JP5246075B2 - 熱鋼板の冷却設備および冷却方法 - Google Patents

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本発明は、熱鋼板の冷却設備および冷却方法に関するものである。
熱間圧延によって厚板や薄板などの鋼板を製造するプロセスでは、例えば図13に示すような設備において、熱間粗圧延・仕上圧延を行った後の鋼板(熱鋼板)に、水冷または空冷を行って組織を制御している。水冷によって比較的低い温度、例えば450〜650℃程度に冷却すると、微細なフェライトやベイナイト組織が得られ、鋼板の強度を確保できるので、スプレー冷却水やラミナー冷却水などによって鋼板を冷却する技術が一般的である。また近年では、高い冷却速度を得て組織をより微細化し、鋼板の強度を上げる技術の開発が盛んである。
例えば、大量の棒状冷却水を供給して熱鋼板を冷却する技術として特許文献1や特許文献2の技術がある。これは、鋼板の上下面に多数設置したノズルから冷却水を高速で噴射するものであり、非常に高い冷却速度を得ることができ、材料特性に優れた製品を製造出来るとされている。
また、冷却水を供給して熱鋼板を冷却する別の技術として、特許文献3の技術がある。これは、ノズルから噴射した冷却水を鋼板とロールと側壁とで囲まれる領域に充満させてプールを形成するものであり、定常的な冷却状態となって幅方向の冷却むらを低減することができるとされている。
特開2002−239623号公報 特開2004−66308号公報 特開2006−35233号公報
しかしながら、従来の技術は、冷却能力や冷却均一性の確保に問題があった。
特許文献1および2の技術は、冷却水ヘッダと熱延鋼帯との間に設けられる保護板の1つの孔またはスリットを、複数の冷却ノズルから噴射した冷却水が通過するとともに、鋼帯に供給された冷却水が同じ孔またはスリットから排出されるものである。すなわち、噴射口と排水口の機能が共存するから、図14に示すように冷却排水の流れはノズル先端から噴射される棒状冷却水にとって逆流であり、流動抵抗となっていた。また、鋼板に到達した後の排出水はお互いにぶつかり合って上昇し、ノズル口と兼用である排水口に到達するまでに流路が曲げられるので、この部分が淀みとなって、排出水の円滑な流れが妨げられていた。
このように、特許文献1および2の技術では、鋼帯表面へ供給された冷却水の円滑な排出にやや難があることがわかった。従って、冷却水が確実に鋼板に届くようにするためには、ヘッダに高い噴射圧力をかけて、冷却水を高速噴射しなければならないため設備費がかかるという問題がある。
また、スリット状の孔を開けると、保護板のスリット間の部分は細い板状となるため、この部分の剛性が低下し、反った鋼板が冷却設備に進入して衝突した場合、設備を損傷する危険性もある。従って、冷却処理する鋼板の板厚が2〜3mmでは問題ないが、15mm以上になると設備損傷を防止するために板厚が厚い保護板を使用しなければならないのでスリットの加工が難しくなるという問題もある。
さらに、大きさが異なるスリット状の孔を開けると、ノズルの位置によって流動抵抗が異なるため鋼板の幅方向に冷却温度むらが発生するという問題も生じる。
特許文献3の技術は、鋼板上面に供給された冷却水が鋼板とロールと側壁とで囲まれた空間でプールを形成し、上方に抜けていく構造となっているので、該空間に冷却水が充満するには時間がかかるため、鋼板の先端数mの範囲では、冷却水の状態が非定常となり、鋼板長手方向の冷却温度むらや反りが発生し易いという問題がある。
また、特許文献3の技術では、側壁を設けない場合についても記載されているが、この場合には、図17に点線矢印で示すように、ガイド板上を排出水が幅方向端部へ向けて流れることとなる。ここで、特許文献3の技術では、冷却ノズルの先端はガイド板よりも上方にあるから、排出水の幅方向流れが冷却ノズルから噴射される冷却水と干渉してしまう。
この幅方向流れは鋼板幅方向端部ほど多くなるため、干渉は鋼板幅方向端部側ほど強くなり、冷却ノズルから噴射される冷却水の一部または全部が鋼板上面に到達することができなくなるので、幅方向に均一な冷却を行うことができない。
さらに、特許文献1〜3のいずれの技術においても上下から冷却水を噴射しているが、鋼板が冷却装置内に進入する前や冷却すべき鋼板の板幅よりも外側の領域など、冷却すべき鋼板が存在しない場合には、上下から噴射した冷却水同士が衝突して周囲へ飛散する。この飛散水は周辺の冷却ノズルから噴射された冷却水の水束を壊すので、鋼板の最先端、最尾端、幅方向両端では安定した冷却能力を確保できなくなるという問題がある。
また、鋼板先端が冷却水を供給するゾーンに到達する前に飛散水が鋼板上に乗り、鋼板先端を冷やしてしまうことがあるし、鋼板尾端が冷却水を供給するゾーンを通過した後も飛散水が鋼板上に乗り、鋼板尾端を冷やしてしまうこともあり、長手方向で均一な冷却を行うことができない。さらには、冷却水が周囲へ飛散することによって各種センサーでの計測ができなくなることや、周辺設備の保全性が悪化することが懸念される。
本発明は、上記に鑑み、熱鋼板の上下面に冷却水を供給する場合において、鋼板の全長にわたり、高冷却速度で均一に冷却する技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
(1)第一の発明は、鋼板の熱間圧延ラインに設置される熱鋼板の冷却設備であって、熱鋼板の上面側には、冷却水を供給する上部ヘッダと、上部ヘッダから懸垂した棒状冷却水を噴射する上部冷却水噴射ノズルと、前記熱鋼板と前記上部ヘッダとの間に設置される上部隔壁とを備え、上部隔壁には、前記上部冷却水噴射ノズルの下端部を内挿する上部給水口と、前記熱鋼板の上面に供給された冷却水を上部隔壁上へ排水する上部排水口とが多数設けられ、前記熱鋼板の下面側には、冷却水を供給する下部ヘッダと、下部ヘッダから鉛直方向上向きに棒状冷却水を噴射する下部冷却水噴射ノズルとを備え、下部冷却水噴射ノズルは、該ノズルからの噴射線が上部隔壁に設けられた上部排水口を貫通するように配列されていることを特徴とする熱鋼板の冷却設備である。
(2)第二の発明は、熱鋼板の下面側に更に、下部ヘッダと前記熱鋼板との間に下部隔壁を備え、下部隔壁には、下部冷却水噴射ノズルの上端部を内挿する下部給水口と前記熱鋼板の下面に供給された冷却水を下部隔壁下に排水する下部排水口とが多数設けられ、下部隔壁に設けられた下部排水口は、上部冷却水噴射ノズルからの噴射線が貫通するように配列されていることを特徴とする第一の発明に記載の熱鋼板の冷却設備である。
(3)第三の発明は、熱鋼板の下面側に更に、下部冷却水噴射ノズルを保護する保護板を備え、該保護板は、下部冷却水噴射ノズルからの噴射線と上部冷却水噴射ノズルからの噴射線とを避けた位置に、その上端が下部冷却水噴射ノズルの上端よりも前記熱鋼板に近接するように設けたことを特徴とする第一の発明に記載の熱鋼板の冷却設備である。
(4)第四の発明は、上部および下部冷却水噴射ノズルの内径を3〜8mm、該冷却水噴射ノズルから噴射される冷却水の流速を6m/s以上とし、熱鋼板の上面側の水量密度を1.5〜4.0m/m・min、下面側の水量密度を2.0〜6.0m/m・minとすることを特徴とする第一または第三の発明に記載の熱鋼板の冷却設備である。
(5)第五の発明は、上部および下部冷却水噴射ノズルの内径を3〜8mm、該冷却水噴射ノズルから噴射される冷却水の流速を6m/s以上とし、熱鋼板の上面側および下面側の水量密度をそれぞれ1.5〜4.0m/m・minとすることを特徴とする第二の発明に記載の熱鋼板の冷却設備である。
(6)第六の発明は、熱間圧延後の熱鋼板を冷却するに際し、第一の発明から第五の発明のいずれかに記載の熱鋼板の冷却設備から噴射する棒状冷却水により、鋼板を冷却することを特徴とする熱鋼板の冷却方法である。
本発明の熱鋼板の冷却設備および冷却方法を用いることにより、高い冷却速度が得られるので、鋼板を目標温度まで早く冷却することができる。また、鋼板上下面の冷却は、鋼板最先端から最尾端までの鋼板長手方向、幅方向ともに均一に行うことができ、品質の高い鋼板を製造する技術を提供することができる。さらには、冷却水が周囲に飛び散ることが抑制されるので、周辺設備の保全性も向上する。
本発明の第1の実施の形態に係る冷却設備の配置を説明する図である。 上面側ノズル配置を説明する図である。 下面側ノズル配置を説明する図である。 本発明の第2の実施の形態に係る冷却設備の配置を説明する図である。 上面側ノズル配置を説明する図である。 下面側ノズル配置を説明する図である。 本発明の第3の実施の形態に係る冷却設備の配置を説明する図である。 上面側ノズル配置を説明する図である。 下面側ノズル配置を説明する図である。 隔壁上の冷却排水の流れを説明する図である。 従来例による鋼板幅方向温度分布を説明する図である 本発明による鋼板幅方向温度分布を説明する図である。 厚板圧延ラインの概略を説明する図である。 従来例による冷却水の流れを説明する図である。 本発明例による冷却水の流れを説明する図である。 本発明例の隔壁上の冷却排水との非干渉を説明する図である。 ノズル先端が隔壁よりも上方にある場合の隔壁上の冷却排水との干渉を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態の一例を図面を参照して説明する。なお、ここでは、本発明を厚板圧延プロセスでの鋼板の冷却に用いた場合を例にして述べる。
図13は、本発明の実施に供する厚板圧延ラインの一例を示す概略図である。
加熱炉から抽出されたスラブは圧延機によって粗圧延と仕上圧延が施され、所定の仕上温度、仕上板厚とされた後、オンラインにて加速冷却設備に搬送される。冷却前にプリレベラを通して鋼板の形状を整えてから加速冷却を行うのが冷却後の鋼板形状には好適である。加速冷却設備では、上面冷却設備と下面冷却設備とから噴射される冷却水によって鋼板は所定温度まで冷却される。その後、必要に応じてホットレベラで鋼板の形状が矯正される。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る上下面冷却設備の配置を示す側面図である。
1.1上面冷却設備
上面冷却設備は、熱鋼板12の上面に冷却水を供給する上ヘッダ1と、該上ヘッダ1から懸垂した上冷却水噴射ノズル3と、上ヘッダ1と熱鋼板12との間に鋼板幅方向に渡り水平に設置され多数の貫通孔(給水口6aと排水口7a)を有する上部隔壁5aとを備えている。そして、上冷却水噴射ノズル3は棒状の冷却水を噴射する円管ノズル3からなり、その先端が前記上部隔壁5aに設けられた貫通孔(給水口6a)に内挿されて、上部隔壁5aの下端部より上方になるように設置されている。
なお、上冷却水噴射ノズル3は、上ヘッダ1内の底部の異物を吸い込んで詰まるのを防止するため、その上端が上ヘッダ1の内部に突出するように、上ヘッダ1内に貫入させることが好ましい。
ここで、本発明における棒状冷却水とは、円形状(楕円や多角の形状も含む)のノズル噴出口からある程度加圧された状態で噴射される冷却水であって、ノズル噴出口からの冷却水の噴射速度が6m/s以上、好ましくは8m/s以上であり、ノズル噴出口から噴射された水流の断面がほぼ円形に保たれた連続性と直進性のある水流の冷却水のことをいう。すなわち、円管ラミナーノズルからの自由落下流や、スプレーのような液滴状態で噴射されるものとは異なる。
円管ノズル3の先端が貫通孔に内挿されて上部隔壁5aの下端部より上方になるように設置されているのは、仮に先端が上方に反った鋼板が進入してきた場合でも上部隔壁5aによって円管ノズル3が損傷するのを防止するためである。それによって、円管ノズル3が良好な状態で長期間に渡って冷却を行うことができるので、設備補修等を行うことなく、鋼板の温度むらの発生を防止することができる。
また、円管ノズル3の先端が貫通孔に内挿されているので、図16に示すように、上部隔壁5aの上面を流れる点線矢印の排出水の幅方向流れと干渉することがない。したがって、円管ノズル3から噴射された冷却水は、幅方向位置によらず等しく鋼板上面へ達することができ、幅方向に均一な冷却を行うことができる。
図2に一例を示すように、上部隔壁5aには直径10mmの貫通孔が、鋼板幅方向に80mm、搬送方向に80mmのピッチで碁盤の目状に多数開けられている。そして、給水口6aには外径8mm、内径3mmの円管ノズル3が装入されている。円管ノズル3は千鳥格子状に配列され、円管ノズル3が通っていない貫通孔は冷却水の排水口7aとなっている。このように、本発明の冷却設備の上部隔壁5aに設けられた多数の貫通孔は、ほぼ同数の給水口6aと排水口7aとから成り立っており、それぞれに役割、機能を分担している。
このとき、排水口7aの総断面積は、円管ノズル3の内径の総断面積よりも十分広く、円管ノズル3の内径の総断面積の11倍程度が確保されており、図1に示すように鋼板上面に供給された冷却水は、鋼板表面と隔壁5との間に充満し、排水口7aを通して、上部隔壁5aの上方に導かれ、速やかに排出される。そして、上部隔壁5aの上方に流れた排出水9は、図10に示すように、ヘッダ1と上部隔壁5aとの間の排水流路を鋼板幅方向外側へ流れ、排水される。
図14に示すように排水口と給水口が同一の貫通孔に設置されていると、冷却水は、鋼板に衝突した後、上部隔壁5aの上方に抜けにくくなって、熱鋼板12と上部隔壁5aの間を鋼板幅方向端部へ向かって流れるようになる。そうすると熱鋼板12と上部隔壁5aの間の冷却排水の流量は、板幅方向の端部に近づく程多くなるので、噴射冷却水が滞留水膜を貫通して鋼板に到達する力が板幅方向端部ほど阻害されることとなる。
薄板の場合には板幅が高々2m程度であるのでその影響は限定的であるが、特に板幅が3m以上の厚板の場合には、その影響は無視できない。従って、鋼板幅方向端部の冷却が弱くなり、この場合の鋼板幅方向の温度分布は、図11に示すように凹型をした不均一な温度分布となる。
これに対して、本発明の冷却設備は、図15に示すように給水口と排水口は別個に設けられており、給水と排水を役割分担しているので、冷却排水は上部隔壁5aの排水口7aを通過して上部隔壁5aの上方に円滑に流れて行くようになる。これによって、冷却後の排水が速やかに鋼板上面から排除されるので、後続で供給される冷却水は、容易に滞留水膜を貫通することができ、十分な冷却能力を得ることができる。この場合の鋼板幅方向の温度分布は、図12に示すように幅方向に均一な温度分布を得ることができる。
排水口7aの総断面積は、円管ノズル3の内径の総断面積の1.5倍以上であれば、冷却水の排出が速やかに行われる。このことは、例えば、上部隔壁5aには円管ノズル3の外径よりも大きい穴を開け、排水口の数を給水口の数と同じか、それ以上にすれば実現できる。
排水口7aの総断面積が円管ノズル3の内径の総断面積の1.5倍より小さいと、排水口の流動抵抗が大きくなり、滞留水が排水されにくくなる結果、滞留水膜を貫通して鋼板表面に到達できる冷却水量が大幅に減り、冷却能が低下するので好ましくない。より好ましくは4倍以上である。
一方排水口が多過ぎたり、排水口の断面径が大きくなりすぎると、上部隔壁5aの剛性が小さくなって、鋼板が衝突したときに損傷し易くなる。従って、排水口の総断面積と円管ノズル3の内径の総断面積の比は1.5から20の範囲が好適である。
ヘッダ1の下面と上部隔壁5a上面との距離は、ヘッダ1下面と上部隔壁5a上面に囲まれた空間内での鋼板幅方向流路断面積が円管ノズル3の内径の総断面積の1.5倍以上となるように設けられ、例えば100mm程度以上である。この鋼板幅方向流路断面積が円管ノズル3の内径の総断面積の1.5倍以上ないと、上部隔壁5aに設けられた排水口7aから排出された冷却排水が円滑に鋼板幅方向に排出できないからである。
1.2下面冷却設備および上下冷却水噴射ノズルの配列
図1に示す下面冷却設備は、熱鋼板12の下面に冷却水を供給する下ヘッダ2と、該下ヘッダ2から鉛直方向上向きに伸長する下冷却水噴射ノズル4とを備えている。そして、下冷却水噴射ノズル4は棒状の冷却水を噴射する円管ノズル4からなっている。
上部隔壁5aを有する図1の冷却設備の上下冷却水噴射ノズル3、4の配置は、図2に上冷却水噴射ノズル3と排水口7aの配置を、図3に下冷却水噴射ノズル4の配置を示す。いずれも千鳥配置となっており、熱鋼板12がない状態において、上冷却水噴射ノズル3から噴射された冷却水は、下ヘッダ2上面の図3に示す着水点21に着水する配置となっており、下冷却水噴射ノズル4の噴射線と交わらないようになっている。
一方、下冷却水噴射ノズル4から噴射された冷却水は、図2の排水口7aを貫通する配置となっており、上冷却水噴射ノズル3から噴射された冷却水と交わらず、上部隔壁5aの排水口7aを通過して上ヘッダ1と上部隔壁5aとの間の空間に入るようになっている。
仮に、上下冷却水噴射ノズル3、4の噴射線が一致しているとすると、冷却すべき熱鋼板12がない状態においては、高速で噴射された棒状冷却水同士が衝突して、周囲へ飛散する。例えば、上下から冷却水が噴射されている冷却ゾーンに熱鋼板12の先端が進入する場合を想定すると、鋼板最先端部に向けて噴射される棒状冷却水は、そのすぐ下流側で上下から噴射されて衝突した冷却水の飛散によって、その水束が壊されて、冷却能力が変化する。したがって、鋼板最先端部から均一に冷却することができない。
また、鋼板幅方向端部に向けて噴射される棒状冷却水も同様に、そのすぐ外側の噴射冷却水の飛散によって、その水束が壊される。さらに、鋼板最尾端部に向けて噴射される冷却水が、そのすぐ上流側の噴射冷却水の飛散によって、その水束が壊される。
これに対して、本発明の冷却設備は、上下冷却水噴射ノズル3、4から噴射される冷却水の噴射線が交わらないので、例えば熱鋼板12が冷却ゾーンに進入する前から高速で上下から噴射される冷却水が衝突して周囲に飛び散ることがない。
また、下冷却水噴射ノズル4から噴射された冷却水は上ヘッダ1と上部隔壁5aとの間の空間に入るようになっているため、熱鋼板12が冷却ゾーンに進入する時には、既に上ヘッダ1と上部隔壁5aとの間の空間には冷却水が充満しており、熱鋼板12が冷却ゾーンに進入後、速やかに図1に示すような定常状態に移行することができる。
したがって、鋼板最先端から最尾端までの全長にわたって均一に冷却することができる。
さらに、冷却する熱鋼板12の幅方向端部でも、その外側の噴射冷却水の飛散の影響を受けることがなく、全幅にわたって均一に冷却することができる。
1.3その他
上面冷却水が滞留水膜を貫通して熱鋼板12に到達できるようにするためには、円管ノズル3の内径、冷却水の噴射速度やノズル距離も最適にする必要がある。
即ち、円管ノズルの内径は、3〜8mmが好適である。3mmより小さいとノズルから噴射する水の束が細くなり勢いが弱くなる。一方ノズル径が8mmを超えると流速が遅くなり、滞留水膜を貫通する力が弱くなるからである。ノズルからの冷却水の噴射速度は、6m/s以上、好ましくは、8m/s以上が必要である。6m/s未満では、滞留水膜を冷却水が貫通する力が極端に弱くなるからである。8m/s以上であれば、より大きな冷却能力を確保できるので好ましい。
また、上面冷却の冷却水噴射ノズル3の下端から鋼板12の表面までの距離は、30〜120mmとするのが良い。30mm未満では、熱鋼板12が上部隔壁5aに衝突する頻度が極端に高くなり設備保全が難しくなる。120mm超えでは、冷却水が滞留水膜を貫通する力が極端に弱くなるからである。
本発明で最も効果を発揮する上面冷却の水量密度の範囲は、1.5m/m ・min以上である。水量密度がこれよりも低い場合には滞留水膜がそれほど厚くならず、棒状冷却水を自由落下させて鋼板を冷却する公知の技術を適用しても、幅方向の温度むらはそれほど大きくならない場合もある。
一方、水量密度が4.0m/m ・minよりも高い場合でも、本発明の技術を用いることは有効であるが、設備コストが高くなるなど実用化の上での問題があるので、1.5〜4.0m/m・minが最も実用的な水量密度である。
一方、下面冷却水が熱鋼板12に到達できるようにするためには、円管ノズル4の内径、冷却水の噴射速度やノズル距離も最適にする必要がある。 即ち、円管ノズル4の内径は、上面冷却と同様に3〜8mmが好適である。3mmより小さいとノズルから噴射する水の束が細くなり、壊れやすくなる。一方ノズル内径が8mmを超えると流速が遅くなり、冷却能力が低下するからである。
ノズルからの冷却水の噴射速度は、6m/s以上、好ましくは、8m/s以上が必要である。6m/s未満では、冷却水が鋼板下面に衝突する際の勢いが弱く、鋼板下面に沿って水が拡がりにくく、冷却能力が低下するからである。8m/s以上であれば、より大きな冷却能力を確保できるので好ましい。
また、下面冷却の冷却水噴射ノズル4の上端から鋼板12の下面までの距離は、30〜180mmが好適である。30mm未満では、熱鋼板12が円管ノズル4に衝突する頻度が極端に高くなり設備保全が難しくなる。180mm超えでは、熱鋼板12に衝突した後に落下してくる冷却水が新たに噴射する冷却水の水束を壊す確率が高くなるからである。
鋼板に衝突した下面冷却水がそのまま落下する本実施形態においては、下面冷却の水量密度は上面冷却の水量密度の1.3〜2.0倍程度が望ましく、その範囲は、2.0〜6.0m/m ・minである。上面冷却より高い水量密度であるが、ノズルの内径を大きくしたり、ノズルの数を多くしたり、噴射圧力を高くしたりすれば、実現可能である。
水量密度が2.0m/m ・minよりも低い場合は、上面冷却に対して下面冷却が弱くなってしまうので、冷却中に上反りが発生してしまう。水量密度が6.0m/m・minよりも高い場合でも、本発明の技術を用いることは有効であるが、設備コストが高くなるなど実用化の上での問題があるので、2.0〜6.0m/m・minが最も実用的な水量密度である。
なお、鋼板上面の冷却では、冷却水が鋼板長手方向に拡がらないように、上ヘッダ1の前後に水切ロール10を設置するのが良い。これにより、冷却ゾーン長が一定となり、温度制御が容易になる。
ただし、本発明の冷却技術は、水切りロール10がない場合にも適用することは可能である。例えば、上ヘッダ1が長手方向に比較的長く(2〜4m程度ある場合)、その上ヘッダ1の前後でパージ用の水スプレーを噴射して、上面冷却水が非水冷ゾーンに漏れるのを防止する冷却設備に適用することも可能である。
(第2の実施形態)
図4は本発明の第2の実施の形態に係る上下面冷却設備の配置を示した側面図である。以下で説明する下部隔壁に関する項目以外については、基本的に第1の実施形態と同じであるので、同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
2.1下面冷却装置
熱鋼板の下面側冷却においても隔壁を設けてもよい。図4に示す下面冷却設備は、熱鋼板12の下面に冷却水を供給する下ヘッダ2と、該下ヘッダ2から鉛直方向上向きに伸長する下冷却水噴射ノズル4と、前記下ヘッダ2と熱鋼板12との間に鋼板幅方向に渡り水平に設置され多数の貫通孔(給水口6bと排水口7b)を有する下部隔壁5bとを備えている。そして、下冷却水噴射ノズル4は棒状の冷却水を噴射する円管ノズル4からなり、その先端が前記下部隔壁5bに設けられた貫通孔(給水口6b)に内挿されて下部隔壁5bの上端部より下方になるように設置されている。
円管ノズル4の先端が貫通孔に内挿されて下部隔壁5bの上端部より下方になるように設置されているのは、仮に先端が下方に反った熱鋼板12が進入してきた場合でも、下部隔壁5bによって円管ノズル4が損傷するのを防止するためである。
図6に一例を示すように、下部隔壁5bには直径10mmの貫通孔が碁盤の目に多数開けられ、給水口6bには外径8mm、内径3mmの円管ノズル4が装入され、円管ノズル4は千鳥格子状に配列されている。円管ノズル4が通っていない貫通孔は冷却水の排水口7bとなっており、鋼板下面を冷却した冷却排水は自然落下し、前記排水口7bから排出される。このように、本発明の冷却設備の下部隔壁5bに設けられた多数の貫通孔は、ほぼ同数の給水口6bと排水口7bとから成り立っており、それぞれに役割、機能を分担している。
下部隔壁5bを設置しない場合は、棒状冷却水が鋼板下面に衝突する部分だけが冷却されることになるが、下部隔壁を設けた場合は、下部隔壁上面と鋼板下面との間の空間に冷却水が充満して攪拌冷却され、鋼板下面全域で水冷が行われるようになる。即ち、点冷却から面冷却になる。
そして、前記空間は非常に狭いので、鋼板先端が進入した後に冷却水が充満するまでの時間は極めて短かいので、鋼板長手方向の温度むらも発生し難い。
なお、攪拌冷却の効果を得るための下部隔壁5bと熱鋼板12との距離は、30〜120mmとするのが良い。30mm未満では、熱鋼板12が隔壁5bに衝突する頻度が極端に高くなり設備保全が難しくなり、120mm超えでは、冷却水が充満水の膜を貫通して鋼板下面に到達する力が極端に弱くなるうえ、冷却水が充満するのに時間がかかって、鋼板長手方向の温度むらが発生しやすくなるからである。
2.2上下冷却水噴射ノズルの配列
上下に隔壁5a、5bを有する図4の冷却設備の上下冷却水噴射ノズル3、4の配置は、図5に上冷却水噴射ノズル3と排水口7aの配置を、図6に下冷却水噴射ノズル4と排水口7bの配置を示す。いずれも千鳥配置となっており、熱鋼板12がない状態において、上冷却水噴射ノズル3から噴射された冷却水は、図6の下部隔壁5bの千鳥に配置された排水口7bを貫通する配置となっており、下冷却水噴射ノズル4から噴射された冷却水と交わらず、下部隔壁5bの排水口7bを通過して下ヘッダ2と下部隔壁5bとの間の空間に入るようになっている。
一方、下冷却水噴射ノズル4から噴射された冷却水は、図5の排水口7aを貫通する配置となっており、上冷却水噴射ノズル3から噴射された冷却水と交わらず、上部隔壁5aの排水口7aを通って上ヘッダ1と上部隔壁5aとの間の空間に入るようになっている。これにより、上下冷却水噴射ノズル3、4の噴射線は相互に交わらないように配置されている。
このように、上下ヘッダから噴射される冷却水の噴射線が交わらないので、第1の実施の形態と同様に、熱鋼板12が冷却ゾーンに進入する前から高速で上下から噴射される冷却水が衝突して周囲に飛び散ることがなく、鋼板最先端から最尾端までの全長にわたって冷却ゾーン内で高い冷却能力を均一に確保できる。
2.3その他
本実施形態においては、上面側の冷却設備については、円管ノズル3の内径、冷却水の噴射速度やノズル距離、水量密度など、第1の実施形態と同様にすればよい。
一方、下部隔壁を備える本実施形態においては、下部隔壁上面と鋼板下面との間の空間に冷却水が充満し、上面側の冷却とほぼ同様の冷却となることから、鋼板下面冷却の水量密度は、上面冷却と同等とすればよく、1.5〜4.0m/m ・minとするのが好適である。また、下冷却水噴射ノズルからの冷却水の噴射速度は、充満水の膜を貫通させるために6m/s以上、好ましくは8m/s以上が必要である。円管ノズル4の内径は、上面冷却と同様に3〜8mmとすればよい。
(第3の実施形態)
図7は本発明の第3の実施の形態に係る上下面冷却設備を示した図で、冷却設備の配置を示した側面図である。以下で説明する保護板に関する項目以外については、基本的に第1の実施形態と同じであるので、同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
鋼板下面の冷却で隔壁を設けない場合は、下冷却水噴射ノズル4を保護するために保護板22を設置するのがよい。保護板22は図7、図9に示すように、下冷却水噴射ノズル4と上面冷却水の着水点21を避けて鋼板長手方向両端の下冷却水噴射ノズル4を囲み、鋼板幅方向に保護板の強度を考慮して鋼板幅方向に一定ピッチで設置するのが良い。
なお、保護板22の上端は、下冷却水噴射ノズル4の先端部より10mm以上高い位置とし、テーブルロール上端より20mm以上低くすれば、熱鋼板12が進入してきても下冷却水噴射ノズル4や保護板22に衝突しにくくなる。
万一、下反りした熱鋼板12が進入してきた場合でも、保護板22に当たるだけなので下冷却水噴射ノズル4の損傷を防止することができる。100〜300mmの幅方向ピッチで保護板を設置すれば、熱鋼板12が下冷却水噴射ノズル4に当たることはない。図9には、保護板22をはしご状に組んで、ノズルを囲む領域を長方形とした例を示しているが、ノズルを囲む領域を平行四辺形などにしてもよい。
また、この場合も図1の冷却設備の場合と同様に、上下冷却水噴射ノズル3、4の噴射線は相互に交わらないように配置する。
なお、本実施形態においては、鋼板上面側および下面側の冷却装置の円管ノズル3,4の内径、冷却水の噴射速度やノズル距離、水量密度などについて、第1の実施形態と同様にすればよい。
以下、本発明の一実施例として、厚板圧延のプロセスにおいて、引張強度590MPaクラスの鋼板の冷却を行う場合について、図面に基づいて説明する。
図13に概略を示す厚板圧延設備において、加熱炉から抽出されたスラブを粗圧延後、板厚25mm、板幅4.5mの厚鋼板に仕上圧延を行い、鋼板表面温度で820℃で圧延を終了した。圧延終了後、ホットレベラを通して、加速冷却を行った。冷却条件は、冷却開始温度780℃、冷却終了温度(加速冷却設備出側で復熱後の温度を測定した値)は、560℃あった。
加速冷却試験に用いた冷却設備は、図4に示す上下面に隔壁を有する場合(本発明例1)と、図7に示す上部隔壁と下部保護板を有する場合(本発明例2)についてであった。
ノズル寸法は、内径5mm、外径9mm、鋼板幅方向のノズルピッチは50mmとして、テーブルロール間距離1mのゾーン内でノズルを長手方向に10列並べた。上面冷却水の噴射速度は8.9m/s、水量密度は2.1m/m ・min、下面冷却水の噴射速度は、本発明例1の場合は、8.9m/s、本発明例2の場合は、12.7m/sであった。下面冷却水の水量密度は、本発明例1では2.1m/m・min、本発明例2では3.0m/m ・minであった。
上面冷却のノズル下端は、板厚25mmの隔壁の上下端の中間位置となるように設置し、鋼板上面までの距離は80mmとした。本発明例1では、下面冷却のノズル上端は、板厚25mmの隔壁の上下端の中間位置となるように設置し、鋼板下面までの距離は80mmとした。本発明例2では、下面冷却ノズル上端から鋼板下面までの距離を120mmとした。
本発明例1の上部、下部および本発明例2の上部隔壁には、直径12mmの孔を碁盤の目のようにあけ、それぞれ図5、6、8に示すように、千鳥格子状に配列した給水口に円管ノズルを内挿し、残りの孔を排水口として用いた。
本発明例1および2では、図15に示すように、上面冷却後の水が速やかに鋼板上面から排除されるので、後続で供給される冷却水は、容易に滞留水膜を貫通することができた。下面冷却後の水は、本発明例2ではそのままノズル間に落下するので後続で供給される冷却水の噴射の障害にはならない。本発明例1では、鋼板下面と隔壁との間に水が充満しているが、噴射距離が80mmと短いので、充満水の膜を破って熱鋼板下面に到達することができた。
これによって、上下面とも高い冷却能力を均一に確保できた。この場合の鋼板幅方向の温度分布は、550〜560℃で図12に示すような幅方向に均一な温度分布を得ることができた。
鋼板が進入する前から噴射を行っても、上下ヘッダから噴射される冷却水が衝突、飛散しなかったため、鋼板最先端2m、最尾端2mの部分での温度むらは、10℃以内に収まった。温度むらが小さいため、材料試験の合格率は99.5%と高く、歩留りも十分に高かった。
また、板幅中央での冷却停止温度を560℃とするための冷却時間は2.5秒であった。冷却速度が高くなったため、高強度を得るために必要な鋼の合金成分(例えばMnなど)の削減が可能となり、製造コストを削減することができた。
上下ヘッダから噴射される冷却水の噴射線が交わらないので、熱鋼板12が冷却ゾーンに進入する前から高速で噴射される冷却水が飛び散ることがなく、設備保全性が良好であった。
上面冷却ノズルの下端を上部隔壁の上下端の中間位置とし、本発明例1では下面冷却ノズルの上端を下部隔壁の上下端の中間位置とし、本発明例2では下部保護板を設けたので、先端が反った鋼板が進入しても、ノズルが壊れることはなかった。
これに対し、比較例として、特許文献2に記載された隔壁にスリット状の孔を設ける従来技術の冷却設備を用いた。なお、隔壁に設ける孔形状と、上下冷却水噴射ノズルの噴射線が相互に交わるように配置した以外の条件は、上述の本発明例1にそろえた。この比較例の冷却設備は、図14に示すように、鋼板に衝突した後の冷却水は上方に抜けにくいので、板幅中央での冷却停止温度を560℃とするために、3秒の水冷時間が必要であった。
冷却停止温度の板幅方向分布は、図11に示すような凹型になった。板端部付近での最も高い温度は600℃であり、幅方向の温度むら(最高温度−最低温度)は40℃になった。
鋼板が進入する前から噴射を行うと、上下ヘッダから噴射される冷却水が衝突したため、冷却水の飛散が激しかった。飛散した冷却水が周辺の冷却水の水束を壊してしまい、その結果、安定した冷却能力が得られなくなり、鋼板最先端2m、最尾端2mの部分での温度むらは、40℃であった。
製品の一部を取り出して材料試験を行った結果、合格率は70%と低く、歩留りも悪かった。
本発明の実施例2(本発明例3)として、実施例1と同様の厚板圧延のプロセスにおいて、図1に示す上面のみに隔壁(上部隔壁)を有する冷却設備を用いた場合について説明する。
ノズル寸法は、内径8mm、外径11mm、鋼板幅方向のノズルピッチは50mmとして、テーブルロール間距離1mのゾーン内でノズルを長手方向に10列並べた。上面冷却水の噴射速度は6.3m/s、水量密度は3.8m/m ・min、下面冷却水の噴射速度は、9.5m/s、水量密度は5.7m/m・minであった。
上面冷却のノズル下端は、板厚30mmの隔壁の上下端の中間位置となるように設置し、鋼板上面までの距離は50mmとした。下面冷却ノズル上端から鋼板下面までの距離は80mmとした。
上部隔壁には、直径11mmの孔と直径14mmの孔を交互に碁盤の目のようにあけ、図5に示すように、千鳥格子状に配列した直径14mmの孔を給水口として円管ノズルを内挿し、残りの直径11mmの孔を排水口として用いた。
本発明例3では、図15に示すように、上面冷却後の水が速やかに鋼板上面から排除されるので、後続で供給される冷却水は、容易に滞留水膜を貫通することができた。下面冷却後の水は、そのままノズル間に落下するので後続で供給される冷却水の噴射の障害にはならない。
板幅中央での冷却停止温度を560℃とするための冷却時間は2.1秒、鋼板幅方向の温度分布は550〜560℃で図12に示すようなほぼ均一な分布になり、本発明例1、2と同様に、高冷却速度で均一な冷却を行うことができた。
また、鋼板が進入する前から噴射を行っても、上下ヘッダから噴射される冷却水が衝突、飛散しなかったため、鋼板最先端2m、最尾端2mの部分での温度むらは、10℃以内に収まり、設備保全性も含め、本発明例1、2と同様の効果が確認できた。
1 上ヘッダ
2 下ヘッダ
3 上冷却水噴射ノズル(円管ノズル)
4 下冷却水噴射ノズル(円管ノズル)
5a 上部隔壁
5b 下部隔壁
6a 上部給水口
6b 下部給水口
7a 上部排水口
7b 下部排水口
8 噴射冷却水
9 排出水
10 水切ロール
11 テーブルロール
12 熱鋼板
21 着水点
22 保護板

Claims (6)

  1. 鋼板の熱間圧延ラインに設置される熱鋼板の冷却設備であって、熱鋼板の上面側には、冷却水を供給する上部ヘッダと、上部ヘッダから懸垂した棒状冷却水を噴射する上部冷却水噴射ノズルと、前記熱鋼板と前記上部ヘッダとの間に設置される上部隔壁とを備え、上部隔壁には、前記上部冷却水噴射ノズルの下端部を内挿する上部給水口と、前記熱鋼板の上面に供給された冷却水を上部隔壁上へ排水する上部排水口とが多数設けられ、前記熱鋼板の下面側には、冷却水を供給する下部ヘッダと、下部ヘッダから鉛直方向上向きに棒状冷却水を噴射する下部冷却水噴射ノズルとを備え、下部冷却水噴射ノズルは、該ノズルからの噴射線が上部隔壁に設けられた上部排水口を貫通するように配列されていることを特徴とする熱鋼板の冷却設備。
  2. 熱鋼板の下面側に更に、下部ヘッダと前記熱鋼板との間に下部隔壁を備え、下部隔壁には、下部冷却水噴射ノズルの上端部を内挿する下部給水口と前記熱鋼板の下面に供給された冷却水を下部隔壁下に排水する下部排水口とが多数設けられ、下部隔壁に設けられた下部排水口は、上部冷却水噴射ノズルからの噴射線が貫通するように配列されていることを特徴とする請求項1記載の熱鋼板の冷却設備。
  3. 熱鋼板の下面側に更に、下部冷却水噴射ノズルを保護する保護板を備え、該保護板は、下部冷却水噴射ノズルからの噴射線と上部冷却水噴射ノズルからの噴射線とを避けた位置に、その上端が下部冷却水噴射ノズルの上端よりも前記熱鋼板に近接するように設けたことを特徴とする請求項1記載の熱鋼板の冷却設備。
  4. 上部および下部冷却水噴射ノズルの内径を3〜8mm、該冷却水噴射ノズルから噴射される冷却水の流速を6m/s以上とし、熱鋼板の上面側の水量密度を1.5〜4.0m/m・min、下面側の水量密度を2.0〜6.0m/m・minとすることを特徴とする請求項1または3に記載の熱鋼板の冷却設備。
  5. 上部および下部冷却水噴射ノズルの内径を3〜8mm、該冷却水噴射ノズルから噴射される冷却水の流速を6m/s以上とし、熱鋼板の上面側および下面側の水量密度をそれぞれ1.5〜4.0m/m・minとすることを特徴とする請求項2に記載の熱鋼板の冷却設備。
  6. 熱間圧延後の熱鋼板を冷却するに際し、請求項1乃至5のいずれかに記載の熱鋼板の冷却設備から噴射する棒状冷却水により、鋼板を冷却することを特徴とする熱鋼板の冷却方法。
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