続いて図面を参照しながら、発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(スタンプ機能)
2.第2の実施の形態(サムネイル機能)
<第1の実施の形態>
[スタンプ機能]
A〜図1Dは、デジタルスチルカメラ100の構成例を示す図である。本発明は画像情報を取り扱う装置全般に係る発明であるが、実施の形態の一例としてデジタスチルカメラの形式を採用する。本発明に係るデジタルスチルカメラ100は、スタンプ用の画像をユーザの好みに応じて表示し、該スタンプ用の画像を写真に貼り付ける機能を有している。
図1Aに示すデジタルスチルカメラ100は正面図であり、デジタルスチルカメラ本体1、シャッターボタン(レリーズボタン)2、電源切り替えボタン3、フラッシュ4及び撮像レンズ5を備えている。
デジタルスチルカメラ本体1の上部にはシャッターボタン2及び電源切り替えボタン3が取り付けられている。デジタルスチルカメラ本体1の正面にはフラッシュ4及び撮像レンズ5が取り付けられている。
デジタルスチルカメラ100は、電源切り替えボタン3がONされると起動する。電源ON後、シャッターボタン2が押下されると、状況に応じてフラッシュ4が閃光を発光して撮像レンズ5が被写体を撮像する。
図1Bに示すデジタルスチルカメラ100は背面図であり、液晶ディスプレイパネル(以下LCDパネルと称する)6、カーソル指示ボタン類(上下左右ボタン+決定ボタン)7及びメニューボタン8を備えている。さらに、LCDパネル表示切り替えボタン9、ズームボタン(”-”ズームダウン、”+”ズームアップ)10及び撮影画像再生ボタン11を備えている。
表示部の一例であるLCDパネル6には、撮影待機時に画像が動画表示される。また、LCDパネル6は、OSD(On Screen Display)によって、撮影に必要となる各種情報の表示を画像に重畳表示する。さらに、LCDパネル6は、透明電極を有したタッチパネルが組み合わされている。これにより、スタイラスや指先などでタッチパネルに圧力を加えることにより操作可能となる。
カーソル指示ボタン類7は、オンスクリーン機能によってLCDパネル6に表示されたアイコンなどを選択する際に操作される。メニューボタン8は、顔検出モードやスタンプ機能などを選択する際に操作される。LCDパネル表示切り替えボタン9は、LCDパネル6の表示画面を動画像や静止画像の表示に切り替える際に操作される。
ズームボタン10は、被写体をズームアップ又はズームダウンする際に操作される。撮影画像再生ボタン11は、過去に撮影した画像を1枚ずつ再生する際に操作される。
図1Cに示すデジタルスチルカメラ100は側面図であり、バッテリ挿入口13、画像記録用メモリカード挿入口14及びUSB端子口15を備えている。図1Dに示すように開閉可能な保護カバー16が装着されているため、バッテリ挿入口13、メモリカード挿入口14及びUSB端子口15は外部からは見えない。バッテリやメモリカードを入れ替えたり、デジタルスチルカメラ100をクライアントコンピュータなどと接続したりするときに保護カバー16を開ける。
続いて、デジタルスチルカメラ100の制御系について説明する。図2は、デジタルスチルカメラ100の制御系の構成例を示すブロック図である。図2に示す撮像レンズ5は、光(被写体の映像)を、CCD(Charge Coupled Device)素子やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)素子などからなる撮像素子17に入射する。撮像レンズ5は、1枚又は複数枚のレンズで構成され、単焦点レンズでもよいし、ズームレンズ等の焦点距離可変のものでもよい。なお、図2の例において、撮像レンズ5以外の光学系、すなわち、例えば、フォーカスレンズや絞り部これらの駆動部などの光学系は、その図示が省略されている。
撮像素子17は、受光した光の強度を電気信号に変換し、アナログ信号処理部18に出力する。アナログ信号処理部18は、サンプリングホールド回路、色分離回路、ゲイン調整回路等を含む。このアナログ信号処理部18において、相関二重サンプリング(CDS)処理並びにR,G,Bの各色信号に色分離処理され、各色信号の信号レベルの調整(プリホワイトバランス処理)が行われる。
アナログ信号処理部18から出力された信号は、A/D(Analog to Digital)変換部19によりデジタル信号の画像データに変換された後、デジタル信号処理部20に供給される。
デジタル信号処理部20は、輝度・色差信号生成回路、γ補正回路、シャープネス補正回路、コントラスト補正回路、ホワイトバランス補正回路等を含む画像処理手段である。デジタル信号処理部20は、CPU(Central Processing Unit)24からの制御のもと、デジタル信号の画像データを処理する。
すなわち、デジタル信号処理部20は、画像データを、輝度信号(Y信号)および色差信号(Cr,Cb信号)に変換するとともに、γ補正等の所定の処理を施した後、処理済みの画像データを内蔵するメモリに格納する。メモリに記憶された画像データは、CPU24の制御のもと、制御バス29を介して読み出され、画像RAM(Random Access Memory)26、物体抽出部28、映像信号生成処理部30などに供給される。なお、撮像レンズ5、撮像素子17、アナログ信号処理部18、A/D変換部19及びデジタル信号処理部20は、撮像部の一例を構成する。
CPU24は、フラッシュメモリ27に記憶され、プログラムRAM25にロードされたプログラムに従って、デジタルスチルカメラ100の各部を制御する。また、CPU24は、被写体を撮影する撮影情報を設定するための操作入力部23から入力されるユーザの操作に対応する信号に従って、デジタルスチルカメラ100の各部を制御する。CPU24は、被写体を撮像する処理を行う各種の処理や、撮像された画像データに対応する画像を表示する各種の処理などを実行する。
例えば、CPU24は、操作入力部23からの電源ONに対応して、撮像素子17を駆動させてデジタル信号処理部20から画像データを取得する。映像信号生成処理部30は、CPU24からの画像データをLCDパネル6に動画表示させる。このとき、物体抽出部28は、画像認識アルゴリズムを用いて画像データから人物の顔や動物等の物体を抽出する。例えば、物体抽出部28は、画像データの輪郭を抽出し、該輪郭が示す物体輪郭情報に基づいて物体画像がいかなる種類の物体であるかを判別して抽出する。例えば、画像データの輪郭線を直線や、円、円弧、楕円などの形状要素に分解してそれらの相対的位置関係から物体画像を判別する。人物の顔を判別する場合、画像データの肌色情報に基づいて抽出する。
CPU24は、ユーザによるシャッターボタン2の半押しに対応して、デジタル信号処理部20からの画像データを用いて、AE(自動露出)処理やAF(オートフォーカス)処理を含めた撮像前処理を実行する。例えば、顔検出モードが選択されている場合、CPU24は、シャッターボタン2が半押しされると、画像データの顔を基準にしてAE処理やAF処理を含めた撮像前処理を実行する。
CPU24は、ユーザによるシャッターボタン2の全押しに対応して、デジタル信号処理部20からの画像データを符号化し、I/O制御部21を介して、メモリカード22に記録する。
ところで、デジタルスチルカメラ100は、自動的にスタンプ画像を生成する自動スタンプ機能を備えている。例えば、ユーザにより操作入力部23から自動スタンプ機能が設定されると、CPU24は、例えば物体抽出部28が抽出した被写体の顔の画像データを画像RAM26に一旦格納するように制御する。CPU24は、ユーザによる選択により、抽出された顔の画像データをメモリカード22に保存させる。このメモリカード22に保存された顔の画像データは、他の画像データに貼り付ける際に使用される。なお、この自動スタンプ機能は、詳細に後述する。
操作入力部23は、図1のシャッターボタン2や、電源切り替えボタン3、カーソル指示ボタン類7、メニューボタン8、不図示のタッチパネルなどで構成され、ユーザの操作に応じた操作信号をCPU24に供給する。例えば、ユーザによりメニューボタン8が押下されると、CPU24は、ソフトスナップなど各種撮影モードや顔検出モードなどをLCDパネル6に表示させる。
プログラムRAM25には、CPU24が各種の処理を実行する上において必要なデータなどが適宜記憶される。画像RAM26には、CPU24が各種の処理を実行する上において必要な画像データが一時的に格納される。
フラッシュメモリ27は記憶部の一例であり、CPU24が実行する制御プログラム、制御プログラムの実行に必要な基本的に固定のパラメータなどを記録している。フラッシュメモリ27は、マスクROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)で構成するようにしてもよい。
CPU24、プログラムRAM25、画像RAM26、およびフラッシュメモリ27は、制御バス29を介して相互に接続されている。また、制御バス29には、フラッシュ4、デジタル信号処理部20、I/O制御部21、物体抽出部28および映像信号生成処理部30も接続されている。
フラッシュ4は、キセノン管などで構成され、CPU24の制御に応じて、外部の光が低照度あるいは低コントラストの場合における撮影の照度を補助するための閃光を発光する。
映像信号生成処理部30は、CPU24の制御に応じて、デジタル信号処理部20または画像RAM26から供給される画像データから、LCDパネル6に表示するための映像信号を生成する。映像信号生成処理部30は、生成した映像信号に対応する映像をLCDパネル6に表示させる。映像信号生成処理部30は、また、CPU24の制御に応じて、警告表示やメニュ表示などのOSDデータを生成し、このOSDデータを、映像信号に重畳してLCDパネル6に表示させる。
I/O制御部21は、CPU24の制御に応じて、デジタル信号処理部20や画像RAM26などから供給される画像データをメモリカード22に記録したり、メモリカード22に記録されている画像データを画像RAM26に供給する。
メモリカード22は、例えば、メモリースティック(登録商標)などで構成され、I/O制御部21に適宜装着される。I/O制御部21は、このメモリカード22に画像データを記録したり、記録されている画像データを読み出したりする。なお、I/O制御部21に接続される記録媒体は、メモリカード22だけに限らず、光ディスクや光磁気ディスクなどのその他の記録媒体であってもよい。
次に、デジタルスチルカメラ100の動作について説明する。画像を撮影時において、撮像レンズ5は、光を撮像素子17に入射する。撮像素子17は、受光した光の強度を電気信号に変換し、アナログ信号処理部18に出力する。撮像素子17より入力された電気信号は、アナログ信号処理部18において、相関二重サンプリング処理並びにR,G,Bの各色信号に色分離処理され、各色信号の信号レベルの調整が行われ、A/D変換部19に供給される。
アナログ信号処理部18から出力された信号は、A/D変換部19によりデジタル信号の画像データに変換された後、デジタル信号処理部20に供給される。デジタル信号処理部20は、画像データを、輝度信号(Y信号)および色差信号(Cr,Cb信号)に変換するとともに、γ補正等の所定の処理を施した後、処理済みの画像データを内蔵するメモリに格納する。
ユーザがシャッターボタン2を半押しした場合、操作入力部23からの操作入力に対応する信号に応じて、CPU24は、撮像素子17により受光されて変換された電気信号が対応する画像データを、デジタル信号処理部20から読み出す。CPU24は、読み出した画像データを映像信号生成処理部30に供給し、LCDパネル6に表示させるとともに、画像RAM26に一旦格納する。ここで顔検出モードが選択されている場合、CPU24は、シャッターボタン2が半押しされると、画像データの顔を基準にしてAE処理やAF処理を含めた撮像前処理を実行する。
ユーザがシャッターボタン2を全押しした場合、操作入力部23からの操作入力に対応する信号に応じて、CPU24は、シャッターボタン2を全押しタイミングで、必要に応じてフラッシュ4を制御し、被写体に向けて閃光を発光させる。また、このとき、CPU24は、撮像素子17によりシャッターボタン2の全押しのタイミングで受光されて変換された電気信号が対応する画像データをデジタル信号処理部20から読み出す。そしてCPU24は、この画像データを映像信号生成処理部30に供給し、LCDパネル6に表示させるとともに、画像RAM26に一旦格納する。
そして、CPU24は、画像RAM26に格納された画像データをJPEG(Joint Photographic Experts Group)などで符号化し、符号化した画像データをI/O制御部21に供給し、メモリカード22に記録させる。
ここで、ユーザにより操作入力部23から自動スタンプ機能を設定すると、物体抽出部28は、撮影情報に応じて被写体の画像データを抽出する。CPU24は、物体抽出部28が抽出した被写体の画像データを画像RAM26に一旦格納すると共にLCDパネル6に表示するように制御する。CPU24は、ユーザによる選択により、抽出された画像データをメモリカード22に保存する。このメモリカード22に保存された画像データは、他の画像データに貼り付ける際に使用される。
続いて、上述した自動スタンプ機能について詳細に説明する。図3は、被写体を撮影する撮影情報を示すテーブル40の構成図である。図3に示すテーブル40は、撮影情報(ユーザ指定情報)が設定されている。この撮影情報として、「撮影モード」、「顔検出」、「スマイルシャッターで撮影」、「セルフタイマー」、「露出モード」、「前後の画像」及び「オートフォーカス」の項目から構成されている。「撮影モード」の項目は、ソフトスナップ、花火及びペットから構成されている。このテーブル40は、フラッシュメモリ27に保存されている。
これらの項目には、スタンプ用に抽出した画像データを図1BのLCDパネル6に表示する際の優先順位が設定されている。この例では、「撮影モード(ソフトスナップ)」が最も優先順位が高く、次に「撮影モード(花火)」の優先順位が高く設定されている。また、「オートフォーカス」が最も優先順位が低く設定されている。
例えば、ユーザが操作入力部23を操作して「撮影モード(ソフトスナップ)」のみを選択した場合、物体抽出部28はピントの合った被写体の画像データを抽出し、LCDパネル6は、このピントの合った被写体の画像データをスタンプ候補として表示する。
また、ユーザが操作入力部23を操作して「撮影モード(ペット)」及び「顔検出(有り)」を選択した場合、物体抽出部28は動物の画像データ及び人物の顔の画像データを抽出する。LCDパネル6はスタンプ候補として、先ず優先順位の高い動物の画像データを表示して、次に人物の顔の画像データを表示する。これにより、ユーザの好みに合ったスタンプ候補の画像データから優先的に提示することができる。
同様に、テーブル40の他の項目「スマイルシャッターで撮影」、「セルフタイマー」、「露出モード」、「前後の画像」及び「オートフォーカス」についても、LCDパネル6はスタンプ候補として、抽出した物体の画像データを優先順位の高い順番に表示する。
続いて、実際に撮影した画像データを用いてデジタルスチルカメラ100の機能例について説明する。図4は、デジタルスチルカメラ100の撮影例を示す図である。図4には、LCDパネル6の画面を拡大して図示している。このLCDパネル6には、人物2名、動物(犬)1匹を撮影した写真が表示されている。この写真は、過去に撮影して図2に示したメモリカード22に保存された画像データを画像RAM26に展開した写真でも良いし、又は現在撮影した画像データを画像RAM26に展開した写真でも良い。
CPU24は、Exifファイルを読み出して写真の付加情報、例えば図3に示した撮影情報を読み取る。この例では、図4に示す写真のExifファイルには、「撮影モード(ペット)」及び「顔検出(有り)」の撮影情報が設定されている。これは、ユーザがメニューボタン8及びカーソル指示ボタン類7を操作して撮影(ペット)モード及び顔検出モードで写真を撮影した場合の例である。
CPU24は、テーブル40を参照して、例えばExifファイルから読み出した「撮影モード(ペット)」及び「顔検出(有り)」の撮影情報における優先順位を取得する。CPU24は、取得した優先順位に基づいて、図5Aに示すように優先リスト41を作成して例えば画像RAM26に保存する。図5Aに示す優先リスト41は、「動物」及び「人物の顔」の項目が優先する順番に昇順に作成されている。
ここで、ユーザがメニューボタン8及びカーソル指示ボタン類7を操作して自動スタンプ機能を実行する。このとき、CPU24は、タグ別の空リストを作成する。例えば、図5Bに示す「動物」を示すタグ42A、「人物の顔」を示すタグ42Bを作成する。このタグとは、画像認識アルゴリズムによって判定することができるオブジェクト(物体)のことである。
CPU24は物体抽出部28を駆動する。物体抽出部28は、画像認識アルゴリズムを用いて、動物の画像データW1を抽出する。CPU24は、物体抽出部28により抽出した動物の画像データW1をタグ42Aに関連付けて画像RAM26に保存する。また、物体抽出部28は、画像認識アルゴリズムを用いて、人物の顔の画像データW1,W2を抽出する。CPU24は、物体抽出部28により抽出した人物の顔の画像データW1,W2をタグ42Bに関連付けて画像RAM26に保存する。CPU24は優先リスト41を参照して、タグ42A,42Bに関連付けられたスタンプ用の各画像データW1〜W3を優先順位に基づいてLCDパネル6に表示する。
図6は、スタンプ用の画像データをLCDパネル6に表示する順番を示す図である。図6に示すLCDパネル6は1画面に、一例としてスタンプ用の画像データを4枚だけ表示する。図6に示すように、左上の表示領域P1に最も優先順位が高い画像データを表示し、右上の表示領域P2に2番目に優先順位が高い画像データを表示する。そして、左下の表示領域P3に3番目に優先順位が高い画像データを表示し、右下の表示領域P4に4番目に優先順位が高い画像データを表示する。画像データが5枚以上の場合は、LCDパネル6の次の画面に表示領域P1〜P4の順番で5枚目以降の画像データを表示する。
図7は、LCDパネル6におけるスタンプ画像の表示例を示す図である。図7に示すLCDパネル6には、スタンプ用の画像データW1〜W3とその枚数を示す情報(3枚)が表示されている。この例で、CPU24は、画像RAM26に保存された優先リスト41を参照して最も優先順位の高いタグ42Aに対応づけられた動物の画像データW1を取得する。CPU24は、この動物の画像データW1と表示位置情報を映像信号生成処理部30に出力する。映像信号生成処理部30は、表示位置情報に基づいて動物の画像データW1をLCDパネル6の表示領域P1に表示する。
次に、CPU24は、画像RAM26に保存された優先リスト41を参照して次に優先順位の高いタグ42Bに対応づけられた人物の顔の画像データW2を取得する。CPU24は、この人物の顔の画像データW2と表示位置情報を映像信号生成処理部30に出力する。映像信号生成処理部30は、表示位置情報に基づいて人物の顔の画像データW2をLCDパネル6の表示領域P2に表示する。
同様に、CPU24は、タグ42Bに対応づけられた人物の顔の画像データW3を取得する。CPU24は、この人物の顔の画像データW3と表示位置情報を映像信号生成処理部30に出力する。映像信号生成処理部30は、表示位置情報に基づいて人物の顔の画像データW3をLCDパネル6の表示領域P3に表示する。
このように、CPU24は、優先リスト41を参照して優先順位の高い順番に各タグに対応づけられた画像データをLCDパネル6に表示するように制御する。これにより、撮影情報に合わせてスタンプ用の画像を自動的にLCDパネル6に表示できる。従って、ユーザは優先順位の高いスタンプ用の画像から選択できるので、ユーザビリティを向上できる。
スタンプ用の画像を選択する場合、ユーザはカーソル指示ボタン類7を操作して、オンスクリーン機能によってLCDパネル6に表示された選択用のアイコンMを移動させる。そして、ユーザはカーソル指示ボタン類7を操作して、スタンプ用の画像データを選択して保存する。例えば、図7に示すようにユーザはカーソル指示ボタン類7を操作して、LCDパネル6の表示領域P1にアイコンMを移動して画像データW1を選択する。選択された画像データW1は、メモリカード22に保存される。
スタンプ用の画像を選択する画面を終了する場合、ユーザはカーソル指示ボタン類7を操作して、選択用のアイコンMを「終了」ボタンQ1に移動させて選択する。なお、スタンプ用の画像が5枚以上の場合は、スタンプ用の画像データの枚数を画面左上に示すと共に、次のページへの移動を促す「次へ」ボタンなどを表示する。ユーザは、この「次へ」ボタンを選択すると、5枚目以降のスタンプ用の画像が優先順位に基づいて次の画面に表示される。
なお、自動スタンプ機能を実行したときに、物体抽出部28がスタンプ用の画像データを抽出できなかった場合、図8に示すようにスタンプ用の画像が見つからなかった旨を表示する。スタンプ用の画像の手動で選択する場合、ユーザはカーソル指示ボタン類7を操作して、選択用のアイコンMを「はい」ボタンQ2に移動させて選択する。この場合、ユーザは、従来のように例えばスタイラスなどのペンで画像を囲ってスタンプ用の画像を作成する。スタンプ用の画像の手動で選択しない場合、ユーザはカーソル指示ボタン類7を操作して、選択用のアイコンMを「いいえ」ボタンQ3に移動させて選択する。
続いて、保存したスタンプ用の画像を他の写真に貼り付ける例を説明する。図9に示すLCDパネル6には、風景を撮影した写真が表示されている。この風景写真の画像データは、CPU24により画像RAM26に展開されている。
ユーザはメニューボタン8及びカーソル指示ボタン類7を操作して、図10に示すようにメモリカード22に保存されたスタンプ用の画像をLCDパネル6に表示する。ユーザはカーソル指示ボタン類7を操作して、オンスクリーン機能によってLCDパネル6に表示された選択用のアイコンMを移動させる。そして、図10に示すようにユーザはカーソル指示ボタン類7を操作して、例えばLCDパネル6の画像データW1にアイコンMを移動して動物の画像データW1を選択する。選択された動物の画像データW1は、CPU24により図11に示すように風景の写真に貼り付けられる。
続いて、図12を参照してデジタルスチルカメラ100の動作例を説明する。図12に示すステップST1で、図2に示したCPU24は、候補とするスタンプ用の画像の上限数を設定する。例えば、CPU24は、フラッシュメモリ27に保存されているデフォルト値、例えば「30」を読み出して上限数に設定する。この上限数は、ユーザが変更可能である。続いてステップST2に移行する。
ステップST2で、CPU24は、Exifファイルを読み出して写真の付加情報、例えば図3に示した撮影情報を読み取って優先リスト41を作成する。例えば、CPU24は、Exifファイルから読み出した「撮影モード(ペット)」及び「顔検出(有り)」の撮影情報に基づいて、図5Aに示したように優先リスト41を作成して例えば画像RAM26に保存する。続いてステップST3に移行する。
ステップST3で、CPU24は、自動スタンプ作成を実行するボタンが押下されたか否かを判定する。この例で、ユーザはメニューボタン8及びカーソル指示ボタン類7を操作して自動スタンプ機能を実行する。自動スタンプ作成を実行するボタンが押下された場合、ステップST4に移行する。
ステップST4で、CPU24は、タグ別の空リストを作成する。例えば、図5Bに示したように「動物」を示すタグ42A、「人物の顔」を示すタグ42Bを作成してステップST5に移行する。
ステップST5で、CPU24hは、優先リスト41の中から、まだ検索されていないタグを検索タグに設定する。この検索タグとは、画像に対して適用している画像認識アルゴリズムの対象を覚えておく変数である。続いてステップST6に移行する。
ステップST6で、CPU24は物体抽出部28を駆動して、検索タグについて画像認識アルゴリズムを適用する。例えば、優先リスト41に「動物」と「人物の顔」のタグが登録されていた場合、タグごとに適用する。続いてステップST7に移行する。
ステップST7で、CPU24は、物体抽出部28により画像認識アルゴリズムを適用した結果、候補となるスタンプ用の画像を抽出できたか否かを判定する。スタンプ用の画像を抽出できた場合ステップST8に移行する。
ステップST8,ST9で、CPU24は、物体抽出部28により抽出したスタンプ用の画像をメモリ上に生成してタグに関連付けて保存する。例えばCPU24は、物体抽出部28により抽出した動物の画像データW1をタグ42Aに関連付けて画像RAM26に保存する。ファイル形式はJPEGなどの形式で良く特に問わない。続いてステップST10に移行する。
ステップST10で、CPU24は、これまでに検出したスタンプ用の画像の数が、ステップST1で設定した上限数を超えたか否かを判定する。スタンプ用の画像の数が、ステップST1で設定した上限数を超えていない場合ステップST6に戻り、上限数を超えている場合ステップST13に移行する。
上述のステップST7で、スタンプ用の画像を抽出できなかった場合、ステップST11に移行する。ステップST11で、CPU24は、優先リスト41の中に画像認識アルゴリズムを適用していないタグが存在するか否かを判定する。優先リスト41の中に画像認識アルゴリズムを適用していないタグが存在する場合、ステップST5に戻る。また、優先リスト41の中に画像認識アルゴリズムを適用していないタグが存在しない場合ステップST12に移行する。
ステップST12で、これまでにスタンプ用の画像を1つ以上、抽出できたか否かを判定する。CPU24は、スタンプ用の画像を1つ以上、抽出できた場合ステップST13に移行する。ステップST13で、CPU24は、優先リスト41に登録されているタグの優先順位に基づいて、タグに関連付けられた画像をLCDパネル6に表示させる。例えば、図7に示したようにCPU24は、優先リスト41を参照して最も優先順位の高いタグ42Aに対応づけられた動物の画像データW1をLCDパネル6の表示領域P1に表示させてスタンプ用の画像の表示処理を終了する。
また、上述のステップST12で、スタンプ用の画像を1つ以上、抽出できなかった場合、ステップST14に移行する。ステップST14で、図8に示したようにスタンプ用の画像が1つも抽出できなかった旨の通知を行い、手動でスタンプ用の画像を囲うか否かを確認する。
このように、本発明に係るデジタルスチルカメラ100によれば、物体画像をLCDパネル6に表示する優先順位を示すテーブル40を参照して撮影情報の優先順位を取得する。そして、この優先順位に基づいて、抽出した物体画像をLCDパネル6に表示する。
この構成によって、撮影した画像の中からスタンプとして登録したい領域を選択する際に、カメラ側からスタンプの候補を提示してくれるので、ユーザがわざわざ領域を囲む手間を省くことができる。また、撮影情報(ユーザ指定情報)を使用してスタンプ候補を提示するため、ユーザの好みに合ったスタンプ候補を優先的に提示することができる。
従来、スタンプ用の画像を切り取る領域を選択するには、ユーザの好みを反映させるために、スタイラスなどでタッチパネル上の画像の領域を囲う必要があった。本発明では、装置側からスタンプの候補を挙げてくれるため、タッチパネルを有しない十字キーモデルにも搭載可能である。
<第2の実施の形態>
[サムネイル機能]
上述したスタンプ用の画像はサムネイルとして、画像を保存するフォルダ(又はディレクトリ)の画像に貼り付けても良い。例えば図13に示すように、動物の写真を格納したフォルダF1に動物の画像データW1を貼り付ける。また、家族などの写真を格納したフォルダF2に人物の顔の画像データW2を貼り付ける。これにより、各フォルダの内容が明確になる。
また、写真全体をそのまま縮小したサムネイルを用いずに、抽出された画像をサムネイルとして用いている。これにより、カメラなどのようにLCDパネル6のサイズがパーソナルコンピュータのモニタなどに比べて小さい場合でも、図13に示すように対象の画像のみを表示できるのでフォルダの内容を明確に判断できる。
6・・・LCDパネル(表示部)、23・・・操作入力部、24・・・CPU(制御部)、27・・・フラッシュメモリ(記憶部)、28・・・物体抽出部、100・・・デジタルスチルカメラ