本発明は、プレイヤが画面に表示されるキャラクタを操作するゲームをコンピュータに実現させるためのゲームシステム、当該ゲームシステムの制御方法及びプログラムに関するものである。本発明の一実施の形態に係るゲームシステムについて、図面を参照しながら、以下に説明する。
〔ネットワークゲームシステムの概要〕
本ゲームシステムは、プレイヤが画面に表示されるキャラクタを操作してゲームを実行するものであって、対戦ゲームにおいて戦力を向上させ得る。この戦力を向上させ得るというゲーム要素は、ゲームの興趣性を高める上で非常に重要な要素であり、当該ゲーム要素を従来よりもさらに拡充することができれば、さらに興趣性の高いゲームシステムを実現できる。そこで、本ゲームシステムは、これまでゲームプレイヤのキャラクタ操作の技量、操作量または操作時間のみに依存していた戦力を向上させ得るというゲーム要素を、ゲームプレイヤが現実世界の所定エリアに足を運ぶことで可能とする。例えば、スポーツゲームであれば、ゲームプレイヤが現実世界のスポーツ競技場(例えば、野球ゲームであれば野球場)に足を運ぶことで、ゲーム上の自己の戦力を向上させる機会を得ることを可能とする。
すなわち、本ゲームシステムでは、ゲームプレイヤが所定時間帯に現実世界の所定エリア(例えば現実世界の野球の試合が行われている時間帯に野球場)に足を運べば、その事実に基づいて、ゲーム上の自己の戦力を向上させる機会を得ることができるのである。
本ゲームシステムでは、現実世界の所定エリアと、ゲーム内対戦エリアとがリンクしており、ゲームプレイヤが所定時間帯に現実世界の所定エリアに足を運べば、その後、プレイヤが当該現実世界の所定エリアに対応するゲーム内対戦エリアで対戦ゲームを実行する場合に、当該現実世界の所定エリアに行く前よりも自己の戦力が向上し、勝率を向上させ得るようになっている。
本ゲームシステムにて実現されるゲームには様々なものがあるが、本実施の形態では、野球ゲームを例に挙げて以下に説明する。野球ゲームとは、一般的な野球のルールを適用して得点を競うゲームである。例えば、ゲームシステムの端末装置Aを操作するプレイヤAが選択した第1チームと、端末装置BのプレイヤBが選択した第2チームとが対戦する場合、プレイヤAが操作する投手キャラクタがボールオブジェクトを投球し、プレイヤBが操作する打者キャラクタが投球されたボールオブジェクトを打撃する。また、打撃後のボールオブジェクトをプレイヤAが操作する野手キャラクタが捕球や送球をし、プレイヤBが操作する走者キャラクタが走塁をする。このように、野球ゲームでは、一般的な野球のルールを適用してプレイヤAとプレイヤBとが攻守を変えながら得点を競う。なお、一人のプレイヤがAIプログラム(Artificial Intelligence Program)に基づくCPUによる自動制御で野球ゲームを実行することも可能である。
ゲーム上の自己の戦力向上の例とは、プレイヤが操作するキャラクタの能力を向上させることが挙げられる。特に、野球ゲームのように複数のキャラクタで編成されたチーム同士の対戦ゲームにおいては、チームを構成するキャラクタの全部または一部のキャラクタの能力を向上させたり、所定の高能力を有する特殊キャラクタをチーム内に組み入れたりすることで戦力の向上を図ることができる。
戦力の向上を実現するキャラクタの能力に関し、野球ゲームにおけるキャラクタの能力の例としては、キャラクタが投手であれば投手の能力を表す球速、制球力、スタミナ等であり、キャラクタが野手であれば野手の能力を表す打力、走力、守備力等である。なお、例えば制球力についてはストレート(直球)の制球力と変化球の制球力とに細分化し、打力については長打力とミート力に細分化するといったように、各能力をより細分化したキャラクタの能力の全部または一部を戦力向上のために高めてもよい。
以下、本ゲームシステムの構成を詳述する。
〔ゲームシステムの全体構成〕
図1は、本ゲームシステム100の全体構成を示す図である。ゲームシステム100は、ゲームサーバ101(管理部)と、当該ゲームサーバ101と通信可能に接続される端末装置102とを備えている。
プレイヤは、端末装置102の画像表示手段(後述)によって画面に表示されるキャラクタを操作してゲームを行う。プレイヤが操作する端末装置102は、公知の家庭用ゲーム機、携帯ゲーム機、携帯情報端末、携帯電話機またはパーソナルコンピュータ等により構成される。
ゲームシステム100において、各端末装置102には、当該各端末装置102を一意に識別するための端末IDが付与されている。さらに、各端末装置102を操作する各プレイヤには、当該各プレイヤを特定するためのプレイヤIDが付与されている。そして、ゲームサーバ101は、これらの識別情報(端末IDおよびプレイヤID)に対応付けて、各端末装置102との間でデータの送受信を行うことによって、各端末装置102および各プレイヤに関する情報を管理する。
ゲームサーバ101と端末装置102とは、移動体通信回線、公衆回線、専用回線、LAN、インターネット等の通信路の一つまたは複数を組み合わせて相互に通信可能に接続される。
上記のゲームシステム100内のゲームサーバ101及び端末装置102の構成を、以下に詳細に説明する。
〔ゲームシステム内の各装置の構成〕
図3に示すように、端末装置102は、制御部10a、表示画像処理部20a、音声再生部30a、外部入出力制御部40a及び通信部50aを備え、これらはバス5により相互に接続されている。
図3に示すように、制御部10aは、端末装置102の全体の動作を制御するもので、ゲームの進行全般に関する処理、画像表示処理の他、種々の情報処理を行う情報処理部(CPU)11aと、処理途中の情報等を一時的に格納するRAM(Random Access Memory)12aと、各種プログラム等が予め記憶されたROM13aと、を備え、これらはバス5を介して相互に接続されている。
ROM13aには、オペレーションシステム(OS)のプログラムデータや、画像データ、音声データ並びに各種プログラムデータからなるゲームデータ等が記録されている。ROM13aに記録されている画像データとしては、選手キャラクタ(投手キャラクタ、打者キャラクタ、野手キャラクタ、走者キャラクタ)、背景画像、各種の操作画面や設定画面の画像等のデータがあげられる。また、選手キャラクタ等の画像データは、3次元描画が可能なように、それらを構成する所要数のポリゴンで構成されている。
そして、CPU11aは、内蔵のあるいは装着脱可能なROM13aに記録されているオペレーティングシステムに基づいて、ROM13aから画像データ、音声データ、制御プログラムデータ、ゲームプログラムデータ等を読み出す。読み出されたデータの一部若しくは全部は、RAM12a上に保持される。以後、CPU11aは、RAM12a上に記憶されている制御プログラムや各種データ(表示物体のポリゴン、テクスチャ、その他の文字画像を含む画像データ、音声データなど)に基づいて、各種データ処理を行う。
上記のデータ処理としては、3次元空間上における計算処理と、3次元空間上から擬似3次元空間上への位置変換計算処理と、光源計算処理と、画像および音声データの生成加工処理などが含まれる。
ROM13aに記憶されている各種データのうち装着脱可能な記録媒体に記憶され得るデータは、例えばハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等の各種ドライブユニットで読み取り可能としてもよい。この場合、記録媒体としては、例えばハードディスク、光ディスク(CD−ROM、DVD−ROM、UMDなど)、フレキシブルディスク、半導体メモリ、ROMカセット、あるいは家庭用ビデオゲーム装置用のカートリッジ等を用いることができる。
表示画像処理部20aは、インターフェース回路やD/Aコンバータ(Digital-To-Analogコンバータ)等を備え、CPU11aからの画像表示指示に従って、RAM12aに書き込まれた画像データや、ROM13aから読み出される画像データ等を液晶ディスプレイ等のモニタ21aに表示させるものである。
音声出力部30aは、CPU11aからの指示に従ってゲーム進行過程の中で発生させるべき音声メッセージ、効果音、楽曲データ等を生成し、スピーカ31aに出力するものである。
外部入出力制御部40aは、インターフェース回路等を含み、制御部10aと入力操作部41aとの間、または制御部10aとカードリーダライタ42aとの間、または制御部10aと後述するGPS測位部43aとの間でデータの入出力制御を行う。例えば、外部入出力制御部40aは、入力操作部41aから入力される操作検出信号を制御部10aで処理可能なデジタル信号に変換する。入力操作部41aは、プレイヤが種々の操作命令を入力するためのキーボード、マウス、家庭用ビデオゲーム装置用コントローラ・ボタン、画像情報を入力する撮像装置(カメラ)等から構成される。
通信部50aは、通信情報インターフェース回路や通信モデム等を備え、ゲームサーバ101との間、および対戦相手の他の端末装置102との間で、インターネット等の通信路を介して各種データの送受信をするためのものである。
次に、ゲームサーバ101の構成を説明する。図2に示すように、ゲームサーバ101は、サーバ制御部10c及びサーバ通信部50cを備えるコンピュータである。
サーバ制御部10cは、ゲームサーバ101の全体の動作を制御するもので、情報処理部(CPU)160と、処理途中の情報等を一時的に格納するRAM170と、所定のプログラム等が予め記憶されたROM180と、ハードディスク装置や光ディスク装置などの補助記憶部190とを備える。ROM180や補助記憶部190に記録されているオペレーションシステム(OS)、各種プログラム、各種設定データはRAM170上にロードされ、CPU160によりRAM170上のプログラムが順次実行されることによって、ゲームサーバ101の各種機能が実現される。
サーバ通信部50cは、通信情報インターフェース回路や通信モデム等を備え、情報提供サーバ102および各端末装置102との間で、インターネット等の通信路を介して各種データの送受信を行う。
次に、ゲームサーバ101および端末装置102の機能的構成について、以下に説明する。図4は、ゲームサーバ101におけるサーバ制御部10cの機能ブロック図である。図5は、端末装置102における制御部10aの機能ブロック図である。
先ず、ゲームサーバ101の主な機能について説明する。ゲームサーバ101は、ログイン認証機能、プレイヤ存否判断機能、戦力向上情報生成機能および戦力向上情報配信機能などを具備している。
上記ログイン認証機能とは、各ユーザが各端末装置102を操作してゲームサーバ101にログインしようとした際、各ユーザのアクセス資格の有無を判断してログイン認証を行う機能である。例えば、会員制オンラインサービスのゲームの場合は、会員認証がなされる。
プレイヤ存否判断機能とは、プレイヤが現実世界の野球の試合が行われている時間帯(所定時間帯)に野球場(所定エリア)に存在するか否かを判断する機能である。この機能は、プレイヤが現実世界の野球場に持って来ている端末装置102とゲームサーバ101とが通信を行うことにより実現される。この機能の詳細については後述する。
戦力向上情報生成機能とは、プレイヤが実際に足を運んだ現実世界の所定エリア(野球ゲームの場合は野球場)に対応するゲーム内対戦エリア(ゲーム内球場)で対戦ゲームを実行する場合において戦力を向上させるための戦力向上情報を生成する機能である。
戦力向上情報配信機能とは、上記の戦力向上情報生成機能により生成した戦力向上情報を、プレイヤの端末装置102に配信する機能である。これらの各機能を実現する構成の詳細については後述する。
また、ゲームサーバ101は、その他の機能として、マッチング機能、対戦管理機能、能力評価レベル(仮想的な段位、報賞、名誉、等級等)管理機能なども具備していてもよい。上記マッチング機能とは、インターネットを介して対戦を要求している複数の端末装置102からなる対戦要求端末群の中から対戦相手の組み合わせを決定する機能である。上記対戦管理機能とは、複数の端末装置102間で対戦ゲームが実施されているとき、当該対戦ゲームが終了するまで各端末装置102の通信状態を確認して、対戦継続中か否かを管理する機能である。上記能力評価レベル管理機能とは、各プレイヤの現在までのゲーム成績を累積的に評価して各プレイヤに付与する能力評価レベル(仮想的な段位、報賞、名誉、等級等)を決定し、当該能力評価レベルを各端末装置102の識別情報(端末IDやプレイヤID)と関連付けて管理する機能である。また、ゲームサーバ101は、各プレイヤの能力評価レベルに基づいて、全世界ランキング、全国ランキングまたは特定地域内ランキングを算出する機能を有していてもよい。
なお、上記のログイン認証機能、プレイヤ存否判断機能、属性変更情報生成機能、属性変更情報配信機能、マッチング機能、対戦管理機能、および能力評価レベル管理機能などは、ゲームシステム100内のどこかで実現されればよいため、必ずしも1台のゲームサーバ101にて実現する必要はない。例えば、これらの機能の一部を分離して機能分散型の複数台のサーバとして実現することもできる。本実施の形態では、便宜上、これらの機能をゲームサーバ101が全て有し、当該ゲームサーバ101が一元管理する構成例について説明する。
図4に示すように、ゲームサーバ101のサーバ制御部10cは、ログイン管理手段61、プレイヤ情報記憶手段65、プレイヤ存否判断手段66、戦力向上情報生成手段67、および配信手段68を備えている。
ログイン管理手段61は、各プレイヤが各端末装置102を操作してゲームサーバ101にログインしようとした際、各端末装置102の識別情報(端末IDおよびプレイヤID等の個人情報)を受け付ける。そして、ログイン管理手段61は、プレイヤ情報記憶手段65に格納されているプレイヤ情報に基づき、端末IDやプレイヤIDを照合して各プレイヤのログインを受け付けるものであり、上述のログイン認証機能を実現する。
また、ログイン管理手段61は、現在位置情報受信部62、現在時刻情報受信部63および存在事実情報受信部64を備えている。現在位置情報受信部62は、上記ログイン認証がなされた後に、端末装置102から送信される現在位置情報を受信し、当該現在位置情報をプレイヤ存否判断手段66に出力する。現在時刻情報受信部63は、上記ログイン認証がなされた後に、端末装置102から送信される現在時刻情報を受信し、当該現在時刻情報をプレイヤ存否判断手段66に出力する。存在事実情報受信部64は、上記ログイン認証がなされた後に、端末装置102から送信される存在事実情報を受信し、当該存在事実情報をプレイヤ存否判断手段66に出力する。
ここで、上記の現在位置情報とは、プレイヤの端末装置102の現在位置(緯度および経度)を示す情報である。また、上記の現在時刻情報とは、プレイヤの端末装置102が現在位置情報を取得した時点の時刻を示す情報である。この現在位置情報および現在時刻情報により、端末装置102を携帯しているプレイヤが現実に存在する場所および時刻を認識することが可能となる。
また、上記の存在事実情報とは、端末装置102を携帯しているプレイヤが現実世界の野球の試合が行われている時間帯(所定時間帯)に野球場(所定エリア)に存在する事実を示す情報である。具体例を挙げると、現実世界の野球の試合が行われている時間帯に野球場に行かないと撮像、取得または確認できない、画像情報、バーコード情報、または合言葉やパスワードなどの文字・数字・記号情報等である。
なお、本実施の形態では、ゲームサーバ101が、現在位置情報受信部62、現在時刻情報受信部63および存在事実情報受信部64を全て具備している構成を例示しているが、これらのうち現在位置情報受信部62および現在時刻情報受信部63のみを備えている構成、または存在事実情報受信部64のみを備えている構成であってもよい。
プレイヤ存否判断手段66は、上記の現在位置情報および現在時刻情報に基づいて、端末装置102を携帯しているプレイヤが現実世界の野球の試合が行われている時間帯に所定の野球場に存在するか否かを判断する。すなわち、プレイヤ存否判断手段66は、現実世界の野球の試合が行われている試合時間帯情報および野球場エリア情報を所定の記憶領域に予め記憶しており、当該試合時間帯情報および野球場エリア情報と、端末装置102から受信した現在位置情報および現在時刻情報とを比較することにより、プレイヤが現実世界の野球の試合が行われている時間帯に野球場に存在するか否かを判断できるようになっている。なお、上記の試合時間帯情報および野球場エリア情報は、現実世界の野球の試合日程が決定された後、当該試合の開始前までに、ゲームサーバ101に入力されて所定の記憶領域に保存されている。
例えば、日本のプロ野球における12球団のホームグラウンドの野球場とリンクさせた12のゲーム内対戦エリア(仮想空間におけるゲーム内球場)を有する野球ゲームにおいては、当該12球団のホームグラウンドの野球場で開催される現実世界の野球の試合時間帯情報および野球場エリア情報がゲームサーバ101に入力されて所定の記憶領域に保存される。また、メジャーリーグにおける30球団のホームグラウンドの野球場とリンクさせた30のゲーム内対戦エリアを有する野球ゲームにおいては、同様に、当該30球団のホームグラウンドの野球場で開催される現実世界の野球の試合時間帯情報および野球場エリア情報がゲームサーバ101に入力・保存される。
本実施の形態のプレイヤ存否判断手段66は、端末装置102を携帯しているプレイヤが、現実世界の野球の試合が行われている時間帯に含まれるどこかの時点で、所定の野球場に存在することを確認できれば、プレイヤが試合時間帯に当該野球場に存在すると判断することができるようになっている。この場合、端末装置102がゲームサーバ101に一度だけログインして現在位置情報および現在時刻情報をゲームサーバ101に一回だけ送信すれば、プレイヤ存否判断手段66は、プレイヤが試合時間帯に当該野球場に存在するか否かを判断できる。
なお、プレイヤ存否判断手段66の判断条件のバリエーションとしては、現実世界の野球の試合開始から(または試合開始後所定時間内から)試合終了まで、プレイヤが野球場に存在していることを条件として、プレイヤが試合時間帯に野球場に存在すると判断するようにしてもよい。この場合、端末装置102がゲームサーバ101にログインした後はログイン状態を試合終了まで継続し、現在位置情報および現在時刻情報をゲームサーバ101に定期的に送信するようにすれば、プレイヤ存否判断手段66は、プレイヤが試合時間帯に(試合終了まで)野球場に存在するか否かを判断できる。あるいは、端末装置102が試合開始時(または試合開始後所定時間内)にゲームサーバ101にログインして現在位置情報および現在時刻情報をゲームサーバ101に送信後、一旦ログイン状態を解除し、試合終了時(または試合終了後所定時間内)に再度ゲームサーバ101にログインして現在位置情報および現在時刻情報をゲームサーバ101に送信するようにすれば、プレイヤ存否判断手段66は、プレイヤが試合時間帯に(試合終了まで)野球場に存在するか否かを判断できる。
また、プレイヤ存否判断手段66は、上記の存在事実情報(画像情報、バーコード情報、文字・数字・記号情報等)に基づいて、端末装置102を携帯しているプレイヤが現実世界の野球の試合が行われている時間帯に野球場に存在するか否かを判断する。すなわち、プレイヤ存否判断手段66は、現実世界における野球の試合毎の存在事実情報を所定の記憶領域に予め記憶しており、当該予め記憶している存在事実情報と端末装置102から受信した存在事実情報とを比較することにより、プレイヤが現実世界の野球の試合が行われている時間帯に野球場に存在するか否かを判断できるようになっている。なお、上記の野球の試合毎の存在事実情報は、現実世界の野球の試合日程が決定された後、当該試合の開始前までに、ゲームサーバ101に入力されて所定の記憶領域に保存されている。
プレイヤ存否判断手段66は、プレイヤが現実世界の野球の試合が行われている時間帯に所定の野球場に存在すると判断した場合、その判断結果を戦力向上情報生成手段67および配信手段68に出力する。また、プレイヤ存否判断手段66は、配信手段68に対しては、配信先であるプレイヤの端末装置102の情報も出力する。
戦力向上情報生成手段67は、プレイヤ存否判断手段66によってプレイヤが現実世界の野球の試合が行われている時間帯に所定の野球場に存在すると判断されたとき、当該野球場に対応するゲーム内対戦エリア(ゲーム内球場)で対戦ゲームを実行する場合において戦力を向上させるための戦力向上情報を生成する。よって、戦力向上情報には、プレイヤが足を運んだ野球場を識別する情報(球場ID)が含まれる。
戦力向上情報生成手段67は、生成した戦力向上情報をプレイヤ識別情報(端末IDやプレイヤID)と関連付けて記憶する戦力向上情報記憶部67aを備える。そして、戦力向上情報生成手段67は、戦力向上情報記憶部67aに記憶している戦力向上情報を配信手段68に出力する。
配信手段68は、プレイヤ存否判断手段66によって現実世界の野球の試合が行われている時間帯に野球場に存在すると判断されたプレイヤの端末装置102に、戦力向上情報を配信する。
戦力向上情報生成手段67が生成して配信手段68が端末装置102に配信する戦力向上情報としては、主に2つの態様が考えられる。その1つは、ゲームサーバ101から端末装置102へ配信される戦力向上情報自体に予めどのような戦力向上がなされるのかという戦力向上内容が含まれている態様である。例えば、「チームを構成するキャラクタ全部の能力を一律所定の割合(例えば5%)だけ向上させる」、「チームを構成するキャラクタの一部(例えばバッテリー)の能力を所定の割合(例えば20%)だけ向上させる」または「所定の高能力を有する特殊キャラクタ(助っ人)を起用できる」等の特定の戦力向上内容を戦力向上情報に含める。この場合、戦力向上情報を受信した端末装置102側では、当該戦力向上情報に応じて、ゲームサーバ101により一意に指定された戦力向上内容を反映させることになる。
戦力向上情報の他の態様としては、戦力向上情報に予めゲームサーバ101が一意に指定する戦力向上内容を含めるのではなく、戦力を向上させるための戦力向上情報をトリガ(許可情報)として、当該戦力向上情報を受信した端末装置102側において戦力向上内容の異なる複数選択肢の中から、プレイヤに任意の戦力向上内容を選択させるものとする態様が考えられる。例えば、「(1)チームを構成するキャラクタ全部の能力を一律5%向上」、「(2)所定の高能力を有する特殊キャラクタ(助っ人)の起用」、「(3)チームレベルの向上(チーム全体のランクアップ)」、「(4)プレイヤの任意(選択)で3人のキャラクタの能力を15%向上」、「(5)バッテリー(投手および捕手)キャラクタの能力のみを20%向上」、「(6)攻撃能力と守備能力とのいずれかをプレイヤが選択して、選択した能力をすべての選手キャラクタについて10%向上」などの複数の選択肢からプレイヤが戦力向上内容を選択可能である。また、例えば、プレイヤが初めて現実世界の野球場に足を運んだときは(1)〜(6)の選択肢のうちの一部(例えば(1)〜(3)のみ)を選択できるようにし、プレイヤが野球場に足を運ぶ回数(または頻度)が増えるにつれて、選択可能な選択肢の数を増やすようにすることもできる。この場合、戦力向上情報には、選択可能な選択肢の情報も含まれることになる。この戦力向上情報の態様の場合、戦力向上内容の選択権(決定権)をプレイヤに与えることができるので、興趣性を高めることができる。本実施の形態では、戦力向上内容の選択権をプレイヤに与えることができる態様を中心に説明する。
配信手段68によるプレイヤの端末装置102への配信の形態には、現実世界の野球の試合が終了して戦力向上情報生成手段67が戦力向上情報を生成した直後に、球場にいるプレイヤの端末装置102へ配信手段68が戦力向上情報を配信する形態が考えられる。例えば、端末装置102が電子メール(または携帯電話メール)の受信機能を有する場合、配信手段68は電子メール等の添付ファイルとして戦力向上情報をプレイヤの端末装置102へ送信してもよい。または、配信手段68は、プレイヤの端末装置102に戦力向上情報を生成した旨を電子メール等で通知し、通知を受けたプレイヤが端末装置102を操作してゲームサーバ101にログインすれば、配信手段68から端末装置102へ戦力向上情報が配信されるような形態としてもよい。
あるいは、プレイヤ存否判断手段66による存否判断のためにプレイヤの端末装置102のログイン状態を試合終了まで継続している場合(または試合終了時または試合終了後所定時間内にプレイヤの端末装置102をゲームサーバ101にログイン接続する場合)には、配信手段68はログイン状態の端末装置102に対して戦力向上情報を配信する形態としてもよい。
あるいは、図6に示すように、プレイヤが足を運んだ野球場内の所定の場所(例えば、野球場の出入り口付近)に設置されている戦力向上情報の配信端末105を介して、プレイヤの端末装置102に対して戦力向上情報を配信する形態としてもよい。または、プレイヤが足を運んだ野球場外の所定の場所(例えば、野球場が存在する地域(市町村等)内にあるゲームセンター)に設置されている戦力向上情報の配信端末105を介して、プレイヤの端末装置102に対して戦力向上情報を配信する形態としてもよい。このような配信端末105を介した戦力向上情報の配信においては、ゲームサーバ101と配信端末105が通信可能に接続されており、ゲームサーバ101と端末装置102との間の戦力向上情報の配信を配信端末105が中継する。この場合、ゲームサーバ101と配信端末105とは、インターネット、公衆回線、専用回線、LAN等の通信路の一つまたは複数を組み合わせて相互に通信可能に接続される。また、この場合、端末装置102と配信端末105とは近距離での通信が可能であるので、両者間は例えば、赤外線通信、USB接続による通信、有線LANまたは無線LANによる通信等で接続することができる。
なお、配信手段68によるプレイヤの端末装置102への戦力向上情報の配信のタイミングは、現実世界における野球の試合の終了直後(戦力向上情報の生成直後)である必要はない。すなわち、戦力向上情報が生成された以降であれば、プレイヤが任意のタイミングで端末装置102をゲームサーバ101にログイン接続したときに、配信手段68が戦力向上情報をプレイヤの端末装置102へ配信できる。この場合、ゲームサーバ101は、生成した戦力向上情報をプレイヤ識別情報(端末IDおよびプレイヤID)に対応付けて戦力向上情報記憶部67aに記憶しており、戦力向上情報の配信が完了するまで戦力向上情報を保存・管理する。なお、この場合、戦力向上情報を取得できるプレイヤが長期間にわたって端末装置102をゲームサーバ101にログイン接続しない場合、ゲームサーバ101が長期間にわたって戦力向上情報を保存・管理しなければならないこともあり得るので、戦力向上情報の保存期間に所定の期限を設けてもよい。
次に、端末装置102の主な機能について説明する。図5に示すように、端末装置102の制御部10aは、位置情報取得手段75、時刻情報取得手段76、存在事実情報入力手段77、情報送信手段78、戦力向上情報受信手段79、選択手段80、戦力管理手段81、対戦エリア管理手段88、画像表示手段91、能力設定手段93およびキャラクタ動作制御手段94を備えている。
位置情報取得手段75は、GPS衛星からの測位用電波信号を受信して測位するGPS測位部43a(図3参照)から入力される現在位置情報(現在位置の緯度および経度情報)を取得する。時刻情報取得手段76は、端末装置102に内蔵された時計に基づいて、位置情報取得手段75が現在位置情報を取得した時刻を現在時刻情報として取得する。位置情報取得手段75が取得した現在位置情報および時刻情報取得手段76が取得した現在時刻情報は、情報送信手段78に出力される。
ところで、GPS測位機能付きの撮像装置(カメラ)には、撮像した場所のGPS測位情報と撮像時刻情報を撮像データに付加する機能を具備したものもある。このような撮像装置を有する端末装置102の場合には、プレイヤが現実世界の野球場において当該撮像装置で撮像すれば(撮像対象は任意のものでよい)、撮像データを取得したときに、現在位置情報としてのGPS測位情報および現在時刻情報としての撮像時刻情報も取得できる。よって、GPS測位情報と撮像時刻情報が付加された撮像データを現在位置情報および現在時刻情報を含むデータとして用いることができる。
なお、本実施の形態では、位置情報取得手段75がGPS測位を利用して現在位置情報(現在位置の緯度および経度情報)を取得する構成例を示しているが、これに限定されるものではない。例えば、端末装置102に無線電話機能(携帯電話機能またはPHS(Personal Handy-phone System)機能)を持たせた場合には、無線電話基地局の有する基地局識別情報を現在位置情報として用いることもできる。すなわち、携帯電話やPHSの各基地局は、所定の通信エリアを有してセル状に配置されており、各基地局から受信した基地局識別情報をもって当該基地局の通信エリア内に端末装置102が存在することが分る。よって、GPS測位による緯度および経度情報に較べると現在位置情報としての精度は落ちるものの、基地局識別情報を現在位置情報として利用することも可能である。
また、例えば、端末装置102にWi−Fi(wireless fidelity、Wi-Fi Allianceの登録商標)等の無線LAN通信機能を持たせた場合には、無線通信親機(無線LANアクセスポイント又はルータ等)の識別情報(例えばMAC(Media Access Control)アドレスまたはIP(Internet Protocol)アドレス)を現在位置情報として用いることもできる。すなわち、現実世界の野球場内に当該野球場のエリアをほぼ無線通信範囲とする無線通信親機(一つまたは複数の無線LANアクセスポイント又はルータ等)を設置し、プレイヤが端末装置102を無線LANアクセスポイント等の無線通信親機にアクセスしたときに、端末装置102が無線通信親機の識別情報を現在位置情報として取得するように構成する。この場合、取得した無線通信親機の識別情報をもって当該無線通信親機の通信エリア内(すなわち、現実世界の野球場内)に端末装置102が存在することが分るので、無線通信親機の識別情報を現在位置情報として利用することが可能である。
存在事実情報入力手段77は、撮像装置(カメラ)やゲームコントローラ・ボタン等の入力操作部41a(図3参照)により、上述の存在事実情報(現実世界の野球の試合が行われている時間帯に野球場に行かないと撮像、取得または確認できない、画像情報、バーコード情報、または合言葉やパスワードなどの文字・数字・記号情報等)を取り込む。存在事実情報入力手段77により入力された存在事実情報は、情報送信手段78に出力される。
なお、本実施の形態では、端末装置102が、位置情報取得手段75、時刻情報取得手段76および存在事実情報入力手段77を全て具備している構成を例示しているが、これらのうち位置情報取得手段75および時刻情報取得手段76のみを備えている構成、または存在事実情報入力手段77のみを備えている構成であってもよい。
なお、画像情報、バーコード情報、文字・数字・記号情報等の存在事実情報は、それを現実世界の野球場で取得したあるプレイヤが他のプレイヤに転送すれば、野球場に足を運んでいない他のプレイヤでも入手できる可能性がある。よって、存在事実情報入力手段77を用いた構成よりも、位置情報取得手段75および時刻情報取得手段76を用いた構成の方が望ましい。
例えば、プレイヤが現実世界の野球場で取得した存在事実情報を、野球場に足を運んでいない他のプレイヤに転送しても、当該存在事実情報をほぼ無効化するには、野球場で取得できる存在事実情報を所定時間毎(例えば1分毎)に変化させて、取得した存在事実情報に有効期限を設けることが考えられる。これを実現する構成例としては、現実世界の野球場内に当該野球場のエリアをほぼ無線通信範囲とする無線通信親機(一つまたは複数の無線LANアクセスポイント又はルータ等)を設置し、プレイヤが端末装置102を無線LANアクセスポイント等にアクセスすれば、無線LANアクセスポイント等に接続された存在事実情報生成部から所定時間毎に変化する存在事実情報を取得できるようにする構成が考えられる。この場合、存在事実情報生成部とゲームサーバ101とは時刻同期をしており、両者は同じアルゴリズムを用いて存在事実情報を所定時間毎に変化させながら生成する。
また、上記の現実世界の野球場内に設置される無線LANアクセスポイント等を、インターネット等を介してゲームサーバ101に接続することによって、ゲームサーバ101は直接的にプレイヤが試合時間帯に野球場に存在するか否かを判断できる。すなわち、上記野球場内に設置される無線LANアクセスポイント等を介してゲームサーバ101にログイン接続したプレイヤの端末装置102は、当然ながら野球場内に存在することとなり、ログインの時間が試合時間帯であれば、当該端末装置102を携帯しているプレイヤが試合時間帯に野球場に存在すると判断できることになる。
情報送信手段78は、位置情報取得手段75が取得した現在位置情報、時刻情報取得手段76が取得した現在時刻情報、および存在事実情報入力手段77により入力された存在事実情報をゲームサーバ101へ送信する。
戦力向上情報受信手段79は、ゲームサーバ101から配信される戦力向上情報を受信し、当該戦力向上情報をハードディスクやメモリーカード等の不揮発性記憶媒体の記憶領域に記憶する。
選択手段80は、戦力向上情報受信手段79が戦力向上情報を受信したとき、戦力向上内容の異なる複数選択肢の中から、プレイヤに任意の戦力向上内容を選択させる選択処理を実行する。この選択処理の一例を図8に示す。図8は、(a)〜(c)の各画面の遷移例を示している。
なお、後述するが、ゲームサーバ101から配信される戦力向上情報を受信したとき、まず、図7(a)に示すように、端末装置102の画面上には戦力向上カード21が表示され、これにより、プレイヤは戦力向上というメリットを享受できることを認識する。ここでは、戦力向上情報を戦力向上カード21として画面表示する例を示しているが、その他の画面表示でもって戦力向上情報を受信したことをプレイヤに認識させてもよく、例えば、ボールやバットなどの形状をしたシンボル表示であったり、文字列や記号であったり、それらの組み合わせであってもよい。その後、これも後述するとおり、プレイヤが実際に足を運んだ球場と同じ球場をゲーム内で選択することを条件として、図8(a)に示すように、戦力向上内容の異なる複数の選択肢23が表示される。この複数の選択肢23が表示された画面上において、所定のボタン操作やポインティングデバイス操作等を行うことにより、プレイヤが任意の戦力向上内容を選択することができる。複数の選択肢23が表示された(a)の画面において、例えば「助っ人起用」を選択すれば、同図中の画面(b)に遷移し、助っ人(高能力を有する特殊キャラクタ)のプロフィール等が確認できるようになっている。図8の各画面のより詳細な説明は、後述する。
このようにして、プレイヤは、選択手段80にて選択された戦力向上内容のみを享受できる。すなわち、この選択手段80にて選択された戦力向上内容のみが有効となり、当該戦力向上内容が戦力管理手段81の戦力向上内容記憶部83に記憶される。
ところで、プレイヤが異なる複数の野球場に足を運べば、それぞれの野球場に対応するゲーム内対戦エリアの戦力向上情報を獲得できる。また、プレイヤが異なる日に何度も同一の野球場に足を運べば、同一の野球場に対応するゲーム内対戦エリアの戦力向上情報を複数獲得することも可能である。そして、同一のゲーム内対戦エリアの戦力向上情報を複数獲得した場合においては、戦力向上が上乗せされる。後述のように、戦力向上情報による戦力向上期間に期限を設ける場合であっても、当該期限内に同一の野球場に複数回足を運べば、戦力向上の上乗せが可能となる。すなわち、戦力向上内容記憶部83に記憶される戦力向上内容は、複数になる場合もある。
なお、本実施の形態では、戦力向上情報をトリガ(許可情報)として、当該戦力向上情報を受信した端末装置102側において戦力向上内容の異なる複数選択肢の中から、プレイヤに任意の戦力向上内容を選択させる構成となっているが、上述したようにゲームサーバ101から端末装置102へ配信される戦力向上情報自体に予めどのような戦力向上がなされるのかという戦力向上内容が含まれている態様である場合には、選択手段80を省略することができる。
戦力管理手段81は、キャラクタ情報記憶部82と、戦力向上内容記憶部83と、キャラクタ能力変更部84と、変更キャラクタ情報記憶部85と、特殊キャラクタ生成部86と、期限管理部87とを備えている。
キャラクタ情報記憶部82は、ゲーム内の各キャラクタを一意に識別する識別情報(キャラクタID)と対応付けて、各キャラクタの画像情報、各キャラクタのプロフィール情報および各キャラクタの能力値(キャラクタが投手であれば球速、制球力、スタミナ等の能力値、キャラクタが野手であれば打力、走力、守備力等の能力値)等を、ハードディスクやメモリーカード等の不揮発性記憶媒体の記憶領域に記憶する。また、キャラクタ情報記憶部82は、戦力向上情報に基づいて能力の向上が図られたキャラクタに関しては能力変更フラグ(1ビットの情報)を立てて管理できるようにしている。
戦力向上内容記憶部83は、上述の選択手段80にて選択された戦力向上内容を、プレイヤが足を運んだ野球場を識別する球場IDと対応付けて、ハードディスクやメモリーカード等の不揮発性記憶媒体の記憶領域に記憶する。この戦力向上内容は、ゲーム実行時に、プレイヤが実際に足を運んで観戦しに行った野球場に対応するゲーム内対戦エリア(ゲーム内球場)を選択することでアクティベイトされ、当該戦力向上内容に応じてキャラクタ能力変更部84または特殊キャラクタ生成部86が以下に示す戦力向上のための処理を行う。
キャラクタ能力変更部84は、チームを構成するキャラクタの全部または一部の能力を所定の割合だけ向上させる旨の戦力向上内容が選択手段80にて選択された場合に、当該戦力向上内容に基づいて対象となるキャラクタの能力値を変更する。
上述のように、プレイヤが異なる日に何度も同一野球場に足を運んで同一のゲーム内対戦エリアに対して複数の戦力向上情報を獲得した場合であって、キャラクタ能力変更部84がキャラクタの全部または一部の能力を複数回上乗せして変更する場合、キャラクタ能力変更部84は、変更する回数(上乗せする回数)に応じて対象となるキャラクタの能力値の変化量または変化率を漸減させることが望ましい。その具体例としては、最初の変更(すなわち上乗せなし)の場合は、能力値の変化量または変化率をそのまま適用し、2回目の変更の場合は、変化量または変化率を80%に減少させて適用する(例えば、「チームを構成するキャラクタ全部の能力を一律5%向上」の場合、最初の変更では5%向上を適用し、2回目の変更の場合はそれに4%の上乗せとする)。また、3回目の変更の場合は、変化率を60%に減少させて適用する(上記の例の場合、3%の上乗せとする)。以下、同様に、n回目(nは5以下の自然数)の変更の場合は、キャラクタの能力値の変化量または変化率を{100−20×(n−1)}%に減少させて適用し、6回目以降の変更の適用は、一律10%に減少させて適用することとする。これはほんの一例であり、キャラクタの能力値の変化量または変化率の漸減の程度は任意に設定できるものである。これにより、プレイヤが何度も同一の野球場に足を運び、当該野球場に対応するゲーム内対戦エリアの戦力向上情報を複数獲得した場合において、キャラクタの全部または一部の能力向上を複数回上乗せして適用する場合でも、チーム戦力が不自然に突出したものになることを抑制し、ゲーム全体のバランスを維持することができる。これにより、例えばネットワークを介してプレイヤ同士が対戦する場合に、あまりに突出したチーム戦力となると一方的な試合になってしまい、不公平感が生まれるといった不具合が生じる可能性があるが、このような事態の発生を事前に回避することができる。
他の方法としては、キャラクタの全部または一部の能力向上を複数回上乗せする場合の上乗せ回数に上限を設けることによっても、チーム戦力が不自然に突出したものになることを抑制することができる。
また、後述のように戦力向上情報による戦力向上期間に期限(例えば1週間の期限)を設けた場合、当該期限内に同一の野球場に複数回足を運んで観戦できる回数には実質的に上限が生じ、チーム戦力が不自然に突出したものになることを抑制することができる。
変更キャラクタ情報記憶部85は、キャラクタ能力変更部84により変更されたキャラクタの能力値を、上記のキャラクタIDと対応付けて、ハードディスクやメモリーカード等の不揮発性記憶媒体の記憶領域に記憶する。また、変更キャラクタ情報記憶部85は、キャラクタ能力変更部84により能力値が変更された回数(または能力値向上の上乗せ回数)を併せて記憶する。
特殊キャラクタ生成部86は、所定の高能力を有する特殊キャラクタ(助っ人)を起用できる旨の戦力向上内容が選択手段80にて選択された場合に、当該戦力向上内容に基づいて特殊キャラクタを生成する。この特殊キャラクタ(助っ人)をプレイヤがチームメンバーとして使用することにより、間接的にチーム戦力を向上させることができるようになっている。
上述のように、プレイヤが異なる日に何度も同一野球場に足を運んで同一のゲーム内対戦エリアに対して複数の戦力向上情報を獲得した場合であって、特殊キャラクタ生成部86が複数の戦力向上情報に基づいて特殊キャラクタを複数回生成する場合、特殊キャラクタ生成部86は、生成回数が増えるにつれて生成する特殊キャラクタの能力値を漸減させることが望ましい。例えば、最初に生成する特殊キャラクタの能力値を「25」としたとき、2回目に生成する特殊キャラクタの能力値を「23」とし、3回目に生成する特殊キャラクタの能力値を「21」とする。これはほんの一例であり、特殊キャラクタの能力値の漸減の程度は任意に設定できるものである。これにより、プレイヤが何度も同一の野球場に足を運び、当該野球場に対応するゲーム内対戦エリアの戦力向上情報を複数獲得した場合において、特殊キャラクタを複数回生成する場合でも、チーム戦力が不自然に突出したものになることを抑制し、ゲーム全体のバランスを維持することができる。
また、所定の高能力を有する特殊キャラクタがチーム内に多数存在すれば、やはりチーム戦力が不自然に突出したものになってしまうので、特殊キャラクタの数は所定数(例えば3名)に限定することが望ましい。
期限管理部87は、ゲームサーバ101から戦力向上情報を受信してから所定期間内のみ、当該戦力向上情報に基づいた戦力の向上を有効とする期限管理を行う。あるいは、期限管理部87は、戦力向上情報に基づいてゲームで最初に戦力を向上させてから所定期間内のみ、当該戦力向上情報に基づいた戦力の向上を有効とする期限管理を行う。すなわち、戦力向上を可能とする期間の始期は、戦力向上情報を受信したとき、または戦力向上情報に基づいた戦力の向上をゲーム内で有効としたときの何れであってもよい。このように、戦力向上については期限付きとしているので、プレイヤとしては、その期限内であれば有利な戦力で試合運びができ、多くのゲームをこなすことで結果的に勝率も向上することになる。対戦ゲームにおいて勝利した場合に、チームの育成(キャラクタの育成)による戦力向上が図られたり、能力評価レベル(仮想的な段位、報賞、名誉、等級等)が上がったり、ランキング(全国ランキング等)が上がったりするゲームシステムにおいて、戦力が向上する期限内に多くのゲームをこなせば、効果的なチームの育成や能力評価レベル・ランキングの向上が可能となり、これが期限内に積極的にゲームを行うことの動機付けともなり、従来にない面白さを有するゲームシステムを実現することができる。
また、期限管理部87は、戦力向上情報に基づいた戦力の向上を有効とする期限内において、戦力の向上を有効とする対戦試合数を、所定数(例えば10試合)に制限することもできる。この場合、戦力向上の有効期限内であっても、対戦試合数が制限に達すると戦力向上の効力はなくなることになる。このように有効期限を付け且つ有効な対戦試合数を限定することにより、プレイヤに期限内に積極的にゲームを行うことの動機付けを与えながらも、現実世界の野球場を1回観戦したときに得られるメリットを妥当な所定範囲に制限することができる。
なお、戦力向上情報に基づいた戦力向上に有効期限を設けない場合は、期限管理部87を省略することができる。
なお、上記戦力向上情報受信手段79、選択手段80及び戦力管理手段81が本発明の戦力向上手段を構成している。
対戦エリア管理手段88は、対戦エリア情報記憶部89および対戦エリア選択部90を備え、ゲームで使用できる複数のゲーム内対戦エリアの管理を行う。対戦エリア情報記憶部89は、現実世界の所定の野球場と対応するゲーム内対戦エリア(ゲーム内球場)を一意に識別する識別情報(球場ID)と対応付けて、各ゲーム内対戦エリアの画像情報等を所定の記憶領域に記憶する。例えば、対戦エリア情報記憶部89は、日本のプロ野球における12球団のホームグラウンドに対応する12のゲーム内対戦エリア、またはメジャーリーグにおける30球団のホームグラウンドに対応する30のゲーム内対戦エリアの画像情報等を記憶している。
また、対戦エリア情報記憶部89は、戦力向上情報に基づいて戦力の向上が可能になったゲーム内対戦エリアに関しては戦力アップフラグ(1ビットの情報)を立てて管理できるようにしている。すなわち、対戦エリア管理手段88は、ゲームサーバ101から戦力向上情報を受信して戦力の向上が可能になったときに、対象となるゲーム内対戦エリアの戦力アップフラグを立てる一方、期限管理部87が管理している戦力向上可能期限が過ぎたゲーム内対戦エリアについては、戦力アップフラグをクリアする。
対戦エリア選択部90は、ゲームを開始するとき、対戦エリア情報記憶部89に記憶されている複数のゲーム内対戦エリアの中から、プレイヤに任意のゲーム内対戦エリアを選択させる選択処理を実行する。対戦エリア選択部90は、プレイヤがゲームを開始するとき、図7(a)に示すように、プレイヤが戦力向上可能なカードを獲得していることを告知するためのメッセージを、端末装置102の画面上に表示させる。
なお、ここでは、ゲーム開始時に図7(a)の画面が表示されることを前提に説明するが、実際のゲームにおいては、戦力向上可否を確認するボタンと、戦力向上可否を確認することなく直接ゲームに入るボタンとを選択可能に設けておき、戦力向上可否確認ボタンを押したときのみ、図7(a)の画面に遷移するようにしてもよい。その場合、プレイヤが戦力を向上できない場合(すなわち、後述する戦力向上カードを獲得していない場合)には、その旨を画面に表示し(例えば、「あなたは戦力向上カードを獲得していません」との表示)、そのままゲームに入れるようにしてもよい。
次に、プレイヤがボタン22を押すと、図7中の(b)の画面に示すように、選択可能
なゲーム内対戦エリア(ゲーム内球場)の縮小球場画像31の一覧を端末装置102の画面上に表示させる。この画面上において、所定のボタン操作やポインティングデバイス操作等を行うことにより、プレイヤが任意のゲーム内対戦エリアを選択することができる。このとき、プレイヤが最近観戦した現実世界の野球場に対応するゲーム内対戦エリアの縮小球場画像31には、戦力向上明示シンボル32が表示されており、プレイヤが自ら野球場に足を運んで観戦したことにより戦力を向上することが可能なゲーム内対戦エリアを容易に把握できるようになっている。
図7中の画面(b)ではA球場〜L球場までの12のゲーム内球場を選択できる例を示している。これらのゲーム内球場(A球場〜L球場)は、それぞれ現実世界の野球場に対応している。
なお、プレイヤが異なる日に何度も同一野球場に足を運んで観戦したことにより、同一のゲーム内球場に対して複数の戦力向上情報を獲得した場合、戦力向上情報を獲得した回数と同じ数の戦力向上明示シンボル32を当該ゲーム内球場の縮小球場画像31に表示することによって、プレイヤに観戦回数(すなわち戦力向上の上乗せ回数)も確認できるようにしてもよい。なお、戦力向上明示シンボル32が表示される期限は、プレイヤが観戦した日から(当日を含め)、例えば7日間のみとしてもよい(7日間経過すると、戦力向上明示シンボル32が消える)。そして、この7日目が、後記の戦力向上可能期限に相当する。従って、プレイヤは球場観戦した日から7日間を有効に活用してゲームを行う必要がある。例えば、球場観戦後、7日目にゲームを行っても、能力向上した状態で対戦できるのは当日のみしかないことになる。なお、期限は当然ながら7日間に限らない。プレイヤへのサービスのため14日間にしてもよいし、より限定的に3日間とすることもできる。
図7中の画面(b)において、例えば、プレイヤが、戦力を向上することが可能な「A球場」を選択して決定ボタン33を押した場合、同図中の画面(c)に遷移し、「A球場」の画像、戦力向上のメリットを享受できる旨および戦力向上可能期限等が確認できるようになっている。なお、この画面(c)において、プレイヤが戻るボタン34を押す操作を行えば、前の画面(b)に戻ることができ、ゲーム内球場の選択をやり直すことが可能となっている。
また、図7中の画面(c)において、プレイヤが決定ボタン35を押す操作を行えば、端末装置102は、例えば画面(d)に示すように、獲得した戦力向上カード21の使用の有無を確認する表示を行うようにしてもよい。これにより、戦力の向上を有効とする期限内において、さらに戦力の向上を有効とする対戦試合数に制限が設けられている場合、期限内のどの試合で戦力の向上を図るかをプレイヤが決定できるようになる。この対戦試合数は、例えば10試合とすることができる。なお、この画面(d)においても、プレイヤが戻るボタン36を押す操作を行えば、直前の画面(c)に戻ることができ、さらに画面(c)で戻るボタン34を押せば、画面(b)に遡ってゲーム内球場の選択をやり直すことも可能となっている。
図7中の画面(d)において、プレイヤがYESボタン37を押す操作を行えば、プレイヤによって選択されたゲーム内球場(ここではA球場)が戦力向上の対象となり、これをもってゲーム内対戦エリアの選択処理が完了する。次いで、後記の図8に示すように、より具体的な能力向上の内容が決定される。また、画面(d)において、プレイヤがNOボタン38を押した場合には、プレイヤによって選択されたゲーム内球場(ここではA球場)は戦力向上の対象とはならない。
ところで、図7中の画面(b)において、プレイヤが、戦力を向上することができないゲーム内球場(例えば「B球場」等)を選択して決定ボタン33を押した場合、画面(c)においては当該ゲーム内球場の画像は表示されるが、戦力向上のメリットを享受できる旨および戦力向上可能期限は表示されることはない。この場合、画面(c)でプレイヤが決定ボタン35を押せば、画面(d)に遷移することなくゲーム内対戦エリアの選択処理が完了する。
画像表示手段91は、戦力管理手段81にて管理されているキャラクタ情報や対戦エリア管理手段88にて管理されているゲーム内対戦エリア情報に基づいて表示画像処理部20a(図3参照)を制御し、端末装置102の画面(モニタ21a)にキャラクタやゲーム内対戦エリアを表示させるものである。また、画像表示手段91は、図7および図8に示すような各種画面の画像を端末装置102のモニタ21aに表示させる。
能力設定手段93は、ゲームを実行する上で、選手キャラクタの能力値(打力等の能力値)をRAM12a上にロードしてCPU11aに認識させることにより、選手キャラクタの能力を設定する。キャラクタ動作制御手段94は、CPU11aに認識された選手キャラクタの能力に基づいて、ゲーム実行中の選手キャラクタの動作を制御する。
次に、本実施の形態に係るゲームシステム100の動作の概略について、図9および図10に示すフローチャートを用いて説明する。
図9のフローチャートは、端末装置102を携帯しているプレイヤが現実世界の野球場に足を運び、当該野球場でゲームサーバ101にログインしたときの動作例を示すものである。
現実世界の野球の試合が行われている時間帯に所定の野球場に足を運んだプレイヤは、端末装置102を操作してゲームサーバ101にログイン要求を行う(S11)。このとき、ゲームサーバ101は、ログイン認証を行った上で、プレイヤの端末装置102のログインを受け付ける(S21)。
その後、端末装置102は、位置情報取得手段75により現在位置情報(緯度および経度情報)を取得するとともに(S12)、時刻情報取得手段76により現在時刻情報を取得する(S13)。なお、現在位置情報および現在時刻情報の取得に代えて、存在事実情報入力手段77により存在事実情報を入力してもよい。
その後、端末装置102は、情報送信手段78により、取得した現在位置情報および現在時刻情報をゲームサーバ101に送信する(S14)。このとき、ゲームサーバ101は、現在位置情報および現在時刻情報を受信し(S22)、端末装置102を携帯しているプレイヤが現実世界の野球の試合が行われている時間帯に所定の野球場に存在するか否かを判定する(S23)。ここで、ゲームサーバ101が野球の試合が行われている時間帯にプレイヤが所定の野球場に存在しないと判定した場合は、この時点で処理を終了して端末装置102との接続を切断することになるが、ここでは野球の試合が行われている時間帯にプレイヤが所定の野球場に存在すると判定されたとして、以下に説明を続ける。
その後、ゲームサーバ101は、プレイヤが足を運んだ野球場の球場IDを含んだ戦力向上情報を生成する(S24)。そして、ゲームサーバ101は、生成した戦力向上情報を端末装置102に配信する(S25)。このとき、端末装置102は、戦力向上情報を受信する(S15)。この戦力向上情報を受信した事実は、前述のとおり、例えばプレイヤがゲームを開始しようとした際に、図7中の画面(a)に示すようにプレイヤが戦力向上カード21を獲得したことを示す演出表示が行なわれることによって認識できる。これにより、プレイヤは、現実世界の野球場に足を運んで観戦したことによって、戦力向上というメリットを享受できることを認識し得る。
次に、プレイヤは、図7(b)〜(d)で説明したとおり、自分が実際に足を運んだ球場と同じ球場をゲーム内で使用することを条件として、具体的な戦力向上を図れるステップに移れるのであるが、この戦力向上の点について図8を参照して説明する。
まず、プレイヤは、図8中の画面(a)で任意の戦力向上内容を選択することになる(S16)。この画面(a)では、「チームレベルの向上(5%)」、「攻撃能力向上(10%)」、「守備能力向上(10%)」、「助っ人起用」という4つの異なる戦力向上内容の選択肢23を一覧表示する例を示している。ここで、「チームレベルの向上(5%)」とはチームを構成するキャラクタ全部の能力値(攻撃能力、守備能力および走塁能力の全ての能力値)を一律5%向上させる戦力向上内容であり、「攻撃能力向上(10%)」とはチームを構成するキャラクタ全部の攻撃能力のみを一律10%向上させる戦力向上内容であり、「守備能力向上(10%)」とはチームを構成するキャラクタ全部の守備能力のみを一律10%向上させる戦力向上内容であり、「助っ人起用」とは所定の高能力を有する特殊キャラクタ(助っ人)を起用できるという戦力向上内容である。なお、図8中の画面(a)では代表的な戦力向上内容の選択肢23を4つ例示しているが、その他の戦力向上内容であってもよいし、選択肢の数も4つに限定されない。
プレイヤが図8中の画面(a)で任意の戦力向上内容を選択して決定ボタン24を押せば、画面(b)または画面(c)へ遷移する。例えば「助っ人起用」が選択されている場合には画面(b)に遷移し、助っ人(特殊キャラクタ)のイメージ写真25やプロフィール26等が確認できるようになっている。例えば、助っ人としては、現実世界において過去に活躍した往年のスター選手を擬似的に表現した特殊キャラクタを適用することができる。なお、画面(b)において、プレイヤが戻るボタン27を押す操作を行えば、前の画面(a)に戻ることができ、戦力向上内容の選択をやり直すことが可能となっている。また、画面(b)において、プレイヤが決定ボタン28を押す操作を行えば、端末装置102は、例えば図8中の画面(c)に示すような演出表示を行ない、プレイヤが選択した戦力向上内容で確定したことをプレイヤに認識させる。
なお、画面(a)において、プレイヤが「チームレベルの向上(5%)」、「攻撃能力向上(10%)」、「守備能力向上(10%)」の何れかを選択して決定ボタン24を押す操作を行えば、プレイヤが選択した戦力向上内容が確定し、画面(b)を介さずに、直接、画面(c)に遷移する。または、プレイヤが画面(a)で何れかの戦力向上内容を選択して決定ボタン24を押せば、画面(b)に類似する確認画面が表示され、プレイヤが当該確認画面で決定ボタンを押せば戦力向上内容が確定し、画面(c)に遷移するようにしてもよい。
上記のようにして戦力向上内容の選択処理が行われ、プレイヤが選択した特定の戦力向上内容が確定すると、端末装置102は、当該戦力向上内容を、戦力向上内容記憶部83に保存する(S17)。
なお、図8中の画面(c)において、プレイヤが次へボタン29を押す操作を行えば、続けてゲームを行うことができるようになっている。また、図8中の(a)〜(c)の何れかの画面において、プレイヤが終了ボタン30を押す操作を行えば、図9のフローチャートには反映していないが、端末装置102は当該画面で処理を終えて当該フローチャートのルーチンをENDとする。
なお、上記では、戦力向上情報をトリガ(許可情報)として、当該戦力向上情報を受信した端末装置102側において戦力向上内容の異なる複数選択肢の中から、プレイヤに任意の戦力向上内容を選択させる動作について説明したが、ゲームサーバ101が戦力向上内容を指定するものであって、端末装置102へ配信される戦力向上情報自体に予めどのような戦力向上がなされるのかという戦力向上内容が含まれている場合には、上記S16が省略されることになる。この場合、図7中の画面(d)においては、戦力向上カード21と共にゲームサーバ101が指定した戦力向上内容も明示され、戦力向上内容の選択画面である図8中の画面(a)には遷移しない。また、ゲームサーバ101が指定した戦力向上内容が「助っ人起用」である場合には、戦力向上カード21に代えて当該助っ人(特殊キャラクタ)のイメージ写真や3D画像を表示してもよい。
次に、図10のフローチャートを参照して、野球ゲームの概要を説明する。端末装置102において野球ゲームの起動ボタンが押されると、ゲームプログラムを格納しているROM13aまたは記録媒体からRAM12aに当該ゲームプログラムがロードされて格納される(S31)。このとき、野球ゲームを実行する上で必要となる各種の基本ゲームデータも、併せて、ROM13aまたは記録媒体からRAM12aにロードされて格納される(S31)。これにより、ゲームプログラムおよび基本ゲームデータが端末装置102のCPU11aに認識される。ここで、基本ゲームデータとしては、3次元ゲーム空間用の各種の画像に関するデータ(例えば、ゲーム内球場の画像データ、各選手キャラクタの画像データ、および各種のオブジェクトの画像データ等)および3次元ゲーム空間用の各種の画像に関するデータを3次元ゲーム空間に配置するための位置座標データが含まれる。
次に、端末装置102のCPU11aは、RAM12aに格納された基本ゲームデータに基づいてゲームプログラムを実行する(S32)。通常、野球ゲームのゲームプログラムの起動時には初期画面がモニタ21aに表示され、野球ゲームを実行するための各種の設定が可能となっている。例えば、野球ゲームに複数のプレイモードが存在する場合、プレイモードを選択するためのプレイモード選択画面がモニタ21aに表示される。このプレイモード選択画面において、プレイヤが入力操作部41aを操作することにより、プレイモードを選択できる(S33)。プレイモードには、例えば、プレイヤが選手キャラクタを集めて自らのチームを結成して監督の立場で対戦する監督プレイモード、12球団(又は、メジャーリーグを対象としたゲームの場合は30球団)の中から特定のチームを選択して1試合の対戦を楽しむ対戦モード、12球団の中から特定のチームを選択してペナントレースを戦うペナントモード、プレイヤがある1人の選手キャラクタの立場になって野球ゲームを体感する成長体感モード等が用意されている。ここでは、監督プレイモードが選択されたものとして以下の説明を続ける。
監督プレイモードが選択された後は、プレイヤが当該モードにおいて必要な各種設定を行う(S34)。本実施の形態の場合、プレイヤが選手キャラクタを選択して自らのチームを構成する設定を行う。
次に、プレイヤがゲーム内対戦エリア(ゲーム内球場)の選択を行う(S35)。
本実施の形態の場合、図7中の画面(b)において、プレイヤが最近観戦した現実世界の野球場に対応するゲーム内球場の縮小球場画像31には、戦力向上明示シンボル32が表示されており、これにより、プレイヤが自ら野球場に足を運んで観戦したことにより戦力を向上することが可能なゲーム内球場を容易に把握できるようになっている。
S35のゲーム内対戦エリアの選択処理において戦力向上対象のゲーム内球場が選択された場合(S36でYES)、端末装置102の戦力管理手段81(図5参照)は、戦力向上内容記憶部83に記憶されている当該ゲーム内球場に対する戦力向上内容をアクティベイトし、戦力向上内容に応じた戦力向上処理を行う(S37)。すなわち、戦力向上内容がチームを構成するキャラクタの全部または一部の能力を所定の割合だけ向上させるものである場合は、キャラクタ能力変更部84が当該戦力向上内容に基づいて対象となるキャラクタの能力値を変更し、これにより、チーム戦力の向上が図られる。また、戦力向上内容が特殊キャラクタ(助っ人)を起用できるものである場合は、特殊キャラクタ生成部86が当該戦力向上内容に基づいて特殊キャラクタを生成し、当該特殊キャラクタをチームメンバーとして使用できるようにすることでチーム戦力の向上が図られる。
その後は、ゲームが開始され、端末装置102のCPU11aにより各種のイベントが実行される(S38)。ここで実行される各種のイベントには、例えば、AIプログラムに基づいてCPU11aにより選手キャラクタ等が自動制御されるイベントや、入力操作部41aからの入力信号に基づいてプレイヤにより選手キャラクタ等が手動制御されるイベントがある。何れのイベントにおいても、戦力向上が図られた場合、その戦力向上内容が反映されたキャラクタの能力値に基づいて、当該キャラクタの動作が制御されることになる。この戦力の向上により、プレイヤにとっては有利な試合運びが可能となり、結果的に勝率が向上する。
そして、プレイヤが試合に勝利すれば、公知の技術を適用して、自己のチーム戦力がより向上するようにすることもできる。この場合、戦力向上が図られて結果的に勝率が向上している期間に、プレイヤが積極的にゲームを行うことにより、効果的なチーム戦力の育成向上を図ることができる。
その後、CPU11aにより監督プレイモードが終了したか否かが判断され(S39)、当該モードが終了したとき(S39でYES)、野球ゲームを終了するか否かを選択する選択画面がモニタ21aに表示される。ここでプレイヤが入力操作部41aを操作して野球ゲームの終了を選択すれば(S40でYES)、CPU11aにより野球ゲームを終了するための処理が実行され、ゲーム結果がハードディスクやメモリーカード等の不揮発性記録媒体に保存される(S41)。一方、プレイヤが入力操作部41aを操作して野球ゲームの継続を選択すれば(S40でNO)、S33に移行してプレイモード選択画面が表示される。
〔ゲームシステムのその他の構成例〕
次に、図1に示した構成とは異なるゲームシステムの構成例を図11ないし図13を参照して以下に説明する。なお、図1等に示した構成と同様の構成については、同一の参照番号を付してその説明を省略する。
図1に示した構成は、プレイヤが端末装置102を携帯して現実世界の野球場まで持って行くことを前提としているので、端末装置102としては、携帯型(小型)家庭用ゲーム機、ノート型、ブック型またはパッド型のパーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯情報端末、ゲームアプリケーションを実行可能な携帯電話・PHS・スマートフォンなどを好適に用いることができる。その一方で、携帯するのに不向きな据え置き型家庭用ゲーム機やデスクトップ型パーソナルコンピュータを端末装置として適用する場合には、図11に示すゲームシステム200の構成を適用することが望ましい。
図11に示すように、ゲームシステム200は、ゲームサーバ101と、端末装置202と、当該ゲームサーバ101と通信可能に接続される通信装置203とを備えている。
端末装置202としては、上述の据え置き型の家庭用ゲーム機やデスクトップ型パーソナルコンピュータだけでなく、携帯型(小型)家庭用ゲーム機、ノート型、ブック型またはパッド型のパーソナルコンピュータ、PDA等の携帯情報端末などを適用することもできる。
通信装置203はプレイヤが携帯して現実世界の所定の野球場まで容易に持って行くことができるものが望ましい。通信装置203の例としては、携帯電話、PHS(Personal Handy-phone System)端末、携帯情報端末(PDA)、携帯電話やPHSと携帯情報端末とを融合させたスマートフォンなどが挙げられる。この通信装置203は、ゲームサーバ101から受信した戦力向上情報を端末装置202に移動可能な構成を有する。
ゲームサーバ101と通信装置203とは、移動体通信回線、公衆回線、専用回線、LAN、インターネット等の通信路の一つまたは複数を組み合わせて相互に通信可能に接続される。
図12に示すように、通信装置203は、既に説明済みの位置情報取得手段75、時刻情報取得手段76、存在事実情報入力手段77、情報送信手段78、戦力向上情報受信手段79の他に、戦力向上情報格納部95および戦力向上情報転送手段96を備えている。
なお、本実施の形態では、通信装置203が、位置情報取得手段75、時刻情報取得手段76および存在事実情報入力手段77を全て具備している構成を例示しているが、これらのうち位置情報取得手段75および時刻情報取得手段76のみを備えている構成、または存在事実情報入力手段77のみを備えている構成であってもよい。
戦力向上情報格納部95は、戦力向上情報受信手段79がゲームサーバ101から受信した戦力向上情報をメモリに格納する。戦力向上情報転送手段96は、戦力向上情報格納部95に格納された戦力向上情報を端末装置202に転送する機能を有する。例えば、赤外線通信やUSB接続による通信等で戦力向上情報を通信装置203へ転送する場合、戦力向上情報転送手段96は赤外線通信手段等によって構成できる。また、SDカード等の記憶媒体を介して戦力向上情報を通信装置203へ転送する場合、戦力向上情報転送手段96はSDカードライタ等の媒体記録手段によって構成できる。
図13に示すように、端末装置202は、図5に示した端末装置102の構成要素から位置情報取得手段75、時刻情報取得手段76、存在事実情報入力手段77、情報送信手段78および戦力向上情報受信手段79を省略するとともに、戦力向上情報受取手段97を追加した構成である。戦力向上情報受取手段97は、通信装置203の戦力向上情報転送手段96を介して転送される戦力向上情報を受け取る機能を有する。例えば、赤外線通信やUSB接続による通信等で戦力向上情報を受け取る場合、戦力向上情報受取手段97は赤外線通信手段等によって構成できる。また、SDカード等の記憶媒体を介して戦力向上情報を受け取る場合、戦力向上情報受取手段97はSDカードリーダ等の媒体再生手段によって構成できる。
上記の構成によれば、現実世界の野球場から現在位置情報、現在時刻情報、存在事実情報をゲームサーバ101へ送信する機能、およびゲームサーバ101から戦力向上情報を受信する機能を、野球ゲームを実行する端末装置202から分離した通信装置203において実現している。これにより、プレイヤは通信装置203を携帯して現実世界の野球場に行けばよいので、端末装置202が比較的大きいため携帯するのに不便であっても、本実施の形態のゲームシステム200を容易に実現できる。
次に、図11ないし図13に示したゲームシステム200の変形例であるゲームシステム300を、図14ないし図16を参照して以下に説明する。なお、図1等に示した構成と同様の構成については、同一の参照番号を付してその説明を省略する。
図14に示すように、ゲームシステム300は、ゲームサーバ101と、端末装置302と、当該ゲームサーバ101と通信可能に接続される通信装置303(通信端末)とを備えている。
図15に示すように、通信装置303は、既に説明済みの位置情報取得手段75、時刻情報取得手段76、存在事実情報入力手段77および情報送信手段78を備えている。なお、同図では通信装置303が位置情報取得手段75、時刻情報取得手段76および存在事実情報入力手段77を全て具備している構成を例示しているが、これらのうち位置情報取得手段75および時刻情報取得手段76のみを備えている構成、または存在事実情報入力手段77のみを備えている構成であってもよい。
また、図16に示すように、端末装置202は、図5に示した端末装置102の構成要素から位置情報取得手段75、時刻情報取得手段76、存在事実情報入力手段77および情報送信手段78を省略した構成である。
上記の構成によれば、現実世界の野球場から現在位置情報、現在時刻情報、存在事実情報をゲームサーバ101へ送信する機能を、野球ゲームを実行する端末装置302から分離した通信装置303において実現している。これにより、プレイヤは通信装置303を携帯して現実世界の野球場に行けばよいので、端末装置302が比較的大きいため携帯するのに不便であっても、本実施の形態のゲームシステム300を容易に実現できる。
なお、ゲームシステム300の構成の場合、ゲームサーバ101から配信される戦力向上情報は端末装置302が受信することになるので、プレイヤは、現実世界の野球場から端末装置302を置いている自宅等に戻ってから、当該端末装置302を操作してゲームサーバ101にログインして戦力向上情報を受信することになる。
以上のように、本実施の形態に係るゲームシステム100、200または300は、プレイヤが画面に表示されるキャラクタを操作してゲームを実行する端末装置102、203または303と、当該端末装置と通信可能に接続される管理部を含むゲームシステムである。そして、管理部としてのゲームサーバ101は、プレイヤが、所定時間帯に、ゲーム内対戦エリアに対応する現実世界の所定エリアに存在するか否かを判断するプレイヤ存否判断手段66と、前記ゲーム内対戦エリアにて対戦ゲームを実行する場合の戦力を向上させるための戦力向上情報を生成する戦力向上情報生成手段67と、プレイヤ存否判断手段66によって当該プレイヤが前記所定時間帯に前記所定エリアに存在すると判断されたときに、当該プレイヤの端末装置または当該端末装置に戦力向上情報を移動可能な通信装置に戦力向上情報を配信する配信手段68とを備えている。ここで、所定エリアとは、本実施の形態で例示した野球ゲームであれば現実世界の所定の野球場をいう。野球場は、現実世界の選手が試合をする領域であるグラウンドと、観客(ゲームのプレイヤを含む)が観戦できる領域である観客席とを含むエリアであり、上記の所定エリアとは、グラウンドと観客席とを含む野球場全体をいう。
なお、入場希望者に対して収容人数が足りないスタジアムでは、入場できない観客に対してスタジアム周辺に特設エリアを用意して当該特設エリアでモニタ観戦可能とすることもあるが、そのような場合、所定エリアとはスタジアムおよびスタジアム周辺の所定の場所(上記特設エリア等)を含めることができる。
本実施の形態のゲームシステム100、200または300は、これまでゲームプレイヤのキャラクタ操作の技量、操作量または操作時間のみに依存し、対戦ゲームにおいて一定の成果を収めた場合に限られていた戦力の向上を図れるというゲーム要素を従来よりも拡充し、戦力の向上をゲームのプレイヤが現実世界の野球場やスタジアムに実際に足を運ぶことで可能とする。すなわち、プレイヤが足を運んだ現実世界の所定エリアに対応するゲーム内対戦エリアにて対戦ゲームを行う場合に、戦力の向上という特典を享受できるようにする。これにより、現実世界とゲームとの強いリンクが生まれ、従来にはなかったような面白さを打ち出すことができ、これまでにない斬新なゲーム性を提供できる。しかも、プレイヤが現実世界の野球場やスタジアムに数多く足を運べば運ぶほどに、戦力の向上が図られ、勝率を向上するチャンスが高まる。よって、プレイヤは、自分の意思でそのチャンス回数を増やすことができるので、従来にはない全く新たな楽しみ方ができるようになり、興趣性の高いゲームシステムを実現できる。
また、戦力向上については期限付きとしているので、プレイヤとしては、その期限内に多くのゲームをこなすことで、有利な戦力で多くの試合を行うことができ、結果的に勝率も向上することから、効果的なチーム戦力の育成向上や、高い段位やランキングの獲得の機会を得ることができる。したがって、プレイヤは、現実世界の野球場に行くことによってゲーム内チームの戦力向上を図れるというメリットを享受できるとともに、そのメリットが期限付きであることから、その期限内に積極的にゲームを行うことの動機付けともなり、従来にない面白さを有するゲームシステムを実現することができる。
なお、上述のように、ゲームサーバ101の機能はゲームシステム100、200、300内のどこかで実現されればよいため、機能分散型の複数台のサーバとして実現することもできる。また、ネットワークゲームシステム100内にある1台または複数台の小型コンピュータに、ゲームサーバ101の機能の一部または全部を持たせるシステム構成も可能である。
本実施の形態に係るゲームシステム100、200、300において、ゲームサーバ101、端末装置102、202、302、通信装置203、303が実行するコンピュータ読み取り可能な各種プログラムは、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM、DVD−ROM、UMDなど)、フレキシブルディスク、半導体メモリ、ROMカセット、あるいは家庭用ビデオゲーム装置用のカートリッジ等のコンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録され、上記のゲームサーバ、端末装置、通信装置に読み出されて実行される。なお、各種プログラムを上記のゲームサーバ、端末装置、通信装置に提供する手段は、前述した記録媒体に限定されるものではなく、インターネットを介して行うこともできる。例えば、ネットワークゲームを管理している会社が提供するホームページ等からインターネットを介してダウンロード可能な場合は、ゲーム進行プログラム等を当該ホームページから直接ダウンロードして実行できるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、複数のキャラクタから構成されるチームで対戦する野球ゲームを例に挙げて説明したが、単独キャラクタ同士の個人戦(例えば、テニスゲームや格闘技ゲームの1対1の対戦)のゲームであってもよい。
また、本実施の形態では、ゲームの一例として主に野球ゲームを挙げて説明したが、適用可能なゲームはこれに限定されるものではなく、現実世界の所定エリアとゲーム内対戦エリアとをリンクさせ得る種々のゲームに適用することができる。例えば、サッカー、テニス、各種格闘技、競馬、カーレース等のゲームに同様に適用することができる。
また、本実施の形態では、戦力向上情報に基づく戦力向上の例として、キャラクタの能力向上および特殊キャラクタの起用について説明したが、これに限定されるものではなく、例えばゲーム内で使用できる攻撃または防御の特殊アイテムの獲得といった他の戦力向上の形態であってもよい。特に、複数のキャラクタで編成されたチーム同士の対戦ゲームにおいて、野球ゲームのようにチームの構成人数が決められているものではなければ、チームを構成するキャラクタの数を増加させることにより、チームの戦力を向上させる形態をとってもよい。
(1)本発明の一局面に係るゲームシステムは、プレイヤが、画像表示手段によって画面に表示されるゲーム内対戦エリアにてキャラクタを操作して対戦ゲームを実行する端末装置と、当該端末装置と通信可能に接続される管理部とからなるゲームシステムであって、前記管理部は、プレイヤが、所定時間帯に、前記ゲーム内対戦エリアに対応する現実世界の所定エリアに存在するか否かを判断するプレイヤ存否判断手段と、前記プレイヤ存否判断手段によって、前記プレイヤが前記所定時間帯に前記所定エリアに存在すると判断されたときに、当該所定エリアに対応する前記ゲーム内対戦エリアにて対戦ゲームを実行する場合の戦力を向上させるための戦力向上情報を生成する戦力向上情報生成手段と、前記戦力向上情報生成手段が生成した前記戦力向上情報を、前記プレイヤの前記端末装置または当該端末装置に前記戦力向上情報を移動可能な通信装置に配信する配信手段と、を備え、前記端末装置は、プレイヤが前記ゲーム内対戦エリアにて対戦ゲームを行う場合に、前記戦力向上情報に基づいて、戦力を向上させる戦力向上手段を備えている。
上記の構成によれば、対戦するチームやキャラクタの戦力を向上するための手段の多様化を図ることができ、従来にない面白さを提供することができる。すなわち、従来であれば、戦力を向上する手立ては、プレイヤのキャラクタ操作の操作量または操作時間に依存するものであるか、あるいは対戦ゲームにおいて一定の成果(勝利等)を収めた場合に限られていたが、本構成においては、ゲームのプレイヤが現実世界の所定エリアに実際に足を運ぶことでチームやキャラクタの戦力向上を図れる機会が与えられるのである。具体的には、例えば野球ゲームの場合、プレイヤが現実世界の所定の野球場に観戦に行くことによって、プレイヤが当該野球場に対応するゲーム内対戦エリア(仮想世界の所定エリア)にて対戦ゲームを行う場合に、戦力の向上というメリットを享受できるようにする。
これを上記構成に従って順次説明すると、プレイヤが画面に表示されるゲーム内対戦エリアにてキャラクタを操作して対戦ゲームを実行する端末装置は、戦力向上情報に基づいて、戦力を向上させる機能を備えており、戦力を向上させ得るというゲーム要素を有する。ここで、ゲーム内対戦エリアにて対戦ゲームを実行する場合の戦力を向上させるための戦力向上情報は、管理部において生成され、プレイヤの端末装置に直接または通信装置を介して端末装置に配信される。この戦力向上情報を生成・配信する管理部は、プレイヤが、所定時間帯に、ゲーム内対戦エリアに対応する現実世界の所定エリアに存在するか否かを判断するプレイヤ存否判断手段を備えており、当該プレイヤ存否判断手段によって、プレイヤが所定時間帯に所定エリアに存在すると判断されたときに戦力向上情報を生成するようになっている。これにより、例えば、プレイヤが現実世界の所定の野球場に野球観戦に行った場合に(野球の試合が行われている所定時間に所定エリアに行くことで)、プレイヤが野球観戦に行った当該野球場に対応するゲーム内対戦エリアでゲームを行うときに戦力を向上させるための戦力向上情報の配信を受けることができるのである。
以上のように本構成によれば、従来であれば、ゲーム上においてのみ限定されていたチームやキャラクタの戦力向上の手段を、現実世界にも拡張することで、現実世界とゲームとの強いリンクが生まれ、従来にはなかったような面白さを打ち出すことができ、これまでにない斬新なゲーム性を提供できる。しかも、プレイヤが現実世界の所定エリア(上記例では野球場)に数多く足を運べば運ぶほどに、戦力の向上が図られ、勝率を向上するチャンスが高まる。よって、プレイヤは、自分の意思でそのチャンス回数を増やすことができるので、従来にはない全く新たな楽しみ方ができるようになり、興趣性の高いゲームシステムを実現できる。
(2)上記の構成において、前記戦力向上手段は、前記配信手段から前記戦力向上情報を受信してから又は前記戦力向上情報に基づいて最初に戦力を向上させてから所定期間内のみ当該戦力向上情報に基づいた戦力の向上を有効とすることが好ましい。
上記の構成によれば、戦力向上については期限付きとしているので、プレイヤには緊張感と動機付けが与えられる。すなわち、プレイヤとしては、この期限内に多くのゲームをこなすことで、有利な戦力で多くの試合を行うことができ、結果的に勝率も向上することになり、ひいてはチームやキャラクタの能力向上を効率的に行うことができる。例えば、対戦ゲームにおいて勝利した場合に、キャラクタの育成による戦力向上が図られたり、能力評価レベル(仮想的な段位、報賞、名誉、等級等)が上がったり、ランキング(全国ランキング等)が上がったりするゲームシステムにおいては、戦力が向上する期限内に多くのゲームをこなせば、効果的なキャラクタの育成や能力評価レベル・ランキングの向上が可能となる。したがって、プレイヤは、現実世界の所定エリアに行くことによって戦力の向上を図れるというメリットを享受できるとともに、そのメリットが期限付きであることから、その期限内に積極的にゲームを行うことの動機付けともなり、従来にない面白さを有するゲームシステムを実現することができる。また、ゲームを提供するゲーム会社等にとっては、プレイヤがゲームを積極的に行うことは、それに伴う時間的または回数的な課金収入やアイテム等の購入による収入のチャンスを広げることにもなるので、収益向上を図れるというメリットがある。
(3)上記の構成において、前記戦力向上手段は、前記戦力向上情報に基づいた戦力の向上を有効とする対戦試合数を、所定数に制限することが好ましい。
上記の構成によれば、戦力向上の有効期限内であっても、対戦試合数が所定数(例えば10試合)に達すると戦力向上の効力はなくなることになる。このように有効期限を付け且つ有効な対戦試合数を限定することにより、プレイヤに期限内に積極的にゲームを行うことの動機付けを与えながらも、現実世界の所定エリアに足を運んだことにより得られるメリットを妥当な所定範囲に制限することができる。
(4)上記の構成において、前記戦力向上手段は、前記管理部より戦力向上情報を受信したとき、戦力向上内容の異なる複数の選択肢の中から、プレイヤに任意の戦力向上内容を選択させる選択手段を備え、前記選択手段にて選択された戦力向上内容により戦力を向上させることが好ましい。
上記の構成によれば、戦力向上情報に基づいた戦力向上の内容を選択する権限をプレイヤに付与することとした構成を実現できる。これにより、プレイヤは、選択肢として用意されている複数の戦力向上内容を比較しながら、例えば、自分が考えている戦略に合った戦力向上内容を選択することも可能となる。このように、戦力向上内容の選択に自由度を持たせることにより、よりゲーム性を深くすることができゲームの興趣性が高まる。
(5)上記の構成において、前記対戦ゲームは複数のキャラクタから構成されるチーム同士が対戦するものであって、前記戦力向上手段は、前記戦力向上情報に基づいて、チームを構成するキャラクタとして所定の能力値を有する特殊キャラクタを生成することが好ましい。
戦力向上情報に基づく戦力向上の例としては、キャラクタが有する能力値を向上させることによって直接的に戦力を向上させる形態もあるが、特に複数のキャラクタから構成されるチーム同士が対戦するチーム対戦ゲームにおいては、上記の構成のように所定の能力値を有する特殊キャラクタを生成し、プレイヤがチームメンバーとして当該特殊キャラクタを起用できるようにすることによって間接的にチーム能力を向上させることもできる。このような特殊キャラクタを用いた戦力向上の形態では、チームを構成する複数のキャラクタのそれぞれの能力を向上させる能力管理をすることなく、特殊キャラクタの能力管理のみでチーム戦力の向上が効果的に図られる。また、プレイヤにとっても、生成された特殊キャラクタをいかに起用するかを考えた戦略を練ることができるようになり、よりゲーム性が深くなり興趣性が高まる。
(6)上記の構成において、前記端末装置または前記通信装置は、現在位置情報を取得する位置情報取得手段と、現在時刻情報を取得する時刻情報取得手段と、前記現在位置情報および現在時刻情報を前記管理部のプレイヤ存否判断手段に送信する情報送信手段とを備え、前記プレイヤ存否判断手段は、前記端末装置または前記通信装置から受信した前記現在位置情報および現在時刻情報に基づいて、プレイヤが前記所定時間帯に前記所定エリアに存在するか否かを判定することが好ましい。
上記の構成によれば、プレイヤが端末装置または通信装置を携帯して所定時間帯に所定エリアに足を運べば、端末装置または通信装置が現在位置情報(例えばGPS測位による緯度および経度情報)および現在時刻情報を取得し、これらを管理部のプレイヤ存否判断手段に送信するので、プレイヤが所定時間帯に所定エリアに存在するか否かを管理部が容易且つ確実に判断できる構成を実現できる。
(7)上記の構成において、前記端末装置または前記通信装置は、プレイヤが所定時間帯に所定エリアに存在する事実を示す存在事実情報を入力するための存在事実情報入力手段と、前記存在事実情報入力手段によって入力された前記存在事実情報を前記管理部のプレイヤ存否判断手段に送信する情報送信手段とを備え、前記プレイヤ存否判断手段は、前記端末装置または前記通信装置から受信した前記存在事実情報に基づいて、プレイヤが前記所定時間帯に前記所定エリアに存在するか否かを判定することが好ましい。
上記の構成によれば、プレイヤが端末装置または通信装置を携帯して所定時間帯に所定エリアに足を運び、端末装置または通信装置の存在事実情報入力手段より存在事実情報を入力すれば、当該存在事実情報が端末装置または通信装置から管理部のプレイヤ存否判断手段に送信される。ここで、存在事実情報とは、プレイヤが所定時間帯に所定エリアに存在する事実を示す情報であり、例えば、プレイヤが所定時間帯に現実世界の所定エリアに行かないと撮像、取得または確認できない、画像情報、バーコード情報、または合言葉やパスワードなどの文字・数字・記号情報等である。これにより、プレイヤが所定時間帯に所定エリアに存在するか否かを管理部が容易且つ確実に判断できる構成を実現できる。
(8)本発明の他の局面に係るゲームシステムの制御方法は、プレイヤが画面に表示されるゲーム内対戦エリアにてキャラクタを操作して対戦ゲームを実行する端末装置と、当該端末装置と通信可能に接続される管理部とからなるゲームシステムの制御方法であって、前記管理部は、プレイヤが、所定時間帯に、前記ゲーム内対戦エリアに対応する現実世界の所定エリアに存在するか否かを前記管理部が判断するプレイヤ存否判断ステップと、前記プレイヤ存否判断ステップによって、前記プレイヤが前記所定時間帯に前記所定エリアに存在すると判断されたときに、当該所定エリアに対応する前記ゲーム内対戦エリアにて対戦ゲームを実行する場合の戦力を向上させるための戦力向上情報を前記管理部が生成する戦力向上情報生成ステップと、前記戦力向上情報生成ステップで生成した前記戦力向上情報を、前記プレイヤの前記端末装置または当該端末装置に前記戦力向上情報を移動可能な通信装置に、前記管理部が配信する配信ステップと、プレイヤが前記ゲーム内対戦エリアにて対戦ゲームを行う場合に、前記端末装置が前記戦力向上情報に基づいて戦力を向上させる戦力向上ステップと、を備えている。
(9)本発明のさらに他の局面に係るプログラムは、プレイヤが画面に表示されるゲーム内対戦エリアにてキャラクタを操作して対戦ゲームを実行する端末装置と、当該端末装置と通信可能に接続される管理部とからなるゲームシステムに含まれるコンピュータに、プレイヤが、所定時間帯に、前記ゲーム内対戦エリアに対応する現実世界の所定エリアに存在するか否かを前記管理部に判断させるプレイヤ存否判断機能と、前記プレイヤ存否判断機能によって、前記プレイヤが前記所定時間帯に前記所定エリアに存在すると判断されたときに、当該所定エリアに対応する前記ゲーム内対戦エリアにて対戦ゲームを実行する場合の戦力を向上させるための戦力向上情報を前記管理部に生成させる戦力向上情報生成機能と、前記戦力向上情報生成機能にて生成された前記戦力向上情報を、前記プレイヤの前記端末装置または当該端末装置に前記戦力向上情報を移動可能な通信装置に、前記管理部より配信させる配信機能と、プレイヤが前記ゲーム内対戦エリアにて対戦ゲームを行う場合に、前記端末装置に前記戦力向上情報に基づいて戦力を向上させる戦力向上機能と、を実現させる。