータ部の体積と質量が大きい。またコリメータの穴が向いている或る方向範囲のみにしか感度を持たない。特に200keV〜500keVを超える高エネルギーのガンマ線では、コリメータに要する鉛等の厚さ(重さ)の増加がはなはだしく、実用性を失う。従来可能なコリメータを用いる方法では、重量と不感方向に問題があった。
コンプトンカメラと呼ばれる、主に天文分野で用いられるガンマ線検出器が存在するが、良い方向分解能を得るために2層の検出器を隙間を空けて配置するため、一般に数10cm以上の大体積を要し、体積に比較して感度が悪く携帯に向いていない。またコンプトン散乱イベントで発生する2つの粒子である電子と光子を分離するために、初段の検出器と後段の検出器で材質(原子番号と密度)に差をつけることが望ましく、高感度の検出器に統一しないのが普通である。また得られる情報はバックプロジェクション円錐が為すコニカルセクションと呼ばれる任意立体に対する部分円錐面(または任意表面に対する楕円などの線分)であり、これは真の線源位置を含むが広い範囲に薄く広がるため、よい分布形状ではない。
アドバンストコンプトンカメラ(以下ACC,非特許文献2)が、コニカルセクションから真の線源位置を抜粋するための技術として提案され分布の局在化に成功している。しかし、コンプトン電子飛跡からその方向情報を得るため初段の検出器材質として気体を用いる必要があり、体積あたりのガンマ線感度は非常に悪い(固体に対し約1/1000)。コンプトンカメラでは小体積での感度と方向分解能に問題があった。
本発明ではこれらの課題を解決し、不感方向なしでの放射線の飛来方向情報の取得を目的とする。
ガンマ線を検出する複数の検出ピクセルと、所定のガンマ線の飛来方向に対して検出ピクセルでどのような実測頻度データが得られるはずであるかという対応関係を予め記憶した記憶装置と、複数の検出ピクセルで検出したガンマ線の実測頻度データを測定し、実測頻度データと記憶装置の対応関係を用いてガンマ線の飛来方向を演算する計測演算部とを有し、実測頻度データとして、ダブルピクセルイベントでの各ピクセルへのエネルギー付与量で順位づけした位置の頻度データを用いることを特徴とするガンマ線方向検出装置。
不感方向なしでの放射線の飛来方向情報を取得することができる。
入射ガンマ線方向検出装置の概要および使用データ定義図である。 実測頻度データDiを用いた飛来方向演算方法の説明図である。 F位置理想頻度パターンの飛来方向依存性の図である。 LHベクトル理想頻度パターンの飛来方向依存性の図である。 LHベクトルの飛来方向依存性(eLをエネルギーウィンドウ分割)の図である。 最尤推定法を用いた飛来方向推定方法の説明図である。 実測頻度データDiと理想頻度パターンEiを用いた最尤推定法による飛来方向推定結果サンプルの図である。 入射ガンマ線方向検出装置の概要および使用データ定義(3D)の図である。 インターフェース部概要図である。
以下各実施例を用いて発明を説明する。
ガンマ線を検出する複数の検出ピクセルと、所定のガンマ線の飛来方向に対して検出ピクセルでどのような実測頻度データが得られるはずであるかという対応関係を予め記憶した記憶装置と、複数の検出ピクセルで検出したガンマ線の実測頻度データを測定し、実測頻度データと記憶装置の対応関係を用いてガンマ線の飛来方向を演算する計測演算部とを有するガンマ線方向検出装置について説明する。
ガンマ線の方向情報を得るための手段は大きく二つに分けられる。手段1は検出器と相互作用を起こす前のガンマ線束に方向に依存する濃淡をつける方法(例:コリメータ)であり、手段2は検出器との相互作用後の別粒子に残る飛来方向情報を見る方法(例:コンプトンカメラ,ACC)である。
本実施例の一つではこの両者を共に同時に用いる。この両者を別々に用いることもできる。具体的には飛来方向に関する情報を維持しつつ簡略化(低次元化)した複数の実測値からなる頻度データ(F位置,LHベクトル,L位置)を用いる。F位置頻度データは手段1に対応し、検出器自身による濃淡(或る検出ピクセルより手前の検出ピクセルによる減衰)を用いる。これは感度の観点では手段1内で最善といえる。
LHベクトル頻度データは手段2に対応する。LHベクトルはコンプトン散乱の電子と光子を見分ける必要なく飛来方向に良い相関を持つ頻度分布をなすため、コンプトンカメラと異なり検出器材質を高感度のものに統一してよい。また、xy2値をθ1値に変換しないという冗長性により、LHベクトル長が小さいときに角度分解能が悪いという情報を残し、LHベクトル長が大きいときの情報を正しく優遇する機能があるため、コンプトンカメラと異なり、検出器を密に詰めることが可能となる。
L位置は手段1と手段2に寄る計測量であり、やはり飛来方向に依存する。用いる計測量種類を増やすことで、少カウントでの正しい演算結果取得につなげる。
手段1と手段2による、これらの複数の頻度データを飛来方向情報に変換するための手法例として最尤推定法を示した。これは、事前に全ての候補方向(方向パラメータ)ごとに、理想的な多カウントでの頻度パターンを取得しておき、実測データを実現する確率(尤度)の全方向パラメータに対する値をその理想頻度パターンを用いて計算し、その最大の尤度をなす方向パラメータを推定値として選ぶ手法である。3種データによる複合推定を行い、少カウントでの正しい推定が可能となる。
また、最尤推定法のように、順方向の演算のみに基づき、逆演算(例:コンプトンカメラでの円錐生成)を用いないですむことは、広い仮定範囲を要するため必要な計算量を増加させるが、広がった分布を1点に戻せる利点があり、方向分解能向上に寄与する。
LHベクトル頻度データとL位置頻度データによりコンプトン散乱から情報が得られ、適用可能エネルギーをコンプトン散乱が主となる領域(例えば200keV〜4MeV)まで広げる。
コリメータなしで動作するため、小重量,高感度であり、不感方向を持たない。また、高感度な材質で統一し、密に詰めた検出器で動作するため、小体積での高感度が得られる。
3種の頻度データを同時に用いて飛来方向情報を得るため、より少カウントで正しい結果が得られる。少カウントでの正しい飛来方向情報の取得は間接的な高感度化である。
以上から、人間が携帯可能な小体積(かつ小重量,高感度,不感方向なし)での方向情報の取得を可能とする。
また、インターフェース部の効果として、対数尤度の極座標プロットは飛来方向推定値の信頼性情報を与え、表示部の角度調整による現実との一致は対応把握を容易にする。
以下図面を用いて実施例を説明する。
第一の実施例として、線源が略平面内(例えば上下±30度以内)に存在する方向、すなわちガンマ線の飛来方向の推定に関するものを示す。
図1に入射ガンマ線方向検出装置の概要および使用データ定義を示す。ガンマ線源1がxy平面上に存在し、ガンマ線源1は入射ガンマ線方向検出装置10から十分遠くにあるため(例えば検出器10の有感部幅の10倍以上)、ガンマ線源1からの複数の入射ガンマ線3の飛来方向2(=経度方向θ)は同一と考えてよい場合を考える。検出器10の有感部幅の代表値は3〜10cmとする。また方向決定を行う入射ガンマ線3の種類は事前に決定しておき、対応する全吸収エネルギーの例えば±2%幅のウィンドウを興味ガンマ線エネルギー範囲17とする。事前に決定しない場合は後述する。同時に複数の興味ガンマ線エネルギー範囲17を扱っても良い。
検出器10はシャーシ4,保持部材5とコネクタ8により支えられた基板7上に実装された複数の検出ピクセル6からなる。放射線を検出する検出ピクセル6は半導体検出器、シンチレータ+フォトダイオード,シンチレータ+アバランシェフォトダイオード,シンチレータ+マルチピクセルアバランシェフォトダイオードなどのどれでもよいが、高エネルギーガンマ線3およびそのコンプトン散乱光子12の検出のため、ある程度実効原子番号や質量密度が大きいことが望ましい(例えば実効原子番号>30,質量密度>5g/cm3)。図示しないが、バイアス電圧印加や信号取得のための電極部材等が適切に存在するものとする。
また、検出ピクセル6はz方向に一つの素子であってもよいし、良いエネルギー分解能を得るために、z方向への分割で適切なサイズまで検出素子を小さくしてz方向に投影した(z方向を無視した)情報を出力するものでもよい。一つの素子サイズ下限は電子飛程(例えば100μm)に対し十分大きい(例えば5倍以上)必要性で規定される。素子サイズ上限は前述のエネルギー分解能性能のほかに、検出ピクセル6の一層でガンマ線3を止めすぎない程度に小さい(例えば平均自由行程の2倍以下)必要性で規定される。入射ガンマ線3に対する平均自由行程は検出ピクセル6の種類、ガンマ線3のエネルギーに依存するが、例えば20mmである。これらから、適する検出ピクセル6の代表サイズ(立方体である必要はない)を0.5mm〜40mm、好ましくは1〜20mm程度とする。また、電荷分割法や、半導体検出器の電極のみを区切るなど、空間分解能が検出ピクセル6母材のサイズより小さい測定手法もあるが、その場合は空間分解能サイズあるいはビニング(binning)サイズを検出ピクセル6と読み替えればよい。
計測演算部9は各検出ピクセル6に対し、その内部に付与されたエネルギーの量eをその時刻tとx座標,y座標と共に記録および通信するための性能を与えるものであり、チャージアンプ,シェイピングアンプ,ピークホールドなどを用いる一般的な放射線検出技術である。半導体検出器やアバランシェフォトダイオードの場合には高圧電源なども含む。また、後述する最尤推定法などの演算もここで行う。
一般の検出器の性能として検出ピクセル6単体は入射ガンマ線3の飛来方向2を識別できない。時間分解能は一般的な性能として数nsec〜数μsec程度の、計数率の逆数に対し十分によく、検出器10内の光飛行時間差(数十psec)を分解できない程度に悪い場合を考え、それ以下の時間差で発生する二つ以上の計測を同時と表現する。
入射ガンマ線3の飛来方向2を知るためには、飛来方向2の変化に依存して変化する何らかの計測値が必要である。以下にそれを述べる。
可視光などと同様に、ガンマ線は物質を透過するときの相互作用により、その個数を指数関数的に失う。ガンマ線の物質に対する相互作用のうち主たるものは光電効果、コンプトン散乱,電子対生成である。検出ピクセル6の実効原子番号に依存するが、Z=40程度のとき、光電効果が主となるガンマ線エネルギー範囲は約200keV以下、コンプトン散乱が主となるのは約200〜8MeV、電子対生成が主となるのは約8MeV以上である。装置線源の位置が不明なことはまずないので、対象とするガンマ線源1をラジオアイソトープと限定すれば放出されるガンマ線3の上限は普通2MeV程度、低放射率の成分でも4MeV程度であり、電子対生成は重要でない。
光電効果では、入射ガンマ線3Aのように、そのすべてのエネルギーが近傍(例えば1mm以内)に付与され、或る一つの検出ピクセル6で入射ガンマ線3そのままのエネルギーが検出される確率が高い。逆に、或る検出ピクセル6で興味ガンマ線エネルギー範囲17(例えば1.33MeV±2%)にあるエネルギー付与イベントを検出した場合をシングルピクセルイベントと定義すれば、その主成分は光電効果によるものになる。他の成分としてはコンプトン散乱の散乱光子がごく近傍で再吸収された場合などを含む。このシングルピクセルイベントが起きた位置を全エネルギー吸収位置Fとし、その頻度分布をとったF位置実測頻度データD1が方向決定に用いるデータの第1種である。D1のビン区分けがインデックスx,yによることをD1[x][y]と示す。座標とインデックスは一対一対応であり適宜変換可能とする。この頻度(カウント)はガンマ線源1がラジオアイソトープであれば、ポアソン分布に従う計測量となる。
コンプトン散乱では、一つの入射ガンマ線3はコンプトン散乱光子12とコンプトン電子(図示せず)の二つの粒子を発生させる。典型的には、電子飛程が検出ピクセル6のサイズより小さいことからコンプトン散乱を起こした検出ピクセル6にコンプトン電子のエネルギーが付与され、対となるコンプトン散乱光子12のエネルギーは別の検出ピクセル6に付与される。
2つの検出ピクセル6で同時にエネルギー付与が起き、その合計が興味ガンマ線エネルギー範囲17(例えば1.33MeV±2%)にあるときをダブルピクセルイベントと定義すれば、コンプトン散乱によるものはその主成分となる。その他の成分はコンプトン散乱が多重発生した場合やコンプトン光子以外の(特性X線などの)エスケープによるものである。この同時判定および興味ガンマ線エネルギー範囲17内外の判定により、ノイズ成分である外来散乱線の識別および除去が可能となる。
ダブルピクセルイベントのうち、コンプトン散乱に注目すると、電子と光子に分配されるエネルギーは入射ガンマ線3を基準としたコンプトン散乱光子12の角度αの関数として
Figure 0005246335

0:入射光子エネルギー
p:コンプトン散乱光子エネルギー
e:コンプトン散乱電子エネルギー
の式で表される(図1内で3と12の対が為す角度はαではなくαがxy平面上に投影されたものである)。入射ガンマ線3Bはこの角度が小さい場合の例であり、電子側のエネルギーが低く、光子側のエネルギーが高い。入射ガンマ線3Cはこの角度が大きい場合の例であり、エネルギーの付与量は電子側が高、光子側が低と逆転している。これは実際の測定時には(飛来方向2が既知である場合を除外して)エネルギー付与が起きた2つの検出ピクセル6のどちらが電子でありどちらが光子であるかを識別することはできないことを示す。
知ることができない電子と光子の位置の代わりに、ダブルピクセルイベントの時刻以外の生データである(x,y,e)2組をエネルギーの大小で特徴づけ、エネルギーの低い方をL、高い方をH、それぞれの(x,y,e)を(xL,yL,eL)、(xH,yH,eH)と呼ぶことにする。このL位置からH位置への相対座標(xH−xL,yH−yL)をLHベクトルとして方向の決定に用いることを考える。3BはLHベクトル13がコンプトン散乱光子12の経路と一致する場合、3Cは反転する場合を表している。LHベクトルはαが180度に近いときには0度側に反転するので、0度側に偏りやすい性質をもつことがわかる。すなわち新しく定義したLHベクトル13は、飛来方向2によい相関を持つことが期待できる。
このダブルピクセルイベント時のLHベクトル実測頻度データD2を方向決定に用いるデータの第2種とする。また生データには未使用の独立成分として(xL,yL)があることを考えれば、それをL位置と定義して実測頻度データD3を第3種として用いることが有用でありうる。このLHベクトル実測頻度データD2とL位置実測頻度データD3は低い側のエネルギーeLについてエネルギーウィンドウ処理をかけて分割してもよい。eLとeHの和は興味ガンマ線エネルギー範囲17に入るよう選別しているのでeHは独立ではなく、eHにウィンドウ処理を掛ける必要はない。このときD2とD3のビン範囲をD2[w][xRel][yRel],D3[w][x][y]と示す。Relは相対座標、wはエネルギーウィンドウ番号の意味である。D2,D3のカウント数もD1と同様にポアソン分布となり、後段での取扱いが容易である。尚、実測頻度データのD4として、LHベクトル実測頻度データD2のエネルギーの大小の位置情報である(xL,yL,xH,yH)を用いることもできる。これらの実測頻度データの総称をDiとする。実測頻度データDiは計測演算部9の一部をなすストレージ22によって保持される。
高エネルギー(例えば2MeV以上)で検出ピクセル6を小さく(例えば1mm以下)していけば、入射ガンマ線3やコンプトン散乱光子12の相互作用位置近傍で、それぞれ複数の検出ピクセル6に対するエネルギー付与が起こることが普通になるが、そのような場合でも、或る一定距離(例えば3mm)以下の2グループに局在しているとみなせる場合には、各グループの合計エネルギーと代表位置を用いることで上記のフォーマットに合わせることが可能である。
検出器10は背面にインターフェースパネル15を持ち、情報の表示及び入出力を行うことができる。
図2に実測頻度データDiを用いた飛来方向演算方法を示す。
尚、図中に示したファンクションの演算処理は、記憶手段やCPUを備えたコンピュータなどで実施することができ、また装置の有する機能としての処理手段などはプログラムモジュールであり、モジュールを読み込んでコンピュータに実行させることで各機能を実施することができる。また、プログラムモジュールを記録した記録媒体をコンピュータに読み込ませることにより各機能を実施可能である。
或る興味ガンマ線エネルギー範囲17に対し、或る飛来方向2(=θ)からガンマ線3群が入射するときを考える。検出器10内のガンマ線検出部21により、ガンマ線3群は図1で定義した実測頻度データDiに変換される。ガンマ線検出部21は検出ピクセル6群と計測演算部9の一部(チャージアンプ等)よりなる。
ここで実測頻度データDiは飛来方向2に依存して得られるので、事前に全ての飛来方向2に対して、どの飛来方向2に対してどのような実測頻度データDiが得られるはずであるという対応関係を調べることができる。これを実測頻度データ・飛来方向の対応情報23とする。これは、おおまかには多値関数Di=Function(θ)、より直接的には多引数関数θ=Function-1(Di)であり、Di=Function(some(θ))のような多段の関数関係でもよい(統計的な物理現象を記述するための理想頻度パターンEiを用いた更なる変形例は実施例2である)。実測頻度データ・飛来方向対応情報23は検出器10のガンマ線検出部21自分自身による実測に基づくもの(23A)でもよいし、外部装置27(例えばPC)から転送された情報(例えば計算機シミュレーション結果)でもよい(23B)。対応情報23は計測演算部9の一部をなすストレージ22によって保持される。ストレージ22は情報を記憶する記憶装置であり、CPUがアクセスできる主記憶装置としても良い。
このような対応情報23があれば、或る実測頻度データDiを飛来方向2に戻すような演算が可能である。対応情報23がθ=Function-1(Di)と得られていれば直接的に、Di=Function(θ)として得られていればDiが一致するθを探すことで飛来方向演算値25が得られる。これを為す部分を計測演算部9の一部である飛来方向演算部24とする。実測頻度データDiも実際には直接ではなくストレージ22を介して飛来方向演算部24に入力されるが、図2ではわかりやすさ(対比)のため省略した。また、実測頻度データ・飛来方向対応情報23は全ての方向ではなく、一部でもよく、所定の複数の方向とすることもできる。
得られた飛来方向演算値25は検出器10背面にあるインターフェースパネル15へ表示部91によって使用者に伝達される。また飛来方向演算値25や実測頻度データDiを含む任意情報26を表示部91や入出力部95を介した外部装置27に伝達してよい。
上述した例では、実測頻度データDiを用いて説明したが、D1,D2,D3の実測頻度データのいずれか一つ以上を用いて放射線の飛来方向を演算することができる。また、シングルピクセルイベントが起きた位置を全エネルギー吸収位置Fとし、その頻度分布をとったF位置実測頻度データD1を方向決定に用いた場合、複数相互作用の同時性の情報のための時刻tの計測データは不要とすることができる。
このように、放射線を検出する複数の検出ピクセルと、所定の放射線の飛来方向に対して検出ピクセルでどのような実測頻度データが得られるはずであるかという対応関係を予め記憶した記憶装置と、複数の検出ピクセルで検出した放射線の実測頻度データを測定し、実測頻度データと記憶装置の対応関係を用いて放射線の飛来方向を演算する計測演算部とを有する放射線方向検出装置により、人間が携帯可能な小体積、かつ小重量,高感度,不感方向なしでの放射線の飛来方向情報を取得することができる。
また、所定の放射線の飛来方向に対して、放射線を検出する複数の検出ピクセルでどのような実測頻度データが得られるはずであるかという対応関係を予め記憶した放射線方向検出装置が、複数の検出ピクセルで放射線を検出して、複数の検出ピクセルで検出した放射線の実測頻度データを測定し、実測頻度データと記憶装置の対応関係を用いて放射線の飛来方向を演算する放射線方向検出方法により、人間が携帯可能な小体積、かつ小重量,高感度,不感方向なしでの放射線の飛来方向情報を取得することができる。
また、実測頻度データとして、シングルピクセルイベントでの全エネルギー吸収位置の頻度データ,ダブルピクセルイベントでの各ピクセルへのエネルギー付与量で順位づけした2点間相対位置の頻度データ、ダブルピクセルイベントでの各ピクセルへのエネルギー付与量で順位づけした1点の位置の頻度データ、とを少なくともいずれか二つ以上組み合わせて用いて放射線の飛来方向を演算する放射線方向検出方法により、少カウントでの正しい推定が可能となる。
実施例2として、飛来方向演算部24として好適な例である最尤推定法を用いた例を示す。最尤推定法に適した事前に準備すべき実測頻度データ・飛来方向対応情報23として、理想頻度パターンEiを定義する。興味ガンマ線エネルギー範囲17ごとに、すべての飛来方向2(=θ、例えば360度を15度刻み)から十分な多数回照射を行ったときに相当する特別な実測頻度データD1〜D3を考え、これを理想頻度パターンE1〜E3(総称をEi)とする。十分な多数回照射とは、代表的な構造部を為す(カウントが多い)ビンで照射回数と頻度の比がほぼ一定値に収束するカウント(例えば10000カウント以上)を与えるものとする。十分な多数回照射は検出器10の実機で行ってもよく(23Aに相当)、計算機上で検出器10の実装構造をモデル化し、起こりうるガンマ線相互作用物理を反映した計算機(乱数)シミュレーションで準備してもよい(23Bに相当)。検出器10の実機が寸法誤差などにより、感度その他に個体差を持つ場合には各検出器10個体での実測が望ましい。理想頻度パターンEiの作成は、性能の経時変化などが無視できる範囲で、検出器10の各個体で1回行えば後の複数回の測定で使うことが可能である。
図3にF位置理想頻度パターンの飛来方向依存性を示す。F位置理想頻度パターンE1およびF位置実測頻度データD1とは、検出器10(図示せず)内の検出ピクセル6それぞれのシングルピクセルイベント発生頻度、すなわちF位置となる頻度をとったものである。概略図として飛来方向2が90度のときをE1a、飛来方向2が45度のときをE1bとして示した。図のように、F位置理想頻度パターンE1はガンマ線源1が存在する側で多カウント、その逆側で少カウントを示す。これはガンマ線束(複数のガンマ線3)が物質を通過するときに指数関数的に減衰する物理性質によるものである。
検出器10を為すシャーシ4の内部(または相対位置が固定された外部)に明暗強調部材31を備えることでE1に影による少カウント部32をつくり、F位置理想頻度パターンE1の飛来方向2に対する相関を補強しても良い。重量増加と、影による少カウント部32をつくる飛来方向2で感度が下がるデメリットを持つが、その飛来方向2の近傍方向を見分けやすくなる。これはコンプトン散乱が主たる相互作用ではなくなる200keV以下の低エネルギーガンマ線に対しても飛来方向2の分解能を持たせるために特に有用である。
明暗強調部材31に適するものは高い原子番号、高い質量密度を持つ鉛やタングステンに数mm角(遮蔽率が例えば数十%)以上のサイズを持たせたものである。影になる少カウント部32を全有感体積の数分の一に抑えれば(図3下では90度のとき25%=2/8)、感度低下はその影での遮蔽率である数十%を乗じて例えば10%程度に抑まる。これは、ある方向に対して感度を持たない(感度低下がほぼ100%の)コリメータとは大きく異なる。明暗強調部材31は複数の検出ピクセル6に囲まれるように配置してもよく、複数の明暗強調部材31を用意してもよい。
図4にLHベクトル理想頻度パターンの飛来方向依存性を示す。用いたガンマ線3のエネルギーは1.33MeV、実際の検出器では検出できるエネルギー下限に限界があることを考慮してeL>30keVでの分布を示してある。飛来方向2が90度のときのLHベクトル理想頻度パターンがθ=90のLHベクトル頻度パターンE2a、飛来方向2が45度のときのLHベクトル理想頻度パターンがθ=45のLHベクトル頻度パターンE2bである。ここでは原理説明として空間分解能に制限のない検出器による、主成分であるコンプトン散乱1回成分の抜粋を示した(よってこの図ではビンサイズ以下の構造も見えている)。適切な検出器ジオメトリ下においては、他の物理現象(複数回コンプトン散乱,特性X線エスケープ,電子エスケープ,検出器の有限な空間分解能など)を加味した場合でも飛来方向2と良好な相関を持つLHベクトル理想頻度パターンE2が得られている(図示せず)。
LHベクトルはL位置を起点としたH位置の相対座標ベクトルである。図4下のような位置ビンのサイズ、すなわち検出ピクセル6の個数がNx=8,Ny=6のときには、LHベクトルが属する相対座標のビン数はNx=15(=8*2−1),Ny=11(=6*2−1)となり、L位置起点41はその中央に配置される。起点を揃えたLHベクトル終点42それぞれに対応するビンについて1カウントを与える。コンプトン散乱を起こしても、同一の検出ピクセル6にコンプトン散乱の電子/光子両方がエネルギーを付与したときはシングルピクセルイベントになるため、L位置起点41のカウントはゼロである。
このように複数のLHベクトル13をプロットした結果であるLHベクトル理想頻度パターンE2a,E2bはガンマ線源1側に少カウント部、逆側に多カウント部を持つなど、飛来方向2の変化に対し強い依存性を持つことがわかる。すなわち、LHベクトル13の頻度分布をデータとして用いることで飛来方向2の決定に役立つことが予想できる。逆にH位置を起点としたHLベクトルというものを考えたとき、それは飛来方向2に対して向きが逆なだけで相関としてはLHベクトルと同じ結果が得られるため、HLベクトルを用いてもよい。θの一次元情報を決定するためにx,yの二次元情報を保持し続けることは冗長ではあるが、単純にそれぞれのカウント単体でθ=arctan(y/x)のようなx,yからθへの変換を行えば、大多数のカウントが存在するL位置起点41近傍では角度情報が非常に荒く(例えば8近傍ピクセルでは方向を45度にしか分離できていない)、良いθ分布が得られない。x,y情報を保持すれば、L位置起点41から近いものと遠いものを分離できるため非常に有益である。またLHベクトルの経路長方向(L位置起点41からの放射方向)にも角度ごとに異なる平均自由行程で指数関数的に減衰することも分布特徴の材料となっている。
また第3のデータに対応するL位置理想頻度パターンE3は、ガンマ線源1側が多カウント、その反対側が少カウントというE1と類似の分布を示し、飛来方向2によい相関を持った(図示せず)。
この分布は複合的な要因により為されるが、その要因の1つ目は、コンプトン散乱イベント位置つまりコンプトン電子位置での相互作用発生数がシングルピクセルイベントと同様にガンマ線3束の進行に連れて指数関数的に減衰する物理現象である。コンプトン電子位置は常にL位置とはならないことは前述の通りであるが、この分布がベースとなる。
要因の2つ目として、L位置が電子位置ではなく光子位置を示すとき(図13Cの場合)には、L位置は本来の(指数関数的な分布を示す)電子位置からLHベクトル13分だけ戻って見える効果がある。LHベクトル13は奥向き(元のガンマ線3と同じ向き)になりやすいので、L位置は本来の電子位置から手前側になりやすい。つまりこの効果は指数関数的な減衰を強調する(高いカウントである手前側が3Cの場合には更に高くなる)ように働く。これによりL位置理想頻度パターンE3の飛来方向2との相関は更に高められる。
更に、要因の3つ目として、検出器サイズが有限なことにより、端に近い検出ピクセル6ではコンプトン散乱光子12が抜けやすく、L位置頻度が低くなる効果が存在する。この効果はLHベクトルが長い確率が高い方向(図4のように、元のガンマ線3と同じ方向)側で、より強く減衰を早めるため、ベースである指数関数的な減衰を強調するように働きうる。
第2と第3の要因は、LHベクトル理想頻度パターンE2とL位置理想頻度パターンE3の間になんらかの相関を与えるという複雑さをもたらすが、図6で後述する通り、対数尤度の計算で単純な加算をしても良い推定結果が得られ、特に悪影響はないことが確認できた。
以上からL位置の代わりにH位置を用いることは、ベースとなるコンプトン電子位置でのカウントの指数関数的減衰をキャンセル(平坦化)する方向に働く。従って、LHベクトルとHLベクトルが等価なこととは異なり、H位置を用いるより、L位置を用いる方が優れている。L位置に劣るが、H位置の頻度データを飛来方向2の決定に用いても良い。
このようにLHベクトル理想頻度パターンE2とL位置理想頻度パターンE3を用いることは、(xL,yL,xH,yH)の4次元ビンを、(xH−xL,yH−yL)と(xL,yL)の2次元ビン2枚に置き換え、その飛来方位2に対する依存性(情報)を残しつつ、大幅にビン数を減らしていることにあたる。例として数値を挙げれば、1次元ピクセル数が8のときには、4次元ビン数4096(=84)から、2次元ビン2枚のビン数128(=82*2)に減少し、その比率は1/32である。これは測定後に推定を行う計算時間や計算資源(メモリ等)を1/32にし、事前にLHベクトル理想頻度パターンE2とL位置理想頻度パターンE3を準備するコスト(計算機シミュレーション時間または測定時間)についても約1/32にする。
ただし,このビン数を減らさない生の(xL,yL,xH,yH)という4次元ビンの実施は、非常に大きい計算コストをまかなうことができれば、飛来方向2の情報をよく残す良い頻度分布である。これをD4およびE4とする。
図5にLHベクトルの飛来方向依存性(eLをエネルギーウィンドウ分割)を示す。図4と同じ1.33MeVガンマ線の照射時に、eL(2ピクセルのエネルギー情報のうち低い方)に対するエネルギーウィンドウを30〜60keVとしたときのLHベクトル分布である。式1の関係により、このエネルギー範囲ではコンプトン光子角度αが浅く、電子側のエネルギーが低い場合(図1の3B)のみが存在している。飛来方向2が90度のときがE2c、45度のときがE2dであり、図4より更に狭いxy範囲のみにカウントが局在していることがわかる。
このように、LHベクトル理想頻度パターンE2はeLによって異なる分布を示すため、wをエネルギーウィンドウ番号として分離したLHベクトル理想頻度パターンE2[w][x][y]、を考えれば更に飛来方向2に対して特徴的な分布を示しうる。ただし、各測定後の計算量および事前に準備する理想頻度パターンEiの準備時間の増大とのトレードオフである。同様にL位置理想頻度パターンE3およびL位置実測頻度データD3をエネルギーウィンドウ分割してもよい。
図6に最尤推定法を用いた飛来方向推定方法を示す。最尤推定法とは或るデータdと求める値ωがあり、データdの発生確率関数P(d)が複数のω候補をパラメータとした条件付の確率関数P(d|ω)として事前に得られるときに、P(d|ω)が最大になるωを解として選択する演算手法である(このような尤度の大小による原因事象ωの選択を特に推定と呼び、分布の特徴を決定する原因事象ωを統計分野狭義のパラメータと呼ぶ)。
最尤推定法演算部61(24の一例)は、事前に準備した理想頻度パターンEi(23の一例)と、或る実測頻度データDiとを入力として、飛来方向推定値66を出力するものである。より簡単には理想頻度パターンEiを一定値とみなし、或る実測頻度データDiを入力として、飛来方向推定値66を出力するものとみることもできる。
実測頻度データDiを得るとき、図6でいう各測定とは1シングル/ダブルイベントの1カウントの検出ではなく、頻度分布を取るための例えば1秒間にわたる積算測定である。また、計数率が低く、どのエネルギーを興味ガンマ線対象とするかを決めるための測定時間が無視できない場合には、リストデータとして(x,y,e,t)をストレージ22に持っておき、対象エネルギーが確定するだけのカウントを得た後に、遡って実測頻度データDiを作成するのがよい。存在しうるラジオアイソトープが数種類〜10数種類に限られるならば複数の興味ガンマ線エネルギー範囲17のM種を初めから設定しておき、全てに対する実測頻度データDiを得てもよい。基本的には各興味ガンマ線エネルギー範囲17は独立に扱えるため、ここでは一つだけ存在する場合を考える。調整事項については後述する。
対数尤度演算部62では仮定したそれぞれの飛来方向パラメータ63(θparam)に対する対数尤度64を計算する。実測頻度データDiの各頻度値はポアソン分布に従う。ポアソン分布の確率質量関数(PMF)は平均値カウントを与えれば得られるため、Diの計測量に相当する平均値パターンAi[w][x][y](θparam)を作成したい。言い換えれば、それぞれのiとwについて、或るθparamを仮定したときに、A[x][y]という2次元頻度分布を1枚作成したい。A[x][y]は、理想的な多カウント数を持つ頻度パターンであるE[x][y]を定数倍し、実測頻度データD[x][y]と同等の少カウント数に調整したものである。D[x][y]のカウント数の代表値としてxy方向の合計値を考えれば、ΣAとΣDを一致させる以下の式でA[x][y]を得ることができる。
Figure 0005246335
対数尤度64は数学的には(式3)となる。サム記号以外の引数w,x,yの記述は省略した。計算機上で保持できる数値のレンジが階乗を表現しきれない(よく用いられるdouble実数型の上限は1.7e308≒170!でしかない)ことを考えれば、ポアソン分布の確率質量関数は内部構造から対数値として得るのがよい。階乗値Di!を適切な対数ガンマ関数lnGamma(Di+1)で置き換えることで扱えるDiの値が広がる。また、分布が極端にxy方向に局在していれば理想頻度パターンEiでも頻度がゼロのビンが存在しうる。これは処理系によっては異常終了などを起こすため、そのビンについては計算をスキップするなどの例外処理を設けるのがよい。スキップは対数尤度+0、つまりそのビンの実現値が起こる確率が100%であることに相当し、PoissonPMF(D=0|A=0)=100%から妥当な処理と言える。この処理は、現実の計測では宇宙線などにより本来入るはずのないところにカウントが入る可能性が存在することを考えれば、A[x][y]が厳密なゼロではない場合に延用してもよい(例えばA<0.01カウントであればスキップなど)。単に平均値カウント全体に0.01を足すような嵩上げでも良い。
Figure 0005246335
対数尤度の加算は同時確率が確率の積で示されることと等しい。D2とD3は完全に独立ではなく、なんらかの相関を持つが、ここでは単純な加算を行った。これはD1に対してD2とD3を重視するような意味を持つが特に推定に悪影響はなかった。また、D2のみの推定よりもD2とD3を共に用いた推定の方が性能が良いことも確認している。
対数尤度最大化パラメータ選択部65では、複数の飛来方向パラメータ63(θparam)から最大の対数尤度64を為すひとつを、飛来方向推定値66(θestimate)として選択する。
Figure 0005246335
以上によりDiに適切なカウント数があれば正しい飛来方向2(あるいは2を含む方向幅)が飛来方向推定値66として得られる。カウント数が少なすぎれば誤った方向を推定しうるが、理想頻度パターンEiが飛来角度2方向に連続性があれば(或る飛来方向2での理想頻度パターンEiが隣の飛来方向2のEiと似ていれば)推定の誤差は小さくなる。本発明の理想頻度パターンEiはこれを満たしうる。そのためには、eLのエネルギーウィンドウ分割は細かく分けすぎずに、隣のθparamとカウントが存在する部分が接するかオーバーラップ部を持つようにするのがよい。
飛来方向推定値66θestimateを用いれば、線量の推定、つまり実測合計カウントの飛来方向2に対する依存性も補正できる。任意の或るひとつの飛来方向2(例えばθ=0)を感度の基準方向θstandardと設定しておき、補正した合計カウントをTiとすれば、具体的には
Figure 0005246335

である。これは単に、事前に準備したEiによりθ=45のときは感度がθstandard=0の例えば0.9倍となると知っており、θestimate=45のときには実測カウントDiの合計を0.9で割る、ということを表している。D2とD3(およびE2とE3)は共に同じダブルピクセルイベントであり、それぞれの合計カウントは厳密に等しく、独立な合計カウントTiはi=1と2の2種である。
最尤推定法演算部61以外の飛来方向演算部24の例としては、例えば類似画像を識別する画像認識を用いることが考えられる。実測頻度データ・飛来方向の対応情報23として最尤推定法と同様に理想頻度パターンEiを用いたとき、それぞれのiとwで、パターンマッチングなどの手法で実測頻度データDiに一番似ている理想頻度パターンEi(または平均値パターンAi)を為す飛来方向パラメータ63を飛来方向演算値25として得ることが考えられる。wやiを含めた多次元のパターンマッチングでもよい。
更に別の飛来方向演算部24の例としては、解析的な逆関数θ=Function-1(Di,Ei)が得られない場合でも、なんらかの経験式としてθ=f(Di)を得て用いることが可能である。例えば図4の分布においてカウントの重心位置が存在する角度を得れば飛来方向2の180度対称点に(計測量増加に応じて高い確率で)現れるため、このarctan(y重心/x重心)などを用いても良い。また別に相対頻度Di′=g(θ)のθ変化に対するフィッティングでもよい。
このように飛来方向演算部24には複数の実現手段が考えられる。従ってまず重要なのは飛来方向演算部24ではなく、求める値(この場合は飛来方向2)の変化に対し良い相関を持つ実測データ(例えばDi)の選定である。
飛来方向演算部24の中で最尤推定法演算部61が優れる理由としては、最尤推定法などの尤度を用いる推定法は、それぞれ飛来方向2に別の依存関係を持つ実測データ(D1,D2,D3)の同時評価において尤度という客観的な合成が可能な指標をもたらす点が挙げられる。逆に言えば、他の手法で各D1,D2,D3から飛来方向演算値25として得たθoutput(D1),θoutput(D2),θoutput(D3)の合成には客観的な指標がなく、恣意性が伴う。
この最尤推定法演算部61(対数尤度演算部62,対数尤度最大化パラメータ選択部65)による演算は計測演算部9で行うが、実測頻度データDiを外部に転送して外部装置27で行っても良い。また、単純な最尤推定法ではない変形として、対数尤度1位のθと2位のθの中間値を取るようなものが考えられる。よってこの手法のより広い呼び方としては尤度の大小による推定、となる。
ここでDiの相対的な良否を述べる。D2は図4からわかるように、図3のD1(及びD3)より、飛来方向2に対し頻度分布構造がθ方向に狭く、より良い(少ないカウントで正しい)飛来方向演算値25をもたらすものである。D4はD2とD3を含むものであるため、D2より良い。ただし計算コストは前述の通り、別次元で大きい。D1とD3は経験的には同カウントで同程度の性能である。ただしガンマ線3のエネルギーが高くなれば、ガンマ線の相互作用率の物理からシングルピクセルイベントが減り、ダブルピクセルイベントが増えるため、計測時間あたりのD3の性能は増すことになる。まとめると、大まかに
D4(計算コスト大)>D2>D1,D3
となる。
また、複数のDiを同時に用いた場合には基本的に
Da&Db≧Da,Db
である。ただしaとbは1〜3で任意のiである。
D4はD2とD3と独立ではなく、D2とD3を含むのでこの式に当てはまらない。D4はD1との同時評価のみに意味を持ち、具体的にはD4&D1≧D4>D1であり、D4&D2≒D4&D3≒D4である。
図7に実測頻度データDiと理想頻度パターンEiを用いた最尤推定法による飛来方向推定結果サンプルを示す。D1&D2&D3の結果である。これは計算機上で試作した或る検出器ジオメトリ(検出器10の代表サイズ6cm、明暗強調部材31あり)で、ガンマ線3のエネルギーが1.33MeV、Eiの方向パラメータ刻みが15度、eLを或る4つのエネルギーウィンドウに分割、Diのカウント数がシングルピクセルイベント,ダブルピクセルイベント共に100程度のとき、13種の真の飛来方向2につき各1000回の試行を行ったときの結果である。図7上横軸が真の飛来方向2、縦軸が飛来方向推定値66の二次元ヒストグラムである。シングルピクセルイベント100カウント程度の厳しいカウント条件において、全ての試行で正しい方向(飛来方向2)かその隣の方向を飛来方向推定値66として得ていることがわかる。また、真の飛来方向2の違いに対する分解能(飛来方向推定値66のばらつき)の依存性が小さいという好ましい特性を持つことがわかる。計算コストとしては、理想頻度パターンEiの保持に要するデータ容量が数百kB、実測頻度データDiの容量が数十kB、最尤推定法1試行に要する時間は一般的なPCで数十msecであり、十分に小さいといえる。従って複数の興味ガンマ線エネルギー範囲17に対する並行処理も容易である。
図7下は真の飛来方向2の5点について抜粋した飛来方向推定値66の1次元ヒストグラムであり、高さ情報を詳述するために示した。正答率は約80〜90%、残りがその両隣の方向に大体均等に存在しており、自然な良い分布である。高さの若干の差は本例の検出器ジオメトリの個性(有感体積長手方向が90度および270度、明暗強調部材が0度のみに存在)として把握できている。また、当然だが、更にカウントを増したとき正答率は100%へ推移していく好ましい性質を確認した。
上述したように、計測演算部は飛来方向を演算する手法として、各飛来方向をパラメータとし、計測データの実現確率すなわち尤度または対数尤度を計算し、その尤度または対数尤度の各飛来方向パラメータに対する大小関係から飛来方向を推定する手法により、その推定の確からしさについての情報を得ることが可能である。
第3の実施例として、2次元方向(緯度と経度)への拡張について述べる。
図8に入射ガンマ線方向検出装置の概要および使用データ定義(3D)を示す。実施例2で無視していたz方向について空間分解能を持つ場合を考える。検出ピクセル6がピクセルサイズ81を持つとき、図のようにF位置,LHベクトル13,L位置それぞれは今までの定義にz情報を加えただけの同様のものである。飛来方向2はθの1値からθとφの2値に拡張する。経度方向θの定義は実施例1と同様であり、新しくφを緯度方向と定義する。図2の各ステップについても同様にzとφの拡張を行う。このような拡張のもとではφ方向の変化に対するEi、およびDiの変化を良く記述することができるため、計算量の増大とトレードオフであるが、θとφの組を推定可能になる。
第1,第2,第3実施例共通の事項として、インターフェース部の実施例を示す。
図9にインターフェース部概要図を示す。検出器10は背面にインターフェースパネル15を持ち、以下のような情報入出力が可能である。表示部91は液晶パネルなどで使用者向けの情報出力を行うものである。表示部91は飛来方向推定値66を表示するだけでなく、対数尤度表示部92に、その推定材料となった各飛来方向パラメータ63に対する対数尤度64を例えば最大値で規格化して極座標表示することで、その推定の確からしさについての情報を得ることが可能である。例えば非常に少カウントでの推定では対数尤度64は複数の飛来方向パラメータ63で高い値を持つなど広い(悪い)分布を示すが、非常に多カウントの推定では対数尤度64はひとつの飛来方向パラメータ63で圧倒的に大きくなり、狭い(良い)分布を示す。この対数尤度表示部92には、実測頻度データDiのうちiやw方向の一部に対する、もっと厳しい条件での対数尤度を例えば異なる色で重ねて表示することで、推定の確からしさに関する情報を補強してもよい。これは現場で必ずしも一様ではない測定時間と信頼性のトレードオフのバランス点を判定するのに役立つ(同様の処理を内部で自動的に行ってもよい)。
また、測定中には検出器10の向きは一定に保つ必要があり、自在に変更することはできないが、図8下のように表示部91の角度を検出器10に対して変更可能な接続部で接続することで、対数尤度表示部92と現実の方位を一致させ、飛来方向推定値66の直感的な把握が可能になる。尚、対数尤度表示部92による説明を行ったが、表示部は対数尤度表示に限らず、放射線方向を示す表示であれば他の表示でも良い。また、実施例1〜3の放射線方向検出の方法や装置に限られず、コンプトンカメラなどによる放射線測定方法を用いても同様に放射線飛来方向の直感的な把握が可能になる。接続部は、蝶番、ボールジョイントなどを用いることができる。また、放射線飛来方向の3次元計測に対して、2次元画面での方向表示の場合に、放射線飛来方向に2次元画面の平面を合わせると放射線飛来方向の直感的な把握がしやすい。この場合、算出された放射線飛来方向と表示画面の平面が一致する画面の角度を算出して、表示することで操作者に平面を合わせやすくすることができる。接続部に角度センサを設けて、画面を移動させて放射線飛来方向と一致した場合に一致したことを示す画面表示をすることで、操作者に平面を合わせる作業の時間短縮をすることができる。
このように、放射線を検出する複数の検出ピクセルと、複数の検出ピクセルを用いて放射線を測定し、放射線の飛来方向を演算する計測演算部と、放射線の飛来方向を表示する表示部と、表示部の角度を検出装置本体に対し任意の位置に変更する接続部とを有する放射線方向検出装置により、放射線飛来方向の直感的な把握が可能になる。
更に表示部91は汎用表示部93を持ち、ボタン操作部94(またはタッチパネル機能を持つ表示部91)から興味ガンマ線エネルギー範囲17(またはガンマ線源1の核種)の指定などが可能である。汎用表示部93は実測頻度データDiや理想頻度パターンEiを異なる色やプロット種類(等高線とscatter plot)などで表示しても良い。
入出力部95(有線コネクタまたは無線通信ユニット)により、事前に外部の代表検出器などで準備した理想頻度パターンEiの外部装置27から検出器10への転送や、実測頻度データDiや生データ(x,y,z,e,t)*N個の検出器10から外部装置27への転送が可能である。また、長時間の計測結果から、検出器10単体で事前理想頻度パターンEiを準備することも可能である。
上記各実施例について、以下を考慮して実施することができる。
調整事項として、複数の興味ガンマ線エネルギー範囲17を同時に扱うとき、高エネルギー光子由来の散乱線により、低エネルギー側の理想頻度パターンEiが影響を受ける。これは事前に評価できるため、Eiに加味するのがよい。
また、ガンマ線源1であるラジオアイソトープが実際には複数の異なるエネルギーのガンマ線3を決まった比率で発生し、第2成分が無視できない場合が多い。このとき、例えばひとつのラジオアイソトープ核種に二つ以上の興味ガンマ線エネルギー範囲17を与え、二つの対数尤度演算部62でそれらの興味ガンマ線エネルギー範囲17のインデックスM方向に対数尤度の和をとってもよい。
理想頻度パターンEiは検出器10の背面のみに人体が存在する、など外部にある物質分布が角度依存性を持つ場合に影響を受けるため、人体(使用者)やインターフェースパネル開閉などの代表的な場合について補正できるようにするのが望ましい。
上述した例では、隣り合う検出ピクセルの隙間について、隣り合う検出ピクセルの隙間を空けず、検出ピクセルを密に詰めて配置したガンマ線方向検出装置に適用する例を示したが、上述した技術を、隣り合う前記検出ピクセルの隙間を空けて配置したガンマ線方向検出装置にも適用できる。例えば、2層の検出器を隙間を空けて配置するコンプトンカメラなどにも適用できる。検出ピクセルの隙間を空けたガンマ線方向検出装置の処理として頻度分布での検出を用いることで、不感方向なしでの放射線の飛来方向情報を取得することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成は、それらの一部又は全部が、ハードウェアで構成されても、プロセッサでプログラムが実行されることにより実現されるように構成されても良い。また、制御や情報の流れを示す線による記載は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御や情報の流れを示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えても良い。
本発明は、ガンマ線を検出する検出器に利用することができる。
1 ガンマ線源
2 飛来方向(θ、または(θ,φ)の組)
3 ガンマ線
4 シャーシ
5 保持部材
6 検出ピクセル
7 基板
8 コネクタ
9 計測演算部
10 入射ガンマ線方向検出装置(または単に検出器)
12 コンプトン散乱光子
13 LHベクトル
15 インターフェースパネル
21 ガンマ線検出部
22 ストレージ
23 対応情報
24 飛来方向演算部
25 飛来方向演算値
26 任意情報
27 外部装置
31 明暗強調部材
32 影による少カウント部
41 L位置起点
42 起点を揃えたLHベクトル終点
61 最尤推定法演算部
62 対数尤度演算部
63 飛来方向パラメータ
64 対数尤度
65 対数尤度最大化パラメータ選択部
66 飛来方向推定値
81 ピクセルサイズ
91 表示部
92 対数尤度表示部
93 汎用表示部
94 ボタン操作部
95 入出力部
D1 F位置実測頻度データ
D2 LHベクトル実測頻度データ
D3 L位置実測頻度データ
Di 実測頻度データ
E1 F位置理想頻度パターン
E2 LHベクトル理想頻度パターン
E3 L位置理想頻度パターン
Ei 理想頻度パターン
E1a θ=90のF位置頻度パターン
E1b θ=45のF位置頻度パターン
E1c θ=90のF位置頻度パターン(明暗強調部材あり)
E1d θ=45のF位置頻度パターン(明暗強調部材あり)
E2a θ=90のLHベクトル頻度パターン
E2b θ=45のLHベクトル頻度パターン
E2c θ=90のLHベクトル頻度パターン(eLウィンドウあり)
E2d θ=45のLHベクトル頻度パターン(eLウィンドウあり)

Claims (8)

  1. ガンマ線を検出する複数の検出ピクセルと、
    所定のガンマ線の飛来方向に対して前記検出ピクセルでどのような実測頻度データが得られるはずであるかという対応関係を予め記憶した記憶装置と、前記複数の検出ピクセルで検出したガンマ線の実測頻度データを測定し、前記実測頻度データと前記記憶装置の前記対応関係を用いてガンマ線の飛来方向を演算する計測演算部とを有し、前記実測頻度データとして、ダブルピクセルイベントでの各ピクセルへのエネルギー付与量で順位づけした2点間相対位置の頻度データを用いる
    ことを特徴とするガンマ線方向検出装置。
  2. 請求項1に記載のガンマ線方向検出装置において、
    前記実測頻度データとして、
    シングルピクセルイベントでの全エネルギー吸収位置の頻度データ、ダブルピクセルイベントでの各ピクセルへのエネルギー付与量で順位づけした2点間相対位置の頻度データ、ダブルピクセルイベントでの各ピクセルへのエネルギー付与量で順位づけした1点の位置の頻度データ、とを少なくともいずれか二つ以上組み合わせて用いることを特徴とするガンマ線方向検出装置。
  3. 請求項において、
    計測データと飛来方向の前記対応関係として、用いる計測データに対応し、各飛来方向パラメータごとに、十分な計数を得たものを用い、
    前記計測演算部は飛来方向を演算する手法として、
    各飛来方向をパラメータとし、
    計測データの実現確率すなわち尤度または対数尤度を計算し、
    その尤度または対数尤度の各飛来方向パラメータに対する大小関係から飛来方向を推定する手法を用いる
    ことを特徴とするガンマ線方向検出装置。
  4. 請求項において、
    各飛来方向をパラメータとした尤度または対数尤度を
    極座標表示する
    ことを特徴とするガンマ線方向検出装置。
  5. 前記請求項において、
    各飛来方向をパラメータとした尤度または対数尤度を
    極座標表示する表示部の角度を検出装置本体に対し任意の位置に変更する接続部を有する
    ことを特徴とするガンマ線方向検出装置。
  6. 請求項1において、隣り合う前記検出ピクセルの隙間を空けず、検出ピクセルを密に詰めて配置したガンマ線方向検出装置。
  7. 請求項1において、隣り合う前記検出ピクセルの隙間を空けて配置したガンマ線方向検出装置。
  8. 所定のガンマ線の飛来方向に対して、ガンマ線を検出する複数の検出ピクセルでどのような実測頻度データが得られるはずであるかという対応関係を予め記憶したガンマ線方向検出装置が、
    複数の前記検出ピクセルでガンマ線を検出して、
    複数の前記検出ピクセルで検出したガンマ線の実測頻度データを測定し、前記実測頻度データと前記記憶装置の前記対応関係を用いてガンマ線の飛来方向を演算し、前記実測頻度データとして、ダブルピクセルイベントでの各ピクセルへのエネルギー付与量で順位づけした2点間相対位置の頻度データを用いる
    ことを特徴とするガンマ線方向検出方法。
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