JP5238308B2 - 剥離可能な粘着テープ - Google Patents

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Description

本発明は、引張荷重をかけることによりゴム弾性を有するテープ基材が引き延ばされて被貼付面から剥がされる剥離可能な粘着テープに関し、さらに詳しく言えば、より安全に剥がし取ることができる剥離可能な粘着テープに関する。
ポスターを貼り付ける際に画鋲などのように壁面を傷つけることなく、貼り付ける方法の1つとして剥離可能な粘着テープがある。例えば特許文献1に示すように、剥離可能な粘着テープは、発泡樹脂やゴム系の高弾性シートからなるテープ基材の表面に粘着剤を塗布した粘着テープからなり、壁面とポスターの間に介在させて用いられる。
この剥離可能な粘着テープを取り外すに当たっては、テープ端部に設けられた把持部を手でつかみ、外側に引っぱり出すことによって、テープ基材が延びて変形していくのに伴い、徐々に接着面積が減少してゆき、最後に壁面から剥がれ落ちる。これによれば、壁面に糊残りなどせず綺麗に剥がし取ることができるばかりでなく、使用済みのテープの回収も簡単に行うことができる。
特開2004−339353号公報
しかしながら、従来の剥離可能な粘着テープには、次のような問題があった。すなわち、今までの剥離可能な粘着テープは、粘着テープの延伸方向の一端にのみ把持部が設けてあるため、把持部を掴んで引っ張っていった場合、把持部のない固定端側が最後に剥がれると同時に、弾性復元力によって把持部の方に飛んでくることがあった。
特に、フックなどの固定手段として、この種の剥離可能な粘着テープを用いた場合は、取り外しの際に、剥離可能な粘着テープが剥がれた勢いで、フックとともにフックを取り付けるための硬質なベース板など指に向かって飛んでくることもあり、指を痛めるおそれもあった。
そこで、本発明は上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、引き剥がした際に指に向かってテープが飛来してくるのを防止し、安全に取り外しできる剥離可能な粘着テープを提供することにある。
上述した目的を達成するため、本発明は以下に示すいくつかの特徴を備えている。請求項1に記載の発明は、弾性を有するテープ基材の片面または両面に粘着剤層を形成してなる粘着テープであり、引張荷重をかけることにより上記テープ基材が引き延ばされて被貼付面から剥がされる剥離可能な粘着テープにおいて、上記テープ基材には、上記テープ基材の一部を幅方向(上記延伸方向に対して直交する方向)に分断するスリットが延伸方向の一端から中央に向けて設けられており、上記テープ基材の一部が、上記スリットを挟んで第1延伸部および第2延伸部に分離されており、上記第1延伸部および第2延伸部には、引き剥がす際に手によって把持される第1把持部および第2把持部が設けられていることを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、上記請求項1において、上記各把持部は、上記各延伸部の先端に設けられていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、上記請求項1において、上記各延伸部の反スリット側の側面に設けられていることを特徴としている。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係る剥離可能な粘着テープの正面図および側面図であり、図2は上記剥離可能な粘着テープの変形例を示す模式図であり、図3は延伸剥離の手順を説明する説明図である。
図1に示すように、この剥離可能な粘着テープ1は、適度な弾性を有するテープ基材2の両面に粘着剤層3,3が形成された両面粘着テープからなる。テープ基材2の幅方向のほぼ中央には、スリット4が延伸方向(図1では上下方向)の下端から中央にかけて設けられている。
テープ基材2の一部は、スリット4を挟んで幅方向に第1延伸部21と第2延伸部22とに分割されており、第1延伸部21の先端(図1では下端)には、手によって把持される第1把持部51が設けられ、第2延伸部22の先端には第2把持部52が設けられている。
この例において、スリット4は、テープ基材2を厚さ方向に貫通する一条の切欠溝からなるが、スリット4は、粘着テープ1を除去する際、第1把持部51および第2把持部52を引っ張ったときに、それらが互いに分離すればよく、ミシン目や薄肉溝などであってもよい。
また、スリット4によってテープ基材2の一部が分断されていたとしても、壁面への貼着時に係る貼付力(保持力)は、テープ基材2の貼付面積に依存しているため、特に影響はなく、剥離可能な粘着テープ1の貼付方法や使用感(耐荷重など)は、切れ目のないタイプと特に変わるところはない。
なお、剥離可能な粘着テープ1の両面には、粘着剤層3,3を保護するセパレータ(図示しない)が設けられているが、本発明においてセパレータの構成は任意であってよいため、その図示および説明は省略する。
テープ基材2は、延伸剥離しやすく、かつ、適度なゴム弾性を有している合成樹脂が好ましく、この例ではメタロセン系触媒を用いて架橋した架橋ポリオレフィン系樹脂の発泡シートからなるが、延伸剥離性を有する適度なゴム弾性を備えていれば、その材質は仕様に応じて任意に選択されてよい。なお、発泡シートの構成は、連続気泡、独立気泡のいずれであってもよい。
この例において、テープ基材2は、所定の厚みをもつ矩形状シートの両端を半円凸状に形成したものからなるが、テープ基材2の形状は長方形状や楕円状、三角形状など任意である。
粘着剤層3,3は、高保持性であり、テープ基材2の架橋ポリオレフィン系樹脂に同調できる延伸性を有する粘着剤が塗布されている。この例では、粘着剤はSBSブロック共重合体系のポリマーを、テープ基材2の表面に直に所定厚さで一様に塗布したものからなる。この例において、粘着剤層3,3は0.1mmの厚さとなるように形成されている。
この例において、粘着剤は、SBSブロック共重合体系のポリマーを母剤にαピネン系樹脂やC5C9石油系樹脂などの粘着剤成分、ナフテン系オイルなどが添加され、さらに酸化防止剤や紫外線吸収剤などの各種添加剤が配合されている。
より好ましくは、粘着剤にはイソシアネート樹脂がさらに添加されており、これによれば、テープ基材の表面処理と強く結びつくため、より界面強度が高くなり、投錨性を上げることができる。
さらに好ましくは、粘着剤にはシリカビーズが所定量配合されている。この例において粘着剤は溶剤系であるため、耐溶剤性を有するシリカビーズが用いられているが、その中でも、疎水性シリカビーズは、溶剤系粘着材への分散性がよいためより好ましい。
把持部51,52は、未粘着性の合成樹脂フィルムをテープ基材2の延伸方向の両端にそれぞれ貼り合わせたものからなり、互いに対称に形成されている。この例において、把持部5152はポリエステルフィルムを粘着剤層3,3の表面に貼り合わせたものからなるが、手で把持するために未粘着性であれば、例えばテープ基材2に粘着剤層3,3を塗布せず形成してもよい。
この例において、把持部51,52は、第1延伸部21および第2延伸部22の延伸方向(図1では上下方向)の先端(図1では下端)に設けられているが、図2に示すように、把持部51,52の一部を第1延伸部21および第2延伸部22の幅方向の反スリット側の側面から外側に向かって突設してもよい。
図3を参照して、粘着テープ1の除去手順の一例について説明する。この粘着テープ1を引き剥がすに当たっては、把持部51,52を手で把持して、それらを互いに離反させる方向に引っ張りつつ、斜め下に徐々に引っ張ってゆく。
これに伴い、テープ基材2は、第1延伸部21が左斜め下方向に引っ張られ、第2延伸部22が右斜め下方向にそれぞれ引っ張れてゆきながら、テープ基材2が先端から徐々に被貼着面から剥がされる。
最後に、第1延伸部21および第2延伸部22が先端から付け根側に向かって剥がれてゆき、スリット4の付け根まで剥離が進行すると、テープ基材2の基端が剥がれ落ちる。これにより、第1延伸部21および第2延伸部22を小さな力で剥がし取ることができる。さらには、各把持部51,52を左右斜め方向に引っ張るため、切断されたテープ端部や被貼着物Bが指に向かって飛んでくることもない。
また、図2に示すように,各把持部51,52を延伸部21,22の側面から幅方向に向かって突設した場合は、図4に示すように、第1把持部51および第2把持部52をそれぞれ把持しながら、左右に引っぱり出すことで、同様に剥がし取ることができる。
なお、この種の把持部51,52が2つ設けられたダブルタブ型の剥離可能な粘着テープは、除去時に各把持部51,52を被取付物Bの一部からはみ出すように固定しておくことで、除去時に把持部51,52を把持しやすい。
剥離可能な粘着テープ1であって、その両端に把持部51,52を備えており、各把持部51,52を互いに離反させて除去するものであれば、これら各種変形例も本発明に含まれる。
本発明の一実施形態に係る剥離可能な粘着テープの斜視図。 同粘着テープの変形例を示す正面図。 本発明の剥離可能な粘着テープの除去手順の一例を説明する模式図。 上記変形例の粘着テープの除去手順の一例を説明する模式図。
符号の説明
1 剥離可能な粘着テープ
2 テープ基材
21 第1延伸部
22 第2延伸部
3 粘着剤層
4 スリット
51 第1把持部
52 第2把持部
B 被取付物

Claims (3)

  1. 弾性を有するテープ基材の片面または両面に粘着剤層を形成してなる粘着テープであり、引張荷重をかけることにより上記テープ基材が引き延ばされて被貼付面から剥がされる剥離可能な粘着テープにおいて、
    上記テープ基材には、上記テープ基材の一部を幅方向(上記延伸方向に対して直交する方向)に分断するスリットが延伸方向の一端から中央にかけて設けられており、上記テープ基材の一部が、上記スリットを挟んで第1延伸部および第2延伸部に分離されており、上記第1延伸部および第2延伸部には、引き剥がす際に手によって把持される第1把持部および第2把持部が設けられていることを特徴とする剥離可能な粘着テープ。
  2. 上記各把持部は、上記各延伸部の先端に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の剥離可能な粘着テープ。
  3. 上記各把持部は、上記各延伸部の反スリット側の側面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の剥離可能な粘着テープ。
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