JP5238721B2 - 非抽出原料とそれに含まれる有用な炭化水素組成物からの高純度クメンの製造 - Google Patents

非抽出原料とそれに含まれる有用な炭化水素組成物からの高純度クメンの製造 Download PDF

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Description

発明の分野
この開示は非抽出炭化水素組成物原料に含有されるベンゼンのプロピル化により高純度クメンを製造する方法に関する。
発明の背景
クメン(イソプロピルベンゼン)はフェノールとアセトンの製造において重要な原料であり、触媒を使用して行われる、プロピレン(C3H6)とベンゼン(C6H6)のプロピル化反応により主に製造される。クメンは次に過酸化によりフェノールとアセトンに変換される。一般商品として販売される場合、製品は、製品重量に基づき、普通少なくとも99.70重量パーセントのクメンを含む。
ベンゼン源は改質油であり、これは石油ナフサと水素の混合物を、担体、例えば、ハロゲン処理されたアルミナ又は非酸性ゼオライトL、水素添加/脱水素金属、例えば、第8族、第9族金属又は白金のような第10族金属を含む改質触媒に接触させることにより調製される。この製造法は通常、C5炭化水素、C6-C8芳香族炭化水素、例えば、ベンゼン、C9+炭化水素類、C6+飽和鎖式炭化水素類(パラフィン類)、及び環状飽和鎖式炭化水素類(ナフテン類)を含む改質油を製造する。
他のベンゼン源は水蒸気クラッキング又は触媒的クラッキングのような炭化水素のクラッキングである。この製造法は通常C6-C8芳香族炭化水素類、例えば、ベンゼン、C6+パラフィン類、及びナフテン類を含む流出物を製造する。
芳香族化合物を製造するさらに別の方法は、C2-C5脂肪族炭化水素の脱水素環化シクロ-オリゴメリゼーションである。この製造法は通常、C6-C8芳香族炭化水素、例えば、ベンゼン、C6+パラフィン類、ナフテンとC5脂肪族炭化水素を含む生成物流出物を生成する。
ベンゼンは他の改質炭化水素、例えば、C7-芳香族から蒸留により分離できる。しかし、蒸留により得られるベンゼンは、蒸留によりベンゼンから分離することが困難なC6及びC7非芳香族炭化水素不純物を普通含むものである。なぜならこれらの化合物はベンゼンの沸点に近い沸点をもつからで、例えば、これら化合物の沸点は約101.3kPa-a(絶対圧)の圧力でベンゼン(80.1℃の沸点)の10℃以内である。これらの原料はn-ペンタンとシクロペンタンのような、C5パラフィンもまた含み得る。これらの不純物(以後、時により「ベンゼン共蒸発物(benzene coboilers)」という)、は、製品の重量に基づき75重量パーセントまでの量で蒸留物中に含有されうる。ベンゼン共蒸発物の例は、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、2-メチルヘキサン、3-メチルヘキサン、2,3-ジメチルペンタン、2,4-ジメチルペンタン及びジメチルシクロペンタンを含む。
ベンゼン共蒸発物を含むため、ベンゼンがプロピル化されてクメンを生成する前に、原料は普通、追加の工程、つまり液体抽出又は抽出的蒸留のような工程を、ベンゼンからベンゼン共蒸発物を除くために受ける。一般的に、高純度クメンを製造するためにベンゼンのプロピル化に使用されるベンゼンは、ベンゼン蒸留物に含有されるベンゼンの重量に基づき重量で少なくとも約99.985重量パーセントの純度をもつ。しかし、抽出工程は費用が高く、時間がかかるため、高純度のクメンの製造においてコストを押し上げる。高純度クメンを製造するため、ベンゼンを多く含む低価格の精製所からの流体、例えば抽出工程を経ない芳香族化された製品である流体、を使用できれば非常に有利であろう。
加えて、ベンゼンのプロピル化によりクメンを製造する製造法は普通、ポリプロピルベンゼンを生成し、これはクメンを生成するためベンゼンとのトランスアルキル化反応により処理される。ポリプロピルベンゼンのトランスアルキル化に伴う問題は、多くの不純物、例えばエチルベンゼン、が普通副生成物として生成されることである。副生成物であるエチルベンゼンの生成は産業的には不利である。なぜならその沸点は比較的クメンに近いからである。結果として、クメンからエチルベンゼンを分離して高純度クメンを得るには、高純度クメンの製造のコストを押し上げる特別な蒸留塔の使用を要する。
この開示により、抽出を受けていないベンゼンを含む炭化水素組成物を使用する、高純度クメンを製造するためのベンゼンのプロピル化について製造法が提供される。加えて、この開示の製造法はベンゼンのプロピル化中に生成されるポリプロピルベンゼンのトランスアルキル化を必要としない。
発明の要約
この開示は、抽出を受けていない炭化水素組成物を使用する、製品中のクメンの重量に基づき少なくとも99.50%の純度をもつクメン製品を製造する方法に関する。非抽出炭化水素組成物原料は、実質的にC4-炭化水素とC7+芳香族炭化水素を実質的に含まず、ベンゼン、及び重量で約1から約75%、約2から約75%、約3から約75%、または約5から約75%、又は約10から約75%の、約101.3kPa-aの圧力でベンゼンの沸点の10℃以内に沸点をもつ少なくとも1個のC6+非芳香族炭化水素を含む。「実質的にC4-炭化水素とC7+芳香族炭化水素を含まない」という語句は、炭化水素組成物原料が、炭化水素組成物原料の重量に基づき、重量で約0.05パーセント未満、更に好ましくは、重量で約0.01パーセント未満のC4-炭化水素とC7+の芳香族炭化水素を含むことをいう。この製造法は、(a)約110℃から約170℃の範囲の温度、ベンゼンを液相に維持できる十分な圧力、普通、少なくとも689.5kPa-a、例えば、約689.6kPa-aから約6.89MPa-a、約0.001:1から約0.75:1の範囲のプロピレン対ベンゼンのモル比、約0.1から約10hr-1の範囲の重量毎時空間速度の原料供給を含む条件での酸活性触媒による少なくとも部分的に液相でのプロピレンによるベンゼンのアルキル化、(b) (a)工程の製品を蒸留し製品中にクメンの重量に基づき少なくとも99.50パーセントの純度をもつクメン製品を製造することにより行う。
別の実施態様では、本願の開示は、(i) C5-炭化水素、(ii) ベンゼン、(iii)C7-芳香族炭化水素、及び(iv)約101.3kPa-aでベンゼンの沸点の10℃以内に沸点をもつ、重量で約1から約75パーセントの少なくとも1種のC6+非芳香族炭化水素、を含む炭化水素組成物より製造した製品中に含有されるクメンの重量に基づき少なくとも99.50%の純度をもつクメン製品を製造する製造法に関する。この製造法は:(a) 蒸留により、C4−炭化水素とC7+芳香族炭化水素を改質油から除去し、炭化水素組成物を製造し(b)約110℃から約170℃の範囲の温度、ベンゼンを液相に保つに十分な圧力、普通、少なくとも、689.5kPa-a、例えば約689.5kPaから約6.89Mpa-a、約0.001:1から約0.75:1の範囲のプロピレン対ベンゼンのモル比、約0.1から約10hr-1の範囲の重量毎時空間速度の原料供給、を含む条件で、結晶性MCM-22種の物質とゼオライトベータモレキュラーシーブのうち少なくとも1つを含む触媒により、少なくとも一部液相条件でプロピレンにより (a)工程の炭化水素組成物(前記改質油の抽出を受けていない)に含有されるベンゼンをアルキル化し、そして(b)(a)工程の生成物を蒸留し、製品中のクメンの重量に基づき少なくとも99.50パーセントの純度のクメン製品を製造することにより行われる。
さらに他の実施態様では、本願の開示は抽出を受けていないベンゼン含有の炭化水素組成物に関し、また、この炭化水素組成物中に含有されるベンゼンのプロピル化による高純度クメンの製造に特に用いられる。この炭化水素組成物は実質的にC4−炭化水素とC7+芳香族炭化水素を含まず、(i) ベンゼン、(ii)炭化水素組成物の重量に基づき、重量で約1から約75パーセントの少なくとも1種の、約101.3kPa-aの圧力で、ベンゼンの沸点の10℃以内の沸点をもつC6+非芳香族炭化水素、(iii)5wppm未満の硫黄、(iv)1wppm未満の窒素、及び(v)2500wppm未満のオレフィンとジエンを含む。
図1は単純化したプロセスフロー図であり、この開示の実施態様を示す。 図2は単純化したプロセズフロー図であり、この開示の別の実施態様を示す。 図3は単純化したプロセスフロー図であり、この開示のさらに別の実施態様を示す。 図4はトランスアルキル化により生じたクメンに対し総生成物中のn-プロピルベンゼンの量をプロットしたグラフである。 図5は、実施例1の結果を示すグラフである。 図6は実施例2の結果を示すグラフである。 図7は実施例2の結果を示すグラフである。 図8は実施例2の結果を示すグラフである。
発明の詳細な説明
本願に引用されている全ての特許、特許出願、試験手順、優先権証明書、論文、刊行物、マニュアル及び他の文書は、それらの開示がこの開示と不一致にならない限度で、かつこの組み入れが許されるすべての法域内で、引用により全て組み入れられる。
多数の数的下限と数的上限が本願に記載されているとき、いずれの下限からいずれの上限までの範囲も意図されている。
この明細書で使用する場合、用語「構造種(framework type)」は”Atlas of Zeolite Framework Types,”2001で使用されている意味で使用される。
本願では、周期律表の番号はChemical and Engineering News,63(5),27(1985)で使用されているとおりである。
用語「芳香族化」は、本願で使用する場合、非芳香族炭化水素を、ベンゼン、トルエン、又はそれらの混合物を含む芳香族炭化水素へ変換することによりベンゼン、トルエン又はそれらの混合物を製造することをいう。用語「芳香族化」は、本願で使用する場合、分子量の大きい芳香族化合物を分解して(cracking)ベンゼン、トルエン、又は混合物を含む芳香族炭化水素を製造することによってベンゼン、トルエン、又は混合物を含む芳香族炭化水素を製造することも含むことにする。芳香族化工程の例は、ナフサの触媒的改質、C2-C5脂肪族炭化水素の脱水素的環化オリゴマー化、炭化水素を水蒸気分解して、ベンゼン、トルエン又はそれらの混合物を含む芳香族炭化水素を製造すること、炭化水素の触媒的分解によりベンゼン、トルエン又はそれらの混合物を含む芳香族炭化水素を製造することを含む。
用語「改質油」は、本願で使用する場合、「芳香族化」により製造された製品をいうこととする。
本願で使用する場合、「アルキル化可能な芳香族化合物」はアルキル基を受け入れられる化合物であり、「アルキル化剤」はアルキル化可能な芳香族化合物へアルキル基を与えられる化合物である。アルキル化可能な芳香族化合物の1例はベンゼンである。アルキル化剤の例はエチレン、プロピレン、ポリアルキル化芳香族化合物、例えば、ジエチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン及びトリイソプロピルベンゼンである。
用語「wppm」は本願で使用する場合、重量による百万分の一を単位とする部分として定義される。
用語「少なくとも一部が液相で」とは本願で使用する場合、所与の温度、圧力及び組成において、少なくとも1wt%の液相を有す、任意に少なくとも5wt%の液相を有する混合物として理解される。
用語「実質的に液相」とは、本願で使用する場合、所与の温度、圧力、及び組成において少なくとも95wt%が液相である混合物として、任意に、少なくとも99wt%が液相である混合物として理解される。
用語“Cn”炭化水素、ここでnは、正の整数であり、例えば、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12であり、本願で使用する場合1分子当たりn個の炭素原子をもつ 炭化水素をいう。例えば、Cn芳香族化合物は1分子当たりn個の炭素をもつ芳香族炭化水素をいう。Cnパラフィンは、1分子当たりn個の炭素原子をもつパラフィン炭化水素をいう。Cn オレフィンは1分子当たりn個の炭素原子をもつオレフィン炭化水素をいう。用語“Cn+”炭化水素は、ここでnは正の整数、例えば、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12であり、本願で使用するとき、1分子当たり少なくともn個の炭素をもつ炭化水素をいう。用語”Cn-“炭化水素は、ここでnは正の整数、例えば、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12であり、本願で使用するとき、1分子当たり n個以下の炭素をもつ炭化水素をいう。
用語「芳香族性」は本願で使用する場合、アルキル基置換及び非置換の単環-及び複数環の化合物を含むという本願技術分野で認識されている範囲に従い理解されるべきである。芳香族性の化合物は、ヘテロ原子をもつとき、選択された反応条件下それらが触媒毒として作用する場合にも、十分な活性が達成され得るならばまた有用である。
用語「少なくとも一部液相で」は、本願で使用されるとき、所与の温度、圧力、組成で、少なくとも1wt%の液相、任意に少なくとも5wt%の液相を含む混合物として理解される。
用語「MCM-22種物質」(又は「MCM-22種の物質」又は「MCM-22種のモレキュラーシーブ」)は、本願で使用するとき、以下を含む。
(i) 共通の一次結晶性構築単位「MWW構造のトポロジーをもつ単位格子」から構成されたモレキュラーシーブ。単位格子は”Atlas of Zeolite Framework Types,”第5版、2001(この全内容は参考として組み入れられる)に記述されているように、結晶を記述するため三次元空間に配置された原子の空間的配列である。
(ii) 共通の二次構築単位からなるモレキュラーシーブであり、このようなMWW構造単位格子の二次元配列は、「一単位格子の厚みのある単一層」を形成し、1個のc-単位格子の厚みのあることが望ましい。
(iii) 共通の二次構築単位、「1単位格子以上の厚みの層」からなるモレキュラーシーブであり、1単位格子より多い厚みをもつ層は、MWW構造トポロジーをもつ単位格子の1単位格子の厚みをもつ少なくとも2つの単一層を、重ね、充填し又は結合して作られる。そのような二次構築単位の重ね合わせは規則的に、不規則に、無作為に及びそれらのいずれかの組合せにより行われえる。
(iv) MWW構造のトポロジーをもつ単位格子の二次元又は三次元のいずれか規則的なまたは無作為な組合せにより作られるモレキュラーシーブ。
MCM-22種物質は、12.4±0.25、3.57±0.07及び3.42±0.07オングストローム(焼結時又は合成時)でのd−間隔極大を含むX線回折パターンをもつことにより特徴付けられている。MCM-22種の物質は12.4±0.25、6.9±0.15、3.57±0.07及び3.42±0.07オングストローム(焼結時又は合成時)でd-間隔極大を含むX線回折パターンを持つことによっても特徴づけられる。モレキュラーシーブを特徴付けるために使用されるX線回折データは、入射光として銅のK-アルファダブレットと集光システムとしてシンチレーションカウウンターを備えた回折計と、これと組合わせたコンピュータを使用する標準的技術により得られる。MCM-22種に属する物質はMCM-22(米国特許第4,954,325号で記載されている)、PSH-3(米国特許第4,439,409号で記載されている)、SSZ-25(米国特許第4,826,667号で記載されている)、ERB-1(欧州特許第0293032号で記載されている)、ITQ-1(米国特許第6,077,498号で記載されている)、ITQ-2(国際公表第WO97/17290で記載されている)、ITQ-30(国際公表WO2005118476で記載されている)、MCM-36(米国特許第5,250,277号で記載されている)、MCM-49(米国特許第5,236,575号で記載されている)、MCM-56(米国特許第5,362,697号で記載されている)、及びUZM-8(米国特許第6,756,030号で記載されている)を含む。
上記のMCM-22種モレキュラーシーブは、MCM-22種の物質がモレキュラーシーブの10員環の内部細孔と連通していない12員環の表面ポケットを持つ点で、モルデナイトのような従来の大きな細孔をもつゼオライトアルキル化触媒と区別されると認識されるべきである。
IZA-SCによりMWWトポロジーであるとして指定されたゼオライトの物質は10員環及び12員環の両方の存在から生じる2つの細孔系をもつ複数層からなる物質である。Atlas of Zeolite Framework Types はこの同一のトポロジーをもつものとして5つの異なる名称をもつ物質を分類している。つまり、MCM-22、ERB-1、ITQ-1、PSH-3及びSSZ-25である。
MCM-22種のモレキュラーシーブは、種々の炭化水素変換法において有用であると見出されている。MCM-22種モレキュラーシーブの例は、MCM-22、MCM-49、MCM-56、ITQ-1、PSH-3、SSZ-25及びERB-1である。このようなモレキュラーシーブは芳香族化合物のアルキル化に有用である。例えば、米国特許第6,936,744号はモノルキル化芳香族化合物、特にクメンを製造する方法を開示している。この方法は、少なくとも一部液相の条件で、トランスアルキル化触媒の存在下、ポリアルキル化芳香族化合物をアルキル化を受けうる芳香族化合物と接触させ、モノアルキル化芳香族化合物を製造する工程を含み、このトランスアルキル化触媒は少なくとも2種の異なる結晶性モレキュラーシーブの混合物を含み、各モレキュラーシーブはゼオライトベータ、ゼオライトY、モルデナイト及び12.4±0.25、6.9±0.15、3.57±0.07オングストロームにd−間隔極大を含むX線回折パターンをもつ物質から選択される。
本願開示の実施態様は図1に描かれている。図1について言えば、ナフサはライン1を経て反応装置ゾーン3に導入され、ここでナフサは改質または水蒸気分解を受けベンゼン等の芳香族の製品とされる。1の反応装置ゾーンのみが示されているが、2以上の反応装置ゾーンがあることもある。反応装置ゾーン3ではC4−炭化水素がライン4を経て改質油から除去され、残存の改質油は反応装置ゾーン3からライン5を通って移動し塔7へ導入されそこでこの原料は分留され軽質の改質留分、重質の改質留分、及びベンゼン/ベンゼン共蒸物留分が生成される。軽質の改質油留分は、塔7からライン9を通って取り出され、重質の改質留分は塔7からライン11を通って取り出され、ベンゼン/ベンゼン共蒸留物留分は塔7からライン13を通りゾーン15へ導入される。ゾーン15では、触媒毒、例えば、硫黄、窒素、オレフィン、ジエン、又はそれらの組合せが、ベンゼン/ベンゼン共蒸留物留分から少なくとも一部除去される。残存の留分はゾーン15からライン17を通って取り出され、プロピル化ゾーン18へ導入される。プロピル化ゾーン18に、プロピレンはライン19を通って導入され、ベンゼンはプロピレンと反応してクメンを生成する。プロパンとプロピレンのような低分子量の分子はプロピル化ゾーン18からライン20を通って取り出される。クメンを含む製品はプロピル化ゾーン18からライン21を通り取り出され塔23へ導入される。塔23では、クメンを含む製品は分留されC8 留分とクメンとポリプロピルベンゼンからなるC9 留分を生成する。C8 留分は塔23からライン25を通って取り出され、ライン26を経て除去されるか、又はライン17を経てプロピル化ゾーン18へ再循環される。C9 留分は塔23からライン27を通って取り出され塔29へ導入される。塔29では、C9 留分は分留され高純度クメン製品留分とポリプロピルベンゼン及びC16 炭化水素からなるC10 留分となる。C10 留分は塔29からライン33を通って取り出される。回収されたポリプロピルベンゼンは高いオクタン価をもち、モガスプール(mogas pool) の価を高めるために使用できる(オクタン価を高めるためガソリンへブレンドできる)。高純度クメン製品留分は塔29からライン31を通り取り出され、さらに精製する必要なく回収され
る。このクメン製品は、普通製品の総重量に基づき重量で99.50パーセントを超える純度をもつであろう。
本願の開示の他の実施例は、図2に描かれている。図2について言えば、ナフサはライン41を通り反応装置ゾーン43へ導入され、そこでこのナフサはベンゼン等の芳香族製品に改質される。一反応装置ゾーンのみが示されているが、2以上の反応装置ゾーンがあっても良い。反応ゾーン43では、C4−炭化水素は改質油からライン45を通って除去され、残存する改質油はライン47を通り反応装置ゾーン43から取り出され、塔49に導入され、この供給原料は分留され軽質の改質油留分と重質の改質留分を生成する。軽質の改質留分は塔49から、ライン51を通り取り出され、ベンゼンとベンゼンの共蒸留物留分を含む重質の改質留分は塔49からライン53を通り取り出され、ゾーン55へ導入される。ゾーン55では、オレフィン、ジエン又はそれらの組合せが重質の改質留分から除去される。得られた留分はゾーン55からライン57を通って取り出され、塔59へ導入されそこで原料は分留されベンゼン/ベンゼン共蒸留物留分とC7+芳香族留分を生成する。C7+芳香族留分は塔59からライン61を通って除去される。ベンゼン/ベンゼン共蒸発物留分は塔59からライン63を通ってプロピル化ゾーン65へ導入される。プロピレンはプロピル化ゾーン65へライン67を通って導入され、ベンゼンはプロピレンと反応してクメンを生成する。低分子量分子、例えばプロピレンとプロパンは、プロピル化ゾーン65からライン69を通り取り出される。クメン含有製品はプロピル化ゾーン65からライン71を通って取り出され、塔73へ導入される。塔73では、クメン含有製品は分留され、C8-留分とクメンとポリプロピルベンゼンからなるC9+留分を生成する。C8-留分は塔73からライン75を通って取り出され、ライン77を通って装置から除去され、又はライン63を通ってプロピル化ゾーン65へ再循環される。C9+留分は塔73からライン79を通り取り出され塔81に導入される。塔81では、C9+留分は分留され、高純度クメン製品留分とポリプロピルベンゼンからなるC10+留分を形成する。C10+留分は塔81からライン85を通って取り出される。回収したポリプロピルベンゼンは高いオクタン価をもち、モガスプール(mogas pool)の価を高めるために使用できる(オクタン価を高めるためガソリンへブレンドできる)。高純度クメン製品留分は塔81からライン83を通り、さらに精製を受ける必要なく回収される。このクメン製品は普通、製品の総重量に基づき重量で99.50%パーセントを超す純度をもつ。
本願開示の別の実施態様は、図3に描かれている。図3について言えば、十分な温度のナフサがライン101を通って反応装置ゾーン103へ導入され、そこでナフサは水蒸気分解を受けベンゼン等の芳香族化合物を含む製品となる。一反応ゾーンのみ示されているが、2以上の反応装置ゾーンがあっても良い。反応装置ゾーンでは103では、C4-炭化水素がライン105を通って除去され、重質留分はライン107を通って除去される。ベンゼンとベンゼン共蒸留物を含む留分は、ライン109を通って反応装置ゾーン103から取り出されゾーン111へ導入され、ここで、この留分は水素処理(hydroprocess)を受け少なくとも部分的に硫黄と窒素が除去される。好ましくは、処理後の留分は5wppm未満の硫黄と1wppm未満の窒素を含む。C4-炭化水素はゾーン111から、ライン113を通って除去される。残存留分は、ゾーン111からライン115を通り取り出され、塔117へ移され、ここで、この原料は分留されC5-炭化水素留分とC6+炭化水素留分を生成する。C5-炭化水素留分は、ライン119を通って塔117から取り出される。C6+炭化水素留分はライン121を通って塔117から取り出され、ゾーン123へ導入され、この留分は処理を受け少なくとも部分的にジエンとオレフィンを除去する。処理の後、この留分は2500wppm未満のオレフィンとジエンを含むことが好ましい。この留分は次にゾーン123からライン125を通って取り出され、塔127へ導入されそこで、原料は分留されベンゼンとベンゼン共蒸留物を含む留分とC+芳香族化合物留分を生成する。C+芳香族化合物留分は塔127からライン129を通って除去される。ベンゼン/ベンゼン共蒸留物留分は塔127からライン131を通って取り出され、プロピル化ゾーン133へ導入される。プロピレンはプロピル化ゾーン133へライン135を通って導入され、ベンゼンと反応してクメンを生成する。低分子量分子、例えば、プロピレンとプロパンはプロピル化ゾーン133からライン137を通って取り出される。クメンを含有する製品はプロピル化ゾーン133からライン139を通って取り出され、塔141へ導入される。塔141では、クメンを含有する製品は分留されC8−留分とクメンとポリプロピルベンゼンからなるC9+留分を生成
する。C8−留分は塔141からライン143を通り取り出され、145を通って取り除かれるかまたはライン131を通ってプロピル化ゾーン133へ再循環される。
C9+留分は塔141からライン147を通って取り出され、塔149へ導入される。塔149では、C9+留分は分留されて高純度クメン製品留分と、ポリプロピルベンゼンからなるC10+留分となる。C10+留分は、ライン153を通って塔149から取り出される。回収されたポリプロピルベンゼンは高いオクタン価をもちモガスプール(mogas pool)の価の向上に利用できる(クタン価を大きくするためガソリンへブレンドされ得る)。高純度クメン製品留分はライン151を通り塔149から取り出され、さらに精製の必要なく回収される。このクメン製品は普通、製品の総重量に基づき重量で99.50パーセントを超える純度を持つ。
回収されたポリプロピルベンゼンは、ベンゼンとトランスアルキル化を受けてクメンとなりうるが、トランスアルキル化は相当量のn-プロピルベンゼン、例えば、1200から1300wppmのn-プロピルベンゼンを生成しえるので、トランスアルキル化製品は高純度クメンの製造に使用しないことが好ましい。プロピル化製品とトランスアルキル化製品の混合は、望む純度より低いクメン製品の形成に終わりうる。図4は1200wppmのn-プロピルベンゼンを含むトランスアルキル化製品を80wppmのn-プロピルベンゼンを含むクメン製品と混合した結果を示すグラフである。図4に示すように、99.98パーセントの純度をもつクメン製品について、10パーセントより多くトランスアルキル化製品を含む場合にはそのクメン製品は規格を外れることになる。

プロピル化触媒
好ましい実施態様では、ベンゼンのプロピル化に使用する触媒は結晶性MCM-22種の物質を含む酸活性触媒であろう。これらのモレキュラーシーブは“Atlas of Zeolite Framework Types ”Ch. Baerlocher, W.H.Meier及びD.H.Olson編、Elsevier,第5版、2001年に詳細に記載されているが、引用により本願に含められる。MCM-22種モレキュラーシーブの例はMCM-22、MCM-36、MCM-49、MCM-56、ITQ-1、SSZ-25、及びPSH-3を含む。好ましくは、モレキュラーシーブはMCM-22であり、最も好ましくは、モレキュラーシーブはアルミノケイ酸MCM-22である。
本開示で使用される酸-活性触媒は、普通、アルファ値を約1から約1000の範囲にもち、好ましくは、約10から約1000の範囲、より好ましくは約100から約1000の範囲にもつ。
ある面では、本開示で使用される酸活性触媒は、ZSM-5、ZSM-11、ZSM-12、ZSM-22、ZSM-23、ZSM-35、及びZSM-48等の2-12の束縛指数(Constraint Index)をもつ中程度の細孔のモレキュラーシーブを含んでも良い(米国特許第4,016,218号に定義されているとおり)。ZSM-5は米国特許第3,702,886号及び第Re29,948号に詳細に述べられている。ZSM-11は米国特許第3,709,979号に詳細に述べられている。ZSM-12は米国特許第3,832,449号に述べられている。ZSM-22は米国特許第4,556,477号に述べられている。ZSM-23は米国特許第4,076,842号に述べられている。ZSM-35は米国特許第4,016,245号に述べられている。ZSM-48は米国特許第4,234,231号により詳しく述べられている。全ての上記の特許明細書の全内容は引用により本願に含められる。
いくつかの他の実施態様では、本開示に使用される酸活性触媒は2未満の束縛指数をもつ大きな細孔のモレキュラーシーブを含んでも良い。適当な大きな細孔のモレキュラーシーブは、ゼオライトベータ、ゼオライトY、ウルトラステーブルY(USY)、デアルミナイズドY (Deal Y)、モルデナイト、ZSM-3、ZSM-4、ZSM-18、ZSM-22種物質及びZSM-20を含む。ゼオライトZSM-14は米国特許第3,923,636号に記載されている。ゼオライトZSM-20は米国特許第3,972,983号に記載されている。ゼオライトベータは米国特許第3,308,069号、及びRe28,341号に記載されている。低ナトリウムウルトラステーブルYモレキュラーシーブ(USY)は米国特許第3,293,192号と3,449,070号に記載されている。デアルミナイズドYゼオライト(Deal Y)は米国特許3,442,795号で見出される方法により調製されても良い。ゼオライトUHP-Yは米国特許第4,401,556号に記載されている。レアアースイクスチェンジドY(REY)は米国特許第3,524,820号に記載されている。モルデナイトは天然で生じる物質であるしかし、また、TEA-モルデナイトのように、合成品も利用できる(つまり、テトラエチルアンモニウム指向剤を含む反応混合物から調製される)。TEA-モルデナイトは米国特許第3,766,093号と第3,894,104号に開示されている。全ての上記特許明細書の全内容は引用により本願に含められる。
ある実施態様では、酸活性触媒は少なくとも1つの2-12の束縛指数をもつ中程度の大きさの細孔をもつモレキュラーシーブと少なくとも1つの2未満の束縛指数をもつ大きい細孔をもつモレキュラーシーブの混合物を含んでも良い。
この触媒に含まれるモレキュラーシーブは普通、アルファ値を約100から約1,000の範囲にもつ。このアルファ値は、モレキュラーシーブの酸性官能性の尺度であり、米国特許第4,016,218号とJ.Catalysis、Vol.VI,pp.278−287(1966)にその測定の詳細ともに記載されている。そのような詳細についてはこれらを参照されたい。より高いアルファ値は、より高い活性の分解触媒に対応する。
トランスアルキル化触媒は、ZSM-5、ZSN-11、ZSM-12、ZSM-22、ZSM-23、ZSM-35及びZSM-48等の、2-12の束縛指数をもつ、中程度の大きさの多孔性モレキュラーシーブを含んでも良い(米国特許第4,016,218号に定義されているとおり)。ZSM-5は、2未満の束縛指数をもつ大きな細孔のモレキュラーシーブ。適当な大きい細孔のモレキュラーシーブはゼオライトベータ、MCM-22種物質、ゼオライトY、ウルトラステーブルY(USY)、デアルミナイズドY(Deal Y)、モルデナイト、ZSM-3、ZSM-4、ZSM-18及びZSM-20又はそれらのいずれかの組合せである。
束縛指数はアルミノケイ酸塩又はモレキュラーシーブがその内部構造に種々の大きさの分子の受け入れを調節する程度の便利な尺度である。例えば、その内部構造へ接近及びそこからの離脱を高度に制限するアルミノケイ酸は束縛指数が大きく、この種のアルミノケイ酸塩は普通、小さい孔、例えば5オングストローム未満の孔をもつ。他方、内部アルミノケイ酸構造へ比較的自由に接近できるアルミノケイ酸塩は低い束縛指数をもち、普通、大きい細孔を持っている。束縛指数を決定する方法は米国特許第4,016,218号に十分に述べられているが、これは引用により本願に組み入れられる。
普通、結晶性モレキュラーシーブは、工程中で使用される温度と他の条件に耐性のある結合物質により結合される。適当な結合物質の例には、粘土、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、シリカ−トリア、シリカ−ベリリア及びシリカ−チタニア、また3成分組成物、例えばシリカ−アルミナ−トリア、シリア−アルミナ−ジルコニア、シリカ−アルミナ−マグネシア及びシリカ−マグネシア−ジルコニアが含まれる。モレキュラーシーブはまた、米国特許第5,993,642号(これは、引用により本願に組み入れられる)に開示されたゼオライト性物質のようなゼオライト性物質と混合されても良い。
モレキュラーシーブと結合剤物質の相対的な比率は、モレキュラーシーブ含量が重量で約1から約99パーセントの間の範囲、より好ましくは、重量で約10から約70パーセントの範囲、さらにより好ましくは約40から約70パーセントの範囲にあるのに伴い、大きく変動する。

芳香族化
芳香族化は普通、C2-C5脂肪族の脱水素環化-オリゴマー化、ナフサの触媒的改質、又は炭化水素の分解により行われる。
脱水素環化-オリゴマー化は、C2-C5脂肪族炭化水素を芳香族炭化水素へ変換することを含む。この製造法は、C2-C5脂肪族炭化水素を芳香族化ゾーンにおいて、脱水素環化二量体化に適した触媒の存在下、及びベンゼン及び/又はトルエンを含む芳香族化合物を製造するために有効な条件下でC2-C5脂肪族炭化水素を接触させることにより行われる。脱水素環化二量体化工程はオリゴメリゼーションにより炭素鎖長を増大させ、環化を促し、環化化合物を脱水素し、各芳香族化合物にする。
脱水素環化−オリゴメリゼーション工程で使用される原料流は、2個から約5個の炭素原子を含む少なくとも1個の脂肪族炭化水素を含む。この脂肪族炭化水素は、非環式炭素鎖でも、直鎖でも環式でも良い。このような炭化水素の例は、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、n-ブタン、n-ブテン、イソブタン、イソブテン、ブタジエン、直鎖及び分岐したペンタン、ペンテン、及びペンタジエンを含む。脱水素環化−オリゴメリゼーション条件は供給原料の組成と望む転化率といった要因に応じ変わる。脂肪族炭化水素の脱水素−環化二量体化による芳香族化の条件の望ましい範囲は、約350℃から約750℃の温度、約101.3kPa-aから約10.13MPa-aの圧力、約0.2から約8までの毎時重量空間速度を含む。原料の平均炭素数が増えるにつれ、温度範囲の下限の温度が、最高の反応成績を得るために必要とされ、逆に、原料の平均炭素数が減少するにつれ、求められる反応温度は高くなる。
脱水素環化-オリゴメリゼーション反応に使用される触媒は中程度の大きさ細孔のモレキュラーシーブを含むことが好ましい。中間的な細孔の大きさのモレキュラーシーブは約5Åから約7Åの大きさの細孔をもち、例えば、AEL、AFI、MWW、MFI、MEL、MFS、MEI、MTW、EUO、MTT、HEU、FER及びTON構造種のモレキュラーシーブを含む。これらの物質は”Atlas of Zeolite Structure Types”, 編、W .H .Meier, D.H. Olson,及びCh. Baerlocher, Elsevior, 第4版、1996に記載され、これは引用により本願に組み入れられる。適した中間的な大きさの細孔のモレキュラーシーブの例は、ZSM-5、ZSM-11、ZSM-12、ZSM-22、ZSM-23、ZSM-34、ZSM-35、ZSM-38、ZSM-48、ZSM-50、ZSM-57、MCM-22、MCM-49、MCM-56及びSAPO-5を含む。好ましいモレキュラーシーブは、MFI構造をもつチタノケイ酸塩、ガロケイ酸塩(gallosilicate)、アルミノケイ酸塩、及びガリウム含有アルミノケイ酸塩モレキュラーシーブのほか、SAPO-11である。
普通、モレキュラーシーブは加工で用いられる温度及び他の条件に耐える結合材料と組み合わされる。適当な結合物質とモレキュラーシーブと結合物質の相対的な割合はベンゼンのプロピル化反応に使用される触媒について先に述べたものと同じである。
本願の開示で使用される炭化水素組成物原料が、触媒的改質により製造される改質油から製造されるとき、改質油は、ベンゼンと他の炭化水素を含む反応生成物を製造するため普通、C6+飽和脂肪族原料、例えばナフサ、を改質条件下改質触媒と接触させることにより調製される。改質油はナフテンの脱水素化、飽和脂肪族炭化水素の異性化、非芳香族炭化水素の脱水素環化を促進するように設計された典型的な改質条件下で生成される。
C6+飽和脂肪族炭化水素を含有する実質的にどの炭化水素原料も、例えばナフサも、ナフサの改質用供給原料として利用できる。ナフサは一般的にC6 - C9飽和脂肪族炭化水素を含む。この脂肪族炭化水素は直鎖又は分岐鎖の非環式炭化水素であり、特にヘプタンのような飽和脂肪族炭化水素である。
触媒的改質での使用に適した触媒は酸性改質触媒(2官能性触媒)と非酸性改質触媒(単官能性触媒)を含む。
酸性改質触媒は、通常、8族、9族又は10族金属を内部に沈着させた金属酸化物担体を含む。適した金属酸化物担体はアルミナとシリカを含む。好ましくは、酸性改質触媒は8族、9族又は10族金属(白金が好ましい)と、金属反応促進剤(a metal promoter)例えばレニウム、スズ、ゲルマニウム、コバルト、ニッケル、イリジウム、ロジウム、ルテニウム及びそれらの混合物を密接な混合物の形で内部に沈着させた金属酸化物担体を含む。酸性改質触媒はアルミナ担体、白金とレニウムを含むか、又はアルミナ担体上に白金とスズを含むことがさらに好ましい。
非酸性または単官能性改質触媒は非-酸性モレキュラーシーブ、例えば、ゼオライトと1以上の水素添加/脱水素成分を含む。適したモレキュラーシーブの例は、MFI構造種、例えば、シリカライト、と大きな細孔をもつモレキュラーシーブ、例えば約7から9オングストロームの大きさの細孔をもつモレキュラーシーブを含む。大きな細孔のモレキュラーシーブの例は、LTL、FAU、及びBEA構造種を含む。具体的モレキュラーシーブの例には、ゼオライトL、ゼオライトX、ゼオライトベータ、ゼオライトY及びETS-10が含まれる。
改質触媒は一以上の水素添加/脱水素化金属、7族金属、例えば、レニウム、8族、9族、10族金属、例えばニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金を含む。好ましい、8族、9族または10族金属は白金である。また、非酸性触媒はスズのような金属反応促進剤を含み得る。
非酸性触媒上の水素添加/脱水素化金属の量は、触媒の重量に基づき、普通、約0.1%から約5.0%の水素添加/脱水素化金属である。この金属はゼオライトの合成中に、浸漬、又は適当な塩を含む水溶液のイオン交換によりゼオライトの中へ組み入れることができる。例として、イオン交換法では、白金はテトラアンミン白金(II) 硝酸塩のようなカチオン性白金錯体を使用することにより導入できる。
非酸性触媒は、普通、結合剤を含む。結合剤は天然の、又は合成的に製造された無機酸化物、又は無機酸化物の組合せでありうる。使用しうる典型的無機酸化物担体は粘土、アルミナ、及びシリカを含み、酸性部位は強い酸性を与えないカチオンにより交換されることが好ましい。
改質工程は、連続的、循環的又は半再生的でありうる。この工程は固定床、移動床、管状、放射状流又は流体床で行われ得る。
改質条件は、少なくとも約400℃から約600℃の温度、約344.7kPa-aから約3.447MPa-aの圧力、1:1から10:1までの水素対炭化水素のモル比、0.3と10の間の液体毎時空間速度を含む。
本願開示に使用される炭化水素組成物原料が水蒸気分解により製造される改質油から製造されるとき、この改質油は普通、C6+飽和脂肪族炭化水素原料、例えば、ナフサを水蒸気分解条件下、水蒸気と接触させ、ベンゼンと他の炭化水素を含有する反応生成物を製造することにより生成される。この改質油は、飽和脂肪族炭化水素を軽質のオレフィンと芳香族化合物へ熱的な転換を促すよう設計された典型的な水蒸気分解条件下で生成される。
C2+飽和脂肪族炭化水素、例えばエタン、プロパン、ブタン、ナフサ、留出物、大気ガスオイル(atmospheric gas oil)、真空ガスオイル(vacuum gas oil)、及び/又はそれらの組合せを含有する実質的にどの炭化水素原料も、水蒸気分解の原料として利用しうる。このナフサは、一般的にC6- C9の非芳香族炭化水素を含む。この非-芳香族炭化水素は直鎖又は分岐鎖の環式及び非環式炭化水素でもよく、特にメチルシクロペンタジエンのような環式炭化水素でも良い。
この炭化水素の組成は、少なくとも1のベンゼン共蒸発物、つまり約101.3kPa-aの圧力でベンゼンの沸点の10℃以内に沸点をもつC6+非芳香族炭化水素を、重量で約1から約75パーセント含む。いくつかの炭化水素組成物は、異なる量のベンゼン共蒸発物、例えば重量で約5から約60パーセントの少なくとも1のベンゼン共蒸発物、又は重量で、約10から約50パーセントの少なくとも1のベンゼン共蒸発物を含む。また、ある炭化水素組成物では、この炭化水素組成物中のC6+非芳香族炭化水素は、約101.3kPa-aの圧力で、ベンゼンの沸点の5℃以内の沸点をもつ。
プロピル化装置へ供給される炭化水素組成物原料に含有され得るベンゼン共蒸発物の例はシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、2-メチルヘキサン、3-メチルヘキサン,2,3-ジメチルペンタン、2,4-ジメチルペンタン及びジメチルシクロペンタンを含む。

原料の前処理
本願開示の製造法で使用される炭化水素組成物原料は、例えば、オレフィン、ジエン、硫黄含有化合物、窒素含有化合物、及びそれらの組合せのような不純物を含んでも良い。好ましくは、一以上のこれらの不純物の少なくとも一部は、触媒のサイクル寿命を延長するため、及びプロピル化反応装置の生成物中にクメン共蒸発物の生成を減少させるため、ベンゼンのプロピル化の前に炭化水素組成物原料から取り除かれる。
これらの不純物を除く技術は本願技術分野の技術者に知られている。窒素含有及び硫黄含有不純物は水素処理により取り除くことができる。水素処理技術は本願技術分野で良く知られ、水蒸気分解ナフサが米国低硫黄含有ガソリン規格に適合するガソリンへブレンドされ得るために必要とされることが多い。水素処理は水素処理条件で担体触媒存在下、水素により炭化水素原料を処理することにより行われる。この触媒は普通、耐火性担体上で促進剤(a promoter)として1以上の8族、9族又は10族金属と併せた6族金属からなる。好ましい実施態様では、水蒸気分解ナフサは、水素処理され硫黄水準を5wppm未満に減じられ、窒素水準を1wppm未満に減らされ、そしてオレフィンとジエンの水準を2500wppm未満に減らされる。水素処理工程は水蒸気分解からナフサ改質から製造されるナフサと非常に似た水準の不純物を含むナフサを製造する。その後、(改質油又は水素処理水蒸気分解ナフサから)オレフィンとジエンを除くための技術は、米国特許第6,781,023号及び6,500,996号に開示され、これらは引用により組み入れられる。オレフィンとジエンを取り除く好ましい技術は、オレフィン/ジエンを含有する炭化水素組成物原料をMCM-22を含有する結晶性モレキュラーシーブと接触させることを含む。
窒素含有及び硫黄含有不純物は、窒素含有/硫黄含有不純物の少なくとも一部の除去に有効な吸収条件下で吸収剤に窒素含有及び硫黄含有炭化水素組成物を接触させることによっても取り除くことができる。適した吸収剤の例は、粘土物質とアルミナ化合物を含む。好ましい吸収条件は、処理される炭化水素組成物原料に応じ、周囲温から500℃、より好ましくは周囲温から200℃、最も好ましくは周囲温から100℃の温度、液相条件を維持するために十分な圧力、0.5hr-1から約100 hr-1の、より好ましくは、0.5hr-1から約10hr-1の、最も好ましくは、1.0 hr-1から4.0hr-1の重量毎時空間速度を含む。

工程
本開示に使用されても良い、適したアルキル化剤は、アルケン化合物、アルコール化合物、及び/又はアルキルベンゼン及びそれらの混合物を含む。本開示の工程で有用である他の適したアルキル化剤は、アルキル化を受けうる芳香族化合物と反応しうる、1以上の利用可能なアルキル化用の飽和脂肪族基を有するいずれかの飽和脂肪族又は芳香族有機化合物を含むのが一般的である。適したアルキル化剤の例は、C3オレフィン、C3アルカノール、C2-C20エーテル、例えばジメチルエーテルとジエチルエーテル等のC2-C5エーテル、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド及びn-バレロアルデヒドのようなアルデヒド、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化ブチル、塩化ペンチル、のようなアルキルハライド、ポリアルキル化芳香族化合物、例えば、ビ-アルキル化ベンゼン(例.ビ-エチルベンゼン、又はビ-イソプロピルベンゼン)及びトリ-アルキル化ベンゼン(例.トリ-エチルベンゼン又はトリ-イソプロピルベンゼン)などを含む。従って、アルキル化剤は好ましくは、C2-C5オレフィン、C1-C5アルカノール、ビ-エチルベンゼン、ビ-イソプロピルベンゼン、トリ-エチルベンゼン、及び/又はトリ-イソプロピルベンゼンからなる群から選択されても良い。アルキル化剤は高濃度のアルケン原料(例.ポリマー用品質のオレフィン)と低濃度のアルケン原料(例.触媒的分解の排ガス)を含む。アルキル化剤はプロピレン、プロピル-アルコール、ポリプロピルベンゼン、又はこれらの混合物を含むことが好ましい。
ある実施態様では、本開示の製造法は、約250℃までの温度、例えば、約170℃まで、約10℃から約170℃の温度、約110℃から約170℃までの範囲、ベンゼンとプロピレンの混合物を少なくとも部分的に液相に維持するに十分な圧力、普通少なくとも、101.3kPa-a、少なくとも689.5kPa-a、例えば約689.5kPa-aから約6.89Mpa-a、約0.001:1から約1:1の、好ましくは、約0.01から0.5のプロピレン対ベンゼンのモル比、約0.1から約250hr-1、好ましくは、約1から約50 hr-1の、より好ましくは約5から10 hr-1範囲の原料供給重量毎時空間速度を含む条件で少なくとも部分的に液相で実施される。好ましい条件は約120℃から約150℃の温度、約1.37Mpa-aから約2.76Mpa-aの圧力、約0.01:1から約0.5:1のプロピレン対ベンゼンのモル比、約0.5から約2hr-1の重量毎時空間速度の原料供給を含む。より好ましくは、プロピレン対ベンゼンのモル比は約0.02:1から約0.04:1の範囲にある。最も好ましくは、プロピレン対ベンゼンのモル比は約0.03である。
ある実施態様では、本願の開示の製造法は、約250℃までの温度、例えば、約170℃まで、例えば、約10℃から約170℃まで、約110℃から約170℃の範囲の温度、ベンゼンとプロピレンの混合物を実質的に液相、任意に液相に維持するに十分な圧力、普通少なくとも689.5kPa-a、例えば、約689.5kPa-aから約6.89Mpa-aの圧力、約0.001:1から約1:1、好ましくは約0.01から0.5の範囲のプロピレン対ベンゼンのモル比、約0.1から約250hr-1、好ましくは約1から50 hr-1、より好ましくは約5から10 hr-1の範囲の重量毎時空間速度の原料供給を含む条件で、ベンゼンとプロピレンの混合物を実質的に液相に、任意に液相に維持して行われる。好ましい条件は約120℃から約150℃の温度、約1.37Mpa-aから約2.76Mpa-aの圧力、約0.01:1から約0.5:1のプロピレン対ベンゼンのモル比、約0.5から約2hr-1の重量毎時空間速度の原料供給を含む。より好ましくは、プロピレン対ベンゼンのモル比は約0.02:1から約0.4:1の範囲にある。最も好ましくは、プロピレン対ベンゼンのモル比は約0.03である。
本願開示の製造法で使用のため特定されたアルキル化剤、例えばプロピレン、とベンゼンの比は、反応装置の供給口でのアルキル化剤、例えばプロピレン、とベンゼンのモル比をいう。例えば、プロピレン供給原料が各触媒床に注入される、2以上の触媒床、例えば4床をもつ反応装置の場合、各床に導入されるプロピレン対ベンゼンのモル比は、特定の範囲内にある、つまり、プロピレン対ベンゼンのモル比は、下限値と上限値により定められる範囲内にある。下限値と上限値により定められるいずれの特定の範囲についても、下限値は上限値と等しいか又は低い。本願開示に有用な範囲は、0.001:1、0.01:1、0.015:1、0.2:1、0.025:1、0.3:1、0.31:1、0.35:1、0.4:1、0.45:1、0.5:1、0.55:1、0.6:1、0.65:1、0.7:1、0.75:1、0.8:1、0.85:1、0.9:1、0.95:1、及び1:1なる群から選択された2個の数値のいずれかの組合せにより決定されても良い。通常の範囲の例は、0.001:1から0.75:1、0.01:1から0.6:1、0.02:1から0.5:1、0.02:1から0.4:1、0.02:1から0.3:1、及び0.02:1から0.1:1である。
本願開示の製造法は、製品の重量に基づき少なくとも99.50重量パーセントのクメンを含むクメン製品を製造する。好ましくは、本願開示の製造法は製品の重量に基づき少なくとも99.90重量パーセントのクメンを含むクメン製品を製造する。より好ましくはこのクメン製品は、少なくとも99.95重量パーセントの純度をもち、最も好ましくは、クメン製品は少なくとも99.985重量パーセント純度をもつ。さらにクメン製品の純度を上げるために、この製品はより純度の高いクメン製品と混合できる。例えば、99.95重量パーセント純度をもつクメン製品は、適量のさらに純度の高いクメン製品(100パーセントのクメン製品)を99.95の純度の製品と混合することにより99.97重量パーセント純度へ上げることができる。
分離用の蒸留温度、例えば、クメンからポリプロピルベンゼンの分離、は本願技術分野の技術者に知られ、原料の組成、例えば、ポリプロピルベンゼン/クメン原料の組成、により変わる。
本願開示の製造法はポリプロピルベンゼンを分離画分として回収すること、及びこの回収したポリプロピルベンゼンをガソリンのオクタン価を上げるためにガソリンブレンド用組成物として使用することを含む。
反応ゾーンからの流出物は目的物クメン、未反応のベンゼン、幾分かの未反応プロピレン(プロピレンの転化率は少なくとも90モル%であることが期待され、約98-99.9999モル%であることが望ましい。)及びアルカン化合物、他の不純物を含む。ある実施態様では、少なくとも流出物の一部は別の反応ゾーンへ供給され、そこでプロピレンが、アルキル化触媒による未反応ベンゼンとの反応のため追加される。さらに、この反応ゾーンのいずれかからの流出物の少なくとも一部はトランスアルキル化装置に直接、間接に供給されても良い。
反応ゾーンに加え、及びその上流に、迂回用反応性又は非反応性保護床が、普通、アルキル化反応装置と別に、反応装置中に備えられても良い。そのような保護床にもアルキル化又はトランスアルキル化触媒が充填されても良く、これらは反応ゾーンで使用される触媒と同一又は異なっても良い。そのような保護床は周囲の条件から守られ、または、適したアルキル化又はトランスアルキル化条件で維持される。少なくともベンゼンの一部、任意にプロピレンの少なくとも一部は、反応ゾーンへ入る前に、非反応性又は反応性保護床を通過する。これらの保護床は目的のアルキル化反応に影響を及ぼすことに役立つだけでなく、除去されない場合、存在するアルキル化又はトランスアルキル化触媒に触媒毒となりうる炭化水素組成物原料中の反応性不純物、例えば窒素化合物を除去するためにも使用される。反応性又は非反応性保護床の触媒は、そのため他のアルキル化又はトランスアルキル化触媒より頻繁に再生及び/又は交換を受ける。そのため保護床には迂回路が備えられ、保護床が休止の場合、アルキル化原料が直接に一連の連結された反応ゾーンへ供給されても良い。
本願発明の製造法に使用される反応ゾーンは、通常、プロピレンの本質的に完全な転換を達成するために稼動される。しかし、ある用途では、100%未満のプロピレン転換で稼動することが望ましいかもしれない。ある条件では反応ゾーンの下流の別の最終反応装置の使用が望ましいかもしれない。最終反応装置はアルキル化又はトランスアルキル化触媒も含むが、これらはアルキル化又はトランスアルキル化反応装置中の他の反応ゾーンで使用される触媒と同一又は異なることがあり、少なくとも一部液相又は蒸気相のアルキル化又はトランスアルキル化条件に維持されても良い。流出物中のポリアルキル化芳香族化合物はアルキル化を受けえる芳香族化合物とのトランスアルキル化に使用するため分離されても良い。アルキル化された芳香族化合物はポリアルキル化された芳香族化合物とアルキル化を受けうる芳香族化合物の間のトランスアルキル化により合成される。
本願発明の製造法で使用されるアルキル化又はトランスアルキル化反応装置は目的とするモノアルキル化生成物、例えばクメンに高度に選択であるが、しかし、通常、少なくともいくつかのポリアルキル化種を製造する。ある実施態様では、最終アルキル化反応ゾーンからの流出物の少なくとも一部は、ポリアルキル化芳香族化合物を回収するために分離工程を受ける。別の実施態様では、ポリアルキル化芳香族化号物の少なくとも一部は、アルキル化反応装置から分離されても良いトランスアルキル化反応装置に供給される。このトランスアルキル化反応装置はポリアルキル化種をアルキル化可能な芳香族化合物と反応させることにより、モノアルキル化生成物が加えられた流出物を製造する。少なくともこれらの流出物の一部は分離されアルキル化された芳香族化合物(モノアルキル化芳香族化合物と/又は、ポリアルキル化芳香族化合物)が回収される。
アルキル化システムが反応性保護床を含む場合、それは少なくとも一部は液相条件で維持される。この保護床は約120から285℃の温度、好ましくは、約150から260℃の温度、689から4601kPa-aの圧力、好ましくは、1500から4137kPa-aの圧力、プロピレン全量と反応装置全体についての触媒全量に基づき、0.1から10hr-1の、好ましくは、0.2から2 hr-1、より好ましくは、0.5から1hr-1のWHSV、又は全プロピレンと全ベンゼン両者、及び反応装置全体の触媒全量に基づき10から100hr-1、好ましくは20から50 hr-1のWHSV、及び約1から約100の、好ましくは、約20から約80のベンゼン対プロピレンのモル比で稼動する。
トランスアルキル化反応は少なくとも一部は、液相条件で起こっても良い。ベンゼンによるポリアルキル化芳香族化合物、例えば、ポリイソプロピルベンゼンの、少なくとも一部液相のトランスアルキル化を実行する特定の条件は、約100℃から約300℃の温度、696から4137kPa-aの圧力、約0.5から約100hr-1のアルキル化反応ゾーンへ供給されるポリアルキル化芳香族化合物の重量に基づくWHSV、及び1:1から30:1の、好ましくは1:1から10:1の、より好ましくは1:1から5:1のベンゼン対ポリアルキル芳香族化合物のモル比を含んでも良い。
別の実施態様では、トランスアルキル化反応は蒸気相条件で起こっても良い。ポリアルキル化芳香族化合物、ポリイソプロピルベンゼンの、ベンゼンによる蒸気相トランスアルキル化を行う特定の条件は、約350から約450℃の温度、696から1601kPa-aの圧力、約0.5から約20hr-1の、好ましくは、約1から約10 hr-1の反応ゾーンへ供給されるポリアルキル化芳香族化合物の重量に基づくWHSV、1:1から5:1、好ましくは2:1から3:1のベンゼン対ポリアルキル化芳香族化合物のモル比を含む。
いくつかの実施態様では、本願開示は、
1. 本質的にC4−炭化水素とC7+芳香族炭化水素がない炭化水素組成物で、前記炭化水素組成物は、
(i) ベンゼン;
(ii) 炭化水素組成物の重量に基づき、重量で約1から約75パーセントの、約101.3kPa-aの圧力で、ベンゼンの沸点の10℃以内の沸点をもつ少なくとも1のC6+非芳香族炭化水素
(iii) 5wppm未満の硫黄
(iv) 1wppm未満の窒素、及び
(v) 2500wppmのオレフィンとジエン
を含む。

2.先のいずれかの段落に記載されている炭化水素組成物であって、前記少なくとも1のC6+非芳香族炭化水素は、前記炭化水素組成物の重量に基づき重量で約5から約60パーセントの量で前記炭化水素組成物に含まれているものである炭化水素組成物。

3.先のいずれかの段落に記載されている炭化水素組成物であって、前記少なくともC6+非芳香族炭化水素の沸点が、約101.3kPa-aの圧力で、ベンゼンの沸点の5℃以内にあるものである炭化水素組成物。

4.先のいずれかの段落に記載されている炭化水素組成物であって、前記少なくとも1のC6+非芳香族炭化水素はシクロヘキサン、メチルシクロペンタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、ジメチルシクロペンタン、及びそれらの混合物からなる群から選ばれるものである炭化水素組成物。

5.先のいずれかの段落に記載されている炭化水素組成物であって、前記炭化水素組成物はナフサの水蒸気分解により製造された製品から製造される炭化水素組成物。

6.段落5に記載された炭化水素組成物であって、ナフサの水蒸気分解により生成された前記製品は以下を含む炭化水素組成物。
(i) C5-炭化水素
(ii) ベンゼン
(iii) C7+芳香族炭化水素
(iv)重量で約1から約75パーセントの約101.3Kpa-aの圧力で、ベンゼンの沸点の10℃以内に沸点をもつ少なくとも1のC6+非芳香族炭化水素
(v) 5wppmより多い硫黄
(vi) 1wppmより多い窒素、及び
(vii) 250 wppmより多いオレフィンとジエン

7.段落6に記載されている炭化水素組成物であって、前記炭化水素組成物はナフサを水蒸気分解することにより製造された前記製品から回収されるC6炭化水素画分を含み、前記C6炭化水素画分は以下からなる工程より回収される炭化水素組成物。
(a) 前記製品からC4-炭化水素を除去する工程
(b) 工程(a)の製品から硫黄と窒素を除去し、その結果、5wppm未満の硫黄と1wppm未満の窒素を含む製品を製造する工程
(c) 蒸留ゾーンで工程(b)の結果物である製品を分留しC5-留分とC6+留分を製造する工程
(d) 前記蒸留ゾーンからC6+留分を取り出す工程
(e) 前記C6+留分からオレフィンとジエンを除去するために前記C6+留分を処理し250wppm未満のオレフィンとジエンを含むC6+留分を製造する工程。
(f)工程(e)の結果物であるC6+留分を蒸留ゾーンで分留しC6留分とC7+留分を製造する工程。
(g) 前記C6留分を取り出す工程。

8.先のいずれかの段落に記載されている炭化水素組成物であって、抽出工程を含まない回収工程により改質油から回収される前記炭化水素組成物。

9.製品中に含まれるクメンの重量に基づき少なくとも99.50パーセントの純度を持つクメン製品を製造する方法であって、抽出を受けず、C4-炭化水素とC7+芳香族炭化水素を実質的に含まず、ベンゼンと重量で約1から約75パーセントの、約101.3kPa-aの圧力で、ベンゼンの沸点の10℃以内の沸点をもつ少なくとも1のC6+非芳香族炭化水素を含む、炭化水素組成物原料を使用する方法であり、以下の工程を含む方法。
(a) アルキル化反応ゾーンが少なくとも一部液相条件で維持され、結晶性MCM-22種物質とゼオライトベータモレキュラーシーブのうち少なくとも1を含む酸活性触媒を使用し、約110℃から約170℃の範囲の温度、ベンゼンを液相に維持するために十分な圧力、約0.01:1から約0.75:1の範囲のプロピレン対ベンゼンのモル比、及び約0.1から約10hr-1の範囲の重量毎時空間速度での原料供給速度を含む条件で、前記アルキル化反応ゾーンでプロピレンによるベンゼンのアルキル化を行う工程。
(b) 前記クメン製品に含有されるクメンの重量に基づき少なくとも99.50パーセントの純度をもつクメン製品を製造するために工程(a)の製品を蒸留する工程。

10.段落9に記載されている製造法であって、前記炭化水素組成物原料が、改質油から製造されるものである製造法。

11.段落10に記載されている製造法であって、前記改質油は (i) C5-炭化水素、(ii) ベンゼン、(iii)C7+芳香族炭化水素、及び(iv)約101.3kPa-aの圧力で、ベンゼンの沸点の10℃以内の沸点をもつ、重量で 約1から約75パーセントの少なくとも1のC6+非芳香族炭化水素を含み、前記炭化水素組成物原料は、前記改質油からC4-炭化水素と前記C7+芳香族炭化水素を蒸留により除去することにより製造されるものである製造法。

12.段落9−11のいずれか1の段落に記載された製造法であって、さらに工程(a)の製品からポリプロピルベンゼンを回収することを含む製造法。

13.段落12に記載されている製造法であって、回収されたポリプロピルベンゼンの少なくとも一部はガソリンにブレンドされる製造法。

14.段落9−13のいずれかの1の段落に記載されている製造法であって、アルキル化条件は約120℃から約150℃の温度、約1.479Ma-aから約2.859Mpa-aの圧力、約0.01:1から約0.5:1のプロピレン対ベンゼンのモル比、約0.5から約2hr-1の重量毎時空間速度の原料供給速度を含む製造法。

15.段落9-14のいずれか1に記載されている製造法であって、プロピレン対ベンゼンの前記モル比は0.02:1から約0.4:1である製造法。

16.段落15に記載された製造法であって、プロピレン対ベンゼンの前記モル比は約0.03である製造法。

17.段落9-16のいずれか1の段落に記載された製造法であって、前記結晶性MCM-22種物質はMCM-22、MCM-36、MCM-49及びMCM-56からなる群から選択されるものである製造法。

18.段落17に記載されている製造法であって、前記触媒はさらに結合剤を含んでいる製造法。

19.段落18に記載されている製造法であって、前記結晶性MCM-22種の物質はMCM-22である製造法。

20.段落9-16のいずれか1に記載されている製造法であって、前記少なくとも1のC6+非芳香族炭化水素はシクロヘキサン、メチルシクロペンタン、2-メチルヘキサン、3-メチルヘキサン、2,3-ジメチルペンタン、2,4-ジメチルペンタン、ジメチルシクロペンタン及びこれらの混合物からなる群から選択されるものである製造法。

21.段落9-20のいずれか1の段落に記載されている製造法であって、前記クメン製品の前記純度は、製品に含有されるクメンの重量に基づき少なくとも99.90パーセントである製造法。

22.段落9-21のいずれか1の段落に記載された製造法であって、前記クメン製品の前記純度は、当該製品に含有されるクメンの重量に基づき少なくとも99.95パーセントである製造法。

23.段落10に記載された製造法であって、前記改質油は、ナフサの触媒的改質により製造されるものである製造法。

24.段落10に記載された製造法であって、前記改質油は炭化水素の分解により製造される製造法。

25.段落24に記載された製造法であって、前記分解は水蒸気分解により達成される製造法。

26.段落9−25のいずれか1の段落に記載された製造法であって、前記少なくとも1のC6+非芳香族炭化水素が前記炭化水素組成物原料に、約101.3kPa-aの圧力で、ベンゼンの沸点の10℃以内に沸点をもつ少なくとも1のC6+非芳香族炭化水素の重量で、約10から約50パーセントで含まれるものである製造法。

27.段落9-26のいずれか1の段落で記載されている製造法であって、前記炭化水素組成物原料はオレフィン、ジエン、硫黄含有化合物、窒素含有化合物、及びそれらの混合物からなる群から選択された不純物を含み、前記不純物の少なくとも一つの少なくとも一部が、前記触媒と接触する前に炭化水素組成物原料から除去される製造法。

28.段落9-27のいずれか1の段落で記載されている製造法であって、前記炭化水素組成物は実質的にC4−炭化水素とC7+芳香族炭化水素を含まず、以下を含むものである製造法。
(i) ベンゼン
(ii)炭化水素組成物の重量に基づき重量で約1パーセントから約75パーセントの少なくとも1の、約101.3kPa-aの圧力でベンゼンの沸点の10℃以内の沸点をもつ、C6+非芳香族炭化水素
(iii)5wppm未満の硫黄
(iv) 1wppm未満の窒素、及び
(v) 2500 wppm未満のオレフィンとジエン

29.改質油から製造された炭化水素組成物を使用して、製品中のクメンの重量に基づき少なくとも99.50パーセントの純度をもつクメン製品を製造する製造法であって、前記炭化水素組成物は抽出を受けず、以下の工程を含む製造法。
(a) (i) C5−炭化水素、(ii) ベンゼン、(iii) C7+芳香族炭化水素、及び(iv)改質油の重量に基づき重量で約1から約75パーセントの約101.3kPa-aの圧力で、ベンゼンの沸点の10℃以内の沸点をもつ少なくとも1のC6+非芳香族炭化水素、を含む改質油を与える工程、
(b)改質油から蒸留によりC4−炭化水素とC7+芳香族炭化水素を除去し、前記炭化水素組成物を製造する工程、
(c )約110℃から約170℃の範囲の温度、ベンゼンとプロピレン混合物を少なくとも一部液相に維持するのに十分な圧力、約0.001:1から約0.75:1の範囲のプロピレン対ベンゼンのモル比、及び約0.1から約10hr-1の範囲の重量毎時空間速度の原料供給の条件で結晶性MCM-22種物質とゼオライトベータモレキュラーシーブの少なくとも1を含む触媒により、少なくとも一部液相で、改質油の抽出を受けていない炭化水素組成物に含まれるベンゼンをプロピレンでアルキル化する工程、及び、
(d)工程( c)の製品を蒸留し、製品中に含まれるクメンの重量に基づき少なくとも99.50パーセントの純度をもつクメン製品を製造する工程。

30. 段落29に記載された製造法であって、当該アルキル化条件は約120℃から約150℃の温度、約1.479MPa-aから約2.859Mpa-aの圧力、約0.1:1から約0.5:1のプロピレン対ベンゼンのモル比、約0.5から約2hr-1の重量毎時空間速度の原料供給を含むものである製造法。

31. 段落29-30のいずれか1の段落に記載されている製造法であって、前記プロピレン対ベンゼンのモル比は約0.2:1から約0.4:1である製造法。

32. 段落29-31のいずれか1の段落に記載されている製造法であって、前記プロピレン対ベンゼンのモル比は約0.3である製造法。

33. 段落29-32のいずれか1の段落に記載されている製造法であって、前記結晶性MCM-22種物質はMCM-22、MCM-36、MCM-49、及びMCM-56からなる群から選択されるものである製造法。

34. 段落33に記載の製造法であって、前記結晶性MCM-22種物質はMCM-22である製造法。

35. 段落29-34のいずれか1の段落に記載されている製造法であって、前記改質油はナフサの触媒的改質により製造される製造法。

36. 段落29-34のいずれか1の段落に記載されている製造法であって、前記改質油は炭化水素の分解により製造される製造法。

37. 段落36に記載の製造法であって、前記分解は水蒸気分解により達成される製造法。

38. 段落29-37のいずれか1の段落に記載されている製造法であって、前記クメン製品の前記不純物は製品中に含有されるクメンの重量に基づき少なくとも99.90パーセントである製造法。

39. 段落29-38のいずれか1の段落に記載されている製造法であって、前記炭化水素組成物原料はオレフィン、ジエン、硫黄含有化合物、窒素含有化合物とそれらの混合物からなる群から選択される不純物を含み、前記不純物の少なくとも一つの少なくとも一部は前記触媒と接触する前に炭化水素組成物原料から除去される製造法。

40. 段落39に記載されている製造法であって、当該炭化水素組成物は、C4-炭化水素とC7+芳香族炭化水素を実質的に含まず、以下を含むものである製造方法。
(i) ベンゼン
(ii) 炭化水素組成物の重量に基づき重量で約1から約75パーセントの、約101.3KPa-aの圧力でベンゼンの沸点の10℃以内に沸点をもつ、少なくとも1のC6+非芳香族炭化水素
(iii) 5wppm未満の硫黄
(iv) 1 wppmの未満の窒素、及び
(v) 2500 wppm 未満のオレフィンとジエン

41 段落29-40のいずれか1の段落に記載されている製造法であって、前記少なくとも1のC6+非芳香族炭化水素は、前記炭化水素組成物原料に、約101.3kPa-aの圧力で、ベンゼンの沸点の10℃以内の沸点をもつ少なくとも1つのC6+非芳香族炭化水素の重量の約10から約50パーセントで含まれるものである製造法。
以下の実施例は本願開示のある実施態様を説明するものであるが、開示の本質と範囲を制限するものとして解釈されることを意図していない。

実施例1
試験は66重量パーセントのベンゼンと重量で34パーセントの2-メチル-ヘキサンからなる炭化水素組成物原料で実施された。プロピレンはこの炭化水素組成物原料に、この原料のプロピレン対ベンゼンのモル比が0.20から1.0の範囲にあるような量で含有されていた。この試験は130℃の温度とベンゼンを液相に維持するため十分な圧力でMCM-22触媒上に原料を通すことにより行われた。図5は、プロピレンオリゴマー不純物をプロットし、本願開示の発明の実施では、プロピレンオリゴマー不純物が有意に低いことを示している。

実施例2
試験は66重量パーセントのベンゼンと重量で34パーセントの2-メチル-ヘキサンからなる炭化水素組成物原料によって試験が行われた。プロピレンは原料中に、種々の量で含まれ、つまり、プロピレン対ベンゼンのモル比は1.0;0.5;及び0.25であった。試験は130℃の温度で、ベンゼンを液相に維持するため十分な圧力でMCM-22触媒に原料を通すことによって行われた。試験の結果は図6から図8に示されている。図6は、2-メチルヘキサンの3-メチルヘキサンへの異性化の程度をプロットし、本願開示の発明の実施が2-メチルヘキサンの3-メチルヘキサンへの異性化が最小である結果を示す。図7は、種々の空間速度でのn-プロピルベンゼン不純物量をプロットし、n-プロピルベンゼンの生成量が空間速度により有意に変わらなかったことを示す。図8は、ベンゼン転化に対するクメン選択性をプロットし、本願開示の発明の実施がベンゼンの高い転化と高いクメン選択性になることを示す。

Claims (10)

  1. 改質油由来の製品中のクメンの重量に基づき少なくとも99.50パーセントの純度をもつクメン製品を製造する製造法であって、以下の工程を含む製造法。
    (a) (i) C5-炭化水素、(ii) ベンゼン、(iii) C7+芳香族炭化水素、及び(iv)重量で 1から 75パーセントの、 101.3kPa-aの圧力で、ベンゼンの沸点の10℃以内の沸点をもつ少なくとも1のC6+非芳香族炭化水素、を含む改質油を与える工程、
    (b)前記改質油から蒸留によりC4−炭化水素とC7+芳香族炭化水素を除去し、炭化水素組成物を製造する工程、
    (c ) 110℃から 170℃の範囲の温度、ベンゼンとプロピレンを液相に維持するのに十分な圧力、 0.001:1から 0.75:1の範囲のプロピレン対ベンゼンのモル比、及び 0.1から
    10hr-1の範囲の重量毎時空間速度の原料供給を含む条件で結晶性MCM-22種物質とゼオライトベータモレキュラーシーブの少なくとも1を含む酸性活性触媒により、アルキル化反応ゾーンで少なくとも一部液相で、プロピレンにより、前記改質油の抽出をすることなく、工程(a)の炭化水素組成物に含まれるベンゼンをアルキル化する工程、及び、
    (d) 分離ゾーンで工程( c)の製品を蒸留し、クメン製品中に含まれるクメンの重量に基づき少なくとも99.50パーセントの純度をもつクメン製品を製造する工程。
  2. 請求項1に記載する製造法であって、クメン製品がさらにポリイソプロピルベンゼンを含み、当該製造法がさらに工程(c)の製品からポリイソプロピルベンゼンを回収することを含む製造法。
  3. 請求項2に記載する製造法であって、ベンゼンとポリイソプロピルベンゼンの反応により製造される前記クメンが前記分離ゾーンへ移されるようにする製造法。
  4. 請求項3に記載する製造法であって、前記トランスアルキル化ゾーンでポリイソプロピルベンゼンと反応する前記ベンゼンは、前記炭化水素原料から供給されるものである製造法。
  5. 請求項1に記載する製造法であって、プロピレン対ベンゼンの前記モル比は0.2から0.4:1であるようにする製造法。
  6. 請求項1の製造法であって、前記酸活性触媒は、MCM-22種物質とゼオライトベータモレキュラーシーブの少なくとも1つを含むものである製造法。
  7. 請求項6の製造法であって、前記MCM-22種物質はMCM-22、MCM-36、MCM-49、MCM-56及びUZM-8からなる群から選択されるものである製造法。
  8. 請求項1の製造法であって、前記少なくとも1のC6+非芳香族炭化水素はシクロヘキサン、メチルシクロペンタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、ジメチルシクロペンタン及びそれらの混合物からなる群から選択されるものである製造法。
  9. 請求項1の製造法であって、蒸留工程(c )は製品中のクメンの重量に基づき少なくとも99.50パーセントの純度にまでクメン製品を蒸留することを含む製造法。
  10. 請求項1の製造法であって、前記炭化水素組成物原料はオレフィン、ジエン、硫黄含有化合物、窒素含有化合物、及びそれらの混合物からなる群から選択される不純物を含み、前記不純物の少なくとも1つの少なくとも一部は前記酸活性触媒と接触する前に原料から除去されるものである製造法。
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