JP5245465B2 - 車両制御装置、車両制御方法 - Google Patents
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Description
このような車両の従来技術として、例えば、特許文献1があげられる。特許文献1は、四輪駆動モード時であって、かつ、低速で走行している場合にはスリップが生じる可能性があることを予測して四輪駆動走行を実行するものである。
このように構成することにより、二輪駆動モードと四輪駆動モードとにおいて、運転者が発電機の発電電力量を同様に設定した場合であっても、四輪駆動モード時にはより大きい発電電力を得てモータにより大きい電力を供給することができる。
図1は、本実施形態の車両制御装置が適用される車両の概略構成図である。図示した車両は、主駆動輪となる前輪1L、1Rを駆動するエンジン2、エンジン2によって駆動される発電機7、発電機7によって発電された電力を供給されて回転するモータ4、モータ4によって駆動される後輪3L、3Rを備え、前輪1L、1Rの駆動によって走行する二輪駆動モードと、前輪1L、1Rと後輪3L、3Rとによる走行を可能にする四輪駆動モードとのいずれによっても走行可能な車両である。
また、エンジン回転数を高めるにあたっては、エンジン2に吸入される空気量を制御するスロットルバルブ30を制御し、エンジン2に吸入される燃料と空気の混合気の量を増やすことが必要になる。スロットルバルブ30の制御は、後述するスロットル制御部8Fによってなされている。
発電機7は、4WDコントローラ8によって調整される界磁電流Ifgに応じてエンジン2に対し負荷となり、その負荷トルクに応じた発電をする。この発電機7の発電電力の大きさは、回転数Ngと界磁電流Ifgとの大きさにより決定される。なお、発電機7の回転数Ngは、エンジン2の回転数Neからプーリ比に基づき演算することができる。
そして、空気量を制御することによってエンジン2の回転数を制御し、結果的に発電機7の発電電力量を制御する。スロットル制御部8Fにもアクセルペダル開度信号が入力されていて、スロットル制御部8Fは、アクセルペダル開度信号に基づいてスロットルバルブ30を制御している。
このような本実施形態において、スロットル制御部8Fは、発電電力量制御手段として機能する。
目標モータトルク演算部8Aは、モータ4の目標トルクを算出するための構成である。本実施形態では、目標モータトルク演算部8Aにも4WD切替え信号が入力されている。
本実施形態の目標モータトルク演算部8Aは、4WD切替え信号により、二輪駆動モードが選択されているか、四輪駆動モードが選択されているかを判断することができる。そして、二輪駆動モードの選択時と四輪駆動モードの選択時とで異なる演算を実行し、モータ4のトルクを算出する。
モータ制御部8Cは、モータ目標トルク指令値Ttとモータ回転速度Vmとから、公知のベクトル制御を行う。そして、インバータ9に3相パワー素子のスイッチング制御信号を出力して3相交流電流を制御する構成である。
クラッチ制御部8Eは、上記クラッチ12の状態を制御する構成であり、4輪駆動状態と判定している間はクラッチ12を接続状態に制御する。
発進検出部32は、車両が停止している状態から走行を開始したか否かを検出する構成であって、本実施形態では、前輪1L、1R、後輪3L、3Rの回転速度を使って発進を検出するものとする。具体的には、例えば、前輪1L、1Rの回転速度が0から所定の値に高まった場合に車両が発進したと判断することができる。発進検出部32は、本実施形態の発進検出手段として機能する。
また、スロットル制御部8Fは、スロットルバルブ開放度演算部35を備えている。スロットルバルブ開放度演算部35は、発進検出部32によって車両の発進が検出された場合に四輪駆動モード時の発電電力量を、二輪駆動モード時の発電電力量よりも大きい値にするものである。さらに、スロットル制御部8Fは、踏込み速度検出部33によって検出された踏込み速度が所定の値以上であった場合、踏増し検出部34によって踏増しが検出された場合に四輪駆動モード時の発電電力量を、二輪駆動モード時の発電電力量よりも大きい値にする。
本実施形態では、四輪駆動モードであって、かつ発進、所定の値以上の踏込み速度、踏増しが検出された場合にはデータ42を用いてスロットルバルブ30の開度を算出する。また、四輪駆動モードであって、かつ発進等の検出がなされなかった場合及び二輪駆動モード時にはデータ41を用いてスロットルバルブ30の開度を算出する。
このように構成したことにより、本実施形態は、車両の発進時、所定の値以上の踏込み速度の検出時、踏増しの検出時といった早急な加速が要求されていることが推定される場合には、アクセルペダル29を同様に操作して、他の場合よりもエンジンの回転数を増加することができる。このため、車両は、エンジンの駆動力をエネルギー変換する際のエネルギー損失によらず、所望の加速度を速やかに得ることができるようになる。
四輪駆動モードであって、かつ発進、所定の値以上の踏込み速度、踏増し(以降、発進、所定の値以上の踏込み速度、踏増しを総称して発進等と記す)が検出されていない場合に四輪駆動走行する場合、目標モータトルク演算部8Aは、先ず、前後回転差演算部81において、4輪の車輪速度信号Vfr〜Vrrに基づいて次式をもとに前後回転差ΔVを算出する。
ΔV=(Vfr+Vfl)/2−(Vrr−Vrl)/2
車速演算部83では、車速Vが常にセレクトロー信号以下になることを利用して、総駆動力信号Fとセレクトロー信号から総駆動力Fに比例する上昇勾配を加速制限値としてもつ漸増信号を生成し、車速Vを算出する。ここで、総駆動力Fは、トルクコンバータ滑り比から推定される前輪駆動力とモータ目標トルク指令値Ttから推定される後輪駆動力との和によって求められる。総駆動力Fを算出する手順を図6に、セレクトローの処理を図7に示しておく。
そして、後輪速Vrl,Vrr、車速Vに基づいて、公知の方法により後輪トラクションコントロール制御を行って、最終的なモータ4のモータ目標トルク指令値Ttを出力する。
発電機パワー=エンジン回転数×発電負荷
モータトルク=発電機パワー/モータ回転数
モータ4の回転数は、例えば、モータ4近傍に設けられている図示しないセンサによって検出するものであってもよい。また、モータ制御部8Cが出力する制御信号を入力し、信号に基づいて算出するものであってもよい。
算出されたモータトルクは、図5に示したように、第3モータ駆動力として後輪TCS制御部86に入力される。後輪TCS制御部86は、第3モータ駆動力を、第1モータ駆動力TΔV、第2モータ駆動力Tvと比較してセレクトハイした値を最終的なモータ4のモータ目標トルク指令値Ttとして出力する。
また、本実施形態は、四輪駆動モードであって発進等の検出時にのみデータ42を使ってスロットルバルブ30の開度を決定している。しかし、本実施形態は、このような構成に限定されるものでなく、四輪駆動モードが選択され、かつ四輪駆動走行をする場合には常にデータ42を使ってスロットルバルブ30の開度を演算するものであってもよい。
前輪TCS制御部96は、前輪1Rの回転速度、1Lの回転速度、車速Vと共に、ECM100によって出力されたエンジン発生駆動トルクデマンド信号Tetを入力する。このような前輪TCS制御部96は、後輪TCS制御部86と共にTCS制御部8Dに含まれる構成である。
図10(a)、(b)は、発電機制御部8B、モータ制御部8Cをより詳細に示した図である。(a)は、モータがDCモータであって、インバータを必要としない場合の構成を示している。また、(b)は、発電機7が発電した直流電流をインバータ9で交流変換し、直流モータであるモータ4に供給する場合の構成を示している。
さらに、決定した目標界磁電流とモータ4に供給されるモータ界磁電流を使って周知のPid制御をし、実際のモータ界磁電流値を目標値にフィードバックしている。
図11に示したように、車両制御装置は、4WDコントローラ8が4WD切替え信号を読込む(S601)。そして、発進等が検出されたか否か判断する(S602)。ステップS602の判断の結果にしたがって、スロットル制御部8Fは、図4に示したデータ41、データ42のいずれかを使ってスロットルバルブ30の開度を演算により決定する(S603)。
また、目標モータトルク演算部8Aは、発進等が検出されたか否かを判断する(S604)。なお、この判断は、演算切替え信号の入力によって可能である。発進等が検出されていない場合(S604:No)、目標モータトルク演算部8Aは、図5に示した第1モータ駆動力演算部82、第2モータ駆動力演算部84によって目標トルクTttを算出し(S607)、後輪TCS制御をする。
ステップS604において、発進等が検出されたと判断された場合(S604:Yes)、発電機7の発電のパワーを算出し(S605)、算出された発電機7のパワーからモータトルクを算出する(S606)。
また、前記したように、発進等が検出された場合にスロットルバルブ30の開度を大きく設定することも可能である。このような場合、四輪駆動モードの加速性能を二輪駆動モード時の加速性能以上に設定すれば、運転者が特に加速を望むと考えられる場合に高い加速性能を得ることができる。
2 エンジン
3L,3R 後輪
5 デファレンスギヤ
6 無端ベルト
7 発電機
8 4WDコントローラ
8A 目標モータトルク演算部
8B 発電機制御部
8C モータ制御部
8D TCS制御部
8E クラッチ制御部
8F スロットル制御部
9 インバータ
12 クラッチ
29 アクセルペダル
30 スロットルバルブ
31 データ保存部
32 発進検出部
33 速度検出部
34 踏増し検出部
35 スロットルバルブ開放度演算部
41,42 データ
Claims (4)
- 主駆動輪を駆動する内燃機関、当該内燃機関によって駆動される発電機、当該発電機によって発電された電力を供給されて回転するモータ、当該モータによって駆動される従駆動輪を備え、前記主駆動輪の駆動によって走行する二輪駆動モードと、前記主駆動輪と前記従駆動輪とによる走行を可能にする四輪駆動モードとのいずれによっても走行可能な車両を制御する車両制御装置であって、
運転者の操作によって前記発電機の発電電力量が設定される発電量設定手段と、
前記発電量設定手段によって設定された設定値に応じて前記発電機による発電電力量を制御する発電電力量制御手段と、を備え、
前記発電量設定手段は、運転者が踏込むことによって操作されるアクセルペダルであって、当該アクセルペダルの開度によって発電電力量を設定し、
前記発電電力量制御手段は、前記アクセルペダルの開度に応じて前記内燃機関に吸入される空気量を制御するスロットルバルブの開度を制御することで前記内燃機関の出力によって発電電力量を制御し、
前記アクセルペダルの開度に対する前記スロットルバルブの開度のデータとして、予め二輪駆動モード用のデータと四輪駆動モード用のデータとを個別に保存するデータ保持部を備え、その二輪駆動モード用のデータと四輪駆動モード用のデータとは、アクセルペダルの開度が大きいほど前記スロットルバルブの開度が大きくなるように設定されていると共に、四輪駆動モード用のデータの方は、二輪駆動モード用のデータに比べ、アクセルペダルの開度の増加に対するスロットルバルブの開度の増加の割合が大きく設定されており、
前記発電電力量制御手段は、前記二輪駆動モード用のデータと四輪駆動モード用のデータの一方を選択することで、前記二輪駆動モードと前記四輪駆動モードとにおいて前記設定値が等しい場合、前記四輪駆動モード時の発電電力量を、前記二輪駆動モード時の発電電力量よりも大きい値とし、
前記四輪駆動モード時の場合、前記発電電力量制御手段の制御で発生する発電電力量から前記モータの目標モータトルクを算出することを特徴とする車両制御装置。 - 車両の発進を検出する発進検出手段をさらに備え、
前記発電電力量制御手段は、
前記四輪駆動モード時であって、かつ、前記発進検出手段によって車両の発進が検出された場合の発電電力量を、前記二輪駆動モード時の発電電力量よりも大きい値にすることを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。 - 前記アクセルペダルの開度の変化の状態を検出するアクセル状態検出手段をさらに備え、
前記発電電力量制御手段は、
前記四輪駆動モード時において、
前記アクセルペダルがすでに所定の程度踏込まれていて、かつ、さらに踏込まれる踏み増しが生じた場合、または前記アクセル開度が踏込みによって単位時間当たりに所定の開度以上増加した場合の発電電力量を、前記二輪駆動モード時の発電電力量よりも大きい値にすることを特徴とする請求項2に記載の車両制御装置。 - 主駆動輪を駆動する内燃機関、当該内燃機関によって駆動される発電機、当該発電機によって発電された電力を供給されて回転するモータ、当該モータによって駆動される従駆動輪を備え、前記主駆動輪の駆動によって走行する二輪駆動モードと、前記主駆動輪と前記従駆動輪とによる走行を可能にする四輪駆動モードとのいずれによっても走行可能な車両を制御する車両制御装置に適用される車両制御方法であって、
運転者のアクセルペダルの操作によるアクセルペダルの開度によって設定された設定値に応じて、内燃機関のスロットルバルブの開度を制御することで前記内燃機関の出力によって前記発電機による発電電力量を制御する発電電力量制御ステップを含み、
前記アクセルペダルの開度に対する前記スロットルバルブの開度のデータとして、予め二輪駆動モード用のデータと四輪駆動モード用のデータとを個別に備え、その二輪駆動モード用のデータと四輪駆動モード用のデータとは、アクセルペダルの開度が大きいほど前記スロットルバルブの開度が大きくなるように設定されていると共に、四輪駆動モード用のデータの方は、二輪駆動モード用のデータに比べ、アクセルペダルの開度の増加に対するスロットルバルブの開度の増加の割合が大きく設定されており、
前記発電電力量制御ステップにおいて、前記二輪駆動モード用のデータと四輪駆動モード用のデータの一方を選択することで、前記二輪駆動モードと前記四輪駆動モードとで前記設定値が等しい場合、前記四輪駆動モード時の発電電力量が、前記二輪駆動モード時の発電電力量よりも大きい値に設定し、
前記四輪駆動モード時の場合、前記発電電力量制御ステップによる制御で発生する発電電力量から前記モータの目標モータトルクを算出することを特徴とする車両制御方法。
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