JP5233386B2 - 溶鋼処理装置用浸漬管 - Google Patents
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Description
このような補強である程度の効果は得られているが、浸漬したキャスタブル耐火物の外周にはスラグや溶鋼が付着し、そのまま使用を継続すると付着が次第に増大し、処理装置近傍に設けたサンプリング装置との干渉や、取鍋縁と衝突を起こしたり、さらには付着した重量で浸漬管を保持しきれず、下部浸漬管耐火物と一緒に取鍋内に落下してしまうというようなトラブルを引き起こす。
(1)スラグが浸漬管の外周部に異常に付着しているため、次の溶鋼処理において浸漬管を取鍋中に浸漬することができない。
(2)スラグ付着によって浸漬管の重量が重くなり、クレーンなどで上下できず、装備の稼働率や安全面での問題がある。
(3)浸漬管の外周部に付着したスラグを機械的に除去する方法として、一般的に、特許文献3や特許文献4に見られるように、王冠状すなわち金属製の切削刃が付いた円筒状のスクレーパが用いられる。しかし、除去作業には正確さが要求され、王冠で除去する際にその王冠の位置決めを誤ると浸漬管の外周部の耐火物を損傷し、損傷部位に吹付補修を行うために耐火物原単位が増加する問題がある。また、損傷が著しい場合には別途準備した浸漬管と交換しなくてはならず不経済である。また、機械的に除去できない場合にはバールなどを用いて人的作業により除去せねばならないが、この作業は危険で、汚れやすく、安全に充分注意する必要がある。
しかし、前記浸漬管でも、まだスラグ付着を完全に防止できるわけではなく、特に付着したスラグを除去する時に、スラグと共に浸漬管の耐火物が一緒に剥離される問題が依然として解決されていない。
ここでスラグライン部とは、溶鋼面に浮ぶスラグ層と接触する浸漬管外周面を言い、スラグ層の厚みや浸漬管の浸漬深さなどによって多少上下する(図1参照)。
(1)上端部にフランジを有する金属製筒体の内外周部に耐火物ライニングが施された溶鋼処理装置用浸漬管であって、当該浸漬管外周面のスラグライン部に使用済みスライディングノズル用プレートを複数枚配置したことを特徴とする溶鋼処理装置用浸漬管。
(2)前記スライディングノズル用プレートを下記の寸法の範囲とし、且つ、該プレート上端が前記フランジと接触する位置に取り付けられたことを特徴とする前記(1)記載の溶鋼処理装置用浸漬管。
Hp;プレートの高さ:350〜550mm
Dp;プレート同士の間隔:50〜200mm
H1;プレート下端から浸漬管下端までの距離:100mm以上
その際、スラグや地金がキャスタブル亀裂内に差し込んでいると、スラグや地金と共に浸漬管耐火物も剥離してしまう。またキャスタブルとスラグや地金が一体となったものは強固であり、その除去装置自体のパワーも大きなものが要求されるため、除去装置もこれに耐えられるよう頑丈に設計しなければならない。
従って、このような問題の対策として、浸漬管表面にスラグや地金が付着し難く、且つスラグ除去のときにスラグと分離し易いように、平滑でしかも硬く強固な面を露出しておくことが望ましい。
SNプレートは、従来は使用後に廃棄していたが、材質がAl2O3コランダムでできており、硬質でしかも表面が滑らかであって、前述の浸漬管スラグラインの耐火物として最適である。
SNプレートは通常、長い八角形をしていて使用中に亀裂が入り、その拡大を防止するため外周をメタルバンドまたはケースで囲っている。この長手方向を浸漬管の上下に配置し、除滓機が上下する方向に合わせて浸漬管に取り付ける。
図において、浸漬管の芯部を構成する金属製筒体のフランジ部を下側にして置き、取り付けたいSNプレートを複数枚フランジの上に乗せ、筒体とSNプレート外周のメタル部を鉄棒で溶接することによりSNプレートを固定する。その後それぞれ内外周全体を囲うように金枠を取り付けてキャスタブルを流し込み施工し、キャスタブルが固まった後に金枠を取り外し、乾燥すれば外周面の所定の位置にSNプレートを配置した浸漬管を製造出来る。出来上がった浸漬管は、反転してフランジ同士をボルトで接続して使用する。
即ち、本発明の効果を発揮させるためには、SNプレート同士の間隔(Dp)が50〜200mmの範囲が最適であることを見出した。この間隔が50mmより小さいとSNプレートのメタルバンドが解け易くなり、この間のキャスタブルが脱落し易くなる。また、この間隔が大きくなるとキャスタブルとスラグが一体化して一緒に剥がれてしまう。
50mm≦浸漬管外周長さ/N−Wp≦200mm
を満足させるように決めればよい。
SNプレートの厚みについては特に限定しないが、付着したスラグ等を除去するときに破損したり剥離しない程度の厚さであればよく、通常廃棄されたSNプレートの厚み(25〜50mm程度)が確保されれば充分である。
図1は本発明の一実施例である。フランジに固定された浸漬管の表面には複数毎のSNプレートがスラグライン部に配置されている。配置されたSNプレートのディメンジョンは以下の通りである。
300t溶鋼処理用のRH脱ガス装置であって、浸漬管の外径が1220mmφのものに11枚のSNプレートを取り付けて使用した。
Hp(プレートの高さ):360mm
Wp(プレートの幅):220mm
Dp(プレート同士の間隔):128mm
H1(プレート下端と浸漬管下端との距離):190mm
図2に示すように、従来は内周耐火物の残存厚みがあるにも拘らず、外周キャスタブルの剥落で交換を余儀なくされ、その寿命が50〜90ヒートと短く、かつバラツキが大きく安定した操業ができていなかった。
それに対して本発明の実施例では、寿命が100〜120ヒートとなり、しかもその交換理由は、溶鋼が通過する内周耐火物の溶損による径拡大が殆どであった。
Claims (2)
- 上端部にフランジを有する金属製筒体の内外周部に耐火物ライニングが施された溶鋼処理装置用浸漬管であって、当該浸漬管外周面のスラグライン部に使用済みスライディングノズル用プレートを複数枚配置したことを特徴とする溶鋼処理装置用浸漬管。
- 前記スライディングノズル用プレートを下記寸法の範囲とし、且つ、該プレート上端が前記フランジと接触する位置に取り付けられたことを特徴とする請求項1記載の溶鋼処理装置用浸漬管。
Hp(プレートの高さ):350〜550mm
Dp(プレート同士の間隔):50〜200mm
H1(プレート下端から浸漬管下端までの距離):100mm以上
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