以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1には、本実施形態の投資信託運用益分配システム10の全体構成が示されている。図2には、掛け金記憶手段30の構成が示され、図3には、レバレッジ記憶手段31の構成が示されている。また、図4には、投資信託の運用益または運用損の分配処理の流れがフローチャートで示され、図5には、掛け金入力画面100の一例が示され、図6には、レバレッジ入力画面200の一例が示されている。さらに、図7には、分配金の算出処理の流れがフローチャートで示され、図8〜図11には、分配ポイント数の算出処理の説明図が示され、図12には、具体的数値例による分配金の算出処理の説明図が示されている。
図1において、投資信託運用益分配システム10は、投資信託の運用益または運用損の分配に関する各種処理を実行するとともに各種処理に必要なデータを記憶する分配処理サーバ20と、この分配処理サーバ20にネットワーク1を介して接続された投資家端末装置40とを備えている。また、分配処理サーバ20には、通信回線を介して投資信託運用システム50および口座管理システム60が接続されている。
ネットワーク1は、例えば、インターネット、イントラネット、エクストラネット、LAN、MAN、WAN、あるいはこれらの組合せ等、様々な形態のものが含まれ、有線であるか無線であるか、さらには有線および無線の混在型であるかは問わず、要するに、複数地点(距離の長短は問わない。)間で、ある程度の速度をもって情報を伝送することができるものであればよい。
分配処理サーバ20は、1台または複数台のコンピュータにより構成され、投資信託の運用益または運用損の分配に関する各種処理を実行する処理手段20Aと、この処理手段20Aに接続された掛け金記憶手段30、レバレッジ記憶手段31、および分配金総額記憶手段32とを備えて構成されている。
処理手段20Aは、掛け金受付処理手段21と、レバレッジ受付処理手段22と、分配金総額受信処理手段23と、分配金算出処理手段24と、分配金支払処理手段25とを含んで構成されている。
掛け金受付処理手段21は、投資家端末装置40からの投資家の要求に応じて、掛け金入力画面100(図5参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信するとともに、掛け金入力画面100で投資家により入力されて投資家端末装置40からネットワーク1を介して送信されてくる掛け金の投入金額または引出金額を受信し、掛け金記憶手段30(図2参照)に記憶されている当該投資家の現在(最新)の掛け金の残高に、受信した掛け金の投入金額を加算するか、または掛け金記憶手段30(図2参照)に記憶されている当該投資家の現在(最新)の掛け金の残高から、受信した掛け金の引出金額を減じることにより、当該投資家の更新後の掛け金の残高を算出した後、投入または引出の日付(受信日)と、受信した掛け金の投入金額または引出金額と、算出した更新後の掛け金の残高とを、投資家識別情報(口座番号等)と関連付けて掛け金記憶手段30(図2参照)に記憶させる処理を実行するものである。なお、本実施形態では、各分割期間の期中(途中)でも、掛け金の投入および引出のいずれも行うことができるが、掛け金の投入は、各分割期間の開始時点からでなければ行うことができないようにしてもよく、また、掛け金の引出は、各分割期間の終了時点でしか行うことができないようにしてもよく、あるいは、掛け金の投入は、投資信託の運用開始時点からでなければ行うことができないようにしてもよく、また、掛け金の引出は、行うことができない(満期のある投資信託である場合に、満期まで換金することができない)ようにしてもよく、さらには、これらの制約を適宜組み合わせてもよい。
また、掛け金受付処理手段21は、受信した掛け金の投入金額または引出金額のデータを、投資家識別情報(口座番号等)とともに、通信回線を介して口座管理システム60へ送信する。さらに、掛け金受付処理手段21は、受信した掛け金の投入金額または引出金額のデータを、投資信託の掛け金の勘定の増加分または減少分として、通信回線を介して投資信託運用システム50へ送信する。
レバレッジ受付処理手段22は、投資家端末装置40からの投資家の要求に応じて、レバレッジ入力画面200(図6参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信するとともに、レバレッジ入力画面200で投資家により入力されて投資家端末装置40からネットワーク1を介して送信されてくる各分割期間のレバレッジを受信し、受信した各分割期間のレバレッジを、投資家識別情報(口座番号等)および期間識別情報と関連付けてレバレッジ記憶手段31(図3参照)に記憶させる処理を実行するものである。
分配金総額受信処理手段23は、投資信託運用システム50から通信回線を介して送信されてくる分配金総額(運用損が生じているときは、マイナスの分配金総額となり、負担金総額となる。)を受信し、受信した分配金総額を分配金総額記憶手段32に記憶させる処理を実行するものである。この際、分配金総額受信処理手段23は、分配金総額受信処理手段23による取得要求信号に基づき投資信託運用システム50から送信されてくる分配金総額を受信してもよく、あるいは投資信託運用システム50のタイミングで送信されてくる分配金総額を受信してもよい。また、分配金総額受信処理手段23は、投資信託運用システム50から、掛け金(投資元本)の単位額当たり(1円当たり、あるいは1万円当たり等)の純資産総額の変動の履歴を示すグラフ用のデータが送信されてきた場合には、これを受信し、受信したグラフ用のデータを分配金総額記憶手段32に記憶させる処理を行ってもよい。
分配金算出処理手段24は、各分割期間の終了時点(精算時点)において、掛け金記憶手段30(図2参照)に記憶された掛け金の残高およびその増減時点と、レバレッジ記憶手段31(図3参照)に記憶された各分割期間(分配ポイント数の算出対象とされている分割期間)のレバレッジと、連続投入期間に応じて予め定められている期間重みとを用いて、予めシステムで定められた分配ポイント数算出式に従って、分配ポイント数を投資家毎に算出し、全ての投資家についての分配ポイント数を合計して分配ポイント総数を算出し、投資家毎の分配ポイント数を分配ポイント総数で除することにより、投資家毎の分配割合を算出決定し、算出決定した分配割合を、分配金総額記憶手段32に記憶された分配金総額(運用損が生じているときは、マイナスの分配金総額となり、負担金総額となる。)に乗じることにより、投資家毎の分配金(運用損が生じているときは、負担金となる。)を算出する処理を実行するものである。従って、運用益が生じているときは、分配ポイント数が大きい投資家である程、多くの金額(プラスの分配金)を受け取ることができ、運用損が生じているときは、分配ポイント数が大きい投資家である程、多くの金額(マイナスの分配金)を負担しなければならない。
ここで、分配ポイント数算出式は、掛け金の残高Kが大きい程、分配ポイント数Pが大きくなり、かつ、レバレッジLが大きい程、分配ポイント数Pが大きくなり、かつ、連続投入期間が長く、従って、期間重みWが大きい程、分配ポイント数Pが大きくなるように定められた式P=f(L,W,K)である。また、掛け金の投入期間の長さδTが、分配ポイント数の算出対象とされている分割期間の長さΔT(本実施形態では、例えば、ΔT=4ヶ月とする。)に満たない場合には、分配ポイント数Pは、分配ポイント数の算出対象とされている分割期間の長さΔT(=4ヶ月)に占める掛け金の投入期間の長さδTの割合に比例し、P=f(L,W,K,δT/ΔT)となる。より具体的には、P=Σ{L×W×K×(δT/ΔT)}であり、Σは、分配ポイント数の算出対象とされている分割期間の終了時点Teの掛け金の残高Keを、連続投入期間の異なる複数の金額分に分けた場合の各項の和を示す。
また、連続投入期間とは、投資信託の運用期間(本実施形態では、満期の有無は問わない。)を複数に分割した分割期間(本実施形態では、一例として4ヶ月の期間長とする。)について、掛け金が複数の分割期間に跨って連続して投入されていた期間数をいう。そして、期間重みについては、本実施形態では、例えば、1つの分割期間だけに投入されていた掛け金については、期間重みをW1(例えばW1=2倍とする。)とし、2つの分割期間に跨って連続投入されていた掛け金については、期間重みをW2(例えばW2=3倍とする。)とし、3つの分割期間に跨って連続投入されていた掛け金については、期間重みをW3(例えばW3=4倍とする。)とする。
さらに、本実施形態では、一例として、レバレッジは、1〜100の任意の整数を入力することができる。但し、レバレッジの数値は、この範囲の数値に限らず、各投資家間で相対的な倍率差を付けることができるようになっていればよく、例えば、1〜10の数値でもよく、1〜20の数値でもよく、1〜1000の数値でもよく、あるいは、例えば、1倍、5倍、10倍、20倍等の用意された幾つかの倍率の中から選択できるようにしてもよい。
分配金支払処理手段25は、投資家が分配金を再投資することを選択している場合には、分配金算出処理手段24により算出された各投資家への分配金を、再投資の掛け金とし、掛け金記憶手段30(図2参照)に記憶されている各投資家の現在(最新)の掛け金の残高に、各投資家の分配金を加算することにより、各投資家の更新後の掛け金の残高を算出し、投入の日付(再投資日)と、掛け金の投入金額(各投資家への分配金)と、算出した各投資家の更新後の掛け金の残高とを、投資家識別情報(口座番号等)と関連付けて掛け金記憶手段30(図2参照)に記憶させるとともに、再投資された分配金のデータを、投資信託の掛け金の勘定の増加分として、通信回線を介して投資信託運用システム50へ送信する処理を実行するものである。また、分配金支払処理手段25は、投資家が分配金を再投資するのではなく、自己の口座へ振り込むことを選択している場合には、分配金算出処理手段24により算出された各投資家への分配金のデータを、各投資家の口座の残高に加算される金額のデータとして、投資家識別情報(口座番号等)とともに、通信回線を介して口座管理システム60へ送信する処理を実行する。なお、各投資家が分配金を再投資することを選択しているか自己の口座へ振り込むことを選択しているかの別を示す選択情報は、最初の掛け金の投入時に各投資家により入力され、投資家識別情報(口座番号等)と関連付けて投資家情報記憶手段(不図示)に記憶されている。
また、分配金支払処理手段25は、運用損が生じているときは、マイナスの分配金となり、負担金となるので、マイナスの分配金(負担金)のデータを、各投資家の口座の残高から減じられる金額のデータとして、投資家識別情報(口座番号等)とともに、通信回線を介して口座管理システム60へ送信する。この際、本実施形態では、負担金の最大限度額は、その時点での当該投資家の掛け金の残高とするので、負担金が、当該投資家の掛け金の残高を超える場合には、当該投資家の掛け金の残高と同額の負担金のデータを、口座管理システム60へ送信する。なお、運用損が生じているときは、マイナスの分配金(負担金)を、掛け金記憶手段30(図2参照)に記憶された当該投資家の掛け金の残高から減じる処理を行ってもよい。
掛け金記憶手段30は、図2に示すように、掛け金受付処理手段21により受け付けた掛け金の投入または引出の日付(掛け金の増減時点)と、投入金額と、引出金額と、掛け金残高とが、投資家識別情報(口座番号等)に関連付けて記憶されている。
レバレッジ記憶手段31は、図3に示すように、レバレッジ受付処理手段22により受け付けた各分割期間のレバレッジが、投資家識別情報(口座番号等)および期間識別情報と関連付けて記憶されている。なお、各分割期間のレバレッジを、投資家識別情報と関連付けて分割期間の順番に並べて記憶してもよい。
分配金総額記憶手段32は、分配金総額受信処理手段23により受信した分配金総額を記憶するものである。なお、分配金総額記憶手段32には、分配処理サーバ20を管理する証券会社等の担当者、あるいは投資信託運用システム50を管理する投資信託の運用会社の担当者が入力した分配金総額を記憶するようにしてもよい。また、分配金総額記憶手段32には、分配金総額受信処理手段23により受信した掛け金(投資元本)の単位額当たり(1円当たり、あるいは1万円当たり等)の純資産総額の変動の履歴を示すグラフ用のデータを記憶するようにしてもよい。
以上において、処理手段20Aに含まれる各処理手段21〜25は、分散処理サーバ20を構成するコンピュータ本体の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する1つまたは複数のプログラムにより実現される。
また、処理手段20Aは、1台のコンピュータあるいは1つのCPUにより実現されるものに限定されず、複数のコンピュータあるいは複数のCPUで分散処理を行うことにより実現されるものであってもよい。
さらに、各記憶手段30,31,32は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用してもよい。
投資家端末装置40は、投資家が操作する端末装置であり、コンピュータにより構成され、例えばマウスやキーボード等の入力手段と、例えば液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の表示装置と、印刷装置とを備えている。この投資家端末装置40は、例えば携帯電話機(PHSも含む。)や携帯情報端末(PDA)等の携帯機器であってもよい。
投資信託運用システム50は、コンピュータにより構成され、ファンドを構成する株式や債券等の金融商品の保有数量およびその時価評価額(保有数量に時価を乗じた金額)を記憶し、資産(時価)から負債を控除した純資産総額を算出し、算出した純資産総額と掛け金(投資元本)の総額との差額を求めることにより、運用益または運用損を算出し、算出した運用益または運用損を、分配金総額のデータとして、通信回線を介して分配処理サーバ20へ送信する処理を実行するものである。なお、ファンドを構成する株式や債券等の金融商品についてのデータの管理処理、あるいはこれらのデータを用いた純資産総額や、運用益または運用損の算出処理は、既存の投資信託を運用する場合のシステム処理と同様である。
また、投資信託運用システム50は、分配処理サーバ20から、掛け金受付処理手段21により、通信回線を介して掛け金の投入金額または引出金額のデータが送信されてきた場合には、掛け金の投入金額または引出金額の分だけ、投資信託の掛け金の勘定を増加または減少させる処理を行う。さらに、投資信託運用システム50は、分配処理サーバ20から、分配金支払処理手段25により、通信回線を介して再投資された分配金のデータが送信されてきた場合には、分配金の分だけ、投資信託の掛け金の勘定を増加させる処理を行う。
さらに、投資信託運用システム50は、算出した純資産総額を、掛け金(投資元本)の総額で除することにより(除した後に、例えば1万円等の単位額を乗じてもよい。)、掛け金(投資元本)の単位額当たり(1円当たり、あるいは1万円当たり等)の純資産総額の変動の履歴を示すグラフ用のデータを作成し、作成したグラフ用のデータを、通信回線を介して分散処理サーバ20へ送信する処理を行うようにしてもよい。この掛け金(投資元本)の単位額当たりの純資産総額の変動の履歴を示すグラフは、通常の投資信託における基準価額の変動の履歴を示すグラフ(配当実績額を加味したファンドの運用成績を示すグラフ)に相当するものであり、レバレッジや期間重みを考慮せずに、投資金額(投資口数)に比例させて各投資家に運用益を分配すると仮定した場合の単位口数当たり(1口当たり、あるいは1万口当たり等)の純資産価値を示す価額の変動を示すグラフである。
口座管理システム60は、コンピュータにより構成され、各投資家の口座の残高データを投資家識別情報(口座番号等)と関連付けて記憶し、各口座の入出金を管理する処理を実行するものである。具体的には、分配処理サーバ20の掛け金受付処理手段21が投資家端末装置40から掛け金の投入金額または引出金額を受信した際に、分配処理サーバ20から、掛け金受付処理手段21により、通信回線を介して掛け金の投入金額または引出金額のデータが投資家識別情報(口座番号等)とともに送信されてくるので、これを受信する。そして、掛け金の投入金額を受信した場合には、当該投資家の口座の残高から、掛け金の投入金額(手数料が課される場合には、手数料を合わせた金額)を減じ、掛け金の引出金額を受信した場合には、当該投資家の口座の残高に、掛け金の引出金額(中途解約に対するペナルティに相当する解約留保金が課される場合には、解約留保金を減じた金額)を加算する。また、分配処理サーバ20から、分配金支払処理手段25により、各投資家への分配金のデータが投資家識別情報(口座番号等)とともに送信されてきた場合には、これを受信し、当該投資家の口座の残高に、受信した分配金を加算する。但し、運用損が生じているときは、マイナスの分配金となり、負担金となるので、当該投資家の口座の残高から、負担金を減じる。なお、減じられる負担金の最大限度額は、その時点での当該投資家の掛け金の残高であり、当該投資家の掛け金の残高を超える分については、投資信託の運用会社や販売会社等が負担することになる。
このような本実施形態においては、以下のようにして投資信託運用益分配システム10により、投資信託の運用益または運用損の分配処理が行われる。
図4において、先ず、投資信託の運用益または運用損の分配に関する一連の処理を開始し(ステップS1)、投資家からの掛け金の入力の受付を開始する。分散処理サーバ20で、投資家端末装置40からの投資家の要求信号を受信すると、掛け金受付処理手段21により、掛け金入力画面100(図5参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信する。すると、投資家端末装置40の画面上には、図5に示すような掛け金入力画面100が表示される。なお、掛け金入力画面100の表示用データの送信が行われる前の適宜な段階で、投資家による投資家識別情報(口座番号等)の入力が行われている。
図5において、掛け金入力画面100には、現在の掛け金の残高を表示する現在掛け金残高表示部110と、掛け金の投入金額を入力する掛け金投入金額入力部120と、掛け金の引出金額を入力する掛け金引出金額入力部121と、入力した掛け金の投入金額または引出金額のデータを分散処理サーバ20へ送信するための「送信」ボタン130とが設けられている。ここで、現在掛け金残高表示部110の表示は、掛け金記憶手段30(図2参照)に記憶されている当該投資家の最新の掛け金の残高データを用いて行われる。図5の例では、現在の掛け金の残高がK6=90万円の状態で、200万円の掛け金を投入し、更新後の掛け金の残高をK7=290万円にしようとしている(図12の第4期参照)。なお、最初の掛け金の投入時(図12の例では、D1の時点)は、現在掛け金残高表示部110の表示は、ゼロである。
そして、図5の掛け金入力画面100において、投資家が、掛け金の投入金額または引出金額を入力し、「送信」ボタン130を押操作すると、入力された掛け金の投入金額または引出金額のデータが、投資家端末装置40からネットワーク1を介して分散処理サーバ20へ送信される。分散処理サーバ20では、掛け金受付処理手段21により、投資家端末装置40から送信されてくる掛け金の投入金額または引出金額のデータを受信し、掛け金記憶手段30(図2参照)に記憶されている当該投資家の現在(最新)の掛け金の残高に、受信した掛け金の投入金額を加算するか、または掛け金記憶手段30(図2参照)に記憶されている当該投資家の現在(最新)の掛け金の残高から、受信した掛け金の引出金額を減じることにより、当該投資家の更新後の掛け金の残高を算出した後、投入または引出の日付(受信日)と、受信した掛け金の投入金額または引出金額と、算出した更新後の掛け金の残高とを、投資家識別情報(口座番号等)と関連付けて掛け金記憶手段30(図2参照)に保存する(図4のステップS2)。図5の例では、掛け金の投入金額200万円が分散処理サーバ20へ送信され、分散処理サーバ20において、掛け金記憶手段30(図2参照)に記憶されている当該投資家(大和太郎)の現在(最新)の掛け金の残高K6=90万円に、受信した掛け金の投入金額200万円が加算されることにより、更新後の当該投資家の掛け金の残高K7=290万円が算出され、掛け金記憶手段30に保存される(図2、図12参照)。
また、掛け金受付処理手段21により、投資家端末装置40から受信した掛け金の投入金額または引出金額のデータを、投資家識別情報(口座番号等)とともに、通信回線を介して口座管理システム60へ送信する(ステップS2)。口座管理システム60では、分配処理サーバ20から送信されてくる掛け金の投入金額を受信した場合には、当該投資家の口座の残高から、掛け金の投入金額(手数料が課される場合には、手数料を合わせた金額)を減じ、掛け金の引出金額を受信した場合には、当該投資家の口座の残高に、掛け金の引出金額(中途解約に対するペナルティに相当する解約留保金が課される場合には、解約留保金を減じた金額)を加算する。さらに、掛け金受付処理手段21により、投資家端末装置40から受信した掛け金の投入金額または引出金額のデータを、投資信託の掛け金の勘定の増加分または減少分として、通信回線を介して投資信託運用システム50へ送信する(ステップS2)。
続いて、分散処理サーバ20で、投資家端末装置40からの投資家の要求信号を受信すると、レバレッジ受付処理手段22により、レバレッジ入力画面200(図6参照)の表示用データを、ネットワーク1を介して投資家端末装置40へ送信する。すると、投資家端末装置40の画面上には、図6に示すようなレバレッジ入力画面200が表示される。
図6において、レバレッジ入力画面200には、現在が第何期であり、第何期からのレバレッジの入力を行うことができるかを表示するレバレッジ入力対象期間指示部210と、各分割期間のレバレッジを入力するレバレッジ入力部220と、掛け金(投資元本)の単位額当たり(例えば、1円当たり、1万円当たり等)の純資産総額の変動の履歴を示すグラフを表示する純資産価格変動履歴グラフ表示部230と、入力した各分割期間のレバレッジのデータを分散処理サーバ20へ送信するための「送信」ボタン240とが設けられている。
ここで、純資産価格変動履歴グラフ表示部230の表示は、分配金総額記憶手段32に記憶された掛け金(投資元本)の単位額当たり(例えば、1円当たり、1万円当たり等)の純資産総額の変動の履歴を示すグラフ用のデータを用いて行われる。なお、この履歴グラフは、通常の投資信託における基準価額に相当するデータではあるが、本発明では、その価格で購入・売却を行うことができるというものではなく、単に運用状況を開示するために表示される履歴グラフである。
また、レバレッジ入力部220への各分割期間のレバレッジの入力は、各分割期間の開始日の前日までに行うことができ、各分割期間の開始日の前日までであれば、既に入力したレバレッジを変更することもできる。図6の例では、第4期の期中であるため、第5期以降のレバレッジを入力、変更することができ、第5期以降であれば、何期先の分割期間までも入力、変更することができる。なお、現在の分割期間およびそれより前の分割期間(図6の例では、第1期〜第4期)のレバレッジは、レバレッジ入力部220に表示されているが、変更することはできない。
また、最初の掛け金の投入時が、分割期間の期中(途中)である場合には、その分割期間のレバレッジは1倍しか入力することができない。例えば、図12の第1期の期中のD1の時点で、K1=100万円の掛け金を投入する場合には、第1期のレバレッジは、1倍しか入力することができない。これは、第1期の運用が既に開始され、その運用状況を確認することができる状態となっており、運用状況を見てからのレバレッジの入力となるので、第1期の開始前にレバレッジを入力した投資家に対し、有利となることから、1倍のレバレッジしか入力することができないようにして投資家間の公平を図るものである。なお、類似する状況として、分割期間の開始前に既にレバレッジを入力している場合に、その分割期間の期中(途中)で掛け金を投入するときも、その分割期間の運用が既に開始され、その運用状況を確認することができる状態となっており、運用状況を見てからの掛け金の投入となるので、その分割期間の開始時点で掛け金を投入した投資家に対し、有利となることから、その投入金額については、分配金算出処理手段24は、投資家により入力されたレバレッジ(図3のレバレッジ記憶手段31に記憶された当該分割期間のレバレッジ)ではなく、システムで予め定められたレバレッジLm(本実施形態では、一例として、Lm=1倍とする。)を用いて分配ポイント数を算出し、投資家間の公平を図るようになっている。
さらに、投入継続中の掛け金があるにもかかわらず、分配ポイント数の算出対象の分割期間のレバレッジの入力が無い場合には、直近の分割期間のレバレッジ(入力されたレバレッジのうち、最後の分割期間のレバレッジ)が自動的に継続適用される。つまり、最後に入力されたレバレッジが自動的に維持されるので、入力の手間が面倒な場合等には、同じレバレッジを維持するということで良ければ、投資家は、入力作業を省略することができる。
そして、図6のレバレッジ入力画面200において、投資家が、各分割期間のレバレッジを入力し、「送信」ボタン240を押操作すると、入力された各分割期間のレバレッジのデータが、投資家端末装置40からネットワーク1を介して分散処理サーバ20へ送信される。分散処理サーバ20では、レバレッジ受付処理手段22により、投資家端末装置40から送信されてくる各分割期間のレバレッジのデータを受信し、受信した各分割期間のレバレッジのデータを、投資家識別情報(口座番号等)および期間識別情報と関連付けてレバレッジ記憶手段31(図3参照)に保存する(図4のステップS3)。
それから、各分割期間が終了すると、分配金総額受信処理手段23により、投資信託運用システム50から通信回線を介して送信されてくる分配金総額を受信し、受信した分配金総額を分配金総額記憶手段32に保存する(図4のステップS4)。なお、分割期間の期中(途中)において掛け金を引き出したときに、引出時点で生じている運用益または運用損に基づき分配金を支払う構成とする場合には、分配金総額受信処理手段23による分配金総額の受信処理は、毎日、行うようにしてもよい。また、分配金総額受信処理手段23により、投資信託運用システム50から掛け金(投資元本)の単位額当たり(1円当たり、あるいは1万円当たり等)の純資産総額の変動の履歴を示すグラフ用のデータを受信する場合には、各分割期間の終了後だけではなく、分割期間の長さ(4ヶ月)よりも細かい時間間隔(例えば、毎日、毎週、毎月等)で、受信するようにしてもよい。
続いて、各分割期間が終了すると、分配金算出処理手段24により、掛け金記憶手段30(図2参照)に記憶された掛け金の残高Kおよびその増減時点と、レバレッジ記憶手段31(図3参照)に記憶された各分割期間(分配ポイント数の算出対象とされている分割期間)のレバレッジLと、連続投入期間に応じて予め定められている期間重みWとを用いて、予めシステムで定められた分配ポイント数算出式P=f(L,W,K,δT/ΔT)に従って、分配ポイント数Pを投資家毎に算出し、全ての投資家についての分配ポイント数Pを合計して分配ポイント総数Psumを算出し、投資家毎の分配ポイント数Pを分配ポイント総数Psumで除することにより、投資家毎の分配割合を算出決定し、算出決定した分配割合(P/Psum)を、分配金総額記憶手段32に記憶された分配金総額Vに乗じることにより、投資家毎の分配金V×(P/Psum)を算出する(図4のステップS5)。
図7において、分配金算出処理手段24による分配金の算出処理を開始し(ステップS501)、期間重みWが最大の設定値W3(本実施形態では、4倍)となる分割期間のうち、分配ポイント数の算出対象とされている分割期間の終了時点Teに最も近い分割期間を特定する(ステップS502)。本実施形態では、システムの設定値として、W1(=2倍)、W2(=3倍)、W3(=4倍)の3種類の期間重みが用意されているので、図8に示すように、分配ポイント数の算出対象とされている分割期間だけについて投入されている掛け金についての期間重みは、W1(=2倍)となり、その前の分割期間から連続投入されている掛け金についての期間重みは、W2(=3倍)となり、さらにその前の分割期間から連続投入されている掛け金についての期間重みは、最大のW3(=4倍)となり、それ以前の分割期間から連続投入されている掛け金についての期間重みは、すべて最大のW3(=4倍)となる。従って、分配ポイント数の算出対象とされている分割期間の2つ前の分割期間が、期間重みWが最大の設定値W3(=4倍)となる分割期間のうちTeに最も近い分割期間として特定される。
続いて、期間重みWが最大の設定値W3(=4倍)となる分割期間のうちTeに最も近い分割期間の開始時点をTsとするか、またはこの開始時点よりも最初の掛け金の投入時点が後の場合には、最初の掛け金の投入時点をTsとする(ステップS503)。図8の実線のように、期間重みWが最大の設定値W3(=4倍)となる分割期間のうちTeに最も近い分割期間の開始時点から、掛け金が投入されている場合には、その開始時点をTsとし、図8の点線、一点鎖線、二点鎖線のように、最初の掛け金の投入時点が、期間重みWが最大の設定値W3(=4倍)となる分割期間のうちTeに最も近い分割期間の開始時点よりも後である場合には、最初の掛け金の投入時点をTsとする。
それから、TsからTeまでの間で、Teの時点の掛け金の残高Keよりも掛け金の残高が小さい期間があるか否かを判断する(ステップS504)。ここで、Keよりも小さい残高の期間が無い場合(例えば、図9(A)、図9(B)のような場合等)には、Teの時点の掛け金の残高Keの全額分について、Tsの時点から連続投入されているものとして、Tsの属する分割期間の期間重みを適用する(ステップS505)。さらに、Tsの時点が、分配ポイント数の算出対象とされている分割期間の期中であるか否かを判断し、分配ポイント数の算出対象とされている分割期間の期中でない場合(図8の実線、点線、一点鎖線の場合等)には、Teの時点の掛け金の残高Keの全額分について、レバレッジ記憶手段31(図3参照)に記憶された、分配ポイント数の算出対象とされている分割期間のレバレッジLを適用し、一方、分配ポイント数の算出対象とされている分割期間の期中である場合(図8の二点鎖線の場合)には、Teの時点の掛け金の残高Keの全額分について、前述したように投資家間の公平を図るために、予めシステムで定められたレバレッジLm(=1倍)を適用し、分配ポイント数Pを算出する(ステップS505)。
ステップS504で、Keよりも小さい残高の期間があると判断された場合(例えば、図10(A)、図10(B)、図11(A)、図11(B)のような場合等)には、TsからTeまでの間で、最小となる掛け金の残高K(1)を抽出し(ステップS506)、Teの時点の掛け金の残高KeのうちK(1)に相当する金額分について、Tsの時点から連続投入されているものとして、Tsの属する分割期間の期間重みを適用する(ステップS507)。さらに、Tsの時点が、分配ポイント数の算出対象とされている分割期間の期中であるか否かを判断し、分配ポイント数の算出対象とされている分割期間の期中でない場合(図8の実線、点線、一点鎖線の場合等)には、Teの時点の掛け金の残高KeのうちK(1)に相当する金額分について、レバレッジ記憶手段31(図3参照)に記憶された、分配ポイント数の算出対象とされている分割期間のレバレッジLを適用し、一方、分配ポイント数の算出対象とされている分割期間の期中である場合(図8の二点鎖線の場合)には、Teの時点の掛け金の残高KeのうちK(1)に相当する金額分について、前述したように投資家間の公平を図るために、予めシステムで定められたレバレッジLm(=1倍)を適用し、分配ポイント数Pを算出する(ステップS507)。
その後、先ず、N=1とし(ステップS508)、掛け金の残高がK(N)の期間の直後の残高の期間の開始時点D(N)からTeまでの間で、Keよりも小さい残高の期間があるか否かを判断する(ステップS509)。N=1のときは、掛け金の残高がK(1)の期間の直後の残高の期間の開始時点D(1)からTeまでの間で、Keよりも小さい残高の期間があるか否かを判断する。なお、N=2のときは、掛け金の残高がK(2)の期間の直後の残高の期間の開始時点D(2)からTeまでの間で、Keよりも小さい残高の期間があるか否かを判断する。
ここで、D(N)からTeまでの間で、Keよりも小さい残高の期間が無い場合(例えば、N=1のとき、D(1)〜Teで、Keよりも小さい残高の期間が無い図10(A)、図10(B)のような場合等)には、Teの時点の掛け金の残高Keのうち{Ke−K(N)}に相当する金額分について、D(N)の時点から連続投入されているものとして、D(N)の属する分割期間の期間重みを適用する(ステップS510)。N=1のときは、Teの時点の掛け金の残高Keのうち{Ke−K(1)}に相当する金額分について、D(1)の属する分割期間の期間重みを適用する。なお、N=2のときは、Teの時点の掛け金の残高Keのうち{Ke−K(2)}に相当する金額分について、D(2)の属する分割期間の期間重みを適用する(図11(B)参照)。N=3のときは、Teの時点の掛け金の残高Keのうち{Ke−K(3)}に相当する金額分について、D(3)の属する分割期間の期間重みを適用する(図11(A)参照)。
さらに、D(N)の時点が、分配ポイント数の算出対象とされている分割期間の期中であるか否かを判断し、分配ポイント数の算出対象とされている分割期間の期中でない場合には、Teの時点の掛け金の残高Keのうち{Ke−K(N)}に相当する金額分について、レバレッジ記憶手段31(図3参照)に記憶された、分配ポイント数の算出対象とされている分割期間のレバレッジLを適用し、一方、分配ポイント数の算出対象とされている分割期間の期中である場合には、Teの時点の掛け金の残高Keのうち{Ke−K(N)}に相当する金額分について、前述したように投資家間の公平を図るために、予めシステムで定められたレバレッジLm(=1倍)を適用し、分配ポイント数Pを算出する(ステップS510)。
ステップS509で、D(N)からTeまでの間で、Keよりも小さい残高の期間があると判断された場合(例えば、N=1のとき、D(1)〜Teで、Keよりも小さい残高の期間がある図11(A)、図11(B)のような場合等)には、D(N)からTeまでの間で、最小となる掛け金の残高K(N+1)を抽出し(ステップS511)、Teの時点の掛け金の残高Keのうち{K(N+1)−K(N)}に相当する金額分について、D(N)の時点から連続投入されているものとして、D(N)の属する分割期間の期間重みを適用する(ステップS512)。N=1のときは、Teの時点の掛け金の残高Keのうち{K(2)−K(1)}に相当する金額分について、D(1)の属する分割期間の期間重みを適用する。なお、N=2のときは、Teの時点の掛け金の残高Keのうち{K(3)−K(2)}に相当する金額分について、D(2)の属する分割期間の期間重みを適用する(図11(A)参照)。
さらに、D(N)の時点が、分配ポイント数の算出対象とされている分割期間の期中であるか否かを判断し、分配ポイント数の算出対象とされている分割期間の期中でない場合には、Teの時点の掛け金の残高Keのうち{K(N+1)−K(N)}に相当する金額分について、レバレッジ記憶手段31(図3参照)に記憶された、分配ポイント数の算出対象とされている分割期間のレバレッジLを適用し、一方、分配ポイント数の算出対象とされている分割期間の期中である場合には、Teの時点の掛け金の残高Keのうち{K(N+1)−K(N)}に相当する金額分について、前述したように投資家間の公平を図るために、予めシステムで定められたレバレッジLm(=1倍)を適用し、分配ポイント数Pを算出する(ステップS512)。
それから、Nを1だけ増してから(ステップS513)、再び、ステップS509の処理に戻り、以降、ステップS509でKeよりも小さい残高の期間が無いと判断されるまで、Nを1ずつ増しながら(ステップS513)、ステップS509,S511,S512の処理を繰り返す。
以上のようにして、全ての投資家の分配ポイント数Pを算出した後、全ての投資家の分配ポイント数Pを合計して分配ポイント総数Psumを算出し、投資家毎の分配ポイント数Pを分配ポイント総数Psumで除することにより、投資家毎の分配割合を算出決定する(ステップS514)。
続いて、算出決定した分配割合(P/Psum)を、分配金総額記憶手段32に記憶された分配金総額Vに乗じることにより、投資家毎の分配金V×(P/Psum)を算出し(ステップS515)、分配金算出処理手段24による分配金の算出処理を終了する(ステップS516)。
その後、投資家が分配金を再投資することを選択している場合には、分配金支払処理手段25により、分配金算出処理手段24により算出された各投資家への分配金を、再投資の掛け金とし、掛け金記憶手段30(図2参照)に記憶されている各投資家の現在(最新)の掛け金の残高に、各投資家の分配金を加算することにより、各投資家の更新後の掛け金の残高を算出し、投入の日付(再投資日)と、掛け金の投入金額(各投資家への分配金)と、算出した各投資家の更新後の掛け金の残高とを、投資家識別情報(口座番号等)と関連付けて掛け金記憶手段30(図2参照)に保存する(図4のステップS6)。また、分配金支払処理手段25により、再投資された分配金のデータを、投資信託の掛け金の勘定の増加分として、通信回線を介して投資信託運用システム50へ送信する(ステップS6)。一方、投資家が分配金を再投資するのではなく、自己の口座へ振り込むことを選択している場合には、分配金支払処理手段25により、分配金算出処理手段24により算出された各投資家への分配金のデータを、各投資家の口座の残高に加算される金額のデータとして、投資家識別情報(口座番号等)とともに、通信回線を介して口座管理システム60へ送信する(ステップS6)。口座管理システム60では、分配処理サーバ20から投資家識別情報(口座番号等)とともに送信されてくる各投資家への分配金のデータを受信し、当該投資家の口座の残高に、受信した分配金を加算する。
以上により、投資信託の運用益または運用損の分配に関する一連の処理を終了する(ステップS7)。なお、ステップS4〜S6の処理は、各分割期間の終了時点(精算時点)が到来する都度に繰り返される。また、ステップS2,S3の処理は、投資家からの要求があった時点で、適宜行われる。そして、投資信託の運用益または運用損の分配に関する一連の処理について、より具体的な例を挙げて説明すると、次のようになる。
図12には、大和太郎(口座番号=AAAA)の掛け金の残高履歴が示されている。各分割期間の長さΔTは、それぞれ4ヶ月である。第1期〜第6期が記載されているが、第6期の終了時点が満期というわけではなく、第7期以降も投資信託の運用が継続される(図3、図6参照)。
<第1期>
D1の時点で、掛け金K1=100万円が投入され、そのまま第1期が終了した。従って、第1期の精算を行う第1期の終了時点T1がTeに該当し、このTeに該当するT1での掛け金の残高Keは、Ke=K1=100万円である。図8で説明したように、第1期よりも前の分割期間は無いので、第1期の開始時点がTsの候補であるが、最初の掛け金K1=100万円は、第1期の開始時点よりも後の時点である第1期の期中のD1の時点で投入されているので、D1の時点が、Tsに該当する。
Tsに該当するD1の時点から第1期の終了時点T1(Teに該当)までの間で、Teに該当するT1の時点での掛け金の残高Ke=K1=100万円よりも小さい残高の期間は無いので、第1期の終了時点T1(Teに該当)の掛け金の残高Ke=K1=100万円の全額分について、Tsに該当するD1の時点から連続投入されているものとして、Tsに該当するD1が属する分割期間である第1期の期間重みW1(=2倍)が適用される。また、大和太郎は、第1期の開始時点からではなく、第1期の期中のD1の時点で最初の掛け金K1=100万円を投入しているので、第1期のレバレッジL1として1倍しか入力することができないため、レバレッジ記憶手段31(図3参照)には、大和太郎の第1期のレバレッジL1=1倍が入力されている(図3参照)。従って、このレバレッジL1=1倍を適用してもよいが、連続投入の開始時点であるTsに該当するD1の時点が、第1期の期中であるため、本実施形態では、そのような場合には、予めシステムで定められたレバレッジLm=1倍を適用するようになっている。
また、Tsに該当するD1の時点から第1期の終了時点T1(Teに該当)までの期間の長さδT(D1〜T1)は、第1期の期間長ΔT=4ヶ月に満たないため、分配ポイント数算出式にδT(D1〜T1)/ΔTが乗じられる。
よって、大和太郎の第1期の分配ポイント数Pは、P=Lm×W1×K1×(δT(D1〜T1)/ΔT)となる。そして、大和太郎の第1期の分配金が、V×(P/Psum)=10万円と算出されたとする。
<第2期>
次に、第2期では、第1期の分配金10万円が再投資されることにより、第2期の開始時点D2で、掛け金の残高がK2=110万円になり、さらに、第2期の期中のD3の時点で、掛け金80万円が投入され、掛け金の残高がK3=190万円となり、そのまま第2期が終了した。従って、第2期の精算を行う第2期の終了時点T2がTeに該当し、このTeに該当するT2での掛け金の残高Keは、Ke=K3=190万円である。図8で説明したように、第2期よりも前の分割期間は第1期しかないので、第1期の開始時点がTsの候補であるが、最初の掛け金K1=100万円は、第1期の開始時点よりも後の時点である第1期の期中のD1の時点で投入されているので、D1の時点が、Tsに該当する。なお、第1期から連続投入されている掛け金は、期間重みがW2(=3倍)となり、これを、第1期の期間重みがW2であるというものとし、第2期から投入された掛け金は、期間重みがW1(=2倍)となり、これを、第2期の期間重みがW1であるというものとする。
Tsに該当するD1の時点から第2期の終了時点T2(Teに該当)までの間で、Teに該当するT2の時点での掛け金の残高Ke=K3=190万円よりも小さい残高の期間があるので、Tsに該当するD1の時点から第2期の終了時点T2(Teに該当)までの間で、最小の掛け金の残高K(1)を抽出すると、K(1)=K1=100万円となる。従って、Teに該当するT2の時点での掛け金の残高Ke=K3=190万円のうち、K(1)=K1=100万円について、Tsに該当するD1の時点から連続投入されているものとして、Tsに該当するD1が属する分割期間である第1期の期間重みW2(=3倍)が適用される。また、連続投入の開始時点であるTsに該当するD1の時点は、第2期の期中ではないので、レバレッジ記憶手段31(図3参照)に記憶された大和太郎の第2期のレバレッジL2=20倍が適用される。これらより、分配ポイント数算出式におけるK(1)=K1=100万円の項については、L2×W2×K1×(ΔT/ΔT)となる。
続いて、Tsに該当するD1の時点から第2期の終了時点T2(Teに該当)までの間における最小の掛け金の残高K(1)=K1=100万円の直後の残高の期間の開始時点D2は、D(1)に該当し、このD(1)に該当するD2の時点から第2期の終了時点T2(Teに該当)までの間で、Teに該当するT2の時点での掛け金の残高Ke=K3=190万円よりも小さい残高の期間があるので、D(1)に該当するD2の時点から第2期の終了時点T2(Teに該当)までの間で、最小の掛け金の残高K(2)を抽出すると、K(2)=K2=110万円となる。従って、Teに該当するT2の時点での掛け金の残高Ke=K3=190万円のうち、{K(2)−K(1)}=K2−K1=110万円−100万円=10万円について、D(1)に該当するD2の時点から連続投入されているものとして、D(1)に該当するD2が属する分割期間である第2期の期間重みW1(=2倍)が適用される。また、連続投入の開始時点であるD(1)に該当するD2の時点は、第2期の期中ではないので、レバレッジ記憶手段31(図3参照)に記憶された大和太郎の第2期のレバレッジL2=20倍が適用される。これらより、分配ポイント数算出式における{K(2)−K(1)}=K2−K1=10万円の項については、L2×W1×(K2−K1)×(ΔT/ΔT)となる。
さらに、D(1)に該当するD2の時点から第2期の終了時点T2(Teに該当)までの間における最小の掛け金の残高K(2)=K2=110万円の直後の残高の期間の開始時点D3は、D(2)に該当し、このD(2)に該当するD3の時点から第2期の終了時点T2(Teに該当)までの間で、Teに該当するT2の時点での掛け金の残高Ke=K3=190万円よりも小さい残高の期間は無いので、第2期の終了時点T2(Teに該当)の掛け金の残高Ke=K3=190万円のうち、{Ke−K(2)}=K3−K2=190万円−110万円=80万円について、D(2)に該当するD3の時点から連続投入されているものとして、D(2)に該当するD3が属する分割期間である第2期の期間重みW1(=2倍)が適用される。また、連続投入の開始時点であるD(2)に該当するD3の時点は、第2期の期中であるので、レバレッジ記憶手段31(図3参照)に記憶された大和太郎の第2期のレバレッジL2=20倍ではなく、予めシステムで定められたレバレッジLm=1倍が適用される。そして、D(2)に該当するD3の時点から第2期の終了時点T2(Teに該当)までの期間の長さδT(D3〜T2)は、第2期の期間長ΔT=4ヶ月に満たないため、分配ポイント数算出式にδT(D3〜T2)/ΔTが乗じられる。これらより、分配ポイント数算出式における{Ke−K(2)}=K3−K2=80万円の項については、Lm×W1×(K3−K2)×(δT(D3〜T2)/ΔT)となる。
よって、大和太郎の第2期の分配ポイント数Pは、P=L2×W2×K1×(ΔT/ΔT)+L2×W1×(K2−K1)×(ΔT/ΔT)+Lm×W1×(K3−K2)×(δT(D3〜T2)/ΔT)となる。そして、大和太郎の第2期の分配金が、V×(P/Psum)=10万円と算出されたとする。
<第3期>
続いて、第3期では、第2期の分配金10万円が再投資されることにより、第3期の開始時点D4で、掛け金の残高がK4=200万円になり、その後、第3期の期中のD5の時点で、掛け金120万円が引き出され、掛け金の残高がK5=80万円となり、そのまま第3期が終了した。従って、第3期の精算を行う第3期の終了時点T3がTeに該当し、このTeに該当するT3での掛け金の残高Keは、Ke=K5=80万円である。図8で説明したように、第3期よりも2つ前の分割期間は第1期であるので、第1期の開始時点がTsの候補であるが、最初の掛け金K1=100万円は、第1期の開始時点よりも後の時点である第1期の期中のD1の時点で投入されているので、D1の時点が、Tsに該当する。なお、第1期から連続投入されている掛け金は、期間重みがW3(=4倍)となり、これを、第1期の期間重みがW3であるというものとし、第2期から連続投入されている掛け金は、期間重みがW2(=3倍)となり、これを、第2期の期間重みがW2であるというものとし、第3期から投入された掛け金は、期間重みがW1(=2倍)となり、これを、第3期の期間重みがW1であるというものとする。
Tsに該当するD1の時点から第3期の終了時点T3(Teに該当)までの間で、Teに該当するT3の時点での掛け金の残高Ke=K5=80万円よりも小さい残高の期間は無いので、第3期の終了時点T3(Teに該当)の掛け金の残高Ke=K5=80万円の全額分について、Tsに該当するD1の時点から連続投入されているものとして、Tsに該当するD1が属する分割期間である第1期の期間重みW3(=4倍)が適用される。また、連続投入の開始時点であるTsに該当するD1の時点は、第3期の期中ではないので、レバレッジ記憶手段31(図3参照)に記憶された大和太郎の第3期のレバレッジL3=20倍が適用される。
よって、大和太郎の第3期の分配ポイント数Pは、P=L3×W3×K5×(ΔT/ΔT)となる。そして、大和太郎の第3期の分配金が、V×(P/Psum)=10万円と算出されたとする。
<第4期>
続いて、第4期では、第3期の分配金10万円が再投資されることにより、第4期の開始時点D6で、掛け金の残高がK6=90万円になり、さらに、第4期の期中のD7の時点で、掛け金200万円が投入され、掛け金の残高がK7=290万円になり、その後、第4期の期中のD8の時点で、掛け金70万円が引き出され、掛け金の残高がK8=220万円となり、そのまま第4期が終了した。従って、第4期の精算を行う第4期の終了時点T4がTeに該当し、このTeに該当するT4での掛け金の残高Keは、Ke=K8=220万円である。図8で説明したように、第4期よりも2つ前の分割期間は第2期であるので、第2期の開始時点D2がTsに該当する。なお、第2期から連続投入されている掛け金は、期間重みがW3(=4倍)となり、これを、第2期の期間重みがW3であるというものとし、第3期から連続投入されている掛け金は、期間重みがW2(=3倍)となり、これを、第3期の期間重みがW2であるというものとし、第4期から投入された掛け金は、期間重みがW1(=2倍)となり、これを、第4期の期間重みがW1であるというものとする。第1期から連続投入されている掛け金については、期間重みがW3(=4倍)となるが、期間重みが最大の設定値であるW3となる分割期間のうち、第4期の終了時点T4(Teに該当)に最も近い分割期間は、第2期であるため、期間重みを定めるための連続投入期間を算出するのは、第2期からで十分であり、第1期については考慮の必要がない。但し、期間重みの設定値が、例えば、もう一段階上のW4(例えば5倍)まである場合等には、第1期を考慮する必要が生じる。
Tsに該当するD2の時点から第4期の終了時点T4(Teに該当)までの間で、Teに該当するT4の時点での掛け金の残高Ke=K8=220万円よりも小さい残高の期間があるので、Tsに該当するD2の時点から第4期の終了時点T4(Teに該当)までの間で、最小の掛け金の残高K(1)を抽出すると、K(1)=K5=80万円となる。従って、Teに該当するT4の時点での掛け金の残高Ke=K8=220万円のうち、K(1)=K5=80万円について、Tsに該当するD2の時点から連続投入されているものとして、Tsに該当するD2が属する分割期間である第2期の期間重みW3(=4倍)が適用される。また、連続投入の開始時点であるTsに該当するD2の時点は、第4期の期中ではないので、レバレッジ記憶手段31(図3参照)に記憶された大和太郎の第4期のレバレッジL4=50倍が適用される。これらより、分配ポイント数算出式におけるK(1)=K5=80万円の項については、L4×W3×K5×(ΔT/ΔT)となる。
続いて、Tsに該当するD2の時点から第4期の終了時点T4(Teに該当)までの間における最小の掛け金の残高K(1)=K5=80万円の直後の残高の期間の開始時点D6は、D(1)に該当し、このD(1)に該当するD6の時点から第4期の終了時点T4(Teに該当)までの間で、Teに該当するT4の時点での掛け金の残高Ke=K8=220万円よりも小さい残高の期間があるので、D(1)に該当するD6の時点から第4期の終了時点T4(Teに該当)までの間で、最小の掛け金の残高K(2)を抽出すると、K(2)=K6=90万円となる。従って、Teに該当するT4の時点での掛け金の残高Ke=K8=220万円のうち、{K(2)−K(1)}=K6−K5=90万円−80万円=10万円について、D(1)に該当するD6の時点から連続投入されているものとして、D(1)に該当するD6が属する分割期間である第4期の期間重みW1(=2倍)が適用される。また、連続投入の開始時点であるD(1)に該当するD6の時点は、第4期の期中ではないので、レバレッジ記憶手段31(図3参照)に記憶された大和太郎の第4期のレバレッジL4=50倍が適用される。これらより、分配ポイント数算出式における{K(2)−K(1)}=K6−K5=10万円の項については、L4×W1×(K6−K5)×(ΔT/ΔT)となる。
さらに、D(1)に該当するD6の時点から第4期の終了時点T4(Teに該当)までの間における最小の掛け金の残高K(2)=K6=90万円の直後の残高の期間の開始時点D7は、D(2)に該当し、このD(2)に該当するD7の時点から第4期の終了時点T4(Teに該当)までの間で、Teに該当するT4の時点での掛け金の残高Ke=K8=220万円よりも小さい残高の期間は無いので、第4期の終了時点T4(Teに該当)の掛け金の残高Ke=K8=220万円のうち、{Ke−K(2)}=K8−K6=220万円−90万円=130万円について、D(2)に該当するD7の時点から連続投入されているものとして、D(2)に該当するD7が属する分割期間である第4期の期間重みW1(=2倍)が適用される。また、連続投入の開始時点であるD(2)に該当するD7の時点は、第4期の期中であるので、レバレッジ記憶手段31(図3参照)に記憶された大和太郎の第4期のレバレッジL4=50倍ではなく、予めシステムで定められたレバレッジLm=1倍が適用される。そして、D(2)に該当するD7の時点から第4期の終了時点T4(Teに該当)までの期間の長さδT(D7〜T4)は、第4期の期間長ΔT=4ヶ月に満たないため、分配ポイント数算出式にδT(D7〜T4)/ΔTが乗じられる。これらより、分配ポイント数算出式における{Ke−K(2)}=K8−K6=130万円の項については、Lm×W1×(K8−K6)×(δT(D7〜T4)/ΔT)となる。
よって、大和太郎の第4期の分配ポイント数Pは、P=L4×W3×K5×(ΔT/ΔT)+L4×W1×(K6−K5)×(ΔT/ΔT)+Lm×W1×(K8−K6)×(δT(D7〜T4)/ΔT)となる。そして、大和太郎の第4期の分配金が、V×(P/Psum)=20万円と算出されたとする。
<第5期>
続いて、第5期では、第4期の分配金20万円が再投資されることにより、第5期の開始時点D9で、掛け金の残高がK9=240万円になり、その後、第5期の期中のD10の時点で、掛け金40万円が引き出され、掛け金の残高がK10=200万円となり、さらに、第5期の期中のD11の時点で、掛け金60万円が引き出され、掛け金の残高がK11=140万円となり、そのまま第5期が終了した。従って、第5期の精算を行う第5期の終了時点T5がTeに該当し、このTeに該当するT5での掛け金の残高Keは、Ke=K11=140万円である。図8で説明したように、第5期よりも2つ前の分割期間は第3期であるので、第3期の開始時点D4がTsに該当する。なお、第3期から連続投入されている掛け金は、期間重みがW3(=4倍)となり、これを、第3期の期間重みがW3であるというものとし、第4期から連続投入されている掛け金は、期間重みがW2(=3倍)となり、これを、第4期の期間重みがW2であるというものとし、第5期から投入された掛け金は、期間重みがW1(=2倍)となり、これを、第5期の期間重みがW1であるというものとする。第1期や第2期から連続投入されている掛け金については、期間重みがW3(=4倍)となるが、期間重みが最大の設定値であるW3となる分割期間のうち、第5期の終了時点T5(Teに該当)に最も近い分割期間は、第3期であるため、期間重みを定めるための連続投入期間を算出するのは、第3期からで十分であり、第1期や第2期については考慮の必要がない。但し、期間重みの設定値が、例えば、もう一段階上のW4(例えば5倍)、あるいは二段階上のW5(例えば6倍)まである場合等には、第1期や第2期を考慮する必要が生じる。
Tsに該当するD4の時点から第5期の終了時点T5(Teに該当)までの間で、Teに該当するT5の時点での掛け金の残高Ke=K11=140万円よりも小さい残高の期間があるので、Tsに該当するD4の時点から第5期の終了時点T5(Teに該当)までの間で、最小の掛け金の残高K(1)を抽出すると、K(1)=K5=80万円となる。従って、Teに該当するT5の時点での掛け金の残高Ke=K11=140万円のうち、K(1)=K5=80万円について、Tsに該当するD4の時点から連続投入されているものとして、Tsに該当するD4が属する分割期間である第3期の期間重みW3(=4倍)が適用される。また、連続投入の開始時点であるTsに該当するD4の時点は、第5期の期中ではないので、レバレッジ記憶手段31(図3参照)に記憶された大和太郎の第5期のレバレッジL5=100倍が適用される。これらより、分配ポイント数算出式におけるK(1)=K5=80万円の項については、L5×W3×K5×(ΔT/ΔT)となる。
続いて、Tsに該当するD4の時点から第5期の終了時点T5(Teに該当)までの間における最小の掛け金の残高K(1)=K5=80万円の直後の残高の期間の開始時点D6は、D(1)に該当し、このD(1)に該当するD6の時点から第5期の終了時点T5(Teに該当)までの間で、Teに該当するT5の時点での掛け金の残高Ke=K11=140万円よりも小さい残高の期間があるので、D(1)に該当するD6の時点から第5期の終了時点T5(Teに該当)までの間で、最小の掛け金の残高K(2)を抽出すると、K(2)=K6=90万円となる。従って、Teに該当するT5の時点での掛け金の残高Ke=K11=140万円のうち、{K(2)−K(1)}=K6−K5=90万円−80万円=10万円について、D(1)に該当するD6の時点から連続投入されているものとして、D(1)に該当するD6が属する分割期間である第4期の期間重みW2(=3倍)が適用される。また、連続投入の開始時点であるD(1)に該当するD6の時点は、第5期の期中ではないので、レバレッジ記憶手段31(図3参照)に記憶された大和太郎の第5期のレバレッジL5=100倍が適用される。これらより、分配ポイント数算出式における{K(2)−K(1)}=K6−K5=10万円の項については、L5×W2×(K6−K5)×(ΔT/ΔT)となる。
さらに、D(1)に該当するD6の時点から第5期の終了時点T5(Teに該当)までの間における最小の掛け金の残高K(2)=K6=90万円の直後の残高の期間の開始時点D7は、D(2)に該当し、このD(2)に該当するD7の時点から第5期の終了時点T5(Teに該当)までの間で、Teに該当するT5の時点での掛け金の残高Ke=K11=140万円よりも小さい残高の期間は無いので、第5期の終了時点T5(Teに該当)の掛け金の残高Ke=K11=140万円のうち、{Ke−K(2)}=K11−K6=140万円−90万円=50万円について、D(2)に該当するD7の時点から連続投入されているものとして、D(2)に該当するD7が属する分割期間である第4期の期間重みW2(=3倍)が適用される。また、連続投入の開始時点であるD(2)に該当するD7の時点は、第5期の期中ではないので、レバレッジ記憶手段31(図3参照)に記憶された大和太郎の第5期のレバレッジL5=100倍が適用される。これらより、分配ポイント数算出式における{Ke−K(2)}=K11−K6=50万円の項については、L5×W2×(K11−K6)×(ΔT/ΔT)となる。
よって、大和太郎の第5期の分配ポイント数Pは、P=L5×W3×K5×(ΔT/ΔT)+L5×W2×(K6−K5)×(ΔT/ΔT)+L5×W2×(K11−K6)×(ΔT/ΔT)となる。そして、大和太郎の第5期の分配金が、V×(P/Psum)=20万円と算出されたとする。
<第6期>
続いて、第6期では、第5期の分配金20万円が再投資されることにより、第6期の開始時点D12で、掛け金の残高がK12=160万円になったが、その後、第6期の期中のD13の時点で、大和太郎は、掛け金の残高の全額160万円を引き出し、投資信託を解約した。
本実施形態では、各分割期間の終了時点(精算時点)まで掛け金を保持していなければ、分配金を受け取ることができないようにしているので、大和太郎の第6期の分配金の受け取りはない。一方、本実施形態では、各分割期間の期中(途中)での掛け金の部分的な引出(部分解約)、あるいは掛け金の全額を引き出す解約(全部解約)に対し、掛け金の引出金額に応じ、事実上のペナルティに相当する解約留保金(例えば、引出金額に一定比率を乗じた金額)の支払いを投資家に課すようにし、投資家間の公平を担保している。本発明では、投資家がレバレッジを自分で決めて入力するので、投資信託でありながら、勝負事の側面も持ち合わせている。このため、各分割期間の期中で掛け金を引き出すことは、結果がある程度見えてから、自己の損失(運用損が生じた場合の負担)を軽減する行為に繋がるので、このような行為に対するペナルティを課すものである。この際、本実施形態では、掛け金の引出や解約の時期に従って、ペナルティの程度を変えている。分割期間の長さがΔT=4ヶ月であるから、例えば、各分割期間の区切りの時点(精算時点)を経過した後、1ヶ月以内であれば、解約留保金無しで引出や解約を行うことができ(元々、前の分割期間までしか掛け金を投じる意思が無い場合もあるので、そのような投資家のための手続猶予期間と考えることができる。)、1ヶ月経過後、2ヶ月以内であれば、掛け金の引出金額の20%の解約留保金を支払わなければならず、2ヶ月経過後、3ヶ月以内であれば、掛け金の引出金額の50%の解約留保金を支払わなければならず、3ヶ月経過後は、引出や解約を行うことができないようにしてもよい。また、解約留保金は、掛け金の引出金額に一定比率を乗じた金額ではなく、固定額、あるいは引出や解約の時期に応じた固定額としてもよい。
なお、各分割期間の期中(途中)で掛け金を引き出したり、解約した場合でも、分配金(運用損が生じている場合には、マイナスの分配金となり、負担金となる。)を支払うようにしてもよい。この場合には、引出前の掛け金の残高αを、引出金額βと、引出後の残高γとに分けて(α=β+γ)、次のようにして分配金を算出することができる。引出や解約の時点を、精算時点であるものと仮定して、図7で説明した方法で、全ての投資家の分配ポイント数を算出する。この際、引出や解約を行う投資家についての掛け金の残高が、引出前の掛け金の残高αであるものとして算出した分配ポイント数P(α)と、引出後の残高γであるものとして算出した分配ポイント数P(γ)とを用意する。また、引出や解約を行う投資家についての分配ポイント数をP(α)とした場合に、全ての投資家の分配ポイント数を合計して得られた分配ポイント総数Psum(α)と、引出や解約を行う投資家についての分配ポイント数をP(γ)とした場合に、全ての投資家の分配ポイント数を合計して得られた分配ポイント総数Psum(γ)とを用意する。そして、引出や解約の時点における分配金総額をVとすると、引出前に受け取れるはずであった分配金V×(P(α)/Psum(α))から、引出後に受け取れることになる分配金V×(P(γ)/Psum(γ))を減じることにより、引出や解約の時点で、受け取ることができる分配金(但し、運用損が生じている場合には、負担金となる。)を算出することができる。なお、このような処理を行う場合には、分配金総額記憶手段32には、毎日更新される分配金総額Vを記憶しておく。
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、投資信託運用益分配システム10では、投資家は、掛け金を入力するとともに、レバレッジを入力することができるので、多くの分配金を得たいときには、掛け金またはレバレッジを大きくすればよいため、掛け金が小さくても、レバレッジを大きくすることにより、比較的少額の投資資金でも大きな収益を得ることができる。
また、レバレッジを大きくし、リスクも大きくとったとしても、投資対象そのものが、安定して運用益を生み出すことが期待される投資信託であるから、それ自体が運用操作を行うことができるものではない株式等を投資対象とする場合に比べ、大きな損失を被る可能性を少なくすることができる。
さらに、投資信託運用益分配システム10では、投資対象が投資信託であり、運用損が生じた場合には、各投資家の最大負担額が、掛け金の残高を超えないようにし、超える分については投資信託の運用会社や販売会社等が負担するようにしているので、リスクを限定することができる。
そして、投資信託運用益分配システム10は、掛け金の残高KおよびレバレッジLに加え、期間重みWを用いて分配金を算出する構成とされているので、投資信託を長く保有している程、大きな期間重みWを用いて分配ポイント数を算出し、分配ポイント数を大きくし、多くの分配金が得られる仕組みを実現することができる。このため、投資信託の保有期間が短い投資家が、大きな利益を得ようとして大きなレバレッジを入力したとしても、投資信託の保有期間が長い投資家が同じ大きさのレバレッジを入力した場合に比べ、期間重みWが小さいので、分配ポイント数は小さくなり、得られる利益は小さくなるため、より大きな利益の追求が可能となるという点で、投資信託を長く保有している投資家の方が有利になる。従って、投資信託の運用会社や販売会社等にとっては、投資家に対し、長期保有を促すことができる。一方、運用損が発生した場合には、期間重みWが大きければ、分配ポイント数が大きくなり、多くの損失を負担することに繋がるが、投資家は、リスクを減らしたい場合には、レバレッジを小さくすればよい。従って、これらのことから、投資信託を長く保有し、期間重みWが大きくなった場合には、投資家の選択の幅が拡がることになり、より大きな利益を得ることを目指すか、あるいはリスクを減らしつつ小さな利益の確保を図るかを選択することができるので、より戦略的な投資を行うことができる。
また、図7に示すように、分配金算出処理手段24は、分配ポイント数の算出対象とされている分割期間の終了時点Teの掛け金の残高Keを、連続投入期間の異なる金額分に分けて分配ポイント数を算出する構成とされているので、例えば、複数の分割期間に渡って掛け金の増減が繰り返されるようなときでも、Teの時点の掛け金の残高Keについて、適切な連続投入期間を導くことができ、より一層、投資家間に公平な分配を実現することができる。
さらに、投資信託運用益分配システム10では、分割期間毎にレバレッジの入力を受け付けるので、ハイリスクで大きな利益を得ることを目指すか、あるいはリスクを減らしつつ小さな利益の確保を図るかの選択を、細かく設定し、あるいは修正することができるため、投資家の選択の幅が拡がり、より戦略的な投資を行うことができる。
そして、分配金算出処理手段24は、分配ポイント数の算出対象とされている分割期間の終了時点Teの掛け金の残高Keを、連続投入期間の異なる金額分に分けて分配ポイント数を算出する際に、当該分割期間の期中で投入された金額分であるか否かを判断し、適用するレバレッジを変える構成とされているので、各分割期間の掛け金の残高のうち各分割期間の期中(途中)で投入された金額分については、レバレッジ記憶手段31(図3参照)に記憶された各分割期間のレバレッジ、すなわち投資家により指定入力されたレバレッジではなく、予めシステムで定められたレバレッジLmを適用することができるため、投資家間の公平性を担保することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、分割期間を精算(決算)のための区切りとして設け、各分割期間の終了時点を精算時点(決算日)とし、各分割期間の終了時点で分配金を算出し(図4のステップS5)、各分割期間の終了時点で分配金の支払い(再投資または口座振込)を行う(図4のステップS6)構成、すなわち図4のステップS5,S6の処理を、各分割期間が終了する都度に行う構成とされていたが、次のように、分割期間を精算(決算)のための区切りとして設けるのではなく、すなわち分割期間の終了時点を精算時点(決算日)とするのではなく、分割期間をレバレッジを細分化して入力するために、あるいは期間重みを定めるために設けられた単なる区切りとし、分配金の算出処理および分配金の支払処理を、最後に1回だけ行われる精算時点(例えば満期等)で一括して行う構成としてもよい。
このように分割期間を分配ポイント数の算出のための単なる計算上の区切りとする場合には、分配ポイント数算出式に従って、分配ポイント数を投資家毎で、かつ、分割期間毎に算出し(ここまでは、前記実施形態と同様である。)、投資家毎に各分割期間の分配ポイント数を合計して投資家毎の分配ポイント数の累計数を算出し、全ての投資家についての分配ポイント数の累計数を合計して分配ポイント総数を算出し、投資家毎の分配ポイント数の累計数を、分配ポイント総数で除することにより、投資家毎の分配割合を算出決定し、算出決定した分配割合を分配金総額に乗じることにより、投資家毎の分配金を算出する構成とすることができる。なお、このような構成とする場合には、分配金の支払処理は、最後に1回だけ行われる精算時点(例えば満期等)で一括して行われるだけなので、各分割期間の終了の都度に再投資が行われるということはない。
このような構成とした場合であっても、最後に1回だけ行われる精算時点(例えば満期等)まで投入されていた掛け金についてだけ分配ポイント数が算出され、分配金の支払対象となるのではなく、各分割期間の終了時点で投入されていた掛け金について分配ポイント数が算出され、分配金の支払対象となるので、各分割期間を単位として掛け金の残高履歴を考慮した分配金の支払いを実現することができる。
また、前記実施形態では、分配金算出処理手段24は、分配ポイント数の算出対象とされている分割期間の終了時点Teの掛け金の残高Keを、連続投入期間の異なる金額分に分けて分配ポイント数を算出する際に、分配ポイント数の算出対象とされている分割期間の期中(途中)で投入された金額分であるか否かを判断し、当該分割期間の期中で投入された金額分である場合には、レバレッジ記憶手段31(図3参照)に記憶された各分割期間のレバレッジ、すなわち投資家により指定入力されたレバレッジではなく、予めシステムで定められたレバレッジLm(前記実施形態では、1倍)を適用する構成とされていたが、レバレッジ記憶手段31(図3参照)に記憶された各分割期間のレバレッジをそのまま適用する構成としてもよい。但し、投資家間の公平性を担保する観点からは、予めシステムで定められたレバレッジLm(=1倍)を適用する構成とすることが好ましい。