JP5244027B2 - 脳機能解析支援装置及びプログラム - Google Patents

脳機能解析支援装置及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP5244027B2
JP5244027B2 JP2009115267A JP2009115267A JP5244027B2 JP 5244027 B2 JP5244027 B2 JP 5244027B2 JP 2009115267 A JP2009115267 A JP 2009115267A JP 2009115267 A JP2009115267 A JP 2009115267A JP 5244027 B2 JP5244027 B2 JP 5244027B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brain
address
subject
information
function
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009115267A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009297501A (ja
Inventor
加容子 吉野
俊徳 加藤
Original Assignee
俊徳 加藤
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 俊徳 加藤 filed Critical 俊徳 加藤
Priority to JP2009115267A priority Critical patent/JP5244027B2/ja
Publication of JP2009297501A publication Critical patent/JP2009297501A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5244027B2 publication Critical patent/JP5244027B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Measuring And Recording Apparatus For Diagnosis (AREA)

Description

本発明は、脳機能解析支援装置及びプログラムに関し、特に、人間の脳内における所定の機能及び役割に応じて、神経活動の変化に伴い、酸素消費量が増加したり、賦活化と鎮静化による脳活性の調整機能の働きや脳の形の変化を考慮して脳の部位毎に区分して付与された脳区分用番地や、当該脳区分用番地間を関連付けて結ぶ番地間ネットワークを利用した脳機能解析支援装置及びプログラムに関する。
従来の脳機能解析方法では、例えばNIRS(Near-infrared Spectroscopy:近赤外分光法)、EEG(Electroencephalogram:脳波)、MEG (Magnetoencephalogram:脳磁計)、MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像法)、PET(ポジトロンCT)等の生理的検査法を用いて、脳の生理的反応の結果に基づいて情報を解析し脳機能を評価していた。
これらの脳機能は、神経細胞が集積する皮質の活動を検出することが主で、白質機能の計測法は、本発明者の一人である加藤によるMRIを用いた脳内白質線維の機能的な活動を画像化する原理の報告(Kato T, Kamada K, Segawa F, et al. Effects of Photo Stimulation on
the Anisotropic Diffusion of the Visual Fibers. SMRM proceeding book in Berlin,
1992年, 1409)やMRIを用いた脳の枝ぶり画像法(特願2007−173550号)に留まっている(以下、これらの技術を従来例1という)。
また、個人の能力や適正を診断し評価する発明としては、例えば特許文献1(進路適正検査システム)、特許文献2(求人求職支援システム)、特許文献3(求人求職支援システム)、特許文献4(人材判定方法等)、特許文献5(構成員を成功に導くための条件を提示する方法等)、特許文献6(進路適正検査装置)等に提案されている(以下、この技術を従来例2という)。
なお、本発明者の一人である加藤は、人間の脳内における所定の機能及び役割に応じて、神経活動の変化に伴い、酸素消費量が増加したり、賦活化と鎮静化による脳活性の調整機能の働きや脳の形の変化を考慮した部位毎に区分して付与された脳区分用番地を用いた教材、育脳装置及びプログラムに関する発明を出願している。
この出願に係る発明は、課題に対して行う行動によって、神経活動の変化に伴い、酸素消費量が増加したり、賦活化と鎮静化による脳活性の調整機能の働きや脳の形の変化が起こる脳区分用番地の区分の位置を脳の模式図に表示したり、課題に対する結果を集計し、その結果に基づいて脳区分用番地に関する評価を行ったり、入力された行動情報に基づいて酸素消費量が増加したり、活性化あるいは鎮静化される脳区分用番地を解析したりするものである(PCT/JP2007/64121参照、以下、この技術を参考例という)。
特開平5−307352号公報 特開2001−306680号公報 特開2002−133169号公報 特開2004−334834号公報 特開2005−149034号公報 特許第2506023号公報
従来例1では次のような課題があった。
(1)生理的検査法に用いられる検査装置は高価であるため、検査のコストがかかるとともに、検査装置は大型であるため、検査装置を設置できる広いスペースを必要とした。
(2)生理的検査法に用いられる検査装置の操作は複雑であるため、熟練の検査者及び解析者が操作する必要があった。
(3)従来の生理的検査法では、検査設備への装着による緊張等の影響を完全に取り除くことができず、特に子供や老人の被験者の身体的負荷が大きいため、必ずしも正確な情報を得られるとは限らなかった。
(4)従来の生理的検査法の検査結果から得られる情報の解析が間違っていれば、それによって、誤った判断を行うことになった。
(5)これまでの外来診療で用いる新患者の問診票は、過去・家族の病歴を問うのみで、個人の性格的な特性を含んでいなかった。その結果、医療スタッフの患者への接し方が均一になる可能性が高いか、患者のパーソナリティに対応した処置や説明などの対応ができるまでに時間を要するという課題があった。
(6)特に、皮質間を結ぶネットワーク機能を自在に画像化する技術はなかった。従来の生理的脳機能イメージングでは、皮質機能と白質機能を区別して、簡便に、かつ同時に、イメージングできなかった。特に、皮質間を結ぶネットワーク機能は、視放線と呼ばれる視覚機能のネットワークのみが本発明者の一人である加藤らによって報告されたのみで、脳区分用番地に関連したネットワークを自在に画像化する技術ではなかった。
これらは、白質の脳の枝ぶり機能画像や思考回路のイメージングからはほど遠い段階であった。
(7)皮質間を結ぶネットワーク,白質の成長を示す脳の枝ぶり画像は、MRIを用いていたが、大掛かりな施設とMRIの撮影装置を必要としていた。
(8)従来の生理的検査法による皮質の機能イメージングは、予め撮影した脳の形を画像構成した形態画像に生理反応の画像を重ね合わせて表示されていた。そのために、皮質機能の成長や衰え、得意、不得意、を脳の形によって表すことができていなかった。
(9)従来の脳の形に対する理解は、成人するとある程度脳の形は変わらずに、頭の使い方の問題が能力差をきめていると漠然と考えられていた。そのために、訓練や経験の頻度によって脳区分用番地ごとに脳の形が変わるという大脳生理学上の前提がなかった。
従来例2では次のような課題があった。
(1)個人の能力や適正を診断し評価したい時に、主観的なチェック形式などの行動情報を採用した場合には、データの客観性・科学性・信憑性・妥当性が高くなかった。
(2)従来の能力や適正を判定するテストでは、質問や課題に対する回答の正誤に基づく集計を用いており、思考の過程や課題を解決するための方略を考慮していないので、本人の脳の使い方としての脳特性をテストで抽出できなかった。
(3)従来の能力や適正を判定するテストでは、能力や適正の基礎である脳区分用番地や皮質間を結ぶ番地間ネットワークを投影した質問や課題を提示していないので、生体メカニズムを反映せず、科学性の低い判定方法であった。
(4)従来の能力や適正を判定するテストでは、テスト受験時の状態を反映するものが多く、気分や体調によって結果の変動が生じる可能性があった。
(5)脳は形を変えながら成長していくメカニズムがあり、その成長に応じて脳機能も発達していく。従って過去のスコアも別に算出する必要がある。しかし、従来の心理検査や質問式テスト等では、過去と現在を分けて算出するものはなく、過去の情報を抽出するテストや検査は行われていなかった。
(6)これまでの学校教育・学校外教育(学童保育・塾・スポーツスクール等)や、企業において、個人の特性を知る方法は、心理テストや能力判定テストなどが一般的であった。教育現場では個人が成長することが目的であるにも関わらず、個人特性に応じた教授をするための簡便で科学的な個人脳特性の抽出方法がなかった。企業では、個人の能力を生かして利益を得る過程で、企業側や本人が個人の得意・不得意な能力を脳機能から客観的に自覚できるテストは存在しなかった。
また教育場面でのクラスやグループ編成や、企業における集団編成には、個人の脳特性が考慮されていなかった。
参考例では、課題に対する結果を集計し、その結果に基づいて脳区分用番地に関して評価したり、解析したりしているが、被験者に対する育脳のアドバイスやグループの編成のアドバイスを行ったり、シミュレーションを行ったり、トレーニングを指示するものではない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、脳区分用番地やそれらを結ぶ番地間ネットワークを利用した脳機能解析を行うことにより、生理的検査法に用いられる検査装置を用いなくても、客観性と科学性の高い解析結果を得られ、脳の皮質機能と白質機能を解析することが可能な脳機能解析支援装置及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明の脳機能解析支援装置は、人間の脳内における所定の機能及び役割に応じて、神経活動の変化に伴い、酸素消費量が増加したり、賦活化と鎮静化による脳活性の調整機能の働きや脳の形の変化を考慮して脳の部位毎に区分して付与された脳区分用番地や、当該脳区分用番地間を関連付けて結ぶ番地間ネットワークを利用した脳機能解析支援装置であって、
前記脳区分用番地や前記番地間ネットワークに関連した課題や質問に対する被験者の回答を入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力された被験者の回答結果に基づいて、前記脳区分用番地や前記番地間ネットワーク毎に点数化し、前記被験者の脳機能を数値化して算出する算出手段と、
前記算出手段による算出結果に基づいて、被験者毎の脳機能を解析し、診断情報を作成する診断情報作成手段と、
前記診断情報作成手段により作成された診断情報に基づいて、被験者に対する育脳改善アドバイス情報を作成する育脳改善アドバイス情報作成手段と、
前記診断情報及び育脳改善アドバイス情報を出力する出力手段と、
を有することを特徴とするものである。
前記入力手段により、前記課題や質問に対して被験者の現在及び過去の回答が同時又は経時的に入力され、前記診断情報作成手段は、被験者の現在及び過去の回答結果から、被験者の脳機能の時間的変化を評価して診断情報を作成してもよい。
前記入力手段により、前記課題や質問に対して被験者の計画案と現実の行動が時系列的に入力され、前記診断情報作成手段は、被験者の計画案と現実の行動結果から、被験者の日常行動を脳機能から評価して診断情報を作成してもよい。
前記入力手段により、前記課題や質問に対して回答に導くための方略情報が入力され、
前記診断情報作成手段は、入力された方略情報に基づいて被験者の脳機能を評価して診断情報を作成してもよい。
前記入力手段により、前記課題や質問に対して回答に導くために自己評価を記入者によっても点数化して入力され、前記診断情報作成手段は、入力された自己評価に基づいて被験者の脳機能を評価して診断情報を作成してもよい。
前記診断情報作成手段により作成された診断情報に基づいて、脳機能を強化するためのトレーニングを指示するトレーニング指示手段を有してもよい。
前記診断情報作成手段により作成された診断情報に基づいて、将来や仮定的な脳機能をシミュレーションしたシミュレーション情報を作成するシミュレーション情報作成手段を有し、前記出力手段は、前記シミュレーション情報を出力してもよい。
前記診断情報作成手段は、被験者が属するグループに関するグループ診断情報を作成し、
前記作成されたグループ診断情報に基づいて、グループに対する編成アドバイス情報を作成する編成アドバイス情報作成手段を有し、前記出力手段は、グループ診断情報及び前記編成アドバイス情報を出力してもよい。
生理的検査法による脳の生理的反応の結果を数値化して、被験者毎の脳機能を解析した診断情報と、前記診断情報作成手段によって作成された診断情報との差を比較して解析する手段を有してもよい。
前記入力手段により、前記脳区分用番地や前記番地間ネットワークに関連した業務やタスクに関する事項に対する被験者の回答が入力され、前記算出手段により算出された算出結果に基づいて、業務やタスクに対する脳機能の特性を解析するタスク解析手段を有してもよい。
前記入力手段により、脳区分用番地や前記番地間ネットワークに関連した製品やサービスに関する事項に対する被験者の回答が入力され、前記算出手段により算出された算出結果に基づいて、製品やサービスに対する脳機能の特性を解析する脳内マーケティング解析手段と、製品やサービスに診断結果を表示するためのラベルを作成するラベル作成手段とを有してもよい。
前記算出手段により算出された算出結果に基づいて、前記脳区分用番地の神経活動をあらわす皮質機能を解析し、表示する手段を有してもよい。
前記算出手段により算出された算出結果に基づいて、脳区分用番地間のネットワーク機能、思考回路機能をあらわす白質機能及び脳の枝ぶり機能を解析し、表示する手段を有してもよい。
前記入力手段は、通信ネットワークを介して被験者の回答を入力するものであってもよい。
前記入力手段は、所定の様式に従って記入された時系列情報を入力するものであってもよい。
本発明のプログラムは、人間の脳内における所定の機能及び役割に応じて、神経活動の変化に伴い、酸素消費量が増加したり、賦活化と鎮静化による脳活性の調整機能の働きや脳の形の変化を考慮して脳の部位毎に区分して付与された脳区分用番地や、当該脳区分用番地間を関連付けて結ぶ番地間ネットワークを利用した脳機能解析支援装置を制御するプログラムであって、
前記脳区分用番地や前記番地間ネットワークに関連した課題や質問に対する被験者の回答を入力する処理と、
前記入力された被験者の回答結果に基づいて、前記脳区分用番地や前記番地間ネットワーク毎に点数化し、前記被験者の脳機能を数値化して算出する処理と、
前記算出された算出結果に基づいて、被験者毎の脳機能を解析し、診断情報を作成する処理と、
前記作成された診断情報に基づいて、被験者に対する育脳改善アドバイス情報を作成する処理と、
前記診断情報及び育脳改善アドバイス情報を出力する処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするものである。
前記課題や質問に対して被験者の現在及び過去の回答が同時又は経時的に入力され、被験者の現在及び過去の回答結果から、被験者の脳機能の時間的変化を評価して診断情報を作成する処理とをコンピュータに実行させるものでもよい。
前記課題や質問に対して被験者の計画案と現実の行動が時系列的に入力され、
前記診断情報作成手段は、被験者の計画案と現実の行動結果から、被験者の日常行動を脳機能から評価して診断情報を作成する処理とをコンピュータに実行させるものでもよい。
前記課題や質問に対して回答に導くための方略情報が入力され、入力された方略情報に基づいて被験者の脳機能を評価して診断情報を作成してもよい。
前記課題や質問に対して回答に導くために自己評価を記入者によって点数化して入力され、前記診断情報作成手段は、入力された自己評価に基づいて被験者の脳機能を評価して診断情報を作成する処理とをコンピュータに実行させるものでもよい。
前記作成された診断情報に基づいて、脳機能を強化するためのトレーニングを指示する処理をコンピュータに実行させるものでもよい。
前記作成された診断情報に基づいて、将来や仮定的な脳機能をシミュレーションしたシミュレーション情報を作成する処理と、前記シミュレーション情報を出力する処理とをコンピュータに実行させるものでもよい。
前記被験者が属するグループに関するグループ診断情報を作成する処理と、前記作成されたグループ診断情報に基づいて、グループに対する編成アドバイス情報を作成する処理と、グループ診断情報及び前記編成アドバイス情報を出力する処理とをコンピュータに実行させるものでもよい。
生理的検査法による脳の生理的反応の結果を点数化して、被験者毎の脳機能を解析した診断情報と、前記診断情報作成手段によって作成された診断情報との差を比較して解析する処理をコンピュータに実行させるものでもよい。
前記脳区分用番地や前記番地間ネットワークに関連した業務やタスクに関する事項に対する被験者の回答が入力され、前記算出された算出結果に基づいて、業務やタスクに対する脳機能の特性を解析する処理をコンピュータに実行させるものでもよい。
前記脳区分用番地や前記番地間ネットワークに関連した製品やサービスに関する事項に対する被験者の回答が入力され、前記算出された算出結果に基づいて、製品やサービスに対する脳機能の特性を解析する処理と、製品やサービスに診断結果を表示するためのラベルを作成する処理とをコンピュータに実行させるものでもよい。
前記算出された算出結果に基づいて、前記脳区分用番地の神経活動をあらわす皮質機能を解析し、表示する処理をコンピュータに実行させるものでもよい。
前記算出された算出結果に基づいて、脳区分用番地間のネットワーク機能、思考回路機能をあらわす白質機能及び脳の枝ぶり機能を解析し、表示する処理をコンピュータに実行させるものでもよい。
本発明に係る脳機能解析支援装置及びプログラムによれば、次のような効果を奏する。
(1)脳区分用番地や番地間ネットワークを利用した脳機能解析を行うことにより、生理的検査法に用いられる検査装置を用いなくても、客観性と科学性の高い解析結果、育脳・改善アドバイス、グループの編成アドバイス等を提供することができる。
(2)これまでの生理的脳機能イメージングは、高額の大型装置を用いた上、被験者の身体的負荷を完全に取り除くことができなかった。特に子供や老人では、測定負荷が大きく、イメージングが困難であった。
本発明によれば、脳機能イメージングを、自己申告型脳機能イメージングにすることで、本人の脳区分用番地や番地間ネットワークを可視化する共通した目的において、特別な装置を用いず、媒体を紙、パーソナルコンピュータ、ゲーム機、モバイル、セミナー等による提示が可能となり、計測環境の統制や被験者の身体的負荷を格段に軽減して脳機能イメージングができる。自己申告における入力方式は、口頭での回答や日記・日誌形式、手帳、マークシート、クリック、タッチパネル、テンキー入力等、簡便で、測定空間を選ばず、非侵襲で、年齢を問わず、誰でも診断が可能である。
(3)従来の能力判定テストでは、質問や課題に対する回答の正誤に基づく集計を用いており、思考の過程を考慮しておらず、本人の脳の使い方としての脳区分用番地特性をテストで抽出できていない。
本発明によれば、質問に対する自覚的回答を○×の2択ではなく程度として評価する他、実際の課題を回答させ、その正誤、反応時間、および方略チェックを行う。この方略チェックとは、どのようにその問題を解いたのかをフィードバックさせて、方略を回答させることで、脳区分用番地の使い方特性・思考方略を抽出可能とした。方略チェックは、方略選択のみならず、方略ごとの脳区分用番地機能ルートの評価と、機能ルートごとのルート精度を評価できる。
(4)これまでの個人の能力や性格の評価テストでは、本来能力や性格を発揮する基礎である脳区分用番地能力を投影しておらず、科学性の低い判定であった。

本発明によれば、各脳区分用番地や番地間ネットワークに関連する科学的知見から作成された質問事項や、課題を設定することにより、行動情報からの脳機能イメージングでありながら、科学性が高い判定が可能である。
(5)これまでの個人の能力や性格の評価テストでは、テスト受験時の状態を反映するものが多く、気分や体調によって結果の変動を否定できなかった。
本発明によれば、科学性の高い質問事項の回答から、過去情報と現在情報を抽出して、過去と現在の脳区分用番地イメージングを行った上で、脳区分用番地別カルテを作成することから、2回の測定をすると、それは効果測定として採用が可能となる。
(6)これまでの外来診療で用いる新患者の問診票は、過去・家族の病歴を問うのみで、個人の性格的な特性を含んでいなかった。その結果、医療スタッフの患者への接し方が均一になる可能性が高いか、患者のパーソナリティに対応した処置や説明などの対応ができるまでに時間を要した。

本発明によれば、受診時や入院時に個人の脳区分用番地イメージングを作成することにより、患者の性格を表す脳区分用番地特性や得意な機能ルートを知ることで、説明の仕方や処置の仕方を変え、患者が専門的な医療処置を理解する際の補助システムとして使用できる。
(7)これまでの教育場面での学習集団や企業内の業務部編成では、個人の得意・不得意な能力を脳機能から客観的に自覚できるテストがなかったため、個人の脳特性に応じた教授や業務遂行方略などが考慮できなかった。そのために、学校教育ではある児童に対しては有効な教材提示法であっても、別の児童には脳へ情報が取り込みにくい提示法であった可能性は否定できない。
本発明によれば、脳機能の個人特性に応じて意図的に集団を構成することが可能となり、脳機能個性に共通性のある個人を集めて集団を編成すれば、その集団にとって有効な教授法や情報呈示法や問題解決法を採用でき、集団にとって必要な学習内容や思考方略トレーニング等を効率よく選択し実施することができる。
(8)従来の生理的脳機能イメージングでは、皮質機能と白質機能を区別して、簡便に、かつ同時に、イメージングできなかった。特に、皮質間を結ぶネットワーク機能は、視放線と呼ばれる視覚機能のネットワークのみが本発明者の一人である加藤らによって報告されたのみで、脳区分用番地に関連したネットワーク機能を自在に画像化する技術ではなかった。
本発明によれば、皮質機能の成長や皮質間を結ぶネットワーク機能の特徴を画像化することができる。
(9)本発明者の一人である加藤が発明した脳の枝ぶり画像法(特願2007−173550号)は、MRIを用いていたが、本発明では、MRIを必要としない脳の枝ぶり画像法、思考回路のイメージングが実現できる。
(10)従来の生理的検査法による皮質の機能イメージングは、皮質の形態画像と皮質の生理反応は、別々に撮影されていた。そのために、皮質機能の成長や衰え、得意、不得意、を脳の形によって表すことができていなかった。
本発明によれば、皮質機能を、脳の形の大きさ、体積、色調の違いによって画像化することができる。
(11)日記や日誌、手帳は自分で書いて、交換日記の形式で、他人に見せてる見せている場合はあったが、日記を数値化して、時系列分析して、科学的に評価するシステムはなかった。
本発明によれば、24時間の予定・鍛える目的をプランして、実行したデータを自己申告することで、脳区分用番地日記、脳区分用番地手帳として、日々の日記を持ち脳の鍛える対象を明確にするシステムが実現できる。
本発明の実施形態例に係る脳機能解析支援装置を示すブロック図である。 各脳区分用番地に対応する課題や質問の問題番号を示す一覧図である。 本発明の現在と過去を分離した脳機能イメージング分析結果である脳区分用番地バランスを示す説明図である。 本発明の脳区分用番地使用タイプを示す2次元平面図である。 被験者である対象者Aの脳区分用番地カルテの結果例を示すグラフである。 (A)〜(C)は、被験者である対象者A、B,Cの総合脳区分用番地力の例を示すグラフである。 (A)〜(C)は、被験者である対象者A、B,Cのそれぞれについて、右図が現在の実際の総脳区分用番地力と、過去脳区分用番地力から推定(成長率=0%の脳区分用番地力を現在スコアとして総脳区分用番地力を算出)した現在のシミュレーションとのギャップ図、左図は成長率のプロット図を示すグラフである。 (A)〜(C)は、対象者A,B,Cについて平均脳区分用番地力のプロット、スコア座標を結んだもの、±1標準偏差をプロットしたもので、±1SDを逸脱している機能系の判定をするためのものを示すグラフ、(D)は左右半球機能の判定例を示す表、(E)は、対象者A,B,C3名の左右半球機能の判定例を示す表である。 (A)はスコアに対する判定の例、(B)は被験者の脳のタイプを社会スキル、情報処理スキルの見地から12型に分類するために用いられる樹形図である。 脳区分用番地の入力から出力にいたる経路で主に経由する脳区分用番地間をネットワーク(思考回路)として表示した説明図である。 脳の枝ぶりの成長の特性を視覚的に明確になるように表示した説明図である (A)〜(D)は、脳区分用番地カルテの具体例を示す説明図である。 (A)〜(D)は、編成アドバイスの例を説明するための説明図である。 (A)〜(D)は、脳回の発達成長過程における脳の白質を強調した白質強調画像(枝ぶり)をステージに分類した例を説明するための説明図、(E)はステージをマッピングした例を説明するための説明図である。 学習脳適性検査におけるMRIとSRIの検査結果を数値化して比較した例を示すグラフである。 (A)及び(B)はCOE結果とSRI結果を比較したグラフである。 (A)の上図は、集団構成員の「左半球記憶系番地」の成長率(%)の変化を示すグラフ、下図は集団参加によって「左半球記憶系番地」の5年後の変化予測カルテを示すグラフ、(B)は、左から順に理想の脳区分用番地力、現実の脳区分用番地力、トレーニング用の脳区分用番地力を示すグラフである。 発話系番地(強)と記憶系番地(弱)に負荷を与える製品のラベル例を示す説明図である。 (A)〜(C)は、脳区分用番地の脳のイメージを示す説明図である。 本発明の実施形態例に係る脳機能解析支援装置の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の他の実施形態例の構成を示すブロック図である。 本発明の他の実施形態例に係る脳機能解析支援装置による入力手順の一例を説明するためのすフローチャートである。 脳区分用番地の解説の一例を示す説明図である。 目標設定に関する表示文の一例を示す説明図である。 日々のプランを記入した一例を示す説明図である。 予定(未来)と現実の記入例を示す説明図である。 実際の行動に対する分類例を示す説明図である。 脳区分用番地ごとの評価の一例を示す説明図である。 中間報告の例を示す説明図である。 (A)及び(B)は目標達成度の時系列変化の例を示すグラフである。 未来と現実のギャップを解析した例を示すグラフである。 (A)及び(B)は、脳区分用番地の活動バランスを示すグラフである。 各脳区分用番地の行動内容(活動)を分類したグラフである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施形態例に係る脳機能解析支援装置を示すブロック図である。
本発明の実施形態例に係る脳機能解析支援装置1は、脳区分用番地を利用して脳機能の解析を支援するものであり、具体的には、例えば電子教材、電子脳トレーニング装置、電子日記帳、電子手帳、電子ゲーム機、パーソナルコンピュータ、テレビ、携帯用端末、携帯電話等の情報処理装置である。
ここで、脳区分用番地(本発明者かつ出願人は当該番地を脳番地(登録商標)と称しており、図面では脳番地と表示している)とは、人間の脳内における所定の機能及び役割に応じて、神経活動の変化に伴い、酸素消費量が増加したり、賦活化と鎮静化による脳活性の調整機能の働きや脳の形の変化を考慮して脳の部位毎に区分して付与された番号(英数字)や機能名である(PCT/JP2007/64121参照)。
脳内における部位において酸素消費量が増加し活性化されているか否かや賦活化と鎮静化による脳活性の調節機能は、例えば、本発明者及び出願人によって出願された国際出願(PCT/JP03/01599,JP2005/013327)に記載された生体機能診断装置を用いて、酸化型ヘモグロビンの変化量と還元型ヘモグロビンの変化量との関係から導き出される各種パラメータ(例えば酸素交換度(k角)や酸素交換比(k比))や2次元あるいは3次元ダイアグラム上の軌跡等に基づいて認定される。なお、脳区分用番地、各種パラメータや2次元あるいは3次元ダイアグラム上の軌跡等については、前述した出願の明細書及び図面に開示されているので、その説明は省略する。
図1に示すように、本発明の実施形態例に係る脳機能解析支援装置1は、入力部2と、出力部3と、通信部4と、記憶部5と、制御部6とを有する。
(入力部)
入力部2は、各種データを入力するものであり、例えばキーボード、テンキー、マウス、マークシート読取機、OCR(光学式文字読取機)等である。
入力部2により、脳区分用番地に関連した課題や質問(脳区分用番地に該当する脳の部位が、神経活動の変化に伴い、酸素消費量が増加したり、賦活化と鎮静化による脳活性の調整機能が働いているか否かを問うための課題や質問)に対する被験者の回答が入力される。
例えば、左半身の運動能力に関する脳機能を発揮する脳区分用番地である4番地に関連した課題や質問としては、「左手で字を書いたり、箸を使うなど、左手の手先が器用ですか」、「あなたが男性なら14kg、女性なら7kgのダンベルを左手で持ち上げ、5回以上肘の曲げ伸ばしができますか」等である。
また、言語発話に関する脳機能を発揮する脳区分用番地である44,45番地に関連した課題や質問としては、「自分の考えを人前でプレゼンテーションしたり、言葉で流暢に説明することが得意ですか」等である。
問題数としては、例えば、各脳区分用番地に対応して現在5問及び過去5問の合計10問の課題や質問が設けられる。
回答例としては、例えば、「とても当てはまる」、「まあ当てはまる」、「少し当てはまる」、「あまり当てはまらない」、「ほぼ当てはまらない」、「全く当てはまらない」の6つの回答から選択させる。
なお、上記の課題や質問の例、問題数、回答例は例示であり、これに限定されるものではない。また脳区分用番地の複数の組み合わせによって1つの機能系として定義することができ、それを変数として扱うことも本発明の特徴の1つである。
図2は、各脳区分用番地に対応する課題や質問の問題番号を示す一覧図である。例えば、問題31は、右半身の運動・感覚系の脳機能に区分される左半球3番・4番の脳区分用番地に関連する課題や質問であり、それに対し被験者は現在の回答を行う。問題20は左半身の運動・感覚系の脳機能に区分される右半球3番・4番の脳区分用番地に関連する課題や質問であり、それに対し被験者は過去の回答を行う。ここで、現在の回答とは、例えば最近2〜3年の行動情報であり、現在の脳成長傾向を把握するためのものである。過去の回答とは、例えば学生時代までの行動情報であり、脳形成の土台の傾向を把握するためのものである。
(出力部)
出力部3は、各種データを出力するものであり、各種データを表示するモニタ、ディスプレイ等の表示部7や各種データを印刷するプリンタ等の印刷部8を有する。
(通信部)
通信部4は、インターネット(TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)によるデータ転送網)やLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークと接続するための各種データの送受信を行うものであり、例えば、モデム、ターミナルアダプタ、ルータ、DSU(Digital Service Unit)等である。
なお、入力部2では、通信部4に接続された通信ネットワークを介して、被験者の回答をインターネット上に開設されたホームページのweb上で入力できるようにしてもよい。
(記憶部)
記憶部5は、各種データを記憶するものであり、データベース9を備えている。
(制御部)
制御部6は、課題・質問呈示部10、データ処理部11、データベース化部12、トレーニング指示部13、評価表示部14、検索部15を有する。
(課題・質問呈示部)
課題・質問呈示部10は、脳区分用番地や番地間ネットワークに対応するチェック回答式等の質問項目の他、課題を遂行するための問題等を表示部7に提示させるものである。脳機能を計測する手法として、本発明では被験者本人の自覚的な回答を手段としている。
これまで、大型の検査装置を用いた脳機能計測は、他覚的な生理データによるものであったが、被験者の身体的負担は除去できなかった。一方、自覚的な回答による心理検査・発達検査・性格診断・適性診断等の各種検査では、身体的負担がない代わりに、自覚的回答のため客観性や再現性に乏しく、心理学的考察ができても、質問項目が脳区分用番地や番地間ネットワークに対応していないために脳機能評定はできなかった。また採点や診断では回答のみが重視され、課題解決方略について解析が行われなかった。
これに対し、本発明では、質問や課題等が示す内容の1つ1つを、過去の科学的知見から脳区分用番地や番地間ネットワークに対応させることで、脳区分用番地機能の推定を可能にするものである。質問項目は、頻度や程度を設定して回答させることにより、該当脳区分用番地や番地間ネットワークの使用頻度や使用負荷を定量的に評価する。課題等は、主に特定脳区分用番地や番地間ネットワークに関連する課題を提示することにより、その正答率と回答までの反応時間から該当脳区分用番地能力や番地や脳区分用番地間を結ぶ番地間ネットワークを定量評価できる。
さらに、課題解決のために用いた方略も回答させることにより、同じ課題解決に対して使用する脳区分用番地や脳区分用番地間を結ぶ番地間ネットワークが複数予測されるときも、どのように課題を解いたかを回答させることで、被験者が無意図的に使用する脳区分用番地や脳区分用番地間を結ぶ番地間ネットワークを顕在化させることで、被験者当人の発達した脳区分用番地や脳区分用番地間を結ぶ番地間ネットワーク選定の精度が増す。また方略は、設問ごとに回答させることにより、どの脳区分用番地や脳区分用番地間を結ぶ番地間ネットワークを用いた時に正答を導き出せているのかを観察することにより、問題解決に対してより精度の高い脳区分用番地ルートの選定を可能にする。
例えば、「聞こえてくる言葉を逆さ言葉にしてください」という課題に対して、答えを回答させることに加え、「どうやって逆さ言葉を考えましたか」という思考方略について回答させる。その際、「言葉を音にして逆から言った」と回答して正答できた場合には、その被験者は聴覚的方略を使っていることになり、聴覚処理に優れたタイプであることがわかる。また、「言葉を文字にして右から読んだ」と回答して正答できた場合には、その被験者は視覚的方略を使っていることになり、視覚処理に優れたタイプであることがわかる。
このように、課題や質問に対して回答させ、その正解率を算出するだけでなく、思考方略(例えば、聴覚処理なのか、視覚処理なのか等)を加味させて脳機能を数値化して算出することにより、精度の高い脳機能の評価、解析が可能となる。
(データ処理部)
データ処理部11は、算出部16と、個人解析部17と、グループ解析部18と、アドバンス(advance)解析部19と、経済的解析部20を有する。
(算出部)
算出部16は、入力部2によって入力された被験者の回答結果に基づいて、脳区分用番地毎に点数化し、被験者の脳機能を数値化して算出するものである。
例えば、「とても当てはまる」の場合は6点、「まあ当てはまる」の場合は5点、「少し当てはまる」の場合は4点、「あまり当てはまらない」の場合は3点、「ほぼ当てはまらない」の場合は2点、「全く当てはまらない」の場合は1点として、図2に示す脳区分用番地や脳区分用番地間を結ぶ番地間ネットワークの問題に対する被験者の得点を加算していき、現在のスコア、過去のスコアをそれぞれ算出する。
(個人解析部)
個人解析部17は、算出部16による算出結果に基づいて、被験者毎の脳機能を解析し、診断情報を作成する診断情報作成部21と、診断情報作成部21により作成された診断情報に基づいて、被験者に対する育脳改善アドバイス情報を作成する育脳改善アドバイス情報作成部22とを有する。
診断情報作成部21は、診断情報として、例えば脳区分用番地カルテ23と、脳区分用番地個性24とを作成する。
脳区分用番地カルテ23では、脳機能イメージングのために、個々の脳区分用番地や脳区分用番地間を結ぶ番地間ネットワークの使用頻度、使用負荷、発達歴などを評価することで個々の脳区分用番地機能の評価を行うことを目的とする。
これまで、脳区分用番地機能を個別に評価するには、生理データを取得する大型の検査装置を用いるのが一般的であり、被験者の身体的負荷が高かった。ただ本来、脳区分用番地機能を個別に評価するには、MRIの鑑定やCOE計測以外には、そもそも脳区分用番地機能の個性を定量的に評価する方法はなかった。
これに対し、本発明では、脳区分用番地が果たす各種機能を質問項目に落とし込んであるため、多角的な質問を総合して、脳区分用番地機能を推定することができる。1つの脳区分用番地に対して複数の設問を用意して、その脳区分用番地が使用される場面や頻度、程度、負荷を定量する。例えば、1つの脳区分用番地に対して5つの設問があり、それを6段階の程度のうち該当する程度を回答させた場合、その脳区分用番地力は、(質問5問分の回答の点数換算)*(5/3)(単位:%)で求められる。スコアに応じて、分析結果をテキストでも解説する。
また、脳は形を変えながら成長していくメカニズムがあり、その成長に応じて脳機能も発達していく。従って過去のスコアも別に算出する必要がある。生理データを用いた脳機能イメージングでは、過去の脳機能だけを抽出してイメージングすることができなかった。同じく、自覚的応答を用いる心理検査や質問式テスト等も、もともと脳機能をイメージングするものはなく、過去と現在を分けて得点するものはなく、過去の情報を抽出するテストや検査はなかった。
これに対し、本発明では、過去について設問に解答させることで、想定した過去の時点での脳機能イメージングが可能である。たとえば、1つの脳区分用番地に対して5つの設問があり、それを6段階の程度のうち該当する程度を回答させた場合、その過去の脳区分用番地力は、(質問5問分の回答の点数換算)*(5/3)(単位:100%)で求められる。スコアに応じて、分析結果をテキストでも解説する。
また、脳は頭蓋骨に囲まれた閉塞空間であり、過去に育てた脳区分用番地(皮質)や枝ぶり(白質)の上に、新たな成長が積み重ねられていく解剖的構造を持っている。従って、過去の脳の経験は、脳に形態的に保存される性質をもつ。そのため、個性を表現する脳機能イメージングでは、過去から現在への脳機能の変遷を評価することで、個人特性と以後の方針の精度を上げることが可能である。
上記の数式で算出して得られた例えば(現在の脳区分用番地力)+(過去の脳区分用番地力)が表す脳区分用番地力を、現在の持てる脳区分用番地力として求める。これは、過去に蓄えられた脳区分用番地力の上に、今育てている脳区分用番地力を描いてイメージング画像や分析結果として表示する。下部にはMRI水平断面等を置き、レーダーの各項目は、MRI上の脳区分用番地の位置と近くなるように設定されており、できるだけ実際の脳の成長の形と相似するように表示する。あるいは3D画像で脳区分用番地とそれを結ぶネットワークを再構成して表示する。スコアに応じて、分析結果をテキストでも解説する。
図3は、本発明の現在と過去を分離した脳機能イメージング分析結果である脳区分用番地バランスを示す説明図である。
図3において、グレーが過去の脳機能得点、グレーと黒の境界からが現在の脳機能得点を示す。全体の輪郭がトータルのスコアである。背景画像はMRI脳画像とし、変数(この図では1〜10)はそれぞれの機能とMRI上の解剖位置がほぼ一致するように配置することで、右脳と左脳のバランスや機能ごとの得意・不得意を視覚的に表せることに加え、MRI脳画像上に映し出される機能情報(皮質や白質の発達程度)との対比がおおよそ可能になる。

図4は、本発明の脳区分用番地の能力発揮タイプを示す2次元平面図である。
図4において、太実線で表示される四辺形の図形は、4つの変数(直観力、論理力、能動性、受動性)のスコアを座標上にとった点を結んでできる図形であり、太破線は被験者の全脳区分用番地の平均値(脳区分用番地カルテで算出)である。この平均値から±1SDの隔たりを判定し、個人の得意・不得意な脳区分用番地態度を示す。
本発明では、診断および育脳とそのトレーニングの要素が加味されていることから、現在と過去の脳区分用番地力スコアから求められるトータルスコアだけでは十分な個人特性や脳の成長歴を読み取ることができない。脳トレーニングの装置はこれまでにもあるが、本人の脳診断をもとにした装置はなかったし、育脳の視点から脳の成長歴を算出するテストもこれまでなかった。
上記得られた(現在の脳区分用番地力)+(過去の脳区分用番地力)が表す脳区分用番地力を用いて、脳区分用番地ごとの成長率を算出する。成長率は、例えば、(現在スコア−過去スコア)/(過去スコア)×100(単位:%)で求めることができ、各種の表やグラフで表示できる。
例えば、図3の矢印で示した変数5と変数8(変数は脳区分用番地機能系に対応)は、ともに脳区分用番地力としては高得点であるが、変数5はトータルスコアに対する過去スコアの割合が高く、反対に変数8は現在スコアが高い割合である。これは、変数5の脳機能は主に過去において発達したものであって現在はほとんど使用していない脳区分用番地であり、変数8は過去には苦手であった機能を現在では頻繁に使用して機能が向上していることを示している。成長率によって、変数5のように今後委縮しそうな脳区分用番地と、過去の苦手を克服して成長している脳区分用番地を、同程度のスコアから分離することができる。スコアに応じて、分析結果をテキストでも解説する。
図5は被験者である対象者Aの脳区分用番地カルテの結果例を示すグラフである。図5において、円の周りの軸は、変数1〜18(図2参照)に対応し、値0〜100は脳区分用番地スコア(%)を示す。
図5に示すように、被験者である対象者Aは、主に右半球の意思系番地(変数1)、感情系番地(変数2)が特に発達しており、加えて右半球の運動・感覚系番地(変数5)と知識集積系番地(変数6)と視覚系番地(変数9)も優れている。しかし、両側の記憶系番地(変数7・12)と情報処理系番地(変数8・11)及び、左半球のほぼすべての番地は未熟であることがわかる。
図6(A)〜(C)は、被験者である対象者A、B,Cの総合脳区分用番地力の例を示すグラフである。脳区分用番地変数が18の場合)。(過去の脳区分用番地力+現在の脳区分用番地力)によって、総合脳区分用番地力が求められる。
図7(A)〜(C)は、被験者である対象者A、B,Cのそれぞれについて、右図が現在の実際の総脳区分用番地力と、過去脳区分用番地力から推定(成長率=0%の脳区分用番地力を現在スコアとして総脳区分用番地力を算出)した現在のシミュレーションとのギャップ図、左図は成長率のプロット図を示すグラフである。
過去の行動や学習パターンが維持されれば、過去の成長パターンを維持して振幅値だけ増幅した現在のシミュレーションスコアと一致するはずだが、実際の現在の総脳区分用番地力とのずれが、近年の脳区分用番地における機能成長や萎縮を表す。例えば対象者Bの場合なら、変数18(意思系番地)が、シミュレーションスコアから逸脱していることから、近年よく成長していることがわかる。
また、左図の成長率プロットのグラフから、成長パターンが視覚化できる。この円チャートそのものが、実際の脳区分用番地の位置を2次元上でできる限り再現して変数を配置しているので、例えば対象者Aなら、(A)のグラフから右半球後部と左半球前部が成長し、逆に右半球前部と左半球後部が成長率の伸びが低いことが読み取れる。対象者Cは、(C)のグラフから脳区分用番地力を全般的に維持しており、左右の前頭葉系脳区分用番地を中心にわずかながら成長していることがわかる。
脳区分用番地個性24は、個々の脳区分用番地の使用頻度、使用負荷、発達歴などに基づく脳区分用番地機能評価をベースに、テスト使用の目的に応じて、性格、思考や行動パターンの傾向、適正、スキル等を分析する。
個人の特性として一般的に右脳・左脳というタイプ分けは既に広く知られているが、この右脳・左脳は神経科学に基づいたものではなく、特に皮質や白質の成長具合によって判定されていない。しかしながら本来、個人の脳は形を変えながら発達するため、個人の経験によって左右の皮質や白質形成に差異が生じ、それに応じて機能的な得意・不得意として露呈するものである。心理テストなどの非科学的なテストで判定するには精度も低く、妥当性と信頼性に欠ける。
本装置の課題や質問は、脳区分用番地ごとに作成されているが、左右の脳区分用番地機能の違いも設問に反映させていることから、左右の脳区分用番地機能を区別して評価することができる。そのため、機能評価を左右の脳に当てはめ、優位な左右脳を評価することができる。また脳を前頭葉に位置する脳区分用番地と、側頭葉・後頭葉・頭頂葉に位置する脳区分用番地に2区分した上で、それぞれの区分での左右の優位性を算出することで、前頭葉の思考・実行系における左右の優位性と、前頭葉以外の処理・分析系の左右の優位性を分けて評価し、個人特性をさらに詳細に解析するものである。
これまで、個人の脳機能をベースにした能力分析テストはなかった。また、心理テストなどは、性格診断、適性診断などはすべて個別の独立したテストしかなかった。本装置は、被験者の回答から脳区分用番地カルテを作成し、その結果から別のテストを実施することなしに、性格、思考や行動パターンの傾向、適正、スキル等の分析を行う。
上記によって導かれた前頭葉の思考・実行系と、前頭葉以外の処理・分析系の結果を用いて、2次元平面を描くと、幾何学的に被験者の能力タイプを分析できる。たとえば、脳を前後左右に区分すると、脳機能としても論理的⇔直観的、能動的⇔受動的といった2軸を表すことができる(図4参照)。これらの2軸からなる2次元平面上の図形の4つの頂点を、平均値から±1SD以上離れているかどうかを判定すると、この分析結果は、単純に考えても約80パターンをとり、すべての人をその脳区分用番地の使用特徴によってタイプ分類することができる。
これまで、個人の特性を判定する心理テストなどは、すべて既存のテストが用いられ、テストを実施する団体や個人にとって必ずしも合致した分析結果や変数が用意されているものではなかった。
本発明では、データ処理の初期段階で、個々の脳区分用番地スコアを算出しているため、その数値を用いて演算を行うことのできる変数ならば、テスト実施者のニーズに応じた分析が可能である。このオーダーメイドのスキル分析は、テストを実施する団体や個人のテストに対する目的の他、年齢や性別、職種などによって分析対象とするスキルを構成することができる。1つのスキル分析には、該当スキルに関連する複数の脳区分用番地スコアが用いられる。また被験者に実施した課題遂行によって得た結果を用いて、よりそのスキルに近いスコアを加味することができる。その課題や設問も、ニーズに合わせて選択可能とし、ニーズと生理的メカニズムにより近いテストを、実施側からもオーダーを出せるシステムである。これらの結果は、各スキル毎にスコアとして算出されるほか、複数のスキルの得意不得意を樹形図で判定し、タイプ分類をすることができる。
脳区分用番地個性24としては、平均脳区分用番地力、最も得意な脳区分用番地、あまり使っていない未熟な脳区分用番地、成長率の著しい脳区分用番地、伸び悩んでいる脳区分用番地等が挙げられる。
また、左右の脳の脳区分用番地力を比較して、左右の脳の優位性を判定してもよい。
例えば、脳区分用番地力から算出される左右脳の機能系能力の優位性は以下のように求められる。
[(L:左半球脳区分用番地スコア)-(R:右半球脳区分用番地スコア)]/ [(L:左半球脳区分用番地スコア)+(R:右半球脳区分用番地スコア)]
ここで、左半球優位型はL≧0.15,
左右バランス型は0.15>LR>-0.15, 右脳優位型はR≦-0.15として判断される。
図8(D)は対象者A,B,Cの左右半球機能の判定例を示す表である。
右半球を直観的機能系、左半球を論理的機能系、前頭葉機能を能動性、側頭・頭頂・後頭葉機能を受動性とすると、それぞれの脳区分用番地力の合計によって、対象者A,B,Cについて図8(A)〜(C)のグラフが得られる。図8(A)〜(C)では、平均脳区分用番地力のプロット、スコア座標を結んだもの、±1標準偏差をプロットしたもので、±1SDを逸脱している機能系の判定をするためのものを表示している。ここで、±1SDよりスコアが高い場合は優れた機能系、±1SDよりスコアが低い場合は未熟な機能系として判定される。
図8(E)は、対象者A,B,C3名の左右半球機能の判定例を示す表である。
また、脳区分用番地のスキル分析として、例えば「言語力を中心とした論理力」、「リーダーシップ力」、「視覚的情報処理力」、「聴覚的情報処理力」等のスキルに対してスコア化したり、「社会性、発語力、視覚系、聴覚系、視覚聴覚混合系」等の観点から被験者の脳のタイプを複数に分類してもよい。
スキル分析は、分析目的に該当する脳区分用番地を選定し、その脳区分用番地力や課題スコアや方略を用いて診断する。
図9(A)はスコアに対する判定の例、(B)は被験者の脳のタイプを社会スキル、情報処理スキルの見地から12型に分類するために用いられる樹形図である。
被験者である対象者Aは、図9(A)に示すように、発話力に課題があるが社会性には概ね優れている、視覚情報処理を得意とするタイプである。この例では、H(High)とL(Low)の判定は、各階層の能力値70%を基準として、基準以上の場合はH、基準未満の場合はLとしている。
また、図9(B)に示す樹形図において、V(視覚系)とA(聴覚系)とAV(視覚及び聴覚の混合系)の判定は、S=(聴覚処理のスコア-視覚処理のスコア)/(聴覚処理のスコア+視覚処理のスコア)の式において、
S<-0.3のときはV、-0.3≦S≦0.3のときはAV、S>0.3の時はAと判定している。
また、脳区分用番地力から、その人が主に用いている脳区分用番地を算定し、脳区分用番地(皮質)同士は白質によってネットワークを形成していることから、実際の番地間ネットワークが存在する脳区分番地間のネットワークを土台として、その人の思考回路のイメージングを作成することができる。脳区分用番地力の高さは、思考回路イメージングでは脳区分用番地の面積や色の濃淡として表現され、ネットワークの強弱は、脳区分用番地力の強さによって、脳区分用番地の発達順序や進化順序から作成される脳区分用番地階層(低次→高次、高次→低次)間の高頻度経路や吸引力としても表現される。
図10は、脳区分用番地の入力から出力にいたる経路で主に経由する脳区分用番地間をネットワーク(思考回路)として表示した説明図である。図10に示すように、主に使用するネットワークは、その経路を太く表示したり、距離を短く表示したり、矢印の向きによって方向性を表示してもよい。経路図は、入力系→内部処理系→出力系の順に脳区分用番地を配列してもよいし、目的に応じて別の経路図を作成しても良い。
図11は、脳の枝ぶりの成長の特性を視覚的に明確になるように表示した説明図である。図11に示すように、脳区分用番地間の枝ぶりをスコアとして算出して、書き加えていくことで、脳の枝ぶりの成長の特性が視覚的に明確になる。
育脳・改善アドバイス情報作成部22は、上記の脳区分用番地カルテ23及び脳区分用個性24の結果から、テスト使用の目的に応じて、育脳のアドバイスを行う。アドバイスの中には、育脳方針が含まれ、本装置を用いてトレーニングまで行う場合には、トレーニング指示部13で選択される個々のトレーニングメニュー等の表示も行う。
これまでの脳のトレーニングに関する本、ドリル、ゲーム等は、一般的なトレーニング方法を紹介してそれを実施させる方式をとっていたので、個人の脳特性に合致した育脳アドバイスやトレーニングプログラムの構成ができるシステムはなかった。
これに対し、本発明では、個々の脳区分用番地スコアと、それらを用いた分析結果に基づき、個人の脳の成長経過を把握したアドバイスやトレーニングメニューの提案を行う。
例えば、被験者である対象者Aは、図5からわかるように、主に右半球の意思系番地(変数1)、感情系番地(変数2)が特に発達しており、加えて右半球の運動・感覚系番地(変数5)と知識集積系番地(変数6)と視覚系番地(変数9)も優れている。しかし、両側の記憶系番地(変数7・12)と情報処理系番地(変数8・11)及び、左半球のほぼすべて脳区分用番地は未熟である。このような場合、アドバイスとしては、「仕事などで能力を生かすには、右半球の得意な能力を生かす創造的で、かつ視覚的情報処理を必要とする、新開拓事業のアイディアマン的職種に適している。」等となる。
逆に話を聞いて理解を頻回に行ったり、事務的な作業を要する職種につくと、能力を発揮できずストレス状態に陥る可能性がある。しかし、脳区分用番地トレーニングの観点から考えると、左半球の脳区分用番地の開発が必要で、特に聴覚系の情報処理や言語理解が最も必要なトレーニングである。
したがって、トレーニングメニューとしては、ディクテーション、逆さ言葉、非言語音の聞き取り等となる。なお、このトレーニングメニューは、後述するトレーニング指示部13で提示される場合もある。
(グループ解析部)
グループ解析部18は、算出部16による算出結果に基づいて、被験者に属するグループに関するグループ診断情報を作成するグループ診断情報作成部25と、グループ診断情報作成部25により作成されたグループ診断情報に基づいて、グループに対する編成アドバイス情報を作成する編成アドバイス情報作成部26とを有する。
グループ診断情報作成部25は、例えば脳区分用番地カルテ27と、脳区分用番地特性28とを作成する。
脳区分用番地カルテ27は、グループとしての脳機能イメージングのために、グループに属する個人の脳区分用番地カルテ23の結果を参照することで、グループの脳区分用番地機能の評価を行うことを目的とする。
これまで団体の組織力を、その構成員の脳特性をもとに算出するテストはなかった。そのためグループが潜在的に有している構成員の能力を集合体として捉えることができず、組織の構成や人員の補充方針などは、組織が持つ集合脳機能に基づいていなかった。
本発明では、グループの構成員の脳区分用番地カルテ23の値から、グループの脳区分用番地カルテ27を作成する。グループの脳区分用番地カルテ27は、構成員の脳区分用番地のスコアの扱いによって複数の表示が可能である。
図12(A)〜(D)は、脳区分用番地カルテの具体例を示す説明図である。例えば、図12(A)に示す重ね書き法(脳区分用番地力の層の厚さを見るのに適する)、図12(B)に示す加算法(脳区分用番地力の合算)、図12(C)に示す平均法(構成員の平均脳区分用番地力)、図12(D)に示す重みづけ法(代表者等の重要人物のスコアに重みづけをする。a,b,cのうち、bを重みづけする場合、(a+b+b+c)/4となる)等がある。
脳区分用番地特性28は、上記の脳区分用番地カルテ27をベースに、テスト使用の目的に応じて、グループの特徴やスキル等を分析する。
従来、グループ全体の脳機能としてのスキルを知るテストはなかった。
本発明では、テストの目的に合わせて、変数を作成し、脳区分用番地スコアを用いて算出することができる。
編成アドバイス作成部26は、脳区分用番地カルテ27及び脳区分用番地特性28の結果から、テスト使用の目的に応じて、グループ全体としての秀でた機能や、強化すべき機能などのアドバイスを行う。アドバイスの中には、グループの編成方針が含まれ、グループに過不足している構成員を表す脳区分用番地カルテやスキル分析の表示も行う。
これまで企業の人事などは、脳科学的な視点から行われていなかったため、目的に応じたグループ編成の妥当性が明確でなかった。
本発明では、グループに過不足している要素を、構成員の脳機能から算出する。その要素を脳区分用番地機能に置き換えた上で、補充あるいは削減する人員の特徴を数値として表わす。
例えば、対象者Aは右の前頭葉に位置する脳区分用番地系が発達している人物、対象者Bは左半球の後部に位置する脳区分用番地が広範に発達している人物、対象者Cは左半球の前頭葉系と右半球後部脳区分用番地が発達している人物であるとし、この3人から構成される集団の脳区分用番地力は、脳区分用番地力80%を境にすると以下であったとする。
優れている脳区分用番地力:左右意思系、左右感情系、右運動・感覚系、右知識集積系、左操作指令系、左実行準備結合系、左記憶系、左右情報処理系、聴覚系、視覚系
未熟な脳区分用番地力:右操作指令系、右実行準備結合系、右記憶系、左知識集積系、左運動・感覚系
上記の例の場合、いずれの構成員も意欲が高く、独自の視点からの発想力とそれを説明する言語能力は安定している。新規事業開拓における企画・開発に適した集団構成である。しかし、現在の構成員のままでは、高い発想力を実現する過程で、知識や記憶を活用することに難があることから、プロジェクト推進過程での方略が特定化されてしまう可能性が高い。
従って、編成アドバイスとしては、例えば「未熟な脳区分用番地力を補う人物の補充が好ましい。特に右操作指令系と左知識集積系の脳区分用番地力が発達している人物は、発想を実現化していく過程で知識の活用という点で貢献することが見込まれ、この集団形成においては仕事やプロジェクトを推進する上で重要な位置を占める。」となる。
図13(A)〜(D)は、編成アドバイスの例を説明するための説明図である。図13(A)は、現在の集団脳区分用番地力(平均脳区分用番地力 61.7)を示すグラフ、(B)は目的の能力集団にするために必要な補充人員の脳区分用番地力であり、集団としての不足脳区分用番地力(平均脳区分用番地力 65.0)を示すグラフ、(C)は理想脳区分用番地力を持つ人員が集団構成員になった場合に想定される集団脳区分用番地力(平均脳区分用番地力 62.6)を示すグラフ、(D)は各変数に対する不足脳区分用番地力を示す表である。
集団の脳区分用番地カルテ(図13(A)参照)から、この集団としての未熟な脳区分用番地力(図13(B)参照)を補い、この集団を平均80の脳区分用番地力を有する集団にするためには、図13(B)に示されたような人物が最適である。現在の集団(A)が、人員(B)を構成員として迎えると、目標に近い平均80の脳区分用番地力を有する集団(C)になる。求め方の例は、集団脳区分用番地力の平均をもとめ、目指す脳区分用番地力との差をとる。差の平均値を、集団脳区分用番地力の平均値に合わせると図13(C)に示すグラフが求められる。
また(B)を満たすために複数の人員が構成員候補となってもよい。
(アドバンス解析部)
アドバンス解析部19は、個人やグループの脳区分用番地特性を基に、さらに詳細な解析を行うことによって、よりニーズに合致した精度の高い情報を得るものであり、例えば、MRI参照診断部29、COE参照診断部30及びシミュレーション部31を有する。
MRI参照診断部29は、脳区分用番地カルテ23,27をベースに、テスト使用の目的に応じて、個人やグループの特徴やスキル等を、MRI脳画像から読み取れる実際の脳情報と比較分析することで、さらに詳細な診断を行うものである。
自覚的な応答による診断テストは、その客観性や妥当性などを証明する手法が統計処理などに限られており、生理現象との結びつきが希薄で、信頼性に欠ける点があった。
本発明の脳区分用番地カルテ23,27は、脳の解剖的かつ機能的区分である脳区分用番地に基づいて算出される。そのため、実際のMRI鑑定の結果をスコア化すれば、本発明によるSRI(Self Return Brain Imaging)とMRIとの間で、同じ脳区分用番地機能についての評価の比較が可能である。本発明によるSRIは被験者本人の質問項目に対する自覚的評価なのに対し、MRIは他覚的・生理的・科学的評価である。これらを差分することによって、各脳区分用番地機能に対し、被験者の本人評価の妥当性を数値として表わすことができる。
SRI(自覚的評価)とMRI(客観的評価)の乖離は、結果的に自己評価の過不足を示すデータとなることから、育脳的観点から非常に有用な情報となる。例えば、自覚的評価と客観的評価が同じ場合には、事実と同じ目線で自己評価していることになる。自覚的評価の方が低い場合は、効力感が低いために潜在的に脳として持てる能力を発揮できていない可能性がある。逆に自覚的評価の方が高い場合には、実際の能力を高く見積もっているために、自己の達成度などに現実とイメージとのギャップが生じている可能性があり、その状態が長期間持続することは好ましくない。従って、その乖離した脳区分用番地機能についてトレーニングや自己意識の改善をアドバイスすることができる。
MRI鑑定の結果をスコア化する例としては、例えば、本出願の発明者の一人である加藤が発明し、出願した白質強調処理装置(特願2007−173550号)を用いる。この装置は、MRI装置により撮影された生体の脳のコントラスト画像に基づいて、白質を目立つように、かつ皮質を目立たないように調整することにより、白質を強調した白質強調画像(枝ぶり)を表示させるものである。
図14(A)〜(D)は、脳回の発達成長過程における脳の白質を強調した白質強調画像(枝ぶり)をステージに分類した例を説明するための説明図、(E)はステージをマッピングした例を説明するための説明図である。図14(A)〜(D)に示すように、脳の枝ぶりの先端をステージ1〜4に分類して、図14(E)に示すように、そのテンプレートに対応した成長のステージマッピングを行うことで脳全体の枝の発育状態を数値化できる。
すなわち、まず、ステージ判定をして、MRI脳画像から画像面積としてピクセル数、あるいは、体積としてボクセル数を算出し(ステージ数)×ピクセル数(ボクセル数)として数値化する。
図15は、学習脳適性検査におけるMRIとSRIの検査結果を数値化して比較した例を示すグラフである。図15に示す例では、MRIでは、ステージ4のテンプレートを作成し、そのテンプレートの面積、あるいは体積を基準に100%として、該当する脳区分用番地の枝ぶりの面積を%で算出したものを点線で示すとともに、本発明によるSRI(自己申告)検査から算出したものを実線で示す。
図15からわかるように、左聴覚系と聴覚理解系脳区分用番地は黒線が点線を上回っているので、実際の枝ぶり成長よりも主観(自己評価)が勝っていると判断できるが、右の脳区分用番地は、視覚系、聴覚系とも自己申告よりも高いので、自己分析の客観力に欠けている(自己評価が低い)ことが分かる。
試験者本人が、聴覚理解が得意なので、耳学問しようとしていたが、実際は、視覚系が強く、目で読んだり、見たり、イメージを掴んだりするほうが得意で、聴覚系も言語系の聞き取りより、非言語音の聞き取りが強いことがわかる。
したがって、聞き取りだけで理解するのではなく、視覚認知を利用した情報収集をしながら理解することが容易であることが分かる。
COE(Cerebral functional mapping of Oxygen Exchange:脳酸素交換機能マッピング)参照照診断部30は、脳区分用番地カルテ23や脳区分用番地個性24をベースに、テスト使用の目的に応じて、個人やグループの特徴やスキル等を、COE計測データから読み取れる実際の脳情報と比較分析することで、さらに詳細な診断を行うものである。
ここで、COEとは、酸素交換度などの定量解析を特徴とした、大脳皮質の酸素交換機能計測法の学術名である。
自覚的な応答による診断テストは、その客観性や妥当性などを証明する手法が統計処理などに限られており、生理現象との結びつきが希薄で、信頼性に欠ける点があった。
本発明では、COE計測は、課題遂行における大脳皮質の酸素利用効率を定量化できる生理計測法であり、測定デザインは自在にアレンジ可能であることから、SRIの課題遂行から得られた結果や方略について、生理データとして示すことが可能である。
SRIでは被験者本人が問題解決の方略を自覚的に回答するのに対し、COEでは解決方略を、酸素利用の観点から実際に使った脳区分用番地の選定と負荷量を示すことができる。これらを比較検討することによって、任意の問題解決に際して、被験者の本人評価の妥当性を評価するとともに、方略に対する問題解決の精度を数値として表わすことができる。
COE結果の参照診断の例は以下のようになる。
1)特定脳区分用番地における酸素交換の効率性の評価
酸素交換度、L値、FORCE時間と正答率の精度を対応させて、脳区分用番地機能のキャパシティを評価する(L値が小さく、FORCEが小さいのに正答率が高ければ、キャパシティが高い、たとえば逆さ言葉の課題なら、変数16の効率が高ければ、言語対応能力のキャパシティが高い)
2)酸素交換の側方化の評価
左右対称部位の酸素交換度、L値、FORCE時間と正答率の精度を対応させて、左右の脳区分用番地を方略的にどのように用いているのかを判定する。これは、SRIで診断する思考回路と参照できる。
3)酸素交換の学習性(適応性)の評価
課題に応じて、用いるストラテジーを外的に変容させることで、酸素交換度、L値、FORCE時間と正答率の精度を対応させることで、順応性のスピードを判定する。課題に対する該当脳区分用番地での酸素交換度、L値、FORCE時間の値が一定値に戻るまでにかかる試行数で判定する(1回目は酸素交換が高いが、何度も繰り返すことで、生体反応は小さくなるから、小さくなったのに正答を保持できれば、効率よく脳区分用番地を使えており、また小さくなるまでにかかる時間は、すなわち生理的適応性・生理的学習の速さになる。)。
図16(A)は、同じ脳区分用番地のCOE結果とSRI結果を比較したグラフである。被験者1は、酸素交換度K角が大きくL値も大きいが、対象者2はK角が小さくL値も小さい(左図参照)。これは酸素交換効率が、被験者2でより効率よく行われていることを示すデータ例だが、この2名の該当脳区分用番地のスコアを比べてみると、脳区分用番地力のスコアはやはり被験者2が高く、被験者2の方がより該当脳区分用番地能力が高いことがわかる(右図参照)。
ある課題(例えば単語連想)を行う場合、視覚系方略と聴覚系方略の2タイプがあるとする。図16(B)の下の脳グラフは、ある課題を解くために用いた方略数と、脳区分用番地力をプロットしたデータ例である。これを見ると、本人の自覚は聴覚系脳区分用番地力の方が高く、また課題解決のために用いられている方略も聴覚的な方略を用いている数が多い。一方、方略精度(方略内での正答率)を算出すると、当初は聴覚系方略を用いた方が精度が高いが、課題の回数を重ねると視覚系方略を用いた方が精度が高いことが分かる。これをCOE計測データを参照してみると、聴覚系方略を用いている場合は、回数を重ねても酸素交換度K角やL値がほぼ一定である。
それに対し、視覚系方略では、1回目はK角もL値も高く、かなり苦労して課題に取り組んだことが分かるが、2回目以降はK角もL値も小さくなっていく傾向が観察できる(上図参照)。これより、この課題に対する学習(適応)性の高さは、本人が得意と自覚している聴覚系よりも、むしろ視覚系番地でより高いことが明らかとなる。
シミュレーション部31は、脳区分用番地カルテ27や脳区分用番地特性28をベースに、テスト使用の目的に応じてシミュレーションを行うものである。
進路や職種などは、興味や関心で選択するか、心理的適性検査が用いられたり、あるいは進路選択のための進路適性検査システム(特開平5-307352号公報)等があった。興味関心だけでは能力特性が加味されず、クレペリンテストのようなある作業に特化したテストでは、被験者の能力解析には至らない。また進路適性検査システムは興味関心を重視しており、低年齢の対象者への利用には効果が期待できるが、利益損失を伴うビジネスへの応用には分析要素が不足していた。
本発明では、ある職種、あるいはある組織に必要とされるプロトタイプの脳区分用番地カルテをタスク解析によって予め作成しておき、それに対する個人の脳区分用番地カルテ23との整合率を算出する。この整合率は、プロトタイプにあらかじめ設けてある必要スコアの範囲に対して、個人の各脳区分用番地スコア23がその条件をどのくらいの精度で満たしているのかを、標準偏差の隔たりでスコア化し、イメージング画像として表示する。
このシミュレーションでは、本人の興味や関心に従って、複数の職種や、同じ職種でも会社組織等によってシミュレーションが可能である。同じ業種でも組織によってプロトタイプが異なる可能性もあるため、自分の現在の脳区分用番地能力に最も合致した職種や組織を客観的に選択することができる。
また、組織を編成する場合に、過不足している人員の脳区分用番地カルテの判定までは編成アドバイスによって可能であったが、その過不足脳区分用番地カルテにぴったりと合致する人員がすぐに見つかるとは限らない。組織編成は、組織にとっても構成員にとっても、相性が悪ければリスクとなる危険性も高く、事前に構成員と組織との合致性を知る必要がある。
本発明では、組織編成をする組織は、編成アドバイスで算出された過不足脳区分用番地と、構成員候補の脳区分用番地カルテや脳区分用番地個性のスコアを、シミュレーションにより合致率を算出することができる。また、脳区分用番地カルテ27と脳区分用番地特性28を用いた場合には、ある人員をその組織の構成員とした時の、全体に及ぼす脳区分用番地カルテ27と脳区分用番地特性28の変化をシミュレーションすることができる。これによって、組織が求める構成員を選択することができる。
また、個人がある組織で長期間過ごした場合、その環境要素によって個人の脳区分用番地スコアや脳区分用番地個性が変化することが予測される。しかし個人が、ある組織の構成員になったときの自分の脳への影響を予め知ることはできなかった。
本発明では、ある組織、またはある職種に携わる複数人の脳区分用番地カルテ27や脳区分用番地特性28を用いて、その組織や職種に属する人の傾向を算出し、その代表脳区分用番地カルテを予め作成しておく。そのカルテと、個人の脳区分用番地カルテを照合することにより、一定期間その個人がある組織に属した場合に予想される脳区分用番地カルテや脳区分用番地特性の変化予測カルテを作成する。基本的には、現在の個人スコアに、代表脳区分用番地カルテのスコアを加算するが、個人の全体のスコアのレンジに合わせて脳区分用番地ごとに成長率をスコア換算した上で加算する。この未来の脳区分用番地カルテのシミュレーションによって、属する組織を個人が選ぶ際の情報の1つにすることができる。
また、育脳という観点においては、個人や組織が、持てる能力の理想と現実とのギャップを知ることで、トレーニングメニューを自分で組み立てたり改良したりすることができる。これまでは、能力の判定が技能やテストの得点によって行われてきており、その技能やテストは複数の脳区分用番地を用いる複合的なテストや課題であるため、結果が脳区分用番地に落とし込まれておらず、理想のためにトレーニングすべき脳内の要素(脳区分用番地)を知ることができなかった。
本発明では、あるいは組織が、理想の脳区分用番地カルテを予め作成し、そのカルテと、実際の脳区分用番地カルテ23,27を照合する。
照合は、たとえば成長率を用いれば、
[(現在の脳区分用番地スコア)−(理想の脳区分用番地スコア)]/(現在の脳区分用番地スコア)×100(単位:%)のように計算できる。
またある場合には、理想の脳区分用番地カルテから偏差値を算出し、
(偏差値100=理想の脳区分用番地スコア平均)、
現在の脳区分用番地スコアとのギャップを偏差値として表示することもできる。
また、現状と目的とのギャップを脳区分用番地から、定量的に判断し、現状のままの脳区分用番地の使い方で未来(例えば半年、1年経過後した場合)の結果予測を行うこともできる。
ある集団に属す構成員の脳区分用番地カルテ23や脳区分用番地個性24の傾向を統計的に把握することで、これからその集団に属す人の脳区分用番地力や脳区分用番地個性の変化予測ができる。もしも集団に入って1年目、2年目・・・などの評価時期を決めて、年次や月次の脳区分用番地カルテから、その集団の成長傾向を把握すれば、1年後のシミュレーション、2年後のシミュレーションなどが行える。つまり、どのくらいの期間、その集団に属すと、それくらいの脳区分用番地力の変化があるのかをシミュレーションすることも可能である。
図17(A)の上図は、集団構成員の「左記憶系番地」の成長率(%)の変化を示すグラフ例、下図は集団参加によって「左半球記憶系番地」の5年後の変化予測カルテを示すグラフ例である。図17(A)の下図の黒い部分は、この集団の構成員になった場合、5年後に成長していることが推測される脳区分用番地と程度を示す。
また、理想の脳区分用番地カルテを「こうなりたい」という回答方式によって質問項目によって作成し、現在の自分の脳区分用番地力と比較してもよい。差分結果の脳区分用番地力を算出すれば、すなわちトレーニング強化が必要な脳区分用番地の選定とトレーニング量が決定できる。
図17(B)は、左から順に理想の脳区分用番地力、現実の脳区分用番地力、トレーニング用の脳区分用番地力を示すグラフである。
(経済的解析部)
経済的解析部20は、タスク解析部32と脳内マーケティング部22とを有する。本発明のSRIは回答者による自覚的な応答を用いて、脳機能を分析・診断し、脳機能イメージングを行うことを特徴とするシステムであるから、解析対象を人の脳ではなく、業務の脳区分用番地特質を抽出したり、脳に対する製品・サービスのマーケティングに用いることができる。
タスク解析部32は、任意の業務やタスクを遂行するにあたり、どの脳区分用番地に、どのくらいの負荷が伴うか等の、脳区分用番地に対するタスクの特性を抽出するものである。
これまで実際の業務内容やタスクが、どのように脳に作用するのかを知る方法は、生理的脳機能イメージング装置を用いる方法しかなかった。この方法は被験者の身体的負荷を除去できなかった。
本発明では、業務内容を、主に使用する脳区分用番地と、その脳区分用番地にかかる負荷に換算して解析することができる。分析は、業務内容やタスクに精通した被験者が質問に回答して行う。より精度を上げるために被験者を複数人用意し、データのばらつきを加味する。
例えば、人募集や採用情報は、業務内容の説明にタスク解析結果を用いることで、募集内容が明確化される。また、各種トレーニングメニューが、脳のどこにどのくらい効果が見込まれるのかを予めドリルやトレーニング装置に表示できる。
脳内マーケティング部33は、対象製品に関わる脳区分用番地をチェック式質問から抽出し、製品がどのように脳区分用番地に作用するのかを分析し、イメージングしたり、ラベリングするものである。
従来、製品に脳への効能や作用を表示するような製品やサービスが増えているが、実際に脳への作用を脳区分用番地機能に分離して示しているものはない。特に作用についての信頼性も乏しい中で、脳区分用番地機能への作用を簡便に且つ安価でチェックできるテスト診断法はなかった。
本発明では、SRIの回答方式を用いて、対象製品やサービスに関係する脳区分用番地スコアを算出する。チェックは、製品やサービスに関して十分知識のあるテスターが、質問に対し、製品を使用する際に該当する項目を回答する形式で行われ、脳区分用番地に対する作用の大小でスコアが決定される。あるいは製品の機能ごとの脳区分用番地スコアが作成される場合もある。その製品やサービスに特化した脳区分用番地カルテが作成される。
また、広告や製品ラベル等で、脳への作用を表示する際には、ただ脳と記述されるだけで、脳のどこにどのくらい作用するのかを記したラベルはない。
本発明では、その製品やサービスが作用していると考えられる脳区分用番地を特定し、その負荷量も算出したあと、その脳区分用番地と負荷量をラベルに表示するラベリングシステムを提供できる。脳区分用番地とその負荷量のデータによって、イメージング画像、グラフ、テキスト等が表示部7に表示され、粘着式(シール式)ラベルとして印刷部8によって印刷・出力される。負荷量は、イメージング画像では色の濃淡によって表わされる。
このラベリングシステムは、脳から見た機能性の判定であって、その人と製品・サービスがどの脳区分用番地で結ばれるのかを可視化し、ラベルすることによって、個人のニーズに合った物品やサービスを選ぶことができる。
図18は、発話系番地(強)と記憶系番地(弱)に負荷を与える製品のラベル例を示す説明図である。
商品やサービスをタスク解析し、その結果を製品にシールで貼ってもよい。これはその製品が、一般的にどの番地にどの程度の機能負荷をかけることが推測されるのかを表示する。番地の位置をイラストで示したり、矢印や言葉などで示してもよい。予想される負荷の強さを色の濃淡や、番地の面積で示してもよい。
(データベース化部)
データベース化部12は、データ処理部11において処理されたデータを、項目ごとに記憶部5内のデータベース9に格納させるものである。例えば、個人の脳情報は、年齢・性別・職業等に基づいてデータベース化され、組織の脳情報は業種や組織特性に応じてデータベース化される。このデータベース9は、入力部2に表示される新たな質問項目やタスクの作成に用いられたり、より精度の高いデータ処理部11の演算式の改善へと用いられる。また、後述する検索部15によりデータベース9の検索として利用される。検索システムとしての利用では、例えば社員の脳情報をプールする人材管理のためのデータベースとして利用できる。
(トレーニング指示部)
トレーニング指示部13は、主に育脳・改善アドバイス部22の結果に応じて、トレーニングメニューを選択して課題指示を出すものであり、課題指示手段34と、それを表示する表示手段35、その入力データを解析する解析手段36、解析結果して得られたトレーニング効果や脳機能の再評価を表示する再評価表示手段37とからなる。
これまでの市販の脳トレーニング装置やソフトは、ゼロ点からトレーニングが開始されるものがほとんどであるが、個人の脳は既に得意分野と不得意分野を備えるまでに成長しており、必要なトレーニングメニューは個々に異なる。しかし予め本人の脳の成長状態を知ってからトレーニングプログラムを構成するシステムはなかった。
本発明のトレーニング指示部13では、データ処理手段の解析を終えていることを前提とするため、データ処理までの工程が本トレーニングのアセスメント機能を持つ。そこで得られた個人の脳情報は、トレーニングプログラムを選定するために用いられ、得意脳区分用番地や不得意脳区分用番地の育脳や機能維持や改善を目的とするタスクを被験者に実施させることで、その目的を遂げるものである。トレーニングメニューは、育脳・改善アドバイスやシミュレーション結果など、本人の目的に応じて構成可能とする。
課題指示手段34は、トレーニングメニューである課題の指示を行う。
表示手段35は、トレーニングタスクを表示部7に表示させる。トレーニングタスクは、タスク解析部によって予め解析されているため、そのタスクに対する使用脳区分用番地とその負荷量のラベリングが行われているため、表示手段ではそのタスクのイメージング画像やラベルも合わせて表示部7に表示させる。
解析手段36は、課題指示手段によって指示されたタスクに対する入力データの解析を行う。解析手法は、データ処理部11に準じて行うものとする。また、記録されている被験者本人の以前の該当脳区分用番地データとのスコアの比較を行う
再評価表示手段37は、解析手段の解析結果を、トレーニング後の再評価として、トレーニング前のスコアと重ね書きを行って、表示部7に表示させる。
例えば、ある対象者が、言葉を聞いて理解したり、情報処理に用いる過程の脳区分用番地の強化が必要である場合のトレーニングは次のようになる。
まず、「よく聞いてください」という画面が表示部7に表示され、音声ファイルが提示され、対象者はその音声をスピーカ等の出力部3から聞く。
次いで、入力画面で聞いた言葉をキーボードの入力部2から入力する。入力結果の採点を経て、結果を表示する
その次に提示される問題では、間違えた問題を参照して、音声速度がゆっくりの問題や、文字数が少ない問題が選択され、もし正解すれば、速さや文字数が増加した難易度の高い問題が選択される。
トレーニング結果は保存され、日記のようにスコアの変遷をみられるようになる。
一定のトレーニング結果が得られれば(何日もディクテーション問題にトライして、課題の最終問題をクリアできたら)、最後にトレーニング後の推定チャートを表示する。
なお、トレーニングの指示だけでなく、脳区分用番地の使用状況、使用頻度等から、快適性を保つ自己行動への指示、環境音楽、空調の変更を促す指示等を行ってもよい。
(検索部)
検索部15は、検索条件を入力し、該当する人材や環境をデータベース化部12によって作成されたデータベースを検索するものであり、人材検索部38と環境タスク検索部39とを有する。検索条件は、単独あるいは複数の脳区分用番地のスコアや変数スコア、あるいは生理データ参照診断のスコア、シミュレーション結果のスコア、タスク解析、脳内マーケティングの結果スコア等である。例えば「聴覚系脳区分用番地のスコアが10点で、社会性変数スコアがAの人材検索」という風に入力する。あるいは、各脳区分用番地のスコアをグラフ上に描いて、脳区分用番地全体のバランスのスコアからも検索可能としてもよい。
人材検索部38は、検索条件に該当する脳区分用番地スコアの人材を検索するものである。
環境タスク検索部39は、検索条件に該当する脳区分用番地スコアの組織やタスクを検索するものである。
(評価表示部)
評価表示部14は、データ処理部11によって得られた解析結果や、検索部15によってヒットした検索結果を表示部7に表示させるものである。脳に機能イメージングを施した3D画像や2D画像、結果を表したグラフや図表、結果を解説するテキスト等を表示する。
図19(A)〜(C)は、脳区分用番地の脳のイメージを示す説明図である。
図19(A)は、脳を左側面側から見たときの基本となる脳区分用番地の配置を示すイメージ図である。
前頭葉・後頭葉優位型、側頭葉・頭頂葉・辺縁系優位型の脳のイメージ図は、それぞれ図19(B)、(C)に示すようになり、一見して、脳区分用番地の得意、不得意、成長の違いがわかり育脳アドバイスが容易にできる。
図19(B)に示す前頭葉・後頭葉優位型の脳では、番地9、10,11の前頭葉が、17,18,19の後頭葉とともに黒く大きく表示されている。しかし、番地20,21,22、38、Hの側頭葉は未熟なことが分かる。
図19(C)に示す側頭葉・頭頂葉・辺縁系優位型の脳では、番地17,18,19の後頭葉は、白く小さく表示されている。E,Hは黒く、大きく表示され、記憶、感情系番地が成長していることがわかる。
また、図10に示した実際の番地間ネットワークが存在する脳区分番地間のネットワークを土台として作成された思考回路のイメージングの結果や図11に示した脳の枝ぶり機能イメージングの結果を表示することができる。
このように、脳区分用番地の神経活動をあらわす皮質機能を解析や、脳区分用番地間のネットワーク機能、思考回路機能をあらわす白質機能及び脳の枝ぶり機能を解析し、視覚的に表示することで、育脳アドバイスを容易に相手に理解させることができる。
(フローチャート)
図20は、本発明の実施形態例に係る脳機能解析支援装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、被験者のプロフィール情報(例えば年齢、性別、利き手、利き足、利き目等)、現在の行動情報(課題や質問に対する現在の回答)及び過去の行動情報(課題や質問に対する過去の回答)を入力部2によって入力する(ステップS1)。
次いで、制御部6のデータ処理部11によって、入力された情報に対してデータ処理が行われ、データの評価及び解析(例えば、課題正答率、反応時間、思考方略等)が行われる(ステップS2)。
次いで、解析結果が出力部3により出力される。すなわち表示部7によって表示されたり、印刷部8によって印刷される(ステップS3)。
解析結果の出力としては、例えば脳の模式図等にイメージング表示したり、グラフで表示したり、結果をテキストで説明したりする。
(プログラム)
図21は、本発明の他の実施形態例の構成を示すブロック図である。図21に示すように、本発明の他の実施形態例は、本発明の実施形態例に係る脳機能解析支援装置1を制御し、上記説明された脳機能解析支援装置1の行う処理をコンピュータに実行させるプログラム40に関する。このプログラム40は、磁気ディスク、CD−ROM、半導体メモリ等の記録媒体に記録されていてもよく、通信ネットワークを介してダウンロードされるものでもよい。
本発明の実施形態例に係る脳機能解析支援装置1及びプログラム40によれば、脳区分用番地や脳区分用番地間を結ぶ番地間ネットワークを利用した脳機能解析を行うことにより、生理的検査法に用いられる検査装置を用いなくても、客観性・科学性・信憑性・妥当性の高い解析結果、育脳・改善アドバイス、グループの編成アドバイス等を提供することができる。
本発明は、上記実施の形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内において、種々の変更が可能である。
(他の実施形態例)
次に、本発明の他の実施形態例に係る脳機能解析支援装置を説明する。本発明の他の実施形態例に係る脳機能解析支援装置は、上述した図1に示す脳機能解析支援装置1と基本的な構成については共通しているが、自己の体験・行動内容等を所定の入力様式に従って記入(自己申告)し、その記入された内容(解析に必要なデータ)を入力部2によって入力して、データ処理部11により解析することにより、脳区分用番地診断・脳区分用番地トレーニング実践・トレーニングに対するアドバイスを得ることができる点を特徴としている。
なお、所定の入力様式をモニタ等の表示部7に表示させて、記入(自己申告)を入力部1によって直接行ってもよい。また、パーソナルコンピュータや携帯電話等の端末機器で入力されたデータを、インターネットやLAN等のネットワークを介して通信部4によって受信してもよい。
入力様式としては、例えば日記形式・日誌形式の時系列情報(1日の行動変化としての時系列情報または任意期間の継続的記入の時系列情報の両方を含む)である。
本発明の他の実施形態例に係る脳機能解析支援装置によれば、記入された内容を解析することで脳区分用番地診断が得られる他、脳区分用番地という観点から記入することと、記入しながら日々の行動や時間配分を自己調整(フィードバック)するという点で、記入そのものが脳区分用番地トレーニングとして作用するという新たな特徴を有する。
なお、本発明の他の実施形態例は、一般的な日記としてだけでなく、就業に関する日誌や、子どもの長期休暇中の生活日誌、医療的な患者の生活管理のための記入帳等としても活用可能である。
図22は、本発明の他の実施形態例に係る脳機能解析支援装置による入力手順の一例を説明するためのすフローチャートである。
図22に示すように、入力手順としては前段階D1、実行段階D2、途中段階D3及び最終段階D4の4段階に分けられる。
まず、前段階D1では、継続的記入の前に、脳区分用番地に関する目標や展望の設定を行う。
記入者が目標を設定するためには、脳区分用番地について知る必要があるので、システムの冒頭の表示部において、そのシステムで対象とする脳区分用番地についての解説を表示するのが好ましい。
図23は、脳区分用番地の解説の一例を示す説明図である。脳区分用番地の解説では、脳区分用番地の概要や役割、各脳区分用番地の機能等を文章、記号、図等を使ってわかりやすく表示する。
図24は目標設定に関する表示文の一例を示す説明図である。
通常の日記は主に習慣性を念頭に置いたもので、特に科学的効果や生体変化の効果をもって書くものではなかった。そのため、漫然とした日々の出来事や自己の思考・感情の記入に陥り、途中で断念したり、目的のない散文的な記述にとどまっていた。
これに対し、本発明の他の実施形態例では、継続記入期間に入る前に、成長させたい目標の脳区分用番地を記入者本人が選択する。継続的記入期間においては、自分で選択した脳区分用番地に関連する行動を軸に、24時間の過ごし方のプランを立て、実行する。目標とする脳区分用番地は1つである必要はない。この予定を立てる際に、次の日のスケジュールに目的とする脳区分用番地の課題を意図的に組み入れる。そして、それが実際に出来たかどうかを実行して反省する。
目標の脳区分用番地を選択することで、トレーニングという観点では、実践者のモチベーションを喚起し、目的を意識した集中的なトレーニングが可能となる。また脳区分用番地診断やアドバイスの観点からは、画一的な診断結果でなく、実践者が欲する自分が気になっている脳区分用番地や機能に関する情報が得られやすくなる。このように目標設定と課題設定を記入者の自由で決めさせて良いが、システムによっては目的から関係する脳区分用番地を設定してやり、それに関する課題を難易度別に提示して選択させる形でこの前段階を進めても良い。
図24の例は自由記述形式であるが、システムによっては、穴埋め式の目標設定等でもよい(例えば、運動系脳番地を記入者が選んだ場合、より具体的な目標実行プランを誘導するために、「( )を1日に( )分間、( )運動を( )週間継続する」等)。
実行段階D2では、未来(予定)、現実、事後評価等の継続的記入を行い、日記や日誌であれば毎日記入する。期間としては必ずしも経年的に行う必要はなく、自分の行動を分析するために期間限定(例えば数週間〜数ヶ月)で行うこともできる。
図25は日々のプランを記入した一例を示す説明図である。
前段階D1で設定した目標は、比較的中長期的な目標になりがちで、日々の活動に落とし込めなかったり、日々の生活変動の中で目標に関する活動がしやすい日とそうでない日があったりして、目標は掲げたものの、目標に関する努力を持続するという点に工夫が必要であった。そのため、本発明の他の実施形態例では、前日の夜か当日の朝に、その日の状況にあった活動をプランする。
これによって、忙しくてわずかな時間であっても、「明日(今日)何をすべきか」という明確なプランを自分で立てることで、プランニングに関係する脳区分用番地と、目標達成に関わる脳区分用番地を日々持続的に活動させることができる。また自分で立てたプランは、自分のペース配分が可能なので、三日坊主といった中途終了を防ぐ効果が見込まれる。
目標にした脳区分用番地に応じて、1つずつ具体的な数値目標のあるプランを立てると実行しやすくなり、より好ましい。
図26は予定(未来)と現実の記入例を示す説明図である。
脳区分用番地は経験によって時系列に沿って変化する特性を持つが、毎日の生活の中で、自分の意図通りにトレーニングや自己管理を念頭に置いた時間配分が難しく、漫然と過ごしてしまいがちになる。そうすると、どうしても自分が使いやすい脳区分用番地(既に育っている得意な番地)をより使いやすい行動パターンとなり、能力開発や目標脳区分用番地開発に結びつきにくくなる。
そこで、図26に示すように、あえて事前に24時間の時間配分を前日か当日の朝に「予定」欄に記入しておく。当日の夜には実際にとった行動を「実際の行動」欄に記入して、時系列に関する仮説と検証の手法を取り入れる。
事前に24時間の時系列をプランする効果は、仮説と検証の手法によって、システム内で行う解析を待たずに、記入者本人が日々、自己の感覚と手応えでプランと結果の違いを認識し、翌日のプランへフィードバックがかかりやすくなるという点である。トレーニング的な要素を考えると、プランと現実のギャップが与える自己の行動調整へのフィードバック効果が見込める。
図26の例では、行動の内容を記入しているだけだが、その行動にはどの脳区分用番地を使うのかを自分で分析して記入しても良いし、その脳区分用番地ごとの駆動時間を集計しても良い。また未来と現実の記録は、片方ずつでも解析可能なので、作業的負荷を考慮してどちらか一方の記述形式を採用してもよい。
図27は実際の行動に対する分類例を示す説明図である。
日記に毎日の行動を記入している場合でも、行動の内容を分析しなければ、ただの記録で終わってしまう。そこで、図27に示すように、自分がとった1日の行動がどのような活動内容にあたるのかを脳区分用番地毎に分類し、項目ごとに時間の自己集計を行う。
行動を分類する習慣や自己集計は、自分の行動パターンのバランスを自己認識するのに役立つ。脳区分用番地トレーニングとしては、あまり時間を費やしていない行動に目を向ける効果がある。また日記記入期間が終了しても、日常的に行動を分析できる力が付くと、日記を付けなくても行動分析をして自分の行動パターンや時間配分を修正できるような能力への汎化作用が期待できる。
図28は脳区分用番地ごとの評価の一例を示す説明図である。
日々の行動を漫然と書き記す記録方式では、自分の行動の善し悪しの観点が掴みにくく、バランスの把握がしづらい。そこで、図28に示すように、各脳区分用番地のパフォーマンスの質に自己評価をつける。脳区分用番地の使用例を見ながら、それぞれの脳区分用番地をどのくらい使ったのか、自分で自分の行動を分析して点数化する。加えて、ぞれぞれの活動の慣れや、疲れ具合、睡眠時間や休息時間も入力する。
これによって、先のプランと結果の対応評価や、行動分類の量(時間)分析とは違って、脳区分用番地ごとのパフォーマンスに依存した評価を行うことで、時間やプラン精度に依存せずに、脳区分用番地の活動精度を評価することができる。また活動の習慣性評価は、行動のルーチン化を評価できる。
行動のルーチン化はあるところまでは酸素使用の効率化を促すが、逆に新規性の少ない生活は疲労感や老化を招くため評価を行う。疲労度に関しては、活動の負荷状況を評価する効果がある。目標脳区分用番地に対して疲労感が全くないと、脳区分用番地の酸素負荷が軽すぎる可能性があり、逆に疲労感が連日続くと脳区分用番地に過剰なストレスがかかっている可能性などを評価できる。睡眠・休息時間は、脳区分用番地活動に対しての沈静化を評価する指標となる。
評価では、例えば、各脳区分用番地毎の点数を1〜10点の範囲にして、「いつも通り」なら5点、「まったく使わなかった」と思ったら1点、「いい使い方ができた」と思ったら10点とする。ここで、「いい使い方」とは、使った量(時間)に限らず、適度な疲労感があったり、その脳区分用番地を使った手応えが自身で感じられた、ということを意味する。
中間段階D3では、実行段階D2の継続的記入の期間に応じて中間報告を行う。
図29は中間報告の例を示す説明図である。
トレーニングや診断を意識した日記帳記入は、記入者によっては精神的・身体的ストレスを受けるような生活スタイルの急激な修正を行う場合がある。中間報告では、それまでの自由記述やチェック項目による中間反省の他、図29に示すようなな健康やストレス等に関するチェックを行うことができる。
チェック項目の自己採点によって、過度な身体的・精神的負荷を抱えている記入者の行動を修正するアドバイスを出す。あまりに過度な負荷を負っている場合には、根本的にアドバイスを行う可能性があるのと、継続するとさらに心身の疲弊感が募ることが予測される場合には、記入期間が途中であってもその時点で一旦ストップさせる効果がある。
なお、このチェックは記入期間の最終段階でも行うことができる。
また、中間段階D3は、目的や期間に応じて割愛することも可能である。
最終段階D4では、任意の継続記入期間の終了後に、最終報告(振り返りの反省等)と、目標の再設定を行う。
最終報告としては、例えば1週間を振り返り、目標脳区分用番地を掲げて、生活をプラン・反省してみた感想や今後の目標の変更点などを記入する。
目標の再設定では、例えば2週間を終えてみた後での夢や、その夢にどのように近づいたのか、さらに今後取り組みたいと思った内容を記入する。
一定期間の記入期間が終了すると、書き終わった満足感と開放感を抱く。その達成感の中で、再度、初期に立てた中長期的な目標を振り返り、新たに夢や目標を設定する。また記入が自分にとってどのような変化をもたらしたのかを、自分で意識させるために記述させる。
記入達成感の中で改めて目標再設定させることは、目標に向かって脳区分用番地を育てる取り組みを中断させない効果が見込める。また、継続的記入の中で用いた自己分析の観点の中で、1つでも良い観点だったと自覚したことは習慣化しやすいので、あえて記述させる。
次に、本発明の他の実施形態例における解析の一例を説明する。解析においては、記入された情報から必要なデータを入力部2から入力して、データ処理部11により脳区分用番地毎に数値化して検出することで、通常の日記では単なる行動の時系列情報だったものを、それぞれの脳区分用番地における経験に置き換えて数値化し、積分的に評価する。
図30(A)及び(B)は目標達成度の時系列変化の例を示すグラフである。
図30のグラフにおいて、縦軸は目標達成度、横軸が日であり、2週間の日記を付けた場合の目標達成度の毎日の変化を示し、(A)は45歳男性、(B)は28歳女性の例である。
毎日を漫然と過ごすと、達成感が得られにくい。自ら立てたプランの達成度を記録した数値の時系列を観察する。
目標達成度が比較的安定しているのか、毎日の変動が大きいのかによって、目標に向かって努力する持続性の診断が可能となる。持続性があるか、ないのかによって、目標の立て方に工夫が必要となるので、脳区分用番地を成長させる目標設定における個人の特性を捉えることができる。
上記の他、(未来の脳区分用番地活動+実行した脳区分用番地活動)が表す脳区分用番地力を用いて、脳区分用番地ごとの達成率を算出することもできる。
図31は、未来と現実のギャップを解析した例を示すグラフである。
図31のグラフは、対象とした脳区分用番地が8種類とした場合において、各脳区分用番地毎に使った時間に置き換えたものを示すダイアグラムであり、実線は現実の行動を脳区分用番地時間(使用した脳区分用番地の時間を合計した時間)に置き換えたグラフ、破線が予定(未来)を脳区分用番地時間に置き換えたグラフである。このグラフは25歳男性のものを用いている。
24時間をただ仕事に追われたり、だたらだらと目的なく過ごすと、元来、使いやすい脳区分用番地、すなわち得意な脳区分用番地を使う生活に陥りやすく、苦手なところが苦手なまま保持される傾向がある。
そこで自ら計画した明日(未来)の24時間の時系列予定と、現実の行動の差分を測定する。これによって、計画案と実行事実を対比することができ、自分が思い描いたプランを実行できているかどうかということを分析・可視化できる。
例えば、図31の例では、予定をたてる時点で思い描く未来(明日)に使いたい脳区分用番地と、実際に使った脳区分用番地が食い違っていることがわかる。苦手なところを伸ばすような目標を立てたので、根本的に自分が苦手な脳区分用番地の活動時間が多い計画を立てるのだが、実際には得意な脳区分用番地を使うような行動に当日に置き換わってしまっていることが分かる。ある意味では自己認識がよくできているタイプで、自分の得意・不得意能力をよく理解しているが、苦手を一気に修正しようとするあまり、無理な計画となり、結果的にどれもあまり実行できずに、結局は得意な脳区分用番地を使う活動にすり替わっている。
また、日常の行動情報から、脳区分用番地の活動性評価をするには、単一データでは信憑性の低さが懸念される。そこで、脳区分用番地パフォーマンスと活動習慣性(活動頻度)等を入力させる。これによって、脳区分用番地の活動性に関して、複数の指標について評価させると、指標同士の関連性を観察することができる他、記入期間における脳区分用番地の活動性を多面的に評価することができる。
図32(A)及び(B)は、脳区分用番地の活動バランスを示すグラフである。
図32のグラフは、45歳男性のものを利用している。
図32(A)は実線が8種類の脳区分用番地のスコア、破線が活動習慣性を示す。
脳区分用番地スコア(グラフ太線) は、自分で1〜10点で評価した脳区分用番地の活動パフォーマンスの点数について、記入期間における平均を算出して求める。
習慣性の算出(グラフ破線)は、本人がチェックした「慣れている」「久しぶり」「慣れていない」をそれぞれ任意で点数化して集計することで習慣性を数値化する。目的に応じて、重み付けを用いることができる。例えば行動のルーチン化を強調させたい場合には、「慣れている」項目を重み付けすることができる。脳区分用番地のスコアと活動習慣性はほぼ同じ形状であることが分かる。これは脳区分用番地のパフォーマンスが高いと感じる脳区分用番地の使用頻度が普段から高いことを示している。
活動性の算出は、疲労度「疲れなかった」「少し疲れた」「非常に疲れた」を、脳皮質の酸素消費の観点から、「疲れなかった」を低得点に、「非常に疲れた」を高得点に変換して数値化する。
脳区分用番地の活動パフォーマンス点数(1〜10)×習慣性×疲労度で活動性が導かれる。
図32(B)は、図32(A)の2本のグラフの乗算(脳区分用番地カルテ=脳区分用番地スコア×習慣性)で求めた脳区分用番地カルテを示す。図32(B)から、数値が高いほど、その脳区分用番地のパフォーマンスの高さと使用の習慣性に裏付けられた活動性の高さが診断できる。図32(B)の例では、脳区分用番地パフォーマンスが高く、習慣性も高かった脳区分用番地(この記入者の場合、聴覚系脳番地と感情系脳番地)の活動性が高い事が分かる。
また、24時間の行動の記録だけでは、活動時間に占める行動の内容割合が分からない。そこで、行動を内容によって分類し、活動時間に占める割合を算出する。
本発明の他の実施形態例では、脳区分用番地をどのような活動に使う傾向があるのかを、活動量としても算出できる。これによって、行動の内容と活動量の関係を考察でき、脳区分用番地トレーニングの中の目的にあった活動の時間配分にフィードバックすることができる。
図33は、各脳区分用番地の行動内容(活動)を分類したグラフである。
図33のグラフは、28歳女性のものを利用している。
図33は行動の分類(図27)をグラフ化したものである。図33の例では、発想型7.1%、処理型14.3%、行動型25.0%、思考型53.6%である。直接仕事に関係する内容の「思考型」が活動時間(睡眠と休息時間、移動時間以外)の内、半分以上を占めている。事務処理を示す「処理型」を合わせると、実に70%近くの時間を仕事に充てている。一方で、仕事とは一見関係しない読書、レジャーのような刺激を受ける活動である「発想型」の活動が7%で、仕事にかける脳区分用番地ごとの使用時間の1割程度であり極度に少ないことが分かる。
本発明の他の実施形態例では次のような効果を奏する。
1)目的とする脳区分用番地を決めて主体的に自分の思う脳区分用番地を鍛えることができる。
2)仕事の中身を評価できる
3)計画時と実行の比較によって、どの番地の達成率が良いか評価できる
4)脳区分用番地ごとの経験を時間的推移で見ることができる
5)自主的に、継続性をみて、自己の行動分析から、脳科学的判断ができる
6)自分評価を数値化して、客観化できて、他人と比較することができる。
7)もっとも経験をつんでいる脳区分用番地とほとんど使っていない脳区分用番地を簡便に見分けることができる
なお、対象とする脳区分用番地は、複数の場合もあれば、1つの脳区分用番地に特化したものもできる。例えば、運動系脳番地のための日記であれば、時系列変数が手・足・口や、運動種別になり、同様に解析可能である。
本発明の装置及びプログラムは、皮質機能と白質機能からなる脳機能の解析を支援するために用いられ、例えば、以下のようなシステムに利用される。
(1)幼児の検診システム:
1歳半検診、3歳検診、就学前検診など、検診時に脳の成長指標を判定するスクリーニングテストを行うシステム
(2)障害者支援システム:
障害者について、どの脳区分用番地が使えて、どの脳区分用番地が使えないかを判定して、育脳する支援システム
(3)求人募集システム
ハローワークや企業、就職斡旋業者等を介して、業務内容や組織と自分の脳区分用番地との一致率をシミュレーションするシステム
(4)人材採用システム
採用試験において人材の能力を判定する面接前資料作成システムおよびシミュレーションシステム
(5)社内の人材管理・人材育成システム:
社員の脳区分用番地能力や育脳状態を記録し、データベースとして運営する人事および人材管理シ・人材育成ステム
(6)脳区分用番地検診システム
脳ドックや組織内の検診の一環として、育脳状態や脳区分用番地能力を判定するテストを行うシステム
(7)製品・サービスの分析ラベリングシステム:
製品の開発過程での評価・アドバイスや、広告戦略としてのラベリングシステム
(8)病院の問診システム
病院来院者の脳区分用番地の傾向を問診する支援システム
(9)学校教育の内申支援システム
入学試験時などに作成される内申書作成の支援システム
(10)適職検査システム
人の脳からその人に見合った仕事内容、職種の情報を提供するシステム
(11)学習脳適性検査システム
学習方法等、人の脳の育成法を診断し、提案するシステム
(12)集団編成システム
企業や学習集団等でクラスやグループや業務部を編成する際に集団としての脳情報と編成アドバイスを提供するシステム
(13)脳分析用日記システム
例えば、子ども用の学習支援日誌、子ども用の長期休暇日記、学校の通知表の評価法、成長記録、高齢者用の記憶補助日記、営業日誌、就業日誌、医療的な行動療法の記録では特定の記述特徴による精神疾患・脳疾患等を早期発見するツールとしての利用等に利用できる。
1:脳機能解析支援装置
2:入力部
3:出力部
4:通信部
5:記憶部
6:制御部
7:表示部
8:印刷部
9:データベース
10:課題・質問呈示部
11:データ処理部
12:データベース化部
13:トレーニング指示部
14:評価表示部
15:検索部
16:算出部
17:個人解析部
18:グループ解析部
19:アドバンス解析部
20:経済的解析部
21:診断情報作成部
22:育脳改善アドバイス情報作成部
23:脳区分用番地カルテ
24:脳区分用番地個性
25:グループ診断情報作成部
26:編成アドバイス情報作成部
27:脳区分用番地カルテ
28:脳区分用番地特性
29:MRI参照診断部
30:COE参照診断部
31:シミュレーション部
32:タスク解析部
33:脳内マーケティング部
34:課題指示手段
35:表示手段
36:解析手段
37:再評価表示手段
38:人材検索部
39:環境タスク検索部
40:プログラム

Claims (28)

  1. 人間の脳内における所定の機能及び役割に応じて、神経活動の変化に伴い、酸素消費量が増加したり、賦活化と鎮静化による脳活性の調整機能の働きや脳の形の変化を考慮して脳の部位毎に区分して付与された脳区分用番地や、当該脳区分用番地間を関連付けて結ぶ番地間ネットワークを利用した脳機能解析支援装置であって、
    前記脳区分用番地や前記番地間ネットワークに関連した課題や質問に対する被験者の回答を入力する入力手段と、
    前記入力手段によって入力された被験者の回答結果に基づいて、前記脳区分用番地や前記番地間ネットワーク毎に点数化し、前記被験者の脳機能を数値化して算出する算出手段と、
    前記算出手段による算出結果に基づいて、被験者毎の脳機能を解析し、診断情報を作成する診断情報作成手段と、
    前記診断情報作成手段により作成された診断情報に基づいて、被験者に対する育脳改善アドバイス情報を作成する育脳改善アドバイス情報作成手段と、
    前記診断情報及び育脳改善アドバイス情報を出力する出力手段と、
    を有することを特徴とする脳機能解析支援装置。
  2. 前記入力手段により、前記課題や質問に対して被験者の現在及び過去の回答が同時又は経時的に入力され、
    前記診断情報作成手段は、被験者の現在及び過去の回答結果から、被験者の脳機能の時間的変化を評価して診断情報を作成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の脳機能解析支援装置。
  3. 前記入力手段により、前記課題や質問に対して被験者の計画案と現実の行動が時系列的に入力され、
    前記診断情報作成手段は、被験者の計画案と現実の行動結果から、被験者の日常行動を脳機能から評価して診断情報を作成する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の脳機能解析支援装置。
  4. 前記入力手段により、前記課題や質問に対して回答に導くための方略情報が入力され、
    前記診断情報作成手段は、入力された方略情報に基づいて被験者の脳機能を評価して診断情報を作成する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つの項に記載の脳機能解析支援装置。
  5. 前記入力手段により、前記課題や質問に対して回答に導くために自己評価を記入者自身によって点数化して入力され、
    前記診断情報作成手段は、入力された自己評価に基づいて被験者の脳機能を評価して診断情報を作成する、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つの項に記載の脳機能解析支援装置。
  6. 前記診断情報作成手段により作成された診断情報に基づいて、脳機能を強化するためのトレーニングを指示するトレーニング指示手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つの項に記載の脳機能解析支援装置。
  7. 前記診断情報作成手段により作成された診断情報に基づいて、将来や仮定的な脳機能をシミュレーションしたシミュレーション情報を作成するシミュレーション情報作成手段を有し、
    前記出力手段は、前記シミュレーション情報を出力する、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つの項に記載の脳機能解析支援装置。
  8. 前記診断情報作成手段は、被験者が属するグループに関するグループ診断情報を作成し、
    前記作成されたグループ診断情報に基づいて、グループに対する編成アドバイス情報を作成する編成アドバイス情報作成手段を有し、
    前記出力手段は、グループ診断情報及び前記編成アドバイス情報を出力する、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つの項に記載の脳機能解析支援装置。
  9. 生理的検査法による脳の生理的反応の結果を数値化して、被験者毎の脳機能を解析した診断情報と、前記診断情報作成手段によって作成された診断情報との差を比較して解析する手段を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1つの項に記載の脳機能解析支援装置。
  10. 前記入力手段により、前記脳区分用番地や前記番地間ネットワークに関連した業務やタスクに関する事項に対する被験者の回答が入力され、
    前記算出手段により算出された算出結果に基づいて、業務やタスクに対する脳機能の特性を解析するタスク解析手段を有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1つの項に記載の脳機能解析支援装置。
  11. 前記入力手段により、脳区分用番地や前記番地間ネットワークに関連した製品やサービスに関する事項に対する被験者の回答が入力され、
    前記算出手段により算出された算出結果に基づいて、製品やサービスに対する脳機能の特性を解析する脳内マーケティング解析手段と、製品やサービスに診断結果を表示するためのラベルを作成するラベル作成手段とを有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1つの項に記載の脳機能解析支援装置。
  12. 前記算出手段により算出された算出結果に基づいて、前記脳区分用番地の神経活動をあらわす皮質機能を解析し、表示する手段を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1つの項に記載の脳機能解析支援装置。
  13. 前記算出手段により算出された算出結果に基づいて、脳区分用番地間のネットワーク機能、思考回路機能をあらわす白質機能及び脳の枝ぶり機能を解析し、表示する手段を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1つの項に記載の脳機能解析支援装置。
  14. 前記入力手段は、通信ネットワークを介して被験者の回答を入力するものであることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1つの項に記載の脳機能解析支援装置。
  15. 前記入力手段は、所定の様式に従って記入された時系列情報を入力するものであることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1つの項に記載の脳機能解析支援装置。
  16. 人間の脳内における所定の機能及び役割に応じて、神経活動の変化に伴い、酸素消費量が増加したり、賦活化と鎮静化による脳活性の調整機能の働きや脳の形の変化を考慮して脳の部位毎に区分して付与された脳区分用番地や、当該脳区分用番地間を関連付けて結ぶ番地間ネットワークを利用した脳機能解析支援装置を制御するプログラムであって、
    前記脳区分用番地や前記番地間ネットワークに関連した課題や質問に対する被験者の回答を入力する処理と、
    前記入力された被験者の回答結果に基づいて、前記脳区分用番地や前記番地間ネットワーク毎に点数化し、前記被験者の脳機能を数値化して算出する処理と、
    前記算出された算出結果に基づいて、被験者毎の脳機能を解析し、診断情報を作成する処理と、
    前記作成された診断情報に基づいて、被験者に対する育脳改善アドバイス情報を作成する処理と、
    前記診断情報及び育脳改善アドバイス情報を出力する処理と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
  17. 前記課題や質問に対して被験者の現在及び過去の回答が同時又は経時的に入力され、被験者の現在及び過去の回答結果から、被験者の脳機能の時間的変化を評価して診断情報を作成することを特徴とする請求項16に記載のプログラム。
  18. 前記入力手段により、前記課題や質問に対して被験者の計画案と現実の行動が時系列的に入力され、
    前記診断情報作成手段は、被験者の計画案と現実の行動結果から、被験者の日常行動を脳機能から評価して診断情報を作成する、
    ことを特徴とする請求項16又は17に記載のプログラム。
  19. 前記課題や質問に対して回答に導くための方略情報が入力され、入力された方略情報に基づいて被験者の脳機能を評価して診断情報を作成することを特徴とする請求項16乃至18のいずれか1つの項に記載のプログラム。
  20. 前記入力手段により、前記課題や質問に対して回答に導くために自己評価を記入者自身によって点数化して入力され、
    前記診断情報作成手段は、入力された自己評価に基づいて被験者の脳機能を評価して診断情報を作成する、
    ことを特徴とする請求項16乃至19のいずれか1つの項に記載のプログラム。
  21. 前記作成された診断情報に基づいて、脳機能を強化するためのトレーニングを指示する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項16乃至20のいずれか1つの項に記載のプログラム。
  22. 前記作成された診断情報に基づいて、将来や仮定的な脳機能をシミュレーションしたシミュレーション情報を作成する処理と、
    前記シミュレーション情報を出力する処理と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項16乃至21のいずれか1つの項に記載のプログラム。
  23. 前記被験者が属するグループに関するグループ診断情報を作成する処理と、
    前記作成されたグループ診断情報に基づいて、グループに対する編成アドバイス情報を作成する処理と、
    グループ診断情報及び前記編成アドバイス情報を出力する処理と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項16乃至22のいずれか1つの項に記載のプログラム。
  24. 生理的検査法による脳の生理的反応の結果を点数化して、被験者毎の脳機能を解析した診断情報と、前記診断情報作成手段によって作成された診断情報との差を比較して解析する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項16乃至23のいずれか1つの項に記載のプログラム。
  25. 前記脳区分用番地や前記番地間ネットワークに関連した業務やタスクに関する事項に対する被験者の回答が入力され、前記算出された算出結果に基づいて、業務やタスクに対する脳機能の特性を解析する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項16乃至24のいずれか1つの項に記載のプログラム。
  26. 前記脳区分用番地や前記番地間ネットワークに関連した製品やサービスに関する事項に対する被験者の回答が入力され、
    前記算出された算出結果に基づいて、製品やサービスに対する脳機能の特性を解析する処理と、製品やサービスに診断結果を表示するためのラベルを作成する処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする請求項16乃至25のいずれか1つの項に記載のプログラム。
  27. 前記算出された算出結果に基づいて、前記脳区分用番地の神経活動をあらわす皮質機能を解析し、表示する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項16乃至26のいずれか1つの項に記載のプログラム。
  28. 前記算出された算出結果に基づいて、脳区分用番地間のネットワーク機能、思考回路機能をあらわす白質機能及び脳の枝ぶり機能を解析し、表示する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項16乃至27のいずれか1つの項に記載のプログラム。
JP2009115267A 2008-05-12 2009-05-12 脳機能解析支援装置及びプログラム Active JP5244027B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009115267A JP5244027B2 (ja) 2008-05-12 2009-05-12 脳機能解析支援装置及びプログラム

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008124257 2008-05-12
JP2008124257 2008-05-12
JP2009115267A JP5244027B2 (ja) 2008-05-12 2009-05-12 脳機能解析支援装置及びプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009297501A JP2009297501A (ja) 2009-12-24
JP5244027B2 true JP5244027B2 (ja) 2013-07-24

Family

ID=41544997

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009115267A Active JP5244027B2 (ja) 2008-05-12 2009-05-12 脳機能解析支援装置及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5244027B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5035567B2 (ja) * 2008-10-31 2012-09-26 独立行政法人電子航法研究所 作業適性判定システム
US9610029B2 (en) 2009-11-19 2017-04-04 The Cleveland Clinic Foundation System and method to facilitate analysis of brain injuries and disorders
CA2850940C (en) * 2012-10-04 2019-04-02 The Cleveland Clinic Foundation System and method to facilitate analysis of brain injuries and disorders
KR101534831B1 (ko) * 2013-05-14 2015-07-08 주식회사 넷블루 치매 인지 평가 장치
JP5641629B1 (ja) * 2013-10-31 2014-12-17 株式会社アラヤ・ブレイン・イメージング 個人特性予測システム、個人特性予測方法及びプログラム
JP6628258B2 (ja) * 2018-02-02 2020-01-08 株式会社アルム 運転適性判定装置、および運転適性判定システム
JP7465719B2 (ja) 2020-05-18 2024-04-11 日産自動車株式会社 車両運転能力判定装置及び車両運転能力判定方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3543453B2 (ja) * 1995-12-01 2004-07-14 株式会社日立製作所 光生体計測法を用いた生体入力装置
WO2000074572A1 (fr) * 1999-06-09 2000-12-14 Hitachi, Ltd. Appareil d'induction de la volonte et appareil d'entree-sortie utilisant un instrument de mesure optique, et support d'enregistrement
JP2003144438A (ja) * 2001-11-13 2003-05-20 Electronic Navigation Research Institute カオス論的脳機能診断装置
JP3772220B2 (ja) * 2002-11-01 2006-05-10 独立行政法人情報通信研究機構 習得度測定装置及び習得度測定方法
JP4285012B2 (ja) * 2003-01-31 2009-06-24 株式会社日立製作所 学習状況判断プログラム及びユーザ状況判断システム
JP2004298615A (ja) * 2003-03-14 2004-10-28 National Institute Of Information & Communication Technology 方略獲得測定装置及び方略獲得測定方法
WO2005120349A1 (ja) * 2004-06-14 2005-12-22 Hitachi Medical Corporation 生体光計測装置、生体光計測方法およびプログラム
EP1818016B1 (en) * 2004-07-20 2019-02-20 Toshinori Kato Biofunction diagnosis device, biofunction diagnosis method, bioprobe, bioprobe wearing tool, bioprobe support tool, and bioprobe wearing assisting tool

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009297501A (ja) 2009-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Eriks-Brophy Outcomes of Auditory-Verbal Therapy: A Review of the Evidence and a Call for Action.
JP5244027B2 (ja) 脳機能解析支援装置及びプログラム
Bedford et al. Measures of child development: A review
Johnson Evaluation of learning style for first year medical students
Benson et al. International classification of functioning, disability, and health: Implications for school psychologists
Svensson et al. Healthcare professionals learning when implementing a digital artefact identifying patients’ cognitive impairment
Ven et al. The competence chart of the European Network of Physiotherapy in Higher Education
Summerville The ecomap as a measure of psychological well-being: Results from primary school children identified as at-risk for psychological distress
Rickson The development of a music therapy school consultation protocol for students with high or very high special education needs
Pingry Factors that predict graduation among college students with disabilities
Fleischmann IV Building Resilience Through A Positive School Climate
Assouad The effects of acknowledging cultural differences on therapeutic alliance in cross-cultural therapy
Cohen Vocational rehabilitation of the severely brain damaged patient: Stages and processes
Ahmed A quantitative inquiry into the relationship between learning styles, psychological types and standardized achievement examination performance of nurse aide students
Furnham Professional identity and competence to practise in medicine
Mintah The Influence of Emotional Intelligence on the Academic Performance of Teacher Trainees in the Central Region of Ghana
Stathopoulou et al. The Model of the three human personality types: a unique tool for the understanding of the individual differences in the teaching-learning process
Koch The relationship between measures of intellectual characteristics and measures of perceptual modality preference using the WAIS-R and MMPALT-II test instruments
Jackson Understanding of executive functioning challenges and support for learners with FASD within a classroom
Richard et al. Construction of a physician skills inventory
Mutuku Teacher Preparedness for Inclusion and Support of Children With Specific Learning Disabilities (SLD) in Public Schools: a Study of Mutituni Zone in Machakos County
Surratt Examining the Effects of Service-Learning on Students' Perceptions of the CHES Responsibilities–a Pilot Study
Mutmainnah et al. Community Perceptions of the Role of Nurses as Health Service Providers
Abdulsalam Mohamud Mentorship and girl child education in secondary schools in Garowe, Puntland, Somalia
Robison Influence of learning style and learning flexibility on clinical judgment of prelicensure nursing students within a human patient computer simulation environment

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110425

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130319

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130405

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160412

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5244027

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250