JP5235153B2 - 電子機器 - Google Patents

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本発明は、例えば機器本体と蓋体の組み合わせから成る2つの筐体構成部材が互いに接合されて内部に格納室が形成されている電子機器に関する。
携帯電話機などの従来の電子機器には、充電池を格納するための格納室が形成されており、該格納室は、機器本体に形成されている凹部の開口を、蓋体によって閉塞することにより構成されている。
従来の電子機器においては、凹部の開口を蓋体によって閉塞した場合でも、凹部と蓋体との隙間から格納室の内部に水が浸入し、これにより充電池や電子部品などが破損する虞があった。
格納室内への水の浸入を防止すべく、蓋体と凹部との間にゴムパッキンを介在させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−42771号公報 特開2006−32089号公報
しかしながら、蓋体が、機器本体の表面に沿ってスライドすることにより凹部の開口を閉塞するものである場合、ゴムパッキンと蓋体との間の摩擦の作用によってゴムパッキンが摩耗し、防水効果が低下する問題があった。ゴムパッキンの摩耗を防止するためには、図15に示す如く、蓋体101を、その一端を支点として回動させざるを得なかった(例えば、特許文献2参照)。
そこで本発明の目的は、簡易な構成により格納室内への水の浸入を防止することが可能な電子機器を提供することである。
本発明の第1態様に係る電子機器は、2つの筐体構成部材が互いに接合されて内部に格納室が形成されている電子機器であって、前記2つの筐体構成部材の接合面の内、何れか一方の接合面には、前記格納室を包囲して延びる溝が凹設され、前記2つの筐体構成部材が互いに接合された状態で前記一方の接合面の溝の底面と他方の接合面との間には、前記溝による空間が形成されている。
上記第1態様に係る電子機器においては、2つの筐体構成部材が互いに接合された状態では両接合面が接触するが、これらの間には、公差によって部分的に僅かな隙間が生じることになる。従って、電子機器への水の付着などにより外部から前記隙間に水が浸入した場合、該水は毛細管現象によって格納室に向けて吸い込まれ、溝の外側の縁に到達することになる。
しかし、溝の外側の縁に到達した水は、表面張力の作用によって溝には殆ど流れ込むことが出来ず、従ってその水は、溝の縁を該溝に沿って移動することになる。上記電子機器においては、格納室が溝によって包囲されているので、水は、溝の外側を該溝に沿って移動はするものの、その溝を越えて溝の内側に入り込むことが出来ない。
従って、上記電子機器は、ゴムパッキン等の防水用部材を用いずに格納室への水の浸入を防止することが可能である。又、ゴムパッキン等の防水用部材を用いる必要がないので、電子機器の構成が簡易となる。
上記第1態様に係る電子機器の具体的構成において、前記2つの筐体構成部材は、開口を有する機器本体と、該機器本体に接合されて前記開口を閉塞する蓋体との組み合わせによって構成され、機器本体と蓋体が互いに接合された状態で前記格納室が形成され、機器本体と蓋体の接合面の内、何れか一方の接合面に前記溝が凹設されている。
本発明の第2態様に係る電子機器は、2つの筐体構成部材が互いに接合されて内部に格納室が形成されている電子機器であって、前記2つの筐体構成部材の接合面の内、何れか一方の接合面には、前記格納室の周りに延びる溝が凹設されると共に、該溝の両端位置にて水を溜めることが可能な水溜め部が前記溝に連通した状態で形成されており、前記2つの筐体構成部材が互いに接合された状態で前記一方の接合面の溝の底面と他方の接合面との間には、前記溝による空間が形成されている。
上記第2態様に係る電子機器においては、2つの筐体構成部材が互いに接合された状態では両接合面が接触するが、これらの間には、公差によって部分的に僅かな隙間が生じることになる。従って、電子機器への水の付着などにより外部から前記隙間に水が浸入した場合、該水は毛細管現象によって格納室に向けて吸い込まれ、溝の外側の縁に到達することになる。
しかし、溝の外側の縁に到達した水は、表面張力の作用によって溝には殆ど流れ込むことが出来ず、従ってその水は、溝の縁を該溝に沿って移動することになる。上記電子機器においては、溝の両端位置に水溜め部が形成されているので、溝に沿って移動した水は水溜め部に溜まることになる。
従って、上記電子機器は、ゴムパッキン等の防水用部材を用いずに格納室への水の浸入を防止することが可能である。又、ゴムパッキン等の防水用部材を用いる必要がないので、電子機器の構成が簡易となる。
上記第2態様に係る電子機器の具体的構成において、前記2つの筐体構成部材は、開口を有する機器本体と、該機器本体に接合されて前記開口を閉塞する蓋体との組み合わせによって構成され、機器本体と蓋体が互いに接合された状態で前記格納室が形成され、機器本体と蓋体の接合面の内、何れか一方の接合面に、前記溝が凹設されると共に前記水溜め部が形成されている。
上記第1及び第2態様に係る電子機器の他の具体的構成において、前記蓋体は、前記機器本体の表面に沿ってスライドすることより前記機器本体の開口を閉塞するものである。
本発明に係る電子機器は、上述の如くゴムパッキン等の防水用部材を用いる必要がないので、蓋体がスライドするものであっても、ゴムパッキン等の防水用部材を用いた従来の携帯電話機に比べて、摩耗による防水効果の低下が発生し難い。
本発明に係る電子機器は、簡易な構成であるにも拘わらず、格納室内への水の浸入を防止することが可能である。
本発明の一実施形態に係る携帯電話機を閉じた状態で示した斜視図である。 該携帯電話機を開いた状態で示した斜視図である。 上記携帯電話機を背面側から見た斜視図である。 上記携帯電話機を、蓋体を取り外した状態で示した斜視図である。 機器本体への蓋体の取付け過程を説明するための斜視図である。 上記携帯電話機の背面図である。 図6に示すA−A線に沿う断面図である。 図7に示すB領域の拡大図である。 図7に示すC領域の拡大図である。 上記携帯電話機の機器本体の一部を構成する第1キャビネットを示した斜視図である。 該第1キャビネットの背面図である。 図11に示すD領域の拡大図である。 図12に示すE−E線に沿う断面図である。 上記携帯電話機の改良形態の一例を示した背面図である。 従来の携帯電話機を示した側面図である。
以下、本発明を携帯電話機に実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明の一実施形態に係る携帯電話機は、図1及び図2に示す如く機器本体1と、図3に示す如く機器本体1に取り付けられる蓋体2とを具えている。機器本体1は、第1キャビネット11と第2キャビネット12とをヒンジ機構13によって開閉可能に連結して構成されている。第1キャビネット11には、第2キャビネット12との対向面に複数の操作釦14が配備され、第2キャビネット12には、第1キャビネット11との対向面に液晶ディスプレイ15が配備されている。又、図4に示す様に、第1キャビネット11には更に、対向面とは反対側の面(背面)に開口した凹部5が形成されている。
蓋体2は、第1キャビネット11の背面にスライド可能に取り付けられており、図5に示す如く第1キャビネット11の背面に沿ってスライドすることにより凹部5の開口を閉塞するものである。
又、図8及び図9に示す様に、蓋体2と凹部5は、凹部5の開口を蓋体2によって閉塞した状態で互いに接合されることとなる接合面21,51を有している。尚、本実施形態においては、蓋体2の接合面21は蓋体2の裏面によって構成されている。
従って、図7に示す様に、蓋体2によって凹部5の開口を閉塞することにより、凹部5と蓋体2とが接合され、その結果、凹部5と蓋体2によって囲まれた空間が内部に形成されることとなる。そして、該空間が充電池3を格納するための格納室4となる。
凹部5の接合面51には、図10及び図11に示す如く、凹部5の開口を包囲して延びる溝6が凹設されている。従って、蓋体2によって凹部5の開口を閉塞して蓋体2と凹部5とが互いに接合された状態においては、格納室4は溝6によって包囲されることとなる。
尚、本実施形態においては、図8及び図9に示す様に、0.5mmの深さを有した溝6が接合面51に凹設されている。
図8及び図9に示す様に、溝6の内部は、蓋体2によって凹部5の開口を閉塞して蓋体2と凹部5とが互いに接合された状態において、中空のまま維持されている。従って、蓋体2と凹部5とが互いに接合された状態では、溝51の底面と蓋体2の接合面21との間に、溝6による空間が形成されることとなる。
本実施形態においては、図10及び図11に示す様に凹部5の接合面51には更に、凹部5の開口周りの所定位置に、少量の水を溜めることが可能な水溜め部7が溝6に連通した状態で形成されている。
上述した携帯電話機においては、蓋体2によって凹部5の開口を閉塞して蓋体2と凹部5とが互いに接合された状態では両接合面21,51が接触するが、これらの間には、公差によって部分的に僅かな隙間が生じることになる。従って、図12に示す様に、携帯電話機への水の付着などにより外部から前記隙間に水が浸入した場合、該水は毛細管現象によって格納室4に向けて吸い込まれ、図13に示す如く溝6の外側の縁に到達することになる。
しかし、溝6の外側の縁に到達した水は、表面張力の作用によって溝6には殆ど流れ込むことが出来ず、従ってその水は、図12に示す様に溝6の縁を該溝6に沿って移動することになる。上記携帯電話機においては、溝6は格納室4を包囲して延びているので、水は、溝6の外側を該溝6に沿って移動はするものの、その溝6を越えて溝6の内側に入り込むことが出来ない。
そして、溝6に沿って移動した水は、水溜め部7の縁に到達するか、又は移動の途中で蒸発する。水溜め部7の縁に到達した水は、図12の矢印F1に示す様にそのまま水溜め部7に流れ込むか、或いは図12の矢印F2に示す様に水溜め部の縁に沿って移動し、第1キャビネット内の別の部材などにより移動が阻止された時点で水溜め部7に流れ込む。水溜め部7に流れ込んだ水は、水溜め部7内に溜められ、次第に蒸発していく。
従って、上述した携帯電話機は、ゴムパッキン等の防水用部材を用いずに格納室4への水の浸入を防止することが可能である。即ち、上述した携帯電話機は、構成が簡易であるにも拘わらず、格納室4への水の浸入を防止することが可能である。
又、ゴムパッキン等の防水用部材を用いる必要がないので、蓋体2が上述の如くスライドするものであっても(図5参照)、ゴムパッキン等の防水用部材を用いた従来の携帯電話機に比べて、摩耗による防水効果の低下が発生し難い。
又、上述した携帯電話機においては溝6が格納室4を包囲して延びていたが、本発明はこれに限らず、例えば図14に示す如く、溝6が格納室4の周りを部分的に延びた構成であってもよい。但し、該構成においては、溝6の両端位置に水溜め部7が溝6に連通した状態で設けられる。
上記構成においては、蓋体2と凹部5の接合面21,51の間に生じた隙間から水が浸入した場合、該水は毛細管現象によって格納室4に向けて吸い込まれ、溝6の外側の縁に到達することになる。しかし、溝6の外側の縁に到達した水は、表面張力の作用によって溝6には殆ど流れ込むことが出来ず、従ってその水は、溝6の縁を該溝6に沿って移動することになる。上記構成においては、溝6の両端位置に水溜め部7が形成されているので、溝6に沿って移動した水は水溜め部7に溜まることになる。従って、上記構成においても、ゴムパッキン等の防水用部材を用いない簡易な構成により、格納室4への水の浸入を防止することが可能である。
更に、上述した携帯電話機においては、凹部5の接合面51に溝6が凹設されていたが、本発明はこれに限らず、蓋体2の接合面21に溝6が凹設された構成であってもよい。
更に又、本発明は、上述の如く機器本体1(具体的には凹部5)と蓋体2との接合によって内部に格納室4が形成される携帯電話機に限らず、2つの筐体構成部材が互いに接合されて内部に格納室が形成される種々の電子機器に適用することが可能である。
1 機器本体(筐体構成部材)
2 蓋体(筐体構成部材)
21 接合面
4 格納室
5 凹部
51 接合面
6 溝
7 水溜め部

Claims (3)

  1. 2つの筐体構成部材が互いに接合されて内部に格納室が形成されている電子機器において、前記2つの筐体構成部材の接合面の内、何れか一方の接合面には、前記格納室の周りに延びる溝が凹設されると共に、該溝の両端位置にて水を溜めることが可能な水溜め部が前記溝に連通した状態で形成されており、前記2つの筐体構成部材が互いに接合された状態で前記一方の接合面の溝の底面と他方の接合面との間には、前記溝による空間が形成されていることを特徴とする電子機器。
  2. 前記2つの筐体構成部材は、開口を有する機器本体と、該機器本体に接合されて前記開口を閉塞する蓋体との組み合わせによって構成され、機器本体と蓋体が互いに接合された状態で前記格納室が形成され、機器本体と蓋体の接合面の内、何れか一方の接合面に、前記溝が凹設されると共に前記水溜め部が形成されている請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記蓋体は、前記機器本体の表面に沿ってスライドすることより前記機器本体の開口を閉塞するものである請求項2に記載の電子機器。
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