JP5239372B2 - ブラシローラ再生装置及びブラシローラ再生方法 - Google Patents
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Description
また、重要機能部品である回転軸の外周に植毛体を取り付けてトナー像が形成される像担持体の表面と摺接する前記植毛体の植毛繊維からなるブラシ部を有する帯電ブラシローラや潤滑剤塗布ブラシローラ等のブラシローラの再生は行われておらず、保証期間あるいは、保証枚数が過ぎてしまうと使用済みローラとして破棄されてきた。即ち、この種ブラシローラは、前述のブラシ部内に取り込まれた残留トナーの除去だけでなく、像担持体との摺接によってブラシ部の植毛繊維の毛倒れが生じ、ブラシローラの外形寸法が変動する等の品質上の懸念があるため、破棄扱いしているのが現状である。
特に、潤滑剤塗布ブラシローラでは、潤滑剤の常時加圧当接などで起こる毛倒れや部分的な凹み形状の影響により、像担持体表面への潤滑剤塗布ムラによるクリーニング性能への影響や潤滑剤掻き取り能力が新品のものと比べ劣ることでの画質欠陥が発生するなど不具合が生じるという問題点があり、ブラシローラの機能を回復させるまでには至らず、採算性を考慮し、1回の使用で用済みとしていた。
また、特許文献2記載のものでも、これも毛先がつぶれているようなケースでは、櫛で起毛させても一時的に起毛できるが時間が経つと、また元の毛倒れ状態になってしまい長期の使用に耐えることができず実用的でない。
本発明は、上記実情を考慮してなされたものであり、使用済みとなったブラシローラを安価で実用的に再生可能なブラシローラ再生装置及び再生方法を提供することを目的とする。
また、請求項2の発明は、請求項1記載のブラシローラ再生装置において、前記ブラシローラは、前記像担持体表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布ブラシローラであることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2記載のブラシローラ再生装置において、前記加圧水蒸気吹き付け手段は、前記回転手段に取り付けられたブラシローラの回転軸と平行移動可能に取り付けられた移動台上に取り付けられ、前記ブラシローラの回転と共に、前記移動台は、前記回転軸と平行移動するように制御されていることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項3又は4記載のブラシローラ再生装置において、前記加圧水蒸気吹き付け手段は、前記移動台上に前記ブラシローラのブラシ部に向けて加圧水蒸気を吹き付ける加圧水蒸気噴出ノズルを回動自在に取り付けて当該加圧水蒸気噴出ノズルの前記ブラシローラに対する噴出角度を可変状態で取り付けられることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載のブラシローラ再生装置において、前記回転手段に取り付けられたブラシローラを介して前記圧縮空気吹き付け手段と対向させて前記ブラシ部から除去されたトナーを回収する回収部を配設させたことを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項記載のブラシローラ再生装置において、前記加圧水蒸気吹き付け手段は、当該加圧水蒸気の噴出しノズルから2バール〜5バールの噴射圧力で加圧水蒸気を前記ブラシローラのブラシ部に吹き付けることを特徴とする。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項記載のブラシローラ再生装置において、前記ブラシローラの回転軸上に再生回数をマーキングするマーキング手段を備えたことを特徴とする。
また、請求項11の発明は、請求項10記載のブラシローラの再生方法において、前記加圧水蒸気を前記ブラシローラの回転軸と平行方向に移動させながら前記ブラシ部に吹き付けることを特徴とする。
また、本発明によれば、回転軸の外周に植毛体を取り付けてトナー像が形成される像担持体の表面と摺接する前記植毛体の植毛繊維からなるブラシ部を有するブラシローラを回転させながら前記ブラシ部に圧縮空気を吹き付けて前記像担持体との摺接によってブラシ部内に取り込まれたトナーを前記ブラシ部から除去し、その後、前記ブラシローラを回転させながら前記ブラシ部の植毛繊維の毛倒れ方向と反対方向から前記ブラシ部に加圧水蒸気を吹き付けて、前記ブラシ部の植毛繊維を起毛させることによって、使用済みとなったブラシローラを安価で実用的に再生可能なブラシローラの再生方法を提供することができる。
なお、本実施形態による画像形成装置においては、感光体20、帯電ローラ21、塗布ブラシローラ27がユニットケースに一体に組み付けられてプロセスカートリッジを構成している。感光体20等の保守、交換時にプロセスカートリッジの取り出しによって、感光体20と共に帯電ローラ21、塗布ブラシローラ27が同時に取り外されるようになっている。
本発明者らは、潤滑剤等の常時加圧当接でブラシ部の植毛繊維の毛倒れが生じたブラシローラの再生のための起毛について検討した結果、圧縮空気の吹き付けや櫛での処理では、一時的に起毛できても、ほんの数時間レベルで元の状態に戻ってしまい長期の使用に耐えることができず実用てきでないことに気がついた。そこで、その課題を解決する手段として、ブラシローラのブラシ部内に取り込まれている残留トナーを落した状態で、ブラシローラを高速回転させる。そこに加圧水蒸気噴射ノズルから加圧水蒸気を直接ブラシ部に斜めから毛先を起こすように当てることで、ブラシ部の植毛繊維に付着した水蒸気の水分が錘となり、高速回転による遠心力で起毛させると同時に、水蒸気の熱で植毛繊維の起毛状態を維持・安定させることで、毛倒れを再生させることが可能であることを究明した。この究明に基づき、以下に示すブラシローラの再生装置を開発して発明を完成させるに至った。
また、前述においては、潤滑剤塗布ブラシローラによる潤滑剤の塗布が、トナー画像が形成される像担持体の一例として感光体20に対して行われる場合について説明したが、潤滑剤が塗布される像担持体として、前述の中間転写ベルト24を選定し、当該中間転写ベルトに対して潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布ブラシローラにも適用可能である。なお、本発明による再生装置は、ブラシローラのブラシ部に導電性PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維、導電性ナイロン繊維、導電性アクリル繊維、ポリエステル繊維等からなるプラスチック繊維を用いたブラシローラに好適である。
本実施形態に係る再生装置は、図2に示すように、基台1上に取り付けられて回転軸27a上にナイロン繊維を植毛した生地を螺旋状に巻き付け固定してブラシ部27bを有する潤滑剤塗布ブラシローラ27をその回転軸27aの両端で回転自在に支持する一対の支持板2を有している。そして、塗布ブラシローラ27の回転軸27aの一端には、回転軸27aを回転させる回転手段であるモータ3の出力軸が取り付けられており、図3で示すように、矢印D方向に回転されるようになっている。
なお、圧縮空気ノズル6の噴出し方向Fが、図3に示すように、塗布ブラシローラの中心位置27a1とブラシ部27bの外周27b1との間になるように配設すると、ブラシ部27b内の内奥に取り込まれているトナーや潤滑剤を除去することが可能となるので好適である。
潤滑剤塗布ブラシローラ27の回転軸27bを支持版部2に取り付け、回転軸27bの一端にモータ3の回転軸を連結する。この場合、画像形成装置内に取り付けられる前述のプロセスカートリッジ内の塗布ブラシローラ27は、保証期間あるいは、保証枚数使用した後、ブラシ部27bに潤滑剤や残留トナーを付着しており、さらに、潤滑剤29の常時当接によってブラシ部27bの植毛繊維の毛倒れや部分的に凹形状になっている。その毛倒れや部分的な凹形状があると品質問題(潤滑剤塗布ムラによるクリーニング不良やトルク変動によるバンディングなど)を引き起こすため、再使用するためには、つぶれた毛先を起毛させなければならない。
ブラシ部27bからの残留トナーの除去作業が終了したら、起毛作業に入る。起毛作業としては、始めに、塗布ブラシローラ27のブラシ部27bの材質等を考慮して、可動台15を移動させるとともに、加圧水蒸気噴射ノズル10を回動させて、加圧水蒸気噴射ノズル10からの噴射角度θ、加圧水蒸気噴射ノズル10と塗布ブラシローラ27との離間距離Lとを所定の値になるようにセットする。
その他、調整用パラメータとしては、加圧水蒸気噴射ノズル10と塗布ブラシローラ27との離間距離Lの他に、加圧水蒸気噴射圧力、加圧水蒸気温度、塗布ブラシローラ回転数、加圧水蒸気噴射ノズルの送り速度等があり、これらのパラメータは、モータ3及び13、加圧水蒸気供給手段18を適当に調整することによって、所望の設定値に調整可能となっている。
また、加圧水蒸気噴射ノズル10から噴射する加圧水蒸気圧力が2bar以下の場合には、毛倒れした植毛繊維を引き起こすのに十分な力が印加されず、逆に5bar以上の時には、植毛繊維が必要以上に起毛されてしまうので、2bar〜5barの範囲とすることが好ましい。
なお、本発明に係る再生装置によって再生されたブラシローラは、再生回数とともに再生能力が低下するので、再生されたブラシローラに再生回数を表示するマークを表示することが好ましい。そして、その再生回数を知ることによって、再度、再生処理を行うか否かの判断を行うことが好ましい。そのため、前記再生装置においては、図4で示すように、塗布ブラシローラ27の回転軸27bの近傍にマーキング手段19を配設し、回転軸27b上に外周円マークを記録し、再生回数と共に、回転軸27bの軸方向にマーキングを移動させて記録し、マーキングの本数を計測することによって再生回数を認識可能となっている。
Claims (11)
- 回転軸の外周に植毛体を取り付けてトナー像が形成される像担持体の表面と摺接する前記植毛体の植毛繊維からなるブラシ部を有するブラシローラを回転自在に支持して回転させる回転手段と、
前記ブラシ部に圧縮空気を吹き付けてブラシ部内に取り込まれたトナーを前記ブラシ部から除去する圧縮空気吹き付け手段と、
前記ブラシ部の植毛繊維の毛倒れ方向と反対方向から前記ブラシ部に加圧水蒸気を吹き付けて、前記ブラシ部の植毛繊維を起毛させる加圧水蒸気吹き付け手段と、
を備えたことを特徴とするブラシローラ再生装置。 - 請求項1記載のブラシローラ再生装置において、
前記ブラシローラは、前記像担持体表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布ブラシローラであることを特徴とするブラシローラ再生装置。 - 請求項1又は2記載のブラシローラ再生装置において、
前記加圧水蒸気吹き付け手段は、前記回転手段に取り付けられたブラシローラの回転軸と平行移動可能に取り付けられた移動台上に取り付けられ、前記ブラシローラの回転と共に、前記移動台は、前記回転軸と平行移動するように制御されていることを特徴とするブラシローラ再生装置。 - 請求項3記載のブラシローラ再生装置において、
前記加圧水蒸気吹き付け手段は、前記移動台上に取り付けられて前記平行移動の方向に対して直交方向に移動可能な可動台上に取り付けられ、当該可動台上に前記ブラシローラのブラシ部に向けて加圧水蒸気を吹き付ける加圧水蒸気噴出ノズルを取り付け、当該加圧水蒸気噴出ノズルと前記ブラシローラの回転軸との距離を前記可動台を移動させて変動可能としたことを特徴とするブラシローラ再生装置。 - 請求項3又は4記載のブラシローラ再生装置において、
前記加圧水蒸気吹き付け手段は、前記移動台上に前記ブラシローラのブラシ部に向けて加圧水蒸気を吹き付ける加圧水蒸気噴出ノズルを回動自在に取り付けて当該加圧水蒸気噴出ノズルの前記ブラシローラに対する噴出角度を可変状態で取り付けられることを特徴とするブラシローラ再生装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1項記載のブラシローラ再生装置において、
前記回転手段に取り付けられたブラシローラを介して前記圧縮空気吹き付け手段と対向させて前記ブラシ部から除去されたトナーを回収する回収部を配設させたことを特徴とするブラシローラ再生装置。 - 請求項6記載のブラシローラ再生装置において、
前記圧縮空気吹き付け手段と前記回収部は、前記回転手段に取り付けられたブラシローラの回転軸と平行方向に移動自在に取り付けられ、前記回収部は、前記圧縮空気吹き付け手段と同時に平行移動することを特徴とするブラシローラ再生装置。 - 請求項1乃至7のいずれか1項記載のブラシローラ再生装置において、
前記加圧水蒸気吹き付け手段は、当該加圧水蒸気の噴出しノズルから2バール〜5バールの噴射圧力で加圧水蒸気を前記ブラシローラのブラシ部に吹き付けることを特徴とするブラシローラ再生装置。 - 請求項1乃至8のいずれか1項記載のブラシローラ再生装置において、
前記ブラシローラの回転軸上に再生回数をマーキングするマーキング手段を備えたことを特徴とするブラシローラ再生装置。 - 回転軸の外周に植毛体を取り付けてトナー像が形成される像担持体の表面と摺接する前記植毛体の植毛繊維からなるブラシ部を有するブラシローラを回転させながら前記ブラシ部に圧縮空気を吹き付けて ブラシ部内に取り込まれたトナーを前記ブラシ部から除去し、その後、前記ブラシローラを回転させながら前記ブラシ部の植毛繊維の毛倒れ方向と反対方向から前記ブラシ部に加圧水蒸気を吹き付けて、前記ブラシ部の植毛繊維を起毛させることを特徴とするブラシローラ再生方法。
- 請求項10記載のブラシローラ再生方法において、
前記加圧水蒸気を前記ブラシローラの回転軸と平行方向に移動させながら前記ブラシ部に吹き付けることを特徴とするブラシローラ再生方法。
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