JP5232561B2 - 品質検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ダイカスト鋳造による鋳造品の良否予測に基づいて該鋳造品の品質を検査する品質検査方法に関する。
従来、ダイカストマシン等の成形機において製品の良否を自動判別する製品良否判定方法としては、予め定められた所定ショット数の試ショット期間中に、予め定められた複数の運転条件モニタ項目の実測値と、製品重量の実測値とを取り込む工程と、各運転条件モニタ項目の実測値と製品重量の実測値とから、各運転条件モニタ項目と製品重量の実測値との相関関係式を多変量解析法の重回帰分析による回帰式として求める工程と、連続自動運転時に、前記相関関係式を用いて前記各運転条件モニタ項目の実測値に基づき1ショット毎に製品重量を予測し、該予測結果が、製品重量の上限値および下限値の範囲内にあるか否かに基づいて製品の良否判定を行う工程とを備えてなるものが知られている(特許文献1参照)。
かかる製品良否判定方法によれば、連続運転時に製品重量の実測値を取り込むことなく、各運転条件モニタ項目の実測値から予測された製品重量を良否判別の基準として良否判定を行う。
特許第2567968号公報
しかしながら、製品重量は製品の良否を判定する1つの要因とはなり得るが、製品重量が予め定められた上限値および下限値の範囲内にあったとしても、該製品が良品であるとは限らない。
加えて、判定精度がどの程度信頼できるものか不明であるため、実際にはすべての鋳造品について鋳造欠陥を検査する必要がある。
以上の事情に鑑みて、本発明は、鋳造品の品質予測に基づいて、効率的に検査を行うことができ、鋳造品の品質を向上させることができる品質検査方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1発明の品質検査方法は、ダイカスト鋳造による鋳造品の良否予測に基づいて該鋳造品の品質を検査する品質検査方法であって、過去の鋳造品に関する鋳造条件および品質検査データをそれぞれ説明変数および目的変数とし、該説明変数と該目的変数の相関性に関する重回帰モデルを構築するモデル構築工程と、構築された重回帰モデルに基づいて、前記説明変数とマハラノビスの平方距離により前記鋳造品が良品である確率(P1)と不良品である確率(P2)とを求め、これらの確率から該鋳造品の良否の予測精度を算出する予測精度算出工程と、前記予測精度算出工程で算出した予測精度が所定値以上となるように、前記良品である確率と前記不良品である確率との確率差の大きさ(|P1−P2|)に対する判定閾値を設定する判定閾値設定工程と、検査する新たな鋳造品が良品である確率と不良品である確率との確率差の大きさと前記判定閾値設定工程で設定された判定閾値との比較結果、および該良品である確率と該不良品である確率との比較結果により、該鋳造品が良品群と、不良品群と、該良品群と該不良品群のいずれにも属しない良否が不明な群のいずれの群に属するか予測する良否予測工程と、前記良否予測工程で良品群および良否が不明な群に属すると予測された鋳造品の良否を検査する検査工程と、前記良否予測工程で不良品群に属すると予測された鋳造品と、前記検査工程で不良品と判定された鋳造品とに対して、不良箇所の改良を施す改良処理工程と、前記改良処理工程で不良箇所が改良された鋳造品の良否を再度判定する再検査工程とを備えることを特徴とする。
第1発明の品質検査方法によれば、過去の鋳造品に関する鋳造条件と品質検査データの相関性に関する重回帰モデルを構築し、これを利用して新たな鋳造品が良品群と不良品群と良否不明な群とのいずれに属するか予測する。具体的には、新たな鋳造品が良品である確率と不良品である確率との確率差の大きさと判定閾値設定工程で設定された判定閾値を比較し、さらに、該良品である確率と該不良品である確率を比較してその鋳造品の良否を予測する。そして、該予測結果に基づいて、以下のように品質検査および不良箇所の改良処理が行われる。
すなわち、良品群および良否不明な群に属すると予測された鋳造品に対しては、これらの群の中に、不良品が含まれていないか品質検査を行う(後述する圧力検査)。そして、検査の結果、不良品と判定された鋳造品に対してのみ、不良箇所の改良を施す(後述する含侵処理)
一方、不良品群に属すると予測された鋳造品は、ほとんどが不良品であり、一部に良品が含まれる。しかし、この中から良品を抽出することは、手間と時間が掛かり煩雑である。そのため、不良品群に属すると予測された鋳造品に対しては、品質検査を行うことなく、不良箇所の改良を施す。
このように鋳造品を3つの群に分類し、いずれの群に属するかに応じて品質検査を行い、または積極的に品質検査を行わないことで、必要な検査を効率的に行うことができる。さらに、いずれの群の中にも含まれ得る不良品に対して、漏れなく不良箇所の改良を施すことができ、鋳造品の品質を向上させることができる。
第2発明の品質検査方法は、第1発明の品質検査方法において、前記良否予測工程は、前記新たな鋳造品に関する確率差の大きさが前記設定された判定閾値以上で、且つ該鋳造品が良品である確率が不良品である確率以下であった場合に、該鋳造品を前記不良品群に属すると予測し、その後、警報処理を行う警報処理工程が実行されることを特徴とする。
第2発明の品質検査方法によれば、新たな鋳造品が良品である確率(P1)と不良品である確率(P2)とのいずれかに偏りがあれば、鋳造品が良品であるか不良品であるか予測可能となる。例えば、P1>>P2であれば良品であると予測することが可能となり、P1<<P2であれば不良品であると予測することが可能となる。ここで、新たな鋳造品に関する確率差の大きさが判定閾値設定工程で設定された判定閾値(T)以上(|P1−P2|≧T)で、且つ良品である確率が不良品である確率以下(P1≦P2)の場合には、該鋳造品が不良品であると予測されるので、例えば、スピーカからブザー音等の警報音を発生させる警報処理工程が実行される。これにより、不良品であると予測された鋳造品について、オペレータに注意を喚起することができる。
本発明の一実施形態として、鋳造品の品質予測方法および該予測方法を用いた鋳造品の品質検査方法を実行する良否判定システムについて、図1〜図8を参照して説明する。
まず、図1を参照して、全体的な構成について説明する。
図1に示すように、本実施の形態の良否判定システムは、鋳造機1に取り付けられた各種センサ2から出力されるデータ信号を収集するデータ収集装置3と、データ収集装置3を介して取得される各種鋳造条件に関するデータを格納する鋳造条件データベース4と、品質検査データの入力が可能に構成された入力部5と、入力部5から入力された品質検査データを格納する品質検査データベース6と、これらデータベース4,6から鋳造品の品質予測のための処理を行う品質予測処理部10と、品質予測処理部10による処理に基づいて、鋳造品の品質検査に関連する処理を行う品質検査処理部20と、品質検査処理部20の処理結果に従って警報を発するスピーカ7とを備える。
鋳造機1は、アルミニウム等の軽金属材料の鋳造を行うダイカストマシンである。各種センサ2は、例えば鋳造機1の鋳型の各部位に設けられた熱電対からなる温度センサ2a,鋳型やピストンに取り付けられた変位計2b、鋳造圧を計測する圧力センサ2c等である。
データ収集装置3は、PLC(Programmable Logic Controller)からなり、各種センサ2から出力されたデータ信号を、鋳造品番号情報等の管理情報と共に記憶保持する。
鋳造条件データベース4は、データ収集装置3に記憶保持されたデータ信号を図示しないA/D変換器等を介してデジタルデータに変換し、該デジタルデータまたは、該デジタルデータに所定のアルゴリズムによる処理を施して得られるデータを鋳造条件として記憶保持する。鋳造条件データベースに記憶保持される鋳造条件としては、例えば、射出ストローク、射出速度、高速区間、高速区間速度、低速区間、低速区間速度、低速昇圧時間、鋳造圧力、最終型締力などが含まれる。また、デジタルデータに対する処理アルゴリズムとしては、例えば、収集した射出速度などの波形データを区間別に要約し、平均・標準偏差などの基本統計量を計算・保存する波形数値化アルゴリズムであり、膨大な波形データを統計処理用に数値化するものである。
入力部5は、キーボード等の入力手段からなり、オペレータによって鋳造品を検査した結果得られた品質検査データ等が手動で入力される。品質検査データは、鋳造品を種々の観点から検査および評価したものであって、例えば、圧力検査による鋳巣の有無や、目視による表面検査、鋳造品の重量検査等の検査結果が含まれる。尚、入力部5をインターフェイスとして構成し、これら品質検査データを自動的に取り込むように構成してもよい。
品質検査データベース6は、入力部5から入力された鋳造品の品質検査データを図示しないA/D変換器等を介してデジタルデータに変換して記憶保持する。
品質予測処理部10は、過去の鋳造条件および品質検査データから、鋳造条件と品質検査データとの間の関係を規定したモデルを作成する処理部であって、モデル構築部11と、予測精度算出部12と、判定閾値設定部13とを備える。
モデル構築部11は、鋳造条件データベース4に記憶保持された複数の鋳造条件と、品質検査データベース6に記憶保持された品質検査データとの間の相関性に関する重回帰モデルを構築する。
予測精度算出部12は、モデル構築部11により構築された重回帰モデルによる予測判定結果と、品質検査データベース6に記憶保持された品質検査データによる実際の良品判定結果との合致度を、重回帰モデルの予測精度として算出する。
判定閾値設定部13は、予測精度算出部12により算出された予測精度が所定の精度以上となるように、重回帰モデルに基づいて鋳造品を良品または不良品と判定する際の判定閾値Tを設定する。
品質検査処理部20は、新たに鋳造を行う際に、品質予測処理部10で構築されたモデルに従って鋳造品の良否を予測する処理部であって、良否予測部21と、警報処理部22とを備える。
良否予測部21は、品質予測処理部10で構築および判定閾値Tが設定された重回帰モデルに従って、新たに鋳造条件データベース4に記憶保持された鋳造条件データベース4から、その鋳造品が良品群と、不良品群と、良否が不明な群とのいずれの群に属するかを予測する。
警報処理部22は、良品予測処理部21の予測判定結果が不良品と予測される場合に、スピーカ7からブザー音等の警報音を発生させると共に、図示しないディプレイやランプ等により視覚的な警報を行う。
なお、本実施形態において、各データベース4,6および各処理部11〜13,21,22は、CPU、ROM、RAM等のハードウェアにより構成され、これらが共通のハードウェアによって構成されていてもよく、これらの一部又は全部が異なるハードウェアによって構成されていてもよい。
次に、図2に示すフローチャートを参照して、品質予測処理部10における処理について説明する。
まず、品質予測処理部10は、鋳造機1における過去のNショットに関して、品質検査データベース6に記憶保持された品質検査データを読み出すと共に(STEP1)、鋳造条件データベース4に記憶保持された鋳造条件を読み出す(STEP2)。
次に、品質予測処理部10に対して、オペレータにより入力部5を介して、除外因子情報や必須因子情報が入力される(STEP3)。除外因子情報および必須因子情報は、鋳造条件データベース4から読み出された過去Nショットに関する鋳造条件に関して、その鋳造材料の特質等から、特に除外すべき条件や必須とすべき条件について指定するものである。
さらに、品質予測処理部10に対して、オペレータにより入力部5を介して、1または複数の品質閾値Xが入力される(STEP4)。品質閾値Xは、鋳造品を良否または不良品と判定するための品質指標であって、例えば、鋳造品における鋳巣の体積に関して、鋳巣体積の閾値を30mmとする。
そして、品質予測処理部10は、入力された品質閾値Xに従って、STEP1で読み出された品質検査データについて、鋳造品を良品と不良品とに層別する(STEP5)。上述のように鋳巣を品質閾値Xとした場合には、鋳巣体積が閾値未満の鋳造品が良品とされ、閾値以上の鋳造品が不良品とされる。
次いで、品質予測処理部10のモデル構築部11は、STEP2で読み出された鋳造条件を各説明変数とし、且つ、STEP5で層別された品質検査データを目的変数とする相関行列を作成する(STEP6)。
そして、モデル構築部11は、STEP6で作成された相関行列で表される相関関係式において、説明変数同士の相関性が高い組み合わせを削除する多重共線性排除処理を実行する(STEP10)。なお、多重共線性排除処理の詳細は、図3を参照して後述する。
さらに、モデル構築部11は、STEP10の処理が施された結果、削除されずに残った説明変数に対して、外れ値の除去処理を実行する(STEP20)。なお、外れ値の除去処理の詳細は、図4を参照して後述する。
次いで、モデル構築部11は、STEP10およびSTEP20の処理が施された相関行列で表される相関関係式から、ステップワイズ法により重回帰モデルを構築する重回帰モデル構築処理を実行する(STEP30)。なお、重回帰モデルの構築処理の詳細は、図5を参照して後述する。
次に、予測精度算出部12は、STEP30で構築された重回帰モデルに基づいて、鋳造条件から該鋳造品が良品である確率P1と不良品である確率P2とを算出し、これらの確率に基づく予測判定結果と、品質検査データベース6に記憶保持された品質検査データによる実際の良品判定結果との合致度を重回帰モデルの予測精度として算出する予測精度算出処理を実行する(STEP40)。なお、予測精度算出処理の詳細は、図6を参照して後述する。
次いで、判定閾値設定部13は、STEP40で算出された予測精度が所定値以上となるように、鋳造品が良品である確率P1と不良品である確率P2との確率差の大きさ|P1−P2|に対する判定閾値Tを設定する判定閾値設定処理を実行する(STEP50)。なお、判定閾値設定処理の詳細は、図7を参照して後述する。
以上が、品質予測処理部10により実行される処理の概要である。
次に、図3に示すフローチャートを参照して、多重共線性排除処理の詳細について説明する。
まず、モデル構築部11は、複数の説明変数のうちの2つの説明変数(因子m,n、但しm≠n)を抽出し、これらの間の相関係数が所定値(例えば、0.7)以上であるか否かを判定する(STEP11)。
そして、相関係数が所定値以上でない場合には(STEP11でNO)、除去因子がないと判定して(STEP12)、他の2つの説明変数の組み合わせについて、同様に、STEP11以下の処理を実行する。
一方、相関係数が所定値以上の場合には(STEP11でYES)、因子nの鋳造品質に対する相関が、因子mの鋳造品質に対する相関よりも大きいか否かを判定する(STEP13)。
そして、因子nの鋳造品質に対する相関が因子mより大きい場合には(STEP13でYES)、鋳造品質に対する相関が低い因子mを除去する(STEP14)。
一方、因子nの鋳造品質に対する相関が因子m以下の場合には(STEP13でNO)、鋳造品質に対する相関が低い因子nを除去する(STEP15)。
次いで、いずれかの因子m,nを除去した後、他の2つの説明変数の組み合わせについて、STEP11以下の処理を繰り返し実行する。
以上が、多重共線性排除処理の詳細である。なお、当該因子がSTEP3で入力された必須因子情報と合致する場合には当該因子は除去されることはなく、当該因子が除去因子情報に合致する場合には、優先して当該因子が除去される。すなわち、STEP3で指定された必須因子情報および除去因子情報は、多重共線性排除処理を行う上での前提条件となっている。
次に、図4に示すフローチャートを参照して、スミルノフ・グラブス検定による外れ値の除去処理の詳細について説明する。
まず、モデル構築部11は、第1の説明変数(因子m=1)を抽出し(STEP21)、因子mの最大値または最小値が外れ値であるか否かを判定する(STEP22)。
具体的に、外れ値の判定は、まず、因子mの大きさをN、因子mの各データをX,X, … ,X とし、標本平均をX´、不偏分散をUとすると、次式に従ってT値を求める。
Figure 0005232561
そして、次式に従って、有意点tを求める。
Figure 0005232561
ここで、式(2)において、αは有意水準である。
そして、T < t のときは、「データのうち、最大(最小)のものは外れ値であるとはいえない。」と判定して、T≧ t のときは、「データのうち、最大(最小)のものは外れ値である。」と判定する。
そして、外れ値であると判定された場合には(STEP22でYES)、当該因子mの該当行を削除し(STEP23)、mをインクリメントして、次の説明変数を抽出する(STEP24)。一方、外れ値ではないと判定された場合には(STEP22でNO)、当該因子mについて何ら操作をすることなく、mをインクリメントして、次の説明変数を抽出する(STEP24)。
次いで、インクリメントしたmが、説明変数の総因子数を超えるか否かを判定する(STEP25)。
そして、mが総因子数を超える場合には(STEP25でYES)、外れ値の除去処理を終了する。一方、mが総因子数を超えない場合には(STEP25でNO)、STEP22にリターンし、一連の処理を繰り返す。
以上が、外れ値の除去処理の詳細である。なお、当該因子がSTEP3で入力された必須因子情報と合致する場合には当該因子は除去されることはなく、当該因子が除去因子情報に合致する場合には、優先して当該因子が除去される。すなわち、STEP3で指定された必須因子情報および除去因子情報は、外れ値の除去処理を行う上での前提条件となっている。
次に、図5に示すフローチャートを参照して、ステップワイズ法による重回帰モデルの構築処理の詳細について説明する。
まず、モデル構築部11は、STEP10およびSTEP20の処理が施された相関行列で表される相関関係式から定数項の係数を求め、定数のみのモデルを構築する(STEP31)。
次いで、定数のみのモデルに対して、各説明変数のうちで追加することで、モデルの当てはまり度の指標となるAICが減少する(当てはまり度合いとしては増加する)因子があるか判定する(STEP32)。
そして、追加することでAICが減少する因子がある場合には(STEP32でYES)、この因子を追加した上で(STEP33)、他の因子についてSTEP32以下の処理を実行する。
一方、追加することでAICが増加する因子がない場合には(STEP32でNO)、逆に、削除することでAIC因子が減少する因子があるか否かを判定する(STEP34)。
そして、削除することでAICが減少する因子がある場合には(STEP34でYES
)、この因子を除去した上で(STEP35)、他の因子についてSTEP32以下の処理を実行する。そして、削除することでAICが減少する因子がなくなった段階で(STEP34でNO)、一連の処理を終了する。
以上が、重回帰モデルの構築処理の詳細である。なお、当該因子がSTEP3で入力された必須因子情報と合致する場合には当該因子はモデルから削除されることはなく、当該因子が除去因子情報に合致する場合には、優先して当該因子が削除される。すなわち、STEP3で指定された必須因子情報および除去因子情報は、重回帰モデルの構築処理を行う上での前提条件となっている。
次に、図6に示すフローチャートを参照して、交差確認法による予測精度算出処理の詳細について説明する。
まず、予測精度算出部12は、第の説明変数(因子n=1)を抽出し(STEP41)、全ショットNのうちからn=1を除いたもので、分散共分散行列S1,S2を計算する(STEP42)。
次いで、n=1のS1,S2に対するマハラノビス距離と、鋳造品が良品である確率P1および不良品である確率P2を求める(STEP43)。具体的に、マハラノビス距離は、分散共分散行列の逆行列を用いてマハラノビスの平方距離を計算することにより求める。また、両群に属する確率P1,P2は、マハラノビスの平方距離が自由度のカイ二乗分布に従うことに基づいて計算する。
次いで、鋳造品が良品である確率P1が、不良品である確率P2より大きいか否かが判定される(STEP44)。
そして、確率P1が確率P2より大きい場合には(STEP44でYES)、鋳造品が良品群に属すると判定して(STEP44−A)、該定結果が、STEP5で層別された品質検査データの良否判定結果(実測群)と合致するか否かが判定される(STEP45)。
一方、確率P1が確率P2以下の場合には(STEP44でNO)、鋳造品が不良品群に属すると判定して(STEP44−B)、該定結果が、STEP5で層別された品質検査データの良否判定結果(実測群)と合致するか否かが判定される(STEP45)。
そして、合致する場合には(STEP45でYES)、成功数および失敗数のカウンタにおいて、成功数のカウンタをインクリメントする(STEP45−A)。一方、合致しない場合には、失敗数のカウンタをインクリメントする(STEP45−B)。
次いで、nがショット数(全ショット数N)を超えるか否かを判定し(STEP46)、nがショット数を超えるまでnをインクリメントした上で(STEP47)、STEP42以下の処理を繰り返し実行する。
以上が、予測精度算出処理の詳細である。これにより、ショット数Nについて、成功数と失敗数を予測精度として算出することができる。
次に、図7を参照して、判定閾値設定処理の詳細について説明する。
まず、判定閾値設定部13は、判定閾値Tを0にセットして(STEP51)、交差確認法による予測精度算出処理(STEP40)で算出した予測精度を取得する(STEP52)。
次いで、鋳造品が良品である確率P1と不良品である確率P2との確率差の大きさ|P1−P2|に対する判定閾値T、取得した予測精度の合致度が70%以上となるか否かを判定する(STEP53)。
そして、合致度が70%以上でない場合には(STEP53でNO)、判定閾値Tを所定の割合増加させる(STEP54)。増加させる所定の割合としては、例えば、確率差の大きさ|P1−P2|の数十%である。
次いで、判定閾値Tを増加させた上で、合致度が70%以上となるまで(STEP53でYES)、STEP52以下の処理を繰り返し実行する。
以上が、判定閾値設定処理の詳細である。
次に、図8に示すフローチャートを参照して、品質検査処理部20における処理について説明する。
まず、品質検査処理部20は、新たに鋳造を行う際に使用した最新ショット用の鋳造条件を鋳造条件データベースから読み出す(STEP61)。さらに、STEP50の判定閾値設定処理で設定された判定閾値Tを読み出す(STEP62)。
そして、良否予測部21は、STEP1で読み出された鋳造条件から、STEP30で構築された重回帰モデルに従い、STEP42および43の処理により、この鋳造品が良品である確率P1と不良品である確率P2とを算出する(STEP63)。なお、STEP63の処理は、良否予測部21に行わせても良いが、システム構成を簡素化するためには、予測精度算出部12に鋳造条件を与えて演算処理させて、演算処理結果を品質検査処理部20に返すようにすることが望ましい。
次いで、良否予測部21は、ここでの確率P1とP2の確率差の大きさ|P1−P2|が、STEP62で読み出された判定閾値T以上となっているか否かを判定する(STEP64)。
そして、確率差の大きさが判定閾値T以上となっている場合には(STEP64でYES)、良品である確率P1が不良品である確率P2よりも大きいか否かを判定する(STEP65)。
ここで、良品である確率P1が不良品である確率P2よりも大きい場合には(STEP65でYES)、良品である確率P1と不良品である確率P2とは、良品である確率P1側に判定閾値Tで規定される大きさ以上の偏りが生じているため、該鋳造品は良品群に属すると予測する(STEP66)。
一方、良品である確率P1が不良品である確率P2よりも大きくない場合には(STEP65でNO)、良品である確率P1と不良品である確率P2とは、不良品である確率P2側に判定閾値Tで規定される大きさ以上の偏りが生じているため、該鋳造品は不良品群に属すると予測する(STEP67)。この場合、警報処理部22は、オペレータに注意喚起をすべく、スピーカ7からブザー音等を出力させ、図示しないディスプレイに鋳造品が不良品に属する可能性がある旨の警報表示等を行う(STEP68)。
さらに、確率差の大きさが判定閾値T以上となっていない場合には(STEP64でNO)、良品である確率P1と不良品である確率P2のいずれか一方の確率に判定閾値Tで規定される大きさほどの偏りが生じているわけではないため、該鋳造品は良否不明な群に属すると判定する(STEP69)。
次いで、良否予測部21により鋳造品の品質が予測されると、オペレータは、良品群に属すると予測された鋳造品および良否不明な群に属すると予測された鋳造品については、圧力検査を行う(STEP70)。圧力検査は、事前に鋳造品の表面を削るプリ加工を施した上で、密封したケース内にエアを導入して圧力洩れを検査する圧力検査装置により行われる。これにより、鋳巣・微細孔のような欠損の有無を検査する。
そして、オペレータは、圧力検査の結果が良品である場合には(STEP71でYES)、該鋳造品は、品質等が所定の条件を満たすものであるとして、一連の処理を終了し、該鋳造品は本加工工程や組み付け工程等へと送られる。
一方、STEP67で不良品群に属すると予測された鋳造品については、圧力検査を行うことなく、すべての鋳造品については含浸処理を行う(STEP72)。含浸処理は、例えば、真空−加圧含浸方式によって鋳巣等の欠陥部に、鋳造材料に対応した含浸液を含浸させる。具体的に、アルミニウムダイカスト鋳造品の場合には、洗浄され乾燥された鋳造品を処理槽にいれ、所定気圧以下になるように処理槽内部を真空にした後、所定の温度に加熱された含浸液を注入し、含浸液が被処理鋳造品を完全に覆い、所定の圧力を加え10〜15分間程度保持することにより処理する。かかる含浸処理を行うことにより、耐圧性、気密性、耐食性などを改善し、機械的強度を向上させることができる。
また、圧力検査の結果が良品と判定されない場合にも(STEP71でNO)、該鋳造品に対して、STEP72の含浸処理が行われる。
そして、含浸処理が行われた鋳造品に対しては、再度、圧力検査が行われる(STEP73)。その結果、良品と判定された場合には(STEP74でYES)には、一連の処理を終了し、該鋳造品は本加工工程や組み付け工程等へと送られる。
一方、検査の結果、良品と判定されない場合には(STEP74でNO)、一連の処理を終了し、該鋳造品は品質等が所定の条件を満たさない規格外品として破棄等される。
以上が、品質検査処理部20における処理の詳細である。
なお、本実施形態では、STEP70,73で圧力検査により、鋳造品の品質検査を行っているが、これに限定されるものではなく、他の検査方法による品質検査を行うようにしてもよい。例えば、CCDカメラ等により鋳造品の表面画像を撮像し、撮像画像から欠陥を検出するようにしてもよく、X線CTデータのような空間離散データにより、内部欠陥を検査するようにしてもよい。
本実施の形態における良否判定システムの全体構成図。 品質予測処理部における処理を示すフローチャート。 多重共線性排除処理を示すフローチャート。 外れ値の除去処理を示すフローチャート。 重回帰モデルの構築処理を示すフローチャート。 予測精度算出処理を示すフローチャート。 判定閾値設定処理を示すフローチャート。 品質検査処理部における処理を示すフローチャート。
符号の説明
1…鋳造機、2…センサ、3…データ収集装置、4…鋳造条件データベース、5…入力部、6…品質検査データベース、7…スピーカ、10…品質予測処理部、11…モデル構築部、12…予測精度算出部、13…判定閾値設定部、20…品質検査処理部、21…良否予測部、22…警報処理部。

Claims (2)

  1. ダイカスト鋳造による鋳造品の良否予測に基づいて該鋳造品の品質を検査する品質検査方法であって、
    過去の鋳造品に関する鋳造条件および品質検査データをそれぞれ説明変数および目的変数とし、該説明変数と該目的変数の相関性に関する重回帰モデルを構築するモデル構築工程と、
    構築された重回帰モデルに基づいて、前記説明変数とマハラノビスの平方距離により前記鋳造品が良品である確率(P1)と不良品である確率(P2)とを求め、これらの確率から該鋳造品の良否の予測精度を算出する予測精度算出工程と、
    前記予測精度算出工程で算出した予測精度が所定値以上となるように、前記良品である確率と前記不良品である確率との確率差の大きさ(|P1−P2|)に対する判定閾値を設定する判定閾値設定工程と、
    検査する新たな鋳造品が良品である確率と不良品である確率との確率差の大きさと前記判定閾値設定工程で設定された判定閾値との比較結果、および該良品である確率と該不良品である確率との比較結果により、該鋳造品が良品群と、不良品群と、該良品群と該不良品群のいずれにも属しない良否が不明な群のいずれの群に属するか予測する良否予測工程と、
    前記良否予測工程で良品群および良否が不明な群に属すると予測された鋳造品の良否を検査する検査工程と、
    前記良否予測工程で不良品群に属すると予測された鋳造品と、前記検査工程で不良品と判定された鋳造品とに対して、不良箇所の改良を施す改良処理工程と、
    前記改良処理工程で不良箇所が改良された鋳造品の良否を再度判定する再検査工程とを備えることを特徴とする品質検査方法。
  2. 請求項1記載の品質検査方法であって、
    前記良否予測工程は、前記新たな鋳造品に関する確率差の大きさが前記設定された判定閾値以上で、且つ該鋳造品が良品である確率が不良品である確率以下であった場合に、該鋳造品を前記不良品群に属すると予測し、その後、警報処理を行う警報処理工程が実行されることを特徴とする品質検査方法。
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