JP5234973B2 - ハニカム構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、ハニカム構造体に関する。
バス、トラック等の車両や建設機械等の内燃機関から排出される排ガス中に含有されるスス等のパティキュレートマター(以下、PMという)やその他の有害成分が環境や人体に害を及ぼすことが最近問題となっている。
そこで、排ガス中のPMを捕集して排ガスを浄化するハニカムフィルタとして、また、その内部に排ガスを通過させることにより排ガス中のCO、HC等の有害成分を浄化する触媒担体として、多孔質セラミックからなるハニカム構造体が種々提案されている。
このようなハニカム構造体としては、長手方向に多数のセルが並設された柱状のハニカム焼成体を複数個組み合わせてなる集合型ハニカム構造体が知られている。このような集合型ハニカム構造体では、各ハニカム焼成体の側面に接着材層が形成されており、上記接着材層を介して各ハニカム焼成体同士が接着されている。
ハニカム構造体を排ガス浄化用途に使用する際には、ハニカム構造体のセル内に高温の排ガスを流通させる。そのため、ハニカム構造体にはその使用時に熱衝撃が加わり、熱衝撃が大きくなるとハニカム構造体が破損することがある。
しかしながら、ハニカム焼成体を接着材層で結合して集合型ハニカム構造体とすることによって、ハニカム構造体に加わる熱衝撃を接着材層で緩和してハニカム構造体の破損を防止することができるとされている。
特許文献1には、集合型ハニカム構造体として、その長手方向に垂直な断面で切断した切断面が正方形である角柱状のハニカム焼成体を、接着材からなる接着材層を介して複数個接着して一体化して、円柱形状となるように外周を加工したハニカム構造体が記載されている。
特許文献1に記載のハニカム構造体における接着材層は、無機繊維、無機バインダ、有機バインダ及び無機粒子からなり、その熱伝導率が0.1〜10W/mKである。また、各ハニカム焼成体間は全て同一組成の上記接着材層を用いて接着されている。
また、特許文献1に記載のハニカム構造体を製造する過程において、外周を加工する前の角柱状の一体物の4隅に位置していたハニカム焼成体は、その大部分が外周加工によって削り取られており、上記4隅に位置していたハニカム焼成体の断面積は、ハニカム構造体の断面における中央部に位置するハニカム焼成体(以下、中央部ハニカム焼成体という)と比較して小さくなっている。
国際公開第01/23069号パンフレット
ハニカム構造体を排ガス浄化用途に用いる場合、内燃機関から排出された高温の排ガスをハニカム構造体のセルに流入させる。すると、中央部ハニカム焼成体には多くの熱が加わるため、中央部ハニカム焼成体は、外周部に位置するハニカム焼成体(以下、外周部ハニカム焼成体という)に比べて温度が上昇しやすくなっている。
このような集合型ハニカム構造体ではハニカム構造体の中央部と外周部との間で大きな温度差が生じることがあり、この大きな温度差によってハニカム構造体に熱応力が加わり、ハニカム構造体が破損することがあった。
特に、ハニカム構造体の外周部に位置し、断面積の小さいハニカム焼成体、すなわち、外周加工によってその大部分が削り取られており、その断面積が中央部ハニカム焼成体の60%未満であるハニカム焼成体には、破損が多く発生していた。
なお、本明細書において、ハニカム構造体の切断面の外周の一部を構成し、断面積が中央部ハニカム焼成体の60%未満であるハニカム焼成体を外周部小ハニカム焼成体という。
なお、本明細書において「断面積」とは、断面積を規定する対象となるハニカム焼成体、ハニカム構造体等のユニットをその長手方向に垂直な断面で切断した切断面におけるユニットの断面積のことをいう。また、「断面」とは、切断する対象となるユニットをその長手方向に垂直な断面で切断した切断面のことをいう。
外周部小ハニカム焼成体は、ハニカム構造体の断面において、ハニカム構造体の中心部からの距離が遠い。また、ハニカム焼成体は、熱伝導率の低い接着材層によって他のハニカム焼成体と隔てられている。そのため、外周部小ハニカム焼成体はハニカム構造体の中心部と外周部との間に生じる温度差の影響を受けやすく、破損が生じやすくなっているものと推測される。
特許文献1に記載のハニカム構造体では、接着材層の熱伝導率を高くすることによってハニカム構造体内部の熱伝導性を改良し、熱応力によるハニカム構造体の破損を防止することができるとされている。
しかし、このようなハニカム構造体を排ガス浄化用フィルタとして使用した場合でも、ハニカム構造体に破損が生じることがあった。
特に、大型のハニカム構造体(例えば、直径200mm以上)を製造した場合には、高い確率でハニカム構造体に破損が発生していた。
このことから、ハニカム構造体の耐熱衝撃性をさらに向上させることが望まれていた。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、熱応力による破損を防止することができる、耐熱衝撃性の高いハニカム構造体を提供することを目的とする。
本発明者らは、熱伝導率の高い接着材層を用いてハニカム焼成体間が接着されたハニカム構造体について破損の様子を観察した。
すると、外周部小ハニカム焼成体ではなく、中央部ハニカム焼成体が破損している場合が多いことが判明した。
このことから、ハニカム構造体の中央部に位置する接着材層と、ハニカム構造体の外周部に位置する接着材層とでは、それぞれ異なる特性が必要となることが判明した。
そして、本発明者らは、熱伝導率の高い接着材層を所定の部位に形成し、さらに、ヤング率の低い接着材層を所定の部位に形成することによってハニカム構造体の破損を防止することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、請求項1に記載のハニカム構造体は、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体が、接着材層を介して複数個結束されてなるハニカム構造体であって、
上記ハニカム焼成体は、上記ハニカム構造体を長手方向に垂直な断面で切断した切断面の中央部に位置する中央部ハニカム焼成体と、上記切断面の外周の一部を構成する外周部ハニカム焼成体とからなり、
上記外周部ハニカム焼成体の少なくとも1つは、上記切断面における断面積が上記中央部ハニカム焼成体1つの断面積の60%未満である外周部小ハニカム焼成体であり、
上記外周部小ハニカム焼成体と少なくとも1つの他のハニカム焼成体が接着材層Bを介して接着されてなる外周部ハニカム接着体は、その上記切断面における断面積が、上記中央部ハニカム焼成体1つの断面積の60%以上であり、
上記中央部ハニカム焼成体同士を接着する接着材層を、接着材層Aとした際に、
上記接着材層Bの熱伝導率及びヤング率は、上記接着材層Aよりも高いことを特徴とする。
ここで、請求項1に記載のハニカム構造体における中央部ハニカム焼成体、外周部小ハニカム焼成体、外周部ハニカム接着体、接着材層A、及び、接着材層Bについて図面を用いて説明する。
図1は、本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示す断面図である。
なお、本明細書における各断面図は、単純化のためにハニカム焼成体のセルを省略して示している。
このハニカム構造体1においては、32個のハニカム焼成体50が接着材層10を介して結束されている。そして、この断面図において、ハニカム構造体1の外周の一部を構成しない16個のハニカム焼成体60が中央部ハニカム焼成体である。
また、中央部ハニカム焼成体60同士を接着する接着材層20が接着材層Aである。
また、ハニカム構造体1の外周121の一部を構成し、切断面における断面積が1つの中央部ハニカム焼成体60の断面積の60%未満であるハニカム焼成体70が、外周部小ハニカム焼成体である。図1に示すハニカム構造体には、外周部小ハニカム焼成体70が8個存在する。
外周部小ハニカム焼成体70は、隣接する他のハニカム焼成体80と接着材層30を介して接着されている。接着材層30は、接着材層Aに比べて熱伝導率が高く、かつ、接着材層Aに比べてヤング率が高い接着材層Bである。
図1に示すハニカム構造体1においては、1つのハニカム焼成体80に対して、隣接する2つの外周部小ハニカム焼成体70がそれぞれ接着材層B(接着材層30)を介して接着されて、3つのハニカム焼成体が接着されてなる外周部ハニカム接着体90が形成されている。
外周部ハニカム接着体は、外周部小ハニカム焼成体と他のハニカム焼成体が接着材層Bを介して、その断面積が中央部ハニカム焼成体の断面積の60%以上となるように接着されてなる。
外周部ハニカム接着体を構成するハニカム焼成体の数、及び、形状の組み合わせは特に限定されるものではない。図1に示すハニカム構造体においては、1つのハニカム焼成体80と1つの外周部小ハニカム焼成体70からなる接着体もまた外周部ハニカム接着体である。
図1に示すハニカム構造体には、中央部ハニカム焼成体60ではなく、かつ、外周部ハニカム接着体90を構成しないハニカム焼成体50が存在する。このようなハニカム焼成体50に隣接する接着材層の種類は特に限定されるものではなく、接着材層A又は接着材層Bであってもよいし、他の種類の接着材層であってもよい。
図1に示すハニカム構造体1では、他の種類の接着材層40が形成されている。
請求項1に記載のハニカム構造体は、外周部小ハニカム焼成体と少なくとも1つの他のハニカム焼成体とが熱伝導率の高い接着材層Bを介して接着された外周部ハニカム接着体を有している。
この外周部ハニカム接着体は熱伝導率の高い接着材層Bを介して接着されているため、外周部ハニカム接着体の内部での熱伝導性が高く、温度分布が均一となりやすい。
従って、請求項1に記載のハニカム構造体においては、温度分布を考える際に、その断面積が中央部ハニカム焼成体1つの断面積の60%以上であり、断面積が比較的大きい外周部ハニカム接着体を1つのハニカム焼成体とみなして考えることができる。
すなわち、請求項1に記載のハニカム構造体には、ハニカム構造体の外周面を構成し、かつ、断面積が小さいハニカム焼成体が存在していないとみなすことができる。
また、中央部ハニカム焼成体同士は、ヤング率の低い接着材層Aを介して接着されている。そのため、中央部ハニカム焼成体同士に加わる熱応力が緩和されて、中央部ハニカム焼成体に破損が生じることが防止される。
すなわち、請求項1に記載のハニカム構造体は、接着材層A及び接着材層Bという少なくとも2種類の接着材層がそれぞれ好適な部位に形成されて、ハニカム焼成体同士が接着されてなるため、ハニカム構造体の破損を防止することができる。
まず、高い熱伝導率が必要となる部位に熱伝導率の高い接着材層Bを形成することによって、外周部小ハニカム焼成体への熱伝導性を向上させ、外周部小ハニカム焼成体の破損を防止することができる。
さらに、高い熱伝導率がそれほど必要でない部位にヤング率の低い接着材層Aを形成することによって、中央部ハニカム焼成体に加わる熱応力を緩和させ、中央部ハニカム焼成体の破損を防止することができる。
請求項2に記載のハニカム構造体において、上記外周部小ハニカム焼成体は、隣接する複数のハニカム焼成体のうち、上記切断面における断面積が最も大きいハニカム焼成体と上記接着材層Bを介して接着されている。
外周部小ハニカム焼成体と接着材層Bで接着されるハニカム焼成体の大きさ及び位置について、図1に示すハニカム構造体1を例にして説明する。
外周部小ハニカム焼成体70には2つのハニカム焼成体が隣接している。1つはハニカム焼成体の断面の形状が4角形であるハニカム焼成体80であり、もう1つは、ハニカム焼成体の断面における外周の一部が曲線であり、その曲線がハニカム構造体1の外周を構成しているハニカム焼成体81である。
外周部小ハニカム焼成体70に隣接する複数のハニカム焼成体(ハニカム焼成体80及びハニカム焼成体81)のうち、上記切断面における断面積が最も大きいハニカム焼成体は、ハニカム焼成体80である。
また、ハニカム焼成体80は中央部ハニカム焼成体60でもある。そのため、ハニカム焼成体80と外周部小ハニカム焼成体70とが接着材層Bを介して接着されていると、外周部小ハニカム焼成体と、ハニカム構造体の中心部に位置するハニカム焼成体との温度差がより小さくなり、外周部小ハニカム焼成体に加わる熱応力をより小さくすることができる。
請求項3に記載のハニカム構造体では、上記外周部小ハニカム焼成体以外のハニカム焼成体の間を接着する接着材層は、接着材層Aである。
外周部小ハニカム焼成体以外のハニカム焼成体の間を接着する接着材層は、高い熱伝導率がそれほど必要でない部位である。この部位にヤング率の低い接着材層Aを形成すると、ハニカム焼成体間に加わる熱応力をより有効に緩和することができ、ハニカム構造体の破損をより有効に防止することができる。
本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示す断面図である。 本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図である。 図3(a)は、本発明のハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の一例を模式的に示した斜視図であり、図3(b)は、図3(a)のA−A線断面図である。 ハニカム焼成体の側面に接着材ペースト層を形成する方法の一例を模式的に示す断面図である。 第一実施形態において接着材ペーストA及び接着材ペーストBを塗布する位置を模式的に示す断面図である。 第二実施形態のハニカム構造体の一例を模式的に示す断面図である。 図7(a)、図7(b)及び図7(c)は、第三実施形態の結束工程の一部の工程を模式的に示す説明図である。
(第一実施形態)
以下、本発明のハニカム構造体の一実施形態である第一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図2は、本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図であり、図3(a)は、本発明のハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の一例を模式的に示した斜視図であり、図3(b)は、図3(a)に示すハニカム焼成体のA−A線断面図である。
図2に示すハニカム構造体1は、多孔質炭化ケイ素からなる、図3(a)及び図3(b)に示すような形状のハニカム焼成体50が接着材層10を介して32個結束されたセラミックブロック103からなる。
さらに、セラミックブロック103の外周121にはさらにシール材層(コート層)102が形成されている。
図3(a)及び図3(b)に示すハニカム焼成体50には、多数のセル51がセル壁53を隔てて長手方向(図3(a)中、aの方向)に並設されており、セル51のいずれかの端部が封止材52によって封止されている。従って、一方の端面が開口したセル51に流入した排ガスGは、必ずセル51を隔てるセル壁53を通過した後、他方の端面が開口した他のセル51から流出するようになっている。
従って、セル壁53がPM等を捕集するためのフィルタとして機能する。
図1を用いて説明したように、ハニカム構造体1には中央部ハニカム焼成体60が16個配置されており、中央部ハニカム焼成体60同士が接着材層A(接着材層20)を介して接着されている。
また、ハニカム構造体1の断面の外周121の近傍には外周部小ハニカム焼成体70と他のハニカム焼成体80とが接着されてなる外周部ハニカム接着体90が配置されており、外周部小ハニカム焼成体70と他のハニカム焼成体80とは接着材層B(接着材層30)を介して接着されている。
接着材層Bは、接着材層Aよりもそのヤング率が高い。接着材層のヤング率は、接着材層をハニカム構造体から切り出して測定用資料を調製し、その測定用資料の応力−ひずみ曲線を求めて、その曲線の初期の傾斜を求めることによって算出される。
応力−ひずみ曲線の測定にはオートグラフ等が用いられる。
接着材層Aの望ましいヤング率は、0.1〜3GPaであり、接着材層Bの望ましいヤング率は3〜15GPaである。
また、接着材層Bは、接着材層Aよりもその熱伝導率が高い。接着材層の熱伝導率は、接着材層をハニカム構造体から切り出して測定用資料を調製し、上記測定試料に対してレーザーフラッシュ法等の熱伝導率測定方法を用いることによって求められる。
接着材層Aの望ましい熱伝導率は、0.05〜0.3W/mKであり、接着材層Bの望ましい熱伝導率は0.3〜1W/mKである。
接着材層A及び接着材層Bの構成は、その熱伝導率及びヤング率が上記範囲を満たせば特に限定されるものではないが、一例として、接着材層Aに比べて接着材層Bが高密度である構成(接着材層Bに比べて接着材層Aが低密度である構成)が挙げられる。
このような構成とすると、接着材層Bの熱伝導率及びヤング率を接着材層Aよりも高くすることができる。
本実施形態において、接着材層の主成分は、無機繊維と無機バインダ、無機粒子と無機バインダ、又は、無機繊維と無機粒子と無機バインダである。
無機繊維と無機バインダ又は無機粒子と無機バインダを主成分として含む場合、無機バインダの固形分5〜30重量%に対して、無機繊維又は無機粒子は、70〜95重量%が好ましく、無機繊維と無機粒子と無機バインダとを主成分として含む場合には、無機バインダの固形分5〜30重量%に対して、無機粒子が35〜65重量%、無機繊維30〜60重量%が好ましい。
また、各接着材層は、有機バインダを含んでいてもよいが、排ガス浄化用フィルタとして使用した場合には、高温となるため、分解消失しやすく、接着強度の変動の原因となるため、なるべく少ない量が含有されていることが望ましい。
また、各接着材層の厚さは、0.5〜2.0mmが望ましい。
接着材層の厚さが0.5mm未満では接着強度が低下するおそれがあり、また、2.0mmを超えると、セルの開口率が低下するため、このような接着材層を有するハニカム構造体を排ガス浄化用フィルタとして使用する場合の機能が低下してしまう。また、接着材層の厚さが2.0mmを超えると、圧力損失が大きくなることがある。
次に、本実施形態のハニカム構造体の製造方法について説明する。
まず、複数のハニカム焼成体を接着材層を介して接着させる結束工程について説明し、その後にハニカム構造体の全製造工程について説明する。
ハニカム焼成体を接着させる方法は特に限定されるものではないが、ハニカム焼成体の間に接着材ペースト層を形成してハニカム集合体を作製し、ハニカム集合体の接着材ペースト層を乾燥固化して接着材層を形成することによってセラミックブロックとすることが望ましい。
このとき、接着材層A及び接着材層Bをそれぞれ形成する方法として、例えば、以下のような方法が挙げられる。
まず、無機繊維と無機バインダ、無機粒子と無機バインダ、又は、無機繊維と無機粒子と無機バインダを主成分として含む接着材ペーストを調製する。
低密度の接着材層A及び高密度の接着材層Bをそれぞれ形成するために、接着材ペーストを複数種類調製することが望ましい。
接着材層Aを形成するための接着材ペーストを接着材ペーストAとし、接着材層Bを形成するための接着材ペーストを接着材ペーストBとする。
低密度の接着材層Aを形成するための接着材ペーストAの望ましい特性としては、接着材ペーストBと比較して、水分含有量が多いこと、及び、無機繊維の繊維長が長いこと等が挙げられる。
接着材ペーストAは、これらの特性の全てを満たしていても良いし、一部の特性のみを満たしていても良い。
一方、高密度の接着材層Bを形成するための接着材ペーストBの望ましい特性としては、接着材ペーストAと比較して、水分含有量が少ないこと、及び、無機繊維の繊維長が短いこと等が挙げられる。
接着材ペーストBは、これらの特性の全てを満たしていても良いし、一部の特性のみを満たしていても良い。
例えば、接着材ペーストAの水分含有量の望ましい範囲は、30〜50重量%であり、接着材ペーストBの水分含有量の望ましい範囲は、10〜30重量%である。
また、接着材ペーストAに含まれる無機繊維の望ましい繊維長(平均繊維長)は、20〜1000μmであり、接着材ペーストBに含まれる無機繊維の望ましい繊維長(平均繊維長)は、1〜20μmである。
なお、接着材ペーストの水分含有量を調整する際には、接着材ペーストに造孔剤を添加することによって空隙を設けて、水分含有量を相対的に少なくする方法を用いてもよい。
また、接着材ペースト中の無機バインダの種類を変更することによっても接着材層の特性を調整することができる。
例えば、無機バインダとしてシリカゾルを用いると低密度の接着材層Aを形成することができ、無機バインダとしてリン酸アルミニウム又は水ガラスを用いると高密度の接着材層Bを形成することができる。
続いて、ハニカム焼成体の側面に、接着材ペーストを用いて接着材ペースト層を形成し、所定の数のハニカム焼成体の間に接着材ペースト層が形成されてなるハニカム集合体を作製する。
図4は、ハニカム焼成体の側面に接着材ペースト層を形成する方法の一例を模式的に示す断面図である。
接着材ペースト層を形成する方法は、特に限定されるものでないが、例えば、断面がV字形状に構成された台400の上に上記台のV字形状に沿ってハニカム焼成体50を載置し、ハニカム焼成体50の上側を向いた2つの側面(50a及び50b)に、接着材ペーストをスキージ等を用いることにより塗布して、所定の厚さの接着材ペースト層を形成する。
この際、2種類の接着材ペーストA及び接着材ペーストBを用いて接着材ペースト層120及び接着材ペースト層130を形成する。
そして、接着材ペースト層の上にさらにハニカム焼成体50を載置する。そして、ハニカム焼成体50の上側を向いた側面にさらに接着材ペーストを塗布してさらに接着材ペースト層を形成し、その接着材ペースト層の上に、さらに別のハニカム焼成体50を載置する工程を繰り返すことによって、所定の数のハニカム焼成体の間に接着材ペースト層が形成されてなるハニカム集合体を作製する。
図5は、本実施形態において接着材ペーストA及び接着材ペーストBを塗布する位置を模式的に示す断面図である。
図5中、点線で示す円は、後述する外周加工工程においてセラミックブロックを円柱状に加工する際の切削位置を示している。
接着材ペースト層を形成する際には、作製するハニカム集合体150において4隅に位置する4個のハニカム焼成体間に接着材ペーストBを塗布して接着材ペースト層130を形成する。特に、外周部小ハニカム焼成体となるハニカム焼成体と隣接するハニカム焼成体との間には、接着材ペーストBを塗布して接着材ペースト層130を形成する。
また、中央部ハニカム焼成体となる16個のハニカム焼成体間には接着材ペーストAを塗布して接着材ペースト層120を形成する。
なお、その他の部位に形成する接着材ペースト層の種類は特に限定されないが、本実施形態においては接着材ペーストAを用いて接着材ペースト層120を形成する。
次に、ハニカム集合体を加熱して接着材ペースト層を乾燥、固化させることによって接着材層A及び接着材層Bを形成し、ハニカム焼成体が接着材層を介して複数個結束されてなるセラミックブロックを作製する。
このように2種類の接着材ペーストを適切な位置に塗布して接着材層を形成することによって、特性の異なる接着材層A及び接着材層Bを適切な位置に形成してハニカム焼成体を接着させてセラミックブロックを作製することができる。
続いて、上記ハニカム構造体を製造する全製造工程について説明する。
まず、セラミック粉末とバインダとを含む湿潤混合物を押出成形することによってハニカム成形体を作製する成形工程を行う。
まず、セラミック原料として平均粒子径の異なる炭化ケイ素粉末と、有機バインダと液状の可塑剤と潤滑剤と水とを混合機を用いて混合することにより、ハニカム成形体製造用の湿潤混合物を調製する。
続いて、上記湿潤混合物を押出成形機に投入する。
上記湿潤混合物を押出成形機に投入すると、湿潤混合物は押出成形により所定の形状のハニカム成形体となる。
次に、ハニカム成形体を所定の長さに切断し、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等を用いて乾燥させた後、所定のセルに封止材となる封止材ペーストを充填して上記セルを目封じする封止工程を行う。
なお、切断工程、乾燥工程、封止工程の条件は、従来からハニカム焼成体を作製する際に用いられている条件を適用することができる。
次に、ハニカム成形体中の有機物を脱脂炉中で加熱して除去し、ハニカム脱脂体とする脱脂工程を行い、ハニカム脱脂体を焼成炉に搬送し、焼成工程を行ってハニカム焼成体を作製する。
以上の工程によって、ハニカム焼成体を製造することができる。
なお、脱脂工程及び焼成工程の条件としては、従来からハニカム焼成体を作製する際に用いられている条件を適用することができる。
この後は、上述した結束工程を行ってセラミックブロックを作製し、さらに、セラミックブロックの側面をダイヤモンドカッター等を用いて加工して円柱状にする外周加工工程を行う。
さらに、円柱状としたセラミックブロックの外周に、シール材ペーストを塗布し、乾燥、固化してコート層を形成するコート層形成工程を行う。
なお、上記シール材ペーストを構成する材料としては、上記接着材ペーストA又は接着材ペーストBと同様の材料を好適に用いることができる。また、異なる材料を用いてもよい。
なお、コート層は必ずしも設ける必要はなく、必要に応じて設ければよい。
以上の工程によって、本実施形態のハニカム構造体を製造することができる。
以下、本実施形態のハニカム構造体の作用効果について列挙する。
(1)本実施形態のハニカム構造体は、外周部小ハニカム焼成体と少なくとも1つの他のハニカム焼成体とが熱伝導率の高い接着材層Bを介して接着された外周部ハニカム接着体を有している。
この外周部ハニカム接着体は熱伝導率の高い接着材層Bを介して接着されているため、外周部ハニカム接着体の内部での熱伝導性が高く、温度分布が均一となりやすい。また、外周部小ハニカム焼成体が熱伝導率の低い接着材層で隔てられていないため、外周部小ハニカム焼成体とハニカム構造体の中心部に位置するハニカム焼成体との間に生じる温度差が小さくなる。
そのため、外周部小ハニカム焼成体に大きな熱応力が加わることがなく、外周部小ハニカム焼成体に破損が生じることが防止される。
(2)また、中央部ハニカム焼成体同士がヤング率の低い接着材層Aを介して接着されている。そのため、中央部ハニカム焼成体同士に加わる熱応力が緩和されて、中央部ハニカム焼成体に破損が生じることが防止される。
(実施例1)
以下、本発明の第一実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(ハニカム焼成体の作製工程)
平均粒子径22μmを有する炭化ケイ素の粗粉末52.8重量%と、平均粒子径0.5μmの炭化ケイ素の微粉末22.6重量%とを混合し、得られた混合物に対して、アクリル樹脂2.1重量%、有機バインダ(メチルセルロース)4.6重量%、潤滑剤(日油社(日本油脂社)製 ユニルーブ)2.8重量%、グリセリン1.3重量%、及び、水13.8重量%を加えて混練して湿潤混合物を得た後、押出成形する押出成形工程を行い、図3(a)に示した形状と略同様の形状であって、セルの目封じをしていない生のハニカム成形体を作製した。
次いで、マイクロ波乾燥機を用いて上記生のハニカム成形体を乾燥させ、ハニカム成形体の乾燥体とした後、上記生成形体と同様の組成の封止材ペーストを所定のセルに充填し、封止材ペーストが充填されたハニカム成形体の乾燥体を再び乾燥機を用いて乾燥させた。
ハニカム成形体の乾燥体を400℃で脱脂する脱脂工程を行い、常圧のアルゴン雰囲気下2200℃、3時間の条件で焼成工程を行い、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが34.3mm×34.3mm×150mm、セルの数(セル密度)が300個/inch、セル壁の厚さが0.25mm(10mil)の炭化ケイ素焼結体からなるハニカム焼成体を製造した。
(接着材ペーストBの調製)
接着材ペーストBとして、平均繊維長10μmのアルミナファイバ30重量%、平均粒子径0.6μmの炭化ケイ素粒子21重量%、シリカゾル15重量%、カルボキシメチルセルロース5.6重量%、及び、水28.4重量%を混合、混練して接着材ペーストを調製した。
(接着材ペーストAの調製)
接着材ペーストAとして、アルミナファイバの平均繊維長が50μmである他は接着材ペーストBと同様の組成である接着材ペーストを調製した。
(結束工程)
図4に示すような、断面がV字形状に構成された台の上に上記台のV字形状に沿ってハニカム焼成体を載置して、ハニカム焼成体の上側を向いた側面にスキージを用いて接着材ペーストを塗布して接着材ペースト層を形成した。そして、この接着材ペースト層の上に順次他のハニカム焼成体を積層する工程を繰り返して、36個のハニカム焼成体からなるハニカム集合体を作製した。
この際、図5に示すようにハニカム集合体において4隅に位置する4つのハニカム焼成体間には接着材ペーストBを塗布し、その他のハニカム焼成体間には接着材ペーストAを塗布した。
さらに、このハニカム集合体を120℃で加熱して接着材ペーストを固化させて接着材層A及び接着材層Bを形成して、セラミックブロックを作製した。
形成した接着材層A及び接着材層Bの厚さは1mmであった。
(外周加工工程及びコート層形成工程)
次に、セラミックブロックの外周をダイヤモンドカッターを用いて、直径200mmの円柱状に研削した。
続いて、接着材ペーストAと同じ材料からなるシール材ペーストを用いて、セラミックブロックの外周部に厚さ0.2mmのシール材ペースト層を形成した。そして、このシール材ペースト層を120℃で乾燥して、外周にコート層が形成された円柱状のハニカム構造体を製造した。
(実施例2)
接着材ペーストの調製時に加える水分の量を変更して、平均繊維長10μmのアルミナファイバ27重量%、平均粒子径0.6μmの炭化ケイ素粒子19重量%、シリカゾル14重量%、カルボキシメチルセルロース5重量%、及び、水35重量%を混合、混練して接着材ペーストAを調製した。
この接着材ペーストAの組成は、水以外の成分の配合割合が実施例1における接着材ペーストBと同様の組成である。
この接着材ペーストAを用いた他は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。
(実施例3)
接着材ペーストの調製時に加える無機バインダとして、シリカゾルに代えてリン酸アルミニウムを用いた他は実施例1における接着材ペーストBと同様にして接着材ペーストBを調製した。
この接着材ペーストBを用いた他は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。
(比較例1、2)
比較例1においては、接着材ペーストとして実施例1で用いた接着材ペーストAのみを用いてハニカム構造体を製造した。
また、比較例2においては、接着材ペーストとして実施例1で用いた接着材ペーストBのみを用いてハニカム構造体を製造した。
(ハニカム焼成体の断面積の測定)
各実施例及び各比較例で製造したハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の形状、及び、ハニカム構造体の形状は全て同様であった。そして、図1に示すハニカム構造体の断面図において、中央部ハニカム焼成体60に相当するハニカム焼成体の断面積は、11.8cmであり、外周部小ハニカム焼成体70に相当するハニカム焼成体の断面積は、4.0cmであった。すなわち、外周部小ハニカム焼成体の断面積は中央部ハニカム焼成体の断面積の34%であった。
また、外周部ハニカム接着体90に相当する部分の断面積は、21.3cmであり、中央部ハニカム焼成体の断面積の181%であった。
(ヤング率の測定、熱伝導率の測定)
各実施例及び各比較例で用いた接着材ペーストA、接着材ペーストBを乾燥固化させて、試験用の接着材層A、接着材層Bを作製した。
この試験用の各接着材層について、そのヤング率をオートグラフを用いて測定した。
また、その熱伝導率をレーザーフラッシュ法を用いて測定した。
(サイクル運転に対する耐久性)
各実施例及び各比較例において製造したハニカム構造体について、以下の手順によって、ハニカム構造体に熱応力(熱衝撃)を与えた際のクラックの発生の有無を観察した。
まず、各実施例及び各比較例で製造したハニカム構造体をエンジンの排気通路に配置し、さらにハニカム構造体よりガス流入側に、市販のコージェライトからなるハニカム構造体の触媒担持体(直径:200mm、長さ:100mm、セル密度:400セル/inch、白金担持量:5g/L)を設置して排気ガス浄化装置とし、エンジンを回転数3000min−1、トルク50Nmでパティキュレートを7時間捕集した。パティキュレートの捕集量は、8g/Lであった。
その後、エンジンを回転数1250min−1、トルク60Nmとし、フィルタの温度が一定となった状態で、1分間保持した後、ポストインジェクションを行い、前方にある酸化触媒を利用して排気温度を上昇させ、パティキュレートを燃焼させた。
上記ポストインジェクションの条件は、開始後1分間にハニカム構造体の中心温度が600℃でほぼ一定になるように設定した。そして、上記工程を10回繰り返し、ハニカム焼成体にクラックが生じているか否かを目視観察及び拡大顕微鏡(5倍)による観察により検査した。
表1には、各実施例及び各比較例で用いた接着材ペーストを用いて作製した接着材層のヤング率及び熱伝導率、並びに、ハニカム構造体の耐久性試験の結果をまとめて示した。
Figure 0005234973
その結果、実施例1〜3で製造したハニカム構造体にはクラックが発生していなかった。
一方、比較例1で製造したハニカム構造体には、外周部小ハニカム焼成体にクラックが発生していた。
このクラックは、比較例1で製造したハニカム構造体では外周部小ハニカム焼成体と他のハニカム焼成体とを接着する接着材層の熱伝導率が低く、外周部小ハニカム焼成体に熱が伝わりにくいために発生したものであると推測される。
また、比較例2で製造したハニカム構造体には、中央部ハニカム焼成体にクラックが発生していた。
このクラックは、比較例2で製造したハニカム構造体では中央部ハニカム焼成体同士を接着する接着材層のヤング率が高く、中央部ハニカム焼成体同士に加わる熱応力が緩和されにくいために発生したものであると推測される。
(第二実施形態)
以下、本発明の一実施形態である第二実施形態について説明する。
図6は、第二実施形態のハニカム構造体の一例を模式的に示す断面図である。
本実施形態のハニカム構造体2では、外周部ハニカム接着体91が、2つのハニカム焼成体、すなわち外周部小ハニカム焼成体70及び隣接するハニカム焼成体81からなる。
第二実施形態のハニカム構造体のその他の構成は第一実施形態のハニカム構造体と同様である。
外周部ハニカム接着体91を構成する外周部小ハニカム焼成体70とハニカム焼成体81は接着材層30(接着材層B)を介して接着されている。さらに、外周部ハニカム接着体91の断面積は中央部ハニカム焼成体60の断面積の60%以上となっている。
そのため、本実施形態のハニカム構造体においても、断面積が比較的大きい外周部ハニカム接着体を1つのハニカム焼成体とみなして考えることができる。
すなわち、本実施形態のハニカム構造体には、ハニカム構造体の外周面を構成し、かつ、断面積が小さいハニカム焼成体が存在していないとみなすことができる。
本実施形態のハニカム構造体は、結束工程において形成する接着材層Bの位置を変更する他は第一実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様にして製造することができるため、その製造方法の詳細な説明は省略する。
また、本実施形態のハニカム構造体においても、第一実施形態のハニカム構造体と同様の効果(1)及び(2)を発揮することができる。
(第三実施形態)
以下、本発明の一実施形態である第三実施形態について説明する。
本実施形態のハニカム構造体は、第一実施形態のハニカム構造体と同様であるが、ハニカム構造体の製造方法において、接着材層を形成する方法が異なる。
図7(a)、図7(b)及び図7(c)は、本実施形態の結束工程の一部の工程を模式的に示す説明図である。
本実施形態の結束工程においては、1種類の接着材ペーストを用いて、接着材ペースト層に対して異なる温度で熱処理を行うことによって、特性の異なる接着材層A及び接着材層Bを形成する。
まず、図7(a)に示すように、4つのハニカム焼成体50の間に接着材ペースト層を形成し、次いで120℃で乾燥を行って接着材ペーストを固化させた後に、さらに1000℃で熱処理を行うことによって、接着材層30を形成する。
このとき形成される接着材層は、接着材層Bとなる。
このような手順によって、4つのハニカム焼成体が接着材層Bを介して結束された外周部ハニカム集合体170を作製する。
本実施形態では、外周部ハニカム集合体170を4つ準備する。
また、別途、ハニカム焼成体50を20個準備する(図7(b)参照)。
そして、図7(c)に示すように、ハニカム焼成体50間、及び、ハニカム焼成体50と4つの外周部ハニカム集合体170との間に接着材ペースト層120を形成して、ハニカム集合体160を作製する。
この際に用いる接着材ペーストとしては、接着材層30を形成した際に用いた接着材ペーストと同じものを用いることができる。
次いで、ハニカム構造体を120℃で乾燥して接着材ペースト(接着材ペースト層120)を固化させた後に、さらに500℃で熱処理を行うことによって、接着材層を形成する。このときに形成される接着材層は、接着材層Aとなる。
その他は、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法と同様にして、ハニカム構造体を製造することができる。そのため、その詳細な説明は省略する。
このようにして形成した接着材層Aは低密度の接着材層となり、接着材層Bは高密度の接着材層となる。そして、接着材層Bの熱伝導率及びヤング率は接着材層Aよりも高くなる。
従って、本実施形態のハニカム構造体においても、第一実施形態のハニカム構造体と同様の効果(1)及び(2)を発揮することができる。
(その他の実施形態)
本発明のハニカム構造体は、セルの端部が封止されていなくてもよい。このようなハニカム構造体は、触媒担持体として好適に使用することが可能となる。
また、ハニカム焼成体の形状は、特に限定されるものではないが、ハニカム焼成体同士を結束させてハニカム構造体を作製する際に結束しやすい形状であることが好ましく、その断面形状としては、正方形、長方形、六角形、扇状等が挙げられる。
また、本発明のハニカム構造体の形状は、円柱形状に限定されるものでなく、例えば、楕円柱形状、角柱形状等の任意の形状であっても良い。
また、ハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の数は、上記実施形態のように32個に限定されるものではなく、その他の個数であってもよい。
接着材ペーストに含まれる無機バインダ、無機繊維及び無機粒子は特に限定されるものではないが、接着材ペーストに含まれる無機バインダとしては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機バインダのなかでは、シリカゾルが望ましい。
接着材ペーストに含まれる無機繊維としては、例えば、シリカ−アルミナ、ムライト、アルミナ、シリカ等のセラミックファイバー等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機繊維のなかでは、アルミナファイバが望ましい。
接着材ペーストに含まれる無機粒子としては、例えば、炭化物、窒化物等を挙げることができ、具体的には、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素からなる無機粉末等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機粒子のなかでは、熱伝導性に優れる炭化ケイ素が望ましい。
また、接着材層の熱伝導率及びヤング率を調整するために、接着材ペースト中に微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。接着材層中に空隙が形成されるからである。
バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等が挙げられる。これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。
本発明のハニカム構造体をフィルタとして使用した際、上記ハニカム焼成体の気孔率は特に限定されないが、35〜60%であることが望ましい。
気孔率が35%未満であると、本発明のハニカム構造体がすぐに目詰まりを起こすことがあり、一方、気孔率が60%を超えると、ハニカム焼成体の強度が低下して容易に破壊されることがあるからである。
本発明のハニカム構造体をフィルタとして使用した際、上記ハニカム焼成体の平均気孔径は5〜30μmであることが望ましい。
平均気孔径が5μm未満であると、パティキュレートが容易に目詰まりを起こすことがあり、一方、平均気孔径が30μmを超えると、パティキュレートが気孔を通り抜けてしまい、該パティキュレートを捕集することができず、フィルタとして機能することができないことがあるからである。
なお、上記気孔率及び気孔径は、例えば、水銀圧入法、アルキメデス法、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定等の従来公知の方法により測定することができる。
上記ハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面におけるセル密度は特に限定されないが、望ましい下限は、31.0個/cm(200個/inch)、望ましい上限は、93.0個/cm(600個/inch)、より望ましい下値は、38.8個/cm(250個/inch)、より望ましい上限は、77.5個/cm(500個/inch)である。
また、上記ハニカム焼成体のセル壁の厚さは、特に限定されるものではないが、0.1〜0.4mmであることが望ましい。
ハニカム焼成体の構成材料の主成分は、炭化ケイ素に限定されるわけではなく、他のセラミック原料として、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミック、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミック、アルミナ、ジルコニア、コージェライト、ムライト、チタン酸アルミニウム等の酸化物セラミック等のセラミック粉末が挙げられる。
これらのなかでは、非酸化物セラミックが好ましく、炭化ケイ素が特に好ましい。耐熱性、機械強度、熱伝導率等に優れるからである。なお、上述したセラミックに金属ケイ素を配合したケイ素含有セラミック、ケイ素やケイ酸塩化合物で結合されたセラミック等のセラミック原料も構成材料として挙げられ、これらのなかでは、炭化ケイ素に金属ケイ素が配合されたもの(ケイ素含有炭化ケイ素)が望ましい。
特に、炭化ケイ素を60wt%以上含むケイ素含有炭化ケイ素質セラミックが望ましい。
また、セラミック粉末の粒径は特に限定されないが、後の焼成工程を経て作製されたハニカム焼成体の大きさが、脱脂されたハニカム成形体の大きさに比べて小さくなる場合が少ないものが好ましい。
湿潤混合物における有機バインダとしては特に限定されず、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらのなかでは、メチルセルロースが望ましい。有機バインダの配合量は、通常、セラミック粉末100重量部に対して、1〜10重量部が望ましい。
湿潤混合物における可塑剤は、特に限定されず、例えば、グリセリン等が挙げられる。また、潤滑剤は特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン系化合物等が挙げられる。
潤滑剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンモノブチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノブチルエーテル等が挙げられる。
なお、可塑剤、潤滑剤は、場合によっては、湿潤混合物に含まれていなくてもよい。
また、湿潤混合物を調製する際には、分散媒液を使用してもよく、分散媒液としては、例えば、水、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコール等が挙げられる。
さらに、湿潤混合物中には、成形助剤が添加されていてもよい。
成形助剤としては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等が挙げられる。
さらに、湿潤混合物には、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。
バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等が挙げられる。これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。
セルを封止する封止材ペーストとしては特に限定されないが、後工程を経て製造される封止材の気孔率が30〜75%となるものが望ましく、例えば、湿潤混合物と同様のものを用いることができる。
ハニカム構造体には、排ガスを浄化するための触媒を担持させてもよく、担持させる触媒としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属が望ましく、このなかでは、白金がより望ましい。また、その他の触媒として、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、バリウム等のアルカリ土類金属を用いることもできる。これらの触媒は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
また、接着材ペースト層を形成する方法は、特に限定されるものではなく、作製するセラミックブロックの形状と略同形状の型枠内に各ハニカム焼成体を仮固定した状態とし、接着材ペーストを各ハニカム焼成体間に注入する方法等によって行ってもよい。
1、2 ハニカム構造体
10 接着材層
20 接着材層A
30 接着材層B
50 ハニカム焼成体
51 セル
53 セル壁
60 中央部ハニカム焼成体
70 外周部小ハニカム焼成体
80 他のハニカム焼成体(切断面における断面積が最も大きいハニカム焼成体)
81 他のハニカム焼成体(切断面における断面積が小さいハニカム焼成体)
90、91 外周部ハニカム接着体

Claims (3)

  1. 多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体が、接着材層を介して複数個結束されてなるハニカム構造体であって、
    前記ハニカム焼成体は、前記ハニカム構造体を長手方向に垂直な断面で切断した切断面の中央部に位置する中央部ハニカム焼成体と、前記切断面の外周の一部を構成する外周部ハニカム焼成体とからなり、
    前記外周部ハニカム焼成体の少なくとも1つは、前記切断面における断面積が前記中央部ハニカム焼成体1つの断面積の60%未満である外周部小ハニカム焼成体であり、
    前記外周部小ハニカム焼成体と少なくとも1つの他のハニカム焼成体が接着材層Bを介して接着されてなる外周部ハニカム接着体は、その前記切断面における断面積が、前記中央部ハニカム焼成体1つの断面積の60%以上であり、
    前記中央部ハニカム焼成体同士を接着する接着材層を、接着材層Aとした際に、
    前記接着材層Bの熱伝導率及びヤング率は、前記接着材層Aよりも高いことを特徴とするハニカム構造体。
  2. 前記外周部小ハニカム焼成体は、隣接する複数のハニカム焼成体のうち、前記切断面における断面積が最も大きいハニカム焼成体と前記接着材層Bを介して接着されている請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 前記外周部小ハニカム焼成体以外のハニカム焼成体の間を接着する接着材層は、接着材層Aである請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
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